JP2010018700A - 光学素子、及び電子機器の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リフロー処理においても性能の劣化のない透明性の高い光学素子を提供すること。
【解決手段】硬化性樹脂と無機微粒子を含有する光学素子であって、該硬化性樹脂のSP値と該無機微粒子の表面SP値の差が0以上9以下であることを特徴とする光学素子。
【選択図】なし

Description

本発明は光学素子に関し、特に硬化性樹脂を含む成型物で構成される光学素子、更には該光学素子を有する撮像装置を組み込んだ電子機器の製造方法に関する。
従来から、光学素子は光ピックアップ装置用や眼鏡用、カメラ用等として様々な光学用途に用いられており、安価に製造可能という理由でガラス製より樹脂製であることが多い。特に上記光ピックアップ装置用の光学素子は射出成形法を用いて効率よく製造することができるため、通常は熱可塑性樹脂から構成されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、熱可塑性樹脂で光ピックアップ装置用の光学素子を構成すると、熱による収差変動等が発生する場合がある。そこで、近年では、熱可塑性樹脂に代えて熱硬化性樹脂を用いて光学素子に耐熱性を付与し、上記の問題(熱による収差変動等)を解決している。
一方、近年では、撮像装置を搭載した携帯電話やデジタルカメラ等の撮像機器の製造コスト削減への要望が更に高まっている。そこで、撮像機器の基板上に撮像装置を実装する際に、基板上に予め半田をポッティングした状態で撮像装置やその他の電子部品を載置し、それらを載置したまま半田が溶融する温度条件下で加熱処理(リフロー処理とも言う)することで、撮像装置やその他の電子部品を基板上に同時実装するという技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。その場合、加熱処理に供される撮像装置は、通常の使用環境では曝されることのない高温環境に曝されることとなり、更なる温度耐性が求められることとなる。
特開2005−298717号公報 特開2001−24320号公報
本発明の主な目的は、リフロー処理においても性能の劣化のない透明性の高い光学素子を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の手段により達成することができる。
1.硬化性樹脂と無機微粒子を含有する光学素子であって、該硬化性樹脂のSP値と該無機微粒子の表面SP値の差が0以上9以下であることを特徴とする光学素子。
2.前記無機微粒子が酸化物微粒子であることを特徴とする前記1に記載の光学素子。
3.前記酸化物微粒子がコアシェル構造を持つことを特徴とする前記2に記載の光学素子。
4.前記硬化性樹脂に対する前記無機微粒子の体積比率が1%以上10%以下であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の光学素子。
5.450nmにおける透過率が厚さ2mmにおいて95%以上であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の光学素子。
6.電子部品とともにリフロー処理により基板に実装される撮像装置に用いられることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の光学素子。
7.前記1〜6のいずれか1項に記載の光学素子を有する撮像装置を電子部品とともに基板上に載置する工程、及び撮像装置、電子部品及び基板をリフロー処理する工程、撮像装置と電子部品とを基板に実装する工程を有することを特徴とする電子機器の製造方法。
本発明により、リフロー処理においても性能の劣化のない透明性の高い光学素子を提供することができた。
以下、本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明する。
リフローに対する適性の一つに熱収縮性が挙げられる。熱収縮性緩和のために無機微粒子を添加することが効果が高いが、リフロー処理後散乱が高まる欠点がある。本発明者等は鋭意検討の結果、粒子と樹脂のSP値を合わせることにより、リフロー処理後においても透明性の高い光学素子を提供することができた。本発明での透明性の維持は粒子樹脂の界面接着性が高くなり、高温処理における粒子凝集が減少し、光散乱成分の増加が抑えられた結果と考えている。
