JPWO2018122935A1 - めっきされたアルミニウム又はアルミニウム合金製のスライドファスナー又はボタンの部材 - Google Patents

めっきされたアルミニウム又はアルミニウム合金製のスライドファスナー又はボタンの部材 Download PDF

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Abstract

耐ひび割れ性及び光沢性を兼備するめっきされたアルミニウム又はアルミニウム合金製のスライドファスナー又はボタンの部材を提供する。アルミニウム又はアルミニウム合金製の母材(101)と、該母材表面内側に亜鉛が拡散した亜鉛拡散層(102)と、亜鉛拡散層(102)を被覆する複数のめっき層とを備え、該複数のめっき層は内側から順にピロリン酸銅めっき層(103)、及び硫酸銅めっき層(104)を有するスライドファスナー又はボタンの部材。

Description

本発明はめっきされたアルミニウム又はアルミニウム合金製のスライドファスナー又はボタンの部材に関する。とりわけ、本発明はめっきされたアルミニウム又はアルミニウム合金製のファスナーエレメントに関する。
従来、スライドファスナー分野では亜鉛や丹銅を母材として表面に各種めっきが施された製品が知られている。ボタン分野においては、めっき性に優れた真鍮を母材として表面に各種めっきが施された製品が知られている。ところが、近年では材料の高騰が問題となっており、また、ボタンやスライドファスナーの軽量化も要求されるようになってきた。そこで、軽量であり、価格も比較的安価なアルミニウムを利用してスライドファスナー及びボタンを製造するという解決策が考えられる。しかしながら、アルミニウムでは光沢感が十分ではなく、また、強固な酸化皮膜が表面に形成されやすく、難めっき材であることが知られていることから、アルミニウムを利用してスライドファスナー及びボタンを製造する場合、密着性に優れ、且つ、光沢感のあるめっき被膜を形成可能な技術が望まれる。
従来、アルミニウムの表面にめっきを形成する技術としては以下のような技術が知られている。例えば、特開2001−8714号公報には、アルミニウム合金製の略断面Y字状及び円形状の異形線及び丸線を作製し、これに、硫酸ニッケル及び次亜燐酸ナトリウムを含有する酸性浴中で無電解鍍金により、ニッケル鍍金を形成したことが記載されている。また、硫酸ニッケル、塩化ニッケル及び硼酸を含有する酸性浴中で電解鍍金により、ニッケル鍍金を形成したことも記載されている。
特開2014−19953号公報には、アルミニウム又はアルミニウム合金を素材として形状加工を行い、ボタン又はスライドファスナーの部材の半製品を製造する工程1と、バレルで銅の電気ストライクめっきすることにより素材表面全体に直接、第一銅めっき層を形成する工程2と、次いで、バレルで銅の電気めっきをすることにより第一銅めっき層の上に直接、第一銅めっき層よりも厚い第二銅めっき層を形成する工程3とを含む銅めっきされたボタン又はファスナー部材の製造方法が記載されている。
特開2012−143798号公報には、所定の組成を有するアルミニウム合金を鋳造して鋳物を得て、該鋳物の表面を電解研磨した後にジンケート処理し、その上に電気銅めっき層を形成し、さらにその上に電気ニッケルめっき層を形成する、めっきが施されたアルミニウム合金鋳物の製造方法が記載されている。当該公報には、鋳物表面に下地層として、ジンケート(亜鉛置換)処理層を形成することにより、その上に形成するめっき層の密着性を向上させることができることが記載されており、めっきの密着性や光輝性の面からは、ジンケート処理を複数回行うことが好ましいことも記載されている。
特開平2−240290号公報には、アルカリ脱脂、界面活性剤による洗浄、酸洗及び水洗等の前処理を行った後、燐酸及び/又は燐酸塩を含むピロ燐酸銅めっき浴を使用して銅めっきを行い、次いで該アルミニウムを熱処理することにより、アルミニウムへ直接銅めっきする方法が記載されている。当該公報の実施例1には、上記方法により、約10μmの厚みの銅めっき層をアルミニウム板に形成したことが記載されている。当該方法によれば均一な銅めっき層が形成可能であり、アルミニウム基材と銅めっき層との密着性が極めて良好で、外観も美麗であるとされている。
特開2001−8714号公報 特開2014−19953号公報 特開2012−143798号公報 特開平2−240290号公報
特開2001−8714号公報に記載の方法では密着性が高いめっき被膜を得ることは困難である。また、当該公報に記載の方法ではエレメントに加工する前の異形線及び丸線に対してめっきを行うため、めっき後にエレメント形状に加工するとめっき被膜が形成されていない断面が露出するため美観を損なう。更に、ニッケルめっきは高光沢が得られるものの被膜が硬いためひび割れやすく、アレルギーのおそれもあることから、改善の余地が大きい。
特開2014−19953号公報に記載の方法はファスナーエレメント等への形状加工を行った後にバレルめっきを行うことで表面全体に銅めっき被膜を形成する技術であり、特開2001−8714号公報の技術よりも優れているものの、めっき被膜のひび割れ防止と高い光沢を両立するという観点では改善の余地がある。特に、ファスナーエレメントではファスナーテープに加締め固定する際に摩擦力や曲げ応力がめっき被膜にかかるため、ひび割れに対する高い耐性が求められる。
