JPWO2018146848A1 - ヒートポンプ装置 - Google Patents

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Abstract

本発明に係るヒートポンプ装置においては、第1圧縮機の第1圧縮機構部の吐出口と、第2密閉容器の冷媒空間とが、第1吐出配管で接続されている。また、第1圧縮機の第1密閉容器と第2密閉容器とは、冷媒空間同士が冷媒連通管で連通しており、油溜め空間同士が油連通管で連通している。そして、第1圧縮機の第1圧縮機構部で圧縮された冷媒は、第1吐出配管を介して第2密閉容器に流入した後、冷媒配管及び第1圧縮機の第1密閉容器を経由して、凝縮器に送られる。

Description

本発明は、圧縮機の密閉容器内において油が枯渇することの防止を図ったヒートポンプ装置に関する。
空気調和装置等のヒートポンプ装置では、所謂高圧シェル方式の圧縮機が用いられることがある。高圧シェル方式の圧縮機では、密閉容器内に収納された圧縮機構部で冷媒を昇圧した際、圧縮機構部は、一旦、密閉容器内に昇圧した高圧の冷媒を吐出する。そして、その後、高圧シェル方式の圧縮機は、密閉容器内に満たされた高圧の冷媒を、密閉容器外つまり圧縮機の外部へ吐出する。すなわち、高圧シェル方式の圧縮機は、密閉容器内が高圧の冷媒で満たされ、高圧ガス雰囲気となる圧縮機である。
一般に、密閉容器を備えた圧縮機には、密閉容器内の底部に油溜め空間を有する。油溜め空間には、圧縮機を構成する部品間の摺動部及び圧縮機構部に供給される油が貯留されている。すなわち、高圧シェル方式の圧縮機の密閉容器内は、下部が油を貯留する油溜め空間となり、油溜め空間の上方が高圧冷媒で満たされた冷媒空間となる。換言すると、油溜め空間に貯留された油は、高圧ガス雰囲気に晒されている。そして、高圧シェル方式の圧縮機では、油溜め空間の油は、冷媒空間の圧力と圧縮機構部内の低圧空間である吸入側空間の圧力との差によって、圧縮機を構成する部品間の摺動部、及び冷媒を昇圧する圧縮機構部に供給される。圧縮機を構成する部品間の摺動部に供給された油は、摺動部の潤滑を行う。また、圧縮機構部に供給された油は、圧縮機構部の部品間の隙間をシールし、圧縮機構部のシール性を向上させる。このように油溜め空間の油を摺動部及び圧縮機構部に供給することにより、高圧シェル方式の圧縮機は、圧縮機の信頼性及び性能を担保する。
ここで、密閉容器内の油の一部は、圧縮機から高圧の冷媒が吐出される際、冷媒と共に密閉容器外へ吐出されてしまう。その結果、油溜め空間の油が枯渇し、潤滑不良による摺動部の故障、及び圧縮機の性能低下を引き起こす。
そこで、高圧シェル方式の圧縮機を備えた従来のヒートポンプ装置には、油溜め空間の油が枯渇することの防止を図ったヒートポンプ装置が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1には、ヒートポンプ装置の一例である空気調和装置が記載されている。この、特許文献1に記載の空気調和装置は、圧縮機の下流側に、つまり圧縮機に接続された吐出配管に、圧縮機から吐出された冷媒から油を分離するオイルセパレータを備えている。そして、特許文献1に記載の空気調和装置は、オイルセパレータで分離した油を差圧によって圧縮機に戻すため、圧縮機に接続された吸入配管とオイルセパレータとを、油戻し管で接続している。圧縮機の密閉容器内は上述のように高圧な冷媒で満たされているため、オイルセパレータ内よりも密閉容器内の圧力の方が高く、オイルセパレータから密閉容器内へ油を直接戻すことができないからである。
これにより、オイルセパレータで分離された油は、オイルセパレータよりも低圧環境となっている吸入配管に流入した後、圧縮機の圧縮機構部に吸入される。この圧縮機構部に吸入された油は、冷媒と共に圧縮された後、密閉容器内へ吐出される。そして、密閉容器内に冷媒と共に吐出された油は、密閉容器から吐出配管へ至る過程で、密閉容器内部で冷媒と分離され、油溜め空間に貯留される。このように、特許文献1に記載の空気調和装置は、オイルセパレータの油を吸入配管へ戻す方式により、油溜め空間の油量を一定以上に確保している。
また、従来のヒートポンプ装置には、複数の圧縮機を備え、負荷によって圧縮機の駆動台数を変更するものも提案されている。特許文献1に記載の空気調和装置も、このように構成されている。詳しくは、特許文献1に記載の空気調和装置の各圧縮機は、これら圧縮機に接続された吐出配管及び吸入配管が並列に接続されている。換言すると、特許文献1に記載の空気調和装置は、各圧縮機が並列に接続されている。
複数の圧縮機を備えたヒートポンプ装置の場合、停止している圧縮機は、吸入配管から冷媒を吸入しない。また、低回転で駆動している圧縮機が吸入配管から冷媒を吸入する量は、該圧縮機よりも高回転で駆動している圧縮機と比べ、少ない。このため、複数の圧縮機を備えたヒートポンプ装置においては、圧縮機毎に上述したオイルセパレータ及び油戻し管を設けても、油溜め空間に貯留される油の量が圧縮機毎に異なってくる。したがって、一部の圧縮機において油溜め空間の油が枯渇し、潤滑不良による摺動部の故障、及び圧縮機の性能低下を引き起こす場合がある。
そこで、特許文献1に記載の空気調和装置は、各圧縮機の油溜め空間の油量を均一にするため、均油回路と、該均油回路を制御する制御装置を備えている。詳しくは、均油回路は、圧縮機毎に設けられた複数の油戻し管と、複数の油戻し管を連通させる連通管と、を備えている。各油戻し管は、対応する圧縮機の密閉容器の油溜め空間と、対応する圧縮機に接続された吸入配管と、を接続している。また、各油戻し管には、連通管との接続箇所と吸入配管との接続箇所との間に、油戻し管内の流路を開閉する開閉弁が設けられている。
このように構成された均油回路においては、1台の圧縮機のみが駆動している場合、制御装置は、当該圧縮機に対応して設けられた開閉弁を開く。また、制御装置は、停止中の圧縮機に対応して設けられた開閉弁を閉じる。また、制御装置は、複数の圧縮機が駆動している場合、これらの圧縮機に対応して設けられた開閉弁を、順々に周期的に開く。これにより、油溜め空間の油量が減少した圧縮機に接続された吸入配管に、油溜め空間の油量が多い圧縮機から、油を流入させることができる。そして、油溜め空間の油量が減少した圧縮機は、吸入配管に流入した油を冷媒と共に圧縮機構部で吸入することにより、当該圧縮機の油溜め空間の油量を一定以上に確保する。その結果、各圧縮機の油溜め空間の油量を均一にすることができる。
特開2004−176933号公報
特許文献1に記載の空気調和装置は、油溜め空間の油量が減少した圧縮機に油を戻す際、一旦、当該圧縮機に接続された吸入配管に油を流入させる。そして、吸入配管を流れる冷媒と共に当該油を圧縮機構部で吸入することにより、油溜め空間の油量が減少した圧縮機の油溜め空間に、当該油を戻すことができる。ここで、吸入配管に流入する油は、オイルセパレータで分離された油、あるいは、油溜め空間の油量が多い圧縮機の油溜め空間に貯留されていた油である。オイルセパレータで分離された油は、圧縮機で圧縮された高温の冷媒と共に圧縮機から吐出されるので、高温となっている。また、油溜め空間に貯留されていた油も、上述のように密閉容器内において高圧ガス雰囲気に晒されていたので、高温となっている。一方、吸入配管を流れる冷媒は、圧縮機で圧縮される前の低温低圧な冷媒である。
すなわち、特許文献1に記載の空気調和装置は、油溜め空間の油量が減少した圧縮機に油を戻す際、吸入配管に流入する油によって吸入配管を流れる冷媒が温められ、所謂加熱損失が発生してしまう。つまり、特許文献1に記載の空気調和装置は、油溜め空間の油量が減少した圧縮機に油を戻す際、上記加熱損失によって、空気調和装置の性能が低下してしまうという課題があった。
また、特許文献1に記載の空気調和装置は、各圧縮機の油溜め空間の油量を均一にするため、上述の均油回路と、該均油回路を制御する制御装置を必要とする。このため、特許文献1に記載の空気調和装置は、冷媒回路の構成要素が多くなって冷媒回路が複雑になる、均圧回路の制御が複雑になる等の理由により、空気調和装置のコストが増大してしまうという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも1つを解決するためになされたものであり、圧縮機の密閉容器内において油が枯渇することを防止でき、性能の低下も抑制できるヒートポンプ装置を提供することを目的とする。
本発明に係るヒートポンプ装置は、冷媒を吸入する第1吸入口と冷媒を吐出する第1吐出口とを有する第1圧縮機構部、及び、該第1圧縮機構部を収納する第1密閉容器を備え、前記第1密閉容器内の下部が油を貯留する第1油溜め空間となり、前記第1密閉容器内における前記第1油溜め空間の上方が冷媒を充満させる第1冷媒空間となる第1圧縮機と、下部が油を貯留する第2油溜め空間となり、前記第2油溜め空間の上方が冷媒を充満させる第2冷媒空間となる第2密閉容器と、前記第1圧縮機構部の前記第1吐出口から吐出された冷媒を前記第2密閉容器の前記第2冷媒空間に導く第1吐出配管と、前記第2密閉容器の前記第2冷媒空間と前記第1密閉容器の前記第1冷媒空間とを連通する冷媒連通管と、前記第2密閉容器の前記第2油溜め空間と前記第1密閉容器の前記第1油溜め空間とを連通する油連通管と、前記第1冷媒空間から冷媒を流出させる流出配管と、前記流出配管から流出した冷媒が凝縮器、膨張弁及び蒸発器を経て前記第1吸入口から前記第1圧縮機構部に吸入される経路と、を備えている。
本発明に係るヒートポンプ装置においては、第1圧縮機の第1圧縮機構部で圧縮された冷媒は、第1吐出配管を通って、第2密閉容器に流入する。そして、第2密閉容器において、油と冷媒が分離される。この分離された油は、第2密閉容器の第2油溜め空間に貯留される。また、この分離された冷媒は、第2密閉容器の第2冷媒空間に充満する。上述のように、本発明に係るヒートポンプ装置においては、第2密閉容器の第2冷媒空間と第1圧縮機の第1密閉容器の第1冷媒空間とが、冷媒連通管で接続されている。このため、第2密閉容器内の冷媒は、冷媒連通管を通って第2密閉容器から第1圧縮機の第1密閉容器に流入し、第1圧縮機の第1密閉容器の第1冷媒空間を満たす。その後、第1圧縮機の第1密閉容器の第1冷媒空間に充満した冷媒は、流出配管から凝縮器(第1圧縮機の外部)へと流出していく。
ここで、冷媒連通管を流れる冷媒には圧力損失が生じるため、冷媒連通管の下流側に位置する第1密閉容器内の圧力は、冷媒連通管の上流側に位置する第2密閉容器内の圧力よりも低くなる。このため、第2密閉容器の第2油溜め空間に貯留された油は、第2密閉容器内の圧力と第1密閉容器内の圧力との差圧によって、油連通管を通り、第1圧縮機の第1密閉容器の第1油溜め空間に流入することができる。このように、本発明に係るヒートポンプ装置は、第1圧縮機から冷媒と共に吐出された油を、該第1圧縮機に接続された吸入配管を経由させずに、第1圧縮機の第1密閉容器の第1油溜め空間に戻すことができる。このため、本発明に係るヒートポンプ装置は、加熱損失による性能の低下を抑制できる。すなわち、本発明に係るヒートポンプ装置は、第1圧縮機の第1密閉容器内において油が枯渇することを防止でき、性能の低下も抑制できる。
本発明の実施の形態1に係る空気調和装置を示す冷媒回路図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の圧縮機の基本構成を示す縦断面模式図である。 本発明の実施の形態2に係る空気調和装置の一部を示す冷媒回路図である。 本発明の実施の形態3に係る空気調和装置の一部を示す冷媒回路図である。 本発明の実施の形態4に係る空気調和装置における圧縮機間の接続部付近を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態4に係る空気調和装置における圧縮機間の接続部付近を示す横断面図である。 本発明の実施の形態5に係る空気調和装置の一部を示す冷媒回路図である。 本発明の実施の形態5に係る空気調和装置の圧縮機の基本構成を示す縦断面模式図である。 本発明の実施の形態6に係る空気調和装置の一部を示す冷媒回路図である。 本発明の実施の形態7に係る空気調和装置の一例の一部を示す冷媒回路図である。 本発明の実施の形態7に係る空気調和装置の一例の一部を示す冷媒回路図である。 本発明の実施の形態8に係る空気調和装置の一例の一部を示す冷媒回路図である。 本発明の実施の形態8に係る空気調和装置における別の一例の一部を示す冷媒回路図である。 本発明の実施の形態8に係る空気調和装置における別の一例の一部を示す冷媒回路図である。 本発明の実施の形態9に係る空気調和装置の圧縮機の一例を示す横断面図である。 本発明の実施の形態9に係る空気調和装置の圧縮機の一例を示す横断面図である。
以下、本発明に係るヒートポンプ装置の具体的実施例を、各実施の形態において説明する。なお、以下の各実施の形態では、ヒートポンプ装置の一例である空気調和装置を用いて、本発明に係るヒートポンプ装置を説明していく。また、一部の実施の形態では、複数の圧縮機を備えた空気調和装置を説明している。この際、圧縮機の構成及び該圧縮機に接続された構成を圧縮機毎に区別して示したい場合、圧縮機の構成及び該圧縮機に接続された構成を示す符号の後に添え字1,2,…を付けて差別化することがある。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置を示す冷媒回路図である。
本実施の形態1に係る空気調和装置100は、複数の圧縮機CP、オイルセパレータ1、凝縮器301、膨張弁302、及び蒸発器303を備えている。本実施の形態1では、空気調和装置100は、2つの圧縮機CP1,CP2を備えている。ここで、圧縮機CP1が、本発明の第1圧縮機に相当する。
これら圧縮機CP1,CP2は、所謂高圧シェル方式の縦型スクロール圧縮機となっている。以下では、まず、圧縮機CPの基本構成について説明する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の圧縮機の基本構成を示す縦断面模式図である。
圧縮機CPは、電動機15と、電動機15の駆動力を伝達する駆動軸14と、駆動軸14によって伝達された電動機15の駆動力により冷媒を圧縮(昇圧)する圧縮機構部Cと、を備えている。また、圧縮機CPは、電動機15、駆動軸14、及び圧縮機構部Cを収納する密閉容器Sを備えている。具体的には、密閉容器S内において圧縮機構部Cは、電動機15の上方に配置されている。また、密閉容器S内は、下部が油を貯留する油溜め空間13となる。また、密閉容器S内における油溜め空間13の上方は、圧縮機構部Cで圧縮された冷媒を充満させる冷媒空間12となる。すなわち、冷媒空間12は、高圧ガスで満たされた高圧雰囲気となる。
電動機15は、駆動軸14を回転駆動させるものであって、回転子15a及び固定子15bを有している。回転子15aは焼嵌め等により駆動軸14に固定されており、固定子15bは焼嵌め等により密閉容器Sに固定されている。また、固定子15bには、巻線16が巻きつけられている。この巻線16の一部は、固定子15bの上端及び下端から突出している。換言すると、巻線16は、固定子15bにおける圧縮機構部C側の端部、及び固定子15bにおける圧縮機構部C側とは反対側の端部から突出している。以降、固定子15bの上端から突出した巻線部分を、上部巻線16aと称する。また、固定子15bの下端から突出した巻線部分を、下部巻線16bと称する。固定子15bの巻線16には、ガラス端子(図示せず)が接続されている。このガラス端子は、外部から巻線16に供給する電力を得るため、リード線(図示せず)に接続されている。
圧縮機構部Cは、該圧縮機構部Cに冷媒を吸入する吸入口C0と、該圧縮機構部Cで圧縮した冷媒を該圧縮機構部C外へ吐出する吐出口C1と、を有する。また、吸入口C0には吸入配管10が接続されており、吐出口C1には吐出配管11が接続されている。この吐出配管11は、後述のように、吐出口C1から吐出された冷媒を、本発明の第2冷媒空間に相当する空間へ導く配管である。圧縮機構部Cは、駆動軸14と接続されており、駆動軸14によって、電動機15の駆動力が伝達される。なお、吐出配管11は、吐出口C1から吐出された冷媒を本発明の第2冷媒空間に相当する空間へ導くことができればよく、吐出口C1に直接接続されていなくてもよい。例えば、密閉容器S内に、吐出口C1から吐出された高圧のガス状冷媒を貯める高圧室を設けてもよい。そして、この高圧室に、吐出配管11を接続してもよい。
また、圧縮機CPは、密閉容器Sの油溜め空間13に貯留された油を圧縮機構部Cへ導く給油流路を備えている。本実施の形態1では、駆動軸14に形成された内部流路14aで、給油流路を構成している。このため、密閉容器Sの油溜め空間13に配置される給油流路の給油口14bは、内部流路14aの下部開口となる。また、内部流路14aは、圧縮機構部Cの低圧空間である吸入側空間17(図示せず)と連通している。上述のように、密閉容器S内において、油溜め空間13の上方の冷媒空間12は、高圧ガスで満たされた高圧雰囲気となる。このため、油溜め空間13の油は、冷媒空間12の圧力と圧縮機構部Cの吸入側空間17の圧力との差によって、圧縮機構部Cに供給される。圧縮機構部Cに供給された油は、圧縮機構部Cの部品間の隙間をシールし、圧縮機構部Cのシール性を向上させる。なお、油溜め空間13から圧縮機構部Cへ向かって流れる油の一部は、内部流路14aと連通する図示せぬ給油流路によって、圧縮機CPを構成する部品間の摺動部にも供給される。
