JPWO2018062159A1 - 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
本発明は、硬化性樹脂と光重合開始剤とを含有する液晶表示素子用シール剤であって、前記硬化性樹脂は、(メタ)アクリル化合物及び芳香族エポキシ化合物を含有し、前記光重合開始剤は、下記式(1)で表される化合物を含有し、前記硬化性樹脂と前記光重合開始剤とのSP値の差が2.5以下である液晶表示素子用シール剤である。
[化1]
Description
滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、ディスペンスにより長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下し、すぐに他方の透明基板を重ね合わせ、シール部に紫外線等の光を照射して仮硬化を行う。その後、液晶アニール時に加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うようにすれば、極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができ、現在この滴下工法が液晶表示素子の製造方法の主流となっている。
液晶汚染を抑制する方法として、特許文献3には、シール剤に高感度の光重合開始剤を配合することが開示されている。しかしながら、高感度の光重合開始剤を配合しただけでは、遮光部において充分に液晶汚染を抑制することができなかった。
本発明者は、高感度の光重合開始剤を用いても遮光部硬化性を充分に向上させることができない原因が、光重合開始剤の硬化性樹脂に対する低い溶解性にあると考えた。そこで本発明者は、硬化性樹脂及び光重合開始剤として特定の化合物をSP値の差が特定の値以下となるように組み合わせて用いることにより、遮光部硬化性に優れ、かつ、液晶汚染を抑制することができる液晶表示素子用シール剤を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記硬化性樹脂は、(メタ)アクリル化合物及び芳香族エポキシ化合物を含有する。上記(メタ)アクリル化合物と上記芳香族エポキシ化合物とを組み合わせて用いることにより、得られる液晶表示素子用シール剤が接着性と液晶汚染とを両立する効果に優れるものとなる。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味し、上記「(メタ)アクリル化合物」とは、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味し、上記「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。また、本明細書において、上記「芳香族エポキシ化合物」とは、芳香環とエポキシ基とを有する化合物を意味する。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ化合物中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER806、jER4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EPICLONEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EPICLONEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER YX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EPICLONHP4032、EPICLONEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EPICLONN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EPICLONN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EPICLONHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鉄住金化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、jER630(三菱化学社製)、EPICLON430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鉄住金化学社製)、EPICLON726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鉄住金化学社製)、エポリードPB(ダイセル社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ化合物のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鉄住金化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、jER1031、jER1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
上記ヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記二価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
上記三価のアルコールとしては、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシアクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ化合物とは、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイル基とをそれぞれ1つ以上有する化合物を意味し、例えば、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
上記硬化性樹脂が上記マレイミド化合物を含有することにより、上記式(1)で表される化合物からなる光重合開始剤をより溶解させ易いものとなる。
なお、本発明において上記マレイミド化合物は、光重合開始剤には含まず硬化性樹脂に含む。
上記式(3)で表される化合物としては、具体的には例えば、1,20−ビスマレイミド−10,11−ジオクチル−エイコサン(下記式(4−1)で表される化合物)、1−ヘプチレンマレイミド−2−オクチレンマレイミド−4−オクチル−5−ヘプチルシクロヘキサン(下記式(4−2)で表される化合物)、1,2−ジオクチレンマレイミド−3−オクチル−4−ヘキシルシクロヘキサン(下記式(4−3)で表される化合物)等が挙げられる。これらは、米国特許第5973166号明細書に記載の方法等によって合成することができる。
なお、本明細書において上記「SP値」は、溶解度パラメータを意味し、Fedorsの推算法により算出される。また、上記「平均SP値」は、重量分率によるSP値の平均である。
