JPWO2018159628A1 - アミノ酸型アシルボランおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

下記一般式(1)で表されるアシルボランおよびその製造方法。[式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、保護基、ペプチド残基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアシロキシ基を示し、R3は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を示し、R4は−B(MIDA)基、−BF3K基または−B(ORA)(ORB)基(ただし、RAおよびRBはそれぞれ独立に水素原子等を示す)を示す。ただし、R1およびR3は、それぞれが結合する窒素原子および炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。]

Description

本発明は、アミノ酸型アシルボランおよびその製造方法に関する。
ペプチドは複数のアミノ酸がつながった構造をした分子であり、酵素や神経伝達物質、ホルモンなどとして生体中で非常に重要な役割を示すことが知られている。またペプチドは近年、医薬品としても注目されており、ペプチドを合成する方法の開発は極めて重要である。その方法としては、生化学的な方法および有機化学的な方法が知られている。
有機化学的な方法、特に化学ライゲーションと呼ばれる方法は、目的のアミノ酸配列のペプチドを自在に合成できる点や、非天然のアミノ酸残基を容易に導入できる点でメリットがあり、種々の方法が提案されている。その中で近年、アシルトリフルオロホウ酸カリウム(KAT)を用いた方法(KATライゲーション)やN−メチルイミノ二酢酸(MIDA)アシルボラン等のアシルボラン化合物を用いた方法が注目を集めている(例えば、非特許文献1〜3参照)。これらの方法は、縮合剤を必要としない、温和な条件下で反応を行うことができる、反応に用いるペプチドにおける側鎖の官能基を無保護の状態で反応に使用することができる等といった点で優れている。KATを用いた場合には、ペプチド上のO−カルバモイルヒドロキシルアミン部位とアミド結合を形成するのに対して、MIDAアシルボランを用いた場合には、ペプチド上のO−カルバモイルヒドロキシルアミン部位の他、O−メチルヒドロキシルアミン部位ともアミド結合を形成する。
KATやMIDAアシルボランの製造方法としては、例えば非特許文献4〜6に記載の方法が知られている。非特許文献4に記載の方法では、所定のヘミアミナールエーテルをホウ素化し、続いてn−ブチルリチウムおよびKHFで処理することによって目的のアシルボランを得る。非特許文献5に記載の方法では、アリールハライドとチオホルムアミド由来の基質に対してn−ブチルリチウムを作用させることで目的のアシルボランを得る。非特許文献6に記載の方法では、α−ボリルカルボン酸からチオオキサメートエステル、次いでMIDA α−ヒドロキシボロネートへ変換した後、最終的にデス−マーチン酸化を用いることでアシルボランを得る。
Noda, H. et al. J. Am. Chem. Soc. 2014, 136, 5611. Noda, H. et al. Chem. Sci. 2014, 5, 4328. Scharnagl, F. K. et al. Org. Biomol. Chem. 2017, Advance Article.DOI: 10.1039/C6OB02425D Dumas, A. M. et al. Org. Lett. 2012, 14, 2138. Eroes, G. et al. Angew. Chem. Int. Ed. 2014, 53, 7604. He, Z. et al. Angew. Chem. Int. Ed. 2012, 51, 11092.
ところで、非特許文献4および5の方法には、有機リチウム試薬を使用するため反応の官能基許容性が低いという問題がある。また、非特許文献6の方法には、多段階の反応が必要であり、合成に非常に手間がかかるという問題がある。さらに、化学ライゲーションを、ペプチド同士をつなぐペプチドライゲーションに展開することを考慮すると、アミノ酸に対応した構造を有するアシルボラン、すなわちカルボニル基のα炭素にアミノ基が結合したアシルボラン(以下、「アミノ酸型アシルボラン」ともいう。)を用いることが好ましいが、アミノ酸型アシルボランは従来合成例がなかった。
そこで本発明は、比較的簡便であり、且つ官能基許容性が高い方法で合成可能なアミノ酸型アシルボランおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記一般式(1)で表されるアシルボランを提供する。
Figure 2018159628
[式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、保護基、ペプチド残基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアシロキシ基を示し、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を示し、Rは−B(MIDA)基、−BFK基または−B(OR)(OR)基(ただし、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を示し、RおよびRは、それぞれが結合する2つの酸素原子および当該2つの酸素原子が結合するホウ素原子と一緒になって環を形成していてもよい)を示す。ただし、RおよびRは、それぞれが結合する窒素原子および炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。]
本発明のアシルボランは、カルボニル基のα炭素にアミノ基が結合したアミノ酸型アシルボランであり、ペプチドライゲーションへの適用が期待される。また、本発明のアシルボランは、以下に示す本発明の製造方法により、比較的簡便に合成することができる。
本発明はまた、下記一般式(2)で表されるビニルボランをオゾン分解することにより、下記一般式(1’)で表されるアシルボランを得る工程を含む、アシルボランの製造方法を提供する。
Figure 2018159628
[式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、保護基、ペプチド残基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアシロキシ基を示し、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を示し、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、シリル基またはアシル基を示す。]
Figure 2018159628
[式中、R、RおよびRは式(2)と同義である。]
本発明の製造方法によれば、ペプチドライゲーションに適用し得るアミノ酸型アシルボランを比較的簡便に製造することができる。また、オゾン分解は、従来のアシルボランの製造方法と比較すると官能基許容性が高く、本発明の製造方法は、より広範な化合物に適用することができる。
本発明はさらに、下記一般式(3)で表されるα-ヒドロキシトリフルオロボレートを酸化することにより、下記一般式(1”)で表されるアシルボランを得る工程を含む、アシルボランの製造方法を提供する。
Figure 2018159628
