JPWO2019138744A1 - 複合部材、放熱部材、半導体装置、及び複合部材の製造方法 - Google Patents

複合部材、放熱部材、半導体装置、及び複合部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

金属と非金属とを含む複合材料からなる基板を備え、前記基板は、その一面に設けられた曲率半径Rの球面状の反りを有する大反り部と、前記大反り部に部分的に設けられ、前記曲率半径Rとは異なる大きさの反りを有する小反り部とを備え、前記曲率半径Rは、5000mm以上35000mm以下であり、前記基板の熱伝導率が150W/m・K以上であり、前記基板の線膨張係数が10ppm/K以下である複合部材。

Description

本開示は、複合部材、放熱部材、半導体装置、及び複合部材の製造方法に関するものである。本出願は、2018年1月10日に出願した日本特許出願である特願2018−002166号に基づく優先権を主張する。当該日本特許出願に記載された全ての記載内容は、参照によって本明細書に援用される。
特許文献1は、半導体素子の放熱部材(ヒートスプレッダ)等に適した材料として、マグネシウム(Mg)やマグネシウム合金と炭化珪素(SiC)とが複合されたマグネシウム基複合材料(以下、Mg−SiCと呼ぶことがある)を開示する。
半導体素子の放熱部材は、代表的には平板状であり、一面を半導体素子等の実装面とし、他面を冷却装置といった設置対象に固定する設置面とする。特許文献1は、Mg−SiCの放熱部材の設置面が凸となる反りを設け、この反りを押し潰すように放熱部材を設置対象に押し付け、この状態でボルト等によって固定して、放熱部材を設置対象に加圧状態で接触させることで、密着させることを開示する。
特開2012−197496号公報
本開示に係る複合部材は、
金属と非金属とを含む複合材料からなる基板を備え、
前記基板は、
その一面に設けられた曲率半径Rの球面状の反りを有する大反り部と、
前記大反り部に部分的に設けられ、前記曲率半径Rとは異なる大きさの反りを有する小反り部とを備え、
前記曲率半径Rは、5000mm以上35000mm以下であり、
前記基板の熱伝導率が150W/m・K以上であり、
前記基板の線膨張係数が10ppm/K以下である。
本開示に係る複合部材の製造方法は、
金属と非金属とを含む複合材料からなる素材板を成形型に収納して熱プレスを行うプレス工程を備え、
前記成形型は、
曲率半径Rbの球面を有する大球面部と、前記大球面部に部分的に設けられ、前記曲率半径Rbとは異なる曲率半径の球面を有する小球面部とを備え、
前記曲率半径Rbは5000mm以上35000mm以下であり、
前記プレス工程は、
加熱温度を200℃超とし、印加圧力を10kPa以上として所定時間保持する保持工程と、
前記印加圧力の80%以上の加圧状態を保持したまま前記加熱温度から100℃以下まで冷却する冷却工程とを備える。
図1は、実施形態の複合部材を模式的に示す概略平面図である。 図2は、実施形態の複合部材において、図1に示す(II)−(II)切断線で切断した部分断面図である。 図3は、実施形態の放熱部材の製造過程を説明する工程説明図である。 図4は、曲率半径Rの測定方法を説明する説明図であり、輪郭抽出直線lに沿って抽出した輪郭を描く各測定点、近似円弧、測定点と近似円弧間の距離dを示す。 図5は、実施形態の半導体装置の要素を模式的に示す概略断面図である。 図6は、実施形態の複合部材の別例を模式的に示す概略平面図である。 図7は、実施形態の複合部材の更に別例を模式的に示す概略平面図である。
[本開示が解決しようとする課題]
電子機器の高出力化に伴い、電子機器に備える半導体素子の作動時の発熱量がますます増加する傾向にある。従って、半導体素子の放熱部材等の各種の放熱部材、及びその素材には、放熱性により優れることが望まれる。
上述のように放熱部材をなす板全体に凸の反りを設けていても、放熱性の低下を招く場合がある。この理由の一つとして、放熱部材と半導体素子との間を絶縁する絶縁基板を放熱部材に半田付けすることで、放熱部材における絶縁基板の接合箇所が局所的に変形して、凸の反りが戻ることが考えられる。凸の反りが戻るとは、初期の反り量(突出量)よりも反り量が減少したり、局所的に凹状になったり、初期の曲率半径よりも曲率半径が大きくなったり、球面の精度が低下したりすること等が挙げられる。Mg−SiC等の複合材料からなる放熱部材と、窒化アルミニウム(AlN)等の絶縁材料からなる絶縁基板との線膨張係数の差は、放熱部材が金属からなる場合に比較して小さいものの、この僅かな差によって、上述の局所的な変形が生じると考えられる。この局所的な変形によって放熱部材を設置対象に押し付けても、放熱部材が設置対象に密着できない箇所が生じて、設置対象への熱伝導性の低下、ひいては放熱性の低下を招く可能性がある。
また、電子機器の高出力化に伴い、半導体素子と金属を含む放熱部材との間の電気的絶縁性を高めるために、絶縁基板をより厚くすることが考えられる。絶縁基板が厚いほど、放熱部材と絶縁基板との熱伸縮量の差が大きくなり、上述の局所的な変形が生じ易い。更に、絶縁基板の接合材として、固相線温度がより高い半田を用いる場合も、半田付け時の温度がより高くなることによって上記熱伸縮量の差が大きくなり易い。従って、高出力用途や、絶縁基板がより高い温度で接合される場合等であっても、設置対象との密着性に優れて放熱性に優れる放熱部材及びその素材が望まれる。
そこで、設置対象との密着性に優れる複合部材を提供することを目的の一つとする。また、設置対象との密着性に優れる複合部材を製造可能な複合部材の製造方法を提供することを別の目的の一つとする。
更に、設置対象との密着性に優れて、放熱性に優れる放熱部材、及び半導体装置を提供することを別の目的の一つとする。
[本開示の効果]
上記の複合部材は、設置対象との密着性に優れる。上記の複合部材の製造方法は、設置対象との密着性に優れる複合部材を製造できる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の一態様に係る複合部材は、
金属と非金属とを含む複合材料からなる基板を備え、
前記基板は、
その一面に設けられた曲率半径Rの球面状の反りを有する大反り部と、
前記大反り部に部分的に設けられ、前記曲率半径Rとは異なる大きさの反りを有する小反り部とを備え、
前記曲率半径Rは、5000mm以上35000mm以下であり、
前記基板の熱伝導率が150W/m・K以上であり、
前記基板の線膨張係数が10ppm/K以下である。
前記球面状の反りとは凸の反りとする。
前記小反り部の反りとは前記大反り部の凸の反りと同じ方向に突出する凸の反りとする。
前記小反り部は、代表的には、曲率半径Rよりも小さな曲率半径を有する球面状の反りを有することが挙げられる。
前記基板は、その一面に上述の凸の反り、対向する他面に凹の反りを備える形態、一面に上述の凸の反りを備え、他面が平坦な形態(以下、球欠形態と呼ぶ)等が挙げられる。
曲率半径Rの測定方法、後述(2)の小反り部の反り量の測定方法は後述する。
上記の複合部材は、上述の複合材料からなる基板の一面に、上述の特定の曲率半径Rの球面状の反り(大反り部)を有すると共に、この球面状の反り部分に重複して、この反り部分の一部に異なる大きさの反り(小反り部)を有する。この小反り部を絶縁基板の接合箇所とすれば、絶縁基板の接合時に小反り部が局所的に変形することで、絶縁基板が接合された状態の基板は曲率半径Rの球面状の反りを一様に有し易い。この絶縁基板に更に半導体素子等が搭載されても、上記球面状の反りを維持し易い。この絶縁基板が接合された状態の基板、更にはこの絶縁基板に半導体素子が搭載された状態の基板は、代表的には小反り部を実質的に有さず、特定の曲率半径Rの球面状の反りを一様に有する。そのため、この球面状の反り部分を設置対象に均一的に押し付けられて、安定した密着状態を確保できる。従って、上記の複合部材は、特に絶縁基板等が半田等の接合材で接合された後において、設置対象との密着性に優れる。上記の複合部材は、高い熱伝導率を有する基板を備えると共に、上述のように設置対象との密着性に優れるため、放熱部材、特に半導体素子の放熱部材に好適に利用できる。基板の線膨張係数が半導体素子や、上述の絶縁基板等の半導体素子の周辺部品の線膨張係数に近いからである。
(2)上記の複合部材の一例として、
前記曲率半径Rは、15000mm以上25000mm以下であり、
前記小反り部の反り量は、30μm超70μm以下である形態が挙げられる。反り量の測定方法は、後述する。
上記形態は、曲率半径Rと小反り部の反り量とが上述の特定の範囲を満たすことで、絶縁基板の接合時に小反り部が適切に変形して、接合後の基板に小反り部に起因する局所的な反りが残存し難い。従って、上記形態は、絶縁基板等が接合された状態の基板が球面状の反りを一様に有し易く、設置対象との密着性に優れる。
(3)上記の複合部材の一例として、
前記小反り部は、平面視で円形の部分を含み、その直径は5mm以上150mm以下である形態が挙げられる。
上記形態における平面形状が円形の部分とは球面状の反り部分といえる。上記形態の小反り部は球面状の反りを有するため、絶縁基板の接合時に均一的に変形し易い。また、上記円形の部分の直径が上記の特定の範囲であれば、半導体装置に利用される絶縁基板の外寸に近く、小反り部の大きさが絶縁基板の大きさに対応していることで、小反り部がより適切に変形し易い。従って、上記形態は、絶縁基板等が接合された状態の基板が球面状の反りを一様に有し易く、設置対象との密着性に優れる。
(4)上記の複合部材の一例として、
複数の前記小反り部を備える形態が挙げられる。
上記形態は、絶縁基板の接合箇所を複数備えており、複数の半導体素子を搭載する放熱部材に好適に利用できる。
(5)上記の複合部材の一例として、
前記非金属の含有量が55体積%以上である形態が挙げられる。
上記形態は、非金属の含有量が多いため、熱伝導率がより高く、放熱性により優れる。従って、上記形態は、半導体素子の放熱部材等に好適に利用できる。
(6)上記の複合部材の一例として、
前記金属は、マグネシウム、マグネシウム合金、アルミニウム、又はアルミニウム合金であり、
前記非金属はSiCを含む形態が挙げられる。
上記形態においてMg−SiCの基板を備える場合、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金とSiCとの複合材料(以下、Al−SiCと呼ぶことがある)の基板を備える場合よりも軽い上に、熱伝導率がより高く放熱性により優れる。また、後述の実施形態の複合部材の製造方法によって製造する場合、Mg−SiCの素材板はAl−SiCの素材板よりも熱プレスによる成形性に優れ、比較的短時間の保持で高精度に成形できるため、製造性にも優れる。
上記形態においてAl−SiCの基板を備える場合、銅や銀、これらの合金を含む場合よりも軽く、マグネシウムやその合金を含む場合よりも耐食性に優れる。
(7)本開示の一態様に係る放熱部材は、
