以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る走行支援装置10の構成例を示すブロック図である。走行支援装置10は、車両に搭載される。また、走行支援装置10は、同じ車両に搭載されたナビゲーション装置1に接続される。
走行支援装置10は、車両位置取得部11、視認地点記憶部12、視認地点取得部13、視線検出部14、見落とし地点収集部15、見落とし地点記憶部16、情報提示部17、及び制御部18を備える。なお、視認地点記憶部12及び見落とし地点記憶部16は、走行支援装置10が備えてもよいし、走行支援装置10以外の装置が備えてもよい。
車両位置取得部11は、車両の位置情報を取得し、位置情報を制御部18へ出力する。車両位置取得部11は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機が受信したGPS信号を用いて位置情報を算出してもよいし、移動基地局から位置情報を取得してもよいし、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントから位置情報を取得してもよい。
視認地点記憶部12は、交差点において運転者が視認すべき地点を表す視認地点の情報を、交差点ごとに記憶している。図2は、実施の形態1において交差点101と視認地点111〜115との位置関係の一例を示す図である。図2において、車両100が交差点101を右折する際の視認地点111〜115は、星印(☆)で示される。実施の形態1では、車両100の運転者が右折時に視認地点111〜115のうちの少なくとも1つを視認しなかった場合、視認地点111〜115の全てが見落とし地点となる。なお、図2は右折時の視認地点の一例であり、左折時の視認地点及び地点数は異なる。また、交差点101の形状、例えば車線数、道路幅、又は右折レーンの有無に応じて、視認地点及び地点数は異なってもよい。また、視認地点記憶部12は、交差点の位置情報と視認地点を示す情報とを記憶していてもよいし、交差点の位置情報を含む地図情報と視認地点を示す情報とを記憶していてもよい。
視認地点取得部13は、制御部18を経由して、車両位置取得部11から車両の位置情報を取得する。視認地点取得部13は、車両の位置情報に基づいて車両が走行する交差点における視認地点の情報を、視認地点記憶部12から取得し、取得した視認地点の情報を制御部18へ出力する。
視線検出部14は、車両の運転者の視線方向、又は焦点が合ったか否か等を検出し、視線方向等を示す視線情報を制御部18へ出力する。視線検出部14は、例えばカメラを備え、このカメラが撮像した運転者の画像を処理して視線方向等を検出する。
見落とし地点収集部15は、制御部18を経由して、視線検出部14から視線情報を取得すると共に、視認地点取得部13から視認地点の情報を取得する。見落とし地点収集部15は、運転者の視線方向、又は焦点が合った時間等に基づいて、運転者が交差点を走行する際に視認地点を視認したか否かを判定する。見落とし地点収集部15は、運転者が交差点における1つ以上の視認地点のうちの少なくとも1つの視認地点を見落とした場合に、この交差点における1つ以上の視認地点すべてを見落とし地点として収集する。見落とし地点収集部15は、この交差点における見落とし地点の情報を、見落とし地点記憶部16に記憶させる。
見落とし地点記憶部16は、見落とし地点収集部15により収集された見落とし地点の情報を、交差点ごとに記憶する。
情報提示部17は、制御部18を経由して、車両位置取得部11から位置情報を取得する。情報提示部17は、見落とし地点記憶部16を参照して位置情報と合う交差点における見落とし地点の情報を取得する。情報提示部17は、見落とし地点の情報を、制御部18を経由してナビゲーション装置1へ出力する。
制御部18は、車両位置取得部11、視認地点取得部13、視線検出部14、見落とし地点収集部15、情報提示部17、及びナビゲーション装置1の間での情報の授受を制御する。
ナビゲーション装置1は、走行支援装置10から受け取った見落とし地点の情報を、運転者に提示する。なお、図1における走行支援装置10の情報提示部17は、ナビゲーション装置1を用いて情報提示を行う構成であるが、インストルメントパネル、ヘッドアップディスプレイ、車載端末、音声出力装置、又は路面照射装置等を用いて情報提示を行う構成であってもよい。見落とし地点の情報の提示方法は後述する。
次に、図2を参照して、走行支援装置10の動作を説明する。
図3は、実施の形態1に係る走行支援装置10における見落とし地点の収集例を示すフローチャートである。走行支援装置10は、車両100の走行中、図3のフローチャートに示される動作を繰り返す。なお、図3及び後述する図4において、制御部18の動作説明を省略する。
ステップST11において、車両位置取得部11は、車両の位置情報を取得する。
ステップST12において、視認地点取得部13は、視認地点記憶部12に記憶されている交差点の位置情報を参照し、車両位置取得部11により取得された車両の位置情報に基づいて、車両が交差点に接近しているか否かを判定する。視認地点取得部13は、車両が交差点に接近している場合(ステップST12“YES”)、ステップST13へ進み、それ以外の場合(ステップST12“NO”)、ステップST11へ戻る。なお、視認地点取得部13は、車両の位置情報に加え、ナビゲーション装置1に設定されている走行予定経路又は走行履歴等の情報を用いて、車両が接近している交差点を推測してもよい。
ステップST13において、視認地点取得部13は、車両が接近している交差点における視認地点の情報を、視認地点記憶部12から取得する。
ステップST14において、視線検出部14は、車両の運転者の視線情報を検出する。
ステップST15において、見落とし地点収集部15は、視線検出部14により検出された運転者の視線情報と、視認地点取得部13により取得された交差点の視認地点の情報とに基づいて、運転者が交差点を走行する際に視認地点を視認したか否かを判定する。見落とし地点収集部15は、交差点における1つ以上の視認地点のうち、運転者が視認しなかった視認地点が1つ以上ある場合(ステップST15“YES”)、ステップST16へ進み、運転者がすべての視認地点を視認した場合(ステップST15“NO”)、図3のフローチャートに示される動作を終了する。
ステップST16において、見落とし地点収集部15は、交差点における1つ以上の視認地点のうち、運転者が視認しなかった視認地点が1つ以上ある場合、この交差点における全ての視認地点を、見落とし地点として収集する。見落とし地点収集部15は、交差点の位置情報と見落とし地点の情報とを、見落とし地点記憶部16に記憶させる。
