JPWO2019107534A1 - 歯科用修復材組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、歯牙窩洞への直接充填が可能な容器からの吐出性及び歯科用インスツルメントでの賦形性に優れ、ベタツキも小さく、かつ硬化後の研磨性に優れる歯科用修復材組成物を提供する。本発明は、重合性単量体(A)、重合開始剤(B)、平均粒子径0.7μm以上2.0μm以下の無機フィラー(C)、及び平均粒子径0.5μm以下の無機フィラー(d1)が有機マトリックス中に分散されている、平均粒子径3μm以上25μm以下の有機無機複合フィラー(D)を含有し、シリンジ内径面積(X)と最終吐出口面積(Y)との比率X/Yが4以上のシリンジからの吐出力が25℃において50N以下であり、25℃における稠度が25mm以下であり、かつ25℃におけるステンレス板に対する付着力が2.0N以下である、歯科用修復材組成物に関する。

Description

本発明は、歯科医療の分野において、天然歯の一部分又は全体を代替し得る歯科用修復材組成物に関する。
近年の歯科治療において、歯の欠損部や虫歯を審美的及び機能的に修復するための材料として充填用コンポジットレジンとも呼ばれる歯科用修復材組成物が多用されている。一般に充填用コンポジットレジンは、数種類の重合性単量体からなるマトリックスレジンと、無機フィラーや有機無機複合フィラー等の充填材と、重合開始剤とを含むペースト状の組成物である。
歯科用修復材組成物に求められる要件として、高い機械的特性、研磨性、天然歯に類似の色調及び光透過性に加え、歯科医師が充填操作を行う際の操作性に優れることが挙げられる。
操作性に関して、歯科用修復材組成物は、そのペーストの流動性の違いによって、ユニバーサルタイプとフロアブルタイプに大別され、それぞれ操作方法が異なる。ユニバーサルタイプは流動性が低い粘土状のペーストであり、歯科用インスツルメント等の歯科充填用器材によって歯科用シリンジ等の収容容器から適量取り出された後、歯牙窩洞に詰め、天然歯の形状に賦形し、硬化させる。このユニバーサルタイプは、その流動性の低さから歯科用インスツルメント等で賦形して天然歯の形状を再現することが比較的容易であるため、咬合形態の付与が必要とされる箇所に好適に使用される。
一方、フロアブルタイプは流動性が高く、シリンジ型の収容容器の先端に装着した歯牙窩洞よりも口径の小さなノズルから直接歯牙窩洞に充填される。このフロアブルタイプは、その高い流動性から小さな窩洞や窩底部のライニング材として好適に使用される。最近では、その使用の簡便性から従来ユニバーサルタイプを使用しいていた咬合形態の付与が必要とされる箇所にも適用されることも多く、現在ではフロアブルタイプの市場が拡大している。
しかしながら、フロアブルタイプにおいては、その流動性の高さから歯牙窩洞に直接充填した際に天然歯の形状に賦形するには高いテクニックが必要とされる。一方で、ユニバーサルタイプは、その粘性の高さからフロアブルタイプの収容容器から押し出すこと、すなわち直接歯牙窩洞に充填することができなかった。
さらに、歯科用修復材組成物に求められる操作性の要件として、歯牙の形態を再現するための賦形時においてペーストが歯科用インスツルメント等の充填器に付着しにくいことが挙げられる。
このような歯科用修復材組成物としては、例えば、特許文献1、2に記載の歯科用修復材組成物が提案されている。例えば、特許文献1には、平均粒子径が0.1〜1μmの無機フィラー並びに平均粒子径が1μm以上10μm未満及び10〜50μmの2種類の有機無機複合フィラーを配合した歯科用修復材組成物が開示されており、ペースト状態において良好な操作性を有することが記載されている。
また、特許文献2には、平均粒子径が1.1〜5μmの無機フィラー及び平均粒子径が5〜50μmの有機無機複合フィラーを配合した歯科用修復材が開示されており、ペースト状態において良好な操作性を有することが記載されている。
国際公開第2015/125470号 国際公開第2012/176877号
しかしながら、本発明者らが検討したところ、特許文献1及び2に開示されている歯科用修復材組成物では、硬化前のペースト状態において、賦形性や操作性等を高めるため、及び硬化後において滑沢耐久性、耐研磨性、機械的強度等を高めるために無機フィラーや有機無機複合フィラーの含有量が多い場合、並びにペースト等の性状を得るために重合性単量体の粘度が高い場合にフロアブルタイプで用いられるシリンジ型の収容容器から容易に押し出すことができないことがわかった。また、特許文献1及び2に開示され、容易に押し出せる組成物においては、稠度が高いために賦形性が低い、歯科用インスツルメントへの付着すなわちベタツキが大きい、硬化後の研磨性が低い場合があるといった不具合が生じることがわかった。
すなわち、歯牙窩洞への直接充填が可能なシリンジ容器からの吐出性及び歯科用インスツルメントでの賦形性に優れ、ベタツキが小さく、かつ硬化後の研磨性に優れるというすべての特性を備えた歯科用修復材組成物を得ることは容易でなかった。
そこで、本発明は、歯牙窩洞への直接充填が可能な容器からの吐出性及び歯科用インスツルメントでの賦形性に優れ、ベタツキも小さく、かつ硬化後の研磨性に優れる歯科用修復材組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討の結果、特定の平均粒子径を有する無機フィラー及び特定の平均粒子径を有する有機無機複合フィラーを含有し、かつ特定の吐出力、特定の稠度及び特定の付着力を有する歯科用修復材組成物を用いることにより上記目的を達成できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
[1]重合性単量体(A)、
重合開始剤(B)、
平均粒子径0.7μm以上2.0μm以下の無機フィラー(C)、及び
平均粒子径0.5μm以下の無機フィラー(d1)が有機マトリックス中に分散されている、平均粒子径3μm以上25μm以下の有機無機複合フィラー(D)、
を含有し、
シリンジ内径面積(X)と最終吐出口面積(Y)との比率X/Yが4以上のシリンジからの吐出力が25℃において50N以下であり、
25℃における稠度が25mm以下であり、かつ
25℃におけるステンレス板に対する付着力が2.0N以下である、歯科用修復材組成物。
[2]重合性単量体(A)の90質量%以上が、水酸基を有さない重合性単量体である、前記[1]の歯科用修復材組成物。
[3]水酸基を有さない重合性単量体が、芳香環を有し、かつ水酸基を有さない(メタ)アクリル酸エステル(a−1)及び芳香環及び水酸基を有さない(メタ)アクリル酸エステル(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記[2]の歯科用修復材組成物。
[4]水酸基を有さない重合性単量体が、芳香環を有し、かつ水酸基を有さない(メタ)アクリル酸エステル(a−1)及び、芳香環及び水酸基を有さない(メタ)アクリル酸エステル(a−3)である、前記[2]の歯科用修復材組成物。
[5]重合性単量体(A)の粘度が23℃で1500cP以下である、前記[1]〜[4]のいずれかの歯科用修復材組成物。
[6]重合性単量体(A)が、ウレタンジメタクリレート、下記一般式(I)で表される(ポリ)エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、及びトリエチレングリコールジメタクリレートを含有する、前記[1]〜[5]のいずれかの歯科用修復材組成物。
Figure 2019107534
(式中、m及びnはエトキシ基の平均付加モル数を示す0又は正の数であり、mとnの和は1〜6である。Rは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基である。)
[7]重合性単量体(A)100質量部に対して、重合開始剤(B)を0.01〜10質量部、無機フィラー(C)を60〜200質量部、及び有機無機複合フィラー(D)を100〜300質量部含有する、前記[1]〜[6]のいずれかの歯科用修復材組成物。
[8]無機フィラー(C)の含有量と有機無機複合フィラー(D)の含有量の質量比が、(D)/(C)>1である、前記[1]〜[7]のいずれかの歯科用修復材組成物。
[9]有機無機複合フィラー(D)が、平均粒子径13μm以上25μm以下の有機無機複合フィラー(D1)を含有する、前記[1]〜[8]のいずれかの歯科用修復材組成物。
[10]有機無機複合フィラー(D)が、さらに平均粒子径3μm以上10μm以下の有機無機複合フィラー(D2)を含有する、前記[9]の歯科用修復材組成物。
[11]前記[1]〜[10]のいずれかの歯科用修復材組成物を含むフロアブルコンポジットレジン。
