JPWO2018203422A1 - 半導体素子の駆動装置および電力変換装置 - Google Patents

半導体素子の駆動装置および電力変換装置 Download PDF

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Abstract

半導体素子の駆動装置において、電力回生機能によってゲート駆動に要するエネルギを低減するとともに、アーム短絡等に伴う大電流の発生を防止する。制御回路(150)は、半導体素子(10)のターンオンのためにスイッチング素子(SW1)をオンしている期間中に、短絡検知部(160)によって半導体素子(10)のオンに伴う短絡経路の発生が検知されると、短絡保護制御を実行する。短絡保護制御では、直流電源(110)および半導体素子(10)のゲートを切り離すためにスイッチング素子(SW1)がオフされるとともに、スイッチング素子(SW4)がオンする期間が設けられる。スイッチング素子(SW4)のオンにより、リアクトル(Lr)を流れる電流がゲートを避けて流れる電流経路と、ゲートを放電する第2の経路とが形成される。

Description

この発明は、半導体素子の駆動装置および電力変換装置に関し、より特定的には電力回生機能を有する駆動装置および、それを備えた電力変換装置に関する。
インバータをはじめとする電力変換装置は、パワー半導体素子のオンオフ動作によって電力変換を実現している。パワー半導体素子の代表例としては、MOS−FET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)およびIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)に代表される電圧駆動型の半導体素子が挙げられる。これらの半導体素子のオンオフを制御するために、オンオフ制御信号に従ってゲート電圧を制御するための駆動装置が設けられる。
近年、電力変換装置の高パワー密度化を目的として、コンデンサやインダクタの小型化のために半導体素子のスイッチングを高周波化する傾向がある。高周波化に伴い、駆動装置が半導体素子のゲートを充放電する回数(単位時間当たり)が増加するため、消費電力が増大する。これに伴い駆動装置の電源容量が大きくなると、装置の小型化の妨げとなることが懸念される。
このため、半導体素子のターンオフ時に、ゲートに蓄積されたエネルギを電源に回生することで、電源容量の増大、すなわち、装置の大型化を抑制するための、電力回生型の駆動装置が提案されている。たとえば、特開平5−207731号公報(特許文献1)には、ハーフブリッジ型のインバータ回路と、配線インダクタンスとを備えた駆動装置を用いて、半導体素子のゲート寄生容量に蓄積されたエネルギを、配線インダクタンスを介して直流電源に回生する制御が記載されている。
また、半導体素子の駆動装置は、短絡保護機能を備えることが一般的である。たとえば、駆動対象の半導体素子が、インバータ等で上下アームの一方を構成する場合に、同一アームの対向素子の誤導通等によってアーム短絡が発生したときに、当該短絡を検知して、半導体素子を保護のために遮断(オフ)する機能である。
特開2014−11701号公報(特許文献2)には、短絡保護機能の一例として、短絡検知時には、大電流遮断によるオフサージ電圧による素子破壊を回避する目的で、通常のターンオフ時よりもゲート抵抗値を大きくして、半導体素子をソフト遮断することが記載されている。
特開平5−207731号公報 特開2014−11701号公報
特許文献1に記載された、電力回生型の駆動装置では、半導体素子のターンオン時には、ゲート充電のための電流がインダクタンスを経由して供給される。したがって、ターンオン中に特許文献2のような短絡を検知したときには、駆動装置の電源とゲートとの間を遮断しても、リアクトル電流の還流経路が形成されることによって、ゲートの充電が継続することが懸念される。この場合には、半導体素子を遮断することができず、半導体素子に大きな短絡電流が流れてしまう虞がある。
さらに、特許文献1の電力回生型の駆動装置では、特許文献2に記載されるように、短絡検知時にゲート抵抗値を大きくしても、リアクトル電流によってゲート充電が継続される現象を解消することはできない。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、半導体素子の駆動装置において、電力回生機能によってゲート駆動に要するエネルギを低減するとともに、アーム短絡等に伴う大電流の発生を防止することである。
本開示のある局面では、半導体素子の駆動装置は、制御電極の電圧に応じて第1および第2の主電極の間が導通または遮断される半導体素子の駆動装置であって、第1および第2の電源ノードと、複数のスイッチング素子と、リアクトルと、制御回路と、短絡検知部とを備える。第1の電源ノードは、制御電極を充電するための第1の電位を供給する。第2の電源ノードは、第1の電位よりも低い第2の電位を供給する。複数のスイッチング素子は、第1および第2の電源ノードと制御電極との間に接続されて、制御電極の充電および放電を制御する。リアクトルは、第1のノードおよび第2のノードの間に配置され、第2のノードは制御電極に対して電気的に接続される。制御回路は、半導体素子のオンオフ指令信号に応じて複数のスイッチング素子のオンオフを制御する。短絡検知部は、半導体素子のターンオン時に当該半導体素子を含む短絡経路の発生を検知する。複数のスイッチング素子の各々は、オフ時の還流経路を形成するためのダイオードを含んで構成される。制御回路は、オンオフ指令信号に従って制御電極を第1の電源ノードと電気的に接続している期間中に短絡検知部によって短絡経路の発生が検知されると、制御電極を第1の電源ノードと接続しているスイッチング素子をオフするとともに、リアクトルを流れる電流が制御電極を避けて流れる第1の経路と、制御電極の電荷を放電する第2の経路とが形成される期間を設けるように、複数のスイッチング素子を制御する。第1の経路は、複数のスイッチング素子のうちのオフ状態のスイッチング素子のダイオードを含んで形成され、第2の経路は、複数のスイッチング素子のうちのオン状態のスイッチング素子を含んで形成される。
本発明によれば、半導体素子の駆動装置において、電力回生機能によってゲート駆動に要するエネルギを低減するとともに、アーム短絡等に伴う大電流の発生を防止することができる。
本実施の形態1に従う半導体素子の駆動装置の構成を説明する回路図である。 図1に示された制御回路による半導体素子のオンオフ制御を説明するための動作波形図である。 実施の形態1に従う駆動装置の通常のターンオン動作での電流経路を説明するための回路図である。 実施の形態1に従う駆動装置の通常のターンオフ動作での電流経路を説明するための回路図である。 実施の形態1に従う駆動装置の短絡保護制御時における電流経路を説明するための回路図である。 実施の形態1の変形例1に従う半導体素子の駆動装置の構成を説明する回路図である。 実施の形態1の変形例2に従う半導体素子の駆動装置の構成を説明する回路図である。 実施の形態2に従う半導体素子の駆動装置の構成を説明する回路図である。 実施の形態2に従う半導体素子の駆動装置の動作波形図である。 実施の形態2に従う駆動装置の短絡保護制御時における電流経路を説明するための回路図である。 実施の形態3に従う短絡検知部の第1の例を説明するブロック図である。 実施の形態3に従う短絡検知部の第2の例を説明するブロック図である。 実施の形態3に従う短絡検知部の第3の例を説明するブロック図である。 実施の形態3に従う短絡検知部の第4の例を説明するブロック図である。 実施の形態4の第1の例に従う電力変換装置の構成を示す回路図である。 実施の形態4の第2の例に従う電力変換装置の構成を示す回路図である。 実施の形態1の変形例3に従う半導体素子の駆動装置の構成を説明する回路図である。 実施の形態2および実施の形態1の第3の変形例を組み合わせに従う半導体素子の駆動装置の構成を説明する回路図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1に従う半導体装置の駆動装置100の構成を説明する回路図である。
図1を参照して、実施の形態1に従う駆動装置100によってオンオフされる半導体素子10は、制御電極であるゲート(G)と、主電極であるドレイン(D)およびソース(S)と、ゲート端子11と、制御ソース端子12とを有する。半導体素子10は、ゲート−ソース間の電圧に応じて主電極間(ドレインD−ソースS間)の電流量が制御される、電圧駆動型の素子である。本実施の形態では、半導体素子10は、ゲート−ソース間電圧(以下、単に「ゲート電圧」とも称する)Vgsがゲートオン閾値電圧Vthより高いときにオンし、そうでないときにオフするものとする。
