JP2019124645A - 硬さセンサおよび硬さセンサアレイ並びに硬さ検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】精度が高く小型のセンサを提供する。【解決手段】硬さセンサは、開口面積の異なる複数の開口部を有する基板と、基板の上面と同一面が上面となるように複数の開口部の各端部に取り付けられて上面側からの押圧力に対して変形する複数の歪みセンサ部と、膜状で下面が基板の上面に接触するように取り付けられ、上面が測定対象の押圧面を構成する弾性部材と、を備える。測定対象を弾性部材の押圧面に押圧し、その押圧の前後で複数の歪みセンサ部の変形を検出し、その変形に対する歪み比rを用いて測定対象のヤング率Eを導出する。【選択図】図1
Description
本発明は、硬さセンサおよび硬さセンサアレイ並びに硬さ検出方法に関し、詳しくは、測定対象を押圧したときに測定対象の硬さを検出する硬さセンサ、および、こうした硬さセンサを面状に複数配置した硬さセンサアレイ、並びに、測定対象を押圧したときに測定対象の硬さを検出する硬さ検出方法に関する。
従来、この種の技術としては、対象物に押圧される球状接触面を有する接触子と、押圧時の接触面積を測定する機構を有する接触面積測定部と、押圧に伴う対象物からの反力を測定する応力測定部とを備える硬さ測定器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この測定器では、対象物に接触子を押圧したときに接触面積測定部により接触面積を測定すると共に、応力測定部により対象物からの反力を測定し、反力/接触面積に基づいて対象物の硬さを測定している。ここで、接触面積測定部は、対象物と接触したときにオン信号を出力する触覚センサを接触子の球状接触面に複数取り付け、オン信号を出力している触覚センサの数に基づいて接触面積を測定している。
しかしながら、上述の硬さ測定器では、触覚センサの大きさによって測定の精度が定まるから、測定精度を高くするためには可能な限り触覚センサを小さくして接触子に多数取り付ける必要がある。このため、精度が高く、且つ、小型の測定器を構成するのは困難なものとなる。
本発明の硬さセンサは、精度が高く小型のセンサを提供することを主目的とする。本発明の硬さセンサアレイは、精度が高く小型のセンサを緻密に配置したセンサアレイを提供することを主目的とする。本発明の硬さ検出方法は、小型のセンサでも精度よく測定対象の硬さを検出する方法を提供することを主目的とする。
本発明の硬さセンサおよび硬さセンサアレイ並びに硬さ検出方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の硬さセンサは、
押圧した測定対象の硬さを検出する硬さセンサであって、
開口面積の異なる複数の開口部を有する基板と、
前記基板の上面と同一面が上面となるように前記複数の開口部の各端部に取り付けられ、上面側からの押圧力に対して変形する複数の歪みセンサ部と、
膜状で下面が前記基板の上面に接触するように取り付けられ、上面が測定対象の押圧面を構成する弾性部材と、
を備えることを要旨とする。
押圧した測定対象の硬さを検出する硬さセンサであって、
開口面積の異なる複数の開口部を有する基板と、
前記基板の上面と同一面が上面となるように前記複数の開口部の各端部に取り付けられ、上面側からの押圧力に対して変形する複数の歪みセンサ部と、
膜状で下面が前記基板の上面に接触するように取り付けられ、上面が測定対象の押圧面を構成する弾性部材と、
を備えることを要旨とする。
本発明の硬さセンサは、開口面積の異なる複数の開口部を有する基板と、基板の上面と同一面が上面となるように複数の開口部の各端部に取り付けられて上面側からの押圧力に対して変形する複数の歪みセンサ部と、膜状で下面が前記基板の上面に接触するように取り付けられ、上面が測定対象の押圧面を構成する弾性部材と、を備える。測定対象を押圧面に押圧すると、弾性部材が弾性変形を生じる。この弾性変形は複数の開口部の複数の歪みセンサ部を変形させる。複数の歪みセンサ部は形成された開口部の開口面積によってその変形の程度が異なるものとなる。複数の歪みセンサ部の変形による歪みの比は、測定対象の硬さ(ヤング率)に応じたものとなるから、複数の歪みセンサ部の変形による歪みの比に基づいて測定対象の硬さを測定することができる。