本発明の歯科用修復材組成物は、歯牙窩洞への直接充填が可能な容器からの吐出性及び歯科用インスツルメントでの賦形性に優れ、かつ、ベタツキも小さく硬化物の研磨性に優れる。そのため、本発明の歯科用修復材組成物は、直接歯牙窩洞に充填することができる。また、本発明の歯科用修復材組成物は、フィラーの含有量が比較的多い場合においても、歯牙窩洞への直接充填が可能な容器からの吐出性に優れ、歯科用インスツルメントでの賦形性に優れ、かつ、ベタツキも小さく硬化物の研磨性に優れる。
本発明の吐出力の測定に用いるシリンジの模式図である。
本発明の歯科用修復材組成物は、重合性単量体(A)、重合開始剤(B)、平均粒子径0.7〜2.0μmの無機フィラー(C)、及び平均粒子径0.5μm以下の無機フィラー(d1)が有機マトリックス中に分散されている、平均粒子径3〜25μmの有機無機複合フィラー(D)、を含有し、シリンジ内径面積(X)と最終吐出口面積(Y)との比率X/Yが4以上のシリンジからの吐出力が25℃において50N以下であり、かつ、25℃における稠度が25mm以下であり、かつ、25℃におけるステンレス板に対する付着力が2.0N以下である。
以下、本発明に用いられる各成分について説明する。なお、本明細書において、メタクリルとアクリルとを(メタ)アクリルと総称する。(メタ)アクリレートは、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとを総称する。
<重合性単量体(A)>
重合性単量体(A)は、特に限定はなく、公知のものを使用することができる。例えば、ラジカル重合性単量体を好適に用いることができる。ラジカル重合性単量体の具体例としては、α−シアノアクリル酸、(メタ)アクリル酸、α−ハロゲン化アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸等のエステル類;(メタ)アクリルアミド及びその誘導体;ビニルエステル類;ビニルエーテル類;モノ−N−ビニル誘導体;スチレン誘導体等が挙げられる。これらの中では、(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルとしては、芳香環を有し、かつ水酸基を有さない(メタ)アクリル酸エステル(a−1)、芳香環及び水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル(a−2)、芳香環及び水酸基を有さない(メタ)アクリル酸エステル(a−3)等が例示される。
芳香環を有し、かつ水酸基を有さない(メタ)アクリル酸エステル(a−1)は、芳香環を有し、水酸基を有さない(メタ)アクリル酸エステルであれば特に限定はなく、少なくとも1個の芳香環を有していればよい。かかる化合物としては、下記一般式(I)で表される(ポリ)エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレートが例示される。
Figure 2019107534
(式中、m及びnはエトキシ基の平均付加モル数を示す0又は正の数であり、mとnの和は好ましくは1〜6、より好ましくは2〜4である。Rは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基である。)
具体的には、一般式(I)においてm+n=2.6である2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン(以下、「D2.6E」と記載することがある)、m+n=6である2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン、m+n=2である2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル〕プロパン、m+n=4である2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシフェニル〕プロパン、m+n=5である2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル〕プロパンが挙げられる。また、2,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル〕プロパン、2−〔4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル〕−2−〔4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル〕プロパン、2−〔4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル〕−2−〔4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシイソプロポキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス[4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ〕フェニル]プロパンが例示される。
芳香環及び水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル(a−2)は、芳香環及び水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルであれば特に限定はなく、芳香環数及び水酸基数はそれぞれ独立した数であり、いずれの官能基も少なくとも1個有していればよい。かかる化合物としては、例えば、2,2−ビス[4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン、2−[4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]−2−[4−〔2,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ〕フェニル]プロパン、2−[4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]−2−〔4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル〕プロパン、2−[4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]−2−〔4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル〕プロパン、2−[4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]−2−〔4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル〕プロパンが挙げられる。
芳香環及び水酸基を有さない(メタ)アクリル酸エステル(a−3)としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、N,N’−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラメタクリレート、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムクロライド、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、及びウレタンジメタクリレートであるN,N’−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)エタン−1−オール〕ジメタクリレートが挙げられる。
上記重合性単量体(A)は1種単独で、又は2種以上の組合せで用いられるが、重合性単量体(A)の90質量%以上が、水酸基を有さない重合性単量体であることが好ましい。また、重合性単量体(A)の中の組合せとしては、重合性単量体(A)の合計を100質量部としたとき、芳香環を有し、かつ水酸基を有さない(メタ)アクリル酸エステル(a−1)と芳香環及び水酸基を有さない(メタ)アクリル酸エステル(a−3)の総和が90質量部以上であることが好ましく、95質量部以上であることがより好ましく、100質量部であることが最も好ましい。上記重合性単量体(A)の組合せとして、ウレタンジメタクリレート、一般式(I)で表される(ポリ)エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、及びトリエチレングリコールジメタクリレートの組合せ、並びにウレタンジメタクリレート、一般式(I)で表される(ポリ)エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、及び1,10−デカンジオールジメタクリレートの組合せが好ましく、ウレタンジメタクリレート、D2.6E、及びトリエチレングリコールジメタクリレートの組合せが最も好ましい。