駆動装置100は、半導体素子10のゲート電圧を制御することによって、オンオフ指令信号Sinに従って半導体素子10をオンオフする。具体的には、駆動装置100は、直流電圧Vgpを出力する直流電源110を含んで構成され、ゲート電圧Vgsを直流電圧Vgpと同等とすることによって半導体素子10をオンする。一方で、駆動装置100は、ゲート(G)をソース(S)と同電位とすること、すなわち、ゲート電圧Vgs=0とすることによって半導体素子10をオフする。
駆動装置100は、直流電源110に加えて、電源ノード111,112と、フルブリッジ回路を構成するスイッチング素子SW1〜SW4と、リアクトルLrと、制御回路150と、短絡検知部160とを備える。
電源ノード111は、直流電源110の正極端子と電気的に接続され、電源ノード112は、直流電源110の負極端子と電気的に接続される。電源ノード112および111の間には、直流電源110から電圧Vgpが出力される。電源ノード112は、半導体素子10の制御ソース端子12と接続されており、半導体素子10のソース(S)と同電位である。電源ノード111は「第1の電源ノード」に対応し、電源ノード112は「第2の電源ノード」に対応する。
スイッチング素子SW1〜SW4は、制御回路150からの制御信号GSW1〜GSW4に応じてオンオフするとともに、オフ時の還流経路を確保するための還流ダイオードを有するように構成される。
たとえば、スイッチング素子SW1〜SW4は、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)等のトランジスタQ1〜Q4および還流のためのダイオードD1〜D4によって構成することができる。この場合には、ダイオードD1〜D4は、MOSFETの寄生ダイオード(ボディダイオード)によって構成することができる。なお、トランジスタQ1〜Q4については、電圧駆動型および電流駆動型のいずれの素子を用いることが可能であり、バイポーラトランジスタ等の他のトランジスタを用いることも可能である。また、ダイオードD1〜D4については、トランジスタQ1〜Q4に対して、ダイオード素子を逆並列に接続することで構成してもよい。
以下では、スイッチング素子SW1〜SW4とも、トランジスタQ1〜Q4をn型トランジスタとして説明する。すなわち、スイッチング素子SW1〜SW4の各々では、制御信号GSW1〜GSW4が論理ハイレベル(以下、単に「Hレベル」とも称する)のときにトランジスタQ1〜Q4が導通する一方で、制御信号GSW1〜GSW4が論理ローレベル(以下、単に「Lレベル」とも称する)のときにトランジスタQ1〜Q4が遮断される。
このように、スイッチング素子SW1〜SW4は、制御回路150からの制御信号GSW1〜GSW4がHレベルであるときに、トランジスタQ1〜Q4の導通に応じてオンする一方で、制御信号GSW1〜GSW4がLレベルであるときにオフされる。ただし、スイッチング素子SW1〜SW4は、オフ時においても、ダイオードD1〜D4によって、直流電源110への回生方向の電流経路を形成することができる。
なお、スイッチング素子SW1〜SW4の一部または全部において、トランジスタをP型トランジスタで構成することも可能である。この場合には、制御信号GSW1〜GSW4のうちのP型トランジスタに入力される一部または全部について、以下に説明する実施の形態に対してレベル(H/L)を反転すればよい。
スイッチング素子SW1は、電源ノード111およびノードN1の間に電気的に接続される。ダイオードD1は、ノードN1から電源ノード111への方向を順方向として配置される。スイッチング素子SW3は、電源ノード111およびノードN2の間に電気的に接続される。ダイオードD3は、ノードN2から電源ノード111への方向を順方向として配置される。
リアクトルLrは、ノードN1およびN2の間に配置される。リアクトルLrは、リアクトル素子をノードN1およびN2間に接続してもよく、寄生リアクトルによって構成することも可能である。ノードN2は、半導体素子10のゲート端子11と電気的に接続される。以下では、リアクトルLrを通過するリアクトル電流ILrの極性について、ノードN1からN2へ流れるときにILr>0、反対に、ノードN2からN1へ流れるときにILr<0と定義する。
スイッチング素子SW2は、ノードN1および電源ノード112の間に電気的に接続される。ダイオードD2は、電源ノード112からノードN1への方向を順方向として配置される。スイッチング素子SW4は、ノードN2および電源ノード112の間に電気的に接続される。ダイオードD4は、電源ノード112からノードN2への方向を順方向として配置される。
短絡検知部160は、半導体素子10のターンオン時に、半導体素子10が接続された回路中での半導体素子10を含む短絡経路の発生を検知する。すなわち、半導体素子10そのものは故障していないが、半導体素子10のオンに応じて過大な短絡電流が半導体素子10を通過する虞がある場合に、短絡検知部160は、半導体素子10のターンオン挙動に基づいて短絡経路の発生を検知する。
たとえば、半導体素子10が、実施の形態4で後述するように、インバータやチョッパ等に適用されて他の半導体素子とアームを構成する場合に、同一アームの対向素子に短絡故障が発生すると、半導体素子10のオンによって電源の短絡経路が形成されてしまう。あるいは、同一アームの対向素子のオン時に半導体素子10がノイズ等による誤動作して誤ってオンした場合にも同様に、半導体素子10のオンに応じて電源の短絡経路が形成されてしまう。当該短絡経路の電流が半導体素子10を通過すると、半導体素子10が故障することが懸念される。
短絡検知部160は、半導体素子10のターンオン時に、上記のような短絡経路の発生を検知(以下、単に「短絡を検知」とも称する)すると、短絡検知信号SscをLレベル(デフォルト)からHレベルへ変化される。
上記のような短絡の検知手法は公知であり、たとえば、短絡検知部160は、半導体素子10のドレイン−ソース間電圧(Vds)に基づいて短絡を検知することができる。具体的には、半導体素子10がオン状態であるにも係わらず、ドレイン−ソース間電圧Vdsが高い状態にあるときに、短絡検知部160は、短絡検知信号SscをHレベルに設定する。
短絡検知部160は、ドレイン−ソース間電圧(Vds)を入力とする電子回路(ハードウェア)によって構成されてもよく、ドレイン−ソース間電圧(Vds)のA/D変換値に基づくプログラム処理(ソフトウェア)によって構成されてもよい。あるいは、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせによって、短絡検知部160の機能を実現することも可能である。
制御回路150は、オンオフ指令信号Sinに従って半導体素子10をオンオフするために、スイッチング素子SW1〜SW4の制御信号GSW1〜GSW4を生成する。さらに、制御回路150は、短絡検知信号SscがHレベルに設定された短絡の検知時には、半導体素子10の故障を回避するための短絡保護制御(後述)を実行する。
なお、図1の構成例では、制御回路150および短絡検知部160を機能毎に別要素として記載しているが、集積回路等を用いた同一モジュールによって、制御回路150および短絡検知部160の両機能が実現されてもよい。
図2は、制御回路150による半導体素子10のオンオフ制御を説明するための動作波形図である。
図2を参照して、期間t1では、オンオフ指令信号SinがLレベルであり、ゲート電圧Vgs=0に制御されて、半導体素子10はオフ状態である。スイッチング素子SW1〜SW3がオフに維持される一方で、スイッチング素子SW4はオンされる。これにより、期間t1において、半導体素子10のゲートは、ソース(S)と接続された電源ノード112と同電位にクランプされる。
期間t2では、オンオフ指令信号SinがLレベルからHレベルに変化される。これに応じて、ターンオン動作が開始されて、スイッチング素子SW1をオンするために制御信号GSW1がHレベルに設定される。期間t2では、スイッチング素子SW2,SW3がオフされる一方で、スイッチング素子SW1,SW4がオンされる。これにより、期間t2では、図3に点線で示される電流経路201が形成されるので、リアクトル電流ILrは増加する(ILr>0)。
リアクトル電流ILrが予め定められた判定値(正)に達すると、期間t3が開始される。期間t3では、制御信号GSW1がHレベルに維持される一方で、制御信号GSW4がLレベルに変化する。これにより、スイッチング素子SW1はオン状態に維持されるとともに、スイッチング素子SW2〜SW4がオフされる。
したがって、期間t3では、図3に実線で示された電流経路202によって、直流電源110の出力電圧VgpによってリアクトルLrを経由してゲートGが充電される。これにより、リアクトル電流ILrが減少する一方で、ゲート電圧Vgsが徐々に上昇する。
ゲート電圧Vgsが、ゲートオン閾値電圧Vthに達すると、半導体素子10はオン状態となる。その後、期間t4では、制御信号GSW1がLレベルに設定される一方で、制御信号GSW3がHレベルに設定される。これにより、スイッチング素子SW3がオンされるとともに、スイッチング素子SW1,SW2,SW4がオフされる。