上記(1)から上記(6)のいずれか一つに記載の複合部材と、
前記小反り部に接合材を介して接合された絶縁基板とを備え、
前記絶縁基板が接合された状態での前記基板の曲率半径Rが5000mm以上35000mm以下である。
上記の放熱部材に備えられる基板は、上述のように絶縁基板の接合時に小反り部の反りが緩和され、絶縁基板が接合された状態では実質的に大反り部のみを有する。即ち、この基板は上述の特定の曲率半径Rの球面状の反りを有する。この絶縁基板に更に半導体素子等が搭載されても、上記曲率半径Rの球面状の反りを維持し易い。このような上記の放熱部材は、この球面状の反り部分を設置対象に均一的に押し付けられて、安定した密着状態を確保できる。従って、上記の放熱部材は、設置対象との密着性に優れ、設置対象に効率よく熱を伝えられて、放熱性に優れる。上記の放熱部材は、上述のように基板と半導体素子及びその周辺部品との線膨張係数の整合性から、半導体素子の放熱部材に好適に利用できる。
(8)本開示の一態様に係る半導体装置は、
上記(7)に記載の放熱部材と、
前記絶縁基板に搭載された半導体素子とを備え、
前記半導体素子が搭載された前記絶縁基板が接合された状態での前記基板の曲率半径Rが5000mm以上35000mm以下である。
上記の半導体装置は、半導体素子が搭載された絶縁基板が接合された状態において上記特定の曲率半径Rの球面状の反りを有する上記の放熱部材(基板)を備えるため、設置対象との密着性に優れ、放熱性に優れる。上記の半導体装置は、例えばパワーモジュールといった半導体モジュールが挙げられる。
(9)上記の半導体装置の一例として、
前記半導体素子が搭載された前記絶縁基板が接合された状態での前記基板の球面誤差が10.0μm以下である形態が挙げられる。球面誤差の測定方法は、後述する。
上記形態に備えられる放熱部材(基板)は、半導体素子が搭載された絶縁基板が接合された状態において上述の特定の曲率半径Rの球面状の反りを有することに加えて、球面誤差が10.0μm以下と小さく球面精度に優れる。いわば、この放熱部材は真球面状の反りを有する。従って、上記形態は、この真球面状の反り部分を設置対象により均一的に押し付けられるため、設置対象との密着性により優れ、放熱性により一層優れる。
(10)上記の半導体装置の一例として、
前記絶縁基板の厚さが1mm以上である形態が挙げられる。
上記形態に備えられる絶縁基板は、その厚さが1mm以上と厚く、発熱対象である半導体素子と、金属を含む放熱部材(基板)との間の電気絶縁性を高められる。また、上記形態に備えられる放熱部材は、このような厚い絶縁基板が接合された状態において上述のように特定の曲率半径Rの球面状の反りを有する。従って、上記形態は、設置対象との密着性に優れ、放熱性に優れる上に、半導体素子との電気絶縁性にも優れ、高出力用途の半導体装置等として好適に利用できる。
(11)本開示の一態様に係る複合部材の製造方法は、
金属と非金属とを含む複合材料からなる素材板を成形型に収納して熱プレスを行うプレス工程を備え、
前記成形型は、
曲率半径Rbの球面を有する大球面部と、前記大球面部に部分的に設けられ、前記曲率半径Rbとは異なる曲率半径の球面を有する小球面部とを備え、
前記曲率半径Rbは5000mm以上35000mm以下であり、
前記プレス工程は、
加熱温度を200℃超とし、印加圧力を10kPa以上として所定時間保持する保持工程と、
前記印加圧力の80%以上の加圧状態を保持したまま前記加熱温度から100℃以下まで冷却する冷却工程とを備える。
上記の複合部材の製造方法は、上述の特定の曲率半径Rbの球面(大球面部)を有すると共に、この球面に重複して、この球面の一部に異なる曲率半径の球面(小球面部)を有する成形型を用いて、上述の特定の条件で素材板に熱プレスを施す。熱プレス時の加熱温度及び印加圧力が上述のように比較的高いことで、上述の複合材料からなる素材板の塑性変形を促進して、大球面部と小球面部とによる複数の反り形状を素材板に精度よく転写できる。かつ、熱プレス時の加熱温度から特定の温度までの冷却を加圧状態で行うことで、無加圧状態での冷却で生じ得る形状変化や形状の乱れ等を抑制できることからも、成形型の形状を高精度に転写できる。基板の一面に、大球面部によって成形された曲率半径Rbに近い曲率半径を有する球面状の反り部分(上述の大反り部の一例)を有すると共に、小球面部によって成形された曲率半径Rsに近い曲率半径を有する球面状の反り部分(上述の小反り部の一例)が局所的に設けられた複合部材、代表的には上述(1)の複合部材を製造できる。この複合部材は、小球面部によって成形された反り部分を絶縁基板の接合箇所とすれば、接合後の基板は大球面部によって成形された球面状の反りを一様に有することができる。絶縁基板に更に半導体素子等が搭載されても、上記球面状の反りを維持し易い。このような複合部材は、上述のように設置対象との密着性に優れる。
更に、上記の複合部材の製造方法によれば、残留応力を解放して、残留応力が小さい、好ましくは残留応力を実質的に有さない複合部材を製造できる。このような複合部材は、上述のように設置対象との密着性に優れる上に、使用時に冷熱サイクルを受けても変形し難く、設置対象との密着状態を維持し易い。この複合部材は、半導体素子の放熱部材等に利用すると、使用初期から長期に亘り放熱性に優れる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施形態を具体的に説明する。
図1の破線円内では、分かり易いように非金属22を誇張して示す。図2、図3では、分かり易いように小反り部12を誇張して示す。
図2は、基板10をその厚さ方向に平行な平面(ここでは長方形状である基板10の短辺に平行な平面)で切断した断面図である。
図5では、半導体装置5に備える放熱部材3及び半導体素子50の近傍のみを模式的に示し、放熱部材3の反り形状、ボンディングワイヤやパッケージ、冷却装置(設置対象)等を省略している。
[複合部材]
(概要)
図1,図2を主に参照して、実施形態の複合部材1を説明する。
実施形態の複合部材1は、図1に示すように金属20と非金属22とを含む複合材料からなる基板10を備える。基板10の熱伝導率は150W/m・K以上であり、線膨張係数は10ppm/K以下である。この基板10の一面には、図2に示すように曲率半径Rが5000mm以上35000mm以下の球面状の反りを有する大反り部11が設けられている。代表的には、基板10の一面の大部分に亘って曲率半径Rの球面状の反りが設けられ、基板10の大部分が大反り部11をなす。更に、この基板10の一面には、曲率半径Rとは異なる大きさの反りを有する小反り部12が大反り部11に部分的に設けられている。大反り部11と小反り部12とは同じ方向(図2では下向き)に突出し、基板10は、二段階の凸の反りを有する。図2では、小反り部12が曲率半径Rよりも小さい曲率半径を有する球面状の反りを有する場合を例示する。
小反り部12にAlN等からなる絶縁基板52を半田等の接合材54(図3の中図)で接合すると、小反り部12は絶縁基板52の線膨張係数との差等に基づいて局所的に変形する。いわば小反り部12の凸が小さくなるように変形する。この局所的な変形によって絶縁基板52が接合された箇所の形状は大反り部11に沿った形状になり易い。また、この局所的な変形は大反り部11の形状に影響を与え難く、大反り部11の形状は実質的に維持され易い。その結果、絶縁基板52が接合された基板10の一面は、代表的には小反り部12を実質的に有さず、曲率半径Rの球面状の反りを一様に有する(図3の下図)。絶縁基板52に更に半導体素子50(図5)が接合材54(図5)で接合されても、上記球面状の反りを維持し易い。この球面状の反り部分は複合部材1の設置対象(図示せず)に均一的に押し付けられることから、複合部材1を設置対象に密着させられる。このような複合部材1を放熱部材3(図3)に利用すれば、高い熱伝導率を有する基板10が設置対象に密着しているため、設置対象に良好に熱伝達できて放熱性に優れる。特に、基板10は半導体素子50やその周辺部品(例、絶縁基板52等)に比較的近い線膨張係数を有するため、半導体素子50の放熱部材3に好適に利用できる。
以下、より詳細に説明する。
(基板)
基板10は、複合部材1の主要素であり、金属20と非金属22とを含む複合材料から構成される成形体である。
<金属>
基板10中の金属20は、例えば、Mg,Al,Ag,及びCuの群から選択される1種であるいわゆる純金属、又は上記群から選択される1種の金属元素を基とする合金等が挙げられる。マグネシウム合金、アルミニウム合金、銀合金、銅合金は公知の組成のものが利用できる。
<非金属>
基板10中の非金属22は、熱伝導性に優れ(例、30W/m・K以上、好ましくは150W/m・K以上)、金属20よりも線膨張係数が小さい種々のもの(例、線膨張係数:5ppm/K以下)が挙げられる。非金属22の一例として、金属元素又は非金属元素の炭化物、酸化物、窒化物、硼化物、珪素化物、塩化物等のセラミクス、珪素(Si)等の非金属元素、ダイヤモンドやグラファイト等の炭素材といった無機材料が挙げられる。具体的なセラミクスは、SiC(例、線膨張係数3〜4ppm/K、単結晶の熱伝導率390W/m・K以上),AlN,h−BN,c−BN,BC等が挙げられる。複数種の非金属22を含むことができる。
基板10中の非金属22は、代表的には原料の組成、形状、大きさ等が実質的に維持されて存在する。例えば、原料に粉末を用いれば基板10中に粉末粒子として存在し、原料に網目状の多孔体等の成形体を用いれば、基板10中に成形体として存在する。粉末粒子が分散して存在する基板10は靭性に優れる。多孔体が存在する基板10は、基板10中に非金属22が網目状に連続して放熱経路を構築するため、放熱性により優れる。
基板10中の非金属22の含有量は適宜選択できる。上記含有量は、多いほど熱伝導率が高くかつ線膨張係数が小さくなる傾向や、機械的特性(例、剛性等)が高くなる傾向を有することが多く、特性向上が期待できる。特性向上の観点から、上記含有量が55体積%以上であることが挙げられる。上記含有量が55体積%以上である場合、金属20や非金属22の組成にもよるが、例えばMg−SiC,Al−SiC,ダイヤモンド複合材料等では熱伝導率が150W/m・K以上(ダイヤモンド複合材料ではより高い)、線膨張係数が10ppm/K以下を満たし易い。上記含有量は、上述の特性向上等の観点から、60体積%以上、更に70体積%以上であることが挙げられる。上記含有量がある程度少なければ、複合材料を形成する成形型に原料を充填したり、非金属22の隙間に溶融状態の金属20を充填したりし易く、複合材料の製造性に優れる。製造性等の観点から、上記含有量は、90体積%以下、更に85体積%以下、80体積%以下であることが挙げられる。
<複合材料の具体例>
複合材料の具体例として、純マグネシウム又はマグネシウム合金(以下、まとめてMg等と呼ぶことがある)とSiCとが主として複合されたMg−SiC、純アルミニウム又はアルミニウム合金(以下、まとめてAl等と呼ぶことがある)とSiCとが主として複合されたAl−SiC等が挙げられる。ダイヤモンド複合材料として、銀や銀合金、又はMg等、又はAl等、又は銅や銅合金とダイヤモンドとが主として複合されたもの等が挙げられる。
