JP2013124622A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

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進 松田
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Abstract

【課題】回転数が低いときの性能低下を避けられるスクロール型圧縮機を提供すること。
【解決手段】スクロール型圧縮機10は、固定スクロール30、旋回スクロール20、および回転軸12を有する圧縮機構と、冷媒が外部から供給される吸入口111を有するハウジング11と、を備えている。ハウジング11の底部の油貯留部19から汲み上げられて、圧縮機構に供給された潤滑油25を排出する排油路41,42が、吸入口111側に設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気調和機等に用いられるスクロール型圧縮機に関する。
スクロール型圧縮機は、固定スクロールと旋回スクロールとを備えている。固定スクロールおよび旋回スクロールは、それぞれ円板状の端板の一面側に、渦巻状のラップが設けられたものである。このような固定スクロールと旋回スクロールとを、ラップを噛み合わせた状態で対向させ、固定スクロールに対して旋回スクロールを公転旋回運動させる。そして、双方のラップの間に形成される圧縮空間の容積を旋回スクロールの旋回に伴って減少させることで、その空間内の流体(冷媒)の圧縮を行う。
このようなスクロール型圧縮機では、外部からハウジング内に導入された流体が、旋回スクロールの旋回に伴って固定スクロールと旋回スクロールとの間に吸い込まれる。その流体は、双方のラップ間の圧縮空間で圧縮された後、ハウジングの外部へと吐出される。
また、ハウジング底部に溜められる潤滑油がポンプで汲み上げられ、回転軸の軸受等の摺動部に供給された後、滴下してハウジング底部へと戻される。このようにして、潤滑油がハウジング内を循環している。
このため、ハウジング内に導入された流体は、潤滑油を巻き上げつつ、固定スクロールと旋回スクロールとの間に吸い込まれることとなるので、流体には潤滑油が混入する。
ところで、固定スクロールと旋回スクロールとの間の微小な隙間から圧縮流体が漏れると、能力低下に繋がる。その隙間は、流体内に混入した潤滑油の油膜でシールすることができる。特許文献1では、その隙間を確実にシール可能な潤滑油混入率(OC%)の最適値を提案している。ここで、OC%とは、下記式で表される。
OC% =(O/L)×100
L:吐出流体量(kg/h)
O:吐出流体中に混入する潤滑油量(kg/h)
特開2007−23981号公報
省エネルギー化が求められる中で、低い回転数での運転が要求される場合がある。しかし、回転数が低いと、ポンプの能力が下がり、潤滑油の循環流量が少なくなる。すると、流体に混入する潤滑油も少なくなるので、固定スクロールと旋回スクロールとの間の隙間を十分にシールできず、圧縮性能が低下するおそれがある。
本発明は、上記の課題に基づいて、回転数が低いときの性能低下を避けられるスクロール型圧縮機を提供することを目的とする。
本発明のスクロール型圧縮機は、渦巻状のラップが端板に設けられる固定スクロール、固定スクロールのラップと組み合わせられる渦巻状のラップが端板に設けられる旋回スクロール、およびその回転駆動力を旋回スクロールに伝達する回転軸を有する圧縮機構と、圧縮機構を収納するとともに、その底部に潤滑油が溜められるハウジングと、を備えている。
ハウジングは、固定スクロールと旋回スクロールとの間に吸い込まれる流体が外部から供給される吸入口と、固定スクロールと旋回スクロールとの間で圧縮された流体を外部へと吐出する吐出口と、を有している。
そして、ハウジング内には、ハウジングの底部から汲み上げられて、圧縮機構に供給された潤滑油を排出する排油路が、吸入口側に設けられている。
本発明によれば、吸入口側に排油路を設けたことにより、低回転数時に潤滑油の循環流量が少なくても、その排油路から流れ落ちた潤滑油を、吸入口から固定スクロールと旋回スクロールとの間に向けて吸い込まれる流体中に十分に混入させることができる。これにより、両スクロール間の隙間をシールするのに足りるOC%が確保されるので、回転数が低いときにスクロール間から圧縮流体が漏れることによる性能低下を避けられる。
