JPWO2019142567A1 - 含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物及び物品 - Google Patents

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Abstract

2価のパーフルオロポリエーテル基の両末端に2価の連結基を介してシクロポリシロキサン構造が結合し、前記シクロポリシロキサン構造に2価の連結基を介して結合した水酸基と、前記シクロポリシロキサン構造に2価の連結基を介して結合した(メタ)アクリル基とを、それぞれ両末端のシクロポリシロキサン構造のいずれか一方又は両方に有する含フッ素化合物(A)を含有することを特徴とする含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物が、防汚性、特には優れた撥水撥油性、指紋付着防止性、指紋拭き取り性及び摩耗耐久性を付与することができる硬化被膜を与える。

Description

本発明は、紫外線や電子線等により硬化し、優れた防汚性を表面に付与する含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物、並びにこの組成物の硬化物層を基材表面に有する物品に関する。
従来、樹脂成形体等の表面を保護する手段として、ハードコート処理が広く一般に用いられている。これは成形体の表面に硬質の硬化樹脂層(ハードコート層)を形成し、傷つき難くするものである。ハードコート層を構成する材料としては、熱硬化性樹脂や紫外線もしくは電子線硬化性樹脂など活性エネルギー線による硬化性組成物が多く使用されている。
一方、樹脂成形品の利用分野の拡大や高付加価値化の流れに伴い、硬化樹脂層(ハードコート層)に対する高機能化の要望が高まっており、その一つとして、ハードコート層への防汚性の付与が求められている。これはハードコート層の表面に撥水性、撥油性などの性質を付与することにより、汚れ難く、あるいは汚れても容易に取り除くことができるようにするものである。
ハードコート層に防汚性を付与する方法としては、一旦形成されたハードコート層表面に含フッ素防汚剤を塗工及び/又は定着させる方法が広く用いられているが、含フッ素硬化性成分を硬化前の硬化樹脂組成物に添加し、これを塗布硬化させることでハードコート層の形成と防汚性の付与を同時に行う方法についても検討されてきた。例えば、特開平6−211945号公報(特許文献1)には、アクリル系の硬化性樹脂組成物にフルオロアルキルアクリレートを添加、硬化させることで防汚性を付与したハードコート層の製造が示されている。
本発明者は、このような硬化性樹脂組成物に防汚性を付与できるフッ素化合物として、様々な開発を進めており、例えば、特開2010−53114号公報(特許文献2)、特開2010−138112号公報(特許文献3)、特開2010−285501号公報(特許文献4)に示す光硬化可能なフッ素化合物を提案している。
一方、ハードコートの機能性の向上が求められている中で、人が素手で触る機会のある装置、例えば、スマートフォン、タブレットPC、デジタルサイネージ、ナビゲーションシステムやコンソールなどの自動車の車載タッチパネルディスプレイ、家庭用大型TV、PC用ディスプレイの用途においては、特に防汚性と総称される中でも、指紋の付着が目立たないこと、指紋の拭き取り性に優れること、更にハードコートとして摩耗の耐久性に優れることといった特性がますます強く求められてきている。このため、これらの特徴について従来よりも優れた特性を付与できる活性エネルギー線硬化性組成物が常に求められている。
特開平6−211945号公報 特開2010−53114号公報 特開2010−138112号公報 特開2010−285501号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、防汚性、特には優れた撥水撥油性、指紋付着防止性、指紋拭き取り性及び摩耗耐久性を付与することができる硬化被膜を与える含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物、及びこの組成物の硬化物層を基材表面に有する物品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、パーフルオロポリエーテル基の両末端に2価の連結基を介してシクロポリシロキサン構造が結合し、前記シクロポリシロキサン構造に2価の連結基を介した水酸基と、前記シクロポリシロキサン構造に2価の連結基を介した(メタ)アクリル基とが、それぞれ結合した構造を有するフッ素化合物を含有する含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物が、防汚性と総称される諸特性の中でも、指紋の付着の目立ちにくさ、指紋の拭き取り性に優れ、更にハードコートとして摩耗の耐久性に優れることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物及び該組成物の硬化物層を基材表面に有する物品を提供する。
1.
2価のパーフルオロポリエーテル基の両末端に2価の連結基を介してシクロポリシロキサン構造が結合し、前記シクロポリシロキサン構造に2価の連結基を介して結合した水酸基と、前記シクロポリシロキサン構造に2価の連結基を介して結合した(メタ)アクリル基とを、それぞれ両末端のシクロポリシロキサン構造のいずれか一方又は両方に有する含フッ素化合物(A)を含有することを特徴とする含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
2.
含フッ素化合物(A)において、含フッ素化合物(A)中に含まれる水酸基に対する(メタ)アクリル基のモル比[(メタ)アクリル基(モル)/水酸基(モル)]が、平均値として0.1以上25以下である1に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
3.
更に、2価のパーフルオロポリエーテル基の両末端に2価の連結基を介してシクロポリシロキサン構造が結合し、前記シクロポリシロキサン構造に2価の連結基を介して結合した(メタ)アクリル基を有し、かつ、水酸基を有さない構造を両末端に有する含フッ素化合物(B)を含むものである1又は2に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
4.
組成物全体に含まれる平均値として、組成物中の含フッ素化合物(A)に含まれる水酸基に対する含フッ素化合物(A)に含まれる(メタ)アクリル基と含フッ素化合物(B)に含まれる(メタ)アクリル基の合計のモル比[(メタ)アクリル基の合計(モル)/水酸基(モル)]が、0.1以上25以下である3に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
5.
含フッ素化合物(A)が、下記一般式(1)
1−Z−Rf−Z−X1 (1)
[式中、Rfは下記式(2)〜(5)
Figure 2019142567
(式中、Yは互いに独立にF又はCF3であり、rは2〜6の整数であり、m、nはそれぞれ0〜200の整数であり、但しm+nは2〜200であり、sは0〜6の整数である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてもよい。)
Figure 2019142567
(式中、jは独立に1〜3の整数であり、kは1〜200の整数である。)
Figure 2019142567
(式中、Y、jは上記と同じであり、p、qはそれぞれ0〜200の整数であり、但しp+qは2〜200である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてもよい。)
Figure 2019142567
(式中、tは1〜100の整数である。)
で表される基から選ばれる、分子量500〜30,000の2価のパーフルオロポリエーテル基であり、X1は互いに独立に、下記式(6)
Figure 2019142567
〔式中、Q1は炭素数3〜20のエーテル結合、エステル結合、アミド結合及びウレタン結合から選ばれる結合を含んでいてもよい2価の連結基であり、途中環状構造や分岐構造を含んでいてもよく、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R1は下記式(7)
Figure 2019142567
(式中、R2は独立に、水素原子又はメチル基であり、R3は炭素数1〜18のエーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい2価もしくは3価の連結基であり、cは1又は2である。)
で表される(メタ)アクリル基含有基であり、a及びbはそれぞれ0〜6の整数であり、但しa+bは2〜11である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてもよい。〕
で表される基であり、分子中に存在するX1中のa、bの合計はそれぞれ2以上である。Zは下記式
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
のいずれかで示される2価の有機基である。]
で表されるものである1〜4のいずれかに記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
6.
更に、含フッ素化合物(A)、(B)以外のアクリル化合物(C)を含む1〜5のいずれかに記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
7.
アクリル化合物(C)が、1分子中に3個以上の(メタ)アクリル基を有し、かつ分子中に水酸基を有さない非フッ素化多官能(メタ)アクリレートである6に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
8.