特開2012−143798号公報では、亜鉛とアルミニウムの置換反応を利用したジンケート処理を前処理として行ない、めっき皮膜と素材であるアルミニウムの密着性を向上させている。しかしながら、当該方法はニッケルめっきを採用しており、耐ひび割れ性が十分とは言えないし、アレルギーの問題も残されている。
特開平2−240290号公報に記載されている方法でもやはりめっき後のファスナーエレメントをファスナーテープに加締め固定する際にめっき被膜のひび割れ防止と高い光沢を両立するという観点では改善の余地がある。仮に当該公報の技術によってめっき被膜のひび割れ防止が可能であったとしても、光沢性に関する考慮がなされていない。また、当該公報に記載されている方法は静止めっき法であり、ファスナーやボタンといった小物製品を大量生産するのには向かない方法である。
本発明は上記事情に鑑みて創作されたものであり、耐ひび割れ性及び光沢性を兼備するめっきされたアルミニウム又はアルミニウム合金製のスライドファスナー又はボタンの部材を提供することを課題の一つとする。また、本発明はそのようなスライドファスナー又はボタンの部材を製造する方法を提供することを別の課題の一つとする。
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意研究を重ねたところ、アルミニウム又はアルミニウム合金製の素材上にジンケート処理を行った後、ピロリン酸銅めっき層を形成することでめっき密着性及び耐ひび割れ性が向上し、その上に硫酸銅めっき層を形成することで高い光沢性を確保することが可能であることを見出した。更に、硫酸銅めっき層の上に硬質の仕上げめっき層を形成することで多様な色の外観を与え、更に耐摩耗性を向上させスライドファスナー又はボタンの部材の腐食を防止することを見出した。本発明者は斯かる知見に基づいて本発明を完成させた。
本発明は一側面において、アルミニウム又はアルミニウム合金製の母材と、該母材表面内側に亜鉛が拡散した亜鉛拡散層と、亜鉛拡散層を被覆する複数のめっき層とを備え、該複数のめっき層は内側から順にピロリン酸銅めっき層、及び硫酸銅めっき層を有するスライドファスナー又はボタンの部材である。
本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材の一実施形態においては、ピロリン酸銅めっき層の平均厚みが20μm以下である。
本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材の別の一実施形態においては、ピロリン酸銅めっき層の平均厚みが5〜20μmである。
本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材の更に別の一実施形態においては、ピロリン酸銅めっき層は平均厚み0.1〜5μmのピロリン酸銅ストライクめっき層を下地として有する。
本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材の更に別の一実施形態においては、硫酸銅めっき層の平均厚みが7μm以下である。
本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材の更に別の一実施形態においては、硫酸銅めっき層の平均厚みが1〜7μmである。
本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材の更に別の一実施形態においては、ピロリン酸銅めっき層の平均厚みに対する硫酸銅めっき層の平均厚みの比が0.1〜0.5である。
本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材の更に別の一実施形態においては、前記複数のめっき層は、硫酸銅めっき層の外側に硫酸銅めっき層よりも硬質の仕上げめっき層を更に有する。
本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材の更に別の一実施形態においては、仕上げめっき層がCu及びSnを含有する合金めっき層である。
本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材の更に別の一実施形態においては、仕上げめっき層の平均厚みが0.5〜5μmである。
本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材の更に別の一実施形態においては、最表面の算術平均粗さが0.3μm以下である。
本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材の更に別の一実施形態においては、前記複数のめっき層は、仕上げめっき層の外側に仕上げめっき層とは色調の異なるめっき層を更に有する。
本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材の更に別の一実施形態においては、母材表面全体が前記複数のめっき層に被覆されている。
本発明は別の一側面において、本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材を備えた物品である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係るスライドファスナーの部材がファスナーエレメントであり、当該ファスナーエレメントがファスナーテープの一側縁に沿って複数加締め固定されているファスナーストリンガーである。
