JPWO2018070208A1 - 接続構造体、回路接続部材及び接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、第1の回路電極を有する第1の回路部材と、第2の回路電極を有する第2の回路部材と、第1の回路部材及び第2の回路部材の間に設けられ、第1の回路電極及び第2の回路電極を互いに電気的に接続する回路接続部材と、を備え、回路接続部材の温度tにおける線熱膨張量L(t)が、t=30℃〜12℃の少なくともいずれかにおいてdL(t)/dt<0の条件を満たす、接続構造体を提供する。

Description

本発明は、接続構造体、回路接続部材及び接着剤組成物に関する。
従来、半導体素子及びディスプレイ素子において、素子中の種々の回路部材同士を結合させる目的で種々の接着剤が使用されている。接着剤に対しては、接着性に加えて、耐熱性、高温高湿状態における信頼性等の多岐にわたる特性が要求されている。また、回路部材には、例えば、プリント配線板、ポリイミド等の有機基材、又はチタン、銅、アルミニウム等の金属、ITO、IZO、IGZO、SiN、SiOなどの多種多様な表面状態を有する部材が用いられるため、接着剤に用いられる材料は、回路部材に応じて分子設計される必要である。
最近では、半導体素子及びディスプレイ素子の製造工程の簡素化、低温化等の目的で、回路部材において、非結晶(アモルファス)ITO膜、有機絶縁膜等を使用することも増えてきている。これらの膜表面は、表面凹凸が少ないといった物理的な観点、又は表面の濡れ性が低いといった化学的な観点において、接着に不利である場合が多い。
一方、接着剤を硬化して得られる回路接続部材と回路部材との間の接着を強固にするために、回路接続部材と回路部材表面との間に、共有結合、水素結合、ファンデルワールス力による疎水性相互作用等の相互作用を生じさせるようなカップリング剤等の添加剤を接着剤に添加する場合がある。カップリング剤としては、シランカップリング剤、リン酸基、カルボキシル基等を有するカップリング剤などが用いられる。例えば、回路接続部材を構成する樹脂中にエポキシ基、アクリロイル基、ビニル基等の有機官能基が存在し、かつ回路部材表面と回路接続部材との間の相互作用を生じさせるアルコキシシラン構造、リン酸基等を有するカップリング剤を用いた場合、回路部材と回路接続部材とを更に強固に接着することが可能となる(特許文献1〜3参照)。
特開2003−282637号公報 特開2003−277694号公報 特開2013−191625号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、上述のような添加剤を利用した場合、高温高湿環境下では、回路部材の種類によっては回路接続部材と回路部材との間の相互作用が有効に機能せず、回路接続部材が回路部材から剥離してしまうという問題がある。
そこで、本発明は、高温高湿環境下においても、回路接続部材が回路部材から剥離することを抑制できる接続構造体、並びに該接続構造体に用いられる回路接続部材及び接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は、一態様において、第1の回路電極を有する第1の回路部材と、第2の回路電極を有する第2の回路部材と、第1の回路部材及び第2の回路部材の間に設けられ、第1の回路電極及び第2の回路電極を互いに電気的に接続する回路接続部材と、を備え、回路接続部材の温度tにおける線熱膨張量L(t)が、t=30℃〜120℃の少なくともいずれかの温度tにおいてdL(t)/dt<0の条件を満たす、接続構造体を提供する。
本発明は、他の一態様において、回路接続部材であって、回路接続部材の温度tにおける線熱膨張量L(t)が、t=30℃〜120℃の少なくともいずれかの温度tにおいてdL(t)/dt<0の条件を満たす、回路接続部材を提供する。
上記回路接続部材の30℃〜120℃における平均線熱膨張係数は、好ましくは500ppm/℃以下である。
本発明は、他の一態様において、接着剤組成物であって、接着剤組成物の硬化物の温度tにおける線熱膨張量l(t)が、t=30℃〜120℃の少なくともいずれかの温度tにおいてdl(t)/dt<0の条件を満たす、接着剤組成物を提供する。
上記硬化物の30℃〜120℃における平均線熱膨張係数は、好ましくは500ppm/℃以下である。
本発明によれば、高温高湿環境下においても、回路接続部材が回路部材から剥離することを抑制できる接続構造体、並びに該接続構造体に用いられる回路接続部材及び接着剤組成物を提供することができる。
接続構造体の一実施形態を示す模式断面図である。 温度と線熱膨張量との関係の一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレート等の他の類似表現についても同様である。
図1は、接続構造体の一実施形態を示す模式断面図である。図1に示すように、接続構造体1は、第1の回路部材2と、第2の回路部材3と、第1の回路部材2及び第2の回路部材3の間に設けられた回路接続部材4とを備えている。
第1の回路部材2は、第1の基板5と、第1の基板5の主面上に設けられた第1の回路電極6とを備えている。第2の回路部材3は、第2の基板7と、第2の基板7の主面上に設けられた第2の回路電極8とを備えている。
第1及び第2の回路部材2,3は、互いに同一であっても異なっていてもよく、半導体チップ、抵抗体チップ、コンデンサチップ等のチップ部品、プリント基板等の基板などであってよい。第1及び第2の基板5,7は、半導体、ガラス、セラミック等の無機物、ポリイミド、ポリカーボネート等の有機物、ガラス/エポキシ等の複合物などで形成されていてよい。第1及び第2の回路電極6,8は、金、銀、錫、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、結晶又は非結晶のインジウム錫酸化物(ITO)等で形成されていてよい。
これらの回路部材2,3の基板5,7上には、通常、多数の回路電極6,8が設けられている(場合によっては単数でもよい)。第1及び第2の回路部材2,3は、少なくとも一対の第1の回路電極6と第2の回路電極8とが互いに対向するように配置されている。
