JPWO2019117113A1 - 調理済み麺類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、炒め調理を行わなくても、炒め調理したような香ばしい風味と食感を有する調理済み麺類を製造することができる方法を提供することを課題とする。本発明の調理済み麺類の製造方法は、(1)麺類を茹で調理する工程、(2)茹で調理した麺類に油脂類を付着させる工程、並びに(3)得られた麺類を、105℃以上の過熱蒸気及び/又は105℃以上の加熱空気で加熱する工程を含む。工程(3)は複数回行ってもよい。複数回の工程(3)で、105℃以上の過熱蒸気での加熱と105℃以上の加熱空気での加熱とを交互に行うことが好ましい。

Description

本発明は、調理済みの麺類の製造方法に関し、詳細には、炒め調理したような香ばしさと食感を有する調理済み麺類を簡便に製造する方法に関する。
麺類は、小麦粉等の粉体原料を水と共に捏ねて生地を製造し、これをひも状に成形した後に加熱調理して喫食する食品である。麺類には、原料として澱粉や米粉を用いたもの、成形の際に麺生地から切り出したり、麺生地を線状に押出したりするもの、加熱調理として茹で調理や蒸し調理を行うもの等、多くの種類があり、さらに、麺類と共に喫食するたれ、つゆ、ソースや、具材等もバラエティに富んでおり、多種多様なものが楽しまれている。
麺類の中には加熱調理の際に炒め調理を行うものがあり、その代表的なものに焼きそばがあるほか、ナポリタンスパゲティのような炒め調理を行ったスパゲティ等もあり、近年では炒め調理を行った麺類の多様性にさらに拍車がかかってきている。麺類に炒め調理を行うと、油で加熱されて香ばしい風味が付与され、また高温の油で焼きしまって歯ごたえのある独特の食感が付与される。
これまでにも、炒め調理を行ったスパゲティの炒め感や風味を高める技術が提案されている。特許文献1には、茹でパスタをソテー後、パスタの上にソースを載せて凍結するソテーパスタの製造方法が記載されている。特許文献2には、茹で麺を炒め、ソースと和えた後に真空冷却するソース和え炒め麺の製造方法が記載されている。しかしながら、これらの方法は炒め調理を行う必要があり、大量生産には大規模な設備が必要であり手間と費用がかかるものであった。
特許文献3には、調理済み麺類に過熱水蒸気及び飽和水蒸気を交互に接触させて、麺類を加熱処理する方法が記載されている。特許文献4には、押出成形した生パスタを、オーブンやヒーターを用いて乾式加熱後に茹で調理又は蒸し調理する方法が記載されている。しかしながら、これらの方法では、炒め調理したような香ばしさと食感が得られにくいという問題があった。
特開2001−186852号公報 特開2016−42824号公報 特開2007−274930号公報 US2016198743A1
本発明の課題は、炒め調理したような香ばしい風味と食感を有する調理済み麺類を、大量生産でも簡便に製造することができる方法を提供することにある。
本発明は、
(1)麺類を茹で調理する工程、
(2)茹で調理した麺類に油脂類を付着させる工程、並びに
(3)得られた麺類を、105℃以上の過熱蒸気及び/又は105℃以上の加熱空気で加熱する工程
を含む、調理済み麺類の製造方法である。
本発明では、先ず工程(1)として、麺類を茹で調理する。工程(1)で用いる麺類は、通常食用に供される麺類であれば特に制限されず、どのような麺類でも用いることができる。その例としては、スパゲティ、マカロニ等のパスタ、中華そば、うどん、そば、ビーフン等が挙げられる。これらの中でも、炒め調理して喫食するタイプの麺類が好ましく、最終的な調理済み麺類の種類として、ナポリタンスパゲティ、ペペロンチーノスパゲティ、焼きそば、焼きうどん、焼きビーフン等が例示できる。
工程(1)で用いる麺類の原料や製造方法も特に限定されず、小麦粉、そば粉、米粉、澱粉等を原料粉として用い、常法に従って麺として製造すればよい。製造された麺類は、そのまま(生麺として)茹で調理を行ってもよく、熟成処理後に茹で調理を行ってもよい。ここで熟成処理としては、乾燥処理や加熱処理が含まれ、従来から行われている麺類の風味を改善する方法を適宜選択して適用し、行うことができる。但し、麺類を30%以上α化させてしまうと、本発明の方法による効果が得られない場合があるため、熟成処理として麺類を30%以上α化する操作が行われていない麺類を用いることが好ましい。また、市販されている乾麺や生麺等の未調理の麺類を用いてもよい。
