JPWO2018181272A1 - 被覆工具及び切削工具 - Google Patents

被覆工具及び切削工具 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2018181272A1
JPWO2018181272A1 JP2019509865A JP2019509865A JPWO2018181272A1 JP WO2018181272 A1 JPWO2018181272 A1 JP WO2018181272A1 JP 2019509865 A JP2019509865 A JP 2019509865A JP 2019509865 A JP2019509865 A JP 2019509865A JP WO2018181272 A1 JPWO2018181272 A1 JP WO2018181272A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating layer
particles
phase
base
concave portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019509865A
Other languages
English (en)
Inventor
忠 勝間
忠 勝間
芳和 児玉
芳和 児玉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Publication of JPWO2018181272A1 publication Critical patent/JPWO2018181272A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B27/00Tools for turning or boring machines; Tools of a similar kind in general; Accessories therefor
    • B23B27/14Cutting tools of which the bits or tips or cutting inserts are of special material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C16/00Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes
    • C23C16/22Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the deposition of inorganic material, other than metallic material
    • C23C16/30Deposition of compounds, mixtures or solid solutions, e.g. borides, carbides, nitrides

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

一態様の被覆工具は、複数の炭化タングステン粒子を含有する第1相、及びコバルト及びニッケルの少なくとも一方を含有する第2相を有する基体と、基体の上に位置する被覆層とを備えている。また、複数の炭化タングステン粒子は、被覆層に接する複数の第1粒子と、被覆層から離れて位置する複数の第2粒子とを有している。複数の第1粒子の少なくとも1つが、被覆層との対向面に凹部を有し、この凹部に第2相が位置している。

