JPWO2018198177A1 - アイスディスペンサー及び冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

アイスディスペンサー(50)は、第1の氷(110)を作製する製氷部(20)と、製氷部から供給された第1の氷を破砕することによって第2の氷を作製する砕氷機構(500,600)と、第2の氷を吐出する吐出機構(37)とを備え、製氷部(20)は、第1の氷の形状に対応する複数の製氷個室(112)を持つ製氷皿(111)と、製氷皿に水を供給する給水部(26)と、製氷皿に供給された水を冷却する冷却部(24a)とを有し、第1の氷は、中央部が空洞化した氷(110)、1辺が他の2辺より短い直方体状の氷(120)、及び三角柱状の氷(130)のいずれかであり、砕氷機構(500,600)は、第1の氷を挟み込む複数の面を有し、駆動力を受けて前記面の間隔を狭めることで前記第1の氷を破砕して前記第2の氷を作製する複数の砕氷部材(501,502,601,602)と、前記駆動力を与える駆動部(503.603)とを有する。

Description

本発明は、アイスディスペンサー及びアイスディスペンサーを具備する冷蔵庫に関する。
一般に、氷供給装置であるアイスディスペンサーは、製氷機構、砕氷機構、及び氷吐出機構を備えている。代表的な砕氷機構では、刃構造を持つ固定刃及び回転刃が氷を挟み込んで氷に強い力をかけることで氷を破砕(すなわち、砕氷)して、クラッシュ氷を作製する。しかし、鋭利な回転刃を用いているにもかかわらず、氷を破砕することができず、破砕されない氷が、回転刃の回転及び回転刃に回転力を供給する駆動機構の動作を停止させることがある。この対策として、特許文献1は、回転刃が正回転しているときに駆動機構が意図せずに停止した場合には、回転刃を一旦逆回転させた後に再度正回転させる動作を繰り返す装置を提案している。
特許第5094647号公報
しかしながら、特許文献1の装置には、キューブ氷に局所的な強い力を加えるための刃構造が備えられているので、ユーザーが刃構造の刃先に触れない構造を採用する必要がある。
また、氷に強い力を与える刃構造の刃先は比較的薄い形状を持つので、刃先が欠ける(すなわち、破損する)ことがあり得る。
さらに、破砕されない氷が回転刃の回転を停止させた場合には、駆動機構に過大な負荷がかかり、故障が発生しやすい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、刃構造を持たない砕氷機構によって砕氷することができ、部品の破損及び駆動機構の故障が生じ難いアイスディスペンサー及び冷蔵庫を提供することである。
本発明の一態様に係るアイスディスペンサーは、第1の氷を作製する製氷部と、前記製氷部から供給された前記第1の氷を破砕することによって第2の氷を作製する砕氷機構と、前記第2の氷を吐出する吐出部と、を備え、前記製氷部は、前記第1の氷の形状に対応する複数の製氷個室を持つ製氷皿と、前記製氷皿に水を供給する給水経路と、前記製氷皿に供給された水を冷却する冷却部と、を有し、前記第1の氷は、中央部が空洞化した氷、1辺が他の2辺より短い直方体状の氷、及び三角柱状の氷のいずれかであり、前記砕氷機構は、前記第1の氷を挟み込む複数の面を有し、駆動力を受けて前記面の間隔を狭めることで前記第1の氷を破砕して前記第2の氷を作製する複数の砕氷部材と、前記複数の砕氷部材の少なくとも1つに前記駆動力を与える駆動部と、を有するものである。
本発明の他の態様に係る冷蔵庫は、上記アイスディスペンサーを具備するものである。
本発明によれば、製氷機構から破砕されやすい構造の氷が砕氷機構に供給されるので、砕氷部材の面による挟み込みによって砕氷することができる。このように、刃構造を用いることなく砕氷を行うことができるので、砕氷を行う部材の破損が生じ難いという効果がある。
また、製氷機構から破砕されやすい構造の氷が砕氷機構に供給されるので、砕氷機構の駆動機構に過大な負荷がかかり難くなり、砕氷機構の故障が生じ難いという効果がある。
本発明の実施の形態1に係るアイスディスペンサー及び冷蔵庫の構造(扉閉のとき)を概略的に示す正面図である。 図1に示されるアイスディスペンサー及び冷蔵庫の構造(扉開のとき)を概略的に示す正面図である。 図1に示されるアイスディスペンサー及び冷蔵庫をIII−III線で切る断面構造を概略的に示す縦断面図である。 図1に示されるアイスディスペンサー及び冷蔵庫をIV−IV線で切る断面構造を概略的に示す縦断面図である。 実施の形態1に係るアイスディスペンサーの制御系の構成を概略的に示す図である。 実施の形態1に係るアイスディスペンサーの製氷部の構造を概略的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態2に係るアイスディスペンサーの製氷部の構造を概略的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態3に係るアイスディスペンサーの製氷部の構造を概略的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態4に係るアイスディスペンサーの製氷部の構造を概略的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態5に係るアイスディスペンサーの砕氷機構の主要部の構造を概略的に示す図である。 実施の形態6に係るアイスディスペンサーの砕氷機構の主要部の構造を概略的に示す図である。
以下に、本発明の実施の形態に係るアイスディスペンサー及びアイスディスペンサーを具備する冷蔵庫を、添付図面を参照しながら説明する。以下の実施の形態は、例にすぎず、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
《1》実施の形態1.
