JP2007286008A - メンブレンを有するセンサ装置およびその製造方法 - Google Patents

メンブレンを有するセンサ装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱式流量センサと同一チップに圧力センサもしくは加速度センサを好適に形成する。
【解決手段】半導体層14のうち、熱式流量センサS1のヒータ15a、15bを形成するための部分をN型シリコンで構成し、圧力センサS2のゲージ抵抗18a〜18dを形成するための部分をP型シリコンで構成する。これにより、熱式流量センサS1に関しては、ヒータ15a、15bはピエゾ抵抗効果による影響をほとんど受けないで済むため、好適な流量検出を行うことが可能となる。また、圧力センサS2に関しては、ゲージ抵抗18a〜18dはピエゾ抵抗効果を十分に発揮して抵抗値を変化させるため、好適に圧力検出を行うことが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜部により構成されるメンブレンが設けられた熱式流量センサに、同じくメンブレンが設けられた圧力センサ又は加速度センサからなる歪センサが一体的に形成されてなるセンサ装置およびその製造方法に関するものである。
従来、特許文献1において、発熱抵抗体(ヒータ)と測温抵抗体を用いた熱式流量センサが開示されている。熱式流量センサは、発熱抵抗体を被測定流体中に設置し、被測定流体によって奪われる発熱抵抗体の放熱量を測温抵抗体により検出して、被測定流体の流量を検出する。このような熱式流量センサでは、基板に凹部や空洞部を形成することにより、基板との接触を減らし、基板への熱伝達を抑制できるようにした薄膜部としてのメンブレンが設けられる。このメンブレンの上に発熱抵抗体と測温抵抗体を配置することで、熱式流量センサの応答性を高めている。
この特許文献1に示される熱式流量センサは、半導体マイクロマシンニング技術により製造され、低コスト、低消費電流という点から有用である。このような熱式流量センサでは、センサ特性の経時変化が小さく、高信頼であるという点から、単結晶シリコンに不純物をドーピングすることでヒータや温度計を構成する抵抗体を形成している。
このように単結晶シリコンを用いて抵抗体を形成する場合、メンブレンとの熱膨張の差等によりヒータに熱応力が発生する。熱応力が発生すると、応力により抵抗値が変化するピエゾ抵抗効果が生じ、温度による抵抗値変化が発生し、センサ精度の低下原因となる。このため、ピエゾ抵抗効果による影響をできるだけ小さくできるように、ピエゾ抵抗効果の結晶方位依存性を利用して、ピエゾ抵抗効果が極小となる結晶方向に抵抗体の長手方向が取られている。
特開2001−12985号公報
上述した熱式流体センサと同一チップで圧力センサを形成したいという要望がある。圧力センサでは、薄膜部として構成されるメンブレン(ダイアフラム)を形成し、単結晶シリコンで構成されるメンブレンにゲージ抵抗(感歪部)を形成することで、メンブレンに印加された圧力に応じてメンブレンが変位したときにゲージ抵抗の抵抗値が変化するピエゾ抵抗効果を利用して、圧力検出を行う。このような圧力センサでは、ピエゾ抵抗効果を積極的に利用するために、ピエゾ抵抗効果が極大となる結晶方向に抵抗体の長手方向を取るのが好ましい。
このため、特許文献1に記載された熱式流量センサと圧力センサとを一体的に形成したセンサ装置とする場合、熱式流量センサではピエゾ抵抗効果の影響を抑え、圧力センサではピエゾ抵抗効果を積極的に利用するという、互いに相反する効果を実現しなければならなくなる。
これに対して、熱式流量センサの発熱抵抗体および/または感温抵抗体の長手方向に対して、圧力センサのゲージ抵抗の長手方向を45度ずらして形成することで、上述した相反する効果を実現することが可能となるが、シリコン基板を異方性エッチングすることによって熱式流量センサで利用される断熱用のメンブレンと圧力センサで利用される感歪用のメンブレンを形成しようとすると、熱式流量センサに適し、かつ、圧力センサに適したメンブレン形状を得るのが困難であるという問題がある。このため、これらのセンサを同一チップ上に集積して形成するのは困難であった。
なお、ここでは熱式流量センサと同一チップに形成する歪センサとして圧力センサを例に挙げたが、メンブレンに錘を備えた加速度センサを形成する場合に関しても、上記と同様のことが言える。
本発明は上記点に鑑みて、熱式流量センサと同一チップに圧力センサ又は加速度センサからなる歪センサを好適に形成することができる構造のセンサ装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、半導体層(14)のうち、熱式流量センサ(S1)の形成領域と歪センサ(S2)の形成領域とで導電型が反転させられており、熱式流量センサ(S1)におけるヒータ(15a、15b)の長手方向と歪センサ(S2)におけるゲージ抵抗(18a〜18d)の長手方向が同じ方向とされ、かつ、熱式流量センサ(S1)におけるヒータ(15a、15b)の長手方向は単結晶シリコンにおけるピエゾ抵抗効果が極小となる結晶方向、歪センサ(S2)におけるゲージ抵抗(18a〜18d)の長手方向は単結晶シリコンにおけるピエゾ抵抗効果が極大となる結晶方向とされていることを第1の特徴としている。
