JP4137710B2 - パネルセンサおよびこれを備えた情報機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば指等を表示画面に接触させて入力を行う、所謂タッチパネルなどとして用いられるパネルセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話やPDA(personal digital assistant)などのモバイル機器が生活の必需品となりつつあり、このようなモバイル機器は、各種デバイスを搭載することによって、高機能化、多機能化が図られるようになってきている。高機能化の一例として、指やタッチペン等をパネルに接触させることによって入力を行う所謂タッチパネルが搭載されたモバイル機器も提供されている。
【0003】
従来、タッチパネルにおいて、指などの接触を検出するためのセンシング方法としては、例えばパネルの特定領域に指が置かれると回路が完成されその回路特性によって特定領域を識別する方法や、表面音響波(SAW)をパネル領域に渡って伝播させ、指が接触したときの波のパターン乱れから指がパネルに接触した領域を特定する方法などがある。さらには電磁誘導を利用するものや平行光線の遮断を検出する方法などもある。
【0004】
しかし、これらのセンシング方法は、回路構成が複雑になったり、センサの適用がパネルの特性に依存したり、センサにコストがかかったりする問題点がある。そこで、タッチパネルのセンシングの他の方法として、剛体力学を利用した力の検出方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。この方法は、基板上に配置されるパネルを支持する部材において、パネルに加えられた力の分力を検出するセンサを備えている。そして、各センサから検出された出力値を比較することによって、指がパネルに接触した領域を特定するようになっている。このセンシング方法は、構造が簡単である点、およびパネルの特性に依存しない点において優れている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭61−292732号公報(1986年12月23日公開)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
モバイル機器は、高機能化、多機能化を実現するために様々なデバイスが搭載されるようになってきている一方で、人が容易に持ち運びできるようにモバイル機器本体の形状は小型化されている。したがって、モバイル機器において新たなデバイスを搭載し得るスペースは非常に限られたものとなる。
【0007】
一方、モバイル機器にタッチパネルを搭載する場合は、タッチ入力を実現するためにモバイル機器において広範な面積が必要となる。すなわち、タッチパネルは、一機能つまりタッチ入力機能のみしか有していないにもかかわらず、モバイル機器において広範な面積を占めるという問題がある。さらには、タッチパネルのセンシング方法またはセンサの構成が複雑となる場合では、タッチ入力機能のみのために複雑な回路設計、演算または構成が要求され、コストが高くなったり、モバイル機器の小型化を妨げる要因になったりするという問題がある。
【0008】
また、例えば特許文献1に示されているタッチパネルにおける力のセンシング方法は、センシング方法の構造が簡単でありパネルの特性に依存しない点においては優れている。しかしながら、このセンシング方法は、センサが指やペンによる押付力のみを検出することが想定されており、指やペンによる押付力と比較して微小な力には感度が悪いという問題点がある。さらに、パネルに対して垂直な1軸方向の力検出しかできず、パネルに作用する3軸方向の力を検出することはできないために、タッチ入力機能以外の機能をパネルに付加することができない。
【0009】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、新たな構成を追加することなく、例えばタッチ入力機能以外の機能をも有するパネルセンサおよびこれを備えた情報機器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るパネルセンサは、パネルに対して作用する力を検出するパネルセンサであって、上記パネルに対して作用する力を検出する力検出手段を備え、上記力検出手段が、上記パネルに対して作用する力を複数方向成分に分離した分力をそれぞれ検出する複数の検出部を備えていることを特徴としている。
【0011】
従来、上記したように、例えばタッチパネルにおいては、パネルの面に対して垂直な方向に対する力を検出することによって入力を検知するようになっていた。これに対して、上記の構成では、力検出手段が備える複数の検出部によって、パネルに対して作用する力を複数方向成分の分力として検出するようになっている。これにより、例えばパネルの面に対して垂直な方向に対する力のみならず、その他の方向、例えばパネルの面に対して水平な方向に対する力も検出することが可能となる。すなわち、パネルに対して作用する様々な方向の力を検出することができるので、パネルセンサを様々な用途で用いることが可能となる。したがって、このようなパネルセンサを1つ何らかの機器に搭載することによって、該機器に様々な機能を付与することが可能となる。
【0012】
また、本発明に係るパネルセンサは、パネルに対して作用する力を検出するパネルセンサであって、上記パネルに対して作用する力を検出する力検出手段を備え、上記力検出手段が、上記パネルに対して作用する力の大きさを複数の範囲に分割した各範囲に対応した力を検出する複数の検出部を備えていることを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、パネルに対して作用する力の大きさを複数の範囲に分割し、この各範囲に対応させた検出部によって、パネルに対して作用する力の大きさが検出されることになる。これにより、パネルに対して作用する多様な種類の大きさの力を精度良く検出することが可能となるので、パネルセンサを様々な用途で用いることが可能となる。したがって、このようなパネルセンサを1つ何らかの機器に搭載することによって、該機器に様々な機能を付与することが可能となる。
【0014】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記の構成において、上記力検出手段が、さらに、上記パネルに対して作用する力の大きさを複数の範囲に分割した各範囲に対応した力を検出する複数の検出部を備えている構成としてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、パネルに対して作用する力の大きさを複数の範囲に分割し、この各範囲に対応した検出部によって、パネルに対して作用する力の大きさが検出されることになる。これにより、パネルに対して作用する多様な種類の大きさの力を精度良く検出することが可能となるので、様々な方向の力を検出することが可能であることとの相乗効果によって、パネルセンサをさらに様々な用途で用いることが可能となる。したがって、このようなパネルセンサを1つ何らかの機器に搭載することによって、該機器にさらに様々な機能を付与することが可能となる。
【0016】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記の構成において、上記力検出手段が、上記パネルの平面位置における3つ以上の箇所に対応して配置されている構成としてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、パネルの平面位置における3つ以上の箇所に対応して力検出手段が設けられているので、各力検出手段によって検出された力に基づいて、パネルに対して作用した力の作用点の平面位置を特定することが可能となる。よって、パネルセンサを、力を加えた位置によって入力動作が行われるタッチセンサとして機能させることが可能となる。
【0018】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記の構成において、上記力検出手段が、上記パネルに対して作用する力を薄膜の変位によって検出する検出部を備えている構成としてもよい。
【0019】
上記の構成では、薄膜の変位によってパネルに作用する力が検出されるようになっている。薄膜は、微少な力に対しても敏感に反応して変位するものであるので、上記の構成によれば、微少な力を精度良く検知することが可能となる。
