JPWO2018025866A1 - 一硫化サマリウムの製造方法、体積変化材料、体積制御部材、負熱膨張材料、および化合物材料 - Google Patents

一硫化サマリウムの製造方法、体積変化材料、体積制御部材、負熱膨張材料、および化合物材料 Download PDF

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Abstract

ある態様の一硫化サマリウムの製造方法は、硫化サマリウムとサマリウム以外の希土類元素を含む硫化物とを原料として加熱し、500℃以上1200℃未満の温度範囲で原料を焼成することでサマリウムの一部が希土類元素で置換された希土類三二硫化物の固溶体を形成する工程と、固溶体とサマリウムとを混合し、500℃以上1200℃未満の温度範囲で加熱することで固溶体である一硫化サマリウムを生成する工程と、を含む。

Description

本開示は、一硫化サマリウムの製造方法に関する。
一般的に、物質は温度上昇に伴って熱膨張することが知られている。したがって、温度上昇によって物質が膨張すると、その物質が用いられている部材や装置の一部も膨張することとなり、寸法に誤差が生じたり変形したりする場合がある。また、熱膨張の程度は物質によって様々であり、熱膨張率の異なる異種の物質を組み合わせた部材や装置の場合、例えば、半導体基板を封止剤で封止したり太陽電池基板を金属材料で支持したりする場合、熱膨張率の差によって部材同士が剥離したり反ったりすることもある。
一方、温度上昇に伴って格子体積が減少する(負の熱膨張率を持った)負熱膨張材料も知られている。例えば、負の熱膨張率を有するペロブスカイト型マンガン窒化物結晶を含む熱膨張抑制剤(特許文献1参照)が考案されている。
また、他の負熱膨張材料として、一硫化サマリウムにおけるサマリウム元素の一部を希土類元素で置換したものも考案されている(非特許文献1、非特許文献2参照)。
国際公開第06/011590号パンフレット
A. Jayaraman、「Study of the valence transition in SmS induced by alloying, temperature, and pressure」、PHYSICAL REVIEW B、15 APRIL 1975、VOLUME 11、NUMBER 8、p.2783-2794 P. A. Alekseev、「Magnetic spectral response and lattice properties in mixed-valence Sm1-xYxS solid solutions studied with x-ray diffraction, x-ray absorption spectroscopy, and inelastic neutron scattering」、PHYSICAL REVIEW B、2006、VOLUME 74、035114
前述のペロブスカイト型マンガン窒化物結晶は、製造工程における加熱が500〜850℃程度であり、比較的低温で製造できる。一方で、大半のペロブスカイト型マンガン窒化物結晶は、負の熱膨張を示す温度の範囲ΔTが100℃未満であり、また、負の熱膨張を示す最低温度も−100℃より高い。
また、前述の一硫化サマリウムにおけるサマリウム元素の一部を希土類元素で置換した負熱膨張材料の場合、製造時の加熱温度が2000℃を超えることがあり、タンタルやタングステン等の高価な容器を製造時に用いる必要がある。また、これら容器を電子ビーム溶接で封止する必要もある。そのため、製造コストが増大しがちであり、工業レベルで多量の負熱膨張材料を製造するためには更なる改善が必要である。
本開示はこうした状況に鑑みてなされており、その目的とするところの一つは、外部から受けるエネルギーに応じて体積変化を示す一硫化サマリウムの新たな製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本開示のある態様の一硫化サマリウムの製造方法は、サマリウムとサマリウムを置換する1種以上の置換元素とを含む原料を用い、500℃以上1200℃未満の温度範囲で原料を焼成することでサマリウムの一部が置換元素に置換される加熱工程を含む。
本開示によれば、外部から受けるエネルギーに応じて体積変化を示す一硫化サマリウムを従来より低温で製造できる。
