JP7099251B2 - 近赤外線吸収性組成物、近赤外線吸収性膜及び固体撮像素子用イメージセンサー - Google Patents
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Description
更に、ホスホン酸と銅イオンからなるホスホン酸銅錯体を含有することを特徴とする近赤外線吸収性組成物。
ホスホン酸群:エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ペンチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、2-エチルヘキシルホスホン酸、2-クロロエチルホスホン酸、3-ブロモプロピルホスホン酸、3-メトキシブチルホスホン酸、1,1-ジメチルプロピルホスホン酸、1,1-ジメチルエチルホスホン酸、及び1-メチルプロピルホスホン酸
3.前記ホスホン酸銅錯体を構成するリンの銅に対するモル比(リン/銅)の値が、1.5以下であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の近赤外線吸収性組成物。
前記近赤外線吸収性組成物が、少なくとも、近赤外線吸収剤と溶媒を含有し、
前記近赤外線吸収剤が、下記一般式(I)で表される構造を有するリン酸エステルと銅イオンからなる銅錯体1、及び下記一般式(II)で表される構造を有するリン酸エステルと銅イオンからなる銅錯体2であり、
ポリシロキサンを有するマトリックス樹脂を含有することを特徴とする近赤外線吸収性膜。
上記一般式(II)において、R′は炭素数が1~8の範囲内にあるアルキル基を表し、総炭素数は1~16の範囲内である。n′は1又は2であり、n′が1のときにR′は同一であっても異なっていてもよい。〕
前記近赤外線吸収性組成物が、少なくとも、近赤外線吸収剤と溶媒を含有し、
前記近赤外線吸収剤が、下記一般式(I)で表される構造を有するリン酸エステルと銅イオンからなる銅錯体1、及び下記一般式(II)で表される構造を有するリン酸エステルと銅イオンからなる銅錯体2であり、
エポキシ基を有するマトリックス樹脂を含有することを特徴とする近赤外線吸収性膜。
上記一般式(II)において、R′は炭素数が1~8の範囲内にあるアルキル基を表し、総炭素数は1~16の範囲内である。n′は1又は2であり、n′が1のときにR′は同一であっても異なっていてもよい。〕
前記近赤外線吸収性組成物が、少なくとも、近赤外線吸収剤と溶媒を含有し、
前記近赤外線吸収剤が、下記一般式(I)で表される構造を有するリン酸エステルと銅イオンからなる銅錯体1、及び下記一般式(II)で表される構造を有するリン酸エステルと銅イオンからなる銅錯体2であることを特徴とする固体撮像素子用イメージセンサー。
上記一般式(II)において、R′は炭素数が1~8の範囲内にあるアルキル基を表し、総炭素数は1~16の範囲内である。n′は1又は2であり、n′が1のときにR′は同一であっても異なっていてもよい。〕
本発明の近赤外線吸収性組成物は、近赤外線吸収剤及び溶剤を含有し、当該近赤外線吸収剤が、少なくとも前記一般式(I)で表される構造を有する高分子量のリン酸エステルと銅イオンからなる銅錯体1と、前記一般式(II)で表される構造を有する低分子量のリン酸エステルと銅イオンからなる銅錯体2を含有していることを特徴とする。
本発明の近赤外線吸収性組成物は、下記一般式(I)で表される高分子量のリン酸エステルと銅イオンからなる銅錯体1を含有する。ここで、高分子量とは混合物の場合はその平均分子量が400以上のものを示す。
1)第一工業製薬社製
プライサーフA212C:ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル
プライサーフA215C:ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル
プライサーフA208F:ポリオキシエチレンアルキル(C8)エーテルリン酸エステル
プライサーフM208F:ポリオキシエチレンアルキル(C8)エーテルリン酸エステル-モノエタノールアミン塩
プライサーフA208N:ポリオキシエチレンアルキル(C12、13)エーテルリン酸エステル
プライサーフA208B:ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル(油系分散剤)
プライサーフA210B:ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル
プライサーフA219B:ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル(水系分散剤)
プライサーフDB-01:ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル-モノエタノールアミン塩
プライサーフAL:ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステル等、
2)日光ケミカルズ社製
NIKKOL DDP-2:ポリオキシエチレンアルキル(C12~C15)エーテルリン酸(2E.O. ジ(C12-15)パレス-2リン酸)
NIKKOL DDP-4:ポリオキシエチレンアルキル(C12~C15)エーテルリン酸(4E.O. ジ(C12-15)パレス-4リン酸)
NIKKOL DDP-6:ポリオキシエチレンアルキル(C12~C15)エーテルリン酸(6E.O. ジ(C12-15)パレス-6リン酸)
NIKKOL DDP-8:ポリオキシエチレンアルキル(C12~C15)エーテルリン酸(8E.O. ジ(C12-15)パレス-8リン酸)
NIKKOL DDP-10:ポリオキシエチレンアルキル(C12~C15)エーテルリン酸(10E.O. ジ(C12-15)パレス-10リン酸)
NIKKOL DLP-10:ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム(ジラウレス-10リン酸ナトリウム)
NIKKOL DOP-8NV:ポリオキシエチレンオレイユエーテルリン酸ナトリウム(ジオレス-8リン酸ナトリウム)等、
3)アデカ社製
アデカコールTS-230E、アデカコールCS-141E、アデカコールCS1361E、アデカコールCS-279(以上、芳香族リン酸エステル)、アデカコールPS-440E、アデカコールPS-810E、アデカコールPS-807、アデカコールPS-984(以上、脂肪族リン酸エステル)等、
を挙げることができる。
本発明の近赤外線吸収性組成物においては、低分子量のリン酸エステル銅錯体(銅錯体2)を含有することを特徴とする。ここで、低分子量とは混合物の場合はその平均分子量が400未満のものを示す。
本発明の近赤外線吸収性組成物は、下記一般式(II)で表される低分子量のリン酸エステルを含むことを特徴の一つとする。
1)リン酸メチルエステル
2)リン酸エチルエステル
3)リン酸n-プロピルエステル
4)リン酸i-プロピルエステル
5)リン酸n-ブチルエステル
6)リン酸t-ブチルエステル
7)リン酸n-ペンチルエステル
8)リン酸n-ヘキシルエステル
9)リン酸2-エチルヘキシルエステル
10)リン酸n-へプチルエステル
11)リン酸n-オクチルエステル
12)リン酸シクロヘキシルエステル
等を挙げることができる。
本発明に係る一般式(I)で表される構造を有する高分子量のリン酸エステルと銅イオンからなる銅錯体1及び前記一般式(II)で表される構造を有する低分子量のリン酸エステルと銅イオンからなる銅錯体2の形成に用いられる銅塩としては、2価の銅イオンを供給することが可能な銅塩が用いられる。例えば、無水酢酸銅、無水ギ酸銅、無水ステアリン酸銅、無水安息香酸銅、無水アセト酢酸銅、無水エチルアセト酢酸銅、無水メタクリル酸銅、無水ピロリン酸銅、無水ナフテン酸銅、無水クエン酸銅等の有機酸の銅塩、該有機酸の銅塩の水和物若しくは水化物;酸化銅、塩化銅、硫酸銅、硝酸銅、リン酸銅、塩基性硫酸銅、塩基性炭酸銅等の無機酸の銅塩、該無機酸の銅塩の水和物若しくは水化物;水酸化銅が挙げられる。
本発明に係るリン酸エステルのリン酸基が配位結合及び/又はイオン結合により銅イオンに結合し、この銅イオンはリン酸エステルに囲まれた状態で近赤外光吸収性膜中に溶解又は分散されており、この銅イオンのd軌道間の電子遷移によって近赤外光が選択吸収される。また、近赤外光吸収成膜中におけるリン原子の含有量が銅イオン1モルに対して1.5以下が好ましく、更には、0.4~1.3、すなわち、銅イオンに対するリン原子の含有比(以下、「P/Cu」という)がモル比で0.4~1.3であると、近赤外線吸収性膜の耐湿性、及び近赤外光吸収層における銅イオンの分散性の観点から非常に好適であることが確認された。
次いで、本発明に係るリン酸エステル銅錯体である銅錯体1及び銅錯体2とともに併用することが好ましいホスホン酸銅錯体について説明する。
本発明の近赤外線吸収性組成物においては、下記一般式(1)で表される構造を有するホスホン酸化合物を含むことが好ましい。
2:プロピルホスホン酸
3:ブチルホスホン酸
4:ペンチルホスホン酸