【0020】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記の構成において、上記薄膜が、上記パネルに対して作用する力の方向に応じて複数の方向に変位するとともに、上記力検出手段が、該薄膜の変位の複数方向の成分に対応した複数の検出部を備えている構成としてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、パネルに対して作用する力の方向に応じて薄膜が複数の方向に変位することが可能となっており、この薄膜の変位を複数方向成分ごとに検出することが可能となっている。これにより、パネルに対する微少な力がどの方向でどれだけの大きさであるのかを検出することが可能となる。
【0022】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記の構成において、上記検出部が、上記薄膜に設けられた電極と、該薄膜の変位に応じて移動しない箇所に設けられた電極とによって構成されるコンデンサの静電容量の変化を検出することによって、上記薄膜の変位を検出する構成としてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、コンデンサの静電容量を検出することによって薄膜の変位を検出しているので、薄膜の変位の微少な変化も的確に検知することができる。すなわち、パネルに作用する微少な力を精密に測定することが可能となる。
【0024】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記の構成において、上記検出部が、上記薄膜に生じる歪みを検出する歪み検出手段によって、上記薄膜の変位を検出する構成としてもよい。
【0025】
上記の構成によれば、薄膜に生じる歪みを検出する歪み検出手段によって薄膜の変位を検出しているので、薄膜の変位の微少な変化も的確に検知することができる。すなわち、パネルに作用する微少な力を精密に測定することが可能となる。
【0026】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記の構成において、上記力検出手段が、上記パネルに対して作用する力に応じて変位する変位部と、上記変位部の変位に応じて移動しない固定部と、上記変位部と上記固定部とを固定的に接続する弾性部材と、上記変位部の変位を検出する検出部とを備えている構成としてもよい。
【0027】
上記の構成では、変位部は、固定部に対して、弾性を有する部材によって支持されている構成となっている。したがって、パネルに対して力が作用した際には、弾性部材の弾性変形によって変位部が変位することになる。すなわち、弾性部材の弾性の大きさを適宜設定することによって、力の大きさの検出範囲を適宜設定することができる。
【0028】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記の構成において、上記弾性部材が、一端が上記変位部に固定的に接続され、他端が上記固定部に固定的に接続された梁部である構成としてもよい。
【0029】
上記の構成では、梁部によって変位部と固定部とが接続された構成となる。梁部は、一般的に、圧縮伸張方向に対する弾性変形は僅かである一方、曲げ方向、言い換えれば、たわみ方向に対する変形はある程度生じるものである。すなわち、上記の構成によれば、パネルに対して作用する力の特定の方向の分力を検出することが可能となる。
【0030】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記の構成において、上記検出部が、上記変位部に設けられた電極と、該変位部の変位に応じて移動しない箇所に設けられた電極とによって構成されるコンデンサの静電容量の変化を検出することによって、上記変位部の変位を検出する構成としてもよい。
【0031】
上記の構成によれば、コンデンサの静電容量を検出することによって変位部の変位を検出しているので、変位部の変位の微少な変化も的確に検知することができる。すなわち、パネルに作用する力を精密に測定することが可能となる。
【0032】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記の構成において、上記検出部が、上記梁部に生じる歪みを検出する歪み検出手段によって、上記変位部の変位を検出する構成としてもよい。
【0033】
上記の構成によれば、梁部に生じる歪みを検出する歪み検出手段によって変位部の変位を検出しているので、変位部の変位の微少な変化も的確に検知することができる。すなわち、パネルに作用する力を精密に測定することが可能となる。
【0034】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記の構成において、上記力検出手段が、半導体製造プロセスによって作製される構成としてもよい。
【0035】
上記の構成によれば、半導体製造プロセスによって力検出手段が作製されるので、1つのプロセスで、例えばシリコンウェハ上に力検出手段の各構成要素、検知を行うためのセンシング部材、および、センシング部材からの出力信号を処理する信号処理回路等を作製することが可能となる。
【0036】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記の構成において、上記検出部が、圧電素子によって構成されている構成としてもよい。
【0037】
圧電素子による力検出に関しては、従来から良く知られている技術であるため、上記の構成によれば、力検出手段を容易に構成することができるとともに、圧電素子のパネルへの取り付けも容易に行うことができる。
【0038】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記の構成において、上記力検出手段が、上記パネルに対して作用する押付力、上記パネルに対して作用する慣性力、上記パネルの音による振動、および、上記パネルの温度変化による変形のうちの少なくとも1つを検出するように構成することが可能となっている。
【0039】
また、本発明に係る情報機器は、情報の表示を行う表示パネルと、上記本発明に係るパネルセンサとを備えていることを特徴としている。
【0040】
上記の構成によれば、表示パネルとパネルセンサとを組み合わせることによって、タッチセンシング方式による入力動作を行うことが可能となる。また、パネルセンサは、上記したように、様々な種類の力を検出することが可能であるので、情報機器に対して多様な機能を提供することが可能となる。すなわち、例えば携帯用途の情報機器に対しても、装置の大型化やコストの上昇などを招くことなく、多様な機能を有する構成とすることが可能となる。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0042】
(パネルセンサの構成)
図2は、本実施形態に係るパネルセンサ2の概略的な外観を示している。同図に示すように、パネルセンサ2は、パネル3および4つの力センサ(力検出手段)4…を備えた構成となっている。パネル3は、ユーザによる入力動作や、その他外部からの入力を受け付けるものであり、これらの入力によって移動・振動を行うものである。本実施形態では、パネル3は四角形状の板状部材によって構成されている。このパネル3の材質としては、軽量のものが好ましく、例えば透明プラスチックなどによって構成される。
【0043】
力センサ4…は、パネル3の移動・振動を検知することによって加えられている力を検知するセンサである。本実施形態では、四角形状のパネル3の片面上における4つの角近傍の所定位置にそれぞれ1つずつ力センサ4…が設けられている。パネル3の任意点に作用した力は、パネル3の各コーナーに配される複数の力センサ4によってその分力が検出され、これに基づいて、パネル3に対して力が作用した位置が特定される。なお、この力センサ4の詳細については後述する。
【0044】
また、図2に示すように、パネル3における力センサ4…が設けられている側の面に対向する位置に、パネル3と所定の間隙をおいて表示パネル5が設けられている。表示パネル5は、各種表示動作を行うものである。すなわち、パネル3が透光性を有していることによって、ユーザは表示パネル5における表示画面をパネル3を透過して見ることが可能となっている。表示パネル5としては液晶表示パネルを用いることが考えられるが、特にこれに限定するものではなく、例えば有機EL(Electroluminescence)パネル、プラズマパネルなどであってもよい。なお、図2において、力センサ4…や表示パネル5を固定する基板は省略している。
【0045】
(力センサの構成例)
上記力センサ4の一構成例を、図1および図4を参照しながら以下に説明する。図1は力センサ4の斜視図、図4は、図1のA−A’面における断面図をそれぞれ示している。同図に示すように、力センサ4は、ダイアフラム部(変位部)11、梁部13a・13b・13c・13d、固定枠(固定部)17、および内部枠25を備えた構成となっている。
