次に、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体圧力センサの断面図であり、図2は、第1及び第2の抵抗体の配設位置を説明するための図である。図2において、図1に示す半導体圧力センサ10と同一構成部分には同一符号を付す。また、図2に示すBは、ダイアフラム11の外周縁(以下、「外周縁B」とする)を示している。
図1及び図2を参照するに、第1の実施の形態の半導体圧力センサ10は、ダイアフラム11と、支持体12と、第1の抵抗体13,14と、第2の抵抗体15,16と、保護膜18と、配線パターン21,22(図示せず),23,24とを有する。
ダイアフラム11は、外部から圧力が印加された際、変形可能なように薄板形状とされている。ダイアフラム11の外周部は、支持体12により支持されている。ダイアフラム11は、第1の抵抗体13,14と、第2の抵抗体15,16の一部とを形成するためのものである。ダイアフラム11は、平面視四角形とされている。ダイアフラム11の幅W1,W2は、例えば、500μmとすることができる。
第1の抵抗体13,14が形成される領域(以下、「第1の抵抗体形成領域A」とする)以外の領域に対応する部分のダイアフラム11の厚さM1(凸部25が形成されていない部分のダイアフラム11の厚さ)は、第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分のダイアフラム11の厚さM2よりも薄くなるように構成されている。
これにより、第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分のダイアフラム11の下面側には、凸部25が形成される。
第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分のダイアフラム11の厚さM2が40μmの場合、第1の抵抗体形成領域A以外の領域に対応する部分のダイアフラム11の厚さM1は、例えば、20μmとすることができる。突出部25の面25A(突出部25の下面)の幅W3は、例えば、200μmとすることができる。また、突出部25の面25Aの幅W4は、例えば、220μmとすることができる。凸部25の側面25Bは、傾斜面とされている。
このように、第1の抵抗体形成領域A以外の領域に対応する部分のダイアフラム11の厚さM1を、第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分のダイアフラム11の厚さM2よりも薄くしたことにより、ダイアフラム11に圧力が印加された際、第1の抵抗体13,14の変形が抑制されると共に、ダイアフラム11の外周縁Bに設けられた第2の抵抗体15,16が変形しやすくなるため、ダイアフラム11に印加された圧力を精度良く検出することができる。
支持体12は、ダイアフラム11の外周部に設けられている。支持体12は、ダイアフラム11と一体的に構成されている。支持体12は、ダイアフラム11を支持するためのものである。支持体12の厚さM3は、ダイアフラム11の厚さM2よりも厚くなるように設定されている。ダイアフラム11の厚さM2が40μmの場合、支持体12の厚さM3は、例えば、400μmとすることができる。
ダイアフラム11及び支持体12は、半導体基板をエッチングにより加工することで形成される。ダイアフラム11及び支持体12の母材となる半導体基板としては、例えば、Siウエハを用いることができる。
第1の抵抗体13,14は、ダイアフラム11の略中央に設けられている。第1の抵抗体13,14は、基準となる抵抗体である。そのため、第1の抵抗体13,14は、ダイアフラム11に圧力が印加されたときに、変形しないことが望ましい。平面視した状態において、第1の抵抗体13,14の幅W5,W6は、例えば、30μmとすることができ、第1の抵抗体13,14の長さL1,L2は、例えば、200μmとすることができる。
ダイアフラム11及び支持体12の母材となる半導体基板としてN型半導体基板を用いた場合、第1の抵抗体13,14は、例えば、ダイアフラム11にP型不純物を拡散させることで形成することができる。
第2の抵抗体15,16は、ダイアフラム11の外周縁Bに設けられている。第2の抵抗体15,16は、ダイアフラム11に圧力が印加されてダイアフラム11が変形した際、ダイアフラム11と共に変形する抵抗体である。平面視した状態において、第2の抵抗体15,16の幅W7,W8は、例えば、30μmとすることができ、第2の抵抗体15,16の長さL3,L4は、例えば、200μmとすることができる。
ダイアフラム11及び支持体12の母材となる半導体基板としてN型半導体基板を用いた場合、第2の抵抗体15,16は、例えば、ダイアフラム11にP型不純物を拡散させることで形成することができる。
保護膜18は、第1及び第2の抵抗体13〜16が形成されたダイアフラム11の上面と支持体12の上面とを覆うように設けられている。保護膜18には、第1の抵抗体13の上面を露出する開口部26A、第1の抵抗体14の上面を露出する図示していない開口部26B、第2の抵抗体15の上面を露出する開口部27A、及び第2の抵抗体16の上面を露出する開口部27Bが形成されている。保護膜18は、第1及び第2の抵抗体13〜16を保護するためのものである。保護膜18としては、例えば、CVD法により形成された酸化膜を用いることができる。保護膜18の厚さM4は、例えば、0.2μmとすることができる。
配線パターン21は、開口部26Aを充填すると共に、開口部26A内から保護膜18の上面に亘るように設けられている。配線パターン21は、第1の抵抗体13と接続されている。また、配線パターン21は、配線パターン23,24と接続されている。
配線パターン22(図示せず)は、開口部26B(図示せず)を充填すると共に、開口部26B(図示せず)内から保護膜18の上面に亘るように設けられている。配線パターン22(図示せず)は、第1の抵抗体14と接続されている。また、配線パターン22(図示せず)は、配線パターン23,24と接続されている。
配線パターン23は、開口部27Aを充填すると共に、開口部27A内から保護膜18の上面に亘るように設けられている。配線パターン23は、第2の抵抗体15と接続されている。
配線パターン24は、開口部27Bを充填すると共に、開口部27B内から保護膜18の上面に亘るように設けられている。配線パターン24は、第2の抵抗体16と接続されている。上記配線パターン21〜24間は、電気的に接続されている。