実施例1に係る一硫化サマリウムの製造方法における焼成温度の変化のタイミングと、原料の投入のタイミングを示した図である。 Sm1−xS(x=0.00〜0.33)のX線回折パターンを示す図である。 実施例1に係る一硫化サマリウムにおけるYの含有比率xと格子定数の関係を示す図である。 実施例1に係る一硫化サマリウム(Sm1−xS)の線膨張率と温度との関係を示した図である。 一硫化サマリウム(Sm1−xS)においてx=0.28の場合の線膨張率と温度との変化を示した図である。 実施例1に係る一硫化サマリウム(Sm1−xS)の電気抵抗率と温度との関係を示した図である。 Yに加えてイッテルビウム(Yb)を置換元素として含有するSm1−x−x’Ybx’S(x=0.29、x’=0.03〜0.2)のX線回折パターンを示す図である。 Yに加えてイッテルビウム(Yb)を置換元素として含有するSm1−x−x’Ybx’S(x=0.33、x’=0.03〜0.2)のX線回折パターンを示す図である。 実施例2に係る一硫化サマリウム(Sm1−x−x’Ybx’S)の線膨張率と温度との関係を示した図である。 実施例2に係る一硫化サマリウム(Sm1−x−x’Ybx’S)の電気抵抗率と温度との関係を示した図である。 Yに加えてエルビウム(Er)やホルミウム(Ho)を置換元素として含有する一硫化サマリウムのX線回折パターンを示す図である。 Yに加えてバリウム(Ba)を置換元素として含有するSm1−x−x’Bax’S(x=0.33、x’=0.03〜0.1)のX線回折パターンを示す図である。 実施例5に係る一硫化サマリウム(Sm1−xS(x=0.12,0.26,0.30))のX線回折パターンを示す図である。 実施例5に係る一硫化サマリウム(Sm1−xS)の線膨張率と温度との関係を示した図である。 実施例1の変形例1に係る一硫化サマリウムの製造方法における焼成温度の変化のタイミングと、原料の投入のタイミングを示した図である。 変形例1に係る製造方法において製造された一硫化サマリウム(Sm0.630.37S)のX線回折パターンを示す図である。 実施例7に係る一硫化サマリウム(Sm0.720.28S)のX線回折パターンを示す図である。 実施例8に係る一硫化サマリウム(Sm0.720.28S)のX線回折パターンを示す図である。 実施例9に係る一硫化サマリウム(Sm0.80.2S)のX線回折パターンを示す図である。 他の実施の形態に係る一硫化サマリウム(SmS1−xSb)の線膨張率と温度との関係を示した図である。
本開示のある態様の一硫化サマリウムの製造方法は、サマリウムとサマリウムを置換する1種以上の置換元素とを含む原料を用い、500℃以上1200℃未満の温度範囲で原料を焼成することでサマリウムの一部が置換元素に置換される加熱工程を含む。なお、焼成する際の温度は、600℃以上1200℃未満であってもよく、700℃以上1200℃未満であってもよい。
この態様によると、比較的広い温度範囲で負の熱膨張(体積変化)を示す一硫化サマリウムを従来より低温で製造できる。なお、原料は1種類の材料に限らず、複数の種類の材料を用いてもよい。また、複数の種類の材料は、同時に用いてもよいし、一部の種類の材料を混合し加熱してから、他の種類の材料を加えて加熱してもよい。ここで、一硫化サマリウムは、純粋な一硫化サマリウムだけでなく、サマリウムの一部を他の希土類元素や金属元素で置換した物質群を含むものである。
原料は、サマリウムを含む硫化物と、サマリウムを置換する置換元素を含む硫化物とを含んでもよい。これにより、比較的低温で負熱膨張材料を製造できる。
加熱工程は、SmとR(Rは1種以上の置換元素)とを混合し加熱することで(Sm1−xを生成する第1工程と、(Sm1−xとSmとを混合し、加熱することで一般式(1)Sm1−xSで表される一硫化サマリウムを生成する第2工程と、を含んでもよい。これにより、(Sm1−xの固溶体を先に製造してから一硫化サマリウムを製造するので、製造工程の全体にわたって低温で負熱膨張材料を製造できる。
第1工程は、500℃より高く1200℃未満の温度で焼成する第1焼成工程を含んでもよい。なお、第1工程は、850℃より高く1200℃未満の温度で焼成する第1焼成工程を含んでもよい。
第2工程は、500℃以上の温度で焼成した後に冷却する第2焼成工程と、第2焼成工程の後に再度500℃以上の温度で焼成した後に冷却する第3焼成工程と、を含んでもよい。なお、第2工程は、700℃以上の温度で焼成した後に冷却する第2焼成工程を含んでもよい。また、第2工程は、第2焼成工程の後に再度700℃以上の温度で焼成した後に冷却する第3焼成工程を含んでもよい。これにより、結晶性の高い一硫化サマリウムを製造できる。
第3焼成工程における焼成の温度は、第2焼成工程における焼成の温度よりも高く設定されていてもよい。これにより、更に結晶性の高い一硫化サマリウムを製造できる。