本発明のスクロール型圧縮機では、ハウジング内には、排油路としての第1排油路に加え、ハウジングの底部から汲み上げられて、圧縮機構に供給された潤滑油を排出する第2排油路が設けられ、第2排油路は、第1排油路よりも、排出した潤滑油が、吸入口から吸い込まれる流体に混入される量が少ないことが好ましい。
本発明では、吸入口から吸い込まれる流体に混入される量が相対的に多い第1排油路と、その混入される量が相対的に少ない第2排油路との2つが、排油路として用意してある。
第2排油路は、吸い込まれる流体への潤滑油の混入量が相対的に少ないために、OC%への影響が小さいので、回転数が高いときにこの第2排油路に潤滑油を流せば、OC%が所望の値よりも高くなるのを抑えられる。つまり、第1排油路および第2排油路を用いて、潤滑油の流量を調整することによって、OC%を好ましい範囲に維持することができる。
本発明のスクロール型圧縮機では、第2排油路は、吸入口とは反対側に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、第2排油路を通じて潤滑油が吸入口とは反対側に流れ落ちるので、その潤滑油が流体により巻き上げられ難い。これにより、回転数が高いときにOC%が過大となるのを効果的に抑えられる。
また、第2排油路を吸入口とは反対側に設けるだけで、潤滑油をハウジングの底部まで導く配管等を用いることなく、流体への潤滑油の混入量を少なくできるので、コスト的に有利となる。
本発明のスクロール型圧縮機では、ハウジング内には、底部から汲み上げられて圧縮機構に供給された潤滑油を受ける油受け部が設けられ、第1排油路および第2排油路は、油受け部内の潤滑油を排出し、第1排油路は、第2排油路よりも低い位置に設けられていることが好ましい。
低回転数時、油受け部に受けられた潤滑油の油面が第2排油路よりも低いと、第2排油路には潤滑油が流れず、第1排油路のみから潤滑油が流れる。高回転数時には、第2排油路にも潤滑油が流れる。その分、第1排油路に流れる潤滑油の量が減る。
本発明によれば、弁等を設けることなく、第1排油路および第2排油路の高さを違える簡略な構造によって、潤滑油の流量調整が可能となる。低回転数時には、第1排油路を通じて流体への潤滑油の混入量が増えるので必要なOC%を確保できるとともに、高回転数時には、第1排油路に流れる潤滑油の流量が減り、流体による潤滑油の巻き上げ量が減るので、OC%が過大となることを抑えられる。
本発明のスクロール型圧縮機では、ハウジング内には、底部から汲み上げられて圧縮機構に供給された潤滑油を受ける油受け部が設けられ、第1排油路および第2排油路は、油受け部内の潤滑油を排出し、第1排油路は、第2排油路よりもその断面積が小さいことが好ましい。
本発明によっても、弁等を設けることなく簡略な構造によって、潤滑油の流量調整が可能となる。
低回転数時には、潤滑油の流量が少ないために、断面積が小さくても第1排油路の抵抗がさほど大きくはならず、このため第1排油路を潤滑油が流れる。
一方、高回転数時には潤滑油の流量が多いので、抵抗の大きい第1排油路には潤滑油が流れ難く、主に、第2排油路を潤滑油が流れる。このような本発明によっても、上述と同様の効果が得られる。
本発明のスクロール型圧縮機では、互いに連通する第1排油路および第2排油路の一方に、潤滑油の流量または温度に応じて潤滑油の流量を調整する流量調整手段が設けられていることが好ましい。
本発明によれば、低回転数時には潤滑油の流量が少なく、また潤滑油の温度が低い一方で、高回転数時には潤滑油の流量が多く、また潤滑油の温度が高いことを利用して、潤滑油の流量を調整することができる。したがって、OC%を好ましい範囲に維持できる。
本発明のスクロール型圧縮機では、第2排油路は、ハウジングの底部に向けて延びる配管を有することが好ましい。
本発明によれば、配管により、ハウジングの底部に向けて潤滑油が導かれるので、第2排油路から流れ落ちた潤滑油が吸入口の付近で流体に巻き上げられるのを防止できる。このため、高回転数時のOC%をより効果的に抑えることができる。
本発明によれば、吸入口側に排油路が設けられていることにより、回転数が低くても、固定スクロールと旋回スクロールとの間の隙間をシールするのに足りるOC%を確保できるので、圧縮性能が低下するのを避けられる。
第1実施形態に係るスクロール型圧縮機の全体図(端面図)である。 図1の要部拡大図である(低回転数時)。 図1の要部拡大図である(高回転数時)。 第1実施形態の変形例を示す図である。 第2実施形態の要部拡大図である。 第3実施形態の要部拡大図である。 第3実施形態に採用可能な弁を例示する模式図である。 第4実施形態の要部拡大図である。 第5実施形態の第1排油路および第2排油路を示す図である。 第6実施形態の第1排油路および第2排油路を示す図である。
