JPWO2018092609A1 - 鉛蓄電池のストラップ形成方法 - Google Patents

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Abstract

プラズマ溶接装置を用いて鉛蓄電池のストラップを形成する際に溶接不良が発生することを防止できる鉛蓄電池のストラップ形成方法を提供する。トーチの移動経路10で示すように、スリットに挿入された1つの耳部1を中心にし且つY方向を1つの耳部の溶接方向として、始点10sからプラズマ溶接装置のトーチをX方向にウィービングさせながらY方向に移動させる。ウィービングとは、トーチをX方向に揺動させることを意味する。これにより1つの耳部1と、ベースと、足し鉛部品のそれぞれ一部を溶融させ、この動作を複数の耳部1全てに対して行ってストラップ9を形成することで、溶融不足による溶接不良の発生を防止することができる。

Description

本発明は、鉛蓄電池のストラップ形成方法に関するものである。
特許第4622321号公報(特許文献1)には、極柱部品と耳部と鉛部品とをプラズマ溶接装置のトーチからプラズマアークを噴射して溶融させ、複数の極板の耳部をつなぐストラップを形成する鉛蓄電池の製造方法の一例が開示されている。この方法においては、プラズマ溶接装置のトーチからプラズマアークを溶融鉛溜まりに噴射する回数を増やして、ストラップを形成するのと同時に極柱をストラップと一体化している。
特許第4622321号公報
特許文献1に記載の方法は、ストラップを形成する際に、有効な方法である。しかしながら鉛蓄電池の容量が大きくなってくると、ストラップの形状が大きくなるだけでなく、また極柱の熱容量も大きくなる。そのため溶融不足等の溶接不良が発生しやすくなる問題がある。
本発明の目的は、プラズマ溶接装置を用いて鉛蓄電池のストラップを形成する際に溶接不良が発生することを防止できる鉛蓄電池のストラップ形成方法を提供することにある。
本願第1の発明の鉛蓄電池のストラップ形成方法では、まず耳部を備えた複数の電極板をセパレータを介して積層して形成した極板群を用意する。次に、複数の耳部がそれぞれ貫通する複数のスリットを備え且つ複数のスリットを全体的に囲む溶融鉛溜まり部を備えた治具を、極板群の複数の耳部が複数のスリットを貫通するように極板群上に配置する。次に溶融鉛溜まり部内に、複数の耳部に沿ってベースに極柱を備えた極柱鉛部品を配置し且つ複数の耳部の上に1以上の足し鉛部品を配置する。そして極柱鉛部品のベースの一部と1以上の足し鉛部品にプラズマ溶接用のトーチからプラズマアークを噴射して、極柱鉛部品のベースの一部と足し鉛部品と複数の耳部の一部とを溶融させて得た溶融鉛を、溶融鉛溜まり部に溜めて、極柱と一体化されたストラップを形成する。
本発明では、複数のスリットが並ぶ方向をX方向、極柱が延びる方向をZ方向、X方向とZ方向と直交する方向をY方向と定義したときに、スリットに挿入された1つの耳部を中心にし且つY方向を1つの耳部の溶接方向としてトーチをX方向にウィービングさせながらY方向に移動させることにより、1つの耳部の一部とベースの一部と足し鉛部品の一部を溶融させる溶融動作を、複数の耳部のすべてに対して行ってストラップを形成する。本願明細書において、ウィービングとは、トーチをX方向に揺動させることを意味する。本発明のように、耳部一つずつに対してトーチをウィービングさせながら溶融動作を行うと、一つの耳部を中心として溶融鉛溜まり部内に溶融鉛を順次溜めていくことができる。その結果、溶融不足による溶接不良が発生することを防止して、溶接不良のないストラップを形成することができる。
ウィービングのウィービング幅は、隣り合う他の耳部を溶融しないように定められているのが好ましい。このようにすると耳部に対する溶融過剰の発生を阻止することができる。
1つの耳部について溶融動作が終了した後は、隣の他の1つの耳部がウィービングの中心となる位置にトーチを移動させて、他の1つの耳部の一部とベースの一部と足し鉛部品の一部を溶融させる溶融動作を実施する。トーチの重量は軽いため、トーチを移動させるほうが、溶接のための設備が簡易になる。
溶融鉛溜まり部内を2以上の区分に分け、2以上のトーチを用意して、2以上のトーチで2以上の区分において、それぞれ溶融動作を実施すると、ストラップが長い場合において、短い時間でストラップを形成できる。
ストラップの平均厚みが、6〜10mmの範囲の値であり、ストラップの幅寸法が25〜30mmの範囲の値であるときには、ウィービングの周波数が3±1Hzであり、前記トーチがY方向に移動しているときの移動速度が60乃至190cm/minの範囲内の速度であり、溶接電流が75A〜185Aの範囲内の値であるのが好ましい。この場合において、移動速度が速くなると溶接電流を大きしく、移動速度が遅くなると溶接電流を小さくする。
