JPWO2018147399A1 - アルミニウムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明のアルミニウムの製造方法は、Alを含む水和物を水に溶解させて、Alイオンを含む水溶液を調製する溶解工程と、水溶液から構成される水相と、抽出剤から構成される有機相とを接触させることで、水相中のAlイオンを有機相に抽出する抽出工程と、有機相を電解液として電解することによって、電解液中のAlイオンから金属Alを陰極表面に電析させる電析工程と、を含む。溶解工程は、水溶液中のAlイオンの濃度が0.01〜1Mであり、抽出工程での抽出条件は、体積比(水相/有機相)が0.1〜2であり、浴温が20〜100℃であり、かつ、攪拌時間が1〜60分間であり、電析工程での電析条件は、浴温が20〜350℃であり、かつ、電流密度が1〜1000μA/cm2である

Description

本発明は、安価で環境に配慮したアルミニウムの製造方法に関する。
アルミニウム(以下、「Al」と記す)は標準電極電位が水素より著しく卑であるため、電気めっきを行う際に水溶液を使用することはできない。そのため、従来より、溶融塩や有機溶媒といった非水溶液を電解液として用いた電気Alめっき方法が知られている(特許文献1)。具体的に、特許文献1には、無水AlClと(ジ)アルキルイミダゾリウムの溶融塩浴を用いた電気Alめっき方法が開示されている。
無水AlClは、金属Alと塩素ガスを反応させることにより製造することができる。金属Alは、まず、ボーキサイトから酸化アルミニウムを精製し(バイヤー法)、次に、酸化アルミニウムを溶解させて電気分解を行う(ホール・エルー法)ことにより製造される。ホール・エルー法では、大量のエネルギー(電気)が使用される。したがって、無水AlClを原料として、電気めっき法によりAlを製造する方法は、製造コストが非常に高く、エネルギー消費量も大きい。また、無水AlClの製造に使用される塩素ガスは、環境上の排出基準をクリアする必要があることから、塩素ガスの使用は環境面で好ましくない。そこで、Alの製造において、製造コストの削減、環境への配慮が求められている。
特開平1−272790号公報
一方、水和物であるAlCl・6HOは、水酸化アルミニウムと塩酸を反応させることにより製造することができる。水酸化アルミニウムは、バイヤー法の途中工程である、ボーキサイトを水酸化ナトリウムで洗浄する工程で得られる。したがって、大量のエネルギー(電気)を使用することはない。また、水酸化アルミニウムは、電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造工程で使用されたエッチング液の廃液に含まれるAlイオンから金属Alを析出させ、廃液の有効利用を図ることができるといった利点がある。
しかしながら、AlCl・6HOは、電気Alめっきに従来用いられていた溶融塩や有機溶媒に溶解しづらい。また、溶解させることができたとしても、Alの標準電極電位が著しく卑になる傾向があるため、電解液中に水和物由来の水が存在していると、Alめっきは進行せず、水の電気分解が優先的に生じてしまう。そのため、AlCl・6HOを含む電解液を使用してAlを製造した技術は、これまでに見当たらない。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、安価で、かつ、環境に配慮しつつ、電解反応によってアルミニウムを効率よく簡便に電析させることができるアルミニウムの製造方法を提供することを目的とする。
(1)アルミニウムを含む水和物を水に溶解させて、アルミニウムイオンを含む水溶液を調製する溶解工程と、前記水溶液から構成される水相と、抽出剤から構成される有機相とを接触させることで、前記水相中の前記アルミニウムイオンを前記有機相に抽出する抽出工程と、前記有機相を電解液として電解することによって、前記電解液中のアルミニウムイオンから金属アルミニウムを陰極表面に電析させる電析工程と、
を含み、
前記溶解工程は、調製された前記水溶液中の前記アルミニウムイオンの濃度が0.01〜1Mであり、
前記抽出工程での抽出条件は、接触させる前記水相と前記有機相との体積比(水相/有機相)が0.1〜2であり、浴温が20〜100℃であり、かつ、攪拌時間が1〜60分間であり、
前記電析工程での電析条件は、浴温が20〜350℃であり、かつ、電流密度が1〜1000μA/cmであることを特徴とするアルミニウムの製造方法。
