JPWO2019031609A1 - 改質リグニン及び改質ポリフェノールの製造方法、並びに改質リグニンを用いた樹脂組成材料 - Google Patents
改質リグニン及び改質ポリフェノールの製造方法、並びに改質リグニンを用いた樹脂組成材料 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2019031609A1 JPWO2019031609A1 JP2019535728A JP2019535728A JPWO2019031609A1 JP WO2019031609 A1 JPWO2019031609 A1 JP WO2019031609A1 JP 2019535728 A JP2019535728 A JP 2019535728A JP 2019535728 A JP2019535728 A JP 2019535728A JP WO2019031609 A1 JPWO2019031609 A1 JP WO2019031609A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- modified
- lignin
- polyphenol
- modified lignin
- producing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L97/00—Compositions of lignin-containing materials
- C08L97/005—Lignin
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07G—COMPOUNDS OF UNKNOWN CONSTITUTION
- C07G1/00—Lignin; Lignin derivatives
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/04—Oxygen-containing compounds
- C08K5/07—Aldehydes; Ketones
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/04—Oxygen-containing compounds
- C08K5/13—Phenols; Phenolates
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L101/00—Compositions of unspecified macromolecular compounds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L97/00—Compositions of lignin-containing materials
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Compounds Of Unknown Constitution (AREA)
- Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)
Abstract
Description
また、特許文献2では、リグニンとフェノール類を触媒の存在下で反応させてフェノール化した後、アルカリと共に加熱することでアルカリ化リグニンとし、さらにそこへアルデヒド類を加えることでヒドロキシメチル化リグニンとしてリングニンの反応性を上げる技術、及び当該反応性を上げたリグニンを結合剤組成物へ利用する技術が開示されている。
また、特許文献3にはリグニン、フェノール類及びアルデヒド類を酸の存在下で反応させる製法により、硬化性を向上させて樹脂強度を改良させたフェノール変性リグニン樹脂等が開示されている。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
31P−NMRで測定される積分値から求めた脂肪族水酸基及び芳香族水酸基の存在率の合計に対する該脂肪族水酸基の存在率が20%未満である改質リグニン。
[2]ポリフェノール含有組成物と、水酸基に対する置換基の位置である2位、4位及び6位のうち少なくとも1つが水素原子であるフェノール化合物とを反応させる工程を有する、改質ポリフェノールの製造方法。
[3]前記改質リグニンを含む改質リグニン含有樹脂組成材料。
(リグニンの基本骨格)
リグニンは、p−ヒドロキシケイ皮アルコール類である3種類のリグニンモノマーが重合した高分子化合物であり、下記式(2)で表される基本骨格を有する。
なお、上記式(2)中のXは炭素原子、Yは水素原子又は炭素原子に結合していることを示す。
また、リグニンには上記芳香族部位だけではなく脂肪族部位も存在し、脂肪族部位に存在する水酸基は酸化安定性に乏しい(酸化によりアルデヒドやカルボン酸に変化しやすい)ため、脂肪族水酸基はできるだけ少ない方が既存プラスチック材料との反応性が好適である。
さらにリグニンは、軟化点を大きく降下させることなく低分子量化させることで混合性が向上し、既存プラスチック材料との反応性が向上する。
すなわち、脂肪族水酸基が少なく、反応性に富むH型骨格及びG型骨格のこれら2種の骨格が多く存在するリグニンであり、かつ軟化点を大きく降下させずに低分子量化したリグニンであれば、反応性に富み、プラスチック材料として好適なものとなる。
例えば、木本系バイオマスにおいて、広葉樹由来のリグニンには上記G型骨格及びS型骨格が存在し、針葉樹由来のリグニンには上記G型骨格及びS型骨格が存在するがG型骨格の方が多く存在する。さらに、広葉樹及び針葉樹由来のリグニンにはH型骨格がほとんど存在しない。
また、草本系バイオマス由来のリグニンには、上記H型骨格、G型骨格及びS型骨格が存在するがH型骨格の存在率は低い。
また、針葉樹由来リグニンには脂肪族水酸基が多く、広葉樹由来リグニン、草本系リグニンの順番で脂肪族水酸基の存在は減少する。
そこで、リグニンの反応性を上げるためには、H型骨格及びG型骨格の存在率を増やし、脂肪族水酸基を減少させ、軟化点を大きく下げないような低分子量化手法を用いてリグニン改質することが必要となる。
本発明の改質リグニンは、31P−NMRで測定される積分値から求めたS型骨格の相対存在率S(%)に対するH型骨格の相対存在率H(%)の2倍及びG型骨格の相対存在率G(%)の合計の比[(2H+G)/S]が2.5以上であり、同じく31P−NMRで測定される積分値から求めた脂肪族水酸基及び芳香族水酸基の存在率の合計に対する該脂肪族水酸基の存在率が20%未満である。さらに、本発明の改質リグニンは低分子量化されて数平均分子量が1,000未満であり、軟化点は90℃以上であることが好ましい。
後述する製造方法における置換反応により原料リグニンは、上記R3及びR4が水素原子となり、改質リグニンの反応点が増加し、また脂肪族水酸基が減少し、さらに軟化点を大幅に下げることなく低分子量化される。
上述のとおりH型には反応点が2箇所、G型には1箇所であり、上記比[(2H+G)/S]が示すように、本発明の改質リグニンには反応点が多く存在し、反応性が良好なものである。
しかしながら、スギ材等の針葉樹由来リグニンでは、改質前に上記比[(2H+G)/S]が3以上になることが分析上判明しているが、脂肪族水酸基が全水酸基(脂肪族水酸基及び芳香族水酸基の存在率の合計)に対して20%以上存在しておりプラスチック材料として好ましくない。
