以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
[作業車両]
図1は、本実施形態に係る作業車両1の一例を模式的に示す側面図である。本実施形態においては、作業車両1がフォークリフトであることとする。以下の説明においては、作業車両1を適宜、フォークリフト1、と称する。
図1に示すように、フォークリフト1は、車体2と、走行装置3と、作業機4と、運転席5と、エンジン6と、油圧ポンプ7と、油圧モータ8と、油圧シリンダ9と、表示装置10と、バッテリ20と、操作装置50と、主制御装置100とを備える。
車体2は、作業機4、運転席5、エンジン6、油圧ポンプ7、油圧モータ8、油圧シリンダ9、表示装置10、バッテリ20、操作装置50、及び主制御装置100を支持する。
走行装置3は、車体2を支持する。走行装置3は、前輪3Fと後輪3Rとを有する。前輪3F及び後輪3Rのそれぞれは、回転軸を中心に回転可能である。前輪3Fに前タイヤ3FTが装着される。後輪3Rに後タイヤ3RTが装着される。
以下の説明においては、フォークリフト1が直進状態で走行するときの前輪3Fの回転軸及び後輪3Rの回転軸と平行な方向を適宜、フォークリフト1の車幅方向、と称し、地面と接触するタイヤ3FTの接地面及びタイヤ3RTの接地面と直交する鉛直軸と平行な方向を適宜、フォークリフト1の上下方向、と称し、回転軸及び鉛直軸の両方と直交する方向を適宜、フォークリフト1の前後方向、と称する。
本実施形態においては、運転席5に着座した運転者を基準として作業機4が存在する方向が前方であり、前方の逆方向が後方である。運転席5に前方を向いて着座した運転者の右側が右方であり、右方の逆方向が左方である。上下方向の一方が上方であり、上方の逆方向が下方である。
運転席5は、車幅方向において車体2のほぼ中央部に設けられる。前輪3Fは、後輪3Rよりも前方に配置される。前輪3Fは、車体2の車幅方向両側に配置される。後輪3Rは、車体2の車幅方向両側に配置される。
作業機4は、車体2に支持される。作業機4は、車体2に支持されるマスト41と、マスト41に支持されるフォーク42とを有する。
油圧ポンプ7は、走行装置3を作動する作動油及び作業機4を作動する作動油を吐出する。油圧ポンプ7は、走行装置3を作動させるための作動油を吐出する走行用油圧ポンプと、作業機4を作動させるための作動油を吐出する作業機用油圧ポンプとを含む。油圧ポンプ7は、エンジン6によって駆動される。
油圧モータ8は、油圧ポンプ7から吐出された作動油によって駆動される。油圧モータ8は、走行装置3を駆動する。
本実施形態において、前輪3Fは、駆動輪である。後輪3Rは、操舵輪である。油圧モータ8は、駆動輪である前輪3Fと接続される。油圧モータ8により前輪3Fが回転することによって、走行装置3は前進又は後進する。走行装置3は、操舵輪である後輪3Rを操舵する操舵装置30を有する。操舵装置30により後輪3Rが操舵されることによって、走行装置3が旋回する。
油圧シリンダ9は、油圧ポンプ7から吐出された作動油によって駆動される。油圧シリンダ9は、作業機4を駆動する。油圧シリンダ9は、マスト41を前後方向に傾斜させるチルトシリンダ91と、フォーク42を上下方向に移動させるリフトシリンダ92とを含む。チルトシリンダ91の駆動によりマスト41が前後方向に傾斜されることにより、フォーク42は、マスト41に支持された状態で前後方向に傾斜する。フォーク42は、リフトシリンダ92の駆動により、マスト41に支持された状態で上下方向に移動する。
フォークリフト1は、エンジン6が発生する動力によって作動するエンジン駆動方式のフォークリフトである。フォークリフト1には複数の電子機器が搭載されている。バッテリ20は、フォークリフト1に搭載されている電子機器に電力を供給する。バッテリ20は、例えば充電式バッテリである。
表示装置10は、例えばフォークリフト1の走行状態を示す表示データを表示する。フォークリフト1の走行状態は、フォークリフト1の走行速度及び進行方向の少なくとも一方を含む。表示装置10は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electroluminescence Display)のようなフラットパネルディスプレイを含む。表示装置10は、運転席5に着座した運転者が視認可能な位置に配置される。
操作装置50は、運転席5に着座した運転者によって操作される。フォークリフト1は、操作装置50の操作に基づいて作動する。操作装置50は、運転席に着座した運転者が操作可能な位置に配置される。
主制御装置100は、コンピュータシステムを含む。主制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む演算処理装置と、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリ及びROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリを含む記憶装置と、入出力インターフェースとを有する。
[表示装置及び操作装置]
図2は、本実施形態に係る表示装置10及び操作装置50の一例を模式的に示す図である。図2は、運転席5に着座した運転者から見た表示装置10及び操作装置30を模式的に示す。
運転席5の前方にダッシュボード21が設けられる。運転席5に着座した運転者は、ダッシュボード21の上方空間を介して、作業機4の状態を視認することができる。
操作装置50は、ステアリングホイール51、アクセルペダル52、ブレーキペダル53、作業機レバー54、前後進レバー55、キースイッチ56、ホーンスイッチ57、コンビネーションスイッチ58、及びパーキングブレーキレバー59を含む。
ステアリングホイール51は、操舵装置30を作動させる操作装置である。ステアリングホイール51は、運転席5よりも前方且つダッシュボード21よりも後方に配置される。また、ステアリングホイール51は、車幅方向において車体2のほぼ中央部に設けられる。運転席5に着座した運転者とステアリングホイール51とは正対する。運転者は、手でステアリングホイール51を操作して、後輪3Rを操舵させる。
本実施形態において、ステアリングホイール51にステアリングノブ51Nが設けられる。運転者は、ステアリングノブ51Nを保持してステアリングホイール51を操作することができる。ステアリングホイール51はチルト可能である。運転者の体型に合わせてステアリングホイール51の位置が調整される。ステアリングホイール51の位置は、チルトロックレバー51Tが操作されることにより固定される。
アクセルペダル52は、走行装置3を駆動させる操作装置である。アクセルペダル52は、ステアリングホイール51の下方に配置される。運転者は、足でアクセルペダル52を操作して、走行装置3を駆動させる。