Description

本態様は、切削加工において用いられる被覆工具に関する。
旋削加工及び転削加工のような切削加工に用いられる被覆工具としては、例えば特許文献1に記載の被覆工具が知られている。特許文献1に記載の被覆工具は、硬質相成分として炭化タングステン(WC)を含有し、結合相成分としてコバルト(Co)を5〜15質量%含有する基体の表面に、チタン(Ti)などを含有する被覆層が蒸着形成された構成となっている。
今般において、被覆工具には、基体に対する被覆層の接合性及び基体の耐久性の両方が良好であることが求められている。基体に対する被覆層の接合性を向上させるためには、基体におけるコバルトやコバルトの含有量を増やすことで、結合相の量を増やして靭性を向上させればよい。しかしながら、基体におけるコバルトやニッケルなどの結合相量の含有量を増やしたときには、相対的に炭化タングステンの含有量が低下するため、塑性変形が起こり易くなって偏摩耗が進行し易くなり、基体の耐久性が低下する場合がある。
特開2014−184521号公報
一態様に基づく被覆工具は、複数の炭化タングステン粒子を含有する第1相、及びコバルト及びニッケルの少なくとも一方を含有する第2相を有する基体と、該基体の上に位置する被覆層とを備えている。また、前記複数の炭化タングステン粒子は、前記被覆層に接する複数の第1粒子と、前記被覆層から離れて位置する複数の第2粒子とを有する。前記複数の第1粒子の少なくとも1つが、前記被覆層との対向面に凹部を有し、該凹部に前記第2相が位置している。
一実施形態の被覆工具を示す斜視図である。 図1に示す被覆工具におけるA−A断面の断面図である。 図2に示す被覆工具における基体及び被覆層の境界付近の拡大図である。 図3に示す領域B1における拡大図である。 図4に示す領域B2における拡大図である。 一実施形態の切削工具を示す平面図である。 図6に示す領域B3における拡大図である。
以下、一実施形態の被覆工具1について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本実施形態を説明する上で必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、被覆工具は、参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
<被覆工具>
本実施形態の被覆工具1は、図1及び図2に示すように、基体3及び被覆層5を備えている。本実施形態における基体3は、第1面7(図2における上面)と、第1面7と隣り合う第2面9(図2における側面)と、第1面7及び第2面9が交わる稜線の少なくとも一部に位置する切刃11とを有している。
本実施形態における基体3は図1に示すように四角板形状であり、第1面7が四角形である。そのため、第2面9の数は4つとなっている。基体3の形状としては、四角板形状に限定されるものではなく、例えば第1面7が、三角形、五角形、六角形又は円形であってもよい。また、基体3は、板形状に限定されるものではなく、例えば柱形状であってもよい。
切刃11は、切削加工物を製造するため被削材を切削する際に用いられる部位である。基体3における第1面7の外周の全体に切刃11が位置していてもよい。被覆工具1はこのような構成に限定されるものではない。例えば、四角形の第1面7における1辺のみ、或いは、上記の1辺の一部に切刃11が位置していてもよい。なお、本実施形態における被覆工具1が基体3の上に位置する被覆層5を備えていることから明らかであるように、切削加工において必ずしも切刃11自体が被削材に接触する必要はない。
本実施形態における第1面7は、少なくとも一部にすくい面領域を有している。第1面7における切刃11に沿った第1領域13は少なくともすくい面領域である。また、本実施形態における第2面9は、少なくとも一部に逃げ面領域を有している。第2面9における切刃11に沿った第2領域15は少なくとも逃げ面領域である。言い換えれば、すくい面領域及び逃げ面領域が交差する部分に切刃11が位置している。
本実施形態における基体3は、図3及び図4に示すように、炭化タングステン(WC)の粒子を含有する第1相17を含有している。また、基体3は、コバルト(Co)およびニッケル(Ni)の少なくとも一方を含有する第2相19を有している。第1相17は、硬質相と通常呼ばれる部位であり、第2相19は、結合相と通常呼ばれる部位である。第2相19は、第1相17を構成する粒子同士を接合する機能を有する。また、第2相19は、第1相17を構成する粒子と被覆層5とを接合する機能を有している。本実施形態における第2相19は、コバルトを主成分として含有している。
なお、第1相17は、炭化タングステンの粒子に加えて、炭化チタン(TiC)及び炭化タンタル(TaC)などの別の成分によって構成される硬質粒子を含有していてもよい。ただし、本実施形態における第1相17は、炭化チタン及び炭化タンタルなどの成分を含有している場合であっても、炭化タングステンを主成分として含有している。
本実施形態において、「主成分」とは、他の成分と比較して質量%の値が最も大きい成分であることを意味している。そのため、例えば、第1相17においては、炭化タングステンの質量%の値が最も大きい。
被覆層5は、基体3の上に位置しており基体3の表面を覆っている。なお、被覆層5は基体3の表面の全てを覆っている必要はなく、基体3の表面の一部が露出していてもよい。本実施形態においては、基体3の少なくとも第1面7及び第2面9が被覆層5によって覆われている。被覆層5は、切削加工における被覆工具1の耐摩耗性及び耐チッピング性などの特性を向上させるために備えられている。