アクリル化合物(C)が、1分子中に3個以上の(メタ)アクリル基と1個以上の水酸基を有する非フッ素化多官能(メタ)アクリレートである6に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
9.
アクリル化合物(C)が、分子中にウレタン結合を有し、1分子中に6個以上の(メタ)アクリル基を有する非フッ素化多官能ウレタン(メタ)アクリレートである6に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
10.
更に、(D)光重合開始剤を含む1〜9のいずれかに記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
11.
1〜10のいずれかに記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物の硬化被膜を表面に有し、水接触角105°以上の撥水性表面を有する物品。
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物は、基材の表面に塗工硬化させることで、撥水性、撥油性、防汚性、すべり性、付着指紋の低視認性、指紋の拭き取り性、耐摩耗性を付与することができる。
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物は、2価のパーフルオロポリエーテル基の両末端に2価の連結基を介して3価以上(通常、3〜12価、好ましくは3〜8価、より好ましくは3〜6価)のシクロポリシロキサン構造が結合し、前記シクロポリシロキサン構造に2価の連結基を介した水酸基と、前記シクロポリシロキサン構造に2価の連結基を介した(メタ)アクリル基とが、両末端のシクロポリシロキサン構造のいずれか一方又は両方にそれぞれ1個以上結合した構造を有する含フッ素化合物(A)を含有することを特徴とする。含フッ素化合物(A)において、上記水酸基を有することにより指紋が目立ちにくくなるという効果が得られ、上記(メタ)アクリル基を有することにより硬化性が得られ、表面に防汚性を示すフッ素成分が固定されるという効果が得られるものである。
含フッ素化合物(A)中に含まれる(メタ)アクリル基と水酸基の比率は、特に、組成物中に含まれる含フッ素化合物(A)の平均値として、含フッ素化合物(A)中に含まれる水酸基に対する(メタ)アクリル基のモル比[(メタ)アクリル基(モル)/水酸基(モル)]が、0.1以上25以下であることが好ましく、0.15以上19以下であることがより好ましく、0.2以上10以下であることが特に好ましく、0.2以上5以下であることが更に好ましく、0.2以上2.5以下であることが最も好ましい。このモル比がこれよりも大きくなると含フッ素化合物(A)中に含まれる水酸基の効果が小さくなり、水酸基を含まない含フッ素化合物との硬化後の特性の差が明確でなくなる。このモル比がこれより小さくなると含フッ素化合物(A)のうち(メタ)アクリル基を持たない分子の含有量が多くなり、非フッ素のアクリル化合物との溶解性が低下し、均一な平面として塗工が困難になったり、硬化不良が発生したりする場合がある。
含フッ素化合物(A)として、具体的には、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物が例示できる。
1−Z−Rf−Z−X1 (1)
式(1)中、Rfは、特に主な構造が以下に示す繰り返し単位群
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
−CF2CF2CF2CF2O−
のいずれか一つ又は複数の組み合わせからなるものが好ましい。ここで、主な構造に該当しない部分としては、Zとの結合部分、主鎖構造構築時の開始剤断片や副生成構造が挙げられる。
Rfとしては、中でも下記式(2)〜(5)で表される基から選ばれる、分子量500〜30,000の2価のパーフルオロポリエーテル基であるものが好ましい。
Figure 2019142567
(式中、Yは互いに独立にF又はCF3であり、rは2〜6の整数であり、m、nはそれぞれ0〜200の整数、好ましくは1〜100の整数、より好ましくは4〜50の整数であり、但しm+nは2〜200、好ましくは8〜100であり、sは0〜6の整数である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてもよい。)
Figure 2019142567
(式中、jは独立に1〜3の整数であり、kは1〜200の整数、好ましくは2〜100の整数、より好ましくは4〜50の整数である。)
Figure 2019142567
(式中、Y、jは上記と同じであり、p、qはそれぞれ0〜200の整数、好ましくは1〜100の整数、より好ましくは4〜50の整数であり、但しp+qは2〜200、好ましくは8〜100である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてもよい。)
Figure 2019142567
(式中、tは1〜100の整数、好ましくは2〜60の整数、より好ましくは4〜40の整数である。)
Rfとしては、中でも式(2)及び(4)で表される構造が好ましい。
また、Rfは、分子量が500〜30,000、特に1,500〜10,000であることが好ましい。分子量が小さすぎると組成物中の非フッ素化成分との相溶性が高くなり過ぎ、塗工後の硬化物(塗膜)の表面に(A)成分が集まらなくなる場合があり、大きすぎると組成物中の非フッ素化成分との相溶性が低すぎて、配合時の濁り、沈殿の発生や塗工後の硬化物(塗膜)のヘイズの上昇、塗膜の欠損等、平滑性の低下などが発生する場合がある。なお、分子量は、例えば、各種含フッ素溶媒を展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリメチルメタクリレート換算値として求めることができ、通常、数量平均分子量として求めることが好適である(以下、同じ。)。
一般式(1)において、Zは下記式のいずれかで示される2価の有機基である。
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Zとしては、中でも、
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
が特に好ましい。
式(1)において、X1は互いに独立に、下記式(6)で表される基である。
Figure 2019142567
〔式中、Q1は炭素数3〜20のエーテル結合、エステル結合、アミド結合及びウレタン結合から選ばれる結合を含んでいてもよい2価の連結基であり、途中環状構造や分岐構造を含んでいてもよく、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R1は下記式(7)
Figure 2019142567
(式中、R2は独立に、水素原子又はメチル基であり、R3は炭素数1〜18のエーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい2価もしくは3価の連結基であり、cは1又は2である。)
で表される(メタ)アクリル基含有基である。a及びbはそれぞれ0〜6、好ましくは1〜6、より好ましくは2〜4の整数であり、但しa+bは2〜11、好ましくは2〜7、より好ましくは2〜5である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてもよい。なお、式(1)において、分子中に存在するX1中のa、bの合計はそれぞれ2以上である。〕
式(6)において、Q1は炭素数3〜20のエーテル結合、エステル結合、アミド結合及びウレタン結合から選ばれる結合を含んでいてもよい2価の連結基であり、好ましくは炭素数3〜20、特に炭素数3〜12のエーテル結合、エステル結合、アミド結合及びウレタン結合から選ばれる結合を含んでいてもよい2価の炭化水素基であり、途中環状構造や分岐構造を含んでいてもよく、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
1としては、中でも以下のいずれかの構造が好ましい。
−CH2CH2CH2
−CH2CH2CH2−O−CH2CH2
−CH2CH2CH2−O−CH2CH2−O−CH2CH2
−CH2CH2CH2−O−CH2CH2−O−CH2CH2−O−CH2CH2
−[CH2CH(CH3)O]z−CH2CH(CH3)−
Figure 2019142567
(式中、zは0〜10の整数である。)
式(6)において、R1は下記式(7)で表される(メタ)アクリル基含有基である。
Figure 2019142567
(式中、R2は独立に、水素原子又はメチル基であり、R3は炭素数1〜18のエーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい2価もしくは3価の連結基であり、cは1又は2である。)
式(7)において、R2は独立に、水素原子又はメチル基である。
また、R3は炭素数1〜18のエーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい2価もしくは3価の連結基であり、好ましくは炭素数1〜18、特に炭素数2〜8のエーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい2価の炭化水素基、特にはアルキレン基であり、例えば、下記式で表されるものが好ましい。