複数の開口部や複数の歪みセンサ部は、2以上であればよく、僅かな開口面積でもよいから、精度が高く小型のセンサとすることができる。特に、基板や歪みセンサ部については半導体技術を用いて構成することができる。この結果、精度が高く小型のセンサとすることができる。ここで、歪みセンサ部は、「前記基板の上面と同一面が上面となるように」取り付けられるものであるが、歪みセンサ部の全ての上面が「基板の上面と同一面」となる必要はなく、上面側から押圧力を受ける部分が「基板の上面と同一面」であればよい。また、「同一面」としては、完全に同一面となる場合だけでなく、上面側から押圧力に対してリニアに変形する程度で「同一面」を担保すればよく、若干の相違があっても構わない。なお、開口部の形状は、円形や多角形のように開口部が閉じているものが含まれる他、コ字状のように開口部が開いているものも含まれる。また、複数の開口部の空間には、空気や弾性部材より軟らかい弾性体或いはゲルなどが充填されているものとしてもよい。
本発明の硬さセンサにおいて、
前記複数の歪みセンサ部は、上面側からの押圧力に対して変形する部位が変形に応じて抵抗値が変化する素材により形成されているものとしてもよい。こうすれば、抵抗値により歪みを計算することができるから、精度をより高くすることができる。
前記複数の歪みセンサ部は、上面側からの押圧力に対して変形する部位が変形に応じて抵抗値が変化する素材により形成されているものとしてもよい。こうすれば、抵抗値により歪みを計算することができるから、精度をより高くすることができる。
この場合、前記複数の開口部は、第1開口部と第2開口部との2つの開口部であり、前記複数の歪みセンサ部は、前記第1開口部に形成された第1歪みセンサ部と前記第2開口部に形成された第2歪みセンサ部との2つの歪みセンサ部であり、測定対象を押圧していないときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部の抵抗値をR1,R2とし、測定対象を押圧したときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部の抵抗値の変化量をΔR1,ΔR2としたときの、ΔR2/R2に対するΔR1/R1の比に基づいて測定対象のヤング率を導出する導出部を備えるものとしてもよい。また、前記複数の開口部は、第1開口部と、前記第1開口部に対して対称に形成された第2開口部および第3開口部と、の3つの開口部であり、前記複数の歪みセンサ部は、前記第1開口部に形成された第1歪みセンサ部と前記第2開口部に形成された第2歪みセンサ部と前記第3開口部に形成された第3歪みセンサ部との3つの歪みセンサ部であり、測定対象を押圧していないときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部,前記第3歪みセンサ部の抵抗値をR1,R2,R3とし、測定対象を押圧したときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部,前記第3歪みセンサ部の抵抗値の変化量をΔR1,ΔR2,ΔR3としたときの、ΔR1/R1の2倍の値に対するΔR2/R2とΔR3/R3の和の比に基づいて測定対象のヤング率を導出する導出部を備えるものとしてもよい。複数の開口部が4つ以上であっても同様である。
本発明の硬さセンサアレイは、上述のいずれかの態様の本発明の硬さセンサ、即ち、基本的には、押圧した測定対象の硬さを検出する硬さセンサであって、開口面積の異なる複数の開口部を有する基板と、前記基板の上面と同一面が上面となるように前記複数の開口部の各端部に取り付けられて上面側からの押圧力に対して変形する複数の歪みセンサ部と、膜状に下面が前記基板の上面に接触するように取り付けられ、上面が測定対象の押圧面を構成する弾性部材と、を備える硬さセンサを、面状に複数備えることを要旨とする。
本発明の硬さセンサアレイは、精度が高く小型の硬さセンサを面状に複数備えるから、精度が高く小型のセンサを緻密に配置したセンサアレイとすることができる。
本発明の硬さ検出方法は、