本実施形態における基体3の第1相17に含有される複数の炭化タングステンの粒子は、基体3における表面に位置して被覆層5に接する複数の第1粒子17aと、被覆層5から離れて位置する複数の第2粒子17bとを有している。
このとき、例えば図5に示すように、複数の第1粒子17aの少なくとも1つが被覆層5との対向面21に凹部23を有しており、この凹部23に第2相19が位置している。凹部23に結合相である第2相19が位置していることから、基体3に対する被覆層5の接合性を良好なものにできる。なお、断面視において、この凹部23に位置する第2相19は、被覆層5から離れて位置する複数の第2粒子17bの間に位置する第2相19とは離間している。言い換えると、凹部23に位置する第2相19は、第1粒子17aと被覆層5に取り囲まれている。
なお、単に基体3における第2相19の含有比率を高めることによっても基体3に対する被覆層5の接合性を良好なものにできるが、第2相19の含有比率を高めれば、その分第1相17の含有比率が低くなり、基体3の耐久性が低くなる。
これに対し、本実施形態の被覆工具1は、凹部23に位置する第2相19によって基体3に対する被覆層5の接合性を良好なものにできるため、基体3における第1相17の含有比率を高めることが可能である。そのため、単に第2相19の含有比率を高めることによって接合性を高めた構成と比較して、第1相17の含有比率が高いため、基体3の耐久性を高めることができる。
また、凹部23には第2相19のみが位置していてもよいが、図5に示すように、第2相19に加えて炭化タングステン粒子である第3粒子17cが混在していてもよい。
基体3の大きさは特に限定されるものではないが、例えば、本実施形態においては、第1面7の一辺の長さが3〜20mm程度に設定される。また、第1面7から第1面7の反対側に位置する面(図2における下面)までの高さは、例えば1〜20mm程度に設定される。
本実施形態における基体3は、第1相17及び第2相19を含有している。これらの相の含有比率は特定の値に限定されるものではない。例えば、第1相17の含有比率は、60〜95質量%程度に設定することができる。第1相17の含有比率が60質量%以上である場合には、硬質相である第1相17の含有比率が高いため基体3の硬度が高められる。また、第1相17の含有比率が95質量%以下である場合には、結合相である第2相19の含有比率が高いため基体3の靭性が高められる。
第1相17に含有される第1粒子17a及び第2粒子17bの大きさは、特定の値に限定されるものではない。例えば、0.1〜5μm程度に設定することができる。基体3及び被覆層5と交差する断面において、第1粒子17aの平均粒径が、第2粒子17bの平均粒径よりも小さい場合には、基体3及び被覆層5の接合性が高い。これは、被覆層5に接する第1粒子17aの平均粒径が相対的に小さい場合には、第2相19及び被覆層5が接合する箇所の数が増えるため、基体3及び被覆層5の界面における接合強度のばらつきが小さいからである。
第1粒子17aにおける被覆層5に対向する対向面21に位置する凹部23の大きさは、特に限定されない。凹部23の深さが、凹部23が形成された第1粒子17aにおける被覆層5の厚み方向での粒径に対して1/2以下である場合には、凹部23が形成された第1粒子17aの強度が低下しにくい。そのため、基体3の耐久性を維持しつつ基体3及び被覆層5の接合性が高い。
本実施形態における基体3は複数の第1粒子17aを有している。これらの複数の第1粒子17aのうち基体3の第1面7に位置する粒子のそれぞれにおける被覆層5に対向する対向面21が、同一平面上に位置している場合には、第1面7の平坦性が良好になる。そのため、切削加工時に上記の複数の第1粒子17aに対して第1面7に直交する方向に負荷が加わったとしても、この負荷が一部の第1粒子17aに集中しにくい。
これにより、被覆層5が基体3から剥離するおそれが小さくなり、被覆層5の基体3に対する接合性が良好になる。なお、上記の「同一平面上」とは、厳密に同一平面上に位置することを要求するものではない。例えば、第1粒子17aの平均粒径の80%程度のばらつきがあってもよいことを意味している。このばらつきは、第1粒子17aの平均粒径の50%以下としてもよく、さらに第1粒子17aの平均粒径の10%以下としてもよい。
また、図5に示すように、被覆層5の一部が凹部23に向かって突出している場合においては、被覆層5に対して第1面7に平行な方向に力が加わった際に上記の突出する部分が凹部23に受け止められるため、被覆層5の剥離に対する物理的な抑止力となる。
本実施形態の被覆工具1においては、基体3における第1面7及び第2面9がそれぞれ被覆層5によって覆われている。そのため、第1面7及び第2面9のそれぞれに第1粒子17aが存在している。このとき、第1面7に位置する第1粒子17aの少なくとも1つが被覆層5に対向する対向面21に凹部23を有するとともに、第2面9に位置する第1粒子17aの少なくとも1つが被覆層5に対向する対向面21に凹部23を有していてもよい。また、第1面7に位置する第1粒子17aのみが被覆層5に対向する対向面21に凹部23を有していてもよい。
本実施形態における第1面7がすくい面領域を有するとともに、第2面9が逃げ面領域を有していることから、第2面9と比較して第1面7には切削加工時に大きな切削負荷が加わり易い。そのため、第1面7に位置する第1粒子17aにおける凹部23を有するものの比率が、第2面9に位置する第1粒子17aにおける凹部23を有するものの比率よりも高い場合、特に、第1面7に位置する第1粒子17aのみが凹部23を有している場合には、大きな切削負荷が加わり易い第1面7における基体3と被覆層5の接合性を高めることができる。