−CH2CH2
−CH2CH2CH2
−CH2CH2CH2CH2
−CH2CH2CH2CH2CH2CH2
−CH2CH2OCH2CH2
−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2
−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2
cは1又は2であり、1が好ましい。
なお、本発明に係る含フッ素化合物(A)において、2価のパーフルオロポリエーテル基の両末端に連結する3価以上(通常、3〜12価、好ましくは3〜8価、より好ましくは3〜6価)のシクロポリシロキサン構造に2価の連結基を介して結合した水酸基と、該シクロポリシロキサン構造に2価の連結基を介して結合した(メタ)アクリル基は、該両末端のシクロポリシロキサン構造のいずれか一方又は両方に、それぞれ独立に、1個以上、好ましくは1〜6個、より好ましくは2〜4個有するものであり、上述した式(1)において、分子中の上記(メタ)アクリル基数の合計に相当するaの合計(即ち、両末端のシクロポリシロキサン構造中の(メタ)アクリル基数の合計)は1以上、好ましくは1〜12、より好ましくは2〜8、更に好ましくは4〜6であり、分子中の上記水酸基数の合計に相当するbの合計(即ち、両末端のシクロポリシロキサン構造中の水酸基数の合計)は1以上、好ましくは1〜12、より好ましくは2〜8、更に好ましくは4〜6である。
また、上述した式(6)で示される各シクロポリシロキサン構造中において、a+bの値はそれぞれ独立に、通常、2〜11、好ましくは2〜7、より好ましくは2〜5であり、上述した式(1)において、分子中の上記(メタ)アクリル基数と上記水酸基数との合計に相当する(a+b)値の合計(即ち、分子中に存在する2個のX1基中の(メタ)アクリル基数と上記水酸基数との合計)は、通常、4〜22、好ましくは6〜14、より好ましくは6〜10である。
また含フッ素化合物(A)の製造を行う際に、下記一般式(8)で表される構造を有する化合物が副生する場合があり、これらは蒸留、抽出、分取クロマトグラフ等の各種の手段により除去してもよいが、そのまま含んだものも使用できる。
1−[Z−Rf−Z−X2v−Z−Rf−Z−X1 (8)
一般式(8)において、X1、Z、Rfは一般式(1)と同じであり、vは1〜4の整数であり、X2は互いに独立に、下記式(9)で表される基である。
Figure 2019142567
(式中、Q1、R1は上記の通りであり、d、eはそれぞれ0〜3の整数、好ましくは1〜3の整数であり、かつd+eは1〜10、好ましくは1〜6の整数である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてもよい。)
含フッ素化合物(A)の好ましい構造として、具体的には、以下のものを例示することができる。
Figure 2019142567
Figure 2019142567
[式中、Rf’は上述したRfと同様のものを例示することができ、好ましくは、−CF2O(CF2O)p’(CF2CF2O)q’CF2−(p’、q’は上述したp、qと同様のものを例示することができる。)である。R4は水素原子又は(メタ)アクリル含有基であり、分子中に含まれるR4としての水素原子の数をnH、(メタ)アクリル含有基の数をnAとした時に、nH、nAはそれぞれ1〜5の整数であり、それぞれの分子についてnH+nA=6である。]
ここで、R4は水素原子又は(メタ)アクリル含有基であり、(メタ)アクリル含有基として、好ましくは下記に示すものが例示できる。
CH2=CHCO−
CH2=C(CH3)CO−
CH2=CHCOOCH2CH2−NH−CO−
CH2=CCH3COOCH2CH2−NH−CO−
CH2=CCH3COOCH2CH2OCH2CH2−NH−CO−
[CH2=CCH3COOCH22CH(CH3)−NH−CO−
また、含フッ素化合物(A)1分子中に含まれるR4としての水素原子の数をnH、(メタ)アクリル含有基の数をnAとした時に、nH、nAはそれぞれ1〜5の整数であり、それぞれの分子についてnH+nA=6である。
本発明に係る含フッ素化合物(A)は、いかなる製造方法を用いてもその効果は変わらないが、例えば、以下のような方法において製造することが好ましい。即ち、フルオロポリエーテル基の両末端にOH基(水酸基)を複数有する化合物(含フッ素アルコール化合物)の水酸基の一部を、(メタ)アクリル酸ハライドや、(メタ)アクリル基を含有するイソシアネート化合物等の(メタ)アクリル基導入試薬と反応させて、該水酸基部分に(メタ)アクリル基を部分的に導入することにより、含フッ素化合物(A)を得ることができる。
ここで、含フッ素化合物(A)の前駆体となるフルオロポリエーテル基の両末端にOH基を複数有する化合物(含フッ素アルコール化合物)として、具体的には、以下に示すものが挙げられる。
Figure 2019142567
Figure 2019142567
(式中、Rf’は上記と同じである。)
(メタ)アクリル基導入試薬としては、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド等の(メタ)アクリル酸ハライド、及び下記に示す(メタ)アクリル基を含有するイソシアネート化合物(イソシアネート基を有するアクリル酸誘導体)等を例示することができる。
CH2=CHCOOCH2CH2−N=C=O
CH2=CCH3COOCH2CH2−N=C=O
CH2=CCH3COOCH2CH2OCH2CH2−N=C=O
[CH2=CCH3COOCH22CH(CH3)−N=C=O
これらの(メタ)アクリル酸ハライドあるいは(メタ)アクリル基を含有するイソシアネート化合物は、含フッ素アルコール化合物の水酸基量の合計に対して過剰とならない必要量を仕込み、反応させる方法が好ましい。具体的には、反応系中の、含フッ素アルコール化合物の水酸基量の合計をxモルとした場合、(メタ)アクリル酸ハライドあるいは(メタ)アクリル基を含有するイソシアネート化合物のハロゲン原子あるいはイソシアネート基量をyモルとした場合、好ましくは0.1≦y/(x−y)≦25、より好ましくは0.15≦y/(x−y)≦19、特に好ましくは0.2≦y/(x−y)≦10、更に好ましくは0.2≦y/(x−y)≦5、最も好ましくは0.2≦y/(x−y)≦2.5となる比率で仕込み、これを全て又は望ましい量で反応させればよい。また、上記比率をy/(x−y)>25として仕込み、反応を完結させずに停止させる方法も使用できるが、この場合は反応触媒の除去等により反応を確実に停止させる必要がある。
これらの反応は、必要に応じて適当な溶剤で希釈して反応を行ってもよい。このような溶剤としては、含フッ素アルコール化合物の水酸基、(メタ)アクリル酸ハライドのハロゲン原子、(メタ)アクリル基を含有するイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応しない溶剤であれば特に制限なく用いることができ、具体的には、トルエン、キシレン、イソオクタンなどの炭化水素系溶剤、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、m−キシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライド等のフッ素変性芳香族炭化水素系溶剤、メチルパーフルオロブチルエーテル等のフッ素変性エーテル系溶剤などが挙げられる。この溶剤は、反応後に減圧留去等の公知の手法で除去してもよく、目的の用途に応じてそのまま希釈溶液として使用してもよい。溶剤の使用量は特に限定されないが、反応成分の全合計質量に対して10倍以下が好ましい。溶媒の使用量が多すぎると、反応速度が大幅に低下する危険がある。
また、反応の際には、必要に応じて重合禁止剤を添加してもよい。重合禁止剤としては特に制限はないが、通常、アクリル化合物の重合禁止剤として用いられるものを用いることができる。具体的には、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、4−tert−ブチルカテコール、ジブチルヒドロキシトルエン等を挙げることができる。重合禁止剤の使用量は反応条件、反応後の精製条件、最終的な使用条件から決定すればよく、特に制限はされないが、通常、反応成分の全合計質量に対して0.01〜5,000ppm、特に好ましくは0.1〜500ppmである。
含フッ素アルコール化合物に、(メタ)アクリル酸ハライドを反応させる場合、特にアクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリドを反応させて、エステルを生成することが好ましい。該エステル生成反応は、上記反応中間体(含フッ素アルコール化合物)、受酸剤を混合攪拌しながら(メタ)アクリル酸ハライドを滴下して行う。受酸剤はトリエチルアミン、ピリジン、尿素などが使用できる。受酸剤の使用量は、(メタ)アクリル酸ハライドの仕込みモル数に対して0.9〜3倍程度が望ましい。少なすぎるとトラップされない酸が多く残存することになり、多すぎると余剰となる受酸剤の除去が困難になる。
