JPWO2019054394A1 - 近赤外線吸収性組成物、近赤外線吸収性膜及び固体撮像素子用イメージセンサー - Google Patents

近赤外線吸収性組成物、近赤外線吸収性膜及び固体撮像素子用イメージセンサー Download PDF

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Abstract

本発明の課題は、長期間にわたる保存における、構成材料の分散安定性及び近赤外線カット安定性に優れた近赤外線吸収性組成物と、これを用いて形成した近赤外線吸収性膜と、当該近赤外線吸収性膜を具備する固体撮像素子用イメージセンサーを提供することである。本発明の近赤外線吸収性組成物は、ホスホン酸銅錯体と、2種以上の分散剤を含有する近赤外線吸収性組成物であって、当該分散剤の少なくとも1種が、下記一般式(1)で表される構造を有し、かつ分子量が190以下の分散剤Aであることを特徴とする。【化1】

Description

本発明は、近赤外線吸収性組成物と、これを用いた近赤外線吸収性膜及び固体撮像素子用イメージセンサーに関し、より詳しくは、長期間にわたる保存における、構成材料の分散安定性及び近赤外線カット安定性に優れた近赤外線吸収性組成物と、これを用いた近赤外線吸収性膜と、当該近赤外線吸収性膜を具備する固体撮像素子用イメージセンサーに関する。
近年、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、カメラ機能付き携帯電話などにはカラー画像の固体撮像素子としてCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal−oxide Semiconductor)イメージセンサーが用いられているが、これら固体撮像素子はその受光部において近赤外線波長領域に感度を有するシリコンフォトダイオードを使用しているため、視感度補正を行うことが必要となり、そのため、近赤外線カットフィルターを用いることが多い。
このような近赤外線カットフィルターを形成するための材料の一例として、ホスホン酸銅錯体を用いた近赤外線吸収性組成物が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
上記特許文献において、ホスホン酸銅錯体の分散媒体としては、特許文献1では1種の溶媒を適用すること、特許文献2では特定の可溶化剤を1種適用すること、特許文献3では特定の溶媒を1種適用することにより、品質の向上、例えば、保存安定性の向上を図っているが、いずれの特許文献でも、近赤外線吸収性組成物において、ホスホン酸銅塩に対し、バインダーである樹脂成分を添加した後での安定性を問題としているが、バインダー成分を含まない状態での近赤外線吸収性組成物の安定性に関しての言及はなく、本発明者らが検討を行った結果、バインダー樹脂を添加する前の段階での近赤外線吸収性組成物の分散安定性が、最終品質に対し大きく影響を与えることが判明し、早急な改良が必要とされている。
特許第4684393号公報 特許第4926699号公報 特許第5890805号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、長期間にわたる保存における、構成材料の分散安定性及び近赤外線カット安定性に優れた近赤外線吸収性組成物と、これを用いて形成した近赤外線吸収性膜と、当該近赤外線吸収性膜を具備する固体撮像素子用イメージセンサーを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく上記問題の原因等について検討した結果、ホスホン酸銅錯体と、2種以上の分散剤を含有する近赤外線吸収性組成物であって、当該分散剤の少なくとも1種が、オキシアルキレン単位を有し、かつ分子量が190以下の低分子の分散剤Aであることを特徴とする近赤外線吸収性組成物により、近赤外線吸収性組成物を構成するホスホン酸銅錯体粒子の長期間にわたる保存における分散安定性及び近赤外カット安定性が向上した近赤外線吸収性組成物と、これを用いて形成した近赤外線吸収性膜と、当該近赤外線吸収性膜を具備する固体撮像素子用イメージセンサーを実現することができることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.ホスホン酸銅錯体と、2種以上の分散剤を含有する近赤外線吸収性組成物であって、当該分散剤の少なくとも1種が、下記一般式(1)で表される構造を有し、かつ分子量が190以下の分散剤Aであることを特徴とする近赤外線吸収性組成物。
Figure 2019054394
〔式中、Rは水素原子又は1〜4価の有機基を表す。Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表す。Rは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。aは0〜10の整数である。bは1〜4の整数である。〕
2.前記2種以上の分散剤のうちの少なくとも1種が、下記官能基群から選ばれる少なくとも一つの官能基を有する分散剤Bであることを特徴とする第1項に記載の近赤外線吸収性組成物。
官能基群:ヒドロキシ基、チオール基、カルボニル基、カルボキシ基、スルホン酸基、シアノ基、アミノ基、及びピリジル基。
3.前記2種以上の分散剤のうち、前記分散剤Aを除く分散剤が、前記一般式(1)で表される構造を有していない分散剤であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の近赤外線吸収性組成物。
4.前記ホスホン酸銅錯体を構成するホスホン酸が、下記ホスホン酸群Aから選ばれる少なくとも1種のホスホン酸であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の近赤外線吸収性組成物。
ホスホン酸群A:エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ペンチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、2−クロロエチルホスホン酸、3−ブロモプロピルホスホン酸、3−メトキシブチルホスホン酸、1,1−ジメチルプロピルホスホン酸、1,1−ジメチルエチルホスホン酸、1−メチルプロピルホスホン酸。
5.前記ホスホン酸銅錯体を構成するホスホン酸が、下記ホスホン酸群Bから選ばれる少なくとも1種のホスホン酸であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の近赤外線吸収性組成物。
ホスホン酸群B:フェニルホスホン酸、4−メトキシフェニルホスホン酸、(4−アミノフェニル)ホスホン酸、(4−ブロモフェニル)ホスホン酸、3−ホスホノ安息香酸、4−ホスホノ安息香酸、及び(4−ヒドロキシフェニル)ホスホン酸。
6.近赤外線吸収性組成物全質量に対する固形分の比率が、10〜34質量%の範囲内であることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の近赤外線吸収性組成物。