図4は、実施の形態1に係る走行支援装置10における見落とし地点の提示例を示すフローチャートである。走行支援装置10は、車両100の走行中、図3のフローチャートに示される動作を繰り返すのと並行して、図4のフローチャートに示される動作を繰り返す。
ステップST21において、車両位置取得部11は、車両の位置情報を取得する。
ステップST22において、情報提示部17は、見落とし地点記憶部16に記憶されている交差点の位置情報を参照し、車両位置取得部11により取得された車両の位置情報に基づいて、車両が交差点に接近しているか否かを判定する。情報提示部17は、車両が交差点に接近している場合(ステップST22“YES”)、ステップST23へ進み、それ以外の場合(ステップST22“NO”)、ステップST21へ戻る。なお、情報提示部17は、車両の位置情報に加え、ナビゲーション装置1に設定されている走行予定経路又は走行履歴等の情報を用いて、車両が接近している交差点を推測してもよい。
ステップST23において、情報提示部17は、車両が接近している交差点における見落とし地点の情報を、見落とし地点記憶部16から取得する。
ステップST24において、情報提示部17は、見落とし地点記憶部16から取得した見落とし地点の情報をナビゲーション装置1へ出力し、ナビゲーション装置1に見落とし地点の提示を開始させる。
ステップST25において、情報提示部17は、見落とし地点の視認有無の判定を、視認地点取得部13に指示する。この指示を受けた視認地点取得部13は、交差点を走行する際の運転者の視線情報を、視線検出部14から取得する。また、視認地点取得部13は、視線検出部14により検出された運転者の視線情報と、情報提示部17により見落とし地点記憶部16から取得した交差点の見落とし地点の情報とに基づいて、運転者が交差点を走行する際に全ての見落とし地点を視認したか否かを判定する。また、視認地点取得部13は、車両位置取得部11により取得された車両の位置情報に基づいて、車両が交差点を走行し終えたか否かを判定する。視認地点取得部13は、運転者が交差点における全ての見落とし地点を視認した場合、かつ、車両が交差点を走行し終えた場合(ステップST25“YES”)、ステップST26へ進み、それ以外の場合(ステップST25“NO”)、ステップST25へ戻る。
ステップST26において、情報提示部17は、ナビゲーション装置1に指示し、見落とし地点の提示を終了させる。なお、情報提示部17は、運転者が全ての見落とし地点を視認した場合に全ての見落とし地点の提示を終了させてもよいし、運転者が見落とし地点を1つ視認するごとに視認済みの見落とし地点の提示を終了させてもよい。
次に、見落とし地点の提示方法の例を説明する。
例えば、ナビゲーション装置1は、制御部18からの指示に従い、見落とし地点の情報をディスプレイに表示する。ナビゲーション装置1は、例えば、図2に示されるように地図上の交差点に見落とし地点を示す星印等の図形を重畳させた画面を表示する。また、例えば、ナビゲーション装置1は、見落とし地点の方向をディスプレイに表示してもよい。また、ナビゲーション装置1は、「右斜め前」等の見落とし地点を説明する音声をスピーカから出力させてもよい。また、ナビゲーション装置1は、通知音をスピーカから出力することによって、見落とし地点の視認を運転者に促してもよい。
なお、上記例では、情報提示部17が、ナビゲーション装置1のディスプレイに、見落とし地点を表す画面を表示させるが、見落とし地点の提示方法はこれに限定されない。例えば、情報提示部17は、インストルメントパネルのディスプレイに、見落とし地点を表す画面を表示させてもよい。また、情報提示部17は、ヘッドアップディスプレイに見落とし地点を表す図形等を投影させることによって、実際の景色に見落とし地点を表す図形等が重なって見えるようにしてもよい。また、情報提示部17は、ナビゲーション装置1、インストルメントパネル、及びヘッドアップディスプレイ以外の車載端末に、見落とし地点を提示させてもよい。また、情報提示部17は、車両の外側に設置された路面照射装置が発する光を、交差点における見落とし地点に相当する路面に対して照射させてもよい。
また、情報提示部17は、車両に搭載された、又は車両に持ち込まれた音声出力装置に、見落とし地点を説明する音声または通知音を出力させてもよい。なお、指向性のある音声出力装置が車室内に複数存在する場合、情報提示部17は、見落とし地点に近い音声出力装置から運転者へ向けて音声または通知音を出力させることによって、運転者に見落とし地点の方向を直感的に理解させてもよい。
以上のように、実施の形態1に係る走行支援装置10は、車両位置取得部11と、視認地点取得部13と、視線検出部14と、見落とし地点収集部15と、情報提示部17とを備える。車両位置取得部11は、走行支援装置10が搭載された車両の位置情報を取得する。視認地点取得部13は、交差点において運転者が視認すべき地点を表す視認地点の情報を記憶している視認地点記憶部12から、車両位置取得部11により取得された位置情報に基づいて車両が走行する交差点における視認地点の情報を取得する。視線検出部14は、車両の運転者の視線情報を検出する。見落とし地点収集部15は、視線検出部14により検出された運転者の視線情報と視認地点取得部13により取得された交差点の視認地点の情報とに基づいて運転者が交差点を走行したときに見落とした視認地点を判定し、見落とし地点として収集する。情報提示部17は、見落とし地点収集部15により収集済みの見落とし地点を、車両が交差点を走行する場合に提示する。このように、走行支援装置10は、運転者が過去に走行した交差点において視認地点の見落としがあった場合、次回走行時にその視認地点を見落とし地点として提示するため、運転者ごとに優先して視認すべき地点を提示することができる。
また、実施の形態1の情報提示部17は、ナビゲーション装置1、インストルメントパネル、ヘッドアップディスプレイ、車載端末、音声出力装置、又は路面照射装置のうちの少なくとも1つを用いて、見落とし地点収集部15により収集済みの見落とし地点を提示する。この構成により、走行支援装置10は、運転者が過去に走行した交差点において視認地点の見落としがあった場合、次回走行時に見落とし地点を、運転者に対して分かりやすく提示することができる。また、情報提示部17が路面照射装置を用いる場合、運転者が見落としやすい地点を、運転者だけでなく、歩行者等の交差点を横断する交通参加者に対しても提示することができる。運転者が視認していない地点が照射されるため、交通参加者は、その車両により注意を向けること、及び照射された地点を避けて通行することで危険回避することが可能である。
実施の形態2.