(メタ)アクリル酸ハライドの滴下は、反応混合物の温度を0〜35℃に維持し、20〜60分かけて行う。その後、更に30分〜10時間攪拌を継続する。反応終了後、未反応の(メタ)アクリル酸ハライド、反応により発生した塩及び反応溶媒等を留去、吸着、濾過洗浄等の方法で除去することで、本発明に係る含フッ素化合物(A)を得ることができる。
また、反応停止の際に、メタノール、エタノール等のアルコール化合物を系内に添加し、未反応の(メタ)アクリル酸ハライドをエステル化してもよい。生成した(メタ)アクリル酸エステル類は、未反応の(メタ)アクリル酸ハライド除去と同様の方法で除去できるが、残存させたまま使用することもできる。
含フッ素アルコール化合物に、(メタ)アクリル基を含有するイソシアネート化合物を反応させる場合には、含フッ素アルコール化合物と(メタ)アクリル基を含有するイソシアネート化合物を必要に応じて溶媒とともに攪拌し、反応を進行させる。
この反応において、反応の速度を増加するために適切な触媒を加えてもよい。触媒としては、例えば、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジオクテート、ジオクタン酸第1錫などのアルキル錫エステル化合物、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシビス(アセチルアセトナ)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等のチタン酸エステル又はチタンキレート化合物、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート、ジルコニウムモノブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムキレート化合物等が例示される。これらはその1種に限定されず、2種もしくはそれ以上の混合物として使用できるが、特に環境への影響が低いチタン化合物、ジルコニウム化合物の使用が好ましい。
これらの触媒を、含フッ素アルコール化合物と(メタ)アクリル基を含有するイソシアネート化合物の総質量に対して、0.01〜5質量%、好ましくは0.05〜3質量%加えることにより、反応速度を増加させることができる。
上記反応は0〜120℃、好ましくは10〜70℃の温度で、1分〜500時間、好ましくは10分〜48時間行う。反応温度が低すぎると反応速度が遅くなりすぎる場合があり、反応温度が高すぎると副反応として(メタ)アクリル基の重合が起きてしまう可能性がある。
反応終了後、未反応のイソシアネート化合物及び反応溶媒等を留去、吸着、濾過洗浄等の方法で除去することで本発明に係る含フッ素化合物(A)を得ることができる。
また反応停止の際に、メタノール、エタノール等のアルコール化合物を系内に添加し、未反応のイソシアネート化合物とウレタン結合を形成させてもよい。生成したウレタン(メタ)アクリレート類は、未反応のイソシアネート化合物と同様の方法で除去できるが、残存させたまま使用することもできる。
また、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物において、含フッ素化合物(A)の製造において副生する、(メタ)アクリル基の導入比率などの要因により、前駆体未反応のフルオロポリエーテル基の両末端に複数のアルコールを有する化合物が残存する可能性があるが、これを含有していてもよい。また水酸基に全て(メタ)アクリル基が導入された化合物も発生する可能性があるが、これについては後述する含フッ素化合物(B)に相当すると考えてよい。
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物のもう一つの構成法として、含フッ素化合物(A)、及びパーフルオロポリエーテル基の両末端に2価の連結基を介してシクロポリシロキサン構造が結合し、前記シクロポリシロキサン構造に2価の連結基を介した(メタ)アクリル基が結合し、水酸基を含まない構造を有する含フッ素化合物(B)を含む含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物を示すことができる。
含フッ素化合物(B)として、具体的には、下記一般式(10)で表される構造を有する化合物が例示できる。
3−Z−Rf−Z−X3 (10)
[式中、Rf、Zは上記と同じである。X3は互いに独立に、下記式(11)
Figure 2019142567
(式中、Q1、R1は上記と同じである。fは2〜11の整数、好ましくは2〜7の整数、より好ましくは2〜5の整数である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてもよい。)
で表される基である。]
また含フッ素化合物(B)の製造を行う際に、下記一般式(12)で表される構造を有する化合物が副生する場合があり、これらは蒸留、抽出、分取クロマトグラフ等の各種の手段により除去してもよいが、そのまま含んだものも使用できる。
3−[Z−Rf−Z−X4w−Z−Rf−Z−X3 (12)
一般式(12)において、Rf、Z、X3は一般式(10)と同じであり、wは0〜5の整数であり、X4は互いに独立に、下記式(13)で表される基である。
Figure 2019142567
(式中、Q1、R1は上記と同じであり、gは1以上の整数、好ましくは1〜7の整数、より好ましくは2〜3の整数である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてもよい。)
即ち、含フッ素化合物(B)は、一般式(1)において示される化合物のうち、X1においてb=0である化合物を示すことができる。
含フッ素化合物(B)の好ましい構造として、具体的には、以下のものを例示することができる。
Figure 2019142567
Figure 2019142567
(式中、Rf’は上記と同じであり、R5は(メタ)アクリル含有基である。)
ここで、R5の(メタ)アクリル含有基としては、R4で例示した(メタ)アクリル含有基と同様のものが例示できる。
このような含フッ素化合物(B)は、前に例示した含フッ素化合物(A)の合成法において、含フッ素アルコール化合物の水酸基量の合計xモルに対する(メタ)アクリル基導入試薬のハロゲン原子あるいはイソシアネート基量yモルをx<yとなる比率で仕込み、水酸基を全て反応させることにより得ることができる。
本発明における含フッ素化合物(A)と含フッ素化合物(B)を併用する形態においては、含フッ素化合物(A)と含フッ素化合物(B)の含有率を調整することで、含フッ素化合物(A)単体で(メタ)アクリル基と水酸基の比率を変化させるのと同様の効果を得ることができる。この場合、組成物中に含まれる含フッ素化合物(A)、含フッ素化合物(B)全体の平均値として、組成物中の含フッ素化合物(A)に含まれる水酸基に対する含フッ素化合物(A)中に含まれる(メタ)アクリル基と含フッ素化合物(B)中に含まれる(メタ)アクリル基の合計のモル比[(メタ)アクリル基の合計(モル)/水酸基(モル)]が、0.2以上19以下であることが好ましく、0.3以上10以下であることがより好ましく、0.4以上5以下であることが更に好ましい。即ち系内に含まれる含フッ素化合物(A)に含まれる(メタ)アクリル基の合計モル数をNaA、水酸基の合計モル数をNaH、含フッ素化合物(B)に含まれる(メタ)アクリル基の合計モル数をNbA、とした時に、0.2≦(NaA+NbA)/NaH≦19であることが望ましい。
これよりも大きくなると含フッ素化合物(B)単体との特性の差が明確でなくなり、これより小さくなると非フッ素のアクリル化合物との溶解性が低下し、特性の発現に必要な濃度での均一な塗工が困難になる。
含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物は、含フッ素化合物(A)単体、及び含フッ素化合物(A)と含フッ素化合物(B)の混合物のみとしても使用できるが、含フッ素化合物(A)及び含フッ素化合物(B)と混合、硬化可能であれば、いかなるものであっても使用することができる。このような配合物として、具体的には、含フッ素化合物(A)、(B)に該当しない、好ましくは分子中にフッ素原子を含有しない(非フッ素化の)、分子中にウレタン結合を含有又は非含有の、アクリル化合物(C)を挙げることができる。このアクリル化合物(C)としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、フタル酸水素−(2,2,2−トリ−(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチル、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート等の2〜6官能の(メタ)アクリル化合物、これらの(メタ)アクリル化合物のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン、脂肪酸、アルキル変性品、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を付加させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート類、及びアクリル酸エステル共重合体の側鎖に(メタ)アクリロイル基を導入した共重合体等を含むものが挙げられる。