上記構成とされた半導体圧力センサ10は、第1及び第2の抵抗体13〜16の抵抗値の差分に基づいて、ダイアフラム11に印加された圧力を検出する。具体的には、例えば、第1の抵抗体14の抵抗値をR1、第2の抵抗体15の抵抗値をR2、第1の抵抗体13の抵抗値をR3、第2の抵抗体16の抵抗値をR4、駆動電流をIとした場合、半導体圧力センサ10は、下記(1)式により求められる出力電圧Vを圧力検出信号として出力する。
本実施の形態の半導体圧力センサによれば、第1の抵抗体形成領域A以外の領域に対応する部分のダイアフラム11の厚さM1を、第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分のダイアフラム11の厚さM2よりも薄くしたことにより、ダイアフラム11に圧力が印加された際、第1の抵抗体13,14の変形が抑制されると共に、ダイアフラム11の外周縁Bに設けられた第2の抵抗体15,16が変形しやすくなるため、ダイアフラム11に印加された圧力を精度良く検出することができる。
図3〜図6は、異なる厚さを有する他のダイアフラムを説明するための図である。図3〜図6において、第1の実施の形態の半導体圧力センサ10と同一構成部分には同一符号を付す。また、図3〜図6において、G,I,N,Pは、第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分のダイアフラム11の厚さM2よりも薄い厚さM1とされたダイアフラム11部分(以下、「厚さの薄いダイアフラム部分G,I,N,P」とする)を示している。
本実施の形態では、第1の抵抗体形成領域A以外の全ての領域に対応するダイアフラム11部分の厚さを薄くした場合を例に挙げて説明したが、第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分のダイアフラム11よりも厚さを薄くするダイアフラム11部分は本実施の形態の位置に限定されない。
例えば、図3に示すように、厚さの薄いダイアフラム部分Gを平面視四角形のダイアフラム11の4つの角部に配置してもよい。例えば、厚さの薄いダイアフラム部分Gは、平面視3角形にすることができる。ダイアフラム11の幅W1,W2が500μmの場合、厚さの薄いダイアフラム部分Gの2辺の長さJ1,J2は、例えば、200μmとすることができる。
また、図4に示すように、厚さの薄いダイアフラム部分Iを平面視四角形のダイアフラム11の2辺に亘るように複数(図4の場合は4つ)配置してもよい。また、厚さの薄いダイアフラム部分Iは、第2の抵抗体15と第2の抵抗体16を通過する平面に対して対称となるように配置するとよい。厚さの薄いダイアフラム部分Iの幅K1は、例えば、100μmとすることができる。
さらに、図5に示すように、厚さの薄いダイアフラム部分Nを平面視四角形のダイアフラム11の対向する2辺に亘るように複数(図5の場合は2つ)配置してもよい。また、厚さの薄いダイアフラム部分Nは、第2の抵抗体15と第2の抵抗体16を通過する平面に対して対称となるように配置するとよい。厚さの薄いダイアフラム部分Nの幅K2は、例えば、100μmとすることができる。
また、図6に示すように、厚さの薄いダイアフラム部分Pを平面視四角形のダイアフラム11の3辺に亘るように2つ配置してもよい。また、厚さの薄いダイアフラム部分Pは、第2の抵抗体15と第2の抵抗体16を通過する平面に対して対称となるように配置するとよい。厚さの薄いダイアフラム部分Pの幅K3は、例えば、150μmとすることができる。
図7〜図14は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体圧力センサの製造工程を示す図である。図7〜図14において、第1の実施の形態の半導体圧力センサ10と同一構成部分には同一符号を付す。また、図7〜図14において、第1の抵抗体14、配線パターン22、及び開口部26Bの図示を省略する。
図7〜図14を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る半導体圧力センサ10の製造方法について説明する。始めに、図7に示す工程では、ダイアフラム11及び支持体12を形成するための母材となる半導体基板31を準備する。半導体基板31としては、例えば、シリコンウエハを用いることができる。半導体基板31の厚さM5は、支持体12の厚さM3(図1参照)と略等しい。支持体12の厚さM3が400μmの場合、半導体基板31の厚さM5は、例えば、400μmとすることができる。
次いで、図8に示す工程では、半導体基板31の上面31側に、周知の手法を用いて、第1の抵抗体13,14(図示せず)、第2の抵抗体15,16、開口部26A,26B(図示せず),27A,27Bを有した保護膜18、及び配線パターン21,22(図示せず),23,24を形成する。
次いで、図9に示す工程では、半導体基板31の下面31Bに開口部33Aを有したレジスト膜33を形成する。
次いで、図10に示す工程では、レジスト膜33をマスクとして、半導体基板31の下面31B側から半導体基板31をエッチングして、凹部35を形成する。凹部35を形成する際のエッチング方法としては、例えば、ウエットエッチング法を用いることができる。凹部35の深さD1は、凹部35の上方に位置する部分の半導体基板31の厚さが凸部25の厚さM2となるように設定する。厚さM2は、例えば、40μmとすることができる。
凹部35の底面35Aは、平坦な面とされている。凹部35の底面35Aの一部は、突出部25の面25A(図1参照)となる。また、凹部35の側面35Bは、半導体基板31の下面31Bから上面31Aに向かうにつれて、幅が狭くなるような傾斜面とされている。
次いで、図11に示す工程では、図10に示すレジスト膜33を除去する。次いで、図12に示す工程では、突出部25の面25A(図1参照)に対応する部分の凹部35の底面35Aと、半導体基板31の下面31Bとを覆うようにレジスト膜37を形成する。
次いで、図13に示す工程では、レジスト膜37をマスクとして、レジスト膜37から露出された凹部35の底面35Aに対応する部分の半導体基板31を異方性エッチングして、第1の抵抗体形成領域Aに凸部25を形成する。これにより、凸部25を有したダイアフラム11と支持体12とが同時に形成される。また、エッチングは、第1の抵抗体形成領域A以外の領域に対応する部分のダイアフラム11が厚さM1となるように行う。ダイアフラム11の厚さM1は、例えば、20μmとすることができる。
次いで、図14に示す工程では、図13に示すレジスト膜37を除去する。これにより、半導体装置10が製造される。
(第2の実施の形態)
