JPWO2019097845A1 - シールリング - Google Patents

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Abstract

シールリングは、相対的に往復運動をする内周部材と外周部材のうち、いずれか一方に設けられた装着溝に装着されて着座し、いずれか他方にシール面を密接させて流体を密封する。シールリングは、ゴム状弾性体である内周側リングと外周側リングとの二部材の組み合わせによって構成されている。内周側リングと外周側リングとのうちシール面を有する一方の部材の方が、もう一方の部材よりも高い硬度に設定されている。内周側リングと外周側リングとの間の接触面上には、これらの内周側リングと外周側リングとの軸方向への位置ずれを規制する凹凸嵌合部が環状方向に沿って設けられている。

Description

本発明は、相対的に往復運動を行う内周部材と外周部材との間で流体を密封するために用いられるシールリングに関する。
自動車のAT(Automatic Transmission)やCVT(Continuously Variable Transmission)に用いられるクラッチには、OリングやDリングなどのシールリングが使用されている。シールリングは、受けた圧力を保持することによってクラッチの断続を実現させる。
図5は、特許文献1に記載されているシールリングの一例を示している。このシールリング100はゴム状弾性体からなり、軸心Oを通る平面で切断した断面形状が扁平なD字形に形成されている(図5中の左半分参照)。シールリング100は外径側へ膨らんだ円弧状断面をなすシール面101を外周に備え、軸心Oと直交する平面上に位置する両側の側面102と、円筒面状に形成されたシール内周面103とを有している。このようなシールリング100は、一般に「Dリング」と呼ばれている。
図6に示すように、シールリング100は、例えばクラッチ(全体を図示せず)の外周部材200と内周部材300との間に介在し、外周部材200と内周部材300との間を流れる流体を密封する。そのための構造の一例として、シールリング100は、内周部材300の外周面301に環状に形成された装着溝302に隙間を空けて装着され、この装着溝302から外径側へシール面101を突出させる。シール面101は、外周部材200の内周面201と摺動可能に密接する。
シールリング100は、装着溝302に嵌め込まれて溝底面302aにシール内周面103を着座させ、高圧空間H側に密封された作動油の圧力を受けることによって一方の側面102を装着溝302の内側面302bに密接させる。シール面101は、円弧状断面をなすことによって外周部材200の内周面201に対するシール面圧を局部的に高め、高圧空間Hから低圧空間Lへの作動油の漏れを防止する。
特開2011−163438号公報 特開平11−336908号公報
近年、低炭素化社会への移行を背景として、燃費の向上やエネルギーロスの低減が求められるようになってきている。ATやCVTの分野でも、シールリングが摺動する際の摺動抵抗を低減したいという要求が高まってきている。
シールリングの摺動抵抗を低減する手法としては、潰し代を低減するようにするか、低硬度ゴム材を使用するようにするという措置がとられている。ところが潰し代を低減する手法を採用した場合には、初期シール性が低下してしまったり、長期間の使用によってシール性能が劣化しやすくなってしまったりする。また低硬度ゴム材を使用するという手法を採用した場合には、耐久性が低下してしまう。
この点、特許文献2には、硬度が異なる二種類の部材を組み合わせたシールリング100が開示されている(特許文献2の図4参照)。このシールリング100は、図7に例示すように、内周部材300の装着溝302に着座する内周側リング100aと、この内周側リング100aの外周面に配置されて、外周部材200の内周面201にシール面101を密接させる外周側リング100bとによって構成されている。内周側リング100aは低硬度ゴム材を用いた低硬度部、外周側リング100bは高硬度ゴム材を用いた高硬度部である。
このような硬度が異なる二種類の部材を組み合わせたシールリング100によれば、シール面101を有する外周側リング100bの潰し代を低減することなく、また外周側リング100bに低硬度ゴム材を用いることなく、シールリングが摺動する際の摺動抵抗を低減することが可能になる。
