JPWO2019022082A1 - センサ素子 - Google Patents

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Abstract

センサ素子は、第1基板と、第2基板と、第2基板の上面に配置されたピエゾ抵抗素子とを備える。第1基板は、上方に突出した凸部を有する。第2基板は、内部に凸部が配置された凹部を有する。凹部は、凹部の底面に薄肉部と、凹部の内側面に厚肉部とを有する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年7月28日に日本国に特許出願された特願2017−147158号の優先権を主張するものであり、この先の出願の開示全体をここに参照のために取り込む。
本開示は、センサ素子に関する。
従来、検体中の特定物質を検出するセンサが知られている。例えば、特許文献1には、ダイヤフラム部と、ダイヤフラム部の撓みを検知するピエゾ抵抗とを備えたセンサが開示されている。
特開平10−22511号公報
本開示の一実施形態に係るセンサ素子は、第1基板と、第2基板と、前記第2基板の上面に配置されたピエゾ抵抗素子とを備える。前記第1基板は、上方に突出した凸部を有する。前記第2基板は、内部に前記凸部が配置された凹部を有する。前記凹部は、前記凹部の底面に薄肉部と、前記凹部の内側面に厚肉部とを有する。
本開示の一実施形態に係るセンサ素子の概略構成を示す上面図である。 図1に示すA−A線に沿ったセンサ素子の断面図である。 図1に示すB−B線に沿ったセンサ素子の断面図である。 比較例に係るセンサ素子の断面図である。 本開示の一実施形態に係るセンサ素子の製造工程を説明するための断面図である。 本開示の一実施形態に係るセンサ素子の製造工程を説明するための断面図である。 本開示の一実施形態に係るセンサ素子の製造工程を説明するための断面図である。 本開示の一実施形態に係るセンサ素子の製造工程を説明するための断面図である。 変形例に係るセンサ素子の断面図である。
従来、センサ素子では、検出精度を向上させることが求められる。本開示の目的は、検出精度を向上させるセンサ素子を提供することにある。本開示の一実施形態に係るセンサ素子によれば、検出精度を向上させることができる。以下、本開示の一実施形態について、図面を参照して説明する。
[センサ素子の構成]
図1は、本開示の一実施形態に係るセンサ素子1の概略構成を示す上面図である。図2は、図1に示すA−A線に沿ったセンサ素子1の断面図である。図3は、図1に示すB−B線に沿ったセンサ素子1の断面図である。
センサ素子1は、被検流体中の特定物質を検出することができる。被検流体は、例えば、人間の呼気であるが、これに限定されない。被検流体が人間の呼気である場合、検出対象となる特定物質は、例えば、アセトン、エタノール又は一酸化炭素等であるが、これに限定されない。被検流体は、図2の上方からセンサ素子1に吹き付けられる。センサ素子1は、第1基板10と、第2基板20と、2つの膜部材30,31と、2つのピエゾ抵抗素子40,41とを備える。センサ素子1が備える膜部材の数は、2つに限定されない。例えば、センサ素子1が備える膜部材の数は、1つであってよい。また、センサ素子1が備えるピエゾ抵抗素子の数は、2つに限定されない。例えば、センサ素子1が備えるピエゾ抵抗素子の数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
第1基板10は、例えば、Si基板、ポリマー基板又はセラミック基板である。第1基板10は、図2及び図3に示すように、凸部11と、基部12と、ヒータ13(加熱機構)とを有する。
凸部11は、図2及び図3に示すように、上方に突出した形状である。凸部11は、図2及び図3に示すように、台形状であってよい。凸部11は、第2基板20の凹部21の内部に配置される。このような配置によって、凸部11と凹部21との間には、図2及び図3に示すような、空間部25が生じる。図3に示すように、凸部11の高さhは、凹部21の深さdよりも小さい。
基部12の上面には、凸部11が形成される。また、基部12の上面には、第2基板20が配置される。
ヒータ13は、センサ素子1を加熱することによって、センサ素子1の温度を所定温度に維持することができる。ヒータ13は、センサ素子1の温度を所定温度に維持することによって、一般的に温度依存性のあるセンサ素子1の検出精度を向上させることができる。ヒータ13は、例えば、Pt−W層、Pt−Ti層又はポリSi層等である。ヒータ13には、ヒータ13に電力を供給するための配線が接続されてよい。ヒータ13は、図2及び図3に示すように、凸部11の上面に形成される。ヒータ13の形成箇所は、凸部11の上面に限定されない。例えば、ヒータ13は、凸部11の内部に形成されてもよい。
