JPWO2018070139A1 - 運転車両の防曇部を制御する車両用制御装置、車両用制御装置に用いられるプログラム - Google Patents

運転車両の防曇部を制御する車両用制御装置、車両用制御装置に用いられるプログラム Download PDF

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Abstract

車両用制御装置(1)は、自動運転度に対応した運転モードで運転可能に構成されている車両(100)に適用され、車両の窓(100a、100e)の防曇機能を発揮する防曇部(2、100d、100f)を制御する。車両用制御装置は、自動運転度を特定する特定部(201)と、防曇部が発揮する防曇機能を制御する制御実行部(205、208、210、215、220、225)と、を備える。自動運転度は、自動運転システムに運転操作を依存する度合が大きい程、高い値を示すと定義したとする。この際、制御実行部は、特定部で特定された自動運転度が第1値よりも高い第2値の場合、特定部で特定された自動運転度が第1値の場合よりも、防曇部が発揮する防曇機能を低く制御する。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2016年10月11日に出願された日本出願番号2016−200223号と、2017年2月13日に出願された日本出願番号2017−24338号に基づくものであって、ここにその記載内容を援用する。
本開示は、運転車両の防曇部を制御する車両用制御装置および車両用制御装置に用いられるプログラムに関する。
近年、人間(すなわち、乗員等)の運転操作が行われなくても自動で走行できる自動運転車両の開発が進められている。そして、自動運転車両の実用化に向け、運転モードの切り換え(すなわち、手動運転モードと自動運転モードの切り換え)等の制御に関する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−18238号公報
本発明者らは、自動運転車両の実用化に向け、自動運転車両における防曇機能の制御に着目して開発を鋭意進めた。その結果、以下の新規課題が見出された。
従来、乗員による運転操作が必要な車両において、フロントガラスやサイドガラス等の車両の窓が曇ることを防止する防曇機能を発揮する防曇装置が広く用いられている。防曇装置としては、例えば、低温低湿の外気(すなわち、車外の空気)を車室内に導入して防曇する装置や、冷凍サイクルのコンプレッサを作動させて内気(すなわち、車室内の空気)の湿度を低下させて防曇する装置等が用いられている。このような防曇装置は、通常、乗員の操作に基づいて作動を開始するか、あるいは温度や湿度に基づいて自動的に作動を開始する。
ここで、本発明者らは、防曇装置が防曇機能を発揮するときに以下の事象が生じることに着目した。すなわち、各種防曇装置の防曇機能を発揮するためには、空気を加熱あるいは冷却するためのエネルギーが基本的に必要となる。よって、必要でないときに防曇装置が防曇機能を発揮してしまうと、無駄にエネルギーを消費してしまう。
また、例えば、外部から供給される低温の空気を暖めて高温となった空気を窓に当てることで防曇を行う防曇装置の場合には、供給される高温の空気によって乗員の顔などが暖められることで、乗員に不快感を与えてしまうことがある。
また、例えば、外部から供給される低湿の空気を車室内に供給することで防曇を行う防曇装置の場合には、低湿の空気によって車室内の湿度が下がることで、乗員に喉や目の乾燥による痛みや不快感を与えてしまうことがある。
そして、本発明者らは、上記の事象に着目しつつ、自動運転車両に用いられる防曇装置について検討した結果、従来の防曇装置を自動運転車両に単純に適用するだけでは不十分であると考えた。具体的には、本発明者らは、手動運転モードのときのみならず自動運転モードのときにも常に防曇装置の防曇機能を発揮する構成等を検討したが、これでは不十分であると考えた。なぜならば、自動運転モードのときには、窓が曇って車外の様子を乗員が視認できなくなっても車両の走行は可能であり、防曇を積極的に行う必要性が低いからである。そして、必要でないときにも防曇機能を発揮して上記のような事象を生じさせてしまうことは、好ましいことではない場合があるからである。
本開示は、自動運転車両の窓の防曇機能を、自動運転度の度合いに応じて適切に制御する車両用制御装置、および当該車両用制御装置に用いられるプログラムを提供することを目的とする。
本開示の1つの観点によれば、車両用制御装置は、自動運転度に対応した運転モードで運転可能に構成されている車両に適用され、車両の窓の防曇機能を発揮する防曇部を制御する。自動運転度は、自動運転システムに運転操作を依存する度合を示す。車両用制御装置は、自動運転度を特定する特定部と、防曇部が発揮する防曇機能を制御する制御実行部と、を備える。
自動運転度は、自動運転システムに運転操作を依存する度合が大きい程、高い値を示すと定義したとする。このとき、制御実行部は、特定部で特定された自動運転度が第1値よりも高い第2値の場合、特定部で特定された自動運転度が第1値の場合よりも、防曇部が発揮する防曇機能を低く制御する。
本開示の別の観点によれば、プログラムは、自動運転度に対応した運転モードで運転可能に構成されている車両の窓の防曇機能を発揮する防曇部を制御する車両用制御装置に用いられる。プログラムは、車両用制御装置を、自動運転度を特定する特定部として機能させる。自動運転度は、自動運転システムに運転操作を依存する度合が大きい程、高い値を示すと定義したとする。このとき、プログラムは、車両用制御装置を、特定部で特定された自動運転度が第1値よりも高い第2値の場合、自動運転度が第1値の場合よりも、防曇部が発揮する防曇機能を低く制御する制御実行部として機能する。
上述の車両用制御装置およびプログラムによれば、自動運転度が比較的高いときには、自動運転度が比較的低いときに比べて、防曇機能が低く制御される。すなわち、自動運転度が高い自動運転状態のときにおいて、防曇機能が抑制されることで、自動運転車両の窓の防曇機能を、自動運転度の度合いに応じて制御することができる。すなわち、ドライバーの運転負担が少ないときには防曇機能を低下させることができる。
第1実施形態に係る車両用制御装置によって制御される自動運転車両の全体構成を示す模式図である。 第1実施形態に係る車両用制御装置によって制御される車両用空調装置の全体構成を示す模式図である。 第1実施形態に係る車両用制御装置によって制御される車両用空調装置の全体構成を示す別の模式図である。 第1実施形態に係る車両用制御装置の機能構成図である。 第1実施形態に係る防曇制御部が実行する処理のフローチャートである。 第1実施形態に係る車両用制御装置によって制御される自動運転車両の全体構成を示す別の模式図である。 第1実施形態の第1変形例に係る防曇制御部が実行する処理のフローチャートである。 第1実施形態の第2変形例に係る車両用制御装置によって制御される自動運転車両の全体構成を示す模式図である。 第1実施形態の第2変形例に係る防曇制御部が実行する処理のフローチャートである。 第1実施形態の第3変形例に係る防曇制御部が実行する処理のフローチャートである。 第1実施形態の第3変形例に係る車両用制御装置によって制御される車両用空調装置の全体構成を示す模式図である。 第1実施形態の第4変形例に係る車両用制御装置によって制御される自動運転車両の全体構成を示す模式図である。 第2実施形態に係る防曇制御部が実行する処理のフローチャートである。 第3実施形態に係る車両用制御装置の機能構成図である。 第3実施形態に係る自動運転予測部が実行する処理のフローチャートである。 第3実施形態に係る防曇制御部が実行する処理のフローチャートである。 運転経路に対する防曇機能の制御状態を説明するための説明図である。 第4実施形態に係る車両用制御装置によって制御される車両用空調装置の全体構成を示す模式図である。 第4実施形態に係る車両用制御装置によって制御される車両用空調装置の全体構成を示す別の模式図である。 第4実施形態に係る防曇制御部が実行する処理のフローチャートである。 第5実施形態に係る車両用制御装置の機能構成図である。 自動運転度の切替パターンの一例を説明するための説明図である。 自動運転度の切替パターンの他の例を説明するための説明図である。 第5実施形態に係る自動運転予測部が実行する処理のフローチャートである。 自動運転度と安全時間との関係を説明するための説明図である。 第5実施形態に係る防曇制御部が実行する処理のフローチャートである。
以下、本開示の実施形態について図を参照して説明する。尚、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略することがある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本開示の第1実施形態に係る車両用制御装置1および車両制御方法について図1〜図6を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態では、人間の運転操作が行われなくとも自動で走行できる自動運転車両100に車両用制御装置1を適用した例について説明する。本実施形態に係る車両用制御装置1は、自動運転度に対応して自動運転車両100の運転モードを切換制御する。自動運転度の詳細については後述する。尚、図1では、自動運転車両100の上下方向を矢印DRvで示し、自動運転車両100の前後方向をDRfrで示している。また、図2、図3中の矢印f1〜f4は、風の流れを模式的に示している。これらのことは、図1〜図3以外の図面においても同様である。
本実施形態に係る車両用制御装置1は、特に車両用空調装置2を制御する。車両用空調装置2は、空調風を生成するとともに、生成した空調風を車室内へ提供する空調装置である。車両用空調装置2は、自動運転車両100の外部または内部の空気を導入し、導入した空気を暖め、暖めた空気を車室内へ供給する。例えば、車両用空調装置2は、暖めた空気を、フロントガラス100aなどの窓に向けて供給する。車両用空調装置2は、暖めた空気を車室内へ供給することでフロントガラス100aを暖めることにより、フロントガラス100aの曇りを防止する。本実施形態では、車両用空調装置2が、自動運転車両100の窓(例えば、フロントガラス100a)が曇ることを防止する防曇機能を発揮する防曇部に相当する。尚、本実施形態では、車両用空調装置2のことを防曇部と称することがある。
本実施形態では、車両用制御装置1の説明の前に、車両用制御装置1の適用対象となる自動運転車両100、および車両用制御装置1の制御対象となる車両用空調装置2の構成について説明する。
自動運転車両100は、人間の運転操作によって走行する手動運転モードと、人間の運転操作が行われなくとも自動で走行する自動運転モードとの切換が可能な車両として構成されている。より具体的には、自動運転車両100は、所定の自動運転度に対応して運転モードが切り換えられるように構成されている。自動運転度は、人間ではなく自動運転システムに運転操作を依存する度合である。すなわち、自動運転車両100は、複数定義された自動運転度から所定の自動運転度を選択し、選択された自動運転度に対応した運転モードで運転可能に構成されている。尚、この自動運転度の切換制御は、主に車両用制御装置1によってなされる。
本実施形態では、自動運転度の一例として、日本政府およびNHTSA(National Highway Traffic Safety Administration:米国運輸省道路交通安全局)が定義している自動化レベル(すなわち、レベル0〜4)を採用している。以下、この自動化レベルの各レベルについて簡単に説明する。レベル0は、ドライバーが常に全ての主制御系統の操作を行う状態を示すレベルである。主制御系統としては、加速、操舵、および制動がある。レベル1は、加速、操舵、制動のいずれか1つを自動運転システムが行う状態を示すレベルである。レベル2は、加速、操舵、制動のうち複数の操作を自動運転システムが行う状態を示すレベルである。レベル3は、加速、操舵、制動を全て自動運転システムが行い、自動運転システムが要請したときにドライバーが対応する状態を示すレベルである。レベル4は、加速、操舵、制動を全てドライバー以外(すなわち自動運転システム)が行い、加速、操舵、制動についてドライバーが全く関与しない状態を示すレベルである。尚、本実施形態の自動運転度は、自動運転システムに運転操作を依存する度合が大きい程、高い値(すなわち、高いレベル)となるように定義されている。