7.前記ホスホン酸銅錯体を構成するリンの銅に対するモル比(リン/銅)の値が、1.5以下であることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の近赤外線吸収性組成物。
8.少なくとも第1項から第7項までのいずれか一項に記載の近赤外線吸収性組成物を用いたことを特徴とする近赤外線吸収性膜。
9.ポリシロキサンを有するマトリックス樹脂を含有することを特徴とする第8項に記載の近赤外線吸収性膜。
10.エポキシ基を有するマトリックス樹脂を含有することを特徴とする第9項に記載の近赤外線吸収性膜。
11.第8項から第10項までのいずれか一項に記載の近赤外線吸収性膜を具備していることを特徴とする固体撮像素子用イメージセンサー。
本発明の上記手段により、長期間にわたる保存における、構成材料の分散安定性及び近赤外線カット安定性に優れた近赤外線吸収性組成物と、これを用いて形成した近赤外線吸収性膜と、当該近赤外線吸収性膜を具備する固体撮像素子用イメージセンサーを提供することができる。
本発明の効果の発現機構・作用機構については明確になっていないが、以下のように推察している。
本発明の近赤外線吸収性組成物においては、ホスホン酸銅錯体粒子とともに、2種以上の分散剤を含有する構成とし、当該分散剤の少なくとも1種を、前記一般式(1)で表される構造を有し、かつ分子量が190以下の分散剤Aを適用することを特徴とする。
この様に、ホスホン酸銅錯体粒子を含む近赤外線吸収性組成物において、2種以上の分散剤を適用することにより、それぞれ単独の分散剤では予想できなかったシナジー効果が発現し、樹脂成分を添加する前の状態でのホスホン酸銅錯体粒子の微粒子化や、長期保存後の粒径安定性や近赤外線カット安定性に優れた効果を発現することが判明した。
特に、近赤外線波長領域に吸収特性を発現するホスホン酸銅錯体を、いかに安定して調製することができるかを検討する際に、ホスホン酸銅錯体の形成段階で、低分子量で特定構造を有する分散剤Aを初期状態から混合しておくことにより、よりホスホン酸銅に作用しやすくなり、更に、もう1種以上の分散剤に、銅との相互作用部位を導入することにより、ホスホン酸銅錯体と複数の分散剤とがより強く相互作用することで、粒子分散時に大きな剪断力を必要とすることなく、平均粒径が数100nmレベルのホスホン酸銅錯体粒子を形成することができるとこと判明した。
加えて、分散剤の少なくとも1種として、一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位を主鎖に有し、かつ分子量を190以下に限定した分散剤Aを適用することにより、分散剤としての優れた作用の他に、液状で分散媒としても効果的に作用するため、この点からも、近赤外線吸収性組成物中におけるホスホン酸銅錯体粒子の安定化に大きく貢献しているものと推測している。
本発明の近赤外線吸収性膜を具備した固体撮像素子を備えたカメラモジュールの構成の一例を示す概略断面図
本発明の近赤外線吸収性組成物は、ホスホン酸銅錯体と、2種以上の分散剤を含有する近赤外線吸収性組成物であって、当該分散剤の少なくとも1種が、前記一般式(1)で表される構造を有し、かつ分子量が190以下の分散剤Aであることを特徴とする。この特徴は、下記各実施形態に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の近赤外線吸収性組成物においては、本発明の目的とする効果をより発現できる観点から、近赤外線吸収性組成物を構成する2種以上の分散剤のうちの少なくとも1種が、前記の特定の官能基群から選ばれる少なくとも一つの官能基を有する分散剤Bとすることが、より優れた長期間にわたる保存安定性(ホスホン酸銅錯体粒子の分散安定性と近赤外線カット安定性)を有する近赤外線吸収性組成物を得ることができ点で好ましい。
また、近赤外線吸収性組成物を構成する2種以上の分散剤のうち、1種は前記一般式(1)で表される構造を有し、かつ分子量が190以下の分散剤Aを用い、併用するその他の分散剤が、前記一般式(1)で表される構造を有していない分散剤とすること、すなわち構造の異なる2種以上の分散剤を適用することにより、更に優れた長期保存安定性(ホスホン酸銅錯体粒子の分散安定性と近赤外線カット安定性)を有する近赤外線吸収性組成物を得ることができ点で好ましい。
また、ホスホン酸銅錯体を構成するホスホン酸として、特定構造のアルキルホスホン酸を適用することが、本願発明の目的である優れた近赤外線吸収能をより発現させることができる点で好ましい。
また、近赤外線吸収性組成物全質量に対する固形分の比率を、10〜34質量%の範囲内とすることが、適切な固形物(例えば、ホスホン酸銅錯体粒子)の濃度となり、長期間にわたる保存期間中でも粒子凝集性が抑制され、より優れた長期保存安定性(ホスホン酸銅錯体粒子の分散安定性と近赤外線カット安定性)を得ることができる点で好ましい。
また、ホスホン酸銅錯体を構成する銅に対するリンのモル比(リン/銅)の値を、1.5以下とすることが、より優れた近赤外線吸収能を得ることができる点で好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《近赤外線吸収性組成物の構成》
本発明の近赤外線吸収性組成物は、ホスホン酸銅錯体と、2種以上の分散剤を含有し、分散剤の少なくとも1種が前記一般式(1)で表される構造を有し、かつ分子量が190以下の分散剤Aであることを特徴とする。
以下、本発明の近赤外線吸収性組成物の代表的な構成成分であるホスホン酸銅錯体及び適用する分散剤について説明する。ただし、本発明はここで例示する構成にのみ限定されるものではない。
〔ホスホン酸銅錯体〕
本発明の近赤外線吸収性組成物では、ホスホン酸銅錯体を含有することを特徴とする。
はじめに、本発明に係るホスホン酸銅錯体を構成するホスホン酸化合物について説明する。
〈ホスホン酸化合物〉
本発明の近赤外線吸収性組成物は、下記一般式(2)で表される構造を有するホスホン酸化合物を含むものである。
Figure 2019054394
上記一般式(2)において、Rは、炭素数が1〜30である分岐状、直鎖状又は環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はアリル基を表し、少なくとも一つの水素原子が、ハロゲン原子、オキシアルキル基、ポリオキシアルキル基、オキシアリール基、ポリオキシアリール基、アシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、又は、芳香環を有する基で置換されていても、置換されていなくてもよい。
一般式(2)で表される構造を有するホスホン酸化合物の例としては、ホスホン酸群Aで表されるエチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ペンチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、2−クロロエチルホスホン酸、3−ブロモプロピルホスホン酸、3−メトキシブチルホスホン酸、1,1−ジメチルプロピルホスホン酸、1,1−ジメチルエチルホスホン酸、1−メチルプロピルホスホン酸や、ホスホン酸群Bで表されるフェニルホスホン酸、4−メトキシフェニルホスホン酸、(4−アミノフェニル)ホスホン酸、(4−ブロモフェニル)ホスホン酸、3−ホスホノ安息香酸、4−ホスホノ安息香酸、(4−ヒドロキシフェニル)ホスホン酸等が挙げられ、その一例を、下記化合物(H−1)〜(H−8)として例示する。
