JPWO2018025586A1 - 熱伝導シート - Google Patents

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大介 内海
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Abstract

本発明の熱伝導シートは、粒子状炭素材料と、一種又は複数種の樹脂からなる樹脂成分とを含むプレ熱伝導シートが、熱伝導シートの厚み方向に対して横断方向に複数層積層されてなり、加圧による応力緩和率が85%以下である。

Description

本発明は、熱伝導シートに関する。
近年、プラズマディスプレイパネル(PDP)や集積回路(IC)チップ等の電子部品は、高性能化に伴って発熱量が増大している。その結果、電子部品を用いた電子機器では、電子部品の温度上昇による機能障害対策を講じる必要が生じている。
電子部品の温度上昇による機能障害対策としては、一般に、電子部品等の発熱体に対し、金属製のヒートシンク、放熱板、放熱フィン等の放熱体を取り付けることによって、放熱を促進させる方法が採られている。また、放熱体を使用する際には、発熱体から放熱体へと熱を効率的に伝えるために、良好な熱伝導性を発揮するシート状の部材(熱伝導シート)を介して発熱体と放熱体とを密着させている。そして、発熱体と放熱体との間に配設される熱伝導シートには、厚み方向の熱伝導性に富むことが求められている。
ここで、熱伝導シートとしては、通常、樹脂と、熱伝導性を発揮する成分などとが混合された、複合混合物を用いて成形したシートが用いられている。近年、シートに好ましい性状を発揮させるために、複合混合物の構成成分について多くの検討がなされてきた。
具体的には、従来、所定量のカルボキシル基を含む高分子化合物と、所定量のエポキシ基を含む硬化剤とを反応させて得られる、膜強度及び圧縮復元性の高い熱伝導シートが提案されてきた(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の熱伝導シートは、上記高分子化合物と硬化剤とが反応してなるため、膜強度及び圧縮復元性に優れている。また、特許文献1に記載の熱伝導シートは、熱伝導性を発揮する成分である異方性黒鉛粉が熱伝導シートの厚み方向に配向されてなる配向構造を有する。かかる配向構造により、熱伝導シートの厚み方向における熱伝導性がもたらされる。
特許第5316254号
また、発熱体や放熱体といった被接着体間に配設され、上下から加圧される環境下で用いられる熱伝導シートには、被接着体との間の界面における熱伝導性の低下を低減すべく、従来は柔軟性が求められていた。しかし、上述したような、熱伝導性物質の配向構造を有する熱伝導シートでは、柔軟性を過度に高めることにより、被接着体からの加圧に起因して配向構造が変形しやすくなる虞があった。
ここで、特許文献1の熱伝導シートは、膜強度及び圧縮復元性を向上させるために、高分子化合物と硬化剤とを反応させているため、アスカーC硬度が高い。しかし、アスカーC硬度は、加圧に起因する配向構造の変形への耐性を直接評価しうる指標ではなかった。また、特許文献1の熱伝導シートは、厚み方向の熱伝導性に改善の余地があった。
そこで、本発明は、加圧による配向構造の変形耐性が高く、且つ厚み方向の熱伝導性に優れる熱伝導シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。ここで、従来、熱伝導シートの柔軟性の指標としてアスカーC硬度が一般的に用いられてきた。そして、熱伝導シートが柔軟であれば被接着体と、熱伝導シートとの間の密着性が良好であり、界面抵抗を低減して熱伝導性を向上しうると考えられてきた。しかし、本発明者らは、熱伝導シートのアスカーC硬度を低くして熱伝導シート自体の柔軟性を高めても、必ずしも高い熱伝導性を達成することができるわけではないことに着眼した。そして、本発明者らは、加圧による応力緩和率の値が所定値以下である熱伝導シートは、加圧によって配向構造が変形しにくく、すなわち、圧縮変形耐性が高く、且つ、厚み方向の熱伝導性に優れることを新たに見出し、本発明を完成させた。なお、加圧による応力緩和率と、熱伝導シートのアスカーC硬度との間の相関性は低く、本発明で得られるような熱伝導シートは、アスカーC硬度を指標とした従来の開発方針には従うものではなかった。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の熱伝導シートは、粒子状炭素材料と、一種又は複数種の樹脂からなる樹脂成分とを含むプレ熱伝導シートが、前記熱伝導シートの厚み方向に対して横断方向に複数層積層されてなり、加圧による応力緩和率が85%以下であることを特徴とする。加圧による応力緩和率が85%以下である熱伝導シートは、圧縮変形耐性が高く、且つ、厚み方向の熱伝導性に優れる。
なお、本明細書において、熱伝導シートの「加圧による応力緩和率」は、熱伝導シートに対して所定時間にわたって熱伝導シートの厚み方向に荷重を作用させた場合に、所定時間経過前後の荷重を比較して、所定時間の加圧により生じたひずみに起因する応力緩和率を指す。かかる応力緩和率は、本明細書の実施例に記載の方法により測定することができる。
ここで、本発明の熱伝導シートは、アスカーC硬度が70以下であることが好ましい。アスカーC硬度が70以下であれば、強度が適度であり実装容易性に優れる。