本発明の光学素子は、硬化性樹脂と無機微粒子を含有する光学素子であって、該硬化性樹脂のSP値と該無機微粒子の表面SP値の差が0以上9以下であることを特徴とし、これによって、リフロー処理においても性能の劣化のない透明性の高い光学素子を提供することができた。
(1)硬化性樹脂
本発明で用いられる硬化性樹脂としては、紫外線及び電子線照射、あるいは加熱処理のいずれかの操作によって硬化し得るもので、無機微粒子と未硬化の状態で混合させた後、硬化させることによって透明な樹脂組成物を形成する物であれば特に制限なく使用でき、例えば、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系樹脂、アリルエステル系樹脂等が挙げられる。該硬化性樹脂は紫外線や電子線等の照射を受けて硬化する活性光線硬化性樹脂であってもよいし、加熱処理によって硬化する熱硬化性樹脂であってもよく、例えば、下記に列記したような種類の樹脂を好ましく使用することができる。
(1.1)シリコーン樹脂
シリコーン系樹脂は、珪素(Si)と酸素(O)とが交互に結合したシロキサン結合−Si−O−を主鎖としているポリマーである。
当該シリコーン樹脂として、所定量のポリオルガノシロキサン樹脂よりなるシリコーン系樹脂が使用可能である(例えば、特開平6−9937号公報参照)。
熱硬化性のポリオルガノシロキサン樹脂は、加熱による連続的加水分解−脱水縮合反応によって、シロキサン結合骨格による三次元網状構造となるものであれば特に制限はなく、一般に高温、長時間の加熱で硬化性を示し、一度硬化すると加熱により再軟化し難い性質を有する。
このようなポリオルガノシロキサン樹脂は、下記一般式(A)が構成単位として含まれ、その形状は鎖状、環状、網状形状のいずれであってもよい。
一般式(A) ((R)(R)SiO)
上記一般式(A)中、R及びRは同種または異種の置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示す。具体的には、R及びRとして、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基、またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子をハロゲン原子、シアノ基、アミノ基などで置換した基、例えば、クロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基、γ−アミノプロピル基、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル基などが例示される。R及びRは水酸基及びアルコキシ基から選択される基であってもよい。また、上記一般式(A)中、nは50以上の整数を示す。
ポリオルガノシロキサン樹脂は、通常、トルエン、キシレン、石油系溶剤のような炭化水素系溶剤、またはこれらと極性溶剤との混合物に溶解して用いられる。また、相互に溶解しあう範囲で組成の異なるものを配合して用いてもよい。
ポリオルガノシロキサン樹脂の製造方法は特に限定されるものではなく、公知のいずれの方法も用いることができる。例えば、オルガノハロゲノシランの1種または2種以上の混合物を加水分解、乃至アルコリシスすることによって得ることができ、ポリオルガノシロキサン樹脂は一般にシラノール基またはアルコキシ基等の加水分解性基を含有し、これらの基をシラノール基に換算して1〜10質量%含有する。
これらの反応は、オルガノハロゲノシランを溶融し得る溶媒の存在下に行うのが一般的である。また、分子鎖末端に水酸基、アルコキシ基またはハロゲン原子を有する直鎖状のポリオルガノシロキサンをオルガノトリクロロシランと共加水分解して、ブロック共重合体を合成する方法によっても得ることができる。このようにして得られるポリオルガノシロキサン樹脂は一般に残存するHClを含むが、本実施形態の組成物においては、保存安定性が良好なことから、10ppm以下、好ましくは1ppm以下のものを使用するのが良い。
(1.2)エポキシ樹脂
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−シクロヘキシルカルボキシレート等の脂環式エポキシ樹脂(国際公開第04/031257号パンフレット参照)を使用することができ、その他、スピロ環を含有したエポキシ樹脂や鎖状脂肪族エポキシ樹脂等も使用することができる。
(1.3)アダマンタン骨格を有する硬化性樹脂