回路接続部材4は、接着剤成分の硬化物9と、接着剤成分の硬化物9中に分散した導電性粒子10とを含有している。回路接続部材4中の導電性粒子10が互いに対向する第1の回路電極6と第2の回路電極8との間に介在することにより、当該第1の回路電極6と第2の回路電極8とが互いに電気的に接続されている。
回路接続部材4は、回路部材2,3及び回路電極6,8からの回路接続部材4の剥離を抑制する観点から、回路接続部材4の温度t℃における線熱膨張量をL(t)μmが、t=30℃〜120℃の少なくともいずれかの温度tにおいてdL(t)/dt<0の条件を満たすような回路接続部材である。
回路接続部材4の線熱膨張量L(t)は、熱機械分析装置を用いて、試料の長さ10mm、幅4mm及び厚み0.1mm、荷重5gf(断面積0.4mmあたり)、昇温速度5℃/分の条件で、温度t=0℃〜200℃において0.1℃ごとに、温度t=0℃における線熱膨張量L(0)=0μmとしたときの温度t℃における線熱膨張量(μm)として測定される。ここでの線熱膨張量は、試料の長さ方向の線熱膨張量を意味する。
回路接続部材4の線熱膨張量L(t)は、回路部材2,3及び回路電極6,8からの回路接続部材4の剥離を抑制する観点から、t=30℃〜120℃の少なくともいずれかの温度tにおいて、dL(t)/dt<0の条件を満たし、好ましくはdL(t)/dt≦−0.01、より好ましくはdL(t)/dt≦−0.1、更に好ましくはdL(t)/dt≦−0.5の条件を満たす。
回路接続部材4の線熱膨張量L(t)は、回路部材2,3及び回路電極6,8からの回路接続部材4の剥離を抑制する観点から、好ましくはt=30℃〜100℃、より好ましくはt=30℃〜90℃、更に好ましくはt=30℃〜80℃の少なくともいずれかの温度tにおいて、上記のdL(t)/dtの条件を満たす。
回路接続部材4の30℃〜120℃における平均線熱膨張係数は、回路部材2,3及び回路電極6,8からの回路接続部材4の剥離を抑制する観点から、好ましくは500ppm/℃以下、より好ましくは250ppm/℃以下、更に好ましくは150ppm/℃以下である。
回路接続部材4の線熱膨張係数(ppm/℃)は、温度上昇1℃あたりの、回路接続部材4の長さ1mにおける線熱膨張量(μm)として定義される。回路接続部材4の30℃〜120℃における平均線熱膨張係数αは、上述の方法に従って測定された回路接続部材4のt=30℃〜120℃における線熱膨張量L(t)[単位:μm/10mm]の変化量を回路接続部材4の長さ1mにおける線熱膨張量(μm)に換算し、その換算値から温度上昇1℃あたりの平均値として(すなわち下記式に従って)算出される。
α={L(t=120℃)−L(t=30℃)}×100/(120−30)
回路接続部材4を構成する接着剤成分の硬化物9及び導電性粒子10は、回路接続部材4が上記の特性を有するように選ばれる。回路接続部材4は、例えば接着剤成分及び導電性粒子10を含有する接着剤組成物を硬化させて得られる。かかる接着剤組成物は、回路部材2,3及び回路電極6,8からの回路接続部材4の剥離を抑制する観点から、好ましくは、接着剤組成物の硬化物の温度tにおける線熱膨張量l(t)が、t=30℃〜120℃の少なくともいずれかの温度tにおいてdl(t)/dt<0の条件を満たすような接着剤組成物である。接着剤組成物の硬化物は、例えば、接着剤組成物を厚み100±20μmのフィルム状接着剤に成形し、該フィルム状接着剤を180℃で1時間加熱することにより硬化させた硬化物であってよい。
接着剤組成物の硬化物の線熱膨張量l(t)は、熱機械分析装置を用いて、試料の長さ10mm、幅4mm及び厚み0.1mm、荷重5gf(試料の断面積0.4mmあたり)、昇温速度5℃/分の条件で、温度t=0℃〜200℃において0.1℃ごとに、温度t=0℃における線熱膨張量l(0)=0μmとしたときの温度t℃における線熱膨張量(μm)として測定される。ここでの線熱膨張量は、試料の長さ方向の線熱膨張量を意味する。
接着剤組成物の硬化物の線熱膨張量l(t)は、回路部材2,3及び回路電極6,8からの接着剤組成物の硬化物(回路接続部材4)の剥離を抑制する観点から、t=30℃〜120℃の少なくともいずれかの温度tにおいて、dl(t)/dt≦−0.01、より好ましくはdl(t)/dt≦−0.1、更に好ましくはdl(t)/dt≦−0.5の条件を満たす。
接着剤組成物の硬化物の線熱膨張量l(t)は、回路部材2,3及び回路電極6,8からの接着剤組成物の硬化物(回路接続部材4)の剥離を抑制する観点から、好ましくはt=30℃〜100℃、より好ましくはt=30℃〜90℃、更に好ましくはt=30℃〜80℃の少なくともいずれかの温度tにおいて、上記のdl(t)/dtの条件を満たす。
接着剤組成物の硬化物の30℃〜120℃における平均線熱膨張係数は、回路部材2,3及び回路電極6,8からの接着剤組成物の硬化物(回路接続部材4)の剥離を抑制する観点から、好ましくは500ppm/℃以下、より好ましくは250ppm/℃以下、更に好ましくは150ppm/℃以下である。
接着剤組成物の硬化物の線熱膨張係数(ppm/℃)は、温度上昇1℃あたりの、接着剤組成物の硬化物の長さ1mにおける線熱膨張量(μm)として定義される。接着剤組成物の硬化物の30℃〜120℃における平均線熱膨張係数αは、上述の方法に従って測定された接着剤組成物の硬化物のt=30℃〜120℃における線熱膨張量l(t)[単位:μm/10mm]の変化量を接着剤組成物の硬化物の長さ1mにおける線熱膨張量(μm)に換算し、その換算値から温度上昇1℃あたりの平均値として(すなわち下記式に従って)算出される。
α={l(t=120℃)−l(t=30℃)}×100/(120−30)
このような特性を有する接着剤組成物は、例えば、互いに異なるガラス転移点(Tg)を有する2種以上の樹脂成分、互いに相分離を起こしやすい成分、配向しやすい骨格を有する成分、負の線熱膨張係数を有するフィラー成分等を含有する。互いに相分離を起こしやすい成分の組合せとしては、互いに分子量の差が大きい成分の組合せ、互いに極性の差が大きい成分の組合せ等が挙げられる。互いに相分離を起こしやすい成分の組合せは、具体的には、アクリル樹脂とエポキシ樹脂との組合せ、ウレタン樹脂とフェノキシ樹脂との組合せ、アクリルゴムとフェノキシ樹脂との組合せ、アクリルゴムとエポキシ樹脂との組合せ等であってよい。配向しやすい骨格を有する成分としては、アルキル鎖を含む成分、フェニル基を含む成分等が挙げられる。接着剤組成物が上記のような成分を含有することにより、得られる接着剤組成物の硬化物(回路接続部材4)では、温度上昇による微小な空隙の減少、分子鎖の再配向、フィラー成分の再配置等により、温度上昇に伴う収縮(体積現象)が発生していると本発明者らは考えている。
