JPWO2018104981A1 - 振動計組立体、回転機械、振動計の取付け方法および取外し方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1の振動計は、渦電流により回転軸の表面との距離を測定するのに用いられるプローブと、プローブから引き出されるワイヤ(導線)と、細長いプローブ保持器とを有し、全体として棒状に構成されている。この振動計は、圧縮機等のケースを板厚方向に貫通する筒体に通され、ケースの外側で筒体の端部に固定される。
上記構成において、取付具は、長さ方向に隣り合うもの同士がピン結合されて少なくとも4箇所で関節をなしている複数の部品を有し、4箇所のうちの2箇所と、残りの2箇所とは、ピンの向きが直交することが好ましい。
ここで、振動計は、軸受装置と、ケースまたはその近傍との二か所で固定されており、孔加工や組立の誤差等に起因して、ガイド筒に取付具およびプローブを真っすぐ挿入しても軸受装置の内側固定部に固定することが難しいところを、本発明によれば、ガイド筒によりプローブを内側固定部の位置にまで案内し、さらに、取付具により内側固定部に対してプローブを軸心合わせすることができるため、プローブを内側固定部に容易に固定することができる。
本実施形態では、振動計20を備えた回転機械の一例として、圧縮機を示す。
圧縮機1は、プラント等の設備の一部を構成しており、外部からケース12内に導入されるガスを圧縮機構により圧縮し、ケース12の外部へと吐出する。
ジャーナル軸受14は、回転軸11の外周部を包囲しており、スラスト軸受16は、回転軸11から径方向外側に突出した鍔11Cの両側に配置されている。これらの軸受14,16は、潤滑油により潤滑されている。
軸受装置10と、ケース12から突出している回転軸11の部分は、ケース12に備えられたカバーケース121により覆われている。なお、図1において、ケース12は破断せず、カバーケース121のみを破断して示している。
ケース12内のガスがケース12の外へと出ないように回転軸11の軸周りがシールされているため、カバーケース121の内側の雰囲気は大気である。
振動計20は、回転軸11の外周面に近接している先端部201と回転軸11の外周面との間の距離を用いて、回転軸11の振動変位、それに基づく回転軸11の位置を計測する。振動計20の先端部201は、回転軸11の外周面に接触していない。
なお、振動計20は、回転軸11の端部11Aとは反対側の端部を支持する図示しないジャーナル軸受のハウジングにも設けられることが好ましい。また、スラスト軸受16のハウジング17にも振動計20を同様に設けることができる。
以下、図2および図3を参照し、振動計組立体2の構成を説明する。振動計組立体2は、振動計20の他、カバーケース121の一部と、軸受ハウジング15の一部と、いずれも振動計20を圧縮機1に取り付ける作業を支援するための要素である取付具30およびガイド筒40と、取付具30をカバーケース121に固定する外側固定ナット45(固定具)とを備えている。
振動計20は、渦電流式や静電容量式等、距離を検出可能な公知の測距センサであってよい。導線22を通じて通電された金属製のプローブ21により検出された回転軸11の外周面11Bまでの距離を示す電気信号は、他の導線22を通じて図示しない制御回路部に送信される。
プローブ21が軸受ハウジング15に固定されると、プローブ21の先端部(振動計20の先端部201)が、回転軸11の外周面11Bに近接した状態で対向する。
但し、プローブ21の長さによっては、取付具30とプローブ21とが軸受ハウジング15の外周部15Aよりも外側で接続されていてもよい。その場合、凹部153は必要なく、丸孔151が外周部15Aに開口していればよい。
もし、振動計20一式がカバーケース121の内側に配置されているとすれば、振動計20の故障時等に振動計20を着脱する際に、カバーケース121の内部を開放して振動計20にアクセスする必要がある。カバーケース121の少なくとも一部を取り外すと回転軸11の一部が露出するため、安全を考慮して、運転中の圧縮機1を一旦停止する必要もある。
特に、本実施形態のように、内側挿入固定孔150へとプローブ21が挿入される長さが長い場合は、内側挿入固定孔150の軸心とプローブ21の軸心とを一致させて内側挿入固定孔150へとプローブ21を真っすぐに挿入しない限りは、内側挿入固定孔150の奥までプローブ21を挿入してプローブ21のねじ21Aを軸受ハウジング15に固定することができない。
取付具30は、プローブ21から連続するように、軸受ハウジング15の径方向の外側に向けて延びており、貫通孔122を通ってカバーケース121の外側に到達している。
この取付具30は、カバーケース121を貫通するガイド筒40の内側に通されており、ガイド筒40の長さ方向に並ぶ複数(ここでは4つ)の関節31〜34を有している。
部品301〜305は、適宜な金属材料から構成されている。