本発明は更に別の一側面において、
スライドファスナー又はボタンの部材の形状に加工されたアルミニウム又はアルミニウム合金製の母材を準備する工程と、
該母材表面の少なくとも一部に対してジンケート処理、ピロリン酸銅めっき、及び硫酸銅めっきを順に実施する工程と、
を含むスライドファスナー又はボタンの部材の製造方法である。
本発明によれば、耐ひび割れ性及び光沢性を兼備するめっきされたアルミニウム又はアルミニウム合金製のスライドファスナー又はボタンの部材を提供することが可能となる。また、本発明の好適な実施態様によれば、耐ひび割れ性及び光沢性を兼備すると共に、摺動抵抗の低いファスナーエレメントを提供することが可能となる。
本発明のスライドファスナー又はボタンの部材の一実施形態に係るめっき構造を示す。 本発明のスライドファスナー又はボタンの部材の別の一実施形態に係るめっき構造を示す。 本発明のスライドファスナー又はボタンの部材の更に別の一実施形態に係るめっき構造を示す。 本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材の亜鉛拡散層及びめっき層をTEMで断面観察したときのEDXによる元素マッピング像の例である。 ジンケート処理及びその前処理の好適な実施手順を示すフロー図である。 ファスナーエレメントを加締める前(a)及び加締めた後(b)の様子を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1には本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材の一実施形態に係るめっき構造が示されている。図1の実施形態に係るスライドファスナー又はボタンの部材は、アルミニウム又はアルミニウム合金製の母材(101)と、該母材表面内側に亜鉛が拡散した亜鉛拡散層(102)と、亜鉛拡散層(102)を被覆する複数のめっき層とを備え、該複数のめっき層は内側から順にピロリン酸銅めっき層(103)、及び硫酸銅めっき層(104)を有する。母材(101)は表面全体が該複数のめっき層によって順に被覆されていることが美観を高め、また、耐食性を高める上で好ましい。
図2には本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材の別の一実施形態に係るめっき構造が示されている。図2の実施形態に係るスライドファスナー又はボタンの部材は、該複数のめっき層が硫酸銅めっき層(104)の外側に硫酸銅めっき層(104)よりも硬質の仕上げめっき層(105)を更に有する点で図1の実施形態と異なる。本実施形態においても、母材(101)は表面全体が該複数のめっき層に被覆されていることが美観を高め、また、耐食性を高める上で好ましい。
図3には本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材の更に別の一実施形態に係るめっき構造が示されている。図3の実施形態に係るスライドファスナー又はボタンの部材は、該複数のめっき層が仕上げめっき層(105)の外側に更に仕上げめっき層(105)とは色調の異なるめっき層(106)を有する点で図2の実施形態と異なる。本実施形態においても、母材(101)は表面全体が該複数のめっき層に被覆されていることが美観を高め、また、耐食性を高める上で好ましい。
(1.母材)
本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材は、アルミニウム又はアルミニウム合金を母材(101)としている。アルミニウム合金としては、限定的ではないが、Al−Cu系合金、Al−Mn系合金、Al−Si系合金、Al−Mg系合金、Al−Mg−Si系合金、Al−Zn−Mg系合金、Al−Zn−Mg−Cu系合金などが挙げられる。これらの中でも、強度、加工性の理由により、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金及びAl−Mg−Si系合金が好ましく、Al−Mg系合金がより好ましい。
母材は、各種めっき層が形成される前にスライドファスナー又はボタンの部材の形状に加工されていることが望ましい。例えば、ファスナーエレメントはアルミニウム又はアルミニウム合金製の平角線材を打ち抜くことにより個々のエレメント形状に加工することが可能である。これにより母材上にめっき層を形成した後に切断加工を行わなくて済むので、めっき層が未形成の露出面が生じるのを防止することができる。また、母材がスライドファスナー又はボタンの部材の形状に加工されていることで小型化するため、以下に説明する各めっき工程でバレルめっきすることが可能となる。バレルめっきすることにより、被めっき材を治具にセットする手間が省け、静止めっきに比べて大量生産が可能であり、また、被めっき材を治具にセットしたときの接点跡が残らないため、接点跡から腐食する心配もなくなる。バレルめっきは製品の表面全体をめっきすることが可能である一方で、静止めっきは冶具によって覆われていた部分がめっきされない。
(2.亜鉛拡散層)
