JPWO2019064351A1 - 医用x線画像処理装置およびx線画像撮影装置 - Google Patents
医用x線画像処理装置およびx線画像撮影装置 Download PDFInfo
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Abstract
この医用X線画像処理装置(1)は、複数のX線撮影画像(15)の一部に被写体(O)の体動が検出された場合に、被写体(O)の体動が検出されたX線撮影画像(15)を除外して、複数のX線撮影画像(15)を1つの画像に再構成した再構成画像(16)を生成する再構成画像生成部(13)を備える。
Description
本発明は、医用X線画像処理装置およびX線画像撮影装置に関し、特に、複数のX線撮影画像から1つの画像を再構成する医用X線画像処理装置およびX線画像撮影装置に関する。
従来、複数のX線撮影画像から1つの画像を再構成する医用X線画像処理装置およびX線画像撮影装置が知られている。このような医用X線画像処理装置を備えるX線画像撮影装置は、たとえば、特許第5501443号公報に開示されている。
一般に、複数のX線撮影画像から1つの画像を再構成する際、各画像間で被写体に体動がある場合にそのまま再構成すると、得られる画像の画質が劣化する。そのため、上記特許第5501443号公報に開示されているX線画像撮影装置では、X線撮影画像において被写体の体動が検出された場合には、被写体の位置補正を行ったうえで、再構成を行う構成が開示されている。
しかし、被写体の体動量によっては、位置補正を行うことができない場合もある。そこで、上記特許第5501443号公報に開示されているX線画像撮影装置では、被写体の体動量が所定の閾値以上の場合、撮影を中断するように構成されている。
しかしながら、上記特許第5501443号公報に開示されているX線画像撮影装置は、被写体の体動が閾値を超えた場合に撮影を中断するため、再構成を行う機会が減少する可能性があるという問題点がある。その場合、撮影をやり直すことになり、被写体の被ばく量が増大しやすい。そのため、被写体の体動が検出された場合でも、極力、再構成できるようにすることが望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、複数のX線撮影画像の一部に被写体の体動が検出された場合でも、再構成を行う機会が減少することを抑制することが可能な医用X線画像処理装置およびX線画像撮影装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における医用X線画像処理装置は、X線撮影により得られた複数のX線撮影画像を取得する画像取得部と、複数のX線撮影画像中に写るファントムの位置情報および被写体の位置情報を取得する位置情報取得部と、複数のX線撮影画像それぞれにおけるファントムの位置情報と被写体の位置情報とに基づいて、被写体の体動に関する情報を取得する体動情報取得部と、複数のX線撮影画像の一部に被写体の体動が検出された場合に、被写体の体動が検出されたX線撮影画像を除外して、撮影系の被写体に対する相対位置を変化させつつ撮影した複数のX線撮影画像を1つの画像に再構成した再構成画像を生成する再構成画像生成部とを備える。
この発明の第1の局面による医用X線画像処理装置では、上記のように、被写体の体動が検出されたX線撮影画像を除外して再構成画像を生成する再構成画像生成部を備える。これにより、複数のX線撮影画像の一部に被写体の体動が検出された場合でも、体動が検出された画像を除外して再構成を行うことができる。その結果、被写体の体動が検出されたとしても、体動のない画像が再構成に必要な枚数存在していれば、被写体の体動が検出された画像を使用することなく再構成画像を生成することが可能となるので、生成する再構成画像の画質が劣化することを抑制することができる。また、被写体の体動が検出された画像を除外して再構成画像を生成することが可能となるので、再構成を行う機会が減少することを抑制することができる。また、被写体の体動が検出された画像を除外して再構成画像を生成することが可能となるので、極力、撮影のやり直しを抑制することができる。
上記第1の局面による医用X線画像処理装置において、好ましくは、再構成画像生成部は、被写体の体動に関する情報に基づき、複数のX線撮影画像における被写体の体動が検出されたX線撮影画像の数の程度が第1閾値未満の場合に、被写体の体動が検出されたX線撮影画像を除外するように構成されている。このように構成すれば、被写体の体動が検出された画像の数の程度に応じて、被写体の体動が検出された画像を再構成から除外することが可能となる。その結果、再構成に使用する画像の枚数と生成された再構成画像の画質とはトレードオフの関係にあるので、過度に画質を低下させない範囲で再構成画像を生成することができる。
この場合、好ましくは、再構成画像生成部は、複数のX線撮影画像における被写体の体動が検出されたX線撮影画像の数の程度が第1閾値よりも小さい第2閾値未満の場合には、被写体の体動が検出されたX線撮影画像を除外せずに再構成画像を生成するように構成されている。ここで、被写体の体動が検出された画像の数によっては、そのまま再構成した場合でも得られる再構成画像の画質に実質的に影響がない場合がある。すなわち、総撮影画像における被写体の体動が検出された画像が所定の数以下の場合、再構成画像の画質が実質的に劣化しない場合がある。上記のように構成すれば、被写体の体動が検出された画像があった場合でも、体動が検出された画像の枚数の程度に応じて除外することなく再構成することができる。その結果、再構成画像に使用することが可能なX線撮影画像の数を増加させることが可能となるので、再構成画像の画質が劣化することを抑制することができる。
上記第1の局面による医用X線画像処理装置において、好ましくは、再構成画像生成部は、複数のX線撮影画像における被写体の体動が検出されたX線撮影画像の数の程度が第1閾値よりも大きい場合、再構成画像を生成しないように構成されている。このように構成すれば、被写体の体動が検出されたX線撮影画像の枚数の程度が第1閾値よりも大きい場合は再構成を行うことを抑制することができる。その結果、体動が検出された画像を除外して再構成を行っても最低限必要な画質が得られないことが予測される場合に、画質の低い再構成画像を生成することを抑制することができる。
この場合、好ましくは、再構成画像生成部は、複数のX線撮影画像における被写体の体動が検出されたX線撮影画像の数の割合が第1閾値未満の場合、被写体の体動が検出されたX線撮影画像を除外して再構成画像を生成するように構成されている。このように構成すれば、総枚数に対する除外枚数の割合によって、除外することの画質への影響を適切に評価することができる。その結果、再構成を行うか否かを適切に判断することができる。
上記第1の局面による医用X線画像処理装置において、好ましくは、体動に関する情報は、被写体の体動量を含み、再構成画像生成部は、少なくとも除外したX線撮影画像に対して、X線撮影画像における被写体の体動量に基づいて、X線撮影画像における被写体の位置を補正して再構成に使用するか否かを切り替えるように構成されている。このように構成すれば、被写体の体動が検出された画像であっても、被写体の体動量に基づいて位置補正を行うことが可能な場合には、再構成に使用する画像の枚数を増加させることができる。そのため、被写体の体動が検出された画像を位置補正せずに再構成から除外する場合と比べて、再構成で得られる画像の画質を向上させることができる。また、位置補正を行うことが可能でない場合には、再構成に使用する画像から除外することが可能となるので、再構成画像の画質が劣化することを抑制することができる。
この場合、好ましくは、再構成画像生成部は、複数のX線撮影画像における被写体の体動が検出されたX線撮影画像における被写体の体動量が第3閾値以上の場合、被写体の体動が検出されたX線撮影画像における被写体の位置を補正せずに、再構成から除外するように構成されている。このように構成すれば、被写体の体動量が第3閾値以上の場合、X線撮影画像を再構成から除外することができる。その結果、位置補正を行うことが可能でないX線撮影画像が再構成に使用されることを容易に抑制することができる。
上記第1の局面における医用X線画像処理装置において、好ましくは、再構成画像生成部は、複数のX線撮影画像における被写体の体動が検出されたX線撮影画像における被写体の体動量が第3閾値未満、第3閾値よりも小さい第4閾値以上の場合、被写体の体動が検出されたX線撮影画像の被写体の位置を補正して再構成画像を生成するように構成されている。このように構成すれば、被写体の体動が検出された画像のうちでも、体動量が所定の閾値の範囲内であれば位置補正を行って再構成に使用することができる。その結果、再構成に使用する画像を増加させることが可能となるので、再構成画像の画質を向上させることができる。
この場合、好ましくは、再構成画像生成部は、少なくとも除外したX線撮影画像における被写体の体動量が第4閾値未満の場合、被写体の体動が検出されたX線撮影画像における被写体の位置を補正することなく再構成画像の生成に使用するように構成されている。このように構成すれば、たとえば、体動量が位置補正を行う必要がない程度に小さい場合、位置補正せずに再構成画像の生成に使用することができる。その結果、体動量の程度に関わらず位置補正を行う場合と比較して、再構成画像の生成を簡素化することができる。
上記第1の局面における医用X線画像処理装置において、好ましくは、連続的に撮影された複数のX線撮影画像において、被写体の体動が検出されたX線撮影画像が撮影されたタイミングにおける総撮影枚数に対する撮影順に基づいて、X線画像撮影装置における撮影を中断するか続行するかを切り替える撮影切替部をさらに備える。ここで、通常、連続して撮影を行う場合、一旦体動が発生するとその後も体動が継続することになるので、上記構成によって撮影順が早いタイミングで被写体の体動が検出された場合、撮影を中断することができる。その結果、被写体の被ばく量を低減することができる。また、大部分の画像を撮り終えた後の撮影順が遅いタイミングで被写体の体動が検出された場合、中断することなく撮影を続行することができる。その結果、たとえば、再度撮影する場合と比較して、被写体の体動が検出されていない場所を撮り直すことが不要となるため、被ばく量を低減することができる。