金属20がMg等であり、非金属22がSiCを含むMg−SiCは、Al−SiCに比較して、軽量な上に熱伝導率が高く放熱性により優れる。また、Mg−SiCの基板10を備える複合部材1を後述する実施形態の複合部材の製造方法によって製造する場合、Mg−SiCの素材板は、Al−SiCの素材板よりも熱プレスによる成形性に優れ、より短時間で高精度に成形できるため、複合部材1の製造性にも優れる。更に、Mg等はAl等よりも応力緩和し易いため、熱プレス時により低い温度、かつより短時間で残留応力を低減でき、基板10の表裏面の残留応力差を小さくし易い。残留応力が低減された基板10を備える複合部材1は、使用時に冷熱サイクルを受けても変形し難く、使用初期から長期に亘り、設置対象に密着した状態を確保し易い。金属20がAl等であり、非金属22がSiCを含むAl−SiCは、金属20として銀や銅、これらの合金を含む場合よりも軽量であり、Mg等を含む場合よりも耐食性に優れる。ダイヤモンド複合材料は、熱伝導率が非常に高く、放熱性に更に優れる。
<外形>
基板10の外形(ここでは基板10の外縁が描く平面形状)は、代表的には長方形が挙げられる。長方形の基板10は、(1)素材板を製造し易い、(2)半導体素子50の放熱部材3等に利用される場合、半導体素子50等の実装部品の設置面積を十分に確保できる、といった利点を有する。基板10の外形は、用途、上記実装部品の形状・数や設置対象等に応じて変更できる。図1では、基板10の外形が長方形である場合を例示する。
<大きさ>
基板10の大きさは、用途、上述の実装部品の実装面積等に応じて適宜選択できる。例えば、基板10の外形を内包する長方形(基板10の外形が長方形ならば、内包する長方形は基板10の外形に実質的に一致する)をとり、この長方形の長辺の長さが100mm以上であり、短辺の長さが50mm以上であれば、上記実装面積が大きく、大型の放熱部材3を構築できる。長辺の長さ150mm以上×短辺の長さ120mm以上等とすることもできる。大型の基板10であっても、大反り部11及び小反り部12を有するため、上述のように絶縁基板52が接合された状態の複合部材1、更には絶縁基板52に半導体素子50が搭載された状態の複合部材1を設置対象に密着させられる。
基板10の厚さt(図2)は適宜選択できる。複合部材1を放熱部材3に利用する場合、厚さtは、薄いほど設置対象への熱伝導を良好に行えるため、10mm以下、更に6mm以下、5mm以下が好ましい。厚さtは、ある程度厚いと横方向(厚さ方向と直交方向)の熱拡散により放熱性を高められ、厚いほど構造材料としての強度を増し易いため、例えば0.5mm以上、更に1mm以上、1.5mm以上であることが挙げられる。
<反り>
《大反り部》
実施形態の複合部材1では、基板10の一面に曲率半径Rが5000mm(5m)以上35000mm(35m)以下の球面状の反りを有する大反り部11が設けられている。基板10の代表例として、図2に示すように一面(図2では下面)に凸の反り、対向する他面(図2では上面)に対応した凹の反りを有する形態が挙げられる。その他の基板10として、一面に凸の反り(大反り部11と小反り部12との二段の凸の反り)を有し、他面が平坦面である球欠形態が挙げられる。いずれの形態も複合部材1を半導体素子50の放熱部材3等に利用する場合、凸の反りを有する一面を設置対象への設置面、他面を半導体素子50等の実装部品の実装面とすることが挙げられる。
曲率半径Rが上述の特定の範囲を満たすと、大反り部11における反りの突出量が適切であり、絶縁基板52の接合後、更には半導体素子50の搭載後もこの突出量を維持し易い。その結果、絶縁基板52等の接合後に反り部分を設置対象に均一的に押し付けられて、基板10を設置対象に密着させられる。また、曲率半径Rが上述の特定の範囲を満たすと、使用時に冷熱サイクル等を受けても基板10が経時的に変形し難い。これらの観点から、曲率半径Rは、6000mm以上、更に7000mm以上、8000mm以上であること、34000mm以下、更に33000mm以下、32000mm以下、25000mm以下であることが挙げられる。
また、大反り部11における球面状の反りの中心が、基板10の外形における重心G近傍であることが好ましい。上述のように基板10の反り部分を設置対象に押し付ける際に、押圧力を基板10に均等に加え易く、基板10を設置対象に密着させ易いからである。上記重心Gとは、基板10の外縁が描く平面形状の中心に対応する点とする。基板10の外形が上述のように長方形ならば、上記重心Gはこの長方形の対角線の交点に相当する。
《小反り部》
実施形態の複合部材1では、基板10の一面に上述の大反り部11に加えて、大反り部11の一部に小反り部12を備える。小反り部12は、曲率半径Rとは異なる大きさを有し、曲率半径Rを有する大反り部11から、大反り部11と同じ方向に突出して所定の突出量(後述の反り量x)を有する。
小反り部12は、曲率半径Rよりも小さな曲率半径を有する球面状の反り部分を含むことが好ましい。絶縁基板52の接合時に均一的に変形し易いからである。小反り部12が球面状の反り部分を含む形態の一例として、図1に示すように、小反り部12の全体が球面状の反りをなす形態が挙げられる。この形態の小反り部12は、平面視で円形である。小反り部12が球面状の反り部分を含む複合部材1は、後述する実施形態の複合部材の製造方法を利用すると、上記球面状の反り部分を高精度に成形し易い。
小反り部12が上述の球面状の反り部分を含む形態の別例として、小反り部12の平面形状が、複数の円が部分的に重なり合ってできる形状、即ち円弧と弦(直線)とを組み合わせたような形状である形態等が挙げられる。このような平面形状として、図6に例示する雪だるま状、図7に例示する花びら状等が挙げられる。この小反り部12の三次元形状は、複数の球冠の一部が欠けて連なったような球面を有する。また、この小反り部12は、平面視で円形の部分(後述の図6,図7の円120参照)を含む。
平面視で、小反り部12に備えられる円形の部分の直径Dは5mm以上150mm以下であることが挙げられる(図1)。直径Dがこの範囲であれば、半導体装置5に利用される絶縁基板52の外寸、例えば平面形状が長方形である絶縁基板52では長辺の長さ、短辺の長さ、及び対角線の長さの少なくとも一つに近い。小反り部12の直径Dと絶縁基板52の外寸とが近いことで、絶縁基板52の接合時に小反り部12がより適切に変形し易く、接合後の基板10が曲率半径Rの球面状の反りを有し易い。直径Dが上記外寸のうち対角線の長さに近いほど、絶縁基板52の接合時に小反り部12がより一層適切に変形し易く好ましい。絶縁基板52の外寸にもよるが、直径Dは、10mm以上70mm以下であることが挙げられる。
又は、上記直径Dは、絶縁基板52の平面形状の輪郭線(図1では長方形)に内接する内接円の直径以上、上記輪郭線に外接する外接円の直径以下であることが挙げられる。この範囲を満たす直径Dは、絶縁基板52の外寸、特に上述の対角線に近く、上述のように絶縁基板52の接合時に小反り部12がより一層適切に変形し易く好ましい。図1は、上記直径Dが内接円の直径に実質的に等しい場合を例示する。
又は、小反り部12の平面形状の輪郭線が絶縁基板52の平面形状の輪郭線(図1では長方形)に内接する内接円の円弧、又は絶縁基板52の上記輪郭線に外接する外接円の円弧、又は上記内接円の同心円の円弧を含むことが挙げられる。平面視で、上記円弧を含む輪郭線を有する小反り部12の大きさは、絶縁基板52の外寸、特に上述の対角線の長さに近く、上述のように絶縁基板52の接合時に小反り部12がより一層適切に変形し易く好ましい。図1では、小反り部12の平面形状の輪郭線が上記内接円の円弧を含む場合、特に上記内接円に一致する場合を示す。図6では、小反り部12の上記輪郭線が上記内接円の同心円の円弧を含む場合を示す。図7では、小反り部12の上記輪郭線が上記外接円の円弧を含む場合を例示する。
複合部材1は、基板10に一つ又は複数の小反り部12を備えることができる。複合部材1を半導体素子の放熱部材3に利用する場合、小反り部12は、半導体素子50等の実装部品が搭載される絶縁基板52の接合箇所に利用する。そのため、小反り部12の個数は、半導体素子50(絶縁基板52)の個数に応じて選択するとよい。図1に例示するように複合部材1が複数の小反り部12を備えると、複数の半導体素子が搭載される放熱部材3に好適に利用できる。上述の雪だるま状等のように、大反り部11に対して局所的な反り部分(湾曲部)が連なる形態では、湾曲部の個数を小反り部12の個数とする。図6では、三つの湾曲部が連なった部分が二つあり、合計6個の小反り部12を備える場合を例示する。図7では、四つの湾曲部が縦二列、横2行に重なり合っており、合計4個の小反り部12を備える場合を例示する。
複数の小反り部12を備える場合、図1に例示するように基板10における大反り部11の形成領域に対して、隣り合う小反り部12,12の間隔が概ね等しく、各小反り部12が均一的に配置されることが挙げられる。この形態は、絶縁基板52を接合し易い上に、各絶縁基板52の接合時に各小反り部12が均一的に変形でき、接合後の基板10が曲率半径Rの球面状の反りを一様に有し易いと期待される。特に、図1に例示するように各小反り部12の形状及び大きさ(曲率半径、後述の反り量x、直径D等)が実質的に等しいと、各絶縁基板52の接合時に各小反り部12がより均一的に変形し易い。上述の雪だるま状等のように、平面視において複数の円が部分的に重なって並列された形状等の局所的な反り部分が連なる形態でも、各小反り部12の形状や大きさが実質的に等しいと、各絶縁基板52の接合時に各小反り部12が均一的に変形し易い。更に、各小反り部12の形状や大きさが実質的に等しければ、上述の実施形態の複合部材の製造方法によって複合部材1を製造する場合に、均一的に加圧して高精度に成形し易く、製造性にも優れる。なお、絶縁基板52の形状や大きさに応じて、小反り部12の形状や大きさを異ならせることもできる。
小反り部12の反り量xは、大反り部11の曲率半径Rに応じて調整されていることが好ましい。例えば、曲率半径Rが15000mm以上25000mm以下であり、小反り部12の反り量x(図2)が30μm超70μm以下であることが挙げられる。曲率半径R及び反り量xが上述の範囲を満たすことで、絶縁基板52の接合時に小反り部12が適切に変形し易く、接合後の基板10が曲率半径Rの球面状の反りを一様に有し易く、この基板10を設置対象に密着させ易い。曲率半径Rにもよるが、反り量xは35μm以上65μm以下、更に40μm以上60μm以下であることが挙げられる。