[式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、保護基、ペプチド残基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアシロキシ基を示し、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を示す。]
Figure 2018159628
[式中、R、RおよびRは式(3)と同義である。]
本発明によれば、比較的簡便であり、且つ官能基許容性が高い方法で合成可能なアミノ酸型アシルボランおよびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
およびRにおける「保護基」としては、アミノ基の保護基として従来公知のものを適宜使用することができ、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons刊に記載のアミノ基の保護基を使用することができる。その具体例としては、アセチル基(Ac基)、トリフルオロアセチル基、ピバロイル基、tert−ブトキシカルボニル基(Boc基)、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz基)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc基)、ベンズヒドリル基、トリチル基、フタロイル基、アリルオキシカルボニル基、p−トルエンスルホニル基、o−ニトロベンゼンスルホニル基、トリメチルシリルエトキシカルボニル基が挙げられる。なお、RまたはRの一方が保護基である場合には、通常もう一方の基は水素原子である。
およびRにおける「ペプチド残基」は、ペプチド分子の末端のカルボキシル基におけるOH基が存在せず、当該カルボキシル基におけるカルボニル基の炭素原子が直接一般式(1)中の窒素原子に結合したものをいう。なお、RまたはRの一方がペプチド残基である場合には、通常もう一方の基は水素原子である。また、RおよびRにおけるペプチド残基は、一部または全部の窒素原子が保護されたものであってもよい。
およびRにおける「アルキル基」は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、その炭素数も特に限定されないが、例えば炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
およびRにおける「アリール基」としては、例えばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
およびRにおける「アルコキシ基」としては、上述のアルキル基が酸素原子に結合した基が挙げられる。その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
およびRにおける「アシロキシ基」としては、例えばアセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ジエチルカルバモイルオキシ基が挙げられる。
における「置換基を有していてもよいアルキル基」の「アルキル基」としては、RおよびRにおける「アルキル基」と同様のものが挙げられる。「置換基」としては特に限定されないが、タンパク質を構成するアミノ酸と同様である観点から、グアニジノ基、カルバモイル基、チオール基、カルボキシ基、ヘテロアリール基、アリール基、ヒドロキシ基またはヒドロキシアリール基が好ましい。
における「置換基を有していてもよいアリール基」の「アリール基」としては、RおよびRにおける「アリール基」と同様のものが挙げられ、「置換基」としては、Rにおける「置換基を有していてもよいアルキル基」の「置換基」と同様なものが挙げられる。
およびRが、それぞれが結合する窒素原子および炭素原子と一緒になって形成される環としては、例えばピロリジン環が挙げられる。
における−B(MIDA)基は、下記式(A)で表される基であるが、下記式(A’)に示すように、窒素原子からホウ素原子への配位を省略して記載する場合もある。
Figure 2018159628
における−B(OR)(OR)基の具体例としては以下に示す基が挙げられる。
Figure 2018159628
一般式(1)で表されるアシルボランにおいて、Rが水素原子以外の基である場合には不斉中心が存在するが、当該アシルボランは、光学活性体であってもラセミ体であってもよい。なお、当該アシルボランをペプチドライゲーション等に適用する場合には、天然のアミノ酸と同様に光学活性体であることが好ましい。光学活性体は、原料として光学活性体を用いたり、ラセミ体を光学分割したりすることによって、得ることができる。
およびRにおける「アルキル基」、「アリール基」としては、RおよびRにおける「アルキル基」、「アリール基」と同様のものが挙げられる。RおよびRにおける「シリル基」はトリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基またはトリアリールシリル基のいずれであってもよい。その具体例としては、トリメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリフェニルシリル基が挙げられる。RおよびRにおける「アシル基」としては、例えばアセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基(Bz基)、シクロヘキサンカルボニル基が挙げられる。
本発明の第一の実施形態におけるアシルボランの製造方法は、上述のように、一般式(2)で表されるビニルボランをオゾン分解することにより、一般式(1’)で表されるアシルボラン(MIDAアシルボラン)を得る工程を含む。一般式(1’)で表されるアシルボランは、一般式(1)で表されるアシルボランに包含されるものであるが、本実施形態におけるアシルボランの製造方法は、一般式(1’)で表されるアシルボランを従来公知の方法により変換する方法を含んでいてもよい。
一般式(1’)で表されるアシルボランとしては、実施例において合成されているグリシン型アミノ酸誘導体(化合物4)やアラニン型アミノ酸誘導体(化合物9)の他に、例えば、嵩高いアルキル基を有するアミノ酸誘導体、塩基性官能基を有するアミノ酸誘導体、酸性官能基を有するアミノ酸誘導体、ヒドロキシ基を有するアミノ酸誘導体、アミド基を有するアミノ酸誘導体等が挙げられる。
嵩高いアルキル基を有するアミノ酸誘導体としては、例えば、下記化合物群(I)に示されるロイシン型、イソロイシン型、バリン型、フェニルアラニン型、プロリン型等のアミノ酸誘導体が挙げられる。これらのアミノ酸誘導体は、グリシン型、アラニン型のアミノ酸誘導体と同様の方法で合成することができる。原料であるビニルホウ素化合物(実施例の化合物1や化合物7)は、例えば、J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 7859.に記載のホウ素化反応により合成することができるが、ホウ素化反応における収率が低い場合には、反応温度を0℃や室温まで昇温する。
Figure 2018159628
塩基性官能基を有するアミノ酸誘導体としては、例えば、下記化合物群(II)に示されるリシン型、トリプトファン型、ヒスチジン型等のアミノ基を有するアミノ酸誘導体が挙げられる。これらのアミノ基を有するアミノ酸誘導体は、アミノ基の保護基としてtert-ブトキシカルボニル(Boc)基、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)基、アリルオキシカルボニル基(Alloc)基等を用いることで、グリシン型、アラニン型のアミノ酸誘導体と同様の合成法で合成可能である。Boc基、Cbz基、Alloc基はペプチドの固相合成でも広く用いられている一般的な保護基であり、Boc基は酸 (TFA) による処理、Cbz基は水素ガスとPd/Cを用いた水素添加による処理、Alloc基はPd(PPh3)4による処理により、それぞれ脱保護が可能である。