一般式(1)において、xは0<x≦0.49を満たしてもよい。これにより、低温の広い温度範囲で負の熱膨張を示す一硫化サマリウムを製造できる。なお、xは0.10以上であってもよい。あるいは、xは0.20以上であってもよい。
置換元素は、希土類元素および金属元素からなる群より選択された少なくとも1種以上の元素であってもよい。金属元素は、アルカリ土類金属元素および遷移金属元素からなる群より選択された少なくとも1種以上の元素であってもよい。例えば、置換元素は、Y、Yb、Er、Ho、Ba、SrおよびMnからなる群より選択された少なくとも1種以上の元素であってもよい。
一般式(1)において、置換元素RはY元素であり、xは0.02≦x≦0.37であってもよい。なお、xは0.10以上であってもよい。あるいは、xは0.20以上であってもよい。これにより、少なくとも4K〜320Kの温度範囲で負熱膨張を示す一硫化サマリウムを製造できる。
原料は、置換元素として2種類以上の元素を含んでもよい。これにより、置換元素が1つの場合と比較して、負の熱膨張係数の大きさや、負熱膨張を示す温度範囲、電気抵抗率等の物理特性の調整が容易となる。
本開示の別の態様も、一硫化サマリウムの製造方法である。この方法は、硫化サマリウムとサマリウム以外の希土類元素を含む硫化物とを原料として加熱し、700℃以上1200℃未満の温度範囲で原料を焼成することでサマリウムの一部が希土類元素で置換された希土類三二硫化物の固溶体を形成する工程と、固溶体とサマリウムとを混合し、700℃以上1200℃未満の温度範囲で加熱することで固溶体である一硫化サマリウムを生成する工程と、を含む。
硫化サマリウムとは、元素としてサマリウムと硫黄とを含むものであり、例えば、SmS、Sm、Sm等が有り得る。この態様によると、希土類三二硫化物の固溶体を形成してから一硫化サマリウムを製造するため、従来より低温で焼成しても、希土類元素の偏在が少ない一硫化サマリウムが得られる。
本開示のさらに別の態様は、一硫化サマリウムの製造方法である。この方法は、酢酸サマリウムと、サマリウムを置換する1種以上の置換元素を含む金属塩と、硫黄とを混合し加熱する方法である。
この態様によると、出発原料として酢酸サマリウム等の金属塩と硫黄を用いることが可能となる。また、塩を用いることで、サマリウムと置換されるべき金属元素のより均一な固溶が促進される。
常温におけるボールミリングの工程を更に含んでいてもよい。上記の工程で得られた一硫化サマリウムを常温でボールミリングによる処理をすることで、サマリウムと置換元素の固溶をより均一にできる。
本開示のさらに別の態様は、体積変化材料である。この体積変化材料は、上述の製造方法によって製造された一硫化サマリウムを用いた負熱膨張材料であって、負の線膨張係数の発現温度範囲ΔTが100K以上である。
この態様によると、使用される環境の温度変化が大きな装置や部材に好適に用いることができる。
本開示のさらに別の態様もまた、体積変化材料である。この体積変化材料は、上述の製造方法によって製造された一硫化サマリウムを用いた負熱膨張材料であって、負の線膨張係数が100K以下の温度で発現する。
この態様によると、宇宙船やロケットで使用される機器、冷却装置等の極低温環境下で使用される部品の体積変化(熱膨張)を抑制できる。
本開示の他の態様は、体積制御部材である。体積制御部材は、上述の体積変化材料と、正の線膨張係数を有する材料と、を有している。これにより、体積変化が抑制された部材として利用できる。
一硫化サマリウムは、常温常圧下でユニットセル体積の大きな絶縁体相、高圧下でユニットセル体積の小さな金属相の状態をとる。温度圧力一定のもとで電圧を印加することで、電気抵抗率が減少することが知られており、これは電場により金属相が誘起されたと理解されている。このとき体積も小さくなっていると考えられる。つまり、一硫化サマリウムは、電場により体積が小さくなる体積変化材料になり得る。
このように、本開示によれば、外部から受けるエネルギーに応じて体積変化を示す一硫化サマリウムを比較的低温で製造できる。ここで、外部から受けるエネルギーとは、例えば、熱エネルギー、電気エネルギー、磁気エネルギー、光エネルギー、圧力等である。
本開示の他の態様は、一硫化サマリウムの硫黄の一部がアンチモンで置換されている負熱膨張材料である。
この態様によると、硫黄の一部を他の元素で置換した一硫化サマリウムによる新たな負熱膨張材料を実現できる。
一硫化サマリウムは、一般式SmS1−xSb(0.01≦x≦0.5)で表されていてもよい。これにより、比較的高温で大きな負の線膨張係数を発現する一硫化サマリウムを実現できる。例えば、負の線膨張係数が450K以上で発現する一硫化サマリウムを実現できる。