再び図1に着目すると、圧縮機CP1の圧縮機構部Cの吐出口C1は、吐出配管111の一端と接続されている。この吐出配管111の他端は、吐出母管11aの一端と接続されている。また、吐出母管11aの他端は、オイルセパレータ1内に連通している。詳しくは、圧縮機CP1の圧縮機構部Cの吐出口C1から吐出された冷媒は、吐出配管111及び吐出母管11aを通って、オイルセパレータ1に流入する。この際、当該冷媒と共に、圧縮機CP1内に存在していた油の一部も、オイルセパレータ1に流入する。そして、オイルセパレータ1内において冷媒と油とが分離される。このため、オイルセパレータ1内は、下部が油を貯留する油溜め空間2となる。また、オイルセパレータ1内における油溜め空間2の上方は、冷媒が充満した冷媒空間3となる。吐出母管11aの上記他端は、オイルセパレータ1の冷媒空間3に連通している。
ここで、圧縮機CP1の圧縮機構部Cが、本発明の第1圧縮機構部に相当する。第1圧縮機構部に相当する圧縮機構部Cの吐出口C1が、本発明の第1吐出口に相当する。また、第1圧縮機構部に相当する圧縮機構部Cを収納する圧縮機CP1の密閉容器S1が、本発明の第1密閉容器に相当する。密閉容器S1の油溜め空間131が、本発明の第1油溜め空間に相当する。密閉容器S1の冷媒空間121が、本発明の第1冷媒空間に相当する。オイルセパレータ1が、本発明の第2密閉容器に相当する。オイルセパレータ1の油溜め空間2が、本発明の第2油溜め空間に相当する。オイルセパレータ1の冷媒空間3が、本発明の第2冷媒空間に相当する。また、吐出配管111及び吐出母管11aが、本発明の第1吐出配管に相当する。
一方、圧縮機CP2の圧縮機構部Cの吐出口C1は、吐出配管112の一端と接続されている。この吐出配管112の他端は、吐出母管11aの一端と接続されている。すなわち、2つの圧縮機CPの圧縮機構部Cは吐出母管11aに並列に接続されている。また、吐出母管11aの他端は、上述のようにオイルセパレータ1の冷媒空間3に連通している。このため、圧縮機CP2の圧縮機構部Cの吐出口C1から吐出された冷媒は、吐出配管112及び吐出母管11aを通って、オイルセパレータ1に流入する。この際、当該冷媒と共に、圧縮機CP2内に存在していた油の一部も、オイルセパレータ1に流入する。
ここで、後述のように、オイルセパレータ1の冷媒空間3に充満している冷媒は、圧縮機CP2の密閉容器S2内を通過した後、圧縮機CP1の密閉容器S1内に流入する。すなわち、圧縮機CP2は、オイルセパレータ1から圧縮機CP1の密閉容器S1内に流れる冷媒の流れにおいて、オイルセパレータ1と圧縮機CP1との間に直列に設けられている。すなわち、圧縮機CP2が、本発明の中間圧縮機に相当する。圧縮機CP2の圧縮機構部Cが、本発明の中間圧縮機用圧縮機構部に相当する。中間圧縮機用圧縮機構部に相当する圧縮機構部Cの吐出口C1が、本発明の中間圧縮機用吐出口に相当する。また、中間圧縮機用圧縮機構部に相当する圧縮機構部Cを収納する圧縮機CP2の密閉容器S2が、本発明の中間圧縮機用密閉容器に相当する。密閉容器S2の油溜め空間132が、本発明の中間圧縮機用油溜め空間に相当する。密閉容器S2の冷媒空間122が、本発明の中間圧縮機用冷媒空間に相当する。また、吐出配管112及び吐出母管11aが、本発明の中間圧縮機用吐出配管に相当する。
また、圧縮機CP2は、第1冷媒連通管201及び第1油連通管211によっても、オイルセパレータ1と接続されている。詳しくは、第1冷媒連通管201は、オイルセパレータ1の冷媒空間3と密閉容器S2の冷媒空間122とを連通する。この第1冷媒連通管201は、オイルセパレータ1の冷媒空間3に充満した冷媒を、密閉容器S2の冷媒空間122に流入させるための配管である。また、第1油連通管211は、オイルセパレータ1の油溜め空間2と密閉容器S2の油溜め空間132とを連通する。この第1油連通管211は、オイルセパレータ1の油溜め空間2に貯留された油を、密閉容器S2の油溜め空間132に流入させるための配管である。
本実施の形態1では、第1冷媒連通管201は、例えば、オイルセパレータ1内の上部において、オイルセパレータ1の冷媒空間3と連通している。第1冷媒連通管201をオイルセパレータ1内のなるべく高い箇所で連通することにより、オイルセパレータ1の冷媒空間3から密閉容器S2の冷媒空間122に流入する冷媒によって、オイルセパレータ1の油溜め空間2に貯留された油が巻き上げられることを抑制できる。換言すると、冷媒と共に密閉容器S2の冷媒空間122に流入する油の量を抑制することができ、オイルセパレータ1の油溜め空間2に貯留された油が減少することを抑制できるからである。
また、本実施の形態1では、第1冷媒連通管201は、圧縮機CP2の電動機15よりも低い位置で、密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。後述のように、密閉容器S2の冷媒空間122に充満した冷媒は、電動機15よりも高い位置で冷媒空間122と連通する第2冷媒連通管202から、密閉容器S2外へ流出する。このため、上述のように第1冷媒連通管201を密閉容器S2の冷媒空間122と連通することにより、密閉容器S2内の冷媒は、重力に逆らいながら下方から上方へ向かって流れることとなる。このため、圧縮機CP2の密閉容器S2内において、冷媒中に含まれる油を分離しやすくなる。
また、圧縮機CP2は、第2冷媒連通管202及び第2油連通管212によって、圧縮機CP1と接続されている。詳しくは、第2冷媒連通管202は、圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122と圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121とを連通する。この第1冷媒連通管201は、圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122に充満した冷媒を、圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121に流入させるための配管である。また、第2油連通管212は、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132と圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131とを連通する。この第2油連通管212は、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132に貯留された油を、圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131に流入させるための配管である。
すなわち、オイルセパレータ1の冷媒空間3と圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121とは、第1冷媒連通管201及び第2冷媒連通管202によって連通している。また、オイルセパレータ1の油溜め空間2と圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131とは、第1油連通管211及び第2油連通管212によって連通している。つまり、オイルセパレータ1の冷媒空間3と圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121とを連通する冷媒連通管20は、第1冷媒連通管201及び第2冷媒連通管202で構成されている。また、オイルセパレータ1の油溜め空間2と圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131とを連通する油連通管21は、第1油連通管211及び第2油連通管212で構成されている。ここで、冷媒連通管20が、本発明の冷媒連通管に相当する。また、油連通管21が、本発明の油連通管に相当する。
本実施の形態1では、第2冷媒連通管202は、電動機15よりも高い位置で、圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。上述のように、第1冷媒連通管201は、圧縮機CP2の電動機15よりも低い位置で、圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。このため、第1冷媒連通管201から密閉容器S2内流入した冷媒は、重力に逆らいながら下方から上方へ向かって流れ、第2冷媒連通管202から密閉容器S2外へ流出することとなる。このため、圧縮機CP2の密閉容器S2内において、冷媒中に含まれる油を分離しやすくなる。
また、本実施の形態1では、第2冷媒連通管202は、圧縮機CP1の電動機15よりも低い位置で、圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121と連通している。密閉容器S1の冷媒空間121に充満した冷媒は、電動機15よりも高い位置で冷媒空間121と連通する後述の流出配管11bから、密閉容器S1外へ流出する。このため、上述のように第2冷媒連通管202を密閉容器S1の冷媒空間121と連通することにより、密閉容器S1内の冷媒は、重力に逆らいながら下方から上方へ向かって流れることとなる。このため、圧縮機CP1の密閉容器S1内において、冷媒中に含まれる油を分離しやすくなる。
また、本実施の形態1では、第2油連通管212における圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132との連通口は、換言すると第2油連通管212における油溜め空間132側の端部は、圧縮機CP2の給油口14bよりも高い位置に配置されている。これにより、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132に貯留された油のうち、第2油連通管212における油溜め空間132との連通口よりも低い位置に貯留された油は、第2油連通管212から密閉容器S2外へ流出しない。このため、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132に、一定量以上の油を確実に保持することができる。
ここで、圧縮機CP2の給油口14bが、本発明の中間圧縮機用給油口に相当する。このため、圧縮機CP2の駆動軸14に形成された内部流路14aが、本発明の中間圧縮機用給油流路に相当する。
また、本実施の形態1では、オイルセパレータ1の油溜め空間2の最底部が、密閉容器S1及び密閉容器S2で貯留できる油の最大油面位置よりも高い位置に設置される。これにより、オイルセパレータ1の油溜め空間2に貯留された油を、確実に密閉容器S1及び密閉容器S2へ供給することができる。
上述のように、圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121には、冷媒空間121から冷媒を流出させる流出配管11bの一端が連通している。この流出配管11bの他端は、該流出配管11bから流入した冷媒を凝縮させる凝縮器301と接続されている。この凝縮器301は、冷媒配管により、該凝縮器301から流入した冷媒を膨張させる膨張弁302と接続されている。また、膨張弁302は、該膨張弁302から流入した冷媒を蒸発させる蒸発器303と接続されている。
この蒸発器303には、吸入母管10aの一端が接続されている。吸入母管10aの他端には、吸入配管101の一端及び吸入配管102の一端が接続されている。また、吸入配管101の他端は、圧縮機CP1の圧縮機構部Cの吸入口C0と接続されている。吸入配管102の他端は、圧縮機CP2の圧縮機構部Cの吸入口C0と接続されている。すなわち、2つの圧縮機CPの圧縮機構部Cは、吸入母管10aに並列に接続されている。つまり、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、流出配管11bから流出した冷媒が凝縮器301、膨張弁302及び蒸発器303を経て圧縮機CP1の圧縮機構部Cの吸入口C0から圧縮機CP1の圧縮機構部Cに吸入される経路を備えている。また、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、流出配管11bから流出して凝縮器301、凝縮器301、膨張弁302及び蒸発器303を経た冷媒が圧縮機CP2の圧縮機構部Cの吸入口C0から圧縮機CP2の圧縮機構部Cにも吸入される構成となっている。
ここで、圧縮機CP1の圧縮機構部Cの吸入口C0が、本発明の第1吸入口に相当する。圧縮機CP2の圧縮機構部Cの吸入口C0が、本発明の中間圧縮機用吸入口に相当する。
[動作説明]
続いて、本実施の形態1に係る空気調和装置100の運転動作について説明する。
まず、圧縮機CP1のみが駆動する際の、空気調和装置100の運転動作について説明する。
圧縮機CP1の固定子15b(より詳しくは巻線16)に電力が供給されると、回転子15aが固定子15bに対し回転駆動する。これに伴い、駆動軸14及び該駆動軸14に接続された圧縮機構部Cの構成部品が回転する。これにより、低温低圧のガス状冷媒は、吸入母管10a及び吸入配管101を通り、吸入口C0より圧縮機構部Cへ吸入される。圧縮機構部Cで圧縮されて高温高圧となったガス状の冷媒は、吐出口C1から吐出され、吐出配管111及び吐出母管11aを通って、オイルセパレータ1に流入する。圧縮機構部Cの吐出口C1から吐出されてオイルセパレータ1に流入するこの冷媒には、圧縮機構部Cに供給された油を含んだものとなっている。
吐出母管11aからオイルセパレータ1へ冷媒が流入する際、冷媒の流路が急拡大し、冷媒の流速が低下する。これにより、油が冷媒と同伴できなくなり、オイルセパレータ1内において、冷媒と油とが分離される。そして、分離した油は、オイルセパレータ1の油溜め空間2に貯留される。一方、冷媒は、オイルセパレータ1の冷媒空間3に充満する。オイルセパレータ1の冷媒空間3に充満した冷媒は、第1冷媒連通管201を通って、圧縮機CP2の密閉容器S2内へ流入する。この際、冷媒の流路が急拡大し、冷媒の流速が低下する。これにより、油が冷媒と同伴できなくなり、密閉容器S2内において、冷媒とオイルセパレータ1で分離できなかった油とがさらに分離される。また、圧縮機CP2の密閉容器S2内においては、電動機15内(回転子15aと固定子15bとの間等)を冷媒が流れる際にも、冷媒中の油が電動機15に付着し、冷媒と油とが分離される。そして、分離した油は、密閉容器S2の油溜め空間132に貯留される。一方、冷媒は、密閉容器S2の冷媒空間122に充満する。
圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122に充満した冷媒は、第2冷媒連通管202を通って、圧縮機CP1の密閉容器S1内へ流入する。この際、冷媒の流路が急拡大し、冷媒の流速が低下する。これにより、油が冷媒と同伴できなくなり、密閉容器S1内において、冷媒とオイルセパレータ1及び密閉容器S2で分離できなかった油とがさらに分離される。また、圧縮機CP1の密閉容器S1内においては、電動機15内(回転子15aと固定子15bとの間等)を冷媒が流れる際にも、冷媒中の油が電動機15に付着し、冷媒と油とが分離される。また、電動機15内(回転子15aと固定子15bとの間等)を冷媒が流れる際、電動機15、特に巻線16を冷却し、巻線16の熱劣化等を抑制する。そして、分離した油は、密閉容器S1の油溜め空間131に貯留される。一方、冷媒は、密閉容器S1の冷媒空間121に充満する。
圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121に充満した冷媒は、流出配管11bを通って凝縮器301へ流入する。つまり、高温高圧となったガス状の冷媒は、凝縮器301へ流入する。この高温高圧となったガス状の冷媒は、凝縮器301で空気等の熱交換対象と熱交換し、液状冷媒へと相変化する。その後、この液状冷媒は、膨張弁302で減圧されて低温低圧の気液二相状態となり、蒸発器303に導かれる。そして、この気液二相状態の冷媒は、蒸発器303で空気等の熱交換対象と熱交換し、低温低圧のガス状冷媒へと相変化する。この低温低圧のガス状冷媒は、吸入母管10aへと流入する。
ここで、オイルセパレータ1の冷媒空間3に充満した冷媒が、第1冷媒連通管201を通って圧縮機CP2の密閉容器S2に流入する際、第1冷媒連通管201によって圧力損失が発生する。また、圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122に充満した冷媒が、第2冷媒連通管202を通って圧縮機CP1の密閉容器S1内に流入する際、第2冷媒連通管202によって圧力損失が発生する。このため、オイルセパレータ1の冷媒空間3の圧力を例えばPo=Pd+Pa+Pbとすると、圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122の圧力は、P2=Pd+Paとなる。また、圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121の圧力は、P1=Pdとなる。
