JPWO2019107531A1 - 血中脂質の上昇抑制または低減用組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、新規な血中脂質の上昇抑制または低減用組成物を提供する。より詳細には、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドを含んでなる、血中脂質の上昇抑制または低減用組成物を提供する。
Description
本特許出願は、2017年12月1日に出願された日本国特許出願2017−231982号に基づく優先権の主張を伴うものであり、かかる先の特許出願における全開示内容は、引用することにより本明細書の一部とされる。
本発明は、血中脂質の上昇抑制または低減用組成物に関し、より詳しくは、アドニルビンおよびアドニキサンチンから選択される一種以上のカロテノイドを含んでなる血中脂質の上昇抑制または低減用組成物に関する。
アドニルビンおよびアドニキサンチンはカロテノイドの一種であり、動物、植物、微生物に広く分布している。アドニルビンまたはアドニキサンチンには抗不安の効果があることが知られている(特許文献1)。
一方、カロテノイドの一種であるアスタキサンチンには種々の効果があることが報告されている。例えば、特許文献2には、アスタキサンチンが高脂血症に有用であり得ると記載されている。
また、特許文献3には、リコペン等のカロテノイドが、乳清タンパク質等のカーゴ分子を血流へ送達するのに有用となり得ることが記載されている。カーゴ分子の性質に依存して疾患が回復または軽減され、カーゴ分子として乳清タンパク質を用いた場合には、コレステロールの低下に有用となり得ることが記載されている。
しかしながら、アドニルビンおよび/またはアドニキサンチンと、血中脂質の上昇抑制または低減との関係については何ら報告されていない。
本発明は、効果的に血中脂質の上昇を抑制または低減させる新たな技術的手段を提供することを目的としている。
本発明者らは、今般、アドニルビンまたはアドニキサンチンを生体に投与したところ、効果的に血中脂質の上昇が抑制または低減させうることを見出した。
本発明には、以下の発明が包含される。
(1) アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドを含んでなる、血中脂質の上昇抑制または低減用組成物。
(2) 前記カロテノイドが、パラコッカス・カロティニファシエンス(Paracoccus carotinifaciens)由来である、(1)に記載の組成物。
(3) 前記血中脂質が、トリグリセリド、総コレステロール、およびLDLコレステロールからなる群から選択される少なくとも一種である、(1)または(2)に記載の組成物。
(4) 脂質異常症の改善のための、(1)〜(3)のいずれか一つに記載の組成物。
(5) 前記脂質異常症が、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、および高LDLコレステロール血症からなる群から選択される少なくとも一種である、(4)に記載の組成物。
(6) 内臓脂肪の蓄積抑制または低減のための、(1)〜(5)のいずれか一つに記載の組成物。
(7) 肥満の改善または体重増加の抑制のための、(1)〜(6)のいずれか一つに記載の組成物。
(8) 前記組成物が飲食品または食品添加物である、(1)〜(7)のいずれか一つに記載の組成物。
(9) 前記組成物が機能性食品である、(1)〜(8)のいずれか一つに記載の組成物。
(10) 前記組成物が医薬品である、(1)〜(9)のいずれか一つに記載の組成物。
(11) 血中脂質の上昇抑制または低減用組成物の製造における、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドの使用。
(12) アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドの有効量を、それを必要とする対象に投与することまたは摂取させることを含んでなる、対象の血中脂質の低減または血中脂質の上昇の抑制方法。
(13) 血中脂質の上昇抑制または低減のための、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイド。
(1) アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドを含んでなる、血中脂質の上昇抑制または低減用組成物。
(2) 前記カロテノイドが、パラコッカス・カロティニファシエンス(Paracoccus carotinifaciens)由来である、(1)に記載の組成物。
(3) 前記血中脂質が、トリグリセリド、総コレステロール、およびLDLコレステロールからなる群から選択される少なくとも一種である、(1)または(2)に記載の組成物。
(4) 脂質異常症の改善のための、(1)〜(3)のいずれか一つに記載の組成物。
(5) 前記脂質異常症が、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、および高LDLコレステロール血症からなる群から選択される少なくとも一種である、(4)に記載の組成物。
(6) 内臓脂肪の蓄積抑制または低減のための、(1)〜(5)のいずれか一つに記載の組成物。