図5は、実施の形態2に係る走行支援システムの構成例を示すブロック図である。図5において図1と同一又は相当する部分は、同一の符号を付し説明を省略する。実施の形態2に係る走行支援システムは、車両に搭載された走行支援装置10と、車外に構築されたサーバ装置50とを含む。なお、図5では、1つのサーバ装置50に対して、1台の車両に搭載された1つの走行支援装置10が接続されているが、これに限定されず、複数台の車両に搭載された複数の走行支援装置10が接続される。
走行支援装置10は、車両位置取得部11、視認地点取得部13、視線検出部14、見落とし地点収集部15、情報提示部17、制御部18、及び通信部19を備える。通信部19は、無線LAN、又は、3G若しくは4G等の移動通信網を経由して、サーバ装置50と通信する。実施の形態2の視認地点取得部13は、制御部18及び通信部19を経由して、サーバ装置50の視認地点記憶部52から視認地点の情報を取得する。また、実施の形態2の見落とし地点収集部15は、収集した見落とし地点の情報を、制御部18及び通信部19を経由して、サーバ装置50の見落とし地点記憶部56に記憶させる。
サーバ装置50は、視認地点記憶部52、見落とし地点記憶部56、制御部58、及び通信部59を備える。視認地点記憶部52は、交差点において運転者が視認すべき地点を表す視認地点の情報を、交差点ごとに記憶している。見落とし地点記憶部56は、見落とし地点の情報を、交差点ごとに記憶している。制御部58は、視認地点記憶部52、見落とし地点記憶部56、及び通信部59の間での情報の授受を制御する。通信部59は、無線LAN、又は、3G若しくは4G等の移動通信網を経由して、走行支援装置10と通信する。
図6は、実施の形態2に係る走行支援システムにおける見落とし地点の収集例を示すフローチャートである。図6のステップST11,ST14,ST15は、図3のステップST11,ST14,ST15と同じ動作であるため、説明を省略する。
ステップST12Aにおいて、視認地点取得部13は、制御部18を経由してナビゲーション装置1が保有している地図情報を参照し、車両位置取得部11により取得された車両の位置情報に基づいて、車両が交差点に接近しているか否かを判定する。視認地点取得部13は、車両が交差点に接近している場合(ステップST12A“YES”)、ステップST13Aへ進み、それ以外の場合(ステップST12A“NO”)、ステップST11へ戻る。なお、実施の形態1と同様に、視認地点取得部13は、車両の位置情報に加え、ナビゲーション装置1に設定されている走行予定経路又は走行履歴等の情報を用いて、車両が接近している交差点を推測してもよい。
ステップST13Aにおいて、視認地点取得部13は、車両が接近している交差点における視認地点の情報の送信を要求する送信要求を、制御部18を経由して通信部19からサーバ装置50へ送信する。サーバ装置50の通信部59が走行支援装置10からの送信要求を受信すると、制御部58は、車両が接近している交差点における視認地点の情報を、視認地点記憶部52から取得する。制御部58により取得された視認地点の情報は、通信部59から走行支援装置10へ送信され、通信部19により受信され、制御部18を経由して視認地点取得部13へ渡る。
ステップST16Aにおいて、見落とし地点収集部15は、交差点における1つ以上の視認地点のうち、運転者が視認しなかった視認地点が1つ以上ある場合、この交差点における全ての視認地点を、見落とし地点として収集する。見落とし地点収集部15は、交差点の位置情報と見落とし地点の情報とを、制御部18を経由して通信部19からサーバ装置50へ送信する。サーバ装置50の通信部59が走行支援装置10からの情報を受信すると、制御部58は、交差点の位置情報と見落とし地点の情報とを、見落とし地点記憶部56に記憶させる。
図7は、実施の形態2に係る走行支援システムにおける見落とし地点の提示例を示すフローチャートである。図7のステップST21,ST24,ST25,ST26は、図4のステップST21,ST24,ST25,ST26と同じ動作であるため、説明を省略する。
ステップST22Aにおいて、情報提示部17は、制御部18を経由してナビゲーション装置1が保有している地図情報を参照し、車両位置取得部11により取得された車両の位置情報に基づいて、車両が交差点に接近しているか否かを判定する。情報提示部17は、車両が交差点に接近している場合(ステップST22A“YES”)、ステップST23Aへ進み、それ以外の場合(ステップST22A“NO”)、ステップST21へ戻る。なお、実施の形態1と同様に、情報提示部17は、車両の位置情報に加え、ナビゲーション装置1に設定されている走行予定経路又は走行履歴等の情報を用いて、車両が接近している交差点を推測してもよい。
ステップST23Aにおいて、情報提示部17は、車両が接近している交差点における見落とし地点の情報の送信を要求する送信要求を、制御部18を経由して通信部19からサーバ装置50へ送信する。サーバ装置50の通信部59が走行支援装置10からの送信要求を受信すると、制御部58は、見落とし地点記憶部56に記憶されている位置情報を参照し、車両が接近している交差点における見落とし地点の情報を、見落とし地点記憶部56から取得する。制御部58により取得された視認地点の情報は、通信部59から走行支援装置10へ送信され、通信部19により受信され、制御部18を経由して情報提示部17へ渡る。走行支援装置10の情報提示部17は、サーバ装置50から取得した見落とし地点の情報を用いて、ナビゲーション装置1に提示を行わせる。
以上のように、実施の形態2に係る走行支援システムは、走行支援装置10とサーバ装置50とを備える。サーバ装置50は、通信部59と見落とし地点記憶部56とを備える。通信部59は、走行支援装置10により収集された見落とし地点を、走行支援装置10から受信する。見落とし地点記憶部56は、走行支援装置10から受信した見落とし地点を予め定められた条件に基づいて分類して記憶する。走行支援装置10は、サーバ装置50の見落とし地点記憶部56に記憶されている見落とし地点を、サーバ装置50から受信する通信部19を備える。そして、走行支援装置10の情報提示部17は、サーバ装置50から受信した見落とし地点を、車両が交差点を走行する場合に提示する。この構成により、走行支援装置10は、ある運転者が過去に走行した交差点において視認地点の見落としがあった場合、次回走行時にその視認地点を見落とし地点として提示することができる。また、サーバ装置50が、複数の走行支援装置10により収集された見落とし地点の情報を管理するため、走行支援装置10は、ある運転者が過去に走行したことのない交差点を走行する場合に、他の運転者の見落とし地点の情報を参考にして見落としやすい地点を提示することができる。
実施の形態3.
