JPWO2019131411A1 - 口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒およびその製造方法ならびにそれを用いた口腔内崩壊錠 - Google Patents
口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒およびその製造方法ならびにそれを用いた口腔内崩壊錠 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2019131411A1 JPWO2019131411A1 JP2019561593A JP2019561593A JPWO2019131411A1 JP WO2019131411 A1 JPWO2019131411 A1 JP WO2019131411A1 JP 2019561593 A JP2019561593 A JP 2019561593A JP 2019561593 A JP2019561593 A JP 2019561593A JP WO2019131411 A1 JPWO2019131411 A1 JP WO2019131411A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- erythritol
- weight
- orally disintegrating
- parts
- tablet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
- A23L—FOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
- A23L5/00—Preparation or treatment of foods or foodstuffs, in general; Food or foodstuffs obtained thereby; Materials therefor
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/06—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite
- A61K47/08—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite containing oxygen, e.g. ethers, acetals, ketones, quinones, aldehydes, peroxides
- A61K47/10—Alcohols; Phenols; Salts thereof, e.g. glycerol; Polyethylene glycols [PEG]; Poloxamers; PEG/POE alkyl ethers
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/06—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite
- A61K47/08—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite containing oxygen, e.g. ethers, acetals, ketones, quinones, aldehydes, peroxides
- A61K47/12—Carboxylic acids; Salts or anhydrides thereof
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/30—Macromolecular organic or inorganic compounds, e.g. inorganic polyphosphates
- A61K47/32—Macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. carbomers, poly(meth)acrylates, or polyvinyl pyrrolidone
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/30—Macromolecular organic or inorganic compounds, e.g. inorganic polyphosphates
- A61K47/36—Polysaccharides; Derivatives thereof, e.g. gums, starch, alginate, dextrin, hyaluronic acid, chitosan, inulin, agar or pectin
- A61K47/38—Cellulose; Derivatives thereof
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/14—Particulate form, e.g. powders, Processes for size reducing of pure drugs or the resulting products, Pure drug nanoparticles
- A61K9/16—Agglomerates; Granulates; Microbeadlets ; Microspheres; Pellets; Solid products obtained by spray drying, spray freeze drying, spray congealing,(multiple) emulsion solvent evaporation or extraction
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/20—Pills, tablets, discs, rods
Abstract
【課題】 エリスリトールの有用な性質を生かした口腔内崩壊錠、その製造に好適な顆粒および当該顆粒の製造方法を提供する。【解決手段】 180重量部のエリスリトールに対して、5重量部以上50重量部以下のクロスポビドン、ならびに、2重量部以上15重量部以下の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび/または結晶セルロースを含有する口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒。本発明によれば、適切な錠剤硬度と崩壊時間とを兼ね備え、また、エリスリトールの有用な性質を生かした口腔内崩壊錠を製造することができる。
Description
本発明は、口腔内崩壊錠の製造に好適なエリスリトールを主成分とする顆粒および当該顆粒の製造方法、ならびに当該顆粒を用いた口腔内崩壊錠に関する。
