JPWO2019054019A1 - インク組成物及び画像形成方法 - Google Patents
インク組成物及び画像形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2019054019A1 JPWO2019054019A1 JP2019541915A JP2019541915A JPWO2019054019A1 JP WO2019054019 A1 JPWO2019054019 A1 JP WO2019054019A1 JP 2019541915 A JP2019541915 A JP 2019541915A JP 2019541915 A JP2019541915 A JP 2019541915A JP WO2019054019 A1 JPWO2019054019 A1 JP WO2019054019A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- group
- volatile
- polymer
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J2/00—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
- B41J2/005—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
- B41J2/01—Ink jet
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41M—PRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
- B41M5/00—Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09D—COATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
- C09D11/00—Inks
- C09D11/02—Printing inks
- C09D11/023—Emulsion inks
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09D—COATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
- C09D11/00—Inks
- C09D11/30—Inkjet printing inks
- C09D11/38—Inkjet printing inks characterised by non-macromolecular additives other than solvents, pigments or dyes
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Abstract
Description
例えば、特開2010−138297号公報には、優れた吐出速度及び吐出安定性を有するサーマル式インクジェット用水分散体の製造方法として、工程(1):顔料、アニオン性基を有するポリマー、揮発性塩基、不揮発性塩基、有機溶媒、及び水を含有する混合物であって、揮発性塩基によるアニオン性基の中和度と不揮発性塩基によるアニオン性基の中和度との合計が210%〜500%であり、かつ(揮発性塩基/不揮発性塩基)のモル比が1を超える混合物を、分散処理して分散体を得る工程、並びに、工程(2):工程(1)で得られた分散体から、揮発性塩基及び有機溶媒を除去して、顔料を含有するポリマー粒子の水分散体を得る工程、を有するサーマル式インクジェット用水分散体の製造方法が開示されている。
また、一般に、液体成分として水を含むインクを用いて形成されたインク膜では、液体成分として有機溶剤を含むインクを用いて形成されたインク膜と比較して、インク膜中の液体成分が除去され難い。そのため、液体成分として水を含むインクを用いて形成された画像は、精細さに劣る傾向がある。
したがって、粒子を含む水系インクには、精細な画像を形成できることが求められる場合がある。
また、本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、精細な画像を形成できる画像形成方法を提供することである。
<1> 水と、沸点が25℃以上250℃以下である揮発性中和剤及び沸点が250℃を超える非揮発性中和剤により中和された酸基を含む粒子と、を含有するインク組成物。
<2> 粒子が、ポリマーを含み、ポリマーが、沸点が25℃以上250℃以下である揮発性中和剤及び沸点が250℃を超える非揮発性中和剤により中和された酸基を有する<1>に記載のインク組成物。
<3> 揮発性中和剤が、アミン化合物及び第四級アンモニウムヒドロキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種である<1>又は<2>に記載のインク組成物。
<4> アミン化合物の価数が、1である<3>に記載のインク組成物。
式(1):NR1R2R3
式(2):NR4R5H
式(3):NR6H2
式(1)中、R1、R2、及びR3は、各々独立に、アルキル基を表す。R1、R2、及びR3のうちいずれか2つが互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。
式(2)中、R4及びR5は、各々独立に、アルキル基を表し、R4とR5とは、互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。
式(3)中、R6は、アルキル基を表す。
<7> 非揮発性中和剤が、アルカリ金属の水酸化物である<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインク組成物。
<8> 粒子に含まれる、非揮発性中和剤により中和された酸基に対する揮発性中和剤により中和された酸基のモル比が、60/40〜90/10の範囲である<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインク組成物。
<9> ポリマーが、鎖状ポリマーである<1>〜<8>のいずれか1つに記載のインク組成物。
<10> ポリマーが、ウレタンポリマー、ウレアポリマー、又は(メタ)アクリルポリマーである<1>〜<9>のいずれか1つに記載のインク組成物。
<11> インクジェットインクとして用いられる<1>〜<10>のいずれか1つに記載のインク組成物。
<12> 基材上に、<1>〜<11>のいずれか1つに記載のインク組成物を付与することによりインク膜を形成する工程と、インク膜を加熱する工程と、を含む画像形成方法。
また、本発明の他の実施形態によれば、精細な画像を形成できる画像形成方法が提供される。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、各成分の量は、各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、複数種の物質の合計量を意味する。
本開示において、化学式中の「*」は、結合位置を表す。
本開示において、「光」は、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線等の活性エネルギー線を包含する概念である。
本開示では、紫外線を、「UV(Ultra Violet)光」ということがある。
本開示では、LED(Light Emitting Diode)光源から生じた光を、「LED光」ということがある。
本開示において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基の両方を包含する概念である。
本開示において、「(メタ)アクリルポリマー」は、アクリルポリマー及びメタクリルポリマーの両方を包含する概念である。
本開示において、ポリオキシアルキレン基、ウレア基、及びウレタン基は、それぞれ、ポリオキシアルキレン結合、ウレア結合、及びウレタン結合を意味する。
本開示のインク組成物(以下、単に「インク」ともいう)は、水と、沸点が25℃以上250℃以下である揮発性中和剤(以下、単に「揮発性中和剤」ともいう)及び沸点が250℃を超える非揮発性中和剤(以下、単に「非揮発性中和剤」ともいう)により中和された酸基を含む粒子(以下、「特定粒子」ともいう)と、を含有する。
本開示のインクによれば、分散安定性に優れ、かつ、精細な画像を形成できる。
本開示のインクがこのような効果を奏し得る理由については明らかではないが、本発明者らは、以下のように推測している。
詳細には、本開示のインクでは、中和剤(即ち、揮発性中和剤及び非揮発性中和剤)により中和された酸基を含む粒子を含有するため、粒子間の電荷反発作用により、粒子の凝集が抑制され、その結果、優れた分散安定性を実現できると考えられる。
なお、粒子が揮発性中和剤により中和された酸基のみを含んでいると、揮発性中和剤は、インクの保存中に酸基との解離平衡により次第に揮発するため、粒子の分散安定性は低下し得る。
したがって、特開2010−138297号公報に記載の水分散体では、精細な画像を形成することは困難である。
既述のとおり、本開示のインクを用いて形成されたインク膜では、インク膜中の粒子が加熱により凝集することで、インクが増粘する。このインクの増粘により、形成される画像の膜強度が高まるためと考えられる。
特定粒子は、沸点が25℃以上250℃以下である揮発性中和剤及び沸点が250℃を超える非揮発性中和剤により中和された酸基を含む。
特定粒子は、揮発性中和剤及び非揮発性中和剤により中和された酸基を含んでいれば、特に制限されない。
特定粒子の態様としては、特定粒子が、ポリマーを含み、このポリマーが、沸点が25℃以上250℃以下である揮発性中和剤及び沸点が250℃を超える非揮発性中和剤により中和された酸基を有する態様が好ましい。
以下、沸点が25℃以上250℃以下である揮発性中和剤及び沸点が250℃を超える非揮発性中和剤により中和された酸基を有するポリマーを、「特定ポリマー」ともいう。
特定ポリマーは、沸点が25℃以上250℃以下である揮発性中和剤及び沸点が250℃を超える非揮発性中和剤により中和された酸基を有する。
特定ポリマーは、揮発性中和剤により中和された酸基と非揮発性中和剤により中和された酸基とをそれぞれ1種のみ有していてもよく、揮発性中和剤により中和された酸基と非揮発性中和剤により中和された酸基とをそれぞれ2種以上有していてもよく、揮発性中和剤により中和された酸基を1種と非揮発性中和剤により中和された酸基を2種以上とを有していてもよく、揮発性中和剤により中和された酸基を2種以上と非揮発性中和剤により中和された酸基を1種とを有していてもよい。
揮発性中和剤は、沸点が25℃以上250℃以下の中和剤である。
本開示において、「沸点」とは、常圧(101.325kPa)における沸点を指す。
揮発性中和剤の沸点が25℃以上であると、特定粒子の分散安定性が向上し得る。
揮発性中和剤の沸点が250℃以下であると、画像の精細さが向上し得る。また、画像の引っ掻き耐性も向上し得る。
揮発性中和剤の沸点は、画像の精細さ及び画像の引っ掻き耐性がより向上し得るとの観点から、150℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。
すなわち、インクの分散安定性、画像の精細さ、及び画像の引っ掻き耐性の観点からは、揮発性中和剤の沸点は、25℃以上150℃以下であることが好ましく、25℃以上100℃以下であることがより好ましい。
揮発性中和剤としては、アミン化合物及び第四級アンモニウムヒドロキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
これらの中でも、揮発性中和剤としては、加熱時の揮発性の観点から、アミン化合物が好ましい。
アミン化合物の分子量は、特に制限されない。
アミン化合物の分子量は、取り扱い性の観点から、20〜1000であることが好ましく、30〜750であることがより好ましく、50〜500であることが更に好ましい。
本開示において、「アミン化合物の価数」とは、アミン化合物中に含まれる窒素原子の数を意味する。
アミン化合物の価数が1であると、インクの保存中に生じ得る、中和された酸基同士の架橋による特定粒子の凝集が生じないため、特定粒子の分散安定性が損なわれ難い。
式(2):NR4R5H
式(3):NR6H2
式(2)中、R4及びR5は、各々独立に、アルキル基を表し、R4とR5とは、互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。
式(3)中、R6は、アルキル基を表す。
R1、R2、R3、R4、R5、及びR6で表されるアルキル基の炭素数は、各々独立に、1〜12であることが好ましく、1〜6であることがより好ましく、1〜3であることが更に好ましい。
これらの中でも、アミン化合物としては、上記と同様の観点から、式(1)で表される化合物であることが特に好ましい。
揮発性中和剤である第四級アンモニウムヒドロキシドの例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
非揮発性中和剤は、沸点が250℃を超える中和剤である。
非揮発性中和剤の沸点が250℃を超えることは、揮発性中和剤と区別するための規定である。
非揮発性中和剤の沸点は、既述の揮発性中和剤との併用によって、特定粒子の分散安定性、画像の精細さ、及び画像の引っ掻き耐性がより効果的に向上し得るとの観点から、1000℃以上であることが好ましく、1250℃以上であることがより好ましい。
また、非揮発性中和剤の沸点の上限は、特に制限されず、例えば、1500℃以下とすることができる。
非揮発性中和剤としては、例えば、金属の水酸化物が挙げられる。
これらの中でも、非揮発性中和剤としては、入手容易性の観点から、アルカリ金属の水酸化物が好ましい。
また、アルカリ金属の水酸化物は、塩基性が高いため、中和された酸基が安定化し易く、特定粒子の分散安定性がより向上し得る点においても好ましい。
さらに、アルカリ金属の水酸化物は、価数が1であるため、非揮発性中和剤としてアルカリ金属の水酸化物を用いたインクでは、保存中に生じ得る、中和された酸基同士の架橋による特定粒子の凝集が生じず、特定粒子の分散安定性が損なわれ難い。
本開示において、「中和された酸基」とは、塩の形態となっている酸基を指す。「中和された酸基」は、インク中ではイオンの形態で存在し得る。
中和された酸基としては、カルボキシ基の塩、スルホ基の塩、リン酸基の塩、硫酸基の塩、ホスホン酸基の塩等が挙げられる。
これらの中でも、中和された酸基としては、特定粒子の分散安定性の観点から、カルボキシ基の塩が好ましい。
例えば、揮発性中和剤としてのアミン化合物により中和された酸基の場合、前述の「塩」は、アミン塩である。