ここで、「アスカーC硬度」は、日本ゴム協会規格(SRIS)のアスカーC法に準拠し、硬度計を用いて温度23℃で測定することができる。
そして、本発明の熱伝導シートは、前記樹脂成分が、熱可塑性を有する一種又は複数種の樹脂を含むことが好ましい。熱可塑性有する樹脂を含んでいれば、熱伝導シートの実装時に被接着体との間の密着性を向上させることができ、熱伝導性を一層高めることができる。
そして、本発明の熱伝導シートは、前記樹脂成分のうちの少なくとも一種の樹脂が、常温常圧下で固体のアスカーC硬度が70以下の樹脂であることが好ましい。かかる特性を有する少なくとも一種の樹脂を含有させれば、熱伝導シートに適度な強度を付与して、加圧による応力緩和率が過剰に高くなることを効果的に抑制することができる。
そして、本発明の熱伝導シートは、前記少なくとも一種の樹脂のムーニー粘度が、90(ML1+4、100℃)以下であることが好ましい。ムーニー粘度が90(ML1+4、100℃)以下である少なくとも一種の樹脂を含む熱伝導シートは、厚み方向の熱伝導性に一層優れる。
ここで、本明細書において、「ムーニー粘度(ML1+4,100℃)」は、JIS−K6300に従って測定することができる。
そして、本発明の熱伝導シートは、前記粒子状炭素材料の含有割合が25体積%以上であることが好ましい。粒子状炭素材料の含有割合が25体積%以上の熱伝導シートは、熱伝導性に一層優れる。
そして、本発明の熱伝導シートは、前記樹脂成分のうちの少なくとも一種の樹脂が、常温常圧下で液体の樹脂であっても良い。樹脂成分のうちの少なくとも一種の樹脂が、常温常圧下で液体の樹脂である熱伝導シートは、熱伝導性に一層優れる。
本発明によれば、圧縮変形耐性が高く、且つ、厚み方向の熱伝導性に優れる熱伝導シートを提供することができる。
以下、本発明をその実施形態に基づき詳細に例示説明する。
本発明の熱伝導シートは、発熱体に対して直接接着させて使用することもできるし、発熱体に放熱体を取り付ける際に発熱体と放熱体との間に挟み込んで使用することもできる。このとき、熱伝導シートは、1枚を単独で使用してもよく、複数枚を併用してもよい。加えて、本発明の熱伝導シートは、発熱体と、ヒートシンク、放熱板、放熱フィン等の放熱体と共に放熱装置を構成することもできる。
(熱伝導シート)
本発明の熱伝導シートは、粒子状炭素材料と樹脂成分とを含むプレ熱伝導シートが熱伝導シートの厚み方向に対して横断方向に複数層積層されてなる。プレ熱伝導シートが粒子状炭素材料を含有していなければ、熱伝導シートの熱伝導性が不十分となる。さらに、プレ熱伝導シートが樹脂成分を含有していなければ、熱伝導シートが柔軟性に欠く。さらに、本発明の熱伝導シートは、応力緩和率が85%以下であることを特徴とする。熱伝導シートの応力緩和率が85%以下であれば、熱伝導シートの圧縮変形耐性を高め、更に、熱伝導性を高めることができる。
なお、本発明の熱伝導シートは、プレ熱伝導シートの積層構造を含んでなるため、プレ熱伝導シートの含有成分は、当然、全て熱伝導シートに含まれうる。また、複数のプレ熱伝導シート同士は直接、或いは、好ましくはプレ熱伝導シートの樹脂成分と同一組成の樹脂又は両面テープ等により形成されるごく薄い接着層を介して接着される。このため、「本発明の熱伝導シートを構成するプレ熱伝導シート」が含有する成分及びその比率は、全て「本発明の熱伝導シート」についてもあてはまる。
<組成>
[粒子状炭素材料]
ここで、本発明の熱伝導シートが含む粒子状炭素材料としては、特に限定されることなく、例えば、人造黒鉛、鱗片状黒鉛、薄片化黒鉛、天然黒鉛、酸処理黒鉛、膨張性黒鉛、膨張化黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック;などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
中でも、粒子状炭素材料としては、膨張化黒鉛を用いることが好ましい。膨張化黒鉛を使用すれば、熱伝導シートの熱伝導性を向上させることができるからである。
−膨張化黒鉛−
ここで、粒子状炭素材料として好適に使用し得る膨張化黒鉛は、例えば、鱗片状黒鉛などの黒鉛を硫酸などで化学処理して得た膨張性黒鉛を、熱処理して膨張させた後、微細化することにより得ることができる。そして、膨張化黒鉛としては、例えば、伊藤黒鉛工業株式会社製のEC1500、EC1000、EC500、EC300、EC100、EC50(いずれも商品名)等が挙げられる。
−粒子状炭素材料の性状−
ここで、本発明の熱伝導シートに含まれている粒子状炭素材料の粒子径は、体積基準モード径で100μm以上であることが好ましく、150μm以上であることがより好ましく、300μm以下であることが好ましく、250μm以下であることがより好ましい。粒子状炭素材料の粒子径が上記下限以上であれば、熱伝導シート中で粒子状炭素材料同士が接触して良好な伝熱パスを形成するため、熱伝導シートにより高い熱伝導性を発揮させることができるからである。また、粒子状炭素材料の粒子径が上記上限以下であれば、熱伝導シートにより高い柔軟性を与え、発熱体と接した際の発熱体から熱伝導シートへの伝熱をより良好にすることができるからである。
また、本発明の熱伝導シートに含まれている粒子状炭素材料のアスペクト比(長径/短径)は、1以上10以下であることが好ましく、1以上5以下であることがより好ましい。
