JPWO2019159868A1 - 大腸炎改善剤 - Google Patents
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Abstract
新たな大腸炎改善剤の提供。式(I)で示されるトランス−アスタキサンチン誘導体、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物、それらの光学異性体またはそれらの塩を含有する大腸炎改善剤。(式中、m1、m2、n1およびn2は、それぞれ同じまたは異なって1〜6の整数を意味する。)
Description
本発明はアスタキサンチン誘導体を含有する大腸炎改善剤に関する。
大腸炎は、大腸の炎症性疾患の総称である。(1)発病期間によって急性と慢性に分けられ、急性大腸炎の多くは感染性大腸炎であり、慢性大腸炎は潰瘍(かいよう)性大腸炎やクローン病など非特異性大腸炎の場合が多い。(2)部位や広がりによって、びまん性と限局性に分けられ、びまん性大腸炎は潰瘍性大腸炎、限局性大腸炎はクローン病や腸結核がそれぞれ代表例である。(3)感染の有無からは、感染性と非感染性に分ける。感染性大腸炎は細菌性赤痢、腸チフス、サルモネラ腸炎など、細菌感染による急性大腸炎がほとんどであるが、腸結核やアメーバ症などでは慢性の経過をとる。(4)病因によって特異性と非特異性に分けられる。特異性大腸炎は病因の明確なものの総称で、腸結核、細菌性赤痢、サルモネラ腸炎などが含まれる。非特異性大腸炎は病因が不明で、特発性大腸炎ともよばれ、潰瘍性大腸炎やクローン病が代表例である。(5)このほか、子宮癌(がん)の放射線治療後にみられる難治性の放射線性大腸炎、抗生物質投与による菌交代現象で生ずる大腸炎、動脈硬化症や糖尿病などに併発する虚血性大腸炎、食中毒による感染性大腸炎などがある。
大腸炎は、上記のように原因が多様であるため、治療に使用する薬剤も、原因や症状に応じて各種の薬剤を選択するのが現状であり、根本的治療は確立されていない。中でも潰瘍性大腸炎などの一部の大腸炎は、最近まで有効な薬剤が見出せておらず、治療が困難な難治性疾患として認識されてきた。数年前から5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤が臨床で使用可能となり、従来に比べれば治療が多少しやすくなったとはいえ、さらに十分な効果を有する薬剤が望まれている疾患であることには変わりはない。
このような状況から、より効果の優れた大腸炎治療薬が引き続き望まれている。
このような状況から、より効果の優れた大腸炎治療薬が引き続き望まれている。
一方、アスタキサンチンは、優れた抗酸化活性を有し、光障害疾患領域、眼科疾患領域、皮膚科疾患領域、炎症性疾患領域、免疫疾患領域、心臓疾患領域、悪性腫瘍疾患領域、肝臓疾患領域、腎臓疾患領域、神経変性疾患領域、中毒性疾患領域、アレルギー性疾患領域、インスリン抵抗性疾患領域、糖尿病疾患領域、高脂血症疾患領域、心機能疾患領域、血管系疾患領域等に有用であることが知られている(非特許文献1及び2)。そのアスタキサンチンと同等以上の抗酸化活性を保持しつつ同化合物の水溶性及び経口吸収性を改善した化合物として下記式(I)の化合物が知られている(特許文献1)。
(式中、m1、m2、n1及びn2は、それぞれ同じまたは異なって1〜6の整数を意味する)
特許文献1においては、式(I)の化合物が効果を示し得る疾患として炎症性腸炎の例示があるものの、大腸炎の開示やそれに対する具体的効果の報告は決してなく、ましてや同化合物の潰瘍性大腸炎等の難治性大腸炎に対する改善効果については、全く開示されておらず、知られてもいない。
Alternative Medicine Review, 2000, 16(4), 355-364
Trends in Biotechnology, 2003, 21(5), 210-216
本発明の主な目的は、代表的大腸炎治療薬5-ASA に代替可能で同薬剤と同等またはそれ以上の効果を有する大腸炎改善剤を提供することにある。
本発明者らは、大腸炎改善のための治療薬として新たな治療薬を見出すべく鋭意検討した結果、式(I)で示されるトランス−アスタキサンチン誘導体、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物、それらの光学異性体またはそれらの塩が、大腸炎、中でも潰瘍性大腸炎に対し優れた改善効果を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の発明〔1〕〜〔4〕を提供するものである。
〔1〕式(I)で示されるトランス−アスタキサンチン誘導体、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物、それらの光学異性体またはそれらの塩を含有する大腸炎改善剤。
(式中、m1、m2、n1およびn2は、それぞれ同じまたは異なって1〜6の整数を意味する。)
〔2〕大腸炎改善剤製造のための、前記式(I)で示されるトランス−アスタキサンチン誘導体、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物、それらの光学異性体またはそれらの塩の使用。
〔3〕大腸炎を改善するための、前記式(I)で示されるトランス−アスタキサンチン誘導体、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物、それらの光学異性体またはそれらの塩。
〔4〕前記式(I)で示されるトランス−アスタキサンチン誘導体、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物、それらの光学異性体またはそれらの塩の有効量を投与することを特徴とする大腸炎改善のための治療方法。
〔3〕大腸炎を改善するための、前記式(I)で示されるトランス−アスタキサンチン誘導体、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物、それらの光学異性体またはそれらの塩。
〔4〕前記式(I)で示されるトランス−アスタキサンチン誘導体、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物、それらの光学異性体またはそれらの塩の有効量を投与することを特徴とする大腸炎改善のための治療方法。
本発明の式(I)で示されるトランス−アスタキサンチン誘導体、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物、それらの光学異性体またはそれらの塩は、ヒト、犬、猫、馬などの各種動物全般の大腸炎に対し優れた有効性を有するものであり、式(I)で示されるアスタキサンチン誘導体、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物、それらの光学異性体またはそれらの塩を含有する医薬組成物は大腸炎改善剤として優れたものである。
本発明の改善対象疾患である大腸炎については、前述のごとく、発病期間、部位や広がり、原因等によって分類され、その中で本発明が効果を期待できる疾患としては慢性の大腸炎を、より効果を期待できる疾患としては潰瘍性大腸炎や大腸におけるクローン病などの非特異性大腸炎を挙げることができる。
本発明の改善対象疾患である大腸炎については、前述のごとく、発病期間、部位や広がり、原因等によって分類され、その中で本発明が効果を期待できる疾患としては慢性の大腸炎を、より効果を期待できる疾患としては潰瘍性大腸炎や大腸におけるクローン病などの非特異性大腸炎を挙げることができる。
本発明の大腸炎改善剤は、前記式(I)で表されるトランス−アスタキサンチン誘導体、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物、それらの光学異性体またはそれらの塩を有効成分として含有する。
本発明によって処置し得る対象には、ヒトを含む恒温動物、たとえばイヌ、ネコ、ウマ、サル、ウサギ、ラットまたはマウスが含まれるが、これらに限定されない。
本発明によって処置し得る対象には、ヒトを含む恒温動物、たとえばイヌ、ネコ、ウマ、サル、ウサギ、ラットまたはマウスが含まれるが、これらに限定されない。
(式中、m1、m2、n1およびn2は、それぞれ同じまたは異なって1〜6の整数を示す。)
上記式(I)の化合物の中では、m1およびm2がそれぞれ1の整数であり、n1およびn2がそれぞれ3の整数を示す場合が好ましい。
式(I)にかかる化合物、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物およびそれらの光学異性体は、分子内にカルボキシル基を有することから望まれる塩基物質或いは塩基化合物と通常の塩形成反応をさせることにより薬学上許容される塩を形成することができる。そのような塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;リシン塩、オルニチン塩、アルギニン塩のようなアミノ酸塩を挙げることができ、中でもナトリウム塩、リシン塩を好ましいものとして挙げることができる。
式(I)の化学構造式において、アスタキサンチン基本骨格中の中鎖炭素鎖部分における二重結合部分は化学構造上トランスおよびシスの幾何異性体の構造を取り得る。本発明にかかる有効成分については、式(I)のトランス体のみならず、以下の式(Ia)や式(Ib)に代表されるシス体も本発明にかかる大腸炎改善剤の有効成分として挙げることができる。また、本発明の大腸炎改善剤については、式(I)のトランス体やその幾何異性体であるシス体の各種混合比での混合物も有効成分として含むものである。
(式中、m1、m2、n1およびn2は、前記と同じ意味を有する。)
(式中、m1、m2、n1およびn2は、前記と同じ意味を有する。)
また、式(I)の化合物、その幾何異性体およびそれら幾何異性体の混合物は、以下に代表される光学異性体(IA)を包含し得るものであり、その対掌体やそれらの混合物、ジアステレオマーも全て本発明にかかる大腸炎改善剤の有効成分として包含する。
(式中、m1、m2、n1およびn2は、前記と同じ意味を有する。)
式(I)の化合物、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物およびそれらの光学異性体の中では、上記の式(IA)のトランス体の化合物が好ましい。
また、上記式(IA)のトランス体の化合物中でも、m1およびm2はそれぞれ1の整数を意味しn1およびn2はそれぞれ3の整数を意味する化合物が好ましい。
また、上記式(IA)のトランス体の化合物中でも、m1およびm2はそれぞれ1の整数を意味しn1およびn2はそれぞれ3の整数を意味する化合物が好ましい。
前記のように、式(IA)で示される光学活性トランス−アスタキサンチン誘導体またはその塩がより好ましく、さらに式(IA)で示される光学活性トランス−アスタキサンチン誘導体に対応する光学活性シス−アスタキサンチン誘導体およびその塩を実質的に含有しない高純度の光学活性トランス−アスタキサンチン誘導体またはその塩がさらに好ましい。ここで、本発明にかかる大腸炎改善剤の有効成分を「高純度」で含有するとは、当該有効成分中の純度が少なくとも95%以上、好ましくは98%以上である場合をいう。