例えば、非揮発性中和剤としてのアルカリ金属の水酸化物により中和された酸基の場合、前述の「塩」は、アルカリ金属塩である。
特定粒子に含まれる酸基の中和度は、50%〜100%であることが好ましい。
本開示において、「酸基の中和度」とは、特定粒子が含む酸基全体における、中和された酸基のモル数と中和されていない酸基のモル数との合計に対する中和された酸基のモル数の割合〔中和された酸基のモル数/(中和された酸基のモル数+中和されていない酸基のモル数)〕を意味する。
酸基の中和度が50%以上であると、特定粒子の分散安定性がより向上する。
酸基の中和度は、50%〜95%であることが好ましく、80%〜95%であることがより好ましく、90%〜95%であることが更に好ましい。
中和された酸基(即ち、塩の形態である酸基)は、塩基性を示す。酸基の中和度が95%以下であると、特定粒子に含まれる特定ポリマーが有し得るウレタン基及び/又はウレア基の加水分解をより抑制できる。
本開示において、特定粒子に含まれる酸基の中和度(%)は、例えば、以下に示す電位差滴定法により測定することができる。測定装置としては、特に制限されず、例えば、京都電子工業(株)の電位差自動滴定装置(型番:AT−510)を好適に用いることができる。
以下では、酸基がカルボキシ基(−COOH)である場合を例に挙げて説明する。なお、酸基がカルボキシ基以外の基(スルホ基、リン酸基等)である場合には、以下の記載において、カルボキシ基をカルボキシ基以外の基に読み替えることにより、中和度を測定することができる。
準備した水分散物50gに対し、80000rpm(revolutions per minute;以下、同じ)で40分の条件の遠心分離を施す。遠心分離によって生じた上澄み液を除去し、沈殿物(即ち、特定粒子)を回収する。
容器1に、回収した特定粒子を約0.5g秤量し、秤量値W1(g)を記録する。次いで、テトラヒドロフラン(THF)54mL及び蒸留水6mLの混合液を添加し、秤量した特定粒子を希釈することにより中和度測定用試料1を得る。
得られた中和度測定用試料1に対し、滴定液として0.1N(=0.1mol/L)水酸化ナトリウム水溶液を用いて滴定を行い、当量点までに要した滴定液量をF1(mL)として記録する。滴定において複数の当量点が得られた場合は、最大滴定量での当量点の値を用いる。ここで、「最大滴定量F1(mL)」は、特定粒子に含まれる酸基のうち、中和されていない酸基(即ち、−COOH)の量に相当する。
また、容器2に、回収した特定粒子を約0.5g秤量し、秤量値W2(g)を記録する。次いで、酢酸60mLを添加し、秤量した特定粒子を希釈することにより中和度測定用試料2を得る。
得られた中和度測定用試料2に対し、滴定液として0.1N(=0.1mol/L)過塩素酸酢酸溶液を用いて滴定を行い、当量点までに要した滴定液量をF2(mL)として記録する。滴定において複数の当量点が得られた場合は、最大滴定量での当量点の値を用いる。ここで、「最大滴定量F2(mL)」は、特定粒子に含まれる酸基のうち、中和されている酸基(即ち、−COONa)の量に相当する。
「F1(mL)」及び「F2(mL)」の測定値に基づき、下記の式に従って、酸基であるカルボキシ基の中和度(%)を求める。
F1(mL)×水酸化ナトリウム水溶液の規定度(0.1mol/L)/W1(g)+F2(mL)×過塩素酸酢酸溶液の規定度(0.1mol/L)/W2(g) = 特定粒子1g当たりに含まれる、中和されていないカルボキシ基と中和されたカルボキシ基との総量(mmol/g)・・・(1)
F2(mL)×過塩素酸酢酸溶液の規定度(0.1mol/L)/W2(g) = 特定粒子1g当たりに含まれるカルボキシ基のうち、中和されたカルボキシ基の量(mmol/g)・・・(2)
中和度(%) = (2)/(1)×100
特定粒子に含まれる、非揮発性中和剤により中和された酸基に対する揮発性中和剤により中和された酸基のモル比(揮発性中和剤により中和された酸基のモル数/非揮発性中和剤により中和された酸基のモル数)は、特に制限されない。
特定粒子に含まれる、非揮発性中和剤により中和された酸基に対する揮発性中和剤により中和された酸基のモル比は、例えば、40/60〜95/5の範囲であることが好ましく、画像の精細さ及び画像の引っ掻き耐性をより向上させる観点からは、60/40〜95/5の範囲であることがより好ましく、画像の精細さ及び画像の引っ掻き耐性に加えて、特定粒子の分散安定性をより向上させる観点からは、60/40〜90/10の範囲であることが更に好ましい。
本開示において、特定粒子に含まれる、非揮発性中和剤により中和された酸基に対する揮発性中和剤により中和された酸基のモル比は、例えば、以下に示す電位差滴定法により測定することができる。測定装置としては、特に制限はなく、例えば、京都電子工業(株)の電位差自動滴定装置(型番:AT−510)を好適に用いることができる。
準備した水分散物50gに対し、80000rpmで40分の条件の遠心分離を施す。遠心分離によって生じた上澄み液を除去し、沈殿物(特定粒子)を回収する。
容器1に、回収した特定粒子を約0.5g秤量し、秤量値W1(g)を記録する。次いで、酢酸60mLを添加し、秤量した特定粒子を希釈することにより中和度測定用試料1を得る。
得られた中和度測定用試料1に対し、滴定液として0.1N(=0.1mol/L)過塩素酸酢酸溶液を用いて滴定を行い、当量点までに要した滴定液量をF1(mL)として記録する。さらに、滴定を続け、第二の当量点までに要した滴定液量をF2(mL)として記録する。
ここで、「F1(mL)」は、強塩基である非揮発性中和剤により中和された酸基のモル数、「(F2−F1)(mL)」は、弱塩基である揮発性中和剤により中和された酸基のモル数に相当する。
特定ポリマーの種類としては、特に制限はない。
特定ポリマーは、ウレタンポリマー、ウレアポリマー、又は(メタ)アクリルポリマーであることが好ましい。
本開示において、ウレアポリマーとは、ウレア基を含むポリマー(但し、上述のウレタンポリマーに該当するポリマー、及び、後述の(メタ)アクリルポリマーに該当するポリマーを除く)を意味する。
本開示において、(メタ)アクリルポリマーとは、1種の(メタ)アクリレートの単独重合体、2種以上の(メタ)アクリレートの共重合体、又は、1種以上の(メタ)アクリレートと1種以上の他のモノマーとの共重合体を意味する。
ウレタンポリマーの概念には、ウレタン基とウレア基との両方を含むポリマー(所謂、ウレタンウレアポリマー)も包含される。
(メタ)アクリルポリマーの概念には、ウレタン基及びウレア基の少なくとも一方を含む(メタ)アクリルポリマーも包含される。
特定鎖状ポリマーは、主鎖中に、脂肪族環、芳香族環、複素環等の環状構造を含んでいてもよい。
特定架橋ポリマーが有し得る三次元架橋構造については、国際公開第2016/052053号に記載の三次元架橋構造を参照してもよい。
特定鎖状ポリマーは、(1)2官能のイソシアネート化合物と、酸基及び2つの活性水素基を有する化合物と、の反応生成物の中和物であるか、(2)2官能のイソシアネート化合物と、酸基及び2つの活性水素基を有する化合物と、その他の化合物と、の反応生成物の中和物であるか、(3)2官能のイソシアネート化合物と、酸基及び2つの活性水素基を有する化合物と、2つの活性水素基を有し、かつ、酸基を有しない化合物と、の反応生成物の中和物であるか、又は、(4)2官能のイソシアネート化合物と、酸基及び2つの活性水素基を有する化合物と、2つの活性水素基を有し、かつ、酸基を有しない化合物と、その他の化合物と、の反応生成物の中和物であることが好ましい。
本開示における「中和物」には、部分中和物も包含される。
例えば、2官能のイソシアネート化合物とジオール化合物との反応により、ウレタン基が形成される。
また、2官能のイソシアネート化合物とジアミン化合物との反応により、ウレア基が形成される。
酸基としては、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、スルホ基、スルホ基の塩、リン酸基、リン酸基の塩、ホスホン酸基、ホスホン酸基の塩、硫酸基、硫酸基の塩等が挙げられる。「塩」としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩又はカリウム塩がより好ましい。
これらの中でも、酸基としては、インクの分散安定性の観点から、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、スルホ基、スルホ基の塩、リン酸基、及びリン酸基の塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、カルボキシ基及びカルボキシ基の塩から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
酸基及び活性水素基を有する化合物は、酸基及び活性水素基をそれぞれ1種のみ有してもよく、酸基及び活性水素基のどちらか一方を1種有し、他方を2種以上有していてもよく、酸基及び活性水素基の両方を2種以上有していてもよい。
特定架橋ポリマーは、(1)3官能以上のイソシアネート化合物と、酸基及び活性水素基を有する化合物と2官能のイソシアネート化合物との反応生成物A1と、水と、の反応生成物A2の中和物であるか、又は、(2)3官能以上のイソシアネート化合物と、酸基及び活性水素基を有する化合物と2官能のイソシアネート化合物との反応生成物B1と、その他の化合物と、水と、の反応生成物B2の中和物であることが好ましい。
また、特定架橋ポリマーを形成するための、2つ以上の活性水素基を有する化合物としては、3官能以上のポリオール化合物、3官能以上のポリアミン化合物、及び3官能以上のポリチオール化合物も挙げられる。
3つ以上の活性水素基を有する化合物と反応させる2官能のイソシアネート化合物のモル数(所謂、分子数)は、3つ以上の活性水素基を有する化合物における活性水素基のモル数(所謂、活性水素基の当量数)に対し、0.6倍以上が好ましく、0.6倍〜5倍がより好ましく、0.6倍〜3倍が更に好ましく、0.8倍〜2倍が特に好ましい。
アダクト型の3官能以上のイソシアネート化合物の市販品としては、タケネート(登録商標)D−102、D−103、D−103H、D−103M2、P49−75S、D−110N、D−120N、D−140N、D−160N(以上、三井化学(株))、デスモジュール(登録商標)L75、UL57SP(住化バイエルウレタン(株))、コロネート(登録商標)HL、HX、L(日本ウレタンポリマー(株))、P301−75E(旭化成(株))等が挙げられる。
イソシアヌレート型の3官能以上のイソシアネート化合物の市販品としては、タケネート(登録商標)D−127N、D−170N、D−170HN、D−172N、D−177N(以上、三井化学(株))、スミジュールN3300、デスモジュール(登録商標)N3600、N3900、Z4470BA(以上、住化バイエルウレタン(株))、コロネート(登録商標)HX、HK(以上、日本ウレタンポリマー(株))、デュラネート(登録商標)TPA−100、TKA−100、TSA−100、TSS−100、TLA−100、TSE−100(以上、旭化成(株))等が挙げられる。
ビウレット型の3官能以上のイソシアネート化合物の市販品としては、タケネート(登録商標)D−165N、NP1100(以上、三井化学(株))、デスモジュール(登録商標)N3200(住化バイエルウレタン(株))、デュラネート(登録商標)24A−100(旭化成(株))等が挙げられる。
この態様において、MCの全固形分量に対する分散剤の量の比(以下、質量比〔分散剤/MC固形分〕ともいう)としては、0.005〜1.000であることが好ましく、0.05〜0.7であることがより好ましい。
質量比〔分散剤/MC固形分〕が0.005以上であると、特定粒子の分散安定性がより向上する。
質量比〔分散剤/MC固形分〕が1.000以下であると、画像の硬度がより向上する。
特定ポリマーの重量平均分子量(Mw)としては、インクの分散安定性(即ち、特定粒子の分散安定性)の観点から、5000以上であることが好ましく、7000以上であることがより好ましく、8000以上であることが更に好ましい。
特定ポリマーのMwの上限には特に制限はない。特定ポリマーのMwの上限としては、例えば、150000、100000、70000、50000が挙げられる。
本開示において、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定は、測定装置として、HLC(登録商標)−8020GPC(東ソー(株))を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)Super Multipore HZ−H(4.6mmID×15cm、東ソー(株))を3本用い、溶離液として、THF(テトラヒドロフラン)を用いることができる。また、測定条件としては、試料濃度を0.45質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、及び測定温度を40℃とし、示差屈折率(RI)検出器を用いて行う。
検量線は、東ソー(株)の「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、及び「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
特定ポリマーの含有量が、特定粒子の全固形分量に対して10質量%以上であると、インクの分散安定性(即ち、特定粒子の分散安定性)がより向上する。
特定ポリマーの含有量は、特定粒子の全固形分量に対し、100質量%となることもあり得るが、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが特に好ましい。
特定粒子中の特定ポリマーが酸基を有する場合、特定ポリマーへの酸基の導入は、酸基導入用化合物を用いて行うことができる。
酸基導入用化合物としては、酸基及び活性水素基を有する化合物を用いることができる。
酸基導入用化合物としては、1つ以上の酸基及び2つ以上の活性水素基を有する化合物を用いることが好ましい。
酸基導入用化合物としては、上記のα−アミノ酸以外に、既述の酸基及び活性水素基を有する化合物も挙げられる。
特定ポリマーが酸基を有する場合、特定ポリマーへの酸基の導入は、酸基を導入したイソシアネート化合物を用いて行うこともできる。
酸基を導入したイソシアネート化合物としては、既述の酸基導入用化合物と、2官能のイソシアネート化合物と、の反応生成物;既述の酸基導入用化合物と、3官能以上のイソシアネート化合物と、の反応生成物;既述の酸基導入用化合物と、2官能のイソシアネート化合物と、3官能以上のポリオール化合物、3官能以上のポリアミン化合物、及び3官能以上のポリチオール化合物からなる群より選ばれる化合物と、の反応生成物;等が挙げられる。