以下、添付図面に示す実施形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
なお、以降の説明では、既に説明した構成と同様のものには同じ符号を付し、その説明を省略または簡略にする。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、圧縮機10は、縦型のスクロール型で、ハウジング11内に、鉛直方向に沿った回転軸12と、回転軸12の回転に伴って旋回する旋回スクロール20と、ハウジング11に固定された固定スクロール30とによって構成された圧縮機構を備える。このスクロール型圧縮機10は、例えば空気調和機や冷凍機などを構成している。
なお、以下の説明において、上・下は、鉛直方向の上・下を言うものとする。
ハウジング11は、鉛直方向に沿って延びる略円筒形に構成されている。ハウジング11の底部には、潤滑油25が溜められる油貯留部19が設けられている。
また、ハウジング11の側面部には、吸入管P1が設けられる吸入口111が開口している。そして、ハウジング11の上端部には、吐出管P2が設けられる吐出口112が開口している。
旋回スクロール20は、円板状の端板21に、渦巻き状のラップ22が一体に形成されてなる。
固定スクロール30は、旋回スクロール20に対向する端板31に、旋回スクロール20のラップ22に噛み合う渦巻き状のラップ32が一体に形成されてなる。
ラップ22とラップ32とが噛み合うことにより、旋回スクロール20と固定スクロール30との間には、圧縮空間50が形成されている。
旋回スクロール20が旋回すると、ラップ22,32間の圧縮空間50の容積が次第に小さくなる。すると、ハウジング11内に吸入管P1を通じて導入された冷媒が、軸受14に設けられた通路142を通じて、旋回スクロール20および固定スクロール30の外周側から圧縮空間50に吸い込まれる。その圧縮空間50において、冷媒は外周側から内周側に順次送られて圧縮される。
圧縮された冷媒は、固定スクロール30の端板31に形成された吐出孔37、吐出孔37に設けられたリード弁38、固定スクロール30を覆う上部カバー39に形成された貫通孔を介し、吐出管P2から吐出される。
回転軸12は、ハウジング11内面に固定された固定子15と、回転軸12の外周面に固定され、固定子15と対向する回転子16とからなるモータ17によって回転駆動される。
この回転軸12は、ハウジング11に固定された軸受13、14によって回転自在に支持されている。回転軸12の下端部121は軸受13によって支持され、回転軸12の上端部122は軸受14によって支持されている。
回転軸12の上端部122には、回転軸12の軸心から偏心した偏心ピン18が固着されている。偏心ピン18は、旋回スクロール20の端板21に形成された筒状のボス23の内部に軸受24を介在させて挿入されている。この偏心ピン18の回転に伴って、旋回スクロール20が固定スクロール30に対して旋回公転運動する。なお、旋回スクロール20が自転しないように、図示しないオルダムリングが設けられている。
また、回転軸12には、油貯留部19から汲み上げられた潤滑油25を軸受24およびボス23内に供給するための給油路12aが形成されている。給油路12aは、回転軸12を軸線方向に沿って貫通している。上述の偏心ピン18には、給油路12aと連通する貫通孔18aが形成されている。偏心ピン18の上端で貫通孔18aから溢れた潤滑油25は、軸受14に形成された油受け部27に一旦受けられる。油受け部27は、ボス23の外周側面を囲むように形成されている。なお、油受け部27に連通する排油路については後述する。
回転軸12の下端部121には、潤滑油25を給油路12a内に汲み上げるポンプ29が設けられている。
図示を省略するが、旋回スクロール20と固定スクロール30との間の圧縮空間50の断面積が、外周側から内周側に向けて漸次縮小する度合を高めるため、旋回スクロール20と固定スクロール30のラップ高さが外周側から内周側に向けて階段状に低くなっている。これにより、圧縮空間50での圧縮の高効率化が図られる。
また、旋回スクロール20のラップ22の先端および、固定スクロール30のラップ32の先端にはそれぞれ、対向する端板とのシール性を高めるため、セラミック系材料等からなるチップシールが設けられている。
図2を参照し、本実施形態において最も特徴的な構成について説明する。
軸受14には、回転軸12の上端部122が挿入される軸受孔141と、上記の油受け部27と、油受け部27内の潤滑油25を排出する第1排油路41および第2排油路42とが形成されている。