重合性単量体(A)は、粘度が23℃で1500cP以下であることが好ましく、200〜1000cPであることがより好ましく、300〜600cPであることがさらに好ましい。粘度が高すぎるとペーストの吐出力が高くなったりベタツキが大きくなることがあり、低すぎると賦形性が低下することがある。なお、前記粘度とは、重合性単量体(A)が2種以上の組合せで用いられる場合、重合性単量体含有組成物としての粘度を指す。粘度の測定方法は、後述する実施例に記載の通りである。
<重合開始剤(B)>
重合開始剤(B)は、一般的に使用可能な重合開始剤から選択して使用でき、特に歯科用途に用いられている重合開始剤が好ましく用いられる。なかでも、光重合開始剤又は化学重合開始剤を、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
光重合開始剤としては、(ビス)アシルホスフィンオキシド類及びその塩、チオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩、ケタール類、α−ジケトン類、ベンゾインアルキルエーテル類、α−アミノケトン類等が挙げられる。
(ビス)アシルホスフィンオキシド類及びその塩としては、アシルホスフィンオキシド類及びその塩、ビスアシルホスフィンオキシド類及びその塩がある。アシルホスフィンオキシド類及びその塩としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジ−(2,6−ジメチルフェニル)ホスホネート、及びこれらの塩(ナトリウム塩、リチウム塩等(例えば2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシドナトリウム塩、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドカリウム塩、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドのアンモニウム塩等))等が挙げられる。ビスアシルホスフィンオキシド類及びその塩としては、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド及びこれらの塩(ナトリウム塩、リチウム塩等)等が挙げられる。
これらの(ビス)アシルホスフィンオキシド類及びその塩の中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド及び2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシドナトリウム塩が好ましい。
チオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩としては、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサンテン−9−オン、2−ヒドロキシ−3−(9−オキシ−9H−チオキサンテン−4−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(1−メチル−9−オキシ−9H−チオキサンテン−4−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−(1,3,4−トリメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライドが挙げられる。
これらのチオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩の中でも、好適なチオキサントン類は、2−クロロチオキサンテン−9−オンであり、好適なチオキサントン類の第4級アンモニウム塩は、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロライドである。
ケタール類としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール等が挙げられる。
α−ジケトン類としては、ジアセチル、ベンジル、カンファーキノン、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジオン、9,10−フェナントレンキノン、4,4’−オキシベンジル、アセナフテンキノン等が挙げられる。これらの中でも、可視光域に極大吸収波長を有している観点から、カンファーキノンが好ましい。
ベンゾインアルキルエーテル類としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
α−アミノケトン類としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン等が挙げられる。
これらの光重合開始剤の中でも、(ビス)アシルホスフィンオキシド類及びその塩、並びにα−ジケトン類からなる群より選ばれる少なくともいずれか1種を用いることが好ましい。
化学重合開始剤としては、アゾ化合物、有機過酸化物が好ましく用いられる。アゾ化合物、有機過酸化物は特に限定されず、公知のものを使用することができる。代表的なアゾ化合物としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。代表的な有機過酸化物としては、ケトンペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ジアシルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ペルオキシケタール、ペルオキシエステル、ペルオキシジカーボネート等が挙げられる。
ケトンペルオキシドとしては、メチルエチルケトンペルオキシド、メチルイソブチルケトンペルオキシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド及びシクロヘキサノンペルオキシド等が挙げられる。
ヒドロペルオキシドとしては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド及び1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド等が挙げられる。
ジアシルペルオキシドとしては、アセチルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド及びラウロイルペルオキシド等が挙げられる。
ジアルキルペルオキシドとしては、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン等が挙げられる。
ペルオキシケタールとしては、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)オクタン及び4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレリックアシッド−n−ブチルエステル等が挙げられる。
ペルオキシエステルとしては、α−クミルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、2,2,4−トリメチルペンチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルペルオキシイソフタレート、ジ−t−ブチルペルオキシヘキサヒドロテレフタラート、t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエート及びt−ブチルペルオキシマレリックアシッド等が挙げられる。
ペルオキシジカーボネートとしては、ジ−3−メトキシペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルペルオキシジカーボネート及びジアリルペルオキシジカーボネート等が挙げられる。
これらの有機過酸化物の中でも、安全性、保存安定性及びラジカル生成能力の総合的なバランスから、ジアシルペルオキシドが好ましく用いられ、その中でもベンゾイルペルオキシドがより好ましく用いられる。
重合開始剤(B)の含有量は、重合性単量体(A)100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜7質量部がより好ましく、0.15〜6質量部がさらに好ましく、0.5〜5質量部が特に好ましい。
<重合促進剤>