本発明にかかる式(I)の化合物、その幾何異性体、それらの光学異性体およびそれらの塩は、国際公開第2015/178404号明細書に記載の製造方法や同方法と公知の方法を適宜組み合わせることにより製造することができる。それらの製造方法の中で、式(I)の化合物の幾何異性体、それらの光学異性体の製造方法について上記式(IA)の光学異性体の製造方法を代表として以下に説明する。
(1A) 脱保護反応
(式中、m1、m2、n1およびn2は、前記と同じ意味を有し、Rは保護基を意味する。)
原料化合物である式(II)の化合物の保護基を脱離することにより、目的とする式(IA)の光学活性のトランス−アスタキサンチン誘導体を製造することができる。
当該脱離反応は、保護基の通常の脱離反応が使用でき、具体的には、酸による脱離反応を挙げることができる。
保護基としては、第三級ブチル基、トリメチルシリル基、テトラヒドロピラニル基等を挙げることができ、好適なものとしては第三級ブチル基、トリメチルシリル基等を挙げることができる。
保護基としては、第三級ブチル基、トリメチルシリル基、テトラヒドロピラニル基等を挙げることができ、好適なものとしては第三級ブチル基、トリメチルシリル基等を挙げることができる。
酸による脱離反応の場合には、式(II)の化合物を不活性な溶媒中、酸を加え反応させることにより、目的とする式(IA)の化合物を製造することができる。
使用される溶媒は、本反応に不活性なものであれば特に限定はなく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルのようなニトリル類;ギ酸エチル、ギ酸イソプロピル、ギ酸イソブチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸ブチルのような有機酸エステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールのようなアルコール類;トリフルオロ酢酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸のような有機酸類;水;またはこれらの溶媒の混合溶媒を挙げることができ、好適には、ハロゲン化炭化水素類、ニトリル類、エーテル類、アルコール類、有機酸類、アミド類、水、またはこれらの溶媒の混合溶媒であり、更に好適には、ハロゲン化炭化水素類、ニトリル類、アルコール類、有機酸類、エーテル類、水またはこれらの溶媒の混合溶媒であり、最も好適には、ハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ギ酸、ジオキサン、テトラヒドロフラン、または水とこれらの有機溶媒の混合溶媒(保護基がC1−C6アルキル基である場合)を挙げることができる。
使用され得る酸は、通常の反応において、酸として使用されるものであれば特に限定はなく、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸、燐酸のような無機酸;酢酸、ギ酸、蓚酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸のような有機酸;塩化亜鉛、四塩化スズ、ボロントリクロリド、ボロントリフルオリド、ボロントリブロミドのようなルイス酸;または酸性イオン交換樹脂であり得、好適には、無機酸または有機酸であり、最も好適には、塩酸、酢酸、ギ酸およびトリフルオロ酢酸を挙げることができる。
反応温度は、反応させる原料化合物や使用する酸、溶媒等により異なるが、通常、−20℃乃至150℃であり、好適には、0℃乃至100℃である。反応時間は、原料化合物、溶媒、反応温度等により異なるが、通常、30分間乃至10日間であり、好適には、30分間乃至5日間である。溶媒の使用量は、通常式(II)の化合物の使用重量に対し10倍乃至50倍容量を使用すればよく、好適には30倍容量使用すればよい。酸の使用量は、原料である式(II)の化合物に対し、無機酸であれば、通常5倍乃至50倍モル量、好適には10倍乃至30倍モル量使用すればよく、有機酸であれば、通常100倍乃至1000倍モル量、好適には200倍乃至600倍モル量使用すればよい。
使用される溶媒は、本反応に不活性なものであれば特に限定はなく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルのようなニトリル類;ギ酸エチル、ギ酸イソプロピル、ギ酸イソブチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸ブチルのような有機酸エステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールのようなアルコール類;トリフルオロ酢酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸のような有機酸類;水;またはこれらの溶媒の混合溶媒を挙げることができ、好適には、ハロゲン化炭化水素類、ニトリル類、エーテル類、アルコール類、有機酸類、アミド類、水、またはこれらの溶媒の混合溶媒であり、更に好適には、ハロゲン化炭化水素類、ニトリル類、アルコール類、有機酸類、エーテル類、水またはこれらの溶媒の混合溶媒であり、最も好適には、ハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ギ酸、ジオキサン、テトラヒドロフラン、または水とこれらの有機溶媒の混合溶媒(保護基がC1−C6アルキル基である場合)を挙げることができる。
使用され得る酸は、通常の反応において、酸として使用されるものであれば特に限定はなく、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸、燐酸のような無機酸;酢酸、ギ酸、蓚酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸のような有機酸;塩化亜鉛、四塩化スズ、ボロントリクロリド、ボロントリフルオリド、ボロントリブロミドのようなルイス酸;または酸性イオン交換樹脂であり得、好適には、無機酸または有機酸であり、最も好適には、塩酸、酢酸、ギ酸およびトリフルオロ酢酸を挙げることができる。
反応温度は、反応させる原料化合物や使用する酸、溶媒等により異なるが、通常、−20℃乃至150℃であり、好適には、0℃乃至100℃である。反応時間は、原料化合物、溶媒、反応温度等により異なるが、通常、30分間乃至10日間であり、好適には、30分間乃至5日間である。溶媒の使用量は、通常式(II)の化合物の使用重量に対し10倍乃至50倍容量を使用すればよく、好適には30倍容量使用すればよい。酸の使用量は、原料である式(II)の化合物に対し、無機酸であれば、通常5倍乃至50倍モル量、好適には10倍乃至30倍モル量使用すればよく、有機酸であれば、通常100倍乃至1000倍モル量、好適には200倍乃至600倍モル量使用すればよい。
以上の脱保護反応により得られる生成物は、前記の9−シス体や13−シス体等の幾何異性体を含有し得るので、カラムクロマトグラフィー、再沈殿や結晶化等の分離、精製手段を目的に応じて適宜組み合わせることにより、同幾何異性体を分離、除去し、目的とする式(IA)の光学活性のトランス−アスタキサンチン誘導体を高純度で単離、製造することができる。
また、分離した前記シス体は、上記の如き精製、分離方法を適宜組み合わせることにより単離取得することができる。
また、分離した前記シス体は、上記の如き精製、分離方法を適宜組み合わせることにより単離取得することができる。
(1B) シス体からトランス体への変換方法
(式中、m1、m2、n1およびn2は、前記と同じ意味を有する。)
本製造法で使用される代表的シス体は上記のごとき式(IAa)および(IAb)の化合物であり、これらは、単独の原料化合物として、或いはシス体の混合物として、或いはシス体を過剰に含むトランス体との混合物として不活性な溶媒に溶解後、ヨウ素等の転換試薬を用いて反応させることにより目的とする式(IA)の高純度の光学活性トランス−アスタキサンチン誘導体を製造することができる。
使用される溶媒は、本反応に不活性なものであれば特に限定はされず、例えばテトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトニトリル、アセトン、水等を挙げることができる。
上記転換試薬として好適に使用されるものとしては、ヨウ素を挙げることができる。
反応温度は、反応させる原料化合物や使用する転換試薬、溶媒等により異なるが、通常、−20℃乃至150℃であり、好適には、10℃乃至100℃である。反応時間は、原料化合物、溶媒、反応温度等により異なるが、通常、30分間乃至10日間であり、好適には、30分間乃至5日間である。溶媒の使用量は、通常式(IAa)または式(IAb)の化合物の使用重量に対し通常10倍乃至50倍容量を使用すればよく、好適には30倍容量使用すればよい。転換試薬の使用量は、原料である式(IAa)または式(IAb)の化合物に対し通常0.01倍モル量以上、好適には0.1倍モル量以上使用すればよい。
上記転換試薬として好適に使用されるものとしては、ヨウ素を挙げることができる。
反応温度は、反応させる原料化合物や使用する転換試薬、溶媒等により異なるが、通常、−20℃乃至150℃であり、好適には、10℃乃至100℃である。反応時間は、原料化合物、溶媒、反応温度等により異なるが、通常、30分間乃至10日間であり、好適には、30分間乃至5日間である。溶媒の使用量は、通常式(IAa)または式(IAb)の化合物の使用重量に対し通常10倍乃至50倍容量を使用すればよく、好適には30倍容量使用すればよい。転換試薬の使用量は、原料である式(IAa)または式(IAb)の化合物に対し通常0.01倍モル量以上、好適には0.1倍モル量以上使用すればよい。
以上の転換反応により得られる生成物において、前記9−シス体や13−シス体等の幾何異性体を分離する方法としては、カラムクロマトグラフィー、再沈殿や結晶化等の方法を挙げることができ、目的に応じてこれらの方法を適宜組み合わせることにより、同幾何異性体を分離し、目的とする式(IA)の光学活性のトランス−アスタキサンチン誘導体を高純度で単離、製造することができる。
また、分離されたシス体も上記の分離手段を適宜組み合わせて用いることにより、夫々のシス体として単離、製造することができる。
また、分離されたシス体も上記の分離手段を適宜組み合わせて用いることにより、夫々のシス体として単離、製造することができる。
次に上記の原料化合物(II)の代表的製造方法を以下に説明する。
(2A) 3S,3’S−アスタキサンチンに側鎖部分全体を直接結合させる方法
(式中、m1およびn1は、前記と同じ意味を有し、Rは保護基(例えば、第三級ブチル基)を意味する。)
3S,3’S−アスタキサンチンを不活性な溶媒に溶解後、縮合試薬存在下、式(I)の化合物における側鎖部分にあたる式(III)の化合物を反応させることにより、式(II)の化合物を製造することができる。
溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の有機溶媒を挙げることができる。