この場合、好ましくは、撮影切替部は、複数のX線撮影画像の一部に被写体の体動が検出された場合に、被写体の体動が検出された撮影位置まで撮影系を移動させて再撮影を行うか否かを切り替えるように構成されている。このように構成すれば、再撮影を行う場合には、再撮影が必要な場所だけ再撮影を行うことが可能となるので、全ての撮影をやり直す場合と比較して、不要な被ばくを抑制することができる。また、再撮影を行わない場合には、必要のない撮影を行うことを抑制することが可能となるので、不要な被ばくを抑制することができる。
この発明の第2の局面におけるX線画像撮影装置は、X線源と、X線源から照射されたX線を検出する検出器と、検出器により検出されたX線の強度分布からX線撮影画像を生成する画像処理部と、X線源と検出器とからなる撮影系の相対位置を変更する撮影系位置変更機構とを備え、画像処理部は、複数のX線撮影画像中に写るファントムの位置情報および被写体の位置情報を取得するように構成されており、画像処理部は、複数のX線撮影画像におけるファントムの位置情報および被写体の位置情報に基づいて、被写体の体動に関する情報を取得するように構成されており、画像処理部は、複数のX線撮影画像のそれぞれにおける被写体の体動の有無を判定するように構成されており、画像処理部は、複数のX線撮影画像の一部に被写体の体動が検出された場合に、被写体の体動が検出されたX線撮影画像を除外して、撮影系の被写体に対する相対位置を変化させつつ撮影した複数のX線撮影画像を1つの画像に再構成した再構成画像を生成するように構成されている。
この発明の第2の局面によるX線画像撮影装置では、上記のように、被写体の体動が検出されたX線撮影画像を除外して再構成画像を生成する画像処理部を備える。これにより、複数のX線撮影画像の一部に被写体の体動が検出された場合でも、体動が検出された画像を除外して再構成を行うことができる。その結果、被写体の体動が検出されたとしても、体動のない画像が再構成に必要な枚数存在していれば、被写体の体動が検出された画像を使用することなく再構成画像を生成することが可能となるので、生成する再構成画像の画質が劣化することを抑制することができる。また、被写体の体動が検出された画像を除外して再構成画像を生成することが可能となるので、再構成を行う機会が減少することを抑制することができる。また、被写体の体動が検出された画像を除外して再構成画像を生成することが可能となるので、極力、撮影のやり直しを抑制することができる。
本発明によれば、上記のように、複数のX線撮影画像の一部に被写体の体動が検出された場合でも、再構成を行う機会が減少することを抑制することが可能な医用X線画像処理装置およびX線画像撮影装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1〜図11を参照して、本発明の第1実施形態による医用X線画像処理装置1を含むX線画像撮影装置100の構成について説明する。
図1〜図11を参照して、本発明の第1実施形態による医用X線画像処理装置1を含むX線画像撮影装置100の構成について説明する。
(X線画像撮影装置の構成)
まず、図1および図2を参照して、第1実施形態による医用X線画像処理装置1を含むX線画像撮影装置100の構成について説明する。
まず、図1および図2を参照して、第1実施形態による医用X線画像処理装置1を含むX線画像撮影装置100の構成について説明する。
図1は、X線画像撮影装置100をZ方向から見た模式図である。図1に示すように、X線画像撮影装置100は、X線源2と、検出器3と、制御部4と、撮影系位置変更機構5と、医用X線画像処理装置1とを含む。なお、本明細書において、撮影系位置変更機構5(X線源移動部5b)から検出器3に向かう方向をY2方向、その逆方向の方向をY1方向とする。また、Y方向と直交する面内の左右方向をZ方向とし、図1の紙面の奥に向かう方向をZ2方向、図1の紙面の手前側に向かう方向をZ1方向とする。また、Y方向と直交する面内の上下方向をX方向とし、上方向をX1方向、下方向をX2方向とする。
X線源2は、高電圧が印加されることにより、X線を発生させる。X線源2は、発生させたX線を検出器3に向けて照射するように構成されている。
検出器3は、X線を検出するとともに、検出されたX線を電気信号に変換し、変換された電気信号を画像信号として読み取るように構成されている。検出器3は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)である。検出器3は、複数の変換素子(図示せず)と複数の変換素子上に配置された画素電極(図示せず)とにより構成されている。複数の変換素子および画素電極は、所定の周期(画素ピッチ)で、画素の配列方向がX方向およびZ方向に一致するように検出器3に配置されている。また、検出器3は、取得した画像信号を、医用X線画像処理装置1に出力するように構成されている。
医用X線画像処理装置1は、検出器3から出力された画像信号に基づいて、X線撮影画像15(図4参照)を生成するように構成されている。また、医用X線画像処理装置1は、生成したX線撮影画像15中に写るファントム6の位置情報および被写体Tの位置情報を取得するように構成されている。また、医用X線画像処理装置1は、X線撮影画像15におけるファントム6の位置情報および被写体Tの位置情報に基づいて、被写体Tの体動に関する情報を取得するように構成されている。また、医用X線画像処理装置1は、X線撮影画像15における被写体Tの体動の有無を判定するように構成されている。また、医用X線画像処理装置1は、複数のX線撮影画像15を1つの画像に再構成した再構成画像16(図4参照)を生成するように構成されている。
医用X線画像処理装置1は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、画像処理用に構成されたFPGA(Field−Programmable Gate Array)などのプロセッサを含む。医用X線画像処理装置1が被写体Tの体動の有無を判定する構成および再構成画像16を生成する構成の詳細については後述する。なお、医用X線画像処理装置1は、特許請求の範囲の「画像処理部」の一例である。
制御部4は、X線源2から検出器3に向けてX線を照射することにより、X線撮影を行うように構成されている。また、制御部4は、撮影系位置変更機構5を介してX線源2を移動させることにより、撮影系7の被写体Tに対する相対位置を変化させるように構成されている。制御部4は、たとえば、CPUなどを含む。
撮影系位置変更機構5は、制御部4からの信号に基づいて、X線源2と検出器3とからなる撮影系7の相対位置およびX線源2の角度を変更するように構成されている。撮影系位置変更機構5は、X線源2を回動可能に保持するX線源保持部5aを含む。また、撮影系位置変更機構5は、X線源保持部5aをX方向に移動させるX線源移動部5bを含む。X線源保持部5aは、一端部でX線源2を回動可能に保持し、他端部がX線源移動部5bに移動可能に保持されている。X線源保持部5aは、一端部において、X線源2をZ方向の軸線周りに回動可能に構成されている。つまり、X線源保持部5aは、制御部4からの信号により、X線源2の照射角度を変更可能に構成されている。X線源保持部5aは、たとえば、ステッピングモータ、エンコーダーなどを含む。したがって、X線源保持部5aは、X線源2の位置および向きを取得することができる。また、X線源移動部5bは、制御部4からの信号によりX線源保持部5aをX方向に移動させるように構成されている。X線源移動部5bは、たとえば、モータなどを含む。
X線画像撮影装置100は、撮影系位置変更機構5を介して撮影系7の相対位置を変化させつつ撮影を行うことにより、複数のX線撮影画像15を生成するように構成されている。なお、撮影系7の相対位置とは、X線源2の位置および検出器3に対するX線の照射角度を含む。
(医用X線画像処理装置の構成)
図2は、医用X線画像処理装置1の全体構成を示すブロック図である。図2に示すように、医用X線画像処理装置1は、画像取得部10と、位置情報取得部11と、体動情報取得部12と、再構成画像生成部13と、X線撮影画像生成部14と備える。画像取得部10と、位置情報取得部11と、体動情報取得部12と、再構成画像生成部13と、X線撮影画像生成部14とは、医用X線画像処理装置1のFPGA等のプロセッサにおける処理モジュール(処理プロセッサ)として構成されている。
図2は、医用X線画像処理装置1の全体構成を示すブロック図である。図2に示すように、医用X線画像処理装置1は、画像取得部10と、位置情報取得部11と、体動情報取得部12と、再構成画像生成部13と、X線撮影画像生成部14と備える。画像取得部10と、位置情報取得部11と、体動情報取得部12と、再構成画像生成部13と、X線撮影画像生成部14とは、医用X線画像処理装置1のFPGA等のプロセッサにおける処理モジュール(処理プロセッサ)として構成されている。
画像取得部10は、X線画像撮影装置100によるX線撮影により得られた複数のX線撮影画像15を取得するように構成されている。具体的には、画像取得部10は、検出器3において検出された画像信号を取得するように構成されている。また、画像取得部10は、取得した画像信号をX線撮影画像生成部14に出力するように構成されている。
X線撮影画像生成部14は、画像取得部10から出力された画像信号に基づいて、X線撮影画像15を生成するように構成されている。また、X線撮影画像生成部14は、X線撮影画像15の画像化に伴う公知の補正処理を行うように構成されている。
位置情報取得部11は、画像取得部10によって取得された複数のX線撮影画像15中に写るファントム6の位置情報および被写体Tの位置情報を取得するように構成されている。なお、第1実施形態では、位置情報取得部11は、画像認識処理によりファントム6の位置情報および被写体Tの位置情報を取得するように構成されている。