(2)前記アルミニウムを含む水和物がハロゲン化アルミニウム水和物であることを特徴とする、(1)に記載のアルミニウムの製造方法。
(3)前記電解液が、前記抽出工程の後に前記水相を分離した有機相であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載のアルミニウムの製造方法。
(4)前記電解液が、イミダゾリウム系のカチオンと、イミド系又はアミド系のアニオンとを有する疎水性のイオン液体であることを特徴とする、(1)から(3)のいずれかに記載のアルミニウムの製造方法。
(5)前記イオン液体が、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンと、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドアニオンとからなることを特徴とする、(4)に記載のアルミニウムの製造方法。
本発明によれば、安価で、かつ、環境に配慮しつつ、電解反応によってアルミニウムを効率よく簡便に電析させることができるアルミニウムの製造方法を提供することができる。
サイクリックボルタンメトリーによって得られたボルタモグラム 実施例12のSEM画像
本発明のアルミニウムの製造方法は、アルミニウムを含む水和物を水に溶解させて、アルミニウムイオンを含む水溶液を調製する溶解工程と、水溶液から構成される水相と、抽出剤から構成される有機相とを接触させることで、水相中のアルミニウムイオンを有機相に抽出する抽出工程と、有機相を電解液として電解することによって、電解液中のアルミニウムイオンから金属アルミニウムを陰極表面に電析させる電析工程と、を含む。本発明のアルミニウムの製造方法は、二液間でのイオンの分配の差を利用した溶媒抽出法によってアルミニウムイオンを水相から有機相に移行させた後、電析によって金属アルミニウムを得るという方法である。以下、各工程について詳細に説明する。
[溶解工程]
本発明のアルミニウムの製造方法では、まず、アルミニウムを含む水和物を水に溶解させ、アルミニウムイオンを含む水溶液を作製する。この水溶液は、抽出剤と混合した際、分離して水相となる。アルミニウムを含む水和物としては、ハロゲン化アルミニウム水和物が好ましい。ハロゲン化アルミニウム水和物としては、例えば、AlCl・6HO、AlF・3HO、AlBr・6HOが挙げられ、水へ容易に溶解するという点で、AlCl・6HOが好ましい。
水溶液中のアルミニウムイオンの濃度は0.01M以上1M以下であり、好ましくは0.05M以上0.5M以下である。アルミニウムイオンの濃度が0.01M未満であると、電析させるのに十分な量のアルミニウムイオンを有機相に抽出させることができない。また、アルミニウムイオンの濃度が1Mを超えると、有機相に抽出されるアルミニウムイオンの量が飽和してしまう。すなわち、水溶液(水相)中のアルミニウムイオンの濃度を高くしても、有機相に抽出するアルミニウムイオンの量は増加しなくなる。よって、「最初に水相として水溶液中に存在していたアルミニウムイオンの量」に対する「有機相に移行したアルミニウムイオンの量」の割合を抽出率としたとき、アルミニウムイオンの濃度を1Mより増加させると、抽出率が低下してしまうことになる。尚、濃度の単位であるMは、mol/Lを意味する。
[抽出工程]
アルミニウムイオンを含む水溶液を作製した後、抽出剤を準備する。アルミニウムイオンを含む水溶液と抽出剤とを同じ容器に入れると、水溶液が水相、抽出剤が有機相となって、相分離する。そこで、本発明では、水溶液から構成される水相と、抽出剤から構成される有機相とを接触させ、溶媒抽出法によりアルミニウムイオンを有機相に抽出する。
本発明で用いる抽出剤は、アルミニウムイオンを抽出可能な液体であれば特に限定されないが、後の電析工程で電解液として使用可能なように、イオン液体であることが好ましい。イオン液体は、カチオン種とアニオン種の組み合わせからなるイオン性化合物の総称であり、100℃以下の低温で液相を形成するものが多い。蒸気圧が非常に低く、SEM等の真空中でも使用が可能なものもある。イオン液体はアニオン種を適切に選定することによって疎水性を発現させることが可能である。