Figure 2019054394
本発明においては、ホスホン酸銅錯体を構成するホスホン酸が、下記ホスホン酸群から選ばれる少なくとも1種のアルキルホスホン酸であることが好ましい。
エチルホスホン酸
プロピルホスホン酸
ブチルホスホン酸
ペンチルホスホン酸
ヘキシルホスホン酸
オクチルホスホン酸
2−エチルヘキシルホスホン酸
2−クロロエチルホスホン酸
3−ブロモプロピルホスホン酸
3−メトキシブチルホスホン酸
1,1−ジメチルプロピルホスホン酸
1,1−ジメチルエチルホスホン酸
1−メチルプロピルホスホン酸
〈ホスホン酸銅錯体〉
本発明に係るホスホン酸銅錯体は、下記一般式(3)で表される構造を有する。
Figure 2019054394
上記一般式(3)において、Rはアルキル基、フェニル基、又はベンジル基である。
一般式(3)で表される構造を有するホスホン酸銅錯体の形成に用いられる銅塩としては、2価の銅イオンを供給することが可能な銅塩が用いられる。例えば、無水酢酸銅、無水ギ酸銅、無水ステアリン酸銅、無水安息香酸銅、無水アセト酢酸銅、無水エチルアセト酢酸銅、無水メタクリル酸銅、無水ピロリン酸銅、無水ナフテン酸銅、無水クエン酸銅等の有機酸の銅塩、該有機酸の銅塩の水和物若しくは水化物;酸化銅、塩化銅、硫酸銅、硝酸銅、リン酸銅、塩基性硫酸銅、塩基性炭酸銅等の無機酸の銅塩、該無機酸の銅塩の水和物若しくは水化物;水酸化銅が挙げられる。
本発明においては、ホスホン酸銅錯体を構成するホスホン酸が、アルキルホスホン酸であることが好ましく、例えば、エチルホスホン酸銅錯体、プロピルホスホン酸銅錯体、ブチルホスホン酸銅錯体、ペンチルホスホン酸銅錯体、ヘキシルホスホン酸銅錯体、オクチルホスホン酸銅錯体、2−エチルヘキシルホスホン酸銅錯体、2−クロロエチルホスホン酸銅錯体、3−ブロモプロピルホスホン酸銅錯体、3−メトキシブチルホスホン酸銅錯体、1,1−ジメチルプロピルホスホン酸銅錯体、1,1−ジメチルエチルホスホン酸銅錯体、1−メチルプロピルホスホン酸銅錯体、フェニルホスホン酸銅錯体、4−メトキシフェニルホスホン酸銅錯体、(4−アミノフェニル)ホスホン酸銅錯体、(4−ブロモフェニル)ホスホン酸銅錯体、3−ホスホノ安息香酸銅錯体、4−ホスホノ安息香酸銅錯体、(4−ヒドロキシフェニル)ホスホン酸銅錯体等を挙げることができる。
〔分散剤〕
本発明の近赤外線吸収性組成物においては、ホスホン酸銅錯体とともに、2種以上の分散剤を含有することを特徴とする。
2種以上の分散剤のうち、少なくとも1種は、下記一般式(1)で表される構造を有し、かつ分子量が190以下の分散剤Aであることを特徴とする。この分散剤Aと併用するその他の分散剤としては、特に制限はないが、一つとしては、下記官能基群から選ばれる少なくとも一つの官能基を有する分散剤Bであることが好ましい。
官能基群:ヒドロキシ基、チオール基、カルボニル基、カルボキシ基、スルホン酸基、シアノ基、アミノ基、及びピリジル基。
また、分散剤Aで構造の異なる2種以上の分散剤を併用しても、又は他方の1種を、分散剤Aで規定する一般式(1)で表される構造を有していない分散剤を併用してもよい。
(分散剤A)
本発明の近赤外線吸収性組成物においては、2種以上の分散剤のうち、少なくとも1種が、下記一般式(1)で表される構造を有し、かつ分子量が190以下の分散剤Aであることを特徴とする。
Figure 2019054394
上記一般式(1)において、Rは水素原子又は1〜4価の有機基を表す。Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表す。Rは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。aは0〜10の整数である。bは1〜4の整数である。aは好ましくは1〜10の整数である。bが2以上の場合、括弧内で表される構造は、同じであっても異なっていてもよい。
上記一般式(1)で表される化合物の中でも、bが1である化合物が好ましい。
更には、一般式(1)において、分子量が190以下となる範囲で、Rは、水素原子又は、1〜4価の有機基としては、炭素数が2〜10のアシル基、炭素数が1〜10の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、炭素数が6〜10のアリール基若しくはアラルキル基が挙げられ、アルキル基を構成する炭素原子に結合した少なくとも一つの水素原子が、ハロゲン原子、ヘテロ原子又は芳香環で置換されていてもよい。Rは炭素数が2〜4のアルキレン基を示し、nは1〜10を示す。アシル基の炭素数は、好ましくは2〜10である。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜15である。アリール基又はアラルキル基の炭素数は、好ましくは6〜20である。Rで示されるアルキレン基の炭素数は、好ましくは2〜3、更に好ましくは2である。
上記一般式(1)において、Rで表されるアシル基としてはジカルボン酸から誘導される2価の酸基も含まれ、例えば、2−エチルブタノイル基、(メタ)アクリロイル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ヘキサノイル基、ヘプタンジオイル基が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリロイル基、2−エチルヘキサノイル基が好ましい。また、Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、ノニル基が挙げられる。これらの中でも、メチル基、ラウリル基が好ましい。またさらに、Rで表されるアリール基若しくはアラルキル基としては、フェニル基、4−ノニルフェニル基が好ましい。さらに、Rで表されるアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、テトラメチレン基が好適である。このような基を採用することで、銅を含むリン化合物の樹脂への溶解性及び分散性を顕著に向上させることができる。
本発明に係る分散剤Aで表される化合物例を以下に示す。
1)PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(分子量:132)
2)PGEEA:プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(分子量:146)
3)PGBEA:プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート(分子量:174)
4)エチレングリコールジアセテート(分子量:146)
5)エチレングリコールジグリシジルエーテル(分子量:174)
6)エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(分子量:118)