5:ヘキシルホスホン酸
6:オクチルホスホン酸
7:2-エチルヘキシルホスホン酸
8:2-クロロエチルホスホン酸
9:3-ブロモプロピルホスホン酸
10:3-メトキシブチルホスホン酸
11:1,1-ジメチルプロピルホスホン酸
12:1,1-ジメチルエチルホスホン酸
13:1-メチルプロピルホスホン酸
〈ホスホン酸銅錯体〉
本発明に係るホスホン酸銅錯体は、下記一般式(2)で表される構造を有する。
ホスホン酸銅錯体の調製方法としては、特に制限はないが、例えば、下記の方法に従って調製することができる。
次いで、本発明の近赤外吸収性組成物の調製に適用可能な溶媒について説明する。
2)PGEEA:プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(分子量:146)
3)PGBEA:プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート(分子量:174)
4)エチレングリコールジアセテート(分子量:146)
5)エチレングリコールジグリシジルエーテル(分子量:174)
6)エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(分子量:118)
7)エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(分子量:132)
8)エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(分子量:160)
9)エチレングリコールジブチルエーテル(分子量:174)
10)エチレングリコールモノアセテート(分子量:104)
11)エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(分子量:104)
12)エチレングリコールモノエチルエーテル(分子量:90)
13)エチレングリコールモノメトキシメチルエーテル(分子量:106)
14)グリセリン1,3-ジアセテート(分子量:176)
15)グリセリン1,2-ジメチルエーテル(分子量:120)
16)グリセリン1,3-ジメチルエーテル(分子量:120)
17)グリセリン1,3-ジエチルエーテル(分子量:148)
18)2-クロロ-1,3-プロパンジオール(分子量110)
19)3-クロロ-1,2-プロパンジオール(分子量110)
20)ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(分子量:148)
21)ジエチレングリコールジメチルエーテル(分子量:134)
22)ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(分子量:176)
23)ジエチレングリコールモノブチルエーテル(分子量:162)
24)ジエチレングリコールモノメチルエーテル(分子量:120)
25)ジプロピレングリコール(分子量:134)
26)ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(分子量:176)
27)トリエチレングリコール(分子量:150)
28)トリエチレングリコールジメチルエーテル(分子量:178)
29)トリエチレングリコールモノエチルエーテル(分子量:178)
30)トリエチレングリコールモノメチルエーテル(分子量:164)
31)プロピレングリコール(分子量:76)
32)プロピレングリコールモノエチルエーテル(分子量:104)
上記分散剤の中でも、特に、1)~17)、20)~24)、26)、28)~30)、32)で示す分散剤が好ましい。
上記一般式(3)で表される構造を有する溶媒と併用可能なその他の溶媒としては、例えば、分子量が190を超えるジオキシエチレンラウリルエーテル、トリオキシエチレンラウリルエーテル、テトラオキシエチレンラウリルエーテル、ペンタオキシエチレンラウリルエーテル、ヘキサオキシエチレンラウリルエーテル、ヘプタオキシエチレンラウリルエーテル、オクタオキシエチレンラウリルエーテル、ノナオキシエチレンラウリルエーテル、デカオキシエチレンラウリルエーテル、ウンデカオキシエチレンラウリルエーテル、ドデカオキシエチレンラウリルエーテル、トリデカオキシエチレンラウリルエーテル、テトラデカオキシエチレンラウリルエーテル等のエーテル系化合物や、ジエチレングリコールジメタクリレート(NKエステル2G、新中村化学工業社製、分子量:242)、トリエチレングリコールジメタクリレート(分子量286)、ポリエチレングリコール#200ジメタクリレート(NKエステル4G、新中村化学工業社製、分子量:330)、トリプロピレングリコールプロピルエーテル、トリエチレングリコールビス(2-エチルヘキサネート)(アクロス社製)、1,3-ブチレングリコールジメタクリレート等を挙げることができる。