体動情報取得部12は、複数のX線撮影画像15それぞれにおけるファントム6の位置情報と被写体Tの位置情報とに基づいて、被写体Tの体動に関する情報を取得するように構成されている。
再構成画像生成部13は、複数のX線撮影画像15の一部に被写体Tの体動が検出された場合に、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15を除外するように構成されている。また、再構成画像生成部13は、撮影系7の被写体Tに対する相対位置を変化させつつ撮影した複数のX線撮影画像15を1つの画像に再構成した再構成画像16を生成するように構成されている。
(再構成画像)
次に、図3〜図5を参照して、第1実施形態によるX線画像撮影装置100が複数のX線撮影画像15を撮影する処理および医用X線画像処理装置1が複数のX線撮影画像15を再構成する処理について説明する。
次に、図3〜図5を参照して、第1実施形態によるX線画像撮影装置100が複数のX線撮影画像15を撮影する処理および医用X線画像処理装置1が複数のX線撮影画像15を再構成する処理について説明する。
図3は、第1実施形態によるX線画像撮影装置100が複数のX線撮影画像15を撮影する際の模式図である。図3に示すように、第1実施形態では、X線画像撮影装置100は、撮影系位置変更機構5によって撮影系7の被写体Tに対する相対位置を変化させつつ撮影するように構成されている。具体的には、撮影系位置変更機構5は、X線源2をX1方向に移動させるように構成されている。また、撮影系位置変更機構5は、X線源2のX線照射方向を変更させるように構成されている。これらにより、撮影系位置変更機構5は、撮影系7の被写体Tに対する相対位置を変化させつつ撮影するように構成されている。X線画像撮影装置100は、いわゆるトモシンセシスを行う装置である。
図4は、それぞれの相対位置において取得されるX線撮影画像15の模式図およびそれらの画像を再構成した再構成画像16の模式図である。図4に示すように、撮影系7を配置する場所が異なると、X線源2から検出器3に照射されるX線の角度が変化するため、得られるX線撮影画像15も異なる。第1実施形態では、医用X線画像処理装置1は、被写体Tの写り方が異なる複数のX線撮影画像15を1つの画像に再構成することにより、再構成画像16を生成するように構成されている。なお、図4においてX線源2に示した数値は、それぞれ撮影系7の相対位置を表している。すなわち、図4の左側から順に、第1〜第7相対位置を表している。
図5は、第1実施形態におけるX線画像撮影装置100によって、被写体Tのうち、X方向およびZ方向の位置が略同じで、Y方向の位置がそれぞれ異なる複数の内部構造17a、17b、および17cを含む領域を撮影したX線撮影画像15の模式図(A)〜(C)、および、医用X線画像処理装置1が再構成した再構成画像16の模式図(D)である。すなわち、内部構造17a〜17cは、任意の注目領域内において、深さ位置(Y方向の位置)が異なる内部構造17である。
図5(A)は、撮影系7を第4相対位置(図4参照)に配置して撮影されたX線撮影画像15aである。図5(B)は、撮影系7を第6相対位置(図4参照)に配置して撮影されたX線撮影画像15bである。図5(C)は、撮影系7を第7相対位置(図4参照)に配置して撮影されたX線撮影画像15cである。
図5(A)に示す例では、被写体TをY1方向から撮影しているため、被写体Tの内部構造17a〜内部構造17cは、それぞれ重なった状態で撮影される。図5(B)に示す例では、撮影系位置変更機構5により、撮影系7を第6相対位置に配置して撮像しているため、X線は被写体Tに対して斜め方向から入射する。そのため、内部構造17a〜内部構造17cは、X2方向に位置がずれて描出される。図5(B)に示す例では、X線が照射する角度が小さいため、内部構造17a〜内部構造17cは、依然として重なった状態で描出されている。図5(C)に示す例では、撮影系位置変更機構5により、撮影系7を第7相対位置に配置して撮像しているため、第6相対位置に撮影系7を配置して撮影した場合と比較して、被写体Tに対して入射するX線の角度は大きくなる。したがって、図5(C)に示す例では、内部構造17a〜内部構造17cが重ならずに描出されている。医用X線画像処理装置1は、これらX線撮影画像15a〜X線撮影画像15cを再構成することにより、再構成画像16を生成する。なお、再構成画像16の生成の際に、内部構造17a〜内部構造17cのうち、所望の深さ位置の断面を画像化したものである。したがって、所望の深さ位置にある内部構造17を強調して画像化することができる。図5(D)に示す例は、内部構造17bに着目して再構成された再構成画像16である。
ここで、トモシンセシスは、各画像間で被写体Tが同じ位置にあることが前提の画像化手法である。したがって、各画像間において被写体Tに体動があると、体動の程度によっては再構成できない場合がある。そこで、第1実施形態では、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動量m(図8参照)を検出して、体動のあるX線撮影画像15を再構成から除外するように構成されている。具体的には、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動に関する情報に基づき、複数のX線撮影画像15における被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数の程度が第1閾値Th1(図9参照)未満の場合に、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15を除外するように構成されている。また、再構成画像生成部13は、複数のX線撮影画像15における被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数の割合が第1閾値Th1未満の場合、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15を除外して再構成画像16を生成するように構成されている。なお、第1閾値Th1は、再構成画像16の使用目的から許容される画質レベルが確保できる範囲内で任意の値を設定することができる。また、X線撮影画像15の数の程度には、X線撮影画像15の数の割合以外も含まれる。たとえば、撮影総数があらかじめ決まっている場合、撮影枚数が決定すれば数の割合が決定する。したがって、撮影総数があらかじめ決まっている場合には、撮影枚数も数の程度に含まれる。また、第1実施形態では、体動量mとは、被写体TのX線撮影画像15のXZ面内における平行移動および、XZ面内におけるY軸方向周りの回転移動の事であり、移動量が数mm〜数cmの体動の事である。
また、再構成画像生成部13は、複数のX線撮影画像15における被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数の程度が第1閾値Th1よりも小さい第2閾値Th2(図9参照)未満の場合には、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15を除外せずに再構成画像16を生成するように構成されている。なお、第2閾値Th2は、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15を除外せずに再構成した場合でも、再構成画像16の画質が劣化しない程度であれば、任意の値を設定することができる。
また、再構成画像生成部13は、複数のX線撮影画像15における被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数の程度が第1閾値Th1よりも大きい場合、再構成画像16を生成しないように構成されている。
(被写体の体動に関する情報の取得)
次に、図6〜図8を参照して、第1実施形態における医用X線画像処理装置1が被写体Tの体動に関する情報を取得する方法について説明する。
次に、図6〜図8を参照して、第1実施形態における医用X線画像処理装置1が被写体Tの体動に関する情報を取得する方法について説明する。
X線画像撮影装置100において被写体Tの撮影を行う際には、被写体Tの体動に関する情報を取得するための基準として用いるために、ファントム6を配置して撮影を行う。すなわち、被写体Tとともに動かないファントム6を同時に撮影することにより、被写体Tの体動に関する情報を取得することができる。第1実施形態では、位置情報取得部11は、ファントム6の位置情報および被写体Tの位置情報を取得するように構成されている。また、第1実施形態では、体動情報取得部12は、ファントム6の位置情報と、被写体Tの位置情報とに基づいて、被写体Tの体動に関する情報を取得するように構成されている。なお、ファントム6の位置情報および被写体Tの位置情報は、X線撮影画像15における座標値を含む。また、被写体Tの体動に関する情報とは、被写体Tの体動量mを含む。
図6は、第1実施形態におけるX線画像撮影装置100において被写体Tの体動に関する情報を取得するための基準として用いるためのファントム6の模式図である。図6に示す例では、ファントム6は、樹脂などで構成されており、X線を吸収するX線吸収体60を1つ、内部に備えている。ファントム6を撮影した際に、X線吸収体60によりX線が吸収されるため、X線撮影画像15においてファントム6を検出することが可能となる。X線吸収体60は、X線の吸収量が多ければどのような素材でもよい。第1実施形態では、X線吸収体60として、たとえば、重金属を用いている。重金属としては、たとえば、金、鉛、タングステンなどを含む。また、ファントム6を形成する素材は、樹脂に限らない。また、ファントム6をX線を吸収する重金属などで形成する場合、内部にX線吸収体60を含む必要はない。また、X線吸収体60は、ファントム6の内部に設けられなくてもよい。たとえば、ファントム6の表面に設けられていてもよい。ファントム6の寸法は既知であり、天板上に設置された状態でX線吸収体60のY方向の位置は既知である。また、X線吸収体60のX方向およびZ方向は、X線撮影画像15から取得することができる。