すなわち、第1冷媒連通管201を冷媒が通ることで、オイルセパレータ1の冷媒空間3と圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122との間には、Po―P2=Pbの圧力損失が発生する。また、第2冷媒連通管202を冷媒が通ることで、圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122と圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121との間には、P2―P1=Paの圧力損失が発生する。このため、オイルセパレータ1の油溜め空間2の油は、オイルセパレータ1の冷媒空間3と圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122との差圧(Po―P2=Pb)により、第1油連通管211を通って、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132へと移動する。また、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132の油は、圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122と圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121との差圧(P2―P1=Pa)により、第2油連通管212を通って、圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131へ移動する。
このように、本実施の形態1に係る空気調和装置100においては、圧縮機CP1の圧縮機構部Cで圧縮された冷媒が、吐出配管111及び吐出母管11aを通って、オイルセパレータ1に流入する。そして、オイルセパレータ1において冷媒中に含まれる油を分離し、オイルセパレータ1の油溜め空間2に分離した油を貯留する。そして、オイルセパレータ1の油溜め空間2に貯留された油を、第1油連通管211及び第2油連通管212を介して、駆動中の圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131へ戻す。このため、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、圧縮機CP1のみが駆動する際、該圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131に一定量以上の油を保持できる。すなわち、圧縮機CP1を構成する部品間の摺動部に油を供給することができ、摺動部の故障を防止できる。また、圧縮機CP1の圧縮機構部Cの部品間の隙間をシールでき、圧縮機構部Cのシール性を向上させる。したがって、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、信頼性を担保できる。
また、本実施の形態1に係る空気調和装置100においては、圧縮機CP1の圧縮機構部Cで圧縮された冷媒を、オイルセパレータ1から圧縮機CP1の密閉容器S1まで流し、その後に圧縮機CP1の密閉容器S1から凝縮器301へ吐出する。そして、オイルセパレータ1の冷媒空間3と圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121との間に差圧を発生させる。そして、該差圧により、オイルセパレータ1の油溜め空間2に貯留された油を、駆動中の圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131へ戻す。このため、本実施の形態1に係る空気調和装置100においては、オイルセパレータ1の油溜め空間2の油を、吸入配管101を経由させずに、直接、油溜め空間131へと戻すことができる。このため、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、加熱損失による性能の低下を抑制できる。
次に、圧縮機CP1及び圧縮機CP2の双方が駆動する際の、空気調和装置100の運転動作について説明する。
常時駆動する圧縮機CP1に対し、圧縮機CP2は、負荷が大きい時等、必要に応じて駆動する。圧縮機CP1と同様に、圧縮機CP2の固定子15b(より詳しくは巻線16)に電力が供給されると、圧縮機CP2の回転子15aが固定子15bに対し回転駆動する。これに伴い、圧縮機CP2の駆動軸14及び該駆動軸14に接続された圧縮機CP2の圧縮機構部Cの構成部品が回転する。これにより、低温低圧のガス状冷媒は、吸入母管10a及び吸入配管102を通り、圧縮機CP2の吸入口C0より圧縮機CP2の圧縮機構部Cへ吸入される。圧縮機CP2の圧縮機構部Cで圧縮されて高温高圧となったガス状の冷媒は、圧縮機CP2の吐出口C1から吐出され、吐出配管112及び吐出母管11aを通って、オイルセパレータ1に流入する。つまり、オイルセパレータ1には、圧縮機CP1の圧縮機構部Cで圧縮された冷媒と、圧縮機CP2の圧縮機構部Cで圧縮された冷媒とが流入する。圧縮機CP2の圧縮機構部Cの吐出口C1から吐出され冷媒には、当該圧縮機構部Cに供給された油を含んだものとなっている。
吐出母管11aからオイルセパレータ1へ冷媒が流入すると、上述のように冷媒と油とに分離される。そして、分離した油は、オイルセパレータ1の油溜め空間2に貯留される。一方、冷媒は、オイルセパレータ1の冷媒空間3に充満する。オイルセパレータ1の冷媒空間3に充満した冷媒は、第1冷媒連通管201を通って、圧縮機CP2の密閉容器S2内へ流入する。この際、上述のように、密閉容器S2内において、冷媒と油とがさらに分離される。また、圧縮機CP2の密閉容器S2内においては、電動機15内(回転子15aと固定子15bとの間等)を冷媒が流れる際にも、冷媒中の油が電動機15に付着し、冷媒と油とが分離される。また、電動機15内(回転子15aと固定子15bとの間等)を冷媒が流れる際、電動機15、特に巻線16を冷却し、巻線16の熱劣化等を抑制する。そして、分離した油は、密閉容器S2の油溜め空間132に貯留される。一方、冷媒は、密閉容器S2の冷媒空間122に充満する。
圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122に充満した冷媒のこの後の流れ、及び該冷媒からの油の分離は、圧縮機CP1のみが駆動する際の空気調和装置100の運転動作と同様である。
ここで、上述のように、オイルセパレータ1の油溜め空間2の油は、オイルセパレータ1の冷媒空間3と圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122との差圧(Po―P2=Pb)により、第1油連通管211を通って、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132へと移動する。また、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132の油は、圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122と圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121との差圧(P2―P1=Pa)により、第2油連通管212を通って、圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131へ移動する。この際、第2油連通管212における圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132との連通口は、圧縮機CP2の給油口14bよりも高い位置に配置されている。これにより、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132に貯留された油のうち、第2油連通管212における油溜め空間132との連通口よりも低い位置に貯留された油は、第2油連通管212から密閉容器S2外へ流出しない。このため、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132に一定以上の油量を、より確実に保持することができる。
このように、圧縮機CP1及び圧縮機CP2の双方が駆動する場合であっても、圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131に一定量以上の油を保持できる。また、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132にも、一定量以上の油を保持できる。このため、圧縮機CP1,CP2を構成する部品間の摺動部に油を供給することができ、摺動部の故障を防止できる。また、圧縮機CP1,CP2の圧縮機構部Cの部品間の隙間をシールでき、圧縮機構部Cのシール性を向上させる。したがって、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、圧縮機CP1及び圧縮機CP2の双方が駆動する場合も、信頼性を担保できる。
また、本実施の形態1に係る空気調和装置100においては、上述のように、オイルセパレータ1の冷媒空間3と圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122との間の差圧により、オイルセパレータ1の油溜め空間2に貯留された油を、駆動中の圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132へ戻す。また、圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122と圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121との間の差圧により、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132に貯留された油を、駆動中の圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131へ戻す。このため、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、オイルセパレータ1の油溜め空間2の油を、吸入配管101,102を経由させずに、直接、圧縮機CP1の油溜め空間131及び圧縮機CP2の油溜め空間132へと戻すことができる。このため、本実施の形態1に係る空気調和装置100は、圧縮機CP1及び圧縮機CP2の双方が駆動する場合も、加熱損失による性能の低下を抑制できる。
なお、本実施の形態1では、本発明の中間圧縮機に相当する圧縮機CP2を1つのみ設けた。これに限らず、オイルセパレータ1から圧縮機CP1の密閉容器S1内に流れる冷媒の流れにおいて直列に、本発明の中間圧縮機に相当する圧縮機CP2を複数設けてもよい。この場合、各圧縮機CP2の圧縮機構部Cの吐出口C1は、吐出配管112を介して、吐出母管11aと接続される。また、各圧縮機CP2の圧縮機構部Cの吸入口C0は、吸入配管102を介して、吸入母管10aと接続される。また、オイルセパレータ1から圧縮機CP1の密閉容器S1内に流れる冷媒の流れにおいて、オイルセパレータ1の直後に設けられた圧縮機CP2の冷媒空間122が、第1冷媒連通管201と連通する。また、オイルセパレータ1の直後に設けられた圧縮機CP2の油溜め空間132が、第1油連通管211と連通する。また、オイルセパレータ1から圧縮機CP1の密閉容器S1内に流れる冷媒の流れにおいて、圧縮機CP1の直前に設けられた圧縮機CP2の冷媒空間122が、第2冷媒連通管202と連通する。また、圧縮機CP1の直前に設けられた圧縮機CP2の油溜め空間132が、第2油連通管212と連通する。また、その他の圧縮機CP2においては、冷媒空間122が隣接する圧縮機CPの冷媒空間12と、冷媒連通管20の一部を構成する配管によって接続される。また、上記その他の圧縮機CP2においては、油溜め空間132が隣接する圧縮機CPの油溜め空間13と、油連通管21の一部を構成する配管によって接続される。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2に係る空気調和装置100について説明する。なお、本実施の形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図3は、本発明の実施の形態2に係る空気調和装置の一部を示す冷媒回路図である。なお、図3では、凝縮器301、膨張弁302及び蒸発器303の図示を省略している。
実施の形態1では、本発明の第2密閉容器として、オイルセパレータ1を設けた。一方、本実施の形態2に係る空気調和装置100は、圧縮機CP2の密閉容器S2を、本発明の第2密閉容器として用いている。このため、吐出母管11aは、密閉容器S2の冷媒空間122に連通している。また、本発明の第2密閉容器に相当する密閉容器S2の冷媒空間122と、圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121とは、冷媒連通管20で連通している。なお、冷媒連通管20は、冷媒空間122及び冷媒空間121に対して、実施の形態1で示した第2冷媒連通管202と同様の構成で連通している。また、本発明の第2密閉容器に相当する密閉容器S2の油溜め空間132と、圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131とは、油連通管21で連通している。なお、油連通管21は、油溜め空間132及び油溜め空間131に対して、実施の形態1で示した第2油連通管212と同様の構成で連通している。
ここで、本実施の形態2においては、圧縮機CP2が、本発明の第2圧縮機に相当する。圧縮機CP2の圧縮機構部Cが、本発明の第2圧縮機構部に相当する。第2圧縮機構部に相当する圧縮機構部Cの吐出口C1が、本発明の第2吐出口に相当する。第2圧縮機構部に相当する圧縮機構部Cの吸入口C0が、本発明の第2吸入口に相当する。冷媒空間122が、本発明の第2冷媒空間に相当する。油溜め空間132が、本発明の第2油溜め空間に相当する。
[動作説明]
続いて、本実施の形態2に係る空気調和装置100の運転動作について説明する。
まず、圧縮機CP1のみが駆動する際の、空気調和装置100の運転動作について説明する。
実施の形態1で述べた通り、圧縮機CP1の駆動が開始されると、油を含んだ高圧の冷媒が、圧縮機CP1の圧縮機構部Cの吐出口C1から吐出される。この冷媒は、吐出配管111及び吐出母管11aを通って、圧縮機CP2の密閉容器S2に流入する。吐出母管11aから圧縮機CP2の密閉容器S2へ冷媒が流入する際、冷媒の流路が急拡大し、冷媒の流速が低下する。これにより、油が冷媒と同伴できなくなり、密閉容器S2内において、冷媒と油とが分離される。また、圧縮機CP2の密閉容器S2内においては、電動機15内(回転子15aと固定子15bとの間等)を冷媒が流れる際にも、冷媒中の油が電動機15に付着し、冷媒と油とが分離される。そして、分離した油は、密閉容器S2の油溜め空間132に貯留される。一方、冷媒は、密閉容器S2の冷媒空間122に充満する。
圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122に充満した冷媒は、冷媒連通管20を通って、圧縮機CP1の密閉容器S1内へ流入する。この際、冷媒の流路が急拡大し、冷媒の流速が低下する。これにより、油が冷媒と同伴できなくなり、密閉容器S1内において、冷媒と密閉容器S2で分離できなかった油とがさらに分離される。また、圧縮機CP1の密閉容器S1内においては、電動機15内(回転子15aと固定子15bとの間等)を冷媒が流れる際にも、冷媒中の油が電動機15に付着し、冷媒と油とが分離される。また、電動機15内(回転子15aと固定子15bとの間等)を冷媒が流れる際、電動機15、特に巻線16を冷却し、巻線16の熱劣化等を抑制する。そして、分離した油は、密閉容器S1の油溜め空間131に貯留される。一方、冷媒は、密閉容器S1の冷媒空間121に充満する。密閉容器S1の冷媒空間121に充満した冷媒のその後の流れは、実施の形態1と同様である。
ここで、圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122に充満した冷媒が、冷媒連通管20を通って圧縮機CP1の密閉容器S1内に流入する際、冷媒連通管20によって圧力損失が発生する。圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122の圧力を例えばP2=Pd+Paとすると、圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121の圧力は、P1=Pdとなる。このため、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132の油は、圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122と圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121との差圧(P2―P1=Pa)により、冷媒連通管20を通って、圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131へ移動する。