(7) 肥満の改善または体重増加の抑制のための、(1)〜(6)のいずれか一つに記載の組成物。
(8) 前記組成物が飲食品または食品添加物である、(1)〜(7)のいずれか一つに記載の組成物。
(9) 前記組成物が機能性食品である、(1)〜(8)のいずれか一つに記載の組成物。
(10) 前記組成物が医薬品である、(1)〜(9)のいずれか一つに記載の組成物。
(11) 血中脂質の上昇抑制または低減用組成物の製造における、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドの使用。
(12) アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドの有効量を、それを必要とする対象に投与することまたは摂取させることを含んでなる、対象の血中脂質の低減または血中脂質の上昇の抑制方法。
(13) 血中脂質の上昇抑制または低減のための、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイド。
本発明によれば、本発明の組成物を摂取することにより、効果的に対象の血中脂質の上昇を抑制するか、または血中脂質を低減することができる。また、本発明の組成物は、トリグリセリド、総コレステロール、LDLコレステロールからなる群から選択される少なくとも一種の血中脂質の上昇を抑制するかまたは低減する上で有利である。さらに、本発明の組成物は、脂質異常症の改善、内臓脂肪の蓄積抑制もしくは低減、肥満の改善、または体重増加の抑制において有利に利用することができる。
本発明の血中脂質の上昇抑制または低減用組成物は、アドニルビンおよびアドニキサンチンから選択される一種以上のカロテノイドを含んでなることを特徴としている。
カロテノイド
本発明におけるカロテノイドとしては、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のものであり、例えば、アドニルビン、アドニキサンチンおよびこれら2種のカロテノイドの組み合わせが挙げられる。また、カロテノイドとしては、遊離体、脂肪酸エステル体であってもよく、吸収性の観点から、遊離体を使用することができる。カロテノイドは、光学異性体、シス-トランス異性体等の立体異性体であってもよい。さらに、これらカロテノイドは有効成分として用いることが好ましい。
本発明におけるカロテノイドとしては、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のものであり、例えば、アドニルビン、アドニキサンチンおよびこれら2種のカロテノイドの組み合わせが挙げられる。また、カロテノイドとしては、遊離体、脂肪酸エステル体であってもよく、吸収性の観点から、遊離体を使用することができる。カロテノイドは、光学異性体、シス-トランス異性体等の立体異性体であってもよい。さらに、これらカロテノイドは有効成分として用いることが好ましい。
アドニルビンの化学式は3-hydroxy-β,β-carotene-4,4’-dione (C40H5203、分子量580.853)であり、構造式は下記式で表される。
アドニルビンのシス-トランス異性体としては、シス体、トランス体またはそれらの組み合わせであってもよく、シス体としては13−シス体を挙げることができる。
アドニキサンチンの化学式は3,3’-dihydroxy-β,β-carotene-4-one (C40H5403、分子量582.869)であり、構造式は下記式で表される。
アドニキサンチンの光学異性体としては、3S,3’R−アドニキサンチン、3S,3’S−アドニキサンチン、3R,3’S−アドニキサンチンおよび3R,3’R−アドニキサンチンならびにこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを挙げることができ、好ましくは、3S,3’R−アドニキサンチンである。また、アドニキサンチンのシス-トランス異性体としては、シス体、トランス体またはそれらの組み合わせであってもよい。アドニキサンチンのシス-トランス異性体として、好ましくは、シス体およびトランス体の組み合わせである。
本発明において、カロテノイドは、薬学的に許容可能な塩の形態であってもよく、これらの塩も本発明におけるカロテノイドに含まれる。本発明において、カロテノイドは、酸または塩基と塩を形成する場合もある。本発明において、薬学的に許容可能な塩は、アドニルビンおよび/またはアドニキサンチンと薬学的に許容可能な塩を形成するものであれば特に限定されない。具体的には、例えば、ハロゲン化水素酸塩(例えばフッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩等)、無機酸塩(例えば硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩等)、有機カルボン酸塩(例えば酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩等)、有機スルホン酸塩(例えばメタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩等)、アミノ酸塩(例えばアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等)、四級アミン塩、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例えばマグネシウム塩、カルシウム塩等)等が挙げられるが、これに限定されない。