小反り部12の反り量xは、大反り部11の曲率半径Rに加えて、基板10の仕様(線膨張係数、ヤング率、厚さt等)、絶縁基板52の仕様(線膨張係数、ヤング率、厚さt等)、接合材54の仕様(固相線温度等)を考慮して調整されていることがより好ましい。例えば、反り量x(μm)は、以下の式[1]の値±20%を満たすことが挙げられる。基板10、絶縁基板52、接合材54の仕様に応じて、以下の式[1]の値を満たすように反り量xを設定して、複合部材1を製造するとよい。以下の式[1]において、fは以下の式[2]を満たす湾曲係数とする。式[1]、式[2]はバイメタルの計算公式(平板両端支持形の公式、平板形のワン曲公式)に基づくものである。
x=(f/1000)×(Ts−25)×(L/1000)/{((t+t)/1000)×(1000/4)}
…式[1]
式[1]において、接合材54の固相線温度(℃)をTs、絶縁基板52を平面形状が長方形の平板とし、その対角線長さ(mm)をL、絶縁基板52の厚さ(mm)をt、基板10の厚さ(mm)をtとする。
f=(3×(α−α))/{(3+((1+(ε/ε)×(t/t))×(1+(t/t)×(ε/ε)))/((t/t)×(ε/ε)×(1+(t/t)))}
…式[2]
式[2]において、絶縁基板52の線膨張係数(ppm/K)をα、ヤング率(GPa)をεとする。基板10の線膨張係数(ppm/K)をα、ヤング率(GPa)をεとする。なお、SiCの含有量等にもよるが、Mg−SiCのヤング率及びAl−SiCのヤング率は、150GPa〜250GPa程度が挙げられる。
《測定方法》
基板10の曲率半径R、反り量x、直径Dの測定方法を説明する。
基板10の曲率半径R、反り量x、直径D等は、市販の三次元測定装置(例、株式会社キーエンス製非接触3D測定機、VR3000)を用いて行うことが挙げられる。基板10を三次元測定装置で測定した三次元画像によって、基板10の外周面(表裏面及び側面)のうち、最大面積を有する面である表裏面に、球面状に湾曲した領域(大反り部11)と局所的に湾曲した領域(小反り部12)とを有することを視覚的に判別できる。市販の三次元測定装置では、基準からの変位量(μm)を色別に示すことが可能であり、変位量の差異を色分けすることで、輪郭形状を把握できる。
以下、三次元画像を用いて測定する場合を説明する。
(曲率半径Rの測定手順)
(1)半径測定領域aの抽出
(2)輪郭抽出直線lの抽出(n=1から10、以下同様)
(3)反り部分の輪郭を描く複数の測定点の抽出
(4)測定点の集合βから近似円弧γの抽出
(5)近似円弧γの半径Rの平均の算出
工程(1)では、基板10の三次元画像を用いて、曲率半径Rの測定に用いる領域(以下、半径測定領域と呼ぶ)を抽出する。凸の反りを有する面を主面とし、主面の三次元画像から局所的な湾曲部を除いた領域を抽出し、抽出した領域から半径測定領域をとる。図1,図6に例示する複合部材1のように複数の小反り部12(局所的な湾曲部)が離間して設けられている場合には、隣り合う小反り部12,12の間の領域を半径測定領域とすることが挙げられる。図1,図6では、図の左右方向に延びる横長の長方形の領域を半径測定領域aとして抽出する。この長方形の半径測定領域aの長辺及び短辺は、平面視で長方形の基板10の長辺及び短辺に実質的に平行する。図1,図6では、半径測定領域aを仮想的に点線で示す。
図7に例示する複合部材1のように複数の湾曲部が全て連なっており、基板10の概ね全体に亘って存在する場合には、主面の三次元画像から局所的な湾曲部を除いてできる閉領域15を含んで半径測定領域aをとることが挙げられる。図7に例示する複合部材1は、上述のように四つの湾曲部が部分的に重なり合うことで、これら湾曲部に囲まれる菱形状の閉領域15を備える。この場合、例えば、平面視で長方形の基板10の長辺に平行する直線であって、閉領域15をなす菱形において対向位置にある二つの頂点をそれぞれ通る直線をとる。いわば閉領域15を挟むように一対の直線をとる。一対の直線は、基板10において湾曲部を有していない領域に至る長さとする。上記一対の直線と基板10の短辺に平行な直線(短辺でもよい)で囲まれる長方形の領域をとる。図7では、二点鎖線で長方形の領域を仮想的に示す。この長方形の両端は、二つの湾曲部の交差箇所から突出するように設けられ、この長方形の中央部に閉領域15が位置する。このような長方形の領域から、湾曲部を除いた領域を半径測定領域aとすることが挙げられる。図7では、分かり易いように半径測定領域aにクロスハッチングを付して示す。基板10が複数の閉領域15を備える場合には、複数の閉領域15を含むように半径測定領域aをとることが挙げられる。
また、半径測定領域aは、図1等に例示するように基板10の外形における重心G(図1,図6,図7では基板10の外形をなす長方形の対角線の交点)と、半径測定領域aをなす長方形の対角線の交点とが重なるようにとることが挙げられる。その他、基板10の外縁近傍の領域を半径測定領域とすることが挙げられる。なお、基板10に後述のボルト孔等が設けられている場合には、ボルト孔等を除いた領域を半径測定領域に利用する。
後述する放熱部材3や半導体装置5に備える放熱部材3について絶縁基板52が接合された状態の基板10、更に半導体素子50が搭載された絶縁基板52が接合された状態の基板10の曲率半径Rを測定する場合には、絶縁基板52等が接合された領域を含めて半径測定領域をとることができる。
工程(2)では、半径測定領域aが長方形であれば、この長方形の長辺を含み、長辺に平行な輪郭抽出直線lを合計10本とる。輪郭抽出直線l,l10は、上記長方形の長辺をなす直線とし、輪郭抽出直線l〜lは、上記長方形の短辺を等分する点を通る直線とする。半径測定領域aが少なくとも一つの閉領域15を含む場合には、上述のように閉領域15を挟む一対の直線をそれぞれ長辺とする長方形をとり、この長辺に平行な輪郭抽出直線lを合計10本とる。
工程(3)では、各輪郭抽出直線lに沿って、半径測定領域aの輪郭を描く複数の測定点をとる。輪郭抽出直線lごとに測定点の集合βをとる。一つの輪郭抽出直線lについて、例えば1mm間隔で測定点をとる。各測定点の値(代表的には変位量)は以下の平均値とすると、測定点をそのまま利用する場合よりも平滑化されて、より滑らか形状を抽出し易いと考えられる。具体的には、一つの輪郭抽出直線lにおいて、1mmごとに点pをとり、この点pを基準として、点pの値及びその近傍の点の値を平均する。例えば点pの座標(X,Y)を(0,0)とし、X=0mm,±1mm、Y=0mm,±1mmとする合計9点の座標の値をとる。これら9点の値(変位量)の平均をこの点pの値(平均変位量)とする。この測定点に関する平滑化処理は、条件を設定して三次元測定装置に行わせると、平均値を容易に取得できる。
図4は、市販の三次元測定装置で求めた解析結果を模式的に示すグラフである。図4では分かり易いように、測定点を21点とする。図4のグラフの横軸は、輪郭抽出直線lに平行な直線上の点の位置、縦軸は、上述の重心Gを通り、輪郭抽出直線l(長辺方向)及び短辺方向の双方に直交する直線上の点の位置を示す。横軸の各点は、輪郭抽出直線l上の各点の位置に概ね一致し、縦軸の各点は、このグラフの原点を基準とする輪郭の変位量を示す。図4に示す20点の測定点(凡例●)の集合は、輪郭抽出直線lに基づいて抽出した測定点の集合βである。
工程(4)では、測定点の集合βごとに、複数の測定点を最小二乗法で近似して、近似円弧γを求める。即ち、集合βに含まれる各測定点と集合βに対応した近似円弧γ間の距離dが最小となるように近似円弧γをとる。ここでは合計10個の近似円弧γを求める。そして、工程(5)では、10個の近似円弧γの半径Rの平均を求め、この半径Rの平均値を曲率半径Rとする。求めた全ての距離dの平均を後述の球面誤差とする。半径測定領域aが少なくとも一つの閉領域15を含む場合でも集合βごとに複数の測定点を最小二乗法で近似することで、閉領域15の近似円弧γを適切に求められる。近似円弧γや距離dは、エクセル等の市販の分析ソフト等を利用すると容易に求められる。曲率半径Rが15000mm以上35000mm以下であれば、半径測定領域aは大反り部11をなし、この基板10は大反り部11を有する。
次に、図2を適宜参照して、基板10の反り量xの測定方法を説明する。
反り量xは、基板10の主面の三次元画像から局所的な湾曲部を抽出し、抽出した湾曲部を用いて測定する。局所的な湾曲部が複数存在する場合には、一つずつ、反り量xを測定する。一つの局所的な湾曲部において、最大変位量をとる点Pを抽出する。また、この局所的な湾曲部の輪郭を描く複数の測定点を最小二乗法で近似して近似曲線を求める。点Pを通る近似曲線と大反り部11との境界点(図2では点Q、点Qを例示)を含む平面(図2では二点鎖線で仮想的に示す直線)をとる。点Pとこの平面との間の距離を反り量xとする。三次元画像から曲率半径Rの球面状の反り部分(大反り部11)と、局所的な反り部分(小反り部12)との境界を抽出できる場合、抽出した境界を用いて上記平面をとる。三次元画像から上述の境界の抽出が難しい場合、例えば、隣り合う局所的な湾曲部の間の領域(代表的には大反り部11をなす領域)の輪郭を描く測定点を通り、曲率半径Rを満たす円弧をとり、この円弧と、点Pを通る近似曲線との境界点を含む平面をとる。この平面と点Pとの間の距離を反り量xに利用することが挙げられる。なお、点Pを通る近似曲線から、小反り部12の曲率半径を求めることが挙げられる。
小反り部12が平面視で円形の部分を含む場合、この円形の部分の直径Dは基板10の三次元画像を用いて測定すると、容易に測定できる。例えば、三次元画像を二次元画像に変換して、平面視での直径Dを測定する。なお、大反り部11と小反り部12との境界の抽出方法については上述の通りである。
三次元画像を利用すれば、上述の雪だるま状等といった、複数の局所的な湾曲部が連なる形状を把握できる。また、三次元画像を利用すれば、各湾曲部における最大変位量をとる点Pを抽出できる。そこで、図6,図7に例示するように局所的な湾曲部が連なる形状を有する基板10については、以下のようにして反り量xを求めることが挙げられる。
まず、各湾曲部から点Pを抽出する。
次に、三次元画像を二次元画像に変換して、各湾曲部の外形を円に補完した場合に生じる湾曲部同士の重複領域125(図6,図7では格子状のハッチングを付して示す仮想の領域)を各湾曲部から除いた領域をとり、この領域から、点Pを中心とする最大の円120(図6,図7では二点鎖線で仮想的に示す)を抽出する。簡易には、各湾曲部から、点Pを中心とする最大の円を抽出することができるが、上述のように重複領域125を除くと、反り量xを精度よく測定し易い。
次に、抽出した円120の直径Dと、点Pの変位量とから、点Pを通る球面を求める。
そして、上述のように半径測定領域aを利用して求めた曲率半径Rの円弧をとり、この円弧と点Pを通る球面を描く近似曲線との境界点を含む平面をとる。点Pとこの平面との間の距離を反り量xに利用することが挙げられる。また、点Pを有する各湾曲部を小反り部12とすることが挙げられる。なお、上述の点Pを通る球面から、各小反り部12の曲率半径を求めることが挙げられる。