《1−1》冷蔵庫1.
図1は、実施の形態1に係るアイスディスペンサー50及び冷蔵庫1の構造(扉11a,11b閉のとき)を概略的に示す正面図である。図2は、実施の形態1に係るアイスディスペンサー50及び冷蔵庫1の構造(扉11a,11b開のとき)を概略的に示す正面図である。図3は、図1に示される冷蔵庫1をIII−III線で切る断面構造を概略的に示す縦断面図である。なお、図において、部材の寸法、寸法の比率、部材の形状、及び部材の配置などは例示に過ぎず、変更が可能である。
冷蔵庫1は、前面(正面)が開口されており、内部に貯蔵空間が形成された断熱箱体を有している。断熱箱体は、鋼鉄製の外箱と、樹脂製の内箱と、外箱と内箱との間の空間に充填された断熱材とを有している。断熱箱体の内側に形成された貯蔵空間は、1つ又は複数の仕切り部材により区画されて、食品を保存する複数の貯蔵室が形成されている。例えば、複数の貯蔵室は、冷蔵室10、冷凍室41、及び野菜室42を含んでいる。図示の例では、複数の貯蔵室は、上から冷蔵室10、冷凍室41、野菜室42の順に配置されている。なお、冷蔵庫1が備える貯蔵室の種類、数、配置、及び形状は、図示の例に限定されない。
冷蔵室10は、前面側の開口を扉11a,11bによって開閉される。扉11aの前面側には、各貯蔵室の温度の設定などの各種の入力操作を行うことができる操作部と、現在の温度などの各種の情報を表示することができる表示部と、を有する操作パネル6が備えられている。操作部は、例えば、操作スイッチなどを有し、表示部は、例えば、液晶ディスプレイである。また、操作パネル6は、表示部上に操作部が一体に形成されたタッチパネルであってもよい。また、扉11a,11bの内側には、ドアポケット12が備えられている。さらに、冷蔵室10には、チルド室13が備えられている。
冷凍室41及び野菜室42の前面開口は、それぞれ引出し式の扉によって開閉される。これらの引出し式の扉は、扉に固定して設けられたフレームを各貯蔵室の左右の内壁面に水平に配置されたレールに沿ってスライドさせることにより、冷蔵庫1の奥行方向(前後方向)に移動し、冷凍室41及び野菜室42の前面開口が開閉される。野菜室42には、被冷却物である食品を内部に収納できる収納ケースが引出し自在に格納されている。収納ケースは、扉に固定して設けられたフレームによって支持されており、扉の開閉に連動して前後方向にスライドするように構成されている。同様に、冷凍室41には、食品等を内部に収納することができる収納ケースが引出し自在に格納されている。また、貯氷室31も氷収納ケースが引出し自在に格納されている。各貯蔵室に設けられる収納ケースの数は、それぞれ1つであるが、冷蔵庫1全体の容量を考慮して、収納性及び整理のしやすさなどが向上する場合には、各貯蔵部に2つ以上の収納ケースを備えてもよい。
冷蔵庫1の背面側には、各貯蔵室内へ冷気を供給する冷却機構が備えられている。冷却機構は、圧縮機2と、冷却器3(蒸発器)と、送風ファン4と、風路5とを有し、これらの動作は、冷蔵庫1全体の動作を制御する制御部7によって制御される。圧縮機2及び冷却器3は、凝縮器(図示せず)及び膨張装置(図示せず)とともに、冷凍サイクルを構成し、各貯蔵室に供給される冷気を生成する。圧縮機2及び冷却器3によって生成された冷気は、送風ファン4によって風路5に送風され、風路5からダンパを通って冷凍室41、製氷室21、及び冷蔵室10に供給される。野菜室42は、冷蔵室用帰還風路(図示せず)からダンパを通って供給される冷蔵室10からの戻り冷気によって冷却される。野菜室42に供給された冷気は、野菜室用帰還風路(図示せず)を通って冷却器3に戻される。
冷蔵庫1の扉11aの外側には、操作パネル6が配置されている。操作パネル6では、ユーザーは、各貯蔵室の温度を設定したり、予め決められた温度プログラムで動作する種々の機能を選択したりすることができる。
また、ユーザーは、操作パネル6の操作により、アイスディスペンサー50から提供される提供物の種類を選択することができる。例えば、操作パネル6の操作によって、ユーザーは、アイスディスペンサー50から立方体状の氷(以下「キューブ氷」とも言う)、中央部が空洞化した氷(例えば、中央部が空洞化したキューブ氷)、クラッシュ氷、及び飲料用冷水のいずれかを提供させることができる。実施の形態1における操作パネル6による提供物の選択肢は、キューブ氷、中央部が空洞化した氷(以下「空洞を持つ氷」とも言う)、クラッシュ氷、及び飲料用冷水のいずれかであるが、選択肢は、これらに限定されない。