このように、半導体層(14)のうち、熱式流量センサ(S1)の形成領域と歪センサ(S2)の形成領域とで導電型が反転させられている。このようにすれば、熱式流量センサ(S1)におけるヒータ(15a、15b)の長手方向と歪センサ(S2)におけるゲージ抵抗(18a〜18d)の長手方向が同じ方向としても、熱式流量センサ(S1)におけるヒータ(15a、15b)の長手方向は単結晶シリコンにおけるピエゾ抵抗効果が極小となる結晶方向、歪センサ(S2)におけるゲージ抵抗(18a〜18d)の長手方向は単結晶シリコンにおけるピエゾ抵抗効果が極大となる結晶方向とすることができる。したがって、熱式流量センサ(S1)と同一チップに歪センサ(S2)を好適に形成することができる構造のセンサ装置とすることができる。
例えば、半導体層(14)のうち、熱式流量センサ(S1)の形成領域をN型シリコン、歪センサ(S2)の形成領域をP型シリコンとし、熱式流量センサ(S1)におけるヒータ(15a、15b)の長手方向および歪センサ(S2)におけるゲージ抵抗(18a〜18d)の長手方向を[0−11]もしくは[011]の結晶方向と一致させれば良い。
また、本発明は、シリコン基板(10)として、厚さ方向の結晶面方位が(100)面となるものを用い、シリコン基板(10)の裏面(10b)にエッチングマスク(24)を配置し、アルカリのエッチング液にて第1、第2空洞部(11、12)を形成する際に、エッチングマスク(24)のうち第1空洞部(11)を形成するための開口部(24a)を矩形状、第2空洞部(12)を形成するための開口部(24b)を菱形もしくは十字型として第1、第2空洞部(11、12)を形成することことを第2の特徴としている。
半導体層(14)のうち、熱式流量センサ(S1)の形成領域と歪センサ(S2)の形成領域とで導電型を同じにする場合には、熱式流量センサ(S1)におけるヒータ(15a、15b)の長手方向と歪センサ(S2)におけるゲージ抵抗(18a〜18d)の長手方向が45度ずれるようにすれば良い。この場合、エッチングマスク(24)のうち第1空洞部(11)を形成するための開口部(24a)を矩形状、第2空洞部(12)を形成するための開口部(24b)を菱形もしくは十字型とすれば、第1、第2空洞部(11、12)をヒータ(15a、15b)やゲージ抵抗(18a〜18d)の形成に好適な形状とすることができる。
また、本発明は、シリコン基板(10)として、厚さ方向の結晶面方位が(100)面となるものを用い、シリコン基板(10)の裏面(10b)にエッチングマスク(24)を配置し、アルカリに有機溶剤を添加したエッチング液にて第1、第2空洞部(11、12)を形成する際に、エッチングマスク(24)のうち第1空洞部(11)を形成するための開口部(24a)を矩形状、第2空洞部(12)を形成するための開口部(24b)を円形として、第1、第2空洞部(11、12)を形成することを第3の特徴としている。
このように、エッチングマスク(24)のうち第1空洞部(11)を形成するための開口部(24a)を矩形状、第2空洞部(12)を形成するための開口部(24b)を円形としても、第1、第2空洞部(11、12)をヒータ(15a、15b)やゲージ抵抗(18a〜18d)の形成に好適な形状とすることができる。
本発明の第2、第3の特徴において、半導体層(14)を構成する単結晶シリコンをP型シリコンとする場合、シリコン基板(10)の結晶面方位に対して、半導体層(14)を構成する単結晶シリコンの結晶面方位が45度ずらすと、第1、第2空洞部(11、12)をヒータ(15a、15b)やゲージ抵抗(18a〜18d)の形成に好適な形状とすることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1(a)は、本発明の第1実施形態を適用したセンサ装置1の概略平面構成を示す図であり、図1(b)は、図1(a)中のA−A線に沿ったセンサ装置1の概略断面構成を示す図である。なお、参考として、図1中に各部の結晶方向を示してある。
センサ装置1は、熱式流量センサS1と圧力センサS2とを同一チップ上に集積した構造とされており、例えば板厚が400μmまたは600μmとされた半導体基板となるシリコン基板10をベースに形成されている。
熱式流量センサS1は、シリコン基板10に空洞部11を備えることで、この空洞部11が形成された部位の上部において薄厚部となるメンブレンを備えた構成とされる。また、圧力センサS2は、シリコン基板10に空洞部12を備えることで、この空洞部12が形成された部位の上部において薄厚部となるメンブレン(ダイアフラム)を備えた構成とされる。
図1(b)に示されるように、空洞部11、12は、シリコン基板10の表面10aと裏面10bを貫通するように形成されている。具体的には、空洞部11、12は、シリコン基板10の裏面10b側を開口部10c、10dとし、シリコン基板10の裏面10b側から表面10a側へ向かって凹ませた凹部として構成されている。
