JPWO2018138343A5 - - Google Patents

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本発明は、特に血液透析のための患者の血管の自動穿刺システム及び対応する方法に関する。
穿刺(cannulation)としても知られている血管の静脈穿刺は、患者の血液循環と外部流体システムと間に流体接続、具体的にはカニューレが設定されている多くの患者の治療における日常的な処置ステップである。穿刺は、医師又は訓練を受けた職員の医療行為において行われる。このため、穿刺によって生じる血管アクセスの質は、とりわけ医療従事者の個々の能力及び時間的に変化する能力、治療すべき患者の身体的特徴、並びに穿刺において使用される技術的計器の多様性の影響を受ける複数のパラメータに依存する。穿刺を標準化するために、患者の穿刺手順を自律的に準備し、好適なセンサ技術及びモータ機能を用いて自律的に穿刺を実行する穿刺ロボットが開発された。このような穿刺ロボット及びこのロボットによって使用される技術的資源は、例えば米国特許出願公開第2015/0065916(A1)号、国際公開第2015/052719(A1)号及び国際公開第2010/029521(A2)号から公知である。
慢性疾患患者は、必要な治療を確実にするために定期的に繰り返される血管穿刺を必要とする。とりわけ、1つのこのような慢性疾患に、血液の自然な浄化機能が失われるようになる腎不全がある。この失われた浄化機能を技術的解決策で代用することができる。血液透析装置は、患者の血液を装置内部に誘導し、浄化して処理した後で患者の血液循環に戻す人工腎臓として機能する体外濾過装置である。通常、血液は、患者の腕又は脚の静脈と動脈との間に外科的に形成された人工的な皮下接続を介して採取され、戻される。この接続は、このために準備された患者自身の血管系の一部又は人工物で構成することができ、それぞれ瘻孔又は動静脈瘻(AV瘻孔、AVF)と呼ばれる。
長期血液透析患者において一般に最も使用されている恒久的血管アクセスは、自己動静脈瘻である。自己動静脈瘻は、配置後に血流が増大することによって強度が増し、これによって透析治療のための穿刺の繰り返しが単純になる。
血液透析は、通常は2、3日の間隔を空けて定期的に行わなければならない。血液透析は、血管又は動静脈瘻にそれぞれ高い機械的ストレスをもたらす。穿刺の繰り返しにわたってできるだけ血管をいたわることを目的として、血管又は動静脈瘻へのアクセスをそれぞれ形成する異なる方法も知られている。rope ladder(縄梯子)穿刺法では、以前の部位から例えば約2cmなどの一定距離に位置する新たな穿刺部位を治療毎に探し求める。この方法では、通常は一連の穿刺が血管の下端から開始して上端に達するまで上向きに継続され、その後に再び下方から開始する。従って、施術者は、静脈穿刺された血管部位が癒えるように正確に配置パターンに従わなければならない。対照的に、ボタンホール法では、常に正確に同じ箇所に正確に同じ角度で針が挿入される。これによって、時間と共に瘢痕のトンネルが成長し、これによって穿刺時に生じる血栓が持続的に変位し、従って弾力性が高まる。常に同じ治療従事者が穿刺を行った場合には、ボタンホール法の結果を改善できることが分かっている。
米国特許出願公開第2015/0065916号明細書 国際公開第2015/052719号 国際公開第2010/029521号
一般に、動静脈瘻は、血液透析患者の穿刺頻度に起因して静脈穿刺法とは無関係に高ストレスを受け、そのため皮膚表面、並びに動静脈瘻の状態及びその経過に変化が生じることがある。
本発明の基礎を成す血液透析患者の観察分析では、治療過程にわたる動静脈瘻の状態及び進行が患者によって幅広く変化し得ることが明らかになった。これにより、血液透析患者の穿刺は、経験豊富な治療従事者に課題を突きつける比較的複雑な処置になっている。このような状況では、穿刺ロボットの設定にも多大な労力が必要である。
本発明は、特に血液透析に見られるような変化しやすい動作条件下における穿刺のための効率的な技術的解決策を示すという課題に基づくものである。
この課題の解決には、請求項1による自動穿刺システム、及び請求項15による自動穿刺方法が役に立つ。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項の主題及び本発明の明細書を構成する。
特に血液透析のための患者血管のデータ依存型自動穿刺のための本発明のシステムは、患者血管の自動穿刺のために構成された少なくとも1つの穿刺ロボットと、少なくとも1つのデータ処理装置を含み、プログラムパラメータに従って少なくとも1つの穿刺ロボットを制御する制御手順を実行するように構成された少なくとも1つの制御システムと、制御システムにユーザを登録するユーザ入力を可能にすることにより、この制御システム登録手順の結果として登録患者個々に割り当てられた登録患者識別子と呼ばれる患者識別子が使用されるようにする少なくとも1つのインターフェイス装置とを備え、少なくとも1つの制御システム、特に少なくとも1つの制御手順は、登録患者識別子に応じてプログラムパラメータを定義し、登録患者識別子に応じて少なくとも1つの穿刺ロボットを制御するように構成される。
本発明のシステムは、特定の患者の特定の基準状態に個別に自動穿刺を適合させるように構成される。この適合の大部分は、自動穿刺手順の前準備として行うことができ、従って穿刺中に行う必要はない。この適合は、患者がユーザインターフェイスを介して事前に登録されているという事実によって可能になる。このようなシステムは、とりわけ使用効率が高く、用途及び設計可能性を拡大するという利点をもたらす。具体的に言えば、このようなシステムは、信頼性をさらに高めるために、大規模な患者データを識別してその後の自動穿刺手順でシステムがこれらのデータを使用できるようにデータストレージに提供することができるという利点をもたらす。
とりわけ、システムは、血液透析患者の血管穿刺、特に自己動静脈瘻のためのシステムとして、穿刺ロボットの正確性と、そのデータに基づいた患者固有の制御とを組み合わせることにより、静脈穿刺結果の信頼性が格別に高まると同時に、血液透析治療の繰り返しにわたって血管が保護されるという利点をもたらす。
自動穿刺の工程ステップは、例えば患者自身又は医療従事者が静脈穿刺すべき患者の体の一部を穿刺ロボットの治療チャンバに挿入した後に、本発明に規定して以下で説明するように開始される。
穿刺ロボットは、患者血管における少なくとも1回の穿刺工程ステップ、或いは複数回の又は全ての意図される工程ステップを、医療従事者などの人間のオペレータの介在を伴わずに自動的に、すなわち断続的又は連続的に実行する装置である。従って、この工程ステップは、とりわけシステム及び/又はユーザが自動穿刺のプログラムパラメータを適宜に選択することによって行われる。穿刺における1つの工程ステップは、その工程ステップのために特異的に構成されたツール装置などの穿刺ロボットのコンポーネントによって技術的に実施され、以下の考えられる工程ステップP1、P2、P3…を含む群から選択されるが、この番号付けは順番を定めるものではない。
P1:自動穿刺の開始前に登録患者識別子に基づいて選択された器具キットを使用して穿刺を実行するステップ。この選択は、器具キットの選択及び/又は具体的には器具ボックスである器具ホルダの設置を行うシステムの任意のピックアンドプレースシステムを用いて事前に行っておくことができる。器具キットは、器具を保存するシステムの任意の保存装置から器具キットに含まれる器具を選択するシステムの任意の分類装置によって、登録患者識別子に応じて予め提供しておくことができる。器具キットは、具体的にはガーゼ、綿球、粘着テープである1又は2以上の医療用器具を含むことができる。この器具キットの器具は、登録患者識別子に応じて、及び/又は登録患者識別子から導出される患者固有の治療データに応じて収集することができる。穿刺ロボットによるこの器具キットの使用は自動穿刺の工程ステップであり、具体的には抽出に適した適切なプログラムパラメータが登録患者識別子に応じて選択されることによって、器具キットの器具器具ホルダ/ボックスの所定の位置から自動的に抽出されるようにすることができる。とりわけこの目的では、器具ホルダから器具を抽出するように、及び/又は穿刺ロボットの1又は2以上の任意のツール装置を設置するように構成された穿刺ロボットの任意のピックアンドプレース装置が使用される。
P2:血管を、具体的には動静脈瘻を含む患者の身体部位を空間的に固定するステップ。ここでは、自動穿刺のプログラムパラメータを登録患者識別子に応じて選択することができ、従ってこれらのプログラムパラメータは各患者に固有のものであり、これらのパラメータは、好適な固定が行われるように、以前に決定された位置又は患者の身体部分における所定の間隔に基づいて穿刺ロボットの1又は2以上の任意の固定装置の位置又は間隔を事前に設定する。固定は、少なくとも1回の次の穿刺のために患者の身体部分が配置される穿刺ロボットの治療チャンバ内で行われる。
P3:患者の血管系における過去の穿刺工程ステップに関する情報(履歴データ)を求め、好ましくはこの履歴データに基づいて、行うべき穿刺、具体的にはこの穿刺に使用されるプログラムパラメータを規定するために、具体的には患者データベースに記憶された患者データを使用するステップ。このような履歴データは、具体的には患者の皮下の少なくとも1つの血管の位置及び/又は寸法を測定するための穿刺ロボットの任意の測定装置(血管構造測定装置)によって以前に測定された1又は2以上の患者の血管の位置を含み、とりわけこれらを患者データとして提供する。とりわけ、このような履歴データは、特に患者データとして提供された患者の身体部分におけるさらなる静脈穿刺部位の位置及び状態に関する情報を含む。血管構造測定装置は、患者の皮下の少なくとも1つの血管の位置及び/又は寸法を超音波又は光放射によって検出するように設計することができる。
P4:患者の皮下の採血に適した血管を識別し、具体的にはこの血管の穿刺に適した挿入部位を選択するステップ。ここでは、自動穿刺のプログラムパラメータを、登録患者に計画される穿刺を少なくとも1つの患者固有の治療パラメータに基づいて選択することによって登録患者識別子に応じて選択することができ、従ってこれらのプログラムパラメータは特定の患者に固有のものである。例えば、血液透析を計画された患者では、治療パラメータが患者の血液透析の必要性をコード化することができる。この治療パラメータを評価することによって、動静脈血管の穿刺を計画し、動静脈血管を識別することができる。この識別は、血管構造測定装置によって取得された画像のプログラム制御による分析によって、例えば制御システム内で行うことができる。
P5:血管を含む患者の身体部分の皮膚を消毒するステップ。ここでは、自動穿刺のプログラムパラメータを、例えば治療の長さ、又は採用される消毒工程の量及び質によって特徴付けられる患者の皮膚タイプ又は皮膚形態に合わせて消毒工程を特異的に選択することによって登録患者識別子に応じて選択することができ、従ってこれらのプログラムパラメータは患者に固有のものである。患者固有の治療データを考慮することもできる。上述した消毒には、穿刺ロボットの任意の、又は穿刺ロボットから分離した、上述した機能を実行するために備えられた消毒装置を使用することができる。患者の皮膚タイプ又は皮膚形態は、とりわけ患者データベース内の患者データとして知られることが好ましい。
P6:血管を含む患者の身体部分を物理的に治療するステップであって、具体的には身体部分の血流をせき止め、身体部分に圧力を付与し、身体部分の温度を制御し、固定された身体部分を配置するステップ。ここでは、自動穿刺のプログラムパラメータを、例えば血液透析などの計画された患者治療に固有の準備データを利用することによって登録患者識別子に応じて選択し、或いは既知の準備データとして患者データベースから取得することができ、従ってこれらのプログラムパラメータは患者に固有のものである。とりわけ、この身体部分の穿刺準備は、この目的で対応して構成された穿刺ロボットの任意に設けられる準備装置によって行われる。