図8は、実施の形態3に係る走行支援システムの構成例を示すブロック図である。図8において図5と同一又は相当する部分は、同一の符号を付し説明を省略する。実施の形態3において、見落とし地点は、運転者の状態、運転技能、性別、又は年齢のうちの少なくとも1つに基づいて分類される構成である。
走行支援装置10は、運転者状態判定部20を備える。運転者状態判定部20は、車両走行中の運転者の状態を判定する。運転者状態判定部20は、例えば、視線検出部14により検出される視線情報に基づいて、運転者が通常の状態か、脇見運転をしている状態か、居眠り運転をしている状態か、注意散漫な状態か等を判定する。運転者状態判定部20は、判定した運転者状態の情報を、制御部18へ出力する。
運転者は、図示しない入力装置等を操作して、例えば、運転技能、性別、又は年齢のうちの少なくとも1つの情報を走行支援装置10の制御部18に入力する。見落とし地点収集部15は、図示しない入力装置等から入力された運転者の運転技能、性別、又は年齢のうちの少なくとも1つの情報を、制御部18を経由して取得する。なお、ナビゲーション装置1が上記入力装置として用いられてもよい。
次に、実施の形態3に係る走行支援システムの動作を説明する。
実施の形態3の走行支援システムにおける見落とし地点の収集例は、実施の形態2の図6に示されるフローチャートの動作と基本的には同じである。以下では、実施の形態3の動作のうち、実施の形態2とは異なる動作のみ抜粋して説明する。
図6のフローチャートに示されるステップST16Aにおいて、走行支援装置10の見落とし地点収集部15は、制御部18を経由して、運転者状態判定部20から運転者状態の情報を取得する。また、見落とし地点収集部15は、図示しない入力装置等から入力された運転者の運転技能、性別、又は年齢のうちの少なくとも1つの情報を、制御部18を経由して取得する。図9は、実施の形態3に係る走行支援装置10において、見落とし地点の情報に付与される情報の例を示す図である。見落とし地点収集部15は、交差点の位置情報と見落とし地点の情報とに対して、運転者状態、運転技能、性別、又は年齢のうちの少なくとも1つの情報を付与し、制御部18及び通信部19を経由してサーバ装置50へ送信する。
サーバ装置50の制御部58は、通信部59を経由して走行支援装置10の見落とし地点収集部15から、運転者状態、運転技能、性別、又は年齢のうちの少なくとも1つの情報が付与された交差点の位置情報及び見落とし地点の情報を受け取る。制御部58は、交差点における見落とし地点の情報を、この見落とし地点の情報に付与されている運転者状態、運転技能、性別、又は年齢のうちの少なくとも1つの情報に基づいて分類し、見落とし地点記憶部56に記憶させる。
実施の形態3の走行支援システムにおける見落とし地点の提示例は、実施の形態2の図7に示されるフローチャートの動作と基本的には同じである。以下では、実施の形態3の動作のうち、実施の形態2とは異なる動作のみ抜粋して説明する。
図7のフローチャートに示されるステップST23Aにおいて、走行支援装置10の情報提示部17は、車両が接近している交差点における見落とし地点の情報の送信を要求する送信要求を、制御部18を経由して通信部19からサーバ装置50へ送信する。その際、情報提示部17は、制御部18を経由して、運転者状態、運転技能、性別、又は年齢のうちの少なくとも1つの情報を取得し、送信要求に含める。
サーバ装置50の通信部59が走行支援装置10からの送信要求を受信すると、制御部58は、車両が接近している交差点における見落とし地点の情報を、見落とし地点記憶部56から取得する。さらに、制御部58は、見落とし地点記憶部56から取得した見落とし地点の情報のうち、送信要求に含まれる運転者状態、運転技能、性別、又は年齢のうちの少なくとも1つの情報に一致する情報が付与された見落とし地点の情報を選択する。なお、制御部58は、見落とし地点記憶部56から取得した見落とし地点の情報のうち、送信要求に含まれる運転者状態、運転技能、性別、及び年齢の情報に一致する情報が付与された見落とし地点の情報を選択してもよいし、送信要求に含まれる運転者状態、運転技能、性別、及び年齢の情報と最も適合する情報が付与された見落とし地点の情報を選択してもよい。制御部58は、選択した見落とし地点の情報を、制御部58及び通信部59を経由して走行支援装置10へ送信する。
以上のように、実施の形態3の見落とし地点記憶部56に記憶される見落とし地点は、運転者の状態、運転技能、性別、又は年齢のうちの少なくとも1つに基づいて分類される。車両が接近している交差点に対して見落とし地点の情報がサーバ装置50に数多く存在する場合、走行支援装置10は、運転者状態、運転技能、性別、又は年齢のように運転者の属性が同一の見落とし地点の情報を優先して提示する。これにより、より精度の高い見落とし地点、つまり車両の運転者にとって見落とす可能性の高い見落とし地点を提示することができる。
なお、実施の形態3において、見落とし地点収集部15は、運転者が通常ではない状態のときに見落とし地点を収集しないようにしてもよい。あるいは、情報提示部17は、運転者が通常ではない状態のときに収集された見落とし地点を提示しないようにしてもよい。これらの構成により、走行支援装置10は、運転者が交差点を走行するときの本来の見落とし地点のみを扱うことができる。
なお、実施の形態3では、サーバ装置50の見落とし地点記憶部56に記憶される見落とし地点の情報が、運転者状態、運転技能、性別、又は年齢のうちの少なくとも1つの情報に基づいて分類されたが、これに限定されるものではない。例えば、実施の形態1に係る走行支援装置10の見落とし地点記憶部16に記憶される見落とし地点の情報が、運転者状態、運転技能、性別、又は年齢のうちの少なくとも1つの情報に基づいて分類されてもよい。
実施の形態4.