本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材においては、母材表面内側に亜鉛が拡散した亜鉛拡散層(102)を有する。亜鉛拡散層を設けることでめっきの密着性を向上させることが可能となる。亜鉛拡散層はめっき密着性を高めるという観点から50nm以上の平均厚みを有することが好ましく、100nm以上の平均厚みを有することがより好ましく、200nm以上の平均厚みを有することが更により好ましく、250nm以上の平均厚みを有することが更により好ましい。また、亜鉛拡散層費用対効果の観点から500nm以下の平均厚みを有することが好ましく、400nm以下の平均厚みを有することがより好ましく、350nm以下の平均厚みを有することが更により好ましい。
亜鉛拡散層においては、亜鉛が島状に点在しているため、まとまりのある層として認識することが難しい。このため、本発明においては亜鉛拡散層の平均厚みは以下のように測定することで得られた値として定義する。スライドファスナー又はボタンの部材からCP法(Cross-section Polisher)及び集束イオンビーム(FIB)によって断面観察用薄片サンプルを作製する。次いで、得られた薄片サンプルを用いて亜鉛拡散層の断面をTEM観察してエネルギー分散型X線分光法(EDX)により元素分析を行う。すると、図4に示すような元素マッピング像が得られる。島状のZnマッピング像には極めて小さなものも存在するが、厚みの測定においては一つの島を取り囲むことのできる最小円の直径が10nm以上の島のみを厚みの測定対象とする。そして、元素マッピング像中、島を取り囲むことのできる最小円の直径が10nm以上の島のうち、母材表面からの距離が最も遠いところにある島を母材表面の境界線の長さ500nmの範囲毎に特定する。「母材表面からの距離」とは母材表面から島に向かって法線を引いたときの母材表面から島の遠方端(島の中で母材表面からの距離が最も遠い点)までの距離と定義される。そして、母材表面からの距離が最も長い島についての当該距離を10箇所以上の観察視野で測定したときの平均値を亜鉛拡散層の平均厚みとする。
図4の元素マッピング像では、母材表面の境界線の長さが約500nmであり、当該範囲において、一つの島を取り囲むことのできる最小円の直径が10nm以上の“島”のうち、母材表面から法線を引いたときの母材表面からの距離が最も遠いところにある島を図中で丸印で囲っている。当該島の母材表面からの距離は約210nmである。
亜鉛拡散層はジンケート処理を行うことにより形成することができる。図5には、ジンケート処理及びその前処理の好適な実施手順が例示的に示されている。ジンケート処理の方法自体は公知であり、特に説明を要しないが、例示的にはアルミニウム又はアルミニウム合金製のスライドファスナー又はボタンの部材表面を清浄化した後、亜鉛置換処理液中に浸漬する方法が挙げられる。亜鉛置換処理液としては水酸化ナトリウム及び酸化亜鉛を含有する混合溶液が一般的である。酸化亜鉛に代えて又は酸化亜鉛と併用して硫酸亜鉛が使用される場合もある。更に、ロッシェル塩(酒石酸カリウムナトリウム)その他の錯化能がある有機酸塩(例えばグルコネート及びサリチレート)や他の添加物(例えば硝酸ナトリウム、銅、鉄若しくはニッケル塩)が添加され得る。浴温は10〜40℃とすることができ、処理時間は10〜60分とすることができる。
ジンケート処理は複数回実施するほうが亜鉛拡散層の厚みが大きくなってめっき密着性を高められると共に平滑なめっき層が形成されてめっき被膜の光沢度を向上することができるので好ましい。ジンケート処理を複数回実施する方法としては典型的にはダブルジンケート処理が挙げられる。ダブルジンケート処理は、処理対象物品を亜鉛置換処理液に一度浸漬させた後、スライドファスナー又はボタンの部材を硝酸などに浸漬して析出した亜鉛を剥離させ、処理対象物品を亜鉛置換処理液に再度浸漬させることを含む方法である。各工程の間には水洗処理を適宜挟んでもよい。
ジンケート処理の前にスライドファスナー又はボタンの部材表面を清浄化する方法としては、脱脂、酸洗、界面活性剤による洗浄、水洗、超音波洗浄等の前処理が挙げられる。それらの中でも、脱脂、化学研磨(エッチング)及びデスマットを順に実施する方法が好適な方法として例示される。各工程の間には水洗処理を適宜挟んでもよい。脱脂液としては、界面活性剤を適量含み、更に水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム等のアルカリ塩の少なくとも一種を含有するアルカリ性脱脂液が挙げられる。70〜80℃の脱脂液中にスライドファスナー又はボタンの部材を1〜3分間浸漬することで脱脂処理が可能である。
化学研磨に使用するエッチング液としては、水酸化ナトリウムを含有するアルカリ性エッチング液や、硫酸及びリン酸の少なくとも一種を含有する酸性エッチング液が挙げられ、50〜70℃のエッチング液中にスライドファスナー又はボタンの部材を0.5〜3分間浸漬することで化学研磨処理が可能である。化学研磨により部材表面の酸化膜を除去することが可能である。
化学研磨を実施すると、母材表面にスマット(母材中に含まれている不純物等)が残留することから、そのスマットを除去する処理がデスマットである。デスマットは強酸、例えば硝酸、硫酸及びフッ化水素酸の少なくとも一種を含有する20〜50℃の処理液中にスライドファスナー又はボタンの部材を1〜60秒浸漬する方法が挙げられる。
以下、各種めっき層について詳述する。以下の説明において、各めっき層の平均厚みはめっき層を電子顕微鏡あるいは光学顕微鏡などで分析し、それぞれ任意の10点以上のめっき厚みを測定したときの平均値を指す。
(3.ピロリン酸銅めっき層)