本願第2の発明では、耳部を備えた複数の電極板をセパレータを介して積層して極板群を用意し、複数の耳部がそれぞれ貫通する複数のスリットを備え且つ複数のスリットを全体的に囲む溶融鉛溜まり部を備えた治具を、極板群の複数の耳部が複数のスリットを貫通するように極板群上に配置する。そして溶融鉛溜まり部内に、複数の耳部がそれぞれ貫通する複数の貫通孔を有するベースに極柱を備えた極柱鉛部品を配置し、複数の耳部の一部と、極柱鉛部品のベースの一部にプラズマ溶接用のトーチからプラズマアークを噴射して、複数の耳部の一部と極柱鉛部品のベースの一部とを溶融させて得た溶融鉛を、溶融鉛溜まり部に溜めて、極柱と一体化されたストラップを形成する。複数の貫通孔のそれぞれは極柱鉛部品のベースをZ方向に貫通し且つY方向に延びる形状を有している。そして貫通孔に挿入された1つの耳部を中心にし且つY方向を1つの耳部の溶接方向としてトーチをX方向にウィービングさせながらY方向に移動させることにより、1つの耳部の一部とベースの一部を溶融させる溶融動作を、複数の耳部のすべてに対して行ってストラップを形成する。本発明のように、足し鉛部品を用いない場合でも、耳部一つずつに対してトーチをウィービングさせながら溶融動作を行うと、一つの耳部を中心として溶融鉛溜まり部内に溶融鉛を順次溜めていくことができる。その結果、溶融不足による溶接不良が発生することを防止して、溶接不良のないストラップを形成することができる。
ウィービングのウィービング幅は、隣り合う他の耳部を溶融しないように定められているのが好ましい。このようにすると耳部の溶融過剰が発生することがない。
また1つの耳部について溶融動作が終了した後、隣の他の1つの耳部がウィービングの中心となる位置にトーチを移動させて、他の1つの耳部とベースの一部とを溶融させる溶融動作を実施するのが好ましい。
極柱鉛部品のベースを2以上の区分に分け、2以上のトーチを用意して、2以上のトーチで2以上の区分において、それぞれ溶融動作を実施すると、ストラップが長くなった場合でも、短い時間でストラップを形成できる。
第2の発明でも、ストラップの平均厚みが、6〜10mmの範囲の値であり、前記ストラップの幅寸法が25〜30mmの範囲の値であるときには、ウィービングの周波数が3±1Hzであり、トーチがX方向に移動しているときの移動速度が60乃至190cm/minの範囲内の速度であり、溶接電流が75A〜185Aの範囲内の値であるのが好ましい。このとき移動速度が速くなると溶接電流を大きくし、移動速度が遅くなると溶接電流を小さくする。
本発明の鉛蓄電池のストラップ形成方法の第1及び第2の実施の形態におけるプラズマ溶接装置のトーチの移動経路を示す平面図である。 第1の実施の形態のストラップ形成方法が適用される前の各部材の配置を示す斜視図である。 第2の実施の形態のストラップ形成方法が適用される前の各部材の配置を示す斜視図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る溶接用マスク装置の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示すような本発明の第1の実施の形態の鉛蓄電池のストラップ形成方法が適用される鉛蓄電池は、複数の電極板がセパレータを介して積層された極板群が電槽内に電解液と共に収納されてなる。各電極板には鉛製の耳部が備えられており、各耳部を接続したストラップにより集電し、ストラップに設けられた極柱を通じて充放電を行う。
第1の実施の形態の鉛蓄電池のストラップ形成方法は、このような鉛蓄電池を製造する工程中、それぞれ耳部を備えた複数の電極板をセパレータを介して積層して形成した極板群を用意した後、各耳部を相互に接続してストラップを形成するときに実行される。
図2に示すように、複数の電極板(図示していない)にそれぞれ備えられた複数(第1の実施の形態では7つ)の耳部1がそれぞれ貫通する複数(耳部1と同数の7つ)のスリット2を備え、且つ複数のスリット2を全体的に囲む溶融鉛溜まり部3を備えた治具4を、極板群の複数の耳部1がそれぞれ複数のスリット2を貫通して溶融鉛溜まり部3内に突出するように、耳部1を上方に向かって延ばした姿勢の極板群の上に配置する。
次に溶融鉛溜まり部3内に、複数の耳部1に沿ってベース5に極柱6を備えた極柱鉛部品7を配置し、且つ複数の耳部1の上に足し鉛部品8を配置する。足し鉛部品8は、長手方向と直交する方向の断面形状がE字形状をなしている。このような断面形状を有する足し鉛部品8を用いると、溶融鉛が耳部1の周囲に回り込み易くなる。なお足し鉛部品8の形状は限定されるものではなく、例えば長手方向と直交する方向の断面形状がコまたはU字状を呈するものでもよい。
次に極柱鉛部品7のベース5の一部と足し鉛部品8にプラズマ溶接装置のトーチからプラズマアークを噴射して、極柱鉛部品7のベース5の一部と足し鉛部品8と複数の耳部1の一部とを溶融させて得た溶融鉛を、溶融鉛溜まり部3に溜めて、極柱6と一体化されたストラップ9を形成する。なお極柱鉛部品7、足し鉛部品8及び耳部1は、いずれも鉛又は鉛合金製である。
