以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るラベル装着システムを示している。本実施形態のラベル装着システムA1は、容器供給装置1、ラベル供給装置2、ラベル装着装置3、容器搬出装置4及びラベル中継装置5を備えている。ラベル装着システムA1は、容器BにラベルLを装着するシステムである。
容器Bの種類は特に限定されず、たとえば飲料用の容器である。ラベルLは、容器Bに装着される筒状のフィルムであり、たとえば加熱によって収縮することにより、容器Bに密着し得るシュリンクフィルムである。ラベルLは、たとえばポリエステル系樹脂やポリスチレン系樹脂等からなり、その厚さがたとえば20μm〜60μmである。
容器供給装置1は、複数の容器Bをラベル供給装置2に供給する装置である。本実施形態の容器供給装置1は、コンベア11、一対のスクリュー12及びスターホイール13を備えている。コンベア11は、図中左右方向に沿って設けられており、整列された複数の容器Bを図中右方から左方へと搬送する。
一対のスクリュー12は、互いに平行に配置されている。スクリュー12には、螺旋状の溝(図示略)が形成されている。容器供給装置1は、一対のスクリュー12を駆動するたとえばモータ等の駆動源(図示略)を備える。一対のスクリュー12が互いに反対方向に回転することにより、図中右方からコンベア11によって搬送されてきた複数の容器Bが、一対のスクリュー12の隙間に連続的に嵌まり込む。一対のスクリュー12に嵌まり込んだ複数の容器Bは、一対のスクリュー12に形成された螺旋状の溝によって決定されるピッチで図中左方に搬送される。
スターホイール13は、一対のスクリュー12によって搬送される複数の容器Bを、容器供給位置βにおいてラベル装着装置3に適切に導入するために、複数の容器Bの搬送方向を転換するためのものである。スターホイール13は、平面視円形状であり、外周に複数の保持部を有する。各保持部は、容器Bを保持可能である。一対のスクリュー12から搬送された容器Bは、スターホイール13によって保持され、その後ラベル装着装置3へと供給される。
容器搬出装置4は、各々にラベルLが装着された複数の容器Bをラベル装着装置3から搬出する装置である。本実施形態の容器搬出装置4は、ボトル受渡ユニット41及びコンベア42によって構成されている。ボトル受渡ユニット41は、ラベル装着装置3から受け取った複数の容器Bを、コンベア42に適切に受け渡すために、複数の容器Bの搬送方向を転換するためのものである。ボトル受渡ユニット41は、平面視略円形状であり、外周に複数の保持部を有する。各保持部は、容器Bを保持可能である。ラベル装着装置3から容器搬出位置γにおいて受け渡された容器Bは、ボトル受渡ユニット41によって保持され、コンベア42に受け渡される。コンベア42は、図中左右方向に沿って設けられており、複数の容器Bを図中右方から左方へと搬送する。なお、コンベア42とコンベア11とが、同一のコンベアの一部ずつによって構成されていてもよい。
ラベル供給装置2は、複数のラベルLをラベル中継装置5に順次供給する装置である。本実施形態においては、ラベル供給装置2は、後述するラベル中継装置5の第1ラベル中継ユニット50A及び第2ラベル中継ユニット50Bのそれぞれに、複数のラベルLを順次供給する。
ラベル供給装置2は、第1ラベル供給機構20A及び第2ラベル供給機構20Bを有している。第1ラベル供給機構20Aは、後述の第1ラベル中継ユニット50AにラベルLを供給する機構である。第2ラベル供給機構20Bは、後述の第2ラベル中継ユニット50BにラベルLを供給する機構である。図2及び図3に示すように、第1ラベル供給機構20A及び第2ラベル供給機構20Bは、それぞれの構造が概ね共通している。以降のラベル供給装置2の説明においては、第1ラベル供給機構20Aと第2ラベル供給機構20Bとの共通要素について、一括して説明する。第1ラベル供給機構20Aの構成要素の符号の末尾に「A」が付されており、第2ラベル供給機構20Bの構成要素の末尾に「B」が付されている。
図2および図3に示すように、第1ラベル供給機構20Aおよび第2ラベル供給機構20Bは、基材供給ユニット21A,21B、基材切断ユニット22A,22B、上流側ラベル搬送ユニット23A,23B、下流側ラベル搬送ユニット26A,26Bおよび中継ラベル搬送ユニット27A,27Bを有する。
基材供給ユニット21A,21Bは、複数のラベルLの材料となるラベル基材Mを供給するユニットである。ラベル基材Mは、たとえばシュリンクフィルムの材料となる筒状のフィルム材料が平坦に畳まれたものであり、たとえば図示しないローラに巻かれた状態で図外に配置されている。本実施形態においては、基材供給ユニット21A,21Bにラベル基材Mがそれぞれ導入される。
基材供給ユニット21A,21Bは、ローラ211A,211B及び一対のローラ212A,212Bを有する。ローラ211A,211Bは、水平方向に搬送されてきたラベル基材Mを、鉛直方向下方へと搬送するためのローラである。一対のローラ212A,212Bは、ラベル基材Mを図中下方へと搬送するためのローラである。一対のローラ212A,212Bのいずれかは、モータ(図示略)等によって駆動される駆動ローラである。
基材切断ユニット22A,22Bは、基材供給ユニット21A,21Bによって搬送されたラベル基材Mを切断し、ラベルLを順次作成するためのユニットである。基材供給ユニット21A,21Bの切断機構は特に限定されず、本実施形態の基材供給ユニット21A,21Bは、一対の切断刃221A,221Bを有する。一対の切断刃221A,221Bは、互いに交差することにより、ラベル基材Mを切断する。たとえば、一対の切断刃221A,221Bの一方は固定刃であり、他方は回転等の駆動によって固定刃に対して移動する可動刃である。
上流側ラベル搬送ユニット23A,23Bは、基材切断ユニット22A,22Bの切断によって形成されたラベルLを図中下方へと順次搬送するユニットである。本実施形態においては、上流側ラベル搬送ユニット23A,23Bは、駆動ローラ231A,231B、複数のローラ232A,232B、ベルト233A,233B、駆動ローラ234A,234B、複数のローラ235A,235B、一対のベルト236A,236B及び一対の吸引チャンバ237A,237Bを有する。
駆動ローラ231A,231B及び複数のローラ232A,232Bは、ベルト233A,233Bが掛け回されるものであり、ベルト233A,233Bを駆動する。駆動ローラ231A,231Bは、サーボモータ等(図示略)によって駆動される。複数のローラ232A,232Bは、従動ローラであり、たとえば駆動ローラ231A,231Bに対して水平方向に離れた位置で、上下方向に互いに離間して配置されている。