なお、本発明において「体積基準モード径」は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて、本明細書の実施例に記載した方法に従って求めることができる。
また、本発明において、「粒子状炭素材料のアスペクト比」は、熱伝導シート中の樹脂を溶媒中で溶解除去して得られる粒子状炭素材料をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、任意の50個の粒子状炭素材料について、最大径(長径)と、最大径に直交する方向の粒子径(短径)とを測定し、長径と短径の比(長径/短径)の平均値を算出することにより求めることができる。
−粒子状炭素材料の含有割合−
そして、本発明の熱伝導シート中の粒子状炭素材料の含有割合は、熱伝導シートの全体積を100体積%として、25体積%以上であることが好ましく、30体積%以上であることがより好ましく、40体積%以上であることがさらに好ましく、50体積%以上であることが更により好ましく、通常、60体積%以下である。熱伝導シート中の粒子状炭素材料の含有割合が上記下限以上となるようなプレ熱伝導シートは、プレ熱伝導シート中で粒子状炭素材料同士が接触しやすくなり、良好な伝熱パスを形成しやすくなる。その結果、プレ熱伝導シートが熱伝導シートの厚み方向に対して横断方向に複数層積層されてなる熱伝導シートに、厚み方向におけるより高い熱伝導性を発揮させることができるからである。さらに、熱伝導シート中の粒子状炭素材料の含有割合が上記範囲内であれば、当該複合粒子がロール圧延等の加圧による力を受け易くなるため、結果として、プレ熱伝導シート中で粒子状炭素材料を所望方向により良好に配向させることができるからである。
なお、本発明において、「含有割合(体積%)」は、本明細書の実施例に記載した方法に従って理論値として求めることができる。
[繊維状炭素材料]
本発明の熱伝導シートは、任意に繊維状炭素材料を更に含有してもよい。任意に含有される繊維状炭素材料としては、特に限定されることなく、例えば、カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維、有機繊維を炭化して得られる炭素繊維、及びそれらの切断物などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
そして、本発明の熱伝導シートに繊維状炭素材料を含有させれば、熱伝導シートの熱伝導性を更に向上させることができると共に、粒子状炭素材料の粉落ちを防止することもできる。なお、繊維状炭素材料を配合することで粒子状炭素材料の粉落ちを防止することができる理由は、明らかではないが、繊維状炭素材料が三次元網目構造を形成することにより、熱伝導性や強度を高めつつ粒子状炭素材料の脱離を防止しているためであると推察される。
上述した中でも、繊維状炭素材料としては、カーボンナノチューブなどの繊維状の炭素ナノ構造体を用いることが好ましく、カーボンナノチューブを含む繊維状の炭素ナノ構造体を用いることがより好ましい。カーボンナノチューブなどの繊維状の炭素ナノ構造体を使用すれば、熱伝導シートを用いて得られる熱伝導シートの熱伝導性及び圧縮変形耐性を更に向上させることができるからである。
−カーボンナノチューブを含む繊維状の炭素ナノ構造体−
ここで、繊維状炭素材料として好適に使用し得る、カーボンナノチューブを含む繊維状の炭素ナノ構造体は、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」と称することがある。)のみからなるものであってもよいし、CNTと、CNT以外の繊維状の炭素ナノ構造体との混合物であってもよい。
なお、繊維状の炭素ナノ構造体中のCNTとしては、特に限定されることなく、単層カーボンナノチューブ及び/または多層カーボンナノチューブを用いることができるが、CNTは、単層から5層までのカーボンナノチューブであることが好ましく、単層カーボンナノチューブであることがより好ましい。単層カーボンナノチューブを使用すれば、多層カーボンナノチューブを使用した場合と比較し、熱伝導シートを用いて得られる熱伝導シートの熱伝導性及び圧縮変形耐性を更に向上させることができるからである。
また、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体としては、平均直径(Av)に対する、直径の標準偏差(σ)に3を乗じた値(3σ)の比(3σ/Av)が0.20超0.60未満の炭素ナノ構造体を用いることが好ましく、3σ/Avが0.25超の炭素ナノ構造体を用いることがより好ましく、3σ/Avが0.50超の炭素ナノ構造体を用いることが更に好ましい。3σ/Avが0.20超0.60未満のCNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体を使用すれば、炭素ナノ構造体の配合量が少量であっても、熱伝導シートを用いて得られる熱伝導シートの熱伝導性及び強度を十分に高めることができるからである。従って、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体の配合により熱伝導シートの硬度が上昇する(即ち、柔軟性が低下する)のを抑制して、熱伝導シートの熱伝導性及び圧縮変形耐性を十分に高いレベルで並立させることができるからである。