接着剤組成物は、一実施形態において、好ましくは、(a)熱可塑性樹脂(以下「(a)成分」ともいう)と、(b)ラジカル重合性化合物(以下「(b)成分」ともいう)と、(c)ラジカル重合開始剤(以下「(c)成分」ともいう)とを含有する。
(a)成分としては、特に制限されず、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂から選ばれる1種又は2種以上の樹脂が挙げられる。
接着剤組成物は、所望の線熱膨張量を有する接着剤組成物の硬化物(回路接続部材4)を得やすい観点から、好ましくは上記の熱可塑性樹脂の2種以上を含有し、より好ましくは互いにTgが異なる熱可塑性樹脂を2種以上含有する。好適な樹脂の組合せとしては、例えば、フェノキシ樹脂とポリ(メタ)アクリル樹脂との組合せ、フェノキシ樹脂とポリエステル樹脂との組合せ、フェノキシ樹脂とポリエステルウレタン樹脂との組合せ、及びフェノキシ樹脂とポリイミド樹脂との組合せが挙げられる。
接着剤組成物がTgの異なる2種以上の熱可塑性樹脂を含有する場合、より高いTgを有する熱可塑性樹脂とより低いTgを有する熱可塑性樹脂との含有量の比(質量比:高Tg/低Tg)は、所望の線熱膨張量を有する接着剤組成物の硬化物(回路接続部材4)を得やすい観点から、好ましくは90/10〜10/90、より好ましくは90/10〜20/80、更に好ましくは90/10〜30/70である。接着剤組成物がTgの異なる3種以上の熱可塑性樹脂を含有する場合は、接着剤組成物は、好ましくは、最も高いTgを有する熱可塑性樹脂と最も低いTgを有する熱可塑性樹脂との上記含有量の比が上記の比となるように含有する。
熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、好ましくは5000以上、より好ましくは10000以上であり、また、好ましくは400000以下、より好ましくは200000以下、更に好ましくは150000以下である。熱可塑性樹脂の重量平均分子量が5000以上であると、接着剤組成物の接着力が向上する傾向にある。熱可塑性樹脂の重量平均分子量が400000以下であると、他の成分との相溶性に優れ、接着剤の流動性が向上する傾向にある。本発明における重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定される重量平均分子量(標準ポリスチレン換算値)を意味する。
接着剤組成物は、応力緩和及び接着性の更なる向上の観点から、熱可塑性樹脂として、ゴム成分を含有していてもよい。ゴム成分は、例えば、シリコーンゴム、アクリルゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、カルボキシル基末端ポリブタジエンゴム、水酸基末端ポリブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、カルボキシル基末端1,2−ポリブタジエンゴム、水酸基末端1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水酸基末端スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、カルボキシル化ニトリルゴム、水酸基末端ポリ(オキシプロピレン)ゴム、アルコキシシリル基末端ポリ(オキシプロピレン)ゴム、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコールゴム、ポリオレフィングリコールゴム及びポリ−ε−カプロラクトンゴムが挙げられる。ゴム成分は、接着性の更なる向上の観点から、好ましくは、高極性基であるシアノ基又はカルボキシル基を側鎖基又は末端基として有する。これらのゴム成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ゴム成分は、粒子状をなしていてもよい。ゴム粒子の平均粒径は、好ましくは導電性粒子10の平均粒径の2倍以下であり、例えば0.01μm〜100μmである。ゴム粒子の室温(25℃)での貯蔵弾性率は、好ましくは導電性粒子10及び接着剤組成物の室温での貯蔵弾性率の1/2以下であり、例えば0.1MPa〜100MPaである。ゴム粒子は、耐溶剤性に優れ、接着剤組成物中に容易に分散される観点から、好ましくは3次元架橋したゴム粒子である。
(a)成分の含有量は、(a)成分及び(b)成分の合計量100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは35質量部以上であり、また、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは65質量部以下である。(a)成分の含有量が20質量部以上であると、接着力が更に向上し、また、接着剤組成物のフィルム形成性が向上する傾向にあり、80質量部以下であると、接着剤の流動性が向上する傾向にある。
(b)成分は、特に制限されず、例えば以下で説明する化合物(モノマー)であってよく、当該化合物のオリゴマーであってもよく、又は両者を含有していてもよい。