図7は、被写体Tに体動がない場合の被写体Tの体動に関する情報を取得する例を示した模式図である。図7(A)は、撮影系7を第1相対位置(図4参照)に配置して撮影されたX線撮影画像15aである。図7(B)は、撮影系7を第2相対位置(図4参照)に配置して撮影されたX線撮影画像15bである。図7(C)は、撮影系7を第3相対位置(図4参照)に配置して撮影されたX線撮影画像15cである。なお、図7に示した例では、被写体Tとして、被写体Tの一部を図示している。また、被写体Tの内部構造17は便宜上図示していない。
第1実施形態では、X線画像撮影装置100は、撮影系7の被写体Tに対する相対位置を変化させつつ撮影を行うため、図7(A)〜図7(C)において、X線撮影画像15上におけるファントム6および被写体Tの位置は変化する。ファントム6は撮影時に動かないため、X線撮影画像15上におけるファントム6の写り方の変化(トレンド)は、撮影系7の移動に伴う撮影アングルの変化によってのみ生じ、あらかじめ把握できる。被写体Tに体動がない場合、ファントム6の写り方の変化(トレンド)と被写体Tの写り方の変化(トレンド)とは一致するはずである。
したがって、医用X線画像処理装置1は、撮影系7の被写体Tに対する相対位置を変化させて撮影したX線撮影画像15において、撮影アングルの変化(撮影系7の相対位置の変化)に伴うファントム6の写り方の変化(トレンド)と、被写体Tの写り方の変化(トレンド)とを比較することにより、被写体Tの体動の有無を判定するように構成されている。
ファントム6の位置情報および被写体Tの位置情報の取得方法は、どのような方法でもよい。また、位置情報取得部11は、被写体Tの位置情報を取得する際に、まず、被写体Tの特徴点FPを取得するように構成されている。そして、位置情報取得部11は、被写体Tの位置情報として、被写体Tの特徴点FPの位置情報を取得するように構成されている。被写体Tの特徴点FPの取得方法はどのような方法でもよい。第1実施形態では、位置情報取得部11は、エッジ処理により被写体Tの境界を取得し、取得した境界を被写体Tの特徴点FPとしている。
図7(B)に示す例では、第1相対位置から第2相対位置にかけてのファントム6の写り方の変化(トレンド)と、被写体Tの写り方の変化(トレンド)が一致している。また、図7(C)に示す例では、第1相対位置および第2相対位置から第3相対位置にかけてのファントム6の写り方の変化(トレンド)と、被写体Tの写り方の変化(トレンド)とが一致している。したがって、図7に示す例では、再構成画像16は、被写体Tの体動がないと判定する。なお、図7(B)および図7(C)における点線で描写したファントム6および被写体Tは、それまでの撮影位置におけるファントム6および被写体Tを示している。
図8は、被写体Tに体動がある場合の被写体Tの体動に関する情報を取得する例を示した模式図である。図8(A)および図8(B)は、図7(A)および図7(B)と同様の模式図であるため、説明を省略する。図8(C)に示す例は、被写体Tに体動があった場合の例である。すなわち、図8(C)は、第2相対位置に撮影系7を配置して撮影した後、第3相対位置に撮影系7を移動させて撮影を行う間に、被写体Tが動いた場合の例を示す模式図である。なお、図8(C)における実線で描出したファントム6および被写体Tは、第3相対位置で撮影された画像において、実際にファントム6および被写体Tが描出される位置を表している。また、図8(C)における破線で描出したファントム6および被写体Tは、第1相対位置および第2相対位置で撮影された画像におけるファントム6および被写体Tの位置を表している。また、図8(C)における2点鎖線は、被写体Tに体動がない場合に描出されると予測される被写体Tの位置を表している。体動情報取得部12は、体動がないと予測される被写体Tの位置と、実際に描出された被写体Tの位置とから、被写体Tの体動量mを取得するように構成されている。また、図8に示した例でも図7と同様に、被写体Tとして、被写体Tの一部を図示している。また、被写体Tの内部構造17は便宜上図示していない。
(X線撮影画像を除外するか否かの判定処理)
次に、図9を参照して、第1実施形態による再構成画像生成部13が再構成画像16を生成する際にX線撮影画像15を除外するか否かの判定する処理について説明する。
次に、図9を参照して、第1実施形態による再構成画像生成部13が再構成画像16を生成する際にX線撮影画像15を除外するか否かの判定する処理について説明する。
図9に示す数直線40は、横軸が被写体Tの体動が検出された画像の数の割合rの数直線である。図9に示すように、被写体Tの体動が検出された画像の数の割合rは、総撮影枚数Nに対する体動が検出されたX線撮影画像15の枚数xの割合(x/N×100)である。第1実施形態では、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動が検出された画像の数の割合rの値によってX線撮影画像15を再構成から除外するか否かを判定するように構成されている。具体的には、図9に示すように、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動が検出された画像の数の割合rが第1閾値Th1未満の場合、体動が検出されたX線撮影画像15を除外するように構成されている。また、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動が検出された画像の数の割合rが第1閾値Th1未満、第2閾値Th2以上の場合、体動が検出されたX線撮影画像15を除外して再構成するように構成されている。また、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動が検出された画像の数の割合rが第1閾値Th1以上の場合、再構成を行わないように構成されている。なお、図9に示すように、第2閾値Th2は、第1閾値Th1よりも小さい値である。第1閾値Th1は、たとえば、10%である。また、第2閾値Th2は、たとえば、5%である。
(再構成画像の生成方法)
次に、図10および図11を参照して、第1実施形態による医用X線画像処理装置1が再構成画像16を生成する処理の流れを説明する。
次に、図10および図11を参照して、第1実施形態による医用X線画像処理装置1が再構成画像16を生成する処理の流れを説明する。
ステップS1において、制御部4は、撮影系位置変更機構5を介して撮影系7を所定の相対位置に配置する。その後、ステップS2において、X線撮影画像生成部14は、X線撮影画像15を生成する。
次に、ステップS3において、制御部4は、全ての相対位置に撮影系7配置して撮影されたかを判定する。全ての相対位置に撮影系7を配置して撮影した場合、ステップS4へ進む。全ての相対位置に撮影系7を配置して撮影していない場合、ステップS1に戻る。
ステップS4において、位置情報取得部11は、複数のX線撮影画像15中に写るファントム6の位置情報および被写体Tの位置情報を取得する。その後、ステップS5へ進む。
ステップS5において、体動情報取得部12は、複数のX線撮影画像15それぞれにおけるファントム6の位置情報と被写体Tの位置情報とに基づいて、被写体Tの体動に関する情報を取得する。その後、ステップS6へ進む。
次に、ステップS6において、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動が検出されたか否かを判定する。被写体Tの体動が検出された場合、ステップS7へ進む。被写体Tの体動が検出されなかった場合、ステップS8ヘ進む。
ステップS7において、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動に関する情報に基づき、X線撮影画像15を再構成から除外するか否かの判定を行う。X線撮影画像15を再構成から除外するか否かの判定を行う詳細な構成については、後述する。
ステップS8において、再構成画像生成部13は、撮影系7の被写体Tに対する相対位置を変化させつつ撮影した複数のX線撮影画像15を1つの画像に再構成した再構成画像16を生成する。
次に、図11を参照して、第1実施形態における医用X線画像処理装置1の再構成画像生成部13がX線撮影画像15を再構成から除外するか否かの判定を行う処理の流れについて説明する。
ステップS70において、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動に関する情報に基づき、複数のX線撮影画像15における被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数の程度が第1閾値Th1未満か否かを判定する。被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数の程度が第1閾値Th1未満の場合に、ステップS71へ進む。被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数の程度が第1閾値Th1以上の場合は、処理を終了する。
ステップS71において、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数の程度が第2閾値Th2以上か否かの判定を行う。被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数の程度が第2閾値Th2未満の場合、ステップS8へ進む。被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数の程度が第2閾値Th2以上の場合、ステップS72へ進む。
ステップS72において、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15を、再構成に使用する画像から除外する。その後、ステップS8へ進む。
