JPH07306107A - 容量型差圧測定圧力センサとその製造方法 - Google Patents

容量型差圧測定圧力センサとその製造方法

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JPH07306107A
JPH07306107A JP10087894A JP10087894A JPH07306107A JP H07306107 A JPH07306107 A JP H07306107A JP 10087894 A JP10087894 A JP 10087894A JP 10087894 A JP10087894 A JP 10087894A JP H07306107 A JPH07306107 A JP H07306107A
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JP
Japan
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pressure
diaphragm
glass plate
silicon substrate
pressure sensor
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Withdrawn
Application number
JP10087894A
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English (en)
Inventor
Sei Kato
聖 加藤
Shiyouichi Uematsu
彰一 植末
Masaki Esashi
正喜 江刺
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Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】温度センサと温度補正回路を必要とせず、温度
変化の影響を受けずに圧力の絶対値を測定できるように
する。 【構成】単結晶シリコン基板の一方の面をエッチングし
て薄肉部5と厚肉部6とから成る感圧部を形成し、他方
の面に凹部7を形成してダイアフラム1を作る。この上
に上部ガラス板2を取付ける。上部ガラス板2は感圧部
に対向する電極8と、電極8と感圧部との間に形成され
る空間に通じる通気孔9とを有する。この上に圧力緩衝
部材4を取付ける。圧力緩衝部材4は可撓性膜10とこ
の可撓性膜10の周囲を支持する枠状支持体11とから
成り、ダイアフラム1との間に密閉空間12を形成す
る。通気孔13を有する台座ガラス板3をダイアフラム
1の下に取付ける。周囲温度の変化に応じて圧力緩衝部
材4の可撓性膜10が撓んで密閉空間12内の圧力P0
を一定に保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコン基板を用いた
容量型差圧測定圧力センサとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンを用いた圧力センサは、シリコ
ン基板の一部をエッチングして感圧ダイアフラムとし、
感圧部に向い合う部分に電極を設けたガラス板を設けて
ダイアフラムと電極との間にコンデンサを形成し、圧力
変化に伴う容量の変化を検出するように構成されてい
る。従来の圧力センサには、相対用圧力センサと絶対用
圧力センサの2種類がある。
【0003】図5は従来の相対用容量型差圧測定圧力セ
ンサの一例の断面図である。
【0004】この圧力センサのダイアフラム51は、p
型またはn型の不純物を高濃度に含有した高伝導度の単
結晶シリコン基板をエッチングして一面に薄肉部52,
厚肉部53を形成し、他面に凹部54を形成して感圧部
とする構造になっている。
【0005】上部ガラス板55にはダイアフラム51の
感圧部に向い合う領域に電極56が形成され、また凹部
54と電極56との間に形成される空間に連絡する通気
孔57が形成されている。
【0006】台座ガラス板58には、ダイアフラム51
の感圧部と台座ガラス板58との間に形成される空間に
連結する通気孔59とが形成される。台座ガラス板58
は圧力をダイアフラム51の感圧部の所まで導入する。
【0007】ダイアフラム51は、コンデンサの一方の
電極を構成しており、電極56がコンデンサの他方の電
極を構成している。今、通気孔57を通ってくる流体の
圧力をP0 、通気孔59を通ってくる流体の圧力をP1
