JPWO2018101266A1 - タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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Abstract

本発明は、60℃付近でのtanδが小さく、かつ25℃付近での破壊エネルギーに優れたタイヤ用ゴム組成物を提供する。本発明は、イソプレン系ゴムを含むゴム成分を含み、X線散乱測定又は中性子散乱測定により得られる散乱強度曲線I(q)に対し、下記(式1)〜(式6)でカーブフィッティングして得られる相関長Ξbが55nm以下のタイヤ用ゴム組成物に関する。[数1]

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物及びタイヤに関する。
昨今の環境問題への関心の高まりに伴う二酸化炭素排出規制の動きに関連して、自動車の低燃費化に対する要求が強まりつつある。このような要求に対応するため、タイヤについても転がり抵抗の低減が求められている。
タイヤに用いられるゴム組成物の架橋構造と物性とに相関性があることが知られており、種々の方法で架橋構造の解析が行われている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。特許文献1には、架橋構造を均一化するとゴム組成物のエネルギーロスが減少することなどが示されているが、架橋構造を均一化する手法については充分に検討されていなかった。
特許第5658219号公報
Macromolecules 2009、42、2741−2748 Yuko Ikeda et al.、 Vulcanization:New Focus on a Traditional Technology by Small−Angle Neutron Scattering
本発明者が検討したところ、架橋構造の制御により、60℃付近でのtanδを改善できるとともに、25℃付近での破壊エネルギー(破断時強度及び破断時伸びを乗じて2で除したもの)を改善できることが分かった。
本発明は、60℃付近でのtanδが小さく、かつ25℃付近での破壊エネルギーに優れたタイヤ用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ゴム組成物にイソプレン系ゴムを配合し、かつ、X線散乱測定又は中性子散乱測定により得られる散乱強度曲線I(q)に対し、下記(式1)〜(式6)でカーブフィッティングして得られる相関長Ξが短くなるように架橋構造を制御することで、架橋後のゴム組成物が適用されているタイヤのエネルギーロス低下及び破壊性能向上を十分に達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、イソプレン系ゴムを含むゴム成分を含み、X線散乱測定又は中性子散乱測定により得られる散乱強度曲線I(q)に対し、下記(式1)〜(式6)でカーブフィッティングして得られる相関長Ξが55nm以下であることを特徴とする。
Figure 2018101266
前記X線散乱測定が小角X線散乱測定、前記中性子散乱測定が小角中性子散乱測定であることが好ましい。
前記(式6)で表されるqが10nm−1以下であることが好ましい。
本発明はまた、前記タイヤ用ゴム組成物を用いて作製したタイヤに関する。
本発明によれば、イソプレン系ゴムを含み、X線散乱測定又は中性子散乱測定により得られる散乱強度曲線I(q)に対し、上記(式1)〜(式6)でカーブフィッティングして得られる相関長Ξが所定の範囲内のゴム組成物であるので、60℃付近でのtanδが小さく、かつ25℃付近での破壊エネルギーに優れたタイヤ用ゴム組成物が得られる。
SANS測定により得られた散乱強度曲線の一例。
本発明は、イソプレン系ゴムを含むゴム成分を含み、X線散乱測定又は中性子散乱測定により得られる散乱強度曲線I(q)(例えば、図1)に対し、上記(式1)〜(式6)でカーブフィッティングして得られる相関長Ξが55nm以下のタイヤ用ゴム組成物である。
カーブフィッティングによって得られるフィッティングパラメーターのうち、1nm〜100μmの相関長ξがポリマーの架橋点距離に対応し、0.1nm〜100μmの相関長Ξがポリマー中の不均一網目構造のサイズに対応すると推察される。そして、ゴム組成物の架橋構造において、0.1nm〜100μmの相関長Ξが最も重要な要素であると推察され、この値を制御することによって、60℃付近でのtanδを小さく、かつ25℃付近での破壊エネルギーを大きくすることができると推察される。
なお、本発明において、相関長Ξは、厚み約1mm、縦約16mm、横約16mmのプレート状試料について測定した値である。タイヤの場合、加硫済みのタイヤのトレッドなどから上記プレート状試料を切り出すことで測定可能である。
また、カーブフィッティングは、最小2乗法によるものである。
本発明では、相関長Ξを55nm以下とすることにより、60℃付近でのtanδを小さく、かつ25℃付近での破壊エネルギーを大きくすることができる。60℃付近でのtanδをより小さく、かつ25℃付近での破壊エネルギーをより大きくすることができるという理由から、相関長Ξは、好ましくは35nm以下、より好ましくは25nm以下、特に好ましくは15nm以下である。下限は特に限定されず、小さければ小さいほど好ましい。