【0046】
固定枠17は、4つの固定枠部材17a・17b・17c・17dから構成される四角形状の枠部材である。なお、固定枠部材17aと17bとが平行に配置されており、固定枠部材17cと17dとが平行に配置されている。この固定枠17が、図示しない基板に固定配置されている。ここで、固定部材17c・17dの長手方向に平行な方向をX方向、固定部材17a・17bの長手方向に平行な方向をY方向、および、X方向およびY方向に垂直な方向をZ方向とする。
【0047】
内部枠25は、固定枠17の内部に配置されており、4つの内部枠部材25a・25b・25c・25dから構成される四角形状の枠部材である。内部枠部材25a・25bは、固定枠部材17a・17bと平行に配置され、内部枠部材25c・25dは、固定枠部材25c・25dと平行に配置される。
【0048】
また、内部枠部材25a・25bは、それぞれ梁部13a・13bによって固定枠部材25a・25bと接続されている。梁部13a・13bは、所定の弾性を有する断面四角形状の梁状部材であり、その一端が固定枠部材17a・17bの中心位置の内側面に固定端接続されており、他端が内部枠部材25a・25bの中心位置の外側面に固定端接続されている。一方、内部枠部材25c・25dは、その外側面が固定枠部材25c・25dの内側面に対して所定の間隔をおいた状態で配置されている。すなわち、内部枠25は、梁部13a・13bの曲げ歪みによってY方向にのみ微少移動することが可能となっている。なお、梁部13a・13bは、弾性によって曲げ方向には微少な歪みを生じるが、圧縮引っ張り方向への歪みはほとんど生じないような材質によって構成されている。
【0049】
ダイアフラム部11は、内部枠25の内部に配置されており、内部枠部材25c・25dに対向する面が、それぞれ梁部13c・13dによって内部枠部材25c・25dと接続されている。梁部13c・13dは、所定の弾性を有する断面四角形状の梁状部材であり、その一端が内部枠部材25c・25dの中心位置の内側面に固定端接続されており、他端がダイアフラム部11の内側面に固定端接続されている。すなわち、ダイアフラム部11は、梁部13c・13dの曲げ歪みによってX方向にのみ微少移動することが可能となっている。なお、梁部13c・13dは、弾性によって曲げ方向には微少な歪みを生じるが、圧縮引っ張り方向への歪みはほとんど生じないような材質によって構成されている。
【0050】
以上のように、力センサ4は、梁部13a・13b・13c・13dが入れ子構造に配されたジンバルバネ構造となっている。これにより、梁部13a・13bのY方向のたわみを検知することによって、ダイアフラム部11に対してY方向に作用する力のみを独立して検知することができ、また、梁部13c・13dのX方向のたわみを検知することによって、ダイアフラム部11に対してX方向に作用する力のみを独立して検知することができる。また、梁部13a・13b・13c・13dのZ方向のたわみを検知することによって、ダイアフラム部11に対してZ方向に作用する力のみを独立して検知することができる。なお、X方向、Y方向、Z方向それぞれの力の検出方法および検出のための構成についての詳細は後述する。
【0051】
ダイアフラム部11は、図4に示すように、ダイアフラム部基板15、薄膜部材16、およびパネル支持部14を備えた構成となっている。ダイアフラム部基板15は、ダイアフラム部11の基板となるものであり、上記の梁部13c・13dは、このダイアフラム部基板15の外側面に固定端接続されている。そして、このダイアフラム部基板15の上面側に薄膜部材16が設けられている。
【0052】
薄膜部材16は、薄膜16aと薄膜支持部16bとから構成されている。薄膜16aは、伸縮性を有する薄膜によって構成されており、その外周部を薄膜支持部16bによって張力を保った状態で支持されている。薄膜支持部16bは、上記のように薄膜16aを支持する部材であり、ダイアフラム部基板15の上面に固定的に配置されている。また、薄膜16aとダイアフラム部基板15との間には間隙が設けられている。なお、薄膜16aとダイアフラム部基板15との間にて形成される間隙は、薄膜16aとダイアフラム部基板15とが水分によって吸着することを避けるために密閉されていることが好ましい。しかしながら、タッチパネルを搭載した装置の使用環境などによっては必ずしも密閉する必要はない。
【0053】
薄膜16aの上面にはパネル支持部14が配置されている。パネル支持部14の上面にはパネル3が配置されており、パネル3に対して加えられた力がパネル支持部14を介して薄膜16aに伝えられることになる。すなわち、薄膜16aとパネル支持部14の上面との距離を検知することによって、パネル3に対するZ方向に作用する微少な力を検知することができる。
【0054】
なお、上記のような構成の力センサ4は、半導体製造プロセスを利用してシリコンを加工することによって形成することができる。この場合、半導体製造プロセスを利用していることによって微細加工が可能となるので、1つのプロセスでシリコンウェハ上に力センサ4の各構成要素、検知を行うためのセンシング部材、および、センシング部材からの出力信号を処理する信号処理回路等を作製することができるというメリットを有している。
【0055】
なお、センサ4におけるダイアフラム部11を支持するための構成は、上記に示した構成に限られるものではなく、押付力のみの検出を想定する場合は、内部枠25を設けずに、直接固定枠17に固定された梁部13a・13bによってダイアフラム部11が支持されるように構成されていてもよい。また、内部枠25を設けずに、固定枠17に固定された梁部13a・13b・13c・13dによってダイアフラム部11が支持されるように構成されてもよい。さらにまた、梁部13a・13b・13c・13dを設けず、ダイアフラム部11のみによって押付力の検出を行う構成であってもよい。
【0056】
また、上記力センサ4の形状、ならびに力センサ4を構成するダイアフラム部11、梁部13a・13b・13c・13d、固定枠17、および内部枠25の形状は、図1において示される形状に限定されるものではなく、力センサ4を備えるパネル3の形状や、力センサ4が備えられる位置に応じて変更されてもよい。
【0057】
(パネルに作用する力の検出方法)
次に、パネル3対して加えられた力を検出する方法の一例として、剛体力学を利用する方法について説明する。図3は、パネル3上の点Rに力Frが作用した場合に、パネル3上の4点A、B、C、Dで力センサ4…によって検知される力Fa、Fb、Fc、Fdに基づいて、上記点Rの位置を算出する方法を説明する図である。
【0058】
点A、B、C、Dに配置される力センサ4…(図示せず)において、それぞれ分力Fa、Fb、Fc、Fdが検出された場合、FrとFa、Fb、Fc、Fdそれぞれとの関係は、
Fr=Fa+Fb+Fc+Fd・・・(1)
となる。
【0059】
ここで、点A、B、C、Dのそれぞれの位置を示す座標として、点Aを原点(0、0)とし、B(m、0)、C(m、n)、D(0、n)と定義する。この場合、パネル3上にFrが加えられた任意の点Rの座標(Xr、Yr)は以下のようにして求められる。
【0060】
【数1】
【0061】
【数2】
【0062】
上記説明において、点Aを原点として点Rの座標を決定したが、座標軸のとり方はこれに限定されるものではない。例えば、パネル3の対向線が交わる点、すなわちパネル3の中心を原点(0、0)として、パネル3の対角線を座標軸としてもよい。すなわち、座標軸のとり方についてはパネルセンサの使用方法等から決定すればよい。
【0063】
ここで、パネル3に配される力センサ4の数について説明する。パネル3の面を平面として確定するには幾何学上3点以上が必要となる。力センサ4を配置する数を多くすればするほど、1つの力センサ4あたりにかかる力が小さくなるため、力の検出レベルが低下することとなる。すなわち、力センサ4の数を多くすると、力センサ4による力の検出結果の信頼性が低下するなどの不利な点が生じる。
【0064】
一方、パネル3に配される力センサ4の数が3つの場合には、次のような問題が生じる。力センサ4が配置されている3点を頂点とする三角形の内部に力が加えられた場合には、この3点にかかる分力の符号は一致することとなる。しかしながら、力センサが配置される3点を頂点とする三角形の外部に力が加えられる場合は、この3点の分力の符号は一致しない。すなわち、三角形の外部に力が加えられると、力が加えられた点に近い2点を結んでできる直線を境界として、力が加えられた点とは反対側にある1点の分力が引っ張り側となる。この場合、力センサ4は、圧縮力と引っ張り力の両方を検出できることが要求されることとなる。すなわち、パネルにおける力センサ4の配置が3点の場合は、各パネルに作用した力の位置を特定する演算が複雑となるという問題がある。