《1−2》アイスディスペンサー50.
図4は、実施の形態1に係るアイスディスペンサー50の構造を概略的に示す縦断面図である。図4は、図1に示されるアイスディスペンサー50及び冷蔵庫1をIV−IV線で切る断面構造を概略的に示している。ただし、図4には、アイスディスペンサー50以外の構造の一部を示していない。また、図5は、実施の形態1に係るアイスディスペンサー50の制御系の構成を概略的に示す図である。また、図6は、実施の形態1に係るアイスディスペンサー50の製氷部20aの構造を概略的に示す縦断面図である。
アイスディスペンサー50は、第1の氷として空洞を持つ氷(中央部が空洞化された氷)110を作製する製氷部20aと、製氷部20aから供給された空洞を持つ氷110を破砕することによって第2の氷であるクラッシュ氷150を作製する砕氷機構500と、クラッシュ氷を吐出する吐出部37とを備える。
製氷部20aは、空洞を持つ氷110の形状に対応する複数の製氷個室112を持つ製氷皿111と、製氷皿111に水を供給するための給水部と、製氷皿111に供給された水を冷却する冷却部である延長冷媒管24aとを有している。給水部は、給水タンク22、給水経路23、製氷用水タンク25、及び循環給水経路26を含む。
給水タンク22は、冷蔵室10内に配置され、ポンプ23bにより第1の氷の原料となる製氷用の水が給水経路23を通して製氷室21内に供給される。また、給水タンク22の水は、飲料用冷水として任意の経路(図示せず)を通してアイスディスペンサー50の吐出部37に供給されてもよい。なお、冷蔵庫1は、給水タンク22から水を供給する代わりに、水道配管との連結部を備え、水道配管を連結部に備えることで、水道水を直接製氷室21に供給してもよく、この場合には、ポンプ23bは不要である。
製氷室21は、冷蔵室10の最上部に配置され、その周囲を断熱素材で覆われており、冷媒管24に連結された延長冷媒管24aにより製氷が可能な温度まで冷却される。ただし、風路5から冷気を導いて、製氷可能な温度に冷却してもよく、この場合には、延長冷媒管24aを製氷室21まで延長した構造とする必要はない。製氷部20aにより作製された第1の氷110は、製氷室21の下方に配置された貯氷室31に、落下により搬送される。
貯氷室31は、製氷室21の下方に配置され、製氷部20aにより作製された氷を貯める。図4においては、貯氷室31は、冷蔵室10の扉11a側に配置され、扉11aが閉じている際に製氷室21の下方に位置し、空洞を持つ氷110を受けることができるように構成されている。ただし、貯氷室31の位置は、図示の例に限定されない。例えば、貯氷室31は、扉11aではなく、製氷室21の下方に直接接続されるように構成されてもよい。貯氷室31は、空洞を持つ氷110を下方に送るための開口部を有する。この開口部は、通常、移動機構付きの仕切り32によって閉じられているが、アイスディスペンサー稼働スイッチ38が押されることで移動して、開口部が開口され、貯氷室31の空洞を持つ氷110を砕氷室33へ送る。また、貯氷室31は、2つ以上であってもよい。製氷部20aにより、空洞を持たない通常のキューブ氷と、砕氷が容易な空洞を持つ氷又は既に砕氷されたクラッシュ氷とを、保存できるように氷の搬送機構を備えてもよい。
砕氷室33は、貯氷室31の下方に配置され、貯氷室31より氷を受ける。操作パネル6により、吐出物としてキューブ氷、又はそれに類する大サイズのキューブ氷が選択され、アイスディスペンサー稼働スイッチ38が押された場合、砕氷機構100は、動作しない、又は、氷を破砕せず氷を搬送するように動作し、氷搬送路35へキューブ氷を送る。操作パネル6により、吐出物としてクラッシュ氷、又は、それに類する小サイズの氷が選択され、アイスディスペンサー稼働スイッチ38が押された場合、砕氷機構100は動作し、空洞を持つ氷を破砕して、氷搬送路35へクラッシュ氷を送る。
氷搬送路35には、冷蔵庫1の外部との仕切り36が設けられ、アイスディスペンサー稼働スイッチ38が押されている間のみ仕切り36の移動機構により氷搬送路35が開放され、操作パネル6で選択された氷が吐出される。ただし、操作パネル6で飲料用冷水が選択されている際には、仕切り36は、開放されなくてもよく、飲料用冷水は、別経路(図示しない給水路)により供給される。