口腔内崩壊錠とは、一般に、水無しで、あるいは少量の水とともに摂取した際に、口腔内で素速く崩壊する形態の錠剤をいう。口腔内崩壊錠は、嚥下が困難な患者や高齢者、小児においても服用可能なこと、係る対象者に限らずとも、水無しで手軽に服用できることから、近年、需要が高まっている錠剤形態である。
一方、エリスリトールは、あっさりとして後引きがなく、砂糖に似た好ましい甘味質を持つ糖アルコールである。エリスリトールはまた、カロリーがゼロであること、非う蝕性であること、緩下作用が比較的小さいこと、血糖値に影響しないこと、苦みや青臭みなどの好ましくない味を抑制する矯味矯臭効果を有すること等の有用な性質を有しているため、薬物やサプリメント等の錠剤を製造する際の賦形剤として、利用が期待されている。
そこで、エリスリトールを含有する口腔内崩壊錠が研究開発されており、例えば、特許文献1には、エリスリトール、崩壊剤およびイソマルトを含む口腔内崩壊錠が、特許文献2には、エリスリトール、マンニトールおよびヒドロキシプロピルセルロースを含み、薬効成分としてアカルボースを含む口腔内崩壊錠が、それぞれ開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の口腔内崩壊錠が含有するイソマルトも、特許文献2に記載の口腔内崩壊錠が含有するマンニトールも、カロリーがゼロではなく、また、味に影響を与え得る。従って、これらの特許文献に記載の口腔内崩壊錠は、ノンカロリーで矯味矯臭効果を有するエリスリトールを含有する利点を生かし切れていない。このように、従来、エリスリトールを主成分とする口腔内崩壊錠の製造は困難であった。その一因としては、エリスリトールは成形性が低いため、一般に、直打法で打錠するにあたっては、何らかの添加物ないし粒子の改質が必要であったことが考えられる。係る添加物や粒子改質によって形成した錠剤では、口腔内崩壊錠に必要な、短い口腔内崩壊時間を達成することは困難であった。
すなわち、これらの特許文献を鑑みても、エリスリトールを含有し、かつその有用な性質を十分に生かした口腔内崩壊錠は、未だ提供されている状況ではない。本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、エリスリトールの有用な性質を生かした口腔内崩壊錠、その製造に好適な顆粒および当該顆粒の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、驚くべきことに、エリスリトールと所定の崩壊剤とを組み合わせて造粒することにより、適切な錠剤硬度と短い口腔内崩壊時間とを兼ね備えた口腔内崩壊錠を直打法で製造できる顆粒が得られることを見いだした。すなわち、粉末状のエリスリトールに、所定量のクロスポピドンと所定量の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび/または結晶セルロースとを添加して造粒し、得られたエリスリトールを主成分とする顆粒(エリスリトール顆粒)により、適切な錠剤硬度と口腔内崩壊時間とを兼ね備えた口腔内崩壊錠を製造できることを見いだした。そこで、この知見に基づいて、下記の各発明を完成した。
(1)本発明に係る顆粒は、口腔内崩壊錠の製造に用いるエリスリトール顆粒であって、180重量部のエリスリトールに対して、5重量部以上50重量部以下のクロスポビドン、ならびに、2重量部以上15重量部以下の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび/または結晶セルロースを含有する。
(2)本発明に係る顆粒は、当該顆粒100重量部に対してステアリン酸マグネシウムを1重量部の割合で添加した後、乾式直接打錠法(直打法)により15.0kN未満の打錠圧で打錠して、直径が8mmで1錠当たり200mgの錠剤に成型した場合に、当該錠剤の口腔内崩壊時間が30秒以下となる物性を有することが好ましい。
(3)本発明に係る顆粒の製造方法は、口腔内崩壊錠の製造に用いるエリスリトール顆粒を製造する方法であって、エリスリトールの粉末およびクロスポビドンからなる基質を流動または攪拌しながら、当該基質に、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび/または結晶セルロースを含有する噴霧液を噴霧した後に乾燥させる造粒工程を有する。
(4)本発明に係る顆粒の製造方法において、前記基質は、エリスリトール180重量部に対してクロスポビドンを5重量部以上50重量部以下含有するものであり、前記噴霧液において、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび/または結晶セルロースの濃度は、1.3質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
(5)本発明に係る口腔内崩壊錠は、本発明に係る口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒と薬効成分または食品材料とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、適切な錠剤硬度と崩壊時間とを兼ね備えた口腔内崩壊錠を製造することができる。また、本発明によれば、エリスリトールの有用な性質を生かした口腔内崩壊錠を製造することができる。また、本発明によれば、上述の口腔内崩壊錠を、特別な装置や製造工程を要することなく、一般的な錠剤製造方法である乾式直接打錠法(直打法)により製造することができる。また、本発明によれば、上述の口腔内崩壊錠の製造に好適なエリスリトール顆粒を得ることができる。
以下、本発明に係る口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒、およびその製造方法、ならびにそれを用いた口腔内崩壊錠について詳細に説明する。
「口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒」とは、口腔内崩壊錠の製造に用いるためのエリスリトール顆粒をいう。
「エリスリトール顆粒」とは、エリスリトールを主成分とする顆粒またはその集合体をいう。エリスリトール顆粒の粒子径は、エリスリトールの粉末の粒子径よりも大きいものであればよいが、直打法による錠剤製造に使用する観点からは、平均粒子径が50μm以上250μm未満であることが好ましい。
本発明に係る口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒は、180重量部のエリスリトールに対して、5重量部以上50重量部以下のクロスポビドン、ならびに、2重量部以上15重量部以下の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび/または結晶セルロースを含有する。
エリスリトールは、化学名が1,2,3,4−Butaneterolである糖アルコールであり、エリトリトールとも呼ばれる。本発明において、粉末状のエリスリトールは市販品を用いてもよく、当業者に公知の方法に従って製造して用いてもよい。