駆動ローラ234A,234B及び複数のローラ235A,235Bは、ベルト236A,236Bが掛け回されるものであり、ベルト236A,236Bを駆動する。駆動ローラ234A,234Bは、サーボモータ等(図示略)によって駆動される。複数のローラ235A,235Bは、従動ローラであり、たとえば駆動ローラ234A,234Bに対して水平方向に離れた位置で、上下方向に互いに離間して配置されている。なお、図3に示すように、本実施形態においては、上流側ラベル搬送ユニット23A,23Bは、一対のベルト236A,236Bを備えている。このため、一対の駆動ローラ234A,234B及び複数のローラ235A,235Bは、一対のベルト236A,236Bを適切に駆動しうる構成とされる。たとえば、図3における図中左右方向に分かれて、2組の一対の駆動ローラ234A,234B及び複数のローラ235A,235Bを備える構成(図2参照)を採用すればよい。
ベルト233A,233Bが下方に進行する区間と、ベルト236A,236Bが下方に進行する区間とは、互いに対面している。ラベルLは、これらの区間に挟まれて下方に搬送される。一対の吸引チャンバ237A,237Bは、一対のベルト236A,236Bが下方に進行する区間に隣接して設けられている。吸引チャンバ237A,237Bは、図示しない吸引源に接続されており、内部が所定の負圧に設定可能である。ベルト236A,236Bには、複数の吸引孔238A,238Bが形成されている。複数の吸引孔238A,238Bは、ベルト236A,236Bの長手方向に沿って配置されている。吸引チャンバ237A,237Bには、スリットや貫通孔(いずれも図示略)が形成されており、これらと複数の吸引孔238A,238Bとが重なることにより、ラベルLを保持しうる吸引力がベルト236A,236Bから発揮される。これにより、一対のベルト236A,236Bが下方に進行する区間の下方部分においては、一対のベルト236A,236BのみによってラベルLが保持され、ベルト233A,233Bは対面していない。
下流側ラベル搬送ユニット26A,26Bは、上流側ラベル搬送ユニット23A,23Bによって搬送されたラベルLを図中下方へと順次搬送するユニットである。本実施形態においては、下流側ラベル搬送ユニット26A,26Bは、駆動ローラ264A,264B、複数のローラ265A,265B、一対のベルト266A,266B及び一対の吸引チャンバ267A,267Bを有する。
駆動ローラ264A,264B及び複数のローラ265A,265Bは、ベルト266A,266Bが掛け回されるものであり、ベルト266A,266Bを駆動する。駆動ローラ264A,264Bは、サーボモータ等(図示略)によって駆動される。複数のローラ265A,265Bは、従動ローラであり、たとえば駆動ローラ264A,264Bに対して水平方向に離れた位置で、上下方向に互いに離間して配置されている。図3に示すように、本実施形態においては、下流側ラベル搬送ユニット26A,26Bは、一対のベルト266A,266Bを備えている。このため、一対の駆動ローラ264A,264B及び複数のローラ265A,265Bは、一対のベルト266A,266Bを適切に駆動しうる構成とされる。たとえば、図3における図中左右方向に分かれて、2組の一対の駆動ローラ264A,264B及び複数のローラ265A,265Bを備える構成を採用してもよい。
一対の吸引チャンバ267A,267Bは、一対のベルト266A,266Bが下方に進行する区間に隣接して設けられている。吸引チャンバ267A,267Bは、図示しない吸引源に接続されており、内部が所定の負圧に設定可能である。ベルト266A,266Bには、複数の吸引孔268A,268Bが形成されている。複数の吸引孔268A,268Bは、ベルト266A,266Bの長手方向に沿って配置されている。吸引チャンバ267A,267Bには、スリットや貫通孔(いずれも図示略)が形成されている。これらと複数の吸引孔268A,268Bとが重なることにより、ラベルLを保持しうる吸引力が、ベルト266A,266Bから発揮される。
中継ラベル搬送ユニット27A,27Bは、上流側ラベル搬送ユニット23A,23Bから搬送されてきたラベルLを下流側ラベル搬送ユニット26A,26Bへと受け渡すためのユニットである。
中継ラベル搬送ユニット27A,27Bは、一対のベルト276A,276Bおよび一対の吸引チャンバ277A,277Bを有する。図3に示すように、一対のベルト276A,276Bおよび一対の吸引チャンバ277A,277Bは、図中左右方向において、上流側ラベル搬送ユニット23A,23Bの一対のベルト236A,236B及び一対の吸引チャンバ237A,237Bのそれぞれの間に配置されている。また、一対のベルト276A,276Bおよび一対の吸引チャンバ277A,277Bは、図中左右方向において、下流側ラベル搬送ユニット26A,26Bの一対のベルト266A,266B及び一対の吸引チャンバ267A,267Bのそれぞれの間に配置されている。また、一対の中継ラベル搬送ユニット27A,27Bは、搬送方向である図中上下方向において、上流側ラベル搬送ユニット23A,23Bおよび下流側ラベル搬送ユニット26A,26Bの双方に重なる位置に設けられている。なお、中継ラベル搬送ユニット27A,27Bは、1つのみのベルト276A,276B及び1つのみの吸引チャンバ277A,277Bを有する構成であってもよい。ただし、ラベルLが搬送される際の意図しない傾きを抑制するためには、一対のベルト276A,276B及び一対の吸引チャンバ277A,277Bを有する構成が好ましい。
吸引チャンバ277A,277Bは、図示しない吸引源に接続されており、スリットや貫通孔(いずれも図示略)が形成されている。ベルト276A,276Bは、吸引チャンバ277A,277Bに隣接して下方に移動する区間を有するように掛け回されている。中継ラベル搬送ユニット27A,27Bは、ベルト276A,276Bを適切に巡回駆動させうる複数のローラ(図示略)を有する。これらのローラは、駆動ローラを含んでもよい。この駆動ローラは、専用の駆動源(図示略)によって駆動されてもよいし、たとえば上流側ラベル搬送ユニット23A,23Bの駆動ローラ234A,234Bの駆動源を兼用してもよい。ベルト276A,276Bには、複数の吸引孔278A,278Bが形成されている。複数の吸引孔278A,278Bは、ベルト276A,276Bの長手方向に沿って形成されており、吸引チャンバ277A,277Bからの吸引力をラベルLに作用させる。これにより、中継ラベル搬送ユニット27A,27Bは、ラベルLを吸引保持しつつ下方に搬送可能とされている。