砕氷機構500は、第1の氷を挟み込む複数の面を有し、駆動力を受けて、空洞を持つ氷110を前記面で挟み込むように動作して空洞を持つ氷を破砕し、クラッシュ氷を作製する砕氷部材と、砕氷部材に駆動力を与える駆動部とを有する。砕氷機構の構造は、空洞を持つ氷110を破砕可能な構造であり、刃構造を持たないものであれば、他の構造であってもよい。なお、砕氷機構の具体例の詳細は、後述の実施の形態5及び6で説明する。
《1−3》アイスディスペンサー50の動作
図6に示されるように、製氷部20aは、給水経路23から製氷用の水が供給される。供給された水は、メッシュ状の氷受け部25aを通過し、製氷用水タンク25に収容される。製氷用水タンク25に収容された水は、例えば、ポンプ26bによって循環給水経路26を通って吐出口26aから製氷容器としての製氷皿111に向かって吐出される。製氷皿111は、熱伝導率の高い素材で構成され、背面には、敷きつめられた延長冷媒管24aが配置され、これによって直接冷却される。製氷皿111の背面の延長冷媒管24aは、冷却器3から延伸された冷媒管24と接続されている。
延長冷媒管24aにより直接冷却された製氷皿111上(すなわち、製氷皿111の製氷個室112の内面側)を水が流れることで、製氷皿111の表面部分における製氷が徐々に進行する。凍結しなかった水は、落下してメッシュ状の氷受け部25aを通過して製氷用水タンク25で回収され、再度、循環給水経路26を経由して製氷皿111上に送られる。このように、水を循環させながら製氷皿111上で少しずつ凍結させることで、水の純水部分(すなわち、水の不純物の少ない部分)が先に凍結し、不純物を多く含む部分が製氷用水タンク25で回収されるため、透明度の高い氷を製氷することができる。
製氷部20aは、空洞を持たない通常のキューブ氷を製氷することができるが、製氷動作を途中で停止させることで、空洞を持つ氷110を製氷することができる。製氷皿111内に形成された空洞を持つ氷110は、製氷皿111を回転及び変形させるなどの公知の方法により製氷皿111から離氷させることができる。
このようにして作られた空洞を持つ氷110は、弱い力で簡単に砕氷することが可能である。
製氷部20aであれば、通常のキューブ氷と、空洞を持つ氷110の両方を製氷することが可能であり、かつ、省スペース化が可能である。
《1−4》効果
以上に説明したように、実施の形態1に係るアイスディスペンサー50によれば、製氷部20aにより破砕されやすい構造の氷、すなわち、空洞を持つ氷110が砕氷機構に供給されるので、砕氷機構は弱い力の挟み込みによって砕氷することができる。このように、刃構造ではなく、棒状又は板状の部材によって砕氷を行うことが可能であるので、砕氷を行う部材の破損が生じ難いという効果がある。
また、製氷部20aから破砕されやすい構造の氷が砕氷機構に供給されるので、砕氷機構の駆動機構に過大な負荷がかかり難くなり、砕氷機構の故障が生じ難いという効果がある。
《2》実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係るアイスディスペンサーの製氷部20bの構造を概略的に示す縦断面図である。図7において、図6に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図6に示される符号と同じ符号が付される。実施の形態2における製氷部20bは、製氷皿121の構造の点において、実施の形態1における製氷部20aと異なる。この点以外については、実施の形態2に係るアイスディスペンサーは、実施の形態1のものと同じである。
製氷部20bでは、給水経路23の吐出口23aから製氷用の水が供給される。供給された水は、メッシュ状の氷受け部25aを通過し、製氷用水タンク25に送られる。製氷用水タンク25に送られた水は、ポンプ26bによって循環給水経路26を通って吐出口26aから製氷皿121に向かって吐出される。製氷皿121は、熱伝導率の高い素材で構成され、背面には、敷きつめられた延長冷媒管24aが配置され、これによって直接冷却される。製氷皿121の背面の延長冷媒管24aは、冷却器3から延伸された冷媒管24と接続している。