また、図1(b)に示されるように、シリコン基板10の表面10a上には、例えばシリコン窒化膜やシリコン酸化膜により構成された絶縁膜13が形成されている。この絶縁膜13の表面には、シリコン層に不純物を熱拡散させたことによって形成された半導体層14がパターニングされており、この半導体層14により、熱式流量センサS1の形成領域に関してはヒータ15a、15bと環境温度を測定するための温度計16a、16bおよび配線層17a〜17fを構成する抵抗体が形成されており、圧力センサS2の形成領域に関してはゲージ抵抗18a〜18dと配線層19a〜19dを構成する抵抗体が形成されている。
このように構成されたシリコン基板10と絶縁膜13および半導体層14は、シリコン基板10を支持基板、絶縁膜13を埋め込み層(BOX層)、半導体層14をSOI層とするSOI基板を用いて構成されたものである。
さらに、半導体層14は、BPSG等からなる絶縁膜20によって覆われ、この絶縁膜20の所定部位に形成されたコンタクトホールを通じて、熱式流量センサS1の形成領域に関しては、アルミニウムなどで構成されたパッド21a〜21fに電気的に接続されており、圧力センサS2の形成領域に関してはアルミニウムなどで構成されたパッド22a〜22dに電気的に接続されている。
また、絶縁膜20の表面において、シリコン基板10のほぼ全域を覆うようにシリコン窒化膜23が形成され、熱式流量センサS1および圧力センサS2の表面が保護されている。このシリコン窒化膜23におけるパッド21a〜21fやパッド22a〜22dと対応する部位には、開口部が形成されており、この開口部を通じてパッド21a〜21fやパッド22a〜22dに対してワイヤボンディングがされることで、熱式流量センサS1や圧力センサS2の外部に備えられる制御回路に電気的に接続されるようになっている。
そして、シリコン基板10における裏面側には、シリコン窒化膜24が形成されている。このシリコン窒化膜24のうちシリコン基板10の空洞部11や空洞部12と対応する位置に開口部が形成されており、この開口部を通じてシリコン基板10の開口部10c、10dが形成されている。
以上が熱式流量センサS1と圧力センサS2を同一チップ上に集積したセンサ装置1の概略構成となっている。次に、このセンサ装置1における特徴的な構造部分について説明する。
上述したように熱式流量センサS1に備えられるヒータ15a、15bと圧力センサS2に備えられるゲージ抵抗18a〜18dは、共に、SOI層を構成する半導体層14により形成されている。この半導体層14は、面方位が(100)で構成されたシリコン基板を薄厚化させることにより構成されており、半導体層14の表面に平行な2方向のうち図1(a)の紙面左右方向の結晶方向が[0−11]、紙面上下方向の結晶方向が[011]、半導体層14の厚さ方向の結晶方向が[100]となるようにシリコン基板の面方位が選択されている。
ヒータ15a、15bおよびゲージ抵抗18a〜18dの長手方向は、共に、図1(a)に示すように[0−11]の結晶方向と一致させられているが、半導体層14のうちヒータ15a、15bを含む熱式流量センサS1の形成領域はN型シリコンで構成され、ゲージ抵抗18a〜18dを含む圧力センサS2の形成領域はP型シリコンで構成されたものとなっている。
図2(a)、(b)は、それぞれ、N型シリコンとP型シリコンにおけるピエゾ抵抗係数と結晶方向の関係を示した相関図である。
図2(a)に示されるように、N型シリコンの場合には、[0−11]および[011]の結晶方向でピエゾ抵抗係数が極小となり、そこから45度ずれた[100]の結晶方向でピエゾ抵抗係数が極大となる。このため、N型シリコンではピエゾ抵抗係数が極小となる[0−11]および[011]を長手方向として抵抗体を形成するとピエゾ抵抗効果が極小となり、ピエゾ抵抗係数が極大となる[100]の結晶方向を長手方向として抵抗体を形成するとピエゾ抵抗効果が極大となる。
したがって、本実施形態のように、熱式流量センサS1の形成領域をN型シリコンとし、ヒータ15a、15bの長手方向を[0−11]の結晶方向と一致させることにより、ピエゾ抵抗効果を極小とすることが可能となる。
一方、図2(b)に示されるように、P型シリコンの場合には、[0−11]および[011]の結晶方向でピエゾ抵抗係数が極大となり、そこから45度ずれた[100]の結晶方向でピエゾ抵抗係数が極小となる。このため、P型シリコンではピエゾ抵抗係数が極大となる[0−11]および[011]を長手方向として抵抗体を形成するとピエゾ抵抗効果が極大となり、ピエゾ抵抗係数が極小となる[100]の結晶方向を長手方向として抵抗体を形成するとピエゾ抵抗効果が極小となる。
したがって、本実施形態のように、圧力センサS2の形成領域をP型シリコンとし、ゲージ抵抗18a〜18dの長手方向を[0−11]の結晶方向と一致させることにより、ピエゾ抵抗効果を極大とすることが可能となる。