Figure 2018159628
酸性官能基を有するアミノ酸誘導体としては、例えば、下記化合物群(III)に示されるアスパラギン酸型、グルタミン酸型等のカルボキシ基を有するアミノ酸誘導体が挙げられる。これらのカルボキシ基を有するアミノ酸誘導体は、カルボキシ基の保護基として、t-ブチル基、ベンジル基、アリル基を用いることで、グリシン型、アラニン型のアミノ酸誘導体と同様の合成法で合成可能である。t-ブチル基、ベンジル基、アリル基はペプチドの固相合成でも広く用いられている一般的な保護基であり、それぞれt-ブチル基は酸 (TFA) による処理、ベンジル基は水素ガスとPd/Cを用いた水素添加による処理、アリル基はPd(PPh3)4による処理により、それぞれ脱保護が可能である。
Figure 2018159628
ヒドロキシ基を有するアミノ酸誘導体としては、下記化合物群(IV)に示されるセリン型、チロシン型、スレオニン型等のアミノ酸誘導体が挙げられる。これらのアミノ酸誘導体は、ヒドロキシ基の保護基としてt-ブチル基 (R = Me)、トリチル基 (R = Ph) を用いることで、グリシン型、アラニン型のアミノ酸誘導体と同様の合成法で合成可能である。t-ブチル基、トリチル基はペプチドの固相合成でも広く用いられている一般的な保護基であり、それぞれ酸 (TFA) による処理で脱保護が可能である。
Figure 2018159628
アミド基を有するアミノ酸誘導体としては、例えば、下記化合物群(V)で示されるアスパラギン型、グルタミン型等のアミノ酸誘導体が挙げられる。これらのアミノ酸誘導体は、アミド構造の窒素原子の保護基としてトリチル基を用いることで、グリシン型、アラニン型のアミノ酸誘導体と同様の合成法で合成可能である。トリチル基はペプチドの固相合成でも広く用いられている一般的な保護基であり、酸 (TFA) による処理で脱保護が可能である。
Figure 2018159628
一般式(1’)で表されるアシルボランは、従来公知の方法で他のアシルボランに変換することができる。例えば、実施例でも示されているように、KHFを作用させることにより、KATに変換することができる。また、得られたKATに対して、トリメチルシリルクロリドを作用させることにより、Rが−B(OH)であるアシルボランを得ることができる。また、得られたKATに対して、トリメチルシリルクロリドおよび対応するアルコールを作用させることで、Rが−B(OR)(OR)であるアシルボランを得ることができる。
また、R、RおよびRについても、従来公知の方法で変換が可能である。例えば、Rとして保護基を有するビニルボランを原料として用い、反応後に脱保護して別の置換基を導入したり、RおよびRが水素原子であるビニルボランを原料として用い、反応後に従来公知の方法でペプチド鎖を導入したりすることもできる。
オゾン分解は従来公知の方法により行うことができるが、例えば次の方法で行うことができる。溶媒としてのアセトン、メタノール、酢酸エチル等の存在下、低温(例えば、0℃〜−78℃)でオゾンガス(Oガス)を作用させる。過剰の遊離オゾンによって反応混合物が青色となり、反応が完了したことを確認した後に、酸素ガス(Oガス)をバブリングし、次いでジメチルスルフィド等の還元剤で還元することにより、目的のアシルボランが得られる。オゾン分解は、強酸や強塩基等を用いることがないので、比較的官能基許容性が高い。
本発明者らは、種々のビニルボランについて、オゾン分解を検討したが、ビニルボランがMIDA以外の保護基、例えば−BFK基、ピナコールエステル基(B(pin)基)、ジアミノナフタレン基(B(dan)基)で保護されたビニルボランに関しては複雑な混合物を与えるのみで、目的のアシルボランを得ることはできなかった。
本発明の第二の実施形態におけるアシルボランの製造方法は、上述のように、一般式(3)で表されるα-ヒドロキシトリフルオロボレートを酸化することにより、下記一般式(1”)で表されるアシルボランを得る工程を含む。一般式(1”)で表されるアシルボランは、一般式(1)で表されるアシルボランに包含されるものであるが、本実施形態のアシルボランの製造方法は、一般式(1”)で表されるアシルボランを従来公知の方法により変換する方法を含んでいてもよい。なお、一般式(3)で表されるα-ヒドロキシトリフルオロボレートは、合成例7と同様の方法で、対応するアルデヒドをヒドロホウ素化することにより合成することができる。
一般式(3)で表されるα-ヒドロキシトリフルオロボレートの酸化は従来公知の方法により行うことができるが、例えばアルブライト・ゴールドマン酸化、スワーン酸化、パリック・デーリング酸化、Moffatt酸化、TEMPO酸化 (AZADO、nor-AZADOを用いるものを含む)、レイ・グリフィス酸化等を適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。なお、実施例中、"Me"はメチル基を示し、"Et"はエチル基を示し、"THF"はテトラヒドロフランを示し、"(SIMes)CuCl"は、以下の式で表される化合物を示す。
Figure 2018159628
(合成例1)
Potassium(3-((tert-butoxycarbonyl)amino)prop-1-en-2-yl)trifluoroborate (化合物2)の合成
Figure 2018159628
500 mLのナスフラスコにtert-Butyl(2-(4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolan-2-yl)allyl)carbamate(J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 7859.に記載の下記化合物1) (28.3 g, 100 mmol)、KHF2 (35.1 g, 450 mmol)、MeOH (200mL)およびH2O (100 mL)を順次加え、室温下30分間撹拌した。減圧下でMeOHとH2Oを留去した後、桐山ロートを用いて得られた固体をEt2Oで洗った。その後、アセトンで濾過することで化合物2を単離した。
収量 19.1 g、収率67%
Figure 2018159628
(合成例2)
tert-Butyl(2-(6-methyl-4,8-dioxo-1,3,6,2-dioxazaborocan-2-yl)allyl)carbamate (化合物3)の合成
Figure 2018159628
500 mLの二径ナスフラスコに化合物2(17.1 g, 65 mmol)を加え、窒素雰囲気下、アセトニトリル (200 mL)、bis(trimethylsilyl) 2,2'-(methylazanediyl)diacetate (18.9g, 65 mmol)、BF3・Et2O (8.2 mL, 65mmol)を順次加え80℃で20時間撹拌した。反応物を室温まで冷却後、桐山ロートを用いて得られた固体をEt2Oで洗った後、アセトンで濾過した。得られたアセトン溶液を減圧下濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により化合物3を単離した。
収量 16.9 g、収率84%
1H NMR (396 MHz, CD3CN, δ): 1.40 (s, 9H), 2.82 (s, 3H), 3.65 (dt, J = 1.8, 6.3 Hz, 2H), 3.83(d, J = 17.2 Hz, 2H), 3.97 (d, J = 16.8 Hz, 2H), 5.39 (s, 1H), 5.45 (brs, 1H),5.54 (s, 1H).