たとえば、図8に示す例では、X線撮影画像15cにおいて被写体Tに体動が検出されている。したがって、再構成画像生成部13は、図8に示す例の場合には、X線撮影画像15cを再構成から除外して、再構成画像16を生成する。なお、図7に示す例では、複数のX線撮影画像15において、被写体Tの体動が検出されていないため、X線撮影画像15a〜15cを使用して再構成画像16を生成する。
(実施形態の効果)
本発明の実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本発明の実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、医用X線画像処理装置1は、X線撮影により得られた複数のX線撮影画像15を取得する画像取得部10と、複数のX線撮影画像15中に写るファントム6の位置情報および被写体Tの位置情報を取得する位置情報取得部11と、複数のX線撮影画像15それぞれにおけるファントム6の位置情報と被写体Tの位置情報とに基づいて、被写体Tの体動に関する情報を取得する体動情報取得部12と、複数のX線撮影画像15の一部に被写体Tの体動が検出された場合に、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15を除外して、撮影系7の被写体Tに対する相対位置を変化させつつ撮影した複数のX線撮影画像15を1つの画像に再構成した再構成画像16を生成する再構成画像生成部13とを備える。これにより、複数のX線撮影画像15の一部に被写体Tの体動が検出された場合でも、体動が検出された画像を除外して再構成を行うことができる。その結果、被写体Tの体動が検出されたとしても、体動のない画像が再構成に必要な枚数存在していれば、被写体Tの体動が検出された画像を使用することなく再構成画像を生成することが可能となるので、生成する再構成画像16の画質が劣化することを抑制することができる。また、被写体Tの体動が検出された画像を除外して再構成画像16を生成することが可能となるので、再構成を行う機会が減少することを抑制することができる。また、被写体Tの体動が検出された画像を除外して再構成画像16を生成することが可能となるので、極力、撮影のやり直しを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動に関する情報に基づき、複数のX線撮影画像15における被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数の程度が第1閾値Th1未満の場合に、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15を除外するように構成されている。これにより、被写体Tの体動が検出された画像の数の程度に応じて、被写体Tの体動が検出された画像を再構成から除外することが可能となる。その結果、再構成に使用する画像の枚数と生成された再構成画像16の画質とはトレードオフの関係にあるので、過度に画質を低下させない範囲で再構成画像16を生成することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、再構成画像生成部13は、複数のX線撮影画像15における被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数xの程度が第1閾値Th1よりも小さい第2閾値Th2未満の場合には、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15を除外せずに再構成画像16を生成するように構成されている。ここで、被写体Tの体動が検出された画像の数によっては、そのまま再構成した場合でも得られる再構成画像16の画質に実質的に影響がない場合がある。すなわち、総撮影画像における被写体の体動が検出された画像が所定の数以下の場合、再構成画像16の画質が実質的に劣化しない場合がある。したがって、被写体Tの体動が検出された画像があった場合でも、体動が検出された画像の枚数xの程度に応じて除外することなく再構成することができる。その結果、再構成画像16に使用することが可能なX線撮影画像の数を増加させることが可能となるので、再構成画像16の画質が劣化することを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、再構成画像生成部13は、複数のX線撮影画像15における被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数xの程度が第1閾値Th1よりも大きい場合、再構成画像16を生成しないように構成されている。これにより、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の枚数xの程度が第1閾値Th1よりも大きい場合は再構成を行うことを抑制することができる。その結果、体動が検出された画像を除外して再構成を行っても最低限必要な画質が得られないことが予測される場合に、画質の低い再構成画像16を生成することを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、再構成画像生成部13は、複数のX線撮影画像15における被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数の割合が第1閾値Th1未満の場合、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15を除外して再構成画像16を生成するように構成されている。これにより、総枚数に対する除外枚数の割合によって、除外することの画質への影響を適切に評価することができる。その結果、再構成を行うか否かを適切に判断することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、X線画像撮影装置100は、X線源2と、X線源2から照射されたX線を検出する検出器3と、検出器3により検出されたX線の強度分布からX線撮影画像15を生成する医用X線画像処理装置1と、X線源2と検出器3とからなる撮影系7の相対位置を変更する撮影系位置変更機構5とを備え、医用X線画像処理装置1は、複数のX線撮影画像15中に写るファントム6の位置情報および被写体Tの位置情報を取得するように構成されており、医用X線画像処理装置1は、複数のX線撮影画像15におけるファントム6の位置情報および被写体Tの位置情報に基づいて、被写体Tの体動に関する情報を取得するように構成されており、医用X線画像処理装置1は、複数のX線撮影画像15のそれぞれにおける被写体Tの体動の有無を判定するように構成されており、医用X線画像処理装置1は、複数のX線撮影画像15の一部に被写体Tの体動が検出された場合に、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15を除外して、撮影系7の被写体Tに対する相対位置を変化させつつ撮影した複数のX線撮影画像15を1つの画像に再構成した再構成画像16を生成するように構成されている。これにより、複数のX線撮影画像15の一部に被写体Tの体動が検出された場合でも、体動が検出された画像を除外して再構成を行うことができる。その結果、被写体Tの体動が検出されたとしても、体動のない画像が再構成に必要な枚数存在していれば、被写体Tの体動が検出された画像を使用することなく再構成画像16を生成することが可能となるので、生成する再構成画像16の画質が劣化することを抑制することができる。また、被写体Tの体動が検出された画像を除外して再構成画像16を生成することが可能となるので、再構成を行う機会が減少することを抑制することができる。また、被写体Tの体動が検出された画像を除外して再構成画像16を生成することが可能となるので、極力、撮影のやり直しを抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、図1、図2、図10、図12および図13を参照して、本発明の第2実施形態による医用X線画像処理装置20について説明する。被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数の程度が第1閾値Th1未満の場合に、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15を再構成から除外する第1実施形態とは異なり、第2実施形態では、医用X線画像処理装置20は、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数の程度が第1閾値Th1未満の場合に、被写体Tの体動量mに基づいて、X線撮影画像15における被写体Tの位置を補正して再構成に使用するか否かを切り替えるように構成されている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