本開示の他の態様は、一硫化サマリウムの硫黄の一部がアンチモンで置換されている化合物材料である。
以下、図面等を参照しながら、本開示を実施するための形態について詳細に説明する。
(一硫化サマリウム)
一硫化サマリウム(SmS)や、一硫化サマリウムの一部のサマリウム(Sm)を他の元素で置換した物質群(以下、これらを一硫化サマリウムと総称する。)は、Smの4f電子数の違いにより、格子体積が大きな絶縁相(電子配置4f; black phase)と格子体積が小さな金属相(電子配置4f5d; golden phase)の2相を取り得る。この2相のエネルギーが拮抗しているため、圧力などの小さな刺激により相変化が誘起され、敏感に物理状態が変化する。この性質を活用し、圧力センサーなどへの応用が期待されている。
加えて、一般的な材料と異なる「温めると縮む」負熱膨張を示す材料としても知られている。しかしながら、これまでは、タングステンなど高融点の金属るつぼ中に真空封管し、2000℃を超える高温で合成する必要があり、その工業的利用を阻んでいた。また、この製造方法で得られた一硫化サマリウムは、負熱膨張が発現する温度範囲が制限されるなど、特性の点でも改善の必要があった。
そこで、本発明者らが鋭意検討したところ、製造条件や原料の組合せを工夫することで、従来より遥かに低温で製造が可能であり、しかも、体積変化材料として負熱膨張特性が良好な一硫化サマリウムを製造できることを見出した。
[実施例1]
(一硫化サマリウムの製造方法)
実施例1に係る一硫化サマリウムの製造方法では、希土類三二硫化物であるSm(原料1)と、Smと異なる置換元素Rを含む他のR(原料2)と、を準備する。実施例1における置換元素Rはイットリウム(Y)である。
図1は、実施例1に係る一硫化サマリウムの製造方法における焼成温度の変化のタイミングと、原料の投入のタイミングを示した図である。
はじめに、SmとYとをそれぞれ所定量秤量し、混合撹拌した後、石英管に入れて真空封入する。その後、石英管をボックス炉にセットして加熱し、温度T=1100℃で18h維持した後、冷却する。その結果、中間生成物として固溶体でもある(Sm1−xが作製される。焼成時間は、例えば、10〜60h程度の範囲で設定される。また、冷却は、炉冷や徐冷で行われる。徐冷の場合、48h〜1week程度の範囲で設定される。
次に、中間生成物とSm(原料3)とをそれぞれ所定量秤量し、混合撹拌した後、石英管に入れて真空封入する。その後、石英管をボックス炉にセットして加熱し、温度T=700℃で10h維持した後、冷却する。その結果、一部のSmがYに置換された一般式(1)Sm1−xSで表される一硫化サマリウムが作製される。この方法で製造された一硫化サマリウムは、後述する結果が示すように良好な負熱膨張特性を有する。
このように、(Sm1−xの固溶体を先に製造してから一硫化サマリウムを製造するので、製造工程の全体にわたって低温で負熱膨張材料を製造できる。その結果、高価なタングステンやタンタルの坩堝を用いずに済む。
図2は、Sm1−xS(x=0.00〜0.33)のX線回折パターンを示す図である。測定は、xの値が異なる複数の試料を作製し、各試料を粉末X線回折(デバイ・シェラー法)により行った。図2に示すように、Yの含有比率xの増加に伴い、各格子面の間隔dに対応する回折ピークが高角度側にシフトしていることがわかる。つまり、格子面の間隔が狭まっており、格子定数が小さくなっていることがわかる。
図3は、実施例1に係る一硫化サマリウムにおけるYの含有比率xと格子定数の関係を示す図である。実施例1に係る一硫化サマリウムにおいては、xが0.26より小さい場合は、Smの電子状態が4fである絶縁相(black phase)であり、xが0.26より大きい場合は、Smの電子状態が4f5dである金属相(golden phase)であることがわかる。このように、一硫化サマリウムにおけるYの含有比率x(換言すれば、Smの含有比率1−x)を適宜選択することで、格子定数や電子状態(導電性や磁気モーメント)を制御することが可能である。
(線膨張率)
図4は、実施例1に係る一硫化サマリウム(Sm1−xS)の線膨張率と温度との関係を示した図である。線膨張率やその測定方法については既知であり、説明を省略する。
図4では、一硫化サマリウム(Sm1−xS)においてx=0.31、0.33、0.35、0.37の場合の線膨張率と温度との変化を示している。特に、Sm0.670.33Sの場合、温度範囲が4K〜320Kにおいて最大体積変化率Δω=1.3%となっている。なお、一硫化サマリウムは等方性の結晶格子である。