なお、「繊維状の炭素ナノ構造体の平均直径(Av)」及び「繊維状の炭素ナノ構造体の直径の標準偏差(σ:標本標準偏差)」は、それぞれ、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択した繊維状の炭素ナノ構造体100本の直径(外径)を測定して求めることができる。そして、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体の平均直径(Av)及び標準偏差(σ)は、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体の製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られたCNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体を複数種類組み合わせることにより調整してもよい。
そして、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体としては、前述のようにして測定した直径を横軸に、その頻度を縦軸に取ってプロットし、ガウシアンで近似した際に、正規分布を取るものが通常使用される。
更に、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体は、ラマン分光法を用いて評価した際に、Radial Breathing Mode(RBM)のピークを有することが好ましい。なお、三層以上の多層カーボンナノチューブのみからなる繊維状の炭素ナノ構造体のラマンスペクトルには、RBMが存在しない。
また、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体の平均直径(Av)は、0.5nm以上であることが好ましく、1nm以上であることが更に好ましく、15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることが更に好ましい。繊維状の炭素ナノ構造体の平均直径(Av)が0.5nm以上であれば、繊維状の炭素ナノ構造体の凝集を抑制して炭素ナノ構造体の分散性を高めることができるからである。また、繊維状の炭素ナノ構造体の平均直径(Av)が15nm以下であれば、熱伝導シートを用いて得られる熱伝導シートの熱伝導性及び圧縮変形耐性を十分に高めることができるからである。
更に、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体のBET比表面積は、600m2/g以上であることが好ましく、800m2/g以上であることが更に好ましく、2500m2/g以下であることが好ましく、1200m2/g以下であることが更に好ましい。更に、繊維状の炭素ナノ構造体中のCNTが主として開口したものにあっては、BET比表面積が1300m2/g以上であることが好ましい。CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体のBET比表面積が600m2/g以上であれば、熱伝導シートを用いて得られる熱伝導シートの熱伝導性及び強度を十分に高めることができるからである。また、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体のBET比表面積が2500m2/g以下であれば、繊維状の炭素ナノ構造体の凝集を抑制して熱伝導シート中のCNTの分散性を高めることができるからである。
なお、本発明において、「BET比表面積」とは、BET法を用いて測定した窒素吸着比表面積を指す。
そして、上述した性状を有するCNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体は、例えば、カーボンナノチューブ製造用の触媒層を表面に有する基材上に、原料化合物及びキャリアガスを供給して、化学的気相成長法(CVD法)によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤(触媒賦活物質)を存在させることで、触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)に準じて、効率的に製造することができる。なお、以下では、スーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブを「SGCNT」と称することがある。
ここで、スーパーグロース法により製造したCNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体は、SGCNTのみから構成されていてもよいし、SGCNTに加え、例えば、非円筒形状の炭素ナノ構造体等の他の炭素ナノ構造体が含まれていてもよい。
−繊維状炭素材料の性状−
そして、熱伝導シートに含まれ得る繊維状炭素材料の平均繊維径は、1nm以上であることが好ましく、3nm以上であることがより好ましく、2μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。繊維状炭素材料の平均繊維径が上記範囲内であれば、熱伝導シートを用いて得られる熱伝導シートの熱伝導性、柔軟性及び圧縮変形耐性を十分に高いレベルで並立させることができるからである。
ここで、繊維状炭素材料のアスペクト比は、10を超えることが好ましい。