7)エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(分子量:132)
8)エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(分子量:160)
9)エチレングリコールジブチルエーテル(分子量:174)
10)エチレングリコールモノアセテート(分子量:104)
11)エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(分子量:104)
12)エチレングリコールモノエチルエーテル(分子量:90)
13)エチレングリコールモノメトキシメチルエーテル(分子量:106)
14)グリセリン1,3−ジアセテート(分子量:176)
15)グリセリン1,2−ジメチルエーテル(分子量:120)
16)グリセリン1,3−ジメチルエーテル(分子量:120)
17)グリセリン1,3−ジエチルエーテル(分子量:148)
18)2−クロロ−1,3−プロパンジオール(分子量110)
19)3−クロロ−1,2−プロパンジオール(分子量110)
20)ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(分子量:148)
21)ジエチレングリコールジメチルエーテル(分子量:134)
22)ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(分子量:176)
23)ジエチレングリコールモノブチルエーテル(分子量:162)
24)ジエチレングリコールモノメチルエーテル(分子量:120)
25)ジプロピレングリコール(分子量:134)
26)ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(分子量:176)
27)トリエチレングリコール(分子量:150)
28)トリエチレングリコールジメチルエーテル(分子量:178)
29)トリエチレングリコールモノエチルエーテル(分子量:178)
30)トリエチレングリコールモノメチルエーテル(分子量:164)
31)プロピレングリコール(分子量:76)
32)プロピレングリコールモノエチルエーテル(分子量:104)
上記分散剤の中でも、特に、1)〜17)、20)〜24)、26)、28)〜30)、32)で示す分散剤が好ましい。
(分散剤B)
本発明の近赤外線吸収性組成物においては、2種以上の分散剤の少なくとも1種が、上記説明した一般式(1)で表される構造を有し、かつ分子量が190以下の分散剤Aであることを特徴の一つとするが、更に、2種以上の分散剤のうちの少なくとも1種が、下記官能基群から選ばれる少なくとも一つの官能基を有する分散剤Bであることが好ましい態様である。
分散剤Bが有する官能基は、ヒドロキシ基、チオール基、カルボニル基、カルボキシ基、スルホン酸基、シアノ基、アミノ基、及びピリジル基から選ばれる少なくとも1種である。
本発明に係る上記官能基を有する分散剤Bの例として、以下の各分散剤を挙げることができる。
1)アルキルイミダゾリン
2)ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル
3)ソルビタンモノパリミテート
4)ポリオキシエチレンアルキル(C8)エーテルリン酸エステル
5)スチレンーマレイン酸
6)ポリビニルピロリドン
7)ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル
8)ポリオキシエチレントリデシルエーテル
9)2−エチルヘキシルカルボン酸
10)トリメチル−1−ヘキサノール
11)フェノキシエタノール等。
また、分散液Bとしては市販品も用いることができる。例えば、花王製のエマルゲンシリーズ(例えば、102KG、103、105、106、108、109等)、レオドールSP−P10、アミートシリーズ(102、302)など、第一工業製薬製のプライサーフシリーズ(A208F、A208N)、DKSディスコートN−14、ピッツコールK−30、ノイゲンシリーズ(EA−157、TDS−100等)などを挙げることができる。
(その他の分散剤)
上記分散剤Aと併用可能なその他の分散剤としては、例えば、分子量が190を超えるジオキシエチレンラウリルエーテル、トリオキシエチレンラウリルエーテル、テトラオキシエチレンラウリルエーテル、ペンタオキシエチレンラウリルエーテル、ヘキサオキシエチレンラウリルエーテル、ヘプタオキシエチレンラウリルエーテル、オクタオキシエチレンラウリルエーテル、ノナオキシエチレンラウリルエーテル、デカオキシエチレンラウリルエーテル、ウンデカオキシエチレンラウリルエーテル、ドデカオキシエチレンラウリルエーテル、トリデカオキシエチレンラウリルエーテル、テトラデカオキシエチレンラウリルエーテル等のエーテル系化合物や、ジエチレングリコールジメタクリレート(NKエステル2G、新中村化学工業社製、分子量:242)、トリエチレングリコールジメタクリレート(分子量:286)、ポリエチレングリコール#200ジメタクリレート(NKエステル4G、新中村化学工業社製、分子量:330)、トリプロピレングリコールプロピルエーテル、トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサネート)(アクロス社製)、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート等を挙げることができる。
《近赤外線吸収性組成物の調製方法》
ホスホン酸銅錯体と、2種以上の分散剤を含有する近赤外線吸収性組成物の調製方法としては、特に制限はないが、例えば、下記の方法に従って調製することができる。
銅を供給する銅塩として、例えば、酢酸銅を用い、溶媒として、例えば、テトラヒドロフラン(略称:THF)と、本発明に係る分散剤Aとして、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(略称:PGMEA、分子量:132)を混合及び溶解する。この際、濾過操作により、不溶解状態の銅塩(例えば、酢酸銅)を除去して、酢酸銅溶液を調製する。次に、この酢酸銅溶液に対して、分散剤Bを加えて撹拌し、A液を調製する。また、アルキルホスホン酸にTHFを加えて撹拌し、B液を調製する。次に、A液を撹拌しながらB液を添加し、室温で一定時間撹拌する。次に、高温環境下、例えば、85℃で3時間を要して、溶媒であるTHFを揮発させて、分散物Aとその他の分散剤である分散剤Bとアルキルホスホン酸銅の微粒子を含む、近赤外線吸収性組成物を調製することができる。
《近赤外線吸収性膜とその適用分野》
本発明においては、本発明の近赤外線吸収性組成物を用いて、近赤外線吸収性膜を形成することを一つの特徴とする。
本発明の近赤外線吸収性膜は、本発明の2種以上の分散剤とホスホン酸銅錯体を含む近赤外線吸収性組成物に、マトリクス樹脂を添加し、マトリクス樹脂にホスホン酸銅の微粒子が分散している状態とすることによって形成されている。また、吸収波形調整用の添加剤として、650〜800nmの波長域に吸収極大波長を有する近赤外色素を少なくとも1種、添加することができる。近赤外色素としては、例えば、シアニン色素、スクアリリウム色素、クロコニウム色素、フロシアニン色素、ナフタロシアニン色素等を挙げることができる。