実施の形態4に係る走行支援システムの構成は、実施の形態2の図5に示した構成と図面上は同一であるため、以下では図5を援用する。実施の形態4において、見落とし地点は、運転者が交差点を走行する場合に視認地点を視認したか否かに基づいて分類される構成である。
図10は、実施の形態4において交差点101と視認地点121〜125との位置関係の一例を示す図である。図示例では、視認地点121は星印(☆)、視認地点122は丸印(〇)、視認地点123は二重丸印(◎)、視認地点124は四角印(□)、視認地点125は三角印(△)で示される。
次に、実施の形態4に係る走行支援システムの動作を説明する。
実施の形態4の走行支援システムにおける見落とし地点の収集例は、実施の形態2の図6に示されるフローチャートの動作と基本的には同じである。以下では、実施の形態4の動作のうち、実施の形態2とは異なる動作のみ抜粋して説明する。
図6のフローチャートに示されるステップST16Aにおいて、走行支援装置10の見落とし地点収集部15は、交差点における1つ以上の視認地点のうち、運転者が視認しなかった視認地点が1つ以上ある場合、この交差点における全ての視認地点を、見落とし地点として収集する。その際、見落とし地点収集部15は、運転者が視認した視認地点を視認済みの見落とし地点に分類し、運転者が視認しなかった視認地点を未視認の見落とし地点に分類する。図11は、実施の形態4において視認有無に基づいて分類された見落とし地点の例を説明する図である。見落とし地点収集部15は、交差点の位置情報と見落とし地点ごとの視認有無を示す情報とを、制御部18及び通信部19を経由してサーバ装置50へ送信する。
サーバ装置50の制御部58は、通信部59を経由して走行支援装置10の見落とし地点収集部15から、交差点の位置情報と見落とし地点ごとの視認有無を示す情報とを受け取る。制御部58は、交差点における見落とし地点の情報を、図11のように視認有無に基づいて分類し、見落とし地点記憶部56に記憶させる。
実施の形態4の走行支援システムにおける見落とし地点の提示例は、実施の形態2の図7に示されるフローチャートの動作と基本的には同じである。以下では、実施の形態4の動作のうち、実施の形態2の動作とは異なる動作のみ抜粋して説明する。
図7のフローチャートに示されるステップST23Aにおいて、サーバ装置50の通信部59が走行支援装置10からの送信要求を受信すると、制御部58は、車両が接近している交差点における見落とし地点ごとの視認有無を示す情報を、見落とし地点記憶部56から取得する。制御部58は、取得した見落とし地点ごとの視認有無を示す情報を、制御部58及び通信部59を経由して走行支援装置10へ送信する。
ステップST24において、情報提示部17は、走行支援装置10から受信した見落とし地点ごとの視認有無を示す情報に基づいて、視認済みの見落とし地点と未視認の見落とし地点との表示態様を区別して提示するよう、ナビゲーション装置1に指示する。ナビゲーション装置1は、例えば、図10において視認済みの視認地点121,122,124,125よりも、未視認の視認地点123を強調するように、これらの視認地点121〜125を見落とし地点としてディスプレイに表示する。ナビゲーション装置1は、例えば、未視認の視認地点123の色又は大きさを、視認済みの視認地点121,122,124,125よりも目立つ態様にする。また、ナビゲーション装置1は、未視認の視認地点123を説明する音声をスピーカから出力させることによって強調してもよい。
以上のように、実施の形態4の見落とし地点記憶部56に記憶される見落とし地点は、運転者が交差点を走行したときに視認地点を視認したか否かに基づいて分類される。単に見落としがあったかだけでなく、視認有無を含めて見落とし地点記憶部56に情報が記憶されるため、走行支援装置10は、見落とし地点を提示する際に見落とした地点をピンポイントで指示することができる。
なお、実施の形態4では、サーバ装置50の見落とし地点記憶部56に記憶される見落とし地点の情報が、交差点走行時の視認有無に基づいて分類されたが、これに限定されるものではない。例えば、実施の形態1に係る走行支援装置10の見落とし地点記憶部16に記憶される見落とし地点の情報が、見落とし地点収集部15によって交差点走行時の視認有無に基づいて分類されてもよい。
さらに、見落とし地点記憶部56又は見落とし地点記憶部16に記憶される見落とし地点の情報は、交差点走行時の視認有無に加え、運転者状態、運転技能、性別、又は年齢のうちの少なくとも1つの情報に基づいて分類されてもよい。
実施の形態5.