自動運転車両100は、従来の車両と同様、フロントガラス100a、前部座席(例えば、運転席)100b、後部座席100c、および車両用空調装置2を備えている。フロントガラス100aは、車室内と車室外を仕切るガラス部材である。フロントガラス100aの少なくとも一部は、車室内の乗員が車室外を視認可能なように、透明性を有している。フロントガラス100aは、自動運転車両100の前後方向DRfrにおける前部座席100bよりも前側に配置されている。
前部座席100bは、車室内に設置された複数の座席100b、100cのうち、自動運転車両100の前後方向DRfrにおける最前に配置される最前座席である。前部座席100bは、自動運転車両100の上下方向DRvを軸として回転可能に構成されている。
前部座席100bの下方には、自動運転車両100の上下方向DRvに沿って延びる方向を軸CLとして前部座席100bを回転させる座席回転装置3が配置されている。座席回転装置3は、車両用制御装置1からの制御信号に応じて前部座席100bを回転させる。座席回転装置3は、前部座席100bに着座する乗員が前後方向DRfrの前側を向く前向き状態、および前部座席100bに着座する乗員が前後方向DRfrの後側を向く後ろ向き状態に切替可能な構成となっている。座席回転装置3は、自動運転車両100の運転モードが手動運転モードとなっている場合に、図1に示すように、着座する乗員が前後方向DRfrの前側を向くように前部座席100bを回転させる。
車両用空調装置2は、導入した外気(すなわち、車外の空気)もしくは内気(すなわち、車室内の空気)を所定温度(すなわち、暖気目標温度)まで暖めたのちに車室内へ供給する空調装置である。図2、図3に示すように、車両用空調装置2は、ケース20、送風機21、蒸発器22を含む不図示の冷凍サイクル、ヒータコア23、内外気切替えドア24、エアミックスドア25、デフロスタドア26、フェイスドア27、およびフットドア28を有している。
ケース20は、樹脂で構成されている筐体部材である。図2に示すように、ケース20には、外気を導入するための外気導入口20aおよび内気を導入するための内気導入口20bが形成されている。また、ケース20には、フロントガラス100aの車室内側表面に空調風を吹き出すためのデフロスタ吹出口20cが形成されている。また、ケース20には、車室内上側の空間に向けて(すなわち、乗員の上半身に向けて)空調風を吹き出すためのフェイス吹出口20dが形成されている。また、ケース20には、車室内下側の空間に向けて(すなわち、乗員の下半身に向けて)空調風を吹き出すためのフット吹出口20eが形成されている。そして、ケース20には、外気導入口20aあるいは内気導入口20bから導入した空気を、デフロスタ吹出口20c、フェイス吹出口20d、およびフット吹出口20eのいずれかへ通すための空気通路APが形成されている。
送風機21は、デフロスタ吹出口20c、フェイス吹出口20d、およびフット吹出口20eのいずれかから車室内へ吹き出すための空調風を生成するためのものである。図2に示すように、送風機21は、ファン、および該ファンを駆動する不図示の電動モータで構成されている。そして、送風機21は、外気導入口20aあるいは内気導入口20bから空気を導入し、導入した空気をデフロスタ吹出口20c、フェイス吹出口20d、およびフット吹出口20eのいずれかから車室内へ吹き出すための風を発生させる。
蒸発器22は、送風機21によって発生させられる風を、冷媒の蒸発によって冷却および除湿する熱交換器である。蒸発器22は、図2に示すように空気通路APに配置され、不図示の圧縮器、凝縮器、減圧器などとともに不図示の冷凍サイクルを構成している。
ヒータコア23は、蒸発器22を通過した風(すなわち、冷風)をエンジン冷却水(すなわち、温水)により加熱する熱交換器である。図2に示すように、ヒータコア23は、空気通路APにおいて、蒸発器22の風流れ下流側に配置されている。
内外気切替えドア24は、外気導入口20aから導入される外気の量、および内気導入口20bから導入される内気の量を調節するドア部材である。図2に示すように、内外気切替えドア24は、回転軸24aおよび該回転軸24aの回転に伴って回転する平板部24bを有する。内外気切替えドア24は、不図示のモータにより駆動し、回転軸24aを中心として平板部24bが回転することで、外気導入口20aから導入される外気の量、および内気導入口20bから導入される内気の量を調節する。
本実施形態では、平板部24bが図2に示すように内気導入口20bの側に回転した状態となることで、内気導入口20bから導入される内気の量に対する外気導入口20aから導入される外気の量の割合が大きくなる。以下、内気導入口20bから導入される内気の量に対する外気の量の比率を内外気比率という。
このように、平板部24bが内気導入口20bの側に大きく回転するほど、外気導入口20aから導入される外気の量の割合が大きくなり、内気導入口20bから導入される内気の量の割合が小さくなる。すなわち、内外気比率が大きくなる。
逆に、平板部24bが図3に示すように外気導入口20aの側に回転した状態となることで、外気導入口20aから導入される外気の量に対し、内気導入口20bから導入される内気の量の割合が大きくなる。すなわち、内外気比率が小さくなる。
すなわち、平板部24bが外気導入口20aの側に大きく回転するほど、内気導入口20bから導入され内気の量の割合が大きくなり、外気導入口20aから導入される外気の量の割合が小さくなる。内外気切替えドア24は、空気通路APにおいて、送風機21の風流れ上流側に配置されている。このように、車両用空調装置2は、内外気切替えドア24を有することで、内外気比率が可変になっている。
内外気切替えドア24は、内気導入口20bを全閉して外気導入口20aを全開する位置(すなわち、外気導入位置)、外気導入口20aを全閉して内気導入口20bを全開する位置(すなわち、内気導入位置)に設定可能に構成されている。また、内外気切替えドア24は、外気導入口20aおよび内気導入口20bの双方を開放する位置(すなわち、中間開度位置)にも設定可能に構成されている。
エアミックスドア25は、蒸発器22を通過した冷風のうち、空気通路APにおけるヒータコア23が配置された側の通路を通る空気の量、および空気通路APのうちヒータコア23が配置されていない側の通路を通る空気の量を調整するドア部材である。以下、蒸発器22を通過した風のうち空気通路APにおけるヒータコア23が配置された側の通路を本通路と称し、空気通路APのうちヒータコア23が配置されていない側の通路をバイパス通路と称する。
図2に示すように、エアミックスドア25は、回転軸25aおよび該回転軸25aの回転に伴って回転する平板部25bを有する。エアミックスドア25は、不図示のモータにより駆動し、回転軸25aを中心として平板部25bが回転することで、本通路を通る空気の量、およびバイパス通路を通る空気の量を調節する。
本実施形態では、平板部25bが本通路の側に回転した状態となることで、本通路を通る空気の量に対し、バイパス通路を通る空気の量の割合が大きくなる。すなわち、平板部25bが本通路の側に大きく回転するほど、バイパス通路を通る空気の量の割合が大きくなり、本通路を通る空気の量の割合が小さくなる。逆に、平板部25bが図2に示すようにバイパス通路の側に回転した状態となることで、バイパス通路を通る空気の量に対し、本通路を通る空気の量の割合が大きくなる。すなわち、平板部25bがバイパス通路の側に大きく回転するほど、本通路を通る空気の量の割合が大きくなり、バイパス通路を通る空気の量の割合が小さくなる。エアミックスドア25は、空気通路APにおいて、ヒータコア23の風流れ上流側に配置されている。
エアミックスドア25は、バイパス通路を全閉して本通路を全開する位置(すなわち、最大暖房位置)、本通路を全閉してバイパス通路を全開する位置(すなわち、最大冷房位置)に設定可能に構成されている。また、エアミックスドア25は、本通路およびバイパス通路の双方を開放する位置(すなわち、中間開度位置)にも設定可能に構成されている。
デフロスタドア26は、蒸発器22を通過した冷風、あるいはヒータコア23を通過して暖風となった風のうちデフロスタ吹出口20cから吹き出す空気の量を調整するドア部材である。図2に示すように、デフロスタドア26は、回転軸26aおよび該回転軸26aの回転に伴って回転する平板部26bを有する。デフロスタドア26は、不図示のモータにより駆動し、回転軸26aを中心として平板部26bが回転することで、デフロスタ吹出口20cから吹き出す空気の量を調整する。デフロスタドア26は、空気通路APにおいて、蒸発器22およびヒータコア23の風流れ下流側に配置されている。
デフロスタドア26は、デフロスタ吹出口20cを全閉する全閉位置、デフロスタ吹出口20cを全開する全開位置、およびデフロスタ吹出口20cを若干開放する中間開度位置に設定可能に構成されている。
フェイスドア27は、蒸発器22を通過した冷風、あるいはヒータコア23を通過して暖風となった風のうちフェイス吹出口20dから吹き出す空気の量を調整するドア部材である。図2に示すように、フェイスドア27は、回転軸27aおよび該回転軸27aの回転に伴って回転する平板部27bを有する。フェイスドア27は、不図示のモータにより駆動し、回転軸27aを中心として平板部27bが回転することで、フェイス吹出口20dから吹き出す空気の量を調整する。フェイスドア27は、空気通路APにおいて、蒸発器22およびヒータコア23の風流れ下流側に配置されている。尚、フェイスドア27は、フェイス吹出口20dを全閉する全閉位置、フェイス吹出口20dを全開する全開位置に設定可能に構成されている。
フットドア28は、蒸発器22を通過した冷風、あるいはヒータコア23を通過して暖風となった風のうちフット吹出口20eから吹き出す空気の量を調整するドア部材である。図2に示すように、フットドア28、回転軸28aおよび該回転軸28aの回転に伴って回転する平板部28bを有する。フットドア28は、不図示のモータにより駆動し、回転軸28aを中心として平板部28bが回転することで、フット吹出口20eから吹き出す空気の量を調整する。フットドア28は、空気通路APにおいて、蒸発器22およびヒータコア23の風流れ下流側に配置されている。尚、フットドア28は、フット吹出口20eを全閉する全閉位置、フット吹出口20eを全開する全開位置に設定可能に構成されている。
以上説明した構成の車両用空調装置2は、例えば冬季においては、外気あるいは内気を導入し、導入した空気をヒータコア23で暖めたのち、デフロスタ吹出口20cから車室内へ吹き出すことで、フロントガラス100aを暖める。これにより、車両用空調装置2は、防曇機能を発揮する。
本実施形態の車両用制御装置1は、車両用空調装置2を以下のように制御することで、車両用空調装置2の防曇機能を発揮させる。つまり、車両用制御装置1は、本通路を通る空気の量の割合が大きくなるようにエアミックスドア25の平板部24bの位置を制御する。また、車両用制御装置1は、デフロスタ吹出口20cから吹き出す空気の量が大きくなるようにデフロスタドア26の平板部26bの位置を制御する。このような制御が行われることで、車両用空調装置2は、外気導入口20aから導入される外気あるいは内気導入口20bから導入される内気を、蒸発器22で冷却および除湿する。そして車両用空調装置2は、冷却および除湿された空気をヒータコア23で暖め、ヒータコア23で暖められた暖風を、デフロスタ吹出口20cから車室内へ吹き出す。これにより、車両用空調装置2は、フロントガラス100aを暖め、防曇を行う。
以上、自動運転車両100、車両用空調装置2の構成について説明した。
次に、本実施形態に係る車両用制御装置1の構成について図4を参照して説明する。車両用制御装置1は、CPU、RAM、ROM、I/O等を備えるコンピュータとして構成されている。RAMおよびROMは、非遷移的実体的記憶媒体である。CPUは、ROMに記憶されたプログラムに従って各種処理(例えば、図5の処理)を実施する。
このようにCPUが各種処理を実現することにより、車両用制御装置1は、図4に示すように、運転モード切替部11として機能すると同時に、防曇制御部12として機能する。
運転モード切替部11は、自動運転車両100の自動運転度の切り替えを、種々の周知のセンサに基づいて周知の方法で行う。例えば、車両用制御装置1は、車両の乗員の操作に基づいて自動運転度を選択する。自動運転車両100は、車両用制御装置1によって選択された自動運転度を実現するモードで走行する。
防曇制御部12は、防曇部を構成する車両用空調装置2に信号を出力し、防曇部の防曇機能を制御する。また、防曇制御部12は、前部座席100bの座席回転装置3に信号を出力し、前部座席100bの回転位置を制御する。
防曇制御部12は、以下のように車両用空調装置2を制御する。尚、以下の制御がなされる状況としては、外気が基準温度よりも低温かつ基準湿度よりも低湿であって車室内の温度が外気の温度よりも高くなっている場合(例えば、冬季)が想定されている。