上記構成よりなる近赤外線吸収性膜形成用塗布液をスピンコーティング又はディスペンサーによる塗布方法で基板上に塗布して、近赤外線吸収性膜を形成する。その後、この塗膜に対して所定の加熱処理を行って塗膜を硬化させて、近赤外線吸収性膜を形成する。
近赤外線吸収性膜の形成に用いるマトリクス樹脂は、可視光線及び近赤外線に対し光透明性を有し、かつ、ホスホン酸銅錯体微粒子の分散が可能な樹脂である。ホスホン酸銅錯体は、比較的極性が低い物質であり、疎水性材料に良好に分散する。このため、近赤外線吸収性膜形成用のマトリクス樹脂としては、アクリル基、エポキシ基、又はフェニル基を有する樹脂を用いることができる。その中でも、特に、近赤外線吸収性膜のマトリクス樹脂としては、フェニル基を有する樹脂を用いることが好ましい。この場合、近赤外線吸収性膜のマトリクス樹脂は高い耐熱性を発揮する。また、ポリシロキサンシリコーン樹脂は、熱分解しにくく、可視光線及び近赤外線に対して高い光透過性を有し、耐熱性も高いので、固体撮像素子用イメージセンサー用の材料として好適な特性を有する。このため、近赤外線吸収性膜のマトリクス樹脂として、ポリシロキサンを用いることも好ましい。近赤外線吸収性膜のマトリクス樹脂として使用可能なポリシロキサンの具体例としては、KR−255、KR−300、KR−2621−1、KR−211、KR−311、KR−216、KR−212、及びKR−251を挙げることができる。これらはいずれも信越化学工業社製のシリコーン樹脂である。
また、シリコーン樹脂としては、例えば、SS−6203、SS−6309、VS−9301、VS−9506を挙げることができ、これらはいずれもサンユレック社製のシリコーン樹脂である。
本発明の近赤外線吸収性膜の形成に用いるマトリクス樹脂としては、低ガス透過性の観点から、エポキシ基を有するマトリックス樹脂を含有することが好ましい態様である。
この場合、近赤外線吸収性膜を構成するエポキシ基を有するマトリクス樹脂は、高い耐湿性を発揮するため、固体撮像素子用イメージセンサー用の材料として好適な特性を有する。
近赤外線吸収性膜のマトリクス樹脂として使用可能なエポキシ基を有する樹脂の具体例としては、KJC−X5(信越化学工業社製)、NLD−L−672(サンユレック社製)、LE−1421(サンユレック社製)、EpiFineシリーズ(KISCO社製)を挙げることができる。
また、近赤外線吸収性膜のマトリクス樹脂として、上記に挙げたポリシロキサンとエポキシ基の両方を有する樹脂を用いることも好ましい。
この場合、これらのポリシロキサンとエポキシ基の両方を有するマトリクス樹脂は、高い耐熱性、耐湿性を発揮するため、固体撮像素子用イメージセンサー用の材料として好適な特性を有する。
近赤外線吸収性膜のマトリクス樹脂として使用可能なポリシロキサンとエポキシ基の両方を有する樹脂の具体例としては、EpiFineシリーズ(KISCO社製)、ILLUMIKAシリーズ(カネカ社製)を挙げることができる。
(その他の添加剤)
本発明の近赤外線吸収性膜には、本発明の目的効果を損なわない範囲で、従来公知の各種添加剤を適用することができ、例えば、増感剤、架橋剤、硬化促進剤、フィラー、熱硬化促進剤、熱重合禁止剤、可塑剤などが挙げられ、更に基材表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を併用してもよい。
これらの成分を適宜含有させることにより、目的とする近赤外線吸収フィルターの安定性、膜物性などの性質を調整することができる。
これらの成分は、例えば、特開2012−003225号公報の段落番号(0183)〜(0260)、特開2008−250074号公報の段落番号(0101)〜(0102)、特開2008−250074号公報の段落番号(0103)〜(0104)、特開2008−250074号公報の段落番号(0107)〜(0109)等の記載を参酌できる。
本発明の近赤外線吸収性組成物は、液状とすることができるため、例えば、スピンコーティングすることにより膜を形成するという簡単な工程によって、近赤外線吸収性膜、例えば、近赤外線カットフィルターを容易に製造できる。
《固体撮像素子用イメージセンサーへの適用》
本発明の近赤外線吸収性膜は、例えば、CCD用、CMOS用、又は他の受光素子用の視感度補正部材、測光用部材、熱線吸収用部材、複合光学フィルター、レンズ部材(例えば、眼鏡、サングラス、ゴーグル、光学系、光導波系等)、ファイバ部材(例えば、光ファイバ等)、ノイズカット用部材、プラズマディスプレイ前面板等のディスプレイカバー又はディスプレイフィルター、プロジェクタ前面板、光源熱線カット部材、色調補正部材、照明輝度調節部材、光学素子(例えば、光増幅素子、波長変換素子等)、ファラデー素子、アイソレータ等の光通信機能デバイス、光ディスク用素子等を構成するものとして好適である。
本発明の近赤外線吸収性組成物の用途は、特に、固体撮像素子基板の受光側に配置する近赤外線カットフィルター用(例えば、ウエハーレベルレンズに対する近赤外線カットフィルター用等)、固体撮像素子基板の裏面側(受光側とは反対側)における近赤外線カットフィルター用などとして、固体撮像素子用イメージセンサーに適用することが特徴である。
詳しくは、本発明の近赤外線吸収性膜(近赤外線カットフィルター)は、固体撮像素子用イメージセンサー上に配置する。
図1は、本発明の近赤外線吸収性膜である赤外線カットフィルターを具備した固体撮像素子を備えたカメラモジュールの構成を示す概略断面図である。なお、図1の説明において、構成要素の末尾に括弧内で記載した数字は、各図における符号を表す。
図1に示すカメラモジュール(1)は、実装基板である回路基板(12)に接続部材であるハンダボール(60)を介して接続されている。
詳細には、カメラモジュール(1)は、シリコーン基板の第1の主面に撮像素子部を備えた固体撮像素子基板(10)と、固体撮像素子基板(10)の第1の主面側(受光側)に設けられた平坦化層(8)と、平坦化層(8)の上に設けられた近赤外線カットフィルター(9、近赤外線吸収性膜)と、近赤外線カットフィルター(9)の上方に配置されるガラス基板(3、光透過性基板)と、ガラス基板(3)の上方に配置され内部空間に撮像レンズ(4)を有するレンズホルダー(5)と、固体撮像素子基板(10)及びガラス基板(3)の周囲を囲うように配置された遮光兼電磁シールド(6)と、を備えて構成されている。各部材は、接着剤(2、7)により接着されている。
本発明は、固体撮像素子基板と、上記固体撮像素子基板の受光側に配置された赤外線カットフィルターとを有するカメラモジュールの製造方法であって、固体撮像素子基板の受光側において、上記本発明の赤外線吸収性液状組成物をスピンコーティングすることにより、近赤外線吸収性膜を形成することができる。
よって、カメラモジュール(1)においては、例えば、平坦化層(8)の上に、本発明の近赤外線吸収性組成物をスピンコーティングすることにより近赤外線吸収性膜を形成して、近赤外線カットフィルター(9)を形成する。