各図において、複数のスリット2が並ぶ方向をX方向、極柱6が延びる方向をZ方向、X方向とZ方向と直交する方向をY方向と定義したときに、スリット2に挿入された1つの耳部1を中心にし且つY方向を1つの耳部1の溶接方向としてプラズマアークを下方に向けて噴射するトーチをX方向にウィービングさせながらY方向に移動させることにより、1つの耳部1の一部とベース5の一部と足し鉛部品8の一部を溶融させる溶融動作を、複数の耳部1のすべてに対して行ってストラップ9を形成する。ここでウィービングとは、トーチをX方向に揺動させることを意味する。
このウィービングを伴う溶融動作を図1を参照しつつ説明する。なお、図1には説明の便宜のために完成したストラップ9として示されているが、溶融動作が終了する以前はストラップ9は未だ形成されていない。ストラップ9の輪郭は、溶融鉛溜まり部3の内側面の形状とほぼ重なるので、各スリット2を貫通する各耳部1を囲む溶融鉛溜まり部3の上方で、各耳部1に対してどのような位置関係でトーチが移動するかを表す。
図1には、ストラップ9の上方における平面上のトーチの移動経路10が一点鎖線で示されている。トーチの移動経路10は始点10sから終点10eまでが示されているが、始点10sに達するまで、及び/又は終点10eに達した後に、トーチを他の経路(例えばベース5と足し鉛部品8との境界)に移動させつつ溶融動作を行うこともできる。
トーチの移動経路10は、まずX方向右端の耳部1のY方向下端近くの始点10sから、耳部1の溶接方向としてトーチをX方向にウィービングさせながら、耳部1のY方向の上端を超えた点まで、Y方向に移動させる。これにより、Y方向右端の耳部1の一部とベース5の一部と足し鉛部品8の一部が溶融する。
図1の第1の実施の形態におけるウィービングのウィービング幅は、隣り合う他の耳部1を溶融しないように、耳部1の幅とほぼ同一になるように定められている。これにより耳部1に対する溶融過剰の発生を阻止することができる。溶融過剰が生じないようなウィービング幅は、ストラップの寸法及び溶融される鉛の量や、トーチの移動速度及び溶接電流、ウィービングの周期等に応じて決定される。
第1の実施の形態においては、ストラップ9の平均厚みは約8mm、ストラップ9の幅寸法は約30mmであり、約15mmの耳部1のY方向の寸法を十分カバーして溶融するために、トーチが始点10sからY方向に2秒間で20mm(60cm/minの速度で)移動する間に、5サイクルのウィービングがなされ、従ってウィービングの周波数は2.5Hzである。溶接電流は100Aに設定されている。この溶接条件であれば、耳部一つずつに対してトーチをウィービングさせながら溶融動作を行うので、一つの耳部を中心として溶融鉛溜まり部内に溶融鉛を順次溜めていくことができた。その結果、溶融不足による溶接不良が発生することを防止して、溶接不良のないストラップを形成することができた。溶融不良の発生の有無は、超音波探傷試験(非破壊試験)により確認した。なお、移動速度を速めたりウィービングの周波数を低くすると溶接電流は大きくなり、逆に移動速度を遅くしたりウィービングの周波数高くすると溶接電流は小さくなるように、最適の条件が決定される。
X方向右端の耳部1に対する溶融動作が終了した後は、トーチの移動経路10により示されるように、X方向右端の耳部1のY方向上端近くの点から、X方向右端から二番目の隣り合う耳部1のY方向下端近くのウィービングの中心となる位置にトーチを移動させる。この間、トーチはプラズマアークの噴射を一時停止し、又はトーチの移動速度を速くして、溶融過剰が生じないようにしてもよい。続いて、トーチの移動経路10に示すように、二番目の耳部1のY方向の下端近くから上端近くまで、ウィービングさせつつトーチを移動させて、二番目の耳部1の一部とベース5の一部と足し鉛部品8の一部を溶融させる溶融動作を実施する。トーチの重量は極板群に比較して軽いため、極板群を移動させるよりもトーチを移動させる方が、溶接のための設備が簡易になる。
上記のようなトーチのウィービングを伴う溶融動作を各耳部1の一つずつに対して行うと、各耳部1を中心として溶融鉛溜まり部3内に溶融鉛を順次溜めていくことができる。トーチが最終的にX方向左端の耳部1のY方向上端近くの終点10eに達すると、ストラップが完成する。
以上のように第1の実施の形態の鉛蓄電池のストラップ形成方法によると、耳部1一つずつに対してトーチをウィービングさせながら溶融動作を行った結果、溶融不足による溶接不良が発生することを防止して、溶接不良のないストラップを形成することができる。
第1の実施の形態のストラップ形成方法は、トーチの個数や溶融電流や移動速度を調整することにより、寸法や容量の異なる広い範囲の鉛蓄電池に適用できることは明らかであり、例えばストラップが長く、溶融動作を行うべき耳部が20を超えるような場合には、溶融鉛溜まり部内を2以上の区分に分け、2以上のトーチを用意して、2以上のトーチで2以上の区分において、それぞれ10ずつの耳部に対し溶融動作を実施すると、短い時間でストラップを形成できる。