続いて、このようなセンサ装置1の作動について説明する。まず、熱式流量センサS1で被測定流体である空気の流量検出を行うときの動作の一例について説明する。
ヒータ15a、15bは、図示しない制御回路によって駆動され、例えば温度計16a、16bで測定される環境温度よりも200℃高い温度となるように制御される。具体的には、制御回路からパッド21b、21cおよび配線層17b、17cを通じてヒータ15aに電流が流されると共に、パッド21d、21cおよび配線層17d、17eを通じてヒータ15bに電流が流される。これにより、所定の線幅で構成された各ヒータ15a、15bが加熱され、これに伴ってヒータ15a、15bの温度が上昇する。
この時、空気の流れによって、ヒータ15a、15bの熱が奪われる。空気の流量によって熱の奪われ方に差が生じる。ヒータ15a、15bが常に一定の温度になるように、制御回路側で電流を調整する。この時の電流値の変化を信号として、流量を算出する。また、流れの方向によって、2本のヒータ15a、15bで熱の奪われ方に差が生じる。すなわち、下流側に較べて上流側の方が熱の奪われ方が激しく、より多くの電流が必要になってくる。この両者の差から、流量と同時に、流れの方向を検知することが出来る。各温度計16a、16bは基準となる環境温度の検出用として利用される。
例えば、図1(a)中の白抜き矢印方向から空気が流れてくるとする。ここで、上述したように、ヒータ15a、15bのうちヒータ15aは多く熱を奪われるため、制御回路がヒータ15aの温度(抵抗値)を一定に保とうとヒータ15aへの通電量を大きくする。逆に、ヒータ15aの発熱によって暖められた空気がヒータ15bの上を通過するため放熱量が減り、ヒータ15bへの通電量を小さくする。
したがって、制御回路は、ヒータ15aおよびヒータ15bへの通電量に基づいて、空気の流量および流れの方向を検出することが可能となる。そして、このような熱式流量センサS1の作動に関して、ヒータ15a、15bはピエゾ抵抗効果による影響をほとんど受けないで済むため、好適な流量検出を行うことが可能となる。なお、ここで言うヒータ15a、15bとは、温度によって抵抗値が変化する発熱抵抗体であり、感温抵抗体の機能を兼ね備えている。すなわち、温度をヒータ15a、15bの抵抗値に置き換えて一定に保っている。このため応力による抵抗値変化(ピエゾ抵抗効果)が生じると、温度が正しく保てなくなり、誤差要因となる。
次に、圧力センサS2の作動について説明する。なお、ここでは図示していないが、例えば、圧力センサS2に関しては、空洞部12が例えば減圧雰囲気下(真空中)において台座などによって封止されることで圧力基準室が形成され、メンブレンを挟んだ圧力基準室と外部との圧力差に基づいて作動する。
例えば、パッド22aを図示しない電源に接続すると共にパッド22cをGND接続し、パッド22aおよび配線層19aを通じて図示しない電源からの電流供給を行う。そして、ホイートストンブリッジ回路を構成するように接続されたゲージ抵抗18a〜18dの中間電位、つまりゲージ抵抗18aとゲージ抵抗18dの間の電位がパッド22dを通じて出力されると共に、ゲート抵抗18bとゲージ抵抗18cの間の電位がパッド22bを通じて出力される。
そして、圧力基準室と外部との圧力差に基づいてメンブレンが変位すると、メンブレンの変位に伴ってゲージ抵抗18a〜18dの抵抗値が変化し、パッド22bから出力される電位とパッド22dから出力される電位の間に電位差が生じる。このとき、ゲージ抵抗18a〜18dでは、ピエゾ抵抗効果を十分に発揮して抵抗値を変化させられるため、大きな電位差を発生させられ、この大きな電位差に基づいて、好適に印加された圧力の大きさを検出することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態のセンサ装置1では、半導体層14のうち、熱式流量センサS1のヒータ15a、15bを形成するための部分をN型シリコンで構成し、圧力センサS2のゲージ抵抗18a〜18dを形成するための部分をP型シリコンで構成するようにしている。このため、熱式流量センサS1に関しては、ヒータ15a、15bはピエゾ抵抗効果による影響をほとんど受けないで済むため、好適な流量検出を行うことが可能となる。また、圧力センサS2に関しては、ゲージ抵抗18a〜18dはピエゾ抵抗効果を十分に発揮して抵抗値を変化させるため、好適に圧力検出を行うことが可能となる。
そして、このような構成を熱式流量センサS1のヒータ15a、15bと圧力センサS2のゲージ抵抗18a〜18dの各長手方向が一致するような構造により実現しているため、各センサS1、S2に適したメンブレン形状を容易に得ることができる。つまり、本実施形態の場合、各センサS1、S2のメンブレンを構成するための空洞部11、12の側壁を同じ面方位にできるため、エッチングの結晶面方位依存性があったとしても、容易に各センサS1、S2に適したメンブレン形状を得ることができる。したがって、熱式流量センサS1と同一チップに圧力センサS2を好適に形成することができる構造のセンサ装置1とすることができる。