亜鉛拡散層(102)の上にはピロリン酸銅めっき層(103)が形成される。ピロリン酸銅めっき層はひび割れの抑制効果が高い点で優れている。例えば、ファスナーエレメントは、アルミニウム合金製の平角線材を打ち抜くことにより形成された個々のファスナーエレメントの表面にめっき層を形成した後、ファスナーエレメントの一対の脚部の間にファスナーテープを配置し、一対の脚部を内側に向けて加締めることによってファスナーテープに取り付けられる。図6には、ファスナーエレメント108を加締める前(a)及びファスナーエレメント108をファスナーテープ109に加締めた後(b)の様子が例示してある。加締め前には一対の脚部の開き角度θは30〜50°であるのが典型的であり、加締め後に一対の脚部は平行になるのが典型的である。そのため、ファスナーエレメントを加締める際に、表面に形成されためっき層が延ばされひび割れが生じやすい。母材に近く内側にあるために変形量の少ないピロリン酸銅めっき層(103)を厚く形成することで、後述する、ピロリン酸銅めっき層(103)の外側に形成される硫酸銅めっき層(104)や硬質な仕上げめっき層(105)を薄く形成することができ、ひび割れを抑制することができる。また、ピロリン酸銅めっき液は弱アルカリ性であり、ジンケート処理後のめっきの付き回りが良いという点でも優れている。ピロリン酸銅めっき層というのはピロリン酸銅を含有するめっき液を使用することにより得られためっき層であり、めっき層中にCu及びPが含まれる。
ピロリン酸銅めっき層(103)の平均厚みは、処理時間を短くするため(コスト削減)或は摺動抵抗を小さくするために、20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましく、11μm以下であることが更により好ましい。また、ピロリン酸銅めっき層(103)の平均厚みは、耐食性の理由により5μm以上であることが好ましく、6μm以上であることがより好ましく、8μm以上であることが更により好ましい。
ピロリン酸銅めっき層(103)は、亜鉛拡散層の置換防止の理由により、下地としてピロリン酸銅ストライクめっき層(103a)を薄く形成した後に、ピロリン酸銅本めっき層(103b)を厚く形成することがめっき密着性を高め、且つ、レベリング性を高める観点から好ましい。ピロリン酸銅ストライクめっき層(103a)の平均厚みは、処理時間を短くするため(コスト削減)或は摺動抵抗を小さくするために、5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましく、2μm以下であることが更により好ましい。また、ピロリン酸銅ストライクめっき層(103a)の平均厚みは、耐食性の理由により0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、0.8μm以上であることが更により好ましい。ピロリン酸銅ストライクめっき層(103a)を形成した場合、ピロリン酸銅めっき層の厚みというのは、ピロリン酸銅ストライクめっき層とピロリン酸銅本めっき層の合計厚みを指す。
ピロリン酸銅ストライクめっきは、ピロリン酸銅を含有する40〜70℃の弱アルカリ性めっき浴中で2〜15A/dm2の電流密度で0.5〜30分程度電気めっきすることにより実施可能である。ピロリン酸銅本めっきは、ピロリン酸銅を含有する40〜70℃の弱アルカリ性めっき浴中で1〜10A/dm2の電流密度で1〜120分程度電気めっきすることにより実施可能である。亜鉛拡散層中のZnは両性金属であるため、酸性やアルカリ性の液で溶けてしまいやすいが、ピロリン酸銅めっきは中性に近いめっき液で行うことができるため、亜鉛拡散層へのダメージが少ないという利点がある。
(4.硫酸銅めっき層)
ピロリン酸銅めっき層(103)の上には硫酸銅めっき層(104)が形成される。硫酸銅めっき層は高い光沢が得られる点で優れている。このため、ピロリン酸銅めっき層(103)と硫酸銅めっき層(104)をこの順に積層することは、めっき密着性及び光沢性を両立を図る上で重要である。硫酸銅めっき層は硫酸銅を含有するめっき液を使用することにより得られためっき層であり、めっき層中にCu及びSが含まれる。
硫酸銅めっき層(104)の平均厚みは、処理時間を短くするため(コスト削減)、ひび割れを防止するため或は摺動抵抗を小さくするために、7μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、4μm以下であることが更により好ましい。また、硫酸銅めっき層(104)の平均厚みは、高い光沢を得るため1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、3μm以上であることが更により好ましい。
ピロリン酸銅めっき層(103)と硫酸銅めっき層(104)の厚みの比率はめっき密着性と光沢性のバランスに影響する。このため、優れためっき密着性と高い光沢性を両立する観点からは、ピロリン酸銅めっき層(103)の平均厚みに対する硫酸銅めっき層(104)の平均厚みの比は、0.1〜0.5であることが好ましく、0.3〜0.4であることがより好ましい。
硫酸銅めっきは、硫酸銅を含有する10〜40℃の酸性めっき浴中で0.5〜10A/dm2の電流密度で1〜120分程度電気めっきすることにより実施可能である。めっき浴中には光沢剤を適宜添加してもよい。
(5.仕上げめっき層)