P7:特に好ましい、血管を、具体的には動静脈瘻を穿刺するステップ。とりわけ血液透析の場合には、血管からの採血のために第1の静脈穿刺及び穿刺が自動的に行われ、血液を戻すために第2の静脈穿刺及び穿刺が自動的に行われることが好ましい。ここでは、自動穿刺のプログラムパラメータを、例えば事前に患者に対して特異的に選択されて準備された注射針などの医療用器具をツールアームなどによって把持して身体部分上に配置することができる、穿刺ロボット内に任意に設けられたロボットツールアームの患者依存型の動作制御を定めるプログラムパラメータによって、登録患者識別子に応じて選択することができ、従ってこれらのプログラムパラメータは特定の患者に固有のものである。例えば第1の穿刺ロボットを腕の穿刺のために構成し、第2の穿刺ロボットを脚の穿刺のために構成することにより、体の異なる部分の血管を静脈穿刺する2つの穿刺ロボットを設けることができる。適切な穿刺ロボットの選択は、患者に特化した形及び/又は治療に特化した形で行うことができる。
P8:穿刺された血管から採血を行い、この血液を少なくとも1つの血液移送装置又は少なくとも1つのサンプル容器に移送するステップ。ここでは、自動穿刺のプログラムパラメータを、患者固有の治療データに応じて適切な血液移送装置又は適切なサンプル容器を予め選択した後で穿刺ロボットが好適に利用することによって登録患者識別子に応じて選択することができ、従ってこれらのプログラムパラメータは特定の患者に固有のものである。穿刺ロボット及び制御システムは、その後の、好ましくは自動的なシステム制御による治療の治療データ、具体的には診断に基づいて少なくとも1つのサンプル容器を提供するようにプログラムパラメータを適切に選択することによってそのように構成することができる、
登録患者識別子に基づく自動穿刺に使用されるプログラムパラメータは、選択過程を介して選択される。選択過程は、制御システム、特に穿刺ロボットの制御装置によって実行され、制御手順の一部とすることができる。選択過程は、制御システムのデータプロセッサが実行できるプログラムコードとして実装することができる。
選択過程は、必要なプログラムパラメータが治療データに応じてリンクされることによって識別可能となるデータ行列にアクセスするように構成することができる。このデータ行列は、システムのデータベースに記憶することができる。また、選択過程は、計算アルゴリズムによって少なくとも1つのプログラムパラメータを決定するように構成することもできる。例えば、計算アルゴリズムは、穿刺によって取得すべき必要な血液量を予定される工程ステップ又は血液検査ステップの回数及び種類にそれぞれ基づいて計算し、血液試料の供給後にシステムが穿刺を通じて好ましくは自動的に実行するように構成することができる。
システム、好ましくは制御システム、特に制御システムの制御装置及び/又はシステムの装置の制御装置及び/又は制御手順は、患者識別子の取得後であって自動穿刺の開始前に、穿刺による患者血管からの血液試料の自動採取の準備として、少なくとも1回の準備手順ステップを実行するように構成されることが好ましい。この少なくとも1回の手順ステップは、以下を含むことができる。
S1:システムのさらなる装置との間でデータ、特に登録患者識別子を交換するステップ。このデータ交換により、システムのデータ記憶装置又はシステムの外部に設けられたデータ記憶装置に記憶されたデータベースを登録患者識別子に基づいて照会し、制御システムによって照会された、登録患者識別子と相関する患者データをデータベースから引き出すことができるようになる。
S2:医療器具を含む器具キットを患者及び/又は治療に依存して備えることができるように、ピックアンドプレースシステムとの間でとりわけデータ、特に登録患者識別子を交換するステップ。
S3:利用可能な、又は治療/患者に適したシステムの穿刺ロボットを選択するステップ。
S4:特に分類装置が患者及び/又は治療に依存して選択した器具キットを少なくとも1つの穿刺ロボットに搬送できるようにシステムの移送装置を操作するステップ。
S5:自動穿刺を実行するために必要なプログラムパラメータを選択するステップ。
システム、好ましくは制御システム、特に制御システムの制御装置及び/又はシステムの装置の制御装置及び/又は制御手順は、とりわけ穿刺の開始後又は終了前、及び/又は自動穿刺によって取得される血液試料の採取中に、特に少なくとも部分的に又は完全に穿刺と並行して実行できる少なくとも1つの付随する並行手順ステップを実行するように構成されることが好ましい。この少なくとも1つの付随する手順ステップは、以下を含むことができる。
S6:少なくとも1回の自動的に行われる穿刺をシステムの観察装置によって観察するステップ。観察装置は、穿刺すべき患者の身体部分を含む穿刺ロボットの治療チャンバ内で少なくとも1つの物理的パラメータを観察するためのカメラ及び/又はマイク及び/又は少なくとも1つのセンサを含むことができ、この物理的パラメータは、例えば温度、湿度、大気組成であり、観察装置は、患者の皮膚上で消毒装置によって実行された消毒対策の成功を測定する装置を含むこともでき、観察から取得された観察データはシステムに記憶又は転送することができ、その際に、例えば治療中に物理的に存在しない医師が自動穿刺に立ち会い、必要に応じて、任意に設けられた電気的割り込み回路を用いて自動穿刺を中止すべく介入することができる。
S7:自動穿刺の準備、実行又は事後管理のための少なくとも1回の予定された工程ステップ、特に消毒、静脈穿刺及び/又は血液採取を電子的にログ記録するステップ。電子ログ記録は、特にデータプロセッサ及び/又はデータ記憶装置を含むことができる任意に設けられたシステムのロギング装置によって実行することができ、ロギング装置は、制御システムとは別にシステムの自律装置として設けることができ、ログ記録後にはシステムがそのログデータにアクセスできないことによってプロトコルの安全性及び信頼性をもたらすが、ロギング装置をシステムに完全に組み込み、特にログデータをデータベースに記憶して登録患者識別子及び/又は穿刺の日時と相関させ、これによって電子ログ記録が、例えば観察データを含むことができるログデータの記録及び記憶を構成することもでき、好ましくは自動穿刺及び/又は電子ログは、患者の自動穿刺が1又は2以上の法定基準又は医療ガイドラインに準拠するように設計され、特に標準化されたログデータシートに対応する電子証明書を穿刺毎に発行し、出力し、及び/又はとりわけデータベースに記憶することができる。
システム、好ましくは制御システム、特に制御システムの制御装置及び/又はシステムの装置の制御装置及び/又は制御手順は、自動穿刺の開始後、及び/又は少なくとも1回の血管穿刺の完了後、及び/又は自動穿刺によって取得される血液試料の採取後に、少なくとも1回の2次的手順ステップを実行するように構成されることが好ましい。この少なくとも1回の2次的手順ステップは、以下を含むことができる。
S8:カニューレを皮膚に固定するために、皮膚及び/又は血管に挿入されたカニューレに固定テープを、特に登録患者識別子に基づいて選択された固定テープを適用するステップ。穿刺ロボットは、好ましくはこの目的のために粘着テープを誘導して配置するように設計された固定テープ装置を含み、この結果、好適な固定テープの形状及び/又は寸法を選択する基礎となる患者の既知の身体部分の位置及び/又は寸法及び/又は状態に関する患者データを利用することにより、登録患者識別子に基づいて、従って患者毎に自動穿刺のプログラムパラメータを選択することができる。
S9:穿刺された血管の穿刺された皮膚部位を綿球で、具体的には穿刺ロボットの拭き取り装置を用いて拭き取るステップ。拭き取り装置は、拭き取り材料(swabbing material)を保持及び/又は誘導するように設計されたツールのツールアームを含むことができる。
S10:穿刺された血管からカニューレを通じて、血液誘導装置、特に血液透析装置、或いは患者及び/又は治療に基づいて以前に選択されて医療器具として提供された試料容器に血液を導き、好ましくはデータに基づいて登録患者識別子及び試料容器識別子を割り当て、特に穿刺ロボットのラベリング装置によって印刷された情報を含むラベルなどのラベルを試料容器に付与するステップ。
S11:特に血液試料の分析、診断又は保管のための、以前に指定された患者依存型及び/又は治療依存型の治療計画を実現するために、自動穿刺によって取得された血液試料をシステムの1又は2以上の装置に、特に実験室機械に移送し、他の装置によって決定された分析及び/又は診断データを患者データとして記憶するステップ。
システム、特に穿刺ロボットは、上記の装置、及び/又は器具ホルダ、特に器具ボックス、分類装置、記憶装置、装備装置(equipping device)、固定装置、測定装置、治療チャンバ、血管構造測定装置、消毒装置、準備装置(prepping device)、ツールアーム、血液移送装置、試料容器、データ記憶装置、ピックアンドプレースシステム、移送装置、固定テープ装置、拭き取り装置、ラベリング装置、分析及び/又は診断のための実験室機械などの他の装置、のうちの1つ又は2つ以上を含むことが好ましい。システムコンポーネントとしてのさらなる可能な好ましい装置については他の箇所で説明する。
システム、特に少なくとも1つの穿刺ロボットは、測定放射線及び/又は光及び/又は超音波に基づくセンサシステムによって、治療チャンバ内に配置された静脈穿刺すべき身体部分の位置及び/又は寸法及び/又は状態(例えば、皮膚の色、皮膚の形態)をとりわけ連続して及び/又はリアルタイムで検出し、これを識別データの形で記憶する識別システムを含むことができる。識別システムは、血管構造測定装置を含むことができる。
識別データも患者依存型であるが、自動穿刺の開始後まで取得されない。識別データは、静脈穿刺された身体部分の位置及び/又は寸法及び/又は状態、及び/又は穿刺すべき血管、特に動静脈瘻を含む身体部分に関連する皮下血管系の位置及び/又は寸法及び/又は状態に関する患者ベースのデータを含むことが好ましい。識別データは、自動穿刺の開始後まで決定されず、従って自動穿刺の準備として使用することができない。識別データは、特に患者データとしてデータ記憶装置に記憶されることが好ましい。システム、特に少なくとも1つの穿刺ロボットは、履歴データを適用することによって自動治療を準備するように設計されることが好ましく、この場合、履歴データは患者データの一部としてデータベースに記憶することができる。
システムは、とりわけツールヘッドに接続するための少なくとも1つの接続点を含むことができるロボットツールアームを含むことができる。従って、ツールヘッドはモジュール設計であることが好ましい。ツールヘッドは、穿刺ロボットの特定の機能を実現するように構成されることが好ましい。第1のヘッドは、例えば皮膚上に消毒薬を付与することによって皮膚を消毒するように設計することができ、第2のツールヘッドは、カニューレを保持して誘導するように設計することができ、第3のツールヘッドは、拭き取り材料を用いて皮膚上の穿刺部位を拭くように設計することができ、第4のツールヘッドは、血管に挿入されたカニューレを固定テープによって固定するように設計することができる。本明細書では、この種のツールアームを汎用ツールアームと呼ぶ。
患者データは、登録手順、又はシステムによって実行される別のデータ収集過程を通じて取得し、データベースに、具体的には患者データベースに記憶することができ、或いは前もって記憶しておくことができる。
治療データは、登録手順、又はシステムによって実行される別のデータ収集過程を通じて取得し、データベースに、具体的には治療データベースに記憶することができ、或いは前もって記憶しておくことができる。
患者データ及び治療データは、互いに相関させることができ、従って特にシステムは、相関する患者データ及び治療データを患者識別子から明確に決定することができ、この相関情報又は相関データは、それぞれデータベースに記憶することができる。患者データ、治療データ及び相関データを記憶できる1つのデータベースを設けることができる。
「患者識別子」は、好ましくは特定の患者又は特定の患者群を識別するデータ形式の識別である。特に、患者識別子は、特定の患者、又は特定の患者が割り当てられる特定の患者群を識別することができる。具体的に言えば、患者識別子は、患者番号、明確である場合又はさらなる識別子によって明確にすることができる場合には患者名、(健康)保険番号、ID番号又は特定の患者群の一意の番号/名称である。特に、本発明におけるそれぞれの患者群は、男性患者又は女性患者、特定の慢性疾患を患う患者、特定の血液型を有する患者、特定の皮膚タイプを有する患者、動静脈瘻(AV瘻孔)を有する、すなわちCiminoシャントを有する透析患者、血管グラフトアクセス(AVグラフト)を有する、すなわち具体的にはScriberシャントを有する透析患者、或いは中心静脈カテーテル線を必要とする透析患者を意味することができる。このような群を識別する情報も、任意に設けられたシステムのデータベースに患者データ及び/又は治療データの形で記憶し、患者識別子と明確に相関させることができる。