第1開口部および前記第1開口部とは開口面積が異なる第2開口部を有する基板と、前記基板の上面と同一面が上面となるように前記第1開口部および前記第2開口部の各端部に取り付けられて上面側からの押圧力に対して変形する第1歪みセンサ部および第2歪みセンサ部と、下面が前記基板の上面に接触するように取り付けられた膜状の弾性部材と、を備えるセンサに対して、前記弾性部材の上面に測定対象を押圧したときに測定対象の硬さを検出する硬さ検出方法であって、
測定対象を押圧していないときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部の抵抗値をR1,R2とし、測定対象を押圧したときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部の抵抗値の変化量をΔR1,ΔR2としたときに、ΔR2/R2に対するΔR1/R1の比に基づいて測定対象の硬さを検出する、
ことを特徴とする。
第1開口部および前記第1開口部とは開口面積が異なる第2開口部を有する基板と、前記基板の上面と同一面が上面となるように前記第1開口部および前記第2開口部の各端部に取り付けられて上面側からの押圧力に対して変形する第1歪みセンサ部および第2歪みセンサ部と、下面が前記基板の上面に接触するように取り付けられた膜状の弾性部材と、を備えるセンサに対して、前記弾性部材の上面に測定対象を押圧したときに測定対象の硬さを検出する硬さ検出方法であって、
測定対象を押圧していないときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部の抵抗値をR1,R2とし、測定対象を押圧したときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部の抵抗値の変化量をΔR1,ΔR2としたときに、ΔR2/R2に対するΔR1/R1の比に基づいて測定対象の硬さを検出する、
ことを特徴とする。
また、本発明の硬さ検出方法は、
第1開口部と、前記第1開口部とは開口面積が異なり且つ前記第1開口部に対して対称に形成された第2開口部および第3開口部と、を有する基板と、前記基板の上面と同一面が上面となるように前記第1開口部,前記第2開口部,第3開口部の各端部に取り付けられて上面側からの押圧力に対して変形する第1歪みセンサ部,第2歪みセンサ部,第3歪みセンサ部と、下面が前記基板の上面に接触するように取り付けられた膜状の弾性部材と、を備えるセンサに対して、前記弾性部材の上面に測定対象を押圧したときに測定対象の硬さを検出する硬さ検出方法であって、
測定対象を押圧していないときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部,前記第3歪みセンサ部の抵抗値をR1,R2,R3とし、測定対象を押圧したときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部,前記第3歪みセンサ部の抵抗値の変化量をΔR1,ΔR2,ΔR3としたときに、ΔR1/R1の2倍の値に対するΔR2/R2とΔR3/R3の和の比に基づいて測定対象の硬さを検出する、
ことを特徴とする。
第1開口部と、前記第1開口部とは開口面積が異なり且つ前記第1開口部に対して対称に形成された第2開口部および第3開口部と、を有する基板と、前記基板の上面と同一面が上面となるように前記第1開口部,前記第2開口部,第3開口部の各端部に取り付けられて上面側からの押圧力に対して変形する第1歪みセンサ部,第2歪みセンサ部,第3歪みセンサ部と、下面が前記基板の上面に接触するように取り付けられた膜状の弾性部材と、を備えるセンサに対して、前記弾性部材の上面に測定対象を押圧したときに測定対象の硬さを検出する硬さ検出方法であって、
測定対象を押圧していないときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部,前記第3歪みセンサ部の抵抗値をR1,R2,R3とし、測定対象を押圧したときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部,前記第3歪みセンサ部の抵抗値の変化量をΔR1,ΔR2,ΔR3としたときに、ΔR1/R1の2倍の値に対するΔR2/R2とΔR3/R3の和の比に基づいて測定対象の硬さを検出する、
ことを特徴とする。