ちなみにストラップの平均厚み、幅寸法、ウィービングの周波数、トーチの移動速度、溶接電流を変えてストラップ溶接を行って良好な溶接結果を得られる範囲を確認した。下記の表は、その結果を示している。なお下記の溶接結果は、上記の一例の条件における溶融不良の確認の方法と同じ方法により行った「良」は、溶融不良が存在しなかったことを意味している。下記の表1の条件を外れると、溶融不良に基づく溶接不良が発生する可能性が高くなることも確認した。下記の条件を変えた実施例からは、ストラップの平均厚みが、6〜10mmの範囲の値であり、ストラップの幅寸法が25〜30mmの範囲の値であるときには、ウィービングの周波数が3±1Hzであり、前記トーチがY方向に移動しているときの移動速度が60乃至190cm/minの範囲内の速度であり、溶接電流が75A〜185Aの範囲内の値であるのが好ましいことが確認できた。
Figure 2018092609
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施の形態の鉛蓄電池のストラップ形成方法が適用される前の各部材の配置を示す図2と同様の図であり、図2で示した部材と同様の機能を有する部材には同じ符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
図3においては、溶融鉛溜まり部3内には、複数(7つ)の耳部1がそれぞれ貫通するように、耳部1と同じ数(7つ)、同じ間隔であって、耳部1の平面視の寸法よりやや大きい平面視の寸法である貫通孔14を有するベース13に極柱12を備えた極柱鉛部品11を配置している。そして、図1に示し、上述したようなトーチのウィービングを伴う溶融動作を実施すると、足し鉛部品を用いない場合でも、第1の実施の形態と同様に、1つの耳部1を中心として溶融鉛溜まり部3内に溶融鉛を順次溜めていくことができる。その結果、溶融不足による溶接不良の発生を防止して、溶接不良のないストラップを形成することができる。
その他の作用効果や変形・改良等に関しても、第1の実施の形態と同様である。また溶接条件に関しては、上記表1の溶接条件と同じ条件で、好ましい結果が得られることを確認した。
本発明の鉛蓄電池のストラップ形成方法によると、プラズマ溶接装置を用いて鉛蓄電池のストラップを形成する際に溶接不良が発生することを防止できる。
1 耳部
2 スリット
3 溶融鉛溜まり部
4 治具
5 ベース
6 極柱
7 極柱鉛部品
8 足し鉛部品
9 ストラップ
10 トーチの移動経路
11 極柱鉛部品
12 極柱
13 ベース
14 貫通孔
本発明は、鉛蓄電池のストラップ形成方法に関するものである。
特許第4622321号公報(特許文献1)には、極柱部品と耳部と鉛部品とをプラズマ溶接装置のトーチからプラズマアークを噴射して溶融させ、複数の極板の耳部をつなぐストラップを形成する鉛蓄電池の製造方法の一例が開示されている。この方法においては、プラズマ溶接装置のトーチからプラズマアークを溶融鉛溜まりに噴射する回数を増やして、ストラップを形成するのと同時に極柱をストラップと一体化している。
特許第4622321号公報
特許文献1に記載の方法は、ストラップを形成する際に、有効な方法である。しかしながら鉛蓄電池の容量が大きくなってくると、ストラップの形状が大きくなるだけでなく、また極柱の熱容量も大きくなる。そのため溶融不足等の溶接不良が発生しやすくなる問題がある。
本発明の目的は、プラズマ溶接装置を用いて鉛蓄電池のストラップを形成する際に溶接不良が発生することを防止できる鉛蓄電池のストラップ形成方法を提供することにある。
本願第1の発明の鉛蓄電池のストラップ形成方法では、まず耳部を備えた複数の電極板をセパレータを介して積層して形成した極板群を用意する。次に、複数の耳部がそれぞれ貫通する複数のスリットを備え且つ複数のスリットを全体的に囲む溶融鉛溜まり部を備えた治具を、極板群の複数の耳部が複数のスリットを貫通するように極板群上に配置する。次に溶融鉛溜まり部内に、複数の耳部に沿ってベースに極柱を備えた極柱鉛部品を配置し且つ複数の耳部の上に1以上の足し鉛部品を配置する。そして極柱鉛部品のベースの一部と1以上の足し鉛部品にプラズマ溶接用のトーチからプラズマアークを噴射して、極柱鉛部品のベースの一部と足し鉛部品と複数の耳部の一部とを溶融させて得た溶融鉛を、溶融鉛溜まり部に溜めて、極柱と一体化されたストラップを形成する。
本発明では、複数のスリットが並ぶ方向をX方向、極柱が延びる方向をZ方向、X方向とZ方向と直交する方向をY方向と定義したときに、スリットに挿入された1つの耳部を中心にし且つY方向を1つの耳部の溶接方向としてトーチをX方向にウィービングさせながらY方向に移動させることにより、1つの耳部の一部とベースの一部と足し鉛部品の一部を溶融させる溶融動作を、複数の耳部のすべてに対して行ってストラップを形成する。本願明細書において、ウィービングとは、トーチをX方向に揺動させることを意味する。本発明のように、耳部一つずつに対してトーチをウィービングさせながら溶融動作を行うと、一つの耳部を中心として溶融鉛溜まり部内に溶融鉛を順次溜めていくことができる。その結果、溶融不足による溶接不良が発生することを防止して、溶接不良のないストラップを形成することができる。