「治療識別子」は、特定の治療又は特定の治療群を識別するデータ形式の識別である。特に、治療識別子は、特定の治療、又は特定の治療が割り当てられる特定の治療群を識別することができる。とりわけ、治療識別子は、治療番号、或いは治療又は治療群の一意の指定である。本発明におけるそれぞれの治療群は、特定の手術、特定の病気療法、初期患者検査又は透析治療を意味することができ、透析治療は、具体的には血液透析、血液濾過、血液透析濾過、血液灌流又は腹膜透析治療である下位群をさらに含むことができる。このような群を識別する情報も、任意に設けられたシステムのデータベースに患者データ及び/又は治療データの形で記憶し、治療識別子と明確に相関させることができる。
穿刺」という用語は、皮膚を穿刺して血管壁を静脈穿刺することによって、カニューレの遠位端が血管内に配置されてカニューレの近位端が身体部分の外側に配置されるように患者の身体部分の血管にカニューレを挿入し、これによってカニューレと血管との間に、流体、具体的には血液及び/又は流体媒体を交換できる流体接続を確立できるようにする処置を意味する。この文脈における流体の「交換」は、患者の血液循環からの流体が、具体的には流体の保存又は流体の誘導のために体外流体システム、すなわち患者の体の外部に位置する流体システムに運ばれることを意味し、及び/又は体外システムから血液循環内に流体を運ぶことを含む。
カニューレは、管状体、具体的には剛性又は可撓性の注射針であり、血管穿刺における使用に適した幾何学的形状及び外部寸法を有する管腔を含む。
以下では略して「システム」とも呼ぶ、患者血管のデータ依存型自動穿刺のための本発明のシステムは、特に根本的な技術的課題を協働して解決する、とりわけ少なくとも1つの装置と少なくとも1つの方法とを含む。中でも、少なくとも1つの装置は、1又は2以上の穿刺ロボットであることが好ましく、少なくとも1つの制御システムであることが好ましく、1又は2以上ユーザインターフェイス装置であることが好ましい。
システムで使用される手順は、制御手順、好ましくは登録患者識別子に応じてプログラムパラメータを選択するための選択手順と、好ましくは制御システムに患者を登録する登録手順とを含むことが好ましく、登録手順の結果、制御システムに登録患者識別子が存在するようになる。
一般に、本発明の文脈における制御システム、又は制御システムの制御装置、又はシステムの装置の制御装置は、特にデータ処理装置、とりわけデータプロセッサ、従ってデータを処理するための中央処理装置(CPU)、及び/又は揮発性又は不揮発性メモリ、及び/又はマイクロプロセッサを含み、或いはデータ処理装置である。制御システムのCPUは、システムを制御するように、とりわけ穿刺ロボットを制御するように構成されることが好ましい。
制御システムは、システムの単一の制御装置によって形成することができる。制御システムは、独立装置又は他のシステム装置のコンポーネントとすることができる複数の制御装置、特に少なくとも1つのユーザインターフェイス装置及び/又は少なくとも1つの穿刺ロボットを含むことが好ましい。特に、これらの制御装置の一部又は全部は、データ交換ネットワーク内に構成することができる。独自の制御装置を含む少なくとも1つのユーザインターフェイス装置、及び/又は独自の制御装置を含む少なくとも1つの穿刺ロボットの場合には、これらの制御装置を、制御システムの構成部品と見なすことができる。しかしながら、制御システムは、これらの任意に設けられる制御装置を含まないこともできる。制御システムは、登録及び制御手順を、とりわけこの目的で適用可能に設計された、データプロセッサが実行できるプログラムコードによって実行するように設計されることが好ましい。
システムの制御システム、及び/又は少なくとも1つの穿刺ロボット、及び/又はユーザインターフェイス装置、とりわけこれらの全ては、1つの物理的装置ユニットに組み込むこともできるが、独自の物理的装置ユニットとすることもできる。特に、物理的装置ユニットは、少なくともシステムにデータリンクされた又はデータリンクできるモジュールとすることができる。制御システム、及び/又は少なくとも1つの穿刺ロボット、及び/又はユーザインターフェイス装置、又はこれらのコンポーネントの構成部品は、ソフトウェア機能によって少なくとも部分的に実装することができ、或いはとりわけプログラムコードを部分的に実行することができる。穿刺ロボットは、いずれの場合にもシステム、及び/又は少なくとも1つの穿刺ロボット、及び/又はユーザインターフェイス装置の1又は2以上の制御システム機能をソフトウェア機能との組み合わせで少なくとも部分的に実行するコンピュータなどの制御装置を含むことができる。
モジュールは、特に制御システム又はその構成部品、及び/又はユーザインターフェイス装置を含むことができる。モジュールは、他の装置、特にシステムの装置から分離した装置、及び/又は他の装置であり、とりわけ穿刺ロボットから分離した装置である。穿刺ロボットは、ユーザによる解除が可能な接続によってモジュールを穿刺ロボットに機械的に接続できる接続装置を含むことができる。モジュールは、ポータブルとすることができ、すなわちユーザが輸送することができる。モジュールは、穿刺ロボットに固定して取り付けることもできる。モジュール構造は、システムの提供において利点をもたらす。さらに、ポータブルモジュールは、システムの使用においてさらに高い柔軟性を提供する。
システムの1つの好ましい構成では、制御システム及び/又は好ましくは少なくともユーザインターフェイス装置が、少なくとも1つの穿刺ロボットの構成部品である。この場合、少なくとも1つの穿刺ロボットは、制御システム及び/又は少なくとも1つのユーザインターフェイス装置を含むことが好ましい。従って、コンパクトな構成では、システムが、制御システムと少なくとも1つのユーザインターフェイス装置とを有する正確に1つの穿刺ロボットを含む。
少なくとも2つの穿刺ロボットを含むシステムの好ましい実施形態では、制御システムが、これらの少なくとも2つの穿刺ロボットの一方の構成部品であることが好ましい。この場合、少なくとも1つのユーザインターフェイス装置は、少なくとも2つの穿刺ロボットのうちの第1の穿刺ロボットの構成部品、又は少なくとも1つの他方の第2の穿刺ロボットの構成部品であり、或いは別個の装置又はその構成部品を形成することが好ましい。システム内で少なくとも2つの穿刺ロボットを使用すると、少なくとも2つの穿刺ロボットが同時に動作することによってスループットが高まるという利点が得られ、臨床状況で使用されるように構成されたシステムの場合には特に有利である。
また、複数の穿刺ロボットを設けると、異なる状況での使用のためにこれらの穿刺ロボットのうちの少なくとも2つが異なる形で構成される可能性が得られる。これらの状況では、異なるタイプの患者、例えば器具面に関して患者の身体サイズを、特に子供と大人の区別を考慮することができる。さらに、これらの状況では、例えば第1の穿刺ロボットを腕の穿刺のために構成して第2の穿刺ロボットを脚の穿刺のために構成することにより、体の異なる部分における装置固有の血管穿刺を実現することができる。装置の適合は、特に構成部品の寸法決め、例えば穿刺すべき血管を含む身体部分を固定する固定装置の異なる寸法決めに関連することができる。
複数の穿刺ロボットを含むシステムのさらなる好ましい特徴としては、これらの穿刺ロボットのうちの少なくとも2つを地理的に異なる位置に配置することが挙げられる。これにより、特に共通の制御システムによって制御される自動穿刺ケアを異なる地理的位置においてそれぞれ行うことができる。これらの異なる地理的位置は、特に診療所内、例えば1又は2以上の建物の異なる部屋及び/又は建物の異なる階、又は医療ケアサービス領域内、特に都市内に分散することができ、或いは原理上地域的に、特に全国的に又は国際的に分散することもできる。制御システムは、地理的に分散した異なる穿刺ロボットを制御する中心装置であることが好ましい。しかしながら、個々の制御システムの複数の制御装置が特に異なる地理的位置に分散することもでき、或いは複数の地理的に分散した制御システムをシステムの構成部品として提供することもできる。
特に、システム内には、同じ数の制御システム及び穿刺ロボットを設けることができる。各穿刺ロボットは、制御システムを含むことができる。この場合、穿刺ロボットは、少なくとも1つの他の装置、特に外部装置とデータ交換を行うように設計されることが好ましい。
穿刺ロボットは、外部装置へのデータリンクを形成するように、及び/又はこのようなデータリンクを含むように構成されることが好ましい。外部装置は、データ記憶装置、又はこのデータ記憶装置が接続されたサーバとすることができる。データ記憶装置は、特にデータ記憶装置の不揮発性媒体にデータを記憶することができるデータベースを含むことが好ましい。このデータベースは、患者データベースとすることができ、又は患者データベースを含むことができる。
システムは、いずれの場合にも少なくとも1つの患者識別子を含む、複数の患者の患者データセットを含む患者データベースを記憶するデータ記憶装置を含むことが好ましい。
システムが複数の制御システムを含む場合、1つの個々の制御手順は、これらの制御システムの一部又はこれらの制御システムの好ましくは各々を利用して実行されるように構成されることが好ましい。しかしながら、システムが複数の制御手順を有し、特に制御システムによるそれぞれの実行のための制御手順を実行するための制御プログラムの複数のコピーを有することも可能であり好ましい。
システムの構成部品を形成する装置のうちの少なくとも2つは、地理的に異なる位置に存在することが好ましい。システムの構成部品を構成する装置のうちの少なくとも1つ又は2つ以上は、モバイル装置として構成されることが好ましい。本文脈におけるモバイル装置は、その意図される使用時に異なる地理的位置に存在してそのように配置された装置であると理解されたい。従って、このようなモバイル装置の寸法及び質量は、意図される使用時にモバイル装置を所定の労力下で輸送、移動又は再配置できるように適合される。システムの文脈における「モバイル」用途は、システムのモバイル装置が、装置に所望の移動性をもたらす輸送手段上、特に輸送車両上に配置されることを含む。
モバイル装置は、その意図される用途に従って、移動中にシステムの構成部品として使用できることが特に好ましい。具体的に言えば、輸送手段は、救急車などの自動車、船、列車、航空機、ヘリコプタ又はエレベータとすることができる。ユーザインターフェイス装置は、輸送中の患者の登録を可能にするようにモバイル式とすることができる。さらに、穿刺ロボットも、穿刺を必要とする医療ケアを車両内で行えるようにモバイル式とすることができる。
少なくとも1つのユーザインターフェイス装置は、少なくとも1つの穿刺ロボットとは地理的に異なる位置に配置され又は配置できることが好ましい。特に、少なくとも1つのユーザインターフェイス装置はモバイル装置である。少なくとも1つのユーザインターフェイス装置は、例えば外部装置、特にコンピュータ又はサーバとすることができるシステムの少なくとも1つの装置の構成部品であることも可能であり好ましい。
システムは、少なくとも2つのユーザインターフェイス装置を含むことが好ましく、これによってこれらのユーザインターフェイス装置の少なくとも2つは、地理的に異なる位置に位置することが好ましい。
好ましくはデータベース、特に患者データベースを記憶するデータ記憶装置は、少なくとも1つの穿刺ロボット及び少なくとも1つのユーザインターフェイス装置とは地理的に異なる位置に配置され又は配置できることが好ましい。データ記憶装置は、とりわけワイドエリアネットワーク(WAN)及び/又はインターネットなどのネットワークを介してシステムの他の装置にデータリンクすることができる。データベースは、地理的に異なる位置の中心位置に配置することができ、システムの他の装置は、データリンクを介して同じデータベースにアクセスすることができる。しかしながら、データ記憶装置は、同じ室内又は建物内又は診療所内などの、穿刺ロボットと同じ地理的位置に配置することもでき、或いは穿刺ロボットの構成部品とすることもできる。
システムの装置、好ましくはシステムの各装置は、システムの別の装置へのデータリンクの形成を可能にする1つのデータインターフェイスを含むことが好ましい。さらに、システムの装置、好ましくはシステムの各装置は、特にシステムの別の装置又はネットワークへの、具体的にはローカル又はグローバルネットワーク、特にインターネットへの無線データリンクを可能にする通信装置を含むことが好ましい。