本発明の硬さ検出方法では、測定対象を押圧面に押圧すると、弾性部材に弾性変形が生じ、この弾性変形により複数の開口部の複数の歪みセンサ部に変形が生じる。複数の歪みセンサ部は形成された開口部の開口面積によってその変形の程度が異なるものとなる。複数の歪みセンサ部の変形による歪みの比は、測定対象の硬さ(ヤング率)に応じたものとなるから、複数の歪みセンサ部の変形による歪みの比に基づいて測定対象の硬さを測定することができる。各開口部は僅かな開口面積でもよいから、精度が高く小型のセンサとすることができる。特に、基板や歪みセンサ部については半導体技術を用いて構成すれば、より精度が高くより小型のセンサとすることができる。これらの結果、小型のセンサでも精度よく測定対象の硬さを検出することができる。なお、開口部の形状は、円形や多角形のように開口部が閉じているものが含まれる他、コ字状のように開口部が開いているものも含まれる。また、複数の開口部の空間には、空気や弾性部材より軟らかい弾性体或いはゲルなどが充填されているものとしてもよい。
次に、本発明を実施するための形態について説明する。図1は、第1実施形態の硬さセンサ20の構成の概略を示す構成図である。図2は、図1のA−A断面により第1実施形態の硬さセンサ20を示す説明図である。なお、図1は、図2のB−B断面により第1実施形態の硬さセンサ20を示す説明図となる。
第1実施形態の硬さセンサ20は、図示するように、基板22と、基板22に形成された第1開口部24および第2開口部26と、第1開口部24および第2開口部26の端部に形成された第1歪みセンサ部34および第2歪みセンサ部36と、基板22の上面に載置された弾性部材40と、電子制御ユニット50と、を備える。
基板22は、ケイ素などの半導体材料により厚さが0.1mm〜0.5mm程度の板状基板として構成されている。第1開口部24は、直径が300μm〜1000μm程度の円形の開口部として形成されており、第2開口部26は、直径が300μm〜1000μm程度で第1開口部24とは開口面積の異なる円形の開口部として形成されている。
第1歪みセンサ部34は、第1開口部24の端部(図1,2における左側端部)から開口部の中央に向けて突出するように、且つ、上面が基板22の上面と同一になるように、片持ち梁状に形成されている。第2歪みセンサ部36も、第1歪みセンサ部34と同様に、第2開口部26の端部(図1,2における左側端部)から開口部の中央に向けて突出するように、且つ、上面が基板22の上面と同一になるように、片持ち梁状に形成されている。第1歪みセンサ部34および第2歪みセンサ部36は、厚みが1μm〜100μm程度で、図2に示すように、10μm〜200μm程度の矩形または円形の頭部34a,36aを2つの脚部34b,36bにより片持ち状に形成されている。2つの脚部34b,36bは、変形に対して抵抗値が変化するピエゾ抵抗により形成されている。例えば、2つの脚部34b,36bは、ケイ素層にピエゾ抵抗層を積層することにより構成することができる。第1歪みセンサ部34および第2歪みセンサ部36では、頭部34a,36aに作用する荷重が変化すると、2つの脚部34b,36bの撓みの程度が変化し、これにより2つの脚部34b,36bのピエゾ抵抗層の抵抗値が変化するから、この抵抗値の変化を検出信号として出力する。
弾性部材40は、PDMS(ポリジメチルシロキサン)により形成された厚さが10μm〜1000μmの膜状に形成されている。弾性部材40の上面は測定対称10の押圧面となる。
電子制御ユニット50は、図示しないCPUを中心とする汎用のマイクロコンピュータとして構成されており、図示しないが、CPUの他にROMやRAM、入出力ポートなどを備える。電子制御ユニット50では、定電圧を第1歪みセンサ部34,第2歪みセンサ部36の脚部34b,36bに作用させ、脚部34b,36bに流れる電流I1,I2を入力し、この電流I1,I2により脚部34b,36bの抵抗値R1,R2を演算する。