エリスリトールの公知の製造方法としては、グルコースなどを炭素源としてエリスリトール生産菌を培養して生産させ、これを精製して得る方法を挙げることができる。ここで、エリスリトール生産菌としては、例えば、トリゴノプシス属またはカンジダ属に属する微生物(特公昭47−41549号公報)、トルロプシス属、ハンゼヌラ属、ピヒア属またはデバリオミセス属に属する微生物(特公昭51−21072号公報)、モニリエラ属に属する微生物(特開昭60−110295号公報、特開平10−215887)、オーレオバシデュウム属に属する微生物(特公昭63−9831号公報)、イエロビア属に属する微生物(特開平10−215887号公報)などを挙げることができ、培養条件は、各菌に適した通常の条件で行うことができる。また、エリスリトールの精製は、菌体分離、クロマトグラフィーによるエリスリトールの分取、脱塩、脱色、晶析、結晶分解および乾燥の工程を常法に従って行うことができる。
クロスポビドン(Cross-linked polyvinylpyrolidone、CPVP)は、「架橋ポリビニルピロリドン」、「ポリビニルポリピロリドン」、「不溶性ポリビニルピロリドン」とも呼ばれ、N−ビニル−2−ピロリドンが重合してなるポリビニルピロリドン(PVP)のピロリドン部分が架橋された構造を有する、水に不溶な高分子化合物である。本発明において、クロスポビドンは市販品を用いることができ、その分子量や粒子径などは、口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒における所望の物性や造粒方法などに応じて適宜設定することができる。市販のクロスポビドンとしては、例えば、Kolidon(登録商標)CL、CL−F、CL−SFおよびCL−M(以上、BASF)、Polyclar 10(Ashland)などを挙げることができる。
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(Low Substituted Hydroxypropylcellulose、LHPC)は、セルロースの骨格にヒドロキシプロポキシ基(−OCH2CHOHCH3)が導入されてなるセルロース誘導体(ヒドロキシプロピルセルロース)のうち、ヒドロキシプロポキシ基の導入量が小さく、水に不溶性を示すものをいう。ヒドロキシプロポキシ基は、セルロース骨格の水酸基を置換することにより導入されることから、その導入量は、モル置換度(1グルコース残基あたりのヒドロキシプロポキシル基の数、moles of substitution、MS)で表される。
本発明において、LHPCは市販品を用いることができ、その置換度や分子量、粒子径などは、口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒における所望の物性や造粒方法などに応じて適宜設定することができる。置換度は、例えば、MSが0.01〜2、好ましくは0.05〜1.5、より好ましくは0.1〜1のもの、あるいは、乾燥物中にヒドロキシプロポキシル基を1〜25質量%、好ましくは2〜20質量%、より好ましくは3〜18質量%含有するものを用いることができる。また、市販のLHPCとしては、例えば、LH−11、LH−21、LH−22、LH−B1、LH−31、LH−32、NBD−020、NBD−021、NBD−022(以上、信越化学工業)などを挙げることができる。
結晶セルロース(Microcrystalline Cellulose、MCC)は、繊維性植物からパルプとして得られるα−セルロース等の高純度のセルロースを、酸で部分的に解重合し精製したものである。本発明において、結晶セルロースは、その平均重合度や乾燥減量値、かさ密度、粒子径、形状等に特に制限無く用いることができる。市販のMCCとしては、例えば、セオラス UF−702、セオラス UF−711、セオラス KG−802、セオラス KG−1000、セオラス PH−101、セオラス PH−101D、セオラス PH−102、セオラス PH−200、セオラス PH−301、セオラス PH−301D、セオラス PH−302、セオラス PH−F20JP(以上、旭化成ケミカルズ)などを用いることができる。
薬効成分や食品材料などを混合せず、顆粒のみ、あるいはこれに滑沢剤を添加したのみで、そのまま直打法により製造した錠剤の口腔内崩壊時間は、当該顆粒の口腔内崩壊錠への使用適性を評価する指標となる。本発明においては、顆粒100重量部に対してステアリン酸マグネシウム(滑沢剤)を1重量部の割合で添加した後、直打法により15.0kN未満の打錠圧で打錠して、直径が8mmで1錠当たり200mgの錠剤に成型した場合に、当該錠剤の口腔内崩壊時間が30秒以下となる物性を有する顆粒を、好適な口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒としている。
口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒は、本発明の特徴を損なわない限りにおいて、エリスリトール、CPVP、LHPCおよびMCC以外の物質を含んでいてもよい。そのような物質としては、例えば、加工特性を改良するための結合剤や滑沢剤、錠剤の風味や嗜好性、保存性などを改良するための食品添加物や医薬品添加物を挙げることができる。例えば、結合剤の添加は、比較的低い打錠圧によって錠剤を製造するために有効な場合がある。結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)やメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、プルラン、アルギン酸ナトリウム、寒天、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどを挙げることができる。また、滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン酸脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒は、エリスリトールの粉末およびクロスポビドン(CPVP)からなる基質を流動または攪拌しながら、当該基質に、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(LHPC)および/または結晶セルロース(MCC)を含有する噴霧液を噴霧した後乾燥させる造粒工程により製造することができる。すなわち、本発明は、上記造粒工程を有する口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒の製造方法をも提供する。
上記造粒工程は、後述する実施例の試験方法(2)に示すように、流動層造粒法により行うことができるほか、攪拌造粒法、噴霧乾燥法などにより行うこともできる。ここで、流動層造粒法とは、湿式造粒の一方法であり、造粒室の下部から熱風を送り込み、原料粉粒体を空中に巻き上げることにより粒子が流動する状態になる層を形成してから、液体(噴霧液)を噴霧して、凝集や被覆により原料粉粒体を粒状物(顆粒)に成長させる方法である。流動層造粒法による造粒は、市販の造粒装置により行うことができる。