本発明においては、本発明の近赤外線吸収性組成物を用いて、近赤外線吸収性膜を形成することを一つの特徴とする。
本発明の近赤外線吸収性膜には、本発明の目的効果を損なわない範囲で、その他の添加剤を適用することができ、例えば、増感剤、架橋剤、硬化促進剤、フィラー、熱硬化促進剤、熱重合禁止剤、可塑剤などが挙げられ、更に基材表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を併用してもよい。
本発明の近赤外線吸収性膜は、例えば、CCD用、CMOS用又は他の受光素子用の視感度補正部材、測光用部材、熱線吸収用部材、複合光学フィルター、レンズ部材(眼鏡、サングラス、ゴーグル、光学系、光導波系)、ファイバ部材(光ファイバ)、ノイズカット用部材、プラズマディスプレイ前面板等のディスプレイカバー又はディスプレイフィルター、プロジェクタ前面板、光源熱線カット部材、色調補正部材、照明輝度調節部材、光学素子(光増幅素子、波長変換素子等)、ファラデー素子、アイソレータ等の光通信機能デバイス、光ディスク用素子等を構成するものとして好適である。
《近赤外線吸収性組成物の調製》
(近赤外線吸収性組成物1の調製)
下記の方法に従って、近赤外線吸収性組成物1を調製した。
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、低分子量のリン酸エステルとして、リン酸メチルエステルに代えて、エステル比の異なる2種のリン酸エチルエステル(エステル比は表Iに示す)を用いた以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物2及び3を調製した。
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、低分子量のリン酸エステルとして、リン酸メチルエステルに代えて、エステル比の異なる2種のリン酸プロピルエステル(エステル比は表Iに示す)を用い、更に、高分子量のリン酸エステルとして、プライサーフA208Fに代えて、プライサーフA210Bを用いた以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物4及び5を調製した。
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、上記2~5と同様に表Iに示した構成要様に、低分子量のリン酸エステルの種類、溶媒の種類を適宜変更した以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物6~10を調製した。
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、低分子量のリン酸エステルを除いた以外は同様にして、高分子量のリン酸エステルのみを用いた以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物11を調製した。
上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、低分子量のリン酸エステルにおけるエステル比率として、ジエステル単独で、アルキル基の炭素数が10としたリン酸エステルを用いた以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物12を調製した。
〈第1液の調製〉
上記近赤外線吸収性組成物8の調製において、溶媒のPGMEAをPGBEAに変更し、固形分を30%に変更した以外は同様にして、第1液である近赤外線吸収性組成物13-1を調製した。
更に上記近赤外線吸収性組成物1の調製において、低分子量のリン酸エステルとして用いたリン酸メチルエステルに代えて、ホスホン酸化合物であるプロピルホスホン酸を用いて固形分を30%に調整した以外は同様にして、第2液である近赤外線吸収性組成物13-2を調製した。
上記調製した第1液である近赤外線吸収性組成物13-1及び第2液である近赤外線吸収性組成物13-2を全量混合して、近赤外線吸収性組成物13を調製した。
上記近赤外線吸収性組成物13の調製において、表Iに示した第1液及び第2液の組成に適宜変更を行った以外は同様にして、近赤外線吸収性組成物14~25を調製した。