これらの中でも、酸基を導入したイソシアネート化合物としては、既述の酸基導入用化合物と、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(HXDI)、m−キシリレンジイソシアネート(XDI)、又はジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(HMDI)との反応生成物が好ましい。
特定ポリマーは、既述の酸基(中和された酸基及び中和されていない酸基)以外の親水性基として、ノニオン性基を更に有していてもよい。
特定ポリマーがノニオン性基を更に有する場合には、既述の中和された酸基による分散作用と、ノニオン性基による分散作用と、が相まって、インクの分散安定性がより向上し得る。
ノニオン性基としては、ポリエーテル構造を有する基が挙げられ、ポリアルキレンオキシ基を含む1価の基が好ましい。
特定ポリマーが、ノニオン性基を有する場合、特定ポリマーへのノニオン性基の導入は、ノニオン性基導入用化合物を用いて行うことができる。
ノニオン性基導入用化合物としては、ポリエーテル構造を有する化合物が好ましく、ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物がより好ましい。
ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、及びポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドブロック共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく、ポリエチレンオキシドがより好ましい。
ポリエーテル構造を有する化合物としては、ポリエチレンオキシドのモノエーテル体(モノメチルエーテル、モノエチルエーテル等)及びポリエチレンオキシドのモノエステル体(モノ酢酸エステル、モノ(メタ)アクリル酸エステル等)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。
特定ポリマーは、重合性基を少なくとも1種有することが好ましい。
特定ポリマーが重合性基を有する場合には、特定粒子に含まれる酸基を中和している揮発性中和剤の揮発によってインク膜を増粘させた後、増粘したインク膜を、重合性基の作用によって硬化させることができる。
これにより、画像の引っ掻き耐性が更に向上する。
光重合性基としては、ラジカル重合性基が好ましく、エチレン性二重結合を含む基がより好ましく、(メタ)アクリロイル基、アリル基、スチリル基、又はビニル基が更に好ましい。ラジカル重合性基としては、ラジカル重合反応性及び形成される膜の硬度の観点から、(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。
熱重合性基としては、エポキシ基、オキセタニル基、アジリジニル基、アゼチジニル基、ケトン基、アルデヒド基、又はブロックイソシアネート基が好ましい。
特定ポリマーは、重合性基を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
特定ポリマーが重合性基を有することは、例えば、フーリエ変換赤外線分光測定(FT−IR)分析によって確認することができる。
特定ポリマーが重合性基を有する場合、特定ポリマーへの重合性基の導入は、重合性基導入用化合物を用いて行うことができる。
重合性基導入用化合物としては、重合性基及び活性水素基を有する化合物を用いることができる。
重合性基導入用化合物としては、1つ以上の重合性基及び2つ以上の活性水素基を有する化合物を用いることが好ましい。
重合性基導入用モノマーは、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
L1LcmZn (ma)
L1は、2価以上の脂肪族基、2価以上の芳香族基、2価以上の複素環基、−O−、−S−、−NH−、−N<、−CO−、−SO−、−SO2−又はそれらの組合せであることが好ましい。
m及びnは、各々独立に、1〜50であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、3〜10であることが更に好ましく、3〜5であることが特に好ましい。
Lcで表される1価のエチレン性不飽和基としては、アリル基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等が挙げられる。
Zで表される活性水素基は、ヒドロキシ基又は1級アミノ基であることがより好ましく、ヒドロキシ基であることが更に好ましい。
特定ポリマーが重合性基を有する場合、特定ポリマーへの重合性基の導入は、重合性基を導入したイソシアネート化合物を用いて行うこともできる。
重合性基を導入したイソシアネート化合物としては、既述の重合性基導入用化合物の少なくとも1種と、2官能のイソシアネート化合物の少なくとも1種と、の反応生成物;
既述の重合性基導入用化合物の少なくとも1種と、3官能以上のイソシアネート化合物の少なくとも1種と、の反応生成物;既述の重合性基導入用化合物の少なくとも1種と、2官能のイソシアネート化合物の少なくとも1種と、3官能以上のポリオール化合物、3官能以上のポリアミン化合物、及び3官能以上のポリチオール化合物からなる群から選択される少なくとも1種と、の反応生成物;等が挙げられる。
特定粒子は、重合性モノマーを含むことが好ましい。
特定粒子が重合性モノマーを含む場合、特定粒子に含まれる酸基を中和している揮発性中和剤の揮発によってインク膜を増粘させた後、増粘したインク膜を、重合性基の作用によって硬化させることができる。
これにより、画像の引っ掻き耐性が更に向上する。
特定粒子に含まれる重合性モノマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
光重合性モノマーは、光(即ち、活性エネルギー線)の照射によって重合する性質を有する。
熱重合性モノマーは、加熱又は赤外線の照射によって重合する性質を有する。
光重合性モノマーとしては、ラジカル重合可能なエチレン性二重結合を有するラジカル重合性モノマーが好ましい。
本開示のインクによって形成されたインク膜の硬化は、本開示のインクが光硬化性のインクである場合には、インク膜に対して光照射を施すことによって行うことができ(後述の硬化工程A参照)、本開示のインクが熱硬化性のインクである場合には、インク膜に対して加熱又は赤外線照射を施すことによって行うことができる(後述の加熱工程又は硬化工程B参照)。
この態様によれば、活性エネルギー線の照射による画像の硬化性がより向上するので、画像の引っ掻き耐性がより向上する。
また、特定粒子が、重合性モノマーとして熱重合性モノマーを含む場合、特定粒子は、更に、後述の光熱変換剤、熱硬化促進剤、又は光熱変換剤及び熱硬化促進剤を含んでもよい。
光重合性モノマーとしては、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性モノマー(即ち、ラジカル重合性モノマー)及びカチオン重合可能なカチオン重合性基を有する重合性モノマー(即ち、カチオン重合性モノマー)から選択できる。
ラジカル重合性モノマーは、エチレン性不飽和基を有する化合物が好ましい。
特定粒子がラジカル重合性モノマーを含む場合、特定粒子は、ラジカル重合性モノマーを1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
また、3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、エトキシ化ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、プロポキシ化グリセリントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、及びプロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
2官能以下のラジカル重合性モノマーと3官能以上のラジカル重合性モノマーとの組合せとしては、2官能のアクリレート化合物と3官能のアクリレート化合物との組合せ、2官能のアクリレート化合物と5官能のアクリレート化合物との組み合わせ、単官能のアクリレート化合物と4官能のアクリレート化合物との組み合わせなどが挙げられる。
環状ラジカル重合性モノマーとしては、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
また、以下で説明する、2官能以上の環状ラジカル重合性モノマーも挙げられる。
2官能以上の環状ラジカル重合性モノマーとしては、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド(EO)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキシド(PO)付加物ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化シクロヘキサノンジメタノールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサノンジメタノールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性モノマーとしては、少なくとも1つのオレフィン、チオエーテル、アセタール、チオキサン、チエタン、アジリジン、N複素環、O複素環、S複素環、P複素環、アルデヒド、ラクタム、又は環状エステル基を有する化合物が好ましい。
光重合性モノマーの市販品の例としては、AH−600(2官能)、AT−600(2官能)、UA−306H(6官能)、UA−306T(6官能)、UA−306I(6官能)、UA−510H(10官能)、UF−8001G(2官能)、DAUA−167(2官能)、ライトアクリレートNPA(2官能)、ライトアクリレート3EG−A(2官能)(以上、共栄社化学(株))、SR339A(PEA、単官能)、SR506(IBOA、単官能)、CD262(2官能)、SR238(HDDA、2官能)、SR341(3MPDDA、2官能)、SR508(2官能)、SR306H(2官能)、CD560(2官能)、SR833S(2官能)、SR444(3官能)、SR454(3官能)、SR492(3官能)、SR499(3官能)、CD501(3官能)、SR502(3官能)、SR9020(3官能)、CD9021(3官能)、SR9035(3官能)、SR494(4官能)、SR399E(5官能)(以上、サートマー社)、A−NOD−N(NDDA、2官能)、A−DOD−N(DDDA、2官能)、A−200(2官能)、APG−400(2官能)、A−BPE−10(2官能)、A−BPE−20(2官能)、A−9300(3官能)、A−9300−1CL(3官能)、A−TMPT(3官能)、A−TMM−3L(3官能)、A−TMMT(4官能)、AD−TMP(4官能)(以上、新中村化学工業(株))、UV−7510B(3官能)(日本合成化学(株))、KAYARAD DPCA−30(6官能)、KAYARAD DPEA−12(6官能)(以上、日本化薬(株))等が挙げられる。
その他、重合性モノマーとしては、NPGPODA(ネオペンチルグリコールプロピレンオキシド付加物ジアクリレート)、SR531、SR285、SR256(以上、サートマー社)、A−DHP(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、新中村化学工業(株))、アロニックス(登録商標)M−156(東亞合成(株))、V−CAP(BASF社)、ビスコート#192(大阪有機化学工業(株))等の市販品を好適に用いることができる。
これらの市販品の中でも、特に環状構造を有する光重合性モノマーである、SR506、SR833S、A−9300、又はA−9300−CLが好ましく、SR833Sが特に好ましい。
熱重合性モノマーは、加熱もしくは赤外線の照射によって重合可能な重合性モノマーの群から選択できる。熱重合性モノマーとしては、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、アジリジン化合物、アゼチジン化合物、ケトン化合物、アルデヒド化合物、ブロックイソシアネート化合物等が挙げられる。
多塩基酸のポリグリシジルエステル、ポリオールのポリグリシジルエーテル、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル、芳香族ポリオールのポリグリシジルエステル、ウレタンポリエポキシ化合物、ポリエポキシポリブタジエン等の3官能以上のエポキシ化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物の市販品としては、EPICLON(登録商標)840(DIC社)が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トルイルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート三量体、トリメチルへキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、タケネート(登録商標;三井化学(株))、デュラネート(登録商標;旭化成(株))、Bayhydur(登録商標;バイエルAG社)などの市販のイソシアネート、又はこれらを組み合わせた二官能以上のイソシアネートが好ましい。
特定粒子は、光重合開始剤の少なくとも1種を含んでいてもよい。
特定粒子が光重合性モノマー(例えば、ラジカル重合性モノマー)を含む場合には、特定粒子は、光重合開始剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。
詳細には、特定粒子が光重合開始剤を含む場合、1つの特定粒子が、光重合性モノマーと光重合開始剤との両方を有する。このため、光重合性モノマーと光重合開始剤との距離が近くなるので、従来の光硬化性組成物を用いた場合と比較して、膜の硬化感度(以下、単に「感度」ともいう)が向上する。その結果、硬度により優れ、かつ、基材との密着性にもより優れた膜が形成される。
既述の、高感度ではあるが水への分散性が低い又は溶解性が低いために用いることが難しかった光重合開始剤として、具体的には、後述のカルボニル化合物及びアシルホスフィンオキシド化合物が挙げられ、アシルホスフィンオキシド化合物が好ましい。
このように、本開示のインクは、水に対する溶解性が低い物質を特定粒子に含ませることにより、水系の組成物である本開示のインク中に含有させることができる。このことも本開示のインクの利点の一つである。
光重合開始剤は、光(即ち、活性エネルギー線)を吸収して重合開始種であるラジカルを生成する化合物である。