すなわち、上記造粒工程を流動層造粒法により行う場合は、エリスリトールの粉末およびCPVPからなる基質を熱風で流動しながら、当該基質にLHPCおよび/またはMCCを含有する噴霧液を噴霧した後、当該熱風により乾燥させることにより、口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒を製造することができる。
基質におけるエリスリトールとCPVPとの量比は、顆粒における所望の物性や造粒方法などに応じて適宜設定することができるが、好適には、エリスリトール180重量部に対して、CPVPが1重量部以上100重量部以下、2重量部以上80重量部以下、3重量部以上70重量部以下、4重量部以上60重量部以下、5重量部以上50重量部以下などとすることができる。
噴霧液におけるLHPCおよび/またはMCCの分散媒は、例えば、水やエタノールなどのアルコール、あるいはこれらの混合物などを挙げることができる。噴霧液には、本発明の特徴を損なわない限りにおいて、結合剤や糖アルコール、香料や着色料、保存料などの食品添加物や医薬品添加物を添加して用いてもよい。結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、プルラン、アルギン酸ナトリウム、寒天、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどを挙げることができる。
噴霧液は、LHPCまたはMCCをいずれか単独で含むものでもよく、LHPCおよびMCCをいずれも含むものでもよい。いずれかを単独で含む場合のLHPCまたはMCCの濃度は、口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒における所望の物性や造粒方法などに応じて適宜設定することができるが、好適には、0.5〜20質量%、0.6〜19質量%、0.7〜18質量%、0.8〜17質量%、0.9〜16質量%、1.0〜15質量%、1.1〜14質量%、1.2〜13質量%、1.3〜12質量%、1.3〜11質量%、1.3〜10質量%などとすることができる。
また、いずれも含む場合の噴霧液におけるLHPCおよびMCCの濃度は、両物質の合計の濃度で、好適には、0.5〜20質量%、0.6〜19質量%、0.7〜18質量%、0.8〜17質量%、0.9〜16質量%、1.0〜15質量%、1.1〜14質量%、1.2〜13質量%、1.3〜12質量%、1.3〜11質量%、1.3〜10質量%などとすることができる。
造粒工程における造粒装置は、例えば、通常流動層型造粒機や強制循環型流動層造粒機、噴流層型造粒機などのバッチ式流動層造粒機、箱型連続式流動層造粒機や円筒型連続式流動層造粒機などの連続式流動層造粒機を用いることができる。造粒装置における噴霧液のスプレーノズルの位置は、例えば、底部スプレー方式、トップスプレー方式、接線スプレー方式のいずれであってもよい。造粒条件はエリスリトールの仕込み量やエリスリトール顆粒における所望の物性などに応じて適宜設定することができるが、例えば、熱風入口温度を60〜100℃、風量を0.4〜0.8m3/分、噴霧液の噴霧圧力を0.1〜0.3MPaとすることができる。
最後に、本発明に係る口腔内崩壊錠は、本発明に係る口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒と薬効成分または食品材料とを含むことを特徴とする。
口腔内崩壊錠は、口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒と薬効成分または食品材料との混合物を直打法により打錠する打錠工程により製造することができる。当該打錠工程において、エリスリトール顆粒と薬効成分との混合物を打錠すれば、口腔内崩壊錠の形態を有する医薬品や医薬部外品を製造することができ、エリスリトール顆粒と食品材料との混合物を打錠すれば、口腔内崩壊錠の形態を有する菓子(錠菓)やサプリメントなどの飲食品を製造することができる。
上記打錠工程において、直打法は、当業者に公知の方法に従って行うことができる。すなわち、口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒と薬効成分または食品材料との混合物を市販の打錠機に仕込み、錠剤の形状に圧縮成型すればよい。打錠圧や錠剤のサイズは、製品の用途や含有成分等に応じて適宜設定することができる。打錠圧としては、例えば、錠剤の面積0.5cm2に対して、40.0kN未満、35kN未満、30kN未満、25kN未満、20kN未満、あるいは15.0kN未満などとすることができる。
なお、口腔内崩壊錠には、本発明の特徴を損なわない限りにおいて、口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒および薬効成分または食品材料以外の物質を含んでいてもよい。そのような物質としては、例えば、加工特性を改良するための結合剤や滑沢剤、錠剤の風味や嗜好性、保存性などを改良するための食品添加物や医薬品添加物を挙げることができる。結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)やメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、プルラン、アルギン酸ナトリウム、寒天、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどを挙げることができる。また、滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン酸脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
以下、本発明について、各実施例に基づいて説明する。なお、本発明の技術的範囲は、これらの実施例によって示される特徴に限定されない。
<試験方法>
本実施例は、別段に記載のない限り下記(1)〜(4)の方法で行った。また、本実施例においては、別段に記載のない限り「%」は「質量%」を意味する。また、エリスリトールは「ERT」と表記する場合がある。
本実施例は、別段に記載のない限り下記(1)〜(4)の方法で行った。また、本実施例においては、別段に記載のない限り「%」は「質量%」を意味する。また、エリスリトールは「ERT」と表記する場合がある。
(2)造粒方法
粉末状のエリスリトールから顆粒の形状のエリスリトール(ERT顆粒)の製造は、流動層造粒法により行った。すなわち、造粒装置「マルチプレックス FD−MP−01ND(パウレック社)」に、基質として粉末状のエリスリトール、またはエリスリトールと添加物とを仕込み、熱風入口温度が80℃、風量が0.6m3/分、噴霧圧力が0.2MPaにて、噴霧液を噴霧しながら造粒を行った。噴霧液には、水、または水に添加物を溶解もしくは分散してなる水性液体を用いた。