油受け部27は、軸受孔141に連通する水平な底部271と、ボス23の外周側面を囲み、第1排油路41および第2排油路42が開口した円筒面状の内壁272とを有している。油受け部27の内壁272とボス23の外周側面との間の空間に、潤滑油25が受けられる。
第1排油路41は、油受け部27における吸入口111側に位置している。これに対して、第2排油路42は、油受け部27における吸入口111とは反対側に位置している。これらの第1排油路41および第2排油路42は、軸受14を水平方向に貫通しており、それぞれの先端41aおよび42aから潤滑油25が流れ落ちる。
これらの第1排油路41および第2排油路42は、底部271からの上下方向の高さ位置が互いに異なっている。第1排油路41は、第2排油路42よりも下方に設けられている。
第1排油路41は、内壁272において、概ね、吸入口111との距離が最短となる周方向の位置から両側90度、合計180度の範囲内に位置している。第2排油路42は、内壁272において、残りの180度の範囲内に位置している。後述するように、第1排油路41から流れ落ちた潤滑油25の冷媒への混入量を多くするために、第1排油路41は吸入口111に向けて延びていることが好ましいが、上記範囲であれば、その目的を遂げられる。また、第2排油路42の位置についても、冷媒への潤滑油25の混入量を少なくするために、吸入口111から最も遠ざかる位置に設けられるのが好ましいが、上記範囲であれば目的を遂げられる。
以上説明した圧縮機10は、回転数制御に例えばインバーターが用いられており、低回転数から高回転数までの広範囲で運転することができる。
ここで、低回転数のときには、ポンプ29の回転数も低くなるので、油貯留部19から汲み上げられ、油受け部27を経由して油貯留部19に戻るように循環する潤滑油25の流量が減る。潤滑油25の循環流量が減ると、吸入口111から圧縮空間50に向けて吸い込まれる冷媒によって巻き上げられる潤滑油25の量が減る。これによって、冷媒への潤滑油25の混入率を示すOC%が減少する。OC%が低いと、固定スクロール30および旋回スクロール20それぞれのラップ先端と、対向する端板との間の微小な隙間を潤滑油25の油膜でシールすることが難しくなる。
そこで、低回転数時には、第1排油路41から流れ出る潤滑油25が、吸入口111から圧縮空間50に向けて吸い込まれる冷媒に巻き上げられるようにしてある。
第1排油路41は吸入口111側に設けられているため、その先端41aから流れ落ちた潤滑油25は、吸入口111から圧縮空間50に向かう冷媒流によって十分に巻き上げられる。このようにすれば、冷媒に潤滑油25を確実に混入させることができるので、固定スクロール30と旋回スクロール20との間の隙間を油膜でシールするのに足りるOC%を確保できる。
一方、高回転数時には、ポンプの回転も高くなるので、潤滑油25の流量が増える。このとき、図3に示すように、油受け部27内の潤滑油25の油面25bの高さは、第2排油路42の高さよりも高くなる。このため、油受け部27内の潤滑油25が、第1排油路41および第2排油路42の両方を流れる。
本実施形態によれば、低回転数時に、第1排油路41を通じて油受け部27内の潤滑油25を冷媒流に混入させることにより、固定スクロール30と旋回スクロール20との間の隙間をシール可能なOC%を確保できるので、圧縮空間50から冷媒が漏れることによる性能低下を避けられる。
また、高回転数時にのみ潤滑油25が流れる第2排油路42が設けられていることにより、高回転数時、第2排油路42を潤滑油25が流れる分、低回転数時と比べて第1排油路41を流れる流量が減り、冷媒流に巻き上げられる潤滑油25の量が減る。
しかも、この第2排油路42は、吸入口111とは反対側に設けられているので、第2排油路42から流れ落ちた潤滑油25は冷媒流に巻き上げられにくい。本実施形態によれば、高回転数時に、空気調和機等のシステムの性能を下げるまでにOC%が過大となることを防止できる。
なお、上記の第1排油路41に代えて、図4に示す第1排油路43を設けてもよい。第1排油路43は、油受け部27の底部271から斜め下方に向けて延び、軸受14を貫通している。第1排油路45の先端43aは、上記の第1排油路41の先端41aよりも軸受14内周側に位置しており、第1排油路43の長さは第1排油路41よりも短い。このため、軸受14への孔あけにより第1排油路43を容易に形成できる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を図5を参照して説明する。