【0065】
上記した問題点から鑑みて、力センサ4の数の決定については、力センサ4の検出能力や力センサ4が備えられるパネルの面積、形状、重量等、上記力センサ4の使用される環境に応じて決定すればよいことになる。一般的には、例えば携帯モバイル機器等に使用されるパネルは、パネル3のように四角形状である場合がほとんどである。この場合、上記で説明したようにパネル3の角近傍の4点に力センサ4を配する構成は、力の作用点を求める演算は簡単であるとともに、各力センサ4にかかる分力の大きさも確保することができるというメリットを有している。
【0066】
(力センサにおける力検出方法)
以下に、上記した力センサ4における力検出方法の実施例として、微小な押付力の検出方法と、比較的大きな押付力の検出方法とに分けて説明する。
【0067】
(微小な押付力の検出方法)
微少な力がパネル3に対して作用する場合、力センサ4は、薄膜16aの変形を検出することによって力の検出を行う。薄膜16aとダイアフラム部基板15との間には間隙があり、薄膜16aが伸張変形することによって、パネル支持部14は自由にZ方向に変位することができる。すなわち、パネル3に対して微小な力がZ方向に作用する場合、薄膜16aはその力の値に応じてZ方向に変位することになる。そして、薄膜16aが変位すると、薄膜16aとダイアフラム部基板15の上面との間隔が変化するため、その間隔の変化を検出すればパネルに作用する微小な力を検出することができる。
【0068】
ここで、薄膜16aとその下面15との間隔変化を検出する方法について、図5(a)および図5(b)を参照して説明する。なお、図5(a)はパネル3に力が作用していない状態を示しており、図5(b)はパネル3に力が作用する場合、すなわち薄膜16aに力が作用している状態を示している。
【0069】
図5(a)に示すように、ダイアフラム部基板15の上面には、薄膜16aと対向するように電極31が設けられている。また、薄膜16aにも電極31と対向するように電極(図示せず)が設けられている。そして、ダイアフラム部基板15に設けられている電極31と、薄膜16aに設けられている電極とによってコンデンサが形成されている。
【0070】
ここで、図5(b)にて示されるように、パネル3に力が作用すると、その力は薄膜16aにも作用し、結果として薄膜16aに設けられている電極と、ダイアフラム部基板15に設けられている電極31との間隔が変化する。すなわち、パネル3に力が作用することによって、上記コンデンサの静電容量が変化することになる。したがって、このコンデンサの静電容量の変化量を検出すれば、薄膜16aに設けられている電極と、ダイアフラム部基板15に設けられている電極31との間隔の変化を検出することができ、これに基づいて、力センサ4に作用している力の大きさを計測することができる。なお、上記コンデンサの静電容量の変化量を検出するには、薄膜16aに設けられている電極と、ダイアフラム部基板15に設けられている電極31との間の電位差、および、間隔の変化に伴う電流の変化を計測すればよい。
【0071】
また、上記の構成において、薄膜16aの厚さや面積等を変えたり、張力を変えたりすることによって、測定できる力の大きさを任意に設定することが可能である。
【0072】
(比較的大きな押付力の検出方法)
次に、比較的大きな力がパネル3に作用する場合の力センサ4による力検出方法について図6(a)および図6(b)を参照して説明する。図6(a)は、コンデンサ方式によって力を検出する構成例を示しており、図6(b)は、ピエゾ抵抗素子を用いて力を検出する構成例を示している。
【0073】
まず、図6(a)に示す構成について説明する。パネル3に対して加わる力が大きくなっていくと、薄膜16aとダイアフラム部基板15との間隔が狭くなっていき、ついには、薄膜16aとダイアフラム部基板15とが密着することになる。さらにパネル3に対して加わる力が大きくなると、梁部13a・13b・13c・13dがZ方向にたわむことによって、ダイアフラム部11自体がZ方向に移動することになる。したがって、ダイアフラム部11のZ方向に対する移動量を検出することによって、力センサ4に対して加えられている力を検出することができる。
【0074】
図6(a)に示す構成においては、力センサ4は、ダイアフラム部11のZ方向に対する移動量を検出するために、ダイアフラム部11の下側に配置される土台33の上面に、ダイアフラム部11と対向する位置にて電極32が設けられている。また、ダイアフラム部基板15の下面には、電極32と対向するように電極(図示せず)が設けられている。そして、土台33に設けられている電極32と、ダイアフラム部11に設けられている電極とによってコンデンサが形成されている。
【0075】
上記した力センサ4の構成において、ダイアフラム部11にZ方向の大きな力が作用すると、梁部13a、13bがたわみ、これによってダイアフラム部11がZ方向へ変位する。このように、ダイアフラム部11がZ方向に変位すると、台33に設けられている電極32と、ダイアフラム部11に設けられている電極との間隔が変化することになる。すなわち、上記コンデンサの静電容量が変化することになる。したがって、このコンデンサの静電容量の変化量を検出すれば、ダイアフラム部11のZ方向の変位量を検出することができ、これに基づいて、力センサ4に作用している力の大きさを計測することができる。
【0076】
次に、図6(b)に示す構成について説明する。上記のように、力センサ4に対して比較的大きな力が加わると、梁部13a・13b・13c・13dがZ方向にたわむことになる。そこで、この梁部13a・13b・13c・13dのたわみ量を検出することによって、力センサ4に対して加えられている力を計測することができる。
【0077】
図6(b)に示す構成では、梁部13a・13bの上面側において、固定枠部材17a・17bとの接続部に近い位置Aと、内部枠部材25a・25bとの接続部に近い位置Bとに、ピエゾ抵抗素子を設けている。ピエゾ抵抗素子は、力が加えられることによって変形する際に、電気分極によって電荷を生じさせるものである。つまり、ピエゾ抵抗素子に生じる電荷を測定することによって、梁部13a・13bのたわみを検出することができ、これに基づいて、力センサ4に対して作用している力の大きさを検出することができる。なお、ピエゾ抵抗素子は、ボロンなどのイオン打ち込みによるシリコンへの不純物拡散によって形成することができる。
【0078】
また、ピエゾ抵抗素子が備えられる梁部13a・13bにおけるA、Bの位置は、梁部13a・13bがたわむ際に、比較的大きな変形が生じる位置となっている。すなわち、ダイアフラム部11が下方向に移動する場合には、Aの位置は引っ張り歪みが大きくなる位置となり、Bの位置は圧縮歪みが大きくなる位置となる。また、これにより、Aの位置で検出される歪みと、Bの位置で検出される歪みとでは、その符号が異なることになる。上記のように引っ張り歪が大きい個所Aと、圧縮歪が大きい個所Bの値両方を用いて検出すれば、より感度良く検出することができる。例えば両方の出力差を出力信号にしたり、A・Bの出力からブリッジ回路を作成して検出すれば、微小信号でもより感度良く検出することができる。
なお、上記の例では、梁部13a・13bのたわみを検出する構成となっているが、これに限定されるものではなく、例えば梁部13c・13dのたわみを検出する構成であってもよい。さらに、梁部13a・13b・13c・13d全てにおいてたわみを検出する構成であってもよい。
【0079】
図6(b)に示す構成によれば、力を検出する構成として、梁部13a・13bにピエゾ抵抗素子を設ける構成としている。このような構成は、図6(a)に示す構成と比較して、電極32を作成する必要がない分だけ構造が簡素となり、製造コストを低減することができるという効果がある。
【0080】
以上のように、力センサ4は、パネルに微小な力が作用する場合は、ダイアフラム部11の薄膜16aの変位による静電容量の変化にて力を検出できる。一方、パネルに大きな力が作用する場合は、ダイアフラム部11の変位による静電容量の変化を検出することによって、または梁部13a・13bに備えられるピエゾ抵抗素子によって力を検出することができる。ここで、パネルに作用する大きな力を検出する場合、大きな力の作用によって薄膜16aが破壊されるおそれがあるが、上記の構成によれば、所定以上の力が加わると、薄膜16aがダイアフラム部基板15に密着することになるので、上記のような破壊の発生を防止することが可能となっている。
【0081】
(X、Y方向の力の検出方法)