粉末状のエリスリトールから顆粒の形状のエリスリトール(ERT顆粒)の製造は、流動層造粒法により行った。すなわち、造粒装置「マルチプレックス FD−MP−01ND(パウレック社)」に、基質として粉末状のエリスリトール、またはエリスリトールと添加物とを仕込み、熱風入口温度が80℃、風量が0.6m3/分、噴霧圧力が0.2MPaにて、噴霧液を噴霧しながら造粒を行った。噴霧液には、水、または水に添加物を溶解もしくは分散してなる水性液体を用いた。
(3)打錠方法
ERT顆粒を用いて、直打法により錠剤を製造した。すなわち、ERT顆粒100重量部に対して、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム1重量部を添加した後、卓上型単発式打錠機「MINIPRESS MII(RIVA S.A.社)」に仕込み、産業上、実施可能な打錠圧(15kN未満)で、錠剤の形状に圧縮成型した。錠剤のサイズは、直径が8mm、1錠当たりの重量は200mgとした。すなわち、錠剤の面積(π×0.4cm×0.4cm≒0.5cm2)に対して15.0kN(300MPa)未満の打錠圧をかけることにより錠剤を製造した。
ERT顆粒を用いて、直打法により錠剤を製造した。すなわち、ERT顆粒100重量部に対して、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム1重量部を添加した後、卓上型単発式打錠機「MINIPRESS MII(RIVA S.A.社)」に仕込み、産業上、実施可能な打錠圧(15kN未満)で、錠剤の形状に圧縮成型した。錠剤のサイズは、直径が8mm、1錠当たりの重量は200mgとした。すなわち、錠剤の面積(π×0.4cm×0.4cm≒0.5cm2)に対して15.0kN(300MPa)未満の打錠圧をかけることにより錠剤を製造した。
(4)評価項目および評価方法
[4−1]錠剤硬度
錠剤の硬度は、ロードセル式錠剤硬度計(PC−30、岡田精工)を用いて測定した。測定した錠剤硬度が5.0キログラム重(kgf)以上であれば、製品の硬度として「適する(○)」、5.0kgf未満であれば、「不適(×)」と評価した。
[4−1]錠剤硬度
錠剤の硬度は、ロードセル式錠剤硬度計(PC−30、岡田精工)を用いて測定した。測定した錠剤硬度が5.0キログラム重(kgf)以上であれば、製品の硬度として「適する(○)」、5.0kgf未満であれば、「不適(×)」と評価した。
[4−2]口腔内崩壊時間
錠剤の口腔内崩壊時間は、口腔内崩壊錠試験器(ODT−101、富山産業)を用いて測定した。測定条件は、錘(直径15mm、15g)、回転数25回転/分(rpm)、温度37±0.5℃とした。測定した崩壊時間が30秒以下であれば、口腔内崩壊錠として「好適(略記:◎)」、30秒超60秒以下であれば「適する(略記:○)」、60秒超180秒以下であれば「やや不適(略記:△)」、180秒超であれば「不適(略記:×)」と評価した。
錠剤の口腔内崩壊時間は、口腔内崩壊錠試験器(ODT−101、富山産業)を用いて測定した。測定条件は、錘(直径15mm、15g)、回転数25回転/分(rpm)、温度37±0.5℃とした。測定した崩壊時間が30秒以下であれば、口腔内崩壊錠として「好適(略記:◎)」、30秒超60秒以下であれば「適する(略記:○)」、60秒超180秒以下であれば「やや不適(略記:△)」、180秒超であれば「不適(略記:×)」と評価した。
<実施例1>噴霧液における崩壊剤用途の添加物の検討
(1)噴霧液における崩壊剤の検討
造粒装置に、基質として粉末状のエリスリトール180gとクロスポビドン(CPVP)30gとを仕込み、噴霧液150mLを噴霧しながら造粒を行った。噴霧液として、No.1の試料には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を1.0%となるよう溶解した水溶液(HPMC1%水溶液)を、No.2の試料には、HPMC1%水溶液に低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(LHPC)を6.7%となるよう分散した水性液体を、No.3の試料には、HPMC1%水溶液に結晶セルロース(MCC)を6.7%となるよう分散した水性液体を、それぞれ用いた。その後、錠剤を製造して評価した。その結果を表2に示す。
(1)噴霧液における崩壊剤の検討
造粒装置に、基質として粉末状のエリスリトール180gとクロスポビドン(CPVP)30gとを仕込み、噴霧液150mLを噴霧しながら造粒を行った。噴霧液として、No.1の試料には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を1.0%となるよう溶解した水溶液(HPMC1%水溶液)を、No.2の試料には、HPMC1%水溶液に低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(LHPC)を6.7%となるよう分散した水性液体を、No.3の試料には、HPMC1%水溶液に結晶セルロース(MCC)を6.7%となるよう分散した水性液体を、それぞれ用いた。その後、錠剤を製造して評価した。その結果を表2に示す。
表2に示すように、No.1の錠剤の崩壊時間は、口腔内崩壊錠として適する(○)ものの、43.5秒前後とやや長かった。これに対して、No.2およびNo.3の錠剤の崩壊時間は、いずれも30秒以下で短く、口腔内崩壊錠として好適(◎)であった。この結果から、LHPCまたはMCCを含有させることにより、口腔内崩壊錠に好適なエリスリトール顆粒を製造できることが明らかになった。また、当該エリスリトール顆粒の製造工程では、噴霧液にLHPCおよび/またはMCCを含有させることが好ましいことが明らかになった。
(2)LHPCおよびMCCを併用した場合の検討
造粒装置に、基質として粉末状のエリスリトール180gとCPVP30gとを仕込み、噴霧液150mLを噴霧しながら造粒を行った。噴霧液は、HPMC1%水溶液にLHPCおよびMCCを表3に示す濃度となるよう分散した水性液体を用いた。その後、錠剤を製造して評価した。その結果を表3に示す。
造粒装置に、基質として粉末状のエリスリトール180gとCPVP30gとを仕込み、噴霧液150mLを噴霧しながら造粒を行った。噴霧液は、HPMC1%水溶液にLHPCおよびMCCを表3に示す濃度となるよう分散した水性液体を用いた。その後、錠剤を製造して評価した。その結果を表3に示す。
表3に示すように、No.4、No.5およびNo.6の錠剤はいずれも、5.0kgf以上の適切(○)な錠剤硬度を備えるとともに、崩壊時間は30秒以下と短く、口腔内崩壊錠として好適(◎)であった。この結果から、口腔内崩壊錠に用いるエリスリトール顆粒に含有させる崩壊剤として、LHPCおよびMCCは併用可能であることが明らかになった。
<実施例2>噴霧液における崩壊剤用途の添加物の量の検討