防曇制御部12は、図5に示す処理を実行する。まず防曇制御部12は、ステップ201で、運転モード切替部11が現在選択している自動運転度を特定する。続いてステップ205で、運転モード切替部11が現在選択している自動運転度が高いか否かを判定する。例えば、運転モード切替部11が現在選択している自動化レベルが0、1、2、3のいずれかである場合、防曇制御部12は、自動運転度が低いと判定する。そして、運転モード切替部11が現在選択している自動化レベルが4である場合、防曇制御部12は、自動運転度が高いと判定する。
自動運転度が低く設定されているときには、ドライバーの運転操作が必要であるため、防曇制御部12は、ステップ205からステップ210に進む。そして防曇制御部12は、ステップ210で、防曇機能を十分に高く発揮するように車両用空調装置2を制御する。
具体的には、防曇制御部12は、ステップ210で、図2に示すように、平板部24bを内気導入口20bの側に大きく回転させることで外気導入口20aから導入される外気の量の割合が大きくなるように、内外気切替えドア24を制御する。本実施形態の防曇制御部12は、特に、外気導入口20aから導入される外気の量が最大、かつ内気導入口20bから導入される内気の量の割合が最小となるように、内外気切替えドア24を制御する。すなわち、本実施形態の防曇制御部12は、ステップ210で、平板部24bの位置が外気導入位置となるように内外気切替えドア24を制御する。これにより、内外気比率が最大になり、車両用空調装置2に低温低湿の外気が大量に導入される。
また、防曇制御部12は、ステップ210で、図2に示すように、平板部25bをバイパス通路の側に大きく回転させることで本通路を通る空気の量の割合が大きくなるように、エアミックスドア25を制御する。本実施形態の防曇制御部12は、特に、本通路を通る空気の量が最大、かつバイパス通路を通る空気の量の割合が最小となるように、エアミックスドア25を制御する。すなわち、本実施形態の防曇制御部12は、ステップ210で、平板部25bの位置が最大暖房位置となるようにエアミックスドア25を制御する。これにより、車両用空調装置2に導入された低温低湿の外気が暖められ、高温低湿の空調風とされる。
また、防曇制御部12は、ステップ210で、図2に示すように、平板部26bを回転させることでデフロスタ吹出口20cから吹き出す空気の量が大きくなるように、デフロスタドア26を制御する。本実施形態の防曇制御部12は、特に、デフロスタ吹出口20cから吹き出す空気の量が最大となるように、デフロスタドア26を制御する。すなわち、本実施形態の防曇制御部12は、ステップ210で、平板部26bの位置が全開位置となるようにデフロスタドア26を制御する。これにより、高温低湿の空調風がフロントガラス100aの車室内側表面に向けて吹き出される。
また、防曇制御部12は、ステップ210で、図2に示すように、平板部28bを回転させることでフット吹出口20eから吹き出す空気の量が大きくなるように、フットドア28を制御する。本実施形態の防曇制御部12は、特に、フット吹出口20eから吹き出す空気の量が最大となるように、フットドア28を制御する。すなわち、本実施形態の防曇制御部12は、ステップ210で、平板部28bの位置が全開位置となるようにフットドア28を制御する。これにより、高温低湿の空調風が車室内下側の空間に向けて吹き出される。
このように、防曇制御部12は、自動運転度が低いときには、防曇機能を十分に発揮するように車両用空調装置2を制御する。この防曇機能によりフロントガラス100aの車室内側表面の曇りが抑制されることで、ドライバーは、車両進行方向の様子を視認することができ、安全に運転操作を実行できる。尚、本実施形態において、自動運転車両100は、自動運転度が低いときにも乗員の操作等によって防曇機能を停止できるように構成されていてもよい。
一方、自動運転度が高く設定されているときには、ドライバーの運転操作が不要であるため、防曇制御部12は、ステップ205からステップ220に進む。そして、防曇制御部12は、ステップ220で、防曇機能をステップ210の場合よりも低下させるように車両用空調装置2を制御する。
具体的には、防曇制御部12は、ステップ220で、図3に示すように、平板部24bを外気導入口20aの側に大きく回転させることで外気導入口20aから導入される外気の量の割合が小さくなるように、内外気切替えドア24を制御する。本実施形態の防曇制御部12は、特に、外気導入口20aから導入される外気の量が最小、かつ内気導入口20bから導入される内気の量の割合が最大となるように、内外気切替えドア24を制御する。すなわち、本実施形態の防曇制御部12は、ステップ220で、平板部24bの位置が内気導入位置となるように内外気切替えドア24を制御する。これにより、内外気比率が最低になり、車両用空調装置2に低温低湿の外気が導入され難くなるとともに、高湿の内気が導入され易くなる。
また、防曇制御部12は、ステップ220で、図3に示すように、車両用制御装置1は、平板部25bをバイパス通路の側に大きく回転させることでバイパス通路を通る空気の量の割合が小さくなるように、エアミックスドア25を制御する。本実施形態の防曇制御部12は、特に、本通路を通る空気の量が最大、かつバイパス通路を通る空気の量の割合が最小となるように、エアミックスドア25を制御する。すなわち、本実施形態の防曇制御部12は、ステップ220で、平板部25bの位置が最大暖房位置となるようにエアミックスドア25を制御する。本実施形態では、外気よりも高温となる内気がヒータコア23に流入することで、車両用空調装置2に導入された空気を暖めるために必要となるヒータコア23のエネルギーの消費量が低下する。
また、防曇制御部12は、ステップ220で、図3に示すように、車両用制御装置1は、平板部26bを回転させることでデフロスタ吹出口20cから吹き出す空気の量が小さくなるように、デフロスタドア26を制御する。本実施形態の防曇制御部12は、特に、デフロスタ吹出口20cから吹き出す空気の量が最小となるように、デフロスタドア26を制御する。すなわち、本実施形態の防曇制御部12は、ステップ220で、平板部26bの位置が全閉位置となるようにデフロスタドア26を制御する。これにより、空調風がフロントガラス100aの車室内側表面に向けて吹き出されなくなる。
また、防曇制御部12は、ステップ220で、図3に示すように、フットドア28を、フット吹出口20eから吹き出す空気の量が大きくなる状態のままとする。すなわち、本実施形態の防曇制御部12は、ステップ210で、平板部28bの位置が全開位置となるようにフットドア28を制御する。このため、高温高湿の空調風が車室内下側の空間に向けて吹き出される。
このように、防曇制御部12は、高い自動運転度に設定変更されたときには、防曇機能を発揮しないように車両用空調装置2を制御する。このように防曇機能を発揮しないように車両用空調装置2が制御されることにより、低温の外気をヒータコア23によって高温にすることが無くなるため、高温にするために必要なエネルギーを消費しなくて済む。すなわち、無駄なエネルギーを消費するという弊害を防止することができる。また、デフロスタ吹出口20cから車室内に供給される高温の空気によって乗員の顔などが暖められることによって乗員に不快感を与えてしまう弊害を防止することができる。また、低湿の空気によって車室内の湿度が下がることで乗員に喉や目の乾燥による痛みや不快感を与えてしまう弊害を防止することができる。
ここで、当然のことながら、高い自動運転度に設定変更されたときには、車両用空調装置2による防曇機能が発揮されないことで、フロントガラス100aの曇りが発生し得る。しかしながら、自動運転度が高い状態では、ドライバーが車両進行方向の様子を視認できなくても安全に走行することが可能である。尚、本実施形態において、自動運転車両100は、自動運転度が高いときにも乗員の操作等によって防曇機能を発揮できるように構成されていてもよい。
また、防曇制御部12は、ステップ220に続くステップ225で、前部座席100bが後ろ向きとなるように、座席回転装置3を制御する。これにより、前部座席100bに着座する乗員(すなわち、ドライバー)が前後方向DRfrの後ろ側を向くように、前部座席100bの向きが調整される。例えば、ドライバーが前後方向DRfrの前側を向くような姿勢に前部座席100bがあれば、座席回転装置3が、前部座席100bを、上下方向DRvを軸CLとして回転させる。これにより、図6に示すように、前部座席100bに着座する乗員(すなわち、ドライバー)が前後方向DRfrの後ろ側を向くように、前部座席100bが回転する。このように前部座席100bを回転させることにより、防曇機能が低くなることで曇ったフロントガラス100aを前部座席100bに着座している乗員が視認して不快感を覚えることを回避することができる。
このとき、後部座席100cに着座している乗員は、前後方向DRfrの前側を向いたままであるが、前部座席100bと比べてフロントガラス100aから遠く離れているため、曇ったフロントガラス100aを視認することによる不快感は少ない。また、後部座席100cに着座している乗員は、前部座席100bに着座している乗員と互いに向き合う状態となるため、互いに会話等をすることにより、曇ったフロントガラス100aを視認して不快感を覚えることなく快適に過ごすことができる。尚、ステップ225における前部座席100bの回転角度は、例えば90°〜270°であれば良く、特に180°であることが好ましい。
ステップ225の後、防曇制御部12は、ステップ201に戻る。そして、自動運転度が高く設定されて続けている間は、防曇制御部12は、ステップ201、205、220、225をこの順に実行することを繰り返す。
その後、自動運転度が高い値から低い値に設定変更されたときには、ドライバーの運転操作が必要である。この場合、防曇制御部12は、ステップ205から210に進み、上述の通り、ステップ220の場合よりも防曇機能を高くさせるように車両用空調装置2を制御する。
そして、防曇制御部12は、ステップ210からステップ215に進み、前部座席100bが前向きとなるように、座席回転装置3を制御する。これにより、前部座席100bに着座する乗員が前後方向DRfrの前側を向くように前部座席100bの向きが調整される。尚、ステップ215における前部座席100bの回転角度も、例えば90〜270°であれば良く、特に180°であることが好ましい。
ステップ215の後、防曇制御部12は、ステップ201に戻る。そして、自動運転度が低く設定されて続けている間は、防曇制御部12は、ステップ201、205、210、215をこの順に実行することを繰り返す。
その後、自動運転度が低い値から高い値に設定変更されたときには、防曇制御部12は、ステップ205から220に進み、上述の通り、ステップ210の場合よりも防曇機能が低くなるように車両用空調装置2を制御する。さらに、防曇制御部12は、ステップ225で前部座席100bを後ろ向きとなるように、座席回転装置3を制御する。
尚、自動運転度の設定変更があったときの車両用制御装置1による防曇部(すなわち、車両用空調装置2)についての上記制御のタイミングは、特に限定されないが、設定変更が発生してから可能な限り早い方が望ましい。また、自動運転度の設定変更があったときの車両用制御装置1による前部座席100bについての上記制御のタイミングも、特に限定されないが、設定変更が発生してから可能な限り早い方が望ましい。
以上で説明したように、本実施形態に係る車両用制御装置1および当該車両用制御装置1に用いられるプログラムは、自動運転度が所定の第1値の場合よりも第2値の場合の方が、防曇機能が低くなるよう、防曇部を制御する。ここで、第1値は、例えば、自動化レベルが0、1、2、3のいずれかである場合に対応する値である。また、第2値は、例えば、自動化レベルが4の場合に対応する値である。したがって、第1値よりも第2値の方が高い。
このため、本実施形態に係る車両用制御装置1によれば、自動運転度が比較的高いときには、自動運転度が比較的低いときに比べて、防曇機能が低く制御される。すなわち、本実施形態に係る車両用制御装置1によれば、自動運転度が高い自動運転状態のときにおいて、防曇機能が抑制されることで、防曇機能による種々の問題の発生が抑制される。
防曇機能による問題としては、以下のようなものがある。各種防曇装置の防曇機能を発揮するためには、空気を暖機あるいは冷却するためのエネルギー等の各種エネルギーが必要となる。よって、必要でないときに防曇装置が防曇機能を発揮してしまうと、無駄にエネルギーを消費してしまう。また、例えば、外部から供給される低温の空気を暖めて高温となった空気を窓に当てることで防曇を行う防曇装置の場合には、供給される高温の空気によって乗員の顔などが暖められることで、乗員に不快感を与えてしまうことがある。また、外部から供給される低湿の空気を車室内に供給することで防曇を行う防曇装置の場合には、低湿の空気によって車室内の湿度が下がることで、乗員に喉や目の乾燥による痛みや不快感を与えてしまうことがある。