ところが図8に示すように、特許文献2に記載されたようなシールリング100では、機器の組み付け状態や作動状態、圧力の影響などによって、内周側リング100aと外周側リング100bとの間に位置ずれが生ずることがある。
外周側リング100bよりも内周側リング100aの方が低圧空間L側にずれた場合(図8参照)、油圧の作用によって(矢印a,b)、外周側リング100bに浮き上がり方向(白抜き矢印参照)への力が加わる。すると外周部材200に対するシール面101の反力及びフリクションがともに増大してしまう。
反対に外周側リング100bが内周側リング100aよりも低圧空間L側にずれた場合には(図9参照)、油圧の作用によって(矢印a,b)、内周側リング100aに溝底面302aへの押し付け方向(白抜き矢印参照)の力が加わる。すると外周部材200に対するシール面101の反力及びフリクションがともに低下し、シール性能を損なってしまう。
以上説明したように、内周側リング100aと外周側リング100bとの間に軸方向への位置ずれが生じた場合、外周部材200に対するシール面101の反力及びフリクションが安定しないという現象が生ずるため、改善が求められる。
本発明の課題は、硬度が異なる二種類の部材を組み合わせたシールリングにおいて、二種類の部材の位置ずれに伴う相手面に対するシール面の反力及びフリクションの変動を防止することである。
本発明の一態様は、外周部材に対して相対的に往復運動をする内周部材に密接するゴム状弾性体である内周側リングと、前記内周側リングの外周面に配置されて前記外周部材に密接するゴム状弾性体である外周側リングとの二部材を有するリングと、一方の前記二部材に設けられ、前記内周部材と前記外周部材とのいずれか一方に設けられた装着溝に着座する着座面と、前記一方の二部材よりも硬度が高いもう一方の前記二部材に設けられ、前記内周部材と前記外周部材とのいずれか他方に密接するシール面と、前記内周側リングと前記外周側リングとの間の接触面上で環状方向に沿って設けられ、これらの内周側リングと外周側リングとの軸方向への位置ずれを規制する凹凸嵌合部とを備える。
本発明の別の一態様は、外周部材に対して相対的に往復運動をする内周部材に密接するゴム状弾性体である内周側リングと、前記内周側リングの外周面に配置されて前記外周部材に密接する前記内周側リングよりも硬度が高いゴム状弾性体である外周側リングと、前記内周側リングに設けられ、前記内周部材に設けられた装着溝に着座する着座面と、前記外周側リングに設けられ、前記外周部材に密接するシール面と、前記内周側リングと前記外周側リングとの間の接触面上で環状方向に沿って設けられ、これらの内周側リングと外周側リングとの軸方向への位置ずれを規制する凹凸嵌合部とを備える。
本発明によれば、内周側リングと外周側リングとの間の軸方向への位置ずれが凹凸嵌合部によって規制されるので、二種類の部材の位置ずれに伴う相手面に対するシール面の反力及びフリクションの変動を防止することができる。
本実施の形態のシールリングの一例を示す図で、左半分は軸心Oを通る平面で断面にした断面図、右半分は外観正面図。 往復動用シールリングの装着状態を、軸心Oを通る平面で断面にして示す半断面図。 各種のシールリングのシール面に生ずる反力の実験結果を示すグラフ。 各種のシールリングのシール面に生ずるフリクションの実験結果を示すグラフ。 従来のシールリングの一例を示す図で、左半分は軸心Oを通る平面で断面にした断面図、右半分は外観正面図。 往復動用シールリングの装着状態を、軸心Oを通る平面で断面にして示す半断面図。 従来のシールリングの一例として、硬度が異なる二種類の部材を組み合わせたシールリングの一例を示す図で、左半分は軸心Oを通る平面で断面にした断面図、右半分は外観正面図。 図7に示す往復動用シールリングの装着状態として、硬度が異なる二種類の部材が軸方向にずれている一態様を、軸心Oを通る平面で断面にして示す半断面図。 図7に示す往復動用シールリングの装着状態として、硬度が異なる二種類の部材が軸方向にずれている別の一態様を、軸心Oを通る平面で断面にして示す半断面図。
実施の一形態を図1ないし図4に基づいて説明する。本実施の形態は、自動車のAT(Automatic Transmission)やCVT(Continuously Variable Transmission)に用いられるクラッチに使用されるシールリングの一例である。
図1に示すように、本実施の形態のシールリング10はゴム状弾性材料からなり、軸心Oを通る平面で切断した断面形状が扁平なD字形を有している(図1中の左半分参照)。シールリング10は、硬度が異なる二種類の部材を組み合わせている。二部材のうちの一つは内周側リング10a、もう一つは外周側リング10bである。