本発明のカロテノイドは、市販品であってもよく、あるいは従来の化学合成法により製造された化学合成品、微生物による発酵法、または動物もしくは植物等からの抽出および精製方法等により製造されたもの(天然由来)(微生物、動物または植物由来物ともいう)を使用することができる。ここで、微生物、動物または植物由来物とは、微生物、動物または植物から得られる産生物であり、好ましくは、パラコッカス属微生物由来物、より好ましくはパラコッカス・カロティニファシエンス由来物であってよい。
例えば、微生物からのアドニルビンおよびアドニキサンチンの抽出および精製方法として下記の方法が挙げられる。パラコッカス・カロティニファシエンス(Paracoccus carotinifaciens)の乾燥菌体を、アセトンを使用する室温抽出に供し、抽出液をエバポレーターで濃縮し、濃縮液が二層に分離したところで濃縮物にヘキサン−クロロホルム(1:1)混合液を加えて良く混和した後、分液操作により有機溶媒層を得る。前記有機溶媒層をエバポレーターで濃縮乾固する。濃縮乾固物をクロロホルムに溶解し、シリカゲルカラムにて各カロテノイドを分離する。例えばアセトン:ヘキサン(3:7)300mLで溶出する画分をさらにHPLC(Shim−pack PRC−SIL(株式会社島津製作所)、アセトン:ヘキサン(3:7))で精製することでアドニルビン遊離体を得ることができる。また、アセトンで溶出する画分をさらにHPLC(Shim−pack PRC−SIL、アセトン:ヘキサン(4:6))で精製することで、アドニキサンチン遊離体を得ることができる。
さらに、本発明の組成物においては、本発明のカロテノイドとしてのアドニルビンおよびアドニキサンチンに加えてアスタキサンチンを含むカロテノイド混合物を使用してもよい。例えば、特開2007−261972号公報、特開2009−50237号公報に記載の方法に準じてパラコッカス・カロティニファシエンスの乾燥菌体から抽出したカロテノイド混合物は、アスタキサンチン、アドニルビンおよびアドニキサンチンを含む。
本発明の組成物におけるカロテノイドの含有量は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、組成物全体に対し、例えば、0.01〜50質量%が挙げられ、好ましくは0.05〜30質量%、より好ましくは0.07〜15質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。本発明の組成物におけるアドニルビンおよび/またはアドニキサンチンの含有量の測定は、HPLC法により、Toxicol Rep. 2014 Aug 25;1:582-588.の記載に準じて実施される。
本発明の組成物は、上記カロテノイドと共に、所望により経口上許容可能または薬学的に許容可能な添加剤を配合した組成物として提供することができる。上記添加剤として、溶剤、溶解補助剤、溶解剤、滑沢剤、乳化剤、等張化剤、安定化剤、保存剤、防腐剤、界面活性剤、調整剤、キレート剤、pH調整剤、緩衝剤、賦形剤、増粘剤、着色剤、芳香剤または香料等が挙げられる。
本発明の組成物は、上記カロテノイドおよび所望により経口上許容可能または薬学的に許容可能な添加剤を混合、溶解、分散、懸濁するなどの公知の手法により、調製することができる。また、本発明の組成物の調製においては、本発明の効果を妨げない限り、上記手法により調製された混合物、溶解物、分散物、懸濁物などに、均質化処理や殺菌処理を施してもよい。
また、本発明の組成物の形態は、本発明の効果を妨げない限り、特に制限されず、固形状、半固形状(ペースト、ゲルを含む)または液状(油状、スラリー状を含む)であってもよいが、固形状または液状であることが好ましい。
また、本発明の組成物の剤形は、本発明の効果を妨げない限り特に限定されないが、注射剤、錠剤(例えば、裸錠、糖衣錠、フィルムコーティング錠、腸溶錠、徐放錠、口腔内崩壊錠、舌下錠、チュアブル錠等)、カプセル剤(例えば、硬カプセル、軟カプセル)、エリキシル剤、丸剤、粉剤、散剤、顆粒剤、水剤、トローチ剤、シロップ剤、ドライシロップ剤、乳剤、懸濁剤、液剤、吸入剤、エアロゾル剤、粉末吸入剤、坐剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤、バップ剤、ローション剤、点滴剤、眼軟膏剤、点眼剤、点鼻剤等が挙げられる。本発明の組成物の剤形は、実施例に示す通り、本発明の組成物が経口摂取された場合に血中脂質の濃度の上昇が抑制されるかまたは低減していることから、経口摂取または投与用の剤形であることが好ましく、錠剤、カプセル剤、丸剤、粉剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤、ドライシロップ剤、乳剤、液剤、懸濁剤、水剤、トローチ剤等が挙げられる。