工程(1)では、前記麺類を茹で調理するところ、この茹で調理は常法で行えばよく、沸騰した水や食塩水、飽和蒸気、過熱蒸気等で麺類を茹でればよい。尚、本発明における茹で調理には、蒸し調理も含まれる。茹で調理の条件は、その麺類を喫食するための通常の茹で調理の条件を参考に、本発明の方法では後の工程(3)において麺類が油脂類とともに加熱される際に水分が減少することを勘案して設定すればよい。本発明においては、茹で歩留りが好ましくは150〜300質量%、さらに好ましくは170〜280質量%になるように麺類を茹で調理する。茹で調理した麺類は、必要に応じて表面の余分な水分を水切りし、次の工程(2)に供する。尚、本発明において、茹で調理後の麺類としては、即席麺類を茹で戻ししたものも含まれる。
次いで、茹で調理後の麺類を工程(2)に供する。工程(2)においては、麺類に油脂類を付着させる。油脂類としては、麺類に付着可能な食用の油脂類であれば特に制限はなく、例えば液体油脂又は固形油脂を適用することができ、油脂の具体的な種類としては、オリーブオイル、大豆油、コーン油、菜種油、パーム油、ごま油等の植物油脂、バター(乳脂)、ラード(豚脂)等の動物油脂が挙げられる。これらの油脂は、そのまま用いてもよく、又は粉末油脂、マーガリン、ショートニング等の形態にして用いてもよい。このように、油脂類は、主として油脂を含有する油脂組成物、例えば純油脂分が90質量%以上の油脂組成物であってよい。
また、油脂類は、純粋な油脂以外に、該純粋な油脂と混合可能な他の成分、例えば調味料、添加物等を比較的多く含んでいてもよく、例えば、油脂類は、油脂を調味料や添加物と共に含む乳化油脂組成物であってもよい。この場合、油脂類に含まれる純粋な油脂は、油脂類の全質量中40質量%以上であることが好ましい。即ち、油脂類は、純油脂分が40質量%以上の油脂組成物であることが好ましい。
油脂類の付着方法としては、例えば、油脂類に麺類を浸漬する方法、麺類に油脂類を上掛けしたり噴霧する方法を挙げることができる。例えば、麺類に油脂類を上掛けする場合には、液透過性のプレート上に茹でた麺類を配置して、その上から油脂類をかけ流せばよい。
油脂類の付着量は、「付着前の麺類の質量」100質量部に対する「付着後の麺類と油脂類の合計質量」が90〜125質量部であることが好ましく、さらに好ましくは95〜115質量部である。ここで、数値が100質量部を下回る場合が含まれているが、これは以下の理由による。即ち、麺類に油脂類を付着させる際、例えば油脂類が固形油脂を含む油脂組成物である場合には、均一に付着させるため油脂類を加温してから付着させてもよいが、このような場合に油脂類が高温であると、麺類中の水分が蒸発飛散し、麺類への油脂類の付着量よりも水分蒸発量が多い場合がある。このような場合に、見かけの質量が減少し、「付着後の麺類と油脂類の合計質量」が「付着前の麺類の質量」より小さくなる。
尚、油脂類が前述した調味料等の他の成分を含んでいる場合、ここでいう油脂類の量には、純粋な油脂の量に換算した値ではなく、他の成分も含めた油脂類そのものの量を用いる。
茹で調理後の麺類に油脂類を付着させる際、麺類の品温に特に制限はなく、茹で調理直後の麺類に油脂類を付着させてもよく、又は必要に応じて茹で調理した麺類を冷却した後に油脂類を付着させてもよい。尚、冷却とは、茹で調理後の麺類を冷水に浸漬したり冷風にさらす等して積極的に冷却することを意味し、茹で調理後の麺類を沸騰水から引き揚げてから次工程の油脂類付着工程までの間に自然に品温が低下することは含まれない。
次いで、油脂類を付着させた麺類を工程(3)に供する。工程(3)においては、油脂類が付着した麺類を、105℃以上の過熱蒸気及び/又は105℃以上の加熱空気で加熱する。加熱する際は、麺類の加熱にムラが起こりにくくなるように、麺類をなるべく均一な状態で配置することが好ましく、シート状、畝状、棒状等にして広げるように配置することが好ましい。例えば、シート状は、凹凸が無いように麺類を均一に敷き詰めた状態をいい、長さ:幅:厚みの比率が1〜100:1〜100:1、特に10〜50:10〜50:1のシート状とすることが好ましい。シート状に広げると、加熱をほぼ均等に行うことが可能になる。畝状は、凹凸があり厚さが均一でない点以外は、シート状と同様である。棒状は、直線状に延ばした複数の麺線を束状に揃えた状態をいう。