図15は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体圧力センサの断面図であり、図16は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体圧力センサに設けられたダイアフラムを説明するための図である。図15及び図16において、第1の実施の形態の半導体圧力センサ10と同一構成部分には同一符号を付す。また、図15では、第1の抵抗体14、配線パターン22、及び開口部26Bの図示を省略する。
図15及び図16を参照するに、第2の実施の形態の半導体圧力センサ40は、第1の実施の形態の半導体圧力センサ10に設けられたダイアフラム11の代わりにダイアフラム41を設けた以外は半導体圧力センサ10と同様な構成とされている。
ダイアフラム41は、第1の実施の形態で説明したダイアフラム11に設けられた凸部25の代わりに凸部42を設けた以外はダイアフラム11と同様な構成とされている。
第1の抵抗体形成領域A以外の領域に対応する部分のダイアフラム41の厚さM7(凸部42が形成されていない部分のダイアフラム41の厚さ)は、第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分のダイアフラム41の厚さM6よりも薄くなるように構成されている。
これにより、第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分のダイアフラム41の上面側には、凸部42が形成される。
第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分のダイアフラム41の厚さM6が40μmの場合、第1の抵抗体形成領域A以外の領域に対応する部分のダイアフラム41の厚さM7は、例えば、20μmとすることができる。突出部42の上面25Aの幅W9は、例えば、200μmとすることができる。また、突出部42の上面25Aの幅W10は、例えば、220μmとすることができる。凸部42の側面42Bは、傾斜面とされている。
このように、第1の抵抗体形成領域A以外の領域に対応する部分のダイアフラム41の厚さM7を、第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分のダイアフラム41の厚さM6よりも薄くしたことにより、ダイアフラム41に圧力が印加された際、第1の抵抗体13,14の変形が抑制されると共に、ダイアフラム41の外周縁Bに設けられた第2の抵抗体15,16が変形しやすくなるため、ダイアフラム41に印加された圧力を精度良く検出することができる。
また、凸部42の側面42Bを傾斜面とすることにより、凸部42の側面42Bが垂直面である場合と比較して、凸部42の側面42Bと保護膜18との密着性を向上させることができる。
本実施の形態の半導体圧力センサによれば、第1の抵抗体形成領域A以外の領域に対応する部分のダイアフラム41の厚さM7を、第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分のダイアフラム41の厚さM6よりも薄くしたことにより、ダイアフラム41に圧力が印加された際、第1の抵抗体13,14の変形が抑制されると共に、ダイアフラム41の外周縁Bに設けられた第2の抵抗体15,16が変形しやすくなるため、ダイアフラム41に印加された圧力を精度良く検出することができる。
図17〜図23は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体圧力センサの製造工程を示す図である。図17〜図23において、第2の実施の形態の半導体圧力センサ40と同一構成部分には同一符号を付す。また、図17〜図23において、第1の抵抗体14、配線パターン22、及び開口部26Bの図示を省略する。
図17〜図23を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る半導体圧力センサ40の製造方法について説明する。始めに、図17に示す工程では、第1の実施の形態の図7に示す半導体基板31上に、レジスト膜45を形成する。レジスト膜45は、凸部42(図15参照)の形成領域に対応する部分の半導体基板31上にのみ形成する。半導体基板31としては、例えば、シリコンウエハを用いることができる。半導体基板31の厚さM5は、例えば、420μmとすることができる。
次いで、図18に示す工程では、レジスト膜45をマスクとして、半導体基板31をエッチングして凸部42を形成する。このとき、凸部42の側面42Bが傾斜面となるように半導体基板31をエッチングする。凸部42の高さE(エッチング後の半導体基板31の上面31Cを基準としたときの高さ)は、例えば、20μmとすることができる。
次いで、図19に示す工程では、図18に示すレジスト膜45を除去する。次いで、図20に示す工程では、図19に示す構造体の上面側に、周知の手法を用いて、第1の抵抗体13,14(図示せず)、第2の抵抗体15,16、開口部26A,26B(図示せず),27A,27Bを有した保護膜18、及び配線パターン21,22(図示せず),23,24を形成する。次いで、図21に示す工程では、半導体基板31の下面31Bに開口部47Aを有したレジスト膜47を形成する。
次いで、図22に示す工程では、レジスト膜47をマスクとして、半導体基板31の下面31B側から半導体基板31をエッチングして、凹部49を形成する。これにより、ダイアフラム41と支持体12とが形成される。凹部49の深さD2は、第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分のダイアフラム41が厚さM6、第1の抵抗体形成領域A以外の領域に対応する部分のダイアフラム41が厚さM7となるように設定する。
第1の抵抗体形成領域A以外の領域に対応する部分のダイアフラム41の厚さM7は、第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分のダイアフラム41の厚さM6よりも薄くする。ダイアフラム41の厚さM6が40μmの場合、薄い部分のダイアフラム41の厚さM7は、例えば、20μmとすることができる。
次いで、図23に示す工程では、図22に示すレジスト膜47を除去する。これにより、半導体圧力センサ40が製造される。
(第3の実施の形態)
図24は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体圧力センサの断面図である。図24において、第1の実施の形態の半導体圧力センサ10と同一構成部分には同一符号を付す。また、図24では、第1の抵抗体14、配線パターン22、及び開口部26Bの図示を省略する。
図24を参照するに、第3の実施の形態の半導体圧力センサ60は、第1の実施の形態の半導体圧力センサ10に設けられたダイアフラム11の代わりに、ダイアフラム61を設けた以外は半導体圧力センサ10と同様に構成される。