なお、本発明において、「平均繊維径」は、熱伝導シート中の樹脂を溶媒中で溶解除去して得られる繊維状炭素材料をSEM(走査型電子顕微鏡)又はTEM(透過型電子顕微鏡)で観察し、任意の50個の繊維状炭素材料について繊維径を測定し、測定した繊維径の個数平均値を算出することにより求めることができる。特に、繊維径が小さい場合は、同様の断面をTEM(透過型電子顕微鏡)にて観察することが好適である。
また、本発明において「繊維状炭素材料のアスペクト比」は、熱伝導シート中の樹脂を溶解除去して得られる繊維状炭素材料をTEM(透過型電子顕微鏡)で観察し、任意の50個の繊維状炭素材料について、最大径(長径)と、最大径に直交する方向の粒子径(短径)とを測定し、長径と短径の比(長径/短径)の平均値を算出することにより求めることができる。
[樹脂]
ここで、本発明の熱伝導シートが含む樹脂成分は、熱可塑性を有する一種又は複数種の樹脂を含むことが好ましい。さらに、本発明の熱伝導シートが含む樹脂成分は、未加硫の樹脂を含むことが好ましい。なお、本明細書において、ゴム及びエラストマーは、「樹脂」に含まれるものとする。また、本明細書において、「未加硫」とは、樹脂又は樹脂の材料となる樹脂組成物中に加硫剤(架橋剤)が含有されているか否かにかかわらず、かかる樹脂又は樹脂組成物に対して加熱等により架橋反応を生じさせていない状態を意味する。さらに、本明細書において、「熱可塑性」とは、加熱によって軟化し、成形可能な状態となり、さらに、冷却により固化する特性を意味する。さらに、樹脂が「熱可塑性」である場合、通常、固化状態の樹脂のポリマー構造内に架橋構造を含まない。ここで、一般的に、樹脂は、「熱可塑性樹脂」と、「熱硬化性樹脂」とに大別される場合がある。しかし、一般的に「熱硬化性樹脂」として分類されうる樹脂であっても、架橋剤の非存在下で固化すれば、ポリマー構造内に架橋構造が形成されない場合がある。よって、本明細書では、一般的に熱可塑性樹脂と分類されるか熱硬化性樹脂として分類されるかにかかわらず、上記定義したような「熱可塑性」を有する樹脂を総じて、「熱可塑性を有する樹脂」と称する。
そして、熱可塑性を有する樹脂によれば、熱伝導シートと発熱体や放熱体等の部材との間の密着性を向上させることができる。「熱可塑性を有する樹脂」は、熱伝導シートの使用時(放熱時)の高温環境下で、熱伝導シートの柔軟性を高めることができるからである。
さらに、熱可塑性を有する樹脂の熱伝導シート中における含有割合は、熱伝導シートを構成する全有機分中の65質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることが更に好ましい。
熱可塑性を有する樹脂の熱伝導シート中における含有割合が上記下限値以上であれば、実装時の被接着体との間の密着性を一層向上することができるからである。
なお、本明細書において、「熱伝導シートを構成する全有機分」とは、熱伝導シートに含まれる全樹脂成分及び、任意で含有されうる添加剤としての有機化合物を含む概念であり、粒子状炭素材料や繊維状炭素材料等の無機物や、その他の任意の無機化合物は含まない概念である。
−熱可塑性を有する樹脂−
熱可塑性を有する樹脂としては、ポリ(アクリル酸2−エチルヘキシル)、アクリル酸とアクリル酸2−エチルヘキシルとの共重合体、ポリメタクリル酸またはそのエステル、ポリアクリル酸またはそのエステルなどのアクリル樹脂;シリコーン樹脂;フッ素樹脂;ポリエチレン;ポリプロピレン;エチレン−プロピレン共重合体;ポリメチルペンテン;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリ酢酸ビニル;エチレン−酢酸ビニル共重合体;ポリビニルアルコール;ポリアセタール;ポリエチレンテレフタレート;ポリブチレンテレフタレート;ポリエチレンナフタレート;ポリスチレン;ポリアクリロニトリル;スチレン−アクリロニトリル共重合体;アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(ニトリルゴム);アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂);スチレン−ブタジエンブロック共重合体またはその水素添加物;スチレン−イソプレンブロック共重合体またはその水素添加物;ポリフェニレンエーテル;変性ポリフェニレンエーテル;脂肪族ポリアミド類;芳香族ポリアミド類;ポリアミドイミド;ポリカーボネート;ポリフェニレンスルフィド;ポリサルホン;ポリエーテルサルホン;ポリエーテルニトリル;ポリエーテルケトン;ポリケトン;ポリウレタン;液晶ポリマー;アイオノマー等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
さらに、熱可塑性を有する樹脂は、フッ素樹脂であることが好ましい。熱可塑性を有する樹脂がフッ素樹脂であれば、熱伝導シートの耐熱性、耐油性、及び耐薬品性を向上させることができるからである。
ここで、樹脂には常温常圧下で液体状態である樹脂と、常温常圧下で固体状態である樹脂とがある。本明細書において、「常温」とは23℃を指し、「常圧」とは、1atm(絶対圧)を指す。そして、常温常圧下で液状の、熱可塑性を有するフッ素樹脂としては、例えば、ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロペンテン−テトラフルオロエチレン3元共重合体、パーフルオロプロペンオキサイド重合体、テトラフルオロエチレン−プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。これら常温常圧下で液状の、熱可塑性を有するフッ素樹脂として、例えば、ケマーズ社製のバイトン(登録商標)LM、ダイキン工業株式会社製のダイエル(登録商標)G101、スリーエム株式会社製のダイニオンFC2210、信越化学工業株式会社製のSIFELシリーズなどの市販品を使用することもできる。