13C NMR (99 MHz, CD3CN, δ): 28.7 (CH3), 44.6 (CH2), 47.6 (CH3),62.7 (CH2), 79.3 (C), 123.1 (CH2), 145.2 (br, B-C), 157.0(C), 169.4 (C).
11B NMR (127 MHz, CD3CN, δ): 11.19 (s).
HRMS-ESI (m/z): [M+Na]+ calcd for C13H21O6N2 10BNa,334.14212; found: 334.14221.
(実施例1)
tert-Butyl(2-(6-methyl-4,8-dioxo-1,3,6,2-dioxazaborocan-2-yl)-2-oxoethyl) carbamate (化合物4)の合成
Figure 2018159628
50 mLナスフラスコに化合物3(936 mg, 3.0 mmol)、アセトン(20 mL)を加え-78℃へ冷却した。反応液にOガスをバブリングした。反応液が青くなるのを確認した後、Oを止め、Oガスを5分間バブリングした。その後、ジメチルスルフィド(3 mL)を加え5分間撹拌し、反応液を室温まで昇温し減圧下濃縮した。Et2Oで洗ったのちシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により化合物4を単離した。
収量 820 mg、収率87%、純度90%
1H NMR (396 MHz, acetone-d6,δ): 1.40 (s, 9H), 3.09 (s, 3H), 4.14-4.18 (m, 4H), 4.38(d, J = 17.2 Hz, 2H), 5.89 (brs, 1H).
13C NMR (99 MHz, acetone-d6,δ): 28.9 (CH3), 47.8 (CH3), 55.5(CH2), 63.4 (CH2), 79.3 (C), 156.9 (C), 169.1 (C). The carbon directly attached to the boron atom was not detected, likely due to quadropolar relaxation.
11B NMR (127 MHz, acetone-d6,δ): 5.38 (s).
HRMS-ESI (m/z): [M+Na]+ calcd for C12H19O7N2 10BNa,336.12138; found: 336.12209.
(実施例2)
Potassium ((tert-butoxycarbonyl)glycyl)trifluoroborate (化合物5)の合成
Figure 2018159628
50 mLのナスフラスコに化合物4(785 mg, 2.5 mmol)、KHF2(879 mg, 11.3 mmol)、THF (12.5 mL)およびH2O(6.3 mL)を順次加え、室温下2時間 撹拌した。減圧下でTHFとH2Oを留去した後、桐山ロートを用いて得られた固体をEt2Oで洗った後、アセトンで濾過することで化合物5を単離した。
収量 470 mg、収率71%
(合成例3)
tert-butyl(S)-(3-(4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolan-2-yl)but-3-en-2-yl)carbamate (化合物7)の合成
Figure 2018159628
ねじ口試験管に(SIMes)CuCl (50.5 mg, 0.05 mmol)、NaOtBu (12.0 mg, 0.05 mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン (698 mg, 2.8 mmol)を加え、窒素雰囲気下でTHF (3.9 mL)を加えて室温で10分間撹拌した。反応液を-78℃に冷やしtert-butyl (S)-but-3-yn-2-ylcarbamate(Eur.J. Org. Chem. 2015, 2015, 5414.に記載の下記化合物6) (423 g, 2.5mmol)、MeOH (152 μL, 3.75 mmol)を順次加え、-30℃に昇温し5時間撹拌した。簡易的なショートカラム(酢酸エチル)を行ったのち、減圧下で有機溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン = 1-5%)で化合物7を単離した。
収量 675 mg、収率91%
1H NMR (401 MHz, CDCl3, δ): 1.22 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.27 (s, 12H), 1.44 (s, 9H), 4.32 (brs,1H), 5.02 (brd, J = 7.2 Hz, 1H), 5.72 (s, 1H), 5.79 (s, 1H).
13C NMR (99 MHz, acetone-d6,δ): 22.9 (CH3), 29.0 (CH3), 47.6(CH3), 50.3 (CH), 62.7 (CH2), 63.0 (CH2), 79.0(C), 122.1 (CH2), 153.1 (br, B-C), 156.5 (C), 169.3 (C), 169.8 (C).
HRMS-EI (m/z): [M-CH3]+ calcd for C14H25O4N1 10B,281.19129; found: 281.19103.
Figure 2018159628
(合成例4)
tert-Butyl(2-(6-methyl-4,8-dioxo-1,3,6,2-dioxazaborocan-2-yl)allyl)carbamate (化合物8)の合成
Figure 2018159628
50 mLの二径ナスフラスコに化合物7(743 mg, 2.5 mmol)、MIDA(2.28 g, 15.5 mmol)を加え、窒素雰囲気下、DMSO (ジメチルスルホキシド)(25 mL)、triethylorthoformate (1.48 g, 10 mmol)を順次加え、100℃で24時間撹拌した。反応物を室温まで冷却後、酢酸エチルとNH4Cl水溶液を用いて抽出、得られた有機溶媒をbrineで洗ったのちMgSO4で乾燥した。有機溶媒を濾過し、減圧下濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン = 50%)により化合物8を単離した。
収量 398 mg、収率48%
1H NMR (401 MHz, CD3CN, δ): 1.16 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.37 (s, 9H), 2.83 (s, 3H), 3.79 (d, J =17.2 Hz, 2H), 3.89-4.08 (m, 5H), 5.38 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 5.60 (brs, 1H), 5.65(s, 1H).
13C NMR (100 MHz, CD3CN, δ): 45.0 (CH2),47.6 (CH3), 48.2 (CH), 62.7 (CH2), 66.9 (CH2),121.0 (CH), 123.3 (CH2), 126.2 (CH), 128.1 (CH), 128.7 (CH), 142.2 (C)145.2 (C) 157.4 (C) 169.4 (C). The carbon directly attached to the boron atom was not detected, likely due to quadropolar relaxation.