本実施形態においては、下流側ラベル搬送ユニット26A,26Bは、センサ24A,24Bを有する。センサ24A,24Bは、ラベルLを検出するものであり、たとえば光学式の近接センサである。下流側ラベル搬送ユニット26A,26Bは、センサ24A,24Bの検出信号に基づいて駆動ローラ264A,264Bを駆動制御する。これにより、図中においてセンサ24A,24Bの下方の所定位置にラベルLを停止させることができる。また、ラベル基材Mを切断することによるラベルLの形成は、上流側ラベル搬送ユニット23A,23Bの駆動と同調して行う。一方、ラベル中継部51へのラベルLの供給に備えてラベルLを停止及び待機させることは、下流側ラベル搬送ユニット26A,26Bが担う。このように、上流側ラベル搬送ユニット23A,23Bと下流側ラベル搬送ユニット26A,26Bとを備えることにより、ラベル基材MからラベルLを順次形成しつつ、ラベル受渡部321に供給すべき位置にラベルLを間欠的に搬送することができる。図2及び図3においては、1つのラベルLが所定位置に位置している。この位置は、後述するラベル中継装置5の第1ラベル中継ユニット50A又は第2ラベル中継ユニット50Bである。
以上に述べた通り、第1ラベル供給機構20Aおよび第2ラベル供給機構20Bは、第1ラベル中継ユニット50A及び第2ラベル中継ユニット50Bのそれぞれの位置に所望のタイミングでラベルLを供給可能に構成されている。
ラベル中継装置5は、ラベル供給装置2から供給されたラベルLを受け取り、当該ラベルLをラベル装着装置3に供給する装置である。図1に示すように、本実施形態においては、ラベル中継装置5は、第1ラベル中継ユニット50A及び第2ラベル中継ユニット50Bを含む。本実施形態においては、第1ラベル中継ユニット50A及び第2ラベル中継ユニット50Bの構造は、互いに共通している。第1ラベル中継ユニット50Aは、ラベル供給装置2の第1ラベル供給機構20Aから受け取ったラベルLを、第1ラベル供給位置α1においてラベル装着装置3に供給する。第2ラベル中継ユニット50Bは、ラベル供給装置2の第2ラベル供給機構20Bから受け取ったラベルLを第2ラベル供給位置α2においてラベル装着装置3に供給する。
図4に示すように、第1ラベル中継ユニット50A及び第2ラベル中継ユニット50Bは、それぞれ複数のラベル中継部51、回転軸52及びベース部53を有する。
複数のラベル中継部51は、ラベル供給装置2の第1ラベル供給機構20Aおよび第2ラベル供給機構20Bの上流側ラベル搬送ユニット23A,23Bから、ラベルLを受け取り、ラベル装着装置3のラベル装着ヘッド30のラベル受渡部321にラベルLを受け渡す部分である。図5に示すように、本実施形態においては、ラベル中継部51は、複数の中継吸引ロッド511、中継連結部513及び支持部514を有する。
複数の中継吸引ロッド511は、本実施形態においては、各々が上下方向に沿って延びており、ラベル中継装置5の回転における径方向に互いに離間して設けられている。本実施形態においては、ラベル中継部51は、2つの中継吸引ロッド511を有する。中継吸引ロッド511は、複数の中継吸引孔512を有する。複数の中継吸引孔512は、図示しないポンプ等の吸引源に接続されており、ラベル中継部51の搬送方向(回転方向)において下流側(移動における前方側)を向く面に開口している。複数の中継吸引孔512から吸引することにより、ラベル中継部51は、ラベルLを吸引保持可能に構成されている。中継連結部513は、2つの中継吸引ロッド511を連結する部分であり、本実施形態においては、2つの中継吸引ロッド511の下端同士を連結している。支持部514は、中継連結部513に繋がっており、ベース部53に取付けられる部分である。図3に示すように、ラベル中継部51が第1ラベル供給機構20A及び第2ラベル供給機構20Bと交差する際には、ラベル中継部51の2つの中継吸引ロッド511が、一対の吸引チャンバ267A,267Bの間に位置するように構成されている。
回転軸52は、図示しないモータ等の駆動源によって回転される部分である。ベース部53は、回転軸52に取付けられており、たとえば平面視円形状の部材である。回転軸52の回転に伴い、ベース部53が回転する。複数のラベル中継部51は、ベース部53の外周に沿って等ピッチで配置されている。
第1ラベル中継ユニット50A及び第2ラベル中継ユニット50Bの回転駆動及び複数の中継吸引孔512による吸引動作は、ラベル装着装置3の動作と同期制御される。
ラベル装着装置3は、ラベル中継装置5から供給された容器Bにラベル供給装置2から供給されたラベルLを装着し、ラベルLが装着された容器Bを容器搬出装置4に受け渡す装置である。図1、図6〜図10に示すように、本実施形態においては、ラベル装着装置3は、支持円盤3a、円筒体3bおよび複数のラベル装着ヘッド30を有する。
支持円盤3aは、ラベル装着装置3の土台をなすものであり、平面視円形状である。支持円盤3aは、図示しないモータ等の駆動源によって回転駆動される。円筒体3bは、支持円盤3aの厚さ方向に沿う中心軸を有する円筒形状の部材である。円筒体3bは、ラベル装着システムA1の設置場所に対して直接的または間接的に固定されており、支持円盤3aとは異なり回転しない。図6〜図8に示すように、円筒体3bには、カム溝326bおよび2つのカム溝336bが形成されている。カム溝326bおよびカム溝336bは、後述のカム機構326および2つのカム機構336を構成するためのものであり、支持円盤3aの回転に伴って後述のラベル受渡ユニット32及びラベル拡開ユニット33を所定のタイミングで昇降させるためのものである。
複数のラベル装着ヘッド30は、支持円盤3aの外周に沿って等ピッチで円状に配列されている。これにより、本実施形態においては、平面視円形状の搬送経路Tがラベル装着装置3に構成されている。ラベル装着ヘッド30は、容器供給位置βによって供給された容器Bに、第1ラベル供給位置α1または第2ラベル供給位置α2において供給されたラベルLを装着する動作を行う。本実施形態においては、ラベル装着ヘッド30は、支持フレーム301、スライドレール302、容器保持ユニット31、ラベル受渡ユニット32およびラベル拡開ユニット33を有する。支持フレーム301は、支持円盤3aから起立した状態で設けられており、ラベル受渡ユニット32及びラベル拡開ユニット33を支持している。スライドレール302は、支持フレーム301に取付けられており、上下方向に延びるレール部材である。
容器保持ユニット31は、容器供給位置βにおいて供給された容器Bを直立した姿勢で保持するユニットである。容器保持ユニット31は、たとえば図示しない吸引源に接続されており、容器Bの底面を吸着固定する構成とされている。
ラベル受渡ユニット32は、第1ラベル供給位置α1又は第2ラベル供給位置α2において供給されたラベルLを受け取り、このラベルLをラベル拡開ユニット33に受け渡すユニットである。図9および図10に示すように、本実施形態においては、ラベル受渡ユニット32は、ラベル受渡部321、支持部324、スライドガイド325およびカムフォロア326aを有する。なお、図9は、搬送経路Tにおける下流側から見た図である。