期間t4では、スイッチング素子SW3(トランジスタQ3)のオンにより、半導体素子10のゲート(G)を電源ノード111と接続することによって、ゲート電圧Vgs=Vgpにクランプされる。このように、半導体素子10は、オンオフ指令信号SinがLレベルからHレベルに変化するのに応じて、期間t2,t3でターンオンされるとともに、期間t4においてオン状態を維持する。
さらに、期間t4の開始時には、オフ状態のスイッチング素子SW2,SW3のダイオードD2,D3により、リアクトル電流ILr(ILr>0)を直流電源110に回生する、図3中に一点鎖線で示された電流経路203を形成することができる。
なお、図2に例示したターンオン動作では、期間t2によってリアクトルLrを励磁してから期間t3によりゲートを充電する例を示したが、これにより、ゲート充電のためのゲート電流を大きくすることでターンオンを高速化することができる。ただし、期間t2を設けることは必須ではなく、期間t1からt3へ直接遷移する動作によって、半導体素子10をターンオンすることも可能である。
次に、ターンオフ動作について説明する。オンオフ指令信号SinがHレベルからLレベルに変化すると、ターンオフのための期間t5が開始される。
期間t5では、制御信号GSW3がHレベルに維持されるとともに、制御信号GSW2がHレベルに設定される。これにより、スイッチング素子SW2,SW3がオンされて、図4に点線で示された電流経路204が形成される。これにより、リアクトルLrはILr<0の方向に励磁される。
リアクトル電流ILrが予め定められた判定値(負)に達すると、期間t6が開始される。期間t3では、制御信号GSW2がHレベルに維持される一方で、制御信号GSW3がLレベルに変化する。これにより、スイッチング素子SW2はオン状態に維持されるとともに、スイッチング素子SW1,SW3,SW4がオフされる。
したがって、期間t6では、図4に実線で示された電流経路205によって、リアクトルLrを経由してゲートGが放電される。これにより、リアクトル電流(ILr<0)の絶対値が減少する一方で、ゲート電圧Vgsが徐々に低下する。
ゲート電圧Vgsがゲートオン閾値電圧Vthよりも低下すると、半導体素子10はオフ状態となる。その後、期間t7では、制御信号GSW3がLレベルに設定される一方で、制御信号GSW4がHレベルに設定される。これにより、スイッチング素子SW4がオンされるとともに、スイッチング素子SW1〜SW3がオフされる。このように、半導体素子10は、オンオフ指令信号SinがHレベルからLレベルに変化するのに応じて、期間t5,t6でターンオンされるとともに、期間t7においてオン状態を維持する。
さらに、期間t7の開始時には、オフ状態のスイッチング素子SW1,SW4のダイオードD1,D4により、リアクトル電流ILr(ILr<0)を直流電源110に回生する、図3に一点鎖線で示された電流経路206を形成することができる。
なお、ターンオン動作においても、期間t5によってリアクトルLrを励磁してから期間t6によりゲートを放電することにより、ターンオフを高速化することができる。ただし、期間t5を設けることは必須ではなく、期間t4からt6へ直接遷移して、半導体素子10をターンオフすることも可能である。
このように、実施の形態1の駆動装置100は、期間t4,t7の開始時における電力回生によって、ターンオンおよびターンオフでの消費エネルギを低減することができる。この結果、半導体素子10のスイッチングを高周波化しても直流電源110の電源容量の増大を抑制できるので、装置の大型化を回避することができる。
ここで、再び半導体素子10をターンオンする際に、短絡検知部160によって短絡が検知された場合の動作を考える。たとえば、半導体素子10がオフ状態である期間t7中に、半導体素子10と同一アームを構成する対向素子に電圧破壊が発生したと仮定する。
オンオフ指令信号SinがLレベルからHレベルに変化すると、期間t8が開始される、期間t8では、期間t2と同様に、スイッチング素子SW1,SW4をオンすることによって、リアクトルLrが励磁される。そして、リアクトル電流ILrの増加に応じて期間t9が開始され、ゲート電圧Vgsがゲートオン閾値電圧Vthに達すると、半導体素子10がオンすることで短絡経路が発生する。このとき、リアクトルLrを用いる電力回生型の駆動装置100では、リアクトルLrが電流源となって、半導体素子10のゲート(G)の充電電流が供給され続ける。このため、ゲート電圧Vgsが上昇を続けることで、耐電流を超過した短絡電流が生じることによって、半導体素子10を通過する大電流の発生が懸念される。
本実施の形態に従う駆動装置100では、期間t9が開始されてゲート電圧Vgsが上昇する際に、ドレイン−ソース間電圧が十分に減少することなく大きな電流が流れることにより、短絡検知部160は、短絡を検知して、短絡検知信号SscをLレベルからHレベルに変化する。
短絡検知信号SscがHレベルに設定されると、短絡保護制御のための期間t10が開始される。
制御回路150は、期間t10では、制御信号GSW1をHレベルからLレベルに変化させて、ゲート(G)を直流電源110と接続しているスイッチング素子SW1をオフする。これにより、オフされたトランジスタQ1によって、半導体素子10のゲート(G)が、電源ノード111、すなわち、直流電源110の正極端子から切り離される。これにより、直流電源110からのゲート充電のための電流供給が停止される。
しかしながら、スイッチング素子SW1をオフしても、リアクトルLrが電流源として作用することで、図5に点線で示された電流経路207が形成される。したがって、制御回路150は、制御信号GSW4をHレベルに設定して、スイッチング素子SW4をオンする期間を設ける。
スイッチング素子SW4のオン期間では、図5に実線で示される電流経路208および209が形成される。すなわち、リアクトル電流ILrがゲートを避けて流れる電流経路208と、ゲート(G)の電荷を放電する電流経路209とを形成することができる。これにより、スイッチング素子SW4のオン期間では、ゲート電圧Vgsを低下することができる。すなわち、電流経路208は「第1の経路」の一実施例に対応し、電流経路209は「第2の経路」の一実施例に対応する。
スイッチング素子SW4のオン期間を設けることにより、リアクトル電流によりゲート電圧Vgsが上昇を続けることによって半導体素子10を通過する短絡電流が増加する現象を解消できる。一方で、短絡経路によって半導体素子10に比較的大きな電流が流れている状態で、ゲート電圧Vgsを急激に低下させると、オフサージ電圧の発生によって半導体素子10を通過する大電流の発生が懸念される。
したがって、制御回路150は、図2に示されるように、スイッチング素子SW4を断続的にオンオフするために、HレベルおよびLレベルを周期的に繰り返すパルス状に制御信号GSW4を設定する。
制御信号GSW4のHレベル期間には、スイッチング素子SW4のオンにより図5の電流経路208および209が形成されて、ゲート電圧Vgsが低下する。一方で、制御信号GSW4のLレベル期間には、スイッチング素子SW4のオフにより図5の電流経路207が形成されて、ゲート(G)が充電されるためゲート電圧Vgsは緩やかに回復する。
したがって、期間t10では、スイッチング素子SW4を断続的にオンオフすることによって、ゲート電圧Vgsを緩やかに低下することができる。この結果、期間t10での短絡保護制御によって、半導体素子10について、ゲート電圧Vgsの上昇による短絡電流の増加を抑制することともに、ゲート電圧Vgsの急激な低下によるオフサージ電圧の発生を防止するように、ソフトに遮断することができる。
特に、期間t10におけるゲート電圧Vgsの低下レートは、制御信号GSW4のHレベル期間およびLレベル期間の和(1周期)に対するHレベル期間の比で定義されるオンデューティによって調整することができる。
たとえば、期間t10におけるゲート電圧Vgsの平均的な低下レートが、通常時(短絡非検知時)における期間t6でのゲート電圧Vgsの低下レートよりも小さくなるように(たとえば、1/10程度)、予めオンデューティを調整することができる。
期間t10での短絡保護制御によってゲート電圧Vgsが予め定められた電圧まで低下すると、制御信号GSW4はHレベルに維持される。これにより、ゲート電圧Vgs=0にクランプされるとともに、リアクトル電流ILrは、継続的に形成される電流経路208上の寄生抵抗による発熱等によって消費されて消滅する。
このように、実施の形態1に従う駆動装置100によれば、リアクトルを有する電力回生型の構成によってターンオンおよびターンオフ動作での消費エネルギを抑制するとともに、ターンオフ動作中に短絡経路の発生が検知された場合には、短絡保護制御によって、リアクトルの作用によって短絡電流を増加させることなく、半導体素子をオフすることができる。
さらに、短絡保護制御において、スイッチング素子SW4を断続的にオンオフすることにより、ゲート電圧を緩やかに低下させながら半導体素子10をソフトに遮断することで、オフサージ電圧を抑制することができる。
実施の形態1の変形例1.