尚、防曇機能が低くなることでフロントガラス100a等における曇りの発生が抑制され難くなるが、自動運転度が高い自動運転状態であるため、ドライバーが車両進行方向の様子を視認できなくても安全な走行が可能である。このようにすることで、ドライバーの運転負担が少ないときに防曇機能を低下させることで、防曇による問題を低減することができる。
また、具体例として、本実施形態の防曇部は、外気もしくは内気を導入し、導入した該外気もしくは該内気を所定温度(すなわち、暖気目標温度)まで暖めたのちに車室内へ供給する空調装置(すなわち、車両用空調装置2)である。そして、この防曇部は、導入する内気の量に対する導入する外気の量が小さくなるように制御されることで防曇機能が低くなる。
また、具体例として、本実施形態の防曇部(すなわち、車両用空調装置2)は、車室内のフロントガラス100a側へ供給する空気の量が小さいことで防曇機能が低くなるものである。
また、車両用制御装置1は、自動運転度(すなわち、自動化レベル)を変化させる切換制御が行われるときに、自動運転車両100に設置された最前座席(すなわち、前部座席100b)を、上下方向DRvを軸CLとして回転させる。
具体的には、車両用制御装置1は、自動運転度が第1値から第2値になったとき(すなわち、自動化レベルが0〜3のいずれかから4になったとき)に、最前座席を前後方向DRfrの後ろ側を向くように回転させる。尚、車両用制御装置1は、自動運転度が第1値に戻ったときには、最前座席を前後方向DRfrの前側を向くように回転させる。
このため、本実施形態に係る車両用制御装置1によれば、防曇機能が低くなることで曇ったフロントガラス100aを前部座席100bに着座している乗員が視認して不快感を覚えることを回避することができる。
ここで、本実施形態では、車両用制御装置1が、自動運転度に応じて、内外気切替えドア24、エアミックスドア25、デフロスタドア26それぞれの位置を変更することで、防曇機能を制御する例について説明したが、これに限定されない。車両用制御装置1は、例えば、自動運転度に応じて、内外気切替えドア24、エアミックスドア25、デフロスタドア26の少なくとも1つの位置を変更することで、防曇機能を制御する構成となっていてもよい。このことは、以降の実施形態においても同様である。
(第1変形例)
上述の第1実施形態では、車両用制御装置1が、自動運転度に応じて、内外気切替えドア24、エアミックスドア25、デフロスタドア26それぞれの位置を変更することで、防曇機能を制御する例について説明したが、これに限定されない。
車両用制御装置1は、例えば、蒸発器22を通過してバイパス通路を通過する風(すなわち、冷風)を車室内に供給し、車室内の温度および湿度を低くすることで、フロントガラス100aの防曇を実現する構成となっていてもよい。すなわち、空気を所定温度(以下、冷却目標温度と称する)まで冷却すると共に除湿、冷却および除湿した空気を車室内へ供給する車両用空調装置2が、防曇部として採用されていてもよい。この場合においても、高い自動運転度に設定変更されたときには、車両用制御装置1が、防曇機能を低下させるように車両用空調装置2を制御することにより、上記の第1実施形態と同様の効果が得られる。
具体的には、本変形例の防曇制御部12は、図5に示した処理に代えて、図7に示す処理を実行する。車両用制御装置1のCPUがプログラムを実行することで、防曇制御部12が図7の処理を実行する。図5の処理と図7の処理で同じ符号が付されたステップは、特に別言しない限り、同じ処理を実行する。
図7に示すように、防曇制御部12は、ステップ205で自動運転度が低いと判定した場合、ステップ210Aに進む。防曇制御部12は、ステップ210Aで、蒸発器22にて通常の冷却能力が発揮されるように、車両用空調装置2を制御する。この場合、例えば、防曇制御部12は、蒸発器22に流入する冷媒の温度が、蒸発器22に流入する空気の露点温度よりも低い温度となるように車両用空調装置2を制御する。これにより、蒸発器22に流入する空気中の水分が蒸発器22を通過する際に凝縮することで、低温低湿の空気を生成することができる。
一方、防曇制御部12は、ステップ205で自動運転度が高いと判定した場合、ステップ220Aに進む。防曇制御部12は、ステップ220Aで、蒸発器22における冷却能力が通常の冷却能力よりも低下するように、車両用空調装置2を制御する。この場合、例えば、防曇制御部12は、蒸発器22に流入する冷媒の温度が、ステップ210Aの処理を実行した際に蒸発器22に流入する冷媒の温度よりも高い温度となるように車両用空調装置2を制御する。
このように、本変形例の防曇制御部12は、高い自動運転度に設定変更された際に、蒸発器22の蒸発能力を低下させることで、すなわち、蒸発器22の冷却目標温度を高くすることで、防曇機能を低下させる。蒸発器22の蒸発能力が低下すると、蒸発器22の冷却能力および除湿能力が低下する。
ここで、本変形例において、蒸発器22とは別の冷却部を用いることも可能である。例えば、別の冷却部としてペルチェ素子を用いる場合には、高い自動運転度に設定変更された際にペルチェ素子への通電電力を低下させることで、防曇機能を低下させればよい。尚、ペルチェ素子への通電電力が低下すると、ペルチェ素子の冷却能力および除湿能力が低下する。
尚、本変形例では、車両用制御装置1の防曇制御部12は、ステップ201を実行することで特定部に対応し、ステップ205、210A、215、220A、225を実行することで制御実行部に対応する。
(第2変形例)
本変形例では、図8に示すように、自動運転車両100のフロントガラス100aに防曇部として機能する電気発熱部材100dが設けられた例について説明する。電気発熱部材100dは、フロントガラス100aの内部に設けられ、通電により発熱する発熱線で構成されている。
自動運転車両100は、電気発熱部材100dに通電した際に発生した熱をフロントガラス100aに供給し、フロントガラス100aを暖めることで、フロントガラス100aにおける曇りを抑制可能となっている。尚、本変形例では、電気発熱部材100dが防曇部として機能する。
本変形例では、車両用制御装置1が、高い自動運転度に設定変更されたときに、防曇機能を低下させるように電気発熱部材100dを制御することにより、上記の第1実施形態と同様の効果が得られる。
具体的には、本変形例の防曇制御部12は、図5に示した処理に代えて、図9に示す処理を実行する。車両用制御装置1のCPUがプログラムを実行することで、防曇制御部12が図9の処理を実行する。図5の処理と図9の処理で同じ符号が付されたステップは、特に別言しない限り、同じ処理を実行する。
図9に示すように、防曇制御部12は、ステップ205で自動運転度が低いと判定した場合、ステップ210Bに進む。防曇制御部12は、ステップ210Bで、電気発熱部材100dへの通電量を増加させる。
一方、防曇制御部12は、ステップ205で自動運転度が高いと判定した場合、ステップ220Bに進む。防曇制御部12は、ステップ220Bで、電気発熱部材100dへの通電量を、ステップ210Bの処理を実行した際の電気発熱部材100dへの通電量よりも低下させる。すなわち、防曇制御部12は、高い自動運転度に設定変更されたときに、電気発熱部材100dへの通電量が低くさせることで、防曇機能を低下させる。
ここで、本変形例では、電気発熱部材100dがフロントガラス100aの内部に設けられた発熱線で構成される例について説明したが、これに限定されない。電気発熱部材100dは、例えば、通電によって発熱するフィルムがフロントガラス100aに貼り付けられた構成となっていてもよい。
尚、本変形例では、車両用制御装置1の防曇制御部12は、ステップ201を実行することで特定部に対応し、ステップ205、210B、215、220B、225を実行することで制御実行部に対応する。
(第3変形例)
第1実施形態では、高い自動運転度に設定変更されたときに、車両用制御装置1が、内外気切替えドア24を内気導入位置、エアミックスドア25を最大暖房位置、デフロスタドア26を全閉位置に制御する例について説明したが、これに限定されない。
本変形例の防曇制御部12は、図5に示した処理に代えて、図10に示す処理を実行する。車両用制御装置1のCPUがプログラムを実行することで、防曇制御部12が図10の処理を実行する。図5の処理と図10の処理で同じ符号が付されたステップは、特に別言しない限り、同じ処理を実行する。
図10に示すように、防曇制御部12は、ステップ205で自動運転度が低いと判定した場合、ステップ210Cに進み、防曇機能を十分に高く発揮するように車両用空調装置2を制御する。尚、図10におけるステップ210Cの処理は、図5のステップ210の処理と同様であるため、その説明を省略する。
一方、防曇制御部12は、ステップ205で自動運転度が高いと判定した場合、ステップ220Cに進み、防曇機能をステップ210Cの場合よりも低下させるように車両用空調装置2を制御する。
具体的には、防曇制御部12は、ステップ220Cで、平板部24bの位置が中間導入位置となるように内外気切替えドア24を制御する。これにより、車両用空調装置2には、図11に示すように、内気だけでなく外気が導入されることで、車室内を換気することができる。
また、防曇制御部12は、ステップ220Cで、平板部25bの位置が中間開度位置となるようにエアミックスドア25を制御する。これにより、図11に示すように、ヒータコア23に流入する空気の流量が減少することで、ヒータコア23のエネルギーが消費され難くなる。
さらに、防曇制御部12は、ステップ220Cで、平板部26bの位置が中間開度位置となるようにデフロスタドア26を制御する。また、防曇制御部は、ステップ220Cで、平板部28bの位置が全開位置となるようにフットドア28を制御する。これにより、図11に示すように、空調風が車室内下側の空間に向けて吹き出されると共に、若干ではあるがフロントガラス100aの車室内側表面にも吹き出される。この結果、フロントガラス100aにおける曇りが若干抑制される。
本変形例の車両用制御装置1は、第1実施形態と同様に、自動運転度が高い自動運転状態のときにおいて、防曇機能が抑制されることで、防曇機能による種々の問題の発生が抑制される。
特に、本変形例の車両用制御装置1は、高い自動運転度に設定変更されたときに、内気および外気の双方が車両用空調装置2に導入されるので、車室内の換気によって、車室内の湿度が過度に上昇してしまうことを抑制することができる。
また、本変形例の車両用制御装置1は、高い自動運転度に設定変更されたときに、デフロスタドア26を中間開度位置に設定されるので、少なくともフロントガラス100a側に吹き出す空気の供給量が小さくなる。したがって、車室内上側の空間から空調風が吹き出されることを抑制することができる。
さらに、本変形例の車両用制御装置1は、高い自動運転度に設定変更されたときに、エアミックスドア25が中間開度位置に設定されるので、少なくともフロントガラス100a側に吹き出す空気の温度が低くなる。換言すれば、本変形例の車両用制御装置1は、高い自動運転度に設定変更されたときに、少なくともフロントガラス100a側に吹き出す空気の暖気目標温度が低くなる。したがって、ヒータコア23におけるエネルギーの消費量を抑えることができる。
ここで、本変形例では、車両用制御装置1が、自動運転度に応じて、内外気切替えドア24、エアミックスドア25、デフロスタドア26それぞれの位置を変更することで、防曇機能を制御する例について説明したが、これに限定されない。車両用制御装置1は、例えば、自動運転度に応じて、内外気切替えドア24、エアミックスドア25、デフロスタドア26の少なくとも1つの位置を変更することで、防曇機能を制御する構成となっていてもよい。
また、本変形例では、高い自動運転度に設定変更されたときに、デフロスタドア26を中間開度位置に設定することで、少なくともフロントガラス100a側に吹き出す空気の供給量を低下させる例について説明したが、これに限定されない。防曇制御部12は、高い自動運転度に設定変更されたときに、例えば、送風機21の送能力を低下させることで、少なくともフロントガラス100a側に吹き出す空気の供給量を低下させる構成となっていてもよい。
尚、本変形例では、車両用制御装置1の防曇制御部12は、ステップ201を実行することで特定部に対応し、ステップ205、210C、215、220C、225を実行することで制御実行部に対応する。
(第4変形例)