第2基板20は、例えば、n型Si基板である。第2基板20は、図2及び図3に示すように、凹部21を有する。凹部21は、その底面が上になるようにして、基部12の上に配置される。凹部21の内部には、図2及び図3に示すように、凸部11が配置される。凹部21は、図1に示すように、その底面に薄肉部22と、その内側面に厚肉部23A,23B,23C,23Dとを有する。凹部21には、貫通部24A,24Bが形成されてもよい。
薄肉部22は、凹部21の底面に含まれる。薄肉部22は、変形可能に薄く形成される。例えば、薄肉部22は、ダイヤフラムとして機能するように薄く形成される。図2及び図3に示すように、薄肉部22の上面には膜部材30が配置される。また、薄肉部22の下面には膜部材31が配置される。
厚肉部23A〜23Dは、凹部21の内側面に含まれる。厚肉部23A〜23Dの内面は、例えば、凸部11の側面に密着するように形成される。例えば、凸部11が図2及び図3に示すような台形状である場合、厚肉部23A〜23Dの内面は、傾斜面に形成される。
貫通部24A,24Bは、図2に示すように、薄肉部22の上面及び下面に開口する。図2の上方から被検流体がセンサ素子1に吹き付けられると、被検流体の一部は、貫通部24A又は貫通部24Bを通過して、空間部25に入り込む。また、空間部25に入り込んだ被検流体は、貫通部24A又は貫通部24Bから、空間部25の外に抜け出ることができる。
膜部材30は、薄肉部22の上面に配置される。膜部材31は、薄肉部22の下面に配置される。本実施形態では、膜部材30,31が薄肉部22の上面及び下面の両方に配置されている。しかしながら、膜部材は、薄肉部22の上面又は下面の少なくとも一方に配置されていればよい。
膜部材30,31は、被検流体中の特定物質に反応して形状が変化する。膜部材30,31が変形すると、薄肉部22も変形する。膜部材30,31は、例えば、特定物質を吸着することによって変形する材料で構成されてよい。膜部材30,31は、例えば、ポリスチレン、クロロプレンゴム、ポリメチルメタクリレート又はニトロセルロース等の材料で構成される。
ピエゾ抵抗素子40,41は、第2基板20の上面に配置される。ピエゾ抵抗素子40,41は、例えば第2基板20がn型Si基板である場合、第2基板20にボロン(B)を拡散させて形成される。膜部材30,31が被検流体中の特定物質を吸着して変形すると、薄肉部22が変形し、ピエゾ抵抗素子40,41に応力が加えられる。ピエゾ抵抗素子40,41に応力が加えられると、ピエゾ抵抗素子40,41の電気抵抗値が変化する。ピエゾ抵抗素子40,41の電気抵抗値の変化は、配線50,51を介して外部の制御装置等に、電気信号として出力される。ピエゾ抵抗素子40,41は、薄肉部22の変形に起因する応力を受け得る箇所であれば、第2基板20の任意の箇所に配置されてよい。
配線50は、ピエゾ抵抗素子40と、外部の制御装置等とを接続する。配線51は、ピエゾ抵抗素子41と、外部の制御装置等とを接続する。配線50,51は、拡散配線として形成されてもよい。
このような構成とすることで、図2の上方から被検流体がセンサ素子1に吹き付けられたとき、膜部材30は、上方からの被検流体中の特定物質に反応して変形する。一方で、膜部材31は、貫通部24A又は貫通部24Bを通過して空間部25に入り込んだ被検流体中の特定物質に反応して変形する。膜部材30,31が変形することによって、薄肉部22が変形する。薄肉部22が変形することで、ピエゾ抵抗素子40,41の電気抵抗値が変化し、当該電気抵抗値の変化が、配線50,51を介して外部の制御装置に、電気信号として出力される。この電気信号によって、被検流体中の特定物質を検出することができる。さらに、本実施形態によれば、以下に説明するように、センサ素子1の検出精度を向上させることができる。
比較例として、凸部11を有さないセンサ素子を想定する。図4は、比較例に係るセンサ素子1Aの断面図である。図4に示すセンサ素子1Aの断面図は、図2に示す本実施形態に係るセンサ素子1の断面図に相当する。比較例に係る第1基板10は、凸部11を有さない。そのため、空間部25Aが、図2に示す本実施形態に係る空間部25よりも、大きくなる。ここで、比較例に係るセンサ素子1Aにおいて、リフレッシュ処理を実行する場合を想定する。リフレッシュ処理とは、新たな被検流体を検査するために、前回の検出処理によってセンサ素子に残留している被検流体を、センサ素子から排出する処理である。リフレッシュ処理では、上方からリフレッシュガスをセンサ素子に吹き付けることによって、センサ素子に残留している被検流体を、センサ素子から排出させる。比較例に係るセンサ素子1Aにリフレッシュガスを吹き付けると、空間部25Aが大きいため、空間部25A内におけるリフレッシュガスの循環が悪くなることが想定される。リフレッシュガスの循環が悪いと、リフレッシュ処理に要する時間が長くなる。また、比較例では、空間部25Aが大きいため、リフレッシュ処理によって、空間部25A内に残留した被検流体を排除することが困難になることが想定される。空間25A内に残留した被検流体の排除が困難になると、空間25A内に被検流体が残留したままとなり、センサ素子1の検出精度が低下してしまう場合がある。