ブレーキペダル53は、走行装置3を制動させる操作装置である。ブレーキペダル53は、ステアリングホイール51の下方に配置される。運転者は、足でブレーキペダル53を操作して、走行装置3を制動させる。
作業機レバー54は、作業機4を作動させる操作装置である。作業機レバー54が操作されることにより、油圧シリンダ9が作動する。油圧シリンダ9が作動することにより、作業機4が作動する。作業機レバー54は、チルトシリンダ91を作動させてマスト41を前後方向に傾斜させるチルトレバー54Tと、リフトシリンダ92を作動させてフォーク42を上下方向に移動させるリフトレバー54Lとを含む。作業機レバー54は、ステアリングホイール51よりも右方に配置される。運転者は、手で作業機レバー74を操作して、作業機4を作動させる。
前後進レバー55は、走行装置3の前進又は後進と中立とを切り替える操作装置である。前後進レバー55は、ステアリングホイール51よりも前方且つダッシュボード21よりも後方に配置される。前後進レバー55は、ステアリングホイール51の回転軸よりも左方に配置される。運転者は、手で前後進レバー55を操作して、走行装置3の前進と後進と中立とを切り替える。
キースイッチ56は、フォークリフト1の作動と作動停止とを切り換える切換装置である。フォークリフト1を作動させるとき、キースイッチ56がオンされる。フォークリフト1を作動停止させるとき、キースイッチ56がオフされる。キースイッチ56は、バッテリ20のオンとオフとを切り換える。キースイッチ56が操作されることにより、バッテリ20から電子機器に電力が供給されるオン状態と電力が供給されないオフ状態とが切り替わる。本実施形態において、電子機器は、少なくとも表示装置10及び主制御装置100を含む。キースイッチ56がオンされると、バッテリ20から電子機器に電力が供給される。キースイッチ56がオフされると、バッテリ20から電子機器への電力の供給が停止される。キースイッチ56は、ステアリングホイール51よりも前方且つダッシュボード21よりも後方に配置される。キースイッチ56は、ステアリングホイール71の回転軸よりも右方且つ下方に配置される。運転者は、手でキースイッチ56を操作して、バッテリ20のオンとオフとを切り替える。
ホーンスイッチ57は、フォークリフト1に設けられている警笛器を作動させる操作装置である。ホーンスイッチ57は、ステアリングホイール51の中央部に設けられる。運転者は、手でホーンスイッチ57を操作して、警笛器を作動させる。
コンビネーションスイッチ58は、フォークリフト1に設けられているコンビネーションランプを作動させる操作装置である。コンビネーションランプは、前照灯及び方向指示器を含む。コンビネーションスイッチ58は、ステアリングホイール51よりも前方且つダッシュボード21よりも後方に配置される。コンビネーションスイッチ58は、ステアリングホイール51の回転軸よりも右方に配置される。運転者は、手でコンビネーションスイッチ58を操作して、コンビネーションランプを作動させる。
パーキングブレーキレバー59は、フォークリフト1に設けられているパーキングブレーキを作動させる操作装置である。パーキングブレーキレバー59は、ステアリングホイール51よりも左方に配置される。運転者は、手でパーキングブレーキレバー59を操作して、パーキングブレーキを作動させる。
表示装置10は、ダッシュボード21に設けられる。本実施形態において、表示装置10は、ステアリングホイール51よりも右方に配置される。また、表示装置10は、その表示装置10の上端部がダッシュボード21の上端部よりも突出しないようにダッシュボード21に設けられる。これにより、運転者は、ダッシュボード21の上方空間を介して、作業機4の状態を良好に視認することができる。
[操舵装置]
図3は、本実施形態に係る操舵装置30の一例を模式的に示す図である。操舵装置30は、操舵輪である後輪3Rを操舵する。操舵装置30は、作動油によって後輪3Rを操舵する油圧式操舵装置である。操舵装置30は、作動油を吐出する油圧ポンプ33と、作動油を回収する作動油タンク37と、ステアリングホイール51と連結されるステアリングバルブユニット31と、後輪3Rと接続されるステアリングシリンダ60とを有する。
油圧ポンプ33は、エンジン6によって駆動される。油圧ポンプ33は、作動油タンク37から吸い込んだ作動油を吐出する。油圧ポンプ33は、ステアリングバルブユニット31に作動油を供給する。油圧ポンプ33から吐出された作動油は、ステアリングバルブユニット31を介してステアリングシリンダ60に供給される。ステアリングシリンダ60は、供給された作動油に基づいて作動する。ステアリングシリンダ60の作動により、後輪3Rが操舵される。ステアリングシリンダ60から排出された作動油は、ステアリングバルブユニット31を介して作動油タンク37に回収される。
ステアリングバルブユニット31は、方向切換バルブ及びメータリング機構を有する。ステアリングバルブユニット31は、シャフト51Sを介してステアリングホイール51と連結される。運転者の操作によりステアリングホイール51が回転すると、ステアリングバルブユニット31が作動する。
ステアリングバルブユニット31は、作動油供給通路35を介して油圧ポンプ33と接続され、作動油回収通路36を介して作動油タンク37と接続される。作動油供給通路35は、ステアリングバルブユニット31のPポートと接続される。油圧ポンプ33から吐出された作動油は、作動油供給通路35を介してステアリングバルブユニット31に供給される。作動油回収通路36は、ステアリングバルブユニット31のTポートと接続される。ステアリングバルブユニット31から排出された作動油は、作動油回収通路36を介して作動油タンク37に回収される。
ステアリングシリンダ60は、油圧シリンダである。ステアリングシリンダ60は、シリンダロッド62を支持する。シリンダロッド62は、ステアリングシリンダ60の軸方向に移動可能である。シリンダロッド62は、ステアリングシリンダ60の両端部から突出する。シリンダロッド62は、駆動部材63と接続される。駆動部材63は、後輪3Rと連結される。
ステアリングシリンダ60は、ステアリングバルブユニット31を介して油圧ポンプ33から供給された作動油に基づいて作動する。ステアリングシリンダ60に作動油が供給されると、シリンダロッド62は、ステアリングシリンダ60の軸方向に移動する。シリンダロッド62が移動すると、駆動部材63を介して後輪3Rの向きが変化する。これにより、後輪3Rが操舵される。
ステアリングバルブユニット31とステアリングシリンダ60とは、第1作動油通路37及び第2作動油通路38を介して接続される。第1作動油通路37は、ステアリングシリンダ60の第1作動油室60Lと接続される。第2作動油通路38は、ステアリングシリンダ60の第2作動油室60Rに接続される。第1作動油通路37は、ステアリングバルブユニット31のLポートと接続される。第2作動油通路38は、ステアリングバルブユニット31のRポートと接続される。
