JP2013170896A - 触覚センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】気体圧力室13が形成された基板10と、気体圧力室13の上面の隔壁を構成するダイヤフラム20と、基板10の上面に固定され上端に基準面31を有する固定子30と、ダイヤフラム20の上面に設けられた接触子40と、接触子40の垂直変位および/または傾きを検出する検出素子21〜25とを備える。基準面31を基準とした操作において、接触子40の垂直変位や傾きを検出することで、測定対象物Oの摩擦力、柔軟度、表面粗さを検出できる。
【選択図】図1
Description
しかし、人間のもつ皮膚感覚レベルで検出するためには、さらに測定対象物の摩擦力、柔軟度、表面粗さを検出することが必要とされている。
第2発明の触覚センサは、第1発明において、前記固定子と前記接触子との間には、該接触子が揺動可能な隙間が設けられていることを特徴とする。
第3発明の触覚センサは、第1発明において、前記固定子と前記接触子との間には、該接触子の揺動を抑制し、該接触子が前記基準面に対する垂直移動が可能な隙間が設けられていることを特徴とする。
第4発明の触覚センサは、第1発明において、前記基板には、前記気体圧力室の内部と外部とを連通する圧力調整孔が形成されていることを特徴とする。
第5発明の検出方法は、請求項1、2または4記載の触覚センサを用いた測定対象物の摩擦力の検出方法であって、前記気体圧力室内の圧力を、前記接触子の上端が前記基準面より突出する圧力とし、前記触覚センサを前記測定対象物の表面に押し当てて、前記接触子にその上端を前記基準面と同一平面まで押し下げる垂直荷重をかけ、その状態で前記触覚センサを前記測定対象物の表面に沿って褶動させた際の前記接触子の傾きを検出し、前記接触子の傾きから該接触子の上端にかかる動摩擦力を算出し、該動摩擦力から前記測定対象物の表面の摩擦力を算出することを特徴とする。
第6発明の検出方法は、請求項1、2、3または4記載の触覚センサを用いた測定対象物の柔軟度の検出方法であって、前記気体圧力室内の圧力を、前記接触子の上端が前記基準面より突出する圧力とし、前記触覚センサを前記測定対象物に対して所定の力で押し込んだ際の前記接触子の垂直変位を検出することを特徴とする。
第7発明の検出方法は、請求項1、2、3または4記載の触覚センサを用いた測定対象物の柔軟度の検出方法であって、前記気体圧力室内の圧力を、前記接触子の上端が前記基準面より突出する圧力とし、前記触覚センサを前記測定対象物に対して押し込み、前記接触子の上端が前記測定対象物に接触してから、該接触子の上端が前記基準面と同一平面まで押し下げられるまでの、前記触覚センサの押し込み距離を検出することを特徴とする。
第8発明の検出方法は、請求項4記載の触覚センサを用いた測定対象物の柔軟度の検出方法であって、前記触覚センサを前記測定対象物の表面に押し当て、前記気体圧力室内の圧力を、前記接触子の上端が前記基準面と同一平面となる圧力とし、前記気体圧力室内の圧力を所定の圧力だけ増圧した際の前記接触子の垂直変位を検出することを特徴とする。
第9発明の検出方法は、請求項4記載の触覚センサを用いた測定対象物の柔軟度の検出方法であって、前記触覚センサを前記測定対象物の表面に押し当てて、前記基準面を該測定対象物に接触させ、前記気体圧力室内の圧力を、所定の圧力に調整し、前記接触子の上端が前記基準面と同一平面となるまで前記気体圧力室内の圧力を減圧した際の圧力差を検出することを特徴とする。
第10発明の検出方法は、請求項1、2、3または4記載の触覚センサを用いた測定対象物の表面粗さの検出方法であって、前記気体圧力室内の圧力を、前記接触子の上端が前記基準面より突出する圧力とし、前記触覚センサを前記測定対象物の表面に押し当てて、前記基準面を該測定対象物に接触させ、その状態で前記触覚センサを前記測定対象物の表面に沿って褶動させた際の前記接触子の垂直変位の変化を検出することを特徴とする。
第2発明によれば、接触子が揺動可能であるので、接触子の傾きを検出することで、測定対象物の摩擦力を検出できる。
第3発明によれば、接触子の揺動が抑制されており、接触子の垂直移動のみによりダイヤフラムが変形するので、測定対象物の柔軟度、表面粗さを高精度で検出できる。