このように、本実施の形態2に係る空気調和装置100は、圧縮機CP1のみが駆動する際、該圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131に一定量以上の油を保持できる。すなわち、圧縮機CP1を構成する部品間の摺動部に油を供給することができ、摺動部の故障を防止できる。また、圧縮機CP1の圧縮機構部Cの部品間の隙間をシールでき、圧縮機構部Cのシール性を向上させる。したがって、本実施の形態2に係る空気調和装置100は、信頼性を担保できる。
また、本実施の形態2に係る空気調和装置100においては、圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122と圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121との間の差圧により、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132に貯留された油を、駆動中の圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131へ戻す。このため、本実施の形態2に係る空気調和装置100は、油溜め空間132の油を、吸入配管101を経由させずに、直接、油溜め空間131へと戻すことができる。このため、本実施の形態2に係る空気調和装置100は、加熱損失による性能の低下を抑制できる。
次に、圧縮機CP1及び圧縮機CP2の双方が駆動する際の、空気調和装置100の運転動作について説明する。
実施の形態1と同様に、圧縮機CP2の圧縮機構部Cで圧縮されて高温高圧となったガス状の冷媒は、圧縮機CP2の吐出口C1から吐出される。この冷媒は、吐出配管112及び吐出母管11aを通って、圧縮機CP2の密閉容器S2に流入する。つまり、圧縮機CP2の密閉容器S2には、圧縮機CP1の圧縮機構部Cで圧縮された冷媒と、圧縮機CP2の圧縮機構部Cで圧縮された冷媒とが流入する。圧縮機CP2の圧縮機構部Cの吐出口C1から吐出され冷媒には、当該圧縮機構部Cに供給された油を含んだものとなっている。
吐出母管11aから圧縮機CP2の密閉容器S2へ冷媒が流入すると、上述のように冷媒と油とに分離される。また、圧縮機CP2の密閉容器S2内においては、電動機15内(回転子15aと固定子15bとの間等)を冷媒が流れる際、電動機15、特に巻線16を冷却し、巻線16の熱劣化等を抑制する。そして、分離した油は、密閉容器S2の油溜め空間132に貯留される。一方、冷媒は、密閉容器S2の冷媒空間122に充満する。
圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122に充満した冷媒のこの後の流れ、及び該冷媒からの油の分離は、圧縮機CP1のみが駆動する際の空気調和装置100の運転動作と同様である。
ここで、上述のように、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132の油は、圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122と圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121との差圧(P2―P1=Pa)により、冷媒連通管20を通って、圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131へ移動する。この際、油連通管21における圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132との連通口は、圧縮機CP2の給油口14bよりも高い位置に配置されている。これにより、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132に貯留された油のうち、油連通管21における油溜め空間132との連通口よりも低い位置に貯留された油は、油連通管21から密閉容器S2外へ流出しない。このため、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132に一定以上の油量を、より確実に保持することができる。
ここで、圧縮機CP2の給油口14bが、本発明の第2圧縮機用給油口に相当する。このため、圧縮機CP2の駆動軸14に形成された内部流路14aが、本発明の第2圧縮機用給油流路に相当する。
このように、圧縮機CP1及び圧縮機CP2の双方が駆動する場合であっても、圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131に一定量以上の油を保持できる。また、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132にも、一定量以上の油を保持できる。このため、圧縮機CP1,CP2を構成する部品間の摺動部に油を供給することができ、摺動部の故障を防止できる。また、圧縮機CP1,CP2の圧縮機構部Cの部品間の隙間をシールでき、圧縮機構部Cのシール性を向上させる。したがって、本実施の形態2に係る空気調和装置100は、圧縮機CP1及び圧縮機CP2の双方が駆動する場合も、信頼性を担保できる。
また、圧縮機CP1及び圧縮機CP2の双方が駆動する場合であっても、圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122と圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121との間の差圧により、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132に貯留された油を、駆動中の圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131へ戻す。このため、本実施の形態2に係る空気調和装置100は、油溜め空間132の油を、吸入配管101を経由させずに、直接、油溜め空間131へと戻すことができる。このため、本実施の形態2に係る空気調和装置100は、圧縮機CP1及び圧縮機CP2の双方が駆動する場合も、加熱損失による性能の低下を抑制できる。
なお、本発明の第2圧縮機に相当する圧縮機CP2の密閉容器S2から圧縮機CP1の密閉容器S1内に流れる冷媒の流れにおいて、該圧縮機CP2と該圧縮機CP1の間となる位置に、本発明の中間圧縮機に相当する圧縮機CPを追加してもよい。なお、当該CPの空気調和装置100への接続構成は、実施の形態1で示した本発明の中間圧縮機の接続構成と同様である。上述のように、圧縮機CPの密閉容器S内では、冷媒と油との分離が行われる。このため、圧縮機CPの台数を増加するほど、油の分離効率が向上する。また、本実施の形態2では、圧縮機CP2の圧縮機構部Cの吐出口C1から吐出された冷媒は、吐出配管112及び吐出母管11aを通って、圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122に流入する構成とした。これに限らず、吐出配管112を設けずに、圧縮機CP2の圧縮機構部Cの吐出口C1から、圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122へ、冷媒を直接吐出してもよい。すなわち、本実施の形態2に係る空気調和装置100においては、圧縮機CP2の吐出口C1から吐出された冷媒が圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122に流入するように構成されていればよい。
実施の形態3.
本実施の形態3に係る空気調和装置100は、冷媒連通管20における圧縮機CPの密閉容器Sと接続される側の端部を、2本の配管で構成したことを特徴としている。以下では、実施の形態1で示した空気調和装置100の構成を変形して、本実施の形態3に係る空気調和装置100の一例を説明する。なお、本実施の形態3において、特に記述しない項目については実施の形態1又は実施の形態2と同様とし、実施の形態1又は実施の形態2と同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図4は、本発明の実施の形態3に係る空気調和装置の一部を示す冷媒回路図である。
本実施の形態3に係る第1冷媒連通管201における圧縮機CP2の密閉容器S2側(冷媒空間122側)の端部は、2つの配管201X,201Yで構成されている。そして、配管201Xは、圧縮機CP2の電動機15の上部巻線16a付近において、密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。また、配管201Yは、圧縮機CP2の電動機15の下部巻線16b付近において、密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。換言すると、配管201Xは、圧縮機CP2の電動機15の上部巻線16aと規定距離内の位置で、密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。また、配管201Yは、圧縮機CP2の電動機15の下部巻線16bと規定距離内の位置で、密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。さらに換言すると、配管201Xは、圧縮機CP2の電動機15の固定子15bよりも圧縮機CP2の圧縮機構部C側で、密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。また、配管201Yは、圧縮機CP2の電動機15の固定子15bよりも圧縮機CP2の圧縮機構部Cから離れた位置で、密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。
ここで、圧縮機CP2の電動機15が、本発明の中間圧縮機用電動機に相当する。
また、本実施の形態3では、第2冷媒連通管202が、2本の配管202X,202Yで構成されている。換言すると、本実施の形態3に係る第2冷媒連通管202における圧縮機CP2の密閉容器S2側(冷媒空間122側)の端部は、2つの配管202X,202Yで構成されているとも言える。また、本実施の形態3に係る第2冷媒連通管202における圧縮機CP1の密閉容器S1側(冷媒空間121側)の端部は、つまり冷媒連通管20おける圧縮機CP1の密閉容器S1側(冷媒空間122側)の端部は、2つの配管202X,202Yで構成されているとも言える。
そして、配管202Xは、圧縮機CP2の電動機15の上部巻線16a付近において、密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。また、配管202Yは、圧縮機CP2の電動機15の下部巻線16b付近において、密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。換言すると、配管202Xは、圧縮機CP2の電動機15の上部巻線16aと規定距離内の位置で、密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。また、配管202Yは、圧縮機CP2の電動機15の下部巻線16bと規定距離内の位置で、密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。さらに換言すると、配管202Xは、圧縮機CP2の電動機15の固定子15bよりも圧縮機CP2の圧縮機構部C側で、密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。また、配管202Yは、圧縮機CP2の電動機15の固定子15bよりも圧縮機CP2の圧縮機構部Cから離れた位置で、密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。
また、配管202Xは、圧縮機CP1の電動機15の上部巻線16a付近において、密閉容器S1の冷媒空間121と連通している。また、配管202Yは、圧縮機CP1の電動機15の下部巻線16b付近において、密閉容器S1の冷媒空間121と連通している。換言すると、配管202Xは、圧縮機CP1の電動機15の上部巻線16aと規定距離内の位置で、密閉容器S1の冷媒空間121と連通している。また、配管202Yは、圧縮機CP1の電動機15の下部巻線16bと規定距離内の位置で、密閉容器S1の冷媒空間121と連通している。さらに換言すると、配管202Xは、圧縮機CP1の電動機15の固定子15bよりも圧縮機CP1の圧縮機構部C側で、密閉容器S1の冷媒空間121と連通している。また、配管202Yは、圧縮機CP1の電動機15の固定子15bよりも圧縮機CP1の圧縮機構部Cから離れた位置で、密閉容器S1の冷媒空間121と連通している。
ここで、圧縮機CP1の電動機15が、本発明の第1圧縮機用電動機に相当する。
また、本実施の形態3に係る流出配管11bにおける圧縮機CP1の密閉容器S1側(冷媒空間121側)の端部は、2つの配管11bX,11bYで構成されている。そして、11bXは、圧縮機CP1の電動機15の上部巻線16a付近において、密閉容器S1の冷媒空間121と連通している。また、11bYは、圧縮機CP1の電動機15の下部巻線16b付近において、密閉容器S1の冷媒空間121と連通している。換言すると、配管11bXは、圧縮機CP1の電動機15の上部巻線16aと規定距離内の位置で、密閉容器S1の冷媒空間121と連通している。また、配管11bYは、圧縮機CP1の電動機15の下部巻線16bと規定距離内の位置で、密閉容器S1の冷媒空間121と連通している。さらに換言すると、配管11bXは、圧縮機CP1の電動機15の固定子15bよりも圧縮機CP1の圧縮機構部C側で、密閉容器S1の冷媒空間121と連通している。また、配管11bYは、圧縮機CP1の電動機15の固定子15bよりも圧縮機CP1の圧縮機構部Cから離れた位置で、密閉容器S1の冷媒空間121と連通している。
このように構成された本実施の形態3に係る空気調和装置100においては、実施の形態1で説明した効果に加え、以下の効果を得ることもできる。
オイルセパレータ1から密閉容器S2へと導かれる冷媒は、2つの配管201X,201Yを通る。また、密閉容器S2から密閉容器S1へ導かれる冷媒は、2本の配管202X,202Yを通る。また、密閉容器S1から流出する冷媒は、2つの配管11bX,11bYを通る。2本の配管を通る冷媒は、1本の配管を通る場合と比べ、流速が遅くなり、それに伴って圧力損失も低下する。このため、本実施の形態3のように空気調和装置100を構成することにより、流出配管11bから吐出する冷媒の圧力が目減りすることによる性能低下を抑制できる。
また、本実施の形態3のように空気調和装置100を構成することにより、電動機15の巻線16付近に冷媒を流すことで、巻線16を積極的に冷却でき、電動機15の信頼性を向上させることができる。
なお、上述した効果は、第1冷媒連通管201、第2冷媒連通管202及び流出配管11bのうちのいずれか1つの端部を2本の配管で構成することにより、得ることができる。
また、上述した効果は、実施の形態2で示した冷媒連通管の端部を2本の配管で構成しても、得ることができる。詳しくは、実施の形態2で示した空気調和装置100において、冷媒連通管20における圧縮機CP2の密閉容器S2側(冷媒空間122側)の端部を、2つの配管で構成すればよい。そして、2本の配管のうちの一方を、圧縮機CP2の電動機15の上部巻線16a付近において、密閉容器S2の冷媒空間122と連通させればよい。また、2本の配管のうちの他方を、圧縮機CP2の電動機15の下部巻線16b付近において、密閉容器S2の冷媒空間122と連通させればよい。換言すると、2本の配管のうちの一方を、圧縮機CP2の電動機15の上部巻線16aと規定距離内の位置で、密閉容器S2の冷媒空間122と連通させればよい。また、2本の配管のうちの他方を、圧縮機CP2の電動機15の下部巻線16bと規定距離内の位置で、密閉容器S2の冷媒空間122と連通させればよい。さらに換言すると、2本の配管のうちの一方を、圧縮機CP2の電動機15の固定子15bよりも圧縮機CP2の圧縮機構部C側で、密閉容器S2の冷媒空間122と連通させればよい。また、2本の配管のうちの他方を、圧縮機CP2の電動機15の固定子15bよりも圧縮機CP2の圧縮機構部Cから離れた位置で、密閉容器S2の冷媒空間122と連通させればよい。この場合、実施の形態2で示した空気調和装置100の圧縮機CP2の電動機15が、本発明の第2圧縮機用電動機に相当する。
実施の形態4.