(b)成分は、好ましくは、2つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能の(メタ)アクリレート化合物である。このような(メタ)アクリレート化合物としては、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性2官能(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性3官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。エポキシ(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテルの2つのグリシジル基に(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテルの2つのグリシジル基にエチレングリコール及び/又はプロピレングリコールを付加させた化合物に(メタ)アクリロイルオキシ基を導入した化合物等が挙げられる。これらの(メタ)アクリレート化合物の中でも、ウレタン結合を有することにより更に良好な接着性が得られる観点から、ウレタン(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。これらの化合物は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。
接着剤組成物は、流動性の調節等の観点から、(b)成分として、単官能(メタ)アクリレート化合物を含有していてもよい。単官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、複数のグリシジル基を有するエポキシ樹脂のグリシジル基の一つを(メタ)アクリル酸を反応させることで得られるグリシジル基含有(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリロイルモルホリンが挙げられる。これらの化合物は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。
接着剤組成物は、架橋率の向上等の観点から、(b)成分として、アリル基、マレイミド基、ビニル基等のラジカル重合性の官能基を有する化合物を含有していてもよい。そのような化合物としては、例えば、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカプロラクタム、4,4’−ビニリデンビス(N,N−ジメチルアニリン)、N−ビニルアセトアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド及びN,N−ジエチルアクリルアミドが挙げられる。
接着剤組成物は、接着力の向上を目的として、(b)成分として、好ましくはリン酸エステル構造を有するラジカル重合性化合物を含有する。リン酸エステル構造を有するラジカル重合性化合物は、例えば、下記式(1)、(2)又は(3)で表される化合物であってよい。
Figure 2018070208
式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは(メタ)アクリロイルオキシ基を表し、a及びbはそれぞれ独立に1〜8の整数を表す。同一分子中の複数のR、R、a及びbは、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。
Figure 2018070208
式(2)中、Rは(メタ)アクリロイルオキシ基を表し、c及びdはそれぞれ独立に1〜8の整数を表す。同一分子中の複数のR、c及びdは、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。
Figure 2018070208
式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは(メタ)アクリロイルオキシ基を表し、e及びfはそれぞれ独立に1〜8の整数を示す。同一分子中の複数のR、R、e及びfは、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。
リン酸エステル構造を有するラジカル重合性化合物としては、例えば、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2,2’−ジ(メタ)アクリロイロキシジエチルホスフェート、EO(エチレンオキサイド)変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、リン酸変性エポキシ(メタ)アクリレート及びリン酸ビニルが挙げられる。
接着剤組成物における(b)成分の含有量は、(a)成分及び(b)成分の合計量100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは35質量部以上であり、また、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは65質量部以下である。(b)成分の含有量が20質量部以上であると、接着剤組成物の硬化物(回路接続部材4)の耐熱性が向上する傾向にあり、80質量部以下であると、高温高湿環境下での回路接続部材4の剥離を更に抑制できる傾向にある。
接着剤組成物が(b)成分としてリン酸エステル構造を有するラジカル重合性化合物を含有する場合、リン酸エステル構造を有するラジカル重合性化合物の含有量は、(a)成分及び(b)成分の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、また、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。リン酸エステル構造を有するラジカル重合性化合物の含有量が0.1質量部以上であると、接着剤組成物の接着強度が更に高くなる傾向があり、15質量部以下であると、接着剤組成物の硬化物(回路接続部材4)の物性低下が生じにくく、信頼性が向上する傾向にある。
(c)成分としては、例えば過酸化物及びアゾ化合物等の化合物から任意に選択することができる。(c)成分としては、安定性、反応性及び相溶性に優れる観点から、1分間半減期温度が90℃〜175℃であり、且つ分子量が180〜1000である過酸化物が好ましく用いられる。「1分間半減期温度」は、過酸化物の半減期が1分間である温度を意味する。「半減期」は、所定の温度において化合物の濃度が初期値の半分に減少するまでの時間をいう。