複数の局所的な湾曲部を備える場合、隣り合う湾曲部の反り量が異なり、一方の湾曲部の反り量が他方に比較して非常に小さい場合、一方の湾曲部の反りが他方の湾曲部に紛れて、一方の湾曲部の反り量xを適切に算出できない可能性がある。この場合、一方の湾曲部の反りは、実質的に無視しても問題ないと考えられる。仮に、一方の湾曲部と他方の湾曲部とのそれぞれに絶縁基板52が接合された場合、一方の湾曲部における反り戻りを反り量が大きい他方の湾曲部の変形によって吸収できると期待されるからである。
<熱特性>
基板10は、熱伝導率が150W/m・K以上であり、かつ線膨張係数が10ppm/K以下である。金属20の組成、非金属22の組成や含有量等を調整することで、熱伝導率がより高いもの、線膨張係数がより小さいものが挙げられる。例えば基板10の熱伝導率は、180W/m・K以上、更に200W/m・K以上、特に220W/m・K以上であることが挙げられる。また、例えば基板10の線膨張係数は、9ppm/K以下、更に8ppm/K以下であることが挙げられる。基板10の線膨張係数がより小さいと、後述の金属被覆を備える場合でも、基板10と金属被覆とを含めた複合部材1の線膨張係数が小さくなり、好ましくは10ppm/K以下を満たすことができる。熱伝導率がより高く、かつ線膨張係数が3ppm/K以上10ppm/K以下程度である基板10を備える複合部材1は、放熱性に優れる上に、半導体素子50及びその周辺部品との線膨張係数の整合性に優れており、半導体素子50の放熱部材3に好適に利用できる。上述の整合性に優れる範囲で、基板10の線膨張係数は、例えば3ppm/K以上、4ppm/K以上、4.5ppm/K以上であることが挙げられる。
<その他>
複合部材1は、基板10の一面又は両面の少なくとも一部に金属被覆(図示せず)を備えることができる。金属種にもよるが、金属被覆を備えると、半田等の接合材54との濡れ性、耐食性、意匠性等を高められる。例えば基板10における接合材54の塗布領域に接合材54の下地層となる金属被覆を備えることが挙げられる。
金属被覆の構成金属は、基板10に含まれる金属20と同種の金属、異種の金属のいずれも利用できる。異種の金属として、金属20が合金である場合にベース金属が同じ合金、その他、純ニッケル又はニッケル合金、亜鉛又は亜鉛合金、純金又は金合金等が挙げられる。上述の下地層の構成金属は、純ニッケル、ニッケル合金、純銅、銅合金、純金、金合金、純銀、銀合金等が挙げられる。金属被覆は、単層構造、複数種の金属層を備える多層構造のいずれも利用できる。
基板10の一面あたりの金属被覆の厚さ(多層構造では合計厚さ、以下同様)は、100μm以下、更に50μm以下、特に20μm以下、15μm以下であると、金属被覆の具備による複合部材1の線膨張係数の増大を低減できて好ましい。均一的な厚さであったり、基板10の両面に金属被覆を備える場合には各面の金属被覆の厚さが等しかったりすると、不均一な厚さに起因する局所的な変形等を低減できて好ましい。
複合部材1は、設置対象への取付部(図示せず)を備えることができる。取付部は、例えばボルト等の締結部材が挿通されるボルト孔等を備えることが挙げられる。取付部の形成領域は、基板10自体である場合、大反り部11及び小反り部12から離れた箇所、例えば基板10の外縁近傍等が挙げられる。又は、取付部の形成領域は、基板10に連続して設けられた金属領域であることが挙げられる。取付部の形成方法は、切削や打ち抜き、成形等の公知の方法を参照できる。
複合部材1は、基板10の表裏面の残留応力差が小さいと、使用時に冷熱サイクルを受けても、残留応力の解放に起因する変形を抑制し易く、設置対象との密着状態を維持し易く好ましい。複合部材1を後述の実施形態の複合部材の製造方法によって製造する場合、上記の残留応力差が小さい、好ましくは実質的に差が無い複合部材1とすることができる。上述のようにMg−SiCの基板10を備えると、上記残留応力差を小さくし易い。
<主要な効果>
実施形態の複合部材1は、特に絶縁基板52等が接合された状態において基板10が曲率半径Rの球面状の反りを有し、この反り部分を設置対象に均一的に押し付けられて設置対象に密着できる。この基板10は熱伝導率が高いことから、複合部材1は、絶縁基板52が半田等の接合材54で接合される放熱部材3、代表的には半導体素子50の放熱部材3に好適に利用できる。この放熱部材3は、半導体素子50等の発熱対象の熱を設置対象に良好に伝達でき、放熱性に優れる。
その他、実施形態の複合部材1は、熱伝導性に優れると共に熱伸縮量が小さいことが望まれ、絶縁基板52のような線膨張係数が非常に小さい部材が半田付け等されるような構造材料等への利用が期待できる。
[放熱部材]
図3を主に参照して、実施形態の放熱部材3を説明する。
実施形態の放熱部材3は、上述の実施形態の複合部材1と、小反り部12に接合材54を介して接合された絶縁基板52とを備え、絶縁基板52が接合された状態での基板10の曲率半径Rが5000mm以上35000mm以下である。放熱部材3の曲率半径Rは、基本的には上述の測定方法に基づいて測定する。但し、絶縁基板52が接合された放熱部材3では、後述するように小反り部12を実質的に有さないため、放熱部材3の曲率半径Rの測定に用いる半径測定領域は、絶縁基板52を備えていない複合部材1の半径測定領域aとは異ならせることができる。例えば、放熱部材3の曲率半径Rの測定に用いる半径測定領域は、基板10において絶縁基板52の接合箇所を内包する最小の長方形の領域(複数の絶縁基板52を備える場合には全ての絶縁基板52の接合箇所を内包する最小の長方形の領域)とすることが挙げられる。図1に示すように離間して合計6枚の絶縁基板52が基板10に接合されている場合、隣り合う絶縁基板52,52間の領域を含めて、合計6枚の絶縁基板52の接合箇所を内包する最小の長方形の領域を半径測定領域とすることが挙げられる。放熱部材3の曲率半径Rは、上述の大反り部の項の曲率半径Rを参照するとよい。
上述のように実施形態の複合部材1は、曲率半径Rの球面状の反りを有する大反り部11と、局所的に設けられた小反り部12とを備えるため(図3の上図)、小反り部12に絶縁基板52が半田等の接合材54によって接合されると(図3の中図)、小反り部12が局所的に変形する。代表的には、曲率半径Rよりも小さな曲率半径を有する小反り部12は、反りが低減されて(戻って)、曲率半径が大きくなるように変形する。この変形によって小反り部12が実質的に無くなり、基板10における絶縁基板52の接合箇所の外形は大反り部11の外形に沿ったような形状になり易い(図3の下図)。代表的には、実施形態の放熱部材3は、絶縁基板52を備えた状態において、曲率半径Rの球面状の反りを一様に有する。例えば、この基板10を厚さ方向に平行な平面で切断した場合、任意の断面において基板10の断面輪郭は、曲率半径Rを有する円弧を描く、つまり実質的に同様な円弧を描く。又は、例えば、この基板10を三次元測定装置によって三次元解析を行って、三次元解析の高さ情報を等高線として二次元で表現すると(二次元に変換すると)、等高線は同心円を描く。
放熱部材3の一例として、絶縁基板52が接合された状態の基板10において、上述のようにして曲率半径R及び球面誤差を測定すると、球面誤差が10.0μm以下であることが挙げられる。球面誤差とは、基板10の反り部分の球面度合いを示す指標といえ、球面誤差が小さいほど、半径測定領域が曲率半径Rの真球面状の反りを有するといえる。球面誤差が上述のように小さい放熱部材3は、上述の真球面状の反り部分を設置対象に均一的に押し付けて、設置対象に密着させられる上に、不均一な熱伸縮による変形等を防止し易い。密着性や不均一な変形防止等の観点から、球面誤差は9.0μm以下、更に8.5μm以下がより好ましく、理想的には0μmである。放熱部材3の球面誤差は、絶縁基板52を接合する前の基板10の大反り部11の球面誤差に依存することから、大反り部11の球面誤差も10.0μm以下であることが好ましい。工業的生産性等を考慮すると、大反り部11や放熱部材3の球面誤差は1.0μm以上程度であることが挙げられる。放熱部材3の曲率半径Rが上述の特定の範囲であり、球面誤差が10.0μm以下であれば、絶縁基板52上に半導体素子50等が接合された状態でも、曲率半径Rが上述の特定の範囲を満たすと共に、球面誤差が10.0μm以下を満たす。そのため、球面誤差が上述のように小さい放熱部材3を半導体素子50の放熱部材に利用すれば、絶縁基板52に半導体素子50が搭載された状態でも真球状の反り部分を有して、設置対象に密着させられる。
放熱部材3の形状、大きさは発熱対象を載置可能な範囲で適宜選択できる。代表的には、放熱部材3の形状、大きさは複合部材1の基板10の形状、大きさに依存するため、複合部材1の基板10の形状、大きさを調整するとよい。
絶縁基板52は、半導体素子50等の発熱対象の搭載箇所に利用され、金属20を含む基板10との間の電気的絶縁を確保する。このような絶縁基板52は、電気絶縁材料、例えば窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化珪素等の非金属無機材料からなるものが挙げられる。上記非金属無機材料からなる絶縁基板52は、線膨張係数が7ppm/K以下、更に5ppm/K以下であり、ヤング率が200GPa以上、更に250GPa以上であるものが挙げられる。
絶縁基板52の形状、大きさは適宜選択できる。図1,図6,図7に例示するように絶縁基板52の平面形状が長方形(正方形でもよい)であり、絶縁基板52の接合前において小反り部12が平面視で円形の部分を含む場合、上記長方形の長辺の長さ、短辺の長さ、及び対角線の長さのうち、少なくとも一つの長さが円形の部分の直径Dに実質的に一致することが好ましい。上記対角線の長さが上記直径Dに実質的に一致することがより好ましい。また、この場合、絶縁基板52の外形をなす長方形の重心(対角線の交点)が上記円形の部分の中心C12に実質的に一致するように絶縁基板52が小反り部12に接合されることが好ましい。絶縁基板52の接合時に小反り部12が均一的に変形し易く、接合後の基板10が曲率半径Rの球面状の反りを一様に有し易いからである。図1,図6,図7では、絶縁基板52を二点鎖線で仮想的に示すと共に、上記中心C12と絶縁基板52の重心とが実質的に一致する場合を例示する。また、図1では、上記直径Dと絶縁基板52の短辺の長さとが実質的に一致し、図6では、上記直径Dと絶縁基板52の長辺の長さとが実質的に一致する場合を例示する。図6,図7では、小反り部12,円120等が分かり易いように絶縁基板52を一つのみ示すが、各小反り部12にそれぞれ絶縁基板52を接合することができる。
絶縁基板52の厚さtは、半導体素子50等の発熱対象と基板10(特に金属20)との電気的絶縁を確保できる範囲で適宜選択でき、例えば0.5mm以上が挙げられる。絶縁基板52の厚さtは、厚いほど、上記発熱対象と基板10との電気的絶縁性を高められ、高出力用途に適しており、0.8mm以上、更に1mm以上であることが挙げられる。小型、薄型の観点から、厚さtは5mm以下、更に3mm以下、2mm以下であることが挙げられる。絶縁基板52の個数は、上記発熱対象の個数に応じて選択するとよい。