なお、このようなセンサ装置1の製造方法に関しては、半導体層14のうち、熱式流量センサS1のヒータ15a、15bを形成するための部分をN型シリコンで構成し、圧力センサS2のゲージ抵抗18a〜18dを形成するための部分をP型シリコンで構成すること以外に関しては、従来と同様である。そして、この工程に関しても、SOI層を構成するシリコン基板のうち熱式流量センサS1の形成予定領域に予めN型不純物をドーピングしておくと共に、圧力センサS2の形成予定領域に予めP型不純物をドーピングしておけば良い。勿論、半導体層14をパターニングする前に、各センサの形成予定領域に選択的にN型不純物やP型不純物をイオン注入など行うようにしても良い。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態のセンサ装置1は、第1実施形態に対して、半導体層14をすべてN型シリコンで構成している点と、圧力センサS2のゲージ抵抗18a〜18dの長手方向の向きが熱式流量センサS1のヒータ15a、15bの長手方向と異なる方向にしている点が異なっている。以下、本実施形態のうち第1実施形態と異なる点について説明するが、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図3(a)は、本実施形態を適用したセンサ装置1の概略平面構成を示す図であり、図3(b)は、図3(a)中のB−B線に沿ったセンサ装置1の概略断面構成を示す図である。なお、参考として、図3中に各部の結晶方向を示してある。
上述したように、本実施形態のセンサ装置1では、熱式流量センサS1のヒータ15a、15bや圧力センサS2のゲージ抵抗18a〜18dを構成する半導体層14をすべてN型シリコンで構成している。そして、図3(a)に示すように、熱式流量センサS1に形成されるヒータ15a、15bの長手方向を[0−11]の結晶方向と一致させることによりピエゾ抵抗効果を極小とし、圧力センサS2に形成されるゲージ抵抗18a〜18dの長手方向を[0−11]から45度ずらした[100]の結晶方向と一致させることによりピエゾ抵抗効果を極大としている。
以上のような構造としても、熱式流量センサS1に関しては、ヒータ15a、15bはピエゾ抵抗効果による影響をほとんど受けないで済むため、好適な流量検出を行うことが可能となる。また、圧力センサS2に関しては、ゲージ抵抗18a〜18dはピエゾ抵抗効果を十分に発揮して抵抗値を変化させるため、好適に圧力検出を行うことが可能となる。
このようなセンサ装置1の製造方法に関しては、シリコン基板10の厚さ方向の面方位を(100)とし、かつ、シリコン基板10の裏面10bに形成するシリコン窒化膜24のうち圧力センサS2の空洞部12の位置に形成される開口部が本実施形態のゲージ抵抗18a〜18dに対応できる形状となるようにすることが必要になる。
図4(a)、(b)は、シリコン基板10の裏面10bからのエッチングを行うときのエッチングマスクとなるシリコン窒化膜24のレイアウトおよび断面形状を示した図である。
図4(a)に示されるように、シリコン窒化膜24には熱式流量センサS1における空洞部11と対応する開口部24aと、圧力センサS2の空洞部12と対応する開口部24bが形成されている。開口部24aは、長方形を為しており、相対する2組の辺のうち一方が[0−11]の結晶方向と平行、他方が[011]の結晶方向と平行になっている。開口部24bは、菱形を為しており、相対する2組の辺が共に[100]の結晶方向と平行になっている。
このようなエッチングマスクを用いて、水酸化カリウム等のアルカリのエッチング液を用いてエッチングを行うと、圧力センサS2の空洞部12の各辺が熱式流量センサS1の各辺に対して、45度ずつずれた構造、つまり[100]の結晶方向と一致する辺を有した構造となる。このため、圧力センサS2における各ゲージ抵抗18a〜18dを空洞部12のうち[100]の結晶方向と一致する各辺に延設できるように、空洞部12の形状、つまりメンブレンの出来映え形状を圧力センサS2の形成に適したものとすることができる。
なお、ここでは、圧力センサS2の空洞部12の形成に用いるエッチングマスクの開口部が菱形となるようにしているが、他の形状であっても良い。例えば、図5に示すシリコン窒化膜24のレイアウト図のように、[0−11]の結晶方向と[011]方向に伸びる辺を持つ十字型としても良い。このようなエッチングマスクを用いても、上記と同様に、空洞部12の形状、つまりメンブレンの出来映え形状を圧力センサS2の形成に適したものとすることができる。