硫酸銅めっき層(104)の上には硫酸銅めっき層(104)よりも硬質の仕上げめっき層(105)が形成される。仕上げめっき層(105)は所望の色調の外観を付与するという目的もあるが、硬質の仕上げめっき層(105)を薄く形成することで、摺動抵抗低減機能、腐食防止機能、及びひび割れ防止機能を効果的に発現可能となる。ここで、硫酸銅めっき層(104)よりも仕上げめっき層(105)が硬質であるというのは、硫酸銅めっき層(104)まで形成された部材表面のビッカース硬さよりも、その上に仕上げめっき層(105)が形成された部材表面のビッカース硬さのほうが大きいことを指す。典型的には、硫酸銅めっき層(104)まで形成された部材表面のビッカース硬さHvは100程度(荷重50g)である。
硫酸銅めっき層(104)よりも硬質の仕上げめっき層(105)の種類としては、例えばCu−Sn合金めっき層、Cu−Zn合金めっき層、Sn−Co合金めっき層、Sn−Ni合金めっき層、Cu−Sn−Zn合金めっき層、Cu−Zn−Sn合金めっき層、Cu−Ag−Zn合金めっき層、Cu−Zn−Ag合金めっき層、Sn−Ni−Cu合金めっき層、Coめっき層、Crめっき層、Cr−Mo合金めっき層が挙げられ、これらの中でもCu−Sn合金めっき層、Cu−Sn−Zn合金めっき層といったCu及びSnを含有する合金めっき層が好ましい。Niはアレルギーを起こすおそれがあるが、Cu−Sn−Zn合金めっき層を用いることでNiめっきと同様な色を表現することができ、めっき組成を変化させることで銀白色、真鍮色及び金色といった種々の色調を表現することができるからである。仕上げめっき層はその種類に応じて公知のめっき条件を採用することにより形成可能である。
仕上げめっき層を形成した後、スライドファスナー又はボタンの部材の表面のビッカース硬さHvは300以上であることが好ましく、400以上であることがより好ましく、500以上であることが更により好ましく、例えばビッカース硬さHv300〜800とすることができる。一実施形態において、シルバー色の仕上げめっき層(銅50〜55質量%、錫30〜35質量%、亜鉛13〜17質量%)を形成した後の部材表面のビッカース硬さは約600Hv(荷重50g)とすることができる。また、別の一実施形態において、ゴールド色の仕上げめっき層(銅76〜86質量%、錫2〜6質量%、亜鉛12〜17質量%)を形成した後の部材表面のビッカース硬さは約400Hv(荷重100g)とすることができる。ビッカース硬さHvはJIS Z2244:2009に準拠して測定される。
効果的にひび割れを防止するという観点からは、仕上げめっき層は薄く形成することが好ましい。また、摺動抵抗を減らすという観点からみても仕上げめっき層は薄く形成することが好ましい。これらの観点から、仕上げめっき層の平均厚みは、5μm以下とするのが好ましく、3μm以下とするのがより好ましく、2μm以下とするのが更により好ましい。但し、仕上げめっき層は薄すぎると下層の硫酸銅めっき層が露出して腐食が進行する恐れがあり、平均厚みで0.5μm以上とするのが好ましく、0.7μm以上とするのがより好ましく、0.8μm以上とするのが更により好ましい。また、仕上げめっき層(105)の平均厚みは、その下のピロリン酸銅めっき層(103)と硫酸銅めっき層(104)の合計の平均厚みに対して5〜15%程度であるのが好ましい。
(6.色調の異なるめっき層)
仕上げめっき層(105)の上には更に、仕上げめっき層(105)とは色調の異なるめっき層(106)(以下、「色調調整めっき層」という。)を形成してもよい。これによりカラーバリエーションを充実させることができる。色調調整めっき層としては特に制限はないが、Cu−Sn−Zn合金めっき層、Cu−Sn合金めっき層、Cu−Zn合金めっき層(真鍮めっき層)が挙げられる。また、色調調整めっき層の平均厚みは、摺動抵抗を小さくするため、10μm以下とするのが好ましく、5μm以下とするのがより好ましく、2μm以下とするのが更により好ましい。また、アレルギーを起こすおそれのあるNiの代わりに、Cu−Sn−Zn合金めっき層を色調調整めっき層に用いることもできる。色調調整めっき層はその種類に応じて公知のめっき条件を採用することにより形成可能である。
(7.めっき層全体の厚み)
スライドファスナーの分野においては、スライダーを操作するときの摺動抵抗を抑制することが重要な課題の一つである。ピロリン酸銅めっき層から色調の異なるめっき層までの各種めっき層の合計の厚みが大きくなると、摺動抵抗が増加する傾向にあることから、低減させておくことが望ましい。そこで、ピロリン酸銅めっき層、硫酸銅めっき層、存在する場合の仕上げめっき層、及び存在する場合の色調調整めっき層のすべてのめっき層の合計厚みは好ましくは平均で50μm以下であり、より好ましくは平均で30μm以下であり、更により好ましくは平均で20μm以下である。
(8.面粗度)
光沢の程度は、面粗度で比較することができる。面粗度が小さいほど表面の凹凸が少なく、光沢が出る。本発明に係るスライドファスナー又はボタンの部材は一実施形態において、最表面の算術平均粗さ(Ra)は0.3μm以下とすることができ、好ましくは0.15μm以下とすることができ、より好ましくは0.1μm以下とすることができ、更に好ましくは0.08μm以下とすることができ、例えば0.02〜0.15μmとすることができる。本発明において、算術平均粗さ(Ra)はJIS B0601:2001に準拠して非接触式表面粗さ測定装置により測定する。
(9.スライドファスナー又はボタンの部材)