これに対し、本実施形態に係るセンサ素子1では、上述のように、凸部11が凹部21の内部に配置されることで、空間部25が狭められている。そのため、リフレッシュ処理において、空間部25内におけるリフレッシュガスの循環を良くすることができる。これにより、本実施形態では、リフレッシュ処理に要する時間を短くすることができる。また、本実施形態では、空間部25が狭められているため、リフレッシュ処理によって、空間部25内に残留した被検流体を排除することが容易になり得る。従って、本実施形態に係るセンサ素子1は、検出精度を向上させることができる。
さらに、比較例に係るセンサ素子1Aでは、図4に示すように、ヒータ13が基部12の上に配置される。ヒータ13が基部12の上に配置されると、ヒータ13と、凹部21の底面との間の距離が大きくなる。凹部21の底面は、上述のように、特定物質を吸着する膜部材30,31が配置される薄肉部22を含む部分である。ヒータ13と凹部21の底面との間の距離が大きくなると、ヒータ13によって、凹部21の底面を所定温度に維持することが困難になる。凹部21の底面を所定温度に維持することが困難になると、センサ素子1Aの検出精度を向上させることが困難になる。
これに対し、本実施形態に係るセンサ素子1では、図2に示すように、凸部11の上面にヒータ13が配置される。このような構成とすることで、ヒータ13と凹部21の底面との間の距離を小さくすることができる。ヒータ13と凹部21の底面との間の距離を小さくすることで、ヒータ13によって、凹部21の底面を所定温度に維持することが容易になり得る。これにより、本実施形態に係るセンサ素子1は、検出精度を向上させることができる。
[センサ素子の製造工程]
次に、本実施形態に係るセンサ素子1の製造工程の一例について説明する。以下では、本実施形態に係る第1基板10の製造工程について、図5及び図6を参照して説明する。また、本実施形態に係る第2基板20の製造工程について、図7及び図8を参照して説明する。
(1)第1基板の製造工程
まず、第1基板10の製造に用いる基板を準備する。図5に、第1基板10の製造に用いる基板10Xを示す。基板10Xは、Si(100)基板である。次に、図5に示すように、基板10X上に、例えばフォトリソグラフィによって、マスクパターン100を形成する。
その後、基板10Xの上面においてマスクパターン100により保護されていない部分をドライエッチングし、図6に示すように、凸部11を形成する。この際のドライエッチングは、深堀RIE(Deep Reactive Ion Etching)であってよい。又は、ドライエッチングの代わりに、水酸化カリウム(KOH)又は水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のエッチング液を用いた異方性エッチングが行われてもよい。
図6に示すマスクパターン100を除去した後、凸部11の上部にヒータ13を形成する。このようにして、図2及び図3に示すような、第1基板10が製造される。
第1基板10をポリマー基板とする場合、凸部11は、モールド、プレス及び切削加工等により形成してもよい。また、第1基板10をセラミック基板とする場合、凸部11は、焼成前の切削加工によって形成してもよい。
(2)第2基板の製造工程
まず、第2基板20の製造に用いる基板を準備する。図7に、第2基板20の製造に用いる基板20Xを示す。基板20Xは、n型Si(100)基板である。次に、図7に示すように、基板20Xの上面に、基板20Xの上面に形成する配線等のためのマスクパターン101を形成する。一方、基板20Xの下面には、凹部21のためのマスクパターン102を形成する。マスクパターン101,102は、例えば、両面露光方式のフォトリソグラフィによって形成されてもよい。
その後、基板20Xの下面においてマスクパターン102により保護されていない部分を裏面ドライエッチングし、図8に示すように、凹部21を形成する。この際の裏面ドライエッチングは、深堀RIEであってよい。又は、裏面ドライエッチングの代わりに、水酸化カリウム(KOH)又は水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のエッチング液を用いた異方性エッチングが行われてもよい。さらに、基板20Xの上面には、図8に示すように、マスクパターン101の開口部101A,101Bに、例えば低濃度のボロン(B)を注入して、ピエゾ抵抗素子を形成する。また、基板20Xの上面には、マスクパターン101の他の開口部に、高濃度のボロン(B)を注入して、拡散配線を形成してもよい。