ステアリングバルブユニット31から第1作動油室60Lに作動油が供給されると、第2作動油室60Rから作動油が排出される。第1作動油室60Lに作動油が供給されると第1作動油室60Lにシリンダロッド62が引き込まれ、第2作動油室60Rからシリンダロッド62が突出する。これにより、後輪3Rは、第1の方向に操舵される。本実施形態において、第1の方向は、前進するフォークリフト1が左旋回するように後輪3Rが操舵されるときの後輪3Rの操舵方向である。
ステアリングバルブユニット31から第2作動油室60Rに作動油が供給されると、第1作動油室60Lから作動油が排出される。第2作動油室60Rに作動油が供給されると、第2作動油室60Rにシリンダロッド62が引き込まれ、第1作動油室60Lからシリンダロッド62が突出する。これにより、後輪3Rは、第1の方向とは逆の第2の方向に操舵される。本実施形態において、第2の方向は、前進するフォークリフト1が右旋回するように後輪3Rが操舵されるときの後輪3Rの操舵方向である。
シリンダロッド62の移動量は、ステアリングバルブユニット31から第1作動油室60L又は第2作動油室60Rに供給される作動油の供給量に応じて変化する。シリンダロッド62の移動量が変化することにより、後輪3Rの操舵角βが変化する。操舵角βは、後輪3Rに装着される後タイヤ3RTのタイヤ角である。
操舵角βは、後輪3Rが中立状態であるときの子午平面Pcに対する後輪3Rの子午平面Pの傾斜角である。子午平面Pは、後輪3Rの回転軸Ztrと直交し、回転軸Ztrと平行な方向における後輪3Rの中心を通る平面である。後輪3Rが中立状態である場合、フォークリフト1は直進する。
また、操舵装置30は、ステアリングホイール51の操作量を検出するハンドル角センサ34と、シリンダロッド62の移動量を検出するストロークセンサ61と、後輪3Rの操舵角βを検出する操舵角センサ64と、走行装置3の走行速度を検出する車速センサ65とを有する。
ハンドル角センサ34は、シャフト51Sに設けられ、ステアリングホイール51の回転角度であるハンドル角を検出する。ステアリングホイール51の操作量は、ステアリングホイール51の回転角度を含む。ハンドル角センサ34の検出値は、主制御装置100に出力される。
図4は、本実施形態に係るハンドル角センサ34の検出値の一例を示す図である。図4に示すグラフにおいて、横軸は、ステアリングホイール51の回転角度を示し、縦軸は、ハンドル角センサ34から出力される検出値を示す。
ハンドル角センサ34は、検出値として、ステアリングホイール51の回転角度に応じた電圧Edを出力する。ステアリングホイール51が1回転したとき、ハンドル角センサ34から出力される電圧Edは、電圧EdlからEdhに変化する。図4において、回転角度範囲Rは、ステアリングホイール51が1回転(360[°]回転)したときの回転角度範囲を示す。ステアリングホイール51が第3の方向に回転したとき、ハンドル角センサ34から出力される電圧Edは、ステアリングホイール51の回転量が大きいほど大きくなる。ステアリングホイール51が第3の方向とは逆の第4の方向に回転したとき、ハンドル角センサ34から出力される電圧Edは、ステアリングホイール51の回転量が大きいほど小さくなる。本実施形態において、第3の方向とは、前進するフォークリフト1が左旋回するようにステアリングホイール51を回転するときの回転方向をいう。本実施形態において、第4の方向とは、前進するフォークリフト1が右旋回するようにステアリングホイール51を回転するときの回転方向をいう。そのため、主制御装置100は、ハンドル角センサ34から出力された電圧Edが徐々に大きくなる場合、ステアリングホイール51が第3の方向に回転したと判定することができる。主制御装置100は、ハンドル角センサ34から出力された電圧Edが徐々に小さくなる場合、ステアリングホイール51が第4の方向に回転したと判定することができる。このように、主制御装置100は、ハンドル角センサ34から出力される検出値に基づいて、ステアリングホイール51の回転角度及び回転方向を取得することができる。
操舵角センサ64は、後輪3Rの操舵状態を検出する検出装置である。本実施形態において、操舵角センサ64は、一方の後輪3Rの操舵角β(タイヤ角)を検出する。なお、操舵角センサ64は、両方の後輪3Rの操舵角β(タイヤ角)を検出してもよい。後輪3Rの操舵状態は、後輪3Rの操舵角β及び操舵方向を含む。操舵角センサ64の検出値は、主制御装置100に出力される。
図5は、本実施形態に係る操舵角センサ64の検出値の一例を示す図である。図5に示すグラフにおいて、横軸は、後輪3Rの操舵角βを示し、縦軸は、操舵角センサ64から出力される検出値を示す。
操舵角センサ64は、検出値として、後輪3Rの操舵角βに応じた電圧Erを出力する。操舵角センサ64は、後輪3Rが第1の方向に操舵されたとき、操舵角センサ64から出力される電圧Erは、操舵角βが大きいほど大きくなる。後輪3Rが第1方向とは逆の第2の方向に操舵されたとき、操舵角センサ64から出力される電圧Erは、操舵角βが大きいほど小さくなる。そのため、主制御装置100は、操舵角センサ64から出力された電圧Erが徐々に大きくなる場合、後輪3Rが第1の方向に操舵されたと判定することができる。主制御装置100は、操舵角センサ64から出力された電圧Erが徐々に小さくなる場合、後輪3Rが第2の方向に操舵されたと判定することができる。このように、主制御装置100は、操舵角センサ64から出力される検出値に基づいて、後輪3Rの操舵角β及び操舵方向を含む操舵状態を取得することができる。
車速センサ65は、後輪3Rの回転速度を検出して、フォークリフト1の走行速度を検出する。車速センサ65の検出値は、主制御装置100に出力される。なお、車速センサ65は、前輪3Fの回転速度を検出してもよい。
[制御装置]
図6は、本実施形態に係る表示装置10及び主制御装置100の一例を示す機能ブロック図である。
表示装置10は、表示データを表示する表示画面11と、運転者等によって操作される入力装置12と、表示装置10を制御する制御装置200とを有する。制御装置200は、主制御装置100と接続される。
また、本実施形態において、フォークリフト1は、警報を発生する警報ブザー70を有する。警報ブザー70は、制御装置200と接続される。警報ブザー70は、警告を発する警告装置である。