本発明の組成物の投与または摂取方法としては、特に限定されないが、点滴、静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射、皮内注射等の注射、経口、経粘膜、経皮、鼻腔内、口腔内等による投与または摂取が挙げられる。実施例に示す通り、本発明の組成物が経口摂取された場合に血中脂質の濃度の上昇が抑制されるかまたは低減していることから、経口摂取または投与が好ましい。
本発明の組成物としては、食品もしくは飲料等の飲食品、飲食品添加物、飼料、医薬品、医薬部外品、または化粧料が挙げられ、摂取の簡便性の観点から飲食品が好ましい。
本発明の飲食品は、本発明の組成物をそのまま飲食品として調製したもの、各種タンパク質、糖類、脂肪、微量元素、ビタミン類、他の有効成分(例えば、乳酸菌、バチルス属菌(Bacillus)等の細菌、酵母等の真菌、食物繊維、DHAまたはEPA)等を更に配合したもの、本発明の組成物を水溶液状等の液状、半液体状または固体状にしたものでよく、また、本発明の組成物を一般の飲食品へ添加したものであってもよい。
上記飲食品としては、具体的には、例えば、即席麺、レトルト食品、缶詰、電子レンジ食品、即席スープ・みそ汁類、フリーズドライ食品等の即席食品類;清涼飲料、果汁飲料、野菜飲料、豆乳飲料、コーヒー飲料、茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、アルコール飲料等の飲料類;栄養ドリンク;パン、パスタ、麺、ケーキミックス、パン粉等の小麦粉製品;飴、グミ、ゼリー、キャラメル、チューイングガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、デザート菓子等の菓子類;栄養バー;ソース、トマト加工調味料、風味調味料、調理ミックス、たれ類、ドレッシング類、つゆ類、カレー・シチューの素類等の調味料;加工油脂、バター、マーガリン、マヨネーズ等の油脂類;乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料、アイスクリーム類、クリーム類等の乳製品;農産缶詰、ジャム・マーマレード類、シリアル等の農産加工品;ハム、ベーコン、ソーセージ、焼き豚等の畜肉加工食品:冷凍食品等を例示することができるが、これらに限定されない。
本発明の飲食品には、健康食品、サプリメント、機能性食品(例えば、特定保健用食品、栄養機能食品または機能性表示食品を含む)、栄養補助食品、特別用途食品(例えば、病者用食品、乳児用調製粉乳、妊産婦、授乳婦用粉乳またはえん下困難者・咀嚼困難者用食品を含む)または乳児用液体調製乳(乳児用液体ミルクともいう)も包含される。後述のように、本発明の組成物は血中脂質の低減もしくは上昇抑制作用、脂質異常症の改善作用、内臓脂肪の蓄積抑制もしくは低減作用、肥満の改善作用、または体重増加抑制作用を有することから、血中脂質の低減もしくは上昇抑制のための飲食品、脂質異常症もしくは肥満の改善、または体重の増加抑制のための飲食品が提供される。すなわち、本発明の飲食品は、血中脂質が気になるヒトのための飲食品、血中コレステロールまたはトリグリセリド(中性脂肪)が気になるヒトのための飲食品、肥満または体重が気になるヒトのための飲食品、内臓脂肪が気になるヒトのための飲食品として提供できる。さらに、機能性食品等の飲食品において、「血中脂肪が高めの方に」、「体重が気になる方に」、「肥満が気になる方に」、「脂肪を消費しやすくする」、「内臓脂肪が気になる方に」等の表示を付して提供してもよい。
本発明の組成物の摂取量または投与量は、特に限定されず、組成物の処方、カロテノイドの種類、純度、対象の種類、対象の年齢または体重、症状、摂取または投与時間、組成物の形態、摂取または投与方法、他のカロテノイドまたは薬剤の組み合わせ等に依存して決定できる。また、本発明の組成物は、血中脂質の低減または上昇抑制のための有効量となるように、1日の摂取量単位の形態から構成されることが好ましい。例えば、本発明の組成物を経口摂取する場合、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドが体重60kgの成人1人1日当たり0.01〜10000mg、好ましくは0.1〜1000mg、より好ましくは1〜100mgの範囲の摂取量または投与量となるように該カロテノイドを組成物に配合することができる。本発明のカロテノイドと組み合わせて用いる他のカロテノイドまたは薬剤も、それぞれ臨床上用いられる摂取量または投与量を基準として適宜決定できる。
また、本発明の組成物の1日の摂取量または投与量は、上述の組成物の摂取量または投与量と同様、組成物の処方等に応じて適宜選択されるものである。本発明の組成物の1日の摂取量または投与量は、例えば1回または複数回で対象に摂取させるかまたは投与してもよいが、1回で対象に摂取させるかまたは投与することが好ましい。したがって、本発明の組成物の1日の摂取または投与回数は、1日に1〜5回であり、好ましくは、1日に1〜3回であり、より好ましくは、1日に1回である。
一つの態様によれば、本発明の組成物を適用する対象としては、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。当該対象は健常者であっても患者であってもよい。