延長冷媒管24aにより直接冷却された製氷皿121の製氷個室122の表面に沿って水が流れることで、製氷皿121の製氷個室122の表面上に徐々に氷が作製され、製氷が進行する。凍結しなかった水は、メッシュ状の氷受け部25aを通過し、製氷用水タンク25に回収され、再度、循環給水経路26を通って吐出口26aから製氷皿121に向かって吐出される。このように、製氷用の水を循環させながら凍結させることで、水の純水部分(すなわち、水の不純物の少ない部分)が先に凍結し、不純物を多く含む部分が製氷用水タンク25で回収されるため、透明度の高い氷を製氷することができる。
また、製氷部20bでは、製氷皿121の各製氷個室を直方体状にすることで、通常のキューブ状の氷を製氷することはできないが、キューブ氷に相当する直方体の氷120を製氷することが可能である。また、この直方体の氷は、1辺が他の2辺よりも短い直方体であり、立方体の氷に比べて砕氷され易い性質を持つ。このため、直方体状の氷120は、弱い力で簡単に砕氷することが可能である。
以上に説明したように、実施の形態2に係るアイスディスペンサーによれば、製氷部20bにより破砕されやすい構造の氷、すなわち、直方体状の氷120が砕氷機構に供給されるので、砕氷機構は弱い力の挟み込みによって砕氷することができる。このように、刃構造ではなく、棒状又は板状の部材によって砕氷を行うことが可能であるので、砕氷を行う部材の破損が生じ難い。
また、製氷部20bから破砕されやすい構造の氷が砕氷機構に供給されるので、砕氷機構の駆動機構に過大な負荷がかかり難くなり、砕氷機構の故障が生じ難い。
《3》実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3に係るアイスディスペンサーの製氷部20cの構造を概略的に示す縦断面図である。図8において、図6に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図6に示される符号と同じ符号が付される。実施の形態3における製氷部20cは、製氷皿131の構造の点において、実施の形態1における製氷部20aと異なる。この点以外については、実施の形態3に係るアイスディスペンサーは、実施の形態1のものと同じである。
製氷部20cでは、給水経路23の吐出口23aから製氷用の水が供給される。供給された水は、メッシュ状の氷受け部25aを通過し、製氷用水タンク25に送られる。製氷用水タンク25に送られた水は、ポンプ26bによって循環給水経路26を通って吐出口26aから製氷皿131に向かって吐出される。製氷皿131は、熱伝導率の高い素材で構成され、背面には、敷きつめられた延長冷媒管24aが配置され、これによって直接冷却される。製氷皿131の背面の延長冷媒管24aは、冷却器3から延伸された冷媒管24と接続されている。
延長冷媒管24aにより直接冷却された製氷皿131の製氷個室132の表面に沿って水が流れることで、製氷皿131の製氷個室132の表面上に徐々に氷が作製され、製氷が進行する。凍結しなかった水は、メッシュ状の氷受け部25aを通過し、製氷用水タンク25に回収され、再度、循環給水経路26を通って吐出口26aから製氷皿131に向かって吐出される。このように、製氷用の水を循環させながら凍結させることで、水の純水部分(すなわち、水の不純物の少ない部分)が先に凍結し、不純物を多く含む部分が製氷用水タンク25で回収されるため、透明度の高い氷を製氷することができる。
また、製氷部20cは、製氷皿131の各製氷個室を三角柱状にすることができる可動式の隔壁133を備えており、通常のキューブ状の氷と三角柱状の氷130を選択的に製氷することが可能である。なお、この切り替えは、隔壁133に備えられた駆動手段で行ってもよいし、ユーザーが手で行ってもよい。三角柱状の氷130は、立方体状の氷に比べて砕氷され易い性質を持つ。このため、三角柱状の氷130は、弱い力で簡単に砕氷することが可能である。
以上に説明したように、実施の形態3に係るアイスディスペンサーによれば、製氷部20cにより破砕されやすい構造の氷、すなわち、三角柱状の氷130が砕氷機構に供給されるので、砕氷機構は弱い力の挟み込みによって砕氷することができる。このように、刃構造ではなく、棒状又は板状の部材によって砕氷を行うことが可能であるので、砕氷を行う部材の破損が生じ難い。
また、製氷部20cから破砕されやすい構造の氷が砕氷機構に供給されるので、砕氷機構の駆動機構に過大な負荷がかかり難くなり、砕氷機構の故障が生じ難い。
《4》実施の形態4.