より好ましい例としては、特公昭47−6416号公報記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981号公報記載のベンゾインエーテル化合物、特公昭47−22326号公報記載のα−置換ベンゾイン化合物、特公昭47−23664号公報記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704号公報記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483号公報記載のジアルコキシベンゾフェノン、特公昭60−26403号公報、特開昭62−81345号公報記載のベンゾインエーテル類、特公平1−34242号公報、米国特許第4,318,791号パンフレット、ヨーロッパ特許0284561A1号公報に記載のα−アミノベンゾフェノン類、特開平2−211452号公報記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、特開昭61−194062号公報記載のチオ置換芳香族ケトン、特公平2−9597号公報記載のアシルホスフィンスルフィド、特公平2−9596号公報記載のアシルホスフィン、特公昭63−61950号公報記載のチオキサントン類、特公昭59−42864号公報記載のクマリン類等を挙げることができる。
また、特開2008−105379号公報又は特開2009−114290号公報に記載の重合開始剤も好ましい。
これらの中でも、感度向上の観点及びLED光への適合性の観点等から、内包光重合開始剤としては、(b)アシルホスフィンオキシド化合物が好ましく、モノアシルホスフィンオキシド化合物(特に好ましくは、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド)、又は、ビスアシルホスフィンオキシド化合物(特に好ましくは、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド)がより好ましい。
LED光の波長としては、355nm、365nm、385nm、395nm、又は405nmが好ましい。
高分子型光重合開始剤としては、前述の、Omnipol TX、9210;SPEEDCURE7005、7010、7040等が挙げられる。
特定粒子は、増感剤の少なくとも1種を含んでいてもよい。
特定粒子が光重合開始剤の少なくとも1種を含む場合には、特定粒子は、増感剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。
特定粒子が増感剤を含有すると、光(即ち、活性エネルギー線)の照射による光重合開始剤の分解がより促進され得る。
増感剤は、特定の活性エネルギー線を吸収して電子励起状態となる物質である。電子励起状態となった増感剤は、光重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱等の作用を生じる。これにより、光重合開始剤の化学変化、即ち、分解、ラジカル、酸又は塩基の生成等が促進される。
また、増感剤としては、特開2010−24276号公報に記載の一般式(i)で表される化合物や、特開平6−107718号公報に記載の一般式(I)で表される化合物も、好適に使用できる。
上記の中でも、増感剤としては、LED光への適合性及び光重合開始剤との反応性の観点から、チオキサントン、イソプロピルチオキサントン、及びベンゾフェノンから選ばれる少なくとも1種が好ましく、チオキサントン及びイソプロピルチオキサントンから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、イソプロピルチオキサントンが更に好ましい。
特定粒子が増感剤を含む場合、増感剤を1種単独で含んでもよいし、2種以上を含んでいてもよい。
特定粒子が重合性モノマーとして熱重合性モノマーを含む場合、特定粒子は、光熱変換剤の少なくとも1種を含んでいてもよい。
光熱変換剤は、赤外線等を吸収して発熱し、熱重合性モノマーを重合硬化させる化合物である。光熱変換剤としては、公知の化合物を用いることができる。
光熱変換剤の含有量は、特定粒子の全固形分量に対して、0.1質量%〜25質量%であることが好ましく、0.5質量%〜20質量%であることがより好ましく、1質量%〜15質量%であることが更に好ましい。
特定粒子が重合性モノマーとして熱重合性モノマーを含む場合、特定粒子は、熱硬化促進剤の少なくとも1種を含んでいてもよい。
熱硬化促進剤は、熱重合性モノマーの熱硬化反応を触媒的に促進する化合物である。
熱硬化促進剤の含有量は、特定粒子の全固形分量に対して、0.1質量%〜25質量%であることが好ましく、0.5質量%〜20質量%であることがより好ましく、1質量%〜15質量%であることが更に好ましい。
これにより、分散安定性がより向上し、かつ、画像と基材との密着性がより向上する。
特定粒子の全固形分量がインクの全量に対して1質量%以上であると、画像と基材との密着性がより向上する。
また、特定粒子の全固形分量がインクの全量に対して50質量%以下であると、インクの分散安定性がより向上する。
本開示において、「体積平均分散粒子径」は、光散乱法によって測定された値を指す。光散乱法による特定粒子の体積平均分散粒子径の測定は、例えば、LA−960((株)堀場製作所)を用いて行う。
本開示のインクは、水を含有する。
水は、特定粒子(分散質)に対する分散媒である。
本開示のインク中の水の含有量には特に制限はないが、水の含有量は、インクの全量に対し、好ましくは10質量%〜99質量%であり、より好ましくは20質量%〜95質量%であり、さらに好ましくは30質量%〜90質量%であり、特に好ましくは50質量%〜90質量%である。
本開示のインクは、色材を少なくとも1種含有するインク(所謂、「着色インク」)であってもよいし、色材を含有しないインク(所謂、「クリアインク」)であってもよい。
インクが色材を含有する場合、色材は、特定粒子の外部に含有されること(即ち、特定粒子が色材を含まないこと)が好ましい。
色材としては、特に制限はなく、顔料、水溶性染料、分散染料等の公知の色材から任意に選択して使用することができる。この中でも、耐候性に優れ、色再現性に富む点から、顔料を含むことがより好ましい。
有機顔料及び無機顔料としては、例えば、黄色顔料、赤色顔料、マゼンタ顔料、青色顔料、シアン顔料、緑色顔料、橙色顔料、紫色顔料、褐色顔料、黒色顔料、白色顔料等が挙げられる。
また、色材として顔料を用いる場合には、顔料として、顔料粒子表面に親水性基を有する自己分散顔料を用いてもよい。
色材及び顔料分散剤については、特開2014−040529号公報の段落[0180]〜[0200]、国際公開第2016/052053号の段落[0122]〜[0129]を適宜参照することができる。
本開示のインクは、必要に応じて、上記で説明した以外のその他の成分を含有していてもよい。
その他の成分は、特定粒子に含まれていてもよいし、特定粒子に含まれていなくてもよい。
本開示のインクは、有機溶剤を含有していてもよい。
本開示のインクが有機溶剤を含有すると、画像と基材との密着性がより向上し得る。
本開示のインクが有機溶剤を含有する場合、有機溶剤の含有量は、インクの全量に対して、0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、0.1質量%〜5質量%であることがより好ましい。
有機溶剤の具体例は、以下のとおりである。
・アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)
・多価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−メチルプロパンジオール等)
・多価アルコールエーテル類(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)
・アミン類(エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)
・アミド類(ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)
・複素環類(2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン等)
・スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)
・スルホン類(例えば、スルホラン)
・その他(尿素、アセトニトリル、アセトン等)
本開示のインクは、界面活性剤を少なくとも1種含有していてもよい。
本開示のインクが界面活性剤を含有すると、インクの基材への濡れ性が向上する。
界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等が挙げられる。
これらの中でも、界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、及びアルキルベンゼンスルホン酸塩から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤が好ましく、アルキル硫酸塩が特に好ましい。
界面活性剤としては、特定粒子の分散性の観点から、アルキル鎖長が8〜18のアルキル硫酸塩であることが好ましく、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS、アルキル鎖長:12)及びセチル硫酸ナトリウム(SCS、アルキル鎖長:16)から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
また、界面活性剤として、有機フルオロ化合物も挙げられる。
有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物としては、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例えば、フッ素油)、及び固体状フッ素化合物樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8欄〜第17欄)、及び特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
ここで、「実質的に含有しない」とは、インクの全量に対し、含有量が1質量%未満(好ましくは0.1質量%未満)であることを指す。
インクがアニオン性界面活性剤を実質的に含有しない態様は、インクの起泡を抑制できるという利点、画像の耐水性を向上できるという利点、画像形成後にブリードアウトによる白化を抑制できるという利点、等を有する。また、特に、インクの調製に、アニオン性分散性基を有する顔料分散物を用いる場合には、アニオン性界面活性剤により系中のイオン濃度が上昇し、アニオン性顔料分散剤の電離度が低下して、顔料の分散性が低下することを抑制できるという利点も有する。
本開示のインクは、重合禁止剤を含有していてもよい。
本開示のインクが重合禁止剤を含有すると、インクの保存安定性がより向上し得る。
重合禁止剤としては、p−メトキシフェノール、キノン類(ハイドロキノン、ベンゾキノン、メトキシベンゾキノン等)、フェノチアジン、カテコール類、アルキルフェノール類(例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT))、アルキルビスフェノール類、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、サリチル酸銅、チオジプロピオン酸エステル類、メルカプトベンズイミダゾール、ホスファイト類、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル(TEMPOL)、クペロンAl、トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩などが挙げられる。
これらの中でも、p−メトキシフェノール、カテコール類、キノン類、アルキルフェノール類、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl、及びトリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ベンゾキノン、BHT、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl、及びトリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
本開示のインクは、紫外線吸収剤を含有していてもよい。
本開示のインクが紫外線吸収剤を含有すると、画像の耐候性等がより向上し得る。
紫外線吸収剤としては、公知の紫外線吸収剤、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ベンズオキサゾール系化合物等が挙げられる。
これらの成分は、水溶性又は水分散性を有することが好ましい。
ここで、「水溶性」とは、105℃で2時間乾燥させた場合に、25℃の蒸留水100g対する溶解量が1gを超える性質を指す。
また、「水分散性」とは、水不溶性であって、かつ、水中に分散される性質を指す。ここで、「水不溶性」とは、105℃で2時間乾燥させた場合に、25℃の蒸留水100gに対する溶解量が1g以下である性質を指す。
また、「インクが特定粒子の外部に重合性モノマーを含有している」とは、インクが、特定粒子に含まれない重合性モノマーを含有していることを意味する。光重合開始剤、水溶性樹脂、水分散性樹脂等を特定粒子の外部に含有している場合も同様である。
特定粒子の外部に含有され得る重合性モノマーとしては、エチレン性不飽和基を有する化合物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性モノマーが挙げられる。
これらの中でも、特定粒子の外部に含有され得る重合性モノマーとしては、エチレン性不飽和基を有する化合物が好ましく、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が特に好ましい。
一般式(b)中、複数のR3は、各々独立に、水素原子又はメチル基を表し、複数のL2は、各々独立に、炭素原子数1〜8のアルキレン基を表し、複数のk、及びpは、各々独立に、0又は1を表し、複数のmは、各々独立に、0〜8の整数を表し、但し、k及びpの少なくとも1つは1である。
一般式(c)中、複数のR4は、各々独立に、水素原子又はメチル基を表し、複数のnは、各々独立に、1〜8の整数を表し、lは0又は1の整数を表す。
一般式(d)中、Z1はポリオールのヒドロキシル基から水素原子をq個除いた残基を表し、qは3〜6の整数を表し、複数のR5は、各々独立に、水素原子又はメチル基を表し、複数のL3は、各々独立に炭素原子数1〜8のアルキレン基を表す。
本開示のインクは、インクを25℃〜50℃とした場合に、粘度が、3mPa・s〜15mPa・sであることが好ましく、3mPa・s〜13mPa・sであることがより好ましい。特に、本開示のインクは、インクを25℃とした場合における粘度が、50mPa・s以下であることが好ましい。インクの粘度が上記の範囲であると、より高い吐出安定性を実現できる。