ダイアフラム61は、第1の実施の形態で説明したダイアフラム11の構成に、第2の実施の形態で説明した凸部42を設けた以外はダイアフラム11と同様に構成される。ダイアフラム61は、ダイアフラム61の上面側に設けられた凸部42と、ダイアフラム61の下面側に設けられ、凸部42の下方に配置された凸部25とを有した構成とされている。凸部25,42は、第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分のダイアフラム61に設けられている。
第1の抵抗体形成領域A以外の領域に対応する部分のダイアフラム61の厚さM9は、第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分(凸部25,42が形成された部分)のダイアフラム61の厚さM8よりも薄い。ダイアフラム61の厚さM8が60μmの場合、薄い部分のダイアフラム61の厚さM9は、例えば、20μmとすることができる。
本実施の形態の半導体圧力センサによれば、第1の抵抗体形成領域A以外の領域に対応する部分のダイアフラム61の厚さM9を、第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分のダイアフラム61の厚さM8よりも薄くしたことにより、ダイアフラム61に圧力が印加された際、第1の抵抗体13,14の変形が抑制されると共に、ダイアフラム61の外周縁に設けられた第2の抵抗体15,16が変形しやすくなるため、ダイアフラム61に印加された圧力を精度良く検出することができる。
また、本実施の形態の半導体圧力センサ60は、第2の実施の形態で説明した図17〜20に示す工程と同様な処理を行った後、第1の実施の形態で説明した図9〜図14に示す工程と同様な処理を行うことにより製造することができる。
(第4の実施の形態)
図25は、本発明の第4の実施の形態に係る半導体圧力センサの断面図である。図25において、第1の実施の形態の半導体圧力センサ10と同一構成部分には同一符号を付す。また、図25では、第1の抵抗体14、配線パターン22、及び開口部73Bの図示を省略する。
図25を参照するに、第4の実施の形態の半導体圧力センサ70は、第1の実施の形態の半導体圧力センサ10に設けられたダイアフラム11及び保護膜18の代わりに、ダイアフラム71及び保護膜72を設けた以外は半導体圧力センサ10と同様に構成される。
ダイアフラム71は、薄板形状とされている。ダイアフラム71の厚さM10は、例えば、20μmとすることができる。
保護膜72は、第1及び第2の抵抗体13,14(図示せず),15,16が形成されたダイアフラム71の上面、及び支持体12の上面を覆うように設けられている。保護膜72は、第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分に設けられた保護膜72−1と、第1の抵抗体形成領域A以外の領域に対応する部分に設けられた保護膜72−2とから構成されている。保護膜72−1には、第1の抵抗体13の上面を露出する開口部73Aと、第1の抵抗体14の上面を露出する開口部73Bと(図示せず)が形成されている。保護膜72−2には、第2の抵抗体15の上面を露出する開口部74Aと、第2の抵抗体16の上面を露出する開口部74Bとが形成されている。
第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分に設けられた保護膜72−1の厚さM12は、第1の抵抗体形成領域A以外の領域に対応する部分に設けられた保護膜72−2の厚さM11よりも厚くなるように構成されている。
このように、第1の抵抗体形成領域Aに対応する部分に設けられた保護膜72−1の厚さM12を、第1の抵抗体形成領域A以外の領域に対応する部分に設けられた保護膜72−2の厚さM11よりも厚くすることにより、ダイアフラム71に圧力が印加された際、第1の抵抗体13,14が変形しにくくなる。これにより、基準となる第1の抵抗体13,14の変形が抑制されるので、ダイアフラム71に印加された圧力を精度良く検出することができる。
保護膜72−2の厚さM11が0.2μmの場合、保護膜72−1の厚さM12は、例えば、2μmとすることができる。
図26〜図30は、本発明の第4の実施の形態に係る半導体圧力センサの製造工程を示す図である。図26〜図30において、第4の実施の形態の半導体圧力センサ70と同一構成部分には同一符号を付す。また、図26〜図30では、第1の抵抗体14、配線パターン22、及び開口部73Bの図示を省略する。
図26〜図30を参照して、本発明の第4の実施の形態に係る半導体圧力センサ70の製造方法について説明する。始めに、図26に示す工程では、半導体基板31の上面31A側に第1及び第2の抵抗体13,14(図示せず),15,16を形成し、その後、第1及び第2の抵抗体13,14(図示せず),15,16と半導体基板31の上面31Aとを覆うように保護膜76を形成する。半導体基板31としては、例えば、シリコンウエハを用いることができる。半導体基板31の厚さM5は、例えば、400μmとすることができる。保護膜76は、後述する図28に示す工程でエッチングされることにより、厚さの異なる保護膜72−1,72−2を有する保護膜72(図25参照)となる膜である。保護膜76の厚さM13は、保護膜72−1の厚さM12(図25参照)と略等しい。保護膜76の厚さM13は、例えば、2μmとすることができる。保護膜76としては、例えば、CVD法により形成された酸化膜を用いることができる。
次いで、図27に示す工程では、第1の抵抗体13,14(図示せず)の形成領域Aに対応する部分の半導体基板31上に設けられた保護膜76を覆うようにレジスト膜78を形成する。
次いで、図28に示す工程では、レジスト膜78をマスクとして、図27に示す保護膜76をエッチングすることにより、第1の抵抗体13,14(図示せず)の形成領域Aに対応する部分の半導体基板31上に保護膜72−2よりも厚さの厚い保護膜72−1を形成し、第1の抵抗体13,14(図示せず)の形成領域A以外の領域に対応する部分の半導体基板31上に保護膜72−1よりも厚さの薄い保護膜72−2を形成する。これにより、厚さの異なる保護膜72−1,72−2を有した保護膜72が形成される。保護膜72−1の厚さM12は、図27に示す保護膜76の厚さM13と略等しい。保護膜72−1の厚さM12は、例えば、2μmとすることができる。また、保護膜72−2の厚さM11は、例えば、0.2μmとすることができる。
次いで、図29に示す工程では、図28に示すレジスト膜78を除去し、次いで、周知の手法により保護膜72に開口部73A,73B(図示せず),74A,74Bを形成し、その後、周知の手法により配線パターン21,22(図示せず),23,24を形成する。