図6は実施の形態1の変形例1に従う駆動装置100aの構成を示す回路図である。
図6を図1と比較して、実施の形態1の変形例1に従う駆動装置100aは、駆動装置100(図1)と比較して、負荷抵抗181および182がさらに備えられる点で異なる。負荷抵抗181は、電源ノード111およびノードN2の間にスイッチング素子SW3と直列に接続される。同様に、負荷抵抗182は、ノードN2および電源ノード112の間に、スイッチング素子SW4と直列に接続される。駆動装置100aのその他の部分の構成は、駆動装置100(図1)と同様であるので詳細な説明は繰返さない。
駆動装置100aでは、負荷抵抗181を配置することにより、半導体素子10のターンオン時に、期間t4で、スイッチング素子SW3をターンオンする際の突入電流や電圧発振を抑制することができる。同様に、負荷抵抗182を配置することにより、半導体素子10のターンオフ時に、期間t7で、スイッチング素子SW4をターンオンする際の突入電流や電圧発振を抑制することができる。
駆動装置100aにおいても、図2と同様にスイッチング素子SW1〜SW4をオンオフ制御することによって、正常時(短絡非検知時)の半導体素子10のオンオフ、ならびに、短絡の検知時における半導体素子10の短絡保護制御(ソフト遮断)を実現することができる。
特に、駆動装置100aでは、短絡保護制御時の期間t10におけるスイッチング素子SW4の電流が、負荷抵抗181,182が配置されない駆動装置100よりも小さくなる。したがって、駆動装置100aでは、駆動装置100と比較して、期間t10におけるスイッチング素子SW4のオンデューティを大きくすることが好ましい。
実施の形態1の変形例2.
図7は、実施の形態1の変形例2に従う駆動装置100bの構成を説明する回路図である。
図7を参照して、実施の形態1の変形例2に従う駆動装置100bは、図1に示した駆動装置100と比較して、複数の直流電源110および115を有する点で異なる。直流電源110および115は、電源ノード113を介して、電源ノード111および112の間に接続される。すなわち、電源ノード113は「第3の電源ノード」に対応する。
電源ノード113は、半導体素子10の制御ソース端子12と接続される。直流電源115は、直流電圧Vgmを出力する。したがって、電源ノード112は、半導体素子10のソース(S)に対して負電位となる。このため、スイッチング素子SW4がオンされる半導体素子10のオフ時には、ゲート電圧Vgsを負電圧とすることができる。
実施の形態1の変形例2に従う駆動装置100bにおいても、半導体素子10の通常(短絡非検知時)のターンオンおよびターンオフ、ならびに、ターンオンの際の短絡検知時における短絡保護制御(ソフト遮断)について、図2に示したのと同様に制御信号GSW1〜GSW4を生成することによって実現することができる。
実施の形態1の変形例3.
図17は、実施の形態1の変形例3に従う駆動装置100cの構成を説明する回路図である。
図17を参照して、実施の形態1の変形例3に従う駆動装置100cは、図1に示した駆動装置100と比較して、リアクトルLrに代えて、オン用リアクトルLronおよびオフ用リアクトルLroff、ならびに、オン用ダイオードDLonおよびオフ用ダイオードDLoffが配置される点で異なる。
オン用リアクトルLronおよびオフ用リアクトルLroffは、ノードN1およびN2間に、電気的に並列に接続される。オン用ダイオードDLonは、ノードN1からノードN2へ向かう方向を順方向として、ノードN1およびN2間にオン用リアクトルLronと直列に接続される。オフ用ダイオードDLoffは、ノードN2からノードN1へ向かう方向を順方向として、ノードN1およびN2間にオフ用リアクトルLroffと直列に接続される。
したがって、半導体素子10のターンオン時(図2の期間t2,t8)には、オン用リアクトルLronおよびオン用ダイオードDLonの直列回路によって、ゲートGを充電するためのリアクトル電流ILronが流れる。一方で、半導体素子10のターンオフ時(図2の期間t5)には、オフ用リアクトルLroffおよびオフ用ダイオードDLoffの直列回路によって、ゲートGを放電するためのリアクトル電流ILroffが流れる。
図17のその他の部分の構成は図1と同様である。また、実施の形態1の変形例3に従う駆動装置100cにおいても、短絡検知部161からの短絡検知信号Sscに応じた動作、すなわち短絡検知後の動作は、図5で説明した実施の形態1での動作と同様であるため、詳細な説明は繰り返さない。
実施の形態1の変形例3に従う駆動装置100cは、オン用リアクトルLronおよびオフ用リアクトルLroffのインダクタンス値を独立に決定することができるため、半導体素子10のターンオン速度とターンオフ速度とを独立に調整することができる。この結果、実施の形態1に従う駆動装置100での効果に加えて、半導体素子10がターンオンおよびターンオフ動作を開始する前にリアクトルを励磁する期間、すなわち図2における期間t2,t8および期間t5の一方または両方の長さを、制御を複雑化することなく短縮することが可能となる。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に従う駆動装置101の構成を説明する回路図である。
図8を図1と比較して、実施の形態2に従う駆動装置101は、実施の形態1に従う駆動装置100(図1)と比較して、スイッチング素子SW5およびSW6と、ソフト遮断用の抵抗素子185とをさらに備える点で異なる。制御回路150は、制御信号GSW1〜GSW4に加えて、スイッチング素子SW5,SW6をオンオフするための制御信号GSW5、GSW6をさらに生成する。
スイッチング素子SW5,SW6は、スイッチング素子SW1〜SW4と同様に、オフ時の還流経路を確保するための還流ダイオードを有するように構成される。たとえば、スイッチング素子SW5,SW6は、トランジスタQ1〜Q4と同様のトランジスタQ5,Q6と、ダイオードD1〜D4と同様のダイオードD5,D6によって構成することができる。以下では、スイッチング素子SW5,SW6についても、スイッチング素子SW1〜SW4と同様に、トランジスタQ5,Q6をn型トランジスタとして説明する。