(負熱膨張が発現する温度範囲)
図5は、一硫化サマリウム(Sm1−xS)においてx=0.28の場合の線膨張率と温度との変化を示した図である。この場合、負熱膨張を示す最高温度を380Kまで高めることができる。つまり、一硫化サマリウムにおけるYの含有比率xを適宜選択することで、負熱膨張が発現する温度範囲をある程度調整することが可能である。
(電気抵抗率)
図6は、実施例1に係る一硫化サマリウム(Sm1−xS)の電気抵抗率と温度との関係を示した図である。図6では、一硫化サマリウム(Sm1−xS)においてx=0、0.02、0.05、0.10、0.14、0.18、0.22、0.33の場合の電気抵抗率と温度との変化を示している。図6に示すように、同じ温度においては、xの値が増大するにつれて一硫化サマリウム(Sm1−xS)の電気抵抗率が小さくなっていることがわかる。つまり、一硫化サマリウムにおけるYの含有比率xを適宜選択することで、電気抵抗率をある程度調整することが可能である。
[実施例2]
(複数の置換元素)
図7、図8は、Yに加えてイッテルビウム(Yb)を置換元素として含有するSm1−x−x’Ybx’S(x=0.29、0.33、x’=0.03〜0.2)のX線回折パターンを示す図である。図7や図8に示すように、本実施の形態に係る製造方法によれば、Smの一部をYやYb等の複数の希土類元素で置換した一硫化サマリウムを製造することも可能である。
図9は、実施例2に係る一硫化サマリウム(Sm1−x−x’Ybx’S)の線膨張率と温度との関係を示した図である。図4のラインL2に示すように、実施例1に係る一硫化サマリウム(Sm0.670.33S)は負熱膨張を示す最高温度は約320Kであった。一方、実施例2に係る一硫化サマリウム(Sm1−x−x’Ybx’S)においては、Ybを添加することにより、負熱膨張を示す最高温度をより高温側にシフトできることが明らかとなった。また、負の熱膨張係数の大きさを調整することも可能である。
図10は、実施例2に係る一硫化サマリウム(Sm1−x−x’Ybx’S)の電気抵抗率と温度との関係を示した図である。図10では、一硫化サマリウム(Sm1−x−x’Ybx’S)において(x、x’)=(0.33,0.05)、(0.33、0)、(0.16,0.16)、(0.14,0)の場合の電気抵抗率と温度との変化を示している。図10に示すように、一硫化サマリウムにおけるYの含有比率xやYbの含有比率x’を適宜選択することで、電気抵抗率をある程度調整することが可能である。
[実施例3]
(他の置換元素)
図11は、Yに加えてエルビウム(Er)やホルミウム(Ho)を置換元素として含有する一硫化サマリウムのX線回折パターンを示す図である。図11に示すように、本実施の形態に係る製造方法によれば、Smの一部をErやHo等の複数の希土類元素で置換した一硫化サマリウムを製造することも可能である。
[実施例4]
図12は、Yに加えてバリウム(Ba)を置換元素として含有するSm1−x−x’Bax’S(x=0.33、x’=0.03〜0.1)のX線回折パターンを示す図である。図12に示すように、本実施の形態に係る製造方法によれば、Smの一部を希土類元素であるYに加えてアルカリ土類金属元素であるBaで置換した一硫化サマリウムを製造することも可能である。つまり、置換元素として、希土類以外の金属元素を添加できることが示されている。
[実施例5]
実施例5に係る一硫化サマリウムは、アーク炉で作製したSm−Y合金と硫黄(S)とを反応させて製造した。具体的には、900℃で16hの焼成を2回行った。図13は、実施例5に係る一硫化サマリウム(Sm1−xS(x=0.12,0.26,0.30))のX線回折パターンを示す図である。図14は、実施例5に係る一硫化サマリウム(Sm1−xS)の線膨張率と温度との関係を示した図である。
図14に示すように、x=0.12、0.26,0.30の一硫化サマリウム(Sm1−xS)は、負熱膨張を示している。特に、x=0.26,0.30の一硫化サマリウム(Sm1−xS)は、室温から極低温の温度範囲で負熱膨張を示している。
上述のように、実施例1乃至5に示す一硫化サマリウムの製造は、SmとSmを置換する1種以上の置換元素とを含む原料を用い、500℃以上1200℃未満の温度範囲で原料を焼成することでSmの一部が置換元素に置換される加熱工程を含む。これにより、比較的広い温度範囲で負の熱膨張を示す一硫化サマリウムを従来より低温で製造できる。なお、前述の温度範囲は、600℃以上1200℃未満であってもよく、あるいは、700℃以上1200℃未満であってもよい。
(焼成条件)
次に、実施例1に係る一硫化サマリウムの製造方法における焼成条件の範囲について更に検討を行った結果を説明する。