上記において示した構成では、パネルに作用するZ方向すなわち押付力のみに関するセンシング方法を説明した。以下では、パネルに作用するX、Y方向の力を検出する方法について図1を参照して説明する。
【0082】
X、Y方向の力は、梁部13a・13bのY方向へのたわみ、および梁部13c・13dのX方向へのたわみからそれぞれ独立して検出する。すなわち、梁部13a・13bは、力センサ4にY方向の力が作用するとY方向へたわむことができる。一方、梁部13c・13dは、力センサ4にX方向の力が作用するとX方向へたわむことができる。
【0083】
各梁部13a・13b・13c・13dのたわみ量は、上記で示した押付力の検出方法と同様に、静電容量の変化を検出することによって検出することが可能である。すなわち、梁部13a・13bのそれぞれにおけるY方向側面の一方に電極(図示せず)を設けるとともに、電極を設けた梁部13a・13bにおける側面に対向する固定枠部材17cまたは17dに誘電部分としての電極(図示せず)を設けることによってコンデンサを形成する。
【0084】
そして、Y方向に力が作用し、梁部13a・13bがY方向にたわむと、梁部13a・13bに備えられた電極と、これに対向する固定枠部材17cまたは17dの電極との間隔が変位し、結果としてコンデンサの静電容量が変位する。したがって、コンデンサの静電容量の変位を検出すれば、梁部13a・13bそれぞれのたわみ量を検出することができる。
【0085】
X方向の力の検出に関してもY方向の力の検出と同様に行うことができる。つまり、梁部13c・13dのそれぞれにおけるX方向側面の一方に電極(図示せず)を設けるとともに、電極を設けた梁部13c・13dにおける側面に対向する内部枠部材25aまたは25bに誘電部分としての電極(図示せず)を設けることによってコンデンサを形成する。
【0086】
そして、X方向に力が作用し、梁部13c・13dがX方向にたわむと、梁部13c・13dに備えられた電極と、これに対向する内部枠部材25aまたは25bの電極との間隔が変位し、結果としてコンデンサの静電容量が変位する。したがって、コンデンサの静電容量の変位を検出すれば、梁部13c・13dそれぞれのたわみ量を検出することができる。
【0087】
また、ピエゾ抵抗素子を各梁部13a・13b・13c・13dに形成し、各梁部13a・13b・13c・13dのひずみからXまたはY方向の力を検出する構成とすることもできる。すなわちY方向の力による梁部13a・13bのたわみを検出できるように、梁部13a・13bにピエゾ抵抗素子を設ける。詳しく説明すると、梁部13a・13bのY方向側面において、固定枠部材17a・17bとの接続部に近い位置Aと、内部枠部材25a・25bとの接続部に近い位置Bとに、ピエゾ抵抗素子を設ける。これにより、図6(b)を参照しながら説明した方法と同様にして、Y方向の力を検出することができる。
【0088】
また、同様にして、X方向の力による梁部13c・13dのたわみを検出できるように、梁部13c・13dにピエゾ抵抗素子を設ける。詳しく説明すると、梁部13c・13dのY方向側面において、固定枠部材17c・17dとの接続部に近い位置Aと、内部枠部材25c・25dとの接続部に近い位置Bとに、ピエゾ抵抗素子を設ける。これにより、図6(b)を参照しながら説明した方法と同様にして、X方向の力を検出することができる。
【0089】
なお、力センサ4は、前記したようにジンバルバネ構造となっているので梁部13a・13bと梁部13c・13dとは、互いに独立して各方向の力を検出することができる。すなわち、ダイアフラム部11を支持する梁部13a・13b・13c・13dは、X方向およびY方向の軸まわりの力に対して自由性をもたせるように構成されているため、パネル3に対するX方向およびY方向の力を梁部13a・13bと梁部13c・13dとによって独立して検出することができる。
【0090】
以上のような構成の力センサ4によれば、微少な力に関しては、薄膜16aの変位を検出することによって計測することができ、比較的大きな力に関しては、ダイアフラム部11の変位を検出することによって計測することができる。よって、例えばパネル3に対して指やタッチペンなどによって行われる入力を検知することができるとともに、もっと弱い力による各種入力をも検知することが可能となる。
【0091】
また、力センサ4は、パネル3の面に垂直な方向に作用する力とパネル3の面に水平な方向に作用する力とをそれぞれ独立に検出することができるので、指やタッチペンによる押付力のみならず、パネル3に対して作用するさまざまな物理量を検出できることとなる。すなわち、様々な物理量を入力とする多機能パネルセンサを提供することができる。
【0092】
(パネルセンサによる計測対象例)
上記で説明したような力センサ4によれば、パネル3および力センサ4…からなるパネルセンサのみによって、指やタッチペンによる押付力以外にも、パネルに作用する微小な力や複数方向の力を測定が可能となる。よって、タッチ入力以外のさまざまな応用を行うことが可能である。以下において、押付力以外のパネルに作用する力として、加速度や傾斜による慣性力を検知する方法について説明する。
【0093】
図7(a)および図7(b)は、慣性力がパネル3に対して作用する様子を示している。図7(a)は加速度がパネル3に作用する場合を示し、パネル3に加速度αが作用しているものとする。また、図7(b)は、パネル3が角度βだけ傾いている場合を示す。
【0094】
加速度αがパネル3に作用する場合は、パネルの重量をMとするとパネル3に作用する慣性力はMαと表せる。したがって、パネル3に働く慣性力すなわちMαを力センサ4によって検出することによって、パネル3に作用する加速度を検出することができる。
【0095】
パネル3が角度βだけ傾いている場合は、重力加速度をGとするとパネル3に対して垂直をなす方向にMGcosβ、パネル3に対して平行をなす方向にMGsinβの力がそれぞれ作用する。したがって、パネル3に対して垂直方向、平行方向それぞれの方向に作用する慣性力を力センサ4によって検出すれば傾斜角βを求めることができる。
【0096】
しかしながら、人間の指による押付力と傾斜による慣性力とを比較すると、両者には作用する力の大きさに大きな相違がある。例えば、人間の指による押付力を検出するためには、検出できる力の大きさの範囲として数g〜数百g程度が必要となる。したがって、力センサ4の検出分解能は、要求されるパネル入力座標の特定分解能によって異なるが、少なくとも0.1g程度は必要とされる。
【0097】
一方、加速度や傾斜角を検出するにために要求される検出可能な力の大きさの範囲は、実質的にはパネルの重さによって異なる。例えば、パネル3の重量が約3gである場合において傾斜角を求める際は、センサ4の1つあたりにかかる力の大きさは±0.75g程度となる。したがって、センサ4は、少なくともこの大きさの力を検出できる必要がある。さらに、この場合において、パネル3にかかる加速度に関して3G程度の重力加速度まで力センサ4によって検出できるようにするためには、各力センサ4が検出可能とする力の大きさの範囲は、少なくとも約2.3g程度まで必要となる。
【0098】
また、力センサ4の検出分解能は、要求される角度に対する力の検出分解能や要求される加速度に対する力の分解能によって異なる。例えば傾斜角0.1°を検出する必要があるならば、力センサ4の検出能として10-3g程度の力を検出できる程度の能力が必要となる。
【0099】
一方、図1において示した本発明の力センサ4は、梁部13a・13b・13c・13dそれぞれのZ方向の変位から大きな力である押付力を検出し、梁部13a・13bのX方向の変位と梁部13c・13dのY方向の変位とから慣性力のX方向およびY方向の力を検出できる構成である。しかしながら、この場合、慣性力と押付力との差が大きいので、梁部13a・13bのY方向変位および梁部13c・13dのX方向変位の感度と、梁部13a・13b・13c・13dのZ方向変位の感度とに大きな違いを持たさなければならない。
【0100】
そのためには、梁部13a・13b・13c・13dの断面形状において、Z方向の高さに比べて、X方向またはY方向の幅を小さく設計することによって、感度の差を生じさせることができる。これにより、Z方向の変位で押付力のような大きな力を検出することができるとともに、X方向またはY方向の変位によって、X方向またはY方向に作用する慣性力のような微小な力を検出することができる。このような力センサ4を構成する場合、梁部13a・13b・13c・13dの断面形状を、アスペクト比がより大きくなるようにする必要がある。しかしながら、アスペクト比の大きな3次元構造物を半導体製造プロセスで作成するのは非常に難しいので、力センサ4の作製が困難になるという問題がある。そこで、以下においてこの問題を克服できる別の力センサ4の構成例について説明する。