なお、インクの粘度は、粘度計(VISCOMETER TV−22、東機産業(株))を用いて測定される値である。
本開示のインクは、塗布法、浸漬法、グラビア法、フレキソ法、インクジェット法等による画像形成に用いることができる。
本開示のインクは、特に、インクジェット法による画像形成に用いられる(即ち、インクジェットインクとして用いられる)ことが好ましい。
本開示のインクが光硬化性のインク又は熱硬化性のインクである場合の特に好ましい形態として、以下の形態1〜4が挙げられる。
形態1は、光硬化性のインクであって、特定粒子が光重合性モノマーを含み、特定ポリマーが特定鎖状ポリマーである形態である。
形態1において、特定鎖状ポリマーのMwは5000以上であることが好ましい。特定鎖状ポリマーのMwのより好ましい範囲については、前述の特定ポリマーの分子量の好ましい範囲を参照できる。
形態1において、光重合性モノマーの分子量は、100〜4000であることが好ましい。光重合性モノマーの分子量のより好ましい範囲については、前述の重合性モノマーの分子量のより好ましい範囲を参照できる。
形態2は、光硬化性のインクであって、特定粒子が光重合性モノマーを含み、特定ポリマーが特定架橋ポリマーである形態である。
形態2としては、特定粒子が、三次元架橋構造を有する特定架橋ポリマーからなるシェルと、光重合性モノマーを含むコアと、を含むマイクロカプセルであることが好ましい。
形態2において、光重合性モノマーの分子量は、100〜4000であることが好ましい。光重合性モノマーの分子量のより好ましい範囲については、前述の重合性モノマーの分子量のより好ましい範囲を参照できる。
形態3は、熱硬化性のインクであって、特定粒子が熱重合性モノマーを含み、特定ポリマーが特定鎖状ポリマーである形態である。
形態3において、特定鎖状ポリマーのMwは5000以上であることが好ましい。特定鎖状ポリマーのMwのより好ましい範囲については、前述の特定ポリマーの分子量の好ましい範囲を参照できる。
形態3において、熱重合性モノマーの分子量は、100〜4000であることが好ましい。熱重合性モノマーの分子量のより好ましい範囲については、前述の重合性モノマーの分子量のより好ましい範囲を参照できる。
形態4は、熱硬化性のインクであって、特定粒子が熱重合性モノマーを含み、特定ポリマーが特定架橋ポリマーである形態である。
形態4としては、特定粒子が、三次元架橋構造を有する特定架橋ポリマーからなるシェルと、熱重合性モノマーを含むコアと、を含むマイクロカプセルであることが好ましい。
形態4において、熱重合性モノマーの分子量は、100〜4000であることが好ましい。熱重合性モノマーの分子量のより好ましい範囲については、前述の重合性モノマーの分子量のより好ましい範囲を参照できる。
本開示のインクを製造する方法には特に制限はないが、以下の一例(製法A)が挙げられる。
製法Aは、有機溶剤、及び特定ポリマーを含む油相成分と、水、揮発性中和剤、及び非揮発性中和剤を含む水相成分と、を混合し、乳化させることにより、特定粒子を形成する工程を有する。
製法Aにおいて、特定ポリマーとして特定鎖状ポリマーを用いた場合には、特定鎖状ポリマーを含む特定粒子を含有する態様のインクが製造される。
製法Aにおいて、特定ポリマーとして特定架橋ポリマーを用いた場合には、特定架橋ポリマーを含む特定粒子を含有する態様のインクが製造される。
水相成分中の水は、製造されるインクにおける分散媒として機能する。
有機溶剤は、特定粒子の形成過程において、また、特定粒子の形成後において、その少なくとも一部が除去されることが好ましい。
水相成分は、水、揮発性中和剤、及び非揮発性中和剤以外の成分を含んでもよい。
例えば、水相成分は、既述の酸基導入用化合物(好ましくは、既述の酸基及び活性水素基を有する化合物)を含んでいてもよい。
製法Aに用いられ得る各成分の使用量の好ましい範囲については、既述の「インク」の項を参照できる。この参照の際、既述の「インク」の項における、「含有量」及び「特定粒子の全固形分量」は、それぞれ、「使用量」及び「油相成分及び水相成分から有機溶剤及び水を除いた全量」と読み替える。
乳化における分散機の回転数は、例えば、5000rpm〜20000rpmであり、好ましくは10000rpm〜18000rpmである。
乳化における回転時間は、例えば、1分間〜120分間であり、好ましくは3分間〜60分間であり、より好ましくは3分間〜30分間であり、更に好ましくは5分間〜15分間である。
乳化を加熱下で行うことにより、特定粒子をより効率よく形成できる。
また、乳化を加熱下で行うことにより、油相成分中の有機溶剤の少なくとも一部を、混合物中から除去し易い。
乳化を加熱下で行う場合の加熱温度は、揮発性中和剤の揮発を抑制する観点から、揮発性中和剤の沸点に応じて、適宜設定することが好ましい。
特定粒子を形成する工程における乳化は、揮発性中和剤の沸点よりも10℃以上低い温度で行うことが好ましく、20℃以上低い温度で行うことがより好ましい。
乳化段階と加熱段階とを含む態様では、特に加熱段階において、特定粒子をより効率よく形成できる。
また、乳化段階と加熱段階とを含む態様では、特に加熱段階において、油相成分中の有機溶剤の少なくとも一部を、混合物中から除去し易い。
加熱段階における加熱温度としては、揮発性中和剤が揮発し難く、かつ、油相成分中の有機溶剤が揮発し易い温度に設定することが好ましく、例えば、揮発性中和剤及び有機溶剤の種類及び量に応じて、適宜設定することが好ましい。
加熱段階における加熱時間は、揮発性中和剤及び有機溶剤の種類及び量、並びに加熱温度に応じて、適宜設定するとよい。
その他の工程としては、特定粒子を形成する工程後において、その他の成分(例えば、顔料)を添加する工程が挙げられる。
添加されるその他の成分(例えば、顔料)については、インクに含有され得るその他の成分として既に説明したとおりである。
特定架橋ポリマーを含む特定粒子を含有する態様のインクを製造する方法としては、以下に示す、製法Bも好適である。
製法Bは、有機溶剤、3官能以上のイソシアネート化合物、及び酸基を導入したイソシアネート化合物を含む油相成分と、水、揮発性中和剤、及び非揮発性中和剤を含む水相成分と、を混合し、乳化させることにより、特定粒子を形成する工程を有する。
製法Bの好ましい態様は、油相成分に特定ポリマーではなく3官能以上のイソシアネート化合物を用いる点を除けば、製法Aの好ましい態様と同様である。
本開示の画像形成方法は、基材上に、既述の本開示のインクを付与することによりインク膜を形成する工程(以下、「付与工程」ともいう)と、上記インク膜を加熱する工程(以下、「加熱工程」ともいう)と、を有する。
本開示の画像形成方法は、必要に応じその他の工程を有していてもよい。
本開示の画像形成方法によれば、基材上に、精細な画像が形成される。また、本開示の画像形成方法によれば、基材上に、引っ掻き耐性に優れた画像が形成される。
付与工程は、基材上に、本開示のインクを付与することによりインク膜を形成する工程である。
基材上にインクを付与する態様としては、塗布法、浸漬法、インクジェット法等の公知の方法を利用した態様のいずれを採用してもよい。中でも、種々の基材(記録媒体を含む)に対して膜(例えば、画像)の形成が行える点で、インクジェット法が好適である。
基材としては、紙、プラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(アルミニウム、亜鉛、銅等の金属の板)、プラスチックフィルム(ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinyl Chloride)樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene Terephthalate)、ポリエチレン(PE:Polyethylene)、ポリスチレン(PS:Polystyrene)、ポリプロピレン(PP:Polypropylene)、ポリカーボネート(PC:Polycarbonate)、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂等のフィルム)、既述の金属がラミネートされ又は蒸着された紙、既述の金属がラミネートされ又は蒸着されたプラスチックフィルムなどが挙げられる。
テキスタイル基材の素材としては、綿、絹、麻、羊毛等の天然繊維;ビスコースレーヨン、レオセル等の化学繊維;ポリエステル、ポリアミド、アクリル等の合成繊維;天然繊維、化学繊維、及び合成繊維からなる群より選ばれる少なくとも2種である混合物などが挙げられる。テキスタイル基材としては、国際公開第2015/158592号の段落[0039]〜[0042]に記載されたテキスタイル基材を用いてもよい。
インクジェット記録装置としては特に制限はなく、目的とする解像度を達成し得る公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。
インクジェット記録装置としては、インク供給系、温度センサー、加熱手段等を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本開示のインクを含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、及びピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1pl〜100pl、より好ましくは8pl〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320dpi(dot per inch;以下、同じ)×320dpi〜4000dpi×4000dpi、より好ましくは400dpi×400dpi〜1600dpi×1600dpi、さらに好ましくは720dpi×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、dpiとは、2.54cm(1inch)当たりのドット数を表す。
付与工程において、予め加熱された基材に対してインクを付与した場合には、加熱された基材によって、以下の加熱工程を実施することができる(即ち、加熱された基材によってインク膜を加熱することができる)。
インクを付与する前の基材の加熱は、例えば、後述する加熱工程において例示する加熱手段によって行うことができる。
加熱工程は、基材上に形成されたインク膜を加熱する工程である。
加熱工程においてインク膜を加熱することにより、インク膜の増粘が起こり、その結果、引っ掻き耐性に優れた画像が得られる。
本開示の画像形成方法において、本開示のインクとして、前述の熱硬化性のインクを用いる場合には、加熱工程における加熱により、インク膜の硬化(即ち、熱重合性モノマーによる熱重合)を行ってもよい。言い換えれば、本開示のインクとして、前述の熱硬化性のインクを用いる場合には、加熱工程が、後述の硬化工程Bを兼ねていてもよい。
また、既述のとおり、付与工程において、予め加熱された基材に対してインクを付与した場合、加熱工程における加熱の態様としては、加熱された基材によってインクを加熱する態様も挙げられる。
加熱温度は、基材上のインクの温度を指し、赤外線サーモグラフィ装置H2640(日本アビオニクス(株))を用いたサーモグラフで測定することができる。
加熱時間は、加熱温度、インクの組成、印刷速度等を加味し、適宜設定することができる。加熱時間は、5秒以上が好ましく、5秒〜5分がより好ましく、10秒〜1分がより好ましく、20秒〜1分が更に好ましい。
本開示の画像形成方法は、加熱工程によって加熱されたインク膜を硬化させる硬化工程を有することができる。
この硬化工程により、インク膜中において、重合性モノマーによる重合反応(即ち、架橋反応)が進行する。従って、本開示の画像形成方法が硬化工程を有する場合には、画像の硬度をより向上させることができ、ひいては画像の引っ掻き耐性をより向上させることができる。
但し、熱硬化性のインクを用いる場合、この硬化工程B(即ち、前述の加熱工程とは別の硬化工程B)を設けず、前述の加熱工程により、インク膜の増粘及び熱硬化を行ってもよい。
即ち、本開示の画像形成方法において、熱硬化性のインクを用いる場合は、インク膜の増粘を行う加熱工程と、インク膜の熱硬化を行う硬化工程Bと、を別個に設けてもよいし、インク膜の増粘及び熱硬化を両方行う1回の加熱工程を設けてもよい。
硬化工程Aは、加熱工程によって加熱されたインク膜に対して活性エネルギー線を照射することによりインク膜を硬化させる工程である。
硬化工程Aでは、加熱工程によって加熱されたインク膜に対して活性エネルギー線を照射することにより、インク膜中の特定粒子の光架橋反応(即ち、光重合反応)が進行し、これによりインク膜の強度が高められる。
また、200nm〜310nmであることも好ましく、200nm〜280nmであることも好ましい。
活性エネルギー線(光)が照射される際の露光エネルギーは、例えば10mJ/cm2〜2000mJ/cm2、好ましくは20mJ/cm2〜1000mJ/cm2である。
また、上記で例示された光源の、半導体紫外発光デバイスへの置き換えは、産業的にも環境的にも非常に有用である。
半導体紫外発光デバイスの中でも、LED(Light Emitting Diode)及びLD(Laser Diode)は、小型、高寿命、高効率、及び低コストであり、光源として期待されている。
光源としては、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、LED、又は青紫レーザーが好ましい。
これらの中でも、増感剤と光重合開始剤とを併用する場合は、波長365nm、405nm、若しくは436nmの光照射が可能な超高圧水銀ランプ、波長365nm、405nm、若しくは436nmの光照射が可能な高圧水銀ランプ、又は、波長355nm、365nm、385nm、395nm、若しくは405nmの光照射が可能なLEDがより好ましく、波長355nm、365nm、385nm、395nm、若しくは405nmの光照射が可能なLEDが最も好ましい。
照射条件及び基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている照射条件及び照射方法を同様に適用することができる。
活性エネルギー線の照射方式として、具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニット及び光源を走査する方式、又は、駆動を伴わない別光源によって活性エネルギー線の照射を行う方式が好ましい。
活性エネルギー線の照射は、インクを着弾して加熱乾燥を行った後、一定時間(例えば0.01秒間〜120秒間、好ましくは0.01秒間〜60秒間)をおいて行うことが好ましい。
硬化工程Bは、加熱工程によって加熱されたインク膜に対し、加熱又は赤外線の照射を施すことによりインク膜を熱硬化させる工程である。