実施の形態5に係る走行支援システムの構成は、実施の形態2の図5に示した構成と図面上は同一であるため、以下では図5を援用する。実施の形態5において、見落とし地点は、運転者が交差点を走行する場合に当該交差点における1つ以上の視認地点を視認した順番に基づいて分類される構成である。
図12は、実施の形態5において交差点101と視認地点131〜135との位置関係の一例を示す図である。図12に示される交差点101における視認地点131〜135は、運転者が交差点を走行する場合に視認すべき順番と共に、サーバ装置50の視認地点記憶部52に記憶されている。図示例では、視認すべき順番は、視認地点131、視認地点132、視認地点135、視認地点133、視認地点134の順番である。
次に、実施の形態5に係る走行支援システムの動作を説明する。
実施の形態5の走行支援システムにおける見落とし地点の収集例は、実施の形態2の図6に示されるフローチャートの動作と基本的には同じである。以下では、実施の形態5の動作のうち、実施の形態2とは異なる動作のみ抜粋して説明する。
図6のフローチャートに示されるステップST15において、見落とし地点収集部15は、ステップST13Aで取得した交差点の視認地点の視認すべき順番を示す情報に基づいて、運転者が視認すべき順番で視認地点を視認したか否かを判定する。見落とし地点収集部15は、交差点における1つ以上の視認地点のうち、運転者が視認しなかった視認地点が1つ以上ある場合、又は全ての視認地点を視認したが順番を間違えた場合(ステップST15“YES”)、ステップST16Aへ進み、運転者がすべての視認地点を視認すべき順番で視認した場合(ステップST15“NO”)、図3のフローチャートに示される動作を終了する。
ステップST16Aにおいて、走行支援装置10の見落とし地点収集部15は、交差点における1つ以上の視認地点のうち、運転者が視認しなかった視認地点が1つ以上ある場合、又は全ての視認地点を視認したが順番を間違えた場合、交差点における全ての視認地点を、見落とし地点として収集する。その際、見落とし地点収集部15は、運転者が視認した視認地点を視認済みの見落とし地点に分類し、運転者が視認しなかった視認地点を未視認の見落とし地点に分類する。見落とし地点収集部15は、交差点の位置情報と、見落とし地点ごとの視認有無を示す情報と、視認済みの見落とし地点について実際に視認した順番を示す情報とを、制御部18及び通信部19を経由してサーバ装置50へ送信する。
サーバ装置50の制御部58は、通信部59を経由して走行支援装置10の見落とし地点収集部15から、交差点の位置情報と、見落とし地点ごとの視認有無を示す情報と、視認済みの見落とし地点について実際に視認した順番を示す情報とを受け取る。制御部58は、交差点における見落とし地点の情報を、視認地点記憶部52に記憶されている視認すべき順番に基づいて分類し、見落とし地点記憶部56に記憶させる。
図13は、実施の形態5において視認すべき順番に基づいて分類された見落とし地点の例を説明する図である。例えば、運転者が1番目に視認地点131を視認し、2番目に視認地点132を視認し、3番目に視認地点135を視認し、4番目に視認地点133以外の地点を視認した場合を想定する。視認地点記憶部52には、視認すべき順番として、視認地点131、視認地点132、視認地点135、視認地点133、視認地点134の順番が記憶されているものとする。この場合、制御部58は、視認順「(1)」の視認地点131と、視認順「(1)→(2)」の視認地点131,132と、視認順「(1)→(2)→(3)」の視認地点131,132,135とを、視認済みと分類する。一方、制御部58は、視認順「(1)→(2)→(3)→(4)」の視認地点131,132,135,133と、視認順「(1)→(2)→(3)→(4)→(5)」の視認地点131,132,135,133,134とを、未視認と分類する。
実施の形態5の走行支援システムにおける見落とし地点の提示例は、実施の形態2の図7に示されるフローチャートの動作と基本的には同じである。以下では、実施の形態5の動作のうち、実施の形態2の動作とは異なる動作のみ抜粋して説明する。
図7のフローチャートに示されるステップST23Aにおいて、サーバ装置50の通信部59が走行支援装置10からの送信要求を受信すると、制御部58は、見落とし地点記憶部56を参照し、車両が接近している交差点における見落とし地点の視認すべき順番を示す情報を生成する。制御部58は、生成した見落とし地点の視認すべき順番を示す情報を、制御部58及び通信部59を経由して走行支援装置10へ送信する。
ステップST24において、情報提示部17は、走行支援装置10から受信した見落とし地点の視認すべき順番を示す情報に基づいて、見落とし地点の視認すべき順番を提示するよう、ナビゲーション装置1に指示する。また、情報提示部17は、運転者が視認すべき順番で全ての視認地点を視認した場合、ナビゲーション装置1に指示して提示を終了させる。ナビゲーション装置1は、例えば、図12において視認地点131、視認地点132、視認地点133、視認地点134、視認地点135をこの順番でディスプレイに表示する。また、例えば、ナビゲーション装置1は、視認地点131、視認地点132、視認地点133、視認地点134、視認地点135の位置に視認すべき順番を示す数字を表示してもよい。また、ナビゲーション装置1は、全ての視認地点を視認したが視認する順番を間違えた運転者に対して、視認すべき順番をアドバイスする音声をスピーカから出力させてもよい。
以上のように、実施の形態5の見落とし地点記憶部56に記憶される見落とし地点は、運転者が交差点を走行したときに当該交差点における1つ以上の視認地点を視認した順番に基づいて分類される。単に見落としがあったかだけでなく、視認した順番までを含めて見落とし地点記憶部56に情報が記憶されるため、走行支援装置10は、見落とし地点を提示する際に視認すべき順番を指示することができる。
なお、実施の形態5では、サーバ装置50の見落とし地点記憶部56に記憶される見落とし地点の情報が、交差点走行時に運転者が視認した順番に基づいて分類されたが、これに限定されるものではない。例えば、実施の形態1に係る走行支援装置10の見落とし地点記憶部16に記憶される見落とし地点の情報が、見落とし地点収集部15によって視認した順番に基づいて分類されてもよい。
さらに、見落とし地点記憶部56又は見落とし地点記憶部16に記憶される見落とし地点の情報は、交差点走行時に運転者が視認した順番に加え、交差点走行時の視認有無、運転者状態、運転技能、性別、又は年齢のうちの少なくとも1つの情報に基づいて分類されてもよい。
実施の形態6.