熱伝導シートの樹脂成分が常温常圧下で液状の樹脂を含んでいれば、熱伝導シートの熱伝導率を一層向上させることができる。
常温常圧下で液状の、熱可塑性を有するフッ素樹脂の粘度は、特には限定されないが、混練性、流動性、架橋反応性が良好で、成形性にも優れるという点から、105℃における粘度が、500〜30,000cpsであることが好ましく、550〜25,000cpsであることがより好ましい。
また、常温常圧下で固体の熱可塑性を有するフッ素樹脂としては、例えば、フッ化ビニリデン系フッ素樹脂、テトラフルオロエチレン−プロピレン系フッ素樹脂、テトラフルオロエチレン−パープルオロビニルエーテル系フッ素樹脂等、フッ素含有モノマーを重合して得られるエラストマーなどが挙げられる。より具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン−クロロフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソール共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレンのアクリル変性物、ポリテトラフルオロエチレンのエステル変性物、ポリテトラフルオロエチレンのエポキシ変性物及びポリテトラフルオロエチレンのシラン変性物等が挙げられる。これらの中でも、加工性の観点から、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレンのアクリル変性物、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体が好ましい。
また、市販されている、常温常圧下で固体の熱可塑性を有するフッ素樹脂としては、例えば、ダイキン工業株式会社製のダイエル(登録商標)G−300シリーズ/G−700シリーズ/G−7000シリーズ(ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン2元系共重合体)、ダイエルG−550シリーズ/G−600シリーズ(ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン3元系共重合体)、ダイエルG−800シリーズ(ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン2元系共重合体)、ダイエルG−900シリーズ(ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン3元系共重合体);ALKEMA社製のKYNAR(登録商標)シリーズ(フッ化ビニリデン系フッ素樹脂)、KYNAR FLEX(登録商標)シリーズ(ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン3元系共重合体);ケマーズ社製のA−100(ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン2元系共重合体);スリーエムジャパン社製のDyneon(登録商標)(ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン2元系共重合体)などが挙げられる。
なお、常温常圧下で固体の樹脂と常温常圧下で液体の樹脂とは、一種単独で、或いは複数種を組み合わせて用いることができる。
さらに、熱伝導シートの樹脂成分のうちの少なくとも一種の樹脂が、常温常圧下で固体の、アスカーC硬度が70以下の樹脂であることが好ましく、アスカーC硬度が55以下の樹脂であることがより好ましく、アスカーC硬度が50以下の樹脂であることがさらに好ましい。かかる少なくとも一種の樹脂が常温常圧下で固体であれば、使用時(放熱時)の高温環境下においては、熱伝導シートの柔軟性をより向上させ、熱伝導シートと発熱体とをより良好に密着させつつ、取り付け時などの常温環境下においては、熱伝導シートのハンドリング性を高めることができるからである。上述した少なくとも一種の樹脂のアスカーC硬度が上記上限値以下であれば、得られる熱伝導シートに適度な柔らかさを付与して、被接着面との界面抵抗値を下げることができる。
なお、常温常圧下で固体のアスカーC硬度が70以下の樹脂のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は90(ML1+4、100℃)以下であることが好ましく、通常、15(ML1+4、100℃)以上である。熱伝導シートに含まれる樹脂のムーニー粘度が上記上限値以下であれば、熱伝導シートの熱伝導性を高めることが出来る。
なお、熱伝導シート中に含まれる樹脂のアスカーC硬度やムーニー粘度は、例えば、以下のようにして測定することができる。まず、熱伝導シートを、当該熱伝導シートを構成する樹脂を溶解可能な溶剤に溶解した後に目的とする樹脂を単離して、アスカーC硬度測定用試料やムーニー粘度測定用試料を調製する。そして、得られた試料について、日本ゴム協会規格(SRIS)のアスカーC法に準拠し、硬度計を用いて温度23℃でアスカーC硬度を測定することができる。また、試料について、JIS−K6300に従い(ML1+4,100℃)を測定することで、ムーニー粘度を取得することができる。また、このようにして測定/取得したアスカーC硬度/ムーニー粘度の値は、原則として、材料段階の樹脂成分のアスカーC硬度/ムーニー粘度の値と略同一となる。