接合材54は、Pbを含む半田(固相線温度:183℃程度)、Pbを含まない半田等が挙げられ、公知のものが利用できる。Pbを含まない半田は、Pbを含む半田よりも固相線温度が高い傾向にある(例、固相線温度:200℃以上、更に250℃以上)。固相線温度がより高い接合材54を用いる場合でも、例えば上述の式[1]の値±20%を満たすように、小反り部12の反り量xを調整することで、絶縁基板52の接合後の基板10が曲率半径Rの球面状の反りを一様に有し易い。
実施形態の放熱部材3は、上述のように絶縁基板52を備えた状態で基板10が曲率半径Rの球面状の反りを有し、この反り部分を設置対象に均一的に押し付けられて設置対象に密着できる。そのため、放熱部材3は、半導体素子50等の発熱対象の熱を設置対象に良好に伝えられ、放熱性に優れる。このような放熱部材3は、半導体素子50の放熱部材に好適に利用できる。
[半導体装置]
実施形態の半導体装置5は、図5に示すように実施形態の放熱部材3と、絶縁基板52に搭載された半導体素子50とを備え、半導体素子50が搭載された絶縁基板52が接合された状態での基板10の曲率半径Rが5000mm以上35000mm以下である。基板10の一面に上記曲率半径Rの球面状の反りであって凸の反り(図示せず)を有し、この凸の反りを有する一面を冷却装置(図示せず)との設置面とする。対向する他面は、絶縁基板52を介して半導体素子50等の実装部品が取り付けられる実装面とする。半導体素子50は、絶縁基板52の上に半田等の接合材54を介して実装される。実施形態の半導体装置5は、半導体素子50及び絶縁基板52を備えた状態での基板10が上記球面状の反りを有するため、この反り部分を冷却装置等の設置対象に均一的に押し付けられて設置対象に密着できる。
半導体素子50が搭載された絶縁基板52が接合された状態での基板10の球面誤差が10.0μm以下を満たすと、真球面状の反りを有しており、この真球状の反り部分を上記設置対象により均一的に押し付けられる。そのため、この半導体装置5は、半導体素子50の熱を設置対象に良好に伝えられて、放熱性に優れる。上述の球面誤差が10.0μm以下の放熱部材3を用いれば、半導体装置5に備えられる放熱部材3(基板10)も球面誤差が10.0μm以下を満たし易い。また、厚さtが1mm以上の絶縁基板52を備える半導体装置5は、半導体素子50と放熱部材3との電気的絶縁性にも優れ、高出力用途に好適である。半導体装置5に備えられる放熱部材3(基板10)の曲率半径R、球面誤差、絶縁基板52の厚さtは、上述の大反り部の項の曲率半径R、放熱部材の項の球面誤差、厚さtを参照するとよい。
実施形態の半導体装置5は、各種の電子機器、特に高周波パワーデバイス(例、LDMOS(Laterally Diffused Metal Oxide Semiconductor))、半導体レーザ装置、発光ダイオード装置、その他、各種のコンピュータの中央処理装置(CPU)、グラフィックス プロセッシング ユニット(GPU)、高電子移動形トランジスタ(HEMT)、チップセット、メモリーチップ等に利用できる。
[複合部材の製造方法]
上述の大反り部11及び小反り部12を備える実施形態の複合部材1は、例えば、以下の実施形態の複合部材の製造方法を用いることで製造することが挙げられる。実施形態の複合部材の製造方法は、金属と非金属とを含む複合材料からなる素材板を成形型に収納して熱プレスを行うプレス工程を備え、以下の条件を満たす成形型を用いると共に、プレス工程は以下の保持工程と冷却工程とを備えるものとする。
<成形型の条件>
曲率半径Rbの球面を有する大球面部と、大球面部に部分的に設けられ、曲率半径Rbとは異なる曲率半径Rsの球面を有する小球面部とを備える。
曲率半径Rbは5000mm以上35000mm以下である。
<プレス工程の条件>
《保持工程》加熱温度を200℃超とし、印加圧力を10kPa以上として所定時間保持する。
《冷却工程》印加圧力の80%以上の加圧状態を保持したまま、加熱温度から100℃以下まで冷却する。
その他、実施形態の複合部材の製造方法は、素材板を準備する準備工程、金属被覆を形成する被覆工程、取付部を形成したり、表面粗さを調整するため等の軽微な表面研磨等を施したりする加工工程等を備えることができる。
以下、工程ごとに説明する。
<準備工程>
この工程では、熱プレスに供する素材板を準備する。素材板の製造には、金属20と非金属22とを含む複合材料を板状に製造する公知の製造方法が利用できる。例えば、成形型に非金属22の粉末や成形体を充填等し、溶融状態の金属20を溶浸する溶浸法(特許文献1参照)、高圧で溶浸する加圧溶浸法、その他、粉末冶金法、溶融法等が挙げられる。上記複合材料からなる市販板を素材板に利用することもできる。
素材板から製造される基板10の熱伝導率及び線膨張係数が所望の値(代表的には150W/m・K以上、10ppm/K以下)となるように、金属20の組成、非金属22の組成・含有量・形態(粉末、成形体等)等を調整する。金属20の組成、非金属22の組成や形態にもよるが、素材板中の非金属22の含有量を55体積%以上とすると、上述のように熱伝導率が高く、線膨張係数が小さい実施形態の複合部材1を得易い。
金属被覆を有する複合部材を製造する場合、金属被覆の形成には、例えば、めっき法、クラッド圧延、素材板の製造時に同時に形成する方法(特許文献1参照)、その他公知の方法を適宜利用できる。金属被覆は、熱プレス前でも熱プレス後でも形成できる(被覆工程の一例)。熱プレス前に金属被覆を有する素材板を用意すれば、素材板の形状が反りを有さない単純な形状であり、金属被覆を形成し易い。熱プレス後の基板10にめっき法などで金属被覆を形成する場合、熱プレス時に金属被覆の具備に起因する反りの変動を防止でき、所定の反りを高精度に形成し易い。
<プレス工程>
この工程では、上述の成形型の条件を満たす凸面を有する第一型と、この凸面に対応した凹面を有する第二型とを備える成形型を用いて熱プレスを行う。第一型と第二型とで素材板を挟んで加熱状態で加圧して、素材板に曲率半径Rbの球面と、曲率半径Rsの球面とを転写する。この転写によって、曲率半径Rbの球面によって成形された球面状の反り(主として大反り部11)を有すると共に、曲率半径Rsの球面によって成形され、代表的には反り量xの反り(小反り部12)を局所的に有する基板10を製造する。
曲率半径Rbは、上述の曲率半径Rの項を参照するとよい。曲率半径Rsは、代表的には曲率半径Rbよりも小さい値であり、反り量xが所望の値となるように、好ましくは上述の式[1]の値±20%を満たすように選択することが挙げられる。具体的には、成形型の内周面において曲率半径Rbの球面と曲率半径Rsの球面との境界を通る平面と、曲率半径Rsの球面における上記平面から最も離れた点とをとる。上記平面からこの点までの距離が反り量xに相当することから、上記距離が所望の値となるように成形型の形状を調整する。複数の小球面部を備える成形型を用いれば、複数の小反り部12を備える複合部材1を製造できる。複数の小球面部を離間して設けると、図1に示すように平面形状が円である複数の小反り部12を形成できる。複数の小球面部の一部を重複させて設けると、図6,図7に示すように雪だるま状等に連なった複数の小反り部12を形成できる。基板10の所定の位置に所定の形状、大きさ、個数の小反り部12を形成できるように、小球面部の形状、大きさ、個数、位置等を調整して成形型に設けるとよい。
平面形状が長方形の素材板を用いる場合、第一型及び第二型における曲率半径Rbの球面の中心に、素材板の中心(上記長方形の対角線の交点)が一致するように素材板を成形型に収納することが挙げられる。こうすることで、最終的に基板の外形における重心(≒素材板の中心)を中心とする曲率半径Rの球面状の反りを有する複合部材を得易い。
《保持工程》
熱プレス時の加熱温度(ここでは成形型の加熱温度)を200℃超かつ印加圧力を10kPa以上とすることで、非金属22を含む素材板の塑性変形を促進でき、異なる曲率半径Rb,Rsを有する複数の反りを素材板に転写できる。加熱温度が高いほど、素材板を塑性変形し易いため、加熱温度を250℃超、更に280℃以上、300℃以上とすることができる。印加圧力が大きいほど、素材板を塑性変形し易いため、印加圧力を100kPa以上、更に500kPa以上、700kPa以上とすることができる。加熱温度がより高くかつ印加圧力がより大きいと、残留応力も低減し易い。変形不足の低減や残留応力の低減等の観点から、加熱温度を350℃以上、更に380℃以上、400℃以上、かつ印加圧力を1MPa以上、更に10MPa以上、15MPa以上とすることができる。素材板の組成によっては、加熱温度を500℃以上、印加圧力を15MPa以上、更に20MPa以上とすることができる。このように比較的高温かつ比較的高圧で保持することで、上述の特定の反りをより高精度に成形できる。加熱温度の上限は、素材板中の金属20の液相線温度未満であって、金属20や非金属22が熱劣化し難い範囲で選択できる。印加圧力の上限は、素材板に割れ等が生じない範囲で選択できる。
成形型の加熱に加えて素材板も加熱する(予熱する)と、素材板が均一的に塑性変形し易く高精度に成形できたり、成形型と素材板との温度差による割れ等が生じ難かったりする。これらの効果の観点から、成形型の加熱温度±20℃以内、更に成形型の加熱温度±10℃以内、好ましくは成形型の加熱温度と同等に素材板を加熱した状態で成形型に収納することが好ましい。
上述の加熱及び加圧状態の保持時間は、素材板の組成等に応じて適宜選択でき、例えば10秒以上180分以下の範囲から選択することが挙げられる。例えばMg−SiCでは1分以上5分以下程度、Al−SiCでは1分以上100分以下程度が挙げられる。Mg−SiCの素材板を用いると、Al−SiCの素材板を用いる場合に比較して、熱プレスの保持時間が短くても精度よく成形し易い場合があり、製造性に優れる。
《冷却工程》
上述の保持時間が経過したら、上述の加熱温度から室温(例、10℃から20℃程度)まで冷却する。冷却過程における上記加熱温度から100℃までの範囲では、加圧状態で冷却する。冷却過程の印加圧力は、上述の熱プレス時の印加圧力の80%以上とする。このような特定の加圧状態で冷却することで、不均一な冷却に伴う局所的な熱収縮に起因する変形等を抑制し、上述の複数の反りを高精度に成形できる。上記の局所的な熱収縮を抑制することで、残留応力も低減し易い。冷却過程での印加圧力は、高過ぎると割れが生じたり、冷却中に生じた新たな変形に伴って内部応力が増加したりする可能性があるため、熱プレス時の印加圧力と同等以下(熱プレス時の印加圧力の100%以下)の範囲で調整することが好ましい。冷却過程において100℃未満の温度から室温までの範囲では、除荷して無加圧状態で冷却することができる。