本発明の組成物によれば、優れた血中脂質低減作用または血中脂質上昇の抑制作用を奏することが可能である。有利には、本発明の組成物によれば、トリグリセリド、総コレステロール、LDLコレステロールからなる群から選択される少なくとも一種である血中脂質を低減すること、または当該血中脂質の上昇を抑制することができる。したがって、本発明の組成物は血中脂質の上昇抑制または低減用組成物として提供される。さらに、上記血中脂質としては、トリグリセリド、総コレステロール、LDLコレステロールからなる群から選択される少なくとも一種が好ましい。
また、本発明の組成物によれば、脂質異常症を改善させること、内臓脂肪の蓄積を抑制もしくは内臓脂肪を低減すること、肥満を改善させること、または体重増加を抑制させることができる。したがって、本発明の一つの態様によれば、本発明の組成物は、脂質異常症の改善、内臓脂肪の蓄積抑制もしくは低減、肥満の改善または体重増加の抑制のための組成物として提供される。ここで、脂質異常症としては、好ましくは、高脂血症、高コレステロール血症、および高トリグリセリド血症、高LDLコレステロール血症からなる群から選択される少なくとも一種である。本明細書における「改善」とは、確立された病態の改善という「治療」の意味を含むだけでなく、想定される悪化に対して事前に備え、疾患の発生を未然に防ぐ「予防」の意味も含む。
アドニキサンチンまたはアドニルビンの作用機序は現時点では不明であるが、以下のように推測される。
(1)アドニキサンチンまたはアドニルビンが、脂肪細胞に作用して、アディポネクチンの分泌をより増加させる可能性がある。アディポネクチンとは、脂肪細胞から分泌される分泌される蛋白質であり、アディポネクチンの増加は内臓脂肪量の低減と相関関係があることが知られている。
(2)アドニキサンチンまたはアドニルビンが、脂肪細胞からのTNF−αの分泌を正常な状態に近づける作用がある可能性がある。TNF−αを正常な状態とすることで細胞内へのグルコースの取り込みが阻害されることが知られている。
(1)アドニキサンチンまたはアドニルビンが、脂肪細胞に作用して、アディポネクチンの分泌をより増加させる可能性がある。アディポネクチンとは、脂肪細胞から分泌される分泌される蛋白質であり、アディポネクチンの増加は内臓脂肪量の低減と相関関係があることが知られている。
(2)アドニキサンチンまたはアドニルビンが、脂肪細胞からのTNF−αの分泌を正常な状態に近づける作用がある可能性がある。TNF−αを正常な状態とすることで細胞内へのグルコースの取り込みが阻害されることが知られている。
本発明の別の態様によれば、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドを有効量含んでなる組成物を対象に投与することまたは摂取させることを含んでなる、対象の血中脂質の低減または血中脂質の上昇の抑制方法が提供される。本発明のさらに別の態様によれば、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドの有効量を、それを必要とする対象に投与することまたは摂取させることを含んでなる、対象の血中脂質の低減または血中脂質の上昇の抑制方法が提供される。ここで、「有効量」とは、1日の摂取量単位における、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドの含有量等と同様に設定することができる。上記血中脂質としては、トリグリセリド、総コレステロール、およびLDLコレステロールからなる群から選択される少なくとも一種であるものが好ましい。本発明のさらに別の態様によれば、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドを有効量含んでなる組成物を対象に投与することまたは摂取させることを含んでなる、対象の脂質異常症の改善、内臓脂肪の蓄積抑制もしくは低減、肥満の改善または体重増加の抑制方法が提供される。本発明のさらに別の態様によれば、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドの有効量を、それを必要とする対象に投与することまたは摂取させることを含んでなる、対象の脂質異常症の改善、内臓脂肪の蓄積抑制もしくは低減、肥満の改善または体重増加の抑制方法が提供される。上記脂質異常症としては、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症および高LDLコレステロール血症からなる群から選択される少なくとも一種であるものが好ましい。本発明のさらに別の態様によれば、上述の、対象の血中脂質の低減もしくは血中脂質の上昇の抑制方法、対象の脂質異常症の改善方法、対象の内臓脂肪の蓄積抑制もしくは低減方法、対象の肥満の改善方法、または対象の体重増加の抑制方法は、対象が健常者である場合、ヒトに対する医療行為を除く非治療的方法とされる。ここで、ヒトに対する医療行為とは、医師等の処方を必要として、ヒトに対して医薬品を摂取させる(投与する)行為等を意味する。本発明の、対象の血中脂質の低減もしくは血中脂質の上昇の抑制方法、対象の脂質異常症の改善方法、対象の内臓脂肪の蓄積抑制もしくは低減方法、対象の肥満の改善方法、または対象の体重増加の抑制方法は、本発明の組成物について、本明細書に記載された内容に従って実施することができる。