制御装置200は、コンピュータシステムを含む。制御装置200は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む演算処理装置と、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリ及びROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリを含む記憶装置と、入出力インターフェースとを有する。
制御装置200は、操作状態取得部201と、操舵状態取得部202と、判定部203と、選択部204と、表示制御部205と、警報制御部206と、記憶部207とを有する。
操作状態取得部201は、前後進レバー55の操作状態を取得する。前後進レバー55は、主制御装置100と接続される。前後進レバー55が操作されたときに生成される操作信号は、主制御装置100を介して制御装置200に出力される。操作状態取得部201は、前後進レバー55によって中立から前進に切り替えられた操作信号、中立から後進に切り替えられた操作信号、前進から中立に切り替えられた操作信号、及び後進から中立に切り替えられた操作信号の少なくとも一つを取得する。
また、操作状態取得部201は、ステアリングホイール51の操作状態を取得する。ステアリングホイール51の操作状態は、ステアリングホイール51の回転角度であるハンドル角を含む。ステアリングホイール51のハンドル角は、ハンドル角センサ34によって検出される。ハンドル角センサ34は、主制御装置100と接続される。ハンドル角センサ34の検出信号は、主制御装置100を介して制御装置200に出力される。操作状態取得部201は、ハンドル角センサ34の検出信号に基づいて、ステアリングホイール51のハンドル角を含む操作状態を取得する。
操舵状態取得部202は、後輪3Rの操舵状態を取得する。後輪3Rの操舵状態は、後輪3Rの操舵角β及び操舵方向を含む。後輪3Rの操舵角βは、操舵角センサ64によって検出される。操舵角センサ64は、主制御装置100と接続される。操舵角センサ64の検出信号は、主制御装置100を介して制御装置200に出力される。操舵状態取得部202は、操舵角センサ64の検出信号に基づいて、後輪3Rの操舵角β及び操舵方向を含む操舵状態を取得する。
本実施形態において、操舵状態は、操舵角β及びハンドル角の両方を含む概念でもよいし、操舵角β及びハンドル角のいずれか一方を含む概念でもよい。
判定部203は、キースイッチ56の操作状態、前後進レバー55の操作状態、ステアリングホイール34の操作状態、及び後輪3Rの操舵状態の少なくとも一つについて規定条件が成立するか否かを判定する。本実施形態において、規定条件とは、キースイッチ56によりオフ状態のバッテリ20がオン状態に切り替えられた後、走行装置3が中立から前進又は後進になるように前後進レバー55が操作されたときに後輪3Rの操舵角βが閾値よりも大きい条件をいう。
表示制御部205は、表示装置10の表示画面11に表示させる表示データを制御する。本実施形態において、表示制御部205は、フォークリフト1が走行を開始した場合の進行方向を示す第1表示データDaと、後輪3Rの操舵状態又はステアリングホイール51の操作状態を示す第2表示データDbとを表示装置10の表示画面11に並列に表示させる。また、表示制御部205は、判定部203において規定条件が成立したと判定されたときに、警報表示データDcを表示画面11に表示させる。本実施形態において、表示制御部205は、判定部203において規定条件が成立したと判定されたときに、第2表示データDbを警告表示データDcに遷移させる。換言すれば、本実施形態において、警告は、第2表示部Dbの表示形態の変更によってなされる。
警報制御部206は、警報ブザー70を制御する。警報制御部206は、判定部203において規定条件が成立したと判定されたときに、警報ブザー70を作動して警報を発生させる。
記憶部207は、表示装置10の制御に使用する複数のデータを記憶する。本実施形態において、第2表示データDbは、後輪3Rの複数の操舵角範囲Gのそれぞれに属する複数の表示パターンを含む。複数の表示パターンはそれぞれ異なる。記憶部207は、後輪3Rの複数の操舵角範囲Gのそれぞれに属する第2表示データDbの異なる表示パターンを記憶する。
選択部204は、操舵状態取得部202に取得された後輪3Rの操舵角βに基づいて、記憶部207に記憶されている複数の操舵角範囲Gから特定の操舵角範囲Gを選択する。表示制御部205は、選択部207に選択された操舵角範囲Gに属する表示パターンで第2表示データDbを表示させる。
図7は、本実施形態に係る操舵角範囲Gを説明するための模式図である。後輪3Rは、左方向及び右方向のそれぞれに操舵される。後輪3Rが左方向に操舵された状態で走行装置3が前進するとき、フォークリフト1は右方向に旋回する。後輪3Rが右方向に操舵された状態で走行装置3が前進するとき、フォークリフト1は左方向に旋回する。
操舵角βの基準が0[°]に定められる。操舵角βが0[°]であることは、フォークリフト1が直進状態であることを意味する。本実施形態においては、操舵角βが0[°]を基準として後輪3Rが右方向に操舵されたときの操舵角βを正値とし、後輪3Rが左方向に操舵されたときの操舵角βを負値とする。
本実施形態において、操舵角範囲Gは、0[°]の操舵角βを含む基準操舵角範囲G0を含む。
また、操舵角範囲Gは、基準操舵角範囲G0よりも右側の第1右操舵角範囲G1Rと、第1右操舵角範囲G1Rよりも右側の第2右操舵角範囲G2Rと、第2右操舵角範囲G2Rよりも右側の第3右操舵角範囲G3Rと、第3右操舵角範囲G3Rよりも右側の第4右操舵角範囲G4Rとを含む。
また、操舵角範囲Gは、基準操舵角範囲G0よりも左側の第1左操舵角範囲G1Lと、第1左操舵角範囲G1Lよりも左側の第2左操舵角範囲G2Lと、第2左操舵角範囲G2Lよりも左側の第3左操舵角範囲G3Lと、第3右操舵角範囲G3Lよりも左側の第4左操舵角範囲G4Lとを含む。
すなわち、本実施形態においては、9つの操舵角範囲Gと、それら9つの操舵角範囲Gのそれぞれに対応する第2表示データDbの複数の表示パターンとが記憶部207に記憶されている。
一例として、基準操舵角範囲G0は、操舵角βが−5[°]以上+5[°]以下の範囲(−5[°]≦β≦+5[°])である。
第1右操舵角範囲G1Rは、操舵角βが+5[°]よりも大きく+20[°]以下の範囲(+5[°]<β≦+20[°])である。
第2右操舵角範囲G2Rは、操舵角βが+20[°]よりも大きく+35[°]以下の範囲(+20[°]<β≦+35[°])である。
第3右操舵角範囲G3Rは、操舵角βが+35[°]よりも大きく+45[°]以下の範囲(+35[°]<β≦+45[°])である。
第4右操舵角範囲G4Rは、操舵角βが+45[°]よりも大きい範囲(+45[°]<β)である。
第1左操舵角範囲G1Lは、操舵角βが−20[°]以上−5[°]よりも小さい範囲(−20[°]≦β<−5[°])である。