第4発明によれば、圧力調整孔を通して気体圧力室内の圧力を変更できるので、圧力変化を用いた種々の検出方法に対応できる。
第5発明によれば、基準面を基準とした操作により、測定対象物の摩擦力を検出できる。
第6発明によれば、基準面を基準とした操作により、測定対象物の柔軟度を検出できる。
第7発明によれば、基準面を基準とした操作により、測定対象物の柔軟度を検出できる。
第8発明によれば、基準面を基準とした操作により、測定対象物の柔軟度を検出できる。
第9発明によれば、基準面を基準とした操作により、測定対象物の柔軟度を検出できる。
第10発明によれば、基準面を基準とした操作により、測定対象物の表面粗さを検出できる。
(第1実施形態)
図1および図2に示すように、本発明の第1実施形態に係る触覚センサ1は、半導体マイクロマシニング技術を用いて形成されたセンサであり、主に基板10と、ダイヤフラム20と、固定子30と、接触子40とから構成されている。なお、触覚センサ1は、固定子30および接触子40が設けられた面(図1における上面)が測定対象物と接触する接触面である。
基板10は触覚センサ1の骨格をなす部材であり、測定対象物の反力に耐えうる剛性を有している。なお、基層11および支持層12としては厚さ数百μmのシリコンウエハなどが用いられる。
なお、ダイヤフラム20は、厚さ数μm〜数十μm程度のシリコンなどで形成されている。
この圧力調整孔14には、空気などの気体供給源Sが圧力調整手段Aを介して接続されている。そして、気体供給源Sから供給された気体を圧力調整孔14を通して気体圧力室13へ導入することで、気体圧力室13内の圧力を調整できるようになっている。
これら固定子30および接触子40は、厚さ数百μmの光硬化樹脂などで形成されており、外力による撓みが少ない剛性を有している。
歪検出素子21〜25は、例えば、ピエゾ抵抗素子より構成される半導体材料からなる素子であり、既知の集積化技術を用いてダイヤフラム20の表面に形成される。なお、歪検出素子21〜25は、特許請求の範囲に記載の検出素子に相当する。
図3に示すように、歪検出回路27は、x軸歪検出素子21、22を直列に接続して両端に電圧Vddをかけ、x軸歪検出素子21と22の間の電圧Vxを読み取れるように形成されている。同様に、y軸歪検出素子23、24を直列に接続して両端に電圧Vddをかけ、y軸歪検出素子23と24の間の電圧Vyを読み取れるように形成されている。また、z軸歪検出素子25と基準抵抗26を直列に接続して両端に電圧Vddをかけ、z軸歪検出素子25と基準抵抗26の間の電圧Vzを読み取れるように形成されている。
つぎに、触覚センサ1を用いた測定対象物の摩擦力の検出方法を説明する。
図4(a)に示すように、まず、気体圧力室13に気体を供給して正圧とし、ダイヤフラム20を上に凸となるように撓ませる。そして、接触子40の上端が基準面31より突出した状態とする。
なお、圧力調整孔14を有さない触覚センサの場合には、気体圧力室13内に正圧の気体を封止したものを用いる。
ここで、接触子40の上端が基準面31と同一平面まで押し下げられたか否かは、z軸歪検出素子25によりダイヤフラム20が平坦になったか否かを検出することにより行われる。また、垂直荷重Fzは、ダイヤフラム20の弾性率や気体圧力室13内の圧力から既知である。
そして、測定対象物Oと接触子40の上端との動摩擦係数をμとすると、垂直荷重Fzと動摩擦力Fxyとの関係は数1の通りに表されるから、算出した垂直荷重Fzと動摩擦力Fxyとから測定対象物Oの表面の動摩擦係数μを算出できる。
(数1)
Fxy = μFz
また、触覚センサ1を測定対象物Oに対して押し当てて褶動するという簡易な操作で測定対象物Oの摩擦力を検出できる。
つぎに、触覚センサ1を用いた測定対象物の柔軟度の検出方法を説明する。
まず、気体圧力室13に気体を供給して正圧とし、ダイヤフラム20を上に凸となるように撓ませる。そして、接触子40の上端が基準面31より突出した状態とする。
なお、圧力調整孔14を有さない触覚センサの場合には、気体圧力室13内に正圧の気体を封止したものを用いる。
なお、触覚センサ1をロボットアームなどの他の装置に取り付け、その装置により触覚センサ1を所定の力Fで押し込むように制御する。
このように、測定対象物Oの柔軟度によって接触子40の垂直変位が異なる。
また、触覚センサ1を測定対象物Oに対して押し当てるという簡易な操作で測定対象物Oの柔軟度を検出できる。