また、本発明の別の態様によれば、血中脂質の上昇抑制または低減のための、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドの使用が提供される。本発明の別の態様によれば、脂質異常症の改善、内臓脂肪の蓄積抑制もしくは低減、肥満の改善または体重増加の抑制のための、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドの使用が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、血中脂質の上昇抑制または低減用組成物の製造における、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドの使用が提供される。本発明の別の態様によれば、脂質異常症の改善、内臓脂肪の蓄積抑制もしくは低減、肥満の改善または体重増加の抑制のための組成物の製造における、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドの使用が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、血中脂質の上昇抑制または低減のための、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドが提供される。本発明の別の態様によれば、脂質異常症の改善、内臓脂肪の蓄積抑制もしくは低減、肥満の改善または体重増加の抑制のための、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドが提供される。
上記の使用、化合物(カロテノイド)の態様は何れも、本発明の組成物または方法に関する記載に準じて実施することができる。
以下、調製例、試験例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術範囲は、これらの例示に限定されるものではない。なお、特に記載しない限り、本発明で用いられる全部のパーセンテージや比率は質量による。また、特に記載しない限り、本明細書に記載の単位や測定方法はJIS規格による。
調製例1:アドニキサンチンおよびアドニルビンの調製
特開2012−158569号公報に記載の方法に準じて、アドニルビン遊離体およびアドニキサンチン遊離体の調製を行った。以下に簡単に記載する。
パラコッカス・カロティニファシエンス(Paracoccus carotinifaciens)の乾燥菌体を、アセトンを使用する室温抽出に供した。得られた抽出液をエバポレーターで濃縮し、濃縮液が二層に分離したところで濃縮物にヘキサン-クロロホルム(1:1)混合液を加えて良く混和した後、分液操作により有機溶媒層を得た。
得られた有機溶媒層をエバポレーターで濃縮乾固した。濃縮乾固物をクロロホルムに溶解し、シリカゲルカラムにて各カロテノイドを分離した。具体的には、アセトン:ヘキサン(3:7)300mLで溶出する画分をさらにHPLC(Shim−pack PRC−SIL(株式会社島津製作所)、アセトン:ヘキサン(3:7))で精製し、アドニルビン遊離体(以下、単にアドニルビンともいう)を得た。アセトンで溶出する画分をさらにHPLC(Shim−pack PRC−SIL、アセトン:ヘキサン(4:6))で精製し、アドニキサンチン遊離体(以下、単にアドニキサンチンともいう)を得た。
特開2012−158569号公報に記載の方法に準じて、アドニルビン遊離体およびアドニキサンチン遊離体の調製を行った。以下に簡単に記載する。
パラコッカス・カロティニファシエンス(Paracoccus carotinifaciens)の乾燥菌体を、アセトンを使用する室温抽出に供した。得られた抽出液をエバポレーターで濃縮し、濃縮液が二層に分離したところで濃縮物にヘキサン-クロロホルム(1:1)混合液を加えて良く混和した後、分液操作により有機溶媒層を得た。
得られた有機溶媒層をエバポレーターで濃縮乾固した。濃縮乾固物をクロロホルムに溶解し、シリカゲルカラムにて各カロテノイドを分離した。具体的には、アセトン:ヘキサン(3:7)300mLで溶出する画分をさらにHPLC(Shim−pack PRC−SIL(株式会社島津製作所)、アセトン:ヘキサン(3:7))で精製し、アドニルビン遊離体(以下、単にアドニルビンともいう)を得た。アセトンで溶出する画分をさらにHPLC(Shim−pack PRC−SIL、アセトン:ヘキサン(4:6))で精製し、アドニキサンチン遊離体(以下、単にアドニキサンチンともいう)を得た。
調製例2:アドニキサンチン含有組成物(投与液)およびアドニルビン含有組成物(投与液)の調製
調製例1で得られたアドニキサンチンまたはアドニルビンにコーン油を加えて懸濁し、それぞれ1.2mg/mLの濃度となるように調製し、アドニキサンチン含有投与液およびアドニルビン含有投与液を得た。対照としてはコーン油を用いた。
調製例1で得られたアドニキサンチンまたはアドニルビンにコーン油を加えて懸濁し、それぞれ1.2mg/mLの濃度となるように調製し、アドニキサンチン含有投与液およびアドニルビン含有投与液を得た。対照としてはコーン油を用いた。
調製例3:高脂肪飼料の調製