次いで、図30に示す工程では、第1の実施の形態で説明した図9〜図11に示す工程と同様な処理を行うことにより、ダイアフラム71及び支持体12を形成する。これにより、半導体圧力センサ70が製造される。ダイアフラム71の厚さM10は、例えば、20μmとすることができる。また、支持体12の厚さM3は、例えば、400μmとすることができる。
なお、本実施の形態では、厚さが略均一とされた板状のダイアフラム71に、厚さの異なる保護膜72−1,72−2を有した保護膜72を設けた場合を例に挙げて説明したが、先に説明した第1〜第3の実施の形態の半導体圧力センサ10,40,60に設けられた保護膜18の代わりに、本実施の形態で説明した保護膜72を設けてもよい。
(第5の実施の形態)
図31は、本発明の第5の実施の形態に係る半導体圧力センサの断面図であり、図32は、第1及び第2の抵抗体が形成されたダイアフラム及び支持体の平面図である。図31及び図32において、第1の実施の形態の半導体圧力センサ10と同一構成部分には同一符号を付す。また、図31では、第1の抵抗体14、配線パターン22、開口部73B、及び貫通部82の図示を省略する。
図31及び図32を参照するに、第5の実施の形態の半導体圧力センサ80は、第1の実施の形態の半導体圧力センサ10に設けられたダイアフラム11の代わりにダイアフラム81を設けた以外は半導体圧力センサ10と同様に構成される。
ダイアフラム81は、薄板形状とされている。ダイアフラム81は、平面視四角形の形状とされている。ダイアフラム81は、4つの貫通部82を有する。貫通部82は、平面視四角形のダイアフラム81の隣接する2辺に亘るように形成されている。4つの貫通部82は、第2の抵抗体15と第2の抵抗体16とを通過する平面に対して対称となるように配置されている。ダイアフラム81の幅W1,W2が500μmの場合、貫通部82の幅K4は、例えば、5μmとすることができる。また、ダイアフラム81の厚さM14は、例えば、20μmとすることができる。
このように、平面視四角形のダイアフラム81の隣接する2辺に亘るように4つの貫通部82をダイアフラム81に設けると共に、4つの貫通部82を第2の抵抗体15と第2の抵抗体16とを通過する平面に対して対称となるように配置することにより、第2の抵抗体15,16が一様に変形しやすくなるため、ダイアフラム81に印加された圧力を精度良く検出することができる。
本実施の形態の半導体圧力センサによれば、平面視四角形のダイアフラム81の隣接する2辺に亘るように4つの貫通部82をダイアフラム81に設けると共に、4つの貫通部82を第2の抵抗体15と第2の抵抗体16とを通過する平面に対して対称となるように配置することにより、第2の抵抗体15,16が一様に変形しやすくなるため、ダイアフラム81に印加された圧力を精度良く検出することができる。
本実施の形態の半導体圧力センサ80は、第1の実施の形態で説明した図7〜図11に示す工程と同様な処理を行って、貫通部82が設けられていないダイアフラム81を形成し、その後、ダイアフラム81の下面側にレジスト膜を形成し、このレジスト膜をマスクとしてダイアフラム81をエッチングして4つの貫通部82を形成することにより製造する。
なお、本実施の形態では、4つの貫通部82をダイアフラム81に設けた場合を例に挙げて説明したが、貫通部82の数はこれに限定されない。例えば、8つの貫通部82をダイアフラム81に設けてもよい。
図33は、ダイアフラムに形成する貫通部の他の例を示す図である。図33において、図32に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
また、ダイアフラム81に設けられた4つの貫通部82の代わりに、図33に示す2つの貫通部85をダイアフラム81に設けてもよい。図33を参照するに、貫通部85は、平面視四角形とされたダイアフラム81の対向する2辺に亘るように設けられている。2つの貫通部85は、第2の抵抗体15と第2の抵抗体16とを通過する平面に対して対称となるように配置されている。ダイアフラム81の幅W1,W2が500μmの場合、貫通部85の幅K5は、例えば、5μmとすることができる。
上記2つの貫通部85を有するダイアフラム81を備えた半導体圧力センサは、第5の実施の形態の半導体圧力センサ80と同様な効果を得ることができる。
また、本実施の形態で説明した貫通部82及び/又は貫通部85を第1〜第4の実施の形態で説明したダイアフラム11,41,61,71に設けてもよい。
(第6の実施の形態)
図34は、本発明の第6の実施の形態に係る半導体圧力センサの断面図であり、図35は、第1及び第2の抵抗体が形成されたダイアフラム及び支持体の平面図である。図34及び図35において、第5の実施の形態の半導体圧力センサ80と同一構成部分には同一符号を付す。また、図34では、貫通部82の図示を省略する。
図34及び図35を参照するに、第6の実施の形態の半導体圧力センサ90は、第5の実施の形態の半導体圧力センサ80に設けられた第1の抵抗体13,14、保護膜18に形成された開口部26A,26B、及び配線パターン21,22の配設位置を変えた以外は半導体圧力センサ80と同様に構成される。
第1の抵抗体13,14は、支持体12の上面側に設けられている。このように、薄板化されたダイアフラム81よりも厚さの厚い支持体12に、第1の抵抗体13,14を設けることにより、ダイアフラム81が圧力を受けた際、第1の抵抗体13,14が変形しにくくなるため、ダイアフラム81に印加された圧力を精度良く検出することができる。
ダイアフラム81の厚さM14は、例えば、20μmとすることができる。また、支持体12の厚さM3は、例えば、400μmとすることができる。
開口部26Aは、第1の抵抗体13上に設けられた部分の保護膜18に形成されている。開口部26Bは、第1の抵抗体14上に設けられた部分の保護膜18に形成されている。
本実施の形態の半導体圧力センサによれば、薄板化されたダイアフラム81よりも厚さの厚い支持体12に、第1の抵抗体13,14を設けることにより、ダイアフラム81が圧力を受けた際、第1の抵抗体13,14が変形しにくくなるため、ダイアフラム81に印加された圧力を精度良く検出することができる。
本実施の形態の半導体圧力センサ90は、第5の実施の形態の半導体圧力センサ80と同様な手法により製造することができる。
なお、先に説明した第1〜第5の実施の形態の半導体圧力センサ10,40,60,70,80に設けられた第1の抵抗体13,14を支持体12上に配置してもよい。この場合、本実施の形態の半導体圧力センサ90と同様な効果を得ることができる。
(第7の実施の形態)