2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート(特開2002−193883号公報参照)、3,3′−ジアルコキシカルボニル−1,1′−ビアダマンタン(特開2001−253835号公報参照)、1,1′−ビアダマンタン化合物(米国特許第3,342,880号明細書参照)、テトラアダマンタン(特開2006−169177号公報参照)、2−アルキル−2−ヒドロキシアダマンタン、2−アルキレンアダマンタン、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジ−t−ブチル等の芳香環を有しないアダマンタン骨格を有する硬化性樹脂(特開2001−322950号公報参照)、ビス(ヒドロキシフェニル)アダマンタン類やビス(グリシジルオキシフェニル)アダマンタン(特開平11−35522号公報、特開平10−130371号公報参照)等を使用することができる。
(1.4)アリルエステル化合物を含有する樹脂
芳香環を含まない臭素含有(メタ)アリルエステル(特開2003−66201号公報参照)、アリル(メタ)アクリレート(特開平5−286896号公報参照)、アリルエステル樹脂(特開平5−286896号公報、特開2003−66201号公報参照)、アクリル酸エステルとエポキシ基含有不飽和化合物の共重合化合物(特開2003−128725号公報参照)、アクリレート化合物(特開2003−147072号公報参照)、アクリルエステル化合物(特開2005−2064号公報参照)等を好ましく用いることができる。
(2)無機微粒子
無機微粒子としては、光学的に透明な(光透過性を有する)もの、例えば、酸化物微粒子、硫化物微粒子、セレン化物微粒子、テルル化物微粒子等が挙げられる。より具体的には、例えば、酸化珪素微粒子、酸化アルミ微粒子、リン酸アルミ微粒子、酸化チタン微粒子、酸化亜鉛微粒子、硫化亜鉛微粒子等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、無機微粒子の屈折率と樹脂の屈折率差が小さいことが好ましく、樹脂の屈折率により選択されるものである。
また、単一組成の場合、粒子屈折率と樹脂屈折率が同一であることは少なく、樹脂の屈折率に合わせて単一組成ではない複合粒子を作製し、樹脂との屈折率差を小さくすることが好ましく行われる。これらの微粒子は1種類の無機微粒子を用いてもよく、また複数種類の無機微粒子を併用してもよい。
本発明において、硬化性樹脂の体積に対する無機微粒子の体積の比率は1%以上10%以下である。
無機微粒子の形状は、球状、楕円状、扁平状、ロッド状などいずれの形状であってもよい。また、粒子径の分布に関しても特に制限されるものではないが、光学素子の機能をより効率よく発揮させるためには、広範な分布を有するものよりも狭い分布を持つものが好適に用いられる。
無機微粒子の製造方法は特に限定されるものではなく、公知のいずれの方法も用いることができる。例えば、金属塩の熱分解、金属塩や金属アルコキシドの加水分解などの方法がよく知られている。金属塩の熱分解としては、金属塩もしくはそれらの溶液を噴霧し、加熱分解することにより得られる。金属塩や金属アルコキシドの加水分解としては、予め金属塩や金属アルコキシド溶液を作製し、この溶液に水を添加することで加水分解重合を進行させることにより得られる。
複合粒子の製造方法においても、複数種の元素を用いた噴霧等による熱分解法、複合金属アルコキシドを加水分解重合する方法、コア粒子を作製し、その上にコア粒子とは異なる元素のアルコキシドを沈着させて、加水分解重合をさせるコアシェル型粒子の作製方法等が挙げられる。粒子の均一性、微粒化のしやすさ等からコアシェル型粒子の作製が好ましい。
無機微粒子として平均粒子径が1〜30nmであるものが使用される。無機微粒子の平均粒子径は1〜20nmであるのがより好ましい。平均粒子径が1nm未満であると、無機微粒子の分散が困難であるため所望の性能が得られない可能性があり、平均粒子径が30nmを超えると、得られる光学用樹脂材料が濁るなどして透明性が低下し、光線透過率が70%未満となる可能性がある。
平均粒子径は無機微粒子体積を球換算した場合の直径を表す。測定粒子個数は無機微粒子の電子顕微鏡写真の粒子を無差別に100個以上選択し、個々の無機微粒子の粒径の算術平均を平均粒子径とする。
無機微粒子はその表面に表面処理が施されていることが好ましい。表面処理する方法は特に限定されるものではなく、公知のいずれの方法も用いることができる。