さらに、エッチング液にイソプロピルアルコール(IPA)等の有機溶剤を添加すると、結晶面方位の選択比が変わることを利用することもできる。例えば、図6(a)に示すシリコン窒化膜24のレイアウト図に示すように、円形状の開口部24bを形成しておき、有機溶剤を添加したエッチング液を用いてエッチングを行うことで、図6(b)に示すシリコン基板10に形成された空洞部11、12のレイアウト図に示すように、空洞部11、12の形状、つまりメンブレンの出来映え形状を圧力センサS2の形成に適したものとすることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、第2実施形態に対して、半導体層14をP型シリコンで構成している点と、熱式流量センサS1のヒータ15a、15bおよび圧力センサS2のゲージ抵抗18a〜18dの長手方向を45度ずらしている点、および、半導体層14の結晶方向に対してシリコン基板10の結晶方向を45度ずらしている点が異なる。以下、本実施形態のうち第1実施形態と異なる点について説明するが、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図7(a)は、本実施形態を適用したセンサ装置1の概略平面構成を示す図であり、図7(b)は、図7(a)中のC−C線に沿ったセンサ装置1の概略断面構成を示す図である。なお、参考として、図7中に各部の結晶方向を示してある。
上述したように、本実施形態のセンサ装置1では、熱式流量センサS1のヒータ15a、15bや圧力センサS2のゲージ抵抗18a〜18dを構成する半導体層14をすべてP型シリコンで構成している。そして、図7(a)に示すように、熱式流量センサS1に形成されるヒータ15a、15bの長手方向を[100]の結晶方向と一致させることによりピエゾ抵抗効果を極小とし、圧力センサS2に形成されるゲージ抵抗18a〜18dの長手方向を[100]から45度ずらした[0−11]もしくは[011]の結晶方向と一致させることによりピエゾ抵抗効果を極大としている。
以上のような構造としても、熱式流量センサS1に関しては、ヒータ15a、15bはピエゾ抵抗効果による影響をほとんど受けないで済むため、好適な流量検出を行うことが可能となる。また、圧力センサS2に関しては、ゲージ抵抗18a〜18dはピエゾ抵抗効果を十分に発揮して抵抗値を変化させるため、好適に圧力検出を行うことが可能となる。
このようなP型シリコンにヒータ15a、15bを形成した場合、図2(a)、(b)から分かるようにN型シリコンではピエゾ抵抗効果が極小になってもある程度残るが、P型シリコンではピエゾ抵抗効果をほとんど無しの状態にできるため、よりピエゾ抵抗効果の影響が少ない熱式流量センサS1とすることが可能となる。
ただし、このようなセンサ装置1の場合、シリコン基板10に空洞部11、12を形成するに際し、半導体層14の面方位にシリコン基板10の面方位を一致させると、エッチングの面方位依存性により、空洞部11、12が第2実施形態(図3参照)で示した形状にならない。このため、上述したように、本実施形態では、空洞部11、12の形成に関しては第2実施形態に示した形状にできるように、半導体層14の結晶方向に対してシリコン基板10の結晶方向を45度ずらしている。このようにすれば、第2実施形態と同様の手法により、シリコン基板10に対して空洞部11、12を形成することが可能となる。
これにより、空洞部11、12の形状、つまりメンブレンの出来映え形状を圧力センサS2の形成に適したものとすることができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態において、センサ装置1の様々な形態を示したが、ここに記したものは単なる一例であり、各実施形態に示した手法を組み合わせることも可能である。例えば、上記第1実施形態では、半導体層14のうち熱式流量センサS1のヒータ15a、15bが形成される領域をN型シリコンとし、圧力センサS2のゲージ抵抗18a〜18dが形成される領域をP型シリコンとしている。このような形態に対して、第3実施形態で示したように、半導体層14の面方位とシリコン基板10の面方位を45度ずらすようにしても良い。勿論、第2実施形態に示したように、半導体層14をすべてN型シリコンとする場合において、第3実施形態で示したように、半導体層14の面方位とシリコン基板10の面方位を45度ずらすようにしても良い。
また、上記実施形態では、ヒータ15a、15bは特許文献1の発熱抵抗体と測温抵抗体を兼用した構成であるものを例に挙げて説明したが、発熱抵抗体と測温抵抗体を別体とした構成であっても構わない。
さらに、上記実施形態では、ゲージ抵抗18a〜18dを有した歪センサとして圧力センサS2を例に挙げたが、加速度センサに関しても、上記各実施形態と同様に本発明を適用することができる。
また、空洞部11、12をシリコン基板10の裏面10bから表面10aまで貫通するように形成したが、予め表面10aに凹部を形成しておき、SOI層(半導体層14)を形成するためのシリコン基板の一面に絶縁膜13を形成した状態で、凹部を形成しておいたシリコン基板10とSOI層を形成するためのシリコン基板を貼り合わせるようにすれば、圧力基準室を構成することができるため、このような構造としても構わない。
なお、結晶の方位を示す場合、本来ならば所望の数字の上にバー(−)を付すべきであるが、パソコン出願に基づく表現上の制限が存在するため、本明細書においては、所望の数字の前にバーを付すものとする。