システムは、データ交換のためのネットワークを含むことが好ましい。システムの全ての装置は、ネットワークを介してデータを交換するように構成されることが好ましい。ネットワークは、システム装置の各々が好ましくはデータリンクされた、又はデータリンクを形成するために接続できるように構成された中央サーバを含むことができる。ネットワークは、網状に又はリング状に接続された装置によって形成することもできる。ネットワークは、システムの1又は2以上の装置がネットワーク上でシステム内データを交換できるように接続された1又は2以上のルータ及び又はハブを含むことができる。ネットワークは、とりわけ1又は2以上のイーサネット(登録商標)規格を実装することができる。システムの装置、特にシステムの各装置は、データリンクを実現するために、データインターフェイス装置及び/又は通信装置を含むことができる。
システムの1つの好ましい構成では、システムの少なくとも1つの穿刺ロボット及び1つのユーザインターフェイス装置が、とりわけモバイル式の、特に患者の住居に設定できる移動式治療ステーションの構成部品として構成される。この種の構成は、頻繁な穿刺を定期的に必要とする透析患者にとって特に有利である。患者は、血液透析を受けるために診療所を訪れる必要がなく、それでもなお本発明の利点から恩恵を受ける。
「処理」という用語は、とりわけ実験室試料、特に血液試料又は一定量の血液を移動させ、及び/又は移送し、及び/又は検査し、及び/又は物理的に、化学的に、生化学的に、又は他のいずれか方法で特にその成分に関して修正することを意味する。
通信装置は、特に通信装置によって行われるデータリンクを介したデータ交換のために、とりわけ遠隔装置への遠隔データリンクのために、データを送信及び/又は受信するように構成されることが好ましい。特に、穿刺ロボットから遠隔に位置する装置も、「遠隔装置」又は外部装置と呼ばれる。特に、穿刺ロボットの構成部品ではないデータ処理装置又は装置も、外部データ処理装置/装置と呼ばれる。データリンク、特に遠隔データリンクは、コンピュータの制限されたネットワーク(とりわけイントラネット)又はグローバルネットワーク(とりわけWAN及び/又はインターネット)によって確立することができる。データリンク、特に遠隔データリンクは、無線接続、とりわけ無線リンクによって確立することもできる。データリンク、特に遠隔データリンクは、とりわけモバイル無線接続によって確立することもできる。
データリンクは、装置間における一方向又は双方向でのデータ交換を可能にするように、とりわけ2つのデータ処理装置、具体的には2つのデータ処理デバイス又は装置を接続する。データリンクは、有線又は無線で、とりわけ無線リンクとして実現することができる。上述した装置が独立ユニットとして実現される場合、遠隔データリンク接続は、とりわけ互いに離れて配置され、同じ装置の、従って特に同じ穿刺ロボット、ユーザインターフェイス装置又は制御システムの構成部品ではない2つのデータ処理装置、具体的には2つのデータ処理デバイスを接続する。1つの装置から別の装置へのデータリンク、具体的には遠隔データリンクは、2つの装置間の直接的な接続によって、或いはデータを転送するために2つの装置間に第3の装置が接続されるような、2つの装置の間接的な接続によって実現されることが好ましい。遠隔データリンクは、とりわけこの遠隔データリンクによって接続された装置を相互接続するコンピュータのネットワークによって実現することができる。このネットワークは、例えばイントラネット、又はグローバルネットワーク、具体的にはWAN及び/又はインターネットなどの制限付きネットワークとすることができる。
データ処理装置は、中央処理装置、具体的にはCPUを含むことが好ましく、データを揮発的及び/又は不揮発的に記憶する少なくとも1つのデータ記憶装置を含むことがさらに好ましい。データ処理装置は、第1のインターフェイス装置を介して、特に穿刺ロボットの構成部品とすることができる1又は2以上のユーザインターフェイス装置への1又は2以上の第1のデータリンクを形成し、第2のインターフェイス装置を介して穿刺ロボットへの第2のデータリンクを形成するように設計されることが好ましい。
インターフェイス装置は、信号、特に情報、とりわけデータを処理できる、とりわけ送信及び/又は受信できる2つの装置を接続する役割を果たす。インターフェイス装置は、少なくとも1つのハードウェアインターフェイス及び/又は少なくとも1つのソフトウェアインターフェイスを含むことができる。
ハードウェアインターフェイスは、電気工学及び電子工学における通常の理解通りに、特に電気ユニット間のインターフェイスである。この例における「ハードウェアインターフェイス」という用語は、特に少なくとも2つの電気ユニット間の接続部品自体も意味し、従って特に接続を可能にするのに寄与する全ての構成部品、例えば集積回路、電子部品、及び少なくとも2つの電気ユニット間で電気信号を送信する線を意味する。上記2つの電気ユニットは、とりわけ穿刺ロボット及び外部データ処理装置、又は2つの穿刺ロボット、或いは1つの穿刺ロボット内の2つの電気ユニットとすることができる。必須ではないが、ハードウェアインターフェイスは、接続の解除及び/又は回復を行うための着脱可能な接続装置、とりわけ少なくとも1つのプラグを含むこともできる。
ソフトウェアインターフェイス、特にソフトウェア側データインターフェイスは、特に情報管理システム、とりわけソフトウェアシステムにおける論理接点である。ソフトウェアインターフェイスは、異なるプロセス間及びコンポーネント間におけるコマンド及びデータの交換を可能にして規制する。ソフトウェアインターフェイスは、通信のみに使用されるデータ指向型インターフェイスとすることができる。この場合、ソフトウェアインターフェイスは、参加するシステムコンポーネント間で交換すべき情報しか含まない。
特に外部のデータ処理デバイス又はデータ処理装置は、特に複数のユーザインターフェイス装置及び/又は複数の穿刺ロボットへのデータリンクを形成するように設計されたコンピュータ、とりわけサーバである。特に外部のデータ処理デバイス又はデータ処理装置は、コンピュータ又はマイクロコンピュータを含むことができ、或いはコンピュータ又はマイクロコンピュータとすることができる。特に、サーバはコンピュータであり、そのハードウェアはサーバアプリケーションに適合される。外部データ処理装置は、制限されたコンピュータネットワーク、特にイントラネット、又はグローバルコンピュータネットワーク、特にインターネットを介して無線データ接続を、特にデータリンクを確立するように設計されたモバイルデータ処理装置とすることができる。コンピュータネットワークは、個々のシステムが互いに通信できるようにする、異なる技術的な、主に独立した電子システム(とりわけコンピュータだけでなく、センサ、アクチュエータ、エージェント及び/又は他の機能コンポーネントなども)の共同体である。
制御システムは、異なる患者又はユーザを明確に区別するように設計されることが好ましい。制御システムは、患者又はユーザを明確に識別することが好ましい。この目的のために、制御システムは、識別データを処理することが好ましい。アクセス制御は、登録患者又はユーザを認証するように、すなわち要求患者又はユーザの真正性をチェックし、肯定的な検証に従って患者又はユーザを認証する検証過程を実行するように設計されることが好ましい。認証データは、例えば登録テキスト及びパスワードテキスト、或いは顔認識又は虹彩スキャン又は指紋スキャンに関するデータセット、或いは他のデータ又は生体認証データを含む。生体認証は、患者又は医療従事者が認識努力を伴わずに身元を証明できるという利点をもたらし、このことは、例えば患者が無反応である場合、又は他の理由で積極的に認証に参加できない場合に特に有利である。認証は、RFIDチップ又はNFCチップによって、或いはジェスチャ認識によってさらに行うこともできる。認証は、実験室機械又はそのアクセスコントロールにそれぞれ局所的に又は遠隔的に直接アクセスすることによって行うことができる。
制御システム及び/又は制御手順は、登録している患者をシステム認証の成功に応じて登録し、患者識別子を確認し、及び/又は登録患者識別子を識別することによって患者を登録患者として認識するようにさらに設計することができる。この認証は、システムが識別に比較データを利用できるように、患者がシステムに事前登録されていることを必要とすることができる。制御システム及び/又は制御手順は、システムに患者を登録することにより、患者識別子を含む患者データの明確な帰属可能記録が患者に関連付けられるように設計することができる。この患者データセットは、患者データベースに記憶することができる。
また、患者は、例えば患者カード、身元証明書、或いはシステムのユーザインターフェイス装置が識別できる他の明確に識別可能な文書などの識別媒体を使用することもできる。ユーザインターフェイス装置は、情報リーダを含むことができる認証装置を含むことが好ましい。制御システム及び/又は制御手順は、特にシステムのユーザインターフェイス装置が情報リーダ、例えば光学スキャナ、磁気ストリップリーダ又はRFIDチップリーダを含むことにより、ユーザインターフェイス装置を介して明確に識別可能な患者の文書を登録するようにそれぞれ設計することができる。情報リーダは、特にコード化された情報を読み取るように設計し、又は生体認証スキャナとして設計することができる。生体認証スキャナは、例えば指紋スキャナ又は虹彩スキャナとして設計することができる。
システムは、システムへの患者の登録を行う情報管理システムを含むことが好ましい。
各ユーザが同じユーザインターフェイス装置を介してシステムへの第1のデータリンクを確立することも、或いは複数のユーザが異なるユーザインターフェイス装置を介してシステムへの第1のデータリンクを確立することもできる。ユーザインターフェイス装置は、穿刺ロボットの構成部品とすることができる。ユーザインターフェイス装置は、外部装置の構成部品とすることができる。
いずれの場合にも、ユーザインターフェイス装置は、ユーザインターフェイス装置のための制御装置、このインターフェイス装置を介して穿刺ロボット及び/又は制御システムとの間にデータリンクを確立するための通信装置、ユーザ入力を記録するための入力装置、ユーザに情報を出力するための出力装置、とりわけディスプレイを含むことが好ましい。このため、ユーザインターフェイス装置の制御装置は、ユーザ入力から取得されたデータを、データリンクを介して制御システム及び/又は穿刺ロボットと交換し、使用される本発明の穿刺ロボットに、制御システムの、特に制御手順のユーザを登録ユーザとして登録させ、とりわけこの制御システム登録の結果として、個々に割り当てられた登録患者識別子と呼ばれる患者識別子が登録患者に使用されるように設計されることが好ましい。
実験室試料、特に血液試料又は一定量の血液の「機械制御処理」という用語は、少なくとも1つの実験室試料の処理が機械、特に実験室機械によって少なくとも部分的に制御され、とりわけ実行されることを意味する。機械によって処理が制御及び/又は実行される限り、この処理は特にユーザによって制御及び/又は実行されず、とりわけユーザによって手動で制御及び/又は実行されることはない。
好ましくは、機械制御処理は、処理が患者識別子、特に登録患者識別子に応じて機械、特に実験室機械によって少なくとも部分的に制御され、特に実行されるものであるとさらに理解されたい。ユーザ登録入力は、患者の実験室試料に対する処理の開始前及び/又はこの処理中に行うことができる。ユーザ入力は、好ましくは機械又は穿刺ロボットの構成部品である、或いは好ましくは穿刺ロボットとは別個に設けられて制御システムに信号接続されたユーザインターフェイス装置を介して行われることが好ましい。ユーザ入力は、特に穿刺ロボットによる穿刺、及び/又は機械又は実験室機械による処理に影響し及び/又はこのような処理を制御する値を有する少なくとも1つのパラメータの入力に役立つ。このパラメータは、とりわけプログラムパラメータとすることができる。
特に「機械制御穿刺」の一部とすることができる「機械制御処理」は、とりわけ少なくとも半自動処理は自動処理を意味する。半自動処理では、特に医療従事者などのユーザが、例えばユーザインターフェイス装置上の自動プロンプトに応答し、具体的には入力の確認又は拒否、或いは異なる入力を行うことによって現在の処理に影響を与えることができる少なくとも1つのユーザ入力が処理の開始後及び処理の終了前に存在するように処理を行うことが可能である。特に、半自動処理では、処理が、とりわけ密に連続して自動的に行われる複数の処理ステップと、特にユーザインターフェイス装置を介してユーザ入力が行われることを必要とする少なくとも1回の処理ステップとを含むことができる。穿刺ロボットによる自動穿刺では、自動穿刺がユーザ入力に依存し、これに対応して穿刺ロボットをそのように構成できることが好ましい。