本実施の形態4に係る空気調和装置100は、冷媒連通管20の端部を、電動機15の固定子15bと対向して設けたことを特徴としている。以下では、実施の形態1で示した空気調和装置100の構成を変形して、本実施の形態4に係る空気調和装置100の一例を説明する。なお、本実施の形態4において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態3のいずれかと同様とし、実施の形態1〜実施の形態3のいずれかと同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図5は、本発明の実施の形態4に係る空気調和装置における圧縮機間の接続部付近を示す縦断面図である。また、図6は、本発明の実施の形態4に係る空気調和装置における圧縮機間の接続部付近を示す横断面図である。
本実施の形態4においては、第2冷媒連通管202は、圧縮機CP1の電動機15の固定子15bと対向する位置で、冷媒空間121と連通している。この構成を実現するため、圧縮機CP1の電動機15の固定子15bは、図6に示すように、例えば、第2冷媒連通管202の端部と対向する位置が切り欠かれている。このように構成することにより、当該切り欠き部分が冷媒空間121となる。換言すると、圧縮機CP1の固定子15bの外周と密閉容器S1との間には、冷媒空間121における固定子15bよりも圧縮機構部C側となる範囲と、冷媒空間121における固定子15bよりも圧縮機構部Cから離れた位置となる範囲とを連通する連通空間が形成される。これにより、第2冷媒連通管202を、圧縮機CP1の電動機15の固定子15bと対向する位置で、冷媒空間121と連通させることができる。換言すると、第2冷媒連通管202における冷媒空間121側の端部を、前記連通空間に配置することができる。また、第2冷媒連通管202は、同様の構成により、圧縮機CP2の電動機15の固定子15bと対向する位置で、冷媒空間122と連通している。
このように構成された本実施の形態4に係る空気調和装置100においては、実施の形態1で説明した効果に加え、以下の効果を得ることもできる。
密閉容器S2内の冷媒は、上部巻線16a及び下部巻線16b近傍を流れた後、固定子15bの切り欠き部分に流入し、第2冷媒連通管202へ流出する。このため、巻線16を積極的に冷却でき、圧縮機CP2の電動機15の信頼性を向上させることができる。
また、第2冷媒連通管202から密閉容器S1へ流入した冷媒は、固定子15bの切り欠き部分で分岐し、上部巻線16a及び下部巻線16b近傍へ流れていく。このため、巻線16を積極的に冷却でき、圧縮機CP1の電動機15の信頼性を向上させることができる。
なお、第2冷媒連通管202以外の配管を上述のように設けることにより、上述の効果を得ることができる。
例えば、実施の形態1で示した空気調和装置100において、第1冷媒連通管201を、圧縮機CP2の電動機15の固定子15bと対向する位置で、冷媒空間122と連通させてもよい。また例えば、実施の形態2で示した空気調和装置100において、冷媒連通管20を圧縮機CP2の電動機15の固定子15bと対向する位置で、冷媒空間122と連通させてもよい。また例えば、実施の形態2で示した空気調和装置100において、冷媒連通管20を圧縮機CP1の電動機15の固定子15bと対向する位置で、冷媒空間121と連通させてもよい。
実施の形態5.
空気調和装置100は、スクロール圧縮機以外の圧縮機を採用しても勿論よい。以下では、実施の形態1で示した空気調和装置100の構成を変形して、本実施の形態5に係る空気調和装置100の一例を説明する。なお、本実施の形態5において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態4のいずれかと同様とし、実施の形態1〜実施の形態4のいずれかと同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図7は、本発明の実施の形態5に係る空気調和装置の一部を示す冷媒回路図である。また、図8は、本発明の実施の形態5に係る空気調和装置の圧縮機の基本構成を示す縦断面模式図である。
本実施の形態5に係る空気調和装置100が、実施の形態1と異なる点は、圧縮機CPとして、ロータリ圧縮機を採用している点である。このため、密閉容器S内において圧縮機構部Cは、電動機15の下方に配置されている。また、吸入配管10には、液状冷媒とガス状冷媒とを分離し、ガス状冷媒を下流側に流出させる吸入マフラ18が接続されている。そして、吸入マフラ18は、配管18aを介して、ロータリ型の圧縮機構部Cの吸入口C0に接続されている。すなわち、圧縮機構部Cの吸入口C0は、吸入マフラ18及び配管18aを介して、吸入配管10と接続されている。
このように構成された空気調和装置100においても、オイルセパレータ1の冷媒空間3と圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122との間の差圧により、オイルセパレータ1の油溜め空間2に貯留された油を、駆動中の圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132へ戻すことができる。また、圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122と圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121との間の差圧により、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132に貯留された油を、駆動中の圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131へ戻すことができる。このため、本実施の形態5に係る空気調和装置100も、実施の形態1と同様に、オイルセパレータ1の油溜め空間2の油を、吸入配管101,102を経由させずに、直接、圧縮機CP1の油溜め空間131及び圧縮機CP2の油溜め空間132へと戻すことができる。このため、本実施の形態5に係る空気調和装置100も、実施の形態1と同様に、圧縮機CP内での油の枯渇を防止しつつ、加熱損失による性能の低下を抑制できる。
なお、実施の形態2〜実施の形態4に示した空気調和装置100において、ロータリ圧縮機を採用しても勿論よい。実施の形態2〜実施の形態4に示した効果を得ることができる。
実施の形態6.
空気調和装置100は、1つの圧縮機CPでも構成することができる。以下では、実施の形態1で示した空気調和装置100の構成を変形して、本実施の形態6に係る空気調和装置100の一例を説明する。なお、本実施の形態6において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態5のいずれかと同様とし、実施の形態1〜実施の形態5のいずれかと同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図9は、本発明の実施の形態6に係る空気調和装置の一部を示す冷媒回路図である。
本実施の形態6に係る空気調和装置100は、1つの圧縮機CPを備えている。そして、圧縮機CPの圧縮機構部Cの吐出口C1は、吐出配管11の一端に接続されている。吐出配管11の他端は、オイルセパレータ1の冷媒空間3に連通している。また、圧縮機CPの圧縮機構部Cの吸入口C0は、吸入配管10の一端に接続されている。吸入配管10の他端は、蒸発器303に連通している。
ここで、圧縮機CPが、本発明の第1圧縮機に相当する。吐出配管11が、本発明の第1吐出配管に相当する。
また、圧縮機CPは、冷媒連通管20及び油連通管21によっても、オイルセパレータ1と接続されている。詳しくは、冷媒連通管20は、オイルセパレータ1の冷媒空間3と密閉容器Sの冷媒空間12とを連通する。この冷媒連通管20は、オイルセパレータ1の冷媒空間3に充満した冷媒を、密閉容器Sの冷媒空間12に流入させるための配管である。また、油連通管21は、オイルセパレータ1の油溜め空間2と密閉容器Sの油溜め空間13とを連通する。油連通管21は、オイルセパレータ1の油溜め空間2に貯留された油を、密閉容器Sの油溜め空間13に流入させるための配管である。
このように構成された空気調和装置100においては、圧縮機CPの駆動が開始されると、油を含んだ高圧の冷媒が、圧縮機CPの圧縮機構部Cの吐出口C1から吐出される。この冷媒は、吐出配管11を通って、オイルセパレータ1に流入する。この際、冷媒の流路が急拡大し、冷媒の流速が低下する。これにより、油が冷媒と同伴できなくなり、オイルセパレータ1内において、冷媒と油とが分離される。そして、分離した油は、オイルセパレータ1の油溜め空間2に貯留される。一方、冷媒は、オイルセパレータ1の冷媒空間3に充満する。
オイルセパレータ1の冷媒空間3に充満した冷媒は、冷媒連通管20を通って、圧縮機CPの密閉容器S内へ流入する。この際、冷媒の流路が急拡大し、冷媒の流速が低下する。これにより、油が冷媒と同伴できなくなり、密閉容器S内において、冷媒とオイルセパレータ1で分離できなかった油とがさらに分離される。そして、分離した油は、密閉容器Sの油溜め空間13に貯留される。一方、冷媒は、密閉容器Sの冷媒空間12に充満する。密閉容器Sの冷媒空間12に充満した冷媒は、流出配管11bから凝縮器301へ供給される。その後、この冷媒は、実施の形態1で示したように凝縮器301、膨張弁302及び蒸発器303を流れた後、吸入配管10を通って圧縮機CPに戻る。
ここで、オイルセパレータ1の冷媒空間3に充満した冷媒が冷媒連通管20を通って圧縮機CPの密閉容器S内に流入する際、冷媒連通管20によって圧力損失が発生する。このため、オイルセパレータ1の油溜め空間2の油は、オイルセパレータ1の冷媒空間3と圧縮機CPの密閉容器Sの冷媒空間12との差圧により、冷媒連通管20を通って、圧縮機CPの密閉容器Sの油溜め空間13へ移動する。
このように、本実施の形態6に係る空気調和装置100は、圧縮機CPの密閉容器Sの油溜め空間13に一定量以上の油を保持できる。すなわち、圧縮機CPを構成する部品間の摺動部に油を供給することができ、摺動部の故障を防止できる。また、圧縮機CPの圧縮機構部Cの部品間の隙間をシールでき、圧縮機構部Cのシール性を向上させる。したがって、本実施の形態6に係る空気調和装置100は、信頼性を担保できる。
また、本実施の形態6に係る空気調和装置100は、オイルセパレータ1の冷媒空間3と圧縮機CPの密閉容器Sの冷媒空間12との差圧により、オイルセパレータ1の油溜め空間2に貯留された油を、圧縮機CPの密閉容器Sの油溜め空間13へ戻す。このため、本実施の形態6に係る空気調和装置100は、油溜め空間2の油を、吸入配管10を経由させずに、直接、油溜め空間13へと戻すことができる。このため、本実施の形態6に係る空気調和装置100は、加熱損失による性能の低下を抑制できる。
実施の形態7.