したがって、上記比が2.5未満であるか、あるいは脂肪族水酸基の存在率が20%以上である場合、改質リグニンとしての反応性が十分でないためプラスチック材料としては好適なものとはならず、また曲げ強度等の物性が向上した成形品を与えることも期待できない。
本発明の改質リグニンは、後述する製造方法における置換反応により、R3及びR4の分子鎖が改変されるため分子量が低下する。このように、リグニンは低分子量化されることによって、他のプラスチック材料との混合性(混練性又は攪拌性)が向上し、さらに曲げ強度等の物性が向上した成形品を与えることが期待できる。
また、本発明の改質リグニンは、例えば数平均分子量が900以上1,200以下かつ重量平均分子量が1,900以上2,700以下であることが好ましく、数平均分子量が600以上900未満かつ重量平均分子量が1,100以上1,900未満であることが好ましく、数平均分子量が500以上600未満かつ重量平均分子量が900以上1,100未満であることが好ましい。
また、本発明の改質リグニンは、例えば数平均分子量が900以上1,200以下かつ重量平均分子量が2,400以上3,000以下であれば軟化点は160℃以上200℃以下であることが好ましく、数平均分子量が600以上900未満かつ重量平均分子量が1,100以上2,400未満であれば軟化点は130℃以上190℃以下であることが好ましく、数平均分子量が500以上600未満かつ重量平均分子量が900以上1,100未満であれば軟化点は110℃以上170℃以下であることが好ましく、数平均分子量が300以上500未満かつ重量平均分子量が600以上900未満であれば軟化点は90℃以上170℃以下であることが好ましい。反応させる既存プラスチック材料の性質によってこれらを使い分けることが可能であり、混合性の改善により改質リグニンの反応性を向上させ、曲げ強度等の物性が向上した成形品を与えることが期待できる。
なお、上記数平均分子量及び重量平均分子量は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
本発明の改質ポリフェノールの製造方法は、ポリフェノール含有組成物と、水酸基に対する置換基の位置である2位、4位及び6位のうち少なくとも1つが水素原子であるフェノール化合物(以下、単に「フェノール化合物」と称すことがある。)とを反応させる工程を有する。
以下において、上記ポリフェノール含有組成物中に含まれる原料ポリフェノールがリグニン(以下、「原料リグニン」と称すことがある。)であって、改質ポリフェノールが改質リグニンである場合を例にして具体的に説明するが、本発明の改質ポリフェノールの製造方法はこれら原料リグニン及び改質リグニンに限定されるものではない。
〈リグニン〉
本発明の改質ポリフェノールの製造方法において原料として用いられる原料リグニンは、木本系バイオマス及び草本系バイオマスの植物系バイオマス由来のものである。
なお、本発明の改質リグニンの製造方法において、リグニン含有組成物として、木本系バイオマス及び草本系バイオマスの植物系バイオマス由来のバイオマス残渣等を使用することもできる。
バイオマス残渣としては、黒液(サルファイトリグニン、クラフトリグニン、ソーダリグニン等)、及びタンニン等が挙げられ、これは1種又は2種以上を併用してもよい。
草本系バイオマスとしては、パームヤシの樹幹・空房、パームヤシ果実の繊維及び種子、バガス(さとうきび及び高バイオマス量さとうきびの搾り滓)、ケーントップ(さとうきびのトップ及びリーフ)、エナジーケーン、稲わら、麦わら、トウモロコシの穂軸・茎葉・残渣(コーンストーバー、コーンコブ、コーンハル)、ソルガム(スイートソルガムを含む)残渣、ヤトロファ種の皮及び殻、カシュー殻、スイッチグラス、エリアンサス、高バイオマス収量作物、エネルギー作物等が挙げられる。
これらのなかでも、入手容易性や本発明において適用する製造方法との適合性の観点から、草本系バイオマスであることが好ましく、パームヤシの空房、麦わら、トウモロコシの穂軸・茎葉・残渣(コーンストーバー、コーンコブ、コーンハル)、バガス、ケーントップ、エナジーケーン、それら有用成分抽出後の残渣がより好ましく、トウモロコシの穂軸・茎葉・残渣(コーンストーバー、コーンコブ、コーンハル)、バガス、ケーントップ、エナジーケーンがさらに好ましい。なお、上記有用成分には、例えば、ヘミセルロース、糖質、ミネラル、水分等が含まれる。
バガスには、5〜30質量%程度のリグニンが含まれる。また、バガス中のリグニンは基本骨格として、H核、G核及びS核の全てを含む。
植物系バイオマスは、粉砕されたものを用いることもできる。また、ブロック、チップ、粉末、また水が含まれた含水物のいずれの形態でもよい。
具体的には、例えば、有機溶媒又は有機溶媒及び水を含む溶媒を用い、高温で処理することで植物系バイオマスに含まれるリグニンを溶媒に溶出させ、当該リグニン含有溶液を濾過してセルロース等を除去した後、溶液を濃縮、乾固することにより、原料リグニンを分離することができる。
また、原料リグニンの重量平均分子量(Mw)は、同上の理由から、通常1,000〜100,000程度であり、2,000〜10,000であることが好ましく、2,500〜4,000程度であることがより好ましく、2,500〜3,500であることがさらに好ましい。
また、原料リグニンの分子量分布(Mw/Mn)は、同上の理由から、通常1.5〜10.0程度であり、2.0〜5.0であることが好ましく、2.0〜3.0であることがより好ましく、2.0〜2.5であることがさらに好ましい。
なお、上記数平均分子量、重量平均分子量及び分子量分布は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
本発明の改質ポリフェノールの製造方法において用いられるフェノール化合物は、水酸基に対する置換基の位置である2位、4位及び6位のうち少なくとも1つが水素原子である必要がある。これは、上記2位、4位及び6位の位置(即ち、オルト位及びパラ位)が水素原子であるフェノール化合物は、その配向性により置換反応による置換基の受け皿として特に好適であり、原料リグニンとフェノール化合物を混合させることで、前述の式(2)で表される原料リグニンの基本骨格におけるR3及びR4の置換基が、フェノール化合物の上記2位又は4位又は6位へ転移するからである。当該置換反応により、原料リグニンのR3又はR4又は両方が水素原子となり、前述の反応点が増加した改質リグニンとすることができる。
したがって、当該置換反応により原料リグニン中のS型骨格が減少し、G型骨格及びH型骨格が増加して反応性が改善される。また、前述のとおり当該置換反応により原料リグニンの分子鎖が改変されることで分子量の低下が起こり、改質リグニンの混合性が改良されることとなる。
フェノール化合物は、1種又は2種以上を併用してもよい。
炭素数1〜15のアルキル基としては、直鎖状であってもよく分岐状であってよい。好ましくは炭素数1〜15の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、よりさらに好ましくは炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基である。