穿刺を開始するユーザ入力を患者自身が入力するまで自動穿刺が開始されないようにすることが好ましい。或いは、患者自身がユーザ入力を入力した時には自動穿刺が開始されず、又は停止できるようにすることも好ましい。このように、システムは、自動/半自動穿刺を開始又は継続する前に、例えばユーザインターフェイス装置を介して登録患者に安全指示、患者の権利及び/又はその他の情報が与えられるように設計することができる。これにより、患者の準備及び安全な穿刺の実行を保証することができる。
機械制御処理、特に穿刺は、プログラム制御処理、すなわちプログラムによって制御される処理であることが好ましい。プログラム制御処理は、実質的に多数又は複数のプログラムステップが実行されることによって行われる処理過程を意味する。プログラム制御処理は、少なくとも1つのプログラムパラメータ、とりわけユーザが選択した少なくとも1つのプログラムパラメータの使用に基づいて行われることが好ましい。ユーザが選択したパラメータは、ユーザパラメータとも呼ばれる。
プログラム制御処理は、具体的には制御システムの構成部品又は穿刺ロボットの制御装置とすることができるデータ処理装置を活用して行われることが好ましい。データ処理装置は、少なくとも1つのプロセッサ、すなわちCPU、及び/又は少なくとも1つのマイクロプロセッサを含むことができる。プログラム制御処理は、プログラム、具体的には制御プログラムの仕様に従って制御及び/又は実行されることが好ましい。特に、プログラム制御処理では、少なくとも必要なユーザ側プログラムパラメータの登録後には、実質的にユーザインタラクションは不要である。
プログラムパラメータは、プログラム又はサブルーチンの少なくとも1回の実行(呼び出し)のためにプログラム又はサブルーチン内に所定の方法で設定できる変数として理解されたい。プログラムパラメータは、例えばユーザによって指定され、プログラム又はサブルーチンを制御し、このプログラムパラメータに応じてデータを出力させる。特に、プログラムパラメータ及び/又はプログラムによるデータ出力は、特に自動又は半自動処理装置を含む少なくとも1つの穿刺ロボット又は機械によって、機械の制御、特に処理、とりわけ穿刺の制御に影響を与え及び/又はこれを制御する。
プログラムパラメータは、ユーザが必要とするプログラムパラメータとすることができる。ユーザが供給する必要なプログラムパラメータは、処理、特に穿刺の実行に必要とされることを特徴とし、例えば穿刺及び/又は静脈穿刺手順を開始するユーザ入力である。ユーザが必要としない他のプログラムパラメータは、ユーザが供給する必要なプログラムパラメータから導出され、又は別様に利用可能になり、特に任意にユーザが設定することができる。ユーザによるプログラムパラメータの設定は、特にシステム又は穿刺ロボット又は実験室機械に記憶されている所定値のリストからの考えられる所定値の選択肢を表示し、ユーザがこのリストから所望のパラメータを選択して設定することによって行われる。ユーザは、例えば数字キーパッドに数字を入力することによって所望の値に対応する値を入力することによって、或いは所望の値に達するまで値を連続して又は徐々に増減させて値を設定することによって、このプログラムパラメータを設定することもできる。例えば言語制御及び/又はジェスチャ制御などの他の入力形態も考えられる。
プログラムは、とりわけコンピュータプログラムを意味する。プログラムは、とりわけデジタルデータ処理システム上における特定の機能、タスク又は問題の実行及び/又は解決を可能にする宣言及び指示から成る一連の命令である。通常、プログラムは、デジタルデータ処理システムと共に使用されるソフトウェアとして提供される。特に、プログラムはファームウェアとすることができ、本発明の場合には、特に穿刺ロボット又は実験室機械及び/又はインターフェイス装置の制御システム又は制御装置のファームウェアとすることができる。通常、プログラムは、実行のためにデジタルデータ処理システムのコンピュータのメインメモリにロードされる実行可能プログラムファイルとして、多くの場合にいわゆるオブジェクトコードの形でデータ媒体上に提供される。プログラムは、一連の機械コマンド、すなわちプロセッサコマンドとしてコンピュータのプロセッサによって処理されて実行される。特に、「コンピュータプログラム」は、実験室機械の制御過程中に取得できる実行可能コードの元となるプログラムのソーステキストを意味する。
命令は、プログラム言語の中心的要素として通常通りに理解すべきである。このような言語のプログラムは、主に1又は2以上の命令から成る。命令は、プログラムを実行するという文脈で実行されるべきプログラム言語の構文において定式化された個々の指示を表す。命令の特定の構文は、それぞれのプログラム言語又はその仕様によってそれぞれ定義される。機械指向型プログラミングでは、しばしば命令がコマンドとも呼ばれる。通常、命令は、割り当て、(ホップ、ループ及び条件付きコマンドなどの)制御命令、及び手続き呼出しであり、プログラム言語によっては、ある程度、確認、宣言、クラス及び関数定義命令でもある。制御プログラムの命令は、通常通りに構成することができる。
制御手順は、とりわけ制御手順を実行するシステム内の制御プログラムとして設計することができる。制御プログラムは、特に少なくとも1つのプログラムパラメータ及び登録患者識別子に応じて所望の処理、特に穿刺を制御及び/又は実行することが好ましい実行可能コンピュータプログラムを意味する。このプログラムパラメータは、ユーザが影響を及ぼす及び/又は設定するプログラムパラメータとすることができる。処理、特に穿刺は、穿刺ロボット又は実験室機械の制御システム又は制御装置が、例えばツールアームなどの実験室機械又は穿刺ロボットの少なくとも1つの処理装置を制御し、又はその動特性に影響を与えるプログラムパラメータに応じて1又は2以上の制御パラメータを生成することによって制御することができる。
システム及び/又は穿刺ロボット及び/又は実験室機械は、制御プログラムとすることができる又は制御プログラムを含むことができるオペレーティングシステムを含むことが好ましい。制御プログラムは、とりわけシステム及び/又は穿刺ロボット及び/又は実験室機械のオペレーティングシステム、或いはオペレーティングシステムのコンポーネントを示すことができる。オペレーティングシステムは、処理、特に穿刺、特に患者の登録、及び特にシステムのさらなる動作機能を制御する。制御手順は、オペレーティングシステムとすることができ、又はオペレーティングシステムを含むことができる。オペレーティングシステム上では、好ましくは制御手順を実行する制御プログラムを実行することができる。
穿刺ロボット、特に実験室機械は、システムの他の装置又は外部装置とのデータ交換のための遠隔データ接続を確立する通信装置を含み、これらの外部装置も、穿刺ロボット又は実験室機械とのデータ交換のための遠隔データ接続を確立する好適な通信装置を含むことが好ましい。このような通信装置は、無線リンク、特に移動無線接続を形成するように構成することができる。これにより、通信装置は、ユーザによる穿刺ロボット又は実験室機械への遠隔アクセス、とりわけ少なくとも1つのパラメータ、具体的には穿刺ロボット又は実験室機械の機能を、とりわけ穿刺又はその他の処理を実行する機能を制御するパラメータの選択又は設定を可能にするように構成されることが好ましい。
実験室機械という用語は、とりわけ少なくとも1つの実験室試料の機械制御処理のために設計された、実験室内で使用されるように設計された機械を意味する。この実験室は、特に化学的、生物学的、生化学的、医学的又は法医学的実験室とすることができる。このような実験室は、実験室試料の研究及び/又は分析に役立つが、実験室試料を用いた製品の生産、又は実験室試料の生産にも役立つ。穿刺ロボットは、実験室機械として理解されないことが好ましい。穿刺ロボットは、少なくとも部分的に又は完全に自律的に動作する医療ロボットと呼ぶことができる新たなジャンルの機械の代表として理解することができる。本発明のシステムは、このような少なくとも部分的に又は完全に自律的に動作する医療ロボットのジャンルに類別されるべきである。システムの少なくとも1つ又は2つ以上の穿刺ロボットは、臨床状況で使用される場合、特に臨床状況を拠点とする場合、少なくとも1つの部分的に又は完全に自律的に動作する臨床治療システムを構成する。このような穿刺ロボットは、本発明の実施形態の好ましいタイプである。本発明の方法についても同様である。
実験室試料は、実験室内で処理できる試料である。実験室試料は、特に穿刺によって取得される血液試料、とりわけ一定量の血液である。本発明の説明では、「実験室試料」という用語の代わりに、「試料」という用語も使用する。液体試料は、通常、生物学的、化学的又は医学的実験室内で取り扱われる試料とすることができる。液体試料は、分析試料、試薬、媒質、緩衝剤などとすることができる。溶液は、溶解した1又は2以上の固体、液体又は気体物質(溶質)を含み、特に溶液を形成する量のより多くの又は最も多くの部分を構成する好ましくは液体溶媒(溶剤)をさらに含む。溶媒は、それ自体溶液とすることができる。
実験室試料(試料)、特に穿刺によって取得された血液試料のとりわけ自動又は半自動処理は、以下の特定の過程のうちの1つ又は2つ以上をとりわけ同時に又は連続して含むことができる。
- 特に移送装置によって、重力の作用、及び/又は穿刺ロボット又は実験室機械がもたらす力を用いて実験室試料を移送する過程。
- 接触を伴わずに(非侵襲的に)試料を物理的に、特に熱的に処理し、或いは試料を凍結又は解凍させ、試料を光学的に処理し、試料を動かすことによって試料の機械的処理を行う過程。とりわけ撹拌、遠心分離機。
- 試料を化学的、生化学的又は生体医学的に処理する過程。化学的、生化学的又は生体医学的な物質(血液、血清、細胞培養液)の添加。
- 特に特定の温度などの特定の物理的条件下で、及び/又は不活性ガス又は特定の空気湿度などの規定の環境雰囲気を設定して、例えば可視光からの遮蔽、暗所又は規定の照射などの特定の放射線条件下で、特にプログラム制御された規定の期間にわたって試料を保管する過程。
- 試料を測定又は分析する過程。特に試料の少なくとも1又は2以上の化学的、物理的、生化学的及び/又は医学的特性の測定を目的とした試料の非侵襲的及び/又は侵襲的処理による分析、特に細胞カウンタによる細胞計数。
- 特に病原性の患者状態を識別又は排除するために試料に対して診断手順を実行する過程。
- 特に試料の非侵襲的及び/又は侵襲的処理によって試料を処理し、特に試料の少なくとも1つの特性を修正する過程。
- 一定量の血液に対して血液透析を実行し、好ましくはその血液量を患者の血液循環に戻す過程。
この処理は、特に少なくとも1つのプログラムパラメータを用いたプログラム制御下で行われる。
この処理は、特に処理装置による実験室試料の処理を決定する少なくとも1つの制御パラメータに従って行われる。制御パラメータは、期間、時点、特定の試料量及び/又は投与量、特定の試料温度などを定めることができる。制御パラメータは、特定の移送ヘッド、特定のタイプの移送容器、特定のタイプの試料容器、1又は2以上の個々の試料の自動使用、或いは所与の作業空間内のこれらのコンポーネントの特定の位置に関することができる。制御パラメータは、個々の試料の処理、或いは複数の又は多くの試料の処理に関することができる。
制御パラメータは、少なくとも1つのプログラムパラメータ、特にユーザが選択したプログラムパラメータ、及び患者識別子又は登録患者識別子に応じて、実験室機械、特に実験室ロボットによって自動的に選択されることが好ましい。これにより、全ての制御パラメータを個別に指定する必要がないという利点がもたらされる。制御パラメータは、プログラムパラメータに対応することもできる。
試料の移送は、カニューレ又は管又は試料容器から移送容器内への、及び/又は移送容器から試料容器又はその他の標的位置内への移送とすることができる。この移送は、特に少なくとも1つのプログラムパラメータを用いてプログラム制御される。
移送容器は、部分的に又は完全にプラスチックから成ることが好ましい。移送容器は、典型的には1回の処理又はわずかな数の試料処理ステップにしか使用されない消耗品であることが好ましい。しかしながら、移送容器は、部分的に又は完全に別の材料から成ることもできる。