実施の形態6に係る走行支援システムの構成は、実施の形態2の図5に示した構成と図面上は同一であるため、以下では図5を援用する。実施の形態6において、見落とし地点は、交差点の形状に基づいて分類される構成である。
図14は、実施の形態6における交差点の形状を説明する図である。交差点は、図14に示されるように片側車線数、道路幅、センターラインの有無、又は右折レーンの有無のうちの少なくとも1つに基づいて分類される。なお、交差点は、図14に例示される形状以外の形状に基づいて分類されてもよい。
実施の形態2〜5における見落とし地点記憶部56は、交差点ごとに見落とし地点の情報を記憶する構成であったが、実施の形態6における見落とし地点記憶部56は、交差点の形状ごとに見落とし地点の情報を記憶する構成である。
なお、実施の形態6における視認地点記憶部52も、交差点の形状ごとに視認地点の情報を記憶する構成であってもよい。
次に、実施の形態6に係る走行支援システムの動作を説明する。
実施の形態6の走行支援システムにおける見落とし地点の収集例は、実施の形態2の図6に示されるフローチャートの動作と基本的には同じである。以下では、実施の形態6の動作のうち、実施の形態2とは異なる動作のみ抜粋して説明する。
図6のフローチャートに示されるステップST13Aにおいて、視認地点取得部13は、車両が接近している交差点における視認地点の情報の送信を要求する送信要求を、制御部18を経由して通信部19からサーバ装置50へ送信する。サーバ装置50の通信部59が走行支援装置10からの送信要求を受信すると、制御部58は、車両が接近している交差点と同じ又は最も適合する形状の交差点における視認地点の情報を、視認地点記憶部52から取得する。制御部58により取得された視認地点の情報は、通信部59から走行支援装置10へ送信され、通信部19により受信され、制御部18を経由して視認地点取得部13へ渡る。
ステップST16Aにおいて、サーバ装置50の制御部58は、通信部59を経由して走行支援装置10の見落とし地点収集部15から、交差点の位置情報及び見落とし地点の情報を受け取る。制御部58は、交差点における見落とし地点の情報を、交差点の形状に基づいて分類し、見落とし地点記憶部56に記憶させる。
実施の形態6の走行支援システムにおける見落とし地点の提示例は、実施の形態2の図7に示されるフローチャートの動作と基本的には同じである。以下では、実施の形態6の動作のうち、実施の形態2の動作とは異なる動作のみ抜粋して説明する。
図7のフローチャートに示されるステップST23Aにおいて、サーバ装置50の通信部59が走行支援装置10からの送信要求を受信すると、制御部58は、見落とし地点記憶部56を参照し、車両が接近している交差点と同じ又は最も適合する形状の交差点における見落とし地点の情報を取得する。制御部58は、取得した見落とし地点の情報を、制御部58及び通信部59を経由して走行支援装置10へ送信する。
以上のように、実施の形態6の見落とし地点記憶部56に記憶される見落とし地点は、交差点の形状に基づいて分類される。この構成により、ある交差点において見落とし地点の情報が存在しない場合に、走行支援装置10は、同じ又は最も適合する形状の交差点における見落とし地点の情報を参照して運転者に提示することができる。
なお、実施の形態6では、サーバ装置50の見落とし地点記憶部56に記憶される見落とし地点の情報が、交差点の形状に基づいて分類されたが、これに限定されるものではない。例えば、実施の形態1に係る走行支援装置10の見落とし地点記憶部16に記憶される見落とし地点の情報が、見落とし地点収集部15によって交差点の形状に基づいて分類されてもよい。
さらに、見落とし地点記憶部56又は見落とし地点記憶部16に記憶される見落とし地点の情報は、交差点の形状に加え、交差点走行時に運転者が視認した順番、交差点走行時の視認有無、運転者状態、運転技能、性別、又は年齢のうちの少なくとも1つの情報に基づいて分類されてもよい。
また、実施の形態1の視認地点記憶部12又は実施の形態2〜5の視認地点記憶部52は、交差点の形状ごとに視認地点の情報が記憶されている構成であってもよい。
実施の形態7.
図15は、実施の形態7に係る走行支援システムの構成例を示すブロック図である。図15において図5と同一又は相当する部分は、同一の符号を付し説明を省略する。
走行支援装置10は、車両情報取得部21を備える。車両情報取得部21は、走行支援装置10が搭載された車両に関する車両情報を、車両から又は図示しない入力装置等から取得し、記憶する。車両情報は、例えば、車種または初年度登録年式等の情報を含む。
次に、実施の形態7に係る走行支援システムの動作を説明する。
実施の形態7の走行支援システムにおける見落とし地点の収集例は、実施の形態2の図6に示されるフローチャートの動作と基本的には同じである。以下では、実施の形態7の動作のうち、実施の形態2とは異なる動作のみ抜粋して説明する。
図6のフローチャートに示されるステップST16Aにおいて、走行支援装置10の車両情報取得部21は、車両情報を取得する。見落とし地点収集部15は、交差点の位置情報と見落とし地点の情報とに対して、車両情報を付与し、制御部18及び通信部19を経由してサーバ装置50へ送信する。
サーバ装置50の制御部58は、通信部59を経由して走行支援装置10の見落とし地点収集部15から、車両情報が付与された交差点の位置情報及び見落とし地点の情報を受け取る。制御部58は、交差点における見落とし地点の情報を、この見落とし地点の情報に付与されている車両情報に基づいて分類し、見落とし地点記憶部56に記憶させる。
実施の形態7の走行支援システムにおける見落とし地点の提示例は、実施の形態2の図7に示されるフローチャートの動作と基本的には同じである。以下では、実施の形態7の動作のうち、実施の形態2とは異なる動作のみ抜粋して説明する。
図7のフローチャートに示されるステップST23Aにおいて、走行支援装置10の情報提示部17は、車両が接近している交差点における見落とし地点の情報の送信を要求する送信要求を、制御部18を経由して通信部19からサーバ装置50へ送信する。その際、情報提示部17は、制御部18を経由して車両情報取得部21から車両情報を取得し、送信要求に含める。
サーバ装置50の通信部59が走行支援装置10からの送信要求を受信すると、制御部58は、車両が接近している交差点における見落とし地点の情報を、見落とし地点記憶部56から取得する。さらに、制御部58は、見落とし地点記憶部56から取得した見落とし地点の情報のうち、送信要求に含まれる車両情報に一致する車両情報が付与された見落とし地点の情報を選択する。制御部58は、選択した見落とし地点の情報を、制御部58及び通信部59を経由して走行支援装置10へ送信する。
以上のように、実施の形態7の見落とし地点記憶部56に記憶される見落とし地点は、走行支援装置10が搭載された車両に関する情報に基づいて分類される。例えば、車種ごとに、ピラーの形状等が異なることによって死角が異なる。その場合に、走行支援装置10は、車両の種類ごとに見落としやすい地点を提示することができる。