次に、図1、図2、図10、図12および図13を参照して、本発明の第2実施形態による医用X線画像処理装置20について説明する。被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数の程度が第1閾値Th1未満の場合に、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15を再構成から除外する第1実施形態とは異なり、第2実施形態では、医用X線画像処理装置20は、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数の程度が第1閾値Th1未満の場合に、被写体Tの体動量mに基づいて、X線撮影画像15における被写体Tの位置を補正して再構成に使用するか否かを切り替えるように構成されている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態における再構成画像生成部13は、少なくとも除外したX線撮影画像15に対して、X線撮影画像15における被写体Tの体動量mに基づいて、X線撮影画像15における被写体Tの位置を補正して再構成に使用するか否かを切り替えるように構成されている。具体的には、再構成画像生成部13は、複数のX線撮影画像15における被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15における被写体Tの体動量mが第3閾値Th3(図12参照)以上の場合、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15における被写体Tの位置を補正せずに、再構成から除外するように構成されている。また、再構成画像生成部13は、複数のX線撮影画像15における被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15における被写体Tの体動量mが第3閾値Th3未満、第3閾値Th3よりも小さい第4閾値Th4(図12参照)以上の場合、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の被写体Tの位置を補正して再構成画像16を生成するように構成されている。なお、第2実施形態では、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動のうち、X線撮影画像15内において位置補正することが可能な体動があった場合に、位置補正を行うように構成されている。すなわち、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動が、XZ面内における平行移動および、XZ面内におけるY軸方向周りの回転移動である場合に、位置補正を行うように構成されている。また、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動がX線撮影画像15内において被写体Tの位置補正をすることができない体動の場合、再構成に使用する画像から除外するように構成されている。
また、第2実施形態では、再構成画像生成部13は、少なくとも除外したX線撮影画像15における被写体Tの体動量mが第4閾値Th4未満の場合、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15における被写体Tの位置を補正することなく再構成画像16の生成に使用するように構成されている。
図12に示す数直線40は、横軸が被写体Tの体動が検出された画像の数の割合rの数直線である。また、図12に示す数直線41は、横軸が被写体Tの体動量mの数直線である。図12に示すように、第2実施形態では、再構成画像生成部13は、体動が検出されたX線撮影画像15の数の割合rが第1閾値Th1以上、第2閾値Th2未満の場合、被写体Tの体動量mに基づいて、X線撮影画像15の取り扱いを判定するように構成されている。具体的には、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動量mが第3閾値Th3未満の場合、X線撮影画像15をそのまま再構成に用いるように構成されている。また、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動量mが第3閾値Th3以上、第4閾値Th4未満の場合、被写体Tの体動が検出された画像における被写体Tの位置補正を行うように構成されている。また、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動量mが第4閾値Th4以上の場合、被写体Tの体動が検出された画像を再構成から除外するように構成されている。第3閾値Th3は、たとえば、5mmである。また、第4閾値Th4は、たとえば、1cmである。
次に、図13を参照して、第2実施形態における医用X線画像処理装置20が再構成画像16生成する際のX線撮影画像15の取り扱い処理について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の処理については同じ符号を付し、説明を省略する。
ステップS700において、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動量mが第3閾値Th3以上か否かを判定する。被写体Tの体動量mが第3閾値Th3以上の場合、ステップS701へ進む。被写体Tの体動量mが第3閾値Th3未満の場合、ステップS702へ進む。
ステップS701において、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15を再構成に使用する画像から除外する。その後、ステップS704へ進む。
ステップS702において、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動量mが第4閾値Th4以上か否かを判定する。被写体Tの体動量mが第4閾値Th4以上の場合、ステップS703へ進む。被写体Tの体動量mが第4閾値Th4未満の場合、ステップS704へ進む。
ステップS703において、再構成画像生成部13は、X線撮影画像15における被写体Tの位置を補正する。その後、ステップS704へ進む。
ステップS704において、再構成画像生成部13は、被写体Tの体動が検出された全てのX線撮影画像15の体動量mを判定したか否かを判定する。被写体Tの体動が検出された全てのX線撮影画像15の体動量mを判定した場合、ステップS9へ進む。被写体Tの体動が検出された全てのX線撮影画像15の体動量mを判定していない場合、ステップS701に戻る。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、体動に関する情報は、被写体Tの体動量mを含み、再構成画像生成部13は、少なくとも除外したX線撮影画像15に対して、X線撮影画像15における被写体Tの体動量mに基づいて、X線撮影画像15における被写体Tの位置を補正して再構成に使用するか否かを切り替えるように構成されている。これにより、被写体Tの体動が検出された画像であっても、被写体Tの体動量mに基づいて位置補正を行うことが可能な場合には、再構成に使用する画像の枚数を増加させることができる。そのため、被写体Tの体動が検出された画像を位置補正せずに再構成から除外する場合と比べて、再構成で得られる画像の画質を向上させることができる。また、位置補正を行うことが可能でない場合には、再構成に使用する画像から除外することが可能となるので、再構成画像16の画質が劣化することを抑制することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、再構成画像生成部13は、複数のX線撮影画像15における被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15における被写体Tの体動量mが第3閾値Th3以上の場合、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15における被写体Tの位置を補正せずに、再構成から除外するように構成されている。これにより、被写体Tの体動量mが第3閾値Th3以上の場合、X線撮影画像15を再構成から除外することができる。その結果、位置補正を行うことが可能でないX線撮影画像15が再構成に使用されることを容易に抑制することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、再構成画像生成部13は、複数のX線撮影画像15における被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15における被写体Tの体動量mが第3閾値Th3未満、第3閾値Th3よりも小さい第4閾値Th4以上の場合、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の被写体Tの位置を補正して再構成画像16を生成するように構成されている。これにより、被写体Tの体動が検出された画像のうちでも、体動量mが所定の閾値の範囲内であれば位置補正を行って再構成に使用することができる。その結果、再構成に使用する画像を増加させることが可能となるので、再構成画像16の画質を向上させることができる。
また、第2実施形態では、上記のように、再構成画像生成部13は、少なくとも除外したX線撮影画像15における被写体Tの体動量mが第4閾値Th4未満の場合、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15における被写体Tの位置を補正することなく再構成画像16の生成に使用するように構成されている。これにより、たとえば、体動量mが位置補正を行う必要がない程度に小さい場合、位置補正せずに再構成画像16の生成に使用することができる。その結果、体動量mの程度に関わらず位置補正を行う場合と比較して、再構成画像16の生成を簡素化することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
次に、図1、および図14〜図17を参照して、本発明の第3実施形態による医用X線画像処理装置30の構成について説明する。被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数の程度が第1閾値Th1未満の場合に、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15を再構成から除外する第1実施形態とは異なり、第3実施形態では、連続的に撮影された複数のX線撮影画像15において、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15が撮影されたタイミングにおける総撮影枚数に対する撮影順に基づいて、X線画像撮影装置100における撮影を中断するか続行するかを切り替える撮影切替部31をさらに備える。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。また、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15が撮影されたタイミングにおける総撮影枚数に対する撮影順とは、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15が撮影された撮影順の総撮影数に対する割合の事である。