−その他の樹脂−
さらに、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、熱伝導シートに、その他の樹脂を含有させても良い。
その他の樹脂としては、一般的に熱硬化性樹脂として分類されうる各種樹脂、例えば、天然ゴム;ブタジエンゴム;イソプレンゴム;ニトリルゴム;水素化ニトリルゴム;クロロプレンゴム;エチレンプロピレンゴム;塩素化ポリエチレン;クロロスルホン化ポリエチレン;ブチルゴム;ハロゲン化ブチルゴム;ポリイソブチレンゴム;エポキシ樹脂;ポリイミド樹脂;ビスマレイミド樹脂;ベンゾシクロブテン樹脂;フェノール樹脂;不飽和ポリエステル;ジアリルフタレート樹脂;ポリイミドシリコーン樹脂;ポリウレタン;熱硬化型ポリフェニレンエーテル;熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−樹脂の含有割合−
そして、本発明の熱伝導シート中の全樹脂成分の含有割合は、熱伝導シートの全体積を100体積%として、75体積%以下であることが好ましく、60体積%以下であることがより好ましく、50体積%以下であることがさらに好ましく、40体積%以上であることが好ましい。熱伝導シート中の全樹脂成分の含有割合が上記上限値以下であれば、熱伝導シートにより高い熱伝導性を発揮させることができる。また、熱伝導シート中の全樹脂成分の含有割合が上記下限値以上であれば、熱伝導シートにより高い柔軟性を与え、発熱体と接した際の発熱体から熱伝導シートへの伝熱をより良好にすることができる。
[添加剤]
本発明の熱伝導シートには、必要に応じて、熱伝導シートの製造に使用され得る既知の添加剤を配合することができる。そして、熱伝導シートに配合し得る添加剤としては、特に限定されることなく、例えば、脂肪酸エステルなどの可塑剤;赤リン系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤などの難燃剤;フッ素オイル(ダイキン工業株式会社製のデムナムシリーズ)のように可塑剤と難燃剤とを兼ねる添加剤;ウレタンアクリレートなどの靭性改良剤;酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの吸湿剤;シランカップリング剤、チタンカップリング剤、酸無水物などの接着力向上剤;ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などの濡れ性向上剤;無機イオン交換体などのイオントラップ剤;等が挙げられる。
<性状>
[加圧による応力緩和率]
本発明の熱伝導シートは、加圧による応力緩和率が85%以下であることが必要であり、60%以下であることがより好ましく、50%以下であることが好ましく、30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。加圧による応力緩和率が上記上限値以下であれば、熱伝導シートの厚み方向の熱伝導性を高めると共に、適度な強度及び圧縮変形耐性を熱伝導シートに付与することができる。加圧による応力緩和率を上記上限値以下とすることで熱伝導シートの熱伝導性を高めることができる理由は明らかではないが、以下の通りであると推察される。
本発明の熱伝導シートは、粒子状炭素材料と樹脂成分とを含むプレ熱伝導シートが、熱伝導シートの厚み方向に対して横断方向に複数層積層されてなる構造を有している。そして、厚み方向に対して横断方向に積層された各プレ熱伝導シート中で熱伝導性物質である粒子状炭素材料が相互作用することで熱伝導性を発揮して、厚み方向の熱伝導性が生じる。このような構造の熱伝導シートは、熱伝導シートを発熱体や放熱体等の被接着体間に配置した場合に、両被接着体により加圧される。かかる加圧により、熱伝導シート中で厚み方向に対して横断方向に複数層積層されてなるプレ熱伝導シートの配向が崩れる虞がある。そして、熱伝導シート中におけるプレ熱伝導シートの配向が崩れれば、厚み方向の熱伝導性が損なわれる。そこで、本発明の熱伝導シートは、加圧による応力緩和率を所定値以下に抑えることで、プレ熱伝導シートの配向の崩れを抑制して、熱伝導シートの厚み方向の熱伝導性を高めることができる。ここで、加圧による応力緩和率が所定値以下である、換言すれば、加圧による変形量が少ない熱伝導シートは、柔軟性に富むシートと比較した場合に、被接着体との密着性に劣りうる。通常、被接着体との密着性が低ければ、熱伝導シートと被接着体との界面における熱抵抗(以下、「界面抵抗」とも称する)が高くなる傾向がある。しかし、本発明の熱伝導シートでは、応力緩和率を所定値以下に抑制してプレ熱伝導シートの配向を崩れにくくすることで、界面抵抗が高くなることにより劣化しうる熱伝導性を補い、さらには、増強することができると推察される。
一方で応力緩和率が上記下限値未満の場合、熱伝導シートの加圧による変形量が少なく、厚み方向における粒子状炭素材料の配向は保持できるが、その硬さゆえ被接着体との密着性が確保できず、満足な熱伝導性は得られない。
[アスカーC硬度]