試料容器は、試料容器識別子を示すことが好ましい。この試料容器識別子は、充填されてシステムに登録された試料に関連する患者を試料容器識別子から明確に推測できるように、患者識別子を組み込み、又はシステム内で患者識別子と明確に相関させることができる。穿刺ロボットによって取得された血液試料は、システムによって少なくとも1つの試料容器内に保管されて、システムのデータベース内で少なくとも1つの明確な試料容器識別子に関連付けられ、試料容器は、血液試料を含む各試料容器が患者識別子に明確にリンクされて、少なくとも1つの試料容器識別子の関連性に関する情報がシステムのデータベースに記憶されるように、試料容器を明確に区別することが好ましい。
試料の移送は、初期位置から標的位置までの試料の移送とすることができる。初期位置は、試料が第1の試料容器内に配置された時の位置とすることができ、試料の標的位置は、試料を移送すべき第2の容器内の位置とすることができる。この例では、この種の移送を試料移送又は移送とも呼ぶ。実際に、通常、試料の移送は、例えば試料が保管された及び/又は例えば大量の試料を保持できる1つの保管容器から、試料がさらに処理される第2の試料容器内に試料を移送するために行われる。この移送は、とりわけ少なくとも1つのプログラムパラメータを用いてプログラム制御される。試料の移送は、血液試料を取得した穿刺ロボットから、試料がさらに処理される機械、特に実験室機械への移送であることが好ましい。
移送容器は、好ましくは血液試料を取得した穿刺ロボットから、好ましくは試料がさらに処理される機械、特に実験室機械に自動的に試料を搬送するシステムの移送装置に接続され、又は接続することができる。移送装置は、好ましくは本発明のシステムの構成部品であるロボット移送システムのコンポーネントであることが好ましい。
試料容器は、1つの試料しか含まない単一の容器とすることも、或いは単一の容器が複数連結されて配置されたマルチ容器とすることもできる。
単一の容器は、開放容器又は閉鎖可能容器とすることができる。閉鎖可能容器の場合には、カバー要素、特にエンドキャップを設けることができる。カバー要素は、例えばヒンジ蓋又はヒンジ式エンドキャップとして容器に恒久的に固定することも、或いは独立コンポーネントとして使用することもできる。
試料容器は、試料容器又はその内容物、とりわけ試料容器識別子に関する情報を含むことができる情報フィールドを含むことができる。情報フィールドは、例えばバーコード、QRコード(登録商標)、RFIDチップ又はその他のコード化された情報などのコード化された情報を示すことができる。この情報は、試料及び/又は試料容器を識別するための詳細を含むことができる。システムは、この情報を読み取って好ましくは制御システムに提供するために情報リーダを含むことができる。
少なくとも1つの穿刺ロボット、特に実験室機械、とりわけ実験室ロボットは、LIMSに接続され又は接続することができる。LIMSは、実験室情報管理システムを意味する。LIMSは、化学的、物理的、生物学的、医療的実験室における自動又は半自動データ処理に関連する通常の意味でのソフトウェアシステムである。このようなデータは、試料の測定に由来することができ、及び/又はデータ処理の制御に関連することができる。LIMSは、測定値を取得して評価する役割を果たすことが好ましい。LIMSは、実験室における動作性能を高め、及び/又は実験室試料の処理効率を最適化するために使用される。
穿刺ロボット、特に実験室機械又は実験室ロボットは、試料及び/又は試料容器、及び/又は試料及び/又は試料容器に対する処理命令に関する情報を読み取るための情報リーダを含み、好ましくはこの情報を穿刺ロボット、実験室機械又は実験室ロボットの制御装置に提供することができる。
穿刺ロボット、特に実験室機械又は実験室ロボットは、時間依存性の穿刺及び/又は試料処理を可能にするように少なくとも1つのタイマ装置、及び/又は好ましくは1つのタイミング装置を含むことが好ましい。時間依存性の処理は、プログラム制御され、とりわけ少なくとも1つのプログラムパラメータによって制御されることが好ましい。自動穿刺、及び好ましくはその後の特に繰り返される処理の時間的順序は、このようにして制御され、及び/又はログ記録され、及び/又はシステム的に調整することができる。
穿刺ロボット又は実験室機械は、ユーザがデータを入力し、情報、特にこのデータに含まれる情報を表示するユーザインターフェイス装置を含み、このユーザインターフェイス装置は、表示装置、特にディスプレイ、特にタッチ画面式ディスプレイを含むことが好ましい。
本発明は、特に血液透析のための患者の血管のデータ依存型自動穿刺方法であって、- データ処理制御システムにデータリンクされたユーザインターフェイス装置における患者登録時に登録患者識別子を記録するステップと、- 制御システムが登録患者識別子に応じてプログラムパラメータを決定するステップと、- 患者の登録患者識別子に基づく患者の血管の自動穿刺のためのプログラムパラメータに応じて、患者血管の自動穿刺のために設定されて制御システムにデータリンクされた穿刺ロボットを制御するステップとを含み、これによって、特に少なくとも1つの穿刺ロボットが、血管に第1のカニューレを挿入して血液を自動的に抜き取って血液誘導システムに送る第1の静脈穿刺を自動的に実行するように構成される、方法にさらに関する。
本発明の方法は、血管に第2のカニューレを挿入して血液誘導システムから自動的に血液を戻して血液透析を実行する第2の穿刺を自動的に実行することが好ましい。
本発明の方法は、自動穿刺に使用すべきプログラムパラメータを登録患者識別子に応じて選択する選択過程を自動的に実行することが好ましい。この選択過程は、治療データに基づいて必要なプログラムパラメータをリンクし、これによって決定することができるデータ行列にアクセスするステップを実行し、システムは、データ行列を記憶するデータ記憶装置(90)を含むことが好ましい。
本発明の方法は、登録患者識別子の記録後であって登録患者識別子に応じた自動穿刺の開始前に、穿刺による患者の血管からの血液試料の自動採取を準備する準備手順ステップを少なくとも1回実行するステップを提供することが好ましい。
本発明の方法は、登録患者識別子に応じて自動穿刺によって取得される血液試料の採取中に、特に穿刺と少なくとも部分的に又は完全に並行して実行される付随する手順ステップを少なくとも1回実行するステップを提供することが好ましい。
本発明の方法は、自動穿刺の開始後、及び/又は少なくとも1つの血管の穿刺の完了後、及び/又は登録患者識別子に応じて自動穿刺によって取得される血液試料の採取後に、少なくとも1回の2次手順ステップを実行するステップを提供することが好ましい。
本発明の方法は、治療チャンバ内に配置された穿刺すべき身体部分の位置及び/又は寸法及び/又は状態(例えば、皮膚の色、皮膚の形態)を、測定放射線及び/又は光及び/又は超音波に基づくセンサシステムを介した識別システムによって特に連続的に及び/又はリアルタイムで決定し、特にこれを識別データの形で記憶するステップを提供することが好ましい。
本発明の方法は、記憶された識別データを含む履歴データを利用して、登録患者識別子に応じて自動治療を実行するステップを提供することが好ましい。
本発明の方法は、少なくとも1つの穿刺ロボットとは異なる地理的位置に少なくとも1つのユーザインターフェイス装置を配置するステップを提供することが好ましい。
本発明の方法は、少なくとも1つの穿刺ロボット及び少なくとも1つのユーザインターフェイス装置とは異なる地理的位置にデータ記憶装置を配置するステップを提供することが好ましい。
本発明の方法は、システム認証の成功に応じて登録する患者を登録し、患者識別子を決定し、及び/又は登録患者識別子を確認することによって患者を登録患者として識別するステップを提供することが好ましい。
本発明のシステム及びその好ましい構成の説明からは、本発明による方法のさらなる想定可能な好ましい構成を推測することができる。
図及びその説明と共に行う以下の実施形態例の説明によって、本発明によるシステム及び本発明による方法のさらなる好ましい構成を示す。明確に指定していない限り、又は文脈的にそうでないと示していない限り、実施形態例では実質的に同じ参照数字を用いて同等の構成要素を識別する。
本発明によるシステムの実施形態例の概略図である。 本発明のシステムに適用可能な穿刺ロボットの実施形態例の概略図である。 本発明の方法、又は本発明のシステムの動作制御手順の実施形態例の概略図である。 図3の方法のサブステップの実施形態例を示す図である。 図3の方法のサブステップの実施形態例を示す図である。 図3の方法のサブステップの実施形態例を示す図である。 図3の方法のサブステップの実施形態例を示す図である。 図3の方法のサブステップの実施形態例を示す図である。 図3の方法のサブステップの実施形態例を示す図である。 図3の方法のサブステップの実施形態例を示す図である。 図3の方法のサブステップの実施形態例を示す図である。 本発明の方法、又は本発明のシステムの動作制御手順の実施形態例を示す図である。
図1に、本発明のシステムの実施形態例としての、血液透析の準備のための患者血管のデータ依存型自動穿刺のための臨床システム100を示す。システム100は、それぞれが患者血管の自動穿刺を行うように構成された2つの穿刺ロボット1を含む。システム100の制御システム50、51は、2つの穿刺ロボットの各々をプログラムパラメータに応じて制御できる制御手順を実行するように設計される。制御システム50、51は、中央制御装置50を含む。いずれの場合にも、制御装置51は穿刺ロボット1を制御し、制御システム50、51の構成部品と見なされ、その臨床システム内でのタスクは、患者の患者識別子に応じて患者の身体部分30に少なくとも1回の自動穿刺を実行することを含む。制御装置50及び制御装置51の各々は、データプロセッサ及びデータストレージを含むデータ処理装置と、システムの別の通信装置へのデータリンクを確立する通信装置とを有する。装置1、80、90から制御装置50へのデータリンクは、システムコンポーネントをデータ交換ネットワークにネットワーク接続する。この例では、ネットワークが、中央コンピュータとしての制御装置50を含む。
システム100は、この例では指紋スキャナに基づく認証装置80として実装される、予めシステムに登録されている患者を認証する2つのユーザインターフェイス装置80を含む。患者の登録は、臨床認可(clinical admission)に関連するデータの収集、具体的には患者の指紋画像を比較のために患者データベースに記憶し、患者の患者データに(本明細書では患者識別子と呼ぶ)システム内患者識別子を割り当てることを含む。制御システムは、登録中の患者の登録後に患者を登録患者として認識し、登録後にはこの患者の患者識別子が「登録患者識別子」と呼ばれる。
システム100は、少なくとも1つのデータベースを記憶した、ハードディスクサーバとすることができるデータ記憶装置90を含む。特に、データ記憶装置90には、自動穿刺に必要な登録患者の患者データを読み出すためにシステムが登録患者識別子に基づいてアクセスする患者データベースが記憶される。患者データは、例えば識別装置の識別データなどの、システムによって収集されたデータ、及び完了した穿刺過程又は血液透析過程にそれぞれ関連する任意の観察データ、並びに行われた治療に関するデータによって定期的に補完することができる。従って、患者データセットが正確であれば、臨床システム内のその後の患者の治療を継続的に改善することができる。この実施形態例では、患者データが、とりわけ患者に対して行われる血液透析に関するデータを含む。この患者データは、とりわけ後述する血管構造データを含む。
制御装置50は、データプロセッサが実行できるプログラムコードの形態の、システムの制御手順を実行する。この制御手順は、プログラムパラメータに応じて少なくとも1つの穿刺ロボットを制御し、この目的のために、患者登録後であって穿刺の開始前に、適切な患者依存型の、すなわち登録患者識別子に依存するプログラムパラメータを選択する。この目的のために、制御手順は、システムに記憶されている選択過程を実行する。
選択過程は、患者データ及び治療データに基づいて必要なプログラムパラメータをリンクすることによって決定できる、データ記憶装置90に記憶されたデータ行列にアクセスするように設計される。システムは、患者が登録されると、その独自の記憶されたスケジュール又は登録中のユーザ入力に基づいて、この患者に血液透析処置を1回のみ実行すべきであると認識することができる。この情報は、治療データとして認知することができる。システムは、この治療データに依存して、血液透析中に患者データセット内のどの患者固有の状態及びデータを観察すべきであるかを決定することができる。