11B NMR (127 MHz, CD3CN, δ): 10.99 (s).
HRMS-ESI (m/z): [M+Na]+ calcd for C14H23O6N2 10BNa,348.15777; found: 348.15828.
(実施例3)
tert-Butyl(S)-(1-(6-methyl-4,8-dioxo-1,3,6,2-dioxazaborocan-2-yl)-1-oxopropan-2-yl)carbamate(化合物9)の合成
Figure 2018159628
25 mLのナスフラスコに化合物8(326 mg, 1.0 mmol)、アセトン(6.7 mL)を加え-78℃へ冷却した。反応液にOガスをバブリングした。反応液が青くなるのを確認した後、Oを止め、Oガスを5分間バブリングした。その後、ジメチルスルフィド(1 mL)を加え5分間撹拌し、反応液を室温まで昇温し減圧下濃縮した。Et2Oで洗ったのちシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により化合物9を単離した。
収量 316 mg、収率 90%、純度 95%
1H NMR (396 MHz, CD3CN, δ): 1.22 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.39 (s, 9H), 2.83 (s, 3H), 3.91 (dd, J= 6.1, 17.0 Hz, 3H), 4.04 (dd, J = 2.0, 17.0 Hz, 1H), 4.43 (quint, J = 77.2 Hz,1H), 5.54 (brs, 1H).
13C NMR (99 MHz, acetone-d6,δ): 15.6 (CH3), 28.9 (CH3), 47.9(CH3), 58.8 (CH), 63.4 (CH2), 63.4 (CH2), 79.4(C), 156.6 (C), 168.8 (C), 169.4 (C).
11B NMR (127 MHz, acetone-d6,δ): 5.50 (s).
HRMS-ESI (m/z): [M+Na]+ calcd for C13H21O7N2 10BNa,350.13703; found: 350.13671.
(参考例1)
化合物10(アミノ酸型アシルボラン)を用いた化学ライゲーション
Figure 2018159628
20mLの二径ナスフラスコに化合物10(89.7 mg, 0.26 mmol, 純度70%) を加え窒素雰囲気下でアセトニトリル (2.7 mL)、H2O(0.3 mL)、化合物11(69.1 mg, 0.29 mmol) を加え室温で1時間撹拌した。Et2OとNH4Cl水溶液を用いて抽出したのち、brineで洗浄した。集めた有機層をNa2SO4で乾燥、減圧下濃縮した後シリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン = 20%-60%)により単離した。
収量 36.9 mg、収率45%
(参考例2)
化合物11(アミノ酸型アシルボラン)を用いたKATライゲーション
Figure 2018159628
50mLの二径ナスフラスコに化合物12 (59.8 mg, 0.26 mmol, 純度70%) を加え窒素雰囲気下でアセトニトリル (18 mL)、H2O(2 mL)、化合物11 (48.3 mg, 0.2 mmol)を加え室温で一時間撹拌した。内部標準CH2Br2を加えNMR収率を求めた。
収率: 51%
なお、化合物10および12は、それぞれアミノ基の保護基をtert-ブトキシカルボニル基(Boc基)からベンジルオキシカルボニル基(Cbz基)に代えた原料を用いた他は、化合物4および5と同様の方法で合成した。
(合成例5)
(9H-Fluoren-9-yl)methyl [2-(6-methyl-4,8-dioxo-1,3,6,2-dioxazaborocan-2-yl)allyl] carbamate (化合物13)の合成
Figure 2018159628
100 mLの二径ナスフラスコに化合物3(1.57 g, 5.02 mmol) を加え窒素雰囲気下、dioxane (25 mL) を加え、0℃に氷冷した。4 MのHCl dioxane溶液 (25 mL) を加え、室温まで昇温し30分撹拌した。生じた懸濁液をEt2Oで希釈し、遠心分離により固体を回収、減圧下で乾燥した。
得られた固体 (1.24 g)とFmoc-OSu (N-[(9H-Fluoren-9-ylmethoxy)carbonyloxy]succinimide) (1.68 g, 5.0 mmol)を100 mLの二径ナスフラスコに加えた後に、窒素雰囲気下でdioxane (33 mL) を加えて0℃に冷やした。DIPEA (N,N−ジイソプロピルエチルアミン) (1.74 mL, 10 mmol)を加え、反応液を室温まで昇温し20時間撹拌した。反応物をNH4Cl水溶液と酢酸エチルを用いて抽出、得られた有機溶媒をbrineで洗った後MgSO4で乾燥した。有機溶媒を濾過し、減圧下濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより化合物13を単離した。
収量 1.65 g、収率 76% (2 steps)
1H NMR (392 MHz, CD3CN, δ): 2.81 (s, 3H), 3.71 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 3.81 (d, J = 17.0 Hz, 2H), 3.96 (d, J = 17.1 Hz, 2H), 4.23 (t, J = 6.7 Hz, 1H), 4.34 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 5.38 (s, 1H), 5.51 (s, 1H), 5.85 (brs, 1H), 7.34 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 7.42 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.67 (d, J = 7.2 Hz, 2H) 7.84 (d, J = 7.6 Hz, 2H).
13C NMR (99 MHz, CD3CN, δ): 45.0 (CH2), 47.6 (CH3), 48.2 (CH), 62.7 (CH2), 66.9 (CH2), 121.0 (CH), 123.2 (CH2), 126.2 (CH), 128.1 (CH), 128.7 (CH), 142.2 (C), 145.3 (C), 157.4 (C), 169.4 (C). The carbon directly attached to the boron atom was not detected, likely due to quadropolar relaxation.
HRMS-ESI (m/z): [M+Na]+ calcd for C23H33O6N2 10BNa, 456.15777; found, 456.15848.