ラベル受渡部321は、第1ラベル供給位置α1又は第2ラベル供給位置α2において、ラベルLを受け取る部分である。本実施形態のラベル受渡部321は、複数の受渡吸引ロッド322および受渡連結部323を有する。本実施形態においては、3つの受渡吸引ロッド322は、各々が上下方向(鉛直方向)に延びており、上下方向及び搬送経路Tと直角である方向(支持円盤3aの径方向)において互いに離間して配置されている。各受渡吸引ロッド322には、複数の受渡吸引孔322aが形成されている。複数の受渡吸引孔322aは、受渡吸引ロッド322の搬送経路Tにおける下流側(移動における前方側)を向く面に開口しており、図示しないポンプ等の吸引源に接続されている。複数の受渡吸引孔322aから吸引することにより、ラベル受渡部321は、ラベルLを吸引保持可能に構成されている。本実施形態においては、受渡連結部323は、3つの受渡吸引ロッド322の上端部同士を連結している。図9に示すように、ラベル受渡部321とラベル中継部51とが交差する際には、ラベル受渡部321の3つの受渡吸引ロッド322の間に、ラベル中継部51の2つの中継吸引ロッド511が位置するように構成されている。
支持部324は、ラベル受渡部321を支持する部分である。支持部324は、ラベル受渡部321の径方向において最も内側の受渡吸引ロッド322の下端からスライドガイド325およびカムフォロア326aが設けられた箇所まで延びている。受渡吸引ロッド322は、たとえばクランク状の部材である。スライドガイド325は、支持部324に取付けられており、スライドレール302に摺動可能に嵌め込まれている。これにより、ラベル受渡ユニット32は、スライドレール302に沿って上下動が可能とされている。カムフォロア326aは、支持部324に取付けられており、円筒体3bのカム溝326bに嵌め込まれている。これにより、支持円盤3aの回転によってラベル受渡ユニット32(ラベル装着ヘッド30)が円筒体3bに対して相対動すると、カム溝326bの形状に応じて、ラベル受渡ユニット32が上下動させられる。すなわち、カムフォロア326aとカム溝326bとは、カム機構326を構成している。
図5および図9に示すように、1つの中継吸引ロッド511に設けられた複数の中継吸引孔512は、鉛直方向に配列されている。また、2つの中継吸引ロッド511に設けられた複数の中継吸引孔512は、各々が径方向(図中左右方向)に沿い、且つ鉛直方向に互いに離間した複数行に配置されている。図示された例においては、複数の中継吸引孔512は、3行に配置されているが、この行数は特に限定されない。
また、1つの受渡吸引ロッド322に設けられた複数の受渡吸引孔322aは、鉛直方向に配列されている。また、図9に示すように、複数の中継吸引ロッド511の複数の中継吸引孔512と複数の受渡吸引ロッド322の複数の受渡吸引孔322aとは、各々が径方向(図中左右方向)に沿い、且つ鉛直方向に互いに離間した複数行に配置されている。
図5に示すように、2つの中継吸引ロッド511のうち径方向において最も外側に位置する中継吸引ロッド511(図中における右側の中継吸引ロッド511)の複数の中継吸引孔512は、この中継吸引ロッド511の径方向外側寄り(図中右側寄り)に形成されている。また、2つの中継吸引ロッド511のうち径方向において最も内側に位置する中継吸引ロッド511(図中における左側の中継吸引ロッド511)の複数の中継吸引孔512は、この中継吸引ロッド511の径方向内側寄り(図中左側寄り)に形成されている。
図9に示すように、複数の受渡吸引ロッド322のうち2つの中継吸引ロッド511の間に位置する受渡吸引ロッド322の複数の受渡吸引孔322aは、各々が鉛直方向に沿い、且つ径方向に互いに離間した複数列に配置されている。図示された例においては、複数の受渡吸引孔322aが2列に配置されているが、この列数は特に限定されない。
ラベル拡開ユニット33は、ラベル受渡ユニット32から受け渡されたラベルLを、容器保持ユニット31によって保持された容器Bに装着するユニットである。図6〜図8に示すように、本実施形態においては、ラベル拡開ユニット33は、ベース331、一対ずつの開閉アーム332A,332B、支持部334、スライドガイド335およびカムフォロア336aを有している。
ベース331は、一対ずつの開閉アーム332A,332Bを支持している。また、図8に示すように、ベース331には、開口331aが形成されている。開口331aは、ラベル受渡ユニット32のラベル受渡部321を上下方向に挿通させるために設けられている。
一対ずつの開閉アーム332A,332Bは、各々が軸332aを介してベース331に支持されている。一対ずつの開閉アーム332A,332Bは、図示しないモータやエアシリンダ等の駆動源によって開閉動自在とされている。図8に示すように、一対の開閉アーム332Aは、搬送経路Tにおける下流側において、搬送経路Tを挟んで対称配置されている。一対の開閉アーム332Bは、搬送経路Tにおける上流側において、搬送経路Tを挟んで対称配置されている。
一対ずつの開閉アーム332A,332Bは、各々が吸引ロッド333を有している。吸引ロッド333は、下方に延びる棒状部材である。図7に示すように、各吸引ロッド333には、複数の吸引孔333aが形成されている。複数の吸引孔333aは、図示しないポンプ等の吸引源に接続されている。複数の吸引孔333aから吸引することにより、吸引ロッド333は、ラベルLを吸引保持可能とされている。本実施形態においては、後述する動作において、一対の開閉アーム332Aの吸引ロッド333のみによってラベルLを保持する場合と、一対ずつの開閉アーム332A,332Bのすべての吸引ロッド333によってラベルLを保持する場合とがある。
支持部334は、ベース331を支持しており、スライドガイド335および2つのカムフォロア336aが取付けられている。スライドガイド335は、支持部334に取付けられており、スライドレール302に摺動可能に嵌め込まれている。これにより、ラベル拡開ユニット33は、スライドレール302に沿って上下動が可能とされている。2つのカムフォロア336aは、支持部334に取付けられており、円筒体3bの2つのカム溝336bにそれぞれ嵌め込まれている。これにより、支持円盤3aの回転によってラベル拡開ユニット33(ラベル装着ヘッド30)が円筒体3bに対して相対動すると、2つのカム溝336bの形状に応じて、ラベル拡開ユニット33が上下動させられる。すなわち、2つのカムフォロア336aと2つのカム溝336bとは、2つのカム機構336を構成している。なお、2つのカム溝336bは、径方向視において同形状であり、互いの上下方向距離が一定である。
次に、ラベル供給装置2からラベル中継装置5を経由したラベル装着装置3へのラベル供給動作について説明する。