なお、本明細書において、上記「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定する際に用いるカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記光重合開始剤は、上記式(1)で表される化合物を含有する。上記光重合開始剤として上記式(1)で表される化合物を用いることにより、本発明の液晶表示素子用シール剤は遮光部硬化性に優れるものとなる。
なお、上記「SP値の差」は、平均SP値の差を意味する。即ち、上記硬化性樹脂と上記光重合開始剤とのSP値の差は、上記硬化性樹脂全体の平均SP値と上記光重合開始剤全体の平均SP値との差を意味する。
上記熱重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物等からなるものが挙げられる。なかでも、高分子アゾ化合物からなる開始剤(以下、「高分子アゾ開始剤」ともいう)が好ましい。
なお、本明細書において高分子アゾ化合物とは、アゾ基を有し、熱によってラジカルを生成する、数平均分子量が300以上の化合物を意味する。
なお、本明細書において、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ化合物としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。このような高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられる。
上記高分子アゾ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601、VPS−0501、VPS−1001(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
また、高分子ではないアゾ化合物からなる熱重合開始剤としては、例えば、V−65、V−501(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記熱硬化剤としては、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
上記有機酸ヒドラジドのうち市販されているものとしては、例えば、SDH、ADH、MDH(いずれも大塚化学社製)、アミキュアVDH、アミキュアVDH−J、アミキュアUDH、アミキュアUDH−J(いずれも味の素ファインテクノ社製)等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル粒子は、原料となる単量体を公知の方法により重合させることで得ることができる。具体的には例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で単量体を懸濁重合する方法、ラジカル重合開始剤の存在下で非架橋の種粒子に単量体を吸収させることにより種粒子を膨潤させてシード重合する方法等が挙げられる。
上記アルキル(メタ)アクリレート類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記酸素原子含有(メタ)アクリレート類としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ニトリル含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
上記フッ素含有(メタ)アクリレート類としては、例えば、トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なかでも、単独重合体のTgが低く、1g荷重を加えたときの変形量を大きくすることができることから、アルキル(メタ)アクリレート類が好ましい。
上記スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、トリメトキシシリルスチレン等が挙げられる。
上記ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等が挙げられる。
上記カルボン酸ビニルエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等が挙げられる。
上記不飽和炭化水素としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等が挙げられる。
上記ハロゲン含有単量体としては、例えば、塩化ビニル、フッ化ビニル、クロルスチレン等が挙げられる。
上記コアシェル(メタ)アクリレート共重合体微粒子のうち市販されているものとしては、例えば、F351(ゼオン化成社製)等が挙げられる。
なお、本明細書において、上記柔軟粒子の平均粒子径は、シール剤に配合する前の粒子について、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定することにより得られる値を意味する。上記レーザー回折式粒度分布測定装置としては、マスターサイザー2000(マルバーン社製)等を用いることができる。
なお、本明細書において上記柔軟粒子の硬度は、JIS K 6253に準拠した方法により測定されるデュロメータA硬さを意味する。
上記無機充填剤としては、例えば、シリカ、タルク、ガラスビーズ、石綿、石膏、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、モンモリロナイト、セリサイト、活性白土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素、硫酸バリウム、珪酸カルシウム等が挙げられる。
また、遮光剤として上記チタンブラックを含有する本発明の液晶表示素子用シール剤を用いて製造した液晶表示素子は、充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる。
また、上記チタンブラックの体積抵抗の好ましい下限は0.5Ω・cm、好ましい上限は3Ω・cmであり、より好ましい下限は1Ω・cm、より好ましい上限は2.5Ω・cmである。
なお、上記遮光剤の一次粒子径は、NICOMP 380ZLS(PARTICLE SIZING SYSTEMS社製)を用いて、上記遮光剤を溶媒(水、有機溶媒等)に分散させて測定することができる。
まず、ITO薄膜等の電極が付いた、ガラス基板やポリエチレンテレフタレート基板等の2枚の基板の一方に、本発明の液晶表示素子用シール剤を、スクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により塗布して枠状のシールパターンを形成する工程を行う。次いで、本発明の液晶表示素子用シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を基板のシールパターンの枠内に滴下塗布し、真空下で別の基板を重ね合わせる工程を行う。その後、本発明の液晶表示素子用シール剤のシールパターン部分に紫外線等の光を照射してシール剤を光硬化させる工程を行う方法により、液晶表示素子を得ることができる。また、上記シール剤を光硬化させる工程に加えて、シール剤を加熱して熱硬化させる工程を行ってもよい。