X線散乱測定としては、高分子材料にX線を照射し散乱強度を測定するSAXS(Small−angle X−ray Scattering 小角X線散乱(散乱角:通常10度以下))測定を好適に採用できる。
なお、小角X線散乱では、X線を物質に照射して散乱するX線のうち、散乱角が小さいものを測定することで物質の構造情報が得られ、高分子材料のミクロ相分離構造など、数ナノメートルレベルでの規則構造を分析できる。
SAXS測定から詳細な分子構造情報を得るためには、高いS/N比のX線散乱プロファイルを測定できることが望ましい。そのため、シンクロトロンから放射されるX線は、少なくとも1010(photons/s/mrad/mm/0.1%bw)以上の輝度を有することが好ましい。
なお、bwはシンクロトロンから放射されるX線のband widthを示す。このようなシンクロトロンの例として、財団法人高輝度光科学研究センター所有の大型放射光施設SPring−8のビームラインBL03XU、BL20XUが挙げられる。
また、S/N比は、信号/雑音比(Signal/Noise ratio)の略であり、信号の分散をノイズの分散で割り返した数値である。
X線の輝度(photons/s/mrad/mm/0.1%bw)は、好ましくは1010以上、より好ましくは1012以上である。上限は特に限定されないが、放射線ダメージがない程度以下のX線強度を用いることが好ましい。
また、X線の光子数(photons/s)は、好ましくは10以上、より好ましくは10以上である。上限は特に限定されないが、放射線ダメージがない程度以下のX線強度を用いることが好ましい。
また、中性子散乱測定としては、高分子材料に中性子線を照射し散乱強度を測定するSANS(Small−Angle Neutron Scattering 小角中性子散乱(散乱角:通常10度以下))測定を好適に採用できる。
なお、小角中性子散乱では、中性子線を物質に照射して散乱する中性子線のうち散乱角が小さいものを測定して物質の構造情報が得られ、高分子材料のミクロ相分離構造など、数ナノメートルレベルでの規則構造を分析できる。
SANS測定では、公知の磁気構造や重水素化法を利用した方法を用いることができる。重水素化法を採用する場合、例えば、高分子材料を重水素化溶媒により膨潤化し、重水素溶媒中で平衡状態にある高分子材料に中性子線を照射し、散乱強度を測定することができる。ここで、高分子材料を膨潤させる重水素化溶媒としては、重水、重水素化ヘキサン、重水素化トルエン、重水素化クロロホルム、重水素化メタノール、重DMSO((DC)S=O)、重水素化テトラヒドロフラン、重水素化アセトニトリル、重水素化ジクロロメタン、重水素化ベンゼン、重水素化N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
SANSなどの中性子散乱測定に使用される中性子線は、独立行政法人日本原子力研究開発機構所有のJRR−3研究炉のビームラインSANS−Jなどを使用して得られる。
SAXS測定と同様に、高いS/N比の中性子散乱プロファイルが得られるという点から、中性子線の中性子束強度(neutrons/cm/s)は、好ましくは10以上、より好ましくは10以上である。上限は特に限定されないが、放射線ダメージがない程度以下の中性子束強度を用いることが好ましい。
X線、中性子散乱測定においては、高分子材料のより微細な分子構造を測定する必要があるという点から、上記(式6)で表されるqが10nm−1以下の領域で測定することが好ましい。qの領域は、数値が大きくなるほどより小さな情報が得られる点から望ましいので、20nm−1以下であることがより好ましい。
SAXS測定において散乱するX線は、X線検出装置によって検出され、該X線検出装置からのX線検出データを用いて画像処理装置などによって画像が生成される。
X線検出装置としては、例えば、2次元検出器(X線フィルム、原子核乾板、X線撮像管、X線蛍光増倍管、X線イメージインテンシファイア、X線用イメージングプレート、X線用CCD、X線用非晶質体など)、ラインセンサー1次元検出器を使用できる。分析対象となる高分子材料の種類や状態などにより、適宜X線検出装置を選択すればよい。
画像処理装置としては、X線検出装置によるX線検出データに基づき、通常のX線散乱画像を生成できるものを適宜使用できる。
SANS測定でもSAXS測定と同様の原理により測定可能であり、散乱する中性子線を中性子線検出装置により検出し、該中性子線検出装置からの中性子線検出データを用いて画像処理装置などによって画像が生成される。ここで、前記と同様、中性子線検出装置としては、公知の2次元検出器や1次元検出器、画像処理装置としては、公知の中性子線散乱画像を生成できるものを使用でき、適宜選択すればよい。
本発明のゴム組成物は、イソプレン系ゴムを含む。イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、合成イソプレンゴム(IR)、又はこれらを変性させた変性NR/IRや、NRからリン脂質や蛋白質の一部又は全部を除去した改質NR、イソプレンと他のモノマーとのコポリマー、液状IRなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、本発明のゴム組成物は、イソプレン系ゴム以外に、タイヤ分野で使用可能な他の材料を含むことができる。