本実施形態においては、ラベル供給装置2の第1ラベル供給機構20Aからラベル中継装置5の第1ラベル中継ユニット50AにラベルLが順次供給される。これにより、第1ラベル中継ユニット50Aの複数のラベル中継部51は、各々がラベルLを保持する。また、ラベル供給装置2の第2ラベル供給機構20Bからラベル中継装置5の第2ラベル中継ユニット50BにラベルLが順次供給される。これにより、第2ラベル中継ユニット50Bの複数のラベル中継部51は、各々がラベルLを保持する。
ラベル中継装置5からラベル装着装置3へのラベルLの供給は、第1ラベル供給処理と第2ラベル供給処理とを周期的に繰り返すことにより行う。第1ラベル供給処理は、第2ラベル中継ユニット50BからラベルLを供給することなく、第2ラベル供給位置α2を通過させたラベル受渡部321に、第1ラベル供給位置α1において第1ラベル中継ユニット50AからラベルLを供給する処理である。一方、第2ラベル供給処理は、第2ラベル供給位置α2において第2ラベル供給機構20BからラベルLをラベル受渡部321に供給し、このラベル受渡部321に第1ラベル中継ユニット50AからラベルLを供給することなく第1ラベル供給位置α1を通過させる処理である。
本実施形態においては、搬送経路Tに沿って配列された複数のラベル装着ヘッド30のラベル受渡部321に、第1ラベル供給処理および第2ラベル供給処理のいずれかを行う。あるラベル装着ヘッド30のラベル受渡部321に対して上述の第1ラベル供給処理を行う場合、このラベル装着ヘッド30の搬送方向前方及び後方に隣り合うラベル装着ヘッド30のラベル受渡部321に対して上述の第2ラベル供給処理を行う。また、あるラベル装着ヘッド30のラベル受渡部321に対して上述の第2ラベル供給処理を行う場合、このラベル装着ヘッド30の搬送方向前方及び後方に隣り合うラベル装着ヘッド30のラベル受渡部321に対して上述の第1ラベル供給処理を行う。これにより、ある時点でラベル受渡部321にラベルLを吸着保持している複数のラベル装着ヘッド30は、第1ラベル供給処理によって第1ラベル中継ユニット50AからラベルLが供給されたものと、第2ラベル供給処理によって第2ラベル中継ユニット50BからラベルLが供給されたものとが、交互に並ぶこととなる。
次に、ラベル装着装置3による容器BへのラベルLの装着動作について、図11及び図12を参照して以下に説明する。
図11は、1つのラベル装着ヘッド30を順に示す斜視図である。同図は、第1ラベル供給位置α1又は第2ラベル供給位置α2において、あるラベルLがラベル受渡部321に供給された後、当該ラベルLが容器Bに装着され、当該容器Bが搬出されるまでを示している。動作説明において着目するラベルLは、理解の便宜上、ハッチングが付されている。また、図示された第1ラベル供給位置α1、第2ラベル供給位置α2、容器供給位置β及び容器搬出位置γと図1を参照して理解されるように、あるラベルLが供給されてからこのラベルLが装着された容器Bが搬出されるまでに、支持円盤3aが1回転以上しており、本実施形態においては、おおよそ600°回転している。
まず、図11(a)において、第1ラベル供給位置α1又は第2ラベル供給位置α2において第1ラベル中継ユニット50A又は第2ラベル中継ユニット50Bからラベル受渡部321にラベルLが供給される。ラベルLは、ラベル受渡部321の搬送経路Tにおける下流側を向いた面に吸着保持される。なお、ラベル拡開ユニット33は、着色されたラベルLに先立って供給されたラベルLをすでに保持している。
次いで、図11(b)においてラベル受渡部321が、第1ラベル中継ユニット50A又は第2ラベル中継ユニット50Bから離間する。すると、カム溝326bおよびカム溝336bの形状にしたがって、ラベル受渡ユニット32及びラベル拡開ユニット33が下降する。これにより、図11(c)において、先立って供給されていたラベルLが容器Bに装着される。この装着が完了すると、カム溝336bの形状にしたがって、ラベル拡開ユニット33のみが上昇する。一方、ラベル受渡ユニット32の高さは維持されている。
次いで、図11(d)に示すように、ラベル受渡ユニット32のラベル受渡部321とラベル拡開ユニット33の4つの吸引ロッド333の高さが重なる状態となる。この際、図12(a)に示すように、一対ずつの開閉アーム332A,332Bは、いずれも開状態である。そして、開状態の一対ずつの開閉アーム332A,332Bの間に、ラベルLを吸着保持したラベル受渡部321が位置する。なお、図12においては、吸引力を発揮しているラベル受渡部321にハッチングを付している。
次いで、図11(e)及び図12(b)に示すように、一対の開閉アーム332Aのみを閉状態とする。また、一対の開閉アーム332Aの吸引ロッド333の複数の吸引孔333aから吸引する。これにより、ラベル受渡部321に吸引保持されたラベルLは、一対の開閉アーム332Aの吸引ロッド333にも吸引される。なお、理解の便宜上、図12においては、吸引力を発揮している吸引ロッド333にハッチングを付している。そして、ラベル受渡部321の吸引を解除することにより、ラベルLは、一対の開閉アーム332Aの吸引ロッド333のみによって吸引保持される。
次いで、図11(f)及び図12(c)に示すように、一対の開閉アーム332Aを開状態とする。この際、一対の開閉アーム332Aの吸引ロッド333の吸引は維持しておく。これにより、ラベルLが若干の湾曲形状となり、ラベル受渡部321から離間する。ラベルLが離間したラベル受渡部321(ラベル受渡ユニット32)は、カム溝326bの形状に伴い、上昇する。一方、ラベル拡開ユニット33は、高さが維持される。
次いで、図11(g)及び図12(d)に示すように、ラベル受渡部321(ラベル受渡ユニット32)が上昇し、一対ずつの開閉アーム332A,332Bの間から、ラベル受渡部321が退避する。また、容器供給位置βに到達したことにより、ラベル拡開ユニット33の下方に、容器Bが供給されている。同図においては、4つの吸引ロッド333と容器Bとが高さ方向で重なっていないことを示すため、容器Bが想像線で示されている。
次いで、図11(h)及び図12(e)に示すように、一対ずつの開閉アーム332A,332Bをそれぞれ閉状態とする。これにより、一対の開閉アーム332Aと一対の開閉アーム332Bとによって、ラベルLが挟まれた状態となる。また、この際に、一対の開閉アーム332Bの吸引ロッド333の吸引孔333aからも吸引を開始しておく。これにより、ラベルLは、一対の開閉アーム332Aの吸引ロッド333と一対の開閉アーム332Bの吸引ロッド333との双方によって、吸着保持された状態となる。なお、第1ラベル供給位置α1又は第2ラベル供給位置α2において、次に処理されるラベルLがラベル受渡部321に供給されている。
次いで、図11(i)及び図12(f)に示すように、一対ずつの開閉アーム332A,332Bをそれぞれ開状態とする。ラベルLは、筒状のフィルムが折り畳まれたものであるため、一対ずつの開閉アーム332A,332Bの開動作により、図示されたような形態に拡開される。ラベルLが拡開されると、カム溝326b及びカム溝336bの形状に伴い、ラベル受渡ユニット32及びラベル拡開ユニット33が下降する。