図36は、本発明の第7の実施の形態に係る半導体圧力センサの断面図である。図36において、第1の実施の形態の半導体圧力センサ10と同一構成部分には同一符号を付す。また、図36では、第1の抵抗体14、配線パターン22、及び開口部26Bの図示を省略する。
図36を参照するに、第7の実施の形態の半導体圧力センサ100は、第1の実施の形態の半導体圧力センサ10に設けられたダイアフラム11の代わりにダイアフラム101を設けると共に、さらに熱酸化膜102及び保護膜103を設けた以外は半導体圧力センサ10と同様に構成される。
ダイアフラム101は、薄板形状とされている。ダイアフラム101の厚さM15は、例えば、20μmとすることができる。ダイアフラム101の下方には、凹部105が形成されている。
凹部105は、図36に示す半導体圧力センサ100の下面側から上面側に向かうにつれて、幅が狭くなるような形状とされている。凹部105の底面105Aは、ダイアフラム101の下面に相当する面である。凹部105の側面105Bは、傾斜面とされている。凹部105の側面105Bは、支持体12の内壁に相当する面である。ダイアフラム101及び支持体12の母材としては、例えば、半導体基板を用いることができる。ダイアフラム101及び支持体12を形成する際の母材となる半導体基板としては、例えば、シリコンウエハを用いることができる。
図37は、本発明の第7の実施の形態に係る半導体圧力センサに設けられた熱酸化膜を説明するための図である。
図36及び図37を参照するに、熱酸化膜102は、凹部105の底面105Aと凹部105の側面105Bと境界に対応する部分(以下、「境界部分105C」とする)のダイアフラム101及び支持体12に設けられている。熱酸化膜102は、平面視額縁形状とされている。熱酸化膜102は、境界部分105Cに対応するダイアフラム101及び支持体12(具体的には、境界部分105Cに対応する半導体基板)を熱酸化することで形成する。熱酸化膜102は、ダイアフラム101及び支持体12の母材となる半導体基板よりも機械的強度の弱い部材である。
熱酸化膜102は、凹部105の底面105A及び側面105Bよりも支持体12側に設けられた熱酸化膜102−1と、凹部105の底面105A及び側面105Bよりも凹部105側に設けられた熱酸化膜102−2とを有する。
凹部105の角Pに設けられた熱酸化膜102の厚さM16は、例えば、0.4μmとすることができる。熱酸化膜102の幅W11は、例えば、5μmとすることができる。また、熱酸化膜102−1の厚さM17は、例えば、0.24μmとすることができる。
このように、凹部105の底面105Aと側面105Bとの境界部分105Cに対応するダイアフラム101及び支持体12に熱酸化膜102を設けることにより、ダイアフラム101と支持体12との境界に対応する半導体基板の一部が機械的強度の弱い熱酸化膜102−1になるため、ダイアフラム101が圧力を受けた際、第2の抵抗体15,16が変形しやすくなるので、ダイアフラム101に印加された圧力を精度良く検出することができる。
保護膜103は、支持体12の下面に設けられている。保護膜103は、保護膜18を形成する際に、支持体12の下面に形成される膜である。保護膜103としては、例えば、CVD法により形成された酸化膜を用いることができる。保護膜103の厚さは、保護膜18の厚さM4と略等しい。保護膜103の厚さは、例えば、0.3μmとすることができる。なお、保護膜103は設けても設けなくてもどちらでもよい。
本実施の形態の半導体圧力センサによれば、凹部105の底面105Aと側面105Bとの境界部分105Cに対応するダイアフラム101及び支持体12に熱酸化膜102を設けることにより、ダイアフラム101と支持体12との境界に対応する半導体基板の一部が機械的強度の弱い熱酸化膜102−1になるため、第2の抵抗体15,16が変形しやすくなるので、ダイアフラム101に印加された圧力を精度良く検出することができる。
図38〜図48は、本発明の第7の実施の形態に係る半導体圧力センサの製造工程を示す図であり、図49は、図46に示すダイアフラムと支持体との境界部分を拡大した図である。図38〜図49において、第7の実施の形態の半導体圧力センサ100と同一構成部分には同一符号を付す。また、図38〜図48において、第1の抵抗体14、配線パターン22、開口部73B、及び開口部26Bの図示を省略する。
図38〜図49を参照して、本発明の第7の実施の形態に係る半導体圧力センサ100の製造方法について説明する。始めに、図38に示す工程では、半導体基板31の上面31A側に、第1及び第2の抵抗体13,14(図示せず),15,16を形成する。半導体基板31としては、例えば、シリコンウエハを用いることができる。半導体基板31がP型基板である場合、N型不純物を半導体基板31に拡散させることで第1及び第2の抵抗体13,14(図示せず),15,16を形成する。半導体基板31の厚さM5は、例えば、400μmとすることができる。
次いで、図39に示す工程では、半導体基板31の上面31Aに保護膜18を形成し、半導体基板31の下面31Bに保護膜103を形成する。保護膜18,103は、同時に形成する。次いで、保護膜18上にSiN膜111を形成し、保護膜103の下面にSiN膜112を形成する。SiN膜111,112は、同時に形成する。
保護膜18,103としては、例えば、酸化膜を用いることができる。保護膜18,103は、例えば、CVD法により形成することができる。保護膜18,103の厚さは、例えば、0.3μmとすることができる。SiN膜111,112は、例えば、CVD法により形成することができる。また、SiN膜111,112の厚さは、例えば、0.14μmとすることができる。
次いで、図40に示す工程では、SiN膜112の下面に開口部114Aを有したレジスト膜114を形成し、次いで、レジスト膜114をマスクとして開口部114Aの形成領域に対応する部分のSiN膜112及び保護膜103をエッチングする。このエッチングにより、SiN膜112及び保護膜103に半導体基板31の下面31Bを露出する開口部117が形成される。SiN膜112及び保護膜103をエッチングする方法としては、例えば、ドライエッチング法を用いることができる。
次いで、図41に示す工程では、図40に示すレジスト膜114を除去する。次いで、図42に示す工程では、半導体基板31の下面31Bに形成されたSiN膜112及び保護膜103をマスクとして、開口部117に露出された部分の半導体基板31をエッチングして凹部105を形成する(ダイアフラム及び支持体形成工程)。これにより、ダイアフラム101及び支持体12が同時に形成される。凹部105は、ダイアフラム101が厚さM15となるように形成する。ダイアフラム101の厚さM15は、例えば、***μmとすることができる。支持体12の厚さM3は、半導体基板31の厚さM5と略等しい。支持体12の厚さM3は、例えば、400μmとすることができる。