無機微粒子の表面処理に用いる表面処理剤としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラフェノキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−メチルフェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルフェノキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩及びアミノシラン配合物等が挙げられ、更にシランに代わって、アルミニウム、チタン、ジルコニア等を用いることもでき、その場合は、例えば、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロキシド等である。
また、イソステアリン酸、ステアリン酸、シクロプロパンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンプロピオン酸、オクチル酸、パルミチン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ヘキサヒドロフタル酸などの脂肪酸やそれらの金属塩、更に有機リン酸系表面処理剤のいずれの表面処理剤が使用可能であり、これらを単独または2種以上を混合して用いることができる。
これらの化合物は反応速度などの特性が異なり、表面処理の条件などに適した化合物を用いることができる。また、1種類のみを用いても、複数種類を併用してもよい。更に、用いる化合物によって得られる表面処理微粒子の性状は異なることがあり、光学用樹脂材料を得るにあたって用いる硬化性樹脂との親和性を、表面処理する際に用いる化合物を選ぶことによって図ることも可能である。
表面処理の割合は特に限定されるものではないが、表面処理後の無機微粒子に対して、表面処理剤の割合が10〜99質量%であることが好ましく、30〜98質量%であることがより好ましい。
(3)SP値
SP値とは溶解性パラメータの略であり、溶媒同士の混合のしやすさ、溶質の溶媒に対する溶解のしやすさを表す指標である。ここでのSP値とは、分散項(fd)、水素結合項(fh)、分極項(fp)のそれぞれの寄与率について、3画図法上にプロットした位置を指す。
無機微粒子の表面SP値はSP値既知の各種溶媒中に混合し、その分散、凝集性を分散粒径により評価し、粒子径の類似している点をつないで作成した等分散線を作成し、最も分散粒径の小さい等分散線の中心をSP値とする。
硬化性樹脂のSP値はKreverenとHoftyzerの推算法を用いてモノマーの置換基より算出したfd、fh、fpを3画図法上にプロットした位置を指す。(参考文献1)HANSEN SOLUBILITY PARAMETERS CRC PRESS、(参考文献2)溶解度パラメータ[SP値]の基礎と上手な活用術。
また、ここで言うSP値の差とは3画図法上の一つの成分の10%の距離を10として(図4において、A300表面処理1とADM樹脂の距離は6.5%であり、SP値は6.5となる。)2つのSP値の距離を表した値を指す。図4において、A−300は実施例の光学素子1、A−300表面処理1は光学素子2、Si/Alは光学素子3、Si/Al表面処理1は光学素子4、Si/Al表面処理2は光学素子5、それぞれで用いた無機微粒子の表面SP値の位置を表し、ADM樹脂は硬化性樹脂としてのSP値の位置を表している。
硬化性樹脂のSP値と該無機微粒子の表面SP値の差については、好ましくは0以上5以下である。
(3)光学素子の製造方法
(3.1)光学用樹脂材料の調製
本実施形態に係る光学素子の製造にあたっては、始めに光学素子の原料となる光学用樹脂材料を調製(作製)する。
光学用樹脂材料は、溶融中の硬化性樹脂に対して無機微粒子を添加、混練することで作製されてもよいし、溶媒に溶解した硬化性樹脂と無機微粒子とを混合し、その後有機溶媒を除去することで作製されてもよい。
特に本実施形態では、光学用樹脂材料は溶融混練法で作製することが望ましい。硬化性樹脂を無機微粒子の存在下で重合したり、硬化性樹脂の存在下で無機微粒子を作製することも可能であるが、硬化性樹脂の重合や無機微粒子の作製において特殊な条件が必要になるからである。溶融混練法では、既成の手法で作製した硬化性樹脂や無機微粒子を混合することで光学用樹脂材料を作製できるため、通常安価な光学用樹脂材料の作製が可能になる。
溶融混練において有機溶剤の使用も可能である。有機溶剤の使用で溶融混練の温度を下げることができ、硬化性樹脂の劣化が抑制しやすくなる。その場合、溶融混練後に脱気を行い、光学用樹脂材料中から有機溶剤を除去することが好ましい。