ウィービングのウィービング幅は、隣り合う他の耳部を溶融しないように定められているのが好ましい。このようにすると耳部に対する溶融過剰の発生を阻止することができる。
1つの耳部について溶融動作が終了した後は、隣の他の1つの耳部がウィービングの中心となる位置にトーチを移動させて、他の1つの耳部の一部とベースの一部と足し鉛部品の一部を溶融させる溶融動作を実施する。トーチの重量は軽いため、トーチを移動させるほうが、溶接のための設備が簡易になる。
溶融鉛溜まり部内を2以上の区分に分け、2以上のトーチを用意して、2以上のトーチで2以上の区分において、それぞれ溶融動作を実施すると、ストラップが長い場合において、短い時間でストラップを形成できる。
ストラップの平均厚みが、6〜10mmの範囲の値であり、ストラップの幅寸法が25〜30mmの範囲の値であ、ウィービングの周波数が3±1Hzであり、前記トーチがY方向に移動しているときの移動速度が60乃至190cm/minの範囲内の速度であり、溶接電流が75A〜185Aの範囲内の値であるのが好ましい。この場合において、移動速度が速くなると溶接電流を大きしく、移動速度が遅くなると溶接電流を小さくする。
本願第2の発明では、耳部を備えた複数の電極板をセパレータを介して積層して極板群を用意し、複数の耳部がそれぞれ貫通する複数のスリットを備え且つ複数のスリットを全体的に囲む溶融鉛溜まり部を備えた治具を、極板群の複数の耳部が複数のスリットを貫通するように極板群上に配置する。そして溶融鉛溜まり部内に、複数の耳部がそれぞれ貫通する複数の貫通孔を有するベースに極柱を備えた極柱鉛部品を配置し、複数の耳部の一部と、極柱鉛部品のベースの一部にプラズマ溶接用のトーチからプラズマアークを噴射して、複数の耳部の一部と極柱鉛部品のベースの一部とを溶融させて得た溶融鉛を、溶融鉛溜まり部に溜めて、極柱と一体化されたストラップを形成する。複数の貫通孔のそれぞれは極柱鉛部品のベースをZ方向に貫通し且つY方向に延びる形状を有している。そして貫通孔に挿入された1つの耳部を中心にし且つY方向を1つの耳部の溶接方向としてトーチをX方向にウィービングさせながらY方向に移動させることにより、1つの耳部の一部とベースの一部を溶融させる溶融動作を、複数の耳部のすべてに対して行ってストラップを形成する。本発明のように、足し鉛部品を用いない場合でも、耳部一つずつに対してトーチをウィービングさせながら溶融動作を行うと、一つの耳部を中心として溶融鉛溜まり部内に溶融鉛を順次溜めていくことができる。その結果、溶融不足による溶接不良が発生することを防止して、溶接不良のないストラップを形成することができる。
ウィービングのウィービング幅は、隣り合う他の耳部を溶融しないように定められているのが好ましい。このようにすると耳部の溶融過剰が発生することがない。
また1つの耳部について溶融動作が終了した後、隣の他の1つの耳部がウィービングの中心となる位置にトーチを移動させて、他の1つの耳部とベースの一部とを溶融させる溶融動作を実施するのが好ましい。
極柱鉛部品のベースを2以上の区分に分け、2以上のトーチを用意して、2以上のトーチで2以上の区分において、それぞれ溶融動作を実施すると、ストラップが長くなった場合でも、短い時間でストラップを形成できる。
第2の発明でも、ストラップの平均厚みが、6〜10mmの範囲の値であり、前記ストラップの幅寸法が25〜30mmの範囲の値であ、ウィービングの周波数が3±1Hzであり、トーチが方向に移動しているときの移動速度が60乃至190cm/minの範囲内の速度であり、溶接電流が75A〜185Aの範囲内の値であるのが好ましい。このとき移動速度が速くなると溶接電流を大きくし、移動速度が遅くなると溶接電流を小さくする。
本発明の鉛蓄電池のストラップ形成方法の第1及び第2の実施の形態におけるプラズマ溶接装置のトーチの移動経路を示す平面図である。 第1の実施の形態のストラップ形成方法が適用される前の各部材の配置を示す斜視図である。 第2の実施の形態のストラップ形成方法が適用される前の各部材の配置を示す斜視図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る溶接用マスク装置の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示すような本発明の第1の実施の形態の鉛蓄電池のストラップ形成方法が適用される鉛蓄電池は、複数の電極板がセパレータを介して積層された極板群が電槽内に電解液と共に収納されてなる。各電極板には鉛製の耳部が備えられており、各耳部を接続したストラップにより集電し、ストラップに設けられた極柱を通じて充放電を行う。