第2左操舵角範囲G2Lは、操舵角βが−35[°]以上−20[°]よりも小さい範囲(−35[°]≦β<−20[°])である。
第3左操舵角範囲G3Lは、操舵角βが−45[°]以上−35[°]よりも小さい範囲(−45[°]≦β<−35[°])である。
第4左操舵角範囲G4Lは、操舵角βが−45[°]よりも小さい範囲(β<−45[°])である。
[表示装置の表示例]
図8は、本実施形態に係る表示装置10の表示例を示す図である。図8に示すように、表示装置10の表示画面11には、フォークリフト1の状態を示す複数の表示データが並列して表示される。
図8を参照しながら、表示データの一例について説明する。表示画面11の上部の中央の第1領域W1には、アワーメータ又は時刻データが表示される。表示画面11の上部の右部の第2領域W2には、単位時間当たりの燃料消費量(平均燃費)が表示される。
表示画面11の左部の上部の第3領域W3には、エンジン6の冷却水の温度を示す水温ゲージが表示される。表示画面11の左部の下部の第4領域W4には、作動油の温度を示す油温ゲージが表示される。
表示画面11の右部の上部の第5領域W5には、エンジン6からの排気ガスを処理する尿素水の残量を示す尿素水残量ゲージが表示される。表示画面11の右部の下部の第6領域W6には、エンジン6で使用される燃料の残量を示す燃料残量ゲージが表示される。
表示画面11の下部の左部の第7領域W7には、フォーク42を荷重計として使用するためのコマンドボタンが表示される。表示画面11の下部の中央の第8領域W8には、第1領域W1に表示される表示データを切り替えるコマンドボタンが表示される。表示画面11の下部の左部の第9領域W9には、表示画面11全体の表示内容を切り替えるコマンドボタンが表示される。
表示画面11の中央部の第10領域W10には、車速センサ65によって検出されたフォークリフト1の走行速度が表示される。図8に示す例では、フォークリフト1は停車しているため、「0km/h」と表示されている。
本実施形態において、表示装置10は、フォークリフト1が走行を開始した場合の進行方向を示す第1表示データDaと、後輪3Rの操舵状態を示す第2表示データDbとを表示画面11に並列に表示させる。第1表示データDa及び第2表示データDbは、第10領域W10の下方の第11領域W11において横方向に並列に表示される。第1表示データDaは、前後進レバー55の操作状態を示す表示データを含む。
表示装置10は、フォークリフト1が走行を開始した場合の進行方向を示す第1表示データDaを表示する第1表示部101と、後輪3Rの操舵状態を示す第2表示データDbを表示する第2表示部102とを備える。第1表示部101及び第2表示部102は、表示画面11の第11領域W11に設けられる。第1表示部101と第2表示部102とは並列する。第1表示部101と第2表示部102とは、近接して配置される。
<第1表示部>
図9及び図10は、本実施形態に係る表示装置10の表示画面11のうち、第1表示部101及び第2表示部102が設けられる第11領域W11を抽出した図である。
第1表示データDaは、前後進レバー55の操作状態を示す。本実施形態において、第1表示データDaは、アルファベット文字及び図形(icon)を含む。
表示制御部205は、走行装置3が中立になるように前後進レバー55が操作されたとき、図8に示すように、第1表示データDaとして、アルファベット文字「N」を示す画像MNを第1表示部101に表示させる。
表示制御部205は、走行装置3が前進するように前後進レバー55が操作されたとき、図9に示すように、第1表示データDaとして、アルファベット文字「F」を示す画像MFを第1表示部101に表示させる。また、本実施形態においては、表示制御部205は、走行装置3が前進するように前後進レバー55が操作されたとき、図9に示すように、第1表示データDaとして、前進を示す図形(icon)である矢印YFを第1表示部101に表示させる。
表示制御部205は、走行装置3が後進するように前後進レバー55が操作されたとき、図10に示すように、第1表示データDaとして、アルファベット文字「R」を示す画像MRを第1表示部101に表示させる。また、本実施形態においては、表示制御部205は、走行装置3が後進するように前後進レバー55が操作されたとき、図10に示すように、第1表示データDaとして、後進を示す図形(icon)である矢印YRを第1表示部101に表示させる。
<第2表示部>
第2表示データDbは、後輪3Rの操舵状態を示す。本実施形態において、第2表示データDbは、後輪3Rの操舵角β及び操舵方向を示す図形(icon)と、後輪3Rの操舵角β及び操舵方向を示すインジケータとを含む。
図形及びインジケータは、後輪3Rの操舵角βを段階的に示す。本実施形態において、第2表示データDbは、後輪3Rの複数の操舵角範囲Gのそれぞれに属する複数の表示パターンを含む。第2表示データDbの複数の表示パターンは、記憶部207に記憶されている。
選択部204は、操舵角センサ64の検出値に基づいて、操舵角センサ64で検出された後輪3Rの操舵角βを含む特定の操舵角範囲Gを、記憶部207に記憶されている複数の操舵角範囲Gから選択する。
図8、図9、及び図10は、操舵角センサ64で検出された後輪3Rの操舵角βが、例えば+3[°]のときの第2表示データDbを示す。+3[°]の操舵角βは、基準操舵角範囲G0に含まれる。選択部204は、操舵角センサ64の検出値に基づいて、記憶部207に記憶されている9つの操舵角範囲Gから、操舵角センサ64で検出された後輪3Rの操舵角βを含む基準操舵角範囲G0を選択する。
表示制御部205は、記憶部207に記憶されている9つの表示パターンのうち、選択された基準操舵角範囲G0に属する表示パターンで第2表示データDaを表示させる。
図8、図9、及び図10に示すように、後輪3Rの操舵角βが基準操舵角範囲G0に属することを示す図形C0及びインジケータB0が第2表示データDbとして表示される。図形C0及びインジケータB0は、基準操舵角範囲G0の代表角(例えば0[°])を表現する。図形C0は、操舵されずに直進状態の後輪3Rを模した図形である。インジケータB0は、操舵角βが代表角(0[°])であることを矩形マークの数によって示した画像である。操舵角βが基準操舵角範囲G0に属するとき、インジケータB0は中央に配置された1つの基準矩形マークで表現される。基準矩形マークは、例えば白色で表示される。
図11から図18は、本実施形態に係る後輪3Rが操舵されたときの第2表示データDbの一例を示す図である。なお、図11から図18においては、走行装置3を中立にするように前後進レバー55が操作され、フォークリフト1が停車していることとする。なお、走行装置3が前進するように前後進レバー55が操作されているときには、第1表示データDaとして図9を参照して説明した文字MF及び矢印YFが表示される。走行装置3が後進するように前後進レバー55が操作されているときには、第1表示データDaとして図10を参照して説明した文字MR及び矢印YRが表示される。また、フォークリフト1が走行しているときには、第10領域W10には走行速度を示す数値が表示される。