ラジカル重合開始剤は、例えば、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジラウロイルパーオキサイド、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−アミルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシネオデカノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、3−メチルベンゾイルパーオキサイド、4−メチルベンゾイルパーオキサイド、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(3−メチルベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジブチルパーオキシトリメチルアジペート、t−アミルパーオキシノルマルオクトエート、t−アミルパーオキシイソノナノエート及びt−アミルパーオキシベンゾエートから選ばれる1以上の化合物であってよい。
回路電極6,8の腐食を抑制する観点から、ラジカル重合開始剤中の塩素イオン又は有機酸の含有量が5000ppm以下であることが好ましく、また、分解後に発生する有機酸が少ないラジカル重合開始剤がより好ましく用いられる。接着剤組成物の安定性を向上させる観点から、室温(25℃)、大気圧下で24時間大気中に放置された後の質量保持率が20質量%以上であるラジカル重合開始剤が好ましく用いられる。
接着剤組成物における(c)成分の含有量は、(a)成分及び(b)成分の合計量100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2.5質量部以上であり、また、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
接着剤組成物は、他の実施形態において、好ましくは、(a)熱可塑性樹脂と、(d)エポキシ樹脂(以下、「(d)成分」)ともいう)と、(e)硬化剤(以下、「(e)成分」)ともいう)とを含有する。本実施形態における(a)成分は、上述の実施形態において説明した(a)成分と同じ成分である。
(d)エポキシ樹脂は、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する樹脂である。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂等が挙げられる。(d)エポキシ樹脂は、上記のエポキシ樹脂がハロゲン化されたハロゲン化エポキシ樹脂であってもよく、上記エポキシ樹脂に水素添加された水素添加エポキシ樹脂であってもよい。これらのエポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂及び水素添加エポキシ樹脂は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
接着剤組成物における(d)成分の含有量は、(a)成分及び(d)成分の合計量100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上であり、また、好ましくは90質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは70質量部以下である。(d)成分の含有量が10質量部以上であると、より良好な接着性が得られる傾向にあり、90質量部以下であると、べたつきが少なく、作業性が良好となる傾向にある。
(e)硬化剤(「エポキシ重合開始剤」又は「潜在型硬化剤」とも呼ばれる)は、(d)エポキシ樹脂を硬化させることができる硬化剤であればよい。硬化剤としては、アニオン重合性の触媒型硬化剤、カチオン重合性の触媒型硬化剤、重付加型の硬化剤等が挙げられる。これらは、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。(e)硬化剤は、速硬化性に優れ、化学当量的な考慮が不要である観点から、好ましくはアニオン重合性又はカチオン重合性の触媒型硬化剤である。
アニオン重合性又はカチオン重合性の触媒型硬化剤としては、イミダゾール系硬化剤、ヒドラジド系硬化剤、三フッ化ホウ素−アミン錯体、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩等のオニウム塩、アミンイミド、ジアミノマレオニトリル、メラミン及びその誘導体、ポリアミンの塩、ジシアンジアミドなどが挙げられ、これらの変成物を使用することもできる。
アニオン重合性の触媒型硬化剤として、3級アミノ基を有する化合物、イミダゾール化合物等を用いた場合、エポキシ樹脂は、160℃〜200℃程度の温度で数10秒間〜数時間程度の加熱により硬化する。このため、接着剤組成物の可使時間(ポットライフ)を比較的長くすることができる。カチオン重合性の触媒型硬化剤としては、例えば、エネルギー線照射によりエポキシ樹脂を硬化させる感光性オニウム塩(芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩等)が好ましく用いられる。加熱によって活性化し、エポキシ樹脂を硬化させるカチオン重合性の触媒型硬化剤としては、脂肪族スルホニウム塩等が挙げられる。これらのアニオン重合性又はカチオン重合性の触媒型硬化剤は、速硬化性を有する点で好ましく用いられる。
重付加型の硬化剤としては、ポリアミン、ポリメルカプタン、ポリフェノール、酸無水物等が挙げられる。
これらの硬化剤(潜在性硬化剤)を、ポリウレタン、ポリエステル等の高分子化合物、ニッケル、銅等の金属薄膜、ケイ酸カルシウム等の無機物などで被覆してマイクロカプセル化したマイクロカプセル型硬化剤は、より長い可使時間が得られる点で好ましく用いられる。
接着剤組成物における(e)成分の含有量は、(a)成分及び(d)成分の合計量100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上であり、また、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下である。