本発明で用いる105℃以上の過熱蒸気とは、飽和蒸気以上に加熱された水蒸気を主体とする蒸気を意味し、好ましくは105〜350℃、より好ましくは160〜350℃、さらに好ましくは260〜320℃の過熱蒸気を用いる。過熱蒸気による加熱は、例えば、公知の過熱蒸気発生装置を利用して、過熱蒸気を麺類に噴射等することにより行うことができ、市販の過熱蒸気を利用した加熱装置に麺類を適用して加熱を行ってもよい。
また105℃以上の加熱空気とは、空気を105℃以上に加熱し、自然に又は強制的に対流させた気流を意味し、好ましくは105〜350℃、より好ましくは160〜350℃、さらに好ましくは260〜320℃の加熱空気を用いる。加熱空気による加熱は、例えば、市販のオーブン等の加熱装置を麺類に適用することにより行うことができ、オーブン庫内に気流を発生させることが可能なように構成されたジェットオーブン等を利用してもよい。
工程(3)において、105℃以上の過熱蒸気及び/又は105℃以上の加熱空気での加熱は、105℃以上の過熱蒸気及び105℃以上の加熱空気のいずれか一方のみで行ってもよく、105℃以上の過熱蒸気と105℃以上の加熱空気の両方を同時に併用して行ってもよい。また、工程(3)は、1回のみ行ってもよく、複数回行ってもよい。炒め調理したような香ばしさと食感を強く付与するには、105℃以上の過熱蒸気での加熱と105℃以上の加熱空気での加熱の両者を行うことが好ましい。さらに好ましくは、工程(3)を複数回行い、且つ、複数回の工程(3)で、105℃以上の過熱蒸気での加熱と105℃以上の加熱空気での加熱とを交互に行う。
105℃以上の過熱蒸気及び/又は105℃以上の加熱空気での加熱時間は5〜500秒が好ましく、10〜300秒がさらに好ましく、20〜150秒がより好ましい。5秒未満であると目的とする効果が十分得られない場合があり、500秒を超えると局所的に過加熱になり食感の悪化が生じる恐れがある。さらには、105℃以上の過熱蒸気及び/又は105℃以上の加熱空気での加熱は、105〜350℃の過熱蒸気及び/又は105〜350℃の加熱空気で、全ての加熱の合計で5〜500秒行うことが好ましい。
尚、加熱時間は、工程(3)を複数回行う場合、各回の適用時間の合計値を示す。したがって、例えば、105℃以上の過熱蒸気で30秒加熱した後に105℃以上の加熱空気で30秒加熱した場合には加熱時間はそれらの合計の60秒であり、105℃以上の過熱蒸気と105℃以上の加熱空気の両方を同時に併用して30秒加熱した場合には加熱時間は30秒である。
以上のように、(1)麺類を茹で調理する工程、(2)茹で調理した麺類に油脂類を付着させる工程、(3)得られた麺類を、105℃以上の過熱蒸気及び/又は105℃以上の加熱空気で加熱する工程を行うことで、調理済み麺類を製造することができる。得られた調理済み麺類は、そのまま喫食することができ、また、必要に応じて、通常のソース、たれ、つゆ、調味液等(以下、ソース類ともいう)や、肉、魚介類、野菜等の具材を添加した後、喫食してもよい。尚、具材は、工程(3)を行う前、好ましくは工程(2)の時点で添加してもよく、工程(3)を複数回行う場合には、複数回の工程(3)の合間に添加してもよい。
以下に、本発明のさらなる応用パターンを説明する。以下において詳細に説明しない点については、以上の説明を適宜適用することができる。
上述したように、本発明では、必要に応じて工程(3)の後にソース類を添加してもよいが、目的とする効果をさらに高めるため、工程(2)を行った後、工程(3)を行う前に、(2’)得られた麺類にソース類を付着させる工程を行うことが好ましい。工程(2’)でソース類を付着させた後に工程(3)で加熱することにより、炒め調理したような香ばしい風味と食感をより強く付与することができるのみならず、喫食時にソース類をかける手間を省くことも可能になる。