スイッチング素子SW5,SW6の各々についても、トランジスタをP型トランジスタで構成することが可能である。この場合には、P型トランジスタに入力される制御信号GSW5および/またはGSW6について、以下に説明する制御信号GSW5,GSW6に対してレベル(H/L)を反転すればよい。
スイッチング素子SW5は、ノードN2と、ゲート端子11と接続されるノードN3との間に接続される。ダイオードD5は、ノードN3からノードN2への方向を順方向として配置される。スイッチング素子SW6は、ノードN3および電源ノード112の間に電気的に接続される。ダイオードD6は、電源ノード112からノードN3に向かう方向を順方向として配置される。抵抗素子185は、ノードN3および電源ノード112の間に、スイッチング素子SW6と直列に接続される。
駆動装置101のその他の部分の構成は、実施の形態1に従う駆動装置100(図1)と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。駆動装置101では、スイッチング素子SW1〜SW6によって「複数のスイッチング素子」が構成される。
図9は、実施の形態2に従う駆動装置101の動作波形図である。
図9を参照して、制御回路150は、短絡検知信号SscがLレベルに設定される通常時(短絡非検知時)において、制御信号GSW5をHレベルに設定するとともに、制御信号GSW6をLレベルに設定する。
駆動装置101では、スイッチング素子SW5がオンされるとともに、スイッチング素子SW6がオフされることにより、半導体素子10のゲート(G)とノードN2との間の接続関係は、駆動装置100(図1)と同様となる。
したがって、通常時(短絡非検知時)には、図2と同様に制御信号GSW1〜GSW4を設定することにより、実施の形態1と同様に半導体素子10のターンオン動作およびターンオフ動作を実行することができる。すなわち、期間t1〜t7での駆動装置101の動作は、駆動装置100と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。
一方で、駆動装置101では、ターンオン時に短絡が検知されたときの期間t10における動作が駆動装置100(図2)とは異なる。
制御回路150は、ターンオン動作の途中に短絡検知信号SscがHレベルに変化すると、期間t10において、図2と同様に制御信号GSW1をLレベルに設定する。これにより、直流電源110からのゲート電流の供給が停止される。
さらに、制御回路150は、制御信号GSW6をHレベルに設定するとともに、制御信号GSW5をLレベルに設定する。これにより、スイッチング素子SW5およびSW6のオンオフが期間t9までと入れ換わる。
図10には、実施の形態2に従う駆動装置101の保護制御時(期間t10)における電流経路が示される。
図10を参照して、スイッチング素子SW5のオフにより、ノードN2がゲート(G)から切り離される。リアクトル電流ILr(ILr>0)は、スイッチング素子SW2,SW3のダイオードD2,D3を含む電流経路211によって、ゲート(G)を避けて流れる。これにより、リアクトル電流ILrは、ゲート(G)を充電することなく直流電源110に回生される。電流経路211は、「第1の経路」の一実施例に対応する。
一方で、ゲート(G)は、オン状態のスイッチング素子SW6(トランジスタQ6)によって、抵抗素子185を経由して電源ノード112と接続される。これにより、ゲート(G)の電荷を放電する電流経路212が形成される。すなわち、電流経路212は、「第2の経路」の一実施例に対応する。この結果、短絡発生時に、リアクトル電流ILrによるゲート(G)の充電が継続されることによって半導体素子10を通過する短絡電流が増加する現象を解消できる。
さらに、電流経路212には、抵抗素子185が含まれているため、ゲート電圧Vgsの急激な低下を避けることができる。すなわち、短絡経路によって半導体素子10に比較的大きな電流が流れている状態から半導体素子10をオフする際におけるオフサージ電圧を抑制することができる。なお、電流経路212による放電電流、すなわち、ゲート電圧の低下速度は、抵抗素子185の電気抵抗値によって調整することができる。
このように、実施の形態2に従う駆動装置101では、スイッチング素子SW5およびSW6をさらに配置することによって、実施の形態1と同様の短絡検知時のソフト遮断制御を実行することができる。特に、短絡保護制御時に、スイッチング素子SW6をオン状態に維持することができるので、スイッチング素子SW4を断続的にオンオフする実施の形態1と比較して、ソフト遮断のための制御動作を簡素化できる点が有利である。
なお、実施の形態2に従う駆動装置についても、実施の形態1の変形例1(図6)と同様に、スイッチング素子SW3およびSW4と直列に負荷抵抗181および182を接続する構成とすることが可能である。
あるいは、駆動装置101において、実施の形態1の変形例2(図7)と同様に、直流電源110に加えて、直流電源115および電源ノード113をさらに配置する構成とすることも可能である。この場合には、電源ノード113は、図7と同様に、半導体素子10の制御ソース端子12と接続される。なお、スイッチング素子SW6については、ノードN3と、電源ノード112または113との間に接続することが可能である。特に、スイッチング素子SW6を、ノードN3と電源ノード113との間に接続することにより、短絡遮断後にノイズ等で半導体素子10が再びオンすることを防止できる。
また、図18に示された駆動装置101xのように、実施の形態2に従う駆動装置101に対して、実施の形態1の変形例3(図17)を組み合わせることも可能である。具体的には、駆動装置110xでは、駆動装置101(図8)の構成において、リアクトルLrに代えて、図17と同様に、オン用リアクトルLronおよびオン用ダイオードDLonによる直列回路と、オフ用リアクトルLroffおよびオフ用ダイオードDLoffによる直列回路とが、ノードN1およびN2間に並列に接続される。
実施の形態3.