図8に示すマスクパターン102,103を除去した後、図2に示す貫通部24A,24Bを形成する。その後、薄肉部22の上に膜部材30,31を配置する。このようにして、図3に示すような、第2基板20が形成される。
第2基板20は、p型Si基板であってもよい。第2基板20がp型である場合、拡散配線(高ドープ層)の形成及びピエゾ抵抗素子(低ドープ層)の形成において、ボロン(B)に替えてリン(P)を注入する。
このようにして製造される第1基板10と第2基板20とを嵌め合うことによって、本実施形態に係るセンサ素子1を製造することができる。
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形および修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形及び修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部、各手段等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の機能部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上述した本開示の各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせたり、一部を省略したりして実施することもできる。
例えば、センサ素子1の用途又は使用環境等に応じて、第1基板10は、ヒータ13の代わりに、熱伝導部を含んでもよい。図9に、図1に示すA−A線に沿った、変形例に係るセンサ素子1Bの断面図を示す。センサ素子1Bは、凸部11の側面上に熱伝導部14A,14Bを備える。熱伝導部14A,14Bは、例えば、銅又は銅合金であってよい。熱伝導部14Aは、凸部11の側面と厚肉部23Aとの間に位置する。熱伝導部14Bは、凸部11の側面と厚肉部23Bとの間に位置する。このような構成によって、凹部21で発生した熱が、厚肉部23A,23Bのそれぞれから熱伝導部14A,14Bのそれぞれを経て、基部12に放出され得る。センサ素子1Bが備える熱伝導部は、熱伝導部14A又は熱伝導部14Bの何れかであってもよい。また、センサ素子1Bは、3つ以上の熱伝導部を備えてもよい。例えば、センサ素子1Bは、凸部11の側面と厚肉部23Cとの間に位置する熱伝導部をさらに備えてもよい。また、センサ素子1Bは、凸部11の側面と厚肉部23Dとの間に位置する熱伝導部をさらに備えてもよい。
1,1A,1B センサ素子
10 第1基板
11 凸部
12 基部
13 ヒータ(加熱機構)
14A,14B 熱伝導部
20 第2基板
21 凹部
22 薄肉部
23A,23B,23C,23D 厚肉部
24A,24B 貫通部
25,25A 空間部
30,31 膜部材
40,41 ピエゾ抵抗素子
50,51 配線
100,101,102 マスクパターン

Claims (6)

  1. 上方に突出した凸部を有する第1基板と、
    内部に前記凸部が配置された凹部を有する第2基板と、
    前記第2基板の上面に配置されたピエゾ抵抗素子と、を備え、
    前記凹部は、前記凹部の底面に薄肉部と、前記凹部の内側面に厚肉部とを有する、センサ素子。
  2. 請求項1に記載のセンサ素子であって、
    前記第2基板は、前記薄肉部の上面及び下面に開口した貫通部をさらに有する、センサ素子。
  3. 請求項1又は2に記載のセンサ素子であって、
    前記薄肉部の上面又は下面の少なくとも一方に配置され、特定物質に反応して形状が変化する膜部材をさらに備える、センサ素子。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載のセンサ素子であって、
    前記凸部の高さは、前記凹部の深さよりも小さい、センサ素子。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載のセンサ素子であって、
    前記凸部に加熱機構を備える、センサ素子。
  6. 請求項1から4の何れか一項に記載のセンサ素子であって、
    前記凸部に熱伝導部をさらに備える、センサ素子。
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