図9は、本発明の実施の形態4に係るアイスディスペンサーの製氷部20dの構造を概略的に示す縦断面図である。図9において、図6に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図6に示される符号と同じ符号が付される。
実施の形態4における製氷部20dは、製氷皿141の複数の製氷個室142の各々が立方体状の第1の氷140を形成するための容器形状を持つ点、冷媒管24の先端部の突出部である突出型冷媒管24bが、給水経路23によって複数の製氷個室142内に供給された水の中に上から差し込まれている点において、実施の形態1における製氷部20aと異なる。この点以外については、実施の形態4に係るアイスディスペンサーは、実施の形態1のものと同じである。
製氷部20dでは、給水経路23の吐出口23aから製氷用の水が製氷皿141に供給され、突出型冷媒管24bによって水が直接冷却される。突出型冷媒管24bは、冷却器3から延伸された冷媒管24と接続されている。突出型冷媒管24bにより製氷皿141内に溜められた水は、製氷されるが、不純物及び気泡を含んだ状態かつ、中央部に空洞を持つ氷140が作製される。つまり、実施の形態4においては、流水を徐々に凍らせる実施の形態1から3とはことなり、製氷皿141内に収容された水を凍らせるので、不純物及び気泡を含んだ状態の氷140が第1の氷として作製される。
氷140は、製氷皿141を支持部27が支持する回動軸141aを中心に回動させることで離氷する。このようにして作られた氷140は、空洞を持つので、また、気泡を含むので、弱い力で簡単に砕氷することが可能である。したがって、実施の形態4に係るアイスディスペンサーにおいては、第1の氷140に砕氷部材の面を接触させて面で挟み込むことにより第1の氷140を破砕してクラッシュ氷を作製することができる。
以上に説明したように、実施の形態4に係るアイスディスペンサーによれば、製氷部20dにより破砕されやすい構造の第1の氷140が砕氷機構に供給されるので、棒状又は板状の部材の挟み込みによって砕氷することができる。このように、刃構造ではなく、棒状又は板状の部材のように面を接触させる部材によって砕氷を行うので、砕氷を行う部材の破損が生じ難い。
また、製氷部20dから破砕されやすい構造の氷が砕氷機構に供給されるので、砕氷機構の駆動機構に過大な負荷がかかり難くなり、砕氷機構の故障が生じ難い。
《5》実施の形態5.