部品301の内側に形成された雌ねじ301A(図3(b))に、プローブ21の端部21Bがねじ込まれ、緩み止めを図るダブルナット301W(図2)により部品301に固定されている。ダブルナット301Wを回転させて雌ねじ301Aへのプローブ21の挿入深さを調整することで、プローブ21の先端部201から部品305の外側端部30Bまでの全長を増減させることができる。
そのため、本実施形態の振動計組立体2は、図2に示すように、シール51と、パッキン52およびパッキン押さえ53と、キャップ54とを備えている。
パッキン52は、部品305の外側端部30Bから露出した導線22が通されて外側端部30Bに装着される。そのパッキン52が、部品305の雄ねじ305B(図3(c))にねじ込まれるパッキン押さえ53により押し潰されると、導線22の外周部に密着する。
ガイド筒40のキャップ取付部41と、キャップ54の雌ねじとの間には、図示しないシール用テープを介在させることが好ましい。いずれもテーパ形状が付与されているキャップ取付部41と雌ねじとの間にシール用テープを圧縮することで、キャップ54とガイド筒40との間の隙間をなくす。
キャップ54で覆うことにより、取付具30や外側固定ナット45、およびパッキン52等を外部環境や外力等から保護することができる。
なお、キャップ54が、カバーケース121に形成されたキャップ取付部に装着されるように構成することもできる。
ガイド筒40は、プローブ21に接続されている部品301〜305の姿勢を直線状に矯正し、軸受ハウジング15の内側挿入固定孔150の位置までプローブ21および取付具30を案内する。
まず、図4(a)に示すようにカバーケース121の外側からガイド筒40を貫通孔122に挿入し、カバーケース121に設置する(ガイド筒設置ステップS1)。
ガイド筒40のケース取付部43をカバーケース121の雌ねじ122Aに締め付けることでカバーケース121にガイド筒40が固定される(
図4(b))。
なお、図4(b)では、導線22の図示を省略している。図7(a)および(b)でも同様である。
内側挿入固定孔150の開口151Aにプローブ21の先端部201が到達するまでは、プローブ21に接続されている部品301がガイド筒40の内側にあるため、部品301により支持されているプローブ21の姿勢がガイド筒40の軸心に沿っている。そのため、内側挿入固定孔150の軸心とプローブ21の軸心とが一致していないとはいえ、プローブ21の先端部201が開口151Aの縁あるいはその近傍には位置している。
このステップS3では、図6(a)に模式的に示すように、ガイド筒40の内側で、取付具30の可動部分である関節31〜34を屈曲させて取付具30の姿勢(形状)を変更することで、取付具30により支持されているプローブ21の軸心を内側挿入固定孔150の軸心に合わせる。図6(a)では、隣り合う部品301〜305が屈曲する角度を誇張して示している。実際は、部品301〜305がガイド筒40内のクリアランスの範囲内で僅かに屈曲する。
図6(a)には、取付具30が関節31と関節33とにより屈曲した様子を示しているが、同時に、関節32と関節34とにより取付具30を屈曲させることもできる。関節31〜34のうちの少なくとも1つにより取付具30を屈曲させることで、プローブ21の軸心を内側挿入固定孔150の軸心に合わせることができる。
丸孔151にはプローブ21の外径に対するクリアランスが存在しており、プローブ21の軸心Xと内側挿入固定孔150の軸心X0とがほぼ一致すれば、プローブ21の先端部201が開口151Aに入る。それによってプローブ21の先端部201が開口151Aの周縁部により拘束される。
なお、凹部153の加工時に用いられたドリルの形状に倣うテーパ面153A(一点鎖線で示す)が凹部153の底に形成されている場合は、このテーパ面153Aにより、プローブ21の先端が開口151Aの中心に向けて案内される。
そして、渦電流や静電容量等の信号を導線22(図2)を通じてモニタしながら、回転軸11の外周面11Bに対してギャップをあけるようにプローブ21を位置決めする。
これで、振動計組立体2が完成する。
以上により、振動計20を備えた圧縮機1が製造される。
つまり、キャップ54やパッキン52を取り外した後、外側固定ナット45による固定を解除するステップと、取付具30の上端部を軸周りに回転させることで軸受ハウジング15の雌ねじ152へのプローブ21の固定を解除するステップに続いて、取付具30およびプローブ21をガイド筒40から抜き取るステップを経ることで、振動計20を取り外すことができる。
取付具30の変形例としては、例えば、2つの関節31,33と、1つの自在継手を備える構成や、ピン結合による関節を備えずに、2つの自在継手を備えた構成が挙げられる。そうした場合でも、上記実施形態と同様に、それらの関節や自在継手を使って取付具の姿勢を変更し、プローブ21の軸心を内側挿入固定孔150の軸心に合わせることができる。
例えば、ピン結合による関節31〜34に代えて、ゴム等の可撓性材料から構成されたチューブ等の部材を可動部として採用しうる。あるいは、全長に亘りゴムチューブから構成された取付具30も採用しうる。