また、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリイソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られるもの、ポリイソシアネートと末端ジオールのポリエステルに水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られるもの、ポリオールに過剰のジイソシアネートと反応させて得られるポリイソシアネートに、水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られるものを使用することもできる。中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートから選ばれる水酸基を有する(メタ)アクリレートと、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2−メチル−1,3−ジイソシアナトシクロヘキサン、2−メチル−1,5−ジイソシアナトシクロヘキサン及びジフェニルメタンジイソシアネートから選ばれるポリイソシアネートを反応させたウレタン(メタ)アクリレート類が好ましい。
中でも特に、1分子中に3個以上の(メタ)アクリル基を有し、かつ分子中に水酸基を有さない、ウレタン結合含有又は非含有の、非フッ素化多官能(メタ)アクリレート、1分子中に3個以上の(メタ)アクリル基と1個以上の水酸基を有する、ウレタン結合含有又は非含有の、非フッ素化多官能(メタ)アクリレート、及び分子中にウレタン結合を有し、1分子中に6個以上の(メタ)アクリル基を有する非フッ素化多官能ウレタン(メタ)アクリレートのいずれか又は2種類以上の組み合わせを含んだものが好ましい。
(C)成分は、1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また組成物の物性調整のためフッ素化、非フッ素化の1官能の(メタ)アクリレート類を配合してもよい。
また、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物は、(D)成分として光重合開始剤を含有することで、活性エネルギー線の中でも紫外線によって硬化しやすい硬化性組成物とすることができる。(D)成分の光重合開始剤は、紫外線照射によりアクリル化合物を硬化させることができるものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等が挙げられ、これらは1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明の実施形態の一つである含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物は、(A)成分を含み、硬化後の表面に撥水撥油性、防汚性、耐指紋性、摩耗耐久性といった特性を付与することがその本質であり、各成分の配合量は、所望する撥水性、撥油性、組成物の溶解性、塗工条件、硬化条件、得られる物品の硬度等に応じて適宜決定すればよく、
(A)成分単独、
(A)成分と(B)成分、
(A)成分と(C)成分、
(A)成分と(D)成分、
(A)成分と(B)成分と(C)成分、
(A)成分と(C)成分と(D)成分、
(A)成分と(B)成分と(C)成分と(D)成分、
及びこれらそれぞれに、必要に応じて後述するその他添加剤を加えたいずれの組み合わせでも使用できるが、中でも好適なのは、(A)成分と(B)成分と(C)成分と(D)成分を含む組成物である。
このとき、(B)成分を配合する場合の配合量は、上述したように、(A)成分に含まれる水酸基に対する(A)成分と(B)成分に含まれる(メタ)アクリル基の合計のモル比[(メタ)アクリル基の合計(モル)/水酸基(モル)]が、0.2以上19以下となる量で配合することが好ましい。
(C)成分を配合する場合の配合量は特に制限されないが、(A)成分と(B)成分の合計に対する比率で考えることが望ましく、例えば(A)成分と(B)成分の合計量を1質量部とした時に、0.1〜10,000質量部が好ましく、より好ましくは1〜1,000質量部、特に好ましくは5〜800質量部である。(C)成分が少なすぎると(C)成分の配合により期待される塗工特性、硬化物特性が得られない場合があり、多すぎると、(A)成分に期待される防汚特性が得られない場合がある。
更に、(D)成分を配合する場合の配合量は、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計量を100質量部とした時に、0.1〜10質量部が好ましく、特に好ましくは0.5〜5質量部である。(D)成分が少なすぎると硬化不良が発生し、期待される硬化物特性が得られない場合があり、多すぎると、硬化物表面に欠損が発生したり、硬化物に濁りが発生したり、着色が強くなったりする場合がある。
なお、上記(C)成分に(D)成分が配合されたアクリル組成物及びハードコート剤は各社から様々なものが市販されている。本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物は、このような市販品に(A)成分、又は(A)成分と(B)成分を添加したものであってもよい。市販品のハードコート剤として、例えば、荒川化学工業(株)「ビームセット」、大橋化学工業(株)「ユービック」、オリジン電気(株)「UVコート」、カシュー(株)「カシューUV」、JSR(株)「デソライト」、大日精化工業(株)「セイカビーム」、日本合成化学(株)「紫光」、藤倉化成(株)「フジハード」、三菱レイヨン(株)「ダイヤビーム」、武蔵塗料(株)「ウルトラバイン」、DIC(株)「ユニディック」等が挙げられる。またこれらの市販の組成物を使用した場合も、必要に応じて(C)成分、(D)成分を追加してもよい。
[その他の添加剤]
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物には、更に、目的に応じて、有機溶剤、重合禁止剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、着色剤、及びフィラー等を配合することもできる。また、上記のように市販品のハードコート剤を用いる場合であっても、目的に応じて、有機溶剤、重合禁止剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、着色剤、及びフィラー等を配合することができる。
また、被膜強度、耐擦傷性、透明性などの各種特性向上、屈折率の調整等の特性向上のため、反応性・非反応性中空・中実シリカ微粒子などの各種無機微粒子を配合してもよい。
有機溶剤としては、1−プロパノール、2−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノンなどのケトン類;ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシルなどのエステル類、m−キシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライド等のフッ素変性芳香族炭化水素系溶剤、メチルパーフルオロブチルエーテル等のフッ素変性エーテル系溶剤などを挙げることができる。上記有機溶剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
有機溶剤の使用量は特に制限されるものではないが、(A)〜(C)成分の合計100質量部に対し、50〜10,000質量部が好ましく、特に80〜1,000質量部が好ましい。
またその他に、重合禁止剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、着色剤、及びフィラーとして、公知のものを本発明の目的を損なわない範囲で特に制限されず使用することができる。
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物の硬化方法は特に限定されず、(A)成分単独、(A)成分と(B)成分、(A)成分と(C)成分、又は(A)成分と(B)成分と(C)成分を含む組成物を、適宜溶剤で希釈、塗布したものを電子線等の活性エネルギー線によって硬化させることもできるが、更に(D)成分の光重合開始剤を含有する場合は、紫外線によって硬化させることができる。紫外線による硬化の場合、紫外線照射を空気中で行うこともできるが、酸素による硬化阻害を防止するため酸素濃度を5,000ppm以下に抑えることが好ましく、窒素、二酸化炭素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で硬化させることが特に好ましい。
またフィルム等の基材のコーティング、各種物品の塗料等として用いる場合、目的とする任意の特性に合わせて(C)成分やその他の添加剤を自由に配合することができる。