例えば、本発明のゴム組成物は、イソプレン系ゴム以外のゴム成分を含みうる。他のゴム成分としては、イソプレン系ゴム同様、安定な3級ラジカルを発生可能なものが好ましいが、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)のように、3級ラジカルを発生できないものも使用可能である。また、ブチル系ゴムも使用可能である。
SBRを用いる場合、特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)などが使用できる。
BRを用いる場合、特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150Bなどの高シス含量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617などのシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBRなどが使用できる。
ブチル系ゴムを用いる場合、特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、例えば、ブチルゴム(IIR);臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)などのハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)などが使用できる。
より均一な架橋構造が得られやすいという理由から、本発明のゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは1質量%以上又は20質量%以上、より好ましくは50質量%以上又は70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。また、イソプレン系ゴム以外のゴム成分は、それぞれ、好ましくは99質量%以下又は80質量%以下、より好ましくは50質量%以下又は30質量%以下、更に好ましくは10質量%以下であり、0質量%であってもよい。
また、例えば、本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含みうる。カーボンブラックとしては、特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、例えば、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762などが使用できる。カーボンブラックを使用する場合、ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量は、好ましくは1質量部以上又は15質量部以上、より好ましくは30質量部以上であり、また、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。
また、例えば、本発明のゴム組成物は、シリカを含みうる。シリカとしては、特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが使用できる。シリカを使用する場合、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量は、好ましくは1質量部以上又は15質量部以上、より好ましくは30質量部以上であり、また、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下である。
シリカを含む際には、シランカップリング剤を使用してもよい。シランカップリング剤としては、特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT−Zなどのメルカプト系;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系;3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系;γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのグリシドキシ系;3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系;3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などが使用できる。シランカップリング剤を使用する場合、シリカ100質量部に対するシランカップリング剤の含有量は、好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは15質量部以下である。
カーボンブラック、シリカ以外の充填材としては、特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、例えば、水酸化アルミニウム、タルク、マイカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、チタン白、チタン黒、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウムマグネシウム、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムカルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭化ケイ素、ジルコニウム、酸化ジルコニウムなどの無機充填材;短繊維、セルロースナノファイバーなどの有機充填材などが使用できる。