硬化工程Bでは、加熱工程によって加熱されたインク膜に対し、加熱又は赤外線の照射を施すことにより、インク中の特定粒子の熱架橋反応(即ち、熱重合反応)が進行し、これによりインク膜の強度が高められる。
硬化工程Bの好ましい態様は、加熱工程の好ましい態様と同様である。
以下の実施例において、「部」は、特に断りがない限り、質量部を表す。
また、化学式中の「*」は、結合位置を表す。
(ポリマー1の合成)
下記の反応スキームに従い、特定鎖状ポリマーとして、下記のポリマー1を合成した。
次に、そこに、末端封止剤としてのイソプロパノール(IPA)(80g)と、酢酸エチル(110g)と、を添加し、70℃で3時間撹拌した。3時間の撹拌後、反応液を室温(25℃;以下同じ)まで放冷し、次いで、酢酸エチルを用いて濃度調整を行うことにより、ポリマー1の30質量%溶液(溶媒:IPA及び酢酸エチルの混合溶液)を得た。
ポリマー1の重量平均分子量(Mw)は8000であり、酸価は0.70mmol/gであった。
ポリマー1は、光重合性基としてアクリロイル基を有している。
特定鎖状ポリマーとして、鎖状の(メタ)アクリルポリマーであるポリマー2を合成した。詳細を以下に示す。
三口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル(37.5g)を仕込み、20mL/minの窒素気流下、75℃で30分間加熱した。
次に、そこに、メタクリル酸2−エチルへキシル(30.0g)、メタクリル酸メチル(10.0g)、メタクリル酸(3.0g)、アリルメタクリレート(7.0g)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)(2.2g)、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(37.5g)の混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、75℃で2時間撹拌し、その後、室温まで放冷した。得られた反応液を水5Lに撹拌しながら滴下し、(メタ)アクリルポリマーの粉体を得た。得られた粉体を60℃のオーブンを用いて6時間乾燥し、次いで、酢酸エチルに溶解させて濃度調整を行うことにより、ポリマー2の30質量%溶液(溶媒:酢酸エチル)を得た。
ポリマー2の重量平均分子量(Mw)は20000であり、酸価は0.70mmol/gであった。
下記の反応スキームに従い、特定鎖状ポリマーとして、下記のポリマー101を合成した。
次に、そこに、末端封止剤としてのイソプロパノール(IPA)(10g)と、酢酸エチル(32.9g)と、を添加し、70℃で3時間撹拌した。3時間の撹拌後、反応液を室温まで放冷し、次いで、酢酸エチルを用いて濃度調整を行うことにより、ポリマー101の30質量%溶液(溶媒:IPA及び酢酸エチルの混合溶液)を得た。
ポリマー101の重量平均分子量(Mw)は8000であり、酸価は0.70mmol/gであった。
<水分散物の調製>
−油相成分の調製−
ポリマー1の30質量%溶液(ポリマー1の量として53部)と、サートマー社の光重合性モノマーSR833S(44部)と、BASF社の光重合開始剤IRGACURE(登録商標)819(2.5部;以下、「IRG819」ともいう)と、増感剤として東京化成工業(株)の2−イソプロピルチオキサントン(0.5部;以下、「ITX」ともいう)と、酢酸エチルと、を混合し、15分間撹拌することにより、固形分36質量%の油相成分44gを得た。
IRG819は、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤であり、具体的には、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドである。
蒸留水(45g)と、揮発性中和剤としてのトリエチルアミン(沸点:89℃)と、非揮発性中和剤としての水酸化ナトリウム(NaOH)(沸点:1388℃)と、を混合し、15分間撹拌することにより、水相成分を調製した。
揮発性中和剤の使用量及び非揮発性中和剤の使用量は、製造される特定粒子における酸基(即ち、カルボキシ基)の中和度が90%となるように調整した。
揮発性中和剤及び非揮発性中和剤の具体的な量は、以下の算出式によって求めた。
非揮発性中和剤の量(g)=油相成分の全量(g)×(油相成分の固形分濃度(質量%)/100)×(油相成分の全固形分量に対する特定鎖状ポリマー(即ち、ポリマ−1)の含有量(質量%)/100)×特定鎖状ポリマー(即ち、ポリマ−1)の酸価(mmol/g)×0.9×〔非揮発性中和剤のモル数(mol)/(揮発性中和剤のモル数(mol)+非揮発性中和剤のモル数(mol))〕×非揮発性中和剤の分子量(g/mol)/1000
得られた乳化物を蒸留水(25g)に添加し、得られた液体を室温で30分撹拌した。次に、この液体を50℃に加熱し、50℃で6時間撹拌することにより、上記液体から酢酸エチルを留去した。酢酸エチルが留去された液体を、更に、50℃で24時間撹拌することにより、液体中に特定粒子を形成させた。
次に、この特定粒子を含む液体を、固形分含有量が20質量%となるように蒸留水を用いて希釈することにより、特定粒子の水分散物を得た。
下記組成の各成分を混合し、光硬化性のインクを作製した。
・上記水分散物 82部
・顔料分散液 13部
〔Pro−jet Cyan APD1000(FUJIFILM Imaging Colorants社)、顔料濃度:14質量%〕
・フッ素系界面活性剤 0.3部
〔Capstone FS−31(DuPont社)、固形分:25質量%〕
・2−メチルプロパンジオール 4.7部
上記で得られた光硬化性のインクを用い、以下の評価を行った。
結果を表3に示す。
インクの分散安定性の指標の1つとして、吐出性の評価を行った。
調製後室温で1日以内保管した上記光硬化性のインクをインクジェットプリンタ(ローランド ディー.ジー.社、SP−300V)のヘッドから30分間吐出し、次いで吐出を停止した。
吐出の停止から所定の時間(詳細には、5分間、8分間、及び10分間のそれぞれの時間)経過した後、基材上に、再び上記ヘッドから上記インクを吐出させ、5cm×5cmのベタ画像を形成した。
基材としては、DUROplastic社のポリプロピレン(PP)基板であるCORREX(登録商標)を用いた。
これらの画像を目視で観察し、不吐出ノズルの発生等によるドット欠けの有無を確認し、下記評価基準に従って、インクの吐出性を評価した。
下記評価基準において、インクの吐出性が最も優れるものは、Aである。
A:吐出の停止から10分経過後の吐出評価時にも不吐出ノズルの発生等によるドット欠けの発生が認められず、良好な画像が得られた。
B:吐出の停止から8分経過後の吐出評価時には不吐出ノズルの発生等によるドット欠けの発生が認められず、良好な画像が得られたが、10分経過後の吐出評価時には不吐出ノズルが発生し、ドット欠けの発生が認められた。
C:吐出の停止から8分経過後の吐出評価時に不吐出ノズルが発生し、ドット欠けの発生が認められた。
インクの分散安定性の指標の1つとして、保存安定性の評価を行った。
上記光硬化性のインクを容器に密封し、60℃で2週間経時させた。
2週間経過後のインクについて、上記インクの吐出性の評価試験と同様の評価試験を実施し、同様の評価基準に従って、インクの保存安定性を評価した。
上記評価基準において、インクの保存安定性が最も優れるものは、Aである。
基材をプリントヒーターによって60℃に加熱し、加熱された基材に対し、上記光硬化性のインクを上記インクジェットプリンタのヘッドから吐出し、図1に示す文字画像を、5ポイント、7ポイント、及び10ポイントの各サイズにて形成した。
基材としては、DUROplastic社のポリプロピレン(PP)基板であるCORREX(登録商標)を用いた。
A:5ポイントのサイズの図1に示す文字画像が、潰れ及びにじみ無く形成された。
B:7ポイントのサイズの図1に示す文字画像が、潰れ及びにじみ無く形成された(但し、Aに該当する場合を除く)。
C:10ポイントのサイズの図1に示す文字画像が、潰れ及びにじみ無く形成された(但し、A又はBに該当する場合を除く)。
D:10ポイントのサイズの図1に示す文字画像が、潰れて、又は、にじんで形成された。
調製後室温で1日以内保管した上記光硬化性のインクを基材上に塗布することにより、上記基材上に厚さ12μmの塗膜を形成した。
基材としては、DUROplastic社のポリプロピレン(PP)基板であるCORREX(登録商標)を用いた。
また、上記塗布は、RK PRINT COAT INSTRUMENTS社のKハンドコーターのNo.2バーを用いて行った。
乾燥後の塗膜に対し、紫外線(UV)を照射することにより、塗膜を硬化させ、硬化膜を得た。
紫外線(UV)の照射には、露光光源としてオゾンレスメタルハライドランプMAN250Lを搭載し、コンベアスピード35m/分、及び露光強度1.0W/cm2に設定した実験用UVミニコンベア装置CSOT((株)ジーエス・ユアサパワーサプライ)を用いた。このUV照射は、露光エネルギー1000mJ/cm2にて行った。
装置:ハイドン社の往復摩耗試験機「TYPE30S」
引っ掻き針:先端の曲率半径が1.0mmであるSUS(ステンレス)製の引っ掻き針
加重:100g及び200gの2条件
引っ掻き速度:3000mm/min.
引っ掻き回数:5往復
下記評価基準において、硬化膜の引っ掻き耐性が最も優れるものは、Aである。
A:荷重100g及び荷重200gのいずれの条件においても、硬化膜に引っ掻き跡は見られなかった。
B:荷重100gの条件では、硬化膜に引っ掻き跡は見られなかったが、荷重200gの条件では、硬化膜にわずかに引っ掻き跡が見られた。
C:荷重100gの条件で、硬化膜にわずかに引っ掻き跡が見られた。
D:荷重100gの条件で、硬化膜にはっきりと引っ掻き跡が見られた。
光重合性モノマーの種類及び量を、表3に示すように変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表3に示す。
ここで、SR399Eは、環状構造を有しない5官能の光重合性モノマーであり、具体的にはジペンタエリスリトールペンタアクリレート(分子量525)である。
非揮発性中和剤の種類を、表3に示すように変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表3に示す。
揮発性中和剤の種類を、表3に示すように変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表3に示す。
揮発性中和剤の使用量及び非揮発性中和剤の使用量を、表3に示す、非揮発性中和剤に対する揮発性中和剤のモル比〔揮発性/非揮発性(モル比)〕になるように変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表3に示す。
ポリマー1の30質量%溶液(ポリマー1の量として53部)の代わりに、ポリマー2の30質量%溶液(ポリマー2の量として53部)を使用したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表3に示す。
<水分散物の調製>
−油相成分の調製−
ポリマー1の30質量%溶液(ポリマー1の量として53部)と、サートマー社の光重合性モノマーSR833S(44部)と、BASF社の光重合開始剤IRGACURE(登録商標)819(2.5部;IRG819)と、増感剤として東京化成工業(株)の2−イソプロピルチオキサントン(0.5部;ITX)と、酢酸エチルと、を混合し、15分間撹拌することにより、固形分36質量%の油相成分44gを得た。
蒸留水(45g)と、揮発性中和剤としてのアンモニア(沸点:−33℃)と、非揮発性中和剤としての水酸化ナトリウム(NaOH)(沸点:1388℃)と、を混合し、15分間撹拌することにより、水相成分を調製した。
非揮発性中和剤の使用量は、製造される特定粒子における酸基(即ち、カルボキシ基)の中和度が90%となるように調整した。
揮発性中和剤の使用量は、非揮発性中和剤の使用量の1/10の量とした。
揮発性中和剤及び非揮発性中和剤の具体的な量は、以下の算出式によって求めた。
非揮発性中和剤の量(g)=油相成分の全量(g)×(油相成分の固形分濃度(質量%)/100)×(油相成分の全固形分量に対する特定鎖状ポリマー(即ち、ポリマ−1)の含有量(質量%)/100)×特定鎖状ポリマー(即ち、ポリマ−1)の酸価(mmol/g)×0.9×非揮発性中和剤の分子量(g/mol)/1000
得られた乳化物を蒸留水(25g)に添加し、得られた液体を室温で30分撹拌した。次に、この液体を60℃に加熱し、減圧(2.7kPa)下、60℃で6時間撹拌することにより、上記液体から酢酸エチルと揮発性中和剤(即ち、アンモニア)とを留去した。酢酸エチルと揮発性中和剤とが留去された液体を、更に、常圧下、50℃で24時間撹拌することにより、液体中に粒子を形成させた。
次に、この粒子を含む液体を、固形分含有量が20質量%となるように蒸留水を用いて希釈することにより、粒子の水分散物を得た。得られた粒子の水分散物からは、揮発性中和剤による臭気は感じられず、揮発性中和剤に中和された酸基の量を、既述の電位差滴定法により測定したところ、0mmolであった。
得られた粒子の分散液を用い、比較例1と同様にして、光硬化性のインクを調製した。
結果を表3に示す。
揮発性中和剤の種類を、表3に示すように変更したこと以外は比較例1と同様の操作を行い、乳化物を得た。
得られた乳化物を蒸留水(25g)に添加し、得られた液体を室温で30分撹拌した。次に、この液体を60℃に加熱し、減圧(2.7kPa)下、60℃で6時間撹拌することにより、上記液体から酢酸エチルと揮発性中和剤(即ち、トリエチルアミン)とを留去した。酢酸エチルと揮発性中和剤とが留去された液体を、更に、常圧下、50℃で24時間撹拌することにより、液体中に粒子を形成させた。
次に、この粒子を含む液体を、固形分含有量が20質量%となるように蒸留水を用いて希釈することにより、粒子の水分散物を得た。得られた粒子の水分散物からは、揮発性中和剤による臭気は感じられず、揮発性中和剤に中和された酸基の量を、既述の電位差滴定法により測定したところ、0mmolであった。
得られた粒子の分散液を用い、比較例1と同様にして、光硬化性のインクを調製した。
結果を表3に示す。
揮発性中和剤を使用しなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表3に示す。
非揮発性中和剤を使用しなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表3に示す。
表3中における「揮発性/非揮発性(モル比)」は、揮発性中和剤と非揮発性中和剤との合計を100モル%とした場合における、非揮発性中和剤の割合(モル%)に対する揮発性中和剤の割合(モル%)の比〔揮発性中和剤の割合(モル%)/非揮発性中和剤の割合(モル%)〕を意味する。