(a)は、本発明の第1実施形態を適用したセンサ装置1の概略平面構成を示す図であり、(b)は、(a)中のA−A線に沿ったセンサ装置1の概略断面構成を示す図である。 (a)、(b)は、それぞれ、N型シリコンとP型シリコンにおけるピエゾ抵抗係数と結晶方向の関係を示した相関図である。 (a)は、本実施形態を適用したセンサ装置1の概略平面構成を示す図であり、(b)は、(a)中のB−B線に沿ったセンサ装置1の概略断面構成を示す図である。 (a)、(b)は、シリコン基板10の裏面10bからのエッチングを行うときのエッチングマスクとなるシリコン窒化膜24のレイアウトおよび断面形状を示した図である。 シリコン基板10の裏面10bからのエッチングを行うときのエッチングシリコン窒化膜24のレイアウト図である。 (a)は、シリコン基板10の裏面10bからのエッチングを行うときのシリコン窒化膜24のレイアウト図、(b)は、シリコン基板10に形成された空洞部11、12のレイアウト図である。 (a)は、本実施形態を適用したセンサ装置1の概略平面構成を示す図であり、(b)は、(a)中のC−C線に沿ったセンサ装置1の概略断面構成を示す図である。
符号の説明
1…センサ装置、10…シリコン基板、10a…表面、10b…裏面、
10c、10d…開口部、11、12…空洞部、13…絶縁膜、14…半導体層、
15a、15b…ヒータ、16a、16b…温度計、17a〜17f…配線層、
18a〜18d…ゲージ抵抗、19a〜19d…配線層、20…絶縁膜、
21a〜21f…パッド、22a〜22d…パッド、23…シリコン窒化膜、
24…シリコン窒化膜、24a、24b…開口部、S1…熱式流量センサ、
S2…圧力センサ。

Claims (7)

  1. 熱式流量センサ(S1)と歪センサ(S2)が同一チップに形成された構成とされ、
    前記熱式流量センサ(S1)の形成領域に形成された第1空洞部(11)と、前記歪センサ(S2)の形成領域に形成された第2空洞部(12)とを有したシリコン基板(10)と、
    前記シリコン基板(10)の表面(10b)側において、前記第1、第2空洞部(11、12)を覆うように形成された絶縁膜(13)と、
    前記絶縁膜(13)の上において、前記熱式流量センサ(S1)の形成領域に備えられたヒータ(15a、15b)および配線層(17a〜17f)と、前記歪センサ(S2)の形成領域に備えられたゲージ抵抗(18a〜18d)を単結晶シリコンで構成した半導体層(14)とを有し、
    前記シリコン基板(10)を支持基板、前記絶縁膜(13)を埋め込み層、前記半導体層(14)をSOI層としたSOI基板を用いて形成され、前記シリコン基板(10)における前記第1、第2空洞部(11、12)に形成された前記絶縁膜(13)をメンブレンとして構成されたセンサ装置であって、
    前記半導体層(14)のうち、前記熱式流量センサ(S1)の形成領域と前記歪センサ(S2)の形成領域とで導電型が反転させられており、前記熱式流量センサ(S1)における前記ヒータ(15a、15b)の長手方向と前記歪センサ(S2)における前記ゲージ抵抗(18a〜18d)の長手方向が同じ方向とされ、かつ、前記熱式流量センサ(S1)における前記ヒータ(15a、15b)の長手方向は前記単結晶シリコンにおけるピエゾ抵抗効果が極小となる結晶方向、前記歪センサ(S2)における前記ゲージ抵抗(18a〜18d)の長手方向は前記単結晶シリコンにおけるピエゾ抵抗効果が極大となる結晶方向とされていることを特徴とするセンサ装置。
  2. 前記半導体層(14)のうち、前記熱式流量センサ(S1)の形成領域はN型シリコン、前記歪センサ(S2)の形成領域はP型シリコンとされており、前記熱式流量センサ(S1)における前記ヒータ(15a、15b)の長手方向および前記歪センサ(S2)における前記ゲージ抵抗(18a〜18d)の長手方向は[0−11]もしくは[011]の結晶方向と一致していることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
  3. 前記シリコン基板(10)の結晶面方位に対して、前記半導体層(14)を構成する前記単結晶シリコンの結晶面方位が45度ずらされていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
  4. 熱式流量センサ(S1)と歪センサ(S2)が同一チップに形成された構成とされ、
    前記熱式流量センサ(S1)の形成領域に形成された第1空洞部(11)と、前記歪センサ(S2)の形成領域に形成された第2空洞部(12)とを有したシリコン基板(10)と、
    前記シリコン基板(10)の表面(10b)側において、前記第1、第2空洞部(11、12)を覆うように形成された絶縁膜(13)と、
    前記絶縁膜(13)の上において、前記熱式流量センサ(S1)の形成領域に備えられたヒータ(15a、15b)および配線層(17a〜17f)と、前記歪センサ(S2)の形成領域に備えられたゲージ抵抗(18a〜18d)を単結晶シリコンで構成した半導体層(14)とを有し、