造粒装置に、基質として粉末状のエリスリトール180gとCPVP30gとを仕込み、噴霧液150mLを噴霧しながら造粒を行った。噴霧液は、HPMC1%水溶液にMCCを1.3%、3.3%、6.7%または10.0%となるよう分散した水性液体を用いた。その後、錠剤を製造して評価した。その結果を表4に示す。
造粒装置に、基質として粉末状のエリスリトール180gとCPVP30gとを仕込み、噴霧液150mLを噴霧しながら造粒を行った。噴霧液は、HPMC1%水溶液にMCCを1.3%、3.3%、6.7%または10.0%となるよう分散した水性液体を用いた。その後、錠剤を製造して評価した。その結果を表4に示す。
表4に示すように、No.7、No.8、No.9およびNo.10の錠剤はいずれも、5.0kgf以上の適切(○)な錠剤硬度を備えるとともに、崩壊時間は30秒以下と短く、口腔内崩壊錠として好適(◎)であった。この結果から、口腔内崩壊錠に用いるエリスリトール顆粒において、LHPCおよび/またはMCCの量は、180重量部のエリスリトールに対して、2重量部以上15重量部以下が好ましいことが明らかになった。また、当該エリスリトール顆粒の製造工程では、噴霧液におけるLHPCおよび/またはMCCの濃度は、1.3%以上10.0%以下が好ましいことが明らかになった。
<実施例3>噴霧液における結合剤用途の添加物の検討
造粒装置に、基質として粉末状のエリスリトール180gとCPVP30gとを仕込み、噴霧液150mLを噴霧しながら造粒を行った。噴霧液は、水にHPMCを0.0%、0.5%、1.0%、2.5%または5.0%となるよう溶解し、さらに、LHPCを1.3%およびMCC((1)平均粒子径が50μmで安息角が57度のもの、または(2)平均粒子径が50μmで安息角が45度のもの)を5.3%となるよう分散した水性液体を用いた。その後、錠剤を製造して評価した。その結果を表5に示す。なお、No.14−1はMCC(1)を、No.14−2はMCC(2)を、それぞれ用いた。
造粒装置に、基質として粉末状のエリスリトール180gとCPVP30gとを仕込み、噴霧液150mLを噴霧しながら造粒を行った。噴霧液は、水にHPMCを0.0%、0.5%、1.0%、2.5%または5.0%となるよう溶解し、さらに、LHPCを1.3%およびMCC((1)平均粒子径が50μmで安息角が57度のもの、または(2)平均粒子径が50μmで安息角が45度のもの)を5.3%となるよう分散した水性液体を用いた。その後、錠剤を製造して評価した。その結果を表5に示す。なお、No.14−1はMCC(1)を、No.14−2はMCC(2)を、それぞれ用いた。
表5に示すように、No.11〜15の錠剤はいずれも、5.0kgf以上の適切(○)な錠剤硬度を備えていた。そして、No.11〜13の錠剤の崩壊時間は30秒以下と短く、口腔内崩壊錠として好適(◎)であった。No.14−1の錠剤の崩壊時間は32.1秒前後、No.14−2の錠剤の崩壊時間は38秒前後で、口腔内崩壊錠として適する(○)ものであった。No.15の錠剤の崩壊時間も、口腔内崩壊錠として適する(○)ものの、52.7秒前後と比較的長かった。この結果から、口腔内崩壊錠に用いるエリスリトール顆粒において、HPMCの量は、180重量部のエリスリトールに対して、7.5重量部以下が好ましく、3.8重量部以下がより好ましいことが明らかになった。また、当該エリスリトール顆粒の製造工程では、噴霧液におけるHPMCの濃度は、5.0%以下が好ましく、2.5%以下がより好ましいことが明らかになった。
<実施例4>基質における崩壊剤用途の添加物の検討
造粒装置に、基質として粉末状のエリスリトール180gのみ、または粉末状のエリスリトール180gと、崩壊剤用途の添加物20gとを仕込み、噴霧液150mLを噴霧しながら造粒を行った。基質における崩壊剤用途の添加物としては、表6に示すように、CPVP、コーンスターチ(CS)、クロスカルメロースナトリウム(CMC−Na)またはMCCを用いた。噴霧液は、HPMC1%水溶液に、LHPCを1.3%およびMCCを5.3%となるよう分散した水性液体を用いた。その後、錠剤を製造して評価した。その結果を表6に示す。
造粒装置に、基質として粉末状のエリスリトール180gのみ、または粉末状のエリスリトール180gと、崩壊剤用途の添加物20gとを仕込み、噴霧液150mLを噴霧しながら造粒を行った。基質における崩壊剤用途の添加物としては、表6に示すように、CPVP、コーンスターチ(CS)、クロスカルメロースナトリウム(CMC−Na)またはMCCを用いた。噴霧液は、HPMC1%水溶液に、LHPCを1.3%およびMCCを5.3%となるよう分散した水性液体を用いた。その後、錠剤を製造して評価した。その結果を表6に示す。
表6に示すように、No.16、No.18、No.19およびNo.20の錠剤は、いずれも崩壊時間が60秒より長く、口腔内崩壊錠としてやや不適(△)であった。これに対して、No.17の錠剤は、5.0kgf以上の適切(○)な錠剤硬度を備えるとともに、崩壊時間は19.2秒前後と短く、口腔内崩壊錠として好適(◎)であった。この結果から、CPVPを含有させることにより、口腔内崩壊錠に好適なエリスリトール顆粒を製造できることが明らかになった。また、当該エリスリトール顆粒の製造工程では、基質にCPVPを含有させることが好ましいことが明らかになった。
<実施例5>基質における崩壊剤用途の添加物の量の検討
造粒装置に、基質として、粉末状のエリスリトール180gと、CPVP0g、5g、10g、20g、30g、40gまたは50gとを仕込み、噴霧液150mLを噴霧しながら造粒を行った。噴霧液は、HPMC1%水溶液に、LHPCを1.3%およびMCCを5.3%となるよう分散した水性液体を用いた。その後、錠剤を製造して評価した。その結果を表7に示す。
造粒装置に、基質として、粉末状のエリスリトール180gと、CPVP0g、5g、10g、20g、30g、40gまたは50gとを仕込み、噴霧液150mLを噴霧しながら造粒を行った。噴霧液は、HPMC1%水溶液に、LHPCを1.3%およびMCCを5.3%となるよう分散した水性液体を用いた。その後、錠剤を製造して評価した。その結果を表7に示す。
表7に示すように、No.21、No.22、No.23、No.24、No.25およびNo.26の錠剤はいずれも、5.0kgf以上の好適(○)な錠剤硬度を備えるとともに、崩壊時間は60秒以下と短く、口腔内崩壊錠として適(○)する、または好適(◎)なものであった。この結果から、口腔内崩壊錠に用いるエリスリトール顆粒において、CPVPの量は、180重量部のエリスリトールに対して、5重量部以上50重量部以下が好ましいことが明らかになった。また、当該エリスリトール顆粒の製造工程では、基質におけるCPVPの量は、180重量部のエリスリトールに対して、5重量部以上50重量部以下が好ましいことが明らかになった。
<実施例6>口腔内崩壊錠(解熱・鎮痛薬)の製造