次いで、図43に示す工程では、凹部105の底面105A及び側面105Bを覆うようにSiN膜116を形成する(絶縁膜形成工程)。このとき、CVD法を用いてSiN膜116を形成する場合、図43に示すように、図42に示す構造体の上面側及び下面側を覆うようにSiN膜116が形成される。SiN膜116の厚さM18は、例えば、0.14μmとすることができる。
次いで、図44に示す工程では、図43に示す構造体の下面側に開口部118Aを有したレジスト膜118を形成し、次いで、レジスト膜118をマスクとして、開口部118Aに露出された部分のSiN膜116をエッチングして、SiN膜116に開口部116Aを形成する(開口部形成工程)。開口部116Aは、凹部105の底面105Aと側面105Bとの境界部分105Cに対応するダイアフラム101及び支持体12を露出するように形成する。開口部116Aは、例えば、平面視した状態において、額縁状に形成することができる。
次いで、図45に示す工程では、図44に示すレジスト膜118を除去する。次いで、図46に示す工程では、熱酸化法により、凹部105の底面105Aと側面105Bとの境界部分105Cに対応するダイアフラム101及び支持体12を酸化して、熱酸化膜102−1,102−2よりなる熱酸化膜102を形成する(熱酸化膜形成工程)。
このように、凹部105の底面105Aと側面105Bとの境界部分105Cに対応するダイアフラム101及び支持体12を熱酸化して熱酸化膜102を形成することにより、ダイアフラム101と支持体12との境界に対応する半導体基板31の一部を機械的強度の弱い熱酸化膜102−1にして、第2の抵抗体15,16を変形させやすくすることができる。
熱酸化膜102の幅W11は、例えば、5μmとすることができる。また、図49に示すように、熱酸化膜102の厚さM16は、例えば、0.4μmとすることができる。
また、凹部105の角Pよりも支持体12側に設けられた熱酸化膜102−1の厚さM17は、例えば、0.24μmとすることができる。
次いで、図47に示す工程では、図46に示すSiN膜111,112,116を除去する。次いで、図48に示す工程では、周知の手法により、保護膜18に開口部26A,26B(図示せず),27A,27Bを形成し、その後、配線パターン21,22(図示せず),23,24を形成する。これにより、半導体圧力センサ100が製造される。
本実施の形態の半導体圧力センサの製造方法によれば、凹部105の底面105Aと側面105Bとの境界部分105Cに対応するダイアフラム101及び支持体12を熱酸化して熱酸化膜102を形成することにより、ダイアフラム101と支持体12との境界に対応する半導体基板31の一部が機械的強度の弱い熱酸化膜102−1になるため、第2の抵抗体15,16を変形させやすくすることが可能となるので、ダイアフラム101に印加された圧力を精度良く検出することができる。
図50は、本発明の第7の実施の形態の変形例に係る半導体圧力センサを示す断面図である。図50において、第7の実施の形態の半導体圧力センサ100と同一構成部分には同一符号を付す。
なお、本実施の形態では、第1の抵抗体13,14(図示せず)をダイアフラム101の略中央に設けた場合を例に挙げて説明したが、図50に示すように、第1の抵抗体13,14(図示せず)を支持体12に設けてもよい。
また、本実施の形態の半導体圧力センサ100に設けられた保護膜18の代わりに、第4の実施の形態の半導体圧力センサ70に設けられた保護膜72を設けてもよい。
(第8の実施の形態)
図51は、本発明の第8の実施の形態に係る半導体圧力センサの断面図であり、図52は、図51に示す半導体圧力センサに設けられたダイアフラムと支持体との境界部分を拡大した図である。図51及び図52において、底面105Aは熱酸化膜131が形成される前の凹部105の底面、側面105Bは熱酸化膜131が形成される前の凹部105の側面、底面105A−1は熱酸化膜131形成後の凹部105の底面、側面105B−1は熱酸化膜131形成後の凹部105の側面をそれぞれ示している。
図51及び図52を参照するに、第8の実施の形態の半導体圧力センサ130は、第7の実施の形態の半導体圧力センサ100に設けられた熱酸化膜102の代わりに、熱酸化膜131を設けた以外は半導体圧力センサ100と同様に構成される。
熱酸化膜131は、凹部105の底面105A及び側面105Bに対応する部分のダイアフラム101及び支持体12を覆うように設けられている。熱酸化膜131は、凹部105の底面105A及び側面105Bに対応する部分のダイアフラム101及び支持体12を熱酸化することで形成される膜である。
熱酸化膜131は、熱酸化膜131−1と、熱酸化膜131−2とを有する。熱酸化膜131−1は、凹部105の底面105Aよりもダイアフラム101側に設けられている。また、熱酸化膜131−1は、凹部105の側面105Bよりも支持体12側にも設けられている。熱酸化膜131−2は、凹部105の底面105A及び側面105Bよりも凹部105側に設けられている。
このように、凹部105の底面105A及び側面105Bに対応する部分のダイアフラム101及び支持体12を覆う熱酸化膜131を設けることにより、ダイアフラム101と支持体12との境界に対応する半導体基板の一部が機械的強度の弱い熱酸化膜131−1になるため、第2の抵抗体15,16が変形しやすくなるので、ダイアフラム101に印加された圧力を精度良く検出することができる。
凹部105の角Pに対応する部分に設けられた熱酸化膜102の厚さM19は、例えば、0.4μmとすることができる。また、凹部105の角Pに対応する部分に設けられた熱酸化膜131−1の厚さM20は、例えば、0.24μmとすることができる。
本実施の形態の半導体圧力センサによれば、凹部105の底面105A及び側面105Bに対応する部分のダイアフラム101及び支持体12を覆う熱酸化膜131を設けることにより、ダイアフラム101と支持体12との境界に対応する半導体基板の一部が機械的強度の弱い熱酸化膜131−1になるため、第2の抵抗体15,16が変形しやすくなるので、ダイアフラム101に印加された圧力を精度良く検出することができる。
図53〜図55は、本発明の第8の実施の形態に係る半導体圧力センサの製造工程を示す図であり、図56は、図53に示すダイアフラムと支持体との境界部分を拡大した図である。図53〜図56において、本実施の形態の半導体圧力センサ130と同一構成部分には同一符号を付す。
図53〜図56を参照して、本発明の第8の実施の形態の半導体圧力センサ130の製造方法について説明する。