図15は、実施例1の変形例1に係る一硫化サマリウムの製造方法における焼成温度の変化のタイミングと、原料の投入のタイミングを示した図である。
図15に示す製造方法では、SmとYとを混合し加熱することで固溶体である(Sm1−xを生成する第1工程において、焼成温度T1が異なる条件で比較検討している。具体的には、焼成温度T1を850℃、870℃、900℃、1000℃、1100℃、1200℃のそれぞれに設定した方法で一硫化サマリウムを製造した。また、(Sm1−xを生成する第1工程が終わった後は、一般式(1)Sm1−xSで表される一硫化サマリウムを生成する第2工程として、700℃で16h焼成し、冷却した後に800℃で16h焼成し、冷却した後に900℃で16h焼成している。これにより、結晶性の高い一硫化サマリウムを製造できる。
また、第2工程における複数回の焼成は、N回目(N=1以上の整数)の焼成温度よりもN+1回目の焼成温度の方が高く設定されている。これにより、更に結晶性の高い一硫化サマリウムを製造できる。
図16は、変形例1に係る製造方法において製造された一硫化サマリウム(Sm0.630.37S)のX線回折パターンを示す図である。図16に示すように、焼成温度T1が870℃、900℃、1000℃、1100℃の場合には、互いに同様の回折ピークが生じており、実施例1と同様の一硫化サマリウムが製造されていることが推測される。一方、焼成温度が850℃、1200℃の場合には、実施例1に係る一硫化サマリウムの回折ピークとは異なる回折ピークが多く生じており、Sm1−xS以外の相が多く存在している可能性がある。したがって、第1工程における焼成温度T1は850℃より高く、870℃以上が好ましい。また、第1工程における焼成温度T1は1200℃より低く、1100℃以下が好ましい。
上述のように、各実施例や変形例に係る一硫化サマリウムの製造方法は、硫化サマリウムとサマリウム以外の希土類元素を含む硫化物とを原料として加熱し、700℃以上1200℃未満の温度範囲で原料を焼成することでサマリウムの一部が希土類元素で置換された希土類三二硫化物の固溶体を形成する工程と、固溶体とサマリウムとを混合し、700℃以上1200℃未満の温度範囲で加熱することで固溶体である一硫化サマリウムを生成する工程と、を含む。
これにより、希土類三二硫化物の固溶体を形成してから一硫化サマリウムを製造するため、従来より低温で焼成しても、希土類元素の偏在が少ない一硫化サマリウムが得られる。
[実施例6]
(酢酸塩を用いた反応)
実施例6に係る一硫化サマリウムは、酢酸サマリウム(Sm(CHCOOH))と酢酸イットリウム(Y(CHCOOH))と硫黄(S)とを反応させて製造した。具体的には、高圧N雰囲気において焼成を行った。これにより、より低温で簡便な方法で一硫化サマリウムを製造できる。
[実施例7]
(ボールミリングによる反応)
実施例7に係る一硫化サマリウムは、希土類三二硫化物の固溶体とサマリウムとを所定量精秤し混合してから、500℃以上1200℃未満の温度範囲で加熱した後、ボールミリングを行って製造した。具体的には、加熱後の物質を300rpmで55分間粉砕した後、10分間おき、もう一度55分間粉砕した。図17は、実施例7に係る一硫化サマリウム(Sm0.720.28S)のX線回折パターンを示す図である。図17の上段のX線回折パターンDP1は、前述の第2工程を700℃で行った後に測定したものである。また、図17の中段のX線回折パターンDP2は、第2工程終了後にボールミリングを2時間程度行った後に測定したものである。また、図17の下段のX線回折パターンDP3は、第2工程終了後にボールミリングを4時間程度行った後に測定したものである。
図17に示すように、上段のX線回折パターンDP1では2相に分離していたものが、ボールミリングによってより均一になっていることがわかる。したがって一硫化サマリウムはボールミリングの工程によって反応が進み、均一性が増すといえる。
[実施例8]
(原料のボールミリングによる効果)
実施例8に係る一硫化サマリウムは、ボールミリングを施した希土類三二硫化物の固溶体(Sm1.160.84)とサマリウムとを混合し、500℃、600℃、700℃で加熱して製造した。図18は、実施例8に係る一硫化サマリウム(Sm0.720.28S)のX線回折パターンを示す図である。図18に示すように、加熱温度が600℃、700℃の場合において、一硫化サマリウムを示すX線回折パターンが得られた。これにより、原料をボールミリングによって微粉末化することによって、より低温(600℃以上)で一硫化サマリウムを製造できることがわかった。なお、本発明者らは、製造条件や組成を適切に選択することで、より低温(例えば500℃程度)で一硫化サマリウムを製造できる可能性を見出している。