次に、図1、および図14〜図17を参照して、本発明の第3実施形態による医用X線画像処理装置30の構成について説明する。被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15の数の程度が第1閾値Th1未満の場合に、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15を再構成から除外する第1実施形態とは異なり、第3実施形態では、連続的に撮影された複数のX線撮影画像15において、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15が撮影されたタイミングにおける総撮影枚数に対する撮影順に基づいて、X線画像撮影装置100における撮影を中断するか続行するかを切り替える撮影切替部31をさらに備える。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。また、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15が撮影されたタイミングにおける総撮影枚数に対する撮影順とは、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15が撮影された撮影順の総撮影数に対する割合の事である。
図14に示すように、第3実施形態における医用X線画像処理装置30は、連続的に撮影された複数のX線撮影画像15において、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15が撮影されたタイミングにおける総撮影枚数に対する撮影順に基づいて、X線画像撮影装置100における撮影を中断するか続行するかを切り替える撮影切替部31をさらに備える。また、第3実施形態では、撮影切替部31は、複数のX線撮影画像15の一部に被写体Tの体動が検出された場合に、被写体Tの体動が検出された撮影位置まで撮影系7を移動させて再撮影を行うか否かを切り替えるように構成されている。
(撮影を中断するか続行するかの判断)
次に、図15を参照して、第3実施形態における撮影切替部31が撮影を中断するか続行するかの判定を行う処理について説明する。
次に、図15を参照して、第3実施形態における撮影切替部31が撮影を中断するか続行するかの判定を行う処理について説明する。
図15に示す数直線42は、横軸が時間tの数直線である。また、図15に示す数直線43は、横軸が被写体Tの体動が検出されたタイミングにおける総撮影枚数Nに対する撮影順tgの数直線である。なお、被写体Tの体動が検出されたタイミングにおける総撮影枚数Nに対する撮影順tgは、被写体Tの体動が検出された撮影順n0の総撮影枚数Nに対する割合(n0/N×100)である。また、図15に示す数直線44は、横軸が被写体Tの体動量mの数直線である。
図15に示すように、撮影切替部31は、被写体Tの体動が検出されたタイミングにおける総撮影枚数Nに対する撮影順tgが第5閾値Th5未満の場合、撮影を中断するように構成されている。また、撮影切替部31は、被写体Tの体動が検出されたタイミングにおける総撮影枚数Nに対する撮影順tgが第5閾値Th5以上の場合、被写体Tの体動量mに基づいて、撮影を中断するか続行するかを判定するように構成されている。具体的には、撮影切替部31は、被写体Tの体動量mが、第6閾値Th6未満の場合、撮影を続行するように構成されている。また、撮影切替部31は、被写体Tの体動量mが第6閾値Th6以上の場合、撮影を続行するように構成されている。なお、第3実施形態では、再撮影を行う方法として、X線画像撮影装置100は、X線撮影画像15における被写体Tの体動量mが第6閾値Th6以上の場合、撮影を中断して被写体Tの体動が確認された撮影位置まで撮影系7を移動させて撮影を再開するか、または、中断することなく撮影を行い、撮影が完了した後に、被写体Tの体動が確認された位置の撮影を行うように構成されている。なお、第3実施形態では、体動量mとして、X線撮影画像15内のXZ面内における平行移動および、XZ面内におけるY軸方向周りの回転移動のみでなく、X軸線周りの回転移動およびZ軸線周りの回転移動も含む。第5閾値Th5は、たとえば、70%である。また、第6閾値Th6は、たとえば、5cmである。また、第6閾値Th6は、第4閾値Th4よりも大きい値である。
次に、図16および図17を参照して、第3実施形態における撮影切替部31が撮影を中断するか続行するかを判定する処理の流れについて説明する。なお、上記第1実施形態と同様の処理については同じ符号を付し、説明を省略する。
ステップS1〜ステップS3において、医用X線画像処理装置30は、所定の相対位置に撮影系7を配置して撮影されたX線撮影画像15を生成する。
次に、ステップS30において、生成されたX線撮影画像15中に写るファントム6および被写体Tの位置情報を取得する。その後、ステップS5およびステップS6において被写体Tの体動が検出された場合、ステップS9へ進む。
ステップS9において、撮影切替部31は、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15が撮影されたタイミングにおける総撮影枚数に対する撮影順に基づいて、X線画像撮影装置100における撮影を中断するか続行するかを切り替える判定を行う。X線画像撮影装置100における撮影を中断するか続行するかを切り替える判定の詳細については後述する。
その後、ステップS3、ステップS7およびステップS8へと進み、処理を終了する。
次に、図16を参照して、第3実施形態における撮影切替部31がX線画像撮影装置100における撮影を中断するか続行するかを切り替える判定について説明する。
ステップS90において、撮影切替部31は、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15が撮影されたタイミングにおける総撮影枚数に対する撮影順が、第5閾値Th5未満であるか否かを判定する。X線撮影画像15が撮影されたタイミングにおける総撮影枚数に対する撮影順が第5閾値Th5以上である場合、処理を終了する。すなわち、撮影を中断する。X線撮影画像15が撮影されたタイミングにおける総撮影枚数に対する撮影順が第5閾値Th5未満である場合、ステップS91へ進む。
ステップS91において、再構成画像生成部13は、X線撮影画像15における被写体Tの体動量mが第6閾値Th6以上か否かを判定する。X線撮影画像15における被写体Tの体動量mが第6閾値Th6以上の場合、ステップS92へ進む。X線撮影画像15における被写体Tの体動量mが第6閾値Th6未満の場合、ステップS3へ進む。
ステップS92において、撮影切替部31は、被写体Tの体動が検出された撮影位置に撮影系7を移動させる。その後、ステップS93へ進む。ステップS93において、X線画像撮影装置100は、被写体Tの撮影を再開する。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、連続的に撮影された複数のX線撮影画像15において、被写体Tの体動が検出されたX線撮影画像15が撮影されたタイミングにおける総撮影枚数に対する撮影順に基づいて、X線画像撮影装置100における撮影を中断するか続行するかを切り替える撮影切替部31をさらに備える。ここで、通常、連続して撮影を行う場合、一旦体動が発生するとその後も体動が継続することになるので、上記構成によって撮影順が早いタイミングで被写体Tの体動が検出された場合、撮影を中断することができる。その結果、被写体Tの被ばく量を低減することができる。また、大部分の画像を撮り終えた後の撮影順が遅いタイミングで被写体Tの体動が検出された場合、中断することなく撮影を続行することができる。その結果、たとえば、再度撮影する場合と比較して、被写体Tの体動が検出されていない場所を撮り直すことが不要となるため、被ばく量を低減することができる。
また、第3実施形態では、上記のように、撮影切替部31は、複数のX線撮影画像15の一部に被写体Tの体動が検出された場合に、被写体Tの体動が検出された撮影位置まで撮影系7を移動させて再撮影を行うか否かを切り替えるように構成されている。これにより、再撮影を行う場合には、再撮影が必要な場所だけ再撮影を行うことが可能となるので、不要な被ばくを抑制することができる。また、再撮影を行わない場合には、必要のない撮影を行うことを抑制することが可能となるので、不要な被ばくを抑制することができる。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、医用X線画像処理装置1は、トモシンセシスにおけるX線撮影画像15の再構成に用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。トモシンセシス以外の画像の再構成に用いてもよい。たとえば、長尺撮影、断層撮影(CT撮影)、デュアルエナジーサブトラクション法などによって撮影された画像の再構成に用いてもよい。
また、上記実施形態では、被写体Tの長手方向に撮影系7を移動させつつ撮影を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、被写体Tの短手方向に撮影系7を移動させつつ撮影を行ってもよい。