つぎに、触覚センサ1を用いた測定対象物の柔軟度の他の検出方法を説明する。
まず、気体圧力室13に気体を供給して正圧とし、ダイヤフラム20を上に凸となるように撓ませる。そして、接触子40の上端が基準面31より突出した状態とする。
なお、圧力調整孔14を有さない触覚センサの場合には、気体圧力室13内に正圧の気体を封止したものを用いる。
このとき、接触子40の上端が測定対象物Oに接触してから(図6(a)の状態)、接触子40の上端が基準面31と同一平面まで押し下げられるまでの(図6(b)の状態)、触覚センサ1の押し込み距離dを検出する。
また、触覚センサ1をロボットアームなどの他の装置に取り付け、その装置により触覚センサ1を測定対象物Oに押し込み、その装置により押し込み距離dを検出する。
一方、測定対象物Oが柔らかい場合には、測定対象物Oに触覚センサ1が食い込むため、押し込み距離dは長くなる。
また、触覚センサ1を測定対象物Oに対して押し当てるという簡易な操作で測定対象物Oの柔軟度を検出できる。
つぎに、触覚センサ1を用いた測定対象物の柔軟度のさらに他の検出方法を説明する。
まず、触覚センサ1の接触面を測定対象物Oの表面に押し当てる。
ここで、触覚センサ1の接触面が測定対象物Oに接触したか否かは、接触子40にかかる荷重によりダイヤフラム20に若干の歪が生じることをz軸歪検出素子25により検出することにより行われる。
ここで、接触子40の上端が基準面31と同一平面まで押し下げられたか否かは、z軸歪検出素子25によりダイヤフラム20が平坦になったか否かを検出することにより行われる。
一方、測定対象物Oが柔らかい場合には、測定対象物Oに接触子40が食い込むため、接触子40の垂直変位は長くなる。
また、触覚センサ1を測定対象物Oに対して押し当てるという簡易な操作で測定対象物Oの柔軟度を検出できる。
つぎに、触覚センサ1を用いた測定対象物の柔軟度のさらに他の検出方法を説明する。
まず、気体圧力室13に気体を供給して正圧とし、ダイヤフラム20を上に凸となるように撓ませる。そして、接触子40の上端が基準面31より突出した状態とする。
ここで、気体圧力室13内の圧力は圧力調整手段Aにより調整される。
ここで、気体圧力室13内の圧力は圧力調整手段Aにより検出する。
一方、測定対象物Oが柔らかい場合には、気体圧力室13内の圧力がP1の状態において測定対象物Oに接触子40が食い込むため、P1とP2の圧力差は大きくなる。
また、触覚センサ1を測定対象物Oに対して押し当てるという簡易な操作で測定対象物Oの柔軟度を検出できる。
本発明の第2実施形態に係る触覚センサ2は、後述の測定対象物の表面粗さの検出に適した実施形態である。
図9に示すように、触覚センサ2は、第1実施形態に係る触覚センサ1に比べて固定子30および接触子40の形状が異なっている。より詳細には、固定子30の上部が接触子40に向かって庇状に突出しており、接触子40が細い円柱状となっている。固定子30と接触子40との間の隙間は狭くなっており、接触子40の揺動を抑制し、かつ接触子40が基準面31に対して垂直移動可能となっている。
なお、本実施形態においても、基層11に圧力調整孔14を形成した構成としてもよいし、基層11に圧力調整孔14を形成しない構成としてもよい。基層11に圧力調整孔14を形成しない場合には、気体圧力室13内に所定の圧力で気体が封止されるように形成される。
つぎに、触覚センサ2を用いた測定対象物の表面粗さの検出方法を説明する。
図10(a)に示すように、まず、気体圧力室13に気体を供給して正圧とし、ダイヤフラム20を上に凸となるように撓ませる。そして、接触子40の上端が基準面31より突出した状態とする。
なお、圧力調整孔14を有さない触覚センサの場合には、気体圧力室13内に正圧の気体を封止したものを用いる。
なお、表面粗さの判定は、再現した測定対象物Oの表面の空間波形を統計的に分類するなど、他の方法で判定してもよい。
なお、柔軟度を検出する場合には、接触子40の上面にある程度の広さをもたせた方が、測定対象物Oからの反力が強くなるので好ましい。
また、圧力調整孔14を通して気体圧力室13内の圧力を変更できるので、圧力変化を用いた種々の検出方法に対応できる。
固定子30や接触子40の上面の広さや厚みは、測定対象物Oや検出方法に応じて、適宜設定されるものである。