血液透析のための患者固有の状態及びデータは、血管構造データ、患者固有の必要なタイプ及びサイズの固定テープ、並びに拭き取り材料又は消毒薬、穿刺において使用すべきカニューレのタイプに関するデータ、などを含むことができる。このデータ行列は、「血液透析」治療のために観察を必要とする「血管構造データ」、「固定テープのタイプ及びサイズ、並びに拭き取り材料又は消毒薬」、及び「穿刺において使用すべきカニューレのタイプ」プログラムパラメータに関する情報をさらに含むことができる。その後、システムは、これらの患者固有のパラメータに応じて、「固定テープのタイプ及びサイズ、並びに拭き取り材料又は消毒薬」及び「穿刺において使用すべきカニューレのタイプ」プログラムパラメータを医療器具のピックアンドプレースシステムに中継して、システムのピックアンドプレースシステム70が、標準化された器具ボックス内に必要な器具を提供できるようにするとともに、「血管構造データ」プログラムパラメータに対応する患者データセットからの血管構造データを、システムが穿刺のために選択した穿刺ロボットに中継し、又はこの血管構造データにアクセスするように穿刺ロボットに指示することによって、自動的に自動穿刺を準備する。
患者データセットは、血液透析固有の情報以外にも、例えばシステムが定期的に行うべき患者の投薬に関する情報などの、他の治療に必要な、同じく患者固有の情報を含むことができる。
この臨床システムの実施形態例では、装置1、50、80、90が、部分的に異なる地理的位置に配置される。第1のシステム装置群は、診療所の同じ複合建屋内に配置することができる。第1のシステム装置群は、図1の制御装置50に連続線によって接続された装置1及び80を含む。好ましくは本発明のシステムに割り当てられるデータ記憶装置90は、これらのシステム装置から明らかに分離された、例えば別の建物などの地理的位置に配置することができる。一方で、データ記憶装置90は、他の臨床システムが使用することもできる。破線による接続として示すように、さらなるユーザインターフェイス装置80及び穿刺ロボット1は、例えば血液透析患者の住居に基づくことができる移動式血液透析治療ステーションなどのさらに地理的に異なる位置に配置することができる。このさらなるユーザインターフェイス装置80及び穿刺ロボット1も、システムとのデータリンクが維持される限り、例えば救急車内、列車内又は船舶内などの移動可能なものとすることができる。
図2に、本発明によるシステム100によって使用される穿刺ロボット1の実施形態例を示す。
穿刺ロボット1は、一端が穿刺ロボット1に接続されて他端がツールヘッド2bを支持する多関節ツールアーム2aを有するロボット制御型ツールアーム装置2を含む。この例では、ツールヘッドが、例えば、穿刺、固定テープの適用又は拭き取りなどの治療タイプに従う交換可能な機能固有のモジュールとして実現される。図では、ツールヘッドが静脈穿刺又は穿刺のためにそれぞれ構成されており、患者の腕30の血管に挿入すべきカニューレ3を保持する。さらなるツールヘッド(図示せず)は、穿刺すべき患者の皮膚部位にプログラム制御によって消毒薬を付与するための消毒装置を保持する。
穿刺ロボット1は、遠隔位置における観察者が自動穿刺手順をリアルタイムで観察できるようにする、この例ではカメラを有する観察装置5を含む。これに加えて、又はこれとは別に、穿刺からのビデオデータも患者データストレージに記憶される。
穿刺ロボット1は、患者の腕30の位置及び寸法、患者の皮下血管の位置及び構造、並びに皮膚及び血管の形態を検出できる識別装置6を含む。この目的のために、識別装置6は、超音波によって少なくとも1つの血管画像を生成するように構成された(明確に示していない)血管構造測定装置を含む。これらの測定は、特に穿刺前及び/又は穿刺中及び/又は穿刺後に行うことができる。血管構造測定装置によって生成された血管構造データは、患者データとして記憶して、その後の治療において履歴データとして提供することができ、これによって穿刺を患者に特化した形で改善することができる。
血管構造測定装置は、皮膚及び/又は血管上の以前の穿刺部位を検出するようにさらに構成することができる。制御手順は、縄梯子法又はボタンホール法に従って穿刺を実行及び/又は続行するために、この情報を特に透析患者に使用することができる。穿刺ロボットのためのボタンホール法情報は、患者データに由来する。ボタンホール法では、穿刺ロボットが、血管又は動静脈瘻に対してそれぞれ常に同じ角度、同じ位置で「ボタンホール」流路を通じてカニューレを挿入する。ロボットは、このボタンホール法の実行において一貫した品質をもたらすようになっており、この方法の成功にはこれが不可欠である。従って、ボタンホール法は、穿刺ロボットを用いて穿刺を実行する特に好ましいタイプの手順、又は制御手順である。ロボットは、一方では血管構造における血管形態を判断して認識することによって、制御手順が以前の穿刺から一定の距離における次の最適な部位を選択することができ、他方では振動を伴わずに最大精度で穿刺を行うことができるため、手動穿刺に比べて縄梯子法の場合にも利点をもたらす。
穿刺ロボット、具体的には穿刺ロボット1の考えられる処置ステップ、及び制御手順又は本発明の方法のステップは、上述した工程ステップPx、具体的にはP1~P8、及び工程ステップSx、具体的にはS1~S11からそれぞれ推測することができる。
図12に、上述したシステム100において使用される本発明の方法200の第1の一般的な実施形態例を示す。原則的に、本発明の方法は、制御手順を用いたシステムにおいても適用される工程ステップの実行を可能にすることが好ましい。この工程ステップは、ステップ201:- データ処理制御システムにデータリンクされたユーザインターフェイス装置において患者を登録することによって登録患者識別子を記録するステップと、ステップ202:- 制御システムが登録患者識別子に応じてプログラムパラメータを決定するステップと、ステップ203:- 患者の登録患者識別子に基づく患者の血管の自動穿刺のためのプログラムパラメータに応じて、患者血管の自動穿刺のために設定されて制御システムにデータリンクされた穿刺ロボットを制御するステップと、を含む。
図3に、ここでは特にシステム100などの本発明のシステムの実施形態例を用いて、血液透析のための動静脈瘻の二重穿刺を実行するための本発明の方法300のさらなる実施形態例の概要を示す。方法300は、以下の一連のステップをこの順番で実行する。
- ステップ310:自動穿刺の準備
- ステップ320:患者識別子の登録、準備
- ステップ330:穿刺計画のための、過去の血管構造データの分析、及び/又は治療チャンバ8に挿入された腕30の現在の血管構造データの検出
- ステップ340:穿刺する皮膚領域の自動消毒
- ステップ350:第1の静脈穿刺及び穿刺の自動実行
- ステップ360:第2の静脈穿刺及び穿刺の自動実行
- ステップ370:血液透析の実行
- ステップ380:押圧、綿球、ガーゼによる穿刺部位の自動治療後処置
或いは、好ましくはステップ320はステップ310の前に行われる。
図4に、準備ステップ310(準備)の実施形態例を示す。
システム及び制御手順は、例えば登録患者の患者データ及びシステムに記憶されている治療計画に由来するタスクの分析から開始する(310a)。或いは、とりわけ特定の時刻に予定された血液透析に関する治療データとして、患者の登録中/登録前/又は登録後に、計画に関する情報がシステムに提供される。
システムは、予定された血液透析について既にデータベース入力が存在するかどうかをチェックし、これらを治療計画と比較する(310b)。システムは、(登録)患者に関する血管構造データを患者データベースから特定し、適用可能なアルゴリズムを用いて考えられる静脈穿刺を計算する(310c)。全てのデータを分析し、ここから対策を、具体的には医師への相談が必要であるかどうか、或いは自動穿刺後の血液透析が許可されるかどうかを導出する(310d)。
システムは、その後に血液透析を伴う自動穿刺のための的確な一連の工程ステップを決定する(310c)。システムは、必要な器具に関するデータをピックアンドプレースシステムに送信する(310f)。システムは、必要な器具の利用可能性、特に望ましい穿刺ロボットの利用可能性も自動的に確認されているかどうかをチェックする(310g)。特に、システムは、後で腕にカニューレを固定するのに適した固定テープを選択する(310h)。固定テープは、とりわけピックアンドプレースシステムによって患者依存部分及び治療依存部分に分割されてサイズを決められ、穿刺ロボットが自動的に操作する標準化された器具ボックスに移される(310i)。患者及び治療に依存した形で適切なカテーテル及び/又はカニューレを選択して(310j)器具ボックスに入れる(310k)。器具ボックスは、自動的に穿刺ロボットに輸送される(310l)。システムは、穿刺ロボットにステータスアップデートを送信する(310m)。
図5に、準備ステップ320の実施形態例(登録、認証、その後の臨床治療準備)を示す。
システムは、パスワード、PIN又はパターン、チップカード、FRIDチップ、mTan手順を含むSIMカード、刻印されたデジタル証明書又は2Dコード、TAN/iTANによって、好ましくは生体認証を使用して患者を認証する(320a)。患者が未登録の場合に発生し得る認証失敗の場合には、システムがエラーメッセージで知らせ、登録については上述しており、独自の手順である。登録されると、システムは、この例では血液透析である保留中の治療を覚える。システムは、登録直後に直ちに自動的に血液透析の準備を開始して時間が失われないようにすることが好ましく、このことは緊急時には極めて重要となり得る。具体的には、医療器具のピックアンドプレースシステムが作動する(320d)。
自動的に備えられた患者依存器具ボックスが、ピックアンドプレースシステムから穿刺ロボットに輸送される(320e)。ピックアンドプレースシステムがステータスレポートを送信する(320f)。器具ボックスが穿刺ロボット内に配置される(320g)。内容物の無菌性を保証するために、器具ボックス、とりわけそのシールを健全性について自動的にチェックする(320h)。穿刺ロボットが器具の完全性及び無菌性を記録し、この時点で穿刺準備が整い、この情報が穿刺ロボットのユーザディスプレイに示される(320i)。安全ステップとして、患者に手短に指示を行って患者に対して穿刺ロボットを許可するために、患者を支援する医療専門家を認証するステップが設けられる(320j)。ステップ320k~320mは、ステップ320e~320jと並行して実行される。システムは、患者データ、とりわけ血管構造データ及び予定される静脈穿刺部位を、特に患者データベースから穿刺ロボットのデータ処理装置に送信し(320k)、送信データの整合性をチェックし(320l)、整合するまで送信を繰り返し、又は正確に送信された場合には確認する(320m)。
システムは、準備状況をチェックし(320n)、問題がある場合には職員に知らせ(320p)、そうでなければ(320o)治療の継続を決定する(320q)。
図6に、血管識別ステップ330の実施形態例(瘻孔の識別)を示す。
患者は、穿刺ロボットの治療チャンバ内に自分の腕を配置する(330a)。固定装置は、固定要素を配置して(330b)腕の固定をチェックする(330c)。固定が不十分な場合には再調整を行う(330d)。瘻孔の識別を開始する(330e)。血管構造測定装置は、(患者データに基づいて判明する)瘻孔を含む血管構造の少なくとも1つの画像を検出し、例えば狭窄、血腫、感染又は顕著な瘻孔変化などの異常がないか画像を自動的にチェックする。識別データを、患者データセットからの過去の識別データと比較する(330g)。食い違う時には自動血管識別を繰り返し、再び不成功又は異常の場合(330i)には医師を呼び出す(330j)。瘻孔に異常がなく履歴データの通りに識別されると、瘻孔及び穿刺法を確認する(330k)。次に、上述の予備分析に基づいて、及び/又は現在の血管構造データを履歴データと比較することによって、正しい静脈穿刺部位を決定する(330l)。識別された静脈穿刺部位は、とりわけ職員が安全上の理由で確認できるように腕の画像に関連して穿刺ロボットのディスプレイ上に表示される(330m)。自動穿刺の準備が表示され(330n)、これに並行して患者データをデータベースに送信する準備が表示される。医師又は認証された医療専門家に確認を促す(330p)。