試験例では、高脂肪飼料として、粉末飼料(MF、オリエンタル酵母工業株式会社):ラード:コレステロール:コール酸=78.7:20:1:0.3の割合で混合した飼料を用いた。前記高脂肪飼料は、必要量の粉末飼料、コレステロールおよびコール酸を秤量し、ケンミックスミキサー(株式会社愛工製作所)で充分撹拌しながら、必要量のラードを少量ずつ加えて更に混合することにより得られた。
試験例では、高脂肪飼料として、粉末飼料(MF、オリエンタル酵母工業株式会社):ラード:コレステロール:コール酸=78.7:20:1:0.3の割合で混合した飼料を用いた。前記高脂肪飼料は、必要量の粉末飼料、コレステロールおよびコール酸を秤量し、ケンミックスミキサー(株式会社愛工製作所)で充分撹拌しながら、必要量のラードを少量ずつ加えて更に混合することにより得られた。
試験例1:アドニキサンチン含有組成物(投与液)を用い、高脂肪食負荷KK−A y マウスを対象とした動物試験(体重測定)
実験動物には、6週齢の雄のSPFマウス(KK−Ay/TaJcl系統)を用いた。
順化終了日に測定した体重に基づいて、20匹(体重範囲:27.3〜32.2g)を選択し、コンピュータを用いた完全無作為抽出法により各実験群の平均体重が等しくなるよう10匹ずつ2群に割り当てた。
各実験群について、調製例2で得られた投与液を投与した。各実験群における被験物質、その濃度、および1日(1回)当たりの投与液量を表1に示す。投与は、ディスポーザブルシリンジおよび経口ゾンデを用い、1日1回、28日間(被験物質の投与開始日を1日目と起算)行った。投与期間中、マウスには調製例3で得た高脂肪飼料および上水道水を自由に摂取させ、12時間明暗周期、20〜26℃で飼育した。投与期間中は週2回体重を測定した。
実験動物には、6週齢の雄のSPFマウス(KK−Ay/TaJcl系統)を用いた。
順化終了日に測定した体重に基づいて、20匹(体重範囲:27.3〜32.2g)を選択し、コンピュータを用いた完全無作為抽出法により各実験群の平均体重が等しくなるよう10匹ずつ2群に割り当てた。
各実験群について、調製例2で得られた投与液を投与した。各実験群における被験物質、その濃度、および1日(1回)当たりの投与液量を表1に示す。投与は、ディスポーザブルシリンジおよび経口ゾンデを用い、1日1回、28日間(被験物質の投与開始日を1日目と起算)行った。投与期間中、マウスには調製例3で得た高脂肪飼料および上水道水を自由に摂取させ、12時間明暗周期、20〜26℃で飼育した。投与期間中は週2回体重を測定した。
体重の測定結果を図1に示す。測定値は平均値で表した。図1に示される通り、アドニキサンチン投与群は、対照群と比較して体重増加を抑制する傾向を示した。
試験例2:アドニキサンチン含有組成物(投与液)およびアドニルビン含有組成物(投与液)を用い、高脂肪食負荷KK−A y マウスを対象とした動物試験(血中脂質および内臓脂肪測定)
実験動物には、6週齢の雄のSPFマウス(KK−Ay/TaJcl系統)を用いた。
順化終了日に測定した体重に基づいて、30匹(体重範囲:27.3〜32.2g)を選択し、コンピュータを用いた完全無作為抽出法により各実験群の平均体重が等しくなるよう10匹ずつ3群に割り当てた。
各実験群について、調製例2で得られた投与液を投与した。各実験群における被験物質、その濃度、および1日(1回)当たりの投与液量を表2に示す。投与は、ディスポーザブルシリンジおよび経口ゾンデを用い、1日1回、28日間(被験物質の投与開始日を1日目と起算)行った。投与期間中、マウスには調製例3で得た高脂肪飼料および上水道水を自由に摂取させ、12時間明暗周期、20〜26℃で飼育した。
実験動物には、6週齢の雄のSPFマウス(KK−Ay/TaJcl系統)を用いた。
順化終了日に測定した体重に基づいて、30匹(体重範囲:27.3〜32.2g)を選択し、コンピュータを用いた完全無作為抽出法により各実験群の平均体重が等しくなるよう10匹ずつ3群に割り当てた。
各実験群について、調製例2で得られた投与液を投与した。各実験群における被験物質、その濃度、および1日(1回)当たりの投与液量を表2に示す。投与は、ディスポーザブルシリンジおよび経口ゾンデを用い、1日1回、28日間(被験物質の投与開始日を1日目と起算)行った。投与期間中、マウスには調製例3で得た高脂肪飼料および上水道水を自由に摂取させ、12時間明暗周期、20〜26℃で飼育した。
投与28日目の夕方から絶食を行い、投与29日目にエーテル麻酔下でマウスの腹部大動脈より、ヘパリン処理した注射筒を用いて全採血した。採取した血液は4℃、1500×gで15分間遠心して血漿を採取した。採取した血漿を用いて自動分析装置(7170形、株式会社日立製作所)によりトリグリセリド(FG消去法)、総コレステロール(CE・COD・POD法)およびLDLコレステロール(選択的可溶化法)を測定した。採血終了後、マウスの内臓脂肪(腸間膜脂肪)を採取して重量を測定した。
測定結果を図2〜4に示す。測定値は平均値±標準誤差で表した。ここで、対照群に対してのアドニキサンチン投与群またはアドニルビン投与群で2群間の検定を行った。2群間の検定は、F検定により分散に一様性が認められる場合にはStudent t検定を、分散に一様性が認められない場合にはAspin-Welch t検定を用いた。有意水準は5%または1%で表示した。(図中、*:P<0.05、**:P<0.01;対照群に対する有意差(Student t検定)、#:P<0.05;対照群に対する有意差(Aspin-Welch t検定))データの解析には、Office 2003およびOffice 2004(マイクロソフト株式会社)、SAS ver. 8.02(株式会社SASインスティチュートジャパン)、EXSAS ver. 7.14(株式会社サイエンティスト社)を使用した。