図3は、第1実施形態の硬さセンサ20により測定対象10のヤング率Eを測定している様子を示す説明図である。図示するように、測定対象10を弾性部材40の上面(押圧面)に押圧すると、測定対象10の弾性変形に伴って弾性部材40が弾性変形する。弾性部材40は、下面で第1歪みセンサ部34および第2歪みセンサ部36を押圧し、第1歪みセンサ部34および第2歪みセンサ部36を変形させる。第1歪みセンサ部34と第2歪みセンサ部36は、取り付けられた第1開口部24と第2開口部26の開口面積が異なるため、その変形量は異なるものとなる。第1歪みセンサ部34,第2歪みセンサ部36の脚部34b,36bは、変形により抵抗値を変化させるから、変形の前後の抵抗値の変化量ΔR1,ΔR2を計算すれば、変形前の抵抗値R1,R2に対する抵抗値変化量ΔR1,ΔR2として抵抗歪みε1=ΔR1/R1,ε2=ΔR2/R2を得ることができる。いま、ヤング率Eを歪み比rの関数とすれば、ヤング率Eは次式(1)により求めることができる。歪み比rは、抵抗歪みε1,ε2を用いれば式(2)として表わすことができる。したがって、第1実施形態の硬さセンサ20では、測定対象10の押圧の前後で第1歪みセンサ部34,第2歪みセンサ部36の脚部34b,36bの抵抗値R1,R2を検出することにより、測定対象10のヤング率E、即ち、測定対象10の硬さを検出することができる。
以上説明した第1実施形態の硬さセンサ20では、基板22に開口面積の異なる第1開口部24と第2開口部26とを形成し、第1開口部24と第2開口部26に片持ち梁状に第1歪みセンサ部34と第2歪みセンサ部36とを形成し、基板22の上面に弾性部材40を載置する。測定対象10を弾性部材40の上面(押圧面)に押圧し、その押圧の前後の第1歪みセンサ部34,第2歪みセンサ部36の脚部34b,36bの抵抗値R1,R2を検出し、式(2)により得られる歪み比rを用いて測定対象10のヤング率Eを導出する。第1実施形態の硬さセンサ20は半導体技術を用いて形成することができるから、高い精度で小型のセンサとすることができる。
次に、本発明の第2実施形態の硬さセンサ120について説明する。図4は、第2実施形態の硬さセンサ120の構成の概略を示す構成図である。図5は、図4のC−C断面により第2実施形態の硬さセンサ120を示す説明図である。なお、図4は、図5のD−D断面により第2実施形態の硬さセンサ120を示す説明図となる。
第2実施形態の硬さセンサ120は、図示するように、基板122と、基板122に形成された第1開口部124,第2開口部126,第3開口部128と、第1開口部124,第2開口部126,第3開口部128に形成された第1歪みセンサ部134,第2歪みセンサ部136,第3歪みセンサ部138と、基板122の上面に載置された弾性部材140と、電子制御ユニット150と、を備える。
基板122は、第1実施形態と同様に、シリコンなどの半導体材料により厚さTで幅L1、長さL2の全体として矩形の板状に形成されている。第1開口部124は、L1の1/3程度の矩形の開口部として形成されている。第2開口部126は、基板122の図中左側から台形状に切り落とした開口部として形成されている。第3開口部128は、第1開口部124に対して対称に第2開口部126と対となるように形成されている。
第1歪みセンサ部134は、第1開口部24の端部(図5における上側端部)から開口部の中央に向けて突出するように、且つ、上面が基板122の上面と同一になるように、片持ち梁状に形成されている。第2歪みセンサ部136は、第2開口部126の端部(図5における右側端部)から開口部の中央に向けて突出するように、且つ、上面が基板122の上面と同一になるように、片持ち梁状に形成されている。第3歪みセンサ部138は、第2歪みセンサ部136と対をなすように、即ち、第3開口部128の端部(図5における左側端部)から開口部の中央に向けて突出するように、且つ、上面が基板122の上面と同一になるように、片持ち梁状に形成されている。第1歪みセンサ部134,第2歪みセンサ部136,第3歪みセンサ部138は、いずれも、厚みt、全体として幅l1、長さl2の矩形の頭部134a,136a,138aと2つの脚部134b,136b,138bとにより片持ち状に形成されている。2つの脚部134b,136b,138bは、変形に対して抵抗値が変化するピエゾ抵抗により形成されている。
弾性部材140は、PDMS(ポリジメチルシロキサン)により形成された厚さmの膜状に形成されている。弾性部材40の上面は測定対称10の押圧面となる。