造粒装置に、基質として粉末状のエリスリトール180gとCPVP30gとを仕込み、噴霧液150mLを噴霧しながら造粒を行ってERT顆粒を製造した。噴霧液は、水にHPMCを0.5%となるよう溶解し、さらに、LHPCを1.3%およびMCCを5.3%となるよう分散した水性液体を用いた。このERT顆粒80〜95重量部と、アセトアミノフェン(アセトアミノフェン<ハチ>、東洋製薬化成、1g中 日本薬局方アセトアミノフェン1g含有、白色の結晶又は結晶性の粉末)5〜20重量部との混合物100重量部に対して、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム1重量部を添加した後、<試験方法>(3)に記載の方法により錠剤を製造した。その後、<試験方法>(4)に記載の方法により錠剤を評価した。口腔内崩壊時間の評価結果を表8に示す。
造粒装置に、基質として粉末状のエリスリトール180gとCPVP30gとを仕込み、噴霧液150mLを噴霧しながら造粒を行ってERT顆粒を製造した。噴霧液は、水にHPMCを0.5%となるよう溶解し、さらに、LHPCを1.3%およびMCCを5.3%となるよう分散した水性液体を用いた。このERT顆粒80〜95重量部と、アセトアミノフェン(アセトアミノフェン<ハチ>、東洋製薬化成、1g中 日本薬局方アセトアミノフェン1g含有、白色の結晶又は結晶性の粉末)5〜20重量部との混合物100重量部に対して、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム1重量部を添加した後、<試験方法>(3)に記載の方法により錠剤を製造した。その後、<試験方法>(4)に記載の方法により錠剤を評価した。口腔内崩壊時間の評価結果を表8に示す。
No.27〜29の錠剤はいずれも、5.0kgf以上の好適(○)な錠剤硬度を備えていた。また、表8に示すように、No.27〜29の錠剤はいずれも、崩壊時間が22秒以下と顕著に短く、口腔内崩壊錠として好適(◎)なものであった。この結果から、本発明に係るエリスリトール顆粒と薬効成分や食品材料との混合物を直打法により打錠することにより、適切な錠剤硬度と短い口腔内崩壊時間とを兼ね備えた口腔内崩壊錠を製造できることが明らかになった。
Claims (5)
- 180重量部のエリスリトールに対して、
5重量部以上50重量部以下のクロスポビドン、ならびに、
2重量部以上15重量部以下の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび/または結晶セルロース
を含有する、口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒。 - 前記口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒は、前記口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒100重量部に対してステアリン酸マグネシウムを1重量部の割合で添加した後、乾式直接打錠法により15.0kN未満の打錠圧で打錠して、直径が8mmで1錠当たり200mgの錠剤に成型した場合に、当該錠剤の口腔内崩壊時間が30秒以下となる物性を有する、請求項1に記載の口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒。
- エリスリトールの粉末およびクロスポビドンからなる基質を流動または攪拌しながら、当該基質に、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび/または結晶セルロースを含有する噴霧液を噴霧した後に乾燥させる造粒工程を有する、口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒の製造方法。
- 前記基質が、エリスリトール180重量部に対してクロスポビドンを5重量部以上50重量部以下含有するものであり、
前記噴霧液において、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび/または結晶セルロースの濃度が1.3質量%以上10.0質量%以下である、
請求項3に記載の製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載の口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒と薬効成分または食品材料とを含むことを特徴とする、口腔内崩壊錠。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017251827 | 2017-12-27 | ||
JP2017251827 | 2017-12-27 | ||
PCT/JP2018/046929 WO2019131411A1 (ja) | 2017-12-27 | 2018-12-20 | 口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒およびその製造方法ならびにそれを用いた口腔内崩壊錠 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2019131411A1 true JPWO2019131411A1 (ja) | 2020-12-10 |
Family
ID=67067289
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019561593A Pending JPWO2019131411A1 (ja) | 2017-12-27 | 2018-12-20 | 口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒およびその製造方法ならびにそれを用いた口腔内崩壊錠 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPWO2019131411A1 (ja) |
WO (1) | WO2019131411A1 (ja) |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1143429A (ja) * | 1997-05-27 | 1999-02-16 | Takeda Chem Ind Ltd | 固形製剤 |
JP2000016930A (ja) * | 1998-04-27 | 2000-01-18 | Taisho Pharmaceut Co Ltd | 口腔内速崩錠及びその製造方法 |
WO2000078292A1 (fr) * | 1999-06-18 | 2000-12-28 | Takeda Chemical Industries, Ltd. | Preparations solides a desintegration rapide |
WO2009041651A1 (ja) * | 2007-09-27 | 2009-04-02 | Mitsubishi Tanabe Pharma Corporation | 速崩壊性固形製剤 |