とすると、差圧(P1 −P0)によりダイアフラム51
の感圧部が電極56に近寄ったり離れたりすることによ
り容量が変化する。この容量を信号処理回路(図示せ
ず)で検出し、演算処理して圧力を算出する。圧力P0
は任意に変えられるから、差圧(P1 −P0 )は圧力P
0 の設定値に依存する。すなわち、この圧力センサは、
圧力P0 に対する圧力P1 の相対値を求める圧力センサ
である。
【0008】図6は従来の絶対用容量型差圧測定圧力セ
ンサの一例の断面図である。
【0009】この圧力センサのダイアフラム51と台座
ガラス板58は、図5のダイアフラム51および台座ガ
ラス板58と同じであり、上部ガラス板が異なってい
る。上部ガラス板61は、ダイアフラム51の感圧部に
向い合う領域に電極62が形成され、また凹部54と電
極62との間に形成される空間63に連絡する通気孔が
形成されていない。つまり、この空間63は密閉された
空間である。従って、この空間63内の圧力P0 は一定
値(基準値)であり、任意に変えられないから、この圧
力センサは、圧力P0 を基準値とする圧力P1 の絶対値
を求める圧力センサとなる。
【0010】図7は図5のダイアフラムの製造方法を説
明するための工程順に示した断面図である。
【0011】まず、図7(a)に示すように、結晶方位
が〔100〕である主面を有する単結晶でp型またはn
型の不純物を高濃度に含有するシリコン基板71の下面
に耐エッチング性の異なるマスク72,73を設け、上
面にマスク74を形成する。耐エッチング性の異なるマ
スク材として、例えばSiO2 とSi3 4 とが挙げら
れる。例えば、マスク72にSiO2 を使用し、マスク
73,74にSi3 4 を使用する。ホトレジストを用
いるリソグラフィ技術によって感圧部形成領域に対応す
る領域のマスク73に開口75を形成する。再びホトレ
ジストを用いて感圧部の厚肉部形成領域に対応する領域
のマスク72を残すように開口76を形成する。この
時、マスク74はホトレジストを被覆して保護してお
く。
【0012】次に、図7(b)に示すように、開口76
を通してシリコン基板71をTMAH(テトラメチルア
ンモニウムハイドロオキサイド、(CH3 4 NOH)
などで異方性エッチングして凹部77を形成する。凹部
77の深さは、薄肉部52と厚肉部53との厚さの差に
する。
【0013】次に、図7(c)に示すように、開口75
内のマスク72を除去し、シリコン基板71をエッチン
グする。このエッチングは、薄肉部52の厚さが所定厚
さになるまで行う。この時、厚肉部53もエッチングさ
れ、厚肉部53の下面はシリコン基板71の下面よりも
引込むことになる。
【0014】次に、図7(d)に示すように、シリコン
基板71の下面とマスク72,73の表面をホトレジス
トなどのマスク78で覆い、ホトレジストを用いるリソ
グラフィ技術によりマスク74に開口79を形成する。
【0015】次に、図7(e)に示すように、開口79
を通してシリコン基板71をエッチングして浅い凹部5
4を形成する。
【0016】次に、図7(f)に示すように、マスク7
2〜74,78を除去し、ダイアフラム51を得る。
【0017】図8は図5の上部ガラス板の製造方法を説
明するための工程順に示した断面図である。
【0018】まず、図8(a)図に示すように、ガラス
板81の両面にホトレジスト等でマスク82,83を設
け、マスク82に通気孔形成用の開口84を設ける。
【0019】次に、図8(b)図に示すように、開口8
4を通してガラス板81をエッチングして通気孔57を
形成する。
【0020】次に、図8(c)に示すように、マスク8
2,83を除去し、ダイアフラム51の凹部54に向い
合う面に金属の蒸着、選択エッチングを行って電極56
を形成する。これにより図5の上部ガラス板55が得ら
れる。
【0021】台座ガラス板58は、上部ガラス板と同様
にガラス板の両面にマスクを設け、マスクに通気孔形成
用の開口を設け、エッチングして通気孔59を形成する
ことにより製造される。
【0022】このようにして製造されたダイアフラム5
1,上部ガラス板55,台座ガラス板58を重ねて位置
合わせして陽極接合法などにより貼合わせることにより
図5に示す相対用容量型差圧測定圧力センサが製造され
る。
【0023】図6に示す絶対用容量型差圧測定圧力セン
サは、通気孔のない上部ガラス板61を用いればよく、
それ以外は図5に示す相対用容量型差圧測定圧力センサ
の製造方法と全く同じ方法で製造される。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】図6に示した従来の絶
対用容量型差圧測定圧力センサにおいては、凹部54と
電極62との間に形成される空間63が密閉された空間
であるので、温度の上昇または下降により空間63内の
空気が膨張または収縮して空間63内の圧力P0が上昇
または下降して一定値とならず、圧力P1 の絶対値測定
が出来ないという欠点がある。この欠点を解消するため
には、温度センサを設け、信号処理回路(図示せず)で
補正する必要があるが、回路が複雑になり、製造工数が
増大し、コストが上昇するという問題がある。
【0025】また、図5および図6に示す圧力センサ
は、それぞれ相対圧力と絶対圧力とを測定するものであ
り、一つの圧力センサで相対圧力と絶対圧力の双方を測
定する構成になっていない。従って、相対圧力と絶対圧
力の双方を測定したいときには二つの圧力センサが必要
となり、コストと設置場所とが2倍かかるという問題が
ある。
【0026】本発明の目的は、温度センサと温度補正回
路とを設ける必要がなく、圧力の絶対値を温度変化の影
響を受けずに測定できる容量型差圧測定圧力センサとそ
の製造方法を提供することにある。
【0027】本発明の他の目的は、温度センサと温度補
正回路とを設ける必要がなく、温度変化の影響を受けず
に圧力の絶対値と相対値の双方を測定できる容量型差圧
測定圧力センサとその製造方法を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明の容量型差圧測定
圧力センサは、(A)シリコン基板に設けられた薄肉部
により構成され、圧力を受けて変位する感圧部を有する
ダイアフラムと、(B)前記感圧部に間隔をおいて対向
する電極と、前記感圧部と前記電極との間に形成される
空間に通じる通気孔とを有し、前記ダイアフラムの上面
に取付けられる上部ガラス板と、(C)可撓性膜とこの
可撓性膜の周囲を支持する枠状支持体とから成り、この
枠状支持体が前記上部ガラス板の上面に取付けられ前記
ダイアフラムとの間に密閉された空間を形成する圧力緩
衝部材と、を備えたことを特徴とする。
【0029】本発明は、前記圧力緩衝部材の前記可撓性
膜が波形に作られていることを特徴とする。
【0030】本発明は、前記圧力緩衝部材の前記可撓性
膜の波形が同心円に作られていることを特徴とする。
【0031】本発明は、前記圧力緩衝部材がシリコンで
作られていることを特徴とする。
【0032】本発明は、前記シリコン基板にダイアフラ
ムが二つ設けられ、かつシリコン基板の一部で形成され
る壁で仕切られていることを特徴とする。
【0033】本発明は、前記ダイアフラムの下面に取付
けられ、前記感圧部との間に形成される空間に通じる通
気孔を有する台座ガラス板を備えたことを特徴とする。
【0034】本発明は、前記二つのダイアフラムと前記
台座ガラス板との間に形成される空間が前記壁と前記台
座ガラス板とによってダイアフラム毎に仕切られ、仕切
られた空間の各々に通じる通気孔が設けられていること
を特徴とする。
【0035】本発明は、前記ダイアフラムの薄肉部の中
央部分に厚肉部が設けられていることを特徴とする。
【0036】本発明の容量型差圧測定圧力センサの製造
方法は、(A)シリコン基板をエッチングして少なくと
も薄肉部を有する感圧部を形成するダイアフラム工程、
(B)前記ダイアフラムの前記感圧部に向い合う領域に
電極を形成する工程と、前記感圧部と前記電極との間に
形成される空間に通じる通気孔を形成する工程とを備え
た上部ガラス板形成工程、(C)一導電型のシリコン基
板の一表面に第1のマスクを形成し、波形の谷になる領
域に開口を形成する工程と、この開口を通して前記シリ
コン基板をエッチングして波形の溝を掘る工程と、前記
第1のマスクを除去する工程と、前記シリコン基板の表
面に反対導電型の不純物を導入して反対導電型領域を形
成する工程と、前記シリコン基板の裏面の前記波形の溝
の周囲に対応する領域に第2のマスクを設ける工程と、
前記シリコン基板を前記裏面側からエッチングして反対
導電型領域を残して波形の可撓性膜とこの可撓性膜の周
囲に枠状支持体を形成する工程と、前記第2のマスクを
除去する工程とを備えた圧力緩衝部材形成工程、(D)
前記ダイアフラムの上面に前記上部ガラス板を前記感圧
部と前記電極とが向い合うように位置合わせして貼合わ
せる工程と、前記上部ガラス板の上面に前記圧力緩衝部
材を貼合わせる工程を備えたことを特徴とする。
【0037】本発明は、前記溝34を掘るエッチングが
異方性エッチングまたは等方性エッチングであり、前記
溝がVの字形またはUの字形に作られることを特徴とす
る。
【0038】本発明は、前記圧力緩衝部材を形成するエ
ッチングが電解エッチングであることを特徴とする。
【0039】
【作用】本発明では、可撓性膜を有する圧力緩衝部材を
上部ガラス板の上面に取付け、ダイアフラムとの間に密
閉された空間を形成し、温度変化に応じて圧力緩衝部材
の可撓性膜が撓んで密閉された空間内の空気の圧力を一
定にするようにしたので、温度補正を行う必要がなく、
温度補正のための特別のセンサや回路を設ける必要がな
く、圧力の絶対値を温度変化の影響を受けずに測定でき
る容量型差圧測定圧力センサとその製造方法を得ること
ができる。
【0040】前記圧力緩衝部材の温度変化に対する応答
性を良くするためには、可撓性膜を波形に作り、撓み易
くするのが良い。
【0041】前記圧力緩衝部材の可撓性膜を撓み易くす
るために、波形を同心円にするのが良い。同心円にする
と均等に撓むからである。
【0042】このような構造の圧力緩衝部材を作るには
シリコンを用いると良い。シリコンは、波形の可撓性膜
を作るのに適した加工性を有し、かつ弾性と強度を有し
ているからである。
【0043】シリコン基板にダイアフラムを二つ設け、
二つのダイアフラムに共通な圧力緩衝部材を設けること
により、一つの圧力センサで絶対値と相対値との双方を
測定できる容量型差圧測定圧力センサを得ることができ
る。二つのダイアフラムは、シリコン基板の一部で形成
される壁で仕切られる。ダイアフラムと圧力緩衝部材と
の間の空間の圧力をP0 、二つのダイアフラムの外側か
ら印加される圧力をそれぞれP1 、P2 とするとき、差
圧(P1 −P0 )、差圧(P2 −P0 )および圧力P1
とP2 との差圧(P2 −P1 )を測定することができる
からである。
【0044】通気孔を有する台座ガラス板は、大気圧の
測定などには必ずしも必要ではないが、ある特定のもの
の圧力測定のためダイアフラムの所まで圧力を導入する
ような場合には必要である。特にダイアフラムが二つあ
って、二つの圧力を測定する場合には必要である。ま
た、台座ガラス板は、ダイアフラムを機械的破壊から守
る作用もしているので、台座ガラス板は取付けた方が良
い。
【0045】この場合、前記二つのダイアフラムと前記
台座ガラス板との間に形成される空間が前記壁と台座ガ
ラス板とによって仕切られ、仕切られた空間の各々に通
じる通気孔が設けられる。
【0046】前記ダイアフラムの薄肉部の中央に厚肉部
が設けておくと、圧力がかかったとき、薄肉部が円弧状
に撓むことがなく、ダイアフラムとこれに対向する電極
との間の平行度が保たれ、圧力変化と容量変化とが比例
して正確な測定ができるという効果が得られる。
【0047】本発明の製造方法によれば、圧力緩衝部材
は、一導電型のシリコン基板の一表面をエッチングして
波形の溝を掘り、その表面に反対導電型の不純物を導入
して反対導電型領域を形成しておき、この反対導電型領
域を残すようにシリコン基板をエッチングするという簡
単な工程で製造することができる。
【0048】結晶方位が〔100〕である単結晶シリコ
ン基板を異方性エッチングすればVの字形の溝が得ら
れ、単結晶シリコン基板を等方性エッチングすればUの
字形の溝が得られる。
【0049】上記エッチングにおいて、電解エッチング
を使用するとシリコン基板と反対導電型領域との間に形
成されるp−n接合の所でエッチングが自動的に停止す
るので便利である。
【0050】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例の断面図であ
る。
【0051】第1の実施例の容量型差圧測定圧力センサ
は、絶対圧力を周囲の温度変化の影響を受けずに正確に
測定しようとするものである。
【0052】ダイアフラム1は、結晶方位が〔100〕
である主面を有する単結晶シリコン基板をエッチングし
て一方の面に薄肉部5と厚肉部6とを形成し、他方の面
に凹部7を形成することにより作られる。薄肉部5と厚
肉部6とは圧力を受けて変位する感圧部を構成してい
る。
【0053】上部ガラス板2は、ガラス板に薄肉部5と
厚肉部6とから成る感圧部に向い合う領域に電極8を設
け、この電極8と感圧部との間に形成される空間に通じ
る通気孔9を形成することにより作られる。上部ガラス
板2はダイアフラム1の上に取付られる。
【0054】圧力緩衝部材4は、可撓性膜10とこの可
撓性膜10の周囲を支持する枠状支持体11とから成
り、この枠状支持体11が上部ガラス板2の上面に取付
けられダイアフラム1との間に密閉された空間12を形
成する。
【0055】台座ガラス板3は、ガラス板とダイアフラ
ム1との間に形成される空間14に通じる通気孔13を
ガラス板に形成することにより作られる。台座ガラス板
3はダイアフラム1の下に取付られる。
【0056】ダイアフラム1と上部ガラス板2と圧力緩
衝部材4と台座ガラス板3は、位置合わせした後、陽極
接合法で気密に接合される。それ故、空間12は密閉さ
れた空間となる。従って、この容量型差圧測定圧力セン
サは、絶対用容量型差圧測定圧力センサとなる。
【0057】今、空間12の圧力(基準圧力)がP0
通気孔13を通して加えられる圧力がP1 であるとす
る。圧力差(P1 −P0 )に対応してダイアフラム1の
感圧部(薄肉部5と厚肉部6とから成る)が変位し、感
圧部と電極8とで構成されるコンデンサの容量が変化す
る。この変化量を信号処理回路部(図示せず)で検出
し、信号処理してダイアフラム1に作用する圧力P1
算出する。
【0058】この容量型差圧測定圧力センサの周囲温度
が変化し、空間12内の空気が膨張または収縮したと
き、圧力緩衝部材4の可撓性膜10が上方または下方に
変位して膨張または収縮による空間12内の空気圧力の
変化を吸収し、空間12の圧力を常に一定値P0 に保
つ。従って、圧力の絶対値P1 が常に正しく測定される
ことになる。
【0059】図2は本発明の第2の実施例の断面図であ
る。
【0060】第1の実施例の容量型差圧測定圧力センサ
が絶対圧力を測定するものであるのに対して、第1の実
施例の容量型差圧測定圧力センサは絶対圧力と相対圧力
の両方を測定するものである。
【0061】ダイアフラム21は、感圧部を二つ有して
いる。すなわち、薄肉部5a,5bと厚肉部6a,6b
とを有している。感圧部を二つ設けたことに伴い、感圧
部と台座ガラス板との間に形成される空間を二つに仕切
るための壁28を設ける。凹部27は一つ設けるだけで
よい。それ以外は第1の実施例と同じである。
【0062】上部ガラス板22は、ダイアフラム21に
感圧部を二つ設けたことに対応して二つの感圧部に向い
合う領域にそれぞれ電極8a,8bを設ける。これらの
電極8a,8bと二つの感圧部との間に形成される空間
12に通じる通気孔29を形成する。通気孔29は、一
つ設けるだけでよい。それ以外は第1の実施例と同じで
ある。
【0063】圧力緩衝部材4は、第1の実施例と同じで
ある。圧力緩衝部材4とダイアフラム21との間に密閉
された空間12が形成されることも第1の実施例と同じ
である。
【0064】台座ガラス板24は、ダイアフラム21に
感圧部を二つ設けたことに対応して台座ガラス板24と
ダイアフラム21との間に形成される空間を二つ、すな
わち空間14a,14bを設け、各々の空間14a,1
4b通気孔を二つ、すなわち通気孔13a,13bを設
ける。それ以外は第1の実施例と同じである。
【0065】この容量型差圧測定圧力センサもまた、絶
対用容量型差圧測定圧力センサとなる。今、空間12の
圧力がP0 、通気孔13aを通して加えられる圧力がP
1 、通気孔13bを通して加えられる圧力がP2 (薄肉
部5と厚肉部6)であるとする。圧力差(P1 −P0
に対応して薄肉部5aと厚肉部6aとから成る感圧部
(薄肉部5と厚肉部6)が変位し、圧力差(P2
0 )に対応して薄肉部5bと厚肉部6bとから成る感
圧部変位し、これらの感圧部と電極8a,8bとでそれ
ぞれ構成されるコンデンサの容量が変化する。この変化
量を信号処理回路部(図示せず)で検出し、信号処理し
て絶対圧力P1 ,P2 および相対圧力(差圧)(P2
1 )を算出する。この容量型差圧測定圧力センサは、
絶対圧力P1 ,P2 と、P2 とP1 との相対圧力(差
圧)の両方を同時に測定することができる。
【0066】この容量型差圧測定圧力センサの周囲温度
が変化し、空間12内の空気が膨張または収縮したと
き、圧力緩衝部材4の可撓性膜10が上方または下方に
変位して膨張または収縮による空間12内の空気圧力の
変化を吸収し、空間12の圧力を常に一定値P0 に保
つ。従って、絶対圧力P1 ,P2 および相対圧力(P2
−P1 )の値が常に正しく測定されることになる。
【0067】図3は図1の圧力緩衝部材の製造方法を説
明するための工程順に示した断面図、図4は図1の圧力
緩衝部材の製造に使用する電解エッチング装置の正面図
および電解電流の変化を説明する特性図である。
【0068】まず、図3(a)に示すように、結晶方位
が〔100〕である主面を有する単結晶のシリコン基板
31の一面にマスク32を設け、圧力緩衝部材の波形の
谷形成位置に開口33(33a〜33c)をあける。マ
スクとしてホトレジスト、SiO2 、Si3 4 等を任
意に選択して使用することができる。開口33(33a
〜33c)は、同心円に形成する。すなわち、開口33
aは円形に、開口33b,33cはリング形に形成す
る。
【0069】次に、図3(b)に示すように、TMAH
(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、(C
3 4 NOH)などで異方性エッチングを行い、溝3
4を形成する。溝34は同心円に形成される。シリコン
基板31の主面の結晶方位が〔100〕である場合、溝
34の水平面に対する傾斜角が54.7°のVの字形溝
となる。溝34をUの字形にすることもできる。その場
合は、HF−HNO3系のエッチング液を用いるウェッ
ト・エッチングまたは等方性のプラズマ・エッチングを
行う。
【0070】次に、図3(c)に示すように、マスク3
2を除去し、裏面に拡散防止膜35を設け、シリコン基
板31と逆導電型の不純物を拡散し、拡散層36を形成
する。
【0071】次に、図3(d)に示すように、圧力緩衝
部材の枠状支持体11形成場所以外のマスク35を除去
し、電解エッチングにより裏面からエッチングして拡散
層36と枠状支持体11を残して他を除去して波形の可
撓性膜10と枠状支持体11を形成する。そして、拡散
防止膜35の残りの部分を除去する。可撓性膜10の波
形もまた同心円に形成される。
【0072】電解エッチングは、図4(a)に示すよう
に、電解エッチング槽41の中にKOHあるいはTMA
H等の電解液42を入れ、Pt等の陰極43とシリコン
基板31とを浸漬し、シリコン基板31に正電圧、陰極
43に負電圧を印加して行う。
【0073】まず、図4(b)に示すように、電流は時
間の経過と共に段々上昇していくが、拡散層36とシリ
コン基板31とのp−n接合部までエッチングされる
と、そこでエッチングが停止し、電流は急激に低下す
る。従って、電流計45を見ていればエッチング終了が
直ちに分かる。このようにして、図3(d)に示す圧力
緩衝部材4を得ることができる。
【0074】以上のようにして得られた圧力緩衝部材4
を上部ガラス板2、ダイアフラム1、台座ガラス板3と
重ね合わせ、位置合わせして陽極接合することにより本
発明の容量型差圧測定圧力センサが製造される。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、可撓
性膜を有する圧力緩衝部材を上部ガラス板の上面に取付
け、ダイアフラムとの間に密閉された空間を形成し、温
度変化に応じて圧力緩衝部材の可撓性膜が撓んで密閉さ
れた空間内の空気の圧力を一定にするようにしたので、
温度補正を行う必要がなく、温度補正のための特別のセ
ンサや回路を設ける必要がなく、圧力の絶対値を温度変
化の影響を受けずに測定できる容量型差圧測定圧力セン
サとその製造方法を得ることができる。
【0076】また、一つの圧力センサに感圧ダイアフラ
ムを二つ設け、二つの感圧ダイアフラムに共通な圧力緩
衝部材を設けたので、温度変化の影響を受けずに圧力の
絶対値と相対値との双方を測定できる容量型差圧測定圧
力センサとその製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例の断面図である。
【図3】図1の圧力緩衝部材の製造方法を説明するため
の工程順に示した断面図である。
【図4】図1の圧力緩衝部材の製造に使用する電解エッ
チング装置の正面図および電解電流の変化を説明する特
性図である。
【図5】従来の静電容量型圧力センサの一例の断面図で
ある。
【図6】従来の静電容量型圧力センサの一例の断面図で
ある。
【図7】図5のダイアフラムの製造方法を説明するため
の工程順に示した断面図である。
【図8】図5の上部ガラスの製造方法を説明するための
工程順に示した断面図である。
【符号の説明】
1 ダイアフラム 2 上部ガラス板 3 台座ガラス板 4 圧力緩衝部材 5 薄肉部 6 厚肉部 7 凹部 8 電極 9 通気孔 10 可撓性膜 11 枠状支持体 12 空間 13 通気孔 14 空間

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)シリコン基板に設けられた薄肉部
    により構成され、圧力を受けて変位する感圧部を有する