次いで、図11(j)及び図12(g)に示すように、拡開されたラベルLを吸着保持したラベル拡開ユニット33が容器Bに対して下降することにより、ラベルLが容器Bに徐々に被せられる。そして、ラベルLが容器Bに対して所定高さまで到達すると、一対ずつの開閉アーム332A,332Bの吸引ロッド333による吸引が解除される。これにより、容器BへのラベルLの装着が完了する。
この後は、図11(k),(l)に示すように、次に処理されるラベルLに対して図11(d),(e)を参照して説明した処理と同様の処理が行われ、図11(m)に示すように、容器搬出位置γにおいてラベルLが装着された容器Bが、容器搬出装置4へと受け渡される。
以上に述べた、ラベル供給装置2からラベル中継装置5を経由したラベル装着装置3へのラベル供給動作と、ラベル装着装置3による容器BへのラベルLの装着動作とが、順次行われることにより、複数の容器BへのラベルLの装着が連続的に行われる。
次に、ラベル装着システムA1の作用について説明する。
本実施形態によれば、ラベル供給装置2からラベル中継装置5の第1ラベル中継ユニット50A及び第2ラベル中継ユニット50Bを介して、ラベル装着装置3へとラベルLが順次供給される。このため、第1ラベル中継ユニット50A及び第2ラベル中継ユニット50Bのそれぞれが単位時間あたりに供給すべきラベルLの数は、ラベル装着装置3が単位時間あたりに容器Bに装着すべきラベルLの数の半分となる。このため、ラベル中継装置5の中継能力によって、ラベル装着装置3の装着能力が制限されることを回避することが可能である。したがって、ラベル装着システムA1によるラベル装着の高速化を図ることができる。
ラベル受渡部321の複数の受渡吸引ロッド322と、ラベル中継部51の複数の中継吸引ロッド511とが、互いに交互に位置するような配置であることにより、ラベル受渡部321とラベル中継部51とをスムーズに交差させつつ、ラベルLをより確実に受け渡しすることができる。
また、図9に示すように、ラベル中継部51は、上下方向に延びる2つの中継吸引ロッド511を有しており、ラベル受渡部321は、上下方向に延びる3つの受渡吸引ロッド322を有している。3つの受渡吸引ロッド322のうち径方向両端の2つの受渡吸引ロッド322は、2つの中継吸引ロッド511よりも径方向外側に位置している。これらの2つの受渡吸引ロッド322により、ラベルLの幅方向(径方向)両端寄りの部分をより確実に吸引保持することができる。また、ラベルLの幅方向(径方向)両端寄りの部分を確実に吸引保持可能であることから、ラベル受渡部321は、ラベルLの下端付近を吸引保持することが必須ではない。このため、中継吸引ロッド511および中継連結部513よりも下方に、受渡吸引孔322aを設ける必要がない。これは、中継連結部513をより低い位置に設けるのに都合が良く、図3に示すように、中継連結部513と径方向内側の吸引チャンバ267A,267Bやベルト266A,266Bとが干渉することを回避するのに適している。
また、本実施形態においては、ラベル供給装置2が第1ラベル供給機構20A及び第2ラベル供給機構20Bを含む。第1ラベル供給機構20Aは、第1ラベル中継ユニット50AにラベルLを供給し、第2ラベル供給機構20Bは、第2ラベル中継ユニット50BにラベルLを供給する。このため、第1ラベル供給機構20A及び第2ラベル供給機構20Bと同様に、第1ラベル供給機構20A及び第2ラベル供給機構20Bのそれぞれが単位時間あたりに供給すべきラベルLの数は、ラベル装着装置3が単位時間あたりに容器Bに装着すべきラベルLの数の半分となる。このため、ラベル供給装置2の中継能力によって、ラベル装着装置3の装着能力が制限されることを回避することが可能である。したがって、ラベル装着システムA1によるラベル装着の高速化を図るのに好ましい。
図5および図9に示すように、複数の中継吸引孔512が、鉛直方向に互いに離間した複数行に配置されていることにより、ラベルLの鉛直方向両端寄りの部分をより確実に吸着することが可能である。これにより、中継吸引ロッド511に対してラベルLがずれてしまう等の不具合を抑制可能であり、ラベル装着の高速化に好ましい。
図9に示すように、複数の中継吸引孔512と複数の受渡吸引孔322aとが、鉛直方向に互いに離間した複数行に配置されてことにより、ラベル中継部51からラベル受渡部321にラベルLを受け渡す際に、ラベルLをより確実に吸着することが可能であり、ラベル装着の高速化に好ましい。
図5に示すように、複数の中継吸引孔512は、2つの中継吸引ロッド511の径方向の外側と内側とに偏って配置されている。これにより、2つの中継吸引ロッド511のサイズや間隔を変えること無く、径方向におけるより広い領域においてラベルLを吸着することが可能である。これは、ラベル装着の高速化に好ましい。
図9に示すように、2つの中継吸引ロッド511の間に位置する受渡吸引ロッド322の複数の受渡吸引孔322aは、径方向に互いに離間した複数列に配置されている。これにより、ラベルLの受渡をより確実に行うことが可能であり、ラベル装着の高速化に好ましい。
図13〜図23は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一又は類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
<第2実施形態>
図13〜図15は、本発明の第2実施形態に係るラベル装着システムのラベル中継装置5を示している。本実施形態においては、中継吸引ロッド511に、複数の前方面515と複数の後方面516とが形成されている。
前方面515は、後方面516に対して搬送経路Tの下流側に位置する面である。後方面516は、前方面515に対して搬送経路Tの上流側に位置する面である。後方面516は、径方向に沿う溝状である。ラベル中継部51によってラベルLを吸着保持する際には、前方面515の方が後方面516よりも早いタイミングでラベルLに当接すると想定される。
複数の前方面515と複数の後方面516とは、鉛直方向において交互に配置されている。複数の前方面515および複数の後方面516の個数は特に限定されず、図示された例においては、1つの中継吸引ロッド511に、4つの前方面515と3つの後方面516とが形成されている。
図示された例においては、前方面515は、鉛直方向および径方向に沿う平坦面からなる。後方面516は、搬送経路Tの上流側に緩やかに凹む凹曲面からなる。ただし、前方面515および後方面516の具体的な形状は、何ら限定されない。また、2つの中継吸引ロッド511の複数の後方面516の鉛直方向位置は、互いに同一である。