上述の冷却過程において特定の加圧状態で冷却を行う範囲では、徐冷することが好ましい。上述の冷却過程での加圧状態を適切に確保でき、上述の複数の反りを精度よく成形できるからである。急冷(代表的には冷却速度が10℃/min以上)とすると、成形型と素材板との熱容量の差や熱伝導率の差によって素材板全体を均一に冷却できないことがある。そのため、素材板が局所的に冷却されて熱応力が生じ、結果として内部応力や変形を生じさせることがある。ここでの徐冷とは、冷却速度が3℃/min以下を満たすことが挙げられる。冷却速度は、1℃/min以下、更に0.5℃/min以下とすることができる。冷却速度が上記の範囲を満たすように、成形型の周囲温度等を調整したり、強制冷却機構による冷却状態を調整したりすること等が挙げられる。非金属22の含有量が多い素材板、例えば55体積%以上、更に60体積%以上、65体積%以上であり、剛性が比較的高い素材板を用いる場合には、徐冷することが好ましいと考えられる。
なお、仮に上述の冷却過程を無加圧での冷却とすると、例えば、素材板の表面から内部に向かって不均一に冷却されることに伴う局所的な熱収縮に起因する応力等が生じ、転写した形状から変形し得ると考えられる。
上述のプレス工程を経ることで、上述の複合材料からなる基板に、曲率半径Rが5000mm以上35000mm以下の球面状の反りを有すると共に、この球面状の反り部分の一部に異なる曲率半径の反りを有する複合部材が得られる。代表的には、曲率半径Rの球面状の反り部分が大反り部11をなし、異なる曲率半径の反り部分が小反り部12をなす実施形態の複合部材1が得られる。
必要に応じて、複数の成形型を用いて繰り返しプレスを行って、素材板を段階的に変形させることができる。
<その他の工程>
《熱プレス前の熱処理》
上述のプレス工程前に熱処理を行うことができる。この熱処理によって、複合時に生じた残留応力を低減、除去することができる場合がある。素材板の組成にもよるが、熱処理条件は、例えば、加熱温度を350℃以上550℃以下程度(例、400℃程度)、保持時間を30分以上720分以下程度(例、60分程度)とすることが挙げられる。
《熱プレス後の熱処理》
上述のプレス工程後に熱処理を行うことができる。この熱処理によって、上述のプレス工程によって基板に付与された残留応力を調整したり、低減したり、除去したりすることができる場合がある。この熱処理は、熱処理後に変形が生じないように条件を調整する。素材板の組成にもよるが、例えば、加熱温度を100℃以上200℃以下、保持時間を100時間以上1000時間以下とする条件で熱処理を施すと、残留応力を除去し易い。
<球欠形態の製造>
この形態では、例えば、上述のプレス工程後、成形物において凹側の面を切削等して、平坦な面を形成することが挙げられる。加熱温度や印加圧力によっては、塑性流動により球欠形態が得られる場合がある。
[試験例1]
Mg−SiCからなる素材板、Al−SiCからなる素材板に種々の条件で熱プレスを施して、反りを有する複合部材を作製し、この複合部材を半導体素子の放熱部材に用いて、放熱性を評価した。
各試料の複合部材は、金属被覆を備えておらず、実質的に複合材料からなる基板とし、以下のようにして作製する。
(Mg−SiCの素材板)
Mg−SiCの素材板は、特許文献1等に記載される溶浸法で作製する。概略は以下の通りである。
原料の金属は、99.8質量%以上がMgであり、残部が不可避不純物からなる純マグネシウムのインゴットである。原料のSiC粉末は、平均粒径が90μmであり、酸化処理を施した被覆粉末である。原料はいずれも市販品である。
用意した上記被覆粉末を成形型(ここでは黒鉛鋳型)に充填した後(キャビティに対するSiC粉末の充填率は70体積%)、上記インゴットを溶融して、成形型に充填した被覆粉末に溶浸する。溶浸条件は、溶浸温度を875℃、Ar雰囲気、雰囲気圧力を大気圧とする。溶浸後冷却して純マグネシウムを凝固した後、成形型から成形物を取り出す。この成形物は、長さ190mm×幅140mm×厚さ5mmの板材であり、この長方形の成形物を素材板とする。素材板の組成は、用いた原料に実質的に等しく、素材板におけるSiCの含有量は、成形型への充填率(70体積%)に実質的に等しい(これらの点は、Al−SiCの素材板についても同様)。
(Al−SiCの素材板)
Al−SiCの素材板は、加圧溶浸法で作製する。ここでは、原料の金属を、99.8質量%以上がAlであり、残部が不可避不純物からなる純アルミニウムのインゴットに変更した点、成形型を金属型とした点、溶浸条件を変更した点(溶浸温度:750℃、Ar雰囲気、加圧圧力:15MPa以上30MPa以下から選択)を除いて、Mg−SiCの素材板と同様に作製する(SiC粉末の充填率:70体積%)。得られた成形物は、長さ190mm×幅140mm×厚さ5mmの長方形の板材であり、この板材を素材板とする。
(熱プレス)
各試料の素材板を成形型(凸面を有する第一型、凹面を有する第二型)に収納して熱プレスを施す。
<成形型>
第一型は、曲率半径Rbが15000mmの球面を有する凸の大球面部と、この大球面部に部分的に設けられ、曲率半径Rbとは異なる曲率半径Rs(<Rb)の球面を有する凸の小球面部とを備える。第二型は、上記第一型の凸形状に対応した凹形状を有する。ここでは、曲率半径Rsが異なる成形型を用意し、反り量xが異なる複合部材を作製する。試料No.101,No.111は、曲率半径Rsの小球面部を備えておらず、曲率半径Rbが15000mmの大球面部のみを有する成形型を用いて作製する。小球面部の個数は6個とし、各小球面部は同一形状、同一の大きさとする。各小球面部の平面形状は円形であり、その直径は45mmである。6個の小球面部は、大球面部に対して所定の間隔で3列×2行で配置される。
<熱プレス条件>
Mg−SiCの素材板を用いる試料では、成形型の加熱温度を400℃、印加圧力を20MPa、保持時間を1分間とする。この保持時間経過後、上記加熱温度から室温(ここでは20℃)程度まで冷却する。上記加熱温度から100℃までの冷却過程において、印加圧力の80%以上100%以下の範囲から選択した圧力で加圧した状態で、冷却速度を3℃/min以下とする徐冷を行う。
Al−SiCの素材板を用いる試料では、加熱温度を550℃、印加圧力を20MPa、保持時間を100分間とする。冷却過程の条件は、Mg−SiCと同様とする(加圧状態で徐冷)。
ここでは、素材板を成形型の加熱温度に予熱して熱プレスを行う。予熱した素材板の中心(長方形の対角線の交点)が、第一型及び第二型における大球面部の中心に一致するように素材板を成形型に収納する。
上述の熱プレスが施された熱プレス加工物(基板)を各試料の複合部材とする。絶縁基板の接合前における各試料の複合部材の曲率半径R(mm)、反り量x(μm)を表1に示す。表1において、試料No.1〜No.5、No.101〜No.104は、Mg−SiCからなる基板を備える試料であり、試料No.11〜No.15、No.111〜No.114は、Al−SiCからなる基板を備える試料である。
曲率半径R、反り量xの測定方法の詳細は、上述の通りである。曲率半径Rの測定は、代表的には凸の反りを有する主面が上向きになるように各試料の複合部材を水平台等の上に配置して行う。以下に測定方法の概略を述べる。
各試料の複合部材は、平面視すると、概ね190mm×140mmの長方形の板材である。この板材における凸の反りを有する主面の三次元画像から、局所的な湾曲部を除いて半径測定領域aを抽出する。ここでは、長辺の長さが約170mm×短辺の長さが約20mmの長方形の半径測定領域a(図1参照)を、この長方形の中心が板材の重心Gと重なるように抽出する。半径測定領域aから、上記長方形の長辺に平行で、短辺を等分した点を通る輪郭抽出直線lからl10をとる。各輪郭抽出直線lに沿って、半径測定領域aの輪郭を描く複数の測定点をとる。測定点の集合βごとに、複数の測定点を最小二乗法で近似した近似円弧γを求める。10個の近似円弧γの半径Rの平均を各試料の複合部材の曲率半径R(mm)とする。集合βの各測定点と近似円弧γ間の距離dの平均を球面誤差Eとする。なお、n=1から10とする。絶縁基板の接合前における各試料の複合部材の球面誤差は10μm以下である。
反り量x(μm)は、三次元画像から局所的な湾曲部を抽出し(ここでは6個)、三次元画像における最大変位量(μm)をとる点Pを抽出する。局所的な湾曲部を描く複数の測定点を最小二乗法で近似した近似曲線をとる。点Pを通る近似曲線と、曲率半径Rの球面状の反り部分との境界点を含む平面をとる。点Pとこの平面との間の距離を各試料の複合部材の反り量x(μm)とする。
三次元画像を用いることで、いずれの試料も、曲率半径が大きな球面状の反りを有することを確認できる。また、試料No.101,No.111を除く各試料は、上記球面状の反り部分に局所的に湾曲した領域が3列×2行で配置されていること(合計6個)を確認できる。ここでは、局所的な湾曲部は、平面視で円形状であり、三次元画像を利用して測定すると、その直径Dは45mmであり、上述の成形型の小球面部の直径に等しい。試料No.101,No.111は、曲率半径が大きな球面状の反りを有し、上述の局所的に湾曲した領域を有していない。
各試料の複合部材について、測定用試験片を切り出して市販の測定器を用いて、熱伝導率及び線膨張係数を測定する。熱伝導率は室温(ここでは20℃程度)で測定する。線膨張係数は、30℃から150℃の範囲について測定する。
各試料の複合部材を用いて、以下のようにして放熱性の評価部材を作製する。
各試料の複合部材として、四隅にボルト孔を備えるものを用意する。試料No.101,No.111を除き、各試料の複合部材における局所的な湾曲部の凹側に絶縁基板を半田で接合する。更にこの絶縁基板上に半導体素子を半田で接合する。試料No.101,No.111は、他の試料と概ね等しい位置に絶縁基板を接合する。ここでは、半導体素子はIGBT素子である。絶縁基板は、55mm×45mm×厚さ1mmのAlN焼結板であり(線膨張係数:4.5ppm/K、ヤング率:270GPa)、6枚の絶縁基板を接合する。絶縁基板の中心(対角線の交点)が局所的な湾曲部の中心(図1のC12参照)に実質的に一致するように各絶縁基板を各湾曲部に接合する。半田の固相線温度は200℃である。この半導体素子、絶縁基板、複合部材の積層体を評価部材とする。
30℃に保った水冷式の冷却器に、作製した評価部材をボルトにて締結する。評価部材における複合部材の凸側面を冷却器に押し付け、この状態で複合部材の四隅のボルト孔にボルトを挿通して締め付ける。冷却器に設置した評価部材の半導体素子に通電し、100Wの発熱を生じさせた後、所定時間の通電と非通電とを繰り返す。ここでは、「10分間の通電、10分間非通電で放置」を1サイクルとし、上述の100Wの発熱の発生後、2000サイクル繰り返す。1サイクル目の10分間の通電直後の半導体素子の温度(℃)と、2000サイクル目の10分間の通電直後の半導体素子の温度(℃)とを測定し、温度差(℃)を求める。Mg−SiCの基板を備える試料では試料No.3の温度差(℃)、Al−SiCの基板を備える試料では試料No.13の温度差(℃)をそれぞれ基準とし、この基準との差を表1に示す。半導体素子の温度の測定は、例えば、半導体素子の内部抵抗の温度依存性から求めることが挙げられる。その他、上記温度の測定には、市販の非接触式温度計や接触式温度計等も利用できる。