*A:プライサーフA208F(ポリオキシエチレンアルキル(C8)エーテルリン酸エステル 第一工業製薬社製)
*B:プライサーフA210B(ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル
第一工業製薬社製)
*C:プライサーフA208N(ポリオキシエチレンアルキル(C12、13)エーテルリン酸エステル 第一工業製薬社製)
*D:NIKKOL DDP-2(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸(2エチレンオキサイド) 日光ケミカルズ社製)
*E:NIKKOL DDP-8(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸(8エチレンオキサイド) 日光ケミカルズ社製)
(銅錯体2;低分子量のリン酸エステル)
表Iに記載の低分子量のリン酸エステルにおけるモノエステルとジエステルのモル比率(%)において、その総数が100%に満たないものは、上記リン酸エステルの他に不純物を含んでいることを表す。
THF:テトラヒドロフラン
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGEEA:プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート
PGBEA:プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート
《近赤外線吸収性組成物の評価》
上記調製した各近赤外線吸収性組成物について、下記の方法に従って、粒径安定性及び可視光透過率安定性の評価を行った。
(調製直後の平均粒径の測定)
近赤外線吸収性組成物1~12については、粒子であるリン酸エステル銅錯体の粒子濃度が1.0質量%となるように、近赤外線吸収性組成物の溶媒成分で希釈したサンプル1を調製した。
○:平均粒径が、201~400nmの範囲内である
△:平均粒径が、401~600nmの範囲内である
×:平均粒径が、601nm以上である
(保存後の平均粒径の測定)
近赤外線吸収性組成物(原液)を、ガラス容器に収納し、窒素ガスを充填した状態で密閉し、この容器を、5℃で3日間暗所保存した後、上記と同様の方法で、保存液を粒子であるリン酸エステル銅錯体、又はリン酸エステル銅錯体とホスホン酸銅錯体の総粒子濃度が1.0質量%となるように、近赤外線吸収性組成物の溶媒成分で希釈した保存処理後のサンプル2を調製した。
(調製直後の可視光透過率の測定)
近赤外線吸収性組成物1~12については、粒子であるリン酸エステル銅錯体の粒子濃度が1.0質量%となるように、近赤外線吸収性組成物の溶媒成分で希釈したサンプル1を調製した。
○:最大透過率Tmax1が、93%以上、95%未満である
△:最大透過率Tmax1が、90%以上、93%未満である
×:最大透過率Tmax1が、90%未満である
(保存後の可視光透過率の測定)
近赤外線吸収性組成物(原液)を、ガラス容器に収納し、窒素ガスを充填した状態で密閉し、この容器を、5℃で3日間暗所保存した後、上記と同様の方法で、保存液を粒子であるリン酸エステル銅錯体、又はリン酸エステル銅錯体とホスホン酸銅錯体の総粒子濃度が1.0質量%となるように、近赤外線吸収性組成物の溶媒成分で希釈した保存処理後のサンプル2を調製した。
○:可視光透過率の低下幅が、1.0%以上、3.0%未満である
△:可視光透過率の低下幅が、3.0%以上、5.0%未満である
×:可視光透過率の低下幅が、5.0%未満である
以上により得られた結果を、表IIに示す。
《近赤外線吸収性膜の作製》
実施例1で調製した各近赤外線吸収性組成物に、ポリシロキサンシリコーン樹脂(KR-255、信越化学工業社製)を加えて撹拌して、近赤外線吸収性膜形成用の塗布液を調製した。調製した塗布液をスピンコーティングにより基板上に塗布して近赤外線吸収性膜を形成した。
《近赤外線吸収性膜の作製》
実施例1で調製した各近赤外線吸収性組成物に、エポキシ基を有する樹脂(KJC-X5、信越化学工業社製)を加えて撹拌して、近赤外線吸収性膜形成用の塗布液を調製した。調製した塗布液をスピンコーティング法により基板上に塗布して近赤外線吸収性膜を形成した。
2、7 接着剤
3 ガラス基板
4 撮像レンズ
5 レンズホルダー
6 遮光兼電磁シールド
8 平坦化層
9 近赤外線吸収性膜(近赤外線カットフィルター)
10 固体撮像素子基板
11 ハンダボール
12 回路基板
13 撮像素子部
Claims (9)