【0101】
(力センサの別の構成例)
図8、図9(a)、および図9(b)を参照にして、慣性力を検出できる他の力センサ4の構成について説明する。なお、図8は、力センサ4の構成を示しており、図9(a)および図9(b)は、Z方向とX方向とに力が作用した場合における力センサ4における薄膜16aの変位の様子をそれぞれ示す。
【0102】
図8に示す力センサ4は、図4に示す力センサ4と比較して、ダイアフラム部11における薄膜部材16の形状が異なっている。図8に示すように、薄膜部材16は、薄膜支持部16b、第1薄膜16a1、第2薄膜16a2、および第3薄膜16a3を備えた構成となっている。なお、図示はされていないが、さらに第4薄膜16a4および第5薄膜16a5も備えられている。第2薄膜16a2、第3薄膜16a3、第4薄膜16a4および第5薄膜16a5によって4角形状の側壁が形成され、第1薄膜16a1によって底面が形成されており、これにより、下方向に凹んだ形状の薄膜構造が形成されている。
【0103】
また、図8に示すように、第2薄膜16a2と薄膜支持部16bとの接続部となる点、第2薄膜16a2と第1薄膜16a1との接続部となる点、および第3薄膜16a3と第1薄膜16a1との接続部となる点、および第3薄膜16a3と薄膜支持部16bとの接続部となる点に、ピエゾ抵抗素子C1・C2・C3・C4がそれぞれ設けられている。なお、図示はしていないが、第4薄膜16a4と薄膜支持部16bとの接続部となる点、第5薄膜16a5と薄膜支持部16bとの接続部となる点、第4薄膜16a4と第1薄膜16a1との接続部となる点、および第5薄膜16a5と第1薄膜16a1との接続部となる点にもピエゾ抵抗素子C5、C6、C7、C8がそれぞれ設けられている。これらのピエゾ抵抗素子C1〜C8によって、X方向、Y方向、Z方向の3方向に働く微小な力をダイアフラム部11の薄膜構造のみによって検出することができる。この検出方法の詳細を以下に図9(a)および図9(b)を参照しながら説明する。
【0104】
図9(a)は、Z方向の力、すなわち押付力としてFzが作用する場合の薄膜構造の変位を示している。力Fzが作用する場合、第1薄膜16a1と、これに対向するダイアフラム部基板15との間隔が短くなる。したがって、この第1薄膜16a1とダイアフラム部基板15との間の変位を、第1薄膜16a1に備えられるピエゾ抵抗素子C2・C3によって検出することで、押付力(Z方向の力)を検出することができる。
【0105】
一方、図9(b)は、X方向に力Fxが作用する場合の薄膜構造の変位を示している。なお、Y方向に力が働くときの様子はX方向と同等なので省略する。X方向に力Fxが作用する場合、第2薄膜16a2、ならびに第3薄膜16a3が力Fxが作用する方向に引っ張られて変位する。したがって、ピエゾ抵抗素子C1・C2・C3・C4の位置に生じるひずみの大きさや符号を検出してやれば、Fxの力の方向と大きさを知ることができる。例えばピエゾ抵抗素子C1、C3は引っ張り歪が作用し、ピエゾ抵抗素子C2、C4は圧縮歪が作用することからそれらの差をFxの出力とすることにより、その大きさと方向を知ることができる。
【0106】
上記の構成では、ピエゾ抵抗素子C1・C2・C3・C4によってX方向、Y方向、およびZ方向の3軸方向を全て検出するように構成されている。しかしながら、図5に示した構成と同様にしてZ軸方向の力、すなわち押付力を検出する構成としてもよい。すなわち、ダイアフラム部基板15の上面および第1薄膜16a1に電極を設けることによってコンデンサを形成し、このコンデンサの静電容量を検出することによって、Z軸方向の力を検出するようにしてもよい。そして、X方向、Y方向の力は、薄膜構造に備えられるピエゾ抵抗素子C1・C2・C3・C4によって検出されるように構成してもよい。
【0107】
上記の構成によれば、X、Y、Zの3軸方向に対する力の検出をダイアフラム部11によって行うことができる。つまり、加速度や重力などの慣性力を一つの検出部で検出することが可能となる。しかしながら、パネル3に作用する、人の指による押付力の大きさと、加速度・傾斜等による慣性力の大きさとが大きく異なる場合には、上記の構成のように一つの検出部で両方を測定するようにすると、小さい力である慣性力の検出感度が押付力の検出感度よりも悪くなるという問題がある。また、広範囲の力の大きさに対して、力センサ4の検出出力を線形に保つことは非常に難しいために、非常に高精度な検出能力を有する力センサが要求される。
【0108】
したがって、この問題を解決するために、図3に示した構成と同様に、大きな押付力に関しては、第1検出部として、ダイアフラム部11の変位を検出することによって力の計測を行い、小さな力である慣性力などは、第2検出部として、薄膜構造に備えられるピエゾ抵抗素子によって力の計測を行うように構成することが好ましい。このように2つの検出部に分けて大きな押付力と小さな慣性力とを検出するように構成することによって、慣性力に対する検出感度が劣化する問題を解消することができ、また、各検出部の線形性を広範囲において保つ構成とする必要がなくなる。
【0109】
なお、上記で示した力センサ4の構成において、第1検出部において検出する力の方向および力の大きさの範囲、ならびに、第2検出部において検出する力の方向および力の大きさの範囲は、タッチパネルが搭載される機器の使用目的、使用環境に応じて任意に設定してやればよい。
【0110】
また、上記にて示した力センサの構成において、加速度・傾斜によってパネル3に作用する慣性力を検出する例をあげたが、検出される力は加速度、パネルの傾斜による慣性力に限定されるものではない。例えば、加速度やパネルの傾斜による慣性力の代わりに、音声によるパネル3の振動を検出できるように構成すれば、マイクロホンとしてパネル3を用いることができる。つまり、音声の振動によってパネル3に働く力の大きさは、指などによる押出力の力に比べて非常に小さいので、音声による振動を、微少な力を検出するための第2検出部によって検出するように構成すればよい。さらには、温度によるパネル3の収縮によるパネル3の変位を各3軸方向で検出できるように力センサ4を構成すれば、パネル3の収縮による力の変位と温度との関係からパネルセンサ2を温度計としても機能させることができる。
【0111】
(力センサのさらに別の構成例)
上記したパネルセンサ2では、パネル3に対して、図3などに示す構成の力センサを設けることによって力の検出を行っている。これに対して、本構成例では、図10に示すように、上記のパネル3に対応するパネル21に対して、力検出用センサとして圧電素子22a・22b・23a・23b・24a・24bを各方向すなわち、X、Y、Z方向に作用する力が検出できるように設けている。なお、各圧電素子22a・22b・23a・23b・24a・24bは、センサ取り付け基板(図示せず)にて固定されている。そして、圧電素子22a・23a・24aは、指などによる押付力のような大きな力を検出し、圧電素子22b・23b・24bは例えば慣性力などの微小な力を検出するように構成されている。
【0112】
圧電素子による力検出に関しては、従来から良く知られている技術であるため、半導体プロセスを利用して作成された上記の力センサ4よりも複雑な構成をとる必要がなく、また市販品を用いることが可能であるとともに、半導体プロセスを利用して作成した力センサよりもサイズが比較的大きく取り扱いが容易になることから、圧電素子22a・22b・23a・23b・24a・24bのパネル21への取り付けもまた容易となる。しかしながら、図10に示す構成では、各圧電素子22a・22b・23a・23b・24a・24bによって検出される力は、他の方向からの力の影響、すなわちクロストークを大きく含んでいることになる。したがって、このクロストークを補正する回路を備える必要がある。また、各方向、すなわちX、Y、Zの3軸方向に対して、大きな力と微小な力とを検出するための各圧電素子を別々に用意しなければならないなどの問題もある。
【0113】
(パネルセンサの適用例)
本実施形態に係るパネルセンサ2は、X方向、Y方向、およびZ方向の3方向に対する力を検出することができるとともに、指などによる押付力のような大きな力と、慣性力などの小さな力との両方を精度良く検出することが可能となっている。したがって、このパネルセンサ2は、好ましくは、例えば携帯やPDAなどの情報機器に搭載することによって、タッチパネル機能とともに、加速度検出機能、傾斜検出機能、音響検出機能、および温度検出機能などを有する情報機器を提供することが可能となる。
【0114】
例えば、加速度検出機能や傾斜検出機能を利用することによって、情報機器に万歩計(登録商標)機能を搭載することもできる。さらには加速度の大きさを一定時間記録すれば、その時間内の運動量を測定することができるので、運動量管理にも使用することができる。