イオン液体としては、イミド系アニオン又はアミド系アニオンと、イミダゾリウム系カチオンとからなるイオン液体が特に好ましい。イミド系アニオンとしては、例えば、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドアニオンが挙げられる。また、アミド系アニオンとしては、例えば、ノナフルオロ−N−[(トリフルオロメタン)スルホニル]ブタンスルホニルアミドアニオンが挙げられる。また、イミダゾリウム系カチオンとしては、例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンが挙げられる。この中でも、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンとビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドアニオンとからなるイオン液体(以下、「BMI−NFO」はAlCl・6HOからアルミニウムイオンを抽出するのに適しており、また、金属アルミニウムの電析用電解液として好ましい。
水相(アルミニウムイオンを含む水溶液)と有機相(抽出剤)とを接触させる際、体積比(水相/有機相)は0.1以上2以下であり、好ましくは0.5以上1以下である。体積比が0.1未満であると、アルミニウムイオンの量が少なく、アルミニウムを電析させることができない。一方、体積比が2より大きいと、抽出剤の量が少なく、アルミニウムイオンと交換可能なカチオンの量が少ないため、アルミニウムイオンが水相から有機相に移行しにくい。
また、水相と有機相との接触は、浴温20℃以上100℃以下で1分間から60分間攪拌することにより行われる。浴温は、好ましくは40℃以上80℃以下であり、攪拌時間は、好ましくは10分以上20分以下である。浴温が20℃未満であると、アルミニウムイオンが水相から有機相に移行しにくい。一方、浴温が100℃を超えると、水の沸点を超えるため、水相におけるアルミニウムイオンの濃度の適切な管理が行えない。また、攪拌時間が1分未満であると、アルミニウムイオンが水相から有機相へ十分に移行しない。一方、攪拌時間が60分を超えると、有機相に抽出されるアルミニウムイオンの量が飽和してしまう。なお、水相と有機相とを攪拌するための攪拌装置は特に限定されないが、例えば、ボルテックスミキサーが挙げられる。
[電析工程]
有機相にアルミニウムイオンを抽出させた後、アルミニウムイオンを含む有機相のみを回収するのが好ましい。これにより、アルミニウムイオンを含む抽出剤が得られる。このアルミニウムイオンを含む抽出剤を電解液として電解槽に入れ、電解槽中に陽極と陰極とを互いに対向するように配置し、陽極と陰極との間に直流電流を流すことにより、陰極表面に金属アルミニウムを電析させることができる。
アルミニウムは、標準電極電位が−1.662Vvs.SHE(標準水素電極)である。そのため、通常、アルミニウムを水溶液から電析させることは不可能である。そこで、一般に、アルミニウムを電析させる電解液としては、アルミニウム塩を含む溶融塩や、アルミニウム塩を有機溶媒に溶解させた溶液が使用されている。
溶融塩は、無機系溶融塩と有機系溶融塩に大別することができる。従来、有機系型溶融塩として、例えば、1−ブチルピリジニウムクロリド(以下、「BPC」と記す)又は1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(以下、「EMIC」と記す)と無水AlClとを含む溶融塩が用いられていた。EMICと無水AlClとの混合物は、組成によっては融点が−50℃付近まで低下する。そのため、より低温の環境でAlめっきを実施することができる。しかしながら、BPCや、EMICと、無水AlClとを含む溶融塩は吸湿性が高い。例えば、EMICとAlClとを含む溶融塩の場合、水が存在すると下記の反応が進行する。
Figure 2018147399
上記式(1)〜(3)に示すように、EMICの解離によって生じたClがAlClと反応し、Alめっきに必要なAlCl が生成する。しかし、水が存在すると、上記式(4)、(5)に示すように、AlCl とAlCl はそれぞれ水と反応し、AlCl は消失してしまう。したがって、AlCl・6HOをBPCやEMICのようなイオン液体と組み合わせた場合、水和物由来の水によってAlCl が消失するため、電解液を作製することができたとしても、基材上に金属アルミニウムを電析させることができない。
これに対して、本発明では、溶媒抽出法を利用して、水相に存在するアルミニウムイオンのみを有機相に移行させることで、上記の反応を進行させずに、アルミニウムイオンを豊富に含む電解液を作製することができる。