電子制御ユニット150は、第1実施形態の電子制御ユニット50と同様に、図示しないCPUを中心とする汎用のマイクロコンピュータとして構成されており、図示しないが、CPUの他にROMやRAM、入出力ポートなどを備える。電子制御ユニット150では、定電圧を第1歪みセンサ部134,第2歪みセンサ部136,第3歪みセンサ部138の脚部134b,136b,138bに作用させ、脚部134b,136b,138bに流れる電流I1,I2,I3を入力し、この電流I1,I2,I3により脚部134b,136b,138bの抵抗値R1,R2,R3を演算する。
図6は、第2実施形態の硬さセンサ120により測定対象10のヤング率Eを測定している様子を示す説明図である。図示するように、測定対象10を弾性部材140の上面(押圧面)に押圧すると、測定対象10の弾性変形に伴って弾性部材140が弾性変形する。弾性部材140は、下面で第1歪みセンサ部134,第2歪みセンサ部136,第3歪みセンサ部138を押圧し、第1歪みセンサ部134,第2歪みセンサ部136,第3歪みセンサ部138を変形させる。第1歪みセンサ部134と第2歪みセンサ部136および第3歪みセンサ部138は、取り付けられた第1開口部124と第2開口部126および第3開口部128の開口面積が異なるため、その変形量は異なるものとなる。第1歪みセンサ部134,第2歪みセンサ部136,第3歪みセンサ部138の脚部134b,136b,138bは、変形により抵抗値を変化させるから、変形の前後の抵抗値の変化量ΔR1,ΔR2,ΔR3を計算すれば、変形前の抵抗値R1,R2,R3に対する抵抗値変化量ΔR1,ΔR2,ΔR3として抵抗歪みε1=ΔR1/R1,ε2=ΔR2/R2,ε3=ΔR3/R3を得ることができる。歪み比rとして、抵抗歪みε1,ε2,ε3を用いて次式(3)を考えれば、式(1)に示すように、この歪み比rの関数としてヤング率Eを求めることができる。したがって、第2実施形態の硬さセンサ120では、測定対象10の押圧の前後で第1歪みセンサ部134,第2歪みセンサ部136,第3歪みセンサ部138の脚部134b,136b,138bの抵抗値R1,R2,R3を検出することにより、測定対象10のヤング率E、即ち、測定対象10の硬さを検出することができる。
図7は、第2実施形態の硬さセンサ120の実測値とシミュレーション結果とを示す説明図である。図中、実線の折れ線グラフはシミュレーション結果を示し、縦線による範囲と黒四角形により平均値を示すマークが実測値である。この実測値は、第2実施形態の硬さセンサ120の基板122としては厚さT=0.3mm、幅L1=3mm、長さL2=3mmとし、第1歪みセンサ部134,第2歪みセンサ部136,第3歪みセンサ部138としては厚みt=20μm、全体としての幅l1=100μm、長さl2=150μmとし、第1歪みセンサ部134と第2歪みセンサ部136との間隔については750μmとした。また、弾性部材150としては厚みm=500μmとした。図示するように、実測値は、ヤング率Eが小さい範囲でシミュレーション結果から乖離するが、ヤング率Eが大きい範囲ではシミュレーション結果によく一致する。したがって、実測値から歪み比rとヤング率Eとの関係を求めてマップとして用いることにより、精度良く測定対象10のヤング率Eを求めることができる。
以上説明した第2実施形態の硬さセンサ120では、基板122に第1開口部124と第1開口部124に対して対称に対となるように第2開口部126と第3開口部128とを形成し、第1開口部124,第2開口部126,第3開口部128に片持ち梁状に第1歪みセンサ部134,第2歪みセンサ部136,第3歪みセンサ部138を形成し、基板122の上面に弾性部材140を載置する。測定対象10を弾性部材140の上面(押圧面)に押圧し、その押圧の前後の第1歪みセンサ部134,第2歪みセンサ部136,第3歪みセンサ部138の脚部134b,136b,138bの抵抗値R1,R2,R3を検出し、式(3)により得られる歪み比rを用いて測定対象10のヤング率Eを導出する。第2実施形態の硬さセンサ120は半導体技術を用いて形成することができるから、高い精度で小型のセンサとすることができる。
第1実施形態の硬さセンサ20では2つの開口部と2つの歪みセンサ部とによりセンサを構成するものとし、第2実施形態の硬さセンサ120では3つの開口部と3つの歪みセンサ部とによりセンサを構成するものとした。しかし、4つ以上の開口部と4つ以上の歪みセンサ部とによりセンサを構成するものとしても構わない。