本発明の実施の形態5に係るアイスディスペンサーは、実施の形態1に係るアイスディスペンサー50において、砕氷機構の構造を特定した例に相当する。この点以外については、実施の形態5に係るアイスディスペンサー50は、実施の形態1に係るアイスディスペンサーと同じである。したがって、実施の形態5の説明に際しては、図1から図6をも参照する。
図10は、実施の形態5に係るアイスディスペンサーの砕氷機構500の要部の構造を概略的に示す側面図である。図10に示されるように、実施の形態5においては、砕氷機構500は、砕氷部材として、棒状部材からなる回転部材501と、棒状部材を含む固定部材502と、回転部材501を回転させる駆動機構503とを有している。回転部材501は、回転軸上に配置された支持部501aと、支持部501aから外側に向けて延在する複数の棒状部材501bとを有する。固定部材502は、回転部材501を囲うように配置され、内側に向けて延在し、棒状部材501bと予め決められた僅かな間隙を開けてぶつからないように配置された複数の棒状部材502bとが備えられている。
砕氷機構500には、砕氷機構500の上部に備えられた製氷部20で作製された氷(第1の氷)が供給される。図10に示されるように、砕氷機構500は、固定部材502の棒状部材502bの外周面(円柱状の棒の外周面である曲面)と回転部材501の棒状部材501bの外周面(円柱状の棒の外周面である曲面)とによって氷を挟み込むことで氷を破砕して、第2の氷としてのクラッシュ氷を生成する。
実施の形態5においては、棒状部材502bの外周面と回転部材501の棒状部材501bの外周面との挟み込みによる砕氷で、面が氷に接触するので、氷との接触面積が広く、氷に加わる圧力は比較的小さい。
しかし、実施の形態5においては、実施の形態1の製氷部20aと同様の製氷部により、破砕されやすい中空構造の氷を砕氷機構500に供給している。このため、棒状部材501bの外周面と502bの外周面との挟み込みによる砕氷が可能である。
以上に説明したように、実施の形態5に係るアイスディスペンサー及び冷蔵庫において、砕氷機構500が、刃構造ではなく、棒状部材501bと502bの挟み込みにより砕氷を行うので、部品の破損が生じ難い。
また、実施の形態5に係るアイスディスペンサー及び冷蔵庫においては、製氷部20aから破砕されやすい中空構造の氷を砕氷機構500に供給されるので、部品の破損が生じ難く、駆動機構503の故障が生じ難い。
なお、上記説明では、実施の形態1の製氷部20aと同様の製氷部を採用した例を説明したが、実施の形態5のアイスディスペンサーにおいて、実施の形態2〜4のいずれかの製氷部20b〜20dを採用することも可能である。
《6》実施の形態6.
本発明の実施の形態6に係るアイスディスペンサーは、砕氷機構600の構造の点において、実施の形態1に係るアイスディスペンサー50と異なる。この点以外については、実施の形態6に係るアイスディスペンサーは、実施の形態1のものと同じである。したがって、実施の形態6の説明に際しては、図1から図6をも参照する。
図11は、実施の形態6に係るアイスディスペンサーの砕氷機構600の要部の構造を概略的に示す側面図である。図11に示されるように、実施の形態6においては、砕氷機構600が、互いに向かい合う面601a,602aを有する1組の板状の砕氷部材である可動板(第1の砕氷部材)601と固定板(第2の砕氷部材)602と、可動板601を固定板602に近づける方向(矢印604)及びその逆方向に移動させる駆動機構603とを有している。なお、可動板601と固定板602の配置は、互いに逆であってもよい。また、第1及び第2の砕氷部材の両方が移動してもよい。
砕氷機構600には、砕氷機構600の上部に備えられた製氷部20で作製された氷(第1の氷)が供給される。図11に示されるように、砕氷機構600は、固定板602の平面状の面602aと可動板601の平面状の面601aとによって氷を挟み込むことで氷を破砕して、第2の氷としてのクラッシュ氷を生成する。
実施の形態6においては、固定板602の面602aと可動板601の面601aとの挟み込みによる砕氷では、面が第1の氷に接触するので、氷との接触面積が広く、氷に加わる圧力は比較的小さい。これに対し、1組の刃構造の挟み込みによる砕氷では、鋭利な刃構造の先端が氷に接触するので、氷との接触面積が狭く、氷に局所的に加わる圧力は大きい。このため、実施の形態6における砕氷機構600の砕氷能力は、刃構造を用いた砕氷機構の砕氷能力より低い。
しかし、実施の形態6においては、実施の形態1の製氷部20aと同様の製氷部により、破砕されやすい空洞を持つ氷110を砕氷機構600に供給している。このため、固定板602の面602aと可動板601の面601aとの挟み込みによる砕氷が可能である。また、実施の形態6においては、面602aと面601aは、いずれも平面である。
以上に説明したように、実施の形態6に係るアイスディスペンサー及び冷蔵庫において、砕氷機構600が、刃構造ではなく、固定板602の面602aと可動板601の面601aとの挟み込みにより砕氷を行うので、部品の破損が生じ難い。