このようにして、素材表面へのめっきが完了した後、得られたスライドファスナー又はボタンの部材を用いて、公知の任意の手段によってスライドファスナー又はボタンを組み立てることができる。限定的ではないが、ボタンの部材としては、リベットや、リベットにより生地に取り付けられるボタン本体が挙げられる。スライドファスナーの部材としてはスライダー(胴体及び/又は引手)、ファスナーエレメント、上止、下止が挙げられる。ファスナーエレメントはファスナーテープの一側縁に沿って複数加締め固定することによってファスナーストリンガーを作製することができ、また、一対のファスナーストリンガーをファスナーエレメントの列を介して連結させたファスナーチェーンを作製することができ、更には、ファスナーチェーンにスライダーの他、必要に応じて上止や下止を取り付けたスライドファスナーを作製することができる。スライドファスナーは衣料品、鞄類、靴類及び雑貨品といった日用品含む各種物品の開閉部に取り付けることができる。
<1.めっき品の製造>
(比較例1)
アルミニウム製の平角線材をプレスにより打ち抜いて製造された多数のスライドファスナー用エレメントを用意し、これに対して図5に記載の手順で前処理及びジンケート処理を行った。次いで、表1に記載の平均厚みを有するピロリン酸銅めっき層(ストライクめっき層→本めっき層)を電気バレルめっきにより形成した。最後に、表1に記載の平均厚みを有する仕上げめっき層(Cu−Sn−Zn合金めっき層)を電気バレルめっきにより形成した。各めっき層の平均厚みの測定法については後述する。
(比較例2)
比較例1と同様の条件で、アルミニウム製の平角線材をプレスにより打ち抜いて製造された多数のスライドファスナー用エレメントに対して前処理及びジンケート処理を行った。次いで、表1に記載の平均厚みを有する青化銅めっき層(ストライクめっき層→本めっき層)及び硫酸銅めっき層を電気バレルめっきにより順に形成した。最後に、表1に記載の平均厚みを有する仕上げめっき層(Cu−Sn−Zn合金めっき層)を電気バレルめっきにより形成した。
(実施例1〜5)
比較例1と同様の条件で、アルミニウム製の平角線材をプレスにより打ち抜いて製造された多数のスライドファスナー用エレメントに対して前処理及びジンケート処理を行った。次いで、表1に記載の平均厚みを有するピロリン酸銅めっき層(ストライクめっき層→本めっき層)及び硫酸銅めっき層を順に電気バレルめっきにより形成した。その後、実施例2〜4については表1に記載の平均厚みを有する仕上げめっき層(Cu−Sn−Zn合金めっき層)を電気バレルめっきにより形成した。実施例5については表1に記載の平均厚みを有するCu−Sn黒色めっき層(色調調整めっき層)を仕上げめっき層の上に電気バレルめっきにより形成した。実施例1については仕上げめっき層を形成しなかった。
<2.亜鉛拡散層及び各めっき層の平均厚み>
(1)亜鉛拡散層
上記の条件で得られた実施例及び比較例の各めっき付きエレメントについて、CP法によって作製した断面試料から、FIB(FEI社製Scios DualBeam)を用いて電流と処理時間を調節しながら断面観察用の超薄切片サンプル(厚さ200nm以下)を作製した。次いで、得られた切片サンプルを用いて亜鉛拡散層の断面を日立製HD−2300AによりSTEM観察し、EDXにより元素分析を行って元素マッピング像を得た(加速電圧200kV)。
先述した方法により、元素マッピング像中で、亜鉛の存在を示す各島を取り囲むことのできる最小円の直径が10nm以上の島のうち、母材表面からの距離が最も遠いところにある島を母材表面の境界線の長さ500nmの範囲毎に特定し、母材表面からの距離が最も遠い島についての当該距離を10箇所以上の観察視野で測定して平均値を算出した。結果を表1に示す。
(2)各めっき層
上記の条件で得られた実施例及び比較例の各めっき付きエレメントを樹脂に埋め込み、表面を研磨して断面観察用サンプルを作製した。各めっき層を金属顕微鏡(オリンパス社製型式GX51)で分析し、10点以上のめっき厚みを測定して平均値を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2018122935
<3.密着性試験>
上記の条件で得られた実施例及び比較例の各めっき付きエレメントについて、表面観察(実体顕微鏡オリンパス製SZ60)によりめっき層の密着性を確認した。結果は以下の基準により判定した。結果を表2に示す。
○:めっき層の剥離箇所が観察されなかった。
×:めっき層の剥離箇所が観察された。
<4.摺動抵抗>
上記の条件で得られた実施例及び比較例の各めっき付きエレメントを一対のファスナーテープの側縁に複数加締め固定してエレメント列を形成し、一対のエレメント列を噛合することによりファスナーチェーンを作製した。引張試験機(JIS−B−7721準拠)を用いて、ファスナーチェーンをスライダーを介して開閉し、JIS−S−3015:2007に準拠して摺動抵抗を測定した。摺動抵抗は積分平均値を採用した。結果を表2に示す。摺動抵抗が4.9N以下であれば実用上問題ないと判断される。なお、比較例2は、密着性が悪く、表面が部分的に膨れたようなめっき付きエレメントとなったため、表面に膨れの無い他の例と比較できる摺動抵抗のデータが得られなかった。
<5.光沢性(表面粗さ)>
上記の条件で得られた実施例及び比較例の各めっき付きエレメントについて、最表面の算術平均粗さ(Ra)をJIS B0601:2001に準拠して非接触三次元表面形状測定装置(米国ザイゴ社製、Zygo NewView 6300)により測定した。結果を表2に示す。なお、比較例2は、密着性が悪く、表面が部分的に膨れたようなめっき品となったため、表面に膨れの無い他の例と比較できる表面粗さのデータが得られなかった。