本発明において、アルミニウムを電析させる際、浴温は20℃以上350℃以下であり、好ましくは、50℃以上300℃以下である。浴温が20℃未満であると、電解液の粘性が高くなり、電流密度を高くすることができない。一方、浴温が350℃を超えると、電解液が分解するため好ましくない。さらに、電解液の温度を保持するためのエネルギーも大きく、電解槽の劣化も促進されるため生産効率が低下する。
また、アルミニウムを電析させる際、電流密度は1μA/cm以上1000μA/cm以下である。電流密度が1μA/cm未満であると、電析速度が遅く、非生産的である。一方、電流密度が1000μA/cmを超えると、電解液が分解するため好ましくない。
陰極の材料としては特に限定されないが、例えば、白金、鉄、銅、チタン、ニッケル、カーボンなどの金属材料、導電性を付与したプラスチック材料などが挙げられる。また、陽極は、溶解性の陽極であればアルミニウムを、不溶性の陽極であればカーボン等が使用可能である。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(サイクリックボルタンメトリー)
イオン液体であるBMI−NFOを60℃で65時間乾燥させ、作用極に0.5mmφの白金線(浸漬長さ8mm)、参照極にAl線、対極にグラッシーカーボンを使用し、ポテンショスタットでサイクリックボルタンメトリーを行った。走査速度100mV/s、走査範囲−1.5Vから2.5V、浴温25℃で行った。得られたボルタモグラムを図1に示す。この結果より、0V付近のカソード電流の増加は金属Alの析出、0.3V付近のアノード電流の増加は金属Alの溶解にそれぞれ対応していると考えられる。BMI−NFOでの金属Alの製造が可能なことを見出した。
(実施例1〜28、比較例1〜12)
[溶解工程]
AlCl・6HOを蒸留水に溶かし、表1に記載のAlイオン濃度を有するAlCl・6HO水溶液を作製した。
[抽出工程]
作製したAlCl・6HO水溶液(水相)とBMI−NFO(有機相)とを、表1に記載の体積比(水相/有機相)でマイクロチューブに入れた。その後、表1に記載の浴温と攪拌時間で、ボルテックスミキサーで撹拌した。
[電析工程]
攪拌終了後、マイクロシリンジで水相と有機相を分離し、有機相のみを回収した。電解槽に、回収した有機相を入れ、陰極に0.5mmφの白金線(浸漬長さ8mm)、陽極にグラッシーカーボンを使用し、表1に記載の浴温、電流密度で定電流電解を行った。電解終了後の白金線を水洗し、乾燥した後、白金線表面に電析物の存在が目視で確認できた。
作製したAlめっき白金線について、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(抽出率)
抽出工程終了後のAlCl・6HO水溶液中のAlイオン濃度をICP−AESで測定した。溶解工程で作製したAlCl・6HO水溶液中のAlイオン濃度をA1とし、抽出工程終了後のAlCl・6HO水溶液中のAlイオン濃度をA2としたとき、抽出率(%)は、
(A1−A2)/(A1)×100
で表される。A1とA2の値から抽出率を算出した。抽出率が1.0%以上であるものを効率よくAlが電析されていると判定した。
(SEM−EDSによる解析)
SEM−EDS(JEOL製、SEM:Scanning Electron Microscope、EDS:Energy Dispersive X-ray Spectroscope)により、白金線表面の電析物を観察し、Alが検出されたものを「○」と判定し、未検出のものを「×」と判定した。図2は、実施例12で得られた電析物のSEM像である。
Figure 2018147399
表1に示すように、実施例1〜28はいずれも、溶解工程と、抽出工程と、電析工程と、を含み、これらの工程の条件も本発明の範囲内であるため、Alイオンを効率良く抽出することができ、抽出率が1.0%以上と高く、Alを電析させることができた。
一方、比較例1では、溶解工程において、水溶液中のAlイオンの濃度が0.005Mと低いため、水相から有機相へ移行するAlイオンの量が少なく、抽出率が0.1%と低かった。
比較例2では、溶解工程において、水溶液中のAlイオンの濃度が5Mと高いため、Alイオンを効率良く抽出することができず、抽出率が0.9%と低かった。