本発明の製造方法において、原料リグニン(原料ポリフェノール、バイオマス残渣の場合はバイオマス残渣中のリグニン)に対するフェノール化合物の質量比[フェノール化合物/原料リグニン]は通常0.1〜15程度であるが、0.3〜15が好ましく、0.5〜15がより好ましく、1〜15がさらに好ましく、1〜13がよりさらに好ましく、1〜12がよりさらに好ましく、1〜10がよりさらに好ましく、1〜5がよりさらに好ましい。原料リグニンに対するフェノール化合物の質量比が上記範囲であることによって、上述の置換反応を良好に進行させることができる。
なお、バイオマス残渣に含まれるリグニンの含有量の算出は、ウィレーミルを用いて試料となる原料を粉砕し、105℃で乾燥する前処理を行った後、構成糖分析によって測定する。
本発明の製造方法において、リグニンとフェノール化合物との反応は、無触媒、又は、原料リグニン及び前記フェノール化合物の合計量に対し好ましくは0超〜3.0質量%、さらには0.2〜3.0質量%の酸触媒の存在下で反応が行われることが好ましい。
上述のとおり反応に用いるフェノール化合物によって無触媒で反応を進行させることができる。反応が無触媒で進行することによって、例えば反応工程後の後処理(精製工程)を省略することが可能となり、また得られた改質リグニンをプラスチック材料として用いた成形品の曲げ強度等の物性向上を期待することができる。
上記反応に酸触媒を用いる場合、原料リグニン及びフェノール化合物の合計量に対し酸触媒の使用量は通常0超であれば特に制限はないが、酸触媒を添加することによる効果を良好に発揮でき、改質リグニン中に残存する不純物の観点から通常0.01〜3.0質量%の酸触媒の存在下で反応が行われ、0.1〜3.0質量%が好ましく、0.2〜3.0質量%がより好ましく、0.4〜2.6質量%がさらに好ましい。酸触媒の使用量が上記範囲であれば、上述の置換反応を良好に進行させることができる。
反応温度は通常100℃以上であれば特に限定されないが、通常140℃超及び350℃以下程度であるが、140℃超及び300℃以下が好ましく、140℃超及び270℃以下がより好ましく、140℃超及び250℃以下がさらに好ましく、150〜230℃がよりさらに好ましく、150〜200℃がよりさらに好ましい。140℃超であればほとんどのフェノール化合物が溶解して反応を進行させることができ、また300℃以下であれば逆反応の進行を防ぐことができる。
反応時間は通常0.1〜15時間程度であるが、反応が十分に進行し原料リグニンを改質することができる観点から0.5時間以上であることが好ましく、1時間以上であることがより好ましく、また反応時間が長すぎても反応進行が期待できない観点から上限は10時間以下であることが好ましく、2〜8時間であることがより好ましい。
原料リグニンとフェノール化合物との反応は、無溶媒で行うことができる。また、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、及び芳香族類等の有機溶媒や水のいずれか1種以上を用いてもよく、エタノール、アセトン、水のいずれか1種以上を用いることが好ましい。改質リグニンに溶媒の混入を防ぎ、また反応後に溶媒を除去する工程を必要とせず効率的にする観点からは、無溶媒で行うことが好ましい。
本発明の改質リグニンは、上述の反応工程を行うことにより製造される。よって、反応工程により得られた改質リグニン含有物をそのままプラスチック材料として用いることが可能であるが、反応工程の後に精製工程を行ってもよい。
〈固液分離〉
上述の反応後、改質リグニンはフェノール化合物に溶解しているが、未反応物や無機残渣は固体として液中に存在している。これらは濾過(熱時)により除去することが好ましい。例えば、反応液はNO.5CあるいはNO.2等の濾紙を取り付けた加圧熱時濾過器に入れ、20〜150℃程度、通常40〜90℃程度で、0.1〜0.99MPa程度、通常0.1〜0.4MPa程度で加圧濾過する。濾過固体は適宜フェノール化合物で希釈及び/又は洗浄し、濾過してもよい。当該濾過において改質リグニンは濾液中に含まれる。また、例えば、反応生成液を水、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、テトラヒドロフラン等のエーテル類等の低沸点汎用親水性溶媒のいずれか1種以上で希釈及び/又は洗浄し、固液分離してもよい。当該固液分離において改質リグニンは溶液中に含まれる。
固液分離を行う方法は特に限定されないが、濾過、フィルタープレス、遠心分離、脱水機等を挙げることができる。
〈蒸留〉
蒸留は、例えば、反応工程により得られた改質リグニン含有物を、40〜200℃程度、通常80〜150℃程度の温度、3〜20kPa程度、通常5〜10kPa程度の減圧下、減圧蒸留して反応後のフェノール化合物を除去して精製することができる。当該蒸留において改質リグニンは固体として得られる。また、例えば、フェノール化合物以外の希釈溶媒を用いる場合は、フェノール化合物以外の溶媒を、溶媒の沸点を考慮した適当な温度で、減圧蒸留して低沸点汎用親水性溶媒を除去し、その後、上記と同様の方法でフェノール化合物を除去して行うことができる。当該蒸留において改質リグニンは固体として得られる。
〈減圧乾固〉
蒸留により得られた改質リグニンを、通常50〜200℃に加熱して、固体あるいは溶融状態で、真空乾燥することにより、反応後のフェノール化合物を除去して精製してもよい。また、蒸留後の加熱された流動状態にある改質リグニンを、そのまま同様の真空乾燥をすることにより、反応後のフェノール化合物を除去して精製してもよい。
〈再沈殿〉
また、反応工程により得られた改質リグニン含有物を、アセトン等の溶媒に溶解させ、改質リグニンの貧溶媒であるイオン交換水等を加えて再沈殿させることにより反応後のフェノール化合物を除去して精製することができる。
また、精製において、上記濾過、減圧蒸留、減圧乾固及び再沈殿を組み合わせてもよく、同じ工程を繰り返し行ってもよい。
なお、改質リグニン中に残留するフェノール化合物は、特に限定されないが、通常30%未満であり、10%未満が好ましく、5%未満がより好ましく、1%未満がさらに好ましい。
本発明の改質ポリフェノールの製造方法により、原料リグニンの基本骨格に比べ、改質リグニンのH型骨格及びG型骨格が多く存在すると同時に原料リグニンの脂肪族水酸基は減少して、反応点が増加しかつ脂肪族水酸基が減少した改質リグニンを得ることができる。
また、本発明の改質ポリフェノールの製造方法により、ポリフェノール含有組成物中の原料ポリフェノールよりも改質ポリフェノールの方が数平均分子量及び重量平均分子量が小さくなる。したがって、上述の製造方法により得られた改質リグニンは低分子量化して混合性が改善される。
さらに、本発明の改質ポリフェノールの製造方法により、ポリフェノール含有組成物中の原料ポリフェノールよりも改質ポリフェノールの分子量分布(Mw/Mn)が小さくなることが好ましい。
具体的には、本発明の製造方法により、31P−NMRで測定される積分値から求めたH型骨格の相対存在率H(%)及びG型骨格の相対存在率H(%)に基づく反応点の合計[2H+G]を、改質の前後で通常3%以上増加させ、好ましくは4%以上増加させ、また上述した脂肪族水酸基の存在率が20%未満である改質リグニンにすることも可能である。さらに上記改質リグニンは、原料リグニンに比べ数平均分子量及び重量平均分子量は低下するが、好ましくは軟化点が90℃未満には下がらないものである。