本変形例では、図12に示すように、自動運転車両100のリアガラス100eに防曇部として機能する電気発熱部材100fが設けられた例について説明する。リアガラス100eは、フロントガラス100aと同様に、車室内と車室外を仕切るガラス部材である。リアガラス100eの少なくとも一部は、車室内の乗員が車室外を視認可能なように、透明性を有している。リアガラス100eは、自動運転車両100の前後方向DRfrにおける後部座席100cよりも後ろ側に配置されている。
また、電気発熱部材100fは、リアガラス100eの内部に設けられ、通電により発熱する発熱線で構成されている。自動運転車両100は、電気発熱部材100fに通電した際に発生した熱をリアガラス100eに供給し、リアガラス100eを暖めることで、リアガラス100eにおける曇りを抑制可能となっている。尚、本変形例では、電気発熱部材100fが防曇部として機能する。
本変形例では、車両用制御装置1が、高い自動運転度に設定変更されたときに、フロントガラス100aの防曇機能を低下させるだけでなく、リアガラス100eにおける防曇機能を低下させる。具体的には、車両用制御装置1は、高い自動運転度に設定変更されたときに、リアガラス100eにおける防曇機能が低下するように、電気発熱部材100fへの通電量を低下させる。
ここで、リアガラス100eにおける曇りは、フロントガラス100aの曇りに比べて、ドライバーの運転操作への影響が小さい。このため、車両用制御装置1は、例えば、フロントガラス100aの防曇機能を低下させる前に、リアガラス100eにおける防曇機能を低下させる構成となっていてもよい。すなわち、リアガラス100eにおける防曇機能を低下させるタイミングは、フロントガラス100aの防曇機能を低下させるタイミングとずれていてもよい。
また、本変形例では、電気発熱部材100fがリアガラス100eの内部に設けられた発熱線で構成される例について説明したが、これに限定されない。電気発熱部材100fは、例えば、通電によって発熱するフィルムがリアガラス100eに貼り付けられた構成となっていてもよい。
また、本変形例では、自動運転車両100のリアガラス100eに電気発熱部材100fが設けられた例について説明したが、これに限定されない。車両用制御装置1は、例えば、サイドガラスに電気発熱部材が設けられた自動運転車両100において、自動運転度に設定変更されたときに、サイドガラスの防曇機能を低下させる構成となっていてもよい。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について図13を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態における車両用制御装置1による防曇部(すなわち、車両用空調装置2など)の制御条件を変更したものである。その他については、基本的に第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分のみについて説明する。
第1実施形態では、車両用制御装置1の防曇制御部12が、高い自動運転度に設定変更されたとき、あるいは低い自動運転度に設定変更されたときに防曇部の防曇機能を変化させる制御を実行していた。これに加えて、本実施形態の防曇制御部12は、自動運転度を変化させる切換制御が行われることの所定の予兆を検知したときに、防曇部の防曇機能を変化させる制御を行う。所定の予兆は、車両用制御装置1に伝えられ、車両用制御装置1が検知できるもの(例えば、電気信号)である。
具体的には、本実施形態の防曇制御部12は、図5に示した処理に代えて、図13に示す処理を実行する。車両用制御装置1のCPUがプログラムを実行することで、防曇制御部12が図13の処理を実行する。図5の処理と図13の処理で同じ符号が付されたステップは、特に別言しない限り、同じ処理を実行する。
図13の処理において、防曇制御部12は、ステップ205で自動運転度が高いと判定した場合、ステップ218に進む。防曇制御部12は、ステップ218で、自動運転度を低くする切換制御が行われることの所定の予兆を検知しているか否かを判定する。そのような予兆を検知している場合、防曇制御部12は、ステップ210に進んで、自動運転度を低くする切換制御が行われる前に、防曇機能を高く変更する。自動運転度が低くなる例としては、自動化レベルが4から0〜3のいずれかに設定変更される場合がある。
防曇制御部12は、ステップ218で、自動運転度を低くする切換制御が行われることの所定の予兆を検知していない場合は、ステップ220に進んで、防曇機能を低く設定する。
自動運転度を低くする切換制御が行われることの所定の予兆としては、例えば、ドライバーがハンドルやシフトレバーなどを操作したとき等がある。この場合、ドライバーがハンドルやシフトレバーなどを操作したとき等には、自動運転度を低くする切換制御が行われると見なして、車両用制御装置1は、自動運転度を低くする切換制御が行われる前に、予めより防曇機能を高めるように防曇部を制御する。すなわち、車両用制御装置1は、ハンドルやシフトレバー等の手動運転時にドライバーが操作する機器の操作信号を検知した際に、自動運転度を低くする切換制御が行われることの所定の予兆を検知したと判定する。
また、自動運転度を低くする切換制御が行われることの所定の予兆としては、緊急の場合にはドライバーの運転操作が要求される程度の自動運転度のとき(例えば、自動化レベル1〜3)に、前を走る車両が急減速するなど不自然な動きをしているとき等がある。この場合、自動運転度が低くなるのは、自動化レベルが1〜3からそれよりも低いレベルに設定変更される場合となる。
このように、本実施形態の車両用制御装置1は、上述のような所定の予兆を検知したときに、自動運転度を低くする切換制御が行われると見なす。そして、車両用制御装置1は、このように見なしたことに基づいて、自動運転度を低くする切換制御が行われる前に、予めより防曇機能を発揮するように防曇部を制御する。このように、予め防曇機能を発揮させることで、ドライバーによる運転時に防曇が間に合わないという不具合が生じ難くなり、安全性を十分に確保することができる。
また、防曇制御部12は、図13の処理においてステップ205で自動運転度が低いと判定した場合、ステップ208に進む。防曇制御部12は、ステップ208で、自動運転度を高くする切換制御が行われることの所定の予兆を検知しているか否かを判定する。そのような予兆を検知している場合は、ステップ220に進んで、自動運転度を高くする切換制御が行われる前に、防曇機能を低く変更する。自動運転度が高くなる例としては、自動化レベルが0〜3のいずれかから4に設定変更される場合がある。
防曇制御部12は、ステップ208で、自動運転度を高くする切換制御が行われることの所定の予兆を検知していない場合は、ステップ210に進んで、防曇機能を高く設定する。
自動運転度を高くする切換制御が行われることの所定の予兆としては、ドライバーの疲労および眠気の一方または両方を検知したとき等がある。ドライバーの疲労および眠気を検知する方法としては、周知の方向を採用する。例えば、車両用制御装置1は、ドライバーの顔を撮影した画像に基づいて、ドライバーの疲労の有無、および、ドライバーの眠気の有無を検知してもよい。
このように、本実施形態の車両用制御装置1は、上述のような所定の予兆を検知したときに、自動運転度を高くする切換制御が行われると見なして、自動運転度を高くする切換制御が行われる前に、予め防曇機能が低下するように防曇部を制御する。このように、予め防曇機能を低下させることで、防曇機能に要するエネルギーのさらなる節約を実現することができる。
尚、本実施形態では、車両用制御装置1の防曇制御部12は、ステップ201を実行することで特定部に対応し、ステップ205、208、210、215、218、220、225を実行することで制御実行部に対応する。
ここで、図13の処理では、自動運転度を高くする切換制御が行われる前に、防曇制御部12が、ステップ220で防曇機能を低下させ、ステップ225で前席座席100bを後ろ向きに回転させることになっているが、これに限定されない。防曇制御部12は、自動運転度を高くする切換制御が行われる前に、ステップ220で防曇機能を低下させ、自動運転度を高くする切換制御が行われた後に、ステップ225で前席座席100bを後ろ向きに回転させる構成となっていてもよい。
また、本実施形態は、自動運転度の高低が切り換わる前に、防曇機能を制御する例について説明したが、これに限定されない。車両用制御装置1は、例えば、自動運転度が高くなる前に防曇機能が低くなり、自動運転度が低くなる前に防曇機能が高くならないように、防曇部を制御する構成となっていてもよい。逆に、車両用制御装置1は、例えば、自動運転度が低くなる前に防曇機能が高くなり、自動運転度が低くなる前に防曇機能が低くならないように、防曇部を制御する構成となっていてもよい。このことは、以降の第3実施形態においても同様である。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について図14〜図17を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態の車両用制御装置1の機能構成、および防曇部(すなわち、車両用空調装置2など)の制御条件を変更したものである。その他については、基本的に第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分のみについて説明する。
本実施形態の車両用制御装置1は、図14に示すように、運転モード切替部11および防曇制御部12だけなく、外部と通信する通信部13として機能すると共に、自動運転予測部14として機能する。
通信部13は、自動運転車両100に搭載されて自動運転車両100の運転経路を検索するルート検索システム4と通信可能に構成されている。具体的には、通信部13は、ルート検索システム4で検索された運転経路に関する情報を取得可能に構成されている。尚、ルート検索システム4は、GPS(Global Positioning Systemの略)や車載カメラ等の位置情報システムで特定された現在地からユーザが決定した目的地までの運転経路を検索するシステムである。
自動運転予測部14は、自動運転度を変化させる切換制御が行われることを予測するものである。本実施形態の自動運転予測部14は、ルート検索システム4で検索された運転経路のうち、自動運転度を変化させる切換制御が行われる区間を予測区間として特定可能に構成されている。
ここで、加速、操舵、制動を全て自動運転システムが行う自動化レベルのレベル4は、例えば、歩行者の侵入が禁止された車両専用道路(例えば、高速道路)を走行している際に選択されることが予測される。
そこで、本実施形態の自動運転予測部14は、ルート検索システム4で検索された運転経路のうち、車両専用道路を、自動運転度を変化させる切換制御が行われる区間を予測区間として特定する構成となっている。
また、自動運転予測部14は、現在地情報や走行速度情報に基づいて、ルート検索システム4で検索された運転経路に含まれる予測区間の開始地点への予測到達時間Ts、および予測区間の終了地点への予測到達時間Teを特定可能に構成されている。自動運転予測部14は、予測到達時間Ts、Teを、現在地情報や走行速度情報だけでなく、運転経路における渋滞情報等を加味して算出する構成となっていることが望ましい。
さらに、自動運転予測部14は、内気の温湿度、外気の温湿度、日射量等の車両環境情報に基づいて、フロントガラス100aにおける曇りを防止するのに必要な必要防曇時間Tαを算出可能に構成されている。自動運転予測部14は、内気の温湿度、外気の温湿度、日射量だけでなく、運転経路における天候、搭乗者の人数、防曇部の防曇性能、車両の特性(例えば、車室内空間の大きさ、窓形状)等を加味して算出する構成となっていることが望ましい。また、必要防曇時間Tαは、フロントガラス100aのうち、ドライバーの前面に位置する領域の曇りを防止するのに必要な時間が最小時間となっていることが望ましい。
具体的には、本実施形態の自動運転予測部14は、図15に示す処理を実行する。車両用制御装置1のCPUがプログラムを実行することで、自動運転予測部14が図15の処理を実行する。
まず、自動運転予測部14は、ステップ500で、ルート検索システム4で検索された運転経路のうち、自動運転度が高くなると予測される予測区間を特定する。具体的には、自動運転予測部14は、ステップ500で、ルート検索システム4で検索された運転経路のうち、自動運転度がレベル4(すなわち、第2値)となると予測される予測区間を特定する。