カメラモジュール(1)では、外部からの入射光(L)が、撮像レンズ(4)、ガラス基板(3)、近赤外線カットフィルター(9)、平坦化層(8)を順次透過した後、固体撮像素子基板(10)の撮像素子部に到達するようになっている。
また、カメラモジュール(1)は、固体撮像素子基板(10)の第2の主面側で、ハンダボール(11、接続材料)を介して回路基板(12)に接続されている。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行った。
実施例1
《近赤外線吸収性組成物の調製》
(近赤外線吸収性組成物1の調製)
近赤外線吸収性組成物1を下記の方法に従って調製した。
酢酸銅を1.8g、溶媒としてのテトラヒドロフラン(略称:THF)を60g、分散剤Aとしてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(略称:PGMEA、以下、「分散剤A1」と称す。)を12gのそれぞれを混合し、超音波照射機を用いて溶解し、遠心分離による濾過操作を行って、不溶解である酢酸銅を除去して、分散剤A1(PGMEA)を含む酢酸銅溶液を調製した。
次いで、上記調製した酢酸銅溶液の60gに対して、分散剤Bとして、官能基としてカルボキシ基を有するポリカルボン酸型高分子分散剤(花王社製、製品名:ホモゲノールL18、以下、「分散剤B1」と称す。)を1.0g加えて撹拌し、A液を得た。一方、アルキルホスホン酸としてプロピルホスホン酸の0.63gにTHF6.0gを加えて撹拌し、B液を調製した。
次に、A液を撹拌しながらB液を添加し、室温で16時間撹拌した。次いで、85℃の環境下で3時間かけて溶媒であるTHFを揮発させた。このようにして、プロピルホスホン酸銅微粒子と、分散剤A及び分散剤Bを含む近赤外線吸収性組成物1の5.4gを調製した。最後に、プロピルホスホン酸銅微粒子以外の非固形成分の添加量を適宜調整し、最終的な固形分比率が20質量%となるようにして、近赤外線吸収性組成物1を調製した。
(近赤外線吸収性組成物2の調製)
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、分散剤Bである分散剤B1(ポリカルボン酸型高分子分散剤)に代えて、第2の分散剤として下記分散剤C1を用いた以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物2を調製した。
分散剤C1:リン酸エーテル系分散剤、プライサーフA208F(第一工業製薬社製、ポリオキシエチレンアルキル(C8)エーテルリン酸エステル、一般式(1)で表される構造を有する化合物)
(近赤外線吸収性組成物3の調製)
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、アルキルホスホン酸として、プロピルホスホン酸に代えて、オクチルホスホン酸を用いた以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物3を調製した。
(近赤外線吸収性組成物4の調製)
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、アルキルホスホン酸として、プロピルホスホン酸に代えて、ヘキシルホスホン酸を用いた以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物4を調製した。
(近赤外線吸収性組成物5の調製)
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、アルキルホスホン酸として、プロピルホスホン酸に代えて、エチルホスホン酸を用いた以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物5を調製した。
(近赤外線吸収性組成物6の調製)
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、分散剤Bである分散剤B1(ポリカルボン酸型高分子分散剤)を除いた以外は同様にして、比較例の近赤外線吸収性組成物6を調製した。
(近赤外線吸収性組成物7の調製)
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、分散剤Aである分散剤A1(PGMEA)に代えて、同量のトルエン(分子量:92)を用いた以外は同様にして、比較例の近赤外線吸収性組成物7を調製した。
(近赤外線吸収性組成物8の調製)
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、プロピルホスホン酸銅微粒子以外の非固形成分の添加量を適宜調整し、最終的な固形分比率が35質量%となるように変更した以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物8を調製した。
(近赤外線吸収性組成物9の調製)
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、プロピルホスホン酸銅微粒子以外の非固形成分の添加量を適宜調整し、最終的な固形分比率が5質量%となるように変更した以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物9を調製した。
(近赤外線吸収性組成物10の調製)
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、プロピルホスホン酸銅錯体調製時の酢酸銅と、プロピルホスホン酸の添加量を、銅に対するリンのモル比が2.0となるように適宜変更した以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物10を調製した。
(近赤外線吸収性組成物11の調製)
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、分散剤Aである分散剤A1(PGMEA)に代えて、下記分散剤A2を用いた以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物11を調製した。
分散剤A2:プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(分子量:146)
(近赤外線吸収性組成物12の調製)
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、分散剤Aである分散剤A1(PGMEA)に代えて、下記分散剤A3を用いた以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物12を調製した。
分散剤A3: プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート(分子量:174)
(近赤外線吸収性組成物13の調製)
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、分散剤Bとして、分散剤B1(ポリカルボン酸型高分子分散剤)に代えて、下記分散剤B2を用いた以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物13を調製した。