本発明は、前述の改質リグニン又は前述の製造方法で製造される改質リグニンを含む改質リグニン含有材料、特に改質リグニン含有樹脂組成材料、並びにそれを用いた成形品をも提供する。また上記製造方法により得られた改質リグニン以外に、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂成分が含まれていてもよい。改質リグニン以外の成分について、以下に説明する。
(熱硬化性樹脂)
上記改質リグニン含有樹脂組成材料は、熱硬化性樹脂をさらに含有することができる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂等の他の一般的な熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの中でも、改質リグニンと同様に、フェノール性水酸基を有しており、改質リグニンと反応することができ、改質リグニンの希釈剤としても使用可能であることから、フェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂の中でもノボラック系フェノール樹脂及びレゾール系フェノール樹脂がより好ましい。これら熱硬化性樹脂は、1種又は2種以上を併用してもよい。
また、上記改質リグニン含有樹脂組成材料は、アルデヒド類をさらに含有することができる。
改質リグニンとアルデヒド類を含む改質リグニン含有樹脂組成材料により自己硬化型の成形材料とすることができる。
アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、サルチルアルデヒド等が挙げられ、これらの中でもホルムアルデヒドが好ましい。
改質リグニンとアルデヒド類の硬化反応を促進させる観点からアルカリを用いることが好ましい。アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリム、炭酸カリウム、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、アルキルアミン等を使用することができる。
改質リグニンとアルデヒド類の硬化反応時の温度及び反応時間に制限はないが、通常60〜130℃程度であり、反応時間は通常0.5時間〜5時間程度である。
なお、上記改質リグニン含有樹脂組成材料には、熱硬化性樹脂及びアルデヒド類から選ばれる1種又は2種以上を併用してさらに含有させてもよい。
上記改質リグニン含有樹脂組成材料には、充填材をさらに含有させてもよい。充填材は、無機充填材であっても有機充填材であってもよい。
無機充填材としては、球状又は破砕状の溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末、ガラス繊維、ガラスフレーク、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、水和アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化チタン、酸化亜鉛、炭化タングステン、酸化マグネシウム等が挙げられる。
また有機充填材としては炭素繊維、アラミド繊維、紙粉、木粉、セルロース繊維、セルロース粉、籾殻粉、果実殻・ナッツ粉、キチン粉、澱粉等が挙げられる。
改質リグニン含有樹脂組成材料には硬化剤をさらに含有させてもよい。
硬化剤としては、ヘキサメチレンテトラミン、ヘキサホルムアルデヒド、及びパラホルムアルデヒド等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を併用してもよい。
硬化剤に加え、さらに硬化速度及び硬化度を増進するためには、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化カルシウム、及び酸化マグネシウム等の無機塩基、塩化亜鉛及び酢酸亜鉛等のルイス酸、トリエチルアミン等の触媒を用いてもよい。これらは、1種又は2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係る樹脂組成材料には、該樹脂組成材料から得られる成形品の特性を損ねない範囲で各種添加剤を添加することができる。また、目的に応じてさらに、相溶化剤、界面活性剤等を添加することができる。
相溶化剤としては、熱可塑性樹脂に無水マレイン酸やエポキシ等を付加し極性基を導入した樹脂、例えば無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂、市販の各種相溶化剤を併用してもよい。
また、界面活性剤としては、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸等の直鎖脂肪酸、またロジン類との分岐・環状脂肪酸等が挙げられるが、特にこれに限定されない。
さらに、上述したものの他に配合可能な添加剤としては、可撓化剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、消泡剤、チキソトロピー性付与剤、離型剤、酸化防止剤、可塑剤、低応力化剤、カップリング剤、染料、光散乱剤、少量の熱可塑性樹脂などが挙げられる。これらは、1種又は2種以上を併用してもよい。
改質リグニン含有樹脂組成材料に配合可能な熱可塑性樹脂としては、200℃以下のガラス転移温度を持つ非晶性熱可塑性樹脂、若しくは融点が200℃以下である結晶性熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、ポリスチレン系エラストマー、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレート樹脂等)、ポリ塩化ビニル樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、テレフタル酸とエチレングリコール、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールの組み合わせのポリエステルに代表される低融点ポリエステル樹脂(PET、PBT等)、ポリ乳酸及び/又はポリ乳酸を含む共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリフェニレンオキサイド樹脂(PPO)、ポリケトン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリアミドエラストマー等、及びこれらと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
前記改質リグニン含有樹脂組成材料は、上述したセルロース含有固形物、熱可塑性樹脂のほかに、熱可塑性樹脂組成材料と相溶可能な樹脂、添加剤、充填材が含まれていてもよい。
改質リグニン含有樹脂組成材料に用いられる各成分の配合及び混練は、通常用いられている機器、例えば、リボンブレンダー、ドラムタンブラー等で予備混合して、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、ロール混練機、コニーダ等を用いる方法で行うことができる。混練の際の加熱温度は、通常100〜300℃の範囲で適宜選択される。
改質リグニン含有樹脂組成材料を成形する方法としては特に限定されない。例えば、プレス成形法、射出成形法、トランスファ成形法、中型成形、FRP成形法等が挙げられる。また、樹脂組成材料が熱可塑性樹脂組成材料である場合は、所定形状に成形する方法には、押出成形法、射出成形法等が挙げられる。
〈分子量測定〉