続いて、自動運転予測部14は、ステップ510で、ステップ500で特定された予測区間の開始地点への予測到達時間Tsを特定する。また、自動運転予測部14は、ステップ520で、ステップ500で特定された予測区間の終了地点への予測到達時間Teを特定する。さらに、自動運転予測部14は、ステップ530で、フロントガラス100aにおける曇りを防止するのに必要な必要防曇時間Tαを算出する。
続いて、自動運転予測部14は、ステップ540で、防曇機能を低くする時刻を算出する。本実施形態の自動運転予測部14は、ステップ510で特定された予測区間の開始地点への予測到達時間Ts、予め設定された設定時間Tβに基づいて、防曇機能を低くする時刻を算出する。自動運転予測部14は、例えば、予測区間の開始地点への予測到達時間Tsに対して予め設定された設定時間Tβ前となる時刻を、防曇機能を低くさせる時刻として算出する。尚、設定時間Tβは、例えば、防曇機能を停止した際にフロントガラス100aに曇りが生じ始めると予測される時間に設定されている。
続いて、自動運転予測部14は、ステップ550で、防曇機能を高くする時刻を算出する。本実施形態の自動運転予測部14は、ステップ520で特定された予測区間の終了地点への予測到達時間Ts、ステップ530で特定された必要防曇時間Tαに基づいて、防曇機能を高くする時刻を算出する。自動運転予測部14は、例えば、予測区間の終了地点への予測到達時間Tsに対して必要防曇時間Tα前の時刻を、防曇機能を高くさせる時刻として算出する。
次に、本実施形態の防曇制御部12は、図5に示した処理に代えて、図16に示す処理を実行する。車両用制御装置1のCPUがプログラムを実行することで、防曇制御部12が図16の処理を実行する。図5の処理と図16の処理で同じ符号が付されたステップは、特に別言しない限り、同じ処理を実行する。
図16に示すように、防曇制御部12は、ステップ205で自動運転度が低いと判定した場合、ステップ208Aに進む。防曇制御部12は、ステップ208Aで、現在の時刻が自動運転予測部14で算出された防曇機能を低くする時刻に達したか否かを判定する。
この結果、現在の時刻が防曇機能を低くする時刻に達していない場合、防曇制御部12は、ステップ210に進んで、防曇機能を高い状態に維持する。
一方、現在の時刻が防曇機能を低くする時刻に達した場合、防曇制御部12は、ステップ220に進んで、防曇機能を低く変更する。すなわち、本実施形態の防曇制御部12は、図17に示すように、ルート検索システム4にて検索された運転経路のうち、自動運転度がレベル4となると予測される予測区間の開始地点に到達する所定時間前に防曇機能を低くする。
このように、本実施形態の車両用制御装置1は、自動運転度を高くする切換制御が行われる前に、予め防曇機能が低下するように防曇部を制御する。これによれば、防曇機能に要するエネルギーを節約することができる。
図16に戻り、防曇制御部12は、ステップ205で自動運転度が高いと判定した場合、ステップ218Aに進む。防曇制御部12は、ステップ218Aで、現在の時刻が自動運転予測部14で算出された防曇機能を高くする時刻に達したか否かを判定する。
この結果、現在の時刻が防曇機能を高くする時刻に達していない場合、防曇制御部12は、ステップ220に進んで、防曇機能を低い状態に維持する。
一方、現在の時刻が防曇機能を高くする時刻に達した場合、防曇制御部12は、ステップ210に進んで、防曇機能を高く変更する。本実施形態の防曇制御部12は、図17に示すように、ルート検索システム4にて検索された運転経路のうち、自動運転度がレベル4となると予測される予測区間の終了地点に到達する所定時間前に防曇機能を高くする。具体的には、防曇制御部12は、予測区間の終了地点に到達する必要防曇時間Tαの前に防曇機能を高くする。
このように、本実施形態の車両用制御装置1は、自動運転度を低くする切換制御が行われる前に、予め防曇機能が高くなるように防曇部を制御する。これによれば、ドライバーによる運転時に防曇が間に合わないという不具合が生じ難くなるので、安全性を十分に確保することができる。
ここで、図16の処理では、自動運転度を高くする切換制御が行われる前に、防曇制御部12が、ステップ220で防曇機能を低下させ、ステップ225で前席座席100bを後ろ向きに回転させることになっているが、これに限定されない。防曇制御部12は、自動運転度を高くする切換制御が行われる前に、ステップ220で防曇機能を低下させ、自動運転度を高くする切換制御が行われた後に、ステップ225で前席座席100bを後ろ向きに回転させる構成となっていてもよい。
また、本実施形態では、車両用制御装置1の通信部13が、車載されたルート検索システム4と通信可能に構成されている例について説明したが、これに限定されない。車両用制御装置1の通信部13は、例えば、車両外部のルート検索システム4と通信可能に構成されていてもよい。すなわち、通信部13は、車外のルート検索システム4で検索された運転経路に関する情報を取得可能に構成されていてもよい。
また、本実施形態の車両用制御装置1は、自動運転予測部14で、図15に示すステップ500〜ステップ520までの処理を実行する例について説明したが、これに限定されない。図15に示すステップ500〜ステップ520までの処理をルート検索システム4で特定することが可能な場合、自動運転予測部14は、図15に示すステップ530〜ステップ550までの処理を実行する構成となっていてもよい。
また、車両用制御装置1は、本実施形態の如く、自動運転予測部14にて必要防曇時間Tαを算出し、算出した必要防曇時間Tαに基づいて、防曇機能を高くする時刻を算出する構成となっていることが望ましいが、これに限定されない。車両用制御装置1は、例えば、予め定めた必要防曇時間Tαに基づいて、防曇機能を高くする時刻を算出する構成となっていてもよい。
尚、本実施形態では、車両用制御装置1の防曇制御部12は、ステップ201を実行することで特定部に対応し、ステップ205、208A、210、215、218A、220、225を実行することで制御実行部に対応する。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について図18〜図20を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態の防曇部(すなわち、車両用空調装置2など)の機能構成および制御条件を変更したものである。その他については、基本的に第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分のみについて説明する。
本実施形態の車両用空調装置2は、図18および図19に示すように、ヒータコア23の代わりに電気ヒータ29を備えている。電気ヒータ29は、ケース20の内部に設けられ、通電により発熱する発熱体で構成されている。この電気ヒータ29は、蒸発器22を通過した風(すなわち、冷風)を加熱する加熱機器である。なお、電気ヒータ29は、空気通路APにおいて、蒸発器22の風流れ下流側に配置されている。
自動運転車両100は、電気ヒータ29にてフロントガラス100aに供給する空気を加熱し、フロントガラス100aを暖めることで、フロントガラス100aにおける曇りを抑制可能となっている。
本変形例では、車両用制御装置1が、高い自動運転度に設定変更されたときに、防曇機能を低下させるように電気ヒータ29への通電量を制御することにより、上記の第1実施形態と同様の効果が得られる。
具体的には、本変形例の防曇制御部12は、図5に示した処理に代えて、図20に示す処理を実行する。車両用制御装置1のCPUがプログラムを実行することで、防曇制御部12が図20の処理を実行する。図5の処理と図20の処理で同じ符号が付されたステップは、特に別言しない限り、同じ処理を実行する。
図20に示すように、防曇制御部12は、ステップ205で自動運転度が低いと判定した場合、ステップ210Dに進む。防曇制御部12は、ステップ210Dで、防曇機能を十分に高く発揮するように車両用空調装置2を制御する。
具体的には、防曇制御部12は、ステップ210Dで、車室内に暖かい空気が供給されるように電気ヒータ29への通電量を増加させる。また、防曇制御部12は、図18に示すように、平板部24bの位置が外気導入位置となるように内外気切替えドア24を制御する。これにより、内外気比率が最大になり、車両用空調装置2に低温低湿の外気が大量に導入される。
さらに、防曇制御部12は、ステップ210Dで、平板部25bの位置が最大暖房位置となるようにエアミックスドア25を制御する。これにより、車両用空調装置2に導入された低温低湿の外気が電気ヒータ29で暖められて高温低湿の空調風とされる。
さらにまた、防曇制御部12は、ステップ210Dで、デフロスタ吹出口20cおよびフット吹出口20eの双方から空気が吹き出されるように、デフロスタドア26およびフットドア28を制御する。これにより、フロントガラス100aの車室内側表面に向けて高温低湿の空調風が吹き出されると共に、車室内下側の空間に向けて高温低湿の空調風が吹き出される。
一方、防曇制御部12は、ステップ205で自動運転度が高いと判定した場合、ステップ220Dに進む。防曇制御部12は、ステップ220Dで、電気ヒータ29への通電量を、ステップ210Dの処理を実行した際の電気ヒータ29への通電量よりも低下させる。すなわち、防曇制御部12は、高い自動運転度に設定変更されたときに、電気ヒータ29の温度を低下させることで防曇機能を低下させる。
また、防曇制御部12は、ステップ220Dで、図19に示すように、平板部24bの位置が内気導入位置となるように内外気切替えドア24を制御する。これにより、内外気比率が最低になり、車両用空調装置2に低温低湿の外気が導入され難くなるとともに、高湿の内気が導入され易くなる。
さらに、防曇制御部12は、ステップ220Dで、平板部25bの位置が最大暖房位置となるようにエアミックスドア25を制御する。本実施形態では、外気よりも高温となる内気が電気ヒータ29に流入することで、車両用空調装置2に導入された空気を暖めるために必要となる電気ヒータ29のエネルギーの消費量が低下する。
さらにまた、防曇制御部12は、ステップ220Dで、デフロスタ吹出口20cおよびフット吹出口20eのうち主にフット吹出口20eから空気が吹き出されるように、デフロスタドア26およびフットドア28を制御する。これにより、空調風がフロントガラス100aの車室内側表面に向けて吹き出されなくなる。
この際、防曇制御部12は、ステップ220Dでフット吹出口20eから吹き出す空気の量がステップ210Dでフット吹出口20eから吹き出す空気の量に維持されるように、送風機21を制御することが望ましい。このように、送風機21の送風能力を低下させれば、送風機21のエネルギーの消費量を低下させることができる。また、送風機21の送風能力の低下にともなって電気ヒータ29で暖められる空気の温度が低下し難くなるので、フット吹出口20eから吹き出す空気の温度低下を抑えることができる。尚、本実施形態では、車両用制御装置1の防曇制御部12が、ステップ201を実行することで特定部に対応し、ステップ205、210D、215、220D、225を実行することで制御実行部に対応する。
以上説明したように、本実施形態では、自動運転度が比較的高いときには、自動運転度が比較的低いときに比べて、防曇機能が低く制御される。このため、本実施形態に係る車両用制御装置1によれば、第1実施形態と同様に、防曇機能による種々の問題の発生が抑制される。
ここで、本実施形態では、車両用制御装置1が、自動運転度に応じて、電気ヒータ29への通電量、内外気切替えドア24、エアミックスドア25、デフロスタドア26の位置を変更することで、防曇機能を制御する例について説明したが、これに限定されない。車両用制御装置1は、例えば、自動運転度に応じて電気ヒータ29への通電量を変更し、内外気切替えドア24、エアミックスドア25、デフロスタドア26の位置を維持することで、防曇機能を制御する構成となっていてもよい。
また、本実施形態では、蒸発器22の風流れ下流側に電気ヒータ29だけが配置される例について説明したが、これに限定されない。車両用空調装置2は、例えば、蒸発器22の風流れ下流側にヒータコア23および電気ヒータ29が配置される構成になっていてもよい。
(第5実施形態)
以下、第5実施形態について図21〜図26を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態の車両用制御装置1の機能構成、および防曇部(すなわち、車両用空調装置2など)の制御条件を変更したものである。その他については、基本的に第1、第3実施形態と同様であるため、第1、第3実施形態と異なる部分のみについて説明する。
本実施形態の車両用制御装置1は、図21に示すように、運転モード切替部11および防曇制御部12だけなく、外部と通信する通信部13として機能すると共に、自動運転予測部14Aとして機能する。本実施形態の自動運転予測部14Aは、ルート検索システム4で検索された運転経路に基づいて、自動運転度を変化させる切換制御が行われる時刻を予測可能に構成されている。