溶融混練に用いることのできる装置としては、ラボプラストミル、ブラベンダー、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等のような密閉式混練装置またはバッチ式混練装置を挙げることができる。また、単軸押し出し機、二軸押し出し機等のように連続式の溶融混練装置を用いることもできる。
処理後の無機微粒子と硬化性樹脂の混合方法として、具体的な混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所製);ポリラボシステム(HAAKE製);ナノコンミキサー(東洋精機製作所製);ナウターミキサーブス・コ・ニーダー(Buss製);TEM型押し出し機(東芝機械製);TEX二軸混練機(日本製鋼所製);PCM混練機(池貝鉄工所製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所製);ニーデックス(三井鉱山製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所製)が挙げられる。
光学用樹脂材料の製造方法において、溶融混練を用いる場合、硬化性樹脂と無機微粒子とを一括で添加し混練してもよいし、段階的に分割添加して混練してもよい。この場合、押し出し機などの溶融混練装置では、段階的に添加する成分をシリンダーの途中から添加することも可能である。
溶融混練による複合化を行う場合、無機微粒子は粉体乃至凝集状態のまま添加することが可能である。あるいは、液中に分散した状態で添加することも可能である。液中に分散した状態で添加する場合は、混練後に脱揮を行うことが好ましい。
液中に分散した状態で添加する場合、予め凝集粒子を1次粒子に分散して添加することが好ましい。分散には各種分散機が使用可能であるが、特にビーズミルが好ましい。ビーズは各種の素材があるが、その大きさは小さいものが好ましく、特に直径0.001〜0.1mmのものが好ましい。
無機微粒子は表面処理された状態で加えられることが好ましいが、表面処理剤と無機微粒子とを同時に添加し、硬化性樹脂との複合化を行うインテグラルブレンドのような手法があり、どのような手法を用いることも可能である。
(3.2)光学用樹脂材料の成型
上記のように光学用樹脂材料を調製したら、光学用樹脂材料中の硬化性樹脂を熱で硬化させることで光学用樹脂材料を所定形状に成型し、光学素子を製造することができる。具体的には、光学用樹脂材料を圧縮成型やトランスファー成型、射出成型等により硬化成型させればよい。特に成型品の原材料として硬化性樹脂を用いるのは、光学面が球面や非球面の形状を呈したり、光学面に微細な構造を有する光学素子(例えば、対物レンズ)を製造する場合に好適である。
成型品は球状、棒状、板状、円柱状、筒状、チューブ状、繊維状、フィルムまたはシート形状など種々の形態で使用することができ、また低複屈折性、透明性、機械強度、耐熱性、低吸水性に優れ、下記のような種々の光学部品として好適に使用される。
(4)応用例
光学素子は上記の作製方法により得られるが、例えば、下記のような光学部品に応用される。光学レンズや光学プリズムとしては、カメラの撮像系レンズ;顕微鏡、内視鏡、望遠鏡レンズなどのレンズ;眼鏡レンズなどの全光線透過型レンズ;CD、CD−ROM、WORM(追記型光ディスク)、MO(書き変え可能な光ディスク;光磁気ディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)などの光ディスクのピックアップレンズ;レーザビームプリンターのfθレンズ、センサー用レンズなどのレーザ走査系レンズ;カメラのファインダー系のプリズムレンズなどが挙げられる。
光ディスク用途としては、CD、CD−ROM、WORM(追記型光ディスク)、MO(書き変え可能な光ディスク;光磁気ディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)などが挙げられる。その他の光学用途としては、液晶ディスプレイなどの導光板;偏光フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルムなどの光学フィルム;光拡散板;光カード;液晶表示素子基板などが挙げられる。
(4)撮像装置の製造方法
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。