表3中における「揮発性により中和された酸基/非揮発性により中和された酸基(モル比)」は、揮発性中和剤により中和された酸基と非揮発性中和剤により中和された酸基との合計を100モル%とした場合における、非揮発性中和剤により中和された酸基の割合(モル%)に対する揮発性中和剤により中和された酸基の割合(モル%)の比〔揮発性中和剤により中和された酸基の割合(モル%)/非揮発性中和剤により中和された酸基の割合(モル%)〕を意味する。
また、水と、沸点が25℃以上250℃以下である揮発性中和剤により中和された酸基を含むが、沸点が250℃を超える非揮発性中和剤により中和された酸基を含まない粒子と、を含有する光硬化性のインクを用いた比較例4は、インクの分散安定性の評価の指標となるインクの吐出性及びインクの保存安定性の試験の評価結果が「C」であり、実施例1〜19と比較して、劣る結果を示した。
特定粒子の体積平均分散粒子径は、LA−960((株)堀場製作所)を用い、光散乱法により測定した。
その結果、いずれの例においても、特定粒子の体積平均分散粒子径は、0.15μm〜0.25μmの範囲であった。
<熱硬化性のインクの調製>
インクの調製において、SR833S、IRG819、及びITXを、60℃及び2.67kPa(20torr)の条件でプロピレングリコールモノメチルエーテルを減圧留去したTrixeneTMBI7982(熱重合性モノマー;ブロックイソシアネート;Baxenden Chemicals社)(以下、「BI7982」ともいう;量は表4に示すとおり;分子量793)に変更し、かつ、ポリマー1を同じ量のポリマー101に変更したこと以外は実施例1と同様にして、熱硬化性のインクを調製した。
上記で得られた熱硬化性のインクを用い、以下の評価を行った。
結果を表4に示す。
インクの吐出性について、実施例1におけるインクの吐出性の評価と同様にして実施した。
インクの保存安定性について、実施例1におけるインクの保存安定性の評価と同様にして実施した。
画像の精細さについて、実施例1における画像の精細さの評価と同様にして実施した。
硬化膜の引っ掻き耐性の評価について、塗膜を60℃で3分間加熱して乾燥させ、乾燥後の塗膜に対し紫外線(UV)を照射する操作を、塗膜を120℃のオーブンで5分加熱する操作に変更したこと以外は実施例1における硬化膜の引っ掻き耐性の評価と同様にして実施した。
BI7982を、エポキシ基を有する熱重合性モノマーであるEPICLONTM840(DIC社;以下、「EP840」ともいう;量は表4に示すとおり;分子量340)及び熱硬化促進剤である2−メチルイミダゾール(以下、「2MI」ともいう;量は表4に示すとおり)に変更し、かつ、揮発性中和剤の種類を、表4に示すように変更したこと以外は実施例101と同様の操作を行った。
結果を表4に示す。
揮発性中和剤の種類を、表4に示すように変更したこと以外は実施例101と同様の操作を行った。
結果を表4に示す。
SR833S、IRG819、及びITXを、BI7982(量は表4に示すとおり)に変更し、かつ、ポリマー1を同じ量のポリマー101に変更したこと以外は比較例1と同様にして、粒子の分散液を得た。得られた粒子の分散液からは、揮発性中和剤による臭気は感じられず、揮発性中和剤に中和された酸基の量を、既述の電位差滴定法により測定したところ、0mmolであった。
得られた粒子の分散液を用い、比較例1と同様にして、熱硬化性のインクを調製した。
結果を表4に示す。
SR833S、IRG819、及びITXを、BI7982(量は表4に示すとおり)に変更し、かつ、ポリマー1を同じ量のポリマー101に変更したこと以外は比較例2と同様にして、粒子の分散液を得た。得られた粒子の分散液からは、揮発性中和剤による臭気は感じられず、揮発性中和剤に中和された酸基の量を、既述の電位差滴定法により測定したところ、0mmolであった。
得られた粒子の分散液を用い、比較例2と同様にして、熱硬化性のインクを調製した。
結果を表4に示す。
揮発性中和剤を使用しなかったこと以外は実施例101と同様の操作を行った。
結果を表4に示す。
非揮発性中和剤を使用しなかったこと以外は実施例101と同様の操作を行った。
結果を表4に示す。
表4中における「揮発性/非揮発性(モル比)」は、揮発性中和剤と非揮発性中和剤との合計を100モル%とした場合における、非揮発性中和剤の割合(モル%)に対する揮発性中和剤の割合(モル%)の比〔揮発性中和剤の割合(モル%)/非揮発性中和剤の割合(モル%)〕を意味する。
表4中における「揮発性により中和された酸基/非揮発性により中和された酸基(モル比)」は、揮発性中和剤により中和された酸基と非揮発性中和剤により中和された酸基との合計を100モル%とした場合における、非揮発性中和剤により中和された酸基の割合(モル%)に対する揮発性中和剤により中和された酸基の割合(モル%)の比〔揮発性中和剤により中和された酸基の割合(モル%)/非揮発性中和剤により中和された酸基の割合(モル%)〕を意味する。
特定粒子の体積平均分散粒子径は、LA−960((株)堀場製作所)を用い、光散乱法により測定した。
その結果、いずれの例においても、特定粒子の体積平均分散粒子径は、0.15μm〜0.25μmの範囲であった。
<マイクロカプセル(MC)の水分散物の調製>
以下のようにして、三次元架橋構造を有する特定架橋ポリマーであるウレタンポリマーからなるシェルと、光重合性モノマー、光重合開始剤、及び増感剤を含むコアと、を含むマイクロカプセル(MC)の水分散物を調製した。
この例では、マイクロカプセル(MC)が特定粒子に該当する。
三井化学(株)のタケネート(登録商標)D−110N(固形分である3官能イソシアネート化合物の量として43部;以下、この固形分を「D110N」ともいう)と、下記NCO1の溶液(固形分であるNCO1の量として10部;以下、この固形分を「NCO1」ともいう)と、光重合性モノマーである前述のSR833S(44部)と、光重合開始剤である前述のIRG819(2.5部)と、増感剤である前述のITX(0.5部)と、酢酸エチルと、を混合し、15分間撹拌することにより、固形分30質量%の油相成分45.7gを得た。
上記NCO1の溶液は、NCO1の35質量%酢酸エチル溶液である。
NCO1の溶液は、三口フラスコに、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸(DMBA)18g、イソホロンジイソシアネート(IPDI)82g、及び酢酸エチル(AcOEt)186gを加え、50℃に加熱した。得られた加熱物にネオスタンU−600を0.3g添加し、3時間反応させることによって調製した。
NCO1の酸価は、1.20mmol/gであった。
蒸留水(43.1g)と、揮発性中和剤としてのトリエチルアミン(沸点:89℃)と、非揮発性中和剤としての水酸化ナトリウム(NaOH)(沸点:1388℃)と、を混合し、15分間撹拌することにより、水相成分を調製した。
揮発性中和剤の使用量及び非揮発性中和剤の使用量は、製造される特定粒子(即ち、MC)における酸基(即ち、カルボキシ基)の中和度が90%となるように調整した。
揮発性中和剤及び非揮発性中和剤の具体的な量は、以下の算出式によって求めた。
非揮発性中和剤の量(g)=油相成分の全量(g)×(油相成分の固形分濃度(質量%)/100)×(油相成分の全固形分量に対するNCO1の含有量(質量%)/100)×NCO1の酸価(mmol/g)×0.9×〔非揮発性中和剤のモル数(mol)/(揮発性中和剤のモル数(mol)+非揮発性中和剤のモル数(mol))〕×非揮発性中和剤の分子量(g/mol)/1000
得られた乳化物を蒸留水(15.3g)に添加し、得られた液体を50℃に加熱し、50℃で5時間撹拌することにより、上記液体から酢酸エチルを留去した。次いで、酢酸エチルが留去された液体を、更に、50℃で3時間撹拌することにより、液体中にマイクロカプセル(MC)を形成させた。
次に、このMCを含む液体を、固形分含有量が20質量%となるように蒸留水を用いて希釈することにより、MCの水分散物を得た。
このマイクロカプセルのシェルであるポリマーは、NCO1にもともと含まれていたウレタン基、D110Nにもともと含まれていたウレタン基、及び、D110N中又はNCO1中のイソシアネート基と、水と、の反応によって形成されたウレア基を有している。
・上記水分散物 82部
・顔料分散液 13部
〔Pro−jet Cyan APD1000(FUJIFILM Imaging Colorants社)、顔料濃度:14質量%〕
・フッ素系界面活性剤 0.3部
〔Capstone FS−31(DuPont社)、固形分:25質量%〕
・2−メチルプロパンジオール 4.7部
上記で得られた光硬化性のインクを用い、実施例1で実施した評価と同様の評価を行った。
結果を表5に示す。
光重合性モノマーの種類及び量を、表5に示すように変更したこと以外は実施例201と同様の操作を行った。
結果を表5に示す。
非揮発性中和剤の種類を、表5に示すように変更したこと以外は実施例201と同様の操作を行った。
結果を表5に示す。
揮発性中和剤の種類を、表5に示すように変更したこと以外は実施例201と同様の操作を行った。
結果を表5に示す。
実施例208は、実施例1で用いたポリマー1を、マイクロカプセルの分散剤として用いた例である。
この例では、マイクロカプセルと分散剤との複合体が、特定粒子に該当する。
油相成分の調製において、NCO1の溶液(NCO1の量として10部)を、実施例1で調製したポリマー1の30質量%溶液(ポリマー1の量として10部)に変更したこと以外は実施例201と同様の操作を行った。
結果を表5に示す。
−油相成分の調製−
前述のD110N(43部)と、前述のNCO1(10部)と、光重合性モノマーである前述のSR833S(44部)と、光重合開始剤である前述のIRG819(2.5部)と、増感剤である前述のITX(0.5部)と、酢酸エチルと、を混合し、15分間撹拌することにより、固形分30質量%の油相成分45.7gを得た。
蒸留水(43.1g)と、揮発性中和剤としてのアンモニア(沸点:−33℃)と、非揮発性中和剤としての水酸化ナトリウム(NaOH)(沸点:1388℃)と、を混合し、15分間撹拌することにより、水相成分を調製した。
非揮発性中和剤の使用量は、製造される特定粒子(即ち、MC)における酸基(即ち、カルボキシ基)の中和度が90%となるように調整した。
揮発性中和剤の使用量は、非揮発性中和剤の使用量の1/10の量とした。
揮発性中和剤及び非揮発性中和剤の具体的な量は、以下の算出式によって求めた。
非揮発性中和剤の量(g)=油相成分の全量(g)×(油相成分の固形分濃度(質量%)/100)×(油相成分の全固形分量に対するNCO1の含有量(質量%)/100)×NCO1の酸価(mmol/g)×0.9×非揮発性中和剤の分子量(g/mol)/1000
得られた乳化物を蒸留水(15.3g)に添加し、得られた液体を60℃に加熱し、減圧(2.7kPa)下、60℃で5時間撹拌することにより、上記液体から酢酸エチルと揮発性中和剤(即ち、アンモニア)とを留去した。酢酸エチルと揮発性中和剤とが留去された液体を、更に、常圧下、50℃で3時間撹拌することにより、液体中にマイクロカプセル(MC)を形成させた。
次に、このMCを含む液体を、固形分含有量が20質量%となるように蒸留水を用いて希釈することにより、MCの水分散物を得た。揮発性中和剤に中和された酸基の量を、既述の電位差滴定法により測定したところ、0mmolであった。
得られた粒子の分散液を用い、実施例201と同様にして、光硬化性のインクを調製した。
結果を表5に示す。
揮発性中和剤の種類を、表5に示すように変更したこと以外は比較例201と同様の操作を行い、乳化物を得た。
得られた乳化物を蒸留水(15.3g)に添加し、得られた液体を60℃に加熱し、減圧(2.7kPa)下、60℃で5時間撹拌することにより、上記液体から酢酸エチルと揮発性中和剤(即ち、トリエチルアミン)とを留去した。酢酸エチルと揮発性中和剤とが留去された液体を、更に、常圧下、50℃で3時間撹拌することにより、液体中にマイクロカプセル(MC)を形成させた。
次に、このMCを含む液体を、固形分含有量が20質量%となるように蒸留水を用いて希釈することにより、MCの水分散物を得た。揮発性中和剤に中和された酸基の量を、既述の電位差滴定法により測定したところ、0mmolであった。
結果を表5に示す。
揮発性中和剤を使用しなかったこと以外は実施例201と同様の操作を行った。
結果を表5に示す。
非揮発性中和剤を使用しなかったこと以外は実施例201と同様の操作を行った。
結果を表5に示す。
表5中における「揮発性/非揮発性(モル比)」は、揮発性中和剤と非揮発性中和剤との合計を100モル%とした場合における、非揮発性中和剤の割合(モル%)に対する揮発性中和剤の割合(モル%)の比〔揮発性中和剤の割合(モル%)/非揮発性中和剤の割合(モル%)〕を意味する。
表5中における「揮発性により中和された酸基/非揮発性により中和された酸基(モル比)」は、揮発性中和剤により中和された酸基と非揮発性中和剤により中和された酸基との合計を100モル%とした場合における、非揮発性中和剤により中和された酸基の割合(モル%)に対する揮発性中和剤により中和された酸基の割合(モル%)の比〔揮発性中和剤により中和された酸基の割合(モル%)/非揮発性中和剤により中和された酸基の割合(モル%)〕を意味する。
MCの体積平均分散粒子径は、LA−960((株)堀場製作所)を用い、光散乱法により測定した。
その結果、いずれの例においても、MCの体積平均分散粒子径は、0.15μm〜0.25μmの範囲であった。
<熱硬化性のインクの調製>
以下のようにして、三次元架橋構造を有する特定架橋ポリマーであるウレタンポリマーからなるシェルと、熱重合性モノマーを含むコアと、を含むマイクロカプセル(MC)の水分散物を調製した。
この例では、マイクロカプセル(MC)が特定粒子に該当する。
上記で得られた熱硬化性のインクを用い、実施例101で実施した評価と同様の評価を行った。
結果を表6に示す。
BI7982を、EP840及び2MI(量は表6に示すとおり)に変更したこと以外は実施例301と同様の操作を行った。
結果を表6に示す。
揮発性中和剤の種類を、表6に示すように変更したこと以外は実施例301と同様の操作を行った。
結果を表6に示す。
SR833S、IRG819、及びITXを、BI7982(量は表6に示すとおり)に変更したこと以外は比較例201と同様にして、粒子の分散液を得た。得られた粒子の分散液からは、揮発性中和剤による臭気は感じられず、揮発性中和剤に中和された酸基の量を、既述の電位差滴定法により測定したところ、0mmolであった。
得られた粒子の分散液を用い、比較例201と同様にして、熱硬化性のインクを調製した。
結果を表6に示す。