    ダイアフラムと、 (B)前記感圧部に間隔をおいて対向する電極と、前記
    感圧部と前記電極との間に形成される空間に通じる通気
    孔とを有し、前記ダイアフラムの上面に取付けられる上
    部ガラス板と、 (C)可撓性膜とこの可撓性膜の周囲を支持する枠状支
    持体とから成り、この枠状支持体が前記上部ガラス板の
    上面に取付けられ前記ダイアフラムとの間に密閉された
    空間を形成する圧力緩衝部材と、を備えたことを特徴と
    する容量型差圧測定圧力センサ。
  2. 【請求項2】 前記圧力緩衝部材の前記可撓性膜が波形
    に作られていることを特徴とする請求項1記載の容量型
    差圧測定圧力センサ。
  3. 【請求項3】 前記圧力緩衝部材の前記可撓性膜の波形
    が同心円に作られていることを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載の容量型差圧測定圧力センサ。
  4. 【請求項4】 前記圧力緩衝部材がシリコンで作られて
    いることを特徴とする請求項1または請求項2または請
    求項3記載の容量型差圧測定圧力センサ。
  5. 【請求項5】 前記シリコン基板にダイアフラムが二つ
    設けられ、かつシリコン基板の壁で仕切られていること
    を特徴とする請求項1記載の容量型差圧測定圧力セン
    サ。
  6. 【請求項6】 前記ダイアフラムの下面に取付けられ、
    前記感圧部との間に形成される空間に通じる通気孔を有
    する台座ガラス板を備えたことを特徴とする請求項1ま
    たは請求項4記載の容量型差圧測定圧力センサ。
  7. 【請求項7】 前記二つのダイアフラムと前記台座ガラ
    ス板との間に形成される空間が前記シリコン基板の一部
    で形成される壁と前記台座ガラス板とによってダイアフ
    ラム毎に仕切られ、仕切られた空間の各々に通じる通気
    孔が設けられていることを特徴とする請求項1または請
    求項4または請求項5記載の容量型差圧測定圧力セン
    サ。
  8. 【請求項8】 前記ダイアフラムの薄肉部の中央部分に
    厚肉部が設けられていることを特徴とする請求項1また
    は請求項5記載の容量型差圧測定圧力センサ。
  9. 【請求項9】 (A)シリコン基板をエッチングして少
    なくとも薄肉部を有する感圧部を形成するダイアフラム
    工程、 (B)前記ダイアフラムの前記感圧部に向い合う領域に
    電極を形成する工程と、前記感圧部と前記電極との間に
    形成される空間に通じる通気孔を形成する工程とを備え
    た上部ガラス板形成工程、 (C)一導電型のシリコン基板の一表面に第1のマスク
    を形成し、波形の谷になる領域に開口を形成する工程
    と、この開口を通して前記シリコン基板をエッチングし
    て波形の溝を掘る工程と、前記第1のマスクを除去する
    工程と、前記シリコン基板の表面に反対導電型の不純物
    を導入して反対導電型領域を形成する工程と、前記シリ
    コン基板の裏面の前記波形の溝の周囲に対応する領域に
    第2のマスクを設ける工程と、前記シリコン基板を前記
    裏面側からエッチングして反対導電型領域を残して波形
    の可撓性膜とこの可撓性膜の周囲に枠状支持体を形成す
    る工程と、前記第2のマスクを除去する工程とを備えた
    圧力緩衝部材形成工程、 (D)前記ダイアフラムの上面に前記上部ガラス板を前
    記感圧部と前記電極とが向い合うように位置合わせして
    貼合わせる工程と、前記上部ガラス板の上面に前記圧力
    緩衝部材4を貼合わせる工程を備えたことを特徴とする
    容量型差圧測定圧力センサの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記溝を掘るエッチングが異方性エッ
    チングまたは等方性エッチングであり、前記溝がVの字
    形またはUの字形に作られることを特徴とする請求項9
    記載の容量型差圧測定圧力センサの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記圧力緩衝部材を形成するエッチン
    グが電解エッチングであることを特徴とする請求項9記
    載の容量型差圧測定圧力センサの製造方法。
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