冷却管、撹拌羽根付き4つ口フラスコにビスフェノールA型エポキシ樹脂を170g(0.5mol)、アクリル酸86.5g(1.2mol)、トリフェニルフォスフィン2.6g(0.01mol)、及び、ジブチルヒドロキシトルエン0.2g(0.001mol)を入れ、オイルバス中で120℃で12時間撹拌した。上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、DIC社製の試薬を用いた。上記アクリル酸としては、東京化成工業社製の試薬を用いた。上記トリフェニルフォスフィンとしては、東京化成工業社製の試薬を用いた。上記ジブチルヒドロキシトルエンとしては、東京化成工業社製の試薬を用いた。
反応終了後、蒸留水での洗浄、真空乾燥、及び、ろ過を行い、ビスフェノールA型エポキシアクリレートオリゴマー(分子量4500、分散度2.5)を得た。
なお、得られたビスフェノールA型エポキシアクリレートオリゴマーは、1H−NMR及びGC−Msから構造の確認を行なった。
冷却管、撹拌羽根付き4つ口フラスコにビスフェノールA型エポキシ樹脂を170g(0.5mol)、メタクリル酸103.3g(1.2mol)、トリフェニルフォスフィン2.6g(0.01mol)、及び、ジブチルヒドロキシトルエン0.2g(0.001mol)を入れ、オイルバス中で120℃で12時間撹拌した。上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、DIC社製の試薬を用いた。上記メタクリル酸としては、東京化成工業社製の試薬を用いた。上記トリフェニルフォスフィンとしては、東京化成工業社製の試薬を用いた。上記ジブチルヒドロキシトルエンとしては、東京化成工業社製の試薬を用いた。
反応終了後、蒸留水での洗浄、真空乾燥、及び、ろ過を行い、ビスフェノールA型エポキシメタクリレートオリゴマー(分子量3200、分散度2.2)を得た。
なお、得られたビスフェノールA型エポキシメタクリレートオリゴマーは、1H−NMR及びGC−Msから構造の確認を行なった。
表1〜3に記載された配合比に従い、各材料を遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより実施例1〜12、比較例1〜5の液晶表示素子用シール剤を調製した。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1〜3に示した。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤について、各シール剤で用いた硬化性樹脂100g中に各シール剤で用いた光重合開始剤2gを入れ、120℃のオーブンで加熱した。加熱開始から、5分未満で完全に溶解した場合を「○○○」、5分以上10分未満で完全に溶解した場合を「○○」、10分以上30分未満で完全に溶解した場合を「○」、30分で溶解したものの、溶け残りが発生した場合を「△」、30分経過しても全く溶解しなかった場合を「×」として光重合開始剤の溶解性を評価した。
まず、厚さ0.7mmのコーニングガラスの半面をクロム蒸着した基板Aと、前面をクロム蒸着した基板Bとを準備した。次に、実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤100重量部に対して平均粒子径5μmのスペーサー粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSI−H050」)1重量部を遊星式撹拌装置によって均一に分散させた。次いで、該スペーサー粒子を分散させたシール剤を基板Aの中央部(クロム蒸着部と非蒸着部との境界)に塗布し、基板Bを貼り合わせてからシール剤を充分に押し潰し、基板A側からメタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒照射した。
その後、カッターを用いて基板A及びBを剥がし、紫外線直接照射部の際から50μm離れた点(クロム蒸着により遮光されていた部分)上のシール剤について顕微IR法によってスペクトルを測定し、シール剤中の(メタ)アクリロイル基の転化率を以下の方法により求めた。即ち、815〜800cm−1のピーク面積を(メタ)アクリロイル基のピーク面積とし、845〜820cm−1のピーク面積をリファレンスピーク面積として、下記式により(メタ)アクリロイル基の転化率を算出した。(メタ)アクリロイル基の転化率が80%以上であった場合を「○」、30%以上80%未満であった場合を「△」、30%未満であった場合を「×」として遮光部硬化性を評価した。
(メタ)アクリロイル基の転化率=(1−(紫外線照射後の(メタ)アクリロイル基のピーク面積/紫外線照射後のリファレンスピーク面積)/(紫外線照射前の(メタ)アクリロイル基のピーク面積/紫外線照射前のリファレンスピーク面積))×100
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤100重量部に対して平均粒子径5μmのスペーサー粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSI−H050」)1重量部を遊星式撹拌装置によって均一に分散させた。次いで、該スペーサー微粒子を分散させたシール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY−10E」)に充填し、脱泡処理を行ってから、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)にて、2枚のITO薄膜付きの透明電極基板の一方にシール剤を枠状に塗布した。続いて、TN液晶(チッソ社製、「JC−5001LA」)の微小滴を液晶滴下装置にてシール剤の枠内に滴下塗布し、他方の透明電極基板を、真空貼り合わせ装置にて5Paの真空下にて貼り合わせ、セルを得た。得られたセルに、メタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒照射した後、120℃で1時間加熱してシール剤を硬化させ、液晶表示素子を得た。
得られた液晶表示素子について、シール部周辺の液晶(特にコーナー部)を目視にて観察し、表示むらや線残像が確認されなかった場合を「○」、はっきりと表示むらや線残像が確認された場合を「△」、酷い表示むらや線残像が確認された場合を「×」として液晶表示素子の表示性能(低液晶汚染性)を評価した。
Claims (8)
- (メタ)アクリル化合物及び芳香族エポキシ化合物は、ビスフェノール骨格を有することを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用シール剤。
- 硬化性樹脂は、マレイミド化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示素子用シール剤。
- 硬化性樹脂全体の平均SP値が24以下であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の液晶表示素子用シール剤。
- 硬化性樹脂全体の重量平均分子量が340〜1万であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の液晶表示素子用シール剤。
- 請求項1、2、3、4、5又は6記載の液晶表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
- 請求項1、2、3、4、5若しくは6記載の液晶表示素子用シール剤又は請求項7記載の上下導通材料を用いてなることを特徴とする液晶表示素子。
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