内周側リング10aは、シールリング10の内周側を占める環状部材であり、後述する内周部材30の装着溝32(図2参照)に着座する。外周側リング10bは、内周側リング10aの外周面に配置されてシールリング10の外周側を占める環状部材であり、後述する外周部材20の内周面21にシール面11を密接させる。
これらの二種類の部材のうち、内周側リング10aは低硬度ゴム材を用いた低硬度部、外周側リング10bは高硬度ゴム材を用いた高硬度部である。つまり内周側リング10aと外周側リング10bとのうち、シール面11を有する側(外周側リング10b)の硬度の方が、装着溝32に装着されて着座する側(内周側リング10a)の硬度よりも高くなっている。
内周側リング10aと外周側リング10bとの間には、凹凸嵌合部12が設けられている。凹凸嵌合部12は、内周側リング10aの外周面に環状方向に沿って設けられた突条12aと、外周側リング10bの内周面に環状方向に沿って設けられた凹溝12bとによって形成されている。突条12aと凹溝12bとは、ともに内周側リング10a及び外周側リング10bの周方向の全周に設けられ、互いに嵌合する。したがって凹凸嵌合部12は、内周側リング10aと外周側リング10bとの軸方向への位置ずれを規制する。
内周側リング10aの内周面は、円筒面状に形成された着座面としてのシール内周面13である。外周側リング10bに設けられているシール面11は、外径側へ膨らんだ円弧状断面を備えている。内周側リング10a及び外周側リング10bは、軸心Oと直交する平面上に位置する両側に側面14を有している。側面14のうち、内周側リング10aが形成する部分は側面14a、外周側リング10bが形成する部分は側面14bである。
したがってシールリング10は、全体として「Dリング」の形態をなしている。
図2に示すように、シールリング10は、例えばクラッチ(全体を図示せず)の外周部材20と内周部材30との間に介在し、外周部材20と内周部材30との間を流れる流体を密封する。そのための構造の一例として、シールリング10は、内周部材30の外周面31に円環状に形成された装着溝32に隙間を空けて装着され、この装着溝32から外径側へシール面11を突出させる。シール面11は、外周部材20の内周面21と摺動可能に密接する。
シールリング10は、装着溝32に嵌め込まれて溝底面32aに着座面としてのシール内周面13を着座させ、高圧空間H側に密封された作動油の圧力を受けることによって側面14を装着溝32の内側面32bに密接させる。シール面11は、円弧状断面をなすことによって外周部材20の内周面21に対するシール面圧を局部的に高め、高圧空間Hから低圧空間Lへの作動油の漏れを防止する。
本実施の形態のシールリング10は、硬度が異なる二種類の部材を組み合わせ、内周側の内周側リング10aを低硬度部、外周側の外周側リング10bを高硬度部としている。このためシール面11を有する外周側リング10bの潰し代を低減することなく、また外周側リング10bに低硬度ゴム材を用いることなく、シールリング10が摺動する際の摺動抵抗を低減することが可能になる。
図8、図9に基づいて前述したように、硬度が異なる二種類の部材を組み合わせたシールリング、例えば図7に例示したようなシールリング100では、内周側リング100aと外周側リング100bとの間に位置ずれが生ずることがある。このとき外周側リング100bよりも内周側リング100aの方が低圧空間L側にずれた場合には(図8参照)、外周側リング100bに浮き上がる方向への力が加わる。反対に外周側リング100bが内周側リング100aよりも低圧空間L側にずれた場合には(図9参照)、内周側リング100aに溝底面302aへの押し付け方向(白抜き矢印参照)への力が加わる。したがって外周部材200に対するシール面101の反力及びフリクションの安定性が損なわれてしまう。
本実施の形態のシールリング10は、内周側リング10aと外周側リング10bとの間の位置ずれを凹凸嵌合部12が規制するため、内周側リング10aと外周側リング10bとの間に位置ずれを生じさせないようにすることができる。その結果、図8に例示するような外周側リング10bの浮き上がり、あるいは図9に例示するような内周側リング10aの押し付けに伴い発生する外周部材20に対するシール面11の反力及びフリクションの変動を防止することができ、シールリング10が摺動する際の摺動抵抗の安定性を維持することができる。