縮合試薬としては、通常の縮合反応に使用されるものを使用することができ、具体例としては水溶性カルボジイミド塩酸塩(例えば、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)、N,N−ジイソプロピルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド等を挙げることができる。縮合試薬の使用量は、原料である3S,3’S−アスタキサンチンに対し通常2倍モル量以上、好適には2.5倍モル量〜20倍モル量使用すればよい。
側鎖部分にあたる式(III)の化合物については、3S,3’S−アスタキサンチンに対し通常2倍モル量以上、好適には2.5倍モル〜20倍モル量使用すればよい。
反応温度は、反応させる原料化合物や使用する縮合試薬、溶媒等により異なるが、通常、−20℃乃至150℃であり、好適には、−10℃乃至100℃である。反応時間は、原料化合物、溶媒、反応温度等により異なるが、通常、30分間乃至10日間であり、好適には、30分間乃至5日間である。溶媒の使用量は、3S,3’S−アスタキサンチンの使用重量に対し通常10倍乃至50倍容量を使用すればよく、好適には30倍容量使用すればよい。
縮合試薬としては、通常の縮合反応に使用されるものを使用することができ、具体例としては水溶性カルボジイミド塩酸塩(例えば、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)、N,N−ジイソプロピルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド等を挙げることができる。縮合試薬の使用量は、原料である3S,3’S−アスタキサンチンに対し通常2倍モル量以上、好適には2.5倍モル量〜20倍モル量使用すればよい。
側鎖部分にあたる式(III)の化合物については、3S,3’S−アスタキサンチンに対し通常2倍モル量以上、好適には2.5倍モル〜20倍モル量使用すればよい。
反応温度は、反応させる原料化合物や使用する縮合試薬、溶媒等により異なるが、通常、−20℃乃至150℃であり、好適には、−10℃乃至100℃である。反応時間は、原料化合物、溶媒、反応温度等により異なるが、通常、30分間乃至10日間であり、好適には、30分間乃至5日間である。溶媒の使用量は、3S,3’S−アスタキサンチンの使用重量に対し通常10倍乃至50倍容量を使用すればよく、好適には30倍容量使用すればよい。
得られる式(II)の化合物は、通常、カラムクロマトグラフィー、再沈殿、再結晶等の精製手段を適宜組み合わせることにより精製、単離することができる。
なお、側鎖部分全体は、以下の方法により製造することができる。
なお、側鎖部分全体は、以下の方法により製造することができる。
(2A−1)
(式中、m1およびn1は、前記と同じ意味を有し、Rは保護基(例えば、第三級ブチル基)を意味する。)
式(IV)の化合物にカルボニルジイミダゾール(V)および式(VII)の化合物を順次反応することにより目的とする式(III)の化合物を製造することができる。
具体的には、式(IV)の化合物を不活性な溶媒中、カルボニルジイミダゾール(V)を塩基等の試薬の存在下或いは非存在下反応させることにより、中間物である式(VI)の化合物を得ることができる。さらに、式(VII)の化合物を塩基等の試薬の存在下トリメチルシリルクロリドと反応させ、次いで式(VI)の化合物と反応させることにより、目的とする式(III)の化合物を製造することができる。
具体的には、式(IV)の化合物を不活性な溶媒中、カルボニルジイミダゾール(V)を塩基等の試薬の存在下或いは非存在下反応させることにより、中間物である式(VI)の化合物を得ることができる。さらに、式(VII)の化合物を塩基等の試薬の存在下トリメチルシリルクロリドと反応させ、次いで式(VI)の化合物と反応させることにより、目的とする式(III)の化合物を製造することができる。
式(VI)の化合物を得る工程では、溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン等の有機溶媒を挙げることができ、これら有機溶媒の使用量は式(IV)の化合物の使用重量に対し通常5倍乃至30倍容量、好適には15倍容量を使用すればよい。
塩基試薬としては、通常の縮合反応に使用されるものを使用することができ、具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン等を挙げることができる。
反応温度は、反応させる原料化合物や使用する試薬、溶媒等により異なるが、通常、−20℃乃至150℃であり、好適には、0℃乃至30℃である。反応時間は、原料化合物、溶媒、反応温度等により異なるが、通常、15分間乃至10日間であり、好適には、30分間乃至2日間を挙げることができる。
目的とする式(III)の化合物を得る工程では、トリメチルシリルクロリドと式(VII)の化合物を反応させる溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、ピリジン等の有機溶媒を挙げることができ、これら有機溶媒の使用量は式(VII)の化合物の使用重量に対し通常5倍乃至50倍容量、好適には20倍容量を使用すればよい。
塩基としては、通常の縮合反応に使用されるものを使用することができ、具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン等を挙げることができる。塩基、試薬の使用量は、原料である式(VI)の化合物に対し通常2倍モル以上、好適には2.5倍モル乃至5.0倍モル使用すればよい。
反応温度は、反応させる原料化合物や使用する試薬、溶媒等により異なるが、通常、−20℃乃至100℃であり、好適には、0℃乃至30℃である。反応時間は、原料化合物、溶媒、反応温度等により異なるが、通常、15分間乃至5日間であり、好適には、30分間乃至2日間を挙げることができる。次いで式(VI)の化合物を加え、反応させるときの反応温度は、反応させる原料化合物や使用する試薬、溶媒等により異なるが、通常、−20℃乃至150℃であり、好適には、10℃乃至60℃である。反応時間は、原料化合物、溶媒、反応温度等により異なるが、通常、30分間乃至10日間であり、好適には、30分間乃至4日間を挙げることができる。
塩基試薬としては、通常の縮合反応に使用されるものを使用することができ、具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン等を挙げることができる。
反応温度は、反応させる原料化合物や使用する試薬、溶媒等により異なるが、通常、−20℃乃至150℃であり、好適には、0℃乃至30℃である。反応時間は、原料化合物、溶媒、反応温度等により異なるが、通常、15分間乃至10日間であり、好適には、30分間乃至2日間を挙げることができる。
目的とする式(III)の化合物を得る工程では、トリメチルシリルクロリドと式(VII)の化合物を反応させる溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、ピリジン等の有機溶媒を挙げることができ、これら有機溶媒の使用量は式(VII)の化合物の使用重量に対し通常5倍乃至50倍容量、好適には20倍容量を使用すればよい。
塩基としては、通常の縮合反応に使用されるものを使用することができ、具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン等を挙げることができる。塩基、試薬の使用量は、原料である式(VI)の化合物に対し通常2倍モル以上、好適には2.5倍モル乃至5.0倍モル使用すればよい。
反応温度は、反応させる原料化合物や使用する試薬、溶媒等により異なるが、通常、−20℃乃至100℃であり、好適には、0℃乃至30℃である。反応時間は、原料化合物、溶媒、反応温度等により異なるが、通常、15分間乃至5日間であり、好適には、30分間乃至2日間を挙げることができる。次いで式(VI)の化合物を加え、反応させるときの反応温度は、反応させる原料化合物や使用する試薬、溶媒等により異なるが、通常、−20℃乃至150℃であり、好適には、10℃乃至60℃である。反応時間は、原料化合物、溶媒、反応温度等により異なるが、通常、30分間乃至10日間であり、好適には、30分間乃至4日間を挙げることができる。
(2B) 3S,3’S−アスタキサンチンに側鎖部分のパーツを順次結合させる方法
(式中、m1、m2、n1およびn2は、前記と同じ意味を有し、Rは保護基(例えば、第三級ブチル基或いはトリメチルシリル基)を意味する。)
本製造方法については、基本、一般式(VII)で示される化合物とカルボニルジイミダゾール(V)を反応させて得られる側鎖部分のパーツ(VIII)を3S,3’S−アスタキサンチンに結合させ、次に、得られた生成物(IX)に側鎖部分のパーツ(XI)を結合させることにより達成できる。
カルボニルジイミダゾール(V)を使用した工程では上記(2A−1)の製造法に示した各種反応条件を同様に使用すればよい。
溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン等の有機溶媒を挙げることができ、これら有機溶媒の使用量は式(VII)の化合物の使用重量に対し通常2倍乃至30倍容量を使用すればよく、好適には7倍容量使用すればよい。
反応温度は、反応させる原料化合物や使用する試薬、溶媒等により異なるが、通常、−20℃乃至150℃であり、好適には、−10℃乃至100℃である。反応時間は、原料化合物、溶媒、反応温度等により異なるが、通常、30分間乃至10日間であり、好適には、30分間乃至5日間を挙げることができる。塩基はトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン等を挙げることができる。
得られる側鎖部分のパーツ(VIII)と3S,3’S−アスタキサンチンとの結合反応については、上記の2Aの反応と同様に反応させることにより、式(IX)の化合物を製造することができる。
溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン等の有機溶媒を挙げることができ、これら有機溶媒の使用量は式(VII)の化合物の使用重量に対し通常2倍乃至30倍容量を使用すればよく、好適には7倍容量使用すればよい。
反応温度は、反応させる原料化合物や使用する試薬、溶媒等により異なるが、通常、−20℃乃至150℃であり、好適には、−10℃乃至100℃である。反応時間は、原料化合物、溶媒、反応温度等により異なるが、通常、30分間乃至10日間であり、好適には、30分間乃至5日間を挙げることができる。塩基はトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン等を挙げることができる。
得られる側鎖部分のパーツ(VIII)と3S,3’S−アスタキサンチンとの結合反応については、上記の2Aの反応と同様に反応させることにより、式(IX)の化合物を製造することができる。
目的とする一般式(II)を得る工程は、上記で得られた一般式(IX)を有する化合物に一般式(XI)を反応させることにより達成できる。本反応は上記一般式(VIII)を製造する方法に準じて行われる。