また、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物の一般的な使用形態としては、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物層が硬化後に密着又は接着するものであればいかなる基材上に塗布することもできるが、特に樹脂基材、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、フッ素樹脂、ナイロン、アクリル樹脂等の樹脂を挙げることができる。これらは、フィルム、板状、及び成形部材等任意の形態をとるものに対してその表面に使用できる。
またフィルム基材に塗工した場合、含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物層を塗布・形成したのと反対の面に粘着剤を塗布した構造をとっていてもよく、更に粘着剤を保護するための離型フィルムを配置してもよい。
また、前記フィルム基材は、上記で挙げた樹脂フィルムのみからなる基材であってもよいが、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物との密着性を向上させるために、前記樹脂フィルムにプライマー層を設けたフィルム基材であってもよい。前記プライマー層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等からなるものが挙げられる。
また本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物は、硬化・未硬化の本発明に該当しない硬化性組成物層上に塗工硬化してもよい。例えば、硬度、耐久性、帯電防止性、カールなどの変形防止性がより高い硬化物層の上に本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物を重ね塗りすることができる。
また、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物との密着性を向上させる目的で、樹脂フィルム表面を、サンドブラスト法、溶剤処理法等による表面の凹凸化処理、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理、酸化処理等により処理を施すこともできる。
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物を上記基材や物品に塗布する方法としては、特に制限はされないが、例えば、ロールコート、グラビアコート、フローコート、カーテンコート、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、バーコート、スクリーン印刷等の公知の塗工方法を用いることができる。
塗工後、塗膜に活性エネルギー線を照射してこれを硬化させる。ここで、活性エネルギー線としては、電子線、紫外線等任意のものを用いることができるが、特に紫外線が好ましい。紫外線源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、LEDランプが好適である。紫外線照射量としては、少なすぎると未硬化成分が残存し、多すぎると塗膜及び基材が劣化する可能性があるため、10〜10,000mJ/cm2、特に100〜4,000mJ/cm2の範囲にあることが望ましい。
また酸素による硬化阻害を防止するために、紫外線照射時に照射雰囲気を窒素、二酸化炭素、アルゴン等の酸素分子を含まない不活性ガスで置換したり、塗膜表面を離型性を持つ紫外線透過性のある保護層で覆い、その上から紫外線を照射したり、基材が紫外線透過性を有する場合は塗膜表面を離型性のある保護層で覆った上で基材の塗工面とは反対側から紫外線を照射してもよい。また塗膜のレベリングあるいは塗膜中の(メタ)アクリル基の重合を効果的に行うため、紫外線照射前及び照射中に塗膜及び基材を赤外線や熱風乾燥炉等任意の手法で加熱してもよい。
このようにして得られる含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物層の厚みとしては特に制限されないが、0.01〜5,000μm、特に0.05〜200μmであることが好ましい。
また、このようにして得られる本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物層は、イオン交換水の2μLの液滴が接液から1秒後に液面と固体面とのなす角により測定した静的水接触角が100°以上、特に105°以上、オレイン酸の4μLの液滴が接液から1秒後に液面と固体面とのなす角により測定した静的オレイン酸接触角が60°以上、特に65°以上である撥水撥油性表面となり得ることが好ましい。なお、上記接触角とするためには、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物層が、該硬化物層の全表面積に対して平均して厚さ10nm以上の層をなせる量であることが好ましい。また、硬化物層表面には未反応の(メタ)アクリル基が残存していないほど好ましく、このため窒素、二酸化炭素等の不活性ガス雰囲気下で硬化させた硬化物層であることが望ましい。
以上のように、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物は、紫外線等の活性エネルギー線によって硬化可能であり、物品の表面に、撥水撥油性、防汚性、すべり性、耐摩耗性に優れた硬化樹脂層を形成することができる。
更に、本発明では、上述した本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物を表面に塗布し硬化させた硬化被膜を有する物品を提供する。上述したように、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物を用いれば、基材(物品)の表面に優れた表面特性を有する硬化被膜(硬化樹脂層)を形成することが可能になる。特に、アクリルハードコートの表面に撥水性、撥油性、防汚性を付与するのに有用である。これによって、指紋、皮脂、汗などの人脂、化粧品等による汚れ、機械油などが付着し難くなり、かつ拭き取り性にも優れたハードコート表面を基材に与えることができる。このため、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物は、人が触れて人脂、化粧品等により汚される可能性のある基材(物品)、また作業者の人脂や機械油などで汚染される可能性のある機械内部に用いられる工程材料フィルム等の表面に対する防汚塗装膜もしくは保護膜を提供することができる。
本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物を用いて形成される硬化被膜(硬化樹脂層)は、タブレット型コンピュータ、ノートPC、携帯電話・スマートフォン等の携帯(通信)情報端末、デジタルメディアプレイヤー、電子ブックリーダーなど各種機器の筐体、時計型・眼鏡型ウェアラブルコンピュータ;液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、背面投写型ディスプレイ、蛍光表示管(VFD)、フィールドエミッションプロジェクションディスプレイ、CRT、トナー系ディスプレイなどの各種フラットパネルディスプレイ及びTVの画面などの表示操作機器表面及びこれらの内部に使用される各種光学フィルム類、自動車の外装、ピアノや家具の光沢表面、大理石等の建築用石材表面、トイレ、風呂、洗面所等の水周りの装飾建材、美術品展示用保護ガラス、ショーウインドー、ショーケース、フォトフレーム用カバー、腕時計、自動車窓用ガラス、列車、航空機等の窓ガラス、自動車ヘッドライト、テールランプなどの透明なガラス製又は透明なプラスチック製(アクリル、ポリカーボネートなど)部材、各種ミラー部材等の塗装膜及び表面保護膜として有用である。
中でも特に、タッチパネルディスプレイなど人の指あるいは手のひらで画面上の操作を行う表示入力装置を有する各種機器、例えば、タブレット型コンピュータ、ノートPC、スマートフォン、携帯電話、その他携帯(通信)情報端末、スマートウォッチ、デジタルメディアプレイヤー、電子ブックリーダー、デジタルフォトフレーム、ゲーム機、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、GPS表示記録機器、自動車用等のナビゲーション装置、自動車用等の制御パネル、自動現金引出し預け入れ装置、現金自動支払機、自動販売機、デジタルサイネージ(電子看板)、セキュリティーシステム端末、POS端末、リモートコントローラなど各種コントローラ、車載装置用パネルスイッチなどの表示入力装置などの表面保護膜として有用である。
更に本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物により形成される硬化被膜は、光磁気ディスク、光ディスク等の光記録媒体;メガネレンズ、プリズム、レンズシート、ペリクル膜、偏光板、光学フィルター、レンチキュラーレンズ、フレネルレンズ、反射防止膜、各種カメラ用レンズ、各種レンズ用保護フィルター、光ファイバーや光カプラーなどの光学部品・光デバイスの表面保護被膜としても有用である。
