JP2019060762A - センサ素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出精度を向上させることができるセンサ素子及びその製造方法を提供する。【解決手段】センサ素子1は、基板10と、基板10上に配置された感応膜30と、基板10上に配置された保護層20と、を備える。保護層20は、感応膜30を囲む貫通孔を有する。感応膜30は、少なくとも貫通孔の一部において保護層20と接している。【選択図】図2

Description

本開示は、センサ素子及びその製造方法に関する。
従来、流体中の特定の物質を検出するセンサが知られている。例えば、特許文献1には、ダイヤフラム部と、ダイヤフラム部の表面に形成された複数の感応膜とを備えたガスセンサが開示されている。
特開2014−153135号公報
このようなセンサでは、検出精度を向上させることが求められている。
本開示の目的は、検出精度を向上させることができるセンサ素子及びその製造方法を提供することにある。
本開示の一実施形態に係るセンサ素子は、基板と、前記基板上に配置された感応膜と、前記基板上に配置された保護層と、を備える。前記保護層は、前記感応膜を囲む貫通孔を有する。前記感応膜は、少なくとも前記貫通孔の一部において前記保護層と接している。
また、本開示の一実施形態に係るセンサ素子の製造方法は、基板を準備するステップと、前記基板上に貫通孔を有する保護層を形成するステップと、前記貫通孔内に感応膜材料を塗布し、少なくとも前記貫通孔の一部で前記感応膜材料を堰き止めて感応膜を形成するステップと、を含む。
本開示の一実施形態に係るセンサ素子及びその製造方法によれば、検出精度を向上させることができる。
本開示の一実施形態に係るセンサ素子の概略構成を示す上面図である。 図1に示すセンサ素子のL−L線に沿った断面図である。 本開示の一実施形態に係るセンサ素子の製造工程を説明するための断面図である。 本開示の一実施形態に係るセンサ素子の製造工程を説明するための断面図である。 本開示の一実施形態に係るセンサ素子の製造工程を説明するための断面図である。 本開示の一実施形態に係るセンサ素子の製造工程を説明するための断面図である。 本開示の一実施形態に係るセンサ素子の製造工程を説明するための断面図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本開示の一実施形態に係るセンサ素子1の概略構成を示す上面図である。図2は、図1に示すセンサ素子1のL−L線に沿った断面図である。なお、本明細書では、図1における紙面手前方向が上側、その反対方向が下側であるとして、以下説明する。
センサ素子1は、基板10と、保護層20と、感応膜30と、4個のピエゾ抵抗素子(検出部)40とを備える。センサ素子1は、感応膜30が流体中の物質を吸着することにより、流体中の物質を検出する。センサ素子1には、例えば上面側から気体が吹きかけられる。センサ素子1は、吹きかけられた気体中に、検出対象となる所定のガス分子が含まれるか否かを検出できる。
基板10は、変形可能な薄い基板であり、ダイヤフラムとして機能する。基板10は、上面に配置された感応膜30が変形すると、感応膜30の変形の度合いに応じて変形する。基板10は、例えば、n型Si基板とすることができる。基板10は、基板10の周囲を囲む基板10よりも厚い基板と一体として構成されている。
保護層20は、基板10の上面に配置される。保護層20は、感応膜30を囲む貫通孔を有する。保護層20の貫通孔は、図1に示すように、例えば円形状であるが、この形状に限定されない。保護層20の貫通孔は、例えば4角形などのような多角形であってもよい。保護層20は、ピエゾ抵抗素子40を保護することができる。
保護層20は、図2に示すように、基板10の上面に配置される第1の保護層21と、第1の保護層21の上面に配置される第2の保護層22とを備える。
図2に示すように、第2の保護層22の貫通孔の大きさは、第1の保護層21の貫通孔の大きさよりも小さい。エッチングにより保護層20の貫通孔を形成する際に、第1の保護層21をオーバーエッチングすることにより、第2の保護層22の貫通孔の大きさを、第1の保護層21の貫通孔の大きさより小さくすることができる。例えば、第1の保護層21の材料を、第2の保護層22の材料よりもエッチング速度の速い材料とすることにより、第1の保護層21をオーバーエッチングすることができる。
また、図2に示すように、第2の保護層22は、貫通孔に向かうにつれて上方に突出している。第2の保護層22の圧縮応力は、第1の保護層21の圧縮応力よりも大きい。そのため、保護層20を形成する際に、第1の保護層21をオーバーエッチングすると、第2の保護層22のうち、下方に第1の保護層21のない部分が上方に反り上がった形状となる。