ところで、自動運転システムが行う自動化レベルは、道路種別の変化に応じて切り替わる傾向がある。自動化レベルは、例えば、歩行者の侵入する一般道路から車両専用道路(例えば、高速道路)に切り替わった後に、高いレベルに変更されることが予測される。また、車両専用道路に対して自動運転車両100専用のレーンが設けられている場合、当該レーンに車線変更した際に、より高いレベルに変更されることが予測される。つまり、自動化レベルは、図22の実線で示すように、道路種別の変化に応じて段階的に上昇するように遷移することがある。なお、自動化レベルは、図22の破線で示すように、道路種別の変化に応じて一旦上昇した後に低下するように遷移することもある。
一方、自動運転システムが行う自動化レベルは、例えば、車両専用道路から一般道路に切り替わった後に、低いレベルに変更されることが予測される。また、自動化レベルは、例えば、一般道路が片側二車線から片側一車線に切り替わった場合等に、より低いレベルに変更されることが予測される。つまり、自動化レベルは、図23の実線で示すように、道路種別の変化に応じて段階的に低下するように遷移することがある。なお、自動化レベルは、図23の破線で示すように、道路種別の変化に応じて一旦低下した後に上昇するように遷移することもある。
そこで、本実施形態の自動運転予測部14Aは、ルート検索システム4で検索された運転経路に基づいて、自動運転度を変化させる切換制御が行われる時刻を推定する構成となっている。具体的には、自動運転予測部14Aは、ルート検索システム4で特定される現在地情報や走行速度情報に基づいて、自動運転度が現在の自動運転度に対して低下する運転度低下時刻Tdを推定する構成となっている。また、自動運転予測部14Aは、ルート検索システム4で特定される現在地情報や走行速度情報に基づいて、自動運転度が現在の自動運転度に対して上昇する運転度上昇時刻Tiを推定する構成となっている。自動運転予測部14Aは、運転度低下時刻Tdおよび運転度上昇時刻Tiを、現在地情報や走行速度情報だけでなく、運転経路における渋滞情報等を加味して推定する構成となっていることが望ましい。
ここで、ユーザの視界確保やフロントガラス100aにおける曇り防止にかけても差し支えない時間を安全時間Tsfとしたとき、この安全時間Tsfは、自動化レベルに応じて変化する。具体的には、図24に示すように、自動化レベルが高い場合は、自動化レベルが低い場合に比べて安全機能が高まるので安全時間Tsfが長くなる。自動化レベルが高く、安全時間Tsfが長い場合、防曇機能が低下していても安全性確保することができる。一方、自動化レベルが低く、安全時間Tsfが短い場合、防曇機能を早急に高めて安全性確保する必要がある。
続いて、本実施形態の自動運転予測部14Aが実行する処理の一例について、図25を参照して説明する。車両用制御装置1のCPUがプログラムを実行することで、自動運転予測部14Aが図25の処理を実行する。
まず、自動運転予測部14Aは、ステップ600で、ルート検索システム4で検索された運転経路において道路種別が変更されるタイミングを自動運転度の切替タイミングとして予測する。この際、自動運転予測部14Aは、次回の自動運転度の切替が現在の自動運転度を上昇させるものか、現在の自動運転度よりも低下させるものかを特定する。
続いて、自動運転予測部14Aは、ステップ610で、次回の自動運転度の切替が上昇予測および低下予測のいずれであるかを判定する。この結果、次回の自動運転度の切替が上昇予測となる場合、自動運転予測部14Aは、ステップ620で、次回自動運転度が現在の自動運転度に対して上昇する運転度上昇時刻Tiを推定する。
続いて、自動運転予測部14Aは、ステップ630で、防曇機能を低くする時刻を算出する。本実施形態の自動運転予測部14Aは、例えば、ステップ620で推定した運転度上昇時刻Tiに対して所定の第1基準時間ΔTi前となる時刻を、防曇機能を低くさせる時刻として算出する。第1基準時間ΔTiとしては、例えば、次々回の自動運転度の切替が次回の自動運転度よりも高くなると予測される場合に長くなる可変値を採用することが望ましい。なお、第1基準時間ΔTiは、可変値ではなく固定値が採用されていてもよい。
一方、次回の自動運転度の切替が低下予測となる場合、自動運転予測部14Aは、ステップ640で、次回自動運転度が現在の自動運転度に対して低下する運転度低下時刻Tdを推定する。
続いて、自動運転予測部14Aは、ステップ650で、防曇機能を高くする時刻を算出する。本実施形態の自動運転予測部14Aは、例えば、ステップ640で推定した運転度低下時刻Tdに対して所定の第2基準時間ΔTd前となる時刻を、防曇機能を高くさせる時刻として算出する。第2基準時間ΔTdとしては、例えば、次々回の自動運転度の切替が次回の自動運転度よりも低くなると予測される場合に長くなる可変値を採用することが望ましい。なお、第2基準時間ΔTdは、可変値ではなく固定値が採用されていてもよい。
次に、本実施形態の防曇制御部12は、図5に示した処理に代えて、図26に示す処理を実行する。車両用制御装置1のCPUがプログラムを実行することで、防曇制御部12が図26の処理を実行する。図5の処理と図26の処理で同じ符号が付されたステップは、特に別言しない限り、同じ処理を実行する。
図26に示すように、防曇制御部12は、ステップ205Aで、次回の自動運転度の切替が上昇予測および低下予測のいずれであるかを判定する。この結果、次回の自動運転度の切替が上昇予測と判定した場合、防曇制御部12は、ステップ208Bで、現在の時刻が自動運転予測部14Aで推定された防曇機能を低くする時刻に達したか否かを判定する。
この結果、現在の時刻が防曇機能を低くする時刻に達している場合、防曇制御部12は、ステップ220に進んで、防曇機能を低く変更する。一方、現在の時刻が防曇機能を低くする時刻に達していない場合、防曇制御部12は、ステップ230に進んで、防曇機能を現在の状態に維持する。
このように、本実施形態の車両用制御装置1は、自動運転度を高くする切換制御が行われる前に、予め防曇機能が低下するように防曇部を制御する。これによれば、防曇機能に要するエネルギーを節約することができる。
これに対して、防曇制御部12は、ステップ205Aで、次回の自動運転度が低下予測と判定した場合、ステップ218Bに進む。防曇制御部12は、ステップ218Bで、現在の時刻が自動運転予測部14Aで算出された防曇機能を高くする時刻に達したか否かを判定する。
この結果、現在の時刻が防曇機能を高くする時刻に達している場合、防曇制御部12は、ステップ210に進んで、防曇機能を高く変更する。一方、現在の時刻が防曇機能を高くする時刻に達していない場合、防曇制御部12は、ステップ240に進んで、防曇機能を現在の状態に維持する。
このように、本実施形態の車両用制御装置1は、自動運転度を低くする切換制御が行われる前に、予め防曇機能が高くなるように防曇部を制御する。これによれば、ドライバーによる運転時に防曇が間に合わないという不具合が生じ難くなるので、安全性を十分に確保することができる。
ここで、図26の処理では、前席座席100bの向きを回転させることについて特に記載していないが、第3実施形態等と同様に、自動運転度に応じて前席座席100bの向きを回転させる構成となっていてもよい。
また、本実施形態の車両用制御装置1は、自動運転予測部14で、図25に示すステップ600の処理を実行する例について説明したが、これに限定されない。図25に示すステップ600の処理をルート検索システム4で特定することが可能な場合、自動運転予測部14は、図25に示すステップ610〜ステップ650までの処理を実行する構成となっていてもよい。
尚、本実施形態では、車両用制御装置1の防曇制御部12は、ステップ201を実行することで特定部に対応し、ステップ205A、208B、210、215、218B、220、230、240を実行することで制御実行部に対応する。
(他の実施形態)
本開示は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、第1〜第3実施形態では、自動化レベルが0〜3のいずれかのときを自動運転度が上記第1値のときとし、自動化レベルが4のときを自動運転度が上記第2値のときとしていた。しかしながら、第1値および第2値はいずれも、これに限られるものでは無く、種々の定義を採用し得る。すなわち、例えば、自動化レベルが0〜2のいずれかのときを自動運転度が上記第1値のときとし、自動化レベルが3または4のときを自動運転度が上記第2値のときとしてもよい。また、自動化レベルが0または1のときを自動運転度が上記第1値のときとし、自動化レベルが2〜4のいずれかのときを自動運転度が上記第2値のときとしてもよい。また、自動化レベルが0のときを自動運転度が上記第1値のときとし、自動化レベルが1〜4のいずれかのときを自動運転度が上記第2値のときとしてもよい。
また、第1、第2実施形態では、自動運転度の一例として、日本政府およびNHTSA(National Highway Traffic Safety Administration)が定義している自動化レベルを採用していた。しかしながら、自動運転度としては、これに限られず、人間でなく自動運転システムに運転操作を依存する度合であれば他のものであってもよい。すなわち、自動運転度としては、例えば、SAEインターナショナルが定義している自動化レベル(すなわち、レベル0〜5)が採用されていても良く、その他の独自に定義した指標が採用されていてもよい。尚、これらの場合においても、第1値および第2値はいずれも、種々の定義を採用し得る。
また、自動運転度の指標としては、例えば、通常はドライバーの操作を必要としないが緊急の場合のみドライバーの操作が要求される場合等が考慮され得る。また、自動運転度の指標としては、例えば、ドライバーは常にハンドルに手を置いておく必要があるような場合、あるいは同一車線を走行している限りはドライバーの操作が必要ないが車線変更する際にはドライバーの操作が必要となる場合等も考慮され得る。
また、上記実施形態において、車両用制御装置1は、自動運転度が第2値よりも高い第3値になったときに、自動運転度が第2値のときの防曇機能よりも低くなるように、防曇部を制御する構成となっていてもよい。また、同様に、第4値、第5値、・・・を設定してもよい。すなわち、車両用制御装置1は、自動運転度が高い値になるに伴って、防曇機能が低下するように防曇部を制御する構成となっていてもよい。
また、上記実施形態において、車両用制御装置1は、防曇部を含んで構成されていてもよい。例えば、車両用制御装置1は、防曇部を構成する車両用空調装置2を含んで構成されていてもよい。
また、上記実施形態において、前部座席100bが乗員の操作などによって任意に回転可能に構成されていてもよい。この場合、ドライバーによる手動運転時には、乗員の操作による前部座席100bの回転が禁止されていることが望ましい。
また、上記実施形態の車両用制御装置1は、前部座席100bに座席回転装置3が設けられた自動運転車両100に適用される例について説明したが、これに限定されない。車両用制御装置1は、例えば、前部座席100bに座席回転装置3が設けられていない自動運転車両100にも適用可能である。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、制御実行部は、特定部で特定された自動運転度が第1値よりも高い第2値となる場合、特定部で特定された自動運転度が第1値の場合よりも、防曇部が発揮する防曇機能を低く制御する。
第2の観点によれば、防曇部は、空気を導入して暖め、暖められた空気を車室内に供給すると共に、導入する空気における内気に対する外気の比率である内外気比率が可変になっている空調装置である。また、制御実行部は、特定部で特定された自動運転度が第2値の場合、自動運転度が第1値の場合よりも内外気比率を低くすることで、自動運転度が第1値の場合よりも防曇部が発揮する防曇機能を低く制御する。このような防曇部を利用することで、内外気比率を利用した防曇機能の調整を自動運転度に応じて実施することができる。
第3の観点によれば、防曇部は、空気を導入して暖め、暖められた空気を車室内に供給すると共に、車室内における少なくとも窓側への空気の供給量が可変になっている空調装置である。制御実行部は、特定部で特定された自動運転度が第2値の場合、自動運転度が第1値の場合よりも車室内における少なくとも窓側への空気の供給量を小さくすることで、自動運転度が第1値の場合よりも防曇部が発揮する防曇機能を低く制御する。このような防曇部を利用することで、車室内における窓側へ供給する暖風の風量を利用した防曇機能の調整を自動運転度に応じて実施することができる。