このとき、基体3及び被覆層5と交差する断面において、第1面7の十点平均粗さが、第2面9の十点平均粗さよりも小さい場合には、切削加工時に第1面7に位置する第1粒子17aに負荷が集中しにくい。そのため、被覆層5の基体3に対する接合性がさらに良好になる。なお、基体3及び被覆層5と交差する断面において、十点平均粗さを測定する際には、凹部23に存在する第2相の表面は、基体3の表面として取り扱う。
第1粒子17aにおける凹部23の大きさは例えば、凹部23の幅を0.05〜0.5μm程度に設定できる。また、凹部23の深さを0.03〜0.3μm程度に設定できる。ここで、凹部23の幅とは第1面7に沿った方向での開口部の幅を意味しており、凹部23の深さとは、凹部23の深さとは第1面7に直交する方向での開口部から凹部23の底までの幅を意味している。凹部23の幅が0.05μm以上であると、凹部23に位置する第2相19と被覆層5との接触面積が大きい。また、凹部23の幅が0.5μm以下であると、凹部23を起点として第1粒子17aが割れてしまうことを抑制できる。また、凹部23の深さが0.03μm以上であると、凹部23に位置する第2相19と、凹部23との深さ方向の接触面積が大きくなるため、凹部23に位置する第2相19と、凹部23との接合性が高い。また、凹部23の深さを0.3μm以下とすると、第1粒子17aが割れてしまうことを抑制できる。
第1粒子17a1つあたりの凹部23の数は、断面視において、例えば1〜5個程度に設定できる。凹部23の数が1つ以上である場合には、凹部23に位置する第2相19の量を増やして基体3及び被覆層5の接合性を高めることができる。また、凹部23の数が5つ以下である場合には第1粒子17aの体積が小さくなり過ぎることが避けられる。そのため、第1粒子17aの耐久性を高めることができる。
本実施形態の被覆工具1における被覆層5は、例えば、被覆工具1の耐摩耗性或いは耐腐食性を高める為に用いることが可能である。被覆層5の材質としては、例えば、チタンの炭化物、窒化物、酸化物、炭酸化物、窒酸化物、炭窒化物及び炭窒酸化物などが挙げられる。また、被覆層5の材質として、例えば、酸化アルミニウム(Al)を用いることも可能である。被覆層5は、上記の材質のうち1つのみを含有していてもよく、複数を含有していてもよい。また、被覆層5は、1つのみの層によって構成されていてもよく、複数の層が積層された構成であってもよい。
例えば、被覆層5が、基体3の上に位置して炭窒化チタン(TiCN)を含有する第1層25と、この第1層25の上に位置して酸化アルミニウムを含有する第2層27とを備えていてもよい。被覆層5は、化学蒸着(CVD)法又は物理蒸着(PVD)法を用いることによって、基体3の上に位置させることが可能である。
なお、被覆層5が複数の層が積層された構成である場合には、上記の層及び領域の境界は、例えば、電子顕微鏡写真(走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)写真又は透過電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)写真)を観察することにより、特定することが可能である。
また、被覆層5及び基体3を構成する元素分析は、例えばオージェ分析又は走査型電子顕微鏡(SEM)に付属するエネルギー分散型X線分光器(EDX)を用いたSEM−EDX法によって評価することができる。また、各部位を構成する含有成分の確認は、例えばX線回折(XRD)法を用いることで評価できる。
また、第2相19は、上記の通りコバルトを含有しているが、このとき、被覆層5を構成する成分を含有していてもよい。例えば、被覆層5が窒化チタンを含有している場合には、第2相19が窒素(N)及びチタンの少なくとも一方を含有していてもよい。第2相19が被覆層5を構成する成分を含有している場合には、第2相19及び被覆層5の接合性が高められる。
このとき、第2相19を介して隣り合う第1相17同士の接合性を高めるためには、第2相19におけるコバルトの含有比率が被覆層5を構成する成分の含有比率よりも高いことが望ましい。なお、上記の含有比率は質量%によって評価すればよい。
特に、第2相19のうち、凹部23内を第1部位、凹部23外を第2部位としたときに、第1部位における被覆層5を構成する成分の含有量が、第2部位における被覆層5を構成する成分の含有量よりも多くてもよい。このような構成を有する場合には、以下の理由により、被覆層5及び基体3の接合性を高めつつ基体3の強度を高めることができる。第1の理由は、第2相19のうち第1部位において、この凹部23に存在する第1相17及び被覆層5の接合性が高められることである。また、第2の理由は、第2相19のうち第2部位では、第2相19を介して隣り合う第1相17同士の接合性が維持されることである。
なお、第2相19のうち第1部位における被覆層5を構成する成分の含有量と、第2相19のうち第2部位における被覆層5を構成する成分の含有量との比較は、例えば、第2相19のうち凹部23に位置する10箇所以上における部分と、第2相19のうち凹部23を除く領域に位置する10箇所以上における部分とで、それぞれ被覆層5を構成する成分の含有量を測定し、これらの部分での平均値を比較すればよい。
本実施形態における基体3は、第1面7及び第1面7の反対側に位置する面を貫通する貫通孔29を有している。貫通孔29は、被覆工具1をホルダに固定するための固定部材を挿入するために用いることができる。固定部材としては、例えばネジ及びクランプ部材が挙げられる。
<製造方法>
次に、本実施形態に係る被覆工具1の製造方法について説明する。