実施の形態3では、短絡検知部のバリエーションについて説明する。
図11は、実施の形態3の第1の例に従う短絡検知部161を説明するためのブロック図である。
図11を参照して、実施の形態1に従う駆動装置100(図1)において、短絡検知部160に代えて、短絡検知部161が配置される。
短絡検知部161は、半導体素子10のドレイン−ソース電流の検出値に基づいて、短絡経路の発生を検知する。具体的には、半導体素子10と並列に接続された電流検出素子191の通過電流に基づいて、短絡が検知される。
たとえば、電流検出素子191は、半導体素子10のゲート(G)と接続された制御電極(ゲート)を有するトランジスタによって構成することができる。電流検出素子191は、半導体素子10と同様にオンオフ制御され、半導体素子10のドレイン−ソース電流に比例した電流を通過させる。電流検出抵抗192は、電流検出素子191の電流が通過するように配置される。
短絡検知部161は、電流検出抵抗192に発生する起電圧を受けて、この起電圧が予め定められた判定電圧を超えると、短絡検知信号SscをHレベルに設定するように構成される。
半導体素子10と電流検出素子191との間の電流比は、両者のトランジスタサイズの比率に従うので、当該比率および半導体素子10の耐電流を用いて、判定電圧を設定することができる。また、短絡検知部161では、ドレイン−ソース電流の電流値そのものの他、ドレイン−ソース電流の微分値や積分値を用いて短絡を検知することも可能である。
短絡検知部161を用いることにより、電流に直接基づく判定とすることで短絡の検出精度を向上することができる。また、短絡検知部161を、高電圧部位(半導体素子10のドレイン)と接続することが不要となるので、駆動装置100の故障発生を抑制できるとともに、回路基板の絶縁領域を削減することができる。
図11のその他の部分の構成は図1と同様であるので、詳細は繰り返さない。さらに、短絡検知部161からの短絡検知信号Sscに応じた制御回路150の動作についても、実施の形態1と同様とすることができる。
このように、短絡検知部161によって短絡の発生を検知する構成としても、短絡検知信号SscのLレベル時およびHレベル時における駆動装置100の動作(通常時/短絡保護制御時)は実施の形態1と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
図12は、実施の形態3の第2の例に従う短絡検知部162を説明するためのブロック図である。
図12を参照して、実施の形態1に従う駆動装置100(図1)において、短絡検知部160に代えて、短絡検知部162が配置される。
短絡検知部162は、半導体素子10のゲート電流の検出値に基づいて、短絡経路の発生を検知する。具体的には、ノードN2および半導体素子10のゲート(G)の間に接続された電流検出抵抗193に生じる起電圧に基づいて、短絡が検知される。
短絡検知部162は、電流検出抵抗193に発生する起電圧を受けて、この起電圧が予め定められた判定電圧を超えると、短絡検知信号SscをHレベルに設定するように構成される。
一般的に、半導体素子では、ターンオン動作中に短絡が発生すると、正常なターンオン時と比較して、ゲート電流が大きくなる。このため、このような現象を検知するためのゲート電流のしきい値を素子特性から定めるとともに、電流検出抵抗193の電気抵抗値Rgsを用いて、判定電圧を設定することができる。また、短絡検知部162では、ゲート電流の電流値そのものの他、ゲート電流の微分値や積分値を用いて短絡を検知することも可能である。
短絡検知部162を用いることにより、短絡検知部161と比較して、短絡検知のための追加配置要素(電流検出抵抗193)の削減により、回路構成を簡素化することができる。また、短絡検知部161と同様に、高電圧部位(半導体素子10のドレイン)と接続することが不要となるので、駆動装置100の故障発生を抑制できるとともに、回路基板の絶縁領域を削減することができる。
図12のその他の部分の構成は図1と同様であるので、詳細は繰り返さない。さらに、短絡検知部162からの短絡検知信号Sscに応じた制御回路150の動作についても、実施の形態1と同様とすることができる。
このように、短絡検知部162によって短絡を検知する構成としても、短絡検知信号SscのLレベル時およびHレベル時における駆動装置100の動作(通常時/短絡保護制御時)は実施の形態1と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
図13は、実施の形態3の第3の例による短絡検知部163を説明するためのブロック図である。
図13を参照して、実施の形態1に従う駆動装置100(図1)において、短絡検知部160に代えて、短絡検知部163が配置される。
短絡検知部163は、半導体素子10のゲート端子11と制御ソース端子12の間の電圧、すなわち、半導体素子10のゲート電圧Vgsの挙動に基づいて短絡経路の発生を検知する。
一般に、電圧駆動型の半導体素子では、正常なターンオン時におけるゲート電圧の挙動として、電圧上昇の途中で上昇が停滞する期間(いわゆる、ミラー期間)が発生する。ミラー期間は、半導体素子10のドレイン−ソース電圧の低下に応じて、ゲート−ドレイン間の寄生容量が増加するため、ゲート電流が当該寄生容量の充電に用いられることで、ゲート電圧の上昇が一時的に停止される現象である。
一方で、ターンオン動作中に短絡が発生すると、ドレイン−ソース間電圧が十分に減少することなく短絡電流が流れるため、ゲート電圧挙動は、正常なターンオン時とは異なり、上記ミラー期間が現れないものとなる。
したがって、短絡検知部163は、ターンオン動作が開始されてから(たとえば、図2での期間t3の開始タイミングから)所定時間が経過したタイミングにおけるゲート電圧Vgsが、正常なターンオン時のミラー期間における滞留電圧に相当する判定電圧よりも高いときに、短絡検知信号SscをHレベルに設定するように構成される。この所定時間は、正常なターンオン動作であればミラー期間が発生しているタイミングに対応させて予め定めることができる。また、短絡検知部163では、ゲート電圧の電圧値そのものの他、ゲート電流の微分値や積分値を用いて短絡を検知することも可能である。
短絡検知部163を用いることにより、短絡検知部161,162と比較して、短絡検知のための追加配置要素が不要であるため、回路構成を簡素化することができる。また、短絡検知部161,162と同様に、駆動装置100を高電圧部位(半導体素子10のドレイン)と接続することが不要となる。
図13のその他の部分の構成は図1と同様であるので、詳細は繰り返さない。さらに、短絡検知部163からの短絡検知信号Sscに応じた制御回路150の動作についても、実施の形態1と同様とすることができる。
このように、短絡検知部163によって短絡を検知する構成としても、短絡検知信号SscのLレベル時およびHレベル時における駆動装置100の動作(通常時/短絡保護制御時)は実施の形態1と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
図14は、実施の形態3の短絡検知部164を説明するためのブロック図である。
図14を参照して、実施の形態1に従う駆動装置100(図1)において、短絡検知部160に代えて、短絡検知部164が配置される。
短絡検知部164では、半導体素子10のソース端子側の寄生インダクタンス194の両端に発生する電圧に基づいて、短絡経路の発生を検知する。寄生インダクタンス194は、たとえば、半導体素子10を内蔵する半導体素子モジュールの内部配線のインダクタンスを用いることができる。寄生インダクタンス194には、そのインダクタンス値Leと、ドレイン−ソース間電流Idsの変化率との積であるLe・(dIds/dt)が発生する。
短絡検知部164は、寄生インダクタンス194の両端に発生する誘起電圧を受けて、この誘起電圧が予め定められた判定電圧を所定時間以上にわたって超えると、短絡検知信号SscをHレベルに設定するように構成される。これは、短絡時のターンオンでは、正常なターンオン時よりも寄生インダクタンス194の両端の誘起電圧の発生期間が長いという現象に基づくものである。あるいは、短絡時のターンオンでは、正常なターンオン時よりも寄生インダクタンス194の両端の誘起電圧が大きい特徴を利用して、その誘起電圧のレベルに基づいて、短絡を検知することも可能である。その他、短絡検知部164では、寄生インダクタンス194に生じる誘起電圧の微分値や積分値を用いて短絡を検知することも可能である。
短絡検知部164を用いることにより、高速でノイズ耐性の高い短絡検知を行うことができる。また、短絡検知部161〜162と同様に、駆動装置100を高電圧部位(半導体素子10のドレイン)と接続することが不要となる。
図14のその他の部分の構成は図1と同様であるので、詳細は繰り返さない。さらに、短絡検知部164からの短絡検知信号Sscに応じた制御回路150の動作についても、実施の形態1と同様とすることができる。
このように、短絡検知部164によって短絡を検知する構成としても、短絡検知信号SscのLレベル時およびHレベル時における駆動装置100の動作(通常時/短絡保護制御時)は実施の形態1と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
実施の形態3で説明した短絡検知部161〜164についても、短絡検知部160と同様に、電子回路等によるハードウェア処理および/またはプログラム実行によるソフトウェア処理によって、その機能を実現することが可能である。
また、以上で説明した実施の形態1の変形例ならびに実施の形態2およびその変形例においても、短絡検知部160に代えて、短絡検知部161〜164を適用することが可能である。すなわち、短絡検知部161〜164によって短絡検知信号Sscを発生しても、短絡検知信号Sscに応じた制御動作(通常時/短絡保護制御時)は同様に実行することが可能である。
実施の形態4.