第2実施形態では、第1排油路45の開口径が第2排油路42の開口径よりも小さくなっている。すなわち、第1排油路45の断面積は、第2排油路42の断面積よりも小さい。第1排油路45は、その開口径を除いて、上記の第1排油路41と同様に形成されている。
低回転数のとき、第1排油路45を潤滑油25が流れ、この第1排油路45から流れ出た潤滑油25が冷媒流に巻き上げられる。
高回転数のときは、油面が第2排油路42の高さよりも高くなるので、第2排油路42にも潤滑油25が流れる。ここで、高回転数のときは、ポンプ29の圧送能力が高まるので、潤滑油25の流速が低回転数時と比べて速くなる。このとき、第2排油路42よりも小径とされて抵抗が大となる第1排油路45よりも、第2排油路42へとより多くの流量で潤滑油25が流れる。これにより、冷媒流への巻き上げに供される潤滑油25の量を減らすことができる。
本実施形態によれば、低回転数時に、第1排油路45を通じて冷媒流に潤滑油25を混入させることによって、圧縮空間50のシールに足りるOC%を確保しつつ、高回転数時にOC%が過大となるのをより効果的に抑えることができる。
なお、本実施形態において、第1排油路45と第2排油路42との高さが異なることは必須ではない。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について、図6、図7を参照して説明する。
第3実施形態では、第1排油路51と第2排油路52とが同じ高さに設けられている。
第2排油路52には、油受け部27内の潤滑油25の外部への通過を規制する弁53(リード弁)が設けられている。
この弁53は、図7(A)に示すように、第2排油路52の先端52aの開口を開閉する板531を有している。板531は、第2排油路52の先端52aの周縁の一部に固定され、潤滑油25が一定以上の流量となると、その流量に応じた開閉量で第2排油路52の外側に向けて開く。
低回転数時は、油貯留部19からの汲み上げ量が少ないので、潤滑油25の流量が少ない。このときには差圧が小さいために弁53は開かず、油受け部27内の潤滑油25は第1排油路51を通じてのみ、流れ出る。
回転数が高くなり、潤滑油25の流量が一定以上に多くなると、差圧が大きくなるので弁53が開き、油受け部27内の潤滑油25が第2排油路52を流れるので、その分、第1排油路51への潤滑油25の流量が減る。
このように、本実施形態の第1排油路51および第2排油路52も、第1実施形態や第2実施形態の第1排油路および第2排油路と同様に作用するので、本実施形態によっても、上述と同様の効果が得られる。
弁53の代わりに、各種の流量調整手段を採用できる。
例えば、図7(B)に示すようなばね弁54を採用できる。ここでは、第2排油路52の水平方向の端部52cは閉塞しており、第2排油路52は、その端部52cの近傍に、下側に屈曲する経路55を有している。
ばね弁54は、端部52cに一端が保持されるばね(圧縮ばね)541と、ばね54
1の他端を保持する板部材542とを有している。このばね弁54も、上記の弁53と同様に、潤滑油25とハウジング11内の冷媒との差圧に基づいて動作する。
潤滑油25の流量が少ないとき、図示するように、ばね541の弾性力によって油受け部27側に向けて加圧された板材542が第2排油路52の流路を塞ぐ。潤滑油25の流量が増え、潤滑油25によって板材542が経路55の位置まで押し込まれると、板材542の下端を越えて潤滑油25が経路55へと流れる。
また、図7(C)に示すような吹流し式の弁57も採用できる。この弁57は、第2排油路52の内壁に設けられた複数の膜体571,572を有している。
潤滑油25の流量が少ないとき、膜体571,572によって第2排油路52の流路が塞がれる。潤滑油25の流量が増えると、図示するように、潤滑油25は膜体571,572を押し広げるようにして流れる。
機械的な可動部を持たない流体素子の作動原理を本実施形態に応用することもできる。第2排油路52の途中に、冷媒または潤滑油25が第2排油路52の内壁から直角に噴出する制御経路を形成する。この制御経路から噴出する制御流は、僅かな流量でよい。低回転数時に、制御流を流すと、第2排油路52内で渦が発生し、第2排油路52での潤滑油25の流れが阻害されるので、油受け部27内の潤滑油25は第1排油路51からのみ流れる。制御流を流すのを止めると、第1排油路51および第2排油路52の両方から潤滑油25が流れ出るようになる。