まず、基体3となる硬質合金を焼成によって形成しうる炭化物、窒化物、炭窒化物及び酸化物などから選択される無機物粉末に、金属粉末、カーボン粉末などを適宜添加及び混合して、混合粉末を作製する。次に、この混合粉末を公知の成形方法を用いて所定の工具形状に成形することによって成形体を作製する。成形方法としては、例えば、プレス成形、鋳込成形、押出成形及び冷間静水圧プレス成形などが挙げられる。上記の成形体を、真空中又は非酸化性雰囲気中にて焼成することによって基体3を作製する。
このとき、例えば、基体3を成形するための金型のうち、第1面7に当接する部分の表面粗さを第2面9に当接する部分の表面粗さよりも大きくすることによって第1面7に位置する第1粒子17aの少なくとも1つにおける被覆層5に対向する対向面21に凹部23を形成することができる。この金型の表面に、例えば、ダイヤモンドの被覆膜を設けておくと、凹部23を形成しやすい。なお、第1粒子17aに加えて第2相19にも成形時に凹部23が形成される場合があるが、第2相19に形成される凹部23は焼成によってほぼ無くなる。
さらに、基体表面に対して、研削加工と研磨加工を施すことで、第1粒子17aに凹部23を形成してもよい。まず、焼成後の基体3の表面に凹部23を設けるために研削加工を施す。そのままでは、基体3の表面が荒くなりすぎるために、さらに研磨加工を施し、第1粒子の表面にある、凹部23を残しつつ、傷の一部を除去する。
その際に、研削加工によって形成された凹部23に、基体3の一部であったコバルトやニッケルなどが入り込む。また、研磨の条件によっては、凹部23にコバルトやニッケルととともに炭化タングステン粒子からなる第3粒子17cが凹部23に入り込む。あるいは、ニッケル粉末やコバルト粉末を基体3の表面に擦りつけて、凹部23の中にニッケルやコバルトが存在するようにしてもよい。
次に、基体3の表面に化学気相蒸着(CVD)法によって被覆層5を成膜する。この工程では、まず、基体3を加熱する。この加熱により、凹部23と、凹部23の中に存在する第2相19との接合力が高くなる。
まず、炭窒化チタンを含有する第1層25を成膜する。水素ガスに、0.5〜10体積%の四塩化チタンガスと、5〜60体積%の窒素ガスと、0.1〜3体積%のアセトニトリルガスとを混合して、第1混合ガスを作製する。第1混合ガスをチャンバ内に導入し、MT−炭窒化チタンを含有する第1層25を成膜する。
次に、酸化アルミニウムを含有する第2層27を成膜する。成膜温度を950℃〜1100℃、ガス圧を5kPa〜20kPaとし、反応ガスの組成が、水素ガスに、5体積%〜15体積%の三塩化アルミニウム(AlCl)ガスと、0.5体積%〜2.5体積%の塩化水素(HCl)ガスと、0.5体積%〜5.0体積%の二酸化炭素ガスと、0体積%〜1体積%の硫化水素(HS)ガスとを混合して、第2混合ガスを作製する。第2混合ガスをチャンバ内に導入し、第2層27を成膜する。
その後、必要に応じて、成膜した被覆層5の表面における切刃11に相当する部分を研磨加工する。このような研磨加工を行った場合には、被覆層5における切刃11に相当する部分への被削材の溶着が抑制され易くなるため、さらに耐欠損性に優れた被覆工具1となる。
なお、上記の製造方法は、本実施形態の被覆工具1を製造する方法の一例である。したがって、本実施形態の被覆工具1は、上記の製造方法によって作製されたものに限定されないことは言うまでもない。例えば、第2層27の上に別途第3層(不図示)を成膜してもよい。
<切削工具>
次に、一実施形態の切削工具101について図面を用いて説明する。
本実施形態の切削工具101は、図6及び図7に示すように、第1端(図6における上端)から第2端(図6における下端)に向かって延びる棒状体であり、第1端の側に位置するポケット103を有するホルダ105と、ポケット103に位置する上記の被覆工具1とを備えている。本実施形態の切削工具101においては、稜線における切刃として用いられる部分の少なくとも一部がホルダ105の先端から突出するように被覆工具1が装着されている。
ポケット103は、被覆工具1が装着される部分であり、ホルダ105の下面に対して平行な着座面と、着座面に対して傾斜する拘束側面とを有している。また、ポケット103は、ホルダ105の第1端側において開口している。
ポケット103には被覆工具1が位置している。このとき、被覆工具1の下面がポケット103に直接に接していてもよく、また、被覆工具1とポケット103との間にシートを挟んでいてもよい。
被覆工具1は、稜線における切刃として用いられる部分がホルダ105から外方に突出するように装着される。本実施形態においては、被覆工具1は、ネジ107によって、ホルダ105に装着されている。すなわち、被覆工具1の貫通孔にネジ107を挿入し、このネジ107の先端をポケット103に形成されたネジ孔(不図示)に挿入してネジ部同士を螺合させることによって、被覆工具1がホルダ105に装着されている。
ホルダ105としては、鋼、鋳鉄などを用いることができる。特に、これらの部材の中で靱性の高い鋼を用いることが好ましい。
本実施形態においては、被覆工具1としていわゆる旋削加工に用いられる切削工具を例示している。旋削加工としては、例えば、内径加工、外径加工及び溝入れ加工が挙げられる。なお、切削工具としては旋削加工に用いられるものに限定されない。例えば、転削加工に用いられる切削工具に上記の実施形態の被覆工具1を用いてもよい。
1・・・被覆工具(切削工具)
3・・・基体
5・・・被覆層
7・・・第1面
9・・・第2面
11・・・切刃
13・・・第1領域
15・・・第2領域
17・・・第1相
17a・・第1粒子
17b・・第2粒子
17c・・第3粒子
19・・・第2相
21・・・対向面
23・・・凹部
25・・・第1層
27・・・第2層
29・・・貫通孔
101・・・切削工具
103・・・ポケット
105・・・ホルダ
107・・・固定ネジ