第1実施形態の硬さセンサ20の2つの歪みセンサ部34,36や第2実施形態の硬さセンサ120の3つの歪みセンサ部134,136,138では、頭部34a,36a,134a,136a,138aと2つの脚部34b,36b,134b,136b,138bにより片持ち支持するものとしたが、頭部を単一の脚部で片持ち支持するものとしてもよい。
第1実施形態の硬さセンサ20の2つの歪みセンサ部34,36や第2実施形態の硬さセンサ120の3つの歪みセンサ部134,136,138では、頭部34a,36a,134a,136a,138aと2つの脚部34b,36b,134b,136b,138bにより片持ち支持するものとしたが、複数の歪みセンサ部は両持ち支持による梁部材としてもよい。例えば、図5と同様の断面として示す図8の変形例の硬さセンサ120Bのように、基板122Bに形成された第1開口部124B,第2開口部126B,第3開口部128Bの端部に両持ち支持による3つの歪みセンサ部134B,136B,138Bを備えるものとしてもよい。
第1実施形態の硬さセンサ20の第1開口部24,第2開口部26や第2実施形態の硬さセンサ120の第1開口部124,第2開口部126,第3開口部128の空間には、特に何も充填しないもの、即ち空気が存在するものとしたが、これらの開口部の空間に弾性部材40,140より軟らかい弾性体或いはゲルなどが充填されているものとしてもよい。
第2実施形態の硬さセンサ120は単独で作用するセンサとして構成したが、図9に例示するように、第2実施形態の硬さセンサ120を縦横に複数配置して硬さセンサアレイ220としてもよい。なお、図9では、弾性部材140の図示は省略したが、センサアレイ全体を弾性部材で覆うものとしてもよい。この場合、センサアレイの背面も弾性部材で覆うものとしてもよい。このような硬さセンサアレイ220は、ロボットの表面に取り付けることにより、ロボットに触れた対象物の硬さを測定し、対象物の特定に役立てることができる。硬さセンサアレイとしては、第1実施形態の硬さセンサ20を縦横に複数配置するものとしてもよい。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、硬さセンサの製造産業などに利用可能である。
20,120,120B 硬さセンサ、22,122,122B 基板、24,124,124B 第1開口部、26,126,126B 第2開口部、128,128B 第3開口部、34,134,134B 第1歪みセンサ部、36,136,136B 第2歪みセンサ部、138,138B 第3歪みセンサ部、34a,36a,134a,136a,138a 頭部、34b,36b,134b,136b,138b 脚部、50,150 電子制御ユニット、220 硬さセンサアレイ。
Claims (7)
- 押圧した測定対象の硬さを検出する硬さセンサであって、
開口面積の異なる複数の開口部を有する基板と、
前記基板の上面と同一面が上面となるように前記複数の開口部の各端部に取り付けられ、上面側からの押圧力に対して変形する複数の歪みセンサ部と、
膜状で下面が前記基板の上面に接触するように取り付けられ、上面が測定対象の押圧面を構成する弾性部材と、
を備える硬さセンサ。 - 請求項1記載の硬さセンサであって、
前記複数の歪みセンサ部は、上面側からの押圧力に対して変形する部位が変形に応じて抵抗値が変化する素材により形成されている、
硬さセンサ。 - 請求項2記載の硬さセンサであって、
前記複数の開口部は、第1開口部と第2開口部との2つの開口部であり、
前記複数の歪みセンサ部は、前記第1開口部に形成された第1歪みセンサ部と前記第2開口部に形成された第2歪みセンサ部との2つの歪みセンサ部であり、
測定対象を押圧していないときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部の抵抗値をR1,R2とし、測定対象を押圧したときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部の抵抗値の変化量をΔR1,ΔR2としたときの、ΔR2/R2に対するΔR1/R1の比に基づいて測定対象のヤング率を導出する導出部を備える、
硬さセンサ。 - 請求項2記載の硬さセンサであって、