導電性粒子10としては、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子、導電性カーボン粒子などの導電性粒子が挙げられる。導電性粒子10は、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等の粒子からなる核と、この核を被覆する、上記金属で構成される層、金属粒子、導電性カーボン粒子等とを備える被覆導電性粒子であってもよい。導電性粒子10が被覆導電性粒子又は熱で溶融する金属粒子(熱溶融金属粒子)である場合、回路接続時の加熱加圧により導電性粒子10が変形するため、回路電極6,8の高さにばらつきがあっても、導電性粒子10と回路電極6,8との接触面積が増加し良好な信頼性が得られる。導電性粒子10は、特に導電性粒子10の配合量が増加した場合に、導電性粒子10同士の短絡を防止し、隣接する第1の回路電極6,6間又は第2の回路電極8,8間の絶縁性を向上させる観点から、上述の導電性粒子と、該導電性粒子の表面を被覆する、高分子樹脂等の絶縁材料で形成された絶縁被覆層とを備える絶縁被覆導電性粒子であってもよい。これらの導電性粒子、被覆導電性粒子及び絶縁被覆導電性粒子は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
導電性粒子10の平均粒径は、分散性及び導電性に優れる観点から、好ましくは1μm〜50μmである。導電性粒子の含有量は、接着剤組成物全量を基準として、好ましくは0.1体積%以上であり、また、好ましくは30体積%以下、より好ましくは10体積%以下である。含有量が0.1体積%以上であると、導電性を更に向上する傾向にあり、30体積%以下であると、隣接する第1の回路電極6,6間又は第2の回路電極8,8間の短絡を抑制できる傾向にある。導電性粒子10の含有量は、23℃における接着剤組成物(硬化前)の各成分の体積をもとに決定される。各成分の体積は、例えば、比重を利用して重量から体積に換算した値を使用することができる。また、例えば、メスシリンダー等にその成分を溶解したり膨潤させたりせず、その成分をよくぬらす適当な溶媒(水、アルコール等)を入れたものに、その成分を投入し増加した体積をその体積として求めることもできる。
接着剤組成物は、(a)成分、(b)成分、(c)成分及び導電性粒子10、又は、(a)成分、(d)成分、(e)成分及び導電性粒子10に加えて、フェノール樹脂、メラミン樹脂等のその他の樹脂、充填剤(フィラー)、軟化剤、硬化促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤等の密着向上剤、増粘剤、レベリング剤、耐候性向上剤、イソシアネート化合物などを更に含有していてもよい。
充填剤(フィラー)は、ケイ素、カルシウム、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、カーボン、ビスマス、コバルト、銅、鉄、インジウム、マンガン、スズ、イットリウム、亜鉛等又はそれらを含む化合物、有機系化合物等で構成される粒子であってよい。該粒子の平均粒径は、好ましくは導電性粒子10の平均粒径の1/2以下であり、例えば0.005μm〜25μmである。接着剤組成物が導電性を有さない粒子(例えば上記ゴム粒子)を含有する場合、充填剤として用いられる粒子の平均粒径は、導電性を有さない粒子の平均粒径以下であってよい。
充填剤は、所望の線熱膨張量を有する接着剤組成物の硬化物(回路接続部材4)により、回路電極6,8間の接続信頼性等の電気特性を更に向上させる観点から、好ましくは30℃〜120℃における平均線熱膨張係数が負である充填剤である。30℃〜120℃における平均線熱膨張係数が負である充填剤としては、例えば、ジルコニウム系化合物で構成される粒子が挙げられる。
充填剤の含有量は、接着剤組成物100質量部に対して、好ましくは5質量部以上であり、また、好ましくは60質量部以下である。含有量が60質量部以下であると、接続信頼性の向上効果をより充分に得られる傾向にあり、5質量部以上であると、充填剤添加の効果を充分に得られる傾向にある。
カップリング剤は、例えばシランカップリング剤であってよい。シランカップリング剤等のカップリング剤を用いることにより、接着剤組成物の密着力を更に向上させることができる。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、及び、これらの縮合物が挙げられる。
カップリング剤の含有量は、接着剤組成物の接着剤成分(例えば(a)〜(e)成分)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.25質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。カップリング剤の含有量が0.1質量部以上であると、回路部材と回路接続部材との剥離の発生を更に抑制できる傾向にあり、カップリング剤の含有量が10質量部以下であると、接着剤組成物のポットライフが長くなる傾向にある。
接着剤組成物は、例えば15℃〜25℃において液状である場合には、ペースト状接着剤組成物として使用することができる。接着剤組成物が室温(25℃)で固体の場合には、加熱によりペースト状接着剤組成物として使用する、あるいは、溶剤に溶解させてペースト状接着剤組成物として使用することができる。溶剤としては、接着剤組成物の含有成分と反応性がなく、かつ接着剤組成物の含有成分が充分な溶解性を示す溶剤であれば、特に制限されないが、大気圧下での沸点が50℃〜150℃である溶剤が好ましく用いられる。沸点が50℃以上の場合、室温(25℃)で溶剤が揮発することを抑制でき、開放系での使用が容易となる。沸点が150℃以下の場合、接着剤組成物を回路部材2,3に適用した後に溶剤を揮発させやすく、接着後の信頼性に確保できる。
接着剤組成物は、フィルム状接着剤として用いることもできる。接着剤組成物は、例えば、必要により溶剤等を接着剤組成物に加えた溶液を、フッ素樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、離型紙等の剥離性基材上に塗布し、あるいは不織布等の基材に溶液を含浸させて剥離性基材上に載置し、その後、溶剤等を除去してフィルム状に成形される。フィルム状接着剤は、取扱性等の観点で好適に用いられる。
接着剤組成物は、異方導電接着剤、銀ペースト、銀フィルム等に代表される回路接続材料、CSP用エラストマー、CSP用アンダーフィル材、LOCテープ等に代表される半導体素子接着材料として使用することができる。