【0115】
また、ユーザがパネル3に指で接触する際に、叩く動作、なでる動作、引っ掻く動作などを行った場合、パネル3に加わる力の方向や大きさがそれぞれ異なることになるので、パネルセンサ2は、これらを識別することが可能である。よって、ユーザが接触動作の種類を意識的に切替えることによって、多様な入力を行うことが可能な情報機器を提供することも可能となる。すなわち、情報機器への入力方法が、現在一般的に想定される例えば指やペンなどによる押付力のみならず、パネルに作用する多様な力を入力とすることが可能となる。
【0116】
また、音声信号をパネル3の振動から拾うことができれば、ユーザは、画面を見ながら画面に話し掛けることで音声入力を行うことが可能となる。すなわち、パネルセンサ2を情報機器に備えることによって、マイクなどの音声入力手段を別途情報機器に搭載する必要をなくすことができる。また、このような構成とした場合、例えば画面上に映し出されている地図にタッチパネル機能を使って画面をなぞることによって、通話の相手と会話しながら道順を示し、通話の相手にリアルタイムで道順を教えるなどの用途が生まれてくる。
【0117】
さらに、本実施形態に係るパネルセンサ2において、上記の説明では、外部からパネル3に対して力が入力される場合に関して述べてきたが、力センサ4を能動的に使用すればさらに用途の範囲を広げることができる。例えば機器から発信される音声の電気信号を本発明によるセンサに入力して能動的にセンサを駆動する。その駆動がパネルに伝達して、パネルが音声信号に比例して振動する。その振動が空気振動に変換されて、パネルにスピーカ機能を有することができる。したがって、タッチパネルにスピーカとの機能を備えることも可能となる。
【0118】
以上のように、本発明に係るパネルセンサは、パネルとパネルに作用する力を検出する複数の力センサを有したパネルセンサであって、前記複数の力センサは、パネル面に略垂直な方向に作用する力とパネル面に略水平な方向に作用する力をそれぞれ独立して検出可能な構成となっている。
【0119】
また、前記パネルセンサは、パネル上に作用した力の位置ないしその大きさを特定するタッチ入力機能と、パネルに作用する前記タッチ入力以外の入力を検出するようになっていてもよい。
【0120】
また、前記パネルセンサにおいて、前記タッチ入力以外の入力は慣性力であってもよい。さらに、前記タッチ入力以外の入力は音響振動であってもよい。さらに、前記タッチ入力以外の入力は温度であってもよい。
【0121】
また、前記パネルセンサにおいて、前記パネルへの入力を検出する力センサはパネル周囲に配置し、前記力センサは前記パネルへの入力に対しパネルへかかる力を検出する第1の検出部と、前記第1の検出部が検出するパネルにかかる力より小さい力を検出する第2の検出部を備えていてもよい。
【0122】
また、前記力センサの第1検出部と第2検出部とはパネルに作用する複数方向の力を検出してもよい。
【0123】
また、前記パネルセンサは、パネル周囲に配置した前記複数の力センサの第1検出部ないし第2検出部の出力から、前記パネル面の略一点に加えられた力のパネル上での位置を特定してもよい。
【0124】
また、前記パネルセンサにおいて、前記力センサはシリコンから作製されていてもよい。
【0125】
また、前記シリコンから作製される前記力センサの構造は、ダイアフラムが梁によって支持された構造であってもよい。
【0126】
また、前記力センサのセンシング手段は力による構造の変位を静電容量変化で検出し、その変化量から前記力センサにかかる力を検出してもよい。
【0127】
また、前記力センサのセンシング手段は力による構造の変位を構造のひずみから検出し、そのひずみ量から力センサにかかる力を検出してもよい。
【0128】
また、前記力センサのダイアフラムは略中央部が略周辺部に対し凹部であってもよい。
【0129】
また、前記力センサは、複数の圧電素子で構成されていてもよい。
【0130】
また、パネルと、パネル面に略垂直な方向に作用する力とパネル面に略水平な方向に作用する力をそれぞれ独立して検出する力センサとを有したパネルセンサを搭載している情報機器を構成してもよい。
【0131】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るパネルセンサは、パネルに対して作用する力を検出するパネルセンサであって、上記パネルに対して作用する力を検出する力検出手段を備え、上記力検出手段が、上記パネルに対して作用する力を複数方向成分に分離した分力をそれぞれ検出する複数の検出部を備えている構成である。
【0132】
これにより、例えばパネルの面に対して垂直な方向に対する力のみならず、その他の方向、例えばパネルの面に対して水平な方向に対する力も検出することが可能となる。すなわち、パネルに対して作用する様々な方向の力を検出することができるので、パネルセンサを様々な用途で用いることが可能となるという効果を奏する。
【0133】
また、本発明に係るパネルセンサは、パネルに対して作用する力を検出するパネルセンサであって、上記パネルに対して作用する力を検出する力検出手段を備え、上記力検出手段が、上記パネルに対して作用する力の大きさを複数の範囲に分割した各範囲に対応した力を検出する複数の検出部を備えている構成である。
【0134】
これにより、パネルに対して作用する多様な種類の大きさの力を精度良く検出することが可能となるので、パネルセンサを様々な用途で用いることが可能となるという効果を奏する。
【0135】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記力検出手段が、さらに、上記パネルに対して作用する力の大きさを複数の範囲に分割した各範囲に対応した力を検出する複数の検出部を備えている構成としてもよい。
【0136】
これにより、上記の構成による効果に加えて、パネルに対して作用する多様な種類の大きさの力を精度良く検出することが可能となるので、様々な方向の力を検出することが可能であることとの相乗効果によって、パネルセンサをさらに様々な用途で用いることが可能となるという効果を奏する。
【0137】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記力検出手段が、上記パネルの平面位置における3つ以上の箇所に対応して配置されている構成としてもよい。
【0138】
これにより、上記の構成による効果に加えて、各力検出手段によって検出された力に基づいて、パネルに対して作用した力の作用点の平面位置を特定することが可能となるので、パネルセンサを、力を加えた位置によって入力動作が行われるタッチセンサとして機能させることが可能となるという効果を奏する。
【0139】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記力検出手段が、上記パネルに対して作用する力を薄膜の変位によって検出する検出部を備えている構成としてもよい。
【0140】
これにより、上記の構成による効果に加えて、薄膜は、微少な力に対しても敏感に反応して変位するものであるので、微少な力を精度良く検知することが可能となるという効果を奏する。
【0141】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記薄膜が、上記パネルに対して作用する力の方向に応じて複数の方向に変位するとともに、上記力検出手段が、該薄膜の変位の複数方向の成分に対応した複数の検出部を備えている構成としてもよい。
【0142】
これにより、上記の構成による効果に加えて、パネルに対する微少な力がどの方向でどれだけの大きさであるのかを検出することが可能となるという効果を奏する。
【0143】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記検出部が、上記薄膜に設けられた電極と、該薄膜の変位に応じて移動しない箇所に設けられた電極とによって構成されるコンデンサの静電容量の変化を検出することによって、上記薄膜の変位を検出する構成としてもよい。
【0144】
これにより、上記の構成による効果に加えて、薄膜の変位の微少な変化も的確に検知することができる。すなわち、パネルに作用する微少な力を精密に測定することが可能となるという効果を奏する。
【0145】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記検出部が、上記薄膜に生じる歪みを検出する歪み検出手段によって、上記薄膜の変位を検出する構成としてもよい。
【0146】
これにより、上記の構成による効果に加えて、薄膜の変位の微少な変化も的確に検知することができる。すなわち、パネルに作用する微少な力を精密に測定することが可能となるという効果を奏する。