(実施例4)
(9H-Fluoren-9-yl)methyl [2-(6-methyl-4,8-dioxo-1,3,6,2-dioxazaborocan-2-yl)-2-oxoethyl] carbamate (化合物14)の合成
Figure 2018159628
30 mLのナスフラスコに化合物13 (130.2 mg, 0.30 mmol))、アセトン(1.67 mL)、Sudan III (0.1 mg) を加え-78℃へ冷却した。反応液にOガスをバブリングした。反応液の赤色が消失するのを確認した後、Oガスを止め、Oガスを5分間バブリングした。その後ジメチルスルフィド (0.3 mL) を加え、5分間撹拌し、反応液を室温まで昇温し減圧下濃縮した。Et2Oで洗うことで化合物14を単離した。
収量 85.1 mg、収率 65%
1H NMR (396 MHz, acetone-d6, δ): 3.10 (s, 3H), 4.17 (d, J = 17.2 Hz, 2H), 4.23-4.35 (m, 5H), 4.39 (d, J = 16.7 Hz, 2H), 6.51 (brt, J = 4.8 Hz, 1H), 7.34 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.42 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.74 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 7.87 (d, J = 7.7 Hz, 2H).
13C NMR (99 MHz, acetone-d6, δ): 47.5 (CH3), 47.9 (CH), 55.4 (CH2), 63.1 (CH2), 67.2 (CH2), 120.8 (CH), 126.2 (CH), 128.0 (CH), 128.5 (CH), 142.1 (C), 145.1 (C), 157.3 (C), 168.9 (C). The carbon directly attached to the boron atom was not detected, likely due to quadropolar relaxation.
11B NMR (127 MHz, acetone-d6, δ): 5.35 (s).
HRMS-ESI (m/z): [M+Na]+ calcd for C22H21O7N2 10BNa, 458.13703; found, 458.13718.
(実施例5)
Potassium ({[(9H-fluoren-9-yl)methoxy]carbonyl}glycyl)trifluoroborate (化合物15)の合成
Figure 2018159628
ネジ口試験管に化合物14 (436.1 mg, 1.00 mmol)、KHF2 (351.0 mg, 4.50 mmol)、THF (2.0 mL) およびH2O (1.0 mL) を順次加え、室温下24時間撹拌した。減圧下でTHFとH2Oを留去した後、得られた固体を桐山ロートを用いてEt2Oで洗った後、アセトンで濾過することで化合物15を単離した。
収量 328.6 mg, 収率 85%
1H NMR (396 MHz, DMSO-d6, δ): 3.83 (d, J = 5.9 Hz, 3H), 4.12-4.21 (m, 2H), 6.80 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 7.33 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.42 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.73 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 7.89 (d, J = 7.7 Hz, 2H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6, δ): 46.7 (CH), 52.5 (CH2), 65.6 (CH2), 120.1 (CH), 125.4 (CH), 127.1 (CH), 127.7 (CH), 140.7 (C), 144.0 (C), 156.2 (C).
11B NMR (127 MHz, DMSO-d6): -1.58 (s).
HRMS-ESI: [M-K]- calculated for C17H14O3N10BF3, 347.10606; found, 347.10653.
(合成例6)
(9H-fluoren-9-yl)methyl(S)-(2-{[3-(6-methyl-4,8-dioxo-1,3,6,2-dioxazaborocan-2-yl)but- 3-en-2-yl]amino}-2-oxoethyl)carbamate (化合物16)の合成
Figure 2018159628
100 mLの二径ナスフラスコに化合物8(878.8 mg, 2.70 mmol) を加え窒素雰囲気下、4 MのHCl dioxane溶液 (27 mL) を加え、室温で30分撹拌した。生じた懸濁液をEt2Oで希釈し、遠心分離により固体を回収、減圧下で乾燥した。
得られた固体 (673.8 mg, 2.70 mmol)、Fmoc-Gly-OH (1.6055 g, 5.4 mmol)、EDC (1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド) (0.7764 g, 4.1 mmol)とHOBt (1-ヒドロキシベンゾトリアゾール)(0.6202 g, 4.6 mmol)を100 mLの二径ナスフラスコに加えた後に、窒素雰囲気下でDMF (21 mL)を加えて0℃に冷やした。DIPEA (0.56 mL, 3.2 mmol)を加え、反応液を室温まで昇温し17時間撹拌した。反応物をNH4Cl水溶液と酢酸エチルを用いて抽出、得られた有機溶媒をbrineで洗った後MgSO4で乾燥した。有機溶媒を濾過し、減圧下濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより化合物16を単離した。
収量 833.8 mg、収率 64% (2 steps)
1H NMR (392 MHz, CD3CN, δ): 1.20 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 2.82 (s, 3H), 3.66 (d, J = 6.3 Hz, 2H), 3.79 (d, J = 17.0 Hz, 1H), 3.91 (s, 1H), 3.96 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 4.23-4.36 (m, 4H), 5.37 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 5.63 (s, 1H), 5.94 (brt, J = 5.6 Hz, 1H), 6.76 (brd, J = 6.7 Hz, 1H), 7.34 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 7.42 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 7.67 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.84 (d, J = 7.6 Hz, 2H).
13C NMR (99 MHz, CD3CN, δ): 22.2 (CH3), 44.8 (CH2), 47.7 (CH3), 47.9 (CH), 48.9 (CH), 62.5 (CH2), 62.8 (CH2), 67.3 (CH2), 121.0 (CH), 122.9 (CH2), 126.2 (CH), 128.1 (CH), 128.7 (CH), 142.1 (C), 145.1 (C), 157.6 (C), 169.3 (C), 169.4 (C), 169.7 (C).
11B NMR (127 MHz, CD3CN): 11.03 (s).
HRMS-ESI: [M+Na]+ calculated for C26H28O7N3 10BNa, 527.19488; found, 527.19522.
[α]D 24.0 +25.3 (c 1.0 in CH3CN, 99% ee).
The ee value was determined by HPLC analysis. Daicel CHIRALPAK(登録商標) OD-3, 2-PrOH/Hexane = 100/0, 0.5 mL/min, 40 ℃, (R)-isomer: tR = 49.65 min., (S)-isomer: tR = 44.72 min.