接続構造体1は、例えば、第1の回路部材2と第2の回路部材3とを、第1の回路電極6と第2の回路電極8とが互いに対向するように配置し、第1の回路部材2と第2の回路部材3との間にフィルム状接着剤を介在させ、これらを加熱及び加圧して第1の回路電極6と第2の回路電極8とを互いに電気的に接続させることにより得られる。
加熱時の加熱温度は、特に制限されないが、好ましくは50℃〜250℃である。加圧時の圧力は、被着体(回路部材2,3)に損傷を与えない範囲であれば特に制限されないが、好ましくは0.1MPa〜10MPaである。加熱及び加圧は、好ましくは0.5秒間〜3時間行われる。
回路部材2,3同士を接続する際、より低温・短時間で接続する観点から、加熱及び加圧と同時に光照射を行ってもよい。光照射には、150nm〜750nmの波長域の照射光が好ましく用いられる。光照射は、例えば低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプを使用して、0.1J/cm〜10J/cmの照射量で行われてよい。
以上説明したような接着剤組成物の硬化物(回路接続部材4)は、例えば図2におけるL1で示されるように、温度t=30℃〜120℃においてdl(t)/dt<0(dL(t)/dt<0)となるtが存在するような硬化物(回路接続部材)であるため、温度上昇に伴う回路接続部材4自体の熱膨張量を減少させることができ、回路接続部材4と基板5,7及び回路電極6,8との界面で発生する引き剥がしの界面応力(回路接続部材4を基板5,7及び回路電極6,8から引き剥がそうとする応力)を低下させることが可能となる。
一方、従来の接着剤組成物の硬化物(回路接続部材)は、例えば図2におけるL2で示されるように、温度t=30℃〜120℃において常にdl(t)/dt≧0(dL(t)/dt≧0)となるような接着剤組成物の硬化物(回路接続部材)であるため、温度上昇に伴って回路接続部材4自体が熱膨張しやすく、回路接続部材4と基板5,7及び回路電極6,8との界面で大きな引き剥がしの界面応力が発生する。
したがって、本実施形態に係る接着剤組成物の硬化物(回路接続部材4)は、従来の接着剤組成物の硬化物(回路接続部材)に比べて、高温高湿環境下に置かれた場合であっても、回路接続部材4が基板5,7及び回路電極6,8から剥離することを抑制できる。このような効果は、回路電極6,8として、接着に不利である非結晶のITO等で形成された回路電極を用いた場合であっても奏される。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例に制限されるものではない。
<ポリウレタン樹脂の合成>
還流冷却器、温度計及び撹拌機を備えたセパラブルフラスコに、エーテル結合を有するジオールであるポリプロピレングリコール(数平均分子量:2000)1000質量部及び溶媒としてのメチルエチルケトン4000質量部を加え、40℃で30分間撹拌した。この溶液を70℃まで昇温した後、触媒としてのジメチル錫ラウレート0.127質量部を加えた。次いで、この溶液に対して、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート125質量部をメチルエチルケトン125質量部に溶解して調製した溶液を、1時間かけて滴下した。その後、赤外分光光度計でNCO基に由来する吸収ピークが観測されなくなるまで70℃で撹拌を続けて、ポリウレタン樹脂のメチルエチルケトン溶液を得た。そして、この溶液の固形分濃度(ポリウレタン樹脂の濃度)が30質量%となるように、メチルエチルケトンの量を調整した。
得られたポリウレタン樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−20℃であった。ガラス転移温度(Tg)は、熱機械分析装置を用いて測定した。
得られたポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、320000であった。重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した標準ポリスチレン換算値である。以下にGPCの分析条件を表1に示す。
Figure 2018070208
<ウレタンアクリレートの合成>
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を装着した2リットルの四つ口フラスコに、ポリカーボネートジオール(アルドリッチ社製、数平均分子量:2000)4000質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート238質量部と、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.49質量部と、錫系触媒4.9質量部とを仕込んで反応液を調製した。70℃に加熱した反応液に対して、イソホロンジイソシアネート(IPDI)666質量部を3時間かけて均一に滴下し、反応させた。滴下完了後、15時間反応を継続させ、電位差自動滴定装置(製品名AT−510、京都電子工業株式会社製)にてNCO基の含有量が0.2質量%以下となったことを確認した時点で反応を終了し、ウレタンアクリレートを得た。ウレタンアクリレートの重量平均分子量は、8500であった。なお、ウレタンアクリレートの重量平均分子量は、上述のポリウレタン樹脂の重量平均分子量と同様に測定した。
<フィルム状接着剤の作製>
以下に示す成分を、表2,3に示す質量比で混合して接着剤組成物を得た。
(熱可塑性樹脂)
A1:フェノキシ樹脂(製品名:PKHC、ユニオンカーバイト社製、重量平均分子量45000、Tg:90℃、ビスフェノールA骨格)
A2:フェノキシ樹脂(製品名:YD―6020、新日鉄住金化学株式会社製、重量平均分子量5000、Tg:70℃、ビスフェノールA/ビスフェノールF骨格)
A3:フェノキシ樹脂(製品名:FX―316、新日鉄住金化学株式会社製、重量平均分子量50000、Tg:70℃、ビスフェノールF骨格)
A4:フェノキシ樹脂(製品名:FX―293AT40、新日鉄住金化学株式会社製、Tg:160℃、高耐熱性骨格)
A5:上述のとおり合成したポリウレタン樹脂