図11は、操舵角センサ64で検出された操舵角βが−20[°]以上−5[°]よりも小さい第1左操舵角範囲G1L(−20[°]≦β<−5[°])に属するときの第2表示データDbの一例を示す。図11に示すように、後輪3Rの操舵角βが第1左操舵角範囲G1Lに属することを示す図形C1L及びインジケータB1Lが第2表示データDbとして表示される。図形C1L及びインジケータB1Lは、第1左操舵角範囲G1Lの代表角(例えば−15[°])を表現する。図形C1Lは、後輪3Rが左方向に代表角(−15[°])で操舵された状態の後輪3Rを模した図形である。インジケータB1Lは、操舵角βが代表角(−15[°])であることを矩形マークの数によって示した画像である。操舵角βが第1左操舵角範囲G1Lに属するとき、インジケータB1Lは中央に配置された1つの基準矩形マークと、基準矩形マークの左隣に配置された1つの矩形マークとで表現される。基準矩形マークの左隣の矩形マークは、例えば緑色又は青色のような第1の色で表示される。
図12は、操舵角センサ64で検出された操舵角βが−35[°]以上−20[°]よりも小さい第2左操舵角範囲G2L(−35[°]≦β<−20[°])に属するときの第2表示データDbの一例を示す。図12に示すように、後輪3Rの操舵角βが第2左操舵角範囲G2Lに属することを示す図形C2L及びインジケータB2Lが第2表示データDbとして表示される。図形C2L及びインジケータB2Lは、第2左操舵角範囲G2Lの代表角(例えば−30[°])を表現する。図形C2Lは、後輪3Rが図形C1Lよりも更に左方向に操舵され、代表角(−30[°])で操舵された状態の後輪3Rを模した図形である。インジケータB2Lは、操舵角βが代表角(−30[°])であることを矩形マークの数によって示した画像である。操舵角βが第2左操舵角範囲G2Lに属するとき、インジケータB2Lは中央に配置された1つの基準矩形マークと、基準矩形マークの左隣に配置された2つの矩形マークとで表現される。基準矩形マークの左隣の矩形マークは、例えば緑色又は青色のような第1の色で表示される。
図13は、操舵角センサ64で検出された操舵角βが−45[°]以上−35[°]よりも小さい第3左操舵角範囲G3L(−45[°]≦β<−35[°])に属するときの第2表示データDbの一例を示す。図13に示すように、後輪3Rの操舵角βが第3左操舵角範囲G3Lに属することを示す図形C3L及びインジケータB3Lが第2表示データDbとして表示される。図形C3L及びインジケータB3Lは、第3左操舵角範囲G3Lの代表角(例えば−45[°])を表現する。図形C3Lは、後輪3Rが図形C2Lよりも更に左方向に操舵され、代表角(−45[°])で操舵された状態の後輪3Rを模した図形である。インジケータB3Lは、操舵角βが代表角(−45[°])であることを矩形マークの数によって示した画像である。操舵角βが第3左操舵角範囲G3Lに属するとき、インジケータB3Lは中央に配置された1つの基準矩形マークと、基準矩形マークの左隣に配置された3つの矩形マークとで表現される。基準矩形マークの左隣の矩形マークは、例えば緑色又は青色のような第1の色で表示される。
図14は、操舵角センサ64で検出された操舵角βが−45[°]よりも小さい第4左操舵角範囲G4L(β<−45[°])に属するときの第2表示データDbの一例を示す。図14に示すように、後輪3Rの操舵角βが第4左操舵角範囲G4Lに属することを示す図形C4L及びインジケータB4Lが第2表示データDbとして表示される。本実施形態において、図形C4Lは、図形C3Lと同様の図形である。インジケータB4Lは、操舵角βが代表角(−45[°])よりも小さいことを矩形マークの数によって示した画像である。操舵角βが第4左操舵角範囲G4Lに属するとき、インジケータB4Lは中央に配置された1つの基準矩形マークと、基準矩形マークの左隣に配置された3つの矩形マークとで表現される。基準矩形マークの左隣の矩形マークは、例えば赤色又は黄色のような第2の色で表示される。
図15は、操舵角センサ64で検出された操舵角βが+5[°]よりも大きく+20[°]以下の第1右操舵角範囲G1R(+5[°]<β≦+20[°])に属するときの第2表示データDbの一例を示す。図15に示すように、後輪3Rの操舵角βが第1右操舵角範囲G1Rに属することを示す図形C1R及びインジケータB1Rが第2表示データDbとして表示される。図形C1R及びインジケータB1Rは、第1右操舵角範囲G1Rの代表角(例えば+15[°])を表現する。図形C1Rは、後輪3Rが右方向に代表角(+15[°]で操舵された状態の後輪3Rを模した図形である。インジケータB1Rは、操舵角βが代表角(+15[°])であることを矩形マークの数によって示した画像である。操舵角βが第1右操舵角範囲G1Rに属するとき、インジケータB1Rは中央に配置された1つの基準矩形マークと、基準矩形マークの右隣に配置された1つの矩形マークとで表現される。基準矩形マークの右隣の矩形マークは、例えば緑色又は青色のような第1の色で表示される。
図16は、操舵角センサ64で検出された操舵角βが+20[°]よりも大きく+35[°]以下の第2右操舵角範囲G2R(+20[°]<β≦+35[°])に属するときの第2表示データDbの一例を示す。図16に示すように、後輪3Rの操舵角βが第2右操舵角範囲G2Rに属することを示す図形C2R及びインジケータB2Rが第2表示データDbとして表示される。図形C2R及びインジケータB2Rは、第2右操舵角範囲G2Rの代表角(例えば+30[°])を表現する。図形C2Rは、後輪3Rが図形C1Rよりも更に右方向に操舵され、代表角(例えば+30[°])で操舵された状態の後輪3Rを模した図形である。インジケータB2Rは、操舵角βが代表角(+30[°])であることを矩形マークの数によって示した画像である。操舵角βが第2右操舵角範囲G2Rに属するとき、インジケータB2Rは中央に配置された1つの基準矩形マークと、基準矩形マークの右隣に配置された2つの矩形マークとで表現される。基準矩形マークの右隣の矩形マークは、例えば緑色又は青色のような第1の色で表示される。