後方面516には、中継吸引孔512が開口している。図示された例においては、1つの後方面516に、鉛直方向に互いに離間した2つの中継吸引孔512が開口している。ただし、1つの後方面516に開口する中継吸引孔512の個数は特に限定されない。また、図示された例においては、2つの後方面516の間に位置する前方面515には、中継吸引孔512は開口していない。このため、この前方面515は、吸引機能を有さない。なお、複数の後方面516に挟まれていない前方面515には、中継吸引孔512が開口している。
ここで、後方面516の寸法について説明する。図14に示す後方面516の深さDは、たとえば、0.1〜2.0mmであり、好ましくは、0.2〜1.2mmである。図13および図14に示す後方面516の中継吸引ロッド511の長手方向における寸法Hは、たとえば5〜20mmであり、好ましくは8〜12mmである。また、図14に示す後方面516の曲率半径Rは、たとえば、8〜60mmであり、好ましくは12〜45mmである。なお、図示された例においては、中継吸引ロッド511の径方向における幅Wが12mmであり、搬送経路Tに沿う方向である厚さ方向における厚さTが10mmである。凹曲面によって構成された後方面516の具体的な寸法の一例を挙げると、寸法Hが10mm、深さDが1.0mm、曲率半径Rが13mmである。また、凹曲面によって構成された後方面516の具体的な寸法の他の例を挙げると、寸法Hが10mm、深さDが0.3mm、曲率半径Rが42mmである。
図15は、搬送経路Tに沿って移動するラベル中継部51によってラベルLが保持された状態を示している。ラベルLは、複数の中継吸引孔512による吸引力によって2つの中継吸引ロッド511に吸着されている。本実施形態においては、中継吸引ロッド511に後方面516が形成されている。後方面516は、径方向に沿う溝状である。ラベルLが後方面516に沿った形状となることにより、ラベルLには、湾曲部Laが形成される。湾曲部Laは、ラベルLの一部が径方向に沿って緩やかに湾曲した部分である。湾曲部Laの径方向視における形状は、おおむね後方面516の形状と類似する。ラベルLに湾曲部Laが形成されることにより、ラベルLの径方向両側を折り曲げるような力に対する剛性が向上する。このため、ラベル中継部51による搬送経路Tに沿った搬送において、ラベルLのうち中継吸引ロッド511から径方向両側に延出した部分が、搬送経路Tの上流側(後方側)に折れてしまうことを抑制することが可能である。これにより、ラベル中継部51の搬送速度を向上させることが可能であり、ラベル装着の高速化に有利である。
後方面516に複数の中継吸引孔512が開口していることにより、ラベルLを後方面516に沿うように、より確実に吸着することができる。これにより、より厚さが厚いラベルLに湾曲部Laを形成することが可能である。また、鉛直方向に離間した複数の後方面516が設けられていることにより、ラベルLに複数の湾曲部Laを形成することが可能である。これは、ラベルLの剛性向上に好ましい。
また、2つの後方面516の間に位置する前方面515には、中継吸引孔512が開口していない。ラベルLがラベル中継部51に保持される際には、2つの後方面516の間に位置する前方面515にラベルLが当接した後に、後方面516にラベルLが当接すると想定される。この場合に、仮に前方面515に中継吸引孔512が開口していると、ラベルLが後方面516の中継吸引孔512に吸着される前に、前方面515の中継吸引孔512によってラベルLが拘束される可能性が高い。このような拘束は、ラベルLが後方面516に沿うように吸着されることを阻害するおそれがあり、ラベルLに湾曲部Laが適切に形成されないことが懸念される。本実施形態においては、上述の前方面515に中継吸引孔512が形成されていないため、前方面515によってラベルLが不当に拘束されてしまうことを抑制することができる。したがって、ラベルLに湾曲部Laを適切に形成することができる。
発明者らの試験例によれば、PET(ポリエチレンテレフタラート)からなり、厚さが20μmであるラベルLを用いた場合であって、第1ラベル中継ユニット50Aおよび第2ラベル中継ユニット50Bの周速が226m/minであると、本実施形態とは異なり、後方面516を有さないラベル中継部51に保持されたラベルLは、径方向両端が折れる挙動が生じた。これに対し、本実施形態のラベル中継部51によれば、同条件であってもラベルLの径方向両端は折れなかった。発明者らの試験によれば、第1ラベル中継ユニット50Aおよび第2ラベル中継ユニット50Bの周速が200m/min以上であって、PETからなるラベルLの厚さが40μm以下である場合に、後方面516による折れ防止効果が得られる傾向であることが確認された。
<第2実施形態 第1変形例>
図16は、第2実施形態に係るラベル中継部51の第1変形例を示している。本変形例においては、後方面516の個数が、上述した例と異なっている。本例においては、1つの中継吸引ロッド511に設けられた後方面516の個数は、1つである。
本変形例によっても、ラベルLに湾曲部Laを形成することによりラベルLの剛性を高めることが可能であり、ラベル装着の高速化に好ましい。また、本変形例から理解されるように、後方面516の個数は特に限定されず、ラベルLの鉛直方向寸法や径方向寸法に応じて適宜設定可能である。
<第2実施形態 第2変形例>
図17は、第2実施形態に係るラベル中継部51の第2変形例を示している。本変形例においては、2つの後方面516に挟まれた前方面515の形状が、上述した例と異なっている。本例においては、前方面515は、搬送経路Tの下流側に向けて緩やかに膨出した径方向に沿う凸曲面からなる。すなわち、本例における中継吸引ロッド511の搬送経路Tの下流側部分は、複数の前方面515および後方面516からなる波形状となっている。
本変形例によっても、ラベルLに湾曲部Laを形成することによりラベルLの剛性を高めることが可能であり、ラベル装着の高速化に好ましい。また、本変形例から理解されるように、前方面515および後方面516の形状は特に限定されず、適宜設定可能である。
<第3実施形態>
図18および図19は、本発明の第3実施形態に係るラベル装着システムのラベル中継部51を示している。本実施形態においては、中継吸引ロッド511に、高摩擦部518が形成されている。
高摩擦部518は、中継吸引ロッド511とラベルLとの摩擦力を高める部位である。図19に示すように、図示された例においては、高摩擦部518は、中継吸引ロッド511の表面に微細な凹凸が形成されることによって設けられている。微細な凹凸からなる高摩擦部518を形成する手法は特に限定されず、本例においてはショットブラストが用いられている。