各実施例で得られた改質リグニン並びに原料リグニン1及び2について、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)を、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により標準ポリスチレン換算分子量で求めた。なお、原料リグニン2はテトラヒドロフランに全溶解しないため、可溶分のみ測定した。測定装置及び条件は、以下のとおりである。
・分離カラム :東ソー株式会社製 「TSKgel SuperMultiporeHZ-M2本」
・溶離液 :テトラヒドロフラン
・溶離液流量 :1.0mL/min
・検出器 :示唆屈折率(RI)
・測定温度 :40℃
(1)重クロロホルム、ピリジン、シクロヘキサノール(内部標準)を混合した溶媒を各実施例で得られた改質リグニン又は原料リグニン1及び2に加え、さらに、誘導体化試薬として2-chloro-4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaphospholaneを添加し、50℃、1時間加熱した。なお、原料リグニン2はテトラヒドロフランに全溶解しないため、可溶分のみ測定した。その後、以下の測定条件で31P−NMR測定を実施した。
・パルス幅 :30°
・繰り返し時間 :2秒
・測定範囲 :−60〜200ppm
・積算回数 :200回
内部標準であるシクロヘキサノール由来シグナルを145.2ppmとし、144.0〜142.0ppmをS型骨格、141.0〜136.6ppmをG型骨格と同定し、積分値から各基本骨格の相対存在率%を算出した。H型骨格の相対存在率は全芳香族水酸基量からS型骨格及びG型骨格の相対存在率を差引いて算出した。
さらに、150.0〜145.5ppmを脂肪族水酸基、144.7〜136.6ppmを芳香族水酸基と同定し、積分曲線より脂肪族水酸基量(mol/g)、芳香族水酸基量(mol/g)を算出してそれぞれの水酸基割合%を求めた。
(2)存在率の比及び反応点
上記各基本骨格の相対存在率%に基づき、
・S型骨格の相対存在率S(%)に対するH型骨格の相対存在率H(%)の2倍及びG型骨格の相対存在率G(%)の合計の比[(2H+G)/S]、
・H型骨格の相対存在率H(%)及びG型骨格の相対存在率G(%)に基づく反応点の合計[2H+G]、
・[2H+G]についての改質前後の増加割合(%)
を算出した。
各実施例で得られた改質リグニン又は原料リグニン1あるいは2(固体試料)を乳鉢で粉砕し、篩(40メッシュ)にかけて大きな粒子を取り除き、砕いた試料をアルミ製カップ(円形上部φ60、下部φ53×深さ15mm)に10〜20mgに入れた。試料を入れたアルミ製カップをホットプレート(ASONEND−2A)に置き、ガラス板(厚さ0.5mm)でふたをした。80℃まで加熱後、10℃刻みに温度を上げ、ガラス越しに目視観察を行い、目視により溶解した温度を軟化点として採用した。
バガス(サトウキビの搾りカスを乾燥させたもの)500gを、1−ブタノール2.1Lと水3.3Lの存在下で、200℃、4時間、熱処理し1−ブタノール層を取り出した。取り出した1−ブタノール層を濾過(ワットマンNO.2ろ紙)し、セルロース含有固形物を除去した。濾液を濃縮し、乾固することで原料リグニン1を90g得た。
[実施例1]
(1)反応工程
原料リグニン1を100質量部(100.0g)、フェノール100質量部、リン酸1質量部を撹拌可能な1.0Lの耐圧容器に入れて加熱し、フェノールが溶解したところで撹拌を開始した。そのまま加熱し続け、200℃で4時間加熱した。
(2)精製工程
・フェノールの蒸留除去:
耐圧容器から反応液を取出し、クーゲルロールを用い、減圧下(5〜10kPa)加熱(100〜130℃)して反応液を減圧蒸留してフェノールを除去した。クーゲルロールでは反応後のフェノールは完全には除去できず改質リグニンに対し、約10質量%残留していた。
・改質リグニン再沈殿:
上記フェノールを蒸留除去した改質リグニン1質量部(5.0g)に、2質量部のアセトンを加え、完全に溶解させた。ここに40質量部のイオン交換水を加えて改質リグニンを沈殿させた。沈殿した改質リグニンは遠心分離し回収した。この操作を3〜4回繰り返し、反応後のフェノールを完全に除去し、改質リグニン1(4.5g)を得た。
酸触媒を使用しない以外は実施例1と同様に行い、改質リグニン2(4.5g)を得た。
[実施例3]
原料リグニン1を19質量部、フェノールを181質量部とした以外は実施例1と同様に行い、改質リグニン3(4.4g)を得た。
[実施例4]
反応時間を8hにした以外は実施例3と同様に行い、改質リグニン4(4.5g)を得た。
[実施例5]
反応温度を220℃にした以外は実施例3と同様に行い、改質リグニン5(4.5g)を得た。
[実施例6]
触媒量を5質量部にする以外は実施例3と同様に行い、改質リグニン6(4.4g)を得た。
[実施例7]
フェノールの代りにm−クレゾールを用いた以外は実施例3と同様に行い、改質リグニン7(4.5g)を得た。
[実施例8]
原料リグニン1を61質量部、フェノールを139質量部とした以外は実施例1と同様に行い、改質リグニン8(4.6g)を得た。
[実施例9]
酸触媒を使用しない以外は実施例8と同様に行い、改質リグニン9(4.5g)を得た。
[実施例10]
反応温度を150℃、反応時間を1時間にした以外は実施例1と同様に行い、改質リグニン10(4.4g)を得た。
[実施例11]
酸触媒を硫酸とした以外は実施例10と同様に行い、改質リグニン11(4.6g)を得た。
[実施例12]
酸触媒を硫酸0.2質量部とした以外は実施例3と同様に行い、改質リグニン12(4.5g)を得た。
次に、実施例1〜12で得られた改質リグニン又は原料リグニン1を用い、次の各実施例及び比較例において樹脂組成材料及びこれを用いてなる成形体を製造した。
また、当該樹脂組成材料及び成形体について下記の方法で評価を行った。
(混練容易性)
実施例13〜24及び比較例1において、混練時の容易性を次の指標に基づき評価した。
○:混練容易
△:困難だが混練可能
×:混練不可能
実施例25〜36及び比較例2において、反応時の攪拌容易性を次の指標に基づき評価した。
○:攪拌容易
△:困難だが攪拌可能
×:攪拌不可能
各実施例及び比較例において得られた成形体から、5mm×50mm×1mmの試料を切り出し、インストロンジャパン社製、インストロン5566型を用いて3点曲げモード、スパン30mm、速度2mm/分の条件で曲げ強度を測定し、指標に基づき評価した。
○:試料が割れにくかった
△:試料が割れた
×:試料がすぐに割れた
−:成形不良
100質量部のノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製、PR−53195)、50質量部の木粉、50質量部(50.0g)の上記実施例1〜12で得られた改質リグニン1〜12の各々、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを20質量部、及び内部離型剤としてステアリン酸亜鉛を1質量部混合し、2本ロール混練機にて100〜110℃で3分間混練して、改質リグニン含有樹脂組成材料を得た。
上記得られた改質リグニン含有樹脂組成材料を、加熱した金型キャビティ内に圧入してトランスファ成形法により170℃、5分の成形条件にて成形し、オーブンで180℃、8時間硬化し、成形体を得た。