以上のような、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物は、目的とする物品の表面に本発明に係る含フッ素化合物(A)のパーフルオロポリエーテル構造を配置させることにより、撥水性、撥油性、すべり性、防汚性、指紋の目立ちにくさ、指紋拭き取り性、耐摩耗性、低屈折率特性、耐溶剤性、耐薬品性等の優れた性質を与えることをその本質としている。
このような本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物を使用する際は、配合物の組み合わせ、組成比、どのような特性を重視するかに応じて、適切な使用方法をそれぞれの用途に応じた公知の技術を元に選定すればよい。このような公知の技術は、フッ素を含む組成物に対するものだけでなく既存の活性エネルギー線硬化性組成物に用いられている手法を含めて検討の範囲に含めることができる。
例えば、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物を配合調製するにあたり、本発明に係る含フッ素化合物(A)に加えて、前記した本硬化性組成物における各種配合物を組み合わせる際に、低屈折率特性やこれを利用した低反射特性を重視する場合には、反応性中空シリカや反応性基を有しない中空シリカ、多官能アクリル化合物を使用すること、また被膜強度や耐擦傷性を向上させる場合には、多官能アクリル化合物を好適な量に配合すること、あるいは硬度と屈曲性のバランスをとるためには、6官能以上の多官能アクリル化合物と3官能以下のアクリル化合物の組み合わせを行うこと等は、公知のアクリル硬化性組成物配合の知見から容易に類推できる。
また、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物を塗布することで物品を得る場合、例えば、フィルム基材への塗工を行う際、干渉縞を防ぐために適切な塗工膜厚となるように調整を行うこと、フィルム基材の厚さを調整してカールを抑制しやすくしたり、基材フィルムの弾性率を調整することで含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物の塗膜硬化後の変形や塗膜の割れを抑制すること等は、それぞれの特性に応じた既存の条件の組み合わせを元にスクリーニング作業を行って選定させるものであり、既存技術の組み合わせにより容易に達成可能である。
以下に、合成例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[合成例1]含フッ素アクリル化合物(A−1)の合成
乾燥空気雰囲気下で、下記式
Figure 2019142567
Rf1:−CF2O(CF2O)p1(CF2CF2O)q1CF2
(q1/p1=0.9、p1+q1≒45)
で示される含フッ素アルコール化合物(E−1)50.0g(水酸基量0.056モル)に、メチルエチルケトン50.0g、及びアクリロイルオキシエチルイソシアネート1.34g(0.00950モル)を混合し、50℃に加熱して1時間攪拌した。そこにジオクチル錫ジラウレート0.05gを添加し、50℃下8時間攪拌した。1H−NMRの結果から、未反応のアクリロイルオキシエチルイソシアネートの4.2ppmのメチレンピークが、ウレタン結合形成後の4.1ppmのメチレンピークへ全て変化したことを確認し、またIRスペクトルから2,260cm-1のイソシアネート基のピークの消失を確認した。加熱終了後、得られた反応液に活性炭処理を行い、得られた淡黄色液体をエバボレーターで80℃/133Paで2時間処理し、下記式で示されるアクリル基/水酸基量=0.20の淡黄色高粘稠物質である含フッ素アクリル化合物(A−1)47.2gを得た。
Figure 2019142567
Rf1:−CF2O(CF2O)p1(CF2CF2O)q1CF2
(q1/p1=0.9、p1+q1≒45)
[合成例2]含フッ素アクリル化合物(A−2)の合成
合成例1のアクリロイルオキシエチルイソシアネートの使用量を2.64g(0.0187モル)とした以外は同様の操作を行い、アクリル基/水酸基量=0.5の淡黄色高粘稠物質である含フッ素アクリル化合物(A−2)48.0gを得た。
[合成例3]含フッ素アクリル化合物(A−3)の合成
合成例1のアクリロイルオキシエチルイソシアネートの使用量を7.50g(0.0532モル)とした以外は同様の操作を行い、アクリル基/水酸基量=19の淡黄色高粘稠物質である含フッ素アクリル化合物(A−3)52.8gを得た。
[合成例4]含フッ素アクリル化合物(A−4)の合成
乾燥空気雰囲気下で、下記式
Figure 2019142567
Rf2:−CF2O(CF2O)p2(CF2CF2O)q2CF2
(q2/p2=1.2、p2+q2≒18.5)
で示される含フッ素アルコール化合物(E−2)50.0g(水酸基量0.098モル)に、メチルエチルケトン50.0g、及びアクリロイルオキシエチルイソシアネート4.61g(0.0327モル)を混合し、50℃に加熱して1時間攪拌した。そこにジオクチル錫ジラウレート0.10gを添加し、50℃下8時間攪拌した。1H−NMRの結果から、未反応のアクリロイルオキシエチルイソシアネートの4.2ppmのメチレンピークが、ウレタン結合形成後の4.1ppmのメチレンピークへ全て変化したことを確認し、またIRスペクトルから2,260cm-1のイソシアネート基のピークの消失を確認した。加熱終了後、得られた反応液に活性炭処理を行い、得られた淡黄色液体をエバボレーターで60℃/133Paで2時間処理し、下記式で示されるアクリル基/水酸基量=0.5の淡黄色高粘稠物質である含フッ素アクリル化合物(A−4)50.8gを得た。
Figure 2019142567
Rf2:−CF2O(CF2O)p2(CF2CF2O)q2CF2
(q2/p2=1.2、p2+q2≒18.5)
[合成例5]含フッ素アクリル化合物(B−1)の合成
合成例1のアクリロイルオキシエチルイソシアネートの使用量を8.59g(0.0609モル)とした以外は同様の操作を行い、13C−NMRスペクトルで62ppmの水酸基に隣接した炭素原子の由来のピークの消失を確認し、下記式で示される水酸基の残存しない淡黄色高粘稠物質である含フッ素アクリル化合物(B−1)53.0gを得た。
Figure 2019142567
Rf1:−CF2O(CF2O)p1(CF2CF2O)q1CF2
(q1/p1=0.9、p1+q1≒45)
[合成例6]含フッ素アクリル化合物(B−2)の合成
合成例4のアクリロイルオキシエチルイソシアネートの使用量を15.1g(0.107モル)とした以外は同様の操作を行い、13C−NMRスペクトルで62ppmの水酸基に隣接した炭素原子の由来のピークの消失を確認し、下記式で示される水酸基の残存しない淡黄色高粘稠物質である含フッ素アクリル化合物(B−2)58.9gを得た。
Figure 2019142567
Rf2:−CF2O(CF2O)p2(CF2CF2O)q2CF2
(q2/p2=1.2、p2+q2≒18.5)
[実施例1〜7、比較例1〜5]
含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物の調製
下記表1、2に示す配合割合で、上記合成例で得られた化合物(A−1)〜(A−4)、(B−1)、(B−2)、及び下記に示すアクリル化合物(C−1)〜(C−4)、光重合開始剤(D−1)、(D−2)、有機溶剤(S−1)〜(S−4)を混合して、含フッ素及び非フッ素の活性エネルギー線硬化性組成物を調製した。なお、各組成物の(A)成分と(B)成分に含まれるアクリル基合計モル量の理論値をNA、水酸基モル量の理論値をNHとして各組成物におけるNA/NHの値を下記表1、2に示した。
(C−1):ペンタエリスリトールトリアクリレート(分子中のアクリル基数:3個、水酸基数:1個)
(C−2):ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(分子中のアクリル基数:5個、水酸基数:1個)/ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(分子中のアクリル基数:6個、水酸基数:0個)の混合物
(C−3):新中村化学株式会社製 多官能ウレタンアクリレート「U−6LPA」(分子中のアクリル基数:6個以上)
(C−4):根上工業株式会社製 多官能ウレタンアクリレート「UN−3320HS」(分子中のアクリル基数:6個以上)
(D−1):1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(D−2):2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン
(S−1):メチルエチルケトン
(S−2):酢酸エチル
(S−3):プロピレングリコールモノメチルエーテル
(S−4):2−プロパノール
塗工と硬化膜の作製
実施例及び比較例の各活性エネルギー線硬化性組成物をポリカーボネート基板上にスピンコートで塗工した。コンベヤ式メタルハライドUV照射装置(パナソニック電工株式会社製)を使用し、窒素雰囲気中で、積算照射量1,600mJ/cm2の紫外線を塗工面に照射して組成物を硬化させ、厚さ約5μm、実施例5については約3μmの硬化膜を得た。
硬化膜の評価