Claims (10)

  1. 複数の炭化タングステン粒子を含有する第1相及びコバルト及びニッケルの少なくとも一方を含有する第2相を有する基体と、該基体の上に位置する被覆層とを備えた被覆工具であって、
    前記複数の炭化タングステン粒子は、前記被覆層に接する複数の第1粒子と、前記被覆層から離れて位置する複数の第2粒子とを有し、
    前記複数の第1粒子の少なくとも1つが、前記被覆層との対向面に凹部を有し、該凹部に前記第2相が位置していることを特徴とする被覆工具。
  2. 前記凹部は、さらに炭化タングステン粒子からなる第3粒子を有する、請求項1に記載の被覆工具。
  3. 前記基体及び前記被覆層と交差する断面において、前記複数の第1粒子の平均粒径が、前記複数の第2粒子の平均粒径よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の被覆工具。
  4. 前記複数の第1粒子のそれぞれにおける前記対向面が、同一面上に位置していることを特徴とする請求項1〜3いずれか1つに記載の被覆工具。
  5. 前記被覆層の一部が、前記凹部に向かって突出していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の被覆工具。
  6. 前記第2相は、前記被覆層を構成する成分を含有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の被覆工具。
  7. 前記第2相のうち、前記凹部内を第1部位、前記凹部外を第2部位としたとき、
    前記第1部位における前記被覆層を構成する成分の含有量は、前記第2部位における前記被覆層を構成する成分の含有量よりも多いことを特徴とする請求項6に記載の被覆工具。
  8. 前記基体は、すくい面領域を有する第1面と、逃げ面領域を有する第2面とを有し、
    前記凹部は、前記第1面のみに位置していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の被覆工具。
  9. 前記基体及び前記被覆層と交差する断面において、前記第1面の十点平均粗さが、前記第2面の十点平均粗さよりも小さいことを特徴とする請求項8に記載の被覆工具。
  10. 第1端から第2端に向かって伸びる棒状であり、前記第1端の側に位置するポケットを有するホルダと、
    前記ポケット内に位置する、請求項1〜9のいずれか1つに記載の被覆工具とを有する切削工具。
JP2019509865A 2017-03-29 2018-03-27 被覆工具及び切削工具 Pending JPWO2018181272A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017064721 2017-03-29
JP2017064721 2017-03-29
PCT/JP2018/012348 WO2018181272A1 (ja) 2017-03-29 2018-03-27 被覆工具及び切削工具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2018181272A1 true JPWO2018181272A1 (ja) 2020-02-06