前記複数の開口部は、第1開口部と、前記第1開口部に対して対称に形成された第2開口部および第3開口部と、の3つの開口部であり、
前記複数の歪みセンサ部は、前記第1開口部に形成された第1歪みセンサ部と前記第2開口部に形成された第2歪みセンサ部と前記第3開口部に形成された第3歪みセンサ部との3つの歪みセンサ部であり、
測定対象を押圧していないときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部,前記第3歪みセンサ部の抵抗値をR1,R2,R3とし、測定対象を押圧したときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部,前記第3歪みセンサ部の抵抗値の変化量をΔR1,ΔR2,ΔR3としたときの、ΔR1/R1の2倍の値に対するΔR2/R2とΔR3/R3の和の比に基づいて測定対象のヤング率を導出する導出部を備える、
硬さセンサ。 - 請求項1ないし4のうちのいずれか1つの請求項に記載の硬さセンサを面状に複数備える硬さセンサアレイ。
- 第1開口部および前記第1開口部とは開口面積が異なる第2開口部を有する基板と、前記基板の上面と同一面が上面となるように前記第1開口部および前記第2開口部の各端部に取り付けられて上面側からの押圧力に対して変形する第1歪みセンサ部および第2歪みセンサ部と、下面が前記基板の上面に接触するように取り付けられた膜状の弾性部材と、を備えるセンサに対して、前記弾性部材の上面に測定対象を押圧したときに測定対象の硬さを検出する硬さ検出方法であって、
測定対象を押圧していないときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部の抵抗値をR1,R2とし、測定対象を押圧したときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部の抵抗値の変化量をΔR1,ΔR2としたときに、ΔR2/R2に対するΔR1/R1の比に基づいて測定対象の硬さを検出する、
ことを特徴とする硬さ検出方法。 - 第1開口部と、前記第1開口部とは開口面積が異なり且つ前記第1開口部に対して対称に形成された第2開口部および第3開口部と、を有する基板と、前記基板の上面と同一面が上面となるように前記第1開口部,前記第2開口部,第3開口部の各端部に取り付けられて上面側からの押圧力に対して変形する第1歪みセンサ部,第2歪みセンサ部,第3歪みセンサ部と、下面が前記基板の上面に接触するように取り付けられた膜状の弾性部材と、を備えるセンサに対して、前記弾性部材の上面に測定対象を押圧したときに測定対象の硬さを検出する硬さ検出方法であって、
測定対象を押圧していないときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部,前記第3歪みセンサ部の抵抗値をR1,R2,R3とし、測定対象を押圧したときの前記第1歪みセンサ部,前記第2歪みセンサ部,前記第3歪みセンサ部の抵抗値の変化量をΔR1,ΔR2,ΔR3としたときに、ΔR1/R1の2倍の値に対するΔR2/R2とΔR3/R3の和の比に基づいて測定対象の硬さを検出する、
ことを特徴とする硬さ検出方法。
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JP2018006947A JP2019124645A (ja) | 2018-01-19 | 2018-01-19 | 硬さセンサおよび硬さセンサアレイ並びに硬さ検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019124645A true JP2019124645A (ja) | 2019-07-25 |
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JP2018006947A Pending JP2019124645A (ja) | 2018-01-19 | 2018-01-19 | 硬さセンサおよび硬さセンサアレイ並びに硬さ検出方法 |
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2018
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