反応温度は、反応させる原料化合物や使用する試薬、溶媒等により異なるが、通常、−20℃乃至100℃であり、好適には、0℃乃至40℃である。反応時間は、原料化合物、溶媒、反応温度等により異なるが、通常、30分間乃至10日間であり、好適には、30分間乃至30時間を挙げることができる。
なお、一般式(XI)を有する化合物を製造する方法は、(1)Rがt−ブチル基の場合は一般的に知られたアミノ酸のt−ブチルエステルを合成する方法に準じて達成でき、(2)Rがトリメチルシリル基の場合は、一般式(X)を有する化合物とトリメチルシリルクロリドを不活性溶媒中、塩基の存在下に反応させることにより達成できる(前記一般式(III)の化合物を作る方法に準じて達成できる)。(2)の反応は一般的に知られたヒドロキシル基やカルボキシル基をシリル化する方法に準じて達成できる。なお、一般式(XI)におけるRがトリメチルシリル基の場合は一般式(II)を生成する反応の後処理に水或いは弱酸性水を使用することにより、トリメチルシリル基を容易に脱離させることが出来る。
反応温度は、反応させる原料化合物や使用する試薬、溶媒等により異なるが、通常、−20℃乃至100℃であり、好適には、0℃乃至40℃である。反応時間は、原料化合物、溶媒、反応温度等により異なるが、通常、30分間乃至10日間であり、好適には、30分間乃至30時間を挙げることができる。
なお、一般式(XI)を有する化合物を製造する方法は、(1)Rがt−ブチル基の場合は一般的に知られたアミノ酸のt−ブチルエステルを合成する方法に準じて達成でき、(2)Rがトリメチルシリル基の場合は、一般式(X)を有する化合物とトリメチルシリルクロリドを不活性溶媒中、塩基の存在下に反応させることにより達成できる(前記一般式(III)の化合物を作る方法に準じて達成できる)。(2)の反応は一般的に知られたヒドロキシル基やカルボキシル基をシリル化する方法に準じて達成できる。なお、一般式(XI)におけるRがトリメチルシリル基の場合は一般式(II)を生成する反応の後処理に水或いは弱酸性水を使用することにより、トリメチルシリル基を容易に脱離させることが出来る。
得られた生成物を、通常のカラムクロマトグラフィー、再沈殿、再結晶等の精製手段を適宜組み合せて使用することにより、目的とする式(II)の化合物を製造することができる。
本発明に係る式(I)の化合物、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物、それらの光学異性体またはそれらの塩は、経口剤、注射剤、坐剤あるいは肛門から直接薬剤を注入する注腸剤として投与可能である。
ドリンク剤、注射剤、注腸剤などの液剤は、有効成分を必要に応じてpH調製剤、緩衝剤、溶解剤、懸濁剤等、等張化剤、安定化剤、防腐剤などの存在下、通常の製剤化技術を使用して製造すればよい。pH調製剤としては、例えば、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミンなどを挙げることができる。緩衝材としては、例えば、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウムなどを挙げることができる。懸濁剤としては、例えば、ポリソルベート80、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロース、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、アラビアガム、粉末トラガント、ポリビニルピロリドン、モノステアリン酸グリセリンなどを挙げることができる。溶解剤としては、例えば、ポリソルベート80、水添ポリオキシエチレンヒマシ油、ニコチン酸アミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、マクロゴール、ヒマシ油脂肪酸エチルエステル、ワセリン、グリセリン、プロピレングリコールなどを挙げることができる。安定化剤としては、例えば亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、モノエタノールアミンなどを挙げることができる。防腐剤としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、フェノール、クレゾール、クロロクレゾール、塩化ベンザルコニウム、パラベンなどを挙げることができる。
固形の経口剤については錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等いずれの形態で投与されてもよく、有効成分を、薬学的に許容される賦形剤、崩壊剤、結合剤等の医薬添加剤と適宜混合し、通常の製剤化技術を用いることにより製造することができる。
坐剤については、有効成分をワセリン等の汎用される坐剤基剤と組み合わせて通常の製剤化技術を用いることにより製造することができる。
ドリンク剤、注射剤、注腸剤などの液剤は、有効成分を必要に応じてpH調製剤、緩衝剤、溶解剤、懸濁剤等、等張化剤、安定化剤、防腐剤などの存在下、通常の製剤化技術を使用して製造すればよい。pH調製剤としては、例えば、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミンなどを挙げることができる。緩衝材としては、例えば、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウムなどを挙げることができる。懸濁剤としては、例えば、ポリソルベート80、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロース、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、アラビアガム、粉末トラガント、ポリビニルピロリドン、モノステアリン酸グリセリンなどを挙げることができる。溶解剤としては、例えば、ポリソルベート80、水添ポリオキシエチレンヒマシ油、ニコチン酸アミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、マクロゴール、ヒマシ油脂肪酸エチルエステル、ワセリン、グリセリン、プロピレングリコールなどを挙げることができる。安定化剤としては、例えば亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、モノエタノールアミンなどを挙げることができる。防腐剤としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、フェノール、クレゾール、クロロクレゾール、塩化ベンザルコニウム、パラベンなどを挙げることができる。
固形の経口剤については錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等いずれの形態で投与されてもよく、有効成分を、薬学的に許容される賦形剤、崩壊剤、結合剤等の医薬添加剤と適宜混合し、通常の製剤化技術を用いることにより製造することができる。
坐剤については、有効成分をワセリン等の汎用される坐剤基剤と組み合わせて通常の製剤化技術を用いることにより製造することができる。
本発明に係る式(I)の化合物、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物、それらの光学異性体またはそれらの塩を投与する場合には、症状、患者の年齢、体重、性別もしくは一般的な健康状態に応じて、投与方法及び投与製剤を適宜選択すればよい。例えば体重約70kgの温血動物に経口あるいは肛門から投与するとき1日当たり0.01〜1000mg、好ましくは1〜100mg、より好ましくは5〜20mgを1日1回またはそれ以上、例えば、1〜6回で投与すればよい。また、注射剤として投与する場合には、通常成人に対し1日あたり5.0〜80.0mgを静脈内に投与すればよく、症状に応じて適宜増減すればよい。
本発明に係る式(I)の化合物、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物、それらの光学異性体またはそれらの塩は、上記の投与量の範囲においては、安全性においても特に問題はない。
本発明に係る式(I)の化合物、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物、それらの光学異性体またはそれらの塩は、上記の投与量の範囲においては、安全性においても特に問題はない。
以下、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明の範囲は下記実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
本実施例では、大腸炎モデルとして、デキストラン硫酸塩(DSS)を用いたマウスモデルを説明する。DSSをマウスの飲水中に混合し投与することにより体重の増加抑制,血便および貧血などの症状並びに大腸におけるびらんの形成さらに小腸病変を欠くことなどの点でヒト潰瘍性大腸炎に類似した実験的潰瘍性大腸炎モデルが作製できる(非特許文献3)。大腸炎の代表試験モデルとして当モデルにおける大腸炎への化合物Xの抑制効果を検討した。検討項目として、大腸炎による下痢および体重減少からの回復と、DSS誘発性大腸炎による大腸の性状の変化が起こることが広く知られていることから大腸の長さおよび重量で検討した。
なお、本実施例においては、式(I)の化合物の代表として以下の化合物を使用した。以下本実施例では化合物Xとして表記する。
化合物X:
4−(3−{4−[18−(4(S)−[3−(3−カルボキシプロピル)ウレイドアセトキシ]−2,6,6−トリメチル−3−オキソシクロヘキサ−1−エニル)−3,7,12,16−テトラメチルオクタデカ−1(E),3(E),5(E),7(E),9(E),11(E),13(E),15(E),17(E)−ノナエニル]−3,5,5−トリメチル−2−オキソシクロヘキサ−3−エニル−1(S)−オキシカルボニルメチル}ウレイド)酪酸二リシン塩
本実施例では、大腸炎モデルとして、デキストラン硫酸塩(DSS)を用いたマウスモデルを説明する。DSSをマウスの飲水中に混合し投与することにより体重の増加抑制,血便および貧血などの症状並びに大腸におけるびらんの形成さらに小腸病変を欠くことなどの点でヒト潰瘍性大腸炎に類似した実験的潰瘍性大腸炎モデルが作製できる(非特許文献3)。大腸炎の代表試験モデルとして当モデルにおける大腸炎への化合物Xの抑制効果を検討した。検討項目として、大腸炎による下痢および体重減少からの回復と、DSS誘発性大腸炎による大腸の性状の変化が起こることが広く知られていることから大腸の長さおよび重量で検討した。
なお、本実施例においては、式(I)の化合物の代表として以下の化合物を使用した。以下本実施例では化合物Xとして表記する。
化合物X:
4−(3−{4−[18−(4(S)−[3−(3−カルボキシプロピル)ウレイドアセトキシ]−2,6,6−トリメチル−3−オキソシクロヘキサ−1−エニル)−3,7,12,16−テトラメチルオクタデカ−1(E),3(E),5(E),7(E),9(E),11(E),13(E),15(E),17(E)−ノナエニル]−3,5,5−トリメチル−2−オキソシクロヘキサ−3−エニル−1(S)−オキシカルボニルメチル}ウレイド)酪酸二リシン塩
(1)モデル作製