実施の形態4では、本実施の形態に従う駆動装置が適用された電力変換装置の構成について説明する。
図15は、実施の形態4の第1の例に従う電力変換装置500の構成を示す回路図である。
図15を参照して、電力変換装置500は、いわゆる三相インバータの構成を有し、直流電源510の直流電圧Vdcを三相交流電圧に変換して、交流負荷であるモータ501に供給する。
電力変換装置500は、電源ライン511および512と、平滑コンデンサ515と、半導体素子10Ux,10Uy,10Vx,10Vy,10Wx,10Wyと、インバータ制御回路505とを備える。
電源ライン511は、直流電源510の正極端子と接続され、電源ライン512は、直流電源510の負極端子と接続される。平滑コンデンサ515は、電源ライン511および512の間に接続される。
半導体素子10Uxおよび10Uyは、電源ライン511および512の間に、ノードNuを介して直列に接続されてU相アームを構成する。U相アームにおいて、半導体素子10Uxは、半導体素子10Uyの対向素子に相当し、反対に、半導体素子10Uyは、半導体素子10Uxの対向素子に相当する。
同様に、半導体素子10Vxおよび10Vyは、電源ライン511および512の間に、ノードNvを介して直列に接続されてV相アームを構成する。さらに、半導体素子10Wxおよび10Wyは、電源ライン511および512の間に、ノードNwを介して直列に接続されてW相アームを構成する。
インバータ制御回路505は、三相インバータによる直流/交流電圧変換のための各相アーム動作が行われるように半導体素子10Ux,10Uy,10Vx,10Vy,10Wx,10Wyを制御するためのオンオフ指令信号Sin1〜Sin6を生成する。たとえば、オンオフ指令信号Sin1〜Sin6は、直流電圧Vdcを波高値とするパルス電圧を擬似正弦波電圧とするためのパルス幅変調(PWM)制御に従って生成される。
半導体素子10Ux,10Uy,10Vx,10Vy,10Wx,10Wyに対して、駆動装置GDUx,GDUy,GDVx,GDVy,GDWx,GDWyが接続される。半導体素子10Ux,10Uy,10Vx,10Vy,10Wx,10Wyおよび駆動装置GDUx,GDUy,GDVx,GDVy,GDWx,GDWyによって、三相インバータによる直流/交流電力変換を実行する「主変換回路」が構成される。また、インバータ制御回路505は、電力変換装置の「制御装置」の一実施例に対応する。
U相アームにおいて、駆動装置GDUxは、オンオフ指令信号Sin1に従って半導体素子10Uxのゲート電圧を制御することによって、半導体素子10Uxをオンオフする。駆動装置GDUyは、オンオフ指令信号Sin2に従って半導体素子10Uyのゲート電圧を制御することによって、半導体素子10Uyをオンオフする。
V相アームにおいて、駆動装置GDVxは、オンオフ指令信号Sin3に従って半導体素子10Vxのゲート電圧を制御することによって、半導体素子10Vxをオンオフする。駆動装置GDVyは、オンオフ指令信号Sin4に従って半導体素子10Vyのゲート電圧を制御することによって、半導体素子10Vyをオンオフする。同様に、W相アームにおいて、駆動装置GDWxは、オンオフ指令信号Sin5に従って半導体素子10Wxのゲート電圧を制御することによって、半導体素子10Wxをオンオフする。駆動装置GDWyは、オンオフ指令信号Sin6に従って半導体素子10Wyのゲート電圧を制御することによって、半導体素子10Wyをオンオフする。
駆動装置GDUx,GDUy,GDVx,GDVy,GDWx,GDWyは、上述の実施の形態1〜3およびそれらの変形例に従って構成される。すなわち、各駆動装置GDUx,GDUy,GDVx,GDVy,GDWx,GDWyは、オンオフ指令信号Sinとして、インバータ制御回路505からのオンオフ指令信号Sin1〜Sin6を入力されて、図2または図9の動作によって、半導体素子10Ux,10Uy,10Vx,10Vy,10Wx,10Wyのゲート電圧を制御する。
これにより、電力変換装置500において、三相インバータを構成する各半導体素子のターンオンおよびターンオフ時における各駆動装置の消費エネルギを抑制できる。さらに、各駆動装置は、対応する半導体素子のターンオンによって電力変換装置500内に短絡電流経路が発生する場合には、当該ターンオン動作中に短絡検知部160〜164によって短絡の発生を検知して、実施の形態1,2およびそれらの変形例で説明した短絡保護制御を実行することができる。
この結果、電力変換装置500では、各半導体素子のスイッチングを高周波化しても、駆動装置の大型化を抑制することができるとともに、アーム短絡等に伴う短絡電流によって各半導体素子に大電流が発生することを防止できる。
図16は、実施の形態4の第2の例に従う電力変換装置600の構成例を説明する回路図である。
図16を参照して、電力変換装置600は、いわゆる昇圧チョッパの構成を有し、直流電源610からの直流電圧Vdcを直流電圧変換して、直流負荷601と接続された電力線611および612の間に出力する。電力変換装置600は、リアクトル素子Lcnvと、半導体素子10x,10yと、平滑コンデンサ615とを有する。
半導体素子10xおよび10yは、ノードNcを介して、電力線611および612の間に接続される。電力線611および612の間には、平滑コンデンサ615が接続される。平滑コンデンサ615によって、電力変換装置600の出力電圧Voutからリップル成分が除去される。
すなわち、半導体素子10xおよび10yは同一アームを構成する。半導体素子10xは半導体素子10yの対向素子に相当し、反対に、半導体素子10yは半導体素子10xの対向素子に相当する。
昇圧コンバータ制御回路605は、昇圧コンバータによる昇圧比(Vout/Vdc)を制御するために、半導体素子10x,10yのオンオフ指令信号Sin1,Sin2を生成する。
具体的には、半導体素子10xおよび半導体素子10yは、交互にかつ周期的にオンオフされる。この際に、スイッチング周期に対する半導体素子10y(下アーム素子)のオン期間比(デューティ比)に従って、昇圧比が制御される。すなわち、昇圧コンバータ制御回路605は、出力電圧Voutを所望の電圧とするための昇圧比が得られるようなデューティ比に従ってオンオフ指令信号Sin1,Sin2を生成する。基本的には、オンオフ指令信号Sin1およびSin2は相補の信号である。
電力変換装置600において、半導体素子10x,10yに対して、駆動装置GDx,GDyがそれぞれ接続される。駆動装置GDxは、オンオフ指令信号Sin1に従って半導体素子10xのゲート電圧を制御することによって、半導体素子10xをオンオフする。駆動装置GDyは、オンオフ指令信号Sin2に従って半導体素子10yのゲート電圧を制御することによって、半導体素子10yをオンオフする。半導体素子10x,10y、駆動装置GDx,GDy、および、リアクトル素子Lcnvによって、昇圧チョッパによる直流/直流電力変換を実行する「主変換回路」が構成される。また、昇圧コンバータ制御回路605は、電力変換装置の「制御装置」の一実施例に対応する。
駆動装置GDx,GDyは、上述の実施の形態1〜3およびそれらの変形例に従って構成される。すなわち、各駆動装置GDx,GDyは、オンオフ指令信号Sinとして、昇圧コンバータ制御回路605からのオンオフ指令信号Sin1,Sin2を入力されて、図2または図9の動作によって、半導体素子10x,10yのゲート電圧を制御する。
これにより、電力変換装置600において、昇圧チョッパを構成する各半導体素子のターンオンおよびターンオフ時における各駆動装置の消費エネルギを抑制できる。さらに、各駆動装置は、対応する半導体素子のターンオンによって電力変換装置600内に短絡電流経路が発生する場合には、当該ターンオン動作中に短絡検知部160〜164によって短絡の発生を検知して、実施の形態1,2およびそれらの変形例で説明した短絡保護制御を実行することができる。