- 少なくとも、近赤外線吸収剤と溶媒を含有する近赤外線吸収性組成物であって、前記近赤外線吸収剤が、下記一般式(I)で表される構造を有するリン酸エステルと銅イオンからなる銅錯体1、及び下記一般式(II)で表される構造を有するリン酸エステルと銅イオンからなる銅錯体2であり、
更に、ホスホン酸と銅イオンからなるホスホン酸銅錯体を含有することを特徴とする近赤外線吸収性組成物。
上記一般式(II)において、R′は炭素数が1~8の範囲内にあるアルキル基を表し、総炭素数は1~16の範囲内である。n′は1又は2であり、n′が1のときにR′は同一であっても異なっていてもよい。〕
- 前記ホスホン酸銅錯体を構成するホスホン酸が、下記ホスホン酸群から選ばれる少なくとも1種のアルキルホスホン酸であることを特徴とする請求項1に記載の近赤外線吸収性組成物。
ホスホン酸群:エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ペンチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、2-エチルヘキシルホスホン酸、2-クロロエチルホスホン酸、3-ブロモプロピルホスホン酸、3-メトキシブチルホスホン酸、1,1-ジメチルプロピルホスホン酸、1,1-ジメチルエチルホスホン酸、及び1-メチルプロピルホスホン酸 - 前記ホスホン酸銅錯体を構成するリンの銅に対するモル比(リン/銅)の値が、1.5以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の近赤外線吸収性組成物。
- 前記一般式(I)又は前記一般式(II)で表される構造を有するリン酸エステルにおけるモノエステルとジエステルのうち、モノエステルのモル比率が40~90%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の近赤外線吸収性組成物。
- 近赤外線吸収性組成物全質量に対する固形分の比率が、10~34質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の近赤外線吸収性組成物。
- 少なくとも請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の近赤外線吸収性組成物を用いたことを特徴とする近赤外線吸収性膜。
- 少なくとも近赤外線吸収性組成物を用いた近赤外線吸収性膜であって、
前記近赤外線吸収性組成物が、少なくとも、近赤外線吸収剤と溶媒を含有し、
前記近赤外線吸収剤が、下記一般式(I)で表される構造を有するリン酸エステルと銅イオンからなる銅錯体1、及び下記一般式(II)で表される構造を有するリン酸エステルと銅イオンからなる銅錯体2であり、
ポリシロキサンを有するマトリックス樹脂を含有することを特徴とする近赤外線吸収性膜。
上記一般式(II)において、R′は炭素数が1~8の範囲内にあるアルキル基を表し、総炭素数は1~16の範囲内である。n′は1又は2であり、n′が1のときにR′は同一であっても異なっていてもよい。〕
- 少なくとも近赤外線吸収性組成物を用いた近赤外線吸収性膜であって、
前記近赤外線吸収性組成物が、少なくとも、近赤外線吸収剤と溶媒を含有し、
前記近赤外線吸収剤が、下記一般式(I)で表される構造を有するリン酸エステルと銅イオンからなる銅錯体1、及び下記一般式(II)で表される構造を有するリン酸エステルと銅イオンからなる銅錯体2であり、
エポキシ基を有するマトリックス樹脂を含有することを特徴とする近赤外線吸収性膜。
上記一般式(II)において、R′は炭素数が1~8の範囲内にあるアルキル基を表し、総炭素数は1~16の範囲内である。n′は1又は2であり、n′が1のときにR′は同一であっても異なっていてもよい。〕
- 少なくとも近赤外線吸収性組成物を用いた近赤外線吸収性膜を具備している固体撮像素子用イメージセンサーであって、
前記近赤外線吸収性組成物が、少なくとも、近赤外線吸収剤と溶媒を含有し、
前記近赤外線吸収剤が、下記一般式(I)で表される構造を有するリン酸エステルと銅イオンからなる銅錯体1、及び下記一般式(II)で表される構造を有するリン酸エステルと銅イオンからなる銅錯体2であることを特徴とする固体撮像素子用イメージセンサー。
上記一般式(II)において、R′は炭素数が1~8の範囲内にあるアルキル基を表し、総炭素数は1~16の範囲内である。n′は1又は2であり、n′が1のときにR′は同一であっても異なっていてもよい。〕
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