空気調和装置100に用いられる圧縮機CPは、縦型に限定されない。以下では、実施の形態6で示した空気調和装置100の構成を変形して、本実施の形態7に係る空気調和装置100の一例を説明する。なお、本実施の形態7において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態6のいずれかと同様とし、実施の形態1〜実施の形態6のいずれかと同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図10及び図11は、本発明の実施の形態7に係る空気調和装置の一例の一部を示す冷媒回路図である。なお、図10は、圧縮機CPとして横型スクロール圧縮機を採用した場合の空気調和装置100を示している。また、図11は、圧縮機CPとして斜め型スクロール圧縮機を採用した場合の空気調和装置100を示している。
圧縮機CPが横型及び斜め型の場合、圧縮機CPが縦型の場合と比べ、駆動軸14に形成された内部流路14aの油溜め空間13側の開口部は、油溜め空間13の最低部からの高さが高くなってしまう。このため、圧縮機CPが横型及び斜め型の場合、駆動軸14に形成された内部流路14aの油溜め空間13側の開口部は、油溜め空間13に貯留された油よりも上方に配置されやすい。換言すると、圧縮機CPが横型及び斜め型の場合、駆動軸14に形成された内部流路14aの油溜め空間13側の開口部を、油溜め空間13内に配置しづらい。つまり、圧縮機CPが横型及び斜め型の場合、油溜め空間13に貯留された油を給油流路である内部流路14aに導くことが難しくなる。
このため、本実施の形態7では、駆動軸14に形成された内部流路14aの油溜め空間13側の開口部に、L字状に曲げられた油吸入配管19の一端を接続している。これにより、油吸入配管19の他端を、油溜め空間13に貯留された油内に配置することができる。換言すると、油吸入配管19の上記他端を、油溜め空間13内に配置することができる。つまり、本実施の形態7では、密閉容器Sの油溜め空間13に貯留された油を圧縮機構部Cへ導く給油流路を、駆動軸14に形成された内部流路14aと油吸入配管19とで構成している。すなわち、給油流路の給油口14bが、油吸入配管19の上記他端となっている。
また、本実施の形態7に係る圧縮機CPの密閉容器S内は、油溜め空間13と冷媒空間12とがバッフル板19bで仕切られている。これにより、油溜め空間13に貯留された油と冷媒空間12に充満した冷媒とが混合することを防止できる。
本実施の形態7で示した様な横型又は斜め型の圧縮機CPを実施の形態1〜実施の形態6で示した圧縮機CPと置き換えても、本発明を実施することができ、上述の効果を得ることができる。
実施の形態8.
本発明の第2密閉容器から本発明の第1密閉容器へ流れる冷媒の流れにおいて、本発明の第1圧縮機に相当する圧縮機と並列になるように、更なる圧縮機を設けてもよい(接続してもよい)。なお、本実施の形態8において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態7のいずれかと同様とし、実施の形態1〜実施の形態7のいずれかと同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図12は、本発明の実施の形態8に係る空気調和装置の一例の一部を示す冷媒回路図である。
図12に示す空気調和装置100は、実施の形態6(図9)で示した空気調和装置100の構成に、圧縮機CP3等が追加されたものである。なお、図12では、実施の形態6(図9)で示した圧縮機CPを、圧縮機CP3と区別するため、圧縮機CP1として示している。また、図12及び後述の図13,14では、本実施の形態8に係る空気調和装置100の特徴部分となる配管構成を見やすくするため、各圧縮機CPの圧縮機構部Cと吐出母管11aとを接続する配管、及び、各圧縮機CPの圧縮機構部Cと蒸発器303とを接続する配管の図示を省略している。
圧縮機CP3の基本構成は、例えば、上述した図2と同様となっている。すなわち、圧縮機CP3は、回転子15a及び固定子15bを有する電動機15と、駆動軸14と、圧縮機構部Cと、を備えている。また、圧縮機CP3は、電動機15、駆動軸14、及び圧縮機構部Cを収納する密閉容器S3を備えている。また、密閉容器S3内は、下部が油を貯留する油溜め空間133となる。また、密閉容器S3内における油溜め空間133の上方は、冷媒を充満させる冷媒空間123となる。すなわち、冷媒空間123は、高圧ガスで満たされた高圧雰囲気となる。
圧縮機構部Cは、該圧縮機構部Cに冷媒を吸入する吸入口C0と、該圧縮機構部Cで圧縮した冷媒を該圧縮機構部C外へ吐出する吐出口C1と、を有する。また、吸入口C0には吸入配管103が接続されており、吐出口C1には吐出配管113が接続されている。
また、圧縮機CP3は、密閉容器S3の油溜め空間133に貯留された油を圧縮機構部Cへ導く給油流路を備えている。この給油路は、駆動軸14に形成された内部流路14aで構成されている。このため、密閉容器S3の油溜め空間133に配置される給油流路の給油口14bは、内部流路14aの下部開口となる。
ここで、後述のように、圧縮機CP3は、オイルセパレータ1から圧縮機CP1の密閉容器S1へ流れる冷媒の流れにおいて、圧縮機CP1と並列に設けられている。すなわち、圧縮機CP3が、本発明の並列圧縮機に相当する。圧縮機CP3の圧縮機構部Cが、本発明の並列圧縮機用圧縮機構部に相当する。圧縮機CP3の圧縮機構部Cの吸入口C0が、本発明の並列圧縮機用吸入口に相当する。圧縮機CP3の圧縮機構部Cの吐出口C1が、本発明の並列圧縮機用吐出口に相当する。圧縮機CP1の密閉容器S3が、本発明の並列圧縮機用密閉容器に相当する。密閉容器S3の油溜め空間133が、本発明の並列圧縮機用油溜め空間に相当する。密閉容器S3の冷媒空間123が、本発明の並列圧縮機用冷媒空間に相当する。圧縮機CP3の駆動軸14に形成された内部流路14aが、本発明の並列圧縮機用給油流路に相当する。圧縮機CP3の給油口14bが、本発明の並列圧縮機用給油口に相当する。圧縮機CP3の電動機15が、本発明の並列圧縮機用電動機に相当する。
圧縮機CP3の圧縮機構部Cの吐出口C1は、吐出配管113の一端と接続されている。この吐出配管113の他端は、吐出母管11aの一端と接続されている。また、吐出母管11aの他端は、オイルセパレータ1の冷媒空間3に連通している。一方、圧縮機CP3の圧縮機構部Cの吸入口C0は、吸入配管103と接続されている。この吸入配管103は、吸入母管10aと接続されている。つまり、空気調和装置100は、流出配管11bから流出して凝縮器301、凝縮器301、膨張弁302及び蒸発器303を経た冷媒が圧縮機CP3の圧縮機構部Cの吸入口C0から圧縮機CP3の圧縮機構部Cにも吸入される構成となっている。
ここで、吐出配管113及び吐出母管11aが、本発明の並列圧縮機用吐出配管に相当する。
ここで再び図12に着目すると、圧縮機CP3は、第3冷媒連通管203及び第3油連通管213によっても、オイルセパレータ1と接続されている。詳しくは、第3冷媒連通管203は、オイルセパレータ1の冷媒空間3と密閉容器S3の冷媒空間123とを連通する。また、第3油連通管213は、オイルセパレータ1の油溜め空間2と密閉容器S3の油溜め空間133とを連通する。
ここで、第3冷媒連通管203が、本発明の第1並列圧縮機用冷媒連通管に相当する。第3油連通管213が、本発明の第1並列圧縮機用油連通管に相当する。
なお、第3冷媒連通管203における密閉容器S3の冷媒空間123への連通構成、及び、第3冷媒連通管203におけるオイルセパレータ1の冷媒空間3への連通構成は、上述したいずれかの実施の形態で示した冷媒連通管と同様の構成である。また、第3油連通管213における密閉容器S3の油溜め空間133への連通構成、及び、第3油連通管213におけるオイルセパレータ1の油溜め空間2への連通構成は、上述したいずれかの実施の形態で示した油連通管と同様の構成である。
例えば、第3冷媒連通管203における冷媒空間123の端部は、2本の配管で構成されている。そして、これら2本の配管のうちの一方は、圧縮機CP3の電動機15の上部巻線16a付近において、密閉容器S3の冷媒空間123と連通している。換言すると、これら2本の配管のうちの一方は、圧縮機CP3の電動機15の上部巻線16aと規定距離内の位置で、密閉容器S3の冷媒空間123と連通している。また、これら2本の配管のうちの他方は、圧縮機CP3の電動機15の下部巻線16b付近において、密閉容器S3の冷媒空間123と連通している。換言すると、これら2本の配管のうちの他方は、圧縮機CP3の電動機15の下部巻線16bと規定距離内の位置で、密閉容器S3の冷媒空間123と連通している。
また例えば、第3冷媒連通管203は、圧縮機CP3の電動機15の固定子15bと対向する位置で、密閉容器S3の冷媒空間123と連通している。
また、圧縮機CP3は、第4冷媒連通管204及び第4油連通管214によって、圧縮機CP1とも接続されている。詳しくは、第4冷媒連通管204は、圧縮機CP3の密閉容器S3の冷媒空間123と圧縮機CP1の密閉容器S1の冷媒空間121とを連通する。また、第4油連通管214は、圧縮機CP3の密閉容器S3の油溜め空間133と圧縮機CP1の密閉容器S1の油溜め空間131とを連通する。
ここで、第4冷媒連通管204が、本発明の第2並列圧縮機用冷媒連通管に相当する。第4油連通管214が、本発明の第2並列圧縮機用油連通管に相当する。
なお、第4冷媒連通管204における密閉容器S3の冷媒空間123への連通構成、及び、第4冷媒連通管204における密閉容器S1の冷媒空間121への連通構成は、上述したいずれかの実施の形態で示した冷媒連通管と同様の構成である。また、第4油連通管214における密閉容器S3の油溜め空間133への連通構成、及び、第4油連通管214における密閉容器S1の油溜め空間131への連通構成は、上述したいずれかの実施の形態で示した油連通管と同様の構成である。
例えば、第4冷媒連通管204における冷媒空間123の端部は、2本の配管で構成されている。そして、これら2本の配管のうちの一方は、圧縮機CP3の電動機15の上部巻線16a付近において、密閉容器S3の冷媒空間123と連通している。換言すると、これら2本の配管のうちの一方は、圧縮機CP3の電動機15の上部巻線16aと規定距離内の位置で、密閉容器S3の冷媒空間123と連通している。また、これら2本の配管のうちの他方は、圧縮機CP3の電動機15の下部巻線16b付近において、密閉容器S3の冷媒空間123と連通している。換言すると、これら2本の配管のうちの他方は、圧縮機CP3の電動機15の下部巻線16bと規定距離内の位置で、密閉容器S3の冷媒空間123と連通している。
また例えば、第4冷媒連通管204は、圧縮機CP3の電動機15の固定子15bと対向する位置で、密閉容器S3の冷媒空間123と連通している。
また例えば、第4冷媒連通管204における冷媒空間121の端部は、2本の配管で構成されている。そして、これら2本の配管のうちの一方は、圧縮機CP1の電動機15の上部巻線16a付近において、密閉容器S1の冷媒空間121と連通している。換言すると、これら2本の配管のうちの一方は、圧縮機CP1の電動機15の上部巻線16aと規定距離内の位置で、密閉容器S1の冷媒空間121と連通している。また、これら2本の配管のうちの他方は、圧縮機CP1の電動機15の下部巻線16b付近において、密閉容器S1の冷媒空間121と連通している。換言すると、これら2本の配管のうちの他方は、圧縮機CP1の電動機15の下部巻線16bと規定距離内の位置で、密閉容器S1の冷媒空間121と連通している。
また例えば、第4冷媒連通管204は、圧縮機CP1の電動機15の固定子15bと対向する位置で、密閉容器S1の冷媒空間121と連通している。
また例えば、第4油連通管214における圧縮機CP3の密閉容器S3の油溜め空間133との連通口は、圧縮機CP3の給油口14bよりも高い位置に配置されている。
さらに、図12に示す空気調和装置100は、第1開閉弁221、第2開閉弁222、第3開閉弁223、第4開閉弁224、第1逆止弁231、及び第2逆止弁232を備えている。
第1開閉弁221は、冷媒連通管20に設けられ、冷媒連通管20内の流路を開閉するものである。第2開閉弁222は、油連通管21に設けられ、油連通管21内の流路を開閉するものである。第3開閉弁223は、第3冷媒連通管203に設けられ、第3冷媒連通管203内の流路を開閉するものである。第4開閉弁224は、第3油連通管213に設けられ、第3油連通管213内の流路を開閉するものである。なお、第1開閉弁221、第2開閉弁222、第3開閉弁223及び第4開閉弁224の開閉動作は、例えば、図示せぬ制御装置によって行われる。
第1逆止弁231は、第4冷媒連通管204に設けられ、密閉容器S1の冷媒空間121から密閉容器S3の冷媒空間123への冷媒の流れを禁止するものである。第2逆止弁232は、第4油連通管214に設けられ、密閉容器S1の油溜め空間131から密閉容器S3の油溜め空間133への油の流れを禁止するものである。
ここで、第1逆止弁231が、本発明の第1弁部に相当する。第2逆止弁232が、本発明の第2弁部に相当する。なお、第1弁部及び第2弁部は、開閉弁等で構成されてもよい。
図12のように構成された空気調和装置100においては、圧縮機CP1のみが駆動する場合、第1開閉弁221及び第2開閉弁222が開かれ、第3開閉弁223及び第4開閉弁224が閉じられる。これにより、図12のように構成された空気調和装置100は、実施の形態6(図9)で示した空気調和装置100と同様の動作となる。
また、図12のように構成された空気調和装置100においては、圧縮機CP1及び圧縮機CP3の双方が駆動する場合、第1開閉弁221及び第2開閉弁222が閉じられ、第3開閉弁223及び第4開閉弁224が開かれる。これにより、図12のように構成された空気調和装置100は、実施の形態1(図1)と同様の動作となる。
