JP6432670B2 - 密封装置及び密封構造 - Google Patents
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Description
軸の外周面側に設けられた環状溝に装着され、相対的に回転する前記軸とハウジングとの間の環状隙間を封止して、流体圧力が変化するように構成されたシール対象領域の流体圧力を保持する密封装置において、
外周面側に環状の装着溝が形成され、かつ前記環状溝における低圧側の側壁面に対して摺動する樹脂製の第1シールリングと、
軸線方向の幅が前記装着溝の溝幅よりも狭く構成されており、前記装着溝内に装着されて、前記装着溝の溝底面と、前記ハウジングにおける前記軸が挿通される軸孔の内周面とに対してそれぞれ密着する弾性体製の第2シールリングと、
を備えることを特徴とする。
外周面側に環状溝を備える軸と、
該軸が挿通される軸孔を備えるハウジングと、
前記環状溝に装着され、相対的に回転する前記軸とハウジングとの間の環状隙間を封止して、流体圧力が変化するように構成されたシール対象領域の流体圧力を保持する密封装置と、を備える密封構造において、
前記密封装置は、
外周面側に環状の装着溝が形成され、かつ前記環状溝における低圧側の側壁面に対して摺動する樹脂製の第1シールリングと、
軸線方向の幅が前記装着溝の溝幅よりも狭く構成されており、前記装着溝内に装着されて、前記装着溝の溝底面と、前記軸孔の内周面とに対してそれぞれ密着する弾性体製の第2シールリングと、
を備えることを特徴とする。
図1〜図3を参照して、本発明の実施例1に係る密封装置について説明する。図1は本発明の実施例1に係る密封装置の概略図である。図1においては、左側に密封装置の平面図を示し、右側に密封装置を外周面側から見た図の一部拡大図を示している。図2は本発明の実施例1に係る密封装置の模式的断面図である。なお、図2は図1中のAA断面図に相当する。ただし、図2においては、密封装置を構成する第1シールリング110及び第2シールリング120の寸法関係が分かり易いように、これらのシールリングについては外力がかかっていない状態における断面図を示している。従って、第1シールリング110と第2シールリング120は一部重なった状態で示されている。また、図2においては、密封装置が装着される軸200及びハウジング300についても、各シールリングとの寸法関係が分かり易いように点線で示している。図3は本発明の実施例1に係る密封構造の模式的断面図である。
本発明の実施例に係る密封装置100の構成について説明する。本実施例に係る密封装置100は、軸200の外周面側に設けられた環状溝210に装着され、相対的に回転する軸200とハウジング300(ハウジング300における軸200が挿通される軸孔310の内周面)との間の環状隙間を封止する。これにより、密封装置100は、流体圧力(本実施例では油圧)が変化するように構成されたシール対象領域の流体圧力を保持する。ここで、本実施例においては、図3中の右側の領域の流体圧力が変化するように構成されており、密封装置100は図3中右側のシール対象領域の流体圧力を保持する役割を担っている。なお、自動車のエンジンが停止した状態においては、シール対象領域の流体圧力は低く、無負荷の状態となっており、エンジンをかけるとシール対象領域の流体圧力は高くなる。
特に、図2を参照して、外力が作用していない状態における密封装置100と軸200とハウジング300との寸法関係について説明する。第1シールリング110の内径は、環状溝210における溝底面における外径よりも大きい。また、第1シールリング110の外径は、ハウジング300の軸孔310の内周面の内径よりも小さい。従って、第1シールリング110の内周面は軸200の環状溝210の溝底面には接触せず、第1シールリング110の外周面はハウジング300の軸孔310の内周面にも接触しない。また、第1シールリング110の幅(軸線方向の幅)は、環状溝210の溝幅よりも狭い。従って、第1シールリング110は、環状溝210内において、軸線方向に移動可能である。
特に、図3を参照して、本実施例に係る密封装置100の使用時のメカニズムについて説明する。なお、図3においては、エンジンがかかり、密封装置100を介して、左側の領域に比べて右側の領域の流体圧力の方が高くなった状態を示している。
本実施例に係る密封装置100によれば、上記の通り、第2シールリング120は、装着溝111の溝底面111aと、ハウジング300における軸孔310の内周面とに対してそれぞれ密着する。そのため、流体圧力が作用してない(差圧が生じていない)、または流体圧力が殆ど作用していない(差圧が殆ど生じていない)状態においても、第1シールリング110と軸孔310との間は第2シールリング120により封止されている。これにより、第1シールリング110が環状溝210における低圧側(L)の側壁面211に密着した状態を維持する限り、封止機能が発揮される。従って、シール対象領域の流体圧力が高まりだした直後から流体圧力を保持させることができる。つまり、アイドリングストップ機能を有するエンジンにおいては、エンジン停止状態から、ブレーキペダルが解除されたり、アクセルが踏み込まれたりすることでエンジンが始動することによって、シール対象領域側の油圧が高まりだした直後から油圧を保持させることができる。