[実施例9]
実施例9に係る一硫化サマリウムは、希土類三二硫化物の固溶体とサマリウムとの混合比が実施例7と異なる以外は、実施例7と同様の方法で製造されたものである。図19は、実施例9に係る一硫化サマリウム(Sm0.80.2S)のX線回折パターンを示す図である。図19の上段のX線回折パターンDP4は、前述の第2工程を700℃で行った後に測定したものである。また、図19の下段のX線回折パターンDP5は、第2工程終了後にボールミリングを4時間程度行った後に測定したものである。図19に示すように、上段のX線回折パターンDP4では2相に分離していたものが、ボールミリングによってより均一になっていることがわかる。
[実施例10]
(メカニカルアロイング)
実施例10においては、一硫化サマリウム(SmS)と一硫化イットリウム(YS)を出発原料として、所定の混合比で混合し、特段の熱処理をせずに、前述のボールミリング(メカニカルアロイング)を施した。その結果、固溶系(Sm1―xS(0<x<1))の合金が得られることが分かった。このように、複数の一硫化物を出発原料とすることで、特段の熱処理を行わずに、体積変化材料を製造する可能性が見出された。
なお、前述の一硫化イットリウム(YS)の代わりに、一硫化物MS(ここで、Mは希土類元素、アルカリ土類金属元素および遷移金属元素からなる群より選択された1種以上の元素である)を出発原料として用いてもよい。Mは、Yの他に、Yb、Tm、Ba、Mnなどが好適である。
(体積変化材料(負熱膨張材料))
上述のように、本実施の形態に係る製造方法によって製造された一硫化サマリウムは、負熱膨張材料であり、体積変化材料に好適である。本実施の形態に係る負熱膨張材料は、負の線膨張係数の発現温度範囲ΔTが100K以上と広く、場合によっては300K以上である。これにより、使用される環境の温度変化が大きな装置や部材に好適に用いることができるため、広範な用途への拡大が見込める。
また、本実施の形態に係る負熱膨張材料は、負の線膨張係数が100K以下の温度で発現するものである。これにより、宇宙船やロケットで使用される機器、冷却装置等の極低温環境下で使用される部品の熱膨張による体積変化を抑制できる。
また、本実施の形態に係る体積変化材料と、正の線膨張係数を有する材料と、を組み合わせることで、熱膨張が抑制された体積制御部材として利用できる。
[他の実施の形態]
上述の実施の形態では、一硫化サマリウムに含まれるサマリウムを置換しうる元素に着目したが、以下では、一硫化サマリウムに含まれる硫黄の一部を置換しうる元素に着目した。本発明者らは各元素や化合物の電子状態を勘案した結果、硫黄を置換する元素として、アンチモン(Sb)、ヒ素(As)、リン(P)等を候補とし、まずはアンチモンを置換元素として実験を行った。
その結果、本発明者らは、SmSとSmSbの固溶系であるSmS1−xSb(0<x<1)が新規な材料であることを見出した。つまり、本発明者らは、一硫化サマリウムの硫黄の一部がアンチモンで置換されている新規な化合物材料を得ることに成功した。更には、本発明者らは、この新規化合物材料の一つの特性として負熱膨張に着目して検討を行った。
図20は、他の実施の形態に係る一硫化サマリウム(SmS1−xSb)の線膨張率と温度との関係を示した図である。図20では、一硫化サマリウム(SmS1−xSb)においてx=0.10、0.15の場合の線膨張率と温度との変化を示している。なお、各試料は、前述の製造方法を用い諸条件を調整することで作製できる。
図20に示すように、硫黄の一部をアンチモンで置換した一硫化サマリウムは、負の熱膨張を示す材料であることが明らかとなった。このような材料を実現できた理由の一つとして、低温合成により硫黄欠損が抑えられ、硫黄元素のサイトにアンチモン元素が固溶できたと推測される。
なお、一般式SmS1−xSbで表される一硫化サマリウムにおいてxの値は0.01以上が好ましい。xが0.01以上であれば負の熱膨張を示す可能性が高い。より好ましくはxが0.05以上、更に好ましくxが0.10以上である。また、xの値が0.5以下で一硫化サマリウムの機能を損なわずに負の熱膨張を示す可能性が高い。より好ましくはxが0.30以下、更に好ましくはxが0.15以下である。
これにより、比較的高温で大きな負の線膨張係数を発現する一硫化サマリウムを実現できる。また、図20に示すように、一般式SmS1−xSb(0.10≦x≦0.15)で表される一硫化サマリウムは、負の線膨張係数が400k以上あるいは450K以上の比較的高温の範囲で実現できる。