<6.表面硬度>
上記の条件で得られた実施例及び比較例の各めっき付きエレメントについて、ビッカース硬度計(JIS−Z−2244:2009準拠)により、硬さを測定した。荷重は50gとした。測定は3回行い、その平均値を測定値とした。結果を表2に示す。
<7.加締め試験>
上記の条件で得られた実施例及び比較例の各めっき付きエレメントを、ファスナーテープの側縁に治具を用いて加締め固定した後の表面状態を実体顕微鏡(オリンパス社製SZ60)にて観察した。結果は以下の基準により判定した。結果を表2に示す。
○:めっき表面にひび割れが観察されなかった。
×:めっき表面にひび割れが観察された。
<8.腐食試験>
上記の条件で得られた実施例及び比較例の各めっき付きエレメントに塩水噴霧24hを行い、腐食の有無を目視により調べた。結果は以下の基準により判定した。結果を表2に示す。
○:めっき表面に腐食が観察されなかった。
×:めっき表面に腐食が観察された。
Figure 2018122935
<9.考察>
上記の結果から、実施例1〜5に係るめっき付きエレメントは耐ひび割れ性及び光沢性を兼備していたことが分かる。また、仕上げめっきを行うことで、耐食性が向上することが確認された。一方、比較例1は光沢銅めっきを行わなかったために光沢が不十分であった。比較例2はピロリン酸銅めっきに代えて青化銅めっきを行ったことでめっきの密着性が悪く、外観不良となった。
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において種々の改変が可能である。
101 母材
102 亜鉛拡散層
103 ピロリン酸銅めっき層
103a ピロリン酸銅ストライクめっき層
103b ピロリン酸銅本めっき層
104 硫酸銅めっき層
105 仕上げめっき層
106 色調調整めっき層
108 ファスナーエレメント
109 ファスナーテープ

Claims (16)

  1. アルミニウム又はアルミニウム合金製の母材(101)と、該母材の表面内側に亜鉛が拡散した亜鉛拡散層(102)と、亜鉛拡散層(102)を被覆する複数のめっき層とを備え、該複数のめっき層は内側から順にピロリン酸銅めっき層(103)、及び硫酸銅めっき層(104)を有するスライドファスナー又はボタンの部材。
  2. ピロリン酸銅めっき層(103)の平均厚みが20μm以下である請求項1に記載のスライドファスナー又はボタンの部材。
  3. ピロリン酸銅めっき層(103)の平均厚みが5〜20μmである請求項1に記載のスライドファスナー又はボタンの部材。
  4. ピロリン酸銅めっき層(103)は平均厚み0.1〜5μmのピロリン酸銅ストライクめっき層(103a)を下地として有する請求項1〜3の何れか一項に記載のスライドファスナー又はボタンの部材。
  5. 硫酸銅めっき層(104)の平均厚みが7μm以下である請求項1〜4の何れか一項に記載のスライドファスナー又はボタンの部材。
  6. 硫酸銅めっき層(104)の平均厚みが1〜7μmである請求項1〜4の何れか一項に記載のスライドファスナー又はボタンの部材。
  7. ピロリン酸銅めっき層(103)の平均厚みに対する硫酸銅めっき層(104)の平均厚みの比が0.1〜0.5である請求項1〜6の何れか一項に記載のスライドファスナー又はボタンの部材。
  8. 前記複数のめっき層は、硫酸銅めっき層(104)の外側に硫酸銅めっき層(104)よりも硬質の仕上げめっき層(105)を更に有する請求項1〜7の何れか一項に記載のスライドファスナー又はボタンの部材。
  9. 仕上げめっき層(105)がCu及びSnを含有する合金めっき層である請求項8に記載のスライドファスナー又はボタンの部材。
  10. 仕上げめっき層(105)の平均厚みが0.5〜5μmである請求項8又は9に記載のスライドファスナー又はボタンの部材。
  11. 最表面の算術平均粗さ(Ra)が0.3μm以下である請求項1〜10の何れか一項に記載のスライドファスナー又はボタンの部材。
  12. 前記複数のめっき層は、仕上げめっき層(105)の外側に仕上げめっき層(105)とは色調の異なるめっき層(106)を更に有する請求項8〜11の何れか一項に記載のスライドファスナー又はボタンの部材。
  13. 母材(101)表面全体が前記複数のめっき層に被覆されている請求項1〜12の何れか一項に記載のスライドファスナー又はボタンの部材。
  14. 請求項1〜13の何れか一項に記載のスライドファスナー又はボタンの部材を備えた物品。
  15. 請求項1〜13の何れか一項に記載のスライドファスナーの部材がファスナーエレメントであり、当該ファスナーエレメントがファスナーテープの一側縁に沿って複数加締め固定されているファスナーストリンガー。
  16. スライドファスナー又はボタンの部材の形状に加工されたアルミニウム又はアルミニウム合金製の母材(101)を準備する工程と、
    該母材(101)表面の少なくとも一部に対してジンケート処理、ピロリン酸銅めっき、及び硫酸銅めっきを順に実施する工程と、
    を含むスライドファスナー又はボタンの部材の製造方法。
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