この結果、電力変換装置600についても、各半導体素子のスイッチングを高周波化しても、駆動装置の大型化を抑制することができるとともに、アーム短絡等に伴う短絡電流により各半導体素子に大電流が発生することを防止できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10,10Ux,10Uy,10Vx,10Vy,10Wx,10Wy,10x,10y 半導体素子(駆動対象)、11 ゲート端子(半導体素子)、12 制御ソース端子(半導体素子)、100,100a,100b,101,GDUx,GDUy,GDVx,GDVy,GDWx,GDWy,GDx,GDy 駆動装置、110,115,510,610 直流電源、111〜113 電源ノード、150 制御回路、160〜164 短絡検知部、181,182 負荷抵抗、185 抵抗素子、191 電流検出素子、192,193 電流検出抵抗、194 寄生インダクタンス、201〜209,211,212 電流経路、500,600 電力変換装置、501 モータ、505 インバータ制御回路、511,512 電源ライン、515,615 平滑コンデンサ、601 直流負荷、605 昇圧コンバータ制御回路、611,612 電力線、D ドレイン(半導体素子)、D1〜D6 ダイオード、G ゲート(半導体素子)、GSW1〜GSW6 制御信号、Lcnv リアクトル素子、Lr リアクトル、N1〜N3,Nc,Nu,Nv,Nw ノード、Q1〜Q6 トランジスタ、S ソース(半導体素子)、SW1〜SW6 スイッチング素子、Sin,Sin1〜Sin6 オンオフ指令信号、Ssc 短絡検知信号、Vdc,Vgm,Vgp 直流電圧、Vgs ゲート電圧。

Claims (11)

  1. 制御電極の電圧に応じて第1および第2の主電極の間が導通または遮断される半導体素子の駆動装置であって、
    前記制御電極を充電するための第1の電位を供給する第1の電源ノードと、
    前記第1の電位よりも低い第2の電位を供給する第2の電源ノードと、
    前記第1および第2の電源ノードと前記制御電極との間に接続されて、前記制御電極の充電および放電を制御するための複数のスイッチング素子と、
    第1のノードおよび、前記制御電極に対して電気的に接続された第2のノードの間に配置されるリアクトルと、
    前記半導体素子のオンオフ指令信号に応じて前記複数のスイッチング素子のオンオフを制御する制御回路と、
    前記半導体素子のターンオン時に当該半導体素子を含む短絡経路の発生を検知する短絡検知部とを備え、
    前記複数のスイッチング素子の各々は、オフ時の還流経路を形成するためのダイオードを含んで構成され、
    前記制御回路は、前記オンオフ指令信号に従って前記制御電極を前記第1の電源ノードと電気的に接続している期間中に前記短絡検知部によって前記短絡経路の発生が検知されると、前記制御電極を前記第1の電源ノードと接続しているスイッチング素子をオフするとともに、前記リアクトルを流れる電流が前記制御電極を避けて流れる第1の経路と、前記制御電極の電荷を放電する第2の経路とが形成される期間を設けるように、前記複数のスイッチング素子を制御し、
    前記第1の経路は、前記複数のスイッチング素子のうちのオフ状態のスイッチング素子の前記ダイオードを含んで形成され、
    前記第2の経路は、前記複数のスイッチング素子のうちのオン状態のスイッチング素子を含んで形成される、半導体素子の駆動装置。
  2. 前記複数のスイッチング素子は、
    前記第1の電源ノードおよび前記第1のノードの間に電気的に接続された第1のスイッチング素子と、
    前記第2の電源ノードおよび前記第1のノードの間に電気的に接続された第2のスイッチング素子と、
    前記第1の電源ノードおよび前記第2のノードの間に電気的に接続された第3のスイッチング素子と、
    前記第2の電源ノードおよび前記第2のノードの間に電気的に接続された第4のスイッチング素子とを含み、
    前記制御回路は、前記オンオフ指令信号に従って前記半導体素子をターンオンするために前記第1のスイッチング素子をオンするとともに前記第2から第4のスイッチング素子をオフしている期間中に前記短絡経路の発生が検知されると、前記第1のスイッチング素子をターンオフするとともに、前記第4のスイッチング素子がオンする期間を設けるように前記第1から第4のスイッチング素子のオンオフを制御し、
    前記第1の経路は、オフ状態の前記第2のスイッチング素子の前記ダイオードと、前記リアクトルと、オン状態の前記第4のスイッチング素子とを含み、
    前記第2の経路は、オン状態の前記第4のスイッチング素子を含む、請求項1記載の半導体素子の駆動装置。
  3. 前記制御回路は、前記期間中に前記短絡経路の発生が検知されると、前記第1のスイッチング素子をターンオフするとともに、前記第4のスイッチング素子を断続的にオンオフする、請求項2記載の半導体素子の駆動装置。
  4. 前記第2のノードおよび前記第2の電源ノードの間に前記第4のスイッチング素子と直列に接続される抵抗素子をさらに備える、請求項2または3に記載の半導体素子の駆動装置。
  5. 第3の電源ノードを介して、前記第1および第2の電源ノードの間に直列接続される第1および第2の直流電源をさらに備え、
    前記第1および第2の主電極のうちの低電圧側の一方は、前記第3の電源ノードと電気的に接続される、請求項2または3に記載の半導体素子の駆動装置。
  6. 前記複数のスイッチング素子は、
    前記第1の電源ノードおよび前記第1のノードの間に電気的に接続された第1のスイッチング素子と、
    前記第2の電源ノードおよび前記第1のノードの間に電気的に接続された第2のスイッチング素子と、
    前記第1の電源ノードおよび前記第2のノードの間に電気的に接続された第3のスイッチング素子と、
    前記第2の電源ノードおよび前記第2のノードの間に電気的に接続された第4のスイッチング素子と、
    前記第2のノードおよび前記制御電極の間に電気的に接続された第5のスイッチング素子と、
    前記制御電極および前記第2の電源ノードの間に電気的に接続された第6のスイッチング素子とを含み、
    前記制御回路は、前記オンオフ指令信号に従って前記半導体素子をターンオンするための前記第1および第5のスイッチング素子をオンするとともに前記第2、第3、第4および第6のスイッチング素子をオフしている期間中に前記短絡経路の発生が検知されると、前記第1および第5のスイッチング素子をターンオフするとともに、前記第6のスイッチング素子をターンオンするように前記第1から第6のスイッチング素子のオンオフを制御し、
    前記第1の経路は、オフ状態の前記第2および第3のスイッチング素子の各々の前記ダイオードと、前記リアクトルとを含み、
    前記第2の経路は、オン状態の前記第6のスイッチング素子を含む、請求項1記載の半導体素子の駆動装置。
  7. 前記制御電極および前記第2の電源ノードの間に前記第6のスイッチング素子と直列に接続される抵抗素子をさらに備える、請求項6記載の半導体素子の駆動装置。
  8. 第3の電源ノードを介して、前記第1および第2の電源ノードの間に直列接続される第1および第2の直流電源をさらに備え、
    前記第1および第2の主電極のうちの低電圧側の一方は、前記第3の電源ノードと電気的に接続され、
    前記第6のスイッチング素子は、前記第2のノードと、前記第2または第3の電源ノードとの間に配置される、請求項6または7に記載の半導体素子の駆動装置。
  9. 前記リアクトルは、
    前記第1および第2のノードの間に並列に電気的に接続されたオン用リアクトルおよびオフ用リアクトルを含み、
    前記駆動装置は、
    前記第1のノードから前記第2のノードに向かう方向を順方向として、前記第1および第2のノード間に前記オン用リアクトルと直列に接続されたオン用ダイオードと、
    前記第2のノードから前記第1のノードに向かう方向を順方向として、前記第1および第2のノード間に前記オフ用リアクトルと直列に接続されたオフ用ダイオードとをさらに備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体素子の駆動装置。
  10. 前記短絡検知部は、前記期間中において、前記半導体素子の主電極間の電圧、前記半導体素子を流れる電流、前記制御電極の電流、前記制御電極の電圧の挙動、および、電気半導体素子の前記主電極間の電流が通過する配線の寄生インダクタンスに生じる誘起電圧のいずれかに基づいて、前記短絡経路の発生を検知する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体素子の駆動装置。
  11. 複数の前記半導体素子を含んで構成されて、入力される電力を変換して出力する主変換回路と、
    前記主変換回路を制御するために各前記半導体素子の前記オンオフ指令信号を生成する制御装置とを備え、
    前記主変換回路は、前記半導体素子の各々に対応して配置された、請求項1〜10のいずれか1項に記載の駆動装置をさらに含み、
    前記駆動装置は、前記制御回路からの前記オンオフ指令信号に従って対応する前記半導体素子の前記制御電極の電圧を制御する、電力変換装置。
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