処置は既報(非特許文献2)に従いC57BL/6J、雄性マウスを日本チャールズリバー(株)から購入し、検疫・馴化期間中の一般状態に異常の認められなかった5週齢のマウスを実験に使用した。馴化後、各動物を1ケージに1匹になるように分けた。実験に供したDSSは、分子量36,000〜50,000DaのものをMP Bio Japanから購入した。大腸炎惹起の為に水道水にDSSを3%になる様に加え,懸濁させた。3日に1回調製して、給水としてそれぞれのマウスに自由に与えた。なお、非病態のコントロール群として、DSSを抜いた溶液を給水として与えた。
処置は既報(非特許文献2)に従いC57BL/6J、雄性マウスを日本チャールズリバー(株)から購入し、検疫・馴化期間中の一般状態に異常の認められなかった5週齢のマウスを実験に使用した。馴化後、各動物を1ケージに1匹になるように分けた。実験に供したDSSは、分子量36,000〜50,000DaのものをMP Bio Japanから購入した。大腸炎惹起の為に水道水にDSSを3%になる様に加え,懸濁させた。3日に1回調製して、給水としてそれぞれのマウスに自由に与えた。なお、非病態のコントロール群として、DSSを抜いた溶液を給水として与えた。
(2)処置
5日間のDSS処置後、血便並びに下痢の症状を確認し、病態をスコアリングし均等に以下表1に示す通りに各群に分けた。試験の陽性対照として非特許文献2に従い5−アミノサリチル酸(以下5−ASA,東京化成株式会社)を用いた。群わけ後、表1の各被験物質を0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム(以下CMC、ナカライテスク)溶液で表1の各処置になるよう懸濁し、1日1回経口投与で与えた。DSS処置を行わずさらに化合物X並びに5−ASAの両被験物質の投与を行わないものを対照群Sham群とし、DSS処理のみ行い化合物X並びに5−ASAの両被験物質の投与を行わないものをDSS群とした。これら対照群の群1および2は媒体として使用した0.5%CMC溶液を被験物質として経口投与した。
なお、群分け後の飲水は通常の飲用水とした。
5日間のDSS処置後、血便並びに下痢の症状を確認し、病態をスコアリングし均等に以下表1に示す通りに各群に分けた。試験の陽性対照として非特許文献2に従い5−アミノサリチル酸(以下5−ASA,東京化成株式会社)を用いた。群わけ後、表1の各被験物質を0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム(以下CMC、ナカライテスク)溶液で表1の各処置になるよう懸濁し、1日1回経口投与で与えた。DSS処置を行わずさらに化合物X並びに5−ASAの両被験物質の投与を行わないものを対照群Sham群とし、DSS処理のみ行い化合物X並びに5−ASAの両被験物質の投与を行わないものをDSS群とした。これら対照群の群1および2は媒体として使用した0.5%CMC溶液を被験物質として経口投与した。
なお、群分け後の飲水は通常の飲用水とした。
(3)測定および結果
群No.1は6匹、群No.2〜6は各群10匹で試験を開始した。処置開始後、群No.2〜6に於いてDSSの腸炎と考えられる原因で動物の死亡が観察され、最終的に群No.1および2では6匹、群No.3〜6では5匹の動物を解析に用いた。
(3.1)体重の測定
DSS投与開始日(day-5),DSS投与最終日(day0),被験物質投与3日目,5日目,8日目および10日目に体重の測定を行った。以下、結果を表3および図1に示した。図1に示したように、DSS投与を行わなかった群No.1のSham群は緩やかな体重の増加が認められたのに対し、DSS処置を行った何れの群も被験物質投与3日目まで体重の減少が認められた。その後、何れの群も病態の回復による体重の増加が認められた。陽性対照群である群No.6の5−ASA投与群はDSS投与のみに比較し体重の回復が大きく、100mg/kg/dayの化合物X投与群ではさらに体重の回復が大きかった。従って、化合物XはDSSによる大腸炎の治療効果を有する可能性が示唆された。
群No.1は6匹、群No.2〜6は各群10匹で試験を開始した。処置開始後、群No.2〜6に於いてDSSの腸炎と考えられる原因で動物の死亡が観察され、最終的に群No.1および2では6匹、群No.3〜6では5匹の動物を解析に用いた。
(3.1)体重の測定
DSS投与開始日(day-5),DSS投与最終日(day0),被験物質投与3日目,5日目,8日目および10日目に体重の測定を行った。以下、結果を表3および図1に示した。図1に示したように、DSS投与を行わなかった群No.1のSham群は緩やかな体重の増加が認められたのに対し、DSS処置を行った何れの群も被験物質投与3日目まで体重の減少が認められた。その後、何れの群も病態の回復による体重の増加が認められた。陽性対照群である群No.6の5−ASA投与群はDSS投与のみに比較し体重の回復が大きく、100mg/kg/dayの化合物X投与群ではさらに体重の回復が大きかった。従って、化合物XはDSSによる大腸炎の治療効果を有する可能性が示唆された。
(3.2)血便スコア
体重の回復のみでは単に成長による体重増加を促進した可能性も考えられるため、腸炎による血便の推移を観察することにより治療効果を評価した。DSS投与開始日(day-5),DSS投与最終日(day0),被験物質投与3日目,5日目,8日目および10日目にマウス糞便を観察し、表2の基準に従いスコアリングを行った。
以下結果を表4および図2に示した。DSS投与を行わなかったSham群は正常便のみで異常は全く認められなかったのに対し、DSS処置を行った何れの群も被験物質投与3〜5日目まで血便スコアの悪化が認められた。しかしながら体重の回復と同様にその後速やかな回復が認められた。陽性対照群である5−ASAはDSS投与と血便スコアの時系列的な推移に変化がなかったのに対し、100mg/kg/dayの化合物X投与群では被験物質投与5日目で血便スコアの改善が認められた。従って、化合物XはDSSによる大腸炎の治療作用を有することが血便の観察データからも明らかとなった。
体重の回復のみでは単に成長による体重増加を促進した可能性も考えられるため、腸炎による血便の推移を観察することにより治療効果を評価した。DSS投与開始日(day-5),DSS投与最終日(day0),被験物質投与3日目,5日目,8日目および10日目にマウス糞便を観察し、表2の基準に従いスコアリングを行った。
以下結果を表4および図2に示した。DSS投与を行わなかったSham群は正常便のみで異常は全く認められなかったのに対し、DSS処置を行った何れの群も被験物質投与3〜5日目まで血便スコアの悪化が認められた。しかしながら体重の回復と同様にその後速やかな回復が認められた。陽性対照群である5−ASAはDSS投与と血便スコアの時系列的な推移に変化がなかったのに対し、100mg/kg/dayの化合物X投与群では被験物質投与5日目で血便スコアの改善が認められた。従って、化合物XはDSSによる大腸炎の治療作用を有することが血便の観察データからも明らかとなった。
(3.3)大腸長および重量
一般的に公知の事実としてDSS処置により大腸の長さが短くなる一方重量が増加するなど大腸の組織的な変化が起こることが認知されている。化合物Xの治療効果を評価するにあたって大腸の長さおよび重量を測定した。被験物質投与10日目に麻酔下で安楽死後、解剖を行いマウスの大腸を摘出した。摘出した大腸は速やかにリラックスした状態の長さを計測した。その後、腸管内の糞便を除去し、リン酸緩衝生理食塩水(和光純薬)で充分に洗浄後、湿重量を測定した。大腸の長さを表5および図3に、大腸の湿重量を表5および図4に示した。
一般的に公知の事実としてDSS処置により大腸の長さが短くなる一方重量が増加するなど大腸の組織的な変化が起こることが認知されている。化合物Xの治療効果を評価するにあたって大腸の長さおよび重量を測定した。被験物質投与10日目に麻酔下で安楽死後、解剖を行いマウスの大腸を摘出した。摘出した大腸は速やかにリラックスした状態の長さを計測した。その後、腸管内の糞便を除去し、リン酸緩衝生理食塩水(和光純薬)で充分に洗浄後、湿重量を測定した。大腸の長さを表5および図3に、大腸の湿重量を表5および図4に示した。
大腸の長さを計測すると、群No.1のSham群(平均6.62cm)と比較し群No.2のDSS群(5.40cm)は短いことが明らかになった。群No.3−5の化合物X群および群No.6の5−ASA群は表5および図3に示した通りDSS群より大腸の長さがより長いことが明らかになった。群No.3−5の化合物Xの1および100mg/kg/day投与群では大腸長さの平均値がそれぞれ6.72cm、6.80cmであり、5−ASAは6.54cmであった。従って、化合物Xは大腸の長さに関して5−ASAと同等もしくはそれ以上の効果を有することが明らかになった。大腸の湿重量もsham群(平均184.3mg)と比較しDSS群(269.2mg)はより重い重量を示した。化合物X群および5−ASA群は表5および図4に示した通りDSS群と比較して重量増加が抑制された。化合物Xの100mg/kg/day投与群および5−ASA群はそれぞれ238.6、246.6mgであり、化合物Xは大腸の重量に関して5−ASAと同等もしくはそれ以上の効果を有することが明らかになった。以上のことより、化合物XはDSS大腸炎による大腸の形態的変化を5―ASAと同等もしくはそれ以上の抑制作用を示すことが明らかになった。
(4)まとめ
以上の結果により、化合物XはDSS誘発性大腸炎の諸症状に対して少なくとも5−ASAと同等の改善作用を示したことにより、DSS誘発性大腸炎の治療作用を有することは自明である。また、化合物Xの高濃度群(100mg/kg/day投与群)では、体重回復、血便スコア、大腸長さ、大腸重量ともに改善が5−ASA投与を凌駕しており、既存治療薬である5−ASAよりも化合物XはDSS誘発性大腸炎において優れた治療効果を示すことが明らかになった。
以上の結果により、化合物XはDSS誘発性大腸炎の諸症状に対して少なくとも5−ASAと同等の改善作用を示したことにより、DSS誘発性大腸炎の治療作用を有することは自明である。また、化合物Xの高濃度群(100mg/kg/day投与群)では、体重回復、血便スコア、大腸長さ、大腸重量ともに改善が5−ASA投与を凌駕しており、既存治療薬である5−ASAよりも化合物XはDSS誘発性大腸炎において優れた治療効果を示すことが明らかになった。
(非特許文献3−1)
木村 伊佐美, 永濱 忍, 川崎 真規, 神谷 明美, 片岡 美紀子, ラットにおけるデキストラン硫酸誘発潰瘍性大腸炎モデルに関する基礎的研究(第2報)―薬物の治療効果評価方法に関する検討―, 日本薬理学雑誌, 105 巻(1995) 3 号, p145-152
木村 伊佐美, 永濱 忍, 川崎 真規, 神谷 明美, 片岡 美紀子, ラットにおけるデキストラン硫酸誘発潰瘍性大腸炎モデルに関する基礎的研究(第2報)―薬物の治療効果評価方法に関する検討―, 日本薬理学雑誌, 105 巻(1995) 3 号, p145-152
(非特許文献3−2)
Moul DeyEmail author, Peter Kuhn, David Ribnicky, VummidiGiridhar Premkumar, Kenneth Reuhl and Ilya Raskin, Dietary phenethylisothiocyanate attenuates bowel inflammation in mice, BMC Chemical Biology201010:4