上記樹脂組成材料及び成形体の上記評価の結果を表2に示す。
改質リグニンの代わりに原料リグニン1を用いた以外は、実施例13と同様に行い樹脂組成材料及び成形体を得た。
上記樹脂組成材料及び成形体の上記評価の結果を表2(表2−1又は表2−2)に示す。
還流装置と攪拌羽根を備えた0.5Lのセパラブルフラスコに、上記実施例1〜12で得られた改質リグニン1〜12の各々を50質量部(50.0g)、40質量%ホルムアルデヒド水溶液30質量部を加え攪拌した。ホルムアルデヒドと改質リグニン中のフェノールのモル比は1.5であった。50質量%炭酸ナトリウム水溶液35質量部を徐々に滴下しながら、100℃で2時間加熱し、液状の組成物を得た。
さらに、木粉54質量部を加え均一になるまで攪拌し、改質リグニン含有樹脂組成材料を得た。
上記得られた改質リグニン含有樹脂組成材料を、減圧して水分を除去し、面圧0.2MPa、180℃、10分でプレス成形した後、オーブンで200℃、4時間硬化し、成形体を得た。
上記樹脂組成材料及び成形体の上記評価の結果を表3に示す。
改質リグニンの代わりに原料リグニン1を用いた以外は、実施例25と同様に行い成形体を得た。
上記樹脂組成材料及び成形体の上記評価の結果を表3(表3−1又は表3−2)に示す。
原料リグニン2として、クラフトリグニン(SIGMA−ALDRICH社製のLignin,alkali(製品番号370959))を用いた。
<改質リグニン>
[実施例37]
原料リグニン2を40質量部、フェノールを160質量部、酸触媒を硫酸0.4質量部、反応時間を2時間とした以外は実施例5と同様に行い、改質リグニン13(4.3g)を得た。
酸触媒を使用せず、反応温度を300℃とした以外は実施例37と同様に行い、改質リグニン14(4.5g)を得た。
次に、実施例37で得られた改質リグニン13又は原料リグニン2を用い、次の各実施例及び比較例において樹脂組成材料及び成形体について前述の方法で、混練容易性、攪拌性、及び曲げ強度について評価を行った。
改質リグニン13を用いた以外は実施例13と同様に行い樹脂組成材料及び成形体を得た。
上記樹脂組成材料及び成形体の上記評価の結果を表5に示す。
[比較例3]
改質リグニンの代わりに原料リグニン2を用いた以外は、実施例13と同様に行い樹脂組成材料及び成形体を得た。
上記樹脂組成材料及び成形体の上記評価の結果を表5に示す。
改質リグニン13を用いた以外は実施例25と同様に行い樹脂組成材料及び成形体を得た。
上記樹脂組成材料及び成形体の上記評価の結果を表6に示す。
[比較例4]
改質リグニンの代わりに原料リグニン2を用いた以外は、実施例25と同様に行い樹脂組成材料及び成形体を得た。
上記樹脂組成材料及び成形体の上記評価の結果を表6に示す。
Claims (21)
- 31P−NMRで測定される積分値から求めたS型骨格の相対存在率S(%)に対するH型骨格の相対存在率H(%)の2倍及びG型骨格の相対存在率G(%)の合計の比[(2H+G)/S]が2.5以上であり、
31P−NMRで測定される積分値から求めた脂肪族水酸基及び芳香族水酸基の存在率の合計に対する該脂肪族水酸基の存在率が20%未満である改質リグニン。 - 改質リグニンの軟化点が90℃以上である、請求項1に記載の改質リグニン。
- 改質リグニンの軟化点が130℃以上である、請求項1に記載の改質リグニン。
- 前記相対存在率の比[(2H+G)/S]が2.8以上である、請求項1〜3に記載の改質リグニン。
- 31P−NMRで測定される積分値から求めた脂肪族水酸基及び芳香族水酸基の存在率の合計に対する脂肪族水酸基の存在率が15%未満である、請求項1〜4のいずれかに記載の改質リグニン。
- ポリフェノール含有組成物と、水酸基に対する置換基の位置である2位、4位及び6位のうち少なくとも1つが水素原子であるフェノール化合物とを反応させる工程を有する、改質ポリフェノールの製造方法。
- 前記反応が、無触媒、又は、前記ポリフェノール含有組成物中の原料ポリフェノール及び前記フェノール化合物の合計量に対し0超〜3.0質量%の酸触媒の存在下で行われる、請求項6又は7に記載の改質ポリフェノールの製造方法。
- 前記反応が、無触媒、又は、前記ポリフェノール含有組成物中の原料ポリフェノール及び前記フェノール化合物の合計量に対し0.2〜3.0質量%の酸触媒の存在下で行われる、請求項6又は7に記載の改質ポリフェノールの製造方法。
- 前記反応が、無触媒で行われる、請求項6又は7に記載の改質ポリフェノールの製造方法。
- 前記ポリフェノール含有組成物中の原料ポリフェノールに対する前記フェノール化合物の質量比[フェノール化合物/原料ポリフェノール]が1〜15である、請求項6〜10のいずれかに記載の改質ポリフェノールの製造方法。
- 前記反応が、反応温度140℃超及び350℃以下で行われる、請求項6〜11のいずれかに記載の改質ポリフェノールの製造方法。
- 前記反応が、反応温度140℃超及び250℃以下で行われる、請求項6〜11のいずれかに記載の改質ポリフェノールの製造方法。
- 前記ポリフェノール含有組成物中の原料ポリフェノールよりも前記改質ポリフェノールの方が数平均分子量及び重量平均分子量が小さくなる、請求項6〜13のいずれかに記載の改質ポリフェノールの製造方法。
- 前記ポリフェノール含有組成物がリグニン含有組成物であり、前記改質ポリフェノールが改質リグニンである、請求項6〜14のいずれかに記載の改質ポリフェノールの製造方法。
- 前記ポリフェノール含有組成物がリグニンであり、前記改質ポリフェノールが改質リグニンである、請求項6〜14のいずれかに記載の改質ポリフェノールの製造方法。
- 31P−NMRで測定される積分値から求めたH型骨格の相対存在率H(%)及びG型骨格の相対存在率H(%)に基づく反応点の合計[2H+G]が、改質の前後で4%以上増加する、請求項15又は16に記載の改質ポリフェノールの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の改質リグニン及び請求項15〜17のいずれかに記載の改質ポリフェノールの製造方法で製造される改質リグニンのいずれか1以上の改質リグニンを含む改質リグニン含有材料。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の改質リグニン及び請求項15〜17のいずれかに記載の改質ポリフェノールの製造方法で製造される改質リグニンのいずれか1以上の改質リグニンを含む改質リグニン含有樹脂組成材料。
- 熱硬化性樹脂及びアルデヒド類のいずれか1種以上をさらに含有する、請求項19に記載の改質リグニン含有樹脂組成材料。
- 請求項19及び20に記載の改質リグニン含有樹脂組成材料のいずれか1以上を用いてなる成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022210905A JP2023024830A (ja) | 2017-08-10 | 2022-12-27 | 改質リグニン及び改質ポリフェノールの製造方法、並びに改質リグニンを用いた樹脂組成材料 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017156186 | 2017-08-10 | ||
JP2017156186 | 2017-08-10 | ||