図17は、操舵角センサ64で検出された操舵角βが+35[°]よりも大きく+45[°]以下の第3右操舵角範囲G3R(+35[°]<β≦+45[°])に属するときの第2表示データDbの一例を示す。図17に示すように、後輪3Rの操舵角βが第3右操舵角範囲G3Rに属することを示す図形C3R及びインジケータB3Rが第2表示データDbとして表示される。図形C3R及びインジケータB3Rは、第3右操舵角範囲G3Rの代表角(例えば+45[°])を表現する。図形C3Rは、後輪3Rが図形C3Lよりも更に右方向に操舵され、代表角(+45[°])で操舵された状態の後輪3Rを模した図形である。インジケータB3Rは、操舵角βが代表角(+45[°])であることを矩形マークの数によって示した画像である。操舵角βが第3右操舵角範囲G3Rに属するとき、インジケータB3Rは中央に配置された1つの基準矩形マークと、基準矩形マークの右隣に配置された3つの矩形マークとで表現される。基準矩形マークの右隣の矩形マークは、例えば緑色又は青色のような第1の色で表示される。
図18は、操舵角センサ64で検出された操舵角βが+45[°]よりも大きい第4右操舵角範囲G4R(+45[°]<β)に属するときの第2表示データDbの一例を示す。図18に示すように、後輪3Rの操舵角βが第4右操舵角範囲G4Rに属することを示す図形C4R及びインジケータB4Rが第2表示データDbとして表示される。本実施形態において、図形C4Rは、図形C3Rと同様の図形である。インジケータB4Rは、操舵角βが代表角(+45[°])よりも大きいことを矩形マークの数によって示した画像である。操舵角βが第4右操舵角範囲G4Rに属するとき、インジケータB4Rは中央に配置された1つの基準矩形マークと、基準矩形マークの右隣に配置された3つの矩形マークとで表現される。基準矩形マークの右隣の矩形マークは、例えば赤色又は黄色のような第2の色で表示される。
[制御方法]
図19は、本実施形態に係る表示装置10の制御方法の一例を示すフローチャートである。図20及び図21は、本実施形態に係る規定条件が成立したときの表示装置10の表示例を示す図である。
以下の説明においては、走行装置3が前進するように前後進レバー55が操作されることを単に、前後進レバー55を前進させる、と称し、走行装置3が後進するように前後進レバー55が操作されることを単に、前後進レバー55を後進させる、と称し、走行装置3を中立させるように前後進レバー55が操作されることを単に、前後進レバー55を中立させる、と称する。前後進レバー55を前進させることは、走行装置3を前進させるために前後進レバー55のストロークにおいて前後進レバー55を前進位置に配置することを含む。前後進レバー55を後進させることは、走行装置3を後進させるために前後進レバー55のストロークにおいて前後進レバー55を後進位置に配置することを含む。前後進レバー55を中立させることは、走行装置3を中立させるために前後進レバー55のストロークにおいて前後進レバー55を中立位置に配置することを含む。
フォークリフト1の始業前においては、キースイッチ56はオフ状態であり、走行装置3は駆動されていない。また、前後進レバー55は中立である。
フォークリフト1の始業時において、運転者は、キースイッチ56をオンにする(ステップS10)。これにより、フォークリフト1の作動が開始される。バッテリ20から表示装置10及び主制御装置100を含むフォークリフト1の電子機器に電力が供給される。
操舵角センサ64は、後輪3Rの操舵状態を検出する。操舵角センサ64の検出値は、制御装置200に出力される。操舵状態取得部202は、後輪3Rの操舵状態を取得する(ステップS20)。
また、操作状態取得部201は、前後進レバー55の操作状態を取得する(ステップS30)。
判定部203は、操作状態取得部201で取得された前後進レバー55の操作状態に基づいて、走行装置3が中立から前進又は後進になるように前後進レバー55が操作されたか否かを判定する(ステップS40)。
ステップS40において、前後進レバー55が中立であると判定されたとき(ステップS40:No)、ステップS20の処理に戻る。
ステップS40において、前後進レバー55が中立から前進又は後進に操作されたと判定されたとき(ステップS40:Yes)、判定部203は、操舵状態取得部202で取得された後輪3Rの操舵状態に基づいて、操舵角βが閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS50)。
操舵角βについての閾値は、予め決められた値であり、記憶部207に記憶されている。本実施形態において、操舵角βについての閾値は、+45[°]又は−45[°]である。本実施形態において、判定部203は、操舵角センサ64で検出された操舵角βの絶対値が閾値の絶対値よりも大きいか否かを判定する。
ステップS50において、操舵状態取得部202で取得された操舵角βが閾値以下であると判定されたとき(ステップS50:No)、表示制御部205は、警告表示データDcを表示させず、警報制御部206は、警報ブザー70を作動させない。すなわち、規定条件が成立していないとき、警告装置として機能する表示装置10及び警報ブザー70は、警告を発しない。
一方、ステップS50において、操舵状態取得部202で取得された操舵角βが閾値よりも大きいと判定されたとき(ステップS50:Yes)、表示制御部205は、警告として、表示装置10の表示画面11に警告表示データDcを表示させる。また、警報制御部207は、警告として、警報ブザー70を作動して警報を発生させる。
すなわち、キースイッチ56によりオフ状態のバッテリ20がオン状態に切り替えられた後、走行装置3が中立から前進又は後進になるように前後進レバー55が操作されたときに後輪3Rの操舵角βが閾値よりも大きい規定条件が成立したとき、表示制御部205は、警告として、警告表示データDcを表示画面11に表示させる。
本実施形態において、規定条件が成立したとき、表示制御部205は、第2表示データDbを警告表示データDcに遷移させる。
図20は、例えば操舵状態取得部202で取得された操舵角βが−50[°]のときの表示装置10の表示例を示す図である。キースイッチ56がオンされ、操舵状態取得部202で取得された操舵角βが−50[°]である場合においても、前後進レバー55が中立であるときには、規定条件は成立していない。規定条件が成立していないとき、図14を参照して説明したように、表示制御部205は、前後進レバー55の操作状態を示す第1表示データDaと後輪3Rの操舵状態を示す第2表示データDbとを表示画面11に並列に表示させる。
一方、キースイッチ56がオンされ、操舵状態取得部202で取得された操舵角βが−50[°]である場合において、前後進レバー55が中立から前進又は後進に操作されたとき、規定条件が成立する。表示制御部205は、規定条件が成立したとき、図14に示した第2表示データDbを図20に示す警告表示データDcに遷移させる。換言すれば、前後進レバー55が中立から前進又は後進に操作されて規定条件が成立した時点で、表示制御部205は、第11領域W11に表示される表示データを第2表示データDbから警告表示データDcに切り替える。