本発明の歯科用修復材組成物は、さらに重合促進剤を含有していてもよい。重合促進剤としては、アミン類、スルフィン酸及びその塩、アルデヒド類、チオール化合物等が挙げられる。重合促進剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アミン類は、脂肪族アミン及び芳香族アミンに分けられる。脂肪族アミンとしては、例えば、n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン等の第1級脂肪族アミン;ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、N−メチルエタノールアミン等の第2級脂肪族アミン;N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミンジメタクリレート、N−エチルジエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミンモノメタクリレート、トリエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミントリメタクリレート、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の第3級脂肪族アミン等が挙げられる。これらの中でも、組成物の硬化性及び保存安定性の観点から、第3級脂肪族アミンが好ましく、その中でもN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミン及びトリエタノールアミンがより好ましい。
また、芳香族アミンとしては、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−エチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン、N,N−ジメチル−4−イソプロピルアニリン、N,N−ジメチル−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸エチル、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸メチル、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸n−ブトキシエチル、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸ブチルが挙げられる。これらの中でも、歯科用修復材組成物の硬化性を向上できる観点から、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸エチル、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸n−ブトキシエチル及び4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾフェノンからなる群より選ばれる少なくともいずれか1種が好ましく用いられる。
スルフィン酸及びその塩としては、p−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム、p−トルエンスルフィン酸カリウム、p−トルエンスルフィン酸リチウム、p−トルエンスルフィン酸カルシウム、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸カリウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、ベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カルシウム等が挙げられる。これらの中でも、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウムが好ましく用いられる。
アルデヒド類としては、テレフタルアルデヒドやベンズアルデヒド誘導体等が挙げられる。ベンズアルデヒド誘導体としては、ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−メチルオキシベンズアルデヒド、p−エチルオキシベンズアルデヒド、p−n−オクチルオキシベンズアルデヒド等が挙げられる。これらの中でも、歯科用修復材組成物の硬化性を向上できる観点から、p−n−オクチルオキシベンズアルデヒドが好ましく用いられる。
チオール化合物としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトベンゾオキサゾール、デカンチオール、チオ安息香酸等が挙げられる。
重合促進剤の含有量は、特に限定されないが、重合性単量体(A)100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜7質量部がより好ましく、0.2〜5質量部がさらに好ましい。
<無機フィラー(C)>
無機フィラー(C)は、本発明の効果を損なわない限りその材質や種類に制限はなく、歯科用修復材組成物等に使用される公知の無機フィラーが使用され、例えば各種ガラス類、凝集粒子が挙げられる。
各種ガラス類(シリカを主成分とし、必要に応じ、重金属、ホウ素、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム等の酸化物を含有する)としては、例えば、溶融シリカ、石英、ソーダライムシリカガラス、Eガラス、Cガラス、ボロシリケートガラス〔パイレックス(登録商標)ガラス〕等の一般的な組成のガラス粉末、ストロンチウム・ボロアルミノシリケートガラス「E−3000」(ESSTECH社製)、バリウムボロアルミノシリケートガラス「GM27884」、「8235シリーズ(8235UF0.7等)」(SCHOTT社製)、バリウムシリケートガラス「E−2000」(ESSTECH社製)、ランタンガラスセラミックス「GM31684」(SCHOTT社製)、フルオロアルミノシリケートガラス「GM35429」、「G018−091」、「G018−117」(SCHOTT社製)等の歯科用ガラス粉末、各種セラミック類、複合酸化物、珪藻土、カオリン、粘土鉱物(モンモリロナイト等)、活性白土、合成ゼオライト、マイカ、フッ化カルシウム、フッ化イッテルビウム、フッ化イットリウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、ヒドロキシアパタイト等が挙げられる。これらの中でも屈折率の観点からバリウムガラス、シリカジルコニア複合酸化物、シリカチタニア複合酸化物、シリカアルミナジルコニア複合酸化物、結晶石英、フッ化イッテルビウムが好ましい。
無機フィラー(C)は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また無機フィラーの形状は特に限定されるものではないが、球状、略球状、又は不定形を用いることが好適である。なお、ここでいう略球状とは、走査型電子顕微鏡(以下、SEMと略す)でフィラーの写真を撮り、その単位視野内に観察される粒子が丸みを帯びており、その最大径に直行する方向の粒子をその最大径で除した平均均斉度が0.6以上であることを意味する。無機フィラー(C)は、歯科用修復材組成物の硬化物の機械的強度を向上する観点から、不定形フィラーを用いることが好ましい。
無機フィラー(C)の平均粒子径は、歯科用修復材組成物の操作性及び硬化物の研磨性の観点から、0.7〜2.0μmであり、0.8〜1.5μmが好ましく、0.9〜1.1μmがより好ましい。平均粒子径が小さくなりすぎると歯科用修復材組成物のベタツキが大きくなり操作性が低下することがある。また、平均粒子径が大きくなりすぎると、硬化物の研磨性が低下する。平均粒子径の測定方法は、後記する実施例に記載の通りである。
無機フィラー(C)は、無機超微粒子又は前記各種ガラス類を凝集させて調製した凝集粒子(凝集フィラー)であってもよい。凝集粒子の調製方法は、特に限定されず、公知の方法を使用できる。例えば、無機超微粒子の凝集粒子を調製する場合、市販の無機超微粒子から、強固に凝集した凝集粒子を作製する方法として、凝集力をさらに高めるために、その無機超微粒子が融解する直前の温度付近まで加熱して、接触した無機超微粒子同士がわずかに融着する程度に加熱する方法が好適に用いられる。またこの場合、凝集粒子の形状をコントロールするため、加熱前に凝集した形態を作っておいてもよい。その方法として例えば、無機超微粒子を適当な容器に入れて加圧したり、一度溶剤に分散させた後、噴霧乾燥などの方法で溶剤を除去する方法が挙げられる。無機フィラー(C)の平均粒子径が0.7〜2.0μmの範囲内である限り、無機フィラー(C)として、該無機超微粒子を含むことによって、シリンジに充填されたペーストを、シールを介してプランジャを押して採取する際に、シールに接触しているペーストに繰り返し高い圧力が加わるために、重合性単量体が分離してペーストがパサパサになり硬くなることを抑制できるため好ましい。