本発明に係る撮像装置100は、図1に示す通り、携帯電話などの移動情報端末機器の電子回路を構成する電子部品が実装される回路基板1を有しており、回路基板1にはカメラモジュール2が実装されている。カメラモジュール2は、CCDイメージセンサーとレンズを組み合わせた小型の基板実装用カメラであり、電子部品が実装された回路基板1をカバーケース3内に組み込んだ完成状態では、カバーケース3に設けられた撮像用開口4を介して撮像対象の画像取込ができるようになっている。なお、図1では、カメラモジュール2以外の電子部品の図示を省略している。
次に、図2について説明する。始めに、基板モジュール5とレンズモジュール6とを組み立て、図2(a)に示す通り、レンズケース15内に予め装着されたカラー部材17の下端部がサブ基板10の上面に当接するまでレンズケース15の装着部15bをサブ基板10の装着孔10aに挿通、固定し、カメラモジュール2を形成する。
その後、図2(b)に示す通り、予め半田18が塗布(ポッティング)された回路基板1の所定の実装位置に、カメラモジュール2やその他の電子部品を載置する。その後、図2(c)に示す通り、カメラモジュール2やその他の電子部品を載置した回路基板1をベルトコンベア等でリフロー炉(図示略)に移送し、当該回路基板1をリフロー処理に供して260℃程度の温度で加熱する。その結果、半田18が溶融して、カメラモジュール2がその他の電子部品と一緒に回路基板1に実装される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
〔光学素子1の作製〕
熱硬化性モノマーとして、特開2002−193883号公報に従って作製した1−アダマンチルメタクリレート(ADM樹脂モノマー)を44質量部用い、酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(チバ・ジャパン製、Irganox1010)を0.2質量部、及びラジカル重合開始剤として1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(日本油脂製、パーヘキサ3M−95)を0.01質量部、無機微粒子である気相法シリカ粒子A−300(日本アエロジル製)が20質量部(45.2質量%)になるように混合し、二軸混練機(東洋精機製作所製、ラボプラストミル)で混練し、金型中に注入し、80℃、4時間重合させて光学素子1を作製した。
A−300の比重3.98、ADM樹脂の比重1.05から、上記体積比率は12%である。
〔光学素子2の作製〕
(無機微粒子の表面処理)
気相法シリカ粒子A−300(日本アエロジル製)5g、ヘキサメチルジシラザン(関東化学製)5gを脱水ピリジン200ml中に投入し、室温で30分撹拌処理を行った後、t−ブタノールに置換し、凍結乾燥を行い、表面処理済無機微粒子を取り出した(表面処理1)。
(光学素子の作製)
光学素子1の作製において、気相法シリカ粒子A−300(日本アエロジル製)に代えて上記表面処理済無機微粒子を用いた他は、同様にして光学素子2を作製した。
〔光学素子3の作製〕
(Si/Alコアシェル型無機微粒子の調製)
以下の手法でアルミナとシリカのコアシェル型無機微粒子を作製した。
大明化学製γ−アルミナ、TM−300(1次粒子径7nm)8質量部を28%アンモニア水100質量部、水100質量部及びエタノール300質量部と混合した後、コトブキ技研ビーズミル分散機(ウルトラアペックスミル)を用いて分散混合を行った。その後、関東化学製テトラエトキシシラン3質量部を8時間かけて滴下し、限外濾過を用いてアンモニア及び水を除去し、アセトニトリルに溶媒置換し、アセトニトリルを留去し、コアシェル型無機微粒子を調製した。ここで、Si/Alコアシェル型無機微粒子の比重は3.72で、42.5質量%に相当するSi/Alコアシェル型無機微粒子を用いた。
(光学素子の作製)
光学素子1の作製において、気相法シリカ粒子A−300(日本アエロジル製)に代えて上記Si/Alコアシェル型無機微粒子を用いた他は、同様にして光学素子3を作製した。
〔光学素子4の作製〕
(Si/Alコアシェル型無機微粒子の表面処理)
光学素子3で調製したコアシェル型無機微粒子5g、ヘキサメチルジシラザン(関東化学製)5gを脱水ピリジン200ml中に投入し、室温で30分撹拌処理を行った後、t−ブタノールに置換し、凍結乾燥を行い、表面処理済Si/Alコアシェル型無機微粒子を取り出した(表面処理1)。
(光学素子の作製)
光学素子1の作製において、気相法シリカ粒子A−300(日本アエロジル製)に代えて上記表面処理済Si/Alコアシェル型無機微粒子を用いた他は、同様にして光学素子4を作製した。