2 振動計組立体
10 軸受装置
11 回転軸
11A 端部
11B 外周面
11C 鍔
12 ケース
14 ジャーナル軸受
15 軸受ハウジング
15A 外周部
16 スラスト軸受
17 ハウジング
20 振動計
21 プローブ
21A ねじ
21B 端部
22 導線
30 取付具
30B 外側端部
30N 爪
31〜34 関節(可動部)
40 ガイド筒
40A 端面
41 キャップ取付部
42 フランジ
43 ケース取付部
45 外側固定ナット(外側固定部)
51 シール
52 パッキン
53 パッキン押さえ
54 キャップ
121 カバーケース
122 貫通孔
122A 雌ねじ
150 挿入孔
151 丸孔
151A 開口
152 雌ねじ
153 凹部
153A テーパ面
201 先端部
301〜305 部品
301A 雌ねじ
301W ダブルナット
305A 溝
305B 雄ねじ
451,452 ワッシャ
A,B 矢印
D1 径方向
P1,P2 ピン
S1 ガイド筒設置ステップ
S2 ガイドステップ
S3 軸心合わせステップ
S4 内側固定ステップ
S5 外側固定ステップ
S6 潤滑油シールステップ
Sp 空間
X,X0 軸心
Claims (10)
- 回転軸の振動を計測する振動計を含む振動計組立体であって、
前記回転軸を支持する軸受装置に固定される前記振動計のプローブと、
前記軸受装置よりも外側に位置するケースを貫通して前記ケースの内側に突出しており、前記ケースに設けられるガイド筒と、
前記プローブに接続されて前記ガイド筒に挿通され、少なくとも一部に可動部を有することで、前記軸受装置における内側固定部に対して前記プローブを軸心合わせ可能な取付具と、
前記取付具を前記ケースの外側で前記ガイド筒または前記ケースに固定する外側固定部と、を備える、
ことを特徴とする振動計組立体。 - 前記内側固定部は、前記軸受装置のハウジングに備えられて前記プローブを固定する雌ねじを含み、
前記外側固定部は、前記ケースの外側で前記取付具の端部を前記ガイド筒に固定する固定具を含む、
請求項1に記載の振動計組立体。 - 前記取付具は、前記ガイド筒の長さ方向に並ぶ複数の関節を有する、
請求項1または2に記載の振動計組立体。 - 前記取付具は、前記長さ方向に隣り合うもの同士がピン結合されて少なくとも4箇所で前記関節をなしている複数の部品を有し、
前記4箇所のうちの2箇所と、残りの2箇所とは、ピンの向きが直交する、
請求項3に記載の振動計組立体。 - 前記ガイド筒と前記取付具との間の径方向の間隙には、前記間隙を封止するシールが介装されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の振動計組立体。 - 前記プローブに備えられ、前記取付具の内側を通じて前記ケースの外側へと引き出される導線の外周部に密着するパッキンを備える、
請求項1から5のいずれか一項に記載の振動計組立体。 - 前記外側固定部を覆うように前記ガイド筒または前記ケースに装着されるキャップを備える、
請求項1から6のいずれか一項に記載の振動計組立体。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載の振動計組立体と、
前記回転軸と、
前記軸受装置と、
前記ケースと、を備える、
ことを特徴とする回転機械。 - 回転軸を備えた回転機械に、前記回転軸の振動を計測する振動計を取り付ける方法であって、
前記振動計のプローブ、および前記プローブに接続された取付具を、前記回転機械のケースの貫通孔に挿通されたガイド筒を通じて前記ケースの外側から前記ケースの内側へと挿入し、前記回転軸を支持する軸受装置に前記プローブの先端部を到達させるガイドステップと、
前記取付具が少なくとも一部に有している可動部を動かすことで、前記軸受装置における内側固定部に対して前記プローブを軸心合わせする軸心合わせステップと、
前記プローブを前記ケースの内側で前記軸受装置に固定する内側固定ステップと、
前記取付具を前記ケースの外側で前記ガイド筒または前記ケースに固定する外側固定ステップと、を含む、
ことを特徴とする振動計取り付け方法。 - 回転軸を備えた回転機械から、前記回転軸の振動を計測する振動計を取り外す方法であって、
少なくとも一部に有している可動部を動かすことが可能な取付具に接続された前記振動計のプローブが、前記回転軸を支持する軸受装置に固定され、前記取付具が前記回転機械のケース、または前記ケースに設けられて前記取付具を保持するガイド筒に固定されている状態から、前記ケースの外側における前記ケースまたは前記ガイド筒への前記取付具の固定を解除するステップと、
前記ケースの内側における前記軸受装置への前記プローブの固定を解除するステップと、
前記プローブおよび前記取付具を前記ケースの外側へと抜き取るステップと、を含む、
ことを特徴とする振動計取り外し方法。
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