上述のように、第1の保護層21のエッチング速度は、第2の保護層22のエッチング速度よりも速いことが好ましい。また、第2の保護層22の圧縮応力は、第1の保護層21の圧縮応力よりも大きいことが好ましい。これらの条件を満たすため、例えば、第1の保護層21の材料をSiO2とし、第2の保護層22の材料をSiNとしてもよい。
感応膜30は、基板10の上面に配置される。感応膜30は、図1に示す例では円形状であるが、この形状に限定されない。感応膜30は、例えば4角形などのような多角形であってもよい。感応膜30の形成の際、基板10上に塗布された液体状の感応膜材料は、広がろうとするところを保護層20の貫通孔によって堰き止められる。そのため、感応膜30の上面視の形状は、保護層20の貫通孔の形状に対応した形状となる。感応膜30は、図2に示すように、少なくとも保護層20の貫通孔の一部において、保護層20と接している。
感応膜30は、検出対象となる物質がその表面に吸着すると、その物質との物理的な接触又はその物質との化学反応等によって、伸縮等して変形する。感応膜30には、検出対象となる物質に応じた材料が用いられる。感応膜30の材料は、例えば、ポリスチレン、クロロプレンゴム、ポリメチルメタクリレート又はニトロセルロース等である。
ピエゾ抵抗素子40は、基板10上に配置される。本明細書において、基板10上に配置されるとは、基板10の上面に配置された状態と、図2に示すように基板10の上面側において基板10に埋め込まれた状態とを含む。
ピエゾ抵抗素子40は、自身が受ける応力によって抵抗値が変化する。感応膜30に検出対象となる物質が吸着して基板10が変形すると、ピエゾ抵抗素子40が受ける応力が変化する。したがって、感応膜30に検出対象となる物質が吸着すると、ピエゾ抵抗素子40の抵抗値は変化する。ピエゾ抵抗素子40の抵抗値の変化は、配線を介して外部の制御装置等に電気信号として出力される。
ピエゾ抵抗素子40は、例えば基板10がn型Si基板である場合、基板10にボロン(B)を拡散させることによって形成することができる。
このように、本実施形態に係るセンサ素子1において、感応膜30は、少なくとも保護層20の貫通孔の一部において保護層20と接している。そのため、感応膜30の面積及び中心位置は、保護層20の貫通孔の大きさ及び位置によって精度良く決めることができる。したがって、本実施形態に係るセンサ素子1は、感応膜30の面積、中心位置、及び膜厚のばらつきを、従来のセンサ素子よりも低減することができる。そのため、本実施形態に係るセンサ素子1は、検出対象となる物質の検出精度を向上させることができる。
また、本実施形態に係るセンサ素子1において、保護層20は、第1の保護層21と、第2の保護層22とを備え、第2の保護層22は、貫通孔に向かうにつれて上方に突出している。これにより、第2の保護層22は、感応膜30の形成の際に、広がろうとする液体状の感応膜材料を、より確実に堰き止めることができる。そのため、本実施形態に係るセンサ素子1は、検出対象となる物質の検出精度を向上させることができる。
なお、図2において、第2の保護層22が、貫通孔に向かうにつれて上方に突出している構造を示したが、第2の保護層22は、上方に突出していなくてもよい。上方に突出していなくても、保護層20の貫通孔により、広がろうとする液体状の感応膜材料を堰き止めることは可能である。
また、図2において、第2の保護層22の貫通孔の大きさが、第1の保護層21の貫通孔の大きさよりも小さい構造を示したが、第2の保護層22の貫通孔の大きさは、第1の保護層21の貫通孔の大きさより小さくなくてもよい。第2の保護層22を上方に突出させる構成としない場合、第2の保護層22の貫通孔の大きさを、第1の保護層21の貫通孔の大きさより小さくする必要がないためである。
(センサ素子の製造工程)
本開示の一実施形態に係るセンサ素子1の製造工程の一例について、図3〜図7を参照して説明する。
(1)ピエゾ抵抗素子の形成
まず、基板10を用意する。基板10は、例えば、n型Si基板である。図3に示すように、基板10上にマスクパターン201を形成した後、イオン注入法によってマスクパターン201の開口部に低濃度のボロン(B)を注入し、ピエゾ抵抗素子40を形成する。ピエゾ抵抗素子40の形成後、マスクパターン201は除去する。
(2)保護層の形成
続いて、基板10上に、第1の保護層21及び第2の保護層22を堆積させた後、図4に示すように、マスクパターン202を形成する。その後、マスクパターン202の開口部をエッチングすることにより、貫通孔を形成する。貫通孔の形成後、マスクパターン202は除去する。
図5に、マスクパターン202を除去した状態を示す。図5に示すように、第1の保護層21は、第2の保護層22に対して、オーバーエッチングされている。そのため、第2の保護層22の貫通孔の大きさは、第1の保護層21の貫通孔の大きさより小さい。また、第2の保護層22の圧縮応力は、第1の保護層21の圧縮応力よりも大きい。そのため、第2の保護層22のうち、下方に第1の保護層21のない部分は、上方に反り上がった形状となる。
(3)ダイヤフラムの形成
続いて、基板10の上下を反転させ、図6に示すように、基板10上にマスクパターン203を形成した後、マスクパターン203の開口部を、ドライエッチングする。基板10において、ドライエッチングにより薄膜化された部分は、基板10の薄膜部10aとなる。また、マスクパターン203によって保護されていて、ドライエッチングされなかった部分は、基板10の厚膜部10bとなる。図6に示す基板10の薄膜部10aがダイヤフラムとして機能する部分であり、この薄膜部10aが、図1及び図2に示した基板10の部分に対応する。ダイヤフラムの形成後、マスクパターン203は除去する。
(4)感応膜の形成
続いて、基板10の上下を再度反転させて、感応膜30を形成する。図7に示すように、感応膜材料を、基板10の薄膜部10a上において、第1の保護層21及び第2の保護層22の貫通孔内に塗布した後、乾燥させて感応膜30を形成する。この際、塗布された液体状の感応膜材料は、広がろうとすると、少なくとも第1の保護層21及び第2の保護層22の貫通孔の一部によって堰き止められる。
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形及び修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部、各手段等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の機能部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上述した本開示の各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせたり、一部を省略したりして実施することもできる。
例えば、本実施形態では、センサ素子1が4個のピエゾ抵抗素子40を備える構成を示しているが、センサ素子1が備えるピエゾ抵抗素子40の個数は4個に限られない。センサ素子1は、検出対象となる物質を検出可能な任意の個数のピエゾ抵抗素子40を備えていればよい。
また、基板10に生じる応力を検出する検出部として、ピエゾ抵抗素子40の代わりに、他の検出素子を用いてもよい。
また、本実施形態では、感応膜30が基板10の上面に配置されているが、感応膜30は、基板10の下面に配置されてもよいし、上面と下面の両方に配置されてもよい。
1 センサ素子
10 基板
10a 基板(薄膜部)
10b 基板(厚膜部)
20 保護層
21 第1の保護層
22 第2の保護層
30 感応膜
40 ピエゾ抵抗素子(検出部)
201、202、203 マスクパターン

Claims (7)

  1. 基板と、
    前記基板上に配置された感応膜と、
    前記基板上に配置された保護層と、を備え、
    前記保護層は、前記感応膜を囲む貫通孔を有し、
    前記感応膜は、少なくとも前記貫通孔の一部において前記保護層と接している、センサ素子。
  2. 請求項1に記載のセンサ素子において、
    前記保護層は、第1の保護層と、前記第1の保護層上に配置された第2の保護層と、を備える、センサ素子。
  3. 請求項2に記載のセンサ素子において、
    前記第2の保護層の貫通孔の大きさは、前記第1の保護層の貫通孔の大きさよりも小さい、センサ素子。
  4. 請求項2又は3に記載のセンサ素子において、
    前記第2の保護層は、貫通孔に向かうにつれて上方に突出している、センサ素子。
  5. 請求項2から4のいずれか一項に記載のセンサ素子において、
    前記第2の保護層の圧縮応力は、前記第1の保護層の圧縮応力よりも大きい、センサ素子。
  6. 請求項2から5のいずれか一項に記載のセンサ素子において、
    前記第1の保護層のエッチング速度は、前記第2の保護層のエッチング速度よりも速い、センサ素子。
  7. 基板を準備するステップと、
    前記基板上に貫通孔を有する保護層を形成するステップと、
    前記貫通孔内に感応膜材料を塗布し、少なくとも前記貫通孔の一部で前記感応膜材料を堰き止めて感応膜を形成するステップと、を含む、センサ素子の製造方法。
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