無機超微粒子の平均粒子径としては、5〜50nmが好ましく、10〜40nmがより好ましい。なお、無機超微粒子の平均粒子径は、無機超微粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、無作為に選択した100個の超微粒子の粒子径の平均値として測定できる。無機超微粒子が非球状である場合には、無機超微粒子の最長の長さと最短の長さとの算術平均値をもって粒子径とする。
無機超微粒子としては、公知の無機超微粒子がなんら制限なく使用される。好ましくは、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の無機酸化物粒子、又はこれらからなる複合酸化物粒子、燐酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、フッ化イットリウム、フッ化イッテルビウム等が挙げられる。好ましくは、火炎加水分解法で作製されるシリカ、アルミナ、チタニア等の粒子であり、例えば、日本アエロジル株式会社製、商品名:アエロジル、アエロキサイドAluC、アエロキサイドTiOP25、アエロキサイドTiOP25Sや、EVONIC社製、VP Zirconium Oxide 3−YSZ、VP Zirconiumxide 3−YSZ PHが挙げられる。
無機フィラー(C)の含有量は重合性単量体(A)100質量部に対し、60〜200質量部が好ましく、70〜150質量部がより好ましく、80〜120質量部がさらに好ましい。無機フィラー(C)の含有量が少ないと、硬化前の歯科用修復材組成物のペーストの稠度が大きくなるため賦形性が低下することがあり、含有量が多すぎるとペーストが硬くなりすぎて吐出性が低下することがある。
無機フィラー(C)は、重合性単量体(A)との結合強化の観点から、必要に応じてシランカップリング剤等の公知の表面処理剤で予め表面処理してから用いてもよい。表面処理剤としては、例えば、γ−メタクリルオキシアルキルトリメトキシシラン(メタクリルオキシ基とケイ素原子との間の炭素数:3〜12)、γ−メタクリルオキシアルキルトリエトキシシラン(メタクリルオキシ基と珪素原子との間の炭素数:3〜12)、ビニルトリメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等の有機珪素化合物が挙げられる。
表面処理剤の処理量は、表面処理される無機フィラー(C)100質量部に対して、0.05〜100質量部が好ましく、0.10〜50質量部がより好ましい。
表面処理の方法としては、公知の方法を特に限定されずに用いることができ、例えば、無機フィラー(C)を激しく撹拌しながら表面処理剤をスプレー添加する方法、適当な溶媒へ無機フィラー(C)と表面処理剤とを分散又は溶解させた後、溶媒を除去する方法、あるいは水溶液中で表面処理剤のアルコキシ基を酸触媒により加水分解してシラノール基へ変換し、該水溶液中で無機フィラー(C)の表面に付着させた後、水を除去する方法がある。いずれの方法においても、通常50〜150℃の範囲で加熱することにより、無機フィラー(C)の表面と表面処理剤との反応を完結させ、表面処理を行うことができる。
<有機無機複合フィラー(D)>
有機無機複合フィラー(D)の平均粒子径は3〜25μmであり、4〜20μmであることが好ましく、5〜20μmがより好ましい。有機無機複合フィラー(D)の平均粒子径が小さすぎると、歯科用修復材組成物のベタツキが大きくなり操作性が低下することがある。平均粒子径が大きすぎると、ペーストのザラツキやパサツキが生じるため操作性が低下する。なお、本発明において、有機無機複合フィラーとは、無機フィラーと重合性単量体の重合体とを含むフィラーを示す。平均粒子径の測定方法は、後記する実施例に記載の通りである。
有機無機複合フィラー(D)は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、本発明の歯科用修復材組成物の硬化前のペースト状態での操作性の観点から、平均粒子径の異なる2種以上の有機無機複合フィラーを組み合わせて用いることが好ましい。ある実施形態では、有機無機複合フィラー(D)は、平均粒子径13μm以上25μm以下の有機無機複合フィラー(D1)を含有することが好ましい。また、他の実施形態では、有機無機複合フィラー(D)は、平均粒子径3μm以上10μm以下の有機無機複合フィラー(D2)を含有することが好ましい。さらに、他の実施形態では、有機無機複合フィラー(D)は、平均粒子径13μm以上25μm以下の有機無機複合フィラー(D1)及び平均粒子径3μm以上10μm以下の有機無機複合フィラー(D2)を含有することが好ましい。有機無機複合フィラー(D1)の平均粒子径は15μm以上20μm以下であってもよい。有機無機複合フィラー(D2)の平均粒子径は4μm以上8μm以下であってもよい。
有機無機複合フィラー(D)は、重合性単量体(A)100質量部に対し、100〜300質量部が好ましく、150〜250質量部がより好ましく、170〜220質量部がさらに好ましい。有機無機複合フィラー(D)の含有量が少なすぎると、賦形性が低下し、多すぎるとペーストが硬くなりすぎて吐出性が低下することがある。このような質量比の有機無機複合フィラー(D)を含むことによって、ペーストの操作性が向上されやすくなる。また、無機フィラー(C)の含有量と有機無機複合フィラー(D)の含有量の質量比は、特に限定されないが、有機無機複合フィラー(D)の含有量が、無機フィラー(C)の含有量より多いことが好ましい。すなわち、前記質量比は、(D)/(C)>1であることが好ましい。有機無機複合フィラー(D)の含有量が無機フィラー(C)の含有量より多いことによって、歯科用修復材組成物は、ベタツキが小さくなり、また、賦形性に優れ、研磨性が向上する。本発明では、無機フィラー(C)と有機無機複合フィラー(D)の合計含有量が、歯科用修復材組成物において、50質量%以上であってもよく、60質量%以上であってもよく、70質量%以上であってもよい。無機フィラー(C)と有機無機複合フィラー(D)の合計含有量は、83質量%以下であってもよい。本発明の歯科用修復材組成物は、フィラーの含有量が比較的多い場合においても、歯牙窩洞への直接充填が可能な容器からの吐出性に優れる。
本発明における有機無機複合フィラー(D)としては、平均粒子径0.5μm以下の無機フィラー(d1)が有機マトリックス中に分散されていることが必要であるが、その作製方法は特に限定されない。例えば、公知の平均粒子径0.5μm以下の無機フィラー(d1)に公知の重合性単量体(d2)及び公知の重合開始剤(d3)を予め添加し、ペースト状にした後に、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合、バルク重合により重合させ、粉砕して作製してもよい。
重合性単量体(d2)は特に限定されず、重合性単量体(A)として例示した重合性単量体を用いてもよく、重合性単量体(A)と同一の組成の重合性単量体を用いてもよい。また、精製工程を経た重合性単量体を用いることが好ましい。精製工程を経ていない重合性単量体を用いると、重合性単量体中の不純物により、有機無機複合フィラー(D)が着色することがあり、所望の色調に調整できないばかりでなく、硬化後の歯科用修復材組成物の審美性が低下することがある。
重合開始剤(d3)は特に限定されず、公知の重合開始剤を用いることができる。例えば、紫外線、可視光線等を利用した光重合開始剤、過酸化物と促進物との反応、加熱等を利用した化学重合開始剤がある。重合開始剤(d3)は、重合開始剤(B)として例示した重合開始剤の中から適宜選択することができ、重合開始剤(B)と同一であってもよく、異なっていてもよい。
無機フィラー(d1)の平均粒子径は、0.5μm以下であり、0.005〜0.3μmが好ましく、0.01〜0.2μmがより好ましい。有機無機複合フィラー(D)に用いられる無機フィラー(d1)の平均粒子径が0.5μmを超えると、硬化後の歯科用修復材組成物において良好な研磨性が得られないことがある。平均粒子径の測定方法は、後記する実施例に記載の通りである。
有機無機複合フィラー(D)に含まれる無機フィラー(d1)の含有量は、有機無機複合フィラーの全量に対して40〜90質量%が好ましく、45〜85質量%がより好ましく、55〜85質量%がさらに好ましい。上記含有量を採用することにより、硬化後の歯科用修復材組成物の機械的強度を好ましい値に制御することができる。
無機フィラー(d1)の材質には特に制限がなく、無機フィラー(C)として例示した無機フィラーを用いてもよく、無機超微粒子を用いてもよい。また、無機フィラー(d1)は、重合性単量体との親和性を改善したり、重合性単量体との化学結合性を高めて有機無機複合フィラーの機械的強度を向上させる観点から、必要に応じてシランカップリング剤等の公知の表面処理剤で予め表面処理してから用いてもよい。表面処理剤及び表面処理方法は、無機フィラー(C)において例示した処理剤及び方法をなんら制限なく用いることができる。