工程(2’)で用いるソース類(本発明でいうソース類)は、主として調味を目的とするもので、液状又はペースト様の性状のものであり、好ましくは、その純油脂分が工程(2)で用いる油脂類より低い。ソース類は、所望の調理済み麺類の種類に応じて選択することができ、具体的には例えば、クリームソース、カルボナーラソース等のホワイト系ソース、ミートソース、ナポリタンソース、アラビアータソース等のトマト系ソース、ブラウン系ソース、カレーソース、ラー油つゆ等が例示できる。これらのソース類は通常、純油脂分が40質量%未満であり、油脂分を含有しなくてもよい。
工程(2’)で用いるソース類の量は、工程(2’)に適用する直前の麺類100質量部に対して、好ましくは2〜100質量部であり、さらに好ましくは20〜75重量部である。工程(2’)で用いるソース類の量は、最終的な調理済み麺類がそのままソース類付き麺類として喫食可能となるように決定することが好ましい。
工程(2’)において、麺類にソース類をかけた後に麺類とソース類を適宜混ぜておくと、麺類全体を均一に調味することができる。
工程(1)、(2)、(2’)及び(3)によって得られた調理済み麺類も、そのまま喫食することができ、また必要に応じて具材を添加した後、喫食してもよい。尚、具材は、工程(2’)の時点で添加してもよく、ソース類があらかじめ具材を含んでいてもよい。
以上に述べた通り、工程(1)、(2)及び(3)によって調理済み麺類を製造することができるほか、工程(1)、(2)、(2’)及び(3)によっても調理済み麺類を製造することができる。
さらに本発明では、目的とする効果をより一層高めるため、工程(1)、(2)及び(3)の後に、工程(2)及び/又は(2’)並びに工程(3)を行ってもよい。即ち、工程(1)、(2)及び(3)を行った後、(2)得られた麺類に油脂類を付着させる工程か(2’)得られた麺類にソース類を付着させる工程の1以上を行い、次いで再度(3)得られた麺類を105℃以上の過熱蒸気及び/又は105℃以上の加熱空気で加熱する工程を行うことができる。特に工程(2’)及び工程(3)を行うとよい。この場合の工程(2)及び/又は(2’)並びにその後の再度の工程(3)には、先述の工程(2)、(2’)及び(3)の説明を適宜適用することができる。
また、これと同様にして、工程(1)、(2)、(2’)及び(3)を行った後に、再度、工程(2)及び/又は(2’)並びに工程(3)を行ってもよい。
このように、本発明においては、工程(1)、(2)及び(3)を行った後、又は工程(1)、(2)、(2’)及び(3)を行った後、必要に応じて、工程(2)及び/又は(2’)並びに工程(3)を繰り返し行ってもよい。また、工程(2)、(2’)及び工程(3)のいずれか一工程のみを繰り返し行ってもよい。つまり、本発明において、工程(1)及び(2)を行った後は、工程(3)を少なくとも1回行うことを条件として、工程(2)、(2’)及び工程(3)を必要に応じて適宜な回数及び順序で組み合わせて行うことができる。また、工程(2)及び/又は(2’)を複数回行う場合、1回ごとに異なる油脂類あるいはソース類を用いてもよい。
上述のように最初の工程(3)の後に工程(2)及び/又は工程(2’)を挟んで再度工程(3)を行う場合等も含め、工程(3)を複数回行う場合はいかなる場合も、全ての工程(3)における加熱の合計で5〜500秒の範囲内となるようにすることが好ましい。つまり、本発明においては、工程(2)、(2’)及び工程(3)の回数及び順序に拘わらず、105℃以上の過熱蒸気及び/又は105℃以上の加熱空気での加熱は、全ての工程(3)の加熱を合わせた合計で5〜500秒の範囲内で行うことが好ましい。
また、工程(2)、(2’)及び工程(3)の回数及び順序に拘わらず、工程(3)を複数回行う場合はいかなる場合も、複数回の工程(3)で、105℃以上の過熱蒸気での加熱と105℃以上の加熱空気での加熱とを交互に行うことが、炒め調理したような香ばしさと食感をより強く付与することができるため好ましい。具体的には、例えば、工程(1)、(2)及び(3)の後に工程(2)及び/又は(2’)並びに工程(3)を行う場合、工程(2)及び/又は(2’)の前に行う工程(3)において105℃以上の過熱蒸気で加熱を行い、工程(2)及び/又は(2’)の後に行う工程(3)において105℃以上の加熱空気で加熱を行うこと、あるいは、工程(2)及び/又は(2’)の前に行う工程(3)において105℃以上の加熱空気で加熱を行い、工程(2)及び/又は(2’)の後に行う工程(3)において105℃以上の過熱蒸気で加熱を行うことが好ましい。