また、例えば、本発明のゴム組成物は、樹脂を含みうる。樹脂としては、特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、例えば、芳香族石油樹脂、テルペン樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPD)樹脂、クマロンインデン樹脂、αメチルスチレン樹脂、p−t−ブチルフェノールアセチレン樹脂、アクリル樹脂などが使用できる。樹脂を使用する場合、ゴム成分100質量部に対する樹脂の含有量は、好ましくは1質量部以上又は15質量部以上、より好ましくは30質量部以上であり、また、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下である。
また、例えば、本発明のゴム組成物は、老化防止剤を含みうる。老化防止剤としては、特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、例えば、フェニル−α−ナフチルアミンなどのナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンなどのジフェニルアミン系老化防止剤;N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどのp−フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物などのキノリン系老化防止剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノールなどのモノフェノール系老化防止剤;テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどのビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが使用できる。老化防止剤を使用する場合、ゴム成分100質量部に対する老化防止剤の含有量は、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、また、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。
また、例えば、本発明のゴム組成物は、オイルを含みうる。オイルとしては、特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどのプロセスオイル;ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油などの植物油脂などが使用できる。オイルを使用する場合、ゴム成分100質量部に対するオイルの含有量は、好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは100質量部以下である。
また、例えば、本発明のゴム組成物は、ワックスを含みうる。ワックスとしては、特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックスなどの天然系ワックス;エチレン、プロピレンなどの重合物である合成ワックスなどが使用できる。ワックスを使用する場合、ゴム成分100質量部に対するワックスの含有量は、好ましくは0.1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下である。
また、例えば、本発明のゴム組成物は、加工助剤を含みうる。加工助剤としては、特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、例えば、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、アミドエステル、シリカ表面活性剤、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩とアミドエステルとの混合物、脂肪酸金属塩と脂肪酸アミドとの混合物などが使用できる。加工助剤を使用する場合、ゴム成分100質量部に対する加工助剤の含有量は、好ましくは0.1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下である。
また、例えば、本発明のゴム組成物は、硫黄を含みうる。硫黄を使用する場合、ゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量は、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上であり、また、好ましくは6質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。