【0147】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記力検出手段が、上記パネルに対して作用する力に応じて変位する変位部と、上記変位部の変位に応じて移動しない固定部と、上記変位部と上記固定部とを固定的に接続する弾性部材と、上記変位部の変位を検出する検出部とを備えている構成としてもよい。
【0148】
これにより、上記の構成による効果に加えて、弾性部材の弾性の大きさを適宜設定することによって、力の大きさの検出範囲を適宜設定することができるという効果を奏する。
【0149】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記弾性部材が、一端が上記変位部に固定的に接続され、他端が上記固定部に固定的に接続された梁部である構成としてもよい。
【0150】
これにより、上記の構成による効果に加えて、パネルに対して作用する力の特定の方向の分力を検出することが可能となるという効果を奏する。
【0151】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記検出部が、上記変位部に設けられた電極と、該変位部の変位に応じて移動しない箇所に設けられた電極とによって構成されるコンデンサの静電容量の変化を検出することによって、上記変位部の変位を検出する構成としてもよい。
【0152】
これにより、上記の構成による効果に加えて、変位部の変位の微少な変化も的確に検知することができる。すなわち、パネルに作用する力を精密に測定することが可能となるという効果を奏する。
【0153】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記検出部が、上記梁部に生じる歪みを検出する歪み検出手段によって、上記変位部の変位を検出する構成としてもよい。
【0154】
これにより、上記の構成による効果に加えて、変位部の変位の微少な変化も的確に検知することができる。すなわち、パネルに作用する力を精密に測定することが可能となるという効果を奏する。
【0155】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記力検出手段が、半導体製造プロセスによって作製される構成としてもよい。
【0156】
これにより、上記の構成による効果に加えて、1つのプロセスで、例えばシリコンウェハ上に力検出手段の各構成要素、検知を行うためのセンシング部材、および、センシング部材からの出力信号を処理する信号処理回路等を作製することが可能となるという効果を奏する。
【0157】
また、本発明に係るパネルセンサは、上記検出部が、圧電素子によって構成されている構成としてもよい。
【0158】
これにより、上記の構成による効果に加えて、力検出手段を容易に構成することができるとともに、圧電素子のパネルへの取り付けも容易に行うことができるという効果を奏する。
【0159】
また、本発明に係る情報機器は、情報の表示を行う表示パネルと、上記本発明に係るパネルセンサとを備えている構成である。
【0160】
これにより、例えば携帯用途の情報機器に対しても、装置の大型化やコストの上昇などを招くことなく、多様な機能を有する構成とすることが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパネルセンサが備える力センサの概略構成を示す斜視図である。
【図2】上記パネルセンサの外観を示す斜視図である。
【図3】上記パネルセンサが備えるパネルに対して作用した力の位置を特定する方法を説明する図である。
【図4】図1に示す力センサの断面図である。
【図5】同図(a)および同図(b)は、Z方向に力が作用した場合の力センサの構成例を示す断面図である。
【図6】同図(a)および同図(b)は、Z方向に力が作用した場合の力センサの別の構成例を示す断面図である。
【図7】同図(a)は、パネルセンサに加速度が加わった場合の状態を示す図であり、同図(b)は、パネルセンサが傾斜した場合の状態を示す図である。
【図8】力センサの別の構成を示す断面図である。
【図9】同図(a)は、Z方向に力が作用した場合のダイアフラム部の構成を示す断面図であり、同図(b)は、X方向に力が作用した場合のダイアフラム部の構成を示す断面図である。
【図10】力検出用センサとして圧電素子を用いたパネルセンサの概略構成を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
2 パネルセンサ
3 パネル
4 力センサ(力検出手段)
5 表示パネル
11 ダイアフラム部(変位部)
13a・13b・13c・13d 梁部
14 パネル支持部
15 ダイアフラム部基板
16 薄膜部材
16a 薄膜
16a1・16a2・16a3 第1ないし第3薄膜
17 固定枠(固定部)
17a・17b・17c・17d 固定枠部材
22a・22b・23a・23b・24a・24b 圧電素子
25 内部枠
25a・25b・25c・25d 内部枠部材
31・32 電極
Claims (14)
- パネルに対して作用する力を検出するパネルセンサであって、
上記パネルに対して作用する力を検出する力検出手段を備え、
上記力検出手段が、上記パネルに対して作用する力の大きさを、その力の大きさの範囲において複数の範囲に分割した各範囲に対応した力を検出する複数の検出部を備えたパネルセンサにおいて、
上記力検出手段が、さらに、上記パネルに対して作用する力を複数方向成分に分離した分力をそれぞれ検出する複数の検出部を備えていることを特徴とするパネルセンサ。 - 上記力検出手段が、上記パネルの平面位置における3つ以上の箇所に対応して配置されていることを特徴とする請求項1記載のパネルセンサ。
- 上記力検出手段が、伸縮性を有し、上記パネルに対して作用する力の方向に、その力の値に応じて変位する薄膜と、
上記パネルに対して作用する力を上記薄膜の変位によって検出する検出部とを備えていることを特徴とする請求項1または2記載のパネルセンサ。 - 上記薄膜が、上記パネルに対して作用する力の方向に応じて複数の方向に変位するとともに、上記力検出手段が、該薄膜の変位の複数方向の成分に対応した複数の検出部を備えていることを特徴とする請求項3記載のパネルセンサ。
- 上記検出部が、上記薄膜に設けられた電極と、該薄膜の変位に応じて移動しない箇所に設けられた電極とによって構成されるコンデンサの静電容量の変化を検出することによって、上記薄膜の変位を検出することを特徴とする請求項3または4記載のパネルセンサ。
- 上記検出部が、上記薄膜に生じる歪みを検出する歪み検出手段によって、上記薄膜の変位を検出することを特徴とする請求項3または4記載のパネルセンサ。
- 上記力検出手段が、上記パネルに対して作用する力に応じて変位する変位部と、上記変位部の変位に応じて移動しない固定部と、上記変位部と上記固定部とを固定的に接続する弾性部材と、上記変位部の変位を検出する検出部とを備えていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のパネルセンサ。
- 上記弾性部材が、一端が上記変位部に固定的に接続され、他端が上記固定部に固定的に接続された梁部であることを特徴とする請求項7記載のパネルセンサ。
- 上記検出部が、上記変位部に設けられた電極と、該変位部の変位に応じて移動しない箇所に設けられた電極とによって構成されるコンデンサの静電容量の変化を検出することによって、上記変位部の変位を検出することを特徴とする請求項7または8記載のパネルセンサ。
- 上記検出部が、上記梁部に生じる歪みを検出する歪み検出手段によって、上記変位部の変位を検出することを特徴とする請求項7ないし9のいずれか一項に記載のパネルセンサ。
- 上記力検出手段が、半導体製造プロセスによって作製されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載のパネルセンサ。
- 上記検出部が、圧電素子によって構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のパネルセンサ。
- 上記力検出手段が、上記パネルに対して作用する押付力、上記パネルに対して作用する慣性力、上記パネルの音による振動、および、上記パネルの温度変化による変形のうちの少なくとも1つを検出することを特徴とする請求項1ないし12のいずれか一項に記載のパネルセンサ。
- 情報の表示を行う表示パネルと、
請求項1ないし13のいずれか一項に記載のパネルセンサとを備えていることを特徴とする情報機器。
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