JP2010202579A (ja) * | 2009-03-03 | 2010-09-16 | Sawai Pharmaceutical Co Ltd | アカルボースを含有する口腔内崩壊剤 |
JP2014015459A (ja) * | 2012-06-15 | 2014-01-30 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む複合造粒物の製造方法及び速放性製剤 |
WO2018159673A1 (ja) * | 2017-02-28 | 2018-09-07 | 物産フードサイエンス株式会社 | エリスリトール顆粒およびその製造方法、ならびにそれを用いた錠剤の製造方法および錠剤 |
-
2018
- 2018-12-20 WO PCT/JP2018/046929 patent/WO2019131411A1/ja active Application Filing
- 2018-12-20 JP JP2019561593A patent/JPWO2019131411A1/ja active Pending
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1143429A (ja) * | 1997-05-27 | 1999-02-16 | Takeda Chem Ind Ltd | 固形製剤 |
JP2000016930A (ja) * | 1998-04-27 | 2000-01-18 | Taisho Pharmaceut Co Ltd | 口腔内速崩錠及びその製造方法 |
WO2000078292A1 (fr) * | 1999-06-18 | 2000-12-28 | Takeda Chemical Industries, Ltd. | Preparations solides a desintegration rapide |
WO2009041651A1 (ja) * | 2007-09-27 | 2009-04-02 | Mitsubishi Tanabe Pharma Corporation | 速崩壊性固形製剤 |
JP2010202579A (ja) * | 2009-03-03 | 2010-09-16 | Sawai Pharmaceutical Co Ltd | アカルボースを含有する口腔内崩壊剤 |
JP2014015459A (ja) * | 2012-06-15 | 2014-01-30 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む複合造粒物の製造方法及び速放性製剤 |
WO2018159673A1 (ja) * | 2017-02-28 | 2018-09-07 | 物産フードサイエンス株式会社 | エリスリトール顆粒およびその製造方法、ならびにそれを用いた錠剤の製造方法および錠剤 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2019131411A1 (ja) | 2019-07-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20100285164A1 (en) | Orally Disintegrating Excipient | |
JP5934812B2 (ja) | 制御放出の製剤処方または食品処方およびその製造方法 | |
KR101565621B1 (ko) | 저치환도 히드록시프로필셀룰로오스 수분산액을 이용한 습식 조립 타정법 | |
US20090098211A1 (en) | Solid dosage forms | |
RU2466717C2 (ru) | Фармацевтический твердый препарат, содержащий бензоазепины, и способ его получения | |
JP5004236B2 (ja) | 口腔内崩壊錠 | |
BRPI0710914A2 (pt) | forma de dosagem e método para o tratamento de dependência, adição e supressão de nicotina, em particular para uso na terapia para parar de fumar | |
RU2489153C2 (ru) | Фармацевтические композиции, включающие пролекарство ингибитора полимеразы hcv | |
KR101421330B1 (ko) | 붕괴정 | |
CN111565720A (zh) | 控释制剂 | |
JP7085527B2 (ja) | エリスリトール顆粒およびその製造方法、ならびにそれを用いた錠剤の製造方法および錠剤 | |
JP2001503734A (ja) | カリウム、ナトリウムおよびトリスオキサプロジン塩医薬組成物 | |
JPWO2019131411A1 (ja) | 口腔内崩壊錠用エリスリトール顆粒およびその製造方法ならびにそれを用いた口腔内崩壊錠 | |
JP4562797B1 (ja) | 沈降炭酸カルシウムを有効成分とする口腔内崩壊錠 | |
JP2011037840A (ja) | 口腔内崩壊錠及びその製造方法 | |
TW201607556A (zh) | 以二階段濕式造粒步驟製造之崩解性粒子組成物及含有該組成物之口腔內崩解錠劑 | |
JP2015071556A (ja) | 錠剤及びその製造方法 | |
JP2021104973A (ja) | 口腔内崩壊錠用顆粒、その製造方法および口腔内崩壊錠 | |
AU744483B2 (en) | Compressed compositions comprising clarified xanthan gum | |
JP2008189634A (ja) | 口腔内速崩錠の製造方法 | |
WO2023182332A1 (ja) | 口腔内崩壊錠用の添加剤組成物 | |
JP2023119660A (ja) | 錠剤用基材、錠剤の崩壊促進用組成物、口腔用錠剤の食感および/または食味改良用組成物ならびに錠剤の製造方法 | |
CN116370417A (zh) | 一种雷沙吉兰颗粒组合物及其药物组合物 | |
CN102784122A (zh) | 异烟肼组合物冻干口腔崩解片及其制备方法 | |
WO2006016602A1 (ja) | 苦味の低減したナテグリニド含有製剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211201 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221214 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20230614 |