(実施例6)
(9H-Fluoren-9-yl)methyl (S)-(2-{[1-(6-methyl-4,8-dioxo-1,3,6,2-dioxazaborocan-2-yl)-1-oxopropan-2-yl]a mino}-2-oxoethyl)carbamate (化合物17)の合成
Figure 2018159628
30 mLのナスフラスコに化合物16 (923.3 mg, 1.83 mmol)、アセトン(12.2 mL)、Sudan III (0.3 mg) を加え-78℃へ冷却した。反応液にOガスをバブリングした。反応液の赤色が消失するのを確認した後、Oガスを止め、Oガスを5分間バブリングした。その後ジメチルスルフィド (1.8 mL) を加え、5分間撹拌し、反応液を室温まで昇温し減圧下濃縮した。Et2Oで洗うことで化合物17を単離した。
収量 702.4 mg、収率 76% (純度95%)
1H NMR (396 MHz, DMSO-d6, δ): 1.15 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 2.79 (s, 3H), 3.57-3.70 (m, 2H), 4.05 (dd, J = 4.9, 17.2 Hz, 2H), 4.20-4.40 (m, 5H), 4.61 (quint, J = 7.5 Hz, 1H), 7.32 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.41 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.53 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.89 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 8.02 (d, J = 6.3 Hz, 1H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6, δ): 14.5 (CH3), 43.1 (CH2), 46.7 (CH), 47.0 (CH3), 56.1 (CH), 62.1 (CH2), 65.8 (CH2), 120.2 (CH), 125.3 (CH), 127.2 (CH), 127.7 (CH), 140.8 (C), 143.9 (C), 156.5 (C), 168.7 (C), 168.8 (C), 169.2 (C).
11B NMR (127 MHz, DMSO-d6, δ): 4.77 (s).
HRMS-ESI: [M+Na]+ calculated for C25H26O8N3 10BNa, 529.17415; found, 529.17476.
[α]D 23.9 +28.3 (c 1.0 in CH3CN).
(実施例7)
Potassium ({[(9H-fluoren-9-yl)methoxy]carbonyl}glycyl-L-alanyl)trifluoroborate (化合物18)の合成
Figure 2018159628
ネジ口試験管に化合物17 (600.4 mg, 1.18 mmol)、KHF2 (414.2 mg, 5.31 mmol)をTHF (2.4 mL) およびH2O (1.2 mL) を順次加え室温下24 h撹拌した。減圧下でTHFとH2Oを留去した後、桐山ロートを用いて得られた固体をEt2Oで洗った後、アセトンで濾過することで化合物18を単離した。
収量 346.5 mg、収率 64%
1H NMR (396 MHz, acetone-d6, δ): 1.23 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 3.82-3.88 (m, 2H), 4.23-4.34 (m, 3H), 4.59 (quint, J = 6.8 Hz, 1H), 6.89 (brt, J = 4.8 Hz, 1H), 7.31-7.35 (m, 2H), 7.41 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.74 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 7.86 (d, J = 7.1 Hz, 2H).
13C NMR (99 MHz, CD3CN, δ): 16.3 (CH3), 44.8 (CH2), 47.8 (CH), 56.5 (CH), 67.4 (CH2), 120.9 (CH), 126.1 (CH), 128.0 (CH), 128.6 (CH), 142.0 (C), 144.97 (C), 145.00 (C), 157.6 (C), 169.4 (C).
11B NMR (127 MHz, acetone-d6): 0.00 (s).
HRMS-ESI: [M-K]- calculated for C20H19O4N2 10BF3, 418.14318; found, 418.14391.
[α]D 24.5 +17.5 (c 1.0 in MeOH).
(参考例3)
化合物15を用いた化学ライゲーションによるジペプチド(化合物19)の合成
Figure 2018159628
1Lのナスフラスコに化合物15 (116.6 mg, 0.30 mmol)、glycine benzyl ester p-toluenesulfonate (102.3 mg, 0.30 mmol)、THF (150 mL) およびpH 3 buffer (150 mL)、1,3-dichloro-5,5-dimethylhydantoin (DCH, 64.9 mg, 0.33 mmol) を順次加えて24時間撹拌した。反応物をNa2SO3水溶液でクエンチし、減圧下濃縮した後、brineと酢酸エチルを用いて抽出、得られた有機溶媒をMgSO4で乾燥した。有機溶媒を濾過し、減圧下濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより化合物19を単離した。
収量 67.2 mg、収率 50%
1H NMR (392 MHz, CDCl3, δ): 3.93 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 4.10 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 4.23 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.45 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 5.19 (s, 2H), 5.38 (brs, 1H), 6.41 (brs, 1H), 7.26-7.42 (m, 9H), 7.59 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.76 (d, J = 7.3 Hz, 2H).
13C NMR (100 MHz, CDCl3, δ): 41.2 (CH2), 44.2 (CH2), 47.0 (CH), 67.1 (CH2), 67.2 (CH2), 119.9 (CH), 125.0 (CH), 127.0 (CH), 127.7 (CH), 128.3 (CH), 128.5 (CH), 128.6 (CH), 134.9 (C), 141.2 (C), 143.6 (C), 156.6 (C), 169.4 (C), 169.6 (C).
HRMS-ESI: [M+Na]+ calculated for C26H24O5N2Na, 467.15774; found, 467.15823.
(参考例4)
化合物18を用いた化学ライゲーションによるテトラペプチド(化合物20)の合成
Figure 2018159628
100 mLのナスフラスコに化合物18 (136.2 mg, 0.30 mmol)、H-Gly-Pro-OBn·HCl (89.6 mg, 0.30 mmol)、THF (1.5 mL) およびpH 3 buffer (1.5 mL)、DCH (64.9 mg, 0.33 mmol) を順次加えて1時間撹拌した。反応物をNa2SO3水溶液でクエンチし、brineと酢酸エチルを用いて抽出、得られた有機溶媒をMgSO4で乾燥した。有機溶媒を濾過し、減圧下濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより化合物20を単離した。
収量 111.6 mg、収率 61% (containing small amount of chlorinated product)
1H NMR (392 MHz, CDCl3, δ): 1.41 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.98-2.23 (m, 4H), 3.44-3.67 (m, 2H), 3.92 (s, 2H), 4.05 (s, 2H), 4.23 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 4.41 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 4.56-4.61 (m, 2H), 5.13 (d, J = 12.1 Hz, 1H), 5.18 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 5.63 (brs, 1H), 6.73 (brs, 1H), 6.94 (brs, 1H), 7.29-7.42 (m, 9H), 7.60 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.76 (d, J = 7.6 Hz, 2H).