さらには、弁53の代わりに、潤滑油25の温度に応じて作動するバイメタルを用いることもできる。バイメタルは、熱膨張率の異なる2つの金属板が貼り合わせられて構成されている。低回転数時、バイメタルは平坦な状態であり、第2排油路52の管路を塞いでいる。回転数が高くなり、摺動部の摩擦熱による温度上昇に伴って潤滑油25の温度が上昇すると、バイメタルは、2つの金属板の熱膨張率の違いによって曲がるので、バイメタルと第2排油路52の内壁との間を潤滑油25が通過する。
その他、潤滑油25の流量を調整可能な各種の調整手段を採用できる。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について、図8を参照して説明する。
第4実施形態は、油受け部27における吸入口111側にのみ排油路60を有する。吸入口111とは反対側には排油路を有していない。
排油路60は、油受け部27から水平方向に延びる第1排油路61と、第1排油路61の途中で下方に向けて分岐した第2排油路62とによって構成されている。
第1排油路61は、軸受14の外周面に開口しており、その先端61aから潤滑油25が流れ出る。なお、第1排油路61の先端61aには、潤滑油25を吸入口111のより近くまで導くための配管を接続することもできる。
第2排油路62は、第1排油路61との分岐点から吸入口111を過ぎる位置まで下方に延びる配管621と、配管621の先端621aが挿入される固定子15の外周に形成された切欠15aとによって構成されている。
この第2排油路62には、潤滑油25の流量が一定以上となったとき開く弁63が設けられている。なお、弁63に代えて、上述した各種の流体調整手段(弁を含む)を採用できる。
低回転数のときには、弁63が開かず、第1排油路61のみを潤滑油25が流れる。第1排油路61の先端61aから流れ出た潤滑油25は、冷媒流によって巻き上げられる。
一方、高回転数のときには、弁63が開き、第2排油路62にも潤滑油25が流れる。本実施形態の第2排油路62は、吸入口111よりも下方にまで延びているので、吸入口111側に設けられていても、上記の各実施形態と同様に、第2排油路62の先端62aから流れ落ちた潤滑油25が冷媒流に巻き上げられ難い。
本実施形態によっても、上記各実施形態と同様の効果が得られる。
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態について、図9の模式図を参照して説明する。
第5実施形態の排油路70は、図9(A)に示すように、水平方向に延びた後、下方に向けて延びる第2排油路72と、第2排油路72の水平部の途中で下方に向けて分岐した第1排油路71とによって構成されている。第2排油路72は、第4実施形態の第2排油路62と同様に、配管721を有して吸入口111を過ぎる位置まで延設されている。
第1排油路71が第2排油路72から分岐した分岐部75には、流量調整用の弁73が設けられている。弁73は、ここでは、分岐部75の下流側に位置する第2排油路72の内壁下部から油受け部27側に向けて斜めに突設された板である。
低回転数時には、潤滑油25の流量が少ないので、潤滑油25は弁73によって第1排油路71に導かれる。
一方、高回転数時には、潤滑油25の流量が多く、弁73によって絞られた第1排油路71への流入抵抗が大きいので、潤滑油25はその大部分が第2排油路72を流れる。
本実施形態によっても、上記各実施形態と同様の効果が得られる。
なお、弁73に代えて、図9(B)に示すように、第1排油路71に、流量が一定以上となると閉じる弁74を設けることもできる。このようにすれば、高回転数時には弁74が閉じ、吸入口111の付近で巻き上げられる潤滑油25を無くすことができるので、高回転数時のOC%増加をより効果的に抑制することができる。
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態について、図10を参照して説明する。
第6実施形態の排油路80は、水平方向に延びた後、下方に向けて延びる第2排油路82と、第2排油路81の水平部に水平に設けられた分岐用の板材83、および第2排油路81の管壁下部の開口822により形成された第1排油路81とによって構成されている。
第2排油路82は、第4実施形態の第2排油路62と同様に、配管821を有して吸入口111を過ぎる位置まで延設されている。
本実施形態では、第5実施形態と同様に、板材83によって流路が絞られているので、第5実施形態と同様の効果が得られる。
低回転数時には、図10(A)に示すように、潤滑油25の流量が少ないため、第1排油路81に潤滑油25が導かれる。