無機フィラー(d1)に用いる無機超微粒子としては、無機フィラー(C)と同様に、公知の無機超微粒子がなんら制限なく使用され、好適な材料も、無機フィラー(C)と同様である。
無機フィラー(d1)に用いる無機超微粒子の平均粒子径の好ましい範囲及びその測定方法は、無機フィラー(C)と同様である。
無機超微粒子は、重合性単量体(d2)と組み合わせて有機無機複合フィラー(D)に用いることから、重合性単量体(d2)との親和性を改善したり、重合性単量体(d2)との化学結合性を高めて有機無機複合フィラー(D)の機械的強度を向上させるために、無機超微粒子に予め表面処理剤で表面処理を施しておくことが好ましい。表面処理剤及び表面処理方法は、無機フィラー(C)において例示した処理剤及び方法をなんら制限なく用いることができる。
有機無機複合フィラー(D)中の成分において、発明の効果を阻害しない範囲で目的に応じて公知の重合禁止剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、蛍光剤、表面活性剤、分散剤、増粘剤等をさらに添加することも可能である。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。重合禁止剤としては、2,6−ジ−ブチルヒドロキシトルエン、ヒドロキノン、ジブチルヒドロキノン、ジブチルヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6−t−ブチルフェノール等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。紫外線吸収剤としては、公知の化合物を用いることができるが、例えば、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<歯科用修復材組成物>
本発明の歯科用修復材組成物において、発明の効果を阻害しない範囲で目的に応じて重合禁止剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、蛍光剤、表面活性剤、分散剤等をさらに添加することも可能である。重合禁止剤、紫外線吸収剤としては、有機無機複合フィラー(D)に加えることのできる重合禁止剤、紫外線吸収剤として例示したものをなんら制限なく用いることができる。
本発明の歯科用修復材組成物は、無機フィラー(C)及び有機無機複合フィラー(D)以外のフィラー(以下、他のフィラー)を含んでいてもよいが、実質的に含まないことが好ましい。ある成分を「実質的に含まない」とは、当該ある成分以外の他の成分の含有量が、5.0質量%未満であることが好ましく、1.0質量%未満であることがより好ましく、0.5質量%未満であることがさらに好ましく、0.1質量%未満であることが特に好ましい。
本発明における歯科用修復材組成物は、シリンジ型収容容器から容易に押し出せるという観点から、歯科用修復材組成物とピストンの接触位置のシリンジ内径面積(X)と最終吐出口面積(Y)との比率X/Yが4以上のシリンジにおいて、25℃における吐出力が50N以下であり、40N以下が好ましく、30N以下がより好ましい。25℃における吐出力が50Nを超えると使用者は押し出しにくいと感じるため、使用性が低下する。また、本発明における歯科用修復材組成物は、シリンジ型収容容器からより容易に押し出せるという観点から、歯科用修復材組成物とピストンの接触位置のシリンジ内径面積(X)と最終吐出口面積(Y)との比率X/Yが10以上のシリンジにおいて、25℃における吐出力が50N以下であり、40N以下が好ましく、30N以下がさらに好ましい。本発明の歯科用修復材組成物において、無機フィラー(C)と有機無機複合フィラー(D)の合計含有量が比較的多い場合、例えば、前記範囲内で比較的大きい粒子径を有する無機フィラー(C)と、より低い粘度を有する重合性単量体(A)又は重合性単量体含有組成物を用いることで、より低い吐出力が得られる。なお、吐出口がテーパー状である場合又は括れている場合、最も断面積が小さい箇所の面積がYとなる。前記吐出力の測定方法は、後記する実施例に記載の通りである。
本発明における歯科用修復材組成物は、歯科用インスツルメント等での賦形が容易である観点から、25℃における稠度が25mm以下であり、15〜25mmが好ましく、16〜24mmがより好ましく、17〜23mmがさらに好ましい。25℃における稠度が25mmを超えると流動性が高くなるため、歯科用インスツルメント等での賦形性が低下する。前記稠度の測定方法は、後記する実施例に記載の通りである。
本発明における歯科用修復材組成物は、歯科用インスツルメントで賦形させる際のベタツキを抑制する観点から、25℃におけるステンレス板に対する付着力が2.0N以下であり、1.5N以下が好ましく、1.0N以下がより好ましい。25℃におけるステンレス板に対する付着力が2.0Nを超えると、歯科用インスツルメントで賦形する際にベタツキが大きく操作性が低下する。前記ステンレス板に対する付着力の測定方法は、後記する実施例に記載の通りである。
他の実施形態としては、前記したいずれかの歯科用修復材組成物を含むフロアブルコンポジットレジン、歯科用セメント等が挙げられる。特に、本発明の歯科用修復材組成物は、シリンジ型の収容容器の先端に装着した歯牙窩洞よりも口径の小さなノズルから直接歯牙窩洞に充填できるため、ライニング材として用いることができる。また、本発明は、本発明の効果を奏する限り、本発明の技術的範囲内において、上記の構成を種々組み合わせた実施形態を含む。
以下、実施例において本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。なお、製造例、実施例及び比較例で用いた重合性単量体(A)、重合性単量体(d2)、重合開始剤(B)、重合開始剤(d3)、重合促進剤、無機フィラー(C)、無機フィラー(d1)、有機無機複合フィラー(D)は以下のとおりである。
重合性単量体(A)、重合性単量体(d2)
Bis−GMA:2,2−ビス[4−〔3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン
D2.6E:2,2−ビス〔4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン(エトキシ基の平均付加モル数:2.6)
UDMA:N,N’−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)エタン−1−オール〕ジメタクリレート
3G:トリエチレングリコールジメタクリレート
DD:1,10−デカンジオールジメタクリレート
重合開始剤(B)、重合開始剤(d3)
AIBN:2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
CQ:カンファーキノン
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド
重合促進剤
PDE:4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸エチル
無機フィラー(C)、無機フィラー(d1)
[F−1]
火炎加水分解法で作製される超微粒子シリカ粉末(日本アエロジル株式会社製、アエロジル(登録商標)130、平均粒子径:0.02μm)100g、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン20g、及び0.3質量%酢酸水溶液200mLを三口フラスコに入れ、2時間、室温下で撹拌した。凍結乾燥により水を除去した後、80℃で5時間加熱処理を行い、無機フィラー(F−1)(以下、単に「F−1」と表記することがある)を得た。
[F−2]
火炎加水分解法で作製される超微粒子シリカ粉末(日本アエロジル株式会社製、アエロジル(登録商標)OX 50、平均粒子径:0.04μm)100g、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン7g、及び0.3質量%酢酸水溶液200mLを三口フラスコに入れ、2時間、室温下で撹拌した。凍結乾燥により水を除去した後、80℃で5時間加熱処理を行い、無機フィラー(F−2)(以下、単に「F−2」と表記することがある)を得た。
[F−3]
バリウムボロアルミノシリケートガラス(SCHOTT社製、GM27884 NF180グレード、平均粒子径:0.18μm)100g、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン13g、及び0.3質量%酢酸水溶液200mLを三口フラスコに入れ、2時間、室温下で撹拌した。凍結乾燥により水を除去した後、80℃で5時間加熱処理を行い、無機フィラー(F−3)(以下、単に「F−3」と表記することがある)を得た。
[F−4]