図4には、本発明の実施例2が示されている。本実施例においては、上記実施例1に示す構成において、第1シールリングの両側面の内周面側に環状の切り欠きを設けることによって、第1シールリングの軸線方向の幅について、外周面側よりも内周面側の方が狭く構成される場合を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図5には、本発明の実施例3が示されている。本実施例においては、上記実施例1に示す構成において、第1シールリングの両側面をテーパ面にすることによって、第1シールリングの軸線方向の幅について、外周面側よりも内周面側の方が狭く構成される場合を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図6〜図11には、本発明の実施例4が示されている。本実施例においては、上記実施例1に示す第1シールリングに対して合口部を設ける場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図12〜14には、本発明の実施例5が示されている。本実施例においては、上記実施例1に示す構成において、第1シールリングに、装着溝の溝底面から第1シールリングの内周面に至る貫通孔が設けられる場合を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図15には、本発明の実施例6が示されている。本実施例においては、上記実施例1に示す構成において、第1シールリングにおける装着溝の溝底面に、径方向内側に凹んだ凹部が設けられる場合を示す。なお、本実施例は、上記実施例5に示す構成において、第1シールリングに設けられた貫通孔に替えて、装着溝の溝底面に径方向内側に凹んだ凹部が設けられた実施例とも捉えることができる。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
110,110X 第1シールリング
111 装着溝
111a 溝底面
112 側面
113 切り欠き
114 テーパ面
115 内周面
116 貫通孔
117 凹部
120 第2シールリング
150 合口部
151 第1嵌合凸部
152 第2嵌合凸部
153 第2嵌合凹部
154 第1嵌合凹部
155,156 端面
200 軸
210 環状溝
211 側壁面
300 ハウジング
310 軸孔
Claims (13)
- 軸の外周面側に設けられた環状溝に装着され、相対的に回転する前記軸とハウジングとの間の環状隙間を封止して、流体圧力が変化するように構成されたシール対象領域の流体圧力を保持する密封装置において、
外周面側に環状の装着溝が形成され、かつ前記環状溝における低圧側の側壁面に対して摺動する樹脂製の第1シールリングと、
軸線方向の幅が前記装着溝の溝幅よりも狭く構成されており、前記装着溝内に装着されて、前記装着溝の溝底面と、前記ハウジングにおける前記軸が挿通される軸孔の内周面とに対してそれぞれ密着する弾性体製の第2シールリングと、
を備えることを特徴とする密封装置。 - 第1シールリングの軸線方向の幅は、外周面側よりも内周面側の方が狭く構成されていることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
- 第1シールリングには、前記装着溝の溝底面から第1シールリングの内周面に至る貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の密封装置。
- 第1シールリングにおける前記装着溝の溝底面には、径方向内側に凹んだ凹部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の密封装置。
- 第1シールリングは、無端状の環状部材により構成されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の密封装置。
- 第1シールリングの周方向の1箇所には合口部が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の密封装置。
- 外周面側に環状溝を備える軸と、
該軸が挿通される軸孔を備えるハウジングと、
前記環状溝に装着され、相対的に回転する前記軸とハウジングとの間の環状隙間を封止して、流体圧力が変化するように構成されたシール対象領域の流体圧力を保持する密封装置と、を備える密封構造において、
前記密封装置は、
外周面側に環状の装着溝が形成され、かつ前記環状溝における低圧側の側壁面に対して摺動する樹脂製の第1シールリングと、
軸線方向の幅が前記装着溝の溝幅よりも狭く構成されており、前記装着溝内に装着されて、前記装着溝の溝底面と、前記軸孔の内周面とに対してそれぞれ密着する弾性体製の第2シールリングと、
を備えることを特徴とする密封構造。 - 第2シールリングにおける前記軸孔の内周面に対する摺動抵抗よりも、第1シールリングにおける前記環状溝における低圧側の側壁面に対する摺動抵抗の方が小さいことを特徴とする請求項7に記載の密封構造。
- 第1シールリングの軸線方向の幅は、外周面側よりも内周面側の方が狭く構成されていることを特徴とする請求項8に記載の密封構造。
- 第1シールリングには、前記装着溝の溝底面から第1シールリングの内周面に至る貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項7から9の何れか1項に記載の密封構造。
- 第1シールリングにおける前記装着溝の溝底面には、径方向内側に凹んだ凹部が設けられていることを特徴とする請求項7から9の何れか1項に記載の密封構造。
- 第1シールリングは、無端状の環状部材により構成されていることを特徴とする請求項7から11の何れか1項に記載の密封構造。
- 第1シールリングの周方向の1箇所には合口部が設けられていることを特徴とする請求項7から11の何れか1項に記載の密封構造。
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