比較例3では、抽出工程において、水相と有機相との体積比(水相/有機相)が0.05と低いため、AlイオンからAlを電析させることができなかった。
比較例4では、抽出工程において、水相と有機相との体積比(水相/有機相)が3と高いため、Alイオンを効率良く抽出することができず、抽出率が0.3%と低かった。
比較例5では、抽出工程において、浴温が10℃と低いため、Alイオンを水相から有機相へ移行させることができず、AlイオンからAlを電析させることができなかった。
比較例6では、抽出工程において、浴温が120℃と高いため、Alイオンを水相から有機相へ移行させることができず、AlイオンからAlを電析させることができなかった。
比較例7では、抽出工程において、攪拌時間が0.5分と短いため、水相から有機相へ移行するAlイオンの量が少なく、AlイオンからAlを電析させることができなかった。
比較例8では、抽出工程において、攪拌時間が70分と長いため、Alイオンを効率良く抽出することができず、抽出率が0.9%と低かった。
比較例9では、電析工程において、浴温が10℃と低いため、Alを電析させることができなかった。
比較例10では、電析工程において、浴温が400℃と高いため、Alを電析させることができなかった。
比較例11では、電析工程において、電流密度が0.5μA/cmと低いため、Alを電析させることができなかった。
比較例12では、電析工程において、電流密度が2000μA/cmと高いため、Alを電析させることができなかった。
以上より、本発明のアルミニウムの製造方法では、アルミニウムを含む水和物を水に溶解させて、アルミニウムイオンを含む水溶液を調製する溶解工程と、水溶液から構成される水相と、抽出剤から構成される有機相とを接触させることで、水相中のアルミニウムイオンを有機相に抽出する抽出工程と、有機相を電解液として電解することによって、電解液中のアルミニウムイオンから金属アルミニウムを陰極表面に電析させる電析工程と、を含み、これらの工程の条件を適切に制御することにより、効率良くAlを電析させることができる。また、原料であるアルミニウムを含む水和物、特にAlCl・6HOは安価に製造することができ、廃液からも入手可能であるため、環境に配慮しつつ、アルミニウムの製造において製造コストを削減させることができる。

Claims (5)

  1. アルミニウムを含む水和物を水に溶解させて、アルミニウムイオンを含む水溶液を調製する溶解工程と、
    前記水溶液から構成される水相と、抽出剤から構成される有機相とを接触させることで、前記水相中の前記アルミニウムイオンを前記有機相に抽出する抽出工程と、
    前記有機相を電解液として電解することによって、前記電解液中のアルミニウムイオンから金属アルミニウムを陰極表面に電析させる電析工程と、
    を含み、
    前記溶解工程は、調製された前記水溶液中の前記アルミニウムイオンの濃度が0.01〜1Mであり、
    前記抽出工程での抽出条件は、接触させる前記水相と前記有機相との体積比(水相/有機相)が0.1〜2であり、浴温が20〜100℃であり、かつ、攪拌時間が1〜60分間であり、
    前記電析工程での電析条件は、浴温が20〜350℃であり、かつ、電流密度が1〜1000μA/cmであることを特徴とするアルミニウムの製造方法。
  2. 前記アルミニウムを含む水和物がハロゲン化アルミニウム水和物であることを特徴とする、請求項1に記載のアルミニウムの製造方法。
  3. 前記電解液が、前記抽出工程の後に前記水相を分離した有機相であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のアルミニウムの製造方法。
  4. 前記電解液が、イミダゾリウム系のカチオンと、イミド系又はアミド系のアニオンとを有する疎水性のイオン液体であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のアルミニウムの製造方法。
  5. 前記イオン液体が、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンと、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドアニオンとからなることを特徴とする、請求項4に記載のアルミニウムの製造方法。
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