13C NMR (99 MHz, CDCl3, δ): 18.5 (CH3), 24.4 (CH2), 28.8 (CH2), 41.8 (CH2), 44.1 (CH2), 45.9 (CH2), 46.9 (CH), 48.7 (CH), 58.9 (CH), 66.8 (CH2), 67.0 (CH2), 119.7 (CH), 125.1 (CH), 126.9 (CH), 127.5 (CH), 127.9 (CH), 128.2 (CH), 128.4 (CH), 135.3 (C), 141.0 (C), 143.7 (C), 156.6 (C), 166.9 (C), 169.1 (C), 171.5 (C), 172.5 (C).
HRMS-ESI: [M+Na]+ calculated for C34H36O7N4Na, 635.24762; found, 635.24799.
[α]D 24.0 -45.0 (c 1.0 in CH3CN).
化合物20の不純物からの精製は逆相HPLCを用いて以下の条件で行った。Simadzu Prominence HPLC with PDA detector; Mighysil RP-18 GP Aqua column (250 mm L × 4.6 mm ID, 5 μm, Kanto Chemical Co., Inc.); flow rate, 1 mL min-1; temperature, 30℃; mobile phase A, water + 0.05% TFA, mobile phase B, acetonitrile + 0.05% TFA; gradient conditions, 40% B, 0-30 min; 40%-100% B, 30-40 min; 100% B, 40-50 min; detection, 254 nm; injection volume, 25 μL (1mg/mL in acetonitrile/H2O (1:1), 5 cycles).
Daiel CHIRALPAK(登録商標) IC-3, MeOH/CHCl3 = 100/0, 0.5 mL/min, 40 ℃, (L,L)-isomer: tR = 8.59 min., (D,L)-isomer: tR = 12.13 min.
(合成例7)
α-アミノアルデヒド (化合物21)のホウ素化によるα-ヒドロキシトリフルオロボレート (化合物22)の合成
Figure 2018159628
30 mL二径ナスフラスコにICyCuCl (chloro[1,3-dicyclohexylimidazol-2-ylidene]copper(I)) (33.2 mg, 0.10 mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン (558.6 mg, 2.2 mmol) を加え、窒素雰囲気下でtoluene (6.7 mL)、K(O-t-Bu) (1 M in THF, 200 μL) を加えて室温で10分間撹拌した。反応液を0℃に冷やしbenzyl (2-oxoethyl)carbamate(Tetrahedron Lett. 1984, 25, 5303.に記載の上記化合物21) (386.1 mg, 2.0 mmol)、MeOH (162 μL, 4.0 mmol) を順次加え、室温に昇温し4時間撹拌した。再度反応液を0℃に冷やしMeOH (3.0 mL)、KHF2水溶液 (2.5 M, 3.5 mL) を加えて1時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去した後、桐山ロートを用いて得られた固体をEt2Oで洗った後、アセトンで濾過することで化合物22を単離した。
収量 279.6 mg, 収率 52%
1H NMR (396 MHz, CD3CN, δ): 1.88 (brd, J = 4.1 Hz, 1H), 2.80-2.82 (m, 1H), 2.99-3.05 (m, 1H), 3.15-3.21 (m, 1H), 5.03 (s, 2H), 5.50 (brs, 1H), 7.29-7.43 (m, 5H).
11B NMR (127 MHz, CD3CN, δ): 3.14 (brs).
(実施例8)
α-ヒドロキシトリフルオロボレート (化合物22) の酸化によるアミノ酸型アシルボロン(化合物23)の合成
Figure 2018159628
30 mL二径ナスフラスコに化合物22(133.6 mg, 0.50 mmol)を加え、窒素雰囲気下、DMSO (8.3 mL)およびAc2O (無水酢酸)(945.3 mg, 10.0 mmol) を順次加えて室温で12時間撹拌した。DMSOを減圧下留去した後、桐山ロートを用いて得られた固体をEt2Oで洗った。その後、アセトンで濾過することで化合物23を単離した。
収量 95.7 mg, 収率 64%
1H NMR (396 MHz, CD3CN, δ): 3.97-4.21 (m, 2H), 5.72 (brs, 1H), 7.29-7.37 (m, 5H).
11B NMR (127 MHz, CD3CN, δ): -1.03 (q, J = 49 Hz).

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されるアシルボラン。
    Figure 2018159628
    [式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、保護基、ペプチド残基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアシロキシ基を示し、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を示し、Rは−B(MIDA)基、−BFK基または−B(OR)(OR)基(ただし、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を示し、RおよびRは、それぞれが結合する2つの酸素原子および当該2つの酸素原子が結合するホウ素原子と一緒になって環を形成していてもよい)を示す。ただし、RおよびRは、それぞれが結合する窒素原子および炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。]
  2. が保護基であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基であり、Rが−B(MIDA)基又は−BFK基である、請求項1に記載のアシルボラン。
  3. 下記一般式(2)で表されるビニルボランをオゾン分解することにより、下記一般式(1’)で表されるアシルボランを得る工程を含む、アシルボランの製造方法。
    Figure 2018159628
    [式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、保護基、ペプチド残基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアシロキシ基を示し、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を示し、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、シリル基またはアシル基を示す。]
    Figure 2018159628
    [式中、R、RおよびRは式(2)と同義である。]
  4. が保護基であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基であり、RおよびRが水素原子である、請求項3に記載の製造方法。
  5. 下記一般式(3)で表されるα-ヒドロキシトリフルオロボレートを酸化することにより、下記一般式(1”)で表されるアシルボランを得る工程を含む、アシルボランの製造方法。
    Figure 2018159628
    [式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、保護基、ペプチド残基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアシロキシ基を示し、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を示す。]
    Figure 2018159628
    [式中、R、RおよびRは式(3)と同義である。]
  6. が保護基であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基である、請求項5に記載の製造方法。
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