本実施の形態のシールリング10は、外周部材20に対して相対的に往復運動をする内周部材30に密接するゴム状弾性体である内周側リング10aと、内周側リング10aの外周面31に配置されて外周部材20に密接する内周側リング10aよりも硬度が高いゴム状弾性体である外周側リング10bとを備えている。内周側リング10aは、内周部材30に設けられた装着溝32に着座する着座面としてのシール内周面13を備えている。外周側リング10bは、外周部材20に密接するシール面11を備えている。シールリング10は、内周側リング10aと外周側リング10bとの間の接触面上で環状方向に沿って設けられ、これらの内周側リング10aと外周側リング10bとの軸方向への位置ずれを規制する凹凸嵌合部12を備えている。
別の実施の形態として、装着溝32は外周部材20に設けられていてもよい。この場合には、外周側リング10bの外周面に装着溝32に着座する着座面が設けられ、内周側リング10aの内周面にシール面11が設けられる。
さらに別の実施の形態として、内周側リング10aに凹凸嵌合部12の凹溝12bを設け、外周側リング10bに突条12aを設けるようにしてもよい。
実施に際しては、各種の変形や変更が許容される。
シール面11に対する反力を比較するために、六種類のシールリング10のモデルを想定し、有限要素法(FEM)による解析をした。いずれのモデルも製品内径φ50.5、潰し代0.2mmのアクリルゴムからなる。個々の仕様は、次の通りである。
(モデル1)
断面形状の部分の大きさが1.7×3.4(mm)で、硬度60の単一素材。
(モデル2)
断面形状の部分の大きさが1.7×3.4(mm)で、硬度70の単一素材。
(モデル3)
断面形状の部分の大きさが1.7×3.4(mm)で、硬度90の単一素材。
(モデル4)
内周側リングは、断面形状部分の大きさが1.7×1.7(mm)で、硬度60。
外周側リングは、断面形状部分の大きさが1.7×1.7(mm)で、硬度90。
(モデル5)
内周側リングは、断面形状部分の大きさが1.7×1.1(mm)で、硬度60。
外周側リングは、断面形状部分の大きさが1.7×2.3(mm)で、硬度90。
(モデル6)
内周側リングは、断面形状部分の大きさが1.7×2.3(mm)で、硬度60。
外周側リングは、断面形状部分の大きさが1.7×1.1(mm)で、硬度90。
図3は、外周部材20と内周部材30との間に密封された流体によって加えられる圧力が0MPaのときと2MPaのときとにおけるシール面11に生ずる反力の解析結果である。
単一素材のモデル(モデル1〜3)に関しては、硬度60のモデル1と硬度70のモデル2とにおいて、流体による圧力が0MPaのときにも2MPaのときにも大きな差がないのに対して、硬度90のモデル3では反力が大きく上昇することがわかる。
硬度が異なる二種類の部材を組み合わせたモデル(モデル4〜6)に関しては、外周側リング10bを硬度90としているにもかかわらず、硬度90の単一素材からなるモデル3と比較して、モデル4〜6のいずれも反力が大幅に低下している。反力の低下率は、流体による圧力が0MPaのときにも2MPaのときにも、モデル5、4、6の順に大きくなる。つまり低硬度ゴム材を用いた内周側リング10aの寸法比率が大きいほど、反力が低下する。
硬度が異なる二種類の部材を組み合わせたモデル(モデル4〜6)に関しては、硬度60の単一素材からなるモデル1、硬度70の単一素材からなるモデル2と比較しても、流体による圧力が2MPaのときには反力が低下する。つまりモデル4〜6では、流体の圧力の変動に対する反力の差が小さくなることがわかる。
以上の解析結果より、0.2mmという同一の潰し代であるにもかかわらず、硬度が異なる二種類の部材を組み合わせたモデル(モデル4〜6)は、単一素材のモデル(モデル1〜3)と比較して、シール面11に対する反力を低下させ得ることが明らかである。
つぎにシール面11に生ずるフリクションを比較するために、三種類のシールリング10のモデルを想定し、有限要素法(FEM)による解析をした。いずれのモデルも製品内径φ50.5、潰し代0.2mmのアクリルゴムからなる。個々の仕様は、次の通りである。
(モデル7)
断面形状の部分の大きさが1.7×3.4(mm)で、硬度70の単一素材。
(モデル8)
内周側リングは、断面形状部分の大きさが1.7×2.3(mm)で、硬度60。
外周側リングは、断面形状部分の大きさが1.7×1.1(mm)で、硬度90。