このように、オイルセパレータ1から圧縮機CP1の密閉容器S1へ流れる冷媒の流れにおいて、圧縮機CP1と並列に圧縮機CP3を設けた空気調和装置100においても、駆動中の圧縮機CPにおいて油が枯渇することを防止できる。また、このように構成された空気調和装置100においても、吸入配管10を用いずに圧縮機CPへ油を戻すことができるため、加熱損失による性能の低下を抑制できる。また、このように構成された空気調和装置100においては、圧縮機CP3を駆動しない場合、圧縮機CP3の密閉容器S3を介さずに、流出配管11bから冷媒を吐出することができる。このため、このように構成された空気調和装置100においては、全ての圧縮機CPを直列に接続した場合と比べ、流出配管11bから吐出される冷媒の圧力損失を低減でき、空気調和装置100の性能を向上させることができる。
図13は、本発明の実施の形態8に係る空気調和装置における別の一例の一部を示す冷媒回路図である。この図13に示す空気調和装置100は、実施の形態2(図3)で示した空気調和装置100の構成に、圧縮機CP3等が追加されたものである。この場合、第3冷媒連通管203は、圧縮機CP2の密閉容器S2の冷媒空間122と圧縮機CP3の密閉容器S3の冷媒空間123とを連通する。また、第3油連通管213は、圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132と密閉容器S3の油溜め空間133とを連通する。
なお、第3冷媒連通管203における密閉容器S2の冷媒空間122への連通構成は、上述したいずれかの実施の形態で示した冷媒連通管と同様の構成である。また、第3油連通管213における密閉容器S2の油溜め空間132への連通構成は、上述したいずれかの実施の形態で示した油連通管と同様の構成である。
例えば、第3冷媒連通管203における冷媒空間122の端部は、2本の配管で構成されている。そして、これら2本の配管のうちの一方は、圧縮機CP2の電動機15の上部巻線16a付近において、密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。換言すると、これら2本の配管のうちの一方は、圧縮機CP2の電動機15の上部巻線16aと規定距離内の位置で、密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。また、これら2本の配管のうちの他方は、圧縮機CP2の電動機15の下部巻線16b付近において、密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。換言すると、これら2本の配管のうちの他方は、圧縮機CP2の電動機15の下部巻線16bと規定距離内の位置で、密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。
また例えば、第3冷媒連通管203は、圧縮機CP2の電動機15の固定子15bと対向する位置で、密閉容器S2の冷媒空間122と連通している。
また例えば、第3油連通管213における圧縮機CP2の密閉容器S2の油溜め空間132との連通口は、圧縮機CP2の給油口14bよりも高い位置に配置されている。
図13のように構成された空気調和装置100においては、圧縮機CP1のみが駆動する場合、及び、2台の圧縮機CP1,CP2が駆動する場合、第1開閉弁221及び第2開閉弁222が開かれ、第3開閉弁223及び第4開閉弁224が閉じられる。また、図13のように構成された空気調和装置100においては、2台の圧縮機CP1,CP3が駆動する場合、及び、3台の圧縮機CP1,CP2,CP3が駆動する場合、第1開閉弁221及び第2開閉弁222が閉じられ、第3開閉弁223及び第4開閉弁224が開かれる。
このように構成された空気調和装置100においても、駆動中の圧縮機CPにおいて油が枯渇することを防止できる。また、このように構成された空気調和装置100においても、吸入配管10を用いずに圧縮機CPへ油を戻すことができるため、加熱損失による性能の低下を抑制できる。また、このように構成された空気調和装置100においては、圧縮機CP3を駆動しない場合、圧縮機CP3の密閉容器S3を介さずに、流出配管11bから冷媒を吐出することができる。このため、このように構成された空気調和装置100においては、全ての圧縮機CPを直列に接続した場合と比べ、流出配管11bから吐出される冷媒の圧力損失を低減でき、空気調和装置100の性能を向上させることができる。
図14は、本発明の実施の形態8に係る空気調和装置における別の一例の一部を示す冷媒回路図である。この図14に示す空気調和装置100は、実施の形態1(図1)で示した空気調和装置100の構成に、圧縮機CP3等が追加されたものである。換言すると、図14に示す空気調和装置100は、図13で示した空気調和装置100にオイルセパレータ1を追加したものである。
図14のように構成された空気調和装置100においては、圧縮機CP1のみが駆動する場合、及び、2台の圧縮機CP1,CP2が駆動する場合、第1開閉弁221及び第2開閉弁222が開かれ、第3開閉弁223及び第4開閉弁224が閉じられる。また、図14のように構成された空気調和装置100においては、2台の圧縮機CP1,CP3が駆動する場合、及び、3台の圧縮機CP1,CP2,CP3が駆動する場合、第1開閉弁221及び第2開閉弁222が閉じられ、第3開閉弁223及び第4開閉弁224が開かれる。
このように構成された空気調和装置100においても、駆動中の圧縮機CPにおいて油が枯渇することを防止できる。また、このように構成された空気調和装置100においても、吸入配管10を用いずに圧縮機CPへ油を戻すことができるため、加熱損失による性能の低下を抑制できる。また、このように構成された空気調和装置100においては、圧縮機CP3を駆動しない場合、圧縮機CP3の密閉容器S3を介さずに、流出配管11bから冷媒を吐出することができる。このため、このように構成された空気調和装置100においては、全ての圧縮機CPを直列に接続した場合と比べ、流出配管11bから吐出される冷媒の圧力損失を低減でき、空気調和装置100の性能を向上させることができる。また、このように構成された空気調和装置100は、オイルセパレータ1を追加した分だけ、図13で示した空気調和装置100よりも油分離効率を向上させることができる。
実施の形態9.
次に、本発明の実施の形態9に係る空気調和装置100について説明する。以下では、実施の形態6で示した空気調和装置100の構成を変形して、本実施の形態9に係る空気調和装置100の一例を説明する。なお、本実施の形態9において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態8のいずれかと同様とし、実施の形態1〜実施の形態8のいずれかと同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図15及び図16は、本発明の実施の形態9に係る空気調和装置の圧縮機の一例を示す横断面図である。これら図15及び図16は、図9に示したX−X断面に相当する位置で、本実施の形態9に係る圧縮機CPを切断した図面である。換言すると、これら図15及び図16は、回転子15aの回転中心15cと垂直な断面で圧縮機CPを切断した図面である。なお、図15及び図16に細線で示す円弧状矢印R1は、圧縮機CPの回転子15aの回転方向を示している。すなわち、図15及び図16では、回転子15aは、反時計回りに回っている。また、図15及び図16に太線で示す矢印F1は、冷媒連通管20から冷媒空間12へ流入する冷媒の流れ方向を示している。また、図15及び図16に太線で示す円弧状矢印F2は、冷媒空間12に充満する冷媒の流れ方向を示している。また、図15及び図16に太線で示す矢印F3は、冷媒空間12から流出配管11bへ流入する冷媒の流れ方向を示している。
圧縮機CPの密閉容器S内において、電動機15の回転子15aが回転中心15cを中心に回転すると、冷媒空間12に充満している冷媒は、回転子15aの回転力を受けて、回転子15aの回転方向と同一方向のベクトルの旋回流れとなる。この旋回流れは、油溜め空間13に貯留されている油の表面を波立たせて、油滴を発生させる。油滴は、冷媒の旋回流れの速度が速いほど多く発生する。また、発生した油滴は、冷媒連通管20から冷媒空間12へ流入する冷媒とともに、流出配管11bから圧縮機CPの外部へ流出する。このため、油滴の発生を抑制することにより、油溜め空間13の油の枯渇をさらに防止することができる。
そこで、本実施の形態9に係る圧縮機CPは、図15及び図16に示すように、冷媒連通管20を設けている。すなわち、回転子15aの回転中心15cと垂直な断面において、冷媒連通管20における冷媒空間12側の端部は、該冷媒連通管20から冷媒空間12へ流入する冷媒の方向と、回転子15aの回転方向とが対向するように配置されている。さらに詳しくは、回転子15aの回転中心15cと垂直な圧縮機CPの断面を、回転子15aが反時計回りに回る方向から観察した状態において、冷媒連通管20は次のように設けられている。冷媒連通管20と密閉容器Sとの接続箇所の中心20aを通り、冷媒連通管20における冷媒空間12に設けられた部分の中心軸と平行で、前記接続箇所から冷媒連通管20における冷媒空間12側の端部へ向かうベクトルを第1ベクトル20bとする。また、前記接続箇所の中心20aと回転子15aの回転中心15cとを通り、前記接続箇所から回転子15aの回転中心15cへ向かうベクトルを第2ベクトル20cとする。このように第1ベクトル20b及び第2ベクトル20cを定義した場合、第1ベクトル20bは、第2ベクトル20cよりも左側を向いている。
このように冷媒連通管20を設けることにより、冷媒連通管20から冷媒空間12へ流入する冷媒と、冷媒空間12の旋回流れをしている冷媒とがぶつかり合い、旋回流れの速度を遅くすることができる。これにより、油滴の発生を抑制でき、油溜め空間13の油の枯渇をさらに防止することができる。
なお、冷媒連通管20における冷媒空間12側の端部の位置は、図15及び図16の位置に限定されるものではない。詳しくは、回転子15aの回転中心15cを通り、第1ベクトル20bと垂直な平面を仮想平面Pとする。この場合、図15及び図16においては、冷媒連通管20における冷媒空間12側の端部は、仮想平面Pよりも、冷媒連通管20と密閉容器Sとの接続箇所側に位置している。これに限らず、冷媒連通管20における冷媒空間12側の端部は、仮想平面P上に位置していてもよい。また例えば、冷媒連通管20における冷媒空間12側の端部は、仮想平面Pよりも、冷媒連通管20と密閉容器Sとの接続箇所とは反対側に位置していてもよい。
また、本実施の形態9で示した効果は、第1冷媒連通管201、第2冷媒連通管202、第3冷媒連通管203及び第4冷媒連通管204のうちのいずれか1つの冷媒流出側の端部を本実施の形態9のように構成しても、得ることができる。
なお、上記の実施の形態1〜実施の形態9で示した圧縮機構部Cへ油を導く給油流路の構成は、あくまでも一例である。例えば、駆動軸14の下端に、容積ポンプのようなオイルポンプを設けてもよい。給油流路の給油口14bが密閉容器Sの油溜め空間13内に配置されていればよい。
なお、上記の実施の形態1〜実施の形態9では、圧縮機CPとしてスクロール圧縮機又はロータリ圧縮機を採用したが、高圧シェル方式であれば、圧縮機CPの種類は限定されない。高圧シェル方式の圧縮機CPであれば、実施の形態1〜実施の形態8で示した効果を得ることができる。また、圧縮機CPの台数も、上記の実施の形態1〜実施の形態8で示した台数に限定されない。圧力損失の大きさが空気調和装置100の性能に大きな影響を及ぼさない程度であれば、圧縮機CPの台数に限りはない。
また、上記の実施の形態1〜実施の形態9では、本空気調和装置100を用いて本発明に係るヒートポンプ装置を説明したが、本発明に係るヒートポンプ装置は、空気調和装置に限定されるものではない。冷凍装置及び給湯装置等、ヒートポンプを用いた装置全般に本発明を実施することができる。
1 オイルセパレータ、2 油溜め空間、3 冷媒空間、10(101,102,103) 吸入配管、10a 吸入母管、11(111,112,113) 吐出配管、11a 吐出母管、11b 流出配管、11bX 配管、11bY 配管、12(121,122,123) 冷媒空間、13(131,132,133) 油溜め空間、14 駆動軸、14a 内部流路、14b 給油口、15 電動機、15a 回転子、15b 固定子、15c 回転中心、16 巻線、16a 上部巻線、16b 下部巻線、17 吸入側空間、18 吸入マフラ、18a 配管、19 油吸入配管、19b バッフル板、20 冷媒連通管、20a 中心、20b 第1ベクトル、20c 第2ベクトル、21 油連通管、100 空気調和装置、201 第1冷媒連通管、201X 配管、201Y 配管、202 第2冷媒連通管、203 第3冷媒連通管、204 第4冷媒連通管、202X 配管、202Y 配管、211 第1油連通管、212 第2油連通管、213 第3油連通管、214 第4油連通管、221 第1開閉弁、222 第2開閉弁、223 第3開閉弁、224 第4開閉弁、231 第1逆止弁、232 第2逆止弁、301 凝縮器、302 膨張弁、303 蒸発器、C 圧縮機構部、C0 吸入口、C1 吐出口、CP(CP1,CP2,CP3) 圧縮機、P 仮想平面、S(S1,S2,S3) 密閉容器。

Claims (14)

  1. 冷媒を吸入する第1吸入口と冷媒を吐出する第1吐出口とを有する第1圧縮機構部、及び、該第1圧縮機構部を収納する第1密閉容器を備え、前記第1密閉容器内の下部が油を貯留する第1油溜め空間となり、前記第1密閉容器内における前記第1油溜め空間の上方が冷媒を充満させる第1冷媒空間となる第1圧縮機と、
    下部が油を貯留する第2油溜め空間となり、前記第2油溜め空間の上方が冷媒を充満させる第2冷媒空間となる第2密閉容器と、