Moul DeyEmail author, Peter Kuhn, David Ribnicky, VummidiGiridhar Premkumar, Kenneth Reuhl and Ilya Raskin, Dietary phenethylisothiocyanate attenuates bowel inflammation in mice, BMC Chemical Biology201010:4
実施例2
本実施例では、大腸炎モデルとして、オキサゾロン(4-エトキシメチレン-2-フェニル-2-オキサゾリン-5-オン、以下Oxa)を用いたマウスモデルを説明する。まず、Oxaを皮膚に塗布し、その後、一定期間を経た後、Oxaを腸内へ投与することにより体重の増加抑制,血便および貧血などの症状並びに大腸におけるびらんや潰瘍の形成をし、症状のみならず関与する免疫細胞がヒト潰瘍性大腸炎と類似した実験的潰瘍性大腸炎モデルが作製できる(非特許文献4)。より潰瘍性大腸炎に近い病態を示す試験モデルとして当モデルにおける大腸炎への化合物Xの抑制効果を検討した。検討項目として、当モデルにおいても大腸の性状の変化が起こることが広く知られていることから大腸の長さおよび重量で検討した。
本実施例では、大腸炎モデルとして、オキサゾロン(4-エトキシメチレン-2-フェニル-2-オキサゾリン-5-オン、以下Oxa)を用いたマウスモデルを説明する。まず、Oxaを皮膚に塗布し、その後、一定期間を経た後、Oxaを腸内へ投与することにより体重の増加抑制,血便および貧血などの症状並びに大腸におけるびらんや潰瘍の形成をし、症状のみならず関与する免疫細胞がヒト潰瘍性大腸炎と類似した実験的潰瘍性大腸炎モデルが作製できる(非特許文献4)。より潰瘍性大腸炎に近い病態を示す試験モデルとして当モデルにおける大腸炎への化合物Xの抑制効果を検討した。検討項目として、当モデルにおいても大腸の性状の変化が起こることが広く知られていることから大腸の長さおよび重量で検討した。
(1)モデル作製
処置は既報(非特許文献5)に従いBalb/c、雄性マウスを日本チャールズリバー(株)から購入し、検疫・馴化期間中の一般状態に異常の認められなかった8週齢のマウスを実験に使用した。馴化後、各動物を1ケージに1匹になるように分けた。実験に供したOxaはSigmaから購入した。
麻酔下で頚背部の毛を1.5x1.5cm 刈り、肩部間の皮膚に3%(wt/vol)Oxa 150μL(100%エタノール溶液)をピペットで添加し塗って感作させた(Day1)。その通常の飼育環境で飼育し、Day7から16時間絶食(給水は継続)ののちDay8 に麻酔下においてカテーテルを用いて経肛門的に直腸内(肛門から3.5cm)へ1% (wt/vol) Oxa の50%エタノール溶液を100μL投与した。以上の処置を以下Oxa処理と記載した。処置後は通常の摂餌飼育を行った。
処置は既報(非特許文献5)に従いBalb/c、雄性マウスを日本チャールズリバー(株)から購入し、検疫・馴化期間中の一般状態に異常の認められなかった8週齢のマウスを実験に使用した。馴化後、各動物を1ケージに1匹になるように分けた。実験に供したOxaはSigmaから購入した。
麻酔下で頚背部の毛を1.5x1.5cm 刈り、肩部間の皮膚に3%(wt/vol)Oxa 150μL(100%エタノール溶液)をピペットで添加し塗って感作させた(Day1)。その通常の飼育環境で飼育し、Day7から16時間絶食(給水は継続)ののちDay8 に麻酔下においてカテーテルを用いて経肛門的に直腸内(肛門から3.5cm)へ1% (wt/vol) Oxa の50%エタノール溶液を100μL投与した。以上の処置を以下Oxa処理と記載した。処置後は通常の摂餌飼育を行った。
(2)処置
Oxaの直腸内投与の翌日から被験物質を経口投与した(1 日1 回、6 日間)。なお、試験の陽性対照として潰瘍性大腸炎の治療に用いられる抗炎症剤である5−アミノサリチル酸(以下5−ASA,東京化成株式会社)およびプレドニゾロン(以下、PSL、Sigma)を用いた。群わけ後、表6の各被験物質を0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム(以下CMC、ナカライテスク)溶液で表6の各処置になるよう懸濁し、1日1回経口投与で与えた。Oxa処置を行わずさらに化合物X並びに陽性対象となる被験物質の投与を行わないものを対照群Sham群(群No.1)とし、Oxa処理のみ行い化合物X並びに5−ASAの両被験物質の投与を行わないものをVehicle群(群No.2)とした。これら対照群の群1および2は媒体として使用した0.5%CMC溶液を被験物質として経口投与した。
Oxaの直腸内投与の翌日から被験物質を経口投与した(1 日1 回、6 日間)。なお、試験の陽性対照として潰瘍性大腸炎の治療に用いられる抗炎症剤である5−アミノサリチル酸(以下5−ASA,東京化成株式会社)およびプレドニゾロン(以下、PSL、Sigma)を用いた。群わけ後、表6の各被験物質を0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム(以下CMC、ナカライテスク)溶液で表6の各処置になるよう懸濁し、1日1回経口投与で与えた。Oxa処置を行わずさらに化合物X並びに陽性対象となる被験物質の投与を行わないものを対照群Sham群(群No.1)とし、Oxa処理のみ行い化合物X並びに5−ASAの両被験物質の投与を行わないものをVehicle群(群No.2)とした。これら対照群の群1および2は媒体として使用した0.5%CMC溶液を被験物質として経口投与した。
(3)測定および結果
群No.1は6匹、群No.2〜6は各群9匹で試験を開始した。処置開始後、群No.2〜6に於いてOxa処置による腸炎と考えられる原因で動物の死亡が観察され、最終的に群No.1および3では6匹、群No.2および6では5匹、群No.4および5では7匹の動物を解析に用いた。
(3.1)大腸長および重量
一般的に公知の事実としてOxa処置により大腸の長さが短くなる一方で重量が増加するなど大腸の組織的な変化が起こることが認知されている。化合物Xの治療効果を評価するにあたって大腸の長さおよび重量を測定した。Oxa処置後7日目に麻酔下で安楽死後、解剖を行いマウスの大腸を摘出した。摘出した大腸は速やかにリラックスした状態の長さを計測した。その後、腸管内の糞便を除去し、リン酸緩衝生理食塩水(和光純薬)で充分に洗浄後、湿重量を測定した。大腸の長さおよび単位長さあたりの大腸の湿重量を表7に示した。
群No.1は6匹、群No.2〜6は各群9匹で試験を開始した。処置開始後、群No.2〜6に於いてOxa処置による腸炎と考えられる原因で動物の死亡が観察され、最終的に群No.1および3では6匹、群No.2および6では5匹、群No.4および5では7匹の動物を解析に用いた。
(3.1)大腸長および重量
一般的に公知の事実としてOxa処置により大腸の長さが短くなる一方で重量が増加するなど大腸の組織的な変化が起こることが認知されている。化合物Xの治療効果を評価するにあたって大腸の長さおよび重量を測定した。Oxa処置後7日目に麻酔下で安楽死後、解剖を行いマウスの大腸を摘出した。摘出した大腸は速やかにリラックスした状態の長さを計測した。その後、腸管内の糞便を除去し、リン酸緩衝生理食塩水(和光純薬)で充分に洗浄後、湿重量を測定した。大腸の長さおよび単位長さあたりの大腸の湿重量を表7に示した。
大腸の長さを計測すると、群No.1のSham群(平均9.00cm)と比較し群No.2のVehicle群(7.18cm)は短いことが明らかになり、Oxa処置による大腸の形態変化が観察された。群No.3−4の化合物X群および群No.5の5−ASA群および群No.6のPSL群は表7に示した通りVehicle群より大腸の長さがより長いことが明らかになった。群No.3−4の化合物Xの3mg/kg/day投与群および10mg/kg/day投与群では大腸長さの平均値がそれぞれ8.72cm、8.74cmであり、5−ASAは7.41cm、PSLは8.20cmであった。従って、化合物Xは大腸の長さに関して5−ASA以上でPSLと同等もしくはそれ以上の効果を有することが明らかになった。大腸の湿重量もsham群(平均2.31mg)と比較しVehicle群(4.21mg)はより重い重量を示した。群No.3−4の化合物X群および群No.5の5−ASA群および群No.6のPSL群は表7に示した通りVehicle群と比較して重量増加が抑制された。化合物Xの3mg/kg/day投与群および10mg/kg/day投与群、5−ASA群そしてPSL処置群はそれぞれ3.44、2.80 、4.12、3.37mg/mmであり、化合物Xは大腸の重量に関して5−ASA以上でPSLと同等もしくはそれ以上の効果を有することが明らかになった。以上のことより、化合物XはOxa処置による大腸炎における大腸の形態的変化を5―ASAやPSLと同等もしくはそれ以上の抑制作用を示すことが明らかになった。
(4)まとめ
以上の結果により、化合物XはOxa誘発性大腸炎の諸症状に対して少なくとも5−ASAやPSLと同等もしくはそれ以上の改善作用を示したことにより、Oxa誘発性大腸炎の治療作用を有することは自明である。また、化合物Xの各濃度群(3および10mg/kg/day投与群)では、大腸長さ、大腸重量ともに改善が5−ASA投与を凌駕しておりステロイドであるPSLと同等もしくはそれ以上であり、既存治療薬である5−ASAやPSLよりも化合物XはOxa誘発性大腸炎において優れた治療効果を示すことが明らかになった。
以上の結果により、化合物XはOxa誘発性大腸炎の諸症状に対して少なくとも5−ASAやPSLと同等もしくはそれ以上の改善作用を示したことにより、Oxa誘発性大腸炎の治療作用を有することは自明である。また、化合物Xの各濃度群(3および10mg/kg/day投与群)では、大腸長さ、大腸重量ともに改善が5−ASA投与を凌駕しておりステロイドであるPSLと同等もしくはそれ以上であり、既存治療薬である5−ASAやPSLよりも化合物XはOxa誘発性大腸炎において優れた治療効果を示すことが明らかになった。
(非特許文献4)
Heller F, Fuss IJ, Nieuwenhuis EE, Blumberg RS, Strober W., Oxazolone colitis, a Th2 colitis model resembling ulcerative colitis, is mediated by IL-13-producing NK-T cells., Immunity.17(5):629-38 (2002)
(非特許文献5)
Wirtz S, Popp V, Kindermann M, Gerlach K, Weigmann B, Fichtner-Feigl S, Neurath MF., Chemically induced mouse models of acute and chronic intestinal inflammation., Nat Protoc. 12(7):1295-1309(2017).