(モデル9)
内周側リングは、断面形状部分の大きさが1.7×2.3(mm)で、硬度60。
外周側リングは、断面形状部分の大きさが1.7×1.1(mm)で、硬度90。
内周側リングと外周側リングとの間に凹凸嵌合部。
図4は、外周部材20と内周部材30との間に密封された流体によって加えられる圧力が0MPaのときと2MPaのときとにおけるシール面11に生ずるフリクションの解析結果である。
流体によって加えられる圧力が0MPaのときには、モデル7〜9のいずれについても、シール面11に生ずるフリクションの値に差異が生じにくい。
流体によって加えられる圧力が2MPaになると、モデル8ではフリクションが急激に増大する。これは図8に例示したような現象、つまりシールリングが用いられる機器の作動状態や圧力の影響によって内周側リングと外周側リングとの間に位置ずれが生じ、外周側リングよりも内周側リングの方が低圧空間側にずれた場合、油圧の作用で、外周側リングに、内周側リングから浮き上がる方向に力が加わるという現象が生ずるからである。これによって外周部材に対するシール面のフリクションが増大する。
この点、モデル9について着目すると、モデル8と同様に、硬度が異なる二種類の部材を組み合わせたシールリングであるにもかかわらず、シール面11に生ずるフリクションがモデル8に比べて格段に低い。これは内周側リングと外周側リングとの間に凹凸嵌合部が介在し、これらの内周側リングと外周側リングとが軸方向に位置ずれしないからであると推察される。つまり図8に例示したような現象がそもそも発生しないため、外周側リングが浮き上がらないのである。
モデル9については、単一素材からなるモデル7と比較しても、シール面11に生ずるフリクションが低い。これは内周側リングの硬度が、モデル7の硬度70よりも低い硬度60であるからであると推察される。
以上の解析結果より、シール面11に生ずるフリクションに関して、モデル9の優位性が証明される。
10 シールリング
10a 内周側リング
10b 外周側リング
11 シール面
12 凹凸嵌合部
12a 突条
12b 凹溝
13 シール内周面(着座面)
14 側面
14a 側面
14b 側面
20 外周部材
21 内周面
30 内周部材
31 外周面
32 装着溝

Claims (4)

  1. 外周部材に対して相対的に往復運動をする内周部材に密接するゴム状弾性体である内周側リングと、前記内周側リングの外周面に配置されて前記外周部材に密接するゴム状弾性体である外周側リングとの二部材を有するリングと、
    一方の前記二部材に設けられ、前記内周部材と前記外周部材とのいずれか一方に設けられた装着溝に着座する着座面と、
    前記一方の二部材よりも硬度が高いもう一方の前記二部材に設けられ、前記内周部材と前記外周部材とのいずれか他方に密接するシール面と、
    前記内周側リングと前記外周側リングとの間の接触面上で環状方向に沿って設けられ、これらの内周側リングと外周側リングとの軸方向への位置ずれを規制する凹凸嵌合部と、
    を備えることを特徴とするシールリング。
  2. 前記凹凸嵌合部は、前記内周側リングと前記外周側リングとのいずれか一方に環状方向に沿って設けられた突条と、この突条が嵌り込むいずれか他方に環状方向に沿って設けられた凹溝とを有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシールリング。
  3. 外周部材に対して相対的に往復運動をする内周部材に密接するゴム状弾性体である内周側リングと、
    前記内周側リングの外周面に配置されて前記外周部材に密接する前記内周側リングよりも硬度が高いゴム状弾性体である外周側リングと、
    前記内周側リングに設けられ、前記内周部材に設けられた装着溝に着座する着座面と、
    前記外周側リングに設けられ、前記外周部材に密接するシール面と、
    前記内周側リングと前記外周側リングとの間の接触面上で環状方向に沿って設けられ、これらの内周側リングと外周側リングとの軸方向への位置ずれを規制する凹凸嵌合部と、
    を備えることを特徴とするシールリング。
  4. 前記凹凸嵌合部は、前記内周側リングに環状方向に沿って設けられた突条と、この突条が嵌り込む前記外周側リングに環状方向に沿って設けられた凹溝とを有する、
    ことを特徴とする請求項3に記載のシールリング。
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