以上、本開示を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本開示の一硫化サマリウムは、通常材料が示す熱膨張を相殺して抑制する熱膨張抑制剤として利用することができる。また、特定の温度範囲において負熱膨張する、負の熱膨張材料を作製することができる。更に、特定の温度範囲においては、正にも負にも膨張しない、ゼロ熱膨張材料をも作製できる。
具体的には、温度による形状や寸法の変化を嫌う精密光学部品や機械部品、プロセス機器、工具、ファイバーグレーディングの温度補償材、プリント回路基板、電子部品の封止材、熱スイッチ、冷凍機部品、航空機部品、ロケット部品、人工衛星部品などに利用することができる。
本開示の一硫化サマリウムは、電場で体積を変化させる体積制御部材として利用できる。
具体的には、精密位置決め素子、インクジェットプリンターのインク押出し部、超音波発信機、内燃機関等の燃料調整部、内視鏡の駆動部などに利用することができる。

Claims (14)

  1. サマリウムとサマリウムを置換する1種以上の置換元素とを含む原料を用い、500℃以上1200℃未満の温度範囲で前記原料を焼成することでサマリウムの一部が前記置換元素に置換される加熱工程を含む、ことを特徴とする一硫化サマリウムの製造方法。
  2. 前記原料は、サマリウムを含む硫化物と、サマリウムを置換する前記置換元素を含む硫化物とを含むことを特徴とする請求項1に記載の一硫化サマリウムの製造方法。
  3. 前記加熱工程は、SmとR(Rは1種以上の前記置換元素)とを混合し加熱することで(Sm1−xを生成する第1工程と、前記(Sm1−xとSmとを混合し、加熱することで一般式(1)Sm1−xSで表される一硫化サマリウムを生成する第2工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の一硫化サマリウムの製造方法。
  4. 硫化サマリウムとサマリウム以外の希土類元素を含む硫化物とを原料として加熱し、500℃以上1200℃未満の温度範囲で前記原料を焼成することでサマリウムの一部が希土類元素で置換された希土類三二硫化物の固溶体を形成する工程と、前記固溶体とサマリウムとを混合し、500℃以上1200℃未満の温度範囲で加熱することで固溶体である一硫化サマリウムを生成する工程と、を含むことを特徴とする一硫化サマリウムの製造方法。
  5. 酢酸サマリウムと、サマリウムを置換する1種以上の置換元素を含む金属塩と、硫黄とを混合し加熱することを特徴とする一硫化サマリウムの製造方法。
  6. 常温におけるボールミリングの工程を含む、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の一硫化サマリウムの製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項の製造方法によって製造された一硫化サマリウムを用いた体積変化材料であって、負の線膨張係数の発現温度範囲ΔTが100K以上であることを特徴とする体積変化材料。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項の製造方法によって製造された一硫化サマリウムを用いた体積変化材料であって、負の線膨張係数が100K以下の温度で発現することを特徴とする体積変化材料。
  9. 請求項7または8に記載の体積変化材料と、
    正の線膨張係数を有する材料と、
    を有する体積制御部材。
  10. 一硫化サマリウムと、該一硫化サマリウムとは異なる一硫化物MS(ここで、Mは希土類元素、アルカリ土類金属元素および遷移金属元素からなる群より選択された1種以上の元素である)を出発原料として、該出発原料を混合したものをメカニカルアロイングにより処理することを特徴とする一硫化サマリウムの製造方法。
  11. 一硫化サマリウムの硫黄の一部がアンチモンで置換されていることを特徴とする負熱膨張材料。
  12. 前記一硫化サマリウムは、一般式SmS1−xSb(0.01≦x≦0.5)で表されることを特徴とする請求項11に記載の負熱膨張材料。
  13. 前記一硫化サマリウムは、負の線膨張係数が450K以上で発現することを特徴とする請求項11または12に記載の負熱膨張材料。
  14. 一硫化サマリウムの硫黄の一部がアンチモンで置換されていることを特徴とする化合物材料。
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