A6:ポリエステル樹脂(製品名:UE−3400、ユニチカ株式会社製、Tg:−20℃)
A7:ポリエステル樹脂(製品名:UE−3200、ユニチカ株式会社製、Tg:70℃)
(ラジカル重合性化合物)
B1:上述のとおり合成したウレタンアクリレート
B2:イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート(製品名:M−215、東亜合成株式会社製)
B3:2−メタクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート(製品名:ライトエステルP−2M、共栄社化学株式会社製)
なお、以上の成分のうち、固形の成分については、固形成分40gをメチルエチルケトン60gに溶解させて調製した40質量%溶液とした上で用いた。
(ラジカル重合開始剤)
C1:ラウロイルパーオキサイド(製品名:パーロイルL、日油株式会社製、分子量398.6)
(充填剤(フィラー))
D1:シリカ微粒子(製品名:R104、日本アエロジル株式会社製、一次粒子径:12nm)
(シランカップリング剤)
E1:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(製品名:KBM−503、信越化学工業株式会社製)
なお、シリカ微粒子については、シリカ微粒子10gをトルエン45g及び酢酸エチル45gの混合溶媒に分散させて調製した10質量%の分散液とした上で用いた。
次いで、ポリスチレン粒子(核)の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を有する平均粒径5μm、比重2.5の導電性粒子を作製した。この導電性粒子を各接着剤組成物に1.5体積%の割合で分散させて、塗工液を得た。この塗工液を、厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに塗工装置を用いて塗布した。塗膜を70℃で10分間熱風乾燥して、厚み18μmのフィルム状接着剤を得た。
<接続構造体の作製>
ライン幅75μm、ピッチ150μm及び厚み18μmの銅回路電極を約2200本有するフレキシブル回路板(FPC)と、ガラス(SiO)基板(製品名:プレクリンスライドS7224、松浪硝子工業株式会社製)、又は非結晶酸化インジウム錫(ITO)の薄膜付きガラス基板(ジオマテック社製)との間に上記各フィルム状接着剤を配置して、FPCと、ガラス基板又は非結晶ITO付きガラス基板とを接続した。接続は、熱圧着装置(加熱方式:コンスタントヒート型、東レエンジニアリング株式会社製)を用い、160℃、3MPaで5秒間の加熱及び加圧により行った。加圧時の圧力は、圧着面積を0.495cmとして計算した。これにより、FPCとガラス基板又は非結晶ITO付きガラス基板とが、フィルム状接着剤の硬化物により幅1.5mmにわたり接続された接続構造体が得られた。
<線熱膨張量の測定>
作製した上記フィルム状接着剤を厚み100±20μmになるようにラミネーターを用いて複数貼り合わせ、オーブンにて180℃で1時間加熱することにより、硬化物サンプルを作製した。硬化物サンプルについて、熱機械分析装置(株式会社島津製作所製)を用いて、サンプルの長さ10mm及び幅4mm、荷重5gf(サンプルの断面積0.4mmあたり)、昇温速度5℃/分の条件で、温度t=0℃〜200℃における線熱膨張量l(t)μmを0.1℃ごとに測定した。線熱膨張量l(t)は、温度t=0℃における線熱膨張量l(0)を0μmとして測定した。測定結果から、温度t=30℃〜120℃においてdl(t)/dt<0となる温度領域の有無(有の場合は、その温度領域及びdl(t)/dtの最小値)を確認した。また、測定結果から、30℃〜120℃における平均線熱膨張係数(ppm/℃)を算出した。結果を表2,3に示す。
<剥離発生の有無の評価>
上記のように作製した接続構造体について、接続直後、及び、85℃、85%RHの恒温恒湿槽に250時間放置した高温高湿試験後の接続外観を、光学顕微鏡を用いて観察し、スペース部分(FPCの電極端子と電極端子との間の部分)の基板−樹脂界面の剥離発生面積を測定した。スペース全体における剥離発生面積が30%を超える場合を剥離「有」、30%以下の場合を剥離「無」として評価した。結果を表2,3に示す。
Figure 2018070208
Figure 2018070208
以上より、実施例1〜7の回路接続部材は、比較例1〜9の回路接続部材と比較して、高温高湿条件下であっても剥離の発生を抑制できることが確認された。
1…接続構造体、2…第1の回路部材、3…第2の回路部材、4…回路接続部材、6…第1の回路電極、8…第2の回路電極、10…導電性粒子。

Claims (6)

  1. 第1の回路電極を有する第1の回路部材と、
    第2の回路電極を有する第2の回路部材と、
    前記第1の回路部材及び前記第2の回路部材の間に設けられ、前記第1の回路電極及び前記第2の回路電極を互いに電気的に接続する回路接続部材と、を備え、
    前記回路接続部材の温度tにおける線熱膨張量L(t)が、t=30℃〜120℃の少なくともいずれかの温度tにおいてdL(t)/dt<0の条件を満たす、接続構造体。
  2. 前記回路接続部材の30℃〜120℃における平均線熱膨張係数が500ppm/℃以下である、請求項1に記載の接続構造体。
  3. 回路接続部材であって、
    前記回路接続部材の温度tにおける線熱膨張量L(t)が、t=30℃〜120℃の少なくともいずれかの温度tにおいてdL(t)/dt<0の条件を満たす、回路接続部材。
  4. 前記回路接続部材の30℃〜120℃における平均線熱膨張係数が500ppm/℃以下である、請求項3に記載の回路接続部材。
  5. 接着剤組成物であって、
    前記接着剤組成物の硬化物の温度tにおける線熱膨張量l(t)が、t=30℃〜120℃の少なくともいずれかの温度tにおいてdl(t)/dt<0の条件を満たす、接着剤組成物。
  6. 前記硬化物の30℃〜120℃における平均線熱膨張係数が500ppm/℃以下である、請求項5に記載の接着剤組成物。
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