    前記第1圧縮機構部の前記第1吐出口から吐出された冷媒を前記第2密閉容器の前記第2冷媒空間に導く第1吐出配管と、
    前記第2密閉容器の前記第2冷媒空間と前記第1密閉容器の前記第1冷媒空間とを連通する冷媒連通管と、
    前記第2密閉容器の前記第2油溜め空間と前記第1密閉容器の前記第1油溜め空間とを連通する油連通管と、
    前記第1冷媒空間から冷媒を流出させる流出配管と、
    前記流出配管から流出した冷媒が凝縮器、膨張弁及び蒸発器を経て前記第1吸入口から前記第1圧縮機構部に吸入される経路と、
    を備えたヒートポンプ装置。
  2. 冷媒を吸入する第2吸入口と冷媒を吐出する第2吐出口とを有し、前記第2密閉容器に収納された第2圧縮機構部を備え、
    前記第2圧縮機構部及び前記第2密閉容器が第2圧縮機を構成し、
    前記第2圧縮機構部の前記第2吐出口から吐出された冷媒が前記第2密閉容器の前記第2冷媒空間に流入するように構成され、
    前記流出配管から流出して前記凝縮器、前記膨張弁及び前記蒸発器を経た冷媒が前記第2吸入口から前記第2圧縮機構部にも吸入される構成である請求項1に記載のヒートポンプ装置。
  3. 前記第2密閉容器の前記第2油溜め空間に第2圧縮機用給油口を有し、前記第2油溜め空間内の油を該第2圧縮機用給油口から前記第2圧縮機構部へ導く第2圧縮機用給油流路を備え、
    前記油連通管における前記第2油溜め空間との連通口は、前記第2圧縮機用給油口よりも高い位置に配置されている請求項2に記載のヒートポンプ装置。
  4. 回転子と、固定子と、該固定子に巻き付けられた巻線とを有し、前記第2圧縮機構部を駆動する第2圧縮機用電動機を前記第2密閉容器の前記第2冷媒空間に備え、
    前記第2圧縮機用電動機の前記巻線は、前記第2圧縮機用電動機の前記固定子における前記第2圧縮機構部側の端部、及び前記第2圧縮機用電動機の前記固定子における前記第2圧縮機構部側とは反対側の端部から突出しており、
    前記冷媒連通管における前記第2冷媒空間側の端部は、2本の配管で構成されており、
    これら2本の配管のうちの一方は、前記第2圧縮機用電動機の前記固定子よりも前記第2圧縮機構部側で前記第2冷媒空間と連通し、
    これら2本の配管のうちの他方は、前記第2圧縮機用電動機の前記固定子よりも前記第2圧縮機構部から離れた位置で前記第2冷媒空間と連通している請求項2又は請求項3に記載のヒートポンプ装置。
  5. 回転子と、固定子と、該固定子に巻き付けられた巻線とを有し、前記第2圧縮機構部を駆動する第2圧縮機用電動機を前記第2密閉容器の前記第2冷媒空間に備え、
    前記第2圧縮機用電動機の前記巻線は、前記第2圧縮機用電動機の前記固定子における前記第2圧縮機構部側の端部、及び前記第2圧縮機用電動機の前記固定子における前記第2圧縮機構部側とは反対側の端部から突出しており、
    前記第2圧縮機用電動機の前記固定子の外周と前記第2密閉容器との間には、前記第2冷媒空間における前記第2圧縮機用電動機の前記固定子よりも前記第2圧縮機構部側となる範囲と、前記第2冷媒空間における前記第2圧縮機用電動機の前記固定子よりも前記第2圧縮機構部から離れた位置となる範囲とを連通する連通空間が形成され、
    前記冷媒連通管における前記第2冷媒空間側の端部は、当該連通空間に配置されている請求項2又は請求項3に記載のヒートポンプ装置。
  6. 前記第2密閉容器に対して前記第1圧縮機と並列に設けられた並列圧縮機を有し、
    該並列圧縮機は、
    冷媒を吸入する並列圧縮機用吸入口と冷媒を吐出する並列圧縮機用吐出口とを有する並列圧縮機用圧縮機構部と、
    下部が油を貯留する並列圧縮機用油溜め空間となり、前記並列圧縮機用油溜め空間の上方が冷媒を充満させる並列圧縮機用冷媒空間となる並列圧縮機用密閉容器と、
    を備え、
    当該ヒートポンプ装置は、
    前記並列圧縮機用圧縮機構部の前記並列圧縮機用吐出口から吐出された冷媒を前記第2密閉容器の前記第2冷媒空間に導く並列圧縮機用吐出配管と、
    前記第2密閉容器の前記第2冷媒空間と前記並列圧縮機用密閉容器の前記並列圧縮機用冷媒空間とを連通する第1並列圧縮機用冷媒連通管と、
    前記並列圧縮機用密閉容器の前記並列圧縮機用冷媒空間と前記第1密閉容器の前記第1冷媒空間とを連通する第2並列圧縮機用冷媒連通管と、
    前記第2密閉容器の前記第2油溜め空間と前記並列圧縮機用密閉容器の前記並列圧縮機用油溜め空間とを連通する第1並列圧縮機用油連通管と、
    前記並列圧縮機用密閉容器の前記並列圧縮機用油溜め空間と前記第1密閉容器の前記第1油溜め空間とを連通する第2並列圧縮機用油連通管と、
    前記冷媒連通管に設けられ、前記冷媒連通管内の流路を開閉する第1開閉弁と、
    前記油連通管に設けられ、前記油連通管内の流路を開閉する第2開閉弁と、
    前記第1並列圧縮機用冷媒連通管に設けられ、前記第1並列圧縮機用冷媒連通管内の流路を開閉する第3開閉弁と、
    前記第1並列圧縮機用油連通管に設けられ、前記第1並列圧縮機用油連通管内の流路を開閉する第4開閉弁と、
    前記第2並列圧縮機用冷媒連通管に設けられ、前記第1冷媒空間から前記並列圧縮機用冷媒空間への冷媒の流れを禁止する第1弁部と、
    前記第2並列圧縮機用油連通管に設けられ、前記第1油溜め空間から前記並列圧縮機用油溜め空間への油の流れを禁止する第2弁部と、
    を備え、
    前記流出配管から流出して前記凝縮器、前記膨張弁及び前記蒸発器を経た冷媒が前記並列圧縮機用吸入口から前記並列圧縮機用圧縮機構部にも吸入される構成である請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のヒートポンプ装置。
  7. 前記第2密閉容器と前記第1圧縮機との間に設けられた中間圧縮機を有し、
    該中間圧縮機は、
    冷媒を吸入する中間圧縮機用吸入口と冷媒を吐出する中間圧縮機用吐出口とを有する中間圧縮機用圧縮機構部と、
    下部が油を貯留する中間圧縮機用油溜め空間となり、前記中間圧縮機用油溜め空間の上方が冷媒を充満させる中間圧縮機用冷媒空間となる中間圧縮機用密閉容器と、
    を備え、
    当該ヒートポンプ装置は、
    前記中間圧縮機用圧縮機構部の前記中間圧縮機用吐出口から吐出された冷媒を前記第2密閉容器の前記第2冷媒空間に導く中間圧縮機用吐出配管と、
    を備え、
    前記冷媒連通管は、
    前記第2密閉容器の前記第2冷媒空間と前記中間圧縮機用密閉容器の前記中間圧縮機用冷媒空間とを連通する第1冷媒連通管と、
    前記中間圧縮機用密閉容器の前記中間圧縮機用冷媒空間と前記第1密閉容器の前記第1冷媒空間とを連通する第2冷媒連通管と、
    を備え、
    前記油連通管は、
    前記第2密閉容器の前記第2油溜め空間と前記中間圧縮機用密閉容器の前記中間圧縮機用油溜め空間とを連通する第1油連通管と、
    前記中間圧縮機用密閉容器の前記中間圧縮機用油溜め空間と前記第1密閉容器の前記第1油溜め空間とを連通する第2油連通管と、
    を備え、
    前記流出配管から流出して前記凝縮器、前記膨張弁及び前記蒸発器を経た冷媒が前記中間圧縮機用吸入口から前記中間圧縮機用圧縮機構部にも吸入される構成である請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のヒートポンプ装置。
  8. 前記中間圧縮機に対して前記第1圧縮機と並列に設けられた並列圧縮機を有し、
    該並列圧縮機は、
    冷媒を吸入する並列圧縮機用吸入口と冷媒を吐出する並列圧縮機用吐出口とを有する並列圧縮機用圧縮機構部と、
    下部が油を貯留する並列圧縮機用油溜め空間となり、前記並列圧縮機用油溜め空間の上方が冷媒を充満させる並列圧縮機用冷媒空間となる並列圧縮機用密閉容器と、
    を備え、
    当該ヒートポンプ装置は、
    前記並列圧縮機用圧縮機構部の前記並列圧縮機用吐出口から吐出された冷媒を前記第2密閉容器の前記第2冷媒空間に導く並列圧縮機用吐出配管と、
    前記中間圧縮機の前記中間圧縮機用密閉容器の前記中間圧縮機用冷媒空間と前記並列圧縮機用密閉容器の前記並列圧縮機用冷媒空間とを連通する第1並列圧縮機用冷媒連通管と、
    前記並列圧縮機用密閉容器の前記並列圧縮機用冷媒空間と前記第1密閉容器の前記第1冷媒空間とを連通する第2並列圧縮機用冷媒連通管と、
    前記中間圧縮機の前記中間圧縮機用密閉容器の前記中間圧縮機用油溜め空間と前記並列圧縮機用密閉容器の前記並列圧縮機用油溜め空間とを連通する第1並列圧縮機用油連通管と、
    前記並列圧縮機用密閉容器の前記並列圧縮機用油溜め空間と前記第1密閉容器の前記第1油溜め空間とを連通する第2並列圧縮機用油連通管と、
    前記第2冷媒連通管に設けられ、前記第2冷媒連通管内の流路を開閉する第1開閉弁と、
    前記第2油連通管に設けられ、前記第2油連通管内の流路を開閉する第2開閉弁と、
    前記第1並列圧縮機用冷媒連通管に設けられ、前記第1並列圧縮機用冷媒連通管内の流路を開閉する第3開閉弁と、
    前記第1並列圧縮機用油連通管に設けられ、前記第1並列圧縮機用油連通管内の流路を開閉する第4開閉弁と、
    前記第2並列圧縮機用冷媒連通管に設けられ、前記第1冷媒空間から前記並列圧縮機用冷媒空間への冷媒の流れを禁止する第1弁部と、
    前記第2並列圧縮機用油連通管に設けられ、前記第1油溜め空間から前記並列圧縮機用油溜め空間への油の流れを禁止する第2弁部と、
    を備え、
    前記流出配管から流出して前記凝縮器、前記膨張弁及び前記蒸発器を経た冷媒が前記並列圧縮機用吸入口から前記並列圧縮機用圧縮機構部にも吸入される構成である請求項7に記載のヒートポンプ装置。
  9. 前記第1圧縮機は、当該ヒートポンプ装置の運転中、常時駆動している圧縮機である請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のヒートポンプ装置。
  10. 回転子と、固定子と、該固定子に巻き付けられた巻線とを有し、前記第1圧縮機構部を駆動する第1圧縮機用電動機を前記第1密閉容器の前記第1冷媒空間に備え、
    前記第1圧縮機用電動機の前記巻線は、前記第1圧縮機用電動機の前記固定子における前記第1圧縮機構部側の端部、及び前記第1圧縮機用電動機の前記固定子における前記第1圧縮機構部側とは反対側の端部から突出しており、
    前記冷媒連通管における前記第1冷媒空間側の端部は、2本の配管で構成されており、
    これら2本の配管のうちの一方は、前記第1圧縮機用電動機の前記固定子よりも前記第1圧縮機構部側で前記第1冷媒空間と連通し、
    これら2本の配管のうちの他方は、前記第1圧縮機用電動機の前記固定子よりも前記第1圧縮機構部から離れた位置で前記第1冷媒空間と連通している請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のヒートポンプ装置。
  11. 前記流出配管における前記第1冷媒空間側の端部は、2本の配管で構成されており、
    これら2本の配管のうちの一方は、前記第1圧縮機用電動機の前記固定子よりも前記第1圧縮機構部側で前記第1冷媒空間と連通し、
    これら2本の配管のうちの他方は、前記第1圧縮機用電動機の前記固定子よりも前記第1圧縮機構部から離れた位置で前記第1冷媒空間と連通している請求項10に記載のヒートポンプ装置。
  12. 回転子と、固定子と、該固定子に巻き付けられた巻線とを有し、前記第1圧縮機構部を駆動する第1圧縮機用電動機を前記第1密閉容器の前記第1冷媒空間に備え、
    前記第1圧縮機用電動機の前記巻線は、前記第1圧縮機用電動機の前記固定子における前記第1圧縮機構部側の端部、及び前記第1圧縮機用電動機の前記固定子における前記第1圧縮機構部側とは反対側の端部から突出しており、
    前記第1圧縮機用電動機の前記固定子の外周と前記第1密閉容器との間には、前記第1冷媒空間における前記第1圧縮機用電動機の前記固定子よりも前記第1圧縮機構部側となる範囲と、前記第1冷媒空間における前記第1圧縮機用電動機の前記固定子よりも前記第1圧縮機構部から離れた位置となる範囲とを連通する連通空間が形成され、
    前記冷媒連通管における前記第1冷媒空間側の端部は、当該連通空間に配置されている請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のヒートポンプ装置。
  13. 回転子と、固定子とを有し、前記第1圧縮機構部を駆動する第1圧縮機用電動機を前記第1密閉容器の前記第1冷媒空間に備え、
    前記回転子の回転中心と垂直な断面において、
    前記冷媒連通管における前記第1冷媒空間側の端部は、該冷媒連通管から前記第1冷媒空間へ流入する冷媒の方向と、前記回転子の回転方向とが対向するように配置されている請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のヒートポンプ装置。
  14. 前記回転子の前記回転中心と垂直な断面を、前記回転子が反時計回りに回る方向から観察した状態において、
    前記冷媒連通管と前記第1密閉容器との接続箇所の中心を通り、前記冷媒連通管における前記第1冷媒空間に設けられた部分の中心軸と平行で、前記接続箇所から前記冷媒連通管における前記第1冷媒空間側の端部へ向かうベクトルを第1ベクトルとし、
    前記接続箇所の中心と前記回転子の前記回転中心とを通り、前記接続箇所から前記回転子の前記回転中心へ向かうベクトルを第2ベクトルとした場合、
    前記第1ベクトルは、前記第2ベクトルよりも左側を向いている請求項13に記載のヒートポンプ装置。
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