バリウムボロアルミノシリケートガラス(SCHOTT社製、GM27884 UF0.4グレード、平均粒子径:0.4μm)100g、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン9.4g、及び0.3質量%酢酸水溶液200mLを三口フラスコに入れ、2時間、室温下で撹拌した。凍結乾燥により水を除去した後、80℃で5時間加熱処理を行い、無機フィラー(F−4)(以下、単に「F−4」と表記することがある)を得た。
[F−5]
バリウムボロアルミノシリケートガラス(SCHOTT社製、GM27884 UF0.7グレード、平均粒子径:0.7μm)100g、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン6g、及び0.3質量%酢酸水溶液200mLを三口フラスコに入れ、2時間、室温下で撹拌した。凍結乾燥により水を除去した後、80℃で5時間加熱処理を行い、無機フィラー(F−5)(以下、単に「F−5」と表記することがある)を得た。
[F−6]
バリウムボロアルミノシリケートガラス(SCHOTT社製、GM27884 UF1.0グレード、平均粒子径:1.0μm)100g、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン1g、及び0.3質量%酢酸水溶液200mLを三口フラスコに入れ、2時間、室温下で撹拌した。凍結乾燥により水を除去した後、80℃で5時間加熱処理を行い、無機フィラー(F−6)(以下、単に「F−6」と表記することがある)を得た。
[F−7]
バリウムボロアルミノシリケートガラス(SCHOTT社製、GM27884 UF2.0グレード、平均粒子径:2.0μm)100g、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン1g、及び0.3質量%酢酸水溶液200mLを三口フラスコに入れ、2時間、室温下で撹拌した。凍結乾燥により水を除去した後、80℃で5時間加熱処理を行い、無機フィラー(F−7)(以下、単に「F−7」と表記することがある)を得た。
[F−8]
F−1とF−6とを1:9の質量比で均一になるよう混和し、平均粒子径:0.9μmの無機フィラー(F−8)(以下、単に「F−8」と表記することがある)を得た。
[F−9]
F−3とF−7とを3:7の質量比で均一になるよう混和し、平均粒子径:1.5μmの無機フィラー(F−9)(以下、単に「F−9」と表記することがある)を得た。
[F−10]
バリウムボロアルミノシリケートガラス(SCHOTT社製、GM27884 K6グレード、平均粒子径:3.0μm)100g、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン1g、及び0.3質量%酢酸水溶液200mLを三口フラスコに入れ、2時間、室温下で撹拌した。凍結乾燥により水を除去した後、80℃で5時間加熱処理を行い、無機フィラー(F−10)(以下、単に「F−10」と表記することがある)を得た。
[F−11]
不定形シリカジルコニア複合酸化物(平均粒子径:1.5μm)100g、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン1g、及び0.3質量%酢酸水溶液200mLを三口フラスコに入れ、2時間、室温下で撹拌した。凍結乾燥により水を除去した後、80℃で5時間加熱処理を行い、無機フィラー(F−11)(以下、単に「F−11」と表記することがある)を得た。
有機無機複合フィラー(D)
有機無機複合フィラー(D)は、後述の製造例1〜7及び11により作製した。
後述する製造例、実施例、比較例において測定した、各物性評価は以下の方法に従って行った。
〔重合性単量体含有組成物の粘度〕
後述の実施例及び比較例で調製した、2種以上の重合性単量体(A)を含む組成物(以下、単に「重合性単量体含有組成物」と表記することがある)の粘度は、粘度計(東機産業株式会社製、TV−30E型粘度計、JIS K−7117−2:1999に準拠、コーン・プレートタイプ)を用いて、0.8°×R24のコーンロータで、サンプル量0.6mL、23℃にて測定した。1分間のプレヒートを行った後、測定を開始し、5分後の測定値をその粘度とした。
〔歯科用修復材組成物の吐出力〕
歯科用修復材組成物の吐出力の測定には、吐出口の内径を2.3mm(最終吐出口面積:4.2mm)に加工したポリオレフィン系樹脂製シリンジ(内径8mm×長さ63mm クリアフィル(登録商標) マジェスティ(登録商標) LV容器)(シリンジ内径面積:50.2mm)を用いた。該シリンジは環境光非透過性の部材で構成されており、シリンジ内径面積(X)と最終吐出口面積(Y)の比率X/Yは12である。シリンジ1におけるシリンジ内径面積(X)と最終吐出口面積(Y)の相当部分を図1に示す。
後述の実施例及び比較例で調製した各歯科用修復材組成物(ペースト)を真空脱泡後、前記シリンジに1.5mL充填し、プランジャを押すことにより、シリンジ先端からペーストを吐出させた。このときの吐出力(シリンジよりペーストを押出しするのに要する力)を万能試験機(株式会社島津製作所製、商品名「AG−I 100kN」)を用いて測定した。シリンジを鉛直に立て、圧縮強度試験用の治具を装着した、万能試験機のクロスヘッドを4mm/分で降下させて、ペーストに荷重負荷を与えながら吐出し、そのときの最大荷重を吐出力とした(n=2)。吐出力の測定は25℃で行った。
〔歯科用修復材組成物の稠度〕
後述の実施例及び比較例で調製した各歯科用修復材組成物を真空脱泡後、シリンジに充填し、25℃に24時間静置したものを稠度試験の試料とした。0.25mLの試料をシリンジから押し出して量り取り、25℃の恒温室内(湿度40%)でガラス板(5cm×5cm)上にポリエステルフィルム(5cm×5cm)を敷き、その中心に盛り上げるように量り取った試料を静置した。次に、別のポリエステルフィルム(5cm×5cm)を被せ、別途用意したガラス板(5cm×5cm)の上に重しを乗せて計1000gとした、ガラス板面を含む複合物を準備した。この複合体のガラス板面を静置した試料の上に載せ、試料をポリエステルフィルムで挟むようにして静置した。30秒経過後の試料の長径と短径をポリエステルフィルム越しに測定し、その両者の算術平均を算出し、25℃における稠度とした(n=2)。なお、試料の長径とは、試料の中心を通る直径のうち最も長いものを、試料の短径とは、試料の中心を通る直径のうち試料の長径に直交するもののことである。
〔歯科用修復材組成物の賦形性〕
後述の実施例及び比較例で調製した各歯科用修復材組成物(ペースト)を真空脱泡後、シリンジに充填し、25℃に24時間静置したものを賦形性試験の試料とした。該ペースト0.5mLをシリンジから押し出して、内径8mmのガラス管に充填した。ガラス管内に充填された試料を、ガラス管内に封入されたゴム栓を介して押し出し棒で静かに押し出し、ガラス板(5cm×5cm)の中心部に静置した。37℃恒温器内にて、10分経過後のペーストの直径を測定した(n=2)。賦形性の評価として、10分後の直径が11mm以下であることが好ましく、9mm以下がより好ましく、押し出した直後の8mmから変化しないことが最も好ましい。一方で、直径が11mmを超えると歯科用インスツルメントでの賦形性が低いと判断される。
〔歯科用修復材組成物の付着力〕
後述の実施例及び比較例で調製した各歯科用修復材組成物(ペースト)を真空脱泡後、シリンジに充填し、25℃に24時間静置したものを付着力試験の試料とした。該ペーストをシリンジから押し出して、下底面Φ11mm×上面Φ13mm×高さ8mmの容量を有するカップに充填した。小型卓上試験機(株式会社島津製作所製、EZ Test)に、Φ10mm×5mmのステンレス製の円柱を先端に有した治具を取り付け、充填したペースト表面に該円柱型治具に取りつけられたステンレス製の円柱の底面をペーストに軽く接触させた後、クロスヘッドスピード50mm/分で引き上げた際の最大応力を、25℃におけるステンレス板に対する付着力とした(n=2)。
〔研磨性〕
後述の実施例及び比較例で調製した各歯科用修復材組成物(ペースト)を幅2mm×高さ4mm×長さ20mmの角柱状の型枠に充填し、十分に光重合を行って硬化させた。その後に型枠から硬化物を取り出し、硬化物を37℃水中に24時間浸漬したものを研磨性試験の試料とした。この試料の片表面を耐水研磨紙1500番で研磨後、歯科用研磨ディスク(3M社製、Sof−Lex(登録商標) Superfine)にて一分間仕上げ研磨した。表面の光沢について、光沢度計(日本電色工業株式会社製、VG 2000、JIS Z 8741:1997に準拠)を用い、光沢度を測定し(n=2)、研磨性の指標とした。測定の角度は60°とした。研磨性は、光沢度70%以上が好ましく、75%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。