図18において、ハッチングを付した領域に高摩擦部518が設けられており、ラベル中継部51の搬送経路Tにおける下流側部分全体に高摩擦部518が設けられている。高摩擦部518が設けられる領域は特に限定されず、たとえば前方面515のみに設けても良いし、後方面516のみに設けても良いし、あるいは前方面515の一部と後方面516の一部とに設けてもよい。
このような実施形態によれば、高摩擦部518が設けられていることにより、中継吸引ロッド511とラベルLとの摩擦力が高められる。このため、ラベルLを保持した状態でラベル中継部51を移動させる際に、風圧等によってラベルLがラベル中継部51に対してずれてしまうことを抑制することが可能である。したがって、ラベル装着の高速化を図るのに好ましい。
<第3実施形態 第1変形例>
図20は、本発明の第3実施形態に係るラベル装着システムのラベル中継部51の第1変形例を示している。本変形例においては、高摩擦部518は、中継吸引ロッド511に複数の溝が形成されることによって設けられている。複数の溝は、鉛直方向に対して傾斜した方向に延びている。また、複数の溝は、互いに直角であるものを含む。このような複数の溝が形成されることにより、ラベル中継部51には、微細な凹凸からなる高摩擦部518が設けられている。なお、本例においては、高摩擦部518は、前方面515のみに形成されており、後方面516には形成されていない。
このような変形例によっても、中継吸引ロッド511とラベルLとの摩擦力が高めることが可能であり、ラベルLがラベル中継部51に対してずれてしまうことを抑制することができる。また、本変形例から理解されるように、高摩擦部518を設ける手法は特に限定されない。
<第3実施形態 第2変形例>
図21は、本発明の第3実施形態に係るラベル装着システムのラベル中継部51の第2変形例を示す断面図である。本例においては、高摩擦部518は、中継吸引ロッド511の表面にラベルLとの摩擦力を向上させ得る材質をコーティングすることによって設けられている。高摩擦部518を構成するコーティングとしては、たとえばゴムコーティングが挙げられる。図示された例においては、前方面515にゴムコーティングが施されている。なお、図示された例とは異なり、後方面516にゴムコーティングを施すことにより、高摩擦部518を設けてもよい。
このような変形例によっても、中継吸引ロッド511とラベルLとの摩擦力が高めることが可能であり、ラベルLがラベル中継部51に対してずれてしまうことを抑制することができる。また、本変形例から理解されるように、高摩擦部518の具体的構成は特に限定されない。
<第4実施形態>
図22及び図23は、本発明の第4実施形態に係るラベル装着システムのラベル装着装置3及びラベル中継装置5を示している。本実施形態においては、ラベル中継装置5の第1ラベル中継ユニット50A及び第2ラベル中継ユニット50Bのラベル中継部51が、各々が径方向(水平方向)に延びる複数の中継吸引ロッド511を有する。また、中継連結部513は、複数の中継吸引ロッド511の径方向内端同士を連結している。複数の中継吸引孔512が設けられる位置は特に限定されず、本実施形態においては、7つの中継吸引ロッド511のうち、下方に位置する2つの中継吸引ロッド511に設けられている。図22に示すように、本実施形態においても、ラベル中継部51は、第1ラベル供給機構20A及び第2ラベル供給機構20Bの一対の吸引チャンバ267A,267Bの間を通過可能に構成されている。
本実施形態のラベル受渡部321は、上述したラベル中継部51に対応して、各々が径方向(水平方向)に延びる複数の受渡吸引ロッド322を有する。また、受渡連結部323は、複数の受渡吸引ロッド322の径方向内端同士を連結している。複数の受渡吸引孔322aが設けられる位置は特に限定されず、本実施形態においては、7つの受渡吸引ロッド322のうち、下方に位置する2つの受渡吸引ロッド322に設けられている。また、図示された例においては、受渡連結部323の下方部分及び支持部324の上端付近にも、複数の受渡吸引孔322aが設けられている。
ラベル受渡部321とラベル中継部51とが交差する際には、複数の受渡吸引ロッド322と複数の中継吸引ロッド511とが、上下方向に交互に並ぶ構成とされている。
このような実施形態によっても、ラベル装着の高速化を図ることができる。また、複数の中継吸引ロッド511が水平方向(径方向)に延びており、上下方向に配列されていることにより、ラベル中継部51によって吸着保持されたラベルLが、搬送時の風圧等によって上下方向視において円弧形状となるように変形してしまうことを防止することができる。
本発明に係るラベル装着システムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るラベル装着システムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
ラベル中継装置5は、第1ラベル中継ユニット50A及び第2ラベル中継ユニット50Bに加えて、さらに1つ以上のラベル中継ユニットを有することにより、3つ以上のラベル中継ユニットを有する構成であってもよい。また、この場合、ラベル供給装置2は、第1ラベル供給機構20A及び第2ラベル供給機構20Bに加えて、さらに1つ以上のラベル供給機構を有することにより、3つ以上のラベル供給機構を有する構成であってもよい。たとえば、ラベル中継装置5が、第1ラベル中継ユニット50A、第2ラベル中継ユニット50Bおよび第3ラベル中継ユニット50Cを有する場合について説明する。第3ラベル中継ユニット50Cは、第2ラベル供給位置α2に対して搬送経路Tにおける上流側に位置する第3ラベル供給位置α3にラベルLを供給する。また、本例における第1ラベル供給処理は、第3ラベル中継ユニット50C及び第2ラベル中継ユニット50BからラベルLを供給することなく第3ラベル供給位置α3及び第2ラベル供給位置α2を通過させたラベル受渡部321に、第1ラベル供給位置α1において第1ラベル中継ユニット50AからラベルLを供給する処理である。第2ラベル供給処理は、第3ラベル中継ユニット50CからラベルLが供給されることなく第3ラベル供給位置α3を通過し且つ第2ラベル供給位置α2において第2ラベル中継ユニット50BからラベルLが供給されたラベル受渡部321を、第1ラベル中継ユニット50AからラベルLを供給することなく第1ラベル供給位置α1を通過させる処理である。第3ラベル供給処理は、第3ラベル供給位置α3において第3ラベル中継ユニット50CからラベルLが供給されたラベル受渡部321を、第2ラベル中継ユニット50B及び第1ラベル中継ユニット50AからラベルLを供給することなく第2ラベル供給位置α2及び第1ラベル供給位置α1を通過させる処理である。また、本例においては、ラベル供給装置2は、第1ラベル供給機構20A及び第2ラベル供給機構20Bに加えて、第3ラベル中継ユニット50Cにラベルを供給する第3ラベル供給機構20Cを有してもよい。このような構成によれば、ラベルLの供給能力をさらに高めることができる。