SR833S、IRG819、及びITXを、BI7982(量は表6に示すとおり)に変更したこと以外は比較例202と同様にして、粒子の分散液を得た。得られた粒子の分散液からは、揮発性中和剤による臭気は感じられず、揮発性中和剤に中和された酸基の量を、既述の電位差滴定法により測定したところ、0mmolであった。
得られた粒子の分散液を用い、比較例202と同様にして、熱硬化性のインクを調製した。
結果を表6に示す。
揮発性中和剤を使用しなかったこと以外は実施例301と同様の操作を行った。
結果を表6に示す。
非揮発性中和剤を使用しなかったこと以外は実施例301と同様の操作を行った。
結果を表6に示す。
表6中における「揮発性/非揮発性(モル比)」は、揮発性中和剤と非揮発性中和剤との合計を100モル%とした場合における、非揮発性中和剤の割合(モル%)に対する揮発性中和剤の割合(モル%)の比〔揮発性中和剤の割合(モル%)/非揮発性中和剤の割合(モル%)〕を意味する。
表6中における「揮発性により中和された酸基/非揮発性により中和された酸基(モル比)」は、揮発性中和剤により中和された酸基と非揮発性中和剤により中和された酸基との合計を100モル%とした場合における、非揮発性中和剤により中和された酸基の割合(モル%)に対する揮発性中和剤により中和された酸基の割合(モル%)の比〔揮発性中和剤により中和された酸基の割合(モル%)/非揮発性中和剤により中和された酸基の割合(モル%)〕を意味する。
MCの体積平均分散粒子径は、LA−960((株)堀場製作所)を用い、光散乱法により測定した。
その結果、いずれの例においても、MCの体積平均分散粒子径は、0.15μm〜0.25μmの範囲であった。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的に、かつ、個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
Claims (12)
- 水と、
沸点が25℃以上250℃以下である揮発性中和剤及び沸点が250℃を超える非揮発性中和剤により中和された酸基を含む粒子と、
を含有するインク組成物。 - 前記粒子が、ポリマーを含み、
前記ポリマーが、沸点が25℃以上250℃以下である揮発性中和剤及び沸点が250℃を超える非揮発性中和剤により中和された酸基を有する請求項1に記載のインク組成物。 - 前記揮発性中和剤が、アミン化合物及び第四級アンモニウムヒドロキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載のインク組成物。
- 前記アミン化合物の価数が、1である請求項3に記載のインク組成物。
- 前記アミン化合物が、下記の式(1)で表される化合物、式(2)で表される化合物、及び式(3)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項3又は請求項4に記載のインク組成物。
式(1):NR1R2R3
式(2):NR4R5H
式(3):NR6H2
式(1)中、R1、R2、及びR3は、各々独立に、アルキル基を表す。R1、R2、及びR3のうちいずれか2つが互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。
式(2)中、R4及びR5は、各々独立に、アルキル基を表し、R4とR5とは、互いに結合して窒素原子を含む環を形成してもよい。
式(3)中、R6は、アルキル基を表す。 - 前記揮発性中和剤の沸点が、25℃以上100℃以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記非揮発性中和剤が、アルカリ金属の水酸化物である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記粒子に含まれる、前記非揮発性中和剤により中和された酸基に対する前記揮発性中和剤により中和された酸基のモル比が、60/40〜90/10の範囲である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記ポリマーが、鎖状ポリマーである請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記ポリマーが、ウレタンポリマー、ウレアポリマー、又は(メタ)アクリルポリマーである請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のインク組成物。
- インクジェットインクとして用いられる請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 基材上に、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のインク組成物を付与することによりインク膜を形成する工程と、
前記インク膜を加熱する工程と、
を含む画像形成方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017176704 | 2017-09-14 | ||
JP2017176704 | 2017-09-14 | ||
PCT/JP2018/025243 WO2019054019A1 (ja) | 2017-09-14 | 2018-07-03 | インク組成物及び画像形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2019054019A1 true JPWO2019054019A1 (ja) | 2020-10-29 |
JP7102420B2 JP7102420B2 (ja) | 2022-07-19 |
Family
ID=65722620
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019541915A Active JP7102420B2 (ja) | 2017-09-14 | 2018-07-03 | インク組成物及び画像形成方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7102420B2 (ja) |
WO (1) | WO2019054019A1 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022070535A1 (ja) | 2020-09-29 | 2022-04-07 | 富士フイルム株式会社 | 水分散物及び画像記録方法 |
Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07247455A (ja) * | 1994-03-09 | 1995-09-26 | Sakata Corp | 水性樹脂組成物用乾燥遅延剤および水性樹脂組成物の乾燥遅延方法 |
JPH09151342A (ja) * | 1995-09-28 | 1997-06-10 | Dainippon Ink & Chem Inc | 記録液用アニオン性マイクロカプセル化顔料含有水性分散液及び記録液 |
JPH1046091A (ja) * | 1996-08-07 | 1998-02-17 | Kao Corp | 水系インク |
JPH11256083A (ja) * | 1998-03-10 | 1999-09-21 | Kao Corp | 水系インク |
JP2000026775A (ja) * | 1998-07-10 | 2000-01-25 | Kao Corp | 水系インク |
JP2003213180A (ja) * | 2002-01-28 | 2003-07-30 | Seiko Epson Corp | インクジェット記録用インクセットおよびインクジェット記録方法 |
JP2004534143A (ja) * | 2001-07-13 | 2004-11-11 | ユ セ ベ ソシエテ アノニム | エネルギー硬化性重合体インキ組成物 |
JP2004536203A (ja) * | 2001-07-20 | 2004-12-02 | ユ セ ベ ソシエテ アノニム | 放射線硬化性ポリマーインキ組成物 |
JP2009173879A (ja) * | 2007-12-28 | 2009-08-06 | Konica Minolta Holdings Inc | インクジェットインク及びインクジェット記録方法 |
JP2010138297A (ja) * | 2008-12-11 | 2010-06-24 | Kao Corp | サーマルインクジェット記録用水分散体の製造方法 |
-
2018
- 2018-07-03 JP JP2019541915A patent/JP7102420B2/ja active Active
- 2018-07-03 WO PCT/JP2018/025243 patent/WO2019054019A1/ja active Application Filing
Patent Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07247455A (ja) * | 1994-03-09 | 1995-09-26 | Sakata Corp | 水性樹脂組成物用乾燥遅延剤および水性樹脂組成物の乾燥遅延方法 |
JPH09151342A (ja) * | 1995-09-28 | 1997-06-10 | Dainippon Ink & Chem Inc | 記録液用アニオン性マイクロカプセル化顔料含有水性分散液及び記録液 |
JPH1046091A (ja) * | 1996-08-07 | 1998-02-17 | Kao Corp | 水系インク |
JPH11256083A (ja) * | 1998-03-10 | 1999-09-21 | Kao Corp | 水系インク |
JP2000026775A (ja) * | 1998-07-10 | 2000-01-25 | Kao Corp | 水系インク |
JP2004534143A (ja) * | 2001-07-13 | 2004-11-11 | ユ セ ベ ソシエテ アノニム | エネルギー硬化性重合体インキ組成物 |
JP2004536203A (ja) * | 2001-07-20 | 2004-12-02 | ユ セ ベ ソシエテ アノニム | 放射線硬化性ポリマーインキ組成物 |
JP2003213180A (ja) * | 2002-01-28 | 2003-07-30 | Seiko Epson Corp | インクジェット記録用インクセットおよびインクジェット記録方法 |
JP2009173879A (ja) * | 2007-12-28 | 2009-08-06 | Konica Minolta Holdings Inc | インクジェットインク及びインクジェット記録方法 |
JP2010138297A (ja) * | 2008-12-11 | 2010-06-24 | Kao Corp | サーマルインクジェット記録用水分散体の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7102420B2 (ja) | 2022-07-19 |
WO2019054019A1 (ja) | 2019-03-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6820429B2 (ja) | インク組成物及びその製造方法、並びに画像形成方法 | |
JP6584677B2 (ja) | インクジェットインク組成物及び画像形成方法 | |
JP6896155B2 (ja) | インクジェットインク組成物及びその製造方法、並びに画像形成方法 | |
JP7048616B2 (ja) | インク組成物及びその製造方法、並びに画像形成方法 | |
CN108699332B (zh) | 油墨组合物、以及图像形成方法 | |
WO2017135087A1 (ja) | マイクロカプセル、水分散物、水分散物の製造方法、及び画像形成方法 | |
JPWO2018047438A1 (ja) | 水分散物及びその製造方法、並びに画像形成方法 | |
JPWO2017135085A1 (ja) | 水分散物及びその製造方法、並びに画像形成方法 | |
JP6938652B2 (ja) | インク組成物及びその製造方法、並びに画像形成方法 | |
JP7102420B2 (ja) | インク組成物及び画像形成方法 | |
JP7254947B2 (ja) | 粒子、水分散物、インクジェットインク、膜形成方法、及び画像形成方法 | |
JP6900466B2 (ja) | インク組成物及びその製造方法、並びに画像形成方法 | |
JP6900467B2 (ja) | インクジェットインク及びその製造方法、並びに画像形成方法 | |
JPWO2017199729A1 (ja) | 水分散物及びその製造方法、並びに画像形成方法 | |
WO2022070556A1 (ja) | インクジェットインク及びインクジェット記録方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A529 | Written submission of copy of amendment under article 34 pct |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A5211 Effective date: 20200220 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200220 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210330 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210521 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211102 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211221 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220517 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220601 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220614 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220706 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7102420 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |