JPWO2019021522A1 - 半固体電解液、半固体電解質、半固体電解質層および二次電池 - Google Patents

半固体電解液、半固体電解質、半固体電解質層および二次電池 Download PDF

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Abstract

電極集電体の溶出を抑制する。半固体電解質溶媒および電解質塩を含む混合溶媒、ならびに第一の添加剤を含み、第一の添加剤のアニオンはBF4-またはPF6-であり、第一の添加剤のカチオンの式量は100以上である半固体電解液、半固体電解質、半固体電解質層および二次電池である。望ましくは、混合溶媒に対する第一の添加剤の添加量は1wt%〜20wt%であり、第一の添加剤はNBu4PF6である半固体電解液、半固体電解質、半固体電解質層および二次電池である。これにより、電極集電体の溶出を抑制できる。

Description

本発明は、半固体電解液、半固体電解質、半固体電解質層および二次電池に関する。
二次電池の電解質として、イオン液体に無機微粒子を混合して、液を増粘、ゲル化、あるいは固体化させる方法が知られている。電解質に関する技術として、非特許文献1には、グライムにイミド塩とナノシリカを混合させて作製した電解質が開示されている。
scientific reports, DOI:10.1038/srep08869
通常のリチウムイオン二次電池の多くは、LiPF6やLiBF4を含んだ有機電解液を含んでおり、PF6 -およびBF4 -アニオンの一部が金属製の電極集電体上に皮膜を形成し、電極集電体の溶出を抑制している。一方、非特許文献1では、イオン伝導性、大気適合性の観点からLiPF6やLiBF4ではなくLiイミド塩を適用しており、LiPF6やLiBF4を含まない。したがって、集電体中の金属の溶出が進行しやすく、溶出した金属がリチウムイオン二次電池内のLi伝導を阻害し、電池性能を低下させる可能性がある。
本発明は、電極集電体の溶出を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の特徴は、例えば以下の通りである。
半固体電解質溶媒および電解質塩を含む混合溶媒、ならびに第一の添加剤を含み、第一の添加剤のアニオンはBF4 -またはPF6 -であり、第一の添加剤のカチオンの式量は100以上である半固体電解液。
本明細書は本願の優先権の基礎となる日本国特許出願番号2017−144079号の開示内容を包含する。
本発明により、電極集電体の溶出を抑制できる。上記した以外の課題、構成および効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
二次電池の外観図である。 二次電池の断面図である。 実施例および比較例の結果を示す表である。 充放電サイクル試験結果を示すグラフである。
以下、図面などを用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
本明細書に記載される「〜」は、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値または下限値は、他の段階的に記載されている上限値または下限値に置き換えてもよい。本明細書に記載される数値範囲の上限値または下限値は、実施例中に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書では、二次電池としてリチウムイオン二次電池を例にして説明する。リチウムイオン二次電池とは、電解質中における電極へのリチウムイオンの吸蔵・放出により、電気エネルギーを貯蔵または利用可能とする電気化学デバイスである。これは、リチウムイオン電池、非水電解質二次電池、非水電解液二次電池の別の名称で呼ばれており、いずれの電池も本発明の対象である。本発明の技術的思想は、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池、カルシウムイオン二次電池、亜鉛二次電池、アルミニウムイオン二次電池などに対しても適用できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る二次電池の外観図である。図2は、本発明の一実施形態に係る二次電池の断面図である。図1および図2は積層型の二次電池であり、二次電池1000は、正極100、負極200、外装体500および半固体電解質層300を有する。外装体500は、半固体電解質層300、正極100、負極200、を収容する。外装体500の材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼など、非水電解質に対し耐食性のある材料から選択することができる。本発明は、捲回型の二次電池にも適用できる。
二次電池1000内で、正極100、半固体電解質層300、負極200で構成される電極体400が積層されている。正極100または負極200を電極または二次電池用電極と称する場合がある。正極100、負極200、または半固体電解質層300を二次電池用シートと称する場合がある。半固体電解質層300および正極100または負極200が一体構造になっているものを半固体電解質層付き二次電池用電極と称する場合がある。
正極100は、正極集電体120および正極合剤層110を有する。正極集電体120の両面に正極合剤層110が形成されている。負極200は、負極集電体220および負極合剤層210を有する。負極集電体220の両面に負極合剤層210が形成されている。正極合剤層110または負極合剤層210を電極合剤層、正極集電体120または負極集電体220を電極集電体と称する場合がある。
正極集電体120は正極タブ部130を有する。負極集電体220は負極タブ部230を有する。正極タブ部130または負極タブ部230を電極タブ部と称する場合がある。電極タブ部には電極合剤層が形成されていない。ただし、二次電池1000の性能に悪影響を与えない範囲で電極タブ部に電極合剤層を形成してもよい。正極タブ部130および負極タブ部230は、外装体500の外部に突出しており、突出した複数の正極タブ部130同士、複数の負極タブ部230同士が、例えば超音波接合などで接合されることで、二次電池1000内で並列接続が形成される。本発明は、二次電池1000中で電気的な直列接続を構成させたバイポーラ型の二次電池にも適用できる。
正極合剤層110は、正極活物質、正極導電剤および正極バインダを有する。負極合剤層210は、負極活物質、負極導電剤および負極バインダを有する。半固体電解質層300は、半固体電解質バインダおよび半固体電解質を有する。半固体電解質は、粒子および半固体電解液を有する。正極活物質または負極活物質を電極活物質、正極導電剤または負極導電剤を電極導電剤、正極バインダまたは負極バインダを電極バインダと称する場合がある。
電極合剤層の細孔に半固体電解液を充填させてもよい。この場合、外装体500の空いている1辺や注液孔から二次電池1000に半固体電解液を注入し、電極合剤層の細孔に半固体電解液を充填させる。この場合、半固体電解質に含まれる粒子を要せず、電極合剤層中の電極活物質や電極導電剤などの粒子が粒子として機能して、それらの粒子が半固体電解液を保持する。電極合剤層の細孔に半固体電解液を充填する別の方法として、半固体電解質、電極活物質、電極導電剤、電極バインダを混合したスラリーを調製し、調整したスラリーを電極集電体上に一緒に塗布する方法などがある。
半固体電解質層300に微多孔膜などのセパレータを用いてもよい。セパレータとして、ポリエチレンやポリプロピレンといったポリオレフィンやガラス繊維などを利用できる。セパレータに微多孔膜が用いられる場合、外装体500の空いている1辺や注液孔から二次電池1000に半固体電解液を注入することで、半固体電解質層300に半固体電解液が充填される。
正極100、負極200、または半固体電解質層300のいずれか一つのみまたは二つ以上に半固体電解質が含まれていてもよい。
<電極導電剤>
電極導電剤は、電極合剤層の導電性を向上させる。電極導電剤としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、黒鉛などが好適に用いられるが、これに限られない。
<電極バインダ>
電極バインダは、電極中の電極活物質や電極導電剤などを結着させる。電極バインダとしては、スチレン−ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)およびこれらの混合物などが挙げられるが、これに限られない。
<正極活物質>
貴な電位を示す正極活物質は、充電過程においてリチウムイオンが脱離し、放電過程において負極合剤層の負極活物質から脱離したリチウムイオンが挿入される。正極活物質の材料として、遷移金属を含むリチウム複合酸化物が望ましく、具体例としては、LiMO2、Li過剰組成のLi[LiM]O2、LiM2O4、LiMPO4、LiMVOx、LiMBO3、Li2MSiO4(ただし、M = Co、Ni、Mn、Fe、Cr、Zn、Ta、Al、Mg、Cu、Cd、Mo、Nb、W、Ruなどを少なくとも1種類以上含む)が挙げられる。また、これら材料における酸素の一部を、フッ素など、他の元素に置換してもよい。さらに、硫黄、TiS2、MoS2、Mo6S8、TiSe2などのカルコゲナイドや、V2O5などのバナジウム系酸化物、FeF3などのハライド、ポリアニオンを構成するFe(MoO4)3、Fe2(SO4)3、Li3Fe2(PO4)3など、キノン系有機結晶などが挙げられるが、これらに限られない。さらに、化学組成におけるリチウムやアニオン量は上記定比組成からずれていても良い。
<正極集電体120>
正極集電体120として、厚さが1μm〜100μmのアルミニウム箔、あるいは厚さが10μm〜100μm、孔径0.1mm〜10mmの孔を有するアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板などが用いられ、材質もアルミニウムの他に、ステンレス鋼、チタンなども適用できる。材質、形状、製造方法などに制限されることなく、任意の正極集電体120を使用できる。
正極活物質、正極導電剤、正極バインダおよび有機溶媒を混合した正極スラリーを、ドクターブレード法、ディッピング法またはスプレー法などによって正極集電体120へ付着させた後、有機溶媒を乾燥させ、ロールプレスによって加圧成形することにより、正極100を作製できる。塗布から乾燥までを複数回行うことにより、複数の正極合剤層110を正極集電体120に積層させてもよい。正極合剤層110の厚さは、正極活物質の平均粒径以上とすることが望ましい。正極合剤層110の厚さを正極活物質の平均粒径より小さくすると、隣接する正極活物質間の電子伝導性が悪化する可能性がある。
<負極活物質>
負極活物質は、放電過程においてリチウムイオンが脱離し、充電過程において正極合剤層110中の正極活物質から脱離したリチウムイオンが挿入される。卑な電位を示す負極活物質の材料として、例えば、炭素系材料(例えば、黒鉛、易黒鉛化炭素材料、非晶質炭素材料、有機結晶、活性炭など)、導電性高分子材料(例えば、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリアセチレン)、リチウム複合酸化物(例えば、チタン酸リチウム:Li4Ti5O12やLi2TiO4など)、金属リチウム、リチウムと合金化する金属(例えば、アルミニウム、シリコン、スズなどを少なくとも1種類以上含む)やこれらの酸化物を用いることができるが、これに限られない。
<負極集電体220>
負極集電体220として、厚さが1μm〜100μmの銅箔、厚さが1μm〜100μm、孔径0.1mm〜10mmの銅製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板などが用いられる。銅の他に、ステンレス鋼、チタン、ニッケルなども適用できる。材質、形状、製造方法などに制限されることなく、任意の負極集電体220を使用できる。
<電極>
電極活物質、電極導電剤、電極バインダおよび有機溶媒を混合した電極スラリーを、ドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法などの塗工方法によって電極集電体へ付着させることで電極合剤層が作製される。その後、有機溶媒を除去するために電極合剤層を乾燥し、ロールプレスによって電極合剤層を加圧成形することにより電極が作製される。電極スラリーに半固体電解液または半固体電解質を含めてもよい。塗布から乾燥までを複数回行うことにより、複数の電極合剤層を電極集電体に積層させてもよい。電極合剤層の厚さは、電極活物質の平均粒径以上とすることが望ましい。電極合剤層の厚さが小さいと、隣接する電極活物質間の電子伝導性が悪化する可能性がある。電極活物質粉末中に電極合剤層の厚さ以上の平均粒径を有する粗粒がある場合、ふるい分級、風流分級などにより粗粒を予め除去し、電極合剤層の厚さ以下の粒子とすることが望ましい。
<粒子>
粒子としては、電気化学的安定性の観点から、絶縁性粒子であり有機溶媒またはイオン液体を含む半固体電解液に不溶であることが好ましい。粒子として、例えば、シリカ(SiO2)粒子、γ-アルミナ(Al2O3)粒子、セリア(CeO2)粒子、ジルコニア(ZrO2)粒子などの酸化物無機粒子を好ましく用いることができる。粒子として固体電解質を用いてもよい。固体電解質としては、例えば、Li-La-Zr-Oなどの酸化物系固体電解質やLi10Ge2PS12などの硫化物系固体電解質などの無機系固体電解質の粒子が挙げられる。
半固体電解液の保持量は粒子の比表面積に比例すると考えられるため、粒子の一次粒子の平均粒径は、1nm〜10μmが好ましい。粒子の一次粒子の平均粒径が大きいと、粒子が十分な量の半固体電解液を適切に保持できず半固体電解質の形成が困難になる可能性がある。また、粒子の一次粒子の平均粒径が小さいと、粒子間の表面間力が大きくなって粒子同士が凝集し易くなり、半固体電解質の形成が困難になる可能性がある。粒子の一次粒子の平均粒径は、1nm〜50nmがより好ましく、1nm〜10nmがさらに好ましい。粒子の一次粒子の平均粒径は、レーザー散乱法を利用した公知の粒径分布測定装置を用いて測定できる。
<半固体電解液>
半固体電解液は、半固体電解質溶媒、任意の低粘度有機溶媒、電解質塩、第一の添加剤、任意の第二の添加剤を有する。半固体電解質溶媒は、イオン液体またはイオン液体に類似の性質を示すエーテル系溶媒を有する。イオン液体またはエーテル系溶媒を主溶媒と称する場合がある。イオン液体とは、常温でカチオンとアニオンに解離する化合物であって、液体の状態を保持するものである。イオン液体は、イオン性液体、低融点溶融塩あるいは常温溶融塩と称されることがある。半固体電解質溶媒は、大気中での安定性や二次電池内での耐熱性の観点から、低揮発性、具体的には室温における蒸気圧が150Pa以下であるものが望ましい。
電極合剤層に半固体電解液が含まれている場合、電極合剤層中の半固体電解液の含有量は20体積%〜40体積%であることが望ましい。半固体電解液の含有量が少ない場合、電極合剤層内部でのイオン伝導経路が十分に形成されずレート特性が低下する可能性がある。また、半固体電解液の含有量が多い場合、電極合剤層から半固体電解液が漏れ出す可能性があることに加え、活物質が不十分となりエネルギー密度の低下を招く。
イオン液体はカチオンおよびアニオンで構成される。イオン液体としては、カチオン種に応じ、イミダゾリウム系、アンモニウム系、ピロリジニウム系、ピペリジニウム系、ピリジニウム系、モルホリニウム系、ホスホニウム系、スルホニウム系などに分類される。イミダゾリウム系イオン液体を構成するカチオンには、例えば、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムや1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム(BMI)などのアルキルイミダゾリウムカチオンなどがある。アンモニウム系イオン液体を構成するカチオンには、例えば、N,N-ジエチル-N-メチル-N-(2-メトキシエチル)アンモニウム(DEME)やテトラアミルアンモニウムなどのほかに、N,N,N-トリメチル-N-プロピルアンモニウムなどのアルキルアンモニウムカチオンがある。ピロリジニウム系イオン液体を構成するカチオンには、例えば、N-メチル-N-プロピルピロリジニウム(Py13)や1-ブチル-1-メチルピロリジニウムなどのアルキルピロリジニウムカチオンなどがある。ピペリジニウム系イオン液体を構成するカチオンには、例えば、N-メチル-N-プロピルピペリジニウム(PP13)や1-ブチル-1-メチルピペリジニウムなどのアルキルピペリジニウムカチオンなどがある。ピリジニウム系イオン液体を構成するカチオンには、例えば、1-ブチルピリジニウムや1-ブチル-4-メチルピリジニウムなどのアルキルピリジニウムカチオンなどがある。モルホリニウム系イオン液体を構成するカチオンには、例えば、4-エチル-4-メチルモルホリニウムなどのアルキルモルホリニウムなどがある。ホスホニウム系イオン液体を構成するカチオンには、例えば、テトラブチルホスホニウムやトリブチルメチルホスホニウムなどのアルキルホスホニウムカチオンなどがある。スルホニウム系イオン液体を構成するカチオンには、例えば、トリメチルスルホニウムやトリブチルスルホニウムなどのアルキルスルホニウムカチオンなどがある。これらカチオンと対になるアニオンとしては、例えば、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TFSI)、ビス(フルオロスルホニル)イミド、テトラフルオロボレート(BF4)、ヘキサフルオロホスファート(PF6)、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(BETI)、トリフルオロメタンスルホネート(トリフラート)、アセテート、ジメチルホスファート、ジシアナミド、トリフルオロ(トリフルオロメチル)ボレートなどがある。これらのイオン液体を単独または複数組み合わせて使用してもよい。
イオン液体とともに用いる電解質塩として、溶媒に均一に分散できるものを使用できる。カチオンがリチウム、上記アニオンからなるものがリチウム塩として使用することができ、例えば、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiBETI)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF4)、リチウムヘキサフルオロホスファート(LiPF6)、リチウムトリフラートなどが挙げられるが、これに限られない。これらの電解質塩を単独または複数組み合わせて使用してもよい。
エーテル系溶媒は、電解質塩とともに溶媒和イオン液体を構成する。エーテル系溶媒として、イオン液体に類似の性質を示す公知のグライム(R-O(CH2CH2O)n-R’(R、R’は飽和炭化水素、nは整数)で表される対称グリコールジエーテルの総称)を利用できる。イオン伝導性の観点から、テトラグライム(テトラエチレンジメチルグリコール、G4)、トリグライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル、G3)、ペンタグライム(ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、G5)、ヘキサグライム(ヘキサエチレングリコールジメチルエーテル、G6)を好ましく用いることができる。また、エーテル系溶媒として、クラウンエーテル((-CH2-CH2-O)n(nは整数)で表される大環状エーテルの総称)を利用できる。具体的には、12-クラウン-4、15-クラウン-5、18-クラウン-6、ジベンゾ-18-クラウン-6などを好ましく用いることができるが、これに限らない。これらのエーテル系溶媒を単独または複数組み合わせて使用してもよい。電解質塩と錯体構造を形成できる点で、テトラグライム、トリグライムを用いることが好ましい。
エーテル系溶媒とともに用いる電解質塩としては、LiFSI、LiTFSI、LiBETIなどのリチウム塩を利用できるが、これに限らない。半固体電解質溶媒および電解質塩を含む混合溶媒として、エーテル系溶媒および電解質塩の混合物を単独または複数組み合わせて使用してもよい。
半固体電解液における主溶媒の重量比率は特には限定されないが、電池安定性および高速充放電の観点から半固体電解液中の溶媒の総和に占める主溶媒の重量比率は30%〜70%、特に40%〜60%、さらには45%〜55%であることが望ましい。
<低粘度有機溶媒>
低粘度有機溶媒は、半固体電解質溶媒の粘度を下げ、イオン伝導率を向上させる。半固体電解質溶媒を含む半固体電解液の内部抵抗は大きいため、低粘度有機溶媒を添加して半固体電解質溶媒のイオン伝導率を上げることにより、半固体電解液の内部抵抗を下げることができる。ただ、半固体電解質溶媒が電気化学的に不安定であるため、電池動作に対して分解反応が促進され、二次電池1000の繰返し動作に伴って二次電池1000の抵抗増加や容量低下を引き起こす可能性がある。さらに、負極活物質として黒鉛を利用した二次電池1000では、充電反応中、半固体電解質溶媒のカチオンが黒鉛に挿入されて黒鉛構造を破壊し、二次電池1000の繰返し動作ができなくなる可能性がある。
低粘度有機溶媒は、例えばエーテル系溶媒および電解質塩の混合物の25℃における粘度である140Pa・sよりも粘度の小さい溶媒であることが望ましい。低粘度有機溶媒として、炭酸プロピレン(PC)、リン酸トリメチル(TMP)、ガンマブチルラクトン(GBL)、炭酸エチレン(EC)、リン酸トリエチル(TEP)、亜リン酸トリス(2,2,2-トリフルオロエチル)(TFP)、メチルホスホン酸ジメチル(DMMP)などが挙げられる。これらの低粘度有機溶媒を単独または複数組み合わせて使用してもよい。低粘度有機溶媒に上記の電解質塩を溶解させてもよい。
<第一の添加剤>
半固体電解液には、正極集電体120が高い電気化学電位に晒されても金属が溶出しにくい皮膜を形成する第一の添加剤を含ませることが望ましい。第一の添加剤としては、PF6 -やBF4 -といったアニオン種を含むこと、および水分を含んだ大気で安定な化合物を形成するための強い化学結合を有するカチオン種を含むことが望ましい。
大気で安定な化合物であることを示す一指標としては、水に対する溶解度や加水分解の有無を挙げることができる。第一の添加剤が固体の場合、水に対する溶解度が1%未満であることが望ましい。また、加水分解の有無は、水と混合後の試料の分子構造解析で評価できる。ここで、加水分解しない、とは、第一の添加剤が吸湿あるいは水と混和した後、100℃以上で加熱し水分を除去した後の残留物の95%が第一の添加剤と同じ分子構造を示していることを意味する。
第一の添加剤は(M-R)+An -で表される。(M-R)+An -のカチオンは、(M-R)+であり、Mは窒素(N)、ホウ素(B)、リン(P)、硫黄(S)のいずれかからなり、Rは炭化水素基から構成される。また、(M-R)+An -のアニオンはAn -であり、BF4 -やPF6 -が好適に用いられる。第一の添加剤のアニオンをBF4 -やPF6 -にすることで、正極集電体120の溶出を効率的に抑制できる。これは、BF4 -やPF6 -のFアニオンが電極集電体のSUSやアルミニウムと反応し、不動態皮膜を形成することが影響するためと考えられる。
大気中で安定な第一の添加剤としては、カチオン種の式量が大きく、常温下で液体あるいは固体のイオン性材料であることが望ましい。具体的には、カチオン種の式量は好ましくは100以上、さらに好ましくは240以上である。カチオン種の式量は元素分析、核磁気共鳴法NMRによって分子構造を決定することで計測できる。
第一の添加剤の例として、テトラブチルアンモニウム ヘキサフルオロホスフェート(NBu4PF6、カチオン式量約242)、テトラブチルアンモニウム テトラフルオロボレート(NBu4BF4、カチオン式量約242)の4級アンモニウム塩、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMI-BF4、カチオン式量約111)、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(EMI-PF6、カチオン式量約111)、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(BMI-BF4、カチオン式量約139)、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(BMI-PF6、カチオン式量約139)などのイミダゾリウム塩が挙げられる。特に、アニオンがPF6 -であれば、正極集電体120の溶出を抑制できる。これらの第一の添加剤を単独または複数組み合わせて使用してもよい。
第一の添加剤の添加量は、半固体電解質溶媒、任意の低粘度有機溶媒および電解質塩を含む混合溶媒の総重量に対して、好ましくは1wt%〜20wt%、さらに好ましくは、2.5wt%〜10wt%である。第一の添加剤の添加量が少ないと、電極集電体の溶出を抑制する効果が低下し、充放電に伴い電池容量が低下しやすい。また、第一の添加剤の添加量が多いと、リチウムイオン伝導度が低下し、さらに、添加剤分解のために多くの蓄電エネルギーが消費されてしまい、結果として電池容量が低下する。
<第二の添加剤>
第一の添加剤に加えて、半固体電解液に第二の添加剤を添加してもよい。第二の添加剤としては、負極200および正極100の活物質表面にて安定なリチウム伝導性皮膜を形成するための前駆体材料が挙げられる。具体的には、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、1,3-プロパンスルトン、1-プロペン1,3-スルトン、エチレンサルフェイトまたはそれらの誘導体が挙げられる。これらの第二の添加剤は正極100で反応するため、電極集電体の耐溶出性がさらに向上する。これらの第二の添加剤を単独または複数組み合わせて使用してもよい。
第二の添加剤の添加量は、半固体電解質溶媒、任意の低粘度有機溶媒および電解質塩を含む混合溶媒の総重量に対して、好ましくは0.1wt%〜10wt%、さらに好ましくは、2wt%〜4wt%である。第二の添加剤の添加量が少ないと、リチウム伝導性皮膜の形成が不十分となり、電解質の分解が進行し、寿命特性が低下する可能性がある。また、第二の添加剤の添加量が多いと、リチウムイオンの伝導を阻害するため、二次電池の内部抵抗が高くなる可能性がある。
<半固体電解質バインダ>
半固体電解質バインダは、フッ素系の樹脂が好適に用いられる。フッ素系の樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(P(VDF-HFP))が好適に用いられる。これらの半固体電解質バインダを単独または複数組み合わせて使用してもよい。PVDFやP(VDF-HFP)を用いることで、半固体電解質層300と電極集電体の密着性が向上するため、電池性能が向上する。
<半固体電解質>
半固体電解液が粒子に担持または保持されることにより半固体電解質が構成される。半固体電解質の作製方法として、半固体電解液と粒子とを特定の体積比率で混合し、メタノールなどの有機溶媒を添加し・混合して、半固体電解質のスラリーを調合した後、スラリーをシャーレに広げ、有機溶媒を留去して半固体電解質の粉末を得る方法、などが挙げられる。
<半固体電解質層300>
半固体電解質層300は、正極100と負極200の間にリチウムイオンを伝達させる媒体となる。半固体電解質層300は電子の絶縁体としても働き、正極100と負極200の短絡を防止する。
半固体電解質層300の作製方法として、半固体電解質の粉末を成型ダイスなどでペレット状に圧縮成型する方法や、半固体電解質バインダを半固体電解質の粉末に添加・混合し、シート化する方法などがある。半固体電解質に半固体電解質バインダの粉末を添加・混合することにより、柔軟性の高いシート状の半固体電解質層300を作製できる。また、半固体電解質に、分散溶媒に半固体電解質バインダを溶解させた結着剤の溶液を添加・混合し、分散溶媒を留去することで、半固体電解質層300を作製できる。半固体電解質層300は、前記の、半固体電解質に結着剤の溶液を添加・混合したものを電極上に塗布および乾燥することにより作製してもよい。
半固体電解質層300中の半固体電解液の含有量は70体積%〜90体積%であることが望ましい。半固体電解液の含有量が小さい場合、電極と半固体電解質層300との界面抵抗が増加する可能性がある。また、半固体電解液の含有量が大きい場合、半固体電解質層300から半固体電解液が漏れ出してしまう可能性がある。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
<半固体電解質層300の作製>
リチウムイミド塩(電解質塩)としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)、主溶媒としてテトラグライム(G4)、低粘度有機溶媒として炭酸プロピレン(PC)を用い、ガラス瓶内でマグネティックスターラを用いて撹拌、溶解させて混合溶媒を作製した。第一の添加剤としてテトラブチルアンモニウム ヘキサフルオロホスフェート(NBu4PF6)を、第二の添加剤としてビニレンカーボネート(VC)をそれぞれ、LiTFSI、G4、PCを含む混合溶媒に添加し、半固体電解液とした。
第一の添加剤および第二の添加剤を加えた混合溶媒とSiO2ナノ粒子(粒径7nm)とを体積分率80:20で混合し、これにメタノールを添加した後に、マグネットスターラーを用いて30分間攪拌した。その後、得られた混合液をシャーレに広げ、メタノールを留去して粉末状かつ半固体状の半固体電解質を得た。この半固体電解質にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末5質量%を添加して、よく混合しながら加圧により伸ばすことで厚さ約200μmのシート状の半固体電解質層300を得た。得られた半固体電解質層300に含まれる半固体電解液は、LiTFSI、G4、PCの混合モル比が1:1:4であり、混合溶媒中のリチウムイミド塩の濃度は1.5mol/L、主溶媒G4およびリチウムイミド塩LiTFSIからなる錯体と低粘度溶媒PCの混合重量比は55.5:44.5であった。この混合溶媒に対し、NBu4PF6の重量比は5wt%、ビニレンカーボネート(VC)の重量比は3wt%であった。これを外径15mmのサイズで打ち抜いた。
<正極100の作製>
正極活物質としてLiNi0.33Mn0.33Co0.33O2、正極バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)、正極導電剤としてアセチレンブラックを重量比84:9:7の割合で混合し、N-メチル-2-ピロリドンを加えてさらに混合することでスラリー状の溶液を作製した。作製したスラリーを厚さ10μmのSUS箔からなる正極集電体120にドクターブレードを用いて塗布し(正極合剤層110)、80℃で2時間以上乾燥した。このとき、乾燥後の1cm2当たりの正極合剤層110の重量が18mg/cm2となるように、スラリーの塗布量を調整した。乾燥後の電極を密度2.5g/cm3となるように加圧して、外径13mmで打ち抜いて正極100とした。
<負極200の作製>
負極活物質として黒鉛(非晶質被覆、平均粒径10μm)、負極バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)、負極導電剤としてアセチレンブラックを重量比88:10:2の割合で混合し、N-メチル-2-ピロリドンを加えてさらに混合することでスラリー状の溶液を作製した。作製したスラリーを厚さ10μmのSUS箔からなる負極集電体220にドクターブレードを用いて塗布し、80℃で2時間以上乾燥した。このとき、乾燥後の1cm2当たりの負極合剤層210の重量が8mg/cm2となるように、スラリーの塗布量を調整した。乾燥後の電極を密度1.5g/cm3となるように加圧して、外径13mmで打ち抜いて負極200とした。
<二次電池1000の作製>
作製した正極100、負極200、半固体電解質層300を100℃で2時間以上乾燥した後に、アルゴンで充填したグローブボックス内に移した。その後、半固体電解質層300の片面に負極200、他面に正極100を配置し、2032サイズのコイン型電池セルホルダに入れて半固体電解液を注液し、かしめ機により密閉することで二次電池1000を作製した。
<実施例2〜20>
第一の添加剤や第一の添加剤の添加量などを図3のようにした以外は実施例1と同様にして半固体電解質層および二次電池を作製した。
<実施例21>
リチウムイミド塩(電解質塩)としてLiTFSI、主溶媒としてN-メチル-N-プロピルピロリジニウム(Py13)およびビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TFSI)から構成されるイオン液体(Py13TFSI)、低粘度溶媒としてPCを用い、LiTFSIとPy13TFSIをLiTFSIの濃度が1mol/Lとなるように調合した。その後、Py13TFSIと同体積のPCを加え、混合溶媒を作製した。第一の添加剤としてNBu4PF6を5wt量%、第二の添加剤としてビニレンカーボネート(VC)を3wt%を、LiTFSI、Py13TFSI、PCを含む混合溶媒に添加して半固体電解液を作製した。これ以外はすべて実施例10と同様にして半固体電解質層および二次電池を作製した。
<比較例1〜6>
第一の添加剤や第一の添加剤の添加量などを図3のようにした以外は実施例1と同様にして半固体電解質層および二次電池を作製した。
<イオン伝導度の評価>
半固体電解質層300の両面から外径13mmのSUS箔で挟み込み、これを2032コインセルに組み込んだ。交流インピーダンス測定によってイオン伝導度を評価した。
<正極集電体120の溶解開始電位の測定方法>
半固体電解質層300に適用した液体成分を多孔質の樹脂シートに含ませ、ここへ電極面積を1cm2にしたAlあるいはSUSと、対極としてLi金属を用い挟み込み、評価セルを作製した。そこに、走査電位10μV/secで、電位範囲3.0Vから6.0Vまで電位を掃引し、酸化電流が立ち上がる電位[対Li箔](V)を計測した。
<初期電池容量の評価>
二次電池1000を用いて50℃で測定した。ソーラトロン社製の1480ポテンシオスタットを用いて、1Cレートで定電流−定電位(CC−CV)充電した。その後、1時間開回路状態で休止した後に1Cレートで定電流放電した。上限電圧は4.2V、下限電圧は2.7Vとした。電池容量は用いた正極重量あたりの値に換算した。
<サイクル特性の評価>
先の手順にて初回充放電を実施した後に、充放電時の電流量を1Cレートで充放電サイクルを100回繰り返し、100サイクル後の放電容量を再度評価し、初回の放電容量との比から、容量維持率を算出した。なお、充電後と放電後には、二次電池1000は開回路状態で1時間休止した。
<結果および結果の考察>
図3に実施例および比較例の結果を示す。実施例における正極集電体120の溶解開始電位は、比較例における正極集電体120の溶解開始電位より高く、実施例では電極集電体の溶出を抑制できた。
第一の添加剤として加水分解性の高いLiPF6、LiBF4を用いた比較例3〜比較例6では、容量維持率は改善するものの30%と低い値であった。これは、作製した電極内に含まれる水分で第一の添加剤が分解消費され、適切に正極集電体120上での皮膜形成に利用されなかったためと考えられる。
一方、第一の添加剤として加水分解性の低いNBu4PF6、NBu4BF4を用いた実施例1〜実施例4では、容量維持率は68%以上まで改善し、解体分析後のSEM−EDX解析では、正極集電体120の溶解に起因した金属成分の検出は確認されなかった。また、正極集電体120の溶解開始電位は比較例1および比較例2の4.2Vから4.7〜4.8Vと大きく改善した。これは、第一の添加剤で用いたPF6 -ないしBF4 -アニオンが、電極集電体表面で皮膜形成反応に寄与したためと考えられる。
第一の添加剤としてEMI-PF6やBMI-PF6を用いた実施例5〜実施例8でも、NBu4PF6と同様に、サイクル試験後の容量維持率も高かった。さらに、イオン伝導度がNBu4PF6と比べて高い傾向にあり、充放電レートの観点で望ましい結果となった。
実施例2および実施例9〜実施例13は、第一の添加剤としてNBu4PF6を適用し、その添加量を1wt%から20wt%まで変化させたものである。すべての添加量に対し、容量維持率が比較例2に比べて改善しており、特に添加量が2.5wt%〜10wt%の範囲では、第一の添加剤の適用によるイオン伝導低下も少なく、さらに容量維持率も高い値となった。
実施例14は、実施例2に対し、リチウムイミド塩の種類を変更したものである。同じリチウムイミド塩であるリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を用いた場合でもLiTFSIと同様に、容量維持率は高い結果となった。
実施例15〜実施例17は、実施例10に対し、低粘度有機溶媒の種類を変更したものである。低粘度有機溶媒の有無に依らず、また、低粘度有機溶媒の種類に依らず、容量維持率は高かった。一方、実施例2、実施例16、実施例17を比較した場合、実施例2のイオン伝導度が高く、初回放電容量が増加している。よって、低粘度有機溶媒としてPCを用いると、初回放電容量が増加することが分かった。
実施例18〜実施例20は、実施例10に対して、第二の添加剤の種類を変更したものである。第二の添加剤の種類に依らず、容量維持率は高かった。
実施例21のように低揮発性の液体としてイオン液体を用いた場合でも、容量維持率は高い。実施例21におけるPy13TFSIは、実施例10におけるG4とLiTFSIとの錯体よりもイオン伝導度が高く、初回放電容量が増加したと考えられる。
図4に、実施例1と比較例1の充放電サイクル試験結果を示す。液体成分に第一の添加剤を含まない比較例1では、図4のようにサイクル途中で容量が急激に低下し、100サイクル後の放電容量はほぼゼロであった。試験後の解体分析の結果、正極集電体120であるSUSが明らかに溶出し、SEM−EDX(走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法)から、溶出した金属成分が負極200側に濃縮されていることが確認された。この傾向は比較例2でも同様であった。
100 正極
110 正極合剤層
120 正極集電体
130 正極タブ部
200 負極
210 負極合剤層
220 負極集電体
230 負極タブ部
300 半固体電解質層
400 電極体
500 外装体
1000 二次電池
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられるものとする。

Claims (7)

  1. 半固体電解質溶媒および電解質塩を含む混合溶媒、ならびに第一の添加剤を含み、
    前記第一の添加剤のアニオンはBF4 -またはPF6 -であり、
    前記第一の添加剤のカチオンの式量は100以上である半固体電解液。
  2. 請求項1に記載の半固体電解液において、
    前記混合溶媒に対する前記第一の添加剤の添加量は1wt%〜20wt%である半固体電解液。
  3. 請求項1に記載の半固体電解液において、
    混合溶媒が、さらに低粘度有機溶媒を含む半固体電解液。
  4. 請求項1に記載の半固体電解液において、
    第二の添加剤を含む半固体電解液。
  5. 請求項1に記載の半固体電解液および粒子を含む半固体電解質。
  6. 請求項5に記載の半固体電解質および半固体電解質バインダを有する半固体電解質層。
  7. 正極集電体および前記正極集電体上に形成された正極合剤層を含む正極と、
    負極集電体および前記負極集電体上に形成された負極合剤層を含む負極と、
    請求項6に記載の半固体電解質層と、を有する二次電池。
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