また、例えば、本発明のゴム組成物は、加硫促進剤を含みうる。加硫促進剤としては、特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、例えば、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類、キサントゲン酸塩類などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド類が好ましく、スルフェンアミド類としては以下のものが使用可能である。
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CZ)
N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(OBS)
N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)
N−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾリルスルフェンイミド(TBSI)
N,N−ジシクロヘキシルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(DCBS)
N,N−ジイソプロピルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(DIBS)
加硫促進剤を使用する場合、ゴム成分100質量部に対する加硫促進剤の含有量は、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上であり、また、好ましくは6質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。
また、例えば、本発明のゴム組成物は、酸化亜鉛を含みうる。酸化亜鉛を使用する場合、ゴム成分100質量部に対する酸化亜鉛の含有量は、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは8質量部以下、より好ましくは6質量部以下である。
また、例えば、本発明のゴム組成物は、ステアリン酸を含みうる。ステアリン酸を使用する場合、ゴム成分100質量部に対するステアリン酸の含有量は、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは8質量部以下、より好ましくは6質量部以下である。
本発明のゴム組成物は、タイヤ用途に使用される。本発明のゴム組成物は、タイヤのトレッドとして用いられることが好ましいが、それ以外にも、サイドウォール、ベーストレッド、アンダートレッド、クリンチエイペックス、ビードエイペックス、ブレーカークッションゴム、カーカスコード被覆用ゴム、インスレーション、チェーファー、インナーライナー、ランフラットタイヤのサイド補強層など、種々の部材に適用可能である。また、適用されるタイヤの種類としては、空気入りタイヤが好ましいが、それ以外にも、乗用車用、トラックバス用、2輪自動車用の、空気入りタイヤ又は非空気入りタイヤに適用可能である。
本発明の、相関長Ξが55nm以下のゴム組成物は、混練工程(A)、混練工程(B)、及び加硫工程を含む製造方法により調製することが可能である。混練工程(A)は、イソプレン系ゴムと加硫促進剤とを混練する工程である。混練工程(B)は、混練工程(A)以降に得られた混練物と硫黄とを混練する工程である。加硫工程は、混練工程(B)以降に得られた未加硫ゴム組成物を加硫する工程である。混練工程(A)の前、混練工程(A)と混練工程(B)との間、及び混練工程(B)の後のいずれかに、他の材料を添加する混練工程があってもよい。
混練工程(A)では、イソプレン系ゴムを含むゴム成分と加硫促進剤とを150〜250℃の混練温度で混練することが好ましい。これにより、加硫促進剤の凝集塊を砕き、ラジカル化させながら加硫促進剤とゴム成分とを結合させることができるため、ゴム組成物中に架橋の起点を均一に存在させることができる。また、イソプレン系ゴムは、アリル位に安定な3級ラジカルを発生可能であることから、混練工程(A)において、加硫促進剤との結合を容易に形成することができる。さらに、通常、加硫促進剤は、イソプレン系ゴムよりも、ブタジエンゴム(BR)やスチレンブタジエンゴム(SBR)に対して溶解度が高いことから、BRやSBRに加硫促進剤が偏在してしまい、均一な架橋構造を形成することが困難であったが、本発明では、混練工程(A)を実施することで、BRやSBRへの加硫促進剤の偏在を解消し、均一な架橋構造を形成することができる。これらの作用により、架橋構造の均一性が向上することで、相関長Ξが小さくなり、エネルギーロスが少なく、破壊エネルギー及び耐摩耗性に優れたゴム組成物が得られる。
本発明では、混練温度とは混練中の最高温度を意味する。混練工程(A)では、上記のとおり混練温度を150℃以上とすることで相関長Ξを小さくできるとともに、混練温度を250℃以下とすることで、ゴム成分の熱分解やスコーチの発生を抑制することができる。より均一な架橋構造が得られ、更なる性能向上が期待できるという理由から、混練温度は、160℃以上が好ましく、170℃以上がより好ましく、また、220℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましく、190℃以下が更に好ましい。混練温度は充填材の投入や温調機器などで調節することができる。