上記で得られた硬化膜について、下記に示す方法により水接触角とオレイン酸接触角の測定、耐摩耗性、耐指紋性及び耐マジック性の評価を行った。これらの結果を表3、4に示す。
[水接触角測定]
接触角計(協和界面科学株式会社製 DropMaster)を用い、2μLの液滴を硬化膜上に滴下して1秒後の接触角を測定した。N=5の平均値を測定値とした。
[オレイン酸接触角測定]
接触角計(協和界面科学株式会社製 DropMaster)を用い、4μLの液滴を硬化膜上に滴下して1秒後の接触角を測定した。N=5の平均値を測定値とした。
[耐摩耗性]
以下の条件で往復摩耗試験を行い、2,000回毎に水接触角を測定し、水接触角が100°以下となった回数を記録した。
擦り材 :不織布(旭化成株式会社製 BEMCOT M−3II)
荷重 :1kg
接触面積:3cm2
擦り速度:90mm/s
擦り距離:20mm
[指紋の目立ちやすさの評価]
指紋を付けた際の目立ちやすさを以下の基準で目視評価した。
1:目立ちにくい
2:やや目立ちにくい
3:比較例1と同等
[指紋の拭き取りやすさの評価]
指紋をティッシュペーパーで拭き取る際の拭き取りやすさを以下の基準で目視評価した。
〇:容易に拭き取れる
×:拭き取れない
[マジックはじき性の評価]
硬化膜表面にマジックペン(ゼブラ株式会社製 ハイマッキー太字)で直線を描き、インクをはじくものを○、はじかないものを×とした。
[マジック拭き取り性の評価]
マジックはじき性の評価に用いた各サンプルについて、10分後にティッシュペーパーで拭き取りを行い、跡を残さず拭き取れるものを○、跡が残るものを×とした。
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
Figure 2019142567
*:試験以前に水接触角が100°以下であるため試験せず
上記の結果から明らかなように、含フッ素アクリル化合物(A−1)〜(A−4)を配合してなる本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物を用いた実施例1〜7は、撥水性、撥油性、耐摩耗性、指紋の目立ちにくさ、指紋の拭き取りやすさ、マジックはじき性、マジック拭き取り性に優れるものである。また、含フッ素アクリル化合物(A)を配合せず、含フッ素アクリル化合物(B−1)、(B−2)を配合してなる含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物を用いた比較例1〜4は、これらに相当する実施例よりも耐摩耗性に劣り、指紋が目立つものである。更に、含フッ素アクリル化合物(A−1)〜(A−4)も含フッ素アクリル化合物(B−1)、(B−2)も配合しない非フッ素の活性エネルギー線硬化性組成物を用いた比較例5は、上記実施例よりも撥水性、撥油性、耐摩耗性、指紋の拭き取りやすさ、マジックはじき性、マジック拭き取り性に劣るものである。

Claims (11)

  1. 2価のパーフルオロポリエーテル基の両末端に2価の連結基を介してシクロポリシロキサン構造が結合し、前記シクロポリシロキサン構造に2価の連結基を介して結合した水酸基と、前記シクロポリシロキサン構造に2価の連結基を介して結合した(メタ)アクリル基とを、それぞれ両末端のシクロポリシロキサン構造のいずれか一方又は両方に有する含フッ素化合物(A)を含有することを特徴とする含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
  2. 含フッ素化合物(A)において、含フッ素化合物(A)中に含まれる水酸基に対する(メタ)アクリル基のモル比[(メタ)アクリル基(モル)/水酸基(モル)]が、平均値として0.1以上25以下である請求項1に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
  3. 更に、2価のパーフルオロポリエーテル基の両末端に2価の連結基を介してシクロポリシロキサン構造が結合し、前記シクロポリシロキサン構造に2価の連結基を介して結合した(メタ)アクリル基を有し、かつ、水酸基を有さない構造を両末端に有する含フッ素化合物(B)を含むものである請求項1又は2に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
  4. 組成物全体に含まれる平均値として、組成物中の含フッ素化合物(A)に含まれる水酸基に対する含フッ素化合物(A)に含まれる(メタ)アクリル基と含フッ素化合物(B)に含まれる(メタ)アクリル基の合計のモル比[(メタ)アクリル基の合計(モル)/水酸基(モル)]が、0.1以上25以下である請求項3に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
  5. 含フッ素化合物(A)が、下記一般式(1)
    1−Z−Rf−Z−X1 (1)
    [式中、Rfは下記式(2)〜(5)
    Figure 2019142567
    (式中、Yは互いに独立にF又はCF3であり、rは2〜6の整数であり、m、nはそれぞれ0〜200の整数であり、但しm+nは2〜200であり、sは0〜6の整数である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてもよい。)
    Figure 2019142567
    (式中、jは独立に1〜3の整数であり、kは1〜200の整数である。)
    Figure 2019142567
    (式中、Y、jは上記と同じであり、p、qはそれぞれ0〜200の整数であり、但しp+qは2〜200である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてもよい。)
    Figure 2019142567
    (式中、tは1〜100の整数である。)
    で表される基から選ばれる、分子量500〜30,000の2価のパーフルオロポリエーテル基であり、X1は互いに独立に、下記式(6)
    Figure 2019142567
    〔式中、Q1は炭素数3〜20のエーテル結合、エステル結合、アミド結合及びウレタン結合から選ばれる結合を含んでいてもよい2価の連結基であり、途中環状構造や分岐構造を含んでいてもよく、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R1は下記式(7)
    Figure 2019142567
    (式中、R2は独立に、水素原子又はメチル基であり、R3は炭素数1〜18のエーテル結合及び/又はエステル結合を含んでいてもよい2価もしくは3価の連結基であり、cは1又は2である。)
    で表される(メタ)アクリル基含有基であり、a及びbはそれぞれ0〜6の整数であり、但しa+bは2〜11である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてもよい。〕
    で表される基であり、分子中に存在するX1中のa、bの合計はそれぞれ2以上である。Zは下記式
    Figure 2019142567
    Figure 2019142567
    Figure 2019142567
    Figure 2019142567
    Figure 2019142567
    Figure 2019142567
    Figure 2019142567
    Figure 2019142567
    Figure 2019142567
    Figure 2019142567
    のいずれかで示される2価の有機基である。]
    で表されるものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
  6. 更に、含フッ素化合物(A)、(B)以外のアクリル化合物(C)を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
  7. アクリル化合物(C)が、1分子中に3個以上の(メタ)アクリル基を有し、かつ分子中に水酸基を有さない非フッ素化多官能(メタ)アクリレートである請求項6に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
  8. アクリル化合物(C)が、1分子中に3個以上の(メタ)アクリル基と1個以上の水酸基を有する非フッ素化多官能(メタ)アクリレートである請求項6に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
  9. アクリル化合物(C)が、分子中にウレタン結合を有し、1分子中に6個以上の(メタ)アクリル基を有する非フッ素化多官能ウレタン(メタ)アクリレートである請求項6に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
  10. 更に、(D)光重合開始剤を含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物の硬化被膜を表面に有し、水接触角105°以上の撥水性表面を有する物品。
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