〔フィラーの平均粒子径〕
無機フィラー(C)、無機フィラー(d1)及び有機無機複合フィラー(D)の平均粒子径の測定方法は以下の通りである。平均粒子径が0.10μm以上のフィラーの平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−2100、株式会社島津製作所製)により測定した。分散媒には、0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用いた。平均粒子径が0.10μm未満のフィラー(無機超微粒子)の平均粒子径は、粒子の透過電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H−800NA型)写真を撮り、その写真の単位視野内に観察される粒子(200個以上)の粒子径を、画像解析式粒度分布測定ソフトウェア(Macview(株式会社マウンテック))を用いて測定することにより求めた。このとき、粒子の粒子径は、最長の長さと最短の長さの算術平均値として求められ、粒子の数とその粒子径より、平均一次粒子径が算出される。
(製造例1)
予め重合開始剤(d3)としてAIBNを1質量%溶解した、表1に示す質量比の重合性単量体(d2)を含む組成物100質量部に対して、無機フィラー(d1)としてF−1を100質量部添加(無機フィラー(d1)の含有量:50質量%)、混合しペースト化した。これを100℃、減圧雰囲気下で5時間加熱重合した。得られた重合硬化物を、振動ボールミルを用いて、所望の平均粒子径となるまで粉砕した。得られた粉砕フィラー100gに対して、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン2質量%含有エタノール溶液200mL中、90℃で5時間還流することで表面処理を行ない、有機無機複合フィラー(D−1)を得た。
(製造例2〜11)
表1に記載の無機フィラー(d1)及び重合性単量体(d2)を用いて、所望の無機フィラーの含有量及び平均粒子径になるように変更した以外は製造例1と同様にして、製造例2〜11の有機無機複合フィラー(D−2)〜(D−11)を作製した。
Figure 2019107534
1)重合性単量体(d2)の合計量における各単量体の含有量(質量%)を表す。
2)製造例8〜10は本発明の有機無機複合フィラー(D)に該当しない。
(実施例1)
表2に記載の質量比にて重合性単量体(A)に重合開始剤(B)及び重合促進剤を完全に溶解させた後、メノウ乳鉢を用いて、無機フィラー(C)としてF−8(平均粒子径:0.9μm)、有機無機複合フィラー(D−2)(平均粒子径:5μm)及び(D−3)(平均粒子径:15μm)を表2に記載の質量比にて前記溶液に加えて混練し、均一なペーストとした。さらに、このペーストを減圧下で微細な気泡を除去し、上記の方法に基づいて各物性を評価した。
(実施例2〜10及び比較例1〜11)
表2及び表3に示す組成(質量部)に従って、実施例1と同様に、実施例2〜10及び比較例1〜11の歯科用修復材組成物を調製し、各物性を評価した。結果を表2及び表3に示す。
Figure 2019107534
Figure 2019107534
なお、表2及び表3において、吐出力、25℃における稠度、賦形性、25℃におけるステンレス板に対する付着力は硬化前の歯科用修復材組成物のペースト操作性を表し、研磨性は歯科用修復材組成物の硬化物としての物性を表す。
表2に示すように、本発明の歯科用修復材組成物は、シリンジ内径面積(X)と最終吐出口面積(Y)との比率X/Yが4以上のシリンジからの吐出力が25℃において50N以下であり、25℃における稠度が25mm以下であり、かつ、25℃におけるステンレス板に対する付着力が2.0N以下であることで、吐出性、賦形性に優れ、ベタツキが小さく、かつ硬化後の研磨性にも優れることが確認された。
本発明の歯科用修復材組成物は、歯牙窩洞への直接充填が可能な容器からの吐出性及び歯科用インスツルメントでの賦形性に優れ、ベタツキも小さく、かつ硬化後の研磨性にも優れるため、充填用コンポジットレジン等に利用することができる。本発明の歯科用修復材組成物は、歯科用フロアブルコンポジットレジンとして好適に利用することができる。特に、直接歯牙窩洞に充填するライニング材として好適に使用される。

Claims (11)

  1. 重合性単量体(A)、
    重合開始剤(B)、
    平均粒子径0.7μm以上2.0μm以下の無機フィラー(C)、及び
    平均粒子径0.5μm以下の無機フィラー(d1)が有機マトリックス中に分散されている、平均粒子径3μm以上25μm以下の有機無機複合フィラー(D)、
    を含有し、
    シリンジ内径面積(X)と最終吐出口面積(Y)との比率X/Yが4以上のシリンジからの吐出力が25℃において50N以下であり、
    25℃における稠度が25mm以下であり、かつ
    25℃におけるステンレス板に対する付着力が2.0N以下である、歯科用修復材組成物。
  2. 重合性単量体(A)の90質量%以上が、水酸基を有さない重合性単量体である、請求項1に記載の歯科用修復材組成物。
  3. 水酸基を有さない重合性単量体が、芳香環を有し、かつ水酸基を有さない(メタ)アクリル酸エステル(a−1)及び芳香環及び水酸基を有さない(メタ)アクリル酸エステル(a−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項2に記載の歯科用修復材組成物。
  4. 水酸基を有さない重合性単量体が、芳香環を有し、かつ水酸基を有さない(メタ)アクリル酸エステル(a−1)及び、芳香環及び水酸基を有さない(メタ)アクリル酸エステル(a−3)である、請求項2に記載の歯科用修復材組成物。
  5. 重合性単量体(A)の粘度が23℃で1500cP以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯科用修復材組成物。
  6. 重合性単量体(A)が、ウレタンジメタクリレート、下記一般式(I)で表される(ポリ)エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、及びトリエチレングリコールジメタクリレートを含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯科用修復材組成物。
    Figure 2019107534
    (式中、m及びnはエトキシ基の平均付加モル数を示す0又は正の数であり、mとnの和は1〜6である。Rは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基である。)
  7. 重合性単量体(A)100質量部に対して、
    重合開始剤(B)を0.01〜10質量部、
    無機フィラー(C)を60〜200質量部、及び
    有機無機複合フィラー(D)を100〜300質量部含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の歯科用修復材組成物。
  8. 無機フィラー(C)の含有量と有機無機複合フィラー(D)の含有量の質量比が、(D)/(C)>1である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の歯科用修復材組成物。
  9. 有機無機複合フィラー(D)が、平均粒子径13μm以上25μm以下の有機無機複合フィラー(D1)を含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の歯科用修復材組成物。
  10. 有機無機複合フィラー(D)が、さらに平均粒子径3μm以上10μm以下の有機無機複合フィラー(D2)を含有する、請求項9に記載の歯科用修復材組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の歯科用修復材組成物を含むフロアブルコンポジットレジン。
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C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

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A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

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C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

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