第1の実施の形態の鉛蓄電池のストラップ形成方法は、このような鉛蓄電池を製造する工程中、それぞれ耳部を備えた複数の電極板をセパレータを介して積層して形成した極板群を用意した後、各耳部を相互に接続してストラップを形成するときに実行される。
図2に示すように、複数の電極板(図示していない)にそれぞれ備えられた複数(第1の実施の形態では7つ)の耳部1がそれぞれ貫通する複数(耳部1と同数の7つ)のスリット2を備え、且つ複数のスリット2を全体的に囲む溶融鉛溜まり部3を備えた治具4を、極板群の複数の耳部1がそれぞれ複数のスリット2を貫通して溶融鉛溜まり部3内に突出するように、耳部1を上方に向かって延ばした姿勢の極板群の上に配置する。
次に溶融鉛溜まり部3内に、複数の耳部1に沿ってベース5に極柱6を備えた極柱鉛部品7を配置し、且つ複数の耳部1の上に足し鉛部品8を配置する。足し鉛部品8は、長手方向と直交する方向の断面形状がE字形状をなしている。このような断面形状を有する足し鉛部品8を用いると、溶融鉛が耳部1の周囲に回り込み易くなる。なお足し鉛部品8の形状は限定されるものではなく、例えば長手方向と直交する方向の断面形状がコまたはU字状を呈するものでもよい。
次に極柱鉛部品7のベース5の一部と足し鉛部品8にプラズマ溶接装置のトーチからプラズマアークを噴射して、極柱鉛部品7のベース5の一部と足し鉛部品8と複数の耳部1の一部とを溶融させて得た溶融鉛を、溶融鉛溜まり部3に溜めて、極柱6と一体化されたストラップ9を形成する。なお極柱鉛部品7、足し鉛部品8及び耳部1は、いずれも鉛又は鉛合金製である。
各図において、複数のスリット2が並ぶ方向をX方向、極柱6が延びる方向をZ方向、X方向とZ方向と直交する方向をY方向と定義したときに、スリット2に挿入された1つの耳部1を中心にし且つY方向を1つの耳部1の溶接方向としてプラズマアークを下方に向けて噴射するトーチをX方向にウィービングさせながらY方向に移動させることにより、1つの耳部1の一部とベース5の一部と足し鉛部品8の一部を溶融させる溶融動作を、複数の耳部1のすべてに対して行ってストラップ9を形成する。ここでウィービングとは、トーチをX方向に揺動させることを意味する。
このウィービングを伴う溶融動作を図1を参照しつつ説明する。なお、図1には説明の便宜のために完成したストラップ9として示されているが、溶融動作が終了する以前はストラップ9は未だ形成されていない。ストラップ9の輪郭は、溶融鉛溜まり部3の内側面の形状とほぼ重なるので、各スリット2を貫通する各耳部1を囲む溶融鉛溜まり部3の上方で、各耳部1に対してどのような位置関係でトーチが移動するかを表す。
図1には、ストラップ9の上方における平面上のトーチの移動経路10が一点鎖線で示されている。トーチの移動経路10は始点10sから終点10eまでが示されているが、始点10sに達するまで、及び/又は終点10eに達した後に、トーチを他の経路(例えばベース5と足し鉛部品8との境界)に移動させつつ溶融動作を行うこともできる。
トーチの移動経路10は、まずX方向右端の耳部1のY方向下端近くの始点10sから、耳部1の溶接方向としてトーチをX方向にウィービングさせながら、耳部1のY方向の上端を超えた点まで、Y方向に移動させる。これにより、Y方向右端の耳部1の一部とベース5の一部と足し鉛部品8の一部が溶融する。
図1の第1の実施の形態におけるウィービングのウィービング幅は、隣り合う他の耳部1を溶融しないように、耳部1の幅とほぼ同一になるように定められている。これにより耳部1に対する溶融過剰の発生を阻止することができる。溶融過剰が生じないようなウィービング幅は、ストラップの寸法及び溶融される鉛の量や、トーチの移動速度及び溶接電流、ウィービングの周期等に応じて決定される。
第1の実施の形態においては、ストラップ9の平均厚みは約8mm、ストラップ9の幅寸法は約30mmであり、約15mmの耳部1のY方向の寸法を十分カバーして溶融するために、トーチが始点10sからY方向に2秒間で20mm(60cm/minの速度で)移動する間に、5サイクルのウィービングがなされ、従ってウィービングの周波数は2.5Hzである。溶接電流は100Aに設定されている。この溶接条件であれば、耳部一つずつに対してトーチをウィービングさせながら溶融動作を行うので、一つの耳部を中心として溶融鉛溜まり部内に溶融鉛を順次溜めていくことができた。その結果、溶融不足による溶接不良が発生することを防止して、溶接不良のないストラップを形成することができた。溶融不良の発生の有無は、超音波探傷試験(非破壊試験)により確認した。なお、移動速度を速めたりウィービングの周波数を低くすると溶接電流は大きくなり、逆に移動速度を遅くしたりウィービングの周波数高くすると溶接電流は小さくなるように、最適の条件が決定される。