また、実施の形態6に係るアイスディスペンサー及び冷蔵庫においては、製氷部20aから破砕されやすい空洞を持つ氷が砕氷機構600に供給されるので、部品の破損が生じ難く、駆動機構603の故障が生じ難い。
なお、上記説明では、実施の形態1の製氷部20aと同様の製氷部を採用した例を説明したが、実施の形態6のアイスディスペンサーにおいて、実施の形態2〜4のいずれかの製氷部20b〜20dを採用することも可能である。
1 冷蔵庫、 2 圧縮機、 3 冷却器、 4 送風ファン、 5 風路、 6 操作パネル、 7 制御部、 10 冷蔵室、 11a,11b 冷蔵室前面扉、 12 ドアポケット、 13 チルド室、 20a〜20d 製氷部、 21 製氷室、 22 給水タンク、 23 給水経路、 23a 給水口、 24 冷媒管、 24a 延長冷媒管、 24b 突出型冷媒管、 25 製氷用水タンク、 25a メッシュ状氷受け部、 26 循環給水経路、 26a 給水口、 26b 給水ポンプ、 31 貯氷室、 32 仕切り、 33 砕氷室、 38 アイスディスペンサー稼働スイッチ、 41 冷凍室、 42 野菜室、 50 アイスディスペンサー、 110 空洞を持つ氷(中央部を空洞化した氷)、 120 直方体状の氷、 130 三角柱状の氷、 111 製氷皿(空洞を持つ氷用)、 112 製氷個室、 121 製氷皿(直方体状の氷用)、 122 製氷個室、 131 製氷皿(三角柱状の氷用)、 132 製氷個室、 133 隔壁、 500,600 砕氷機構、 501 回転部材、 501b 棒状部材、 502 固定部材、 502b 棒状部材、 503 駆動機構、 601 可動板、 602 固定板、 603 駆動機構。

Claims (9)

  1. 第1の氷を作製する製氷部と、
    前記製氷部から供給された前記第1の氷を破砕することによって第2の氷を作製する砕氷機構と、
    前記第2の氷を吐出する吐出部と、
    を備え、
    前記製氷部は、
    前記第1の氷の形状に対応する複数の製氷個室を持つ製氷皿と、
    前記製氷皿に水を供給する給水経路と、
    前記製氷皿に供給された水を冷却する冷却部と、を有し、
    前記第1の氷は、中央部が空洞化した氷、1辺が他の2辺より短い直方体状の氷、及び三角柱状の氷のいずれかであり、
    前記砕氷機構は、
    前記第1の氷を挟み込む複数の面を有し、駆動力を受けて前記面の間隔を狭めることで前記第1の氷を破砕して前記第2の氷を作製する複数の砕氷部材と、
    前記複数の砕氷部材の少なくとも1つに前記駆動力を与える駆動部と、を有する
    アイスディスペンサー。
  2. 前記製氷部は、
    前記給水経路から供給される前記水が前記製氷皿の前記製氷個室の面に沿って流れるように、前記製氷皿を支持する支持部と、
    前記製氷個室で凍らず、落下した水を回収する製氷用水タンクと、を有し、
    前記製氷用水タンクの水は前記給水経路を通して再度前記製氷皿に供給される
    請求項1に記載のアイスディスペンサー。
  3. 前記製氷皿は、前記複数の製氷個室の各々を仕切る可動式の隔壁をさらに有し、
    前記隔壁の位置に応じて、三角柱状の容器構造又は立方体状の容器構造が構成される
    請求項1又は2に記載のアイスディスペンサー。
  4. 前記給水経路によって空の前記製氷皿に水の供給を開始してから水の供給を停止するまでの給水時間を制御する制御部をさらに備えた請求項2又は3に記載のアイスディスペンサー。
  5. 前記冷却部は、前記給水経路によって前記複数の製氷個室内の各々に供給された水の中に差し込まれる突出型冷却管を具備する
    請求項1に記載のアイスディスペンサー。
  6. 前記製氷部は、前記給水経路から供給された水を回収して、前記製氷皿に供給する循環給水経路を含む
    請求項1から4のいずれか1項に記載のアイスディスペンサー。
  7. 前記砕氷機構は、前記砕氷部材として、
    第1の棒状部材と、
    前記第1の棒状部材から予め決められた間隔を開けた位置を通過するように配置され、前記駆動力により回転軸を中心に回転する第2の棒状部材と、を具備し、
    前記第1の棒状部材と前記第2の棒状部材との間に前記第1の氷を挟み込むことで砕氷を行う
    請求項1から6のいずれか1項に記載のアイスディスペンサー。
  8. 前記砕氷機構は、前記砕氷部材として、
    板状の第1の砕氷部材と、
    板状の第2の砕氷部材と、を具備し、
    前記駆動部が、前記第1の砕氷部材及び前記第2の砕氷部材の少なくとも一方を動かして、前記第1の砕氷部材と前記第2の砕氷部材の間に挟み込まれた前記第1の氷の砕氷を行う
    請求項1から6のいずれか1項に記載のアイスディスペンサー。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載のアイスディスペンサーを具備する冷蔵庫。
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