PCT/JP2018/030112 WO2019031609A1 (ja) | 2017-08-10 | 2018-08-10 | 改質リグニン及び改質ポリフェノールの製造方法、並びに改質リグニンを用いた樹脂組成材料 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022210905A Division JP2023024830A (ja) | 2017-08-10 | 2022-12-27 | 改質リグニン及び改質ポリフェノールの製造方法、並びに改質リグニンを用いた樹脂組成材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2019031609A1 true JPWO2019031609A1 (ja) | 2020-07-16 |
Family
ID=65272296
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019535728A Pending JPWO2019031609A1 (ja) | 2017-08-10 | 2018-08-10 | 改質リグニン及び改質ポリフェノールの製造方法、並びに改質リグニンを用いた樹脂組成材料 |
JP2022210905A Pending JP2023024830A (ja) | 2017-08-10 | 2022-12-27 | 改質リグニン及び改質ポリフェノールの製造方法、並びに改質リグニンを用いた樹脂組成材料 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022210905A Pending JP2023024830A (ja) | 2017-08-10 | 2022-12-27 | 改質リグニン及び改質ポリフェノールの製造方法、並びに改質リグニンを用いた樹脂組成材料 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US11518886B2 (ja) |
EP (1) | EP3666784A4 (ja) |
JP (2) | JPWO2019031609A1 (ja) |
CN (1) | CN110891960A (ja) |
WO (1) | WO2019031609A1 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019031610A1 (ja) * | 2017-08-10 | 2019-02-14 | 出光興産株式会社 | 改質リグニンの製造方法及び改質リグニン、並びに改質リグニン含有樹脂組成材料 |
WO2020162621A1 (ja) * | 2019-02-08 | 2020-08-13 | 出光興産株式会社 | ポリフェノール誘導体の製造方法、ポリフェノール誘導体、及びポリフェノール誘導体含有樹脂組成材料 |
CN110511650B (zh) * | 2019-08-23 | 2021-03-02 | 常州市碳索新材料科技有限公司 | 一种高压绝缘阻燃粉末涂料及其制备方法 |
EP4349879A1 (en) * | 2021-05-24 | 2024-04-10 | Idemitsu Kosan Co.,Ltd. | Curable composition, polyurethane resin composition, and polyurethane molded body |
WO2023153519A1 (ja) * | 2022-02-14 | 2023-08-17 | 群栄化学工業株式会社 | 活性炭製造用組成物、その製造方法、活性炭製造用成形体、その製造方法、活性炭素繊維製造用繊維、その製造方法、活性炭前駆体、活性炭素繊維前駆体、炭化物、炭素繊維、活性炭、その製造方法、活性炭素繊維及びその製造方法 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008156601A (ja) * | 2006-12-01 | 2008-07-10 | Toyota Auto Body Co Ltd | リグニン変性ノボラック型フェノール系樹脂、その製造方法及びフェノール系樹脂成形材料 |
JP2009084320A (ja) * | 2007-09-27 | 2009-04-23 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | リグニン誘導体及びその二次誘導体 |
JP2013199561A (ja) * | 2012-03-23 | 2013-10-03 | Akebono Brake Ind Co Ltd | 摩擦材 |
WO2015147165A1 (ja) * | 2014-03-28 | 2015-10-01 | 住友ベークライト株式会社 | フェノール変性リグニン樹脂及びその製造方法、並びに、樹脂組成物、ゴム組成物、及び硬化物 |
JP2016540058A (ja) * | 2013-09-30 | 2016-12-22 | ユー ピー エム キュンメネ コーポレーション | リグニンの反応性を増加させるための方法 |
Family Cites Families (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2895087B2 (ja) | 1989-03-08 | 1999-05-24 | 正光 船岡 | リグノセルロース系物質をポリフェノールと炭水化物とに分離する方法およびこの方法によって得られたポリフェノール系物質 |
CN1211394C (zh) * | 1997-09-12 | 2005-07-20 | 船冈正光 | 新颖的木质素衍生物、使用该衍生物的成形体及制造方法 |
CN101269930B (zh) * | 2008-05-06 | 2010-06-09 | 福州大学 | 酶解木质素或它的衍生物改性酚醛发泡材料及其制备方法 |
US8378020B1 (en) * | 2009-05-28 | 2013-02-19 | Lignol Innovations Ltd. | Processes for recovery of derivatives of native lignin |
JP5879027B2 (ja) * | 2010-10-07 | 2016-03-08 | ハリマ化成株式会社 | リグニン添加熱硬化性樹脂 |
JP5671430B2 (ja) | 2011-09-02 | 2015-02-18 | ハリマ化成株式会社 | 変性リグニンおよびそれを含有するフェノール樹脂成形材料 |
US20130232853A1 (en) * | 2012-03-09 | 2013-09-12 | Thesis Chemistry, Llc | Method for selective production of biobased chemicals and biofuels from plant lignin |
JP6281854B2 (ja) | 2012-07-11 | 2018-02-21 | 出光興産株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物 |
CN103131022B (zh) * | 2013-03-15 | 2015-06-17 | 中国科学院化学研究所 | 一种木质素酚化降解的方法 |
CN103554400A (zh) * | 2013-10-14 | 2014-02-05 | 中国林业科学研究院林产化学工业研究所 | 一种用于制备热塑性酚醛树脂的木质素液化方法 |