分散剤B2:ネオハイテノールL−30(第一工業製薬社製、ポリオキシエチレンスルホコハク酸、官能基:スルホン基)
(近赤外線吸収性組成物14の調製)
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、分散剤Bとして、分散剤B1(ポリカルボン酸型高分子分散剤)に代えて、下記分散剤B3を用いた以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物14を調製した。
分散剤B3:カチオーゲンTML(第一工業製薬社製、ラウリルトリメチルアンモニウムクロザイド、官能基:アミノ基)
(近赤外線吸収性組成物15の調製)
2−エチルヘキシル−2−エチルヘキシルホスホネートの10.0gをトルエンの15gに溶解させた溶液に、酢酸銅一水和物の3.29gを加え、この溶液を加熱還流しながら酢酸を溜去して、2−エチルヘキシル−2−エチルヘキシルホスホネートの銅錯体(表Iには、*1と表示)が固形分比で40質量%である近赤外線吸収性組成物15を調製した。
(近赤外線吸収性組成物16の調製)
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、分散剤Aである分散剤A1(PGMEA)に代えて、下記分散剤A4を用いた以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物16を調製した。
分散剤A4:1,3−ブチレングリコールジメタクリレート(分子量:226)
(近赤外線吸収性組成物17の調製)
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、プロピルホスホン酸の0.63gを、フェニルホスホン酸の0.87gに変更した以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物17を調製した。
(近赤外線吸収性組成物18の調製)
上記近赤外線吸収性組成物2の調製において、プロピルホスホン酸の0.63gを、フェニルホスホン酸の0.87gに変更した以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物18を調製した。
上記作製した近赤外線吸収性組成物1〜18の基本構成を表Iに示す。
なお、表Iに略称で記載した各添加剤の詳細は、以下のとおりである。
〈ホスホン酸銅塩〉
*1:2−エチルヘキシル−2−エチルヘキシルホスホネートの銅錯体
〈分散剤A〉
分散剤A1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、分子量:132)
分散剤A2:プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(分子量:146)
分散剤A3:プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート(分子量:174)
分散剤A4:1,3−ブチレングリコールジメタクリレート(分子量:226)
〈分散剤B〉
分散剤B1:ホモゲノールL18(花王社製、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤)
分散剤B2:ネオハイテノールL−30(第一工業製薬社製、ポリオキシエチレンスルホコハク酸、官能基:スルホン基)
分散剤B3:カチオーゲンTML(第一工業製薬社製、ラウリルトリメチルアンモニウムクロザイド、官能基:アミノ基)
〈分散剤C:その他の分散剤〉
分散剤C1:プライサーフA208F(第一工業製薬社製、ポリオキシエチレンアルキル(C8)エーテルリン酸エステル)
《近赤外線吸収性組成物の評価》
上記調製した各近赤外線吸収性組成物について、下記の方法に従って、粒径安定性及び可視光透過率安定性の評価を行った。
〔粒径安定性の評価〕
(調製直後の平均粒径の測定)
近赤外線吸収性組成物について、粒子であるアルキルホスホン酸銅錯体の粒子濃度が1.0質量%となるように、近赤外線吸収性組成物の溶媒成分で希釈したサンプル1を調製した。
次いで、サンプル1の平均粒径を、測定装置として大塚電子株式会社製のELSZ−1000を用い、動的光散乱法により測定した。
上記方法で測定した調製直後の平均粒径を、下記の基準に従ってランク付けを行った。
◎:平均粒径が、10〜300nmの範囲内である
○:平均粒径が、301〜500nmの範囲内である
△:平均粒径が、501〜700nmの範囲内である
×:平均粒径が、701nm以上である
(保存後の平均粒径の測定)
近赤外線吸収性組成物の原液をガラス容器に収納し、容器内を窒素ガスで充填した状態で密閉し、このガラス容器を5℃で3日間暗所保存した後、上記と同様の方法で、粒子であるアルキルホスホン酸銅錯体の粒子濃度が1.0質量%となるように、近赤外線吸収性組成物の溶媒成分で希釈した保存処理後のサンプル2を調製した。
次いで、サンプル2について、上記と同様の方法で平均粒径を測定し、同様のランク付けを行った。
〔可視光透過率安定性の評価〕
(調製直後の可視光透過率の測定)
近赤外線吸収性組成物について、粒子であるアルキルホスホン酸銅錯体の粒子濃度が1.0質量%となるように、近赤外線吸収性組成物の溶媒成分で希釈したサンプル1を調製した。
次いで、サンプル1を、測定装置として日本分光社製の分光光度計V−570を用い、380〜1200nmの波長域における分光透過率を測定した。次いで、750〜1100nmの波長域における平均分光透過率を1.0%としたときの、可視光領域(400〜750nm)における最大透過率Tmax1を測定した。
次いで、上記方法で測定した調製直後の近赤外線吸収性組成物の可視光領域での最大透過率Tmax1を、下記の基準に従ってランク付けを行った。
◎:最大透過率Tmax1が、95%以上である
○:最大透過率Tmax1が、93%以上、95%未満である
△:最大透過率Tmax1が、90%以上、93%未満である
×:最大透過率Tmax1が、90%未満である
(保存後の可視光透過率の測定)
近赤外線吸収性組成物の原液を、ガラス容器に収納し、容器内を窒素ガスで充填した状態で密閉し、このガラス容器を、5℃で3日間暗所保存した後、上記と同様の方法で、粒子であるアルキルホスホン酸銅錯体の粒子濃度が1.0質量%となるように、近赤外線吸収性組成物の溶媒成分で希釈した保存処理後のサンプル2を調製した。
次いで、サンプル2について、上記と同様の方法で380〜1200nmの波長域における分光透過率を測定し、750〜1100nmの波長域における平均分光透過率を1.0%としたときの、保存後の可視光領域(400〜750nm)における最大透過率Tmax2を測定した。
次いで、上記測定した調製直後のサンプル1の最大透過率Tmax1に対する、保存後のサンプル2の最大透過率Tmax2の可視光透過率の低下幅ΔT(Tmax1−Tmax2)を求め、下記の基準に従って、保存後の可視光透過率のランク付けを行った。
◎:可視光透過率の低下幅ΔTが、1.0%未満である