〔光学素子5の作製〕
(Si/Alコアシェル型無機微粒子の表面処理)
光学素子3で調製したコアシェル型無機微粒子5g、ヘキサメチルジシラザン(関東化学製)15gを脱水ピリジン200ml中に投入し、室温で30分撹拌処理を行った後、t−ブタノールに置換し、凍結乾燥を行い、表面処理済Si/Alコアシェル型無機微粒子を取り出した(表面処理2)。
(光学素子の作製)
光学素子1の作製において、気相法シリカ粒子A−300(日本アエロジル製)に代えて上記表面処理済Si/Alコアシェル型無機微粒子を用いた他は、同様にして光学素子5を作製した。
〔光学素子6の作製〕
(光学素子の作製)
光学素子1の作製において、気相法シリカ粒子A−300(日本アエロジル製)に代えて光学素子5の作製における表面処理済Si/Alコアシェル型無機微粒子を用いた他は、同様にして光学素子6を作製した。但し、体積比率が8%、即ち28.3質量%に相当するSi/Alコアシェル型無機微粒子を用いた。
〔評価〕
(透過率の測定)
厚さ2mm、巾20mm、長さ50mmの上記光学素子1〜6について、リフロー工程の処理に供するとともに、リフロー工程前後における波長450nmの光の透過率をASTM D−1003に従って島津製作所製の分光光度計UV−3150を用いて測定した。
リフロー処理の条件は図3(上部実線部)に示す通りとした。具体的には図3において、「平均ランプアップ速度(TsmaxからTpまでの速度)」を最大3℃/秒とし、「プレヒート最小温度(Tsmin)」を150℃とし、「プレヒート最大温度(Tsmax)」を200℃とし、「プレヒート時間(tsminからtsmaxまでの時間)」を60〜180秒とし、「維持温度(T)」を217℃とし、「維持時間(t)」を60〜150秒とし、「ピーク温度(Tp)」を260℃とし、「ピーク時間(tp)」を20〜40秒とし、「ランプダウン速度」を最大6℃/秒とし、「25℃からピーク温度までの時間」を最大8分とした。
Figure 2010018700
表より、本発明の試料は比較例に対してリフロー処理後の透過率が優れていることがわかる。
本発明に係る撮像装置の概略斜視図である。 本発明に係る撮像装置の製造方法を概略的に説明するための図面である。 本発明の好ましい実施例におけるリフロー条件(リフロープロファイル)の概略を示す図面である。 分散項(fd)、水素結合項(fh)、分極項(fp)の寄与率を示す3画図法である。
符号の説明
100 撮像装置
1 回路基板
2 カメラモジュール
3 カバーケース
4 撮像用開口
5 基板モジュール
6 レンズモジュール
10 サブ基板
10a 装着孔
11 CCDイメージセンサー
12 封止樹脂
15 レンズケース
15a ホルダ部
15b 装着部
16 レンズ
17 カラー部材
18 半田

Claims (7)

  1. 硬化性樹脂と無機微粒子を含有する光学素子であって、該硬化性樹脂のSP値と該無機微粒子の表面SP値の差が0以上9以下であることを特徴とする光学素子。
  2. 前記無機微粒子が酸化物微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記酸化物微粒子がコアシェル構造を持つことを特徴とする請求項2に記載の光学素子。
  4. 前記硬化性樹脂に対する前記無機微粒子の体積比率が1%以上10%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学素子。
  5. 450nmにおける透過率が厚さ2mmにおいて95%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学素子。
  6. 電子部品とともにリフロー処理により基板に実装される撮像装置に用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学素子を有する撮像装置を電子部品とともに基板上に載置する工程、及び撮像装置、電子部品及び基板をリフロー処理する工程、撮像装置と電子部品とを基板に実装する工程を有することを特徴とする電子機器の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011155204A (ja) * 2010-01-28 2011-08-11 Ricoh Co Ltd ゾルゲル液、電気−機械変換素子、液体吐出ヘッド及びインクジェット記録装置

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