本発明のゴム組成物を得るにあたって、混練工程(A)における混練温度は必ずしも150℃以上とする必要は無く、また、150℃以上であれば必ず本発明のゴム組成物が得られるというわけでもない。混練工程(A)では、混練時間を長くすることでゴム中の加硫促進剤の分散性を高め、それによって相関長Ξを小さくしてもよいし、また、混練温度を高温にすることを同時に行なってもよい。さらに、ゴム成分と加硫促進剤とのマスターバッチ(加硫促進剤マスターバッチ)を用いることで加硫促進剤の分散性をより高めることもできる。イソプレン系ゴムが少なく、例えばゴム成分中50質量%未満である場合、相関長Ξを小さくし難くなるものの、上記方法を併せて用いることで本発明の相関長Ξを満たすゴム組成物を得ることができる。本発明のゴム組成物を得る目安としては、イソプレン系ゴムがゴム成分中80〜100質量%である場合には、混練温度を150℃より高く、混練時間を10分間以上とすることが好ましく、40質量%以上80質量%未満である場合には、混練温度を160℃より高く、混練時間を15分間以上とすることが好ましく、20質量%以上40質量%未満である場合には、混練温度を170℃より高く、混練時間を15分間以上とすることが好ましく、20質量%未満である場合には、混練温度を170℃より高く、混練時間を15分間以上とするとともに、他のゴム成分として加硫促進剤マスターバッチを用いることが好ましい。
このように、混練工程(A)の混練時間は特に限定されず、1〜60分の範囲内で適宜設定することができる。また、混練工程(A)の混練方法も特に限定されず、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、オープンロールなどの公知の混練機を用いることができる。
混練工程(A)では、イソプレン系ゴム以外に、他のゴム成分を投入して混練してもよい。また、混練工程(A)では、酸化亜鉛、ステアリン酸、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤、老化防止剤、オイル、ワックス、加工助剤など、ゴム組成物に通常使用される材料を混練してもよい。ただし、硫黄に関しては、スコーチの発生を抑制できるという理由から、混練工程(A)やそれよりも前の工程で投入せずに、混練工程(B)で混練することが好ましい。ここでいう硫黄とは、粉末状硫黄などのタイヤ材料として通常使用される材料としての硫黄であり、加硫促進剤やシランカップリング剤中の硫黄原子を意味しない。また、酸化亜鉛、ステアリン酸については、ゴム成分と加硫促進剤との反応を阻害する作用があることから、混練工程(A)において、ゴム成分と加硫促進剤とをある程度混練した後(好ましくは150〜250℃に到達してから1分以降)に投入して混練するか、混練工程(A)とは別工程で混練することが好ましく、混練工程(B)で混練することがより好ましい。
混練工程(B)は、混練工程(A)以降に得られた混練物と硫黄とを混練する工程である。
混練工程(B)は、130℃以下で混練することが好ましい。このように、加硫促進剤とは別の工程で硫黄を投入し、その際の混練温度を130℃以下とすることで、スコーチの発生をより抑制することができる。混練温度の下限は、硫黄の分散性向上の観点から、好ましくは70℃である。
混練工程(B)の混練時間は特に限定されないが、好ましくは1〜60分である。また、混練工程(B)の混練方法も特に限定されず、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、オープンロールなどの公知の混練機を用いることができる。
混練工程(B)では、少なくとも、混練工程(A)以降に得られた混練物と、硫黄とを混練すればよく、これら以外に他の材料を混練してもよい。前述のとおり、酸化亜鉛、ステアリン酸は、混練工程(B)で混練することが好ましい。
加硫工程は、混練工程(B)以降に得られた未加硫ゴム組成物を加硫する工程である。
上述の混練工程(A)、(B)などの混練工程を経て得られた混練物(未加硫ゴム組成物)を、通常の方法で加硫することで、加硫ゴム組成物が得られる。加硫の条件については特に限定されないが、100〜180℃で5〜60分間加熱することが好ましい。タイヤを製造する際には、未加硫ゴム組成物をトレッドなどの形状に合わせて押出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤ(生タイヤ)を形成した後、加硫機中で加熱加圧すればよい。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
イソプレン系ゴム(IR):日本ゼオン(株)製のニッポールIR 2200
BR:宇部興産(株)製のウベポールBR150B
SBR:旭化成(株)製のタフデン3830(ゴム固形分100質量部に対してオイル分37.5質量部含有)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックN550(NSA:42m/g)
シリカ:エボニック社製のウルトラシルVN3
シランカップリング剤:Momentive社製のNXT(3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)(6PPD)