X方向右端の耳部1に対する溶融動作が終了した後は、トーチの移動経路10により示されるように、X方向右端の耳部1のY方向上端近くの点から、X方向右端から二番目の隣り合う耳部1のY方向下端近くのウィービングの中心となる位置にトーチを移動させる。この間、トーチはプラズマアークの噴射を一時停止し、又はトーチの移動速度を速くして、溶融過剰が生じないようにしてもよい。続いて、トーチの移動経路10に示すように、二番目の耳部1のY方向の下端近くから上端近くまで、ウィービングさせつつトーチを移動させて、二番目の耳部1の一部とベース5の一部と足し鉛部品8の一部を溶融させる溶融動作を実施する。トーチの重量は極板群に比較して軽いため、極板群を移動させるよりもトーチを移動させる方が、溶接のための設備が簡易になる。
上記のようなトーチのウィービングを伴う溶融動作を各耳部1の一つずつに対して行うと、各耳部1を中心として溶融鉛溜まり部3内に溶融鉛を順次溜めていくことができる。トーチが最終的にX方向左端の耳部1のY方向上端近くの終点10eに達すると、ストラップが完成する。
以上のように第1の実施の形態の鉛蓄電池のストラップ形成方法によると、耳部1一つずつに対してトーチをウィービングさせながら溶融動作を行った結果、溶融不足による溶接不良が発生することを防止して、溶接不良のないストラップを形成することができる。
第1の実施の形態のストラップ形成方法は、トーチの個数や溶融電流や移動速度を調整することにより、寸法や容量の異なる広い範囲の鉛蓄電池に適用できることは明らかであり、例えばストラップが長く、溶融動作を行うべき耳部が20を超えるような場合には、溶融鉛溜まり部内を2以上の区分に分け、2以上のトーチを用意して、2以上のトーチで2以上の区分において、それぞれ10ずつの耳部に対し溶融動作を実施すると、短い時間でストラップを形成できる。
ちなみにストラップの平均厚み、幅寸法、ウィービングの周波数、トーチの移動速度、溶接電流を変えてストラップ溶接を行って良好な溶接結果を得られる範囲を確認した。下記の表は、その結果を示している。なお下記の溶接結果は、上記の一例の条件における溶融不良の確認の方法と同じ方法により行った「良」は、溶融不良が存在しなかったことを意味している。下記の表1の条件を外れると、溶融不良に基づく溶接不良が発生する可能性が高くなることも確認した。下記の条件を変えた実施例からは、ストラップの平均厚みが、6〜10mmの範囲の値であり、ストラップの幅寸法が25〜30mmの範囲の値であるときには、ウィービングの周波数が3±1Hzであり、前記トーチがY方向に移動しているときの移動速度が60乃至190cm/minの範囲内の速度であり、溶接電流が75A〜185Aの範囲内の値であるのが好ましいことが確認できた。
Figure 2018092609
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施の形態の鉛蓄電池のストラップ形成方法が適用される前の各部材の配置を示す図2と同様の図であり、図2で示した部材と同様の機能を有する部材には同じ符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
図3においては、溶融鉛溜まり部3内には、複数(7つ)の耳部1がそれぞれ貫通するように、耳部1と同じ数(7つ)、同じ間隔であって、耳部1の平面視の寸法よりやや大きい平面視の寸法である貫通孔14を有するベース13に極柱12を備えた極柱鉛部品11を配置している。そして、図1に示し、上述したようなトーチのウィービングを伴う溶融動作を実施すると、足し鉛部品を用いない場合でも、第1の実施の形態と同様に、1つの耳部1を中心として溶融鉛溜まり部3内に溶融鉛を順次溜めていくことができる。その結果、溶融不足による溶接不良の発生を防止して、溶接不良のないストラップを形成することができる。
その他の作用効果や変形・改良等に関しても、第1の実施の形態と同様である。また溶接条件に関しては、上記表1の溶接条件と同じ条件で、好ましい結果が得られることを確認した。
本発明の鉛蓄電池のストラップ形成方法によると、プラズマ溶接装置を用いて鉛蓄電池のストラップを形成する際に溶接不良が発生することを防止できる。
1 耳部
2 スリット
3 溶融鉛溜まり部
4 治具
5 ベース
6 極柱
7 極柱鉛部品
8 足し鉛部品
9 ストラップ
10 トーチの移動経路
11 極柱鉛部品
12 極柱
13 ベース
14 貫通孔

Claims (10)

  1. 耳部を備えた複数の電極板をセパレータを介して積層して極板群を形成し、
    複数の耳部がそれぞれ貫通する複数のスリットを備え且つ前記複数のスリットを全体的に囲む溶融鉛溜まり部を備えた治具を、前記極板群の前記複数の耳部が前記複数のスリットを貫通するように前記極板群上に配置し、
    前記溶融鉛溜まり部内に、前記複数の耳部がそれぞれ貫通する複数の貫通孔を有するベースに極柱を備えた極柱鉛部品を配置し、
    前記複数の耳部の一部と、前記極柱鉛部品の前記ベースの一部にプラズマ溶接用のトーチからプラズマアークを噴射して、前記複数の耳部の一部と前記極柱鉛部品の前記ベースの一部とを溶融させて得た溶融鉛を、前記溶融鉛溜まり部に溜めて、前記極柱と一体化されたストラップを形成する鉛蓄電池のストラップ形成方法であって、