    前記シリコン基板(10)を支持基板、前記絶縁膜(13)を埋め込み層、前記半導体層(14)をSOI層としたSOI基板を用いて形成され、前記シリコン基板(10)における前記第1、第2空洞部(11、12)に形成された前記絶縁膜(13)をメンブレンとして構成され、
    前記半導体層(14)のうち、前記熱式流量センサ(S1)の形成領域と前記歪センサ(S2)の形成領域とで導電型が同じにされており、前記熱式流量センサ(S1)における前記ヒータ(15a、15b)の長手方向と前記歪センサ(S2)における前記ゲージ抵抗(18a〜18d)の長手方向が45度ずらされ、かつ、前記熱式流量センサ(S1)における前記ヒータ(15a、15b)の長手方向は前記単結晶シリコンにおけるピエゾ抵抗効果が極小となる結晶方向、前記歪センサ(S2)における前記ゲージ抵抗(18a〜18d)の長手方向は前記単結晶シリコンにおけるピエゾ抵抗効果が極大となる結晶方向とされたセンサ装置の製造方法であって、
    前記シリコン基板(10)として、厚さ方向の結晶面方位が(100)面となるものを用い、前記シリコン基板(10)の裏面(10b)にエッチングマスク(24)を配置し、アルカリのエッチング液にて前記第1、第2空洞部(11、12)を形成する際に、前記エッチングマスク(24)のうち前記第1空洞部(11)を形成するための開口部(24a)を矩形状、前記第2空洞部(12)を形成するための開口部(24b)を菱形もしくは十字型として前記第1、第2空洞部(11、12)を形成することことを特徴とするセンサ装置の製造方法。
  5. 熱式流量センサ(S1)と歪センサ(S2)が同一チップに形成された構成とされ、
    前記熱式流量センサ(S1)の形成領域に形成された第1空洞部(11)と、前記歪センサ(S2)の形成領域に形成された第2空洞部(12)とを有したシリコン基板(10)と、
    前記シリコン基板(10)の表面(10b)側において、前記第1、第2空洞部(11、12)を覆うように形成された絶縁膜(13)と、
    前記絶縁膜(13)の上において、前記熱式流量センサ(S1)の形成領域に備えられたヒータ(15a、15b)および配線層(17a〜17f)と、前記歪センサ(S2)の形成領域に備えられたゲージ抵抗(18a〜18d)を単結晶シリコンで構成した半導体層(14)とを有し、
    前記シリコン基板(10)を支持基板、前記絶縁膜(13)を埋め込み層、前記半導体層(14)をSOI層としたSOI基板を用いて形成され、前記シリコン基板(10)における前記第1、第2空洞部(11、12)に形成された前記絶縁膜(13)をメンブレンとして構成され、
    前記半導体層(14)のうち、前記熱式流量センサ(S1)の形成領域と前記歪センサ(S2)の形成領域とで導電型が同じにされており、前記熱式流量センサ(S1)における前記ヒータ(15a、15b)の長手方向と前記歪センサ(S2)における前記ゲージ抵抗(18a〜18d)の長手方向が45度ずらされ、かつ、前記熱式流量センサ(S1)における前記ヒータ(15a、15b)の長手方向は前記単結晶シリコンにおけるピエゾ抵抗効果が極小となる結晶方向、前記歪センサ(S2)における前記ゲージ抵抗(18a〜18d)の長手方向は前記単結晶シリコンにおけるピエゾ抵抗効果が極大となる結晶方向とされたセンサ装置の製造方法であって、
    前記シリコン基板(10)として、厚さ方向の結晶面方位が(100)面となるものを用い、前記シリコン基板(10)の裏面(10b)にエッチングマスク(24)を配置し、アルカリに有機溶剤を添加したエッチング液にて前記第1、第2空洞部(11、12)を形成する際に、前記エッチングマスク(24)のうち前記第1空洞部(11)を形成するための開口部(24a)を矩形状、前記第2空洞部(12)を形成するための開口部(24b)を円形として、前記第1、第2空洞部(11、12)を形成することを特徴とするセンサ装置の製造方法。
  6. 前記シリコン基板(10)の結晶面方位に対して、前記半導体層(14)を構成する前記単結晶シリコンの結晶面方位が45度ずらして配置することを特徴とする請求項4または5に記載のセンサ装置の製造方法。
  7. 前記半導体層(14)のうち、前記熱式流量センサ(S1)の形成領域はP型シリコン、前記歪センサ(S2)の形成領域はN型シリコンとされており、
    前記熱式流量センサ(S1)における前記ヒータ(15a、15b)の長手方向および前記歪センサ(S2)における前記ゲージ抵抗(18a〜18d)の長手方向は[010]の結晶方向と等価な方向と一致しており、
    前記シリコン基板(10)の結晶面方位に対して、前記半導体層(14)を構成する前記単結晶シリコンの結晶面方位が45度ずらされていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
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