図2は、血漿中のトリグリセリド濃度の測定結果を示す。図2に示される通り、アドニキサンチン投与群では、血漿中のトリグリセリド濃度が対照群と比較して有意に低減した。アドニルビン投与群でも、血漿中のトリグリセリド濃度が対照群と比較して低減した。
図3は、血漿中の総コレステロール濃度の測定結果を示す。図3に示される通り、アドニルビン投与群では、血漿中の総コレステロール濃度が対照群と比較して有意に低減した。アドニキサンチン投与群でも、血漿中の総コレステロール濃度が対照群と比較して低減した。
図4は、血漿中のLDLコレステロール濃度の測定結果を示す。図4に示される通り、アドニルビン投与群では、血漿中のLDLコレステロール濃度が対照群と比較して有意に低減した。アドニキサンチン投与群でも、血漿中のLDLコレステロール濃度が対照群と比較して低減した。
さらに、アドニキサンチン投与群およびアドニルビン投与群では、内臓脂肪量が対照群と比較して低減したことが確認された(対照群の内臓脂肪量の平均値:3.274g、アドニキサンチン投与群の内臓脂肪量の平均値:2.805g、アドニルビン投与群の内臓脂肪量の平均値:2.987g)。したがって、アドニキサンチンおよび/またはアドニルビンは内臓脂肪蓄積の抑制効果を有していると考えられた。
図3は、血漿中の総コレステロール濃度の測定結果を示す。図3に示される通り、アドニルビン投与群では、血漿中の総コレステロール濃度が対照群と比較して有意に低減した。アドニキサンチン投与群でも、血漿中の総コレステロール濃度が対照群と比較して低減した。
図4は、血漿中のLDLコレステロール濃度の測定結果を示す。図4に示される通り、アドニルビン投与群では、血漿中のLDLコレステロール濃度が対照群と比較して有意に低減した。アドニキサンチン投与群でも、血漿中のLDLコレステロール濃度が対照群と比較して低減した。
さらに、アドニキサンチン投与群およびアドニルビン投与群では、内臓脂肪量が対照群と比較して低減したことが確認された(対照群の内臓脂肪量の平均値:3.274g、アドニキサンチン投与群の内臓脂肪量の平均値:2.805g、アドニルビン投与群の内臓脂肪量の平均値:2.987g)。したがって、アドニキサンチンおよび/またはアドニルビンは内臓脂肪蓄積の抑制効果を有していると考えられた。
Claims (13)
- アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドを含んでなる、血中脂質の上昇抑制または低減用組成物。
- 前記カロテノイドが、パラコッカス・カロティニファシエンス(Paracoccus carotinifaciens)由来である、請求項1に記載の組成物。
- 前記血中脂質が、トリグリセリド、総コレステロール、およびLDLコレステロールからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1または2に記載の組成物。
- 脂質異常症の改善のための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記脂質異常症が、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、および高LDLコレステロール血症からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項4に記載の組成物。
- 内臓脂肪の蓄積抑制または低減のための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
- 肥満の改善または体重増加の抑制のための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物が飲食品または食品添加物である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物が機能性食品である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物が医薬品である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
- 血中脂質の上昇抑制または低減用組成物の製造における、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドの使用。
- アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイドの有効量を、それを必要とする対象に投与することまたは摂取させることを含んでなる、対象の血中脂質の低減または血中脂質の上昇の抑制方法。
- 血中脂質の上昇抑制または低減のための、アドニルビン、アドニキサンチンおよびそれらの薬学的に許容可能な塩から選択される一種以上のカロテノイド。
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