本発明の方法により製造された調理済み麺類は、前述したようにそのまま喫食してもよいが、これを冷蔵又は凍結して、保存用調理済み麺類とすることもできる。この保存用調理済み麺類を再度電子レンジ等の加熱手段で再加熱すると、あたかも炒めたての調理済み麺類のような香ばしい風味と食感を有する麺類を簡便に得ることができる。
冷蔵又は凍結は、調理済み麺類に対して通常行われる冷蔵処理又は凍結処理を採用することにより行うことができる。例えば、本発明の方法により得られた調理済み麺類を、必要に応じて風冷等により予備冷却し、所定の分量、例えば一人分として50g〜500g取り分け、トレイ等に盛り付けた後、必要に応じてソース類を添付し、冷蔵又は凍結処理に付すのが好ましい。
本発明の特に好ましい一実施形態による方法を挙げると、該方法は、
麺類を茹で調理する工程、
茹で調理した麺類に油脂類を付着させる工程、
油脂を付着させた麺類を、105℃以上の過熱蒸気及び/又は105℃以上の加熱空気で加熱する工程(最初の加熱工程)、
加熱した麺類にソース類を付着させる工程、並びに
ソース類を付着させた麺類を、105℃以上の過熱蒸気及び/又は105℃以上の加熱空気で再度加熱する工程(最終の加熱工程)
を含む。そして、最初の加熱工程及び最終の加熱工程のうちの一方で105℃以上の過熱蒸気による加熱を行い、他方で105℃以上の加熱空気による加熱を行うことが好ましく、また、加熱時間は、最初の加熱工程における加熱時間と最終の加熱工程における加熱時間との合計で5〜500秒が好ましい。また、油脂類は、好ましくは純油脂分が40質量%以上の油脂組成物であり、且つソース類は、該油脂類よりも純油脂分が低いことが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
(実施例1〜3及び比較例1〜4)
市販の乾燥スパゲティ(日清フーズ製)を、歩留まり250質量%になるように熱湯で約10分間茹で調理して、茹でスパゲティを製造した。
茹でスパゲティを軽く湯切りして200gずつ取り分け、植物油脂5gをまぶして全体に付着させた。これをステンレス製のトレイに取り、表1の工程(3)の条件で加熱した。尚、表1の工程(3)における「同時併用」は、過熱蒸気と加熱空気とを同時に併用したことを意味する。
加熱後のスパゲティにナポリタンソース(日清フーズ製、油脂分1.6質量%;以下同じ)を80gのせてかき混ぜ、ナポリタンスパゲティとした。
(試験例1)
実施例1〜3及び比較例1〜4のナポリタンスパゲティを10名の訓練された専門パネラーに喫食してもらい、風味と食感について評価してもらった。
参考例1として、市販の乾燥スパゲティを同様に茹で調理した後、加熱調理としてフライパンを用いて200gの茹でスパゲティを5gの植物油脂で炒め調理した以外は、実施例1〜3及び比較例1〜4と同様にして製造したナポリタンスパゲティを同じように評価した。
評価結果を以下の表1に示す。評価は、参考例1を3点とする下記の評価基準で行い、10名の専門パネラーの平均点を求めた。
(スパゲティの風味の評価基準)
5:焼けた油の香ばしい香りが強く、油っぽさが感じられず、非常に良好
4:焼けた油の香ばしい香りがあり、油っぽさがほとんどなく、良好
3:焼けた油の香ばしい香りがややあるが、わずかに油っぽい、通常の炒めた風味
2:焼けた油の香ばしい香りに乏しく、わすかに焦げ臭いか油っぽさがあり、不良
1:焼けた油の香ばしい香りがほとんどなく、焦げ臭いか油っぽさが強く、非常に不良
(スパゲティの食感の評価基準)
5:歯ごたえが強く、べたつきや硬さが感じられず、非常に良好
4:歯ごたえがあり、べたつきや硬さがあまり感じられず、良好
3:歯ごたえが弱く、やや硬いかやや柔らかい食感で、わずかにべたつきもあり、通常の炒めた食感
2:歯ごたえに乏しく、硬いか柔らかい食感で、べたつきもあり、不良
1:歯ごたえがほとんど感じられず、硬すぎるか柔らかすぎる食感で、べたつきも強くあり、非常に不良