Heller F, Fuss IJ, Nieuwenhuis EE, Blumberg RS, Strober W., Oxazolone colitis, a Th2 colitis model resembling ulcerative colitis, is mediated by IL-13-producing NK-T cells., Immunity.17(5):629-38 (2002)
(非特許文献5)
Wirtz S, Popp V, Kindermann M, Gerlach K, Weigmann B, Fichtner-Feigl S, Neurath MF., Chemically induced mouse models of acute and chronic intestinal inflammation., Nat Protoc. 12(7):1295-1309(2017).
(化合物Xの製造例)
以下の記載における化学構造式中のアスタキサンチン骨格中鎖炭素鎖部分における幾何異性体は便宜的に全トランス体の化学構造式で示す。
以下の記載における化学構造式中のアスタキサンチン骨格中鎖炭素鎖部分における幾何異性体は便宜的に全トランス体の化学構造式で示す。
(3.1) 4−(イミダゾール−1−イルカルボニルアミノ)酪酸t−ブチル(本化学名中、tは第三級を意味する。以下、同様とする。)の合成:
カルボニルジイミダゾール(9.95kg)に塩化メチレン(79.6kg)を加えて、撹拌し、4−アミノ酪酸t−ブチル塩酸塩(8.0kg)の塩化メチレン(53.1kg)溶液を−5〜5℃で加え、反応混合物を同温度で30分間撹拌した。15〜25℃に加温し、同温度で1時間撹拌した。反応混合物に、水(40kg)を加えて、撹拌し、有機層を分離した。得られた溶液を5%食塩水(42.1kg)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、標記粗生成物(濃縮残分、10.4kg)を得た。
NMRスペクトル(δppm、CDCl3):8.22(1H、s)、7.92(1H、br)、7.28(1H、d、J=0.8Hz)、7.05(1H、d、J=0.8Hz)、3.45(2H、dt、J=6.0、6.0Hz)、2.40(2H、t、J=6.4)、1.92(2H、tt、J=6.4、6.4Hz)、1.44(9H、s)。
マススペクトル(+ESI、m/z):254.00(M+H)+。
NMRスペクトル(δppm、CDCl3):8.22(1H、s)、7.92(1H、br)、7.28(1H、d、J=0.8Hz)、7.05(1H、d、J=0.8Hz)、3.45(2H、dt、J=6.0、6.0Hz)、2.40(2H、t、J=6.4)、1.92(2H、tt、J=6.4、6.4Hz)、1.44(9H、s)。
マススペクトル(+ESI、m/z):254.00(M+H)+。
(3.2) 4−(3−カルボキシメチルウレイド)酪酸t−ブチルの合成:
4−(イミダゾール−1−イルカルボニルアミノ)酪酸t−ブチル(上記(3.1)の化合物)(10.4kg)に塩化メチレン(185.7kg)、グリシン(7.4kg)、トリエチルアミン(8.3kg)を加えて、撹拌し、−5〜5℃でクロロトリメチルシラン(8.9kg)を加え、該反応混合物を15〜30℃で60時間撹拌した。反応混合物を減圧で濃縮し、酢酸エチル(208kg)、塩酸(5.66kg)と20%食塩水(106kg)の混合液を加えて、撹拌し、有機層を分離した。得られた溶液を塩酸(5.66kg)と20%食塩水(106kg)の混合液で洗浄した。水層を酢酸エチル(57.4kg)で抽出し、有機層と抽出液を合わせた。得られた溶液を20%食塩水(100kg)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。酢酸エチル(14.4kg)を加えて、撹拌し、45〜55℃で均一溶液とした。該溶液を20〜30℃に冷却し、n−ヘプタン(108.7kg)を滴下し、結晶の析出を確認後、1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、標記化合物(7.98kg、純度99.2%)を白色結晶として得た。
なお、生成物の純度は、高速液体クロマトグラフィー(カラム:株式会社ワイエムシィ製 YMC−Triart C18 ExRS 及び移動相:アセトニトリル/pH8のリン酸塩緩衝液=3/7、流速:1mL/min、検出波長:210nm)を用いて、決定した。
NMRスペクトル(δppm、CDCl3):6.16(1H、t、J=5.6Hz)、6.01(1H、t、J=5.6Hz)、3.67(2H、d、J=6.0Hz)、2.97(2H、dt、J=6.4、6.4Hz)、2.17(2H、t、J=7.2Hz)、1.56(2H、tt、J=7.2、7.2Hz)、1.39(9H、s)。
マススペクトル(+ESI、m/z):260.92(M+H)+。
なお、生成物の純度は、高速液体クロマトグラフィー(カラム:株式会社ワイエムシィ製 YMC−Triart C18 ExRS 及び移動相:アセトニトリル/pH8のリン酸塩緩衝液=3/7、流速:1mL/min、検出波長:210nm)を用いて、決定した。
NMRスペクトル(δppm、CDCl3):6.16(1H、t、J=5.6Hz)、6.01(1H、t、J=5.6Hz)、3.67(2H、d、J=6.0Hz)、2.97(2H、dt、J=6.4、6.4Hz)、2.17(2H、t、J=7.2Hz)、1.56(2H、tt、J=7.2、7.2Hz)、1.39(9H、s)。
マススペクトル(+ESI、m/z):260.92(M+H)+。
(3.3) 4−(3−{4−[18−(4(S)−[3−(3−t−ブトキシカルボニルプロピル)ウレイドアセトキシ]−2,6,6−トリメチル−3−オキソシクロヘキサ−1−エニル)−3,7,12,16−テトラメチルオクタデカ−1(E),3(E),5(E),7(E),9(E),11(E),13(E),15(E),17(E)−ノナエニル]−3,5,5−トリメチル−2−オキソシクロヘキサ−3−エニル−1(S)−オキシカルボニルメチル}ウレイド)酪酸t−ブチルの合成:
3(S),3’(S)−アスタキサンチン(1.8kg)、4−(3−カルボキシメチルウレイド)酪酸t−ブチル(上記(3.2)の化合物)(2.75kg)に、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(2.95kg)及び塩化メチレン(71.6kg)を加えて、撹拌し、溶液とした。該溶液に−5〜5℃で1−(3-ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(4.63kg)を加え、同温度で4時間撹拌した。反応混合物に水(3.6kg)を加えて、撹拌し、更に、酢酸エチル(48.4kg)を加えて、撹拌し、減圧下にて濃縮した。濃縮残渣に酢酸エチル(48.4kg)、水(45kg)を加えて、撹拌し、有機層を分離した。得られた溶液を塩酸水(0.3M、46.4kg)で3回、10%食塩水(45.9kg)、炭酸水素ナトリウム水溶液(約7%、48.2kg)、20%食塩水(45kg)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下にて濃縮乾固し、標記化合物(濃縮残渣、3.26kg、純度98.1%)を得た。
なお、生成物の純度は、高速液体クロマトグラフィー(カラム:株式会社ワイエムシィ製 YMC−TriartC18 ExRS 及び移動相:0.025%トリフルオロ酢酸入りアセトニトリル/0.025%トリフルオロ酢酸水=30〜98/70〜2、流速:1mL/min、検出波長:474nm)を用いて、決定した。
NMRスペクトル(δppm、CDCl3):6.18−6.72(14H、m)、5.56(2H、dd、J=6.4、13.2Hz)、5.04(2H、t、J=5.3Hz)、4.81(2H、t、5.7Hz)、4.25(2H、dd、J=18.1、6.6Hz)、4.03(2H、dd、J=18.3、4.6Hz)、3.19−3.26(4H、m)、2.29(4H、t、J=7.3Hz)、2.02−2.13(4H、m)、1.99(12H、s)、1.90(3H、s)、1.76−1.83(4H、m)、1.44(18H、s)、1.34(6H、s)、1.23(6H、s)。
マススペクトル(+ESI、m/z):1081.88(M+H)+、1103.67(M+Na)+。
なお、生成物の純度は、高速液体クロマトグラフィー(カラム:株式会社ワイエムシィ製 YMC−TriartC18 ExRS 及び移動相:0.025%トリフルオロ酢酸入りアセトニトリル/0.025%トリフルオロ酢酸水=30〜98/70〜2、流速:1mL/min、検出波長:474nm)を用いて、決定した。
NMRスペクトル(δppm、CDCl3):6.18−6.72(14H、m)、5.56(2H、dd、J=6.4、13.2Hz)、5.04(2H、t、J=5.3Hz)、4.81(2H、t、5.7Hz)、4.25(2H、dd、J=18.1、6.6Hz)、4.03(2H、dd、J=18.3、4.6Hz)、3.19−3.26(4H、m)、2.29(4H、t、J=7.3Hz)、2.02−2.13(4H、m)、1.99(12H、s)、1.90(3H、s)、1.76−1.83(4H、m)、1.44(18H、s)、1.34(6H、s)、1.23(6H、s)。
マススペクトル(+ESI、m/z):1081.88(M+H)+、1103.67(M+Na)+。
(3.4) 4−(3−{4−[18−(4(S)−[3−(3−カルボキシプロピル)ウレイドアセトキシ]−2,6,6−トリメチル−3−オキソシクロヘキサ−1−エニル)−3,7,12,16−テトラメチルオクタデカ−1(E),3(E),5(E),7(E),9(E),11(E),13(E),15(E),17(E)−ノナエニル]−3,5,5−トリメチル−2−オキソシクロヘキサ−3−エニル−1(S)−オキシカルボニルメチル}ウレイド)酪酸の合成:
4−(3−{4−[18−(4(S)−[3−(3−t−ブトキシカルボニルプロピル)ウレイドアセトキシ]−2,6,6−トリメチル−3−オキソシクロヘキサ−1−エニル)−3,7,12,16−テトラメチルオクタデカ−1(E),3(E),5(E),7(E),9(E),11(E),13(E),15(E),17(E)−ノナエニル]−3,5,5−トリメチル−2−オキソシクロヘキサ−3−エニル−1(S)−オキシカルボニルメチル}ウレイド)酪酸t−ブチル(上記(3.3)の化合物)(18.12g)にギ酸(272mL)を加えて、25〜35℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(1087mL)に加えて、撹拌し、酢酸エチル(1087mL)を加えて、撹拌し、有機層を分離した。有機層を水(543mL)で2回、10%食塩水(543.4g)で2回、順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。濃縮残渣をテトラヒドロフラン(81.1mL)、水(8.11mL)で溶解し、該溶液にアセトニトリル(486.8mL)を滴下し、固体の析出を確認した後、1時間撹拌した。析出した固体を濾取、乾燥し、標記化合物(4.48g、純度90.7%)を暗紫〜暗赤色固体として得た。
なお、生成物の純度は、高速液体クロマトグラフィー(カラム:株式会社ワイエムシィ製 YMC−TriartC18 ExRS 及び移動相:0.025%トリフルオロ酢酸入りアセトニトリル/0.025%トリフルオロ酢酸水=30〜98/70〜2、流速:1mL/min、検出波長:474nm)を用いて、決定した。
なお、生成物の純度は、高速液体クロマトグラフィー(カラム:株式会社ワイエムシィ製 YMC−TriartC18 ExRS 及び移動相:0.025%トリフルオロ酢酸入りアセトニトリル/0.025%トリフルオロ酢酸水=30〜98/70〜2、流速:1mL/min、検出波長:474nm)を用いて、決定した。
(3.5) 4−(3−{4−[18−(4(S)−[3−(3−カルボキシプロピル)ウレイドアセトキシ]−2,6,6−トリメチル−3−オキソシクロヘキサ−1−エニル)−3,7,12,16−テトラメチルオクタデカ−1(E),3(E),5(E),7(E),9(E),11(E),13(E),15(E),17(E)−ノナエニル]−3,5,5−トリメチル−2−オキソシクロヘキサ−3−エニル−1(S)−オキシカルボニルメチル}ウレイド)酪酸の合成:
4−(3−{4−[18−(4(S)−[3−(3−カルボキシプロピル)ウレイドアセトキシ]−2,6,6−トリメチル−3−オキソシクロヘキサ−1−エニル)−3,7,12,16−テトラメチルオクタデカ−1(E),3(E),5(E),7(E),9(E),11(E),13(E),15(E),17(E)−ノナエニル]−3,5,5−トリメチル−2−オキソシクロヘキサ−3−エニル−1(S)−オキシカルボニルメチル}ウレイド)酪酸(上記(3.4)の粗生成物)(4.0g)に、テトラヒドロフラン(18.4mL)、水(2.0mL)を加え、撹拌し、溶解した。該溶液にアセトニトリル(60mL)を滴下し、固体の析出を確認した後、1時間撹拌した。析出した固体を濾取、乾燥し、暗紫〜暗赤色固体を得た(3.31g、純度96.9%)。得られた固体(3.26g)に、テトラヒドロフラン(15.0mL)、水(1.6mL)を加え、撹拌し、溶解した。該溶液にアセトニトリル(49mL)を滴下し、固体の析出を確認した後、1時間撹拌した。析出した固体を濾取、乾燥し、暗紫〜暗赤色固体を得た(2.93g、純度98.9%)。得られた固体(2.38g)に、テトラヒドロフラン(10.9mL)、水(1.2mL)を加え、撹拌し、溶解した。該溶液にアセトニトリル(36mL)を滴下し、固体の析出を確認した後、1時間撹拌した。析出した固体を濾取、乾燥し、標記化合物(2.18g、純度99.3%)を暗紫〜暗赤色固体として得た。
なお、生成物の純度は、高速液体クロマトグラフィー(カラム:株式会社ワイエムシィ製 YMC−TriartC18 ExRS 及び移動相:0.025%トリフルオロ酢酸入りアセトニトリル/0.025%トリフルオロ酢酸水=30〜98/70〜2、流速:1mL/min、検出波長:474nm)を用いて、決定した。
なお、生成物の純度は、高速液体クロマトグラフィー(カラム:株式会社ワイエムシィ製 YMC−TriartC18 ExRS 及び移動相:0.025%トリフルオロ酢酸入りアセトニトリル/0.025%トリフルオロ酢酸水=30〜98/70〜2、流速:1mL/min、検出波長:474nm)を用いて、決定した。
(3.6) 4−(3−{4−[18−(4(S)−[3−(3−カルボキシプロピル)ウレイドアセトキシ]−2,6,6−トリメチル−3−オキソシクロヘキサ−1−エニル)−3,7,12,16−テトラメチルオクタデカ−1(E),3(E),5(E),7(E),9(E),11(E),13(E),15(E),17(E)−ノナエニル]−3,5,5−トリメチル−2−オキソシクロヘキサ−3−エニル−1(S)−オキシカルボニルメチル}ウレイド)酪酸二リシン塩;化合物Xの合成:
4−(3−{4−[18−(4(S)−[3−(3−カルボキシプロピル)ウレイドアセトキシ]−2,6,6−トリメチル−3−オキソシクロヘキサ−1−エニル)−3,7,12,16−テトラメチルオクタデカ−1(E),3(E),5(E),7(E),9(E),11(E),13(E),15(E),17(E)−ノナエニル]−3,5,5−トリメチル−2−オキソシクロヘキサ−3−エニル−1(S)−オキシカルボニルメチル}ウレイド)酪酸(上記(3.5)の化合物)(0.50g、)に、エタノール(10mL)、水(0.5mL)を加えて撹拌した。該懸濁溶液にL−リシン1水和物(0.174g、)の水(2mL)溶液を室温で加えた。該反応混合物に水(7.5mL)を加えて、撹拌し、溶解した。該反応混合物にエタノール(32mL)を室温で滴下し、固体の析出を確認した後、1時間撹拌した。析出した固体を濾取、乾燥し、標記化合物(0.47g、純度98.6%、光学純度99.0%de)を暗紫〜暗赤色固体として得た。
なお、生成物の純度は、上記同様に高速液体クロマトグラフィーを用いて決定した。光学純度は高速液体クロマトグラフィー(カラム:株式会社ワイエムシィ製 YMC CHIRAL ART Amylose・SA (5μm, 4.6mmI.D.x250mm)、カラム温度:25℃及び移動相:THF/水/TFA (40:60:0.1)、流速:1mL/min、検出波長:474nm、カラム保持時間:15.4分(S、S)、17.6分(meso)、20.6分(R、R))を用いて、決定した。
4−(3−{4−[18−(4(S)−[3−(3−カルボキシプロピル)ウレイドアセトキシ]−2,6,6−トリメチル−3−オキソシクロヘキサ−1−エニル)−3,7,12,16−テトラメチルオクタデカ−1(E),3(E),5(E),7(E),9(E),11(E),13(E),15(E),17(E)−ノナエニル]−3,5,5−トリメチル−2−オキソシクロヘキサ−3−エニル−1(S)−オキシカルボニルメチル}ウレイド)酪酸(上記(3.5)の化合物)(0.50g、)に、エタノール(10mL)、水(0.5mL)を加えて撹拌した。該懸濁溶液にL−リシン1水和物(0.174g、)の水(2mL)溶液を室温で加えた。該反応混合物に水(7.5mL)を加えて、撹拌し、溶解した。該反応混合物にエタノール(32mL)を室温で滴下し、固体の析出を確認した後、1時間撹拌した。析出した固体を濾取、乾燥し、標記化合物(0.47g、純度98.6%、光学純度99.0%de)を暗紫〜暗赤色固体として得た。
なお、生成物の純度は、上記同様に高速液体クロマトグラフィーを用いて決定した。光学純度は高速液体クロマトグラフィー(カラム:株式会社ワイエムシィ製 YMC CHIRAL ART Amylose・SA (5μm, 4.6mmI.D.x250mm)、カラム温度:25℃及び移動相:THF/水/TFA (40:60:0.1)、流速:1mL/min、検出波長:474nm、カラム保持時間:15.4分(S、S)、17.6分(meso)、20.6分(R、R))を用いて、決定した。
Claims (11)
- 式(I)で示されるトランス−アスタキサンチン誘導体、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物、それらの光学異性体またはそれらの塩を含有する大腸炎改善剤。
- 式(I)において、m1およびm2がそれぞれ1の整数であり、n1およびn2はそれぞれ3の整数である請求項1記載の大腸炎改善剤。
- 塩がリシン塩である請求項1または2記載の大腸炎改善剤。
- 式(IA)で示される光学活性トランス−アスタキサンチン誘導体、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物またはそれらの塩を含有する大腸炎改善剤。
- 式(IA)において、m1およびm2がそれぞれ1の整数であり、n1およびn2がそれぞれ3の整数である請求項4記載の大腸炎改善剤。
- 式(IA)で示される光学活性トランス−アスタキサンチン誘導体に対応する光学活性シス−アスタキサンチン誘導体およびその塩を実質的に含有しない、請求項4または5記載の大腸炎改善剤。
- 請求項4〜6のいずれか1項記載の高純度の光学活性トランス−アスタキサンチン誘導体またはその塩を含有する大腸炎改善剤。
- 大腸炎が、潰瘍性大腸炎及び又は大腸のクローン病である請求項1〜7のいずれか1項記載の大腸改善剤。
- 大腸炎改善剤製造のための、式(I)で示されるトランス−アスタキサンチン誘導体、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物、それらの光学異性体またはそれらの塩の使用。
- 大腸炎を改善するための、式(I)で示されるトランス−アスタキサンチン誘導体、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物、それらの光学異性体またはそれらの塩。
- 式(I)で示されるトランス−アスタキサンチン誘導体、その幾何異性体、それら幾何異性体の混合物、それらの光学異性体またはそれらの塩の有効量を投与することを特徴とする大腸炎改善のための治療方法。
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