第4の観点によれば、防曇部は、車両の外部の空気を導入し、導入した空気を所定温度まで暖め、暖めた空気を車室内へ供給する空調装置である。空調装置は、空気を暖めるための加熱機器を含んでいる。制御実行部は、特定部で特定された自動運転度が第2値の場合、自動運転度が第1値の場合よりも車室内における少なくとも窓側へ供給する空気の所定温度が低くなるように加熱機器の温度を低下させることで防曇部が発揮する防曇機能を低く制御する。このような防曇部を利用することで、車室内における窓側へ供給する暖風の温度を利用した防曇機能調整を自動運転度に応じて実施することができる。
第5の観点によれば、防曇部は、車両の外部から導入した空気を冷却することで空気を除湿する空調装置である。制御実行部は、特定部で特定された自動運転度が第2値の場合、自動運転度が第1値の場合よりも防曇部の除湿能力を低くすることで、自動運転度が第1値の場合よりも防曇部が発揮する防曇機能を低く制御する。このような防曇部を利用することで、除湿能力を利用した防曇機能の調整を自動運転度に応じて実施することができる。
第6の観点によれば、防曇部は、車両に搭載され、通電により発熱し、発熱した熱を前記窓に供給する電気発熱部材である。制御実行部は、特定部で特定された自動運転度が第2値の場合、自動運転度が第1値の場合よりも電気発熱部材への通電量を低くすることで、自動運転度が第1値の場合よりも防曇部が発揮する防曇機能を低く制御する。このような防曇部を利用することで、発熱能力を利用した防曇機能の調整を自動運転度に応じて実施することができる。
第7の観点によれば、制御実行部は、自動運転度が低くなることの所定の予兆を検知したときに、自動運転度が低くなる前に防曇機能を高くする。
この第7の観点によれば、予め防曇機能を発揮させることで、ドライバーによる運転時に防曇が間に合わないという不具合が生じ難くなり、安全性を十分に確保することができる。
第8の観点によれば、制御実行部は、ルート検索システムにて検索された運転経路のうち、自動運転度が第2値となると予測される予測区間の走行中において、自動運転度が低下すると予測される予測区間の終了地点に到達する前に防曇機能を高くする。これによれば、自動運転度が低くなる前に、予め防曇機能を高くすることで、ドライバーによる運転時に防曇が間に合わないという不具合が生じ難くなり、安全性を十分に確保することができる。
第9の観点によれば、制御実行部は、予測区間の終了地点に到達する到達予測時刻よりも窓の曇りを防止するのに必要な必要防曇時間前の時刻に防曇機能を高くする。これによれば、ドライバーによる運転時における窓曇りを十分に抑制することができる。
第10の観点によれば、制御実行部は、自動運転度が高くなることの所定の予兆を検知したときに、自動運転度が高くなる前に防曇機能を低くする。
この第10の観点によれば、予め防曇機能を低下させることで、防曇機能に要するエネルギーのさらなる節約を実現することができる。
第11の観点によれば、制御実行部は、ルート検索システムにて検索された運転経路のうち、自動運転度が第2値よりも低くなる区間の走行中において、自動運転度が第2値となると予測される予測区間の開始地点に到達する所定時間前に防曇機能を低くする。これによれば、自動運転度が高くなる前に、予め防曇機能を低くすることで、防曇機能に要するエネルギーのさらなる節約を実現することができる。
第12の観点によれば、車両用制御装置は、ルート検索システムに基づいて自動運転度が現在の自動運転度に対して低下する運転度低下時刻を推定する自動運転度推定部を備える。そして、制御実行部は、運転度低下時刻になる前に防曇機能を高くする。これによれば、自動運転度が低くなる前に、予め防曇機能を高くすることで、ドライバーによる運転時に防曇が間に合わないという不具合が生じ難くなり、安全性を十分に確保することができる。
第13の観点によれば、車両用制御装置は、ルート検索システムに基づいて自動運転度が現在の自動運転度に対して上昇する運転度上昇時刻を推定する自動運転度推定部を備える。そして、制御実行部は、運転度上昇時刻になる前に防曇機能を低くする。これによれば、自動運転度が高くなる前に、予め防曇機能を低くすることで、防曇機能に要するエネルギーのさらなる節約を実現することができる。
第14の観点によれば、車室内には、複数の座席が設置されている。複数の座席のうち、車両の前後方向における最前に配置される最前座席は、車両の上下方向を軸として回転可能に構成されている。制御実行部は、自動運転度が変化するときに、最前座席を回転させる。このようにすることで、防曇機能の調整に応じて最前座席の向きを変化させることができる。
第15の観点によれば、制御実行部は、自動運転度が第1値から第2値になったときに、最前座席を、最前座席に着座する乗員が前後方向の後ろ側を向くように回転させる。
この第15の観点によれば、防曇機能が低くなることで曇った窓を最前座席に着座している乗員が視認して不快感を覚えることを回避することができる。
上記各実施形態の一部または全部で示された第16の観点では、プログラムは、車両用制御装置を、制御実行部として機能させる。この第16の観点によれば、第1の観点と同様の効果が得られる。

Claims (16)

  1. 自動運転システムに運転操作を依存する度合を示す自動運転度に対応した運転モードで運転可能に構成されている車両(100)に適用され、前記車両の窓(100a、100e)の防曇機能を発揮する防曇部(2、100d、100f)を制御する車両用制御装置であって、
    前記自動運転度を特定する特定部(201)と、
    前記防曇部が発揮する防曇機能を制御する制御実行部(205、208、210、215、220、225)と、を備え、
    前記自動運転度は、前記自動運転システムに運転操作を依存する度合が大きい程、高い値を示すと定義したとき、
    前記制御実行部は、前記特定部で特定された前記自動運転度が第1値よりも高い第2値の場合、前記特定部で特定された前記自動運転度が前記第1値の場合よりも、前記防曇部が発揮する防曇機能を低く制御する車両用制御装置。
  2. 前記防曇部は、空気を導入して暖め、暖められた前記空気を車室内に供給すると共に、導入する前記空気における内気に対する外気の比率である内外気比率が可変になっている空調装置(2)であり、
    前記制御実行部は、前記特定部で特定された前記自動運転度が前記第2値の場合、前記自動運転度が前記第1値の場合よりも前記内外気比率を低くすることで、前記自動運転度が前記第1値の場合よりも前記防曇部が発揮する防曇機能を低く制御する請求項1に記載の車両用制御装置。
  3. 前記防曇部は、空気を導入して暖め、暖められた前記空気を車室内に供給すると共に、前記車室内における少なくとも前記窓側への前記空気の供給量が可変になっている空調装置(2)であり、
    前記制御実行部は、前記特定部で特定された前記自動運転度が前記第2値の場合、前記自動運転度が前記第1値の場合よりも前記車室内における少なくとも前記窓側への前記空気の供給量を小さくすることで、前記自動運転度が前記第1値の場合よりも前記防曇部が発揮する防曇機能を低く制御する請求項1に記載の車両用制御装置。
  4. 前記防曇部は、前記車両の外部の空気を導入し、導入した前記空気を所定温度まで暖め、暖めた前記空気を車室内へ供給する空調装置(2)であり、
    前記空調装置は、前記空気を暖めるための加熱機器(29)を含んでおり、
    前記制御実行部は、前記特定部で特定された前記自動運転度が前記第2値の場合、前記自動運転度が前記第1値の場合よりも前記車室内における少なくとも前記窓側へ供給する前記空気の前記所定温度が低くなるように前記加熱機器の温度を低下させることで、前記自動運転度が前記第1値の場合よりも前記防曇部が発揮する防曇機能を低く制御する請求項1に記載の車両用制御装置。
  5. 前記防曇部は、前記車両の外部から導入した空気を冷却することで前記空気を除湿する空調装置(2)であり、
    前記制御実行部は、前記特定部で特定された前記自動運転度が前記第2値の場合、前記自動運転度が前記第1値の場合よりも前記防曇部の除湿能力を低くすることで、前記自動運転度が前記第1値の場合よりも前記防曇部が発揮する防曇機能を低く制御する請求項1に記載の車両用制御装置。
  6. 前記防曇部は、前記車両に搭載され、通電により発熱し、発熱した熱を前記窓に供給する電気発熱部材(100d、100f)であり、
    前記制御実行部は、前記特定部で特定された前記自動運転度が前記第2値の場合、前記自動運転度が前記第1値の場合よりも前記電気発熱部材への通電量を低くすることで、前記自動運転度が前記第1値の場合よりも前記防曇部が発揮する防曇機能を低く制御する請求項1に記載の車両用制御装置。
  7. 前記制御実行部は、前記自動運転度が低くなることの所定の予兆を検知したときに、前記自動運転度が低くなる前に前記防曇機能を高くする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用制御装置。
  8. 前記制御実行部は、ルート検索システム(4)にて検索された運転経路のうち、前記自動運転度が前記第2値となると予測される予測区間の走行中において、前記自動運転度が低下すると予測される前記予測区間の終了地点に到達する前に前記防曇機能を高くする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用制御装置。
  9. 前記制御実行部は、前記予測区間の終了地点に到達する到達予測時刻よりも前記窓の曇りを防止するのに必要な必要防曇時間前の時刻に前記防曇機能を高くする請求項8に記載の車両用制御装置。
  10. 前記制御実行部は、前記自動運転度が高くなることの所定の予兆を検知したときに、前記自動運転度が高くなる前に前記防曇機能を低くする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の車両用制御装置。
  11. 前記制御実行部は、ルート検索システム(4)にて検索された運転経路のうち、前記自動運転度が前記第2値よりも低くなる区間の走行中において、前記自動運転度が前記第2値となると予測される予測区間の開始地点に到達する所定時間前に前記防曇機能を低くする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の車両用制御装置。
  12. ルート検索システム(4)に基づいて前記自動運転度が現在の前記自動運転度に対して低下する運転度低下時刻を推定する自動運転度推定部(14)を備え、
    前記制御実行部は、前記運転度低下時刻になる前に前記防曇機能を高くする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の車両用制御装置。
  13. ルート検索システム(4)に基づいて前記自動運転度が現在の前記自動運転度に対して上昇する運転度上昇時刻を推定する自動運転度推定部(14)を備え、
    前記制御実行部は、前記運転度上昇時刻になる前に前記防曇機能を低くする請求項1ないし12のいずれか1つに記載の車両用制御装置。
  14. 車室内には、複数の座席(100b、100c)が設置されており、
    前記複数の座席のうち、前記車両の前後方向における最前に配置される最前座席(100b)は、前記車両の上下方向を軸として回転可能に構成されており、
    前記制御実行部は、前記自動運転度が変化するときに、前記最前座席(100b)を回転させる請求項1ないし13のいずれか1つに記載の車両用制御装置。
  15. 前記制御実行部は、前記自動運転度が前記第1値から前記第2値になったときに、前記最前座席を、前記最前座席に着座する乗員が前記前後方向の後ろ側を向くように回転させる請求項14に記載の車両用制御装置。
  16. 自動運転システムに運転操作を依存する度合を示す自動運転度に対応した運転モードで運転可能に構成されている車両(100)の窓(100a、100e)の防曇機能を発揮する防曇部(2、100d、100f)を制御する車両用制御装置(1)に用いられるプログラムであって、
    前記自動運転度は、前記自動運転システムに運転操作を依存する度合が大きい程、高い値を示すと定義したとき、
    前記車両用制御装置を、前記自動運転度を特定する特定部(201)、および前記特定部が特定した前記自動運転度が第1値よりも高い第2値の場合、前記特定部が特定した前記自動運転度が前記第1値の場合よりも、前記防曇部が発揮する防曇機能を低く制御する制御実行部(205、208、210、215、218、220、225)として機能させるプログラム。
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