上述の6個の絶縁基板を接合した各試料の複合部材と、更に絶縁基板上に半導体素子を接合した各試料の複合部材とについて、曲率半径R(mm)、球面誤差E(μm)を上述のようにして測定する。半導体素子を接合した後の測定結果を表1に示す。この半導体素子の接合後の測定結果は、絶縁基板の接合後の測定結果を実質的に維持する。ここでの半径測定領域は、基板の外縁から10mmまでの領域を除いた領域(約170mm×約120mm)とする。
Al−SiCの基板を備える複合部材では、基板の線膨張係数が7.5ppm/Kであり、基板の熱伝導率が180W/m・Kある。Mg−SiCの基板を備える複合部材では、基板の線膨張係数が7.5ppm/Kであり、基板の熱伝導率が220W/m・KでありAl−SiCよりも高い。いずれの複合部材も、基板がSiCを70体積%程度含むため、熱伝導率が150W/m・K以上と高く、線膨張係数が10ppm/K以下と小さく、絶縁基板の線膨張係数(ここでは4.5ppm/K)にある程度近い。
以下の説明では、素材板の組成が同じもの同士を対比して行う。
表1に示すように、いずれの試料の複合部材も、絶縁基板の接合前において、基板の一面に曲率半径Rが5000mm以上35000mm以下の球面状の反り(上述の大きな球面状の反り)を有することが分かる。また、いずれの試料の複合部材も、半導体素子が搭載された絶縁基板が接合された状態での曲率半径Rが5000mm以上35000mm以下を満たす球面状の反りを有することが分かる。但し、上記球面状の反りを有していても、半導体素子の温度上昇度合いに差がある。具体的には、絶縁基板の接合前において、上記曲率半径Rの球面状の反りと共に、曲率半径Rとは異なる大きさ(ここでは反り量x(μm))の局所的な反り(上述の局所的な湾曲部)を有する試料No.1〜No.5,No.102〜No.104、試料No.11〜No.15,No.112〜No.114の複合部材(以下、多段反り試料群と呼ぶ)は、反り量xが0μmであり、上記曲率半径Rとは異なる大きさの反りを実質的に有さない試料No.101,No.111と比較して、半導体素子の温度上昇を低減でき、放熱性に優れることが分かる。また、ここでは反り量xが30μm超100μm未満である試料No.1〜No.5、No.11〜No.15(以下、適正試料群と呼ぶ)は、反り量xが上記範囲外である試料No.102〜No.104,No.112〜No.114(以下、不適試料群と呼ぶ)と比較して、半導体素子の温度上昇をより低減でき、放熱性により優れることが分かる。試料No.1〜No.5、No.11〜No.15における上述の半導体素子の温度差は、基準に対して5℃以内と非常に小さい。
試料No.101,No.111が上述の多段反り試料群に比較して放熱性に劣る理由の一つとして、絶縁基板及び半導体素子の接合後に、曲率半径Rが上述の範囲を満たす部分(半径測定領域)が存在するものの、曲率半径Rからずれた部分、つまり絶縁基板の接合前の反りを適切に有していない部分が存在することが考えられる。このことは、球面誤差が10μm以下から10μm超、更に15μm超にずれており、球面精度が低下していることから裏付けられる。また、試料No.101,No.111は、局所的な反りを有する試料No.104,No.114と比較すると、球面誤差が小さいものの放熱性に劣ることからも裏付けられる。試料No.104,No.114は、球面精度に劣るものの、局所的な反りの具備によって絶縁基板及び半導体素子の接合後でも凸の反りを有して、冷却器にある程度密着し易いと考えられる。これに対し、試料No.101,No.111は、絶縁基板の接合によって接合前の反りが部分的に戻って凹部等が生じ、この凹部等によって冷却器に密着し難くなると考えられるからである。
上述の局所的な反りを有する上記多段反り試料群は、絶縁基板の接合時に局所的な反り部分が変形することで、絶縁基板の接合後において曲率半径Rの球面状の反りを一様に有し易いと考えられる。また、この絶縁基板に半導体素子が搭載された後においても、曲率半径Rの球面状の反りを一様に有し易いと考えられる。その結果、上記の球面状の部分を冷却器に均一的に押し付けられて、基板を冷却器に密着できることで放熱性に優れると考えられる。特に、上述の適正試料群は、上述の曲率半径Rの球面状の反り(大反り部に相当)と、この球面状の反り部分の一部に設けられる局所的な反り(小反り部に相当)とを備えることで、更には反り量xが上述の特定の範囲を満たすことで絶縁基板の接合時に曲率半径Rの反りが戻ったり低減したりすること等をより確実に防止できると考えられる。このことは、上記適正試料群は、不適試料群と比較して、球面誤差Eが10.0μm以下、更に8.5μm以下と小さく、真球面状により近いことから裏付けられる。上述の反り戻りの防止によって、絶縁基板の接合後や半導体素子の搭載後において、基板の概ね全体に亘って曲率半径Rの球面状の反りを一様に有して、この球面状の反り部分を冷却器に密着させられるため、放熱性により優れると考えられる。
その他、この試験から以下のことが分かる。
(A)反り量xが上述の式[1]の値を満たす(試料No.3,No.13)、又は上述の式[1]の値に近いと(ここでは式[1]の値の±20%を満たす適正試料群(試料No.3,13以外))、絶縁基板の接合後において、曲率半径Rの球面状の反りを一様に有し易い(適正試料群と不敵試料群とを比較参照)。
(B)上述の局所的な反りが平面視で円形の部分を有し、この円形の部分の直径Dと絶縁基板の外寸(ここでは短辺の長さ)とが概ね等しいことで、絶縁基板の接合時に上記局所的な反り部分が適切に変形し易く、接合後に曲率半径Rの球面状の反りを一様に有し易い。
(C)曲率半径Rが15000mm以上25000mm以下であり、反り量xが30μm超70μm以下であると、絶縁基板等の接合後に曲率半径Rの球面状の反りを一様に有し易い。
(D)Mg−SiCの基板を備えると、Al−SiCの基板を備える場合に比較して、放熱性に優れる(上述の熱伝導率を比較参照)。
(E)絶縁基板を接合した状態での曲率半径Rが5000mm以上35000mm以下、かつ球面誤差Eが10.0μm以下の基板を用いれば、半導体素子を接合した後でも曲率半径が5000mm以上35000mm以下、かつ球面誤差が10.0μm以下を満たし、放熱性に優れる。
(a)上述の曲率半径Rの球面状の反りと、曲率半径Rとは異なる大きさの局所的な反りという複数の反りとを有する複合部材は、上述の大球面部と小球面部とを備える成形型を用いて、特定の加熱温度及び特定の印加圧力で成形する熱プレスを行うと共に、特定の加圧状態で冷却することで製造できる。このような特定の熱プレスを行うことで、残留応力も緩和でき、冷熱サイクルを受けても変形し難い複合部材が得られると考えられる。
(b)Mg−SiCの素材板を用いると、Al−SiCの素材板を用いる場合に比較して、熱プレス時の保持時間をより短くしても、上述の複数の反りを有する複合部材を製造でき、製造性に優れる。
本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上述の試験例1において、基板の組成、平面形状、小反り部の仕様(大きさ、個数、形成位置等)、大きさ(長さ、幅、厚さ、曲率半径R、反り量x)、熱プレス条件、複合時の条件等を適宜変更できる。また、基板を球欠形態とすることができる。
1 複合部材、 10 基板、 11 大反り部、 12 小反り部、 120 円、 125 湾曲部同士の重複領域、 15 閉領域、 20 金属、 22 非金属、 3 放熱部材、 5 半導体装置、 50 半導体素子、 52 絶縁基板、 54 接合材。

Claims (11)

  1. 金属と非金属とを含む複合材料からなる基板を備え、
    前記基板は、
    その一面に設けられた曲率半径Rの球面状の反りを有する大反り部と、
    前記大反り部に部分的に設けられ、前記曲率半径Rとは異なる大きさの反りを有する小反り部とを備え、
    前記曲率半径Rは、5000mm以上35000mm以下であり、
    前記基板の熱伝導率が150W/m・K以上であり、
    前記基板の線膨張係数が10ppm/K以下である複合部材。
  2. 前記曲率半径Rは、15000mm以上25000mm以下であり、
    前記小反り部の反り量は、30μm超70μm以下である請求項1に記載の複合部材。
  3. 前記小反り部は、平面視で円形の部分を含み、その直径は5mm以上150mm以下である請求項1又は請求項2に記載の複合部材。
  4. 複数の前記小反り部を備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の複合部材。
  5. 前記非金属の含有量が55体積%以上である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の複合部材。
  6. 前記金属は、マグネシウム、マグネシウム合金、アルミニウム、又はアルミニウム合金であり、
    前記非金属はSiCを含む請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の複合部材。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の複合部材と、
    前記小反り部に接合材を介して接合された絶縁基板とを備え、
    前記絶縁基板が接合された状態での前記基板の曲率半径Rが5000mm以上35000mm以下である放熱部材。
  8. 請求項7に記載の放熱部材と、
    前記絶縁基板に搭載された半導体素子とを備え、
    前記半導体素子が搭載された前記絶縁基板が接合された状態での前記基板の曲率半径Rが5000mm以上35000mm以下である半導体装置。
  9. 前記半導体素子が搭載された前記絶縁基板が接合された状態での前記基板の球面誤差が10.0μm以下である請求項8に記載の半導体装置。
  10. 前記絶縁基板の厚さが1mm以上である請求項8又は請求項9に記載の半導体装置。
  11. 金属と非金属とを含む複合材料からなる素材板を成形型に収納して熱プレスを行うプレス工程を備え、
    前記成形型は、
    曲率半径Rbの球面を有する大球面部と、前記大球面部に部分的に設けられ、前記曲率半径Rbとは異なる曲率半径の球面を有する小球面部とを備え、
    前記曲率半径Rbは5000mm以上35000mm以下であり、
    前記プレス工程は、
    加熱温度を200℃超とし、印加圧力を10kPa以上として所定時間保持する保持工程と、
    前記印加圧力の80%以上の加圧状態を保持したまま前記加熱温度から100℃以下まで冷却する冷却工程とを備える複合部材の製造方法。
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