Family

ID=63676377

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019509865A Pending JPWO2018181272A1 (ja) 2017-03-29 2018-03-27 被覆工具及び切削工具

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2018181272A1 (ja)
WO (1) WO2018181272A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210087049A (ko) * 2018-11-29 2021-07-09 교세라 가부시키가이샤 피복 공구 및 그것을 구비한 절삭 공구
JP7238094B2 (ja) * 2019-03-14 2023-03-13 京セラ株式会社 インサートおよび切削工具
JP7295219B2 (ja) * 2019-03-14 2023-06-20 京セラ株式会社 インサートおよび切削工具
WO2024018889A1 (ja) * 2022-07-21 2024-01-25 京セラ株式会社 被覆工具および切削工具

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06108253A (ja) * 1992-09-29 1994-04-19 Kyocera Corp 被覆超硬合金
JP2000265236A (ja) * 1999-03-16 2000-09-26 Toshiba Tungaloy Co Ltd 平滑性に優れた超硬合金、被覆超硬合金およびその製法
JP2004100004A (ja) * 2002-09-11 2004-04-02 Toshiba Tungaloy Co Ltd 被覆超硬合金およびその製造方法
JP2007031779A (ja) * 2005-07-27 2007-02-08 Tungaloy Corp 被覆焼結合金
JP2008238392A (ja) * 2007-02-28 2008-10-09 Kyocera Corp 切削工具
JP2012157915A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Sumitomo Electric Hardmetal Corp 表面被覆切削工具およびその製造方法
JP2013141719A (ja) * 2012-01-11 2013-07-22 Mitsubishi Materials Corp 表面被覆wc基超硬合金製切削工具
JP2013220521A (ja) * 2012-04-19 2013-10-28 Sumitomo Electric Hardmetal Corp 切削工具用の基材および表面被覆切削工具

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06108253A (ja) * 1992-09-29 1994-04-19 Kyocera Corp 被覆超硬合金
JP2000265236A (ja) * 1999-03-16 2000-09-26 Toshiba Tungaloy Co Ltd 平滑性に優れた超硬合金、被覆超硬合金およびその製法
JP2004100004A (ja) * 2002-09-11 2004-04-02 Toshiba Tungaloy Co Ltd 被覆超硬合金およびその製造方法
JP2007031779A (ja) * 2005-07-27 2007-02-08 Tungaloy Corp 被覆焼結合金
JP2008238392A (ja) * 2007-02-28 2008-10-09 Kyocera Corp 切削工具
JP2012157915A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Sumitomo Electric Hardmetal Corp 表面被覆切削工具およびその製造方法
JP2013141719A (ja) * 2012-01-11 2013-07-22 Mitsubishi Materials Corp 表面被覆wc基超硬合金製切削工具
JP2013220521A (ja) * 2012-04-19 2013-10-28 Sumitomo Electric Hardmetal Corp 切削工具用の基材および表面被覆切削工具

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018181272A1 (ja) 2018-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017146200A1 (ja) 被覆工具
JPWO2018181272A1 (ja) 被覆工具及び切削工具
JP7018934B2 (ja) 被覆工具及び切削工具
WO2018092791A1 (ja) 切削インサート及び切削工具
WO2018124111A1 (ja) 切削インサート
JP7237831B2 (ja) 被覆工具、切削工具及び切削加工物の製造方法
WO2020050264A1 (ja) 被覆工具及び切削工具
JP6878195B2 (ja) 被覆工具、切削工具及び切削加工物の製造方法
JP7089039B2 (ja) 被覆工具及び切削工具
JP7142098B2 (ja) 被覆工具及び切削工具
WO2020050260A1 (ja) 被覆工具及び切削工具
WO2020050262A1 (ja) 被覆工具及び切削工具
JP6977034B2 (ja) 被覆工具、切削工具及び切削加工物の製造方法
JP2018079539A (ja) 切削インサート及び切削工具
WO2020050261A1 (ja) 被覆工具及び切削工具
JP2019025559A (ja) 被覆工具、切削工具及び切削加工物の製造方法
JP7471440B2 (ja) 被覆工具及びこれを備えた切削工具
JP7142099B2 (ja) 被覆工具及び切削工具
WO2022085429A1 (ja) 被覆工具及びこれを備えた切削工具
WO2020050259A1 (ja) 被覆工具及び切削工具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201124

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210601