本実施形態においては、表示制御部205は、警告表示データDcとして、図14に示した図形C4L及びインジケータB4Lの背景領域を強調色で表示させる。
図21は、例えば操舵状態取得部202で取得された操舵角βが+50[°]のときの表示装置10の表示例を示す図である。キースイッチ56がオンされ、操舵状態取得部202で取得された操舵角βが+50[°]である場合においても、前後進レバー55が中立であるときには、規定条件は成立していない。規定条件が成立していないとき、図18を参照して説明したように、表示制御部205は、前後進レバー55の操作状態を示す第1表示データDaと後輪3Rの操舵状態を示す第2表示データDbとを表示画面11に並列に表示させる。
一方、キースイッチ56がオンされ、操舵状態取得部202で取得された操舵角βが+50[°]である場合において、前後進レバー55が中立から前進又は後進に操作されたとき、規定条件が成立する。表示制御部205は、規定条件が成立したとき、図18に示した第2表示データDbを図21に示す警告表示データDcに遷移させる。換言すれば、前後進レバー55が中立から前進又は後進に操作されて規定条件が成立した時点で、表示制御部205は、第11領域W11に表示される表示データを第2表示データDbから警告表示データDcに切り替える。
本実施形態において、警告は、第2表示部Dbの表示形態の変更によってなされる。本実施形態においては、表示制御部205は、警告表示データDcとして、図18に示した図形C4R及びインジケータB4Rの背景領域を強調色で表示させる。なお、表示制御部205は、警告表示データDcとして、第2表示データDbの図形及びインジケータの少なくとも一方を点滅させてもよいし、図18に示す図形及びインジケータとは別の図形(icon)を表示させてもよい。
規定条件が成立していない状態から規定条件が成立した状態に遷移した時点で、警告表示データDcが表示され、警報ブザー70が作動することにより、運転者は、アクセルペダル52を踏み込む前に、後輪3Rの操舵角βが大きいことを認識することができる。
警告は、警告開始時点から規定時間経過後に解除される。また、警告は、規定条件が成立しなくなったときに解除される。例えば、運転者がステアリングホイール51を操作して後輪3Rの操舵角βを45[°]以下に戻したとき、又は運転者が前後進レバー55を中立に戻したとき、警告が解除される。警告の解除は、警告表示データDcを第2表示データDbに遷移させること、及び警報ブザー70の作動を停止させることを含む。
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、前後進レバー55の操作状態を示す第1表示データDaと後輪3Rの操舵状態を示す第2表示データDbとが表示装置10の表示画面11に並列に表示される。これにより、運転者は、第1表示データDaを見て、走行装置3が中立状態か前進状態又は後進状態かを直感的に認識することができる。また、運転者は、第2表示データDbを見て、後輪3Rの操舵状態を円滑に直感的に認識することができる。また、運転者は、並列に表示されている第1表示データDa及び第2表示データDbを見て、フォークリフト1が進む方向及び旋回の程度を直感的に認識することができる。運転者はフォークリフト1が進む方向及び旋回の程度を直感的に認識することができるため、運転者に不快感がもたらされることが抑制される。また、運転者はフォークリフト1が進む方向及び旋回の程度を直感的に認識することができるため、十分に注意喚起される。そのため、フォークリフト1と周囲の物体とが接触してしまう事態の発生が抑制される。
例えばフォークリフト1が大型である場合、運転席5に着座した運転者は、前輪3F及び後輪3Rを直接目視することが困難である。また、本実施形態において、フォークリフト1の操舵輪は後輪3Rである。そのため、運転席5に着座した運転者は、視線がフェンダで遮られるため、操舵輪である後輪3Rの向きを直接目視することはより困難となる。本実施形態においては、後輪3Rの操舵状態が運転席5に着座した運転者から見やすい位置に配置されている表示装置10に表示されるので、運転者は、後輪3Rの操舵状態を円滑に認識することができる。
また、本実施形態においては、オフ状態のバッテリ20がオン状態に切り替えられた後、走行装置3が中立から前進又は後進になるように前後進レバー55が操作されたときに後輪3Rの操舵角βが閾値よりも大きい規定条件が成立したときに、警告装置として機能する表示装置10が警告表示データDcを表示させ、警告装置として機能する警報ブザー70が作動する。すなわち、フォークリフト1の始業時において規定条件が成立したときに警告が発せられる。
例えば後輪3Rの操舵角βが大きい状態でフォークリフト1が駐機されたとき、フォークリフト1の始業時において、運転者が後輪3Rの向きを十分に確認せずにフォークリフト1を前進又は後進させようとした場合、フォークリフト1が運転者の意図しない方向に進む可能性が高い。その結果、運転者に不快感がもたらされたり、作業車両と周囲の物体とが接触したりする可能性がある。
本実施形態においては、フォークリフト1の始業時における一連の操作(キースイッチ56をオンする操作及び前後進レバー55を中立から前進又は後進にする操作)において、後輪3Rの操舵角βが大きいとき、規定条件が成立したと判定され、警告が発せられる。これにより、運転者は注意喚起され、フォークリフト1が運転者の意図しない方向に進むことが抑制される。
また、本実施形態においては、規定条件が成立していない状態から規定条件が成立した状態に変化したとき、表示制御部205は、第2表示データDbを警告表示データDcに遷移させる。これにより、運転者は、規定条件が成立したことを直感的に認識することができる。
なお、上述の実施形態においては、後輪3R(後タイヤ3RT)の操舵角β(タイヤ角)を示す第2表示データDbが第2表示部102に表示されることとした。ステアリングホイール51のハンドル角を示す第2表示データDbが第2表示部102に表示されてもよい。
なお、上述の実施形態においては、第2表示データDbが、図形(icon)及びインジケータの両方を含むこととした。第2表示データDbは、図形又はインジケータのいずれか一方のみを含んでもよい。
なお、上述の実施形態において、警告装置として、音声出力装置又は発光装置が使用されてもよい。すなわち、警告は、音声によってなされてもよいし、光によってなされてもよい。
なお、上述の実施形態においては、フォークリフト1がエンジン駆動方式のフォークリフト(所謂エンジン車)であることとした。フォークリフト1はバッテリ駆動方式のフォークリフト(所謂バッテリ車)でもよい。
なお、上述の実施形態においては、作業車両1がフォークリフト1であることとした。例えばホイールローダのような操舵輪を有する作業車両に上述の実施形態で説明した構成要素を適宜適用することができる。