一方、高回転数時には、図10(B)に示すように、潤滑油25の流量が多く、板材83周辺での抵抗が大きいために、潤滑油25はその大部分が第2排油路82を流れる。
本実施形態によれば、第2排油路82をなす配管に821に開口822を形成するとともに板材83を設けるだけで、第2排油路82と第1排油路81とに潤滑油25を分岐させることができるので、第5実施形態よりも構造を簡略にすることができる。
なお、上記各実施形態では、潤滑油25が回転軸12の給油路12aを通じて汲み上げられていたが、他の配管を設けることにより、潤滑油25が油貯留部19から汲み上げられていてもよい。油受け部27が設けられるのは、軸受14には限定されない。また、本発明は、油受け部27を介することなく、汲み上げられた潤滑油が直接排油路に流入する構成をも許容する。
さらに、回転数が低いときの性能低下を回避する目的において、第2排油路は設けられていなくてもよい。
上記で述べた以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
10 スクロール型圧縮機
11 ハウジング
12 回転軸
12a 給油路
13,14 軸受
15 固定子
15a 切欠
16 回転子
17 モータ
18 偏心ピン
18a 貫通孔
19 油貯留部
20 旋回スクロール
21 端板
22 ラップ
23 ボス
24 軸受
25 潤滑油
27 油受け部
29 ポンプ
30 固定スクロール
31 端板
32 ラップ
37 吐出孔
38 リード弁
39 上部カバー
41,43,45,51,61,71,81 第1排油路
42,52,62,72,82 第2排油路
50 圧縮空間
53,54,57,63,73,74 弁
55 経路
60,70,80 排油路
75 分岐部
111 吸入口
112 吐出口
121 下端部
122 上端部
141 軸受孔
621 配管
P1 吸入管
P2 吐出管

Claims (7)

  1. 渦巻状のラップが端板に設けられる固定スクロール、前記固定スクロールの前記ラップと組み合わせられる渦巻状のラップが端板に設けられる旋回スクロール、およびその回転駆動力を前記旋回スクロールに伝達する回転軸を有する圧縮機構と、
    前記圧縮機構を収納するとともに、その底部に潤滑油が溜められるハウジングと、を備え、
    前記ハウジングは、前記固定スクロールと前記旋回スクロールとの間に吸い込まれる流体が外部から供給される吸入口と、前記固定スクロールと前記旋回スクロールとの間で圧縮された流体を外部へと吐出する吐出口と、を備え、
    前記ハウジング内には、前記底部から汲み上げられて、前記圧縮機構に供給された前記潤滑油を排出する排油路が、前記吸入口側に設けられている、ことを特徴とするスクロール型圧縮機。
  2. 前記ハウジング内には、前記排油路としての第1排油路に加え、前記潤滑油を排出する第2排油路が設けられ、
    前記第2排油路は、前記第1排油路よりも、排出した前記潤滑油が、前記吸入口から吸い込まれる前記流体に混入される量が少ない、請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
  3. 前記第2排油路は、前記吸入口とは反対側に設けられている、請求項2に記載のスクロール型圧縮機。
  4. 前記ハウジング内には、前記底部から汲み上げられて前記圧縮機構に供給された前記潤滑油を受ける油受け部が設けられ、
    前記第1排油路および前記第2排油路は、前記油受け部内の前記潤滑油を排出し、
    前記第1排油路は、前記油受け部において、前記第2排油路よりも低い位置に設けられている、請求項2または3に記載のスクロール型圧縮機。
  5. 前記ハウジング内には、前記底部から汲み上げられて前記圧縮機構に供給された前記潤滑油を受ける油受け部が設けられ、
    前記第1排油路および前記第2排油路は、前記油受け部内の前記潤滑油を排出し、
    前記第1排油路は、前記第2排油路よりもその断面積が小さい、請求項2から4のいずれか1項に記載のスクロール型圧縮機。
  6. 前記第1排油路および前記第2排油路は互いに連通し、その一方に、前記潤滑油の流量または温度に応じて前記潤滑油の流量を調整する流量調整手段が設けられている、請求項2に記載のスクロール型圧縮機。
  7. 前記第2排油路は、前記底部に向けて延びる配管を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載のスクロール型圧縮機。
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