また、固定子30と接触子40の厚みは異なっていてもよい。例えば、接触子40を固定子30より厚くすれば、気体圧力室13内を大気圧としても、接触子40の上端が基準面31より突出した状態となる。
また、接触子40の上面は平面に限らず、丸みを帯びた形状、例えば半球状としてもよい。
10 基板
11 基層
12 支持層
13 気体圧力室
14 圧力調整孔
20 ダイヤフラム
21〜25 歪検出素子
26 基準抵抗
27 歪検出回路
30 固定子
31 基準面
40 接触子
Claims (10)
- 気体圧力室が形成された基板と、
前記気体圧力室の上面の隔壁を構成するダイヤフラムと、
前記基板の上面に固定され、上端に基準面を有する固定子と、
前記ダイヤフラムの上面に設けられた接触子と、
該接触子の垂直変位および/または傾きを検出する検出素子と、を備える
ことを特徴とする触覚センサ。 - 前記固定子と前記接触子との間には、該接触子が揺動可能な隙間が設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の触覚センサ。 - 前記固定子と前記接触子との間には、該接触子の揺動を抑制し、該接触子が前記基準面に対する垂直移動が可能な隙間が設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の触覚センサ。 - 前記基板には、前記気体圧力室の内部と外部とを連通する圧力調整孔が形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の触覚センサ。 - 請求項1、2または4記載の触覚センサを用いた測定対象物の摩擦力の検出方法であって、
前記気体圧力室内の圧力を、前記接触子の上端が前記基準面より突出する圧力とし、
前記触覚センサを前記測定対象物の表面に押し当てて、前記接触子にその上端を前記基準面と同一平面まで押し下げる垂直荷重をかけ、
その状態で前記触覚センサを前記測定対象物の表面に沿って褶動させた際の前記接触子の傾きを検出し、
前記接触子の傾きから該接触子の上端にかかる動摩擦力を算出し、
該動摩擦力から前記測定対象物の表面の摩擦力を算出する
ことを特徴とする検出方法。 - 請求項1、2、3または4記載の触覚センサを用いた測定対象物の柔軟度の検出方法であって、
前記気体圧力室内の圧力を、前記接触子の上端が前記基準面より突出する圧力とし、
前記触覚センサを前記測定対象物に対して所定の力で押し込んだ際の前記接触子の垂直変位を検出する
ことを特徴とする検出方法。 - 請求項1、2、3または4記載の触覚センサを用いた測定対象物の柔軟度の検出方法であって、
前記気体圧力室内の圧力を、前記接触子の上端が前記基準面より突出する圧力とし、
前記触覚センサを前記測定対象物に対して押し込み、
前記接触子の上端が前記測定対象物に接触してから、該接触子の上端が前記基準面と同一平面まで押し下げられるまでの、前記触覚センサの押し込み距離を検出する
ことを特徴とする検出方法。 - 請求項4記載の触覚センサを用いた測定対象物の柔軟度の検出方法であって、
前記触覚センサを前記測定対象物の表面に押し当て、
前記気体圧力室内の圧力を、前記接触子の上端が前記基準面と同一平面となる圧力とし、
前記気体圧力室内の圧力を所定の圧力だけ増圧した際の前記接触子の垂直変位を検出する
ことを特徴とする検出方法。 - 請求項4記載の触覚センサを用いた測定対象物の柔軟度の検出方法であって、
前記触覚センサを前記測定対象物の表面に押し当てて、前記基準面を該測定対象物に接触させ、
前記気体圧力室内の圧力を、所定の圧力に調整し、
前記接触子の上端が前記基準面と同一平面となるまで前記気体圧力室内の圧力を減圧した際の圧力差を検出する
ことを特徴とする検出方法。 - 請求項1、2、3または4記載の触覚センサを用いた測定対象物の表面粗さの検出方法であって、
前記気体圧力室内の圧力を、前記接触子の上端が前記基準面より突出する圧力とし、
前記触覚センサを前記測定対象物の表面に押し当てて、前記基準面を該測定対象物に接触させ、
その状態で前記触覚センサを前記測定対象物の表面に沿って褶動させた際の前記接触子の垂直変位の変化を検出する
ことを特徴とする検出方法。
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