    前記複数のスリットが並ぶ方向をX方向、前記極柱が延びる方向をZ方向、前記X方向と前記Z方向と直交する方向をY方向と定義したときに、
    前記複数の貫通孔のそれぞれは前記極柱鉛部品の前記ベースを前記Z方向に貫通し且つ前記Y方向に延びる形状を有しており、
    前記貫通孔に挿入された1つの前記耳部を中心にし且つ前記Y方向を前記1つの耳部の溶接方向として前記トーチを前記X方向にウィービングさせることにより、前記1つの耳部の一部と前記ベースの一部を溶融させる溶融動作を、前記複数の耳部のすべて対して行って前記ストラップを形成することを特徴とする鉛蓄電池のストラップ形成方法。
  2. 前記ウィービングのウィービング幅は、隣り合う他の耳部を溶融しないように定められている請求項1に記載の鉛蓄電池のストラップ形成方法。
  3. 1つの前記耳部について前記溶融動作が終了した後、隣の他の1つの前記耳部が前記ウィービングの中心となる位置に前記トーチを移動させて、前記他の1つの耳部と前記ベースの一部とを溶融させる前記溶融動作を実施する請求項2に記載のストラップ形成方法。
  4. 前記極柱鉛部品の前記ベースを2以上の区分に分け、2以上の前記トーチを用意して、前記2以上のトーチで前記2以上の区分において、それぞれ前記溶融動作を実施する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鉛蓄電池のストラップ形成方法。
  5. 前記ストラップの平均厚みが、6〜10mmの範囲の値であり、前記ストラップの幅寸法が25〜30mmの範囲の値であるときに、前記ウィービングの周波数が3±1Hzであり、前記トーチが前記Y方向に移動しているときの移動速度が60乃至190cm/minの範囲内の速度であり、溶接電流が75A〜185Aの範囲内の値であり、前記移動速度が速くなると前記溶接電流が小さくなり、前記移動速度が遅くなると前記溶接電流が小さくなる請求項1に記載の鉛蓄電池のストラップ形成方法。
  6. 耳部を備えた複数の電極板をセパレータを介して積層して極板群を形成し、
    複数の耳部がそれぞれ貫通する複数のスリットを備え且つ前記複数のスリットを全体的に囲む溶融鉛溜まり部を備えた治具を、前記極板群の前記複数の耳部が前記複数のスリットを貫通するように前記極板群上に配置し、
    前記溶融鉛溜まり部内に、前記複数の耳部に沿ってベースに極柱を備えた極柱鉛部品を配置し且つ前記複数の耳部の上に1以上の足し鉛部品を配置し、
    前記極柱鉛部品の前記ベースの一部と前記1以上の足し鉛部品にプラズマ溶接用のトーチからプラズマアークを噴射して、前記極柱鉛部品の前記ベースの一部と前記足し鉛部品と前記複数の耳部の一部とを溶融させて得た溶融鉛を、前記溶融鉛溜まり部に溜めて、前記極柱と一体化されたストラップを形成する鉛蓄電池のストラップ形成方法であって、
    前記複数のスリットが並ぶ方向をX方向、前記極柱が延びる方向をZ方向、前記X方向と前記Z方向と直交する方向をY方向と定義したときに、
    前記スリットに挿入された1つの前記耳部を中心にし且つ前記Y方向を前記1つの耳部の溶接方向として前記トーチを前記X方向にウィービングさせることにより、前記1つの耳部の一部と前記ベースの一部と前記足し鉛部品の一部を溶融させる溶融動作を、前記複数の耳部のすべて対して行って前記ストラップを形成することを特徴とする鉛蓄電池のストラップ形成方法。
  7. 前記ウィービングのウィービング幅は、隣り合う他の耳部を溶融しないように定められている請求項6に記載の鉛蓄電池のストラップ形成方法。
  8. 1つの前記耳部について前記溶融動作が終了した後、隣の他の1つの前記耳部が前記ウィービングの中心となる位置に前記トーチを移動させて、前記他の1つの耳部の一部と前記ベースの一部と前記足し鉛部品の一部を溶融させる前記溶融動作を実施する請求項7に記載のストラップ形成方法。
  9. 前記溶融鉛溜まり部内を2以上の区分に分け、2以上の前記トーチを用意して、前記2以上のトーチで前記2以上の区分において、それぞれ前記溶融動作を実施する請求項6乃至8のいずれか1項に記載の鉛蓄電池のストラップ形成方法。
  10. 前記ストラップの平均厚みが、6〜10mmの範囲の値であり、前記ストラップの幅寸法が25〜30mmの範囲の値であるときに、前記ウィービングの周波数が3±1Hzであり、前記トーチが前記X方向に移動しているときの移動速度が60乃至190cm/minの範囲内の速度であり、溶接電流が75A〜185Aの範囲内の値であり、前記移動速度が速くなると前記溶接電流が小さくなり、前記移動速度が遅くなると前記溶接電流が小さくなる請求項6に記載の鉛蓄電池のストラップ形成方法。
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