Figure 2019117113
(実施例4〜10)
工程(3)の条件を表2のように変更した以外は、実施例1〜3と同様にしてナポリタンスパゲティを製造し、試験例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
Figure 2019117113
(実施例11〜14)
市販の乾燥スパゲティ(日清フーズ製)を、歩留まり250質量%になるように熱湯で約10分間茹で調理して、茹でスパゲティを製造した。茹でスパゲティを軽く湯切りして200gずつ取り分け、植物油脂5gをまぶして全体に付着させた後、ナポリタンソース80gをまぶして全体に付着させた。これをステンレス製のトレイに取り、表3の1回目の工程(3)の条件で加熱した後、表3の2回目の工程(3)の条件で加熱した。これらを試験例1と同様に評価した。その結果を表3に示す。
Figure 2019117113
(実施例15〜18)
市販の乾燥スパゲティ(日清フーズ製)を、歩留まり250質量%になるように熱湯で約10分間茹で調理して、茹でスパゲティを製造した。茹でスパゲティを軽く湯切りして200gずつ取り分け、植物油脂5gをまぶして全体に付着させた後、これをステンレス製のトレイに取り、表4の1回目の工程(3)の条件で加熱した。加熱後のスパゲティをトレイごと取出し、ナポリタンソース80gを麺全体に絡めて付着させた後、表4の2回目の工程(3)の条件で加熱した。
これらを試験例1と同様に評価した。その結果を表4に示す。
Figure 2019117113
本発明によれば、炒め調理を行わなくても、炒め調理したような香ばしい風味と食感を有する調理済み麺類を製造することができる。本発明の方法は、過熱蒸気や加熱空気を用いるため、複雑な形状の麺類の全体を効率よく加熱することができ、特に大量調理に有効な方法である。
工程(2’)で用いるソース類の量は、工程(2’)に適用する直前の麺類100質量部に対して、好ましくは2〜100質量部であり、さらに好ましくは20〜75量部である。工程(2’)で用いるソース類の量は、最終的な調理済み麺類がそのままソース類付き麺類として喫食可能となるように決定することが好ましい。
工程(2’)において、麺類にソース類をかけた後に麺類とソース類を適宜混ぜておくと、麺類全体を均一に調味することができる。

Claims (8)

  1. (1)麺類を茹で調理する工程、並びに
    (2)茹で調理した麺類に油脂類を付着させる工程、並びに
    (3)得られた麺類を、105℃以上の過熱蒸気及び/又は105℃以上の加熱空気で加熱する工程
    を含む、調理済み麺類の製造方法。
  2. 工程(3)を複数回行う、請求項1に記載の方法。
  3. 複数回の工程(3)で、105℃以上の過熱蒸気での加熱と105℃以上の加熱空気での加熱とを交互に行う請求項2に記載の方法。
  4. 105℃以上の過熱蒸気及び/又は105℃以上の加熱空気での加熱が、105〜350℃の過熱蒸気及び/又は105〜350℃の加熱空気で、全ての加熱の合計で5〜500秒行うものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 工程(2)を行った後、工程(3)の前に、(2’)得られた麺類にソース類を付着させる工程をさらに行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 工程(3)を行った後に、(2’)得られた麺類にソース類を付着させる工程をさらに行い、次いで工程(3)を再度行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 工程(2)において使用する油脂類は、純油脂分が40質量%以上の油脂組成物であり、工程(2’)において使用するソース類は、該油脂類よりも純油脂分が低い、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法で得られた調理済み麺類を冷蔵又は凍結する、保存用調理済み麺類の製造方法。
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