CN107207867A (zh) | 2014-12-25 | 2017-09-26 | 出光狮王塑料株式会社 | 热塑性树脂组合物及其成形体 |
CN106478906A (zh) * | 2016-10-14 | 2017-03-08 | 安徽格义循环经济产业园有限公司 | 木质素改性酚醛树脂及其制备方法 |
WO2019031610A1 (ja) * | 2017-08-10 | 2019-02-14 | 出光興産株式会社 | 改質リグニンの製造方法及び改質リグニン、並びに改質リグニン含有樹脂組成材料 |
-
2018
- 2018-08-10 WO PCT/JP2018/030112 patent/WO2019031609A1/ja unknown
- 2018-08-10 CN CN201880051532.4A patent/CN110891960A/zh active Pending
- 2018-08-10 US US16/635,394 patent/US11518886B2/en active Active
- 2018-08-10 JP JP2019535728A patent/JPWO2019031609A1/ja active Pending
- 2018-08-10 EP EP18842933.6A patent/EP3666784A4/en active Pending
-
2022
- 2022-09-23 US US17/951,913 patent/US20230025187A1/en active Pending
- 2022-12-27 JP JP2022210905A patent/JP2023024830A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008156601A (ja) * | 2006-12-01 | 2008-07-10 | Toyota Auto Body Co Ltd | リグニン変性ノボラック型フェノール系樹脂、その製造方法及びフェノール系樹脂成形材料 |
JP2009084320A (ja) * | 2007-09-27 | 2009-04-23 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | リグニン誘導体及びその二次誘導体 |
JP2013199561A (ja) * | 2012-03-23 | 2013-10-03 | Akebono Brake Ind Co Ltd | 摩擦材 |
JP2016540058A (ja) * | 2013-09-30 | 2016-12-22 | ユー ピー エム キュンメネ コーポレーション | リグニンの反応性を増加させるための方法 |
WO2015147165A1 (ja) * | 2014-03-28 | 2015-10-01 | 住友ベークライト株式会社 | フェノール変性リグニン樹脂及びその製造方法、並びに、樹脂組成物、ゴム組成物、及び硬化物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP3666784A4 (en) | 2021-04-14 |
US11518886B2 (en) | 2022-12-06 |
CN110891960A (zh) | 2020-03-17 |
WO2019031609A1 (ja) | 2019-02-14 |
US20200181410A1 (en) | 2020-06-11 |
US20230025187A1 (en) | 2023-01-26 |
JP2023024830A (ja) | 2023-02-16 |
EP3666784A1 (en) | 2020-06-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN110914341B (zh) | 改质木质素的制造方法和改质木质素、以及含改质木质素的树脂组成材料 | |
JPWO2019031609A1 (ja) | 改質リグニン及び改質ポリフェノールの製造方法、並びに改質リグニンを用いた樹脂組成材料 | |
JP6750832B2 (ja) | 精製リグニンの製造方法、精製リグニン、樹脂組成物及び成形体 | |
WO2016043218A1 (ja) | 熱硬化性樹脂組成物 | |
JP6920317B2 (ja) | リグニン含有樹脂組成物の製造方法及びリグニン含有樹脂成形品 | |
WO2020162621A1 (ja) | ポリフェノール誘導体の製造方法、ポリフェノール誘導体、及びポリフェノール誘導体含有樹脂組成材料 | |
WO2018139074A1 (ja) | ノボラック型フェノール樹脂、樹脂組成物およびノボラック型フェノール樹脂の製造方法 | |
WO2017222084A1 (ja) | 二段プロセスによる植物系バイオマス由来生成物の製造方法 | |
JP6955498B2 (ja) | 耐熱性リグニンの製造方法 | |
JP2021123716A (ja) | ノボラック型フェノール樹脂および樹脂組成物 | |
WO2022145280A1 (ja) | リグニン組成物及びその使用 | |
JP2014051573A (ja) | ゴム組成物、硬化物およびタイヤ | |
JP2022104522A (ja) | リグニン組成物及びその使用 | |
CN117120498A (zh) | 木质素改性酚醛清漆型酚醛树脂及其制造方法以及成型材料、树脂组合物和磨具 | |
JP2016222835A (ja) | 樹脂組成物、樹脂組成物の製造方法、および、成形品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210317 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220405 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220606 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20221004 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221227 |
|
C60 | Trial request (containing other claim documents, opposition documents) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60 Effective date: 20221227 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20230110 |
|
C21 | Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21 Effective date: 20230117 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20230310 |
|
C211 | Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211 Effective date: 20230314 |