○:可視光透過率の低下幅ΔTが、1.0%以上、3.0%未満である
△:可視光透過率の低下幅ΔTが、3.0%以上、5.0%未満である
×:可視光透過率の低下幅ΔTが、5.0%未満である
以上により得られた結果を、表Iに示す。
Figure 2019054394
表Iに記載の結果より明らかなように、本発明の近赤外線吸収性組成物は、比較例に対し、調製直後のアルキルホスホン酸銅錯体粒子の平均粒子が小さく、かつ、保存されたのちの平均粒径の劣化率が低く、保存安定性に優れていることが分かる。更に、本発明の近赤外線吸収性組成物は、比較例に対し、近赤外領域の透過率に対する可視光領域における透過率が高く、可視光の透過率への影響が少なく、優れた近赤外光のカット能を有していることが分かる。更に、保存処理を行っても、その特性は変化しないことが分かる。
実施例2
《近赤外線吸収性膜の作製》
実施例1で調製した各近赤外線吸収性組成物に、ポリシロキサンシリコーン樹脂(KR−255、信越化学工業社製)を加えて撹拌して、近赤外線吸収性膜形成用の塗布液を調製した。調製した塗布液をスピンコーティング法により基板上に塗布して近赤外線吸収性膜を形成した。
次いで、形成した近赤外線吸収性膜に対し、所定の加熱処理を行って塗膜を硬化させ、固体撮像素子用イメージセンサーに適用可能な近赤外線カットフィルターを作製した。
次いで、実施例1に記載の方法と同様にして保存処理後の各近赤外線吸収性組成物を用いて、同様にして、近赤外線カットフィルターを作製した。
上記作製した各近赤外線カットフィルターについて、実施例1に記載の方法と同様にして、可視光透過率安定性の評価した結果、フィルム系でも同様の効果が得られることを確認した。
実施例3
《近赤外線吸収性膜の作製》
実施例1で調製した各近赤外線吸収性組成物に、エポキシ基を有する樹脂(KJC−X5、信越化学工業社製)を加えて撹拌して、近赤外線吸収性膜形成用の塗布液を調製した。調製した塗布液をスピンコーティング法により基板上に塗布して近赤外線吸収性膜を形成した。
次いで、形成した近赤外線吸収性膜に対し、所定の加熱処理を行って塗膜を硬化させ、固体撮像素子用イメージセンサーに適用可能な近赤外線カットフィルターを作製した。
次いで、実施例1に記載の方法と同様にして保存処理後の各近赤外線吸収性組成物を用いて、同様にして、近赤外線カットフィルターを作製した。
上記作製した各近赤外線カットフィルターについて、実施例1に記載の方法と同様にして、可視光透過率安定性の評価した結果、フィルム系でも同様の効果が得られることを確認した。
本発明の近赤外線吸収性組成物は、長期間にわたる保存における、構成材料の分散安定性及び近赤外線カット安定性に優れ、近赤外線吸収性組成物により作製された近赤外線吸収性膜は、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、カメラ機能付き携帯電話などに適用される固体撮像素子用イメージセンサー等に好適に利用できる。
1 カメラモジュール
2、7 接着剤
3 ガラス基板
4 撮像レンズ
5 レンズホルダー
6 遮光兼電磁シールド
8 平坦化層
9 近赤外線吸収性膜(近赤外線カットフィルター)
10 固体撮像素子基板
11 ハンダボール
12 回路基板

Claims (11)

  1. ホスホン酸銅錯体と、2種以上の分散剤を含有する近赤外線吸収性組成物であって、当該分散剤の少なくとも1種が、下記一般式(1)で表される構造を有し、かつ分子量が190以下の分散剤Aであることを特徴とする近赤外線吸収性組成物。
    Figure 2019054394
    〔式中、Rは水素原子又は1〜4価の有機基を表す。Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表す。Rは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。aは0〜10の整数である。bは1〜4の整数である。〕
  2. 前記2種以上の分散剤のうちの少なくとも1種が、下記官能基群から選ばれる少なくとも一つの官能基を有する分散剤Bであることを特徴とする請求項1に記載の近赤外線吸収性組成物。
    官能基群:ヒドロキシ基、チオール基、カルボニル基、カルボキシ基、スルホン酸基、シアノ基、アミノ基、及びピリジル基。
  3. 前記2種以上の分散剤のうち、前記分散剤Aを除く分散剤が、前記一般式(1)で表される構造を有していない分散剤であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の近赤外線吸収性組成物。
  4. 前記ホスホン酸銅錯体を構成するホスホン酸が、下記ホスホン酸群Aから選ばれる少なくとも1種のホスホン酸であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の近赤外線吸収性組成物。
    ホスホン酸群A:エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ペンチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、2−クロロエチルホスホン酸、3−ブロモプロピルホスホン酸、3−メトキシブチルホスホン酸、1,1−ジメチルプロピルホスホン酸、1,1−ジメチルエチルホスホン酸、1−メチルプロピルホスホン酸。
  5. 前記ホスホン酸銅錯体を構成するホスホン酸が、下記ホスホン酸群Bから選ばれる少なくとも1種のホスホン酸であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の近赤外線吸収性組成物。
    ホスホン酸群B:フェニルホスホン酸、4−メトキシフェニルホスホン酸、(4−アミノフェニル)ホスホン酸、(4−ブロモフェニル)ホスホン酸、3−ホスホノ安息香酸、4−ホスホノ安息香酸、及び(4−ヒドロキシフェニル)ホスホン酸。
  6. 近赤外線吸収性組成物全質量に対する固形分の比率が、10〜34質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の近赤外線吸収性組成物。
  7. 前記ホスホン酸銅錯体を構成するリンの銅に対するモル比(リン/銅)の値が、1.5以下であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の近赤外線吸収性組成物。
  8. 少なくとも請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の近赤外線吸収性組成物を用いたことを特徴とする近赤外線吸収性膜。
  9. ポリシロキサンを有するマトリックス樹脂を含有することを特徴とする請求項8に記載の近赤外線吸収性膜。
  10. エポキシ基を有するマトリックス樹脂を含有することを特徴とする請求項8に記載の近赤外線吸収性膜。
  11. 請求項8から請求項10までのいずれか一項に記載の近赤外線吸収性膜を具備していることを特徴とする固体撮像素子用イメージセンサー。
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