また、上記第1実施形態では、医用X線画像処理装置1が全ての相対位置で撮影を行ってから、複数のX線撮影画像15の体動の有無を判定し、体動が検出されたX線撮影画像15を再構成から除外する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、医用X線画像処理装置1は、図18に示すように、各相対位置において撮影する毎に被写体Tの体動の有無を判定するように構成されていてもよい。また、再構成画像生成部13は、図19に示すように、被写体Tの体動量mが第4閾値Th4以上、第3閾値Th3未満の場合、位置補正を行うように構成されていてもよい。このように構成すれば、医用X線画像処理装置1は、X線撮影画像15における被写体Tの体動量mが第4閾値Th4以上、第3閾値Th3未満の場合に位置補正を行い、再構成に使用することができる。その結果、再構成に使用することができるX線撮影画像15の数を増加させることが可能になるので、再構成を行う機会をより増加させることができる。
また、上記実施形態では、ファントム6は、X線吸収体60を1つ含む構成を示したが、本発明はこれに限られない。ファントム6は、1つ以上のX線吸収体60を含んでいてもよい。たとえば、ファントム6の中心部において、Y方向の位置が異なる2つのX線吸収体60を含むように構成されていてもよい。このように構成すれば、1つのX線吸収体60を含む場合と比較して、撮影系7の移動による撮影アングルの変化に伴うX線吸収体60の写り方の変化(トレンド)をより明確に把握することができる。その結果、被写体Tの体動の有無をより正確に判定することができる。
また、上記実施形態では、医用X線画像処理装置1がX線画像撮影装置100に設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、医用X線画像処理装置1とX線画像撮影装置100とを別々に設ける構成でもよい。その場合、医用X線画像処理装置1は、X線画像撮影装置100で生成された複数のX線撮影画像15を取得し、再構成を行うように構成すればよい。
また、上記実施形態では、医用X線画像処理装置1がX線画像撮影装置100の制御部4と別々に設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、医用X線画像処理装置1と制御部4とを一体で設けてもよい。すなわち、X線画像撮影装置100の制御部4に、医用X線画像処理装置1の機能を備えるように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、再構成画像生成部13が、2枚または3枚のX線撮影画像15を使用して再構成画像16を生成する例を示したが、本発明はこれに限られない。再構成画像16を生成することが可能であれば、使用するX線撮影画像15の枚数は何枚でもよい。
また、上記実施形態では、撮影系位置変更機構5が、X線源2を移動および回動させることにより、撮影系7の被写体Tに対する相対位置を変更する例を示したが、本発明はこれに限られない。撮影系7の被写体Tに対する相対位置を変更することができれば、X線源2および検出器3のどちらを動かしてもよい。また、X線源2および検出器3の両方を動かすことにより、撮影系7の被写体Tに対する相対位置を変更してもよい。
また、上記実施形態では、位置情報取得部11がファントム6および被写体Tの位置情報として、X線撮影画像15における座標値を取得する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、位置情報取得部11は、X線撮影画像15のある地点を基準とし、その基準からの距離と方向を持ったベクトル値を位置情報として取得するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、医用X線画像処理装置1がX線撮影画像生成部14を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、X線撮影画像生成部14が医用X線画像処理装置1とは別々に設けられていてもよい。その場合、医用X線画像処理装置1の画像取得部10は、たとえば、検出器3などに設けられたX線撮影画像生成部14によってあらかじめ生成されたX線撮影画像15を取得するように構成されていればよい。
1、20、30 医用X線画像処理装置(画像処理部)
2 X線源
3 検出器
5 撮影系位置変更機構
6 ファントム
7 撮影系
10 画像取得部
11 位置情報取得部
12 体動情報取得部
13 再構成画像生成部
15、15a、15b、15c X線撮影画像
16 再構成画像
31 撮影切替部
100 X線画像撮影装置
m 体動量
T 被写体
Th1 第1閾値
Th2 第2閾値
Th3 第3閾値
Th4 第4閾値
2 X線源
3 検出器
5 撮影系位置変更機構
6 ファントム
7 撮影系
10 画像取得部
11 位置情報取得部
12 体動情報取得部
13 再構成画像生成部
15、15a、15b、15c X線撮影画像
16 再構成画像
31 撮影切替部
100 X線画像撮影装置
m 体動量
T 被写体
Th1 第1閾値
Th2 第2閾値
Th3 第3閾値
Th4 第4閾値
Claims (12)
- X線撮影により得られた複数のX線撮影画像を取得する画像取得部と、
複数の前記X線撮影画像中に写るファントムの位置情報および被写体の位置情報を取得する位置情報取得部と、
複数の前記X線撮影画像それぞれにおける前記ファントムの位置情報と被写体の位置情報とに基づいて、被写体の体動に関する情報を取得する体動情報取得部と、
複数の前記X線撮影画像の一部に被写体の体動が検出された場合に、被写体の体動が検出された前記X線撮影画像を除外して、撮影系の被写体に対する相対位置を変化させつつ撮影した複数の前記X線撮影画像を1つの画像に再構成した再構成画像を生成する再構成画像生成部とを備える、医用X線画像処理装置。 - 前記再構成画像生成部は、被写体の前記体動に関する情報に基づき、複数の前記X線撮影画像における被写体の体動が検出された前記X線撮影画像の数の程度が第1閾値未満の場合に、被写体の体動が検出された前記X線撮影画像を除外するように構成されている、請求項1に記載の医用X線画像処理装置。
- 前記再構成画像生成部は、複数の前記X線撮影画像における被写体の体動が検出された前記X線撮影画像の数の程度が前記第1閾値よりも小さい第2閾値未満の場合には、被写体の体動が検出された前記X線撮影画像を除外せずに前記再構成画像を生成するように構成されている、請求項2に記載の医用X線画像処理装置。
- 前記再構成画像生成部は、複数の前記X線撮影画像における被写体の体動が検出された前記X線撮影画像の数の程度が前記第1閾値よりも大きい場合、前記再構成画像を生成しないように構成されている、請求項2または3に記載の医用X線画像処理装置。
- 前記再構成画像生成部は、複数の前記X線撮影画像における被写体の体動が検出された前記X線撮影画像の数の割合が前記第1閾値未満の場合、被写体の体動が検出された前記X線撮影画像を除外して前記再構成画像を生成するように構成されている、請求項4に記載の医用X線画像処理装置。
- 前記体動に関する情報は、被写体の体動量を含み、
前記再構成画像生成部は、少なくとも除外した前記X線撮影画像に対して、前記X線撮影画像における被写体の前記体動量に基づいて、前記X線撮影画像における被写体の位置を補正して再構成に使用するか否かを切り替えるように構成されている、請求項4または5に記載の医用X線画像処理装置。 - 前記再構成画像生成部は、複数の前記X線撮影画像における被写体の体動が検出された前記X線撮影画像における被写体の前記体動量が第3閾値以上の場合、被写体の体動が検出された前記X線撮影画像における被写体の位置を補正せずに、再構成から除外するように構成されている、請求項6に記載の医用X線画像処理装置。
- 前記再構成画像生成部は、複数の前記X線撮影画像における被写体の体動が検出された前記X線撮影画像における被写体の前記体動量が前記第3閾値未満、前記第3閾値よりも小さい第4閾値以上の場合、被写体の体動が検出された前記X線撮影画像の被写体の位置を補正して前記再構成画像を生成するように構成されている、請求項7に記載の医用X線画像処理装置。
- 前記再構成画像生成部は、少なくとも除外した前記X線撮影画像における被写体の前記体動量が前記第4閾値未満の場合、被写体の体動が検出された前記X線撮影画像における被写体の位置を補正することなく前記再構成画像の生成に使用するように構成されている、請求項8に記載の医用X線画像処理装置。
- 連続的に撮影された複数の前記X線撮影画像において、被写体の体動が検出された前記X線撮影画像が撮影されたタイミングにおける総撮影枚数に対する撮影順に基づいて、X線画像撮影装置における撮影を中断するか続行するかを切り替える撮影切替部をさらに備える、請求項9に記載の医用X線画像処理装置。
- 前記撮影切替部は、複数の前記X線撮影画像の一部に被写体の体動が検出された場合に、被写体の体動が検出された撮影位置まで前記撮影系を移動させて再撮影を行うか否かを切り替えるように構成されている、請求項10に記載の医用X線画像処理装置。
- X線源と、
前記X線源から照射されたX線を検出する検出器と、
前記検出器により検出されたX線の強度分布から、X線撮影画像を生成する画像処理部と、
前記X線源と前記検出器とからなる撮影系の相対位置を変更する撮影系位置変更機構とを備え、
前記画像処理部は、複数の前記X線撮影画像中に写るファントムの位置情報および被写体の位置情報を取得するように構成されており、
前記画像処理部は、複数の前記X線撮影画像における前記ファントムの位置情報および被写体の位置情報に基づいて、被写体の体動に関する情報を取得するように構成されており、
前記画像処理部は、複数の前記X線撮影画像のそれぞれにおける被写体の体動の有無を判定するように構成されており、
前記画像処理部は、複数の前記X線撮影画像の一部に被写体の体動が検出された場合に、被写体の体動が検出された前記X線撮影画像を除外して、前記撮影系の被写体に対する相対位置を変化させつつ撮影した複数の前記X線撮影画像を1つの画像に再構成した再構成画像を生成するように構成されている、X線画像撮影装置。
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