始めに、第7の実施の形態で説明した図38〜図42に示す工程と同様な処理を行って、図42に示す構造体を形成する。次いで、図53に示す工程では、凹部105の底面105A及び側面105Bに対応する部分のダイアフラム101及び支持体12を熱酸化して、凹部105の底面105A及び側面105Bを覆うように、熱酸化膜131−1,131−2からなる熱酸化膜131を形成する(熱酸化膜形成工程)。
このように、凹部105の底面105A及び側面105Bに対応する部分のダイアフラム101及び支持体12を熱酸化して、凹部105の底面105A及び側面105Bを覆うように熱酸化膜131を形成することにより、ダイアフラム101と支持体12との境界に対応する半導体基板の一部が機械的強度の弱い熱酸化膜131−1になるため、第2の抵抗体15,16が変形しやすくなるので、ダイアフラム101に印加された圧力を精度良く検出することができる。
また、凹部105の底面105A及び側面105Bに対応する部分のダイアフラム101及び支持体12を覆うように熱酸化膜131を形成することにより、第7の実施の形態の半導体圧力センサ100の製造方法において必要であった図43〜図45に示す工程が不要となるため、製造工程を簡略化して、半導体圧力センサ130の製造コストを低減することができる。
凹部105の角Pに対応する部分に設けられた熱酸化膜102の厚さM19は、例えば、0.4μmとすることができる(図56参照)。また、熱酸化膜131−1の厚さM20は、例えば、0.24μmとすることができる(図56参照)。
次いで、図54に示す工程では、図53に示すSiN膜111,112を除去する。次いで、図55に示す工程では、周知の手法により、保護膜18に開口部26A,26B(図示せず),27A,27Bを形成し、その後、配線パターン21,22(図示せず),23,24を形成する。これにより、半導体圧力センサ130が製造される。
本実施の形態の半導体圧力センサの製造方法によれば、凹部105の底面105A及び側面105Bに対応する部分のダイアフラム101及び支持体12を熱酸化して、凹部105の底面105A及び側面105Bを覆うように熱酸化膜131を形成することにより、ダイアフラム101と支持体12との境界に対応する半導体基板の一部が機械的強度の弱い熱酸化膜131−1になるため、第2の抵抗体15,16が変形しやすくなるので、ダイアフラム101に印加された圧力を精度良く検出することができる。
また、凹部105の底面105A及び側面105Bに対応する部分のダイアフラム101及び支持体12を覆うように熱酸化膜131を形成することにより、第7の実施の形態の半導体圧力センサ100の製造方法において必要であった図43〜図45に示す工程が不要となるため、製造工程を簡略化して、半導体圧力センサ130の製造コストを低減することができる。
図57は、本発明の第8の実施の形態の変形例に係る半導体圧力センサを示す断面図である。図57において、第8の実施の形態の半導体圧力センサ130と同一構成部分には同一符号を付す。
なお、本実施の形態では、第1の抵抗体13,14(図示せず)をダイアフラム101の略中央に設けた場合を例に挙げて説明したが、図57に示すように、第1の抵抗体13,14(図示せず)を支持体12に設けてもよい。
また、本実施の形態の半導体圧力センサ130に設けられた保護膜18の代わりに、第4の実施の形態の半導体圧力センサ70に設けられた保護膜72を設けてもよい。
(第9の実施の形態)
図58は、本発明の第9の実施の形態に係る半導体圧力センサ装置の概略構成図である。
図58を参照するに、半導体圧力センサ装置150は、筐体151と、第1の実施の形態の半導体圧力センサ10と、配線152,154と、圧力数値化処理装置153と、表示装置161とを有する。
筐体151は、半導体圧力センサ10、配線152,154、及び圧力数値化処理装置153を収容するためのものである。筐体151は、半導体圧力センサ10が検出する圧力を導入するための圧力導入部162と、配線154を筐体151の外部に引き出すための配線引き出し部163を有する。
半導体圧力センサ10は、筐体151内に設けられている。半導体圧力センサ10は、ダイアフラム11が圧力導入部162と対向するように配置されている。半導体圧力センサ10は、ワイヤ156を介して、配線152と電気的に接続されている。半導体圧力センサ10は、圧力導入部162から導入された圧力を検出した際、圧力検出信号を出力する。この圧力検出信号は、ワイヤ156,157及び配線152を介して、圧力数値化処理装置153に送信される。
配線152は、筐体151内に設けられている。配線152は、ワイヤ156を介して、半導体圧力センサ10と電気的に接続されている。また、配線152は、ワイヤ157を介して、圧力数値化処理装置153と電気的に接続されている。配線152は、半導体圧力センサ10と圧力数値化処理装置153とを電気的に接続するためのものである。
圧力数値化処理装置153は、筐体151内に設けられている。圧力数値化処理装置153は、ワイヤ156,157及び配線152を介して、半導体圧力センサ10と電気的に接続されている。また、圧力数値化処理装置153は、ワイヤ158及び配線154を介して、表示装置161と電気的に接続されている。圧力数値化処理装置153は、半導体圧力センサ10の制御全般を行う機能を奏する。また、圧力数値化処理装置153は、半導体圧力センサ10が検出した圧力検出信号に基づき、ダイアフラム11に印加された圧力を数値化し、この数値化したデータをワイヤ158及び配線154を介して、表示装置161に送信する。
表示装置161は、筐体151の外部に設けられており、配線154と接続されている。表示装置161は、配線154及びワイヤ158を介して、圧力数値化処理装置153と電気的に接続されている。表示装置161は、数値化された圧力を表示する表示部165を有する。表示装置161は、圧力数値化処理装置153により数値化された圧力を表示部165に表示する。
本実施の形態の半導体圧力センサ装置によれば、第1の実施の形態の半導体圧力センサ10を備えることにより、ダイアフラム11に印加された圧力を精度良く検出することができる。
なお、本実施の形態の半導体圧力センサ装置150では、第1の実施の形態の半導体圧力センサ10を設けた場合を例に挙げて説明したが、第1の実施の形態の半導体圧力センサ10の代わりに、第2〜第8の実施の形態において説明した半導体圧力センサ40,60,70,80,90,100,130,170,180のいずれかを設けた場合についても同様な効果を得ることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。