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CZ))
加硫促進剤マスターバッチ:NRラテックス中に加硫促進剤(ノクセラーCZ)を投入し、凝固させたもの(配合内容は、NR/加硫促進剤=100/2[質量部])
<実施例及び比較例>
(混練の第一段階)
表1〜8の各配合内容及び各混練条件に従い、バンバリーミキサーを用いて、ゴム成分及び加硫促進剤の全量を混練した。
(混練の第二段階)
3Lバンバリーミキサーを用いて、第一段階で得られた混練物と、表1〜8に示す材料の全量とを、混練温度100℃で15分間混練した。
(混練の第三段階)
2軸オープンロールを用いて、第二段階で得られた混練物と、表1〜8に示す材料の全量とを、混練温度100℃で5分間混練した。
(加硫工程)
プレス機を用いて、第三段階で得られた未加硫ゴム組成物を、140℃で50分間加熱し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた加硫ゴム組成物を用いて、以下の評価を行った。結果を表1〜8の下段に示す。
<SANS測定>
厚み約1mm、縦約16mm、横約16mmのプレート状試料(成型品)を重水素化トルエンで平衡膨潤させた状態でサンプルホルダーに取り付け、室温にて試料に中性子線を照射した。試料から検出器までの距離が2.5m、10m、及びフォーカシングレンズ測定から得られた絶対散乱強度曲線を最小2乗法にて結合させた。3つの曲線の結合は、試料から検出器までの距離が2.5mの測定から得られる散乱強度曲線を固定し、10m、フォーカシングレンズ測定から得られる散乱強度曲線をシフトさせた。得られた散乱強度曲線Iに対して、(式1)〜(式6)を用いて最小2乗法によるカーブフィッティングを行い、相関長Ξを算出した。
(SANS装置)
SANS:独立行政法人日本原子力研究開発機構所有のJRR−3研究炉のビームラインSANS−J付属のSANS測定装置
(測定条件)
中性子線の波長:6.5Å
中性子線の中性子束強度:9.9×10neutrons/cm/s
試料から検出器までの距離:2.5m、10m(なお、更に小角側の情報を得るために試料から検出器までの距離10mの条件下、フォーカシングレンズを用いた測定を行った。)
(検出器)
2次元検出器(He 2次元検出器及び2次元フォトマル+ZnS/LiF検出器)
<60℃tanδ指数>
(株)上島製作所製のスペクトロメーターを用いて、動的歪振幅1%、周波数10Hz、温度60℃でtanδを測定した。得られたtanδの逆数の値について、表1〜8それぞれにおいて比較例1〜8を100として指数表示した。指数が大きいほど、エネルギーロスが小さいことを示す。100以上であれば良好である。
<25℃破壊エネルギー指数>
島津製作所(株)製オートグラフを用いて、3号ダンベル形状に打ち抜いたゴムサンプルを200mm/minで破断まで伸長し、破断した際の弾性率(破断時強度)及び伸び(破断時伸び)を測定した。測定温度は25℃とした。得られた値を乗じて2で除したものを破壊エネルギーとし、表1〜8それぞれにおいて比較例1〜8を100として指数表示した。指数が大きいほど、破壊エネルギーが大きいことを示す。100以上であれば良好である。
<耐摩耗性指数>
ランボーン型摩耗試験機を用いて、室温、負荷荷重1.0kgf、スリップ率30%の条件で摩耗量を測定した。得られた摩耗量の逆数を、表1〜8それぞれにおいて比較例1〜8を100として指数表示した。指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。100以上であれば良好である。
Figure 2018101266
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Figure 2018101266
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Figure 2018101266
表1〜8より、相関長Ξが55nm以下である実施例は、全ての性能が基準とする比較例よりも向上した。そのため、ゴム成分の過度の熱分解による大幅な性能低下は生じていないと考えられる。
なお、SAXS測定で得られた散乱強度曲線Iから相関長Ξを算出した場合も、上記と同様の結果であった。

Claims (4)

  1. イソプレン系ゴムを含むゴム成分を含み、
    X線散乱測定又は中性子散乱測定により得られる散乱強度曲線I(q)に対し、下記(式1)〜(式6)でカーブフィッティングして得られる相関長Ξが55nm以下であるタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2018101266
  2. 前記X線散乱測定が小角X線散乱測定、前記中性子散乱測定が小角中性子散乱測定である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記(式6)で表されるqが10nm−1以下である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を用いて作製したタイヤ。
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