図7に、穿刺すべき腕の皮膚を自動的に消毒するステップ340の実施形態例を示す。
穿刺ロボットの消毒装置による自動消毒を開始する(340a)。患者及び/又は治療に依存して適切な消毒手法を選択する(噴霧又は綿球での一掃、340b)。消毒ツールヘッドをツールアームによって作動又は把持して(340c)消毒過程を開始する(340d)。消毒制御のための検査装置、穿刺ロボット及び/又は消毒装置の任意のコンポーネントが消毒の質をチェックする(340d)。チェックが肯定的なものである場合には消毒を終了し、そうでなければ検査工程を繰り返す(340f)。
図8に、穿刺すべき腕の皮膚の第1の静脈穿刺及び穿刺ステップ350の実施形態例を示す。
第1の自動穿刺を開始する(350a)。ツールアームが、予め選択された患者及び/又は治療に依存したカニューレを備えた第1のカニューレツールヘッドを掴む(350b)。カニューレヘッドを腕30及び所定の穿刺部位に対して配置し、とりわけこれによって皮膚表面の穿刺部位に対してカニューレの角度を所定の形で揃える(350c)。皮膚及び瘻孔にカニューレを挿入する(穿刺、350d)。吸引試験によってカニューレと瘻孔との間の流体接続を検査する「プライミングステップ」を自動的に実行する(350e)。穿刺ロボットの圧力測定装置によってカニューレ内の圧力をチェックする(350f)。カニューレ及び/又はカテーテルを一時的に固定するために、固定テープ装置によって固定テープを一時的に配置する(350g)。カニューレヘッドがカニューレを解放し(350h)、その後にカニューレの固定を固定テープ装置によって補強する(350i)。許可された職員の許可に従って投薬を計画し(350j)、その後に穿刺ロボットの投薬装置によって自動的に投与する(350k)。血液透析機への接続準備として、カテーテルの端部を支持部に配置する(350l)。
図9に、穿刺すべき腕の皮膚の第2の静脈穿刺及び穿刺ステップ360の実施形態例を示す。
ツールアームが、予め選択された患者及び/又は治療に依存したカニューレを備えた第2のカニューレツールヘッドを掴む(360a)。カニューレヘッドを腕30及び所定の穿刺部位に対して配置し、とりわけこれによって皮膚表面の穿刺部位に対してカニューレの角度を所定の形で揃える(360b)。皮膚及び瘻孔にカニューレを挿入する(穿刺、360c)。吸引試験によってカニューレと瘻孔との間の流体接続を検査する「プライミングステップ」を自動的に実行する(360d)。穿刺ロボットの圧力測定装置によってカニューレ内の圧力をチェックする(360e)。カニューレ及び/又はカテーテルを一時的に固定するために、固定テープ装置によって固定テープを一時的に配置する(350f)。カニューレヘッドがカニューレを解放し(360g)、その後にカニューレの固定を固定テープ装置によって補強する(360h)。血液透析機への接続準備として、第2のカテーテルの端部を別の支持部に配置する(360i)。
図10に、適切に設計された最適なシステム装置によって実行されるサブステップを含む血液透析ステップ370の実施形態例を示す。
穿刺ロボットの固定から腕を解放する(330a)。Fresenius社製のVenAccなどのさらなる器具を接続する(330b)。血液透析機に接続すべき患者の準備をディスプレイに表示する(330c)。医療従事者の準備を待つ(330d)。これらの準備が登録されない場合には(330e)、ステップ330c及び330dを繰り返す。医療従事者の準備が記録された後に、血液透析機への接続を行って(330f)血液透析を開始して実行する(330h)。血液透析の終了時には、その完了が表示されて(330i)医療従事者を待つ(330j)。これらの準備が登録されない場合には(330k)、ステップ330i及び330jを繰り返す。医療従事者の準備が記録された後に、血液透析に関するデータが表示され(330m)、必要であれば医療従事者がこれを補足して(330n)再表示することができる。最終的にこのデータを患者データに追加してデータベースに記憶する(330o)。
図11に、適切に設計された最適システム装置によって実行されるサブステップを含む治療後処置ステップ380の実施形態例を示す。
患者の腕を固定し(380a)、無菌条件下で制御された形で血液誘導システムのアクセス管を閉じる(380b)。配管セットを取り外し(380c)、固定テープを取り外し(380d)、無菌条件下で制御された形でカニューレを引き抜いて取り外す(380e)。綿球を掴み(380f)、この綿球を用いて穿刺部位に弱い圧力を加える(380g)。腕の固定を解放し(380h)、患者に終了信号を表示する。穿刺ロボットを洗浄して消毒するための洗浄及び消毒処理が促される(380j)。穿刺ロボットを待機モードにリセットし、次の穿刺準備をシステムに記録及び/又は表示する(380k)。
穿刺ロボット
30 身体部分
50 制御システム
51 制御システム
70 ピックアンドプレースシステム
80 ユーザインターフェイス装置
90 データ記憶装置
100 臨床システム

Claims (13)

  1. 特に血液透析のための静脈穿刺のためのシステム(100)であって、
    患者静脈静脈穿刺のために構成された少なくとも1つの穿刺ロボット(1)と、
    少なくとも1つのデータ処理装置を含み、プログラムパラメータに従って前記少なくとも1つの穿刺ロボットを制御する制御手順を実行するように構成された制御システム(50、51)と、
    前記制御システム(50、51)に患者を登録するユーザ入力を可能にすることにより、この制御システム登録手順の結果として登録患者識別子と呼ばれる個々に割り当てられた患者識別子が登録患者に使用されるようにする少なくとも1つのインターフェイス装置(80)と、
    医療用器具を記憶するための記憶装置と、
    前記記憶装置から医療用器具キットに含まれる医療用器具を選択することにより、医療用器具キットを前記登録患者識別子に応じて提供するための分類装置と、
    を備え、
    前記制御システムは、前記登録患者識別子の記録後であって前記登録患者識別子に応じた前記静脈穿刺の開始前に、前記穿刺による前記患者の静脈からの血液試料の自動採取を準備する準備手順ステップを少なくとも1回実行するように構成され、
    前記制御システムは、前記登録患者識別子に応じてプログラムパラメータを定義し、前記登録患者識別子に応じて前記少なくとも1つの穿刺ロボットを制御するように構成され、
    前記制御システムが、前記少なくとも1回の準備手順ステップにおいて、前記患者識別子に応じて、かつ/または、前記登録患者識別子から得られる患者固有の治療データに応じて、前記医療用器具キットの医療用器具部品を選択するように構成され、
    前記穿刺ロボットが、静脈穿刺のために選択した医療用器具部品を使用するように構成されている、
    ことを特徴とするシステム。
  2. いずれの場合にも少なくとも1つの患者識別子を含む複数の患者の患者データセットを含む患者データベースと、該患者データベースを記憶するデータ記憶装置(90)とを備える、
    請求項1に記載のシステム。
  3. 前記少なくとも1つの穿刺ロボットは、静脈に第1のカニューレを挿入して血液を自動的に抜き取って血液誘導システムに送る第1の静脈穿刺を自動的に実行するように構成される、
    請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 前記少なくとも1つの穿刺ロボットは、前記静脈に第2のカニューレを挿入して前記血液誘導システムから前記血液を自動的に戻して血液透析を実行する第2の静脈穿刺を自動的に実行するように構成される、
    請求項3に記載のシステム。
  5. 前記制御システムは、前記静脈穿刺に使用すべき前記プログラムパラメータを前記登録患者識別子に応じて選択する選択過程を実行するように構成される、
    請求項1から4の何れか1項に記載のシステム。
  6. 前記選択過程は、患者データ及び/又は治療データに関連し、これにより決定できるデータにアクセスするように構成され、前記システムは、前記データを記憶するデータ記憶装置(90)を備える、
    請求項1から5の何れか1項に記載のシステム。
  7. 前記制御システムは、前記静脈穿刺の開始後、及び/又は前記少なくとも1つの静脈の前記穿刺の完了後、及び/又は前記登録患者識別子に応じて前記静脈穿刺によって取得される前記血液試料の採取後に、少なくとも1回の2次手順ステップを実行するように構成され、
    前記少なくとも1回の2次手順ステップは、
    固定テープ、特に登録患者識別子に基づいて選択された固定テープを、患者の皮膚、並びに/もしくは、前記静脈に挿入された第1のカニューレ及び/又は第2のカニューレに適用して、前記カニューレを皮膚に固定すること、
    穿刺された静脈の穿刺された皮膚部位を綿球で、特に穿刺ロボットの拭き取り装置を用いて拭き取ること、
    前記穿刺された静脈からの血液を、血液誘導装置内の第1のカニューレを通して導くこと、及び/又は、
    静脈穿刺によって得られた血液試料を、システムの1又は2以上の装置、特に実験室機械に移送すること、を含む、
    請求項1からの何れか1項に記載のシステム。
  8. 前記システム、特に前記少なくとも1つの穿刺ロボットは、治療チャンバ内に配置された静脈穿刺すべき身体部分の位置及び/又は寸法及び/又は状態(例えば、皮膚の色、皮膚の形態)を、測定放射線及び/又は光及び/又は超音波に基づくセンサシステムによって特に連続的に及び/又はリアルタイムで検出し、これを識別データの形で記憶する識別システムを備える、
    請求項1からの何れか1項に記載のシステム。
  9. 前記システム、特に前記少なくとも1つの穿刺ロボットは、穿刺すべき身体部分及び/又は前記患者の静脈の位置、寸法及び/又は状態に関する情報を提供する識別データを検出するための識別装置と、前記登録患者識別子に応じて前記識別データを記憶するためのデータ記憶装置とを備え、前記システム、特に前記少なくとも1つの穿刺ロボットは、前記登録患者識別子に応じて、前記記憶された識別データを含む履歴データを適用することによって、さらなる自動治療を準備するように構成される、
    請求項1からの何れか1項に記載のシステム。
  10. 前記少なくとも1つのユーザインターフェイス装置は、前記少なくとも1つの穿刺ロボットとは異なる地理的位置に配置され又は配置可能である、
    請求項1からの何れか1項に記載のシステム。
  11. 前記少なくとも1つの穿刺ロボット及び前記少なくとも1つのユーザインターフェイス装置とは異なる地理的位置に配置されたデータ記憶装置を備える、
    請求項1から10の何れか1項に記載のシステム。
  12. 前記制御システムは、システム認証の成功に応じて登録患者を登録し、患者識別子を確認し、及び/又は前記登録患者識別子を識別することによって患者を登録患者として認識するように設計される、
    請求項1から11の何れか1項に記載のシステム。
  13. 特に血液透析のための患者静脈静脈穿刺方法(200)であって、
    - データ処理制御システムにデータリンクされたユーザインターフェイス装置における患者登録時に登録患者識別子を記録するステップ(201)と、
    - 制御システムが前記登録患者識別子に応じてプログラムパラメータを決定するステップ(202)と、
    - 前記制御システムにより、患者の登録患者識別子に基づく患者の静脈静脈穿刺のための前記プログラムパラメータに応じて、患者静脈の前記静脈穿刺のために設定されて前記制御システムにデータリンクされた穿刺ロボットを制御するステップ(203)と、
    を含み、
    穿刺ロボットを制御するステップは、前記登録患者識別子の記録後であって前記登録患者識別子に応じた前記自動穿刺の開始前に、前記穿刺による前記患者の静脈からの血液試料の自動採取を準備する準備手順ステップを少なくとも1回実行するように制御することを含み、前記少なくとも1回の準備手順ステップにおいて、前記登録患者識別子に応じて、かつ/または、前記登録患者識別子から得られる患者固有の治療データに応じて、医療用器具キットの医療用器具部品を選択するように構成され、選択した医療用器具部品が前記穿刺ロボットにより静脈穿刺のために使用される、
    ことを特徴とする方法。
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