なお、実施の形態7では、サーバ装置50の見落とし地点記憶部56に記憶される見落とし地点の情報が、車両情報に基づいて分類されたが、これに限定されるものではない。見落とし地点記憶部56に記憶される見落とし地点の情報は、車両情報に加え、交差点の形状、交差点走行時に運転者が視認した順番、交差点走行時の視認有無、運転者状態、運転技能、性別、又は年齢のうちの少なくとも1つの情報に基づいて分類されてもよい。
最後に、各実施の形態に係る走行支援装置10及びサーバ装置50のハードウェア構成を説明する。
図16Aおよび図16Bは、各実施の形態に係る走行支援装置10のハードウェア構成例を示す図である。走行支援装置10における視線検出部14は、カメラ1004等である。走行支援装置10における通信部19は、無線通信装置1000である。走行支援装置10における視認地点記憶部12及び見落とし地点記憶部16は、メモリ1002である。また、走行支援装置10における車両位置取得部11、視認地点取得部13、見落とし地点収集部15、情報提示部17、制御部18、運転者状態判定部20、及び車両情報取得部21の各機能は、処理回路により実現される。即ち、走行支援装置10は、上記各機能を実現するための処理回路を備える。処理回路は、専用のハードウェアとしての処理回路1001であってもよいし、メモリ1002に格納されるプログラムを実行するプロセッサ1003であってもよい。
図16Aに示されるように、処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路1001は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。車両位置取得部11、視認地点取得部13、見落とし地点収集部15、情報提示部17、制御部18、運転者状態判定部20、及び車両情報取得部21の機能を複数の処理回路1001で実現してもよいし、各部の機能をまとめて1つの処理回路1001で実現してもよい。
図16Bに示されるように、処理回路がプロセッサ1003である場合、車両位置取得部11、視認地点取得部13、見落とし地点収集部15、情報提示部17、制御部18、運転者状態判定部20、及び車両情報取得部21の各機能はソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア又はファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ1002に格納される。プロセッサ1003は、メモリ1002に格納されたプログラムを読みだして実行することにより、各部の機能を実現する。即ち、走行支援装置10は、プロセッサ1003により実行されるときに、図3及び図4等のフローチャートで示されるステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ1002を備える。また、このプログラムは、車両位置取得部11、視認地点取得部13、見落とし地点収集部15、情報提示部17、制御部18、運転者状態判定部20、及び車両情報取得部21の手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。
なお、車両位置取得部11、視認地点取得部13、見落とし地点収集部15、情報提示部17、制御部18、運転者状態判定部20、及び車両情報取得部21の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、走行支援装置10における処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
図17Aおよび図17Bは、各実施の形態に係るサーバ装置50のハードウェア構成例を示す図である。サーバ装置50における通信部59は、無線通信装置5000である。サーバ装置50における視認地点記憶部52及び見落とし地点記憶部56は、メモリ5002である。サーバ装置50における制御部58は、処理回路により実現される。即ち、サーバ装置50は、上記各機能を実現するための処理回路を備える。処理回路は、専用のハードウェアとしての処理回路5001であってもよいし、メモリ5002に格納されるプログラムを実行するプロセッサ5003であってもよい。
図17Aに示されるように、処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路5001は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらを組み合わせたものが該当する。
図17Bに示されるように、処理回路がプロセッサ5003である場合、制御部58の機能はソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア又はファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ5002に格納される。プロセッサ5003は、メモリ5002に格納されたプログラムを読みだして実行することにより、各部の機能を実現する。即ち、サーバ装置50は、プロセッサ5003により実行されるときに、図3及び図4等のフローチャートで示されるステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ5002を備える。また、このプログラムは、制御部58の手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。
ここで、プロセッサ1003,5003とは、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、又はマイクロコンピュータ等のことである。
メモリ1002,5002は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、又はSSD(Solid State Drive)等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリであってもよいし、ハードディスク又はフレキシブルディスク等の磁気ディスクであってもよいし、CD(Compact Disc)又はDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクであってもよい。
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、又は各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
この発明に係る走行支援装置は、車両の位置情報を取得する車両位置取得部と、交差点において運転者が視認すべき地点を表す視認地点の情報を記憶している視認地点記憶部から、車両位置取得部により取得された位置情報に基づいて車両が走行する交差点における視認地点の情報を取得する視認地点取得部と、車両の運転者の視線情報を検出する視線検出部と、視線検出部により検出された運転者の視線情報と視認地点取得部により取得された交差点の視認地点の情報とに基づいて運転者が交差点を走行したときに見落とした視認地点を判定し、見落とし地点として収集する見落とし地点収集部と、見落とし地点収集部により収集済みの見落とし地点を、車両が交差点を走行する場合に提示する情報提示部とを備えるものである。情報提示部は、路面照射装置が発する光を、見落とし地点収集部により収集済みの見落とし地点に相当する路面に対して照射させる。