JP2007113957A - 摩擦力センサおよび摩擦力センサ付きタイヤ - Google Patents

摩擦力センサおよび摩擦力センサ付きタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】圧力に由来する外乱の影響を受けることなく、摩擦力を正確に計測する。
【解決手段】ダイヤフラム11の撓み変形を電気抵抗変化として検知する複数個のピエゾ抵抗素子12〜15を設け、ピエゾ抵抗素子12〜15を、押力Fpによるダイヤフラム11の撓み変形による電気抵抗変化を相殺して摩擦力tに由来する力Ftによるダイヤフラム1の撓み変形による電気抵抗変化を出力端子に取り出すように結線する。
【選択図】図1

Description

本発明は、摩擦力センサに係り、特に、自動車のタイヤに装着されてタイヤと路面との摩擦力を検出する摩擦力センサおよび摩擦力センサ付きタイヤに関する。
従来、圧力・摩擦力の分布を測定するセンサとして、感圧導電性素材の水平方向に対向形成した電極の抵抗変化(導電性変化)から圧力を検知し、斜め方向に対向させた電極の抵抗変化(導電性変化)から摩擦力を検出するものがある(例えば、特許文献1)。
特開2003−98022号公報
従来の圧力・摩擦力分布測センサは、摩擦力センサとしては、被検知量である摩擦力に比べて圧力に由来する外乱の影響を大きく受け、摩擦力を正確に計測し難く、特性面で課題を残している。
特に、自動車等の車輪のタイヤに装着されてタイヤと路面との摩擦力を検出するタイヤ摩擦センサとして用いられる場合には、センサが受ける圧力は、被検知量である摩擦力に比べて大きく、摩擦力計測のためには、圧力によるものとの弁別に、複雑な演算処理や補正が必要である。
本発明は、前記解決しようとする課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、圧力に由来する外乱の影響を受けることなく、摩擦力を正確に計測することができ、特に、自動車用のタイヤに装着されるタイヤ摩擦センサとして好適な摩擦力センサ及び該摩擦センサ付きタイヤを提供することにある。
前記目的を達成するべく、本発明による摩擦力センサは、押力を軸力方向に受けて軸力方向に変位すると共に摩擦力に由来する力を受けて傾動する中央突起を一方の面に形成し当該中央突起の軸力方向の変位と傾動によって撓み変形するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの撓み変形を電気抵抗変化として検知する複数個の圧電素子と、を有し、前記複数個の圧電素子は、押力による前記ダイヤフラムの撓み変形による電気抵抗変化を相殺して摩擦力に由来する力による前記ダイヤフラムの撓み変形による電気抵抗変化を出力端子に取り出すように結線されている。
本発明による摩擦力センサは、好ましくは、前記ダイヤフラムは、中央部に中央突起を形成されたシリコンチップにより構成され、前記中央突起の周りに撓み変形可能な薄肉部を有し、当該薄肉部に前記圧電素子としてピエゾ抵抗素子が拡散形成されている。
また、本発明による摩擦力センサは、好ましくは、温度検出素子を有する。
本発明による摩擦力センサは、好ましくは、更に、前記出力端子の電気信号を入力して信号処理を行う信号処理回路と、前記信号処理回路に接続された無線通信回路と、前記無線通信回路に接続された無線通信用のアンテナとを有する。
本発明による摩擦力センサは、好ましくは、前記ダイヤフラムの他方の面に設けられた蓋基板を有し、当該蓋基板に、前記信号処理回路と、前記無線通信回路と、前記アンテナが形成されている。
本発明による摩擦センサ付きタイヤは、前記中央突起が突出している側をタイヤ表面側にして上述の発明による摩擦力センサが埋め込まれている。
また、本発明による摩擦力センサ付きタイヤは、上述の発明による摩擦力センサが混入されたゴム状の塗料が塗布されている。
本発明によるタイヤ用スパイクは、上述の発明による摩擦力センサが埋め込まれている。
また、本発明による摩擦力センサ付きタイヤは、上述の発明によるタイヤ用スパイクを装着している。
本発明によるタイヤ情報無線管理システムは、上述の発明による摩擦力センサ付タイヤに取り付けられたタイヤ圧センサと摩擦力センサとの情報を一括管理する機能を具備している。
本発明によるタイヤ情報無線管理システムは、好ましくは、前記摩擦力センサが前記タイヤ圧センサとピアツーピアの通信を介して外部のコントローラと通信する機能を具備している。
この発明による摩擦力センサは、押力および摩擦力によって撓み変形する一つのダイヤフラムに、複数個の圧電素子あるいは静電容量型の変位センサが配置され、これらが、押力による前記ダイヤフラムの撓み変形に由来する電気抵抗変化を相殺して摩擦力による前記ダイヤフラムの撓み変形に由来する電気抵抗変化を出力端子に取り出すように結線されているから、圧力に由来する外乱の影響を受けることなく、摩擦力を正確に計測することができ、タイヤに装着されるタイヤ摩擦力センサとして好適である。
本発明による摩擦力センサおよび摩擦力センサ付きタイヤの実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一つの実施形態の摩擦力センサの断面図で、該摩擦力センサは、全体を符号10により示されており、ダイアフラム起歪構造体(ダイアフラム)11と、蓋基板20と、の接合体により構成され、数mm立方体による一つの半導体センサチップをなしている。
ダイアフラム起歪構造体11は、シリコン単結晶製のシリコンチップにより構成され、一方の面の中央部に中央突起11Aを、外郭に外郭突起11Bを各々形成し、中央突起11Aの周りに肉厚が10μmの撓み変形可能な薄肉部11Cを有する。
ダイアフラム起歪構造体11の中央突起11Aは、圧力Pに由来する押力Fpを軸力方向(中央突起11Aの高さ方向)に受けて軸力方向に変位すると共に摩擦力tに由来する力Ftを受けて傾動する。ダイアフラム起歪構造体11の薄肉部11Cは、中央突起11Aの軸力方向に変位と傾動によって撓み変形する(図3参照)。
薄肉部11Cには、中央突起11Aの両側(図1にて左右両側)に、圧電素子であるピエゾ抵抗素子12、13、14、15が、2個ずつ対称配置されている。この4個のピエゾ抵抗素子12、13、14、15は、摩擦力tの作用方向(図1にて左右方向)に整列配置されている。換言すると、4個のピエゾ抵抗素子12、13、14、15の整列方向が、摩擦力tの作用方向と同じ方向になるように、摩擦力tの作用方向に対して摩擦力センサ10が位置決め配置される。
ピエゾ抵抗素子12、13、14、15は、1000℃程度の熱拡散によってシリコン単結晶製のダイアフラム起歪構造体11の薄肉部11Cの裏面(中央突起11Aが突出している面とは反対の他方の面)の一部に形成されている。ピエゾ抵抗素子12〜15は、ダイアフラム起歪構造体11の薄肉部11Cの撓み変形を受け、撓み変形を電気抵抗変化に変換する。
ダイアフラム起歪構造体11の裏面にはピエゾ抵抗素子12〜15の保護のために、酸化膜(SiO)16A、窒化膜(Si)16Bが重層に形成されている。
蓋基板20は、シリコン単結晶基板により構成され、半導体LSIプロセス技術によって、信号処理回路21と、無線通信回路22と、無線通信用のアンテナ23と、貫通電極24を形成している。これにより、摩擦力センサ10は、無線通信機能付き摩擦力センサをなす。
摩擦力センサ10は、中央突起11Aが突出している側をタイヤ表面201の側にしてタイヤ200に埋め込まれ(図2参照)、タイヤ摩擦センサとして用いられる。これにより、タイヤ200は摩擦センサ付きタイヤをなす。なお、摩擦力センサ10は、ピエゾ抵抗素子12〜15の整列方向が、タイヤ回転方向に整合するように、タイヤ200に埋め込まれる。
摩擦力センサ10は、タイヤ200の製造工程の最終工程で、タイヤ200の表面に小さな孔202を明け、孔202に摩擦力センサ10を挿入し、必要に応じてタイヤ200と同質のゴム材によって孔202を蓋することにより、タイヤ200に埋め込まれる。これにより、摩擦センサ付きタイヤは、完成した一般用のタイヤに摩擦力センサ10を埋め込むことにより得られ、完成した一般用のタイヤを、簡単に、安価に、摩擦センサ付きタイヤにすることができる。
この摩擦センサ付きタイヤにおいて、ピエゾ抵抗素子12〜15は、酸化膜(SiO)16A、窒化膜(Si)16Bによって保護されているから、タイヤ表面201から孔202内に水分等が進入しても、摩擦力センサ10の絶縁劣化はなく、長期の使用において安定した特性で、高い信頼性を確保できる。
図3に示されているように、ダイアフラム起歪構造体11の中央突起11Aが、タイヤ200が受ける圧力Pに由来する押力Fpを軸力方向に受けて軸力方向に変位すると共に、路面との摩擦力tに由来する力Ftを受けて傾動し、これらによってダイアフラム起歪構造体11の薄肉部11Cが撓み変形する。これに応答してピエゾ抵抗素子12〜15の各々の抵抗値R1〜R4が、図4の図表に示すように、各々個別に変化する。なお、図4において、↑は抵抗値増大を、↓は抵抗値低下を示す。
ピエゾ抵抗素子12の抵抗値R1は、押力Fpの増加によって低減し、摩擦力tに由来する力Ftによって増大する。
ピエゾ抵抗素子13の抵抗値R2は、押力Fpの増加によって増大し、摩擦力tに由来する力Ftの増加によっても増大する。
ピエゾ抵抗素子14の抵抗値R3は、押力Fpの増加によって増大し、摩擦力tに由来する力Ftの増加によって低減する。
ピエゾ抵抗素子15の抵抗値R4は、押力Fpの増加によって低減し、摩擦力tに由来する力Ftの増加によっても低減する。
ピエゾ抵抗素子12〜15は、図5に示されているように、ピエゾ抵抗素子12と15が一方の脚、ピエゾ抵抗素子13と14がもう一方の脚をなすブリッジ回路17に結線されている。このピエゾ抵抗素子12〜15によるブリッジ回路17の中点電位E1、E2の取出部が出力端子18、19になっている。このブリッジ回路17が図7のセンサ部30に相当する。
摩擦力tに対してはノイズである圧力Pは、ダイアフラム起歪構造体11に大きな垂直変形を与え、圧力Pに由来する押力Fpに応答してピエゾ抵抗素子12〜15の抵抗値R1〜R4が変化する。しかし、ブリッジ回路17には、大きさが等しく、符号が反対の抵抗変化を生じるピエゾ抵抗素子12と13、14と15が各々結線されているから、ブリッジ回路17の中点電位E1、E2は、押力Fpによるピエゾ抵抗素子12〜15の抵抗値変化に対して不変であり、2つの中点電位E1、E2の差であるブリッジ回路17の出力電圧Eは、ダイアフラム起歪構造体11が受ける圧力Pによっては変化しない。
つまり、4個のピエゾ抵抗素子12〜15は、圧力Pに由来する押力Fpによるダイアフラム起歪構造体11Aの撓み変形による電気抵抗変化を相殺して摩擦力tに由来する力Ftによるダイアフラム起歪構造体11の撓み変形による電気抵抗変化を出力端子18、19に取り出すように結線されている。
これにより、ダイアフラム起歪構造体11とピエゾ抵抗素子12〜15のブリッジ回路17の段階で、摩擦力tの出力信号にとっては、大きなノイズ成分(外乱)である圧力成分をキャンセルすることができる。ゆえに、摩擦力成分の電圧信号と圧力成分の電圧信号の弁別に、複雑な演算処理や補正が不要となり、圧力Pに由来する外乱の影響を受けることなく、摩擦力tを正確に計測することができる。
図7において、信号処理回路21は、ノイズ除去用のフィルタ回路やA/D変換回路等を有するものであり、ブリッジ回路17の出力端子18、19に接続され、電気信号を入力して、ノイズ除去、A/D変換等の信号処理を行う。
路面からの摩擦を受けて撓むダイアフラム起歪構造体11には、振動のように交流的なノイズ成分が含まれるので、信号処理回路21のセンサ出力を受ける側に設けたローパスフィルタで交流成分を除去することにより、路面からの摩擦信号のみを検知出力することができる。
無線通信回路22は、RF回路等を含み、信号処理回路21の出力側に接続されて信号処理回路21よりの信号の無線通信処理を行う。アンテナ23は、たとえば、扁平なコイルアンテナであり、貫通電極24(図1参照)によって無線通信回路22に接続され、計測した摩擦力に関する情報を無線通信によって外部局に伝送する。外部局は、例えば、キーレスコントローラ等、車体側に設置されたリーダ・ライタ50(図7参照)である。
これにより、回転するタイヤ200の埋設された半導体センサチップによる摩擦力センサ30から外部のコントローラの送受信機(リーダ・ライタ50)に摩擦力の情報を無線伝送することが行われる。
また、図1の蓋基板20には、信号処理回路21と同じ半導体プロセスにより、温度検知用のピエゾ抵抗素子(温度検知用抵抗)26(図7参照)が埋設時の歪影響を受けない結晶方位[100]軸方位に配列された状態で形成されている。図6はこれを説明する図で、P型シリコン抵抗体の{100}結晶面のピエゾ抵抗係数を示している。結晶方位{100}軸方位に配列されたピエゾ抵抗素子は、歪に対しては不感で、温度が変化したときに生じる抵抗変化を電圧に変換して温度だけを検知することが可能である。
この温度検知用抵抗(温度検知用のピエゾ抵抗素子24)の信号を用いて摩擦力センサ10の温度影響を補正(温度補償)し、正確な摩擦力を演算することができる。そして、必要に応じて摩擦力と併せて外部のコントローラに温度信号を伝送することもできる。
図7は摩擦力センサ10の構成ブロック図である。摩擦力センサ10は、ピエゾ抵抗素子12〜15のブリッジ回路17によるセンサ部30と温度検知用のピエゾ抵抗素子26とが信号処理回路21に接続されている。信号処理回路21において、温度検知用のピエゾ抵抗素子26の信号を用いて温度補償の処理を行うことができ、また必要であれば、摩擦情報に加えて温度情報やタイヤ面に作用する圧力情報も信号処理によって分離処理して伝送することも可能である。
信号処理回路21は、入力側に、摩擦力信号と温度信号、圧力信号を切り替えるマルチプレクサ、抵抗・電圧変換回路及び振動のように交流的なノイズ成分を除去するフィルター回路を有し、出力側にセンサ信号のレベル調整を行うが回路が形成される。これらの信号はAD変換器によりデジタル値に変換された後、マイクロプロセッサを用いて特性補正などの演算処理をすることが可能である。以上の処理によって、タイヤ200に埋め込まれた摩擦力センサ10は、路面からの摩擦信号のみを検知出力することができる。
摩擦力センサ10には、必要に応じてメモリ25が設けられる。メモリ25は、センサチップの特性マップ(個性)やID番号を記憶する。
無線通信回路22は、アンテナ23によって外部のコントローラ(リーダ・ライタ50)からの電力を受け、摩擦力(必要あれば、併せて温度、圧力)の情報をリーダ・ライタ50に伝送することができる。リーダ・ライタ50も無線式(非接触式)のものであり、アンテナ51を有する。
初期処理として、摩擦力センサ10の製造によるばらつき、取付時のばらつきを含めて、摩擦力センサ10をタイヤ200に埋め込んだ後に、用意された試験装置により、路面−タイヤ摩擦と出力電圧の特性を取得し、これをリーダ・ライタ50によって摩擦力センサ10に送信し、個々の特性をメモリ25に記憶させる。この出荷試験は,全数実施してもよいが,ばらつきが小さい場合には、所定ロットごとに試験するだけでもよい。走行時を含めて信号、電力のやり取りは、アンテナ23を用いて無線通信し、外部のリーダ・ライタ50あるいは他のコントローラを用いて行う。
また、図8に示されているように、半導体チップ40に、ピエゾ抵抗素子12〜15によるセンサと、信号処理回路21、無線通信回路22を形成して絶縁膜41で覆い、摩擦力センサ10をワンチップで構成することが可能である。更に、半導体チップ40の下面の一部には、Auめっきによって渦巻き状(コイル状)のアンテナ23を形成する。通信に使う周波数帯は2.45GHzでチップ上に形成することで,小型化が図れ、アンテナ23を取り付けるコストを低減できる。
本発明による摩擦センサ付きタイヤの他の実施形態を、図9を参照して説明する。なお、図9において、図1に対応する部分は、図1に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
この実施形態の摩擦センサ付きタイヤ210は、スパイクタイヤであり、タイヤ210にねじ部213によってスパイク212が装着される。
スパイク212のタイヤ表面211側に孔214が形成されており、孔214に、図1に示されている摩擦力センサ10と同じ摩擦力センサ10が埋め込まれている。孔214は、タイヤ210とほぼ粘弾性特性を有するゴム材料215をモールドすることにより蓋されている。
摩擦力センサ10を内蔵したスパイク212をねじ部213によってタイヤ210にねじ込み装着することにより、通常のスパイクタイヤが摩擦センサ付きスパイクタイヤになる。摩擦力センサ10を内蔵したスパイク212をタイヤ210の異なる複数箇所に装着することにより、摩擦情報の信頼性を向上させることができる。
以上のように、本発明の摩擦力センサ10は、完成した一般用のタイヤにも装備可能としたものであり、非常に簡単で、量産性が向上するので、一般にも安価に提供することができる。
また、将来、半導体チップの更なる小型化が実現すると、ゴム状の塗料に多数の摩擦力センサ(チップ)10を混ぜてタイヤに塗布することも可能である。この場合、タイヤ表面の摩擦力センサ10は塗料と一緒に磨耗してなくなるが、タイヤ溝に内側に塗装された摩擦力センサ10は残るので、複数の摩擦力センサ10に形成したピエゾ抵抗素子で測定された異なる位置のタイヤのひずみ情報を処理することにより、路面との摩擦を演算し計測してコントローラへ無線伝送することができる。この場合、タイヤのトレッドが磨耗するまで通信することが可能である。
図10(A)、(B)は摩擦力センサ10(60)の信号伝送経路を示している。図10(A)では、リーダ・ライタ50から発振したマイクロ波による放射エネルギを、摩擦センサ10(60)に形成されたアンテナ23(図1、図10参照)によって受けて摩擦力センサ10の回路を起電する。摩擦力センサ10はピエゾ抵抗素子12〜15を有するから、これの抵抗変化を処理し、摩擦情報を得てアンテナ23からリーダ・ライタ50へ無線伝送する。
図10(B)では、タイヤ200に形成したタイヤ圧センサ70(図2参照)と通信することで、タイヤ圧と摩擦情報を一括してリーダ・ライタ50へ無線伝送することも可能である。通信周波数をタイヤ圧センサ70と同じ誘導エネルギによって、無線通信ICを起電する13.56MHz帯を使えば、アンテナは若干大きいが、北米で生産される新車に対して設置が義務づけられたタイヤ圧センサを利用し、これと通信を行うことが可能である。これは近くに在る電源付き通信端末であるタイヤ圧センサ70とピアツーピアの通信を行うことなり、センサの機能を一部共用することもできる。
現在入手できる2種類のタグの最大通信距離を実験結果では、4バイト読み出した場合で,13.56MHz帯の最大通信距離は約50cm、2.45GHz帯は150cmと報告されている。通信周波数とアンテナの大きさに依存して通信距離に制限があるので、必要に応じて設計しセンサチップを組み込むスパイクの一部やタイヤの一部に小さいアンテナを形成するなど適切な設計をことが可能である。
2004年12月に承認された近距離無線通信規格「NFCIP−1」は,13.56MHzの電波を用通信距離は10cm程度で情報交換が可能になる。データ転送速度は,106kビット/秒、212kビット/秒,424kビット/秒から選べる。無線通信技術は、Bluetoothの規格化に始まり、これをベースに将来のWi−Fiと自動車アプリケーションがシリコン・ベンダからハードウエア製造業者、自動車メーカ、ガソリン小売業者まで着目さてれおり、更なる技術進歩が期待される。北米で設置が義務づけられタイヤ圧センサに留まらず、速度センサなど他のセンサとの無線ネットワークを組み、摩擦センサを含めたのセンサ群を統括し、車体制御用のアクチュエーターを制御する新しいコントローラーの出現により安全な自動車の実現が期待される。
本発明の特徴は、半導体チップによる摩擦力センサをタイヤの中に埋め込み、圧力、温度や振動の影響をキャンセルしながら、正確に摩擦情報を検知でき・送信でき、弁別に複雑な演算処理や補正が不要になる。また高精度、高信頼性の無線式タイヤ摩擦センサを量産的にかつ安価に提供することができる。
また、本発明の摩擦力センサは、シリコンチップの中心部に突起を有するダイアフラム起歪構造体が形成されており、その薄肉部には、例えば、シリコンチップ上に1000℃で拡散形成したピエゾ抵抗素子を用いるため、高温まで安定した特性にて使用することができる。
本発明の摩擦力センサは完成した一般用のタイヤにも形成することを可能としたものである。スパイクタイヤのようにセンサをタイヤの製造工程の最終工程で埋設する。タイヤの表面に小さな孔を開け、無線通信機能付き摩擦センサを形成した半導体チップをタイヤの中に埋設する。一般用のタイヤに比べてタイヤ孔開けとセンサ埋設工程が追加となるが、従来例の製造プロセスに比べると非常に簡単となる。
また、半導体チップの一部に形成したピエゾ抵抗素子による温度センサの情報で摩擦センサの温度特性を補正しより正確な摩擦情報を得ることができる。さらに温度センサの情報も必要に応じて送信することができる。
また、半導体基板上に摩擦力センサ及び温度センサ、信号処理回路,電源回路、センサの出力側に設けたローパスフィルタ、通信回路からなる信号処理回路を集積形成し、その表面は酸化膜と窒化膜で覆われ、保護されているので、水分を含んだ気体の測定にも長期間に安定である。
本発明による摩擦力センサおよび摩擦力センサ付きタイヤの一つの実施形態を示す断面図。 本発明による摩擦力センサ付きタイヤの一つの実施形態を示す部分的斜視図。 本実施形態による摩擦力センサのダイアフラム起歪構造体の変形を示す図。 本実施形態による摩擦力センサのピエゾ抵抗素子の抵抗値変化特性を示す表図。 本実施形態による摩擦力センサのピエゾ抵抗素子のブリッジ回路結線を示す回路図。 P型シリコン抵抗体の[100]結晶面のピエゾ抵抗係数を示すグラフ。 本実施形態による摩擦力センサのブロック図。 本発明による摩擦力センサの他の実施形態を示す断面図。 本発明による摩擦力センサおよび摩擦力センサ付きタイヤの他の実施形態を示す断面図。 (A)、(B)は各々本発明による摩擦力センサの信号伝送経路を示す図。
符号の説明
10 摩擦力センサ
11 ダイアフラム起歪構造体
11A 中央突起
11B 外郭突起
11C 薄肉部
12、13、14、15 ピエゾ抵抗素子
16A 酸化膜
16B 窒化膜
17 ブリッジ回路
18、19 出力端子
20 蓋基板2
21 信号処理回路
22 無線通信回路
23 アンテナ
24 貫通電極
25 メモリ
26 ピエゾ抵抗素子
30 センサ部
31、32、33、34 出力端子
35、36 空隙
40 半導体チップ
41 絶縁膜
50 リーダ・ライダ
51 アンテナ
60 摩擦力センサ
61、62、63、64 変位センサ
70 タイヤ圧センサ
200 タイヤ
201 タイヤ表面
202 孔
210 摩擦センサ付きタイヤ
211 タイヤ表面
212 スパイク
213 ねじ部
214 孔
215 ゴム材料

Claims (11)

  1. 押力を軸力方向に受けて軸力方向に変位すると共に摩擦力に由来する力を受けて傾動する中央突起を一方の面に形成し当該中央突起の軸力方向の変位と傾動によって撓み変形するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの撓み変形を電気抵抗変化として検知する複数個の圧電素子と、を有し、
    前記複数個の圧電素子は、押力による前記ダイヤフラムの撓み変形による電気抵抗変化を相殺して摩擦力に由来する力による前記ダイヤフラムの撓み変形による電気抵抗変化を出力端子に取り出すように結線されていることを特徴とする摩擦力センサ。
  2. 前記ダイヤフラムは、中央部に前記中央突起が形成されたシリコンチップにより構成され、前記中央突起の周りに撓み変形可能な薄肉部を有し、当該薄肉部に前記圧電素子としてピエゾ抵抗素子が拡散形成されていることを特徴とする請求項1に記載の摩擦力センサ。
  3. 温度補償用の温度検出素子を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の摩擦力センサ。
  4. 前記出力端子の電気信号を入力して信号処理を行う信号処理回路と、前記信号処理回路に接続された無線通信回路と、前記無線通信回路に接続された無線通信用のアンテナとを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の摩擦力センサ。
  5. 前記ダイヤフラムの他方の面に設けられた蓋基板を有し、当該蓋基板に、前記信号処理回路と、前記無線通信回路と、前記アンテナが形成されていることを特徴とする請求項4項に記載の摩擦力センサ。
  6. 前記中央突起が突出している側をタイヤ表面側にして請求項4又は5に記載の摩擦力センサが埋め込まれていることを特徴とする摩擦センサ付きタイヤ。
  7. 請求項4又は5に記載の摩擦力センサが混入されたゴム状の塗料が塗布されていることを特徴とする摩擦力センサ付きタイヤ。
  8. 請求項4又は5に記載の摩擦力センサが埋め込まれたタイヤ用スパイク。
  9. 請求項8のタイヤ用スパイクが装着されていることを特徴とする摩擦力センサ付きタイヤ。
  10. 請求項6、7、9のいずれか一項に記載の摩擦センサ付タイヤに取り付けられたタイヤ圧センサと摩擦力センサとの情報を一括管理する機能を具備していることを特徴とするタイヤ情報無線管理システム。
  11. 前記摩擦力センサが前記タイヤ圧センサとピアツーピアの通信を介して外部のコントローラと通信する機能を具備していることを特徴とする請求項10に記載のタイヤ情報無線管理システム。
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