本発明の熱伝導シートは、アスカーC硬度が70以下であることが好ましい。アスカーC硬度が70以下であれば、熱伝導シートの強度が適度であり、熱伝導シートの実装容易性を向上させることができる。また、熱伝導シートのアスカーC硬度が上記上限値以下であれば、熱伝導シートの取扱性を向上させることができる。なお、熱伝導シートのアスカーC硬度の値は、熱伝導シートに配合する粒子状炭素材の含有割合や、用いる樹脂成分を選択することで調節することができる。さらに、本発明の熱伝導シートは、アスカーC硬度が20以上であることが好ましく、40以上であることがより好ましく、60以上であることがさらに好ましい。アスカーC硬度が20未満であれば、熱伝導シートの柔らかさ故にハンドリングに問題が生じる。また、アスカーC硬度が70超であれば熱伝導シートそのものが硬く、被接着体との界面における界面抵抗が過度に増大する虞がある。
[熱伝導性]
本発明の熱伝導シートは、厚み方向の熱伝導率が、20W/m・K以上であることが好ましく24W/m・K以上であることがより好ましく、29W/m・K以上であることが更に好ましい。熱伝導シートの熱伝導率が上記下限以上であれば、例えば、熱伝導シートと発熱体とを密着させて使用した場合、発熱体から熱を効率的に放散させることができるからである。
なお、本明細書において、熱伝導シートの「厚み方向の熱伝導率」は、実施例に記載の方法により算出することができる。
[構造]
また、本発明の熱伝導シートは、上述した粒子状炭素材料及び樹脂成分、並びに任意の添加剤等を含んでなるプレ熱伝導シートが、熱伝導シートの厚み方向に対して横断方向に複数層積層されてなる構造を有する。さらに、プレ熱伝導シート内において、粒子状炭素材料はプレ熱伝導シートの面方向に沿って(プレ熱伝導シートの厚み方向に対して横断方向に)配向していることが好ましい。粒子状炭素材料がプレ熱伝導シートの面方向に沿って配向していれば、熱伝導シートの厚み方向の熱伝導率を高めることができるからである。そして、「熱伝導シートがプレ熱伝導シートを熱伝導シートの厚み方向に対して横断方向に複数枚積層してスライスして得られた」という証拠は、例えば、熱伝導シートの厚み方向断面を顕微鏡観察する方法や、熱伝導シートの平面方向の熱伝導性に異方性があるか否かを判定する方法を使い、総合的に判断することが出来る。
[厚み]
熱伝導シートの厚みは、特に限定されることなく、例えば、0.05mm以上10mm以下でありうる。一般に、熱伝導シートの厚みが厚すぎれば熱伝導シートの熱抵抗が高まるため熱伝導性が低下し、また、熱伝導シートの厚みを小さくし過ぎると熱伝導シートが有する熱伝導率を十分に活用することができなくなるからである。
さらに、ある厚みの熱伝導シートを厚み方向に複数枚重ね合わせて、所定の時間静置することによって一体化させたものを、熱伝導シートとして使用することもできる。このようにして得られた熱伝導シート内では、粒子状炭素材料及び任意の繊維状炭素材料が熱伝導シートの厚み方向に配向したままであると推察される。よって、複数枚の薄手の熱伝導シートを厚み方向に積層させて得た厚手(厚みx)の熱伝導シートの熱伝導性は、同じ厚さ(厚みx)の一枚の熱伝導シートと略同等の熱伝導率を有すると考えられる。このため、様々な厚みの熱伝導シートを準備することなく、所定の厚みの(薄手の)熱伝導シートを複数枚準備することで、熱伝導シートを適用したい箇所の厚みに応じた厚みの熱伝導シートを得ることができる。
(熱伝導シートの製造方法)
本発明の熱伝導シートを製造するための製造方法は、特に限定されることなく、プレ熱伝導シートが面方向に複数枚積層されてなる熱伝導シートの製造時に利用可能な製造方法を採用することができる。かかる製造方法としては、例えば、粒子状炭素材料及び一種又は複数種の樹脂からなる樹脂成分を含有する複合混合物を準備する工程と、複合混合物を加圧してプレ熱伝導シートを得る工程と、プレ熱伝導シートの積層体を得る工程と、スライス工程とを含む製造方法が挙げられる。
<複合混合物を準備する工程>
複合混合物を準備する工程では、粒子状炭素材料及び樹脂を含有する複合混合物を準備する。具体的には、複合混合物を準備する工程では、特に制限されることなく、粒子状炭素材料及び一種又は複数種の樹脂からなる樹脂成分と、任意の繊維状炭素材料及び/または添加剤とを、既知の手法で複合化することにより複合混合物を準備してもよい。また、複合混合物を準備する工程では、粒子状炭素材料及び一種又は複数種の樹脂からなる樹脂成分を含有する市販品の複合混合物を購入することにより準備してもよい。上記複合化することにより複合混合物を準備する場合には、より具体的には、例えば、以下の(I)〜(III)の方法を用いることができる。
(I)粒子状炭素材料と、一種又は複数種の樹脂からなる樹脂成分と、任意の繊維状炭素材料及び/または添加剤とを混合、混練して複合混合物を得る。
(II)粒子状炭素材料と、一種又は複数種の樹脂からなる樹脂成分と、任意の繊維状炭素材料及び/または添加剤とを含む分散液を乾燥造粒して複合混合物を得る。
(III)粒子状炭素材料及び任意の繊維状炭素材料に一種又は複数種の樹脂からなる樹脂成分などを噴霧して複合混合物を得る。
中でも、作業の容易性の観点から(I)の方法を用いることが望ましい。
なお、複合混合物を準備する工程で用いる粒子状炭素材料、一種又は複数種の樹脂からなる樹脂成分、任意の繊維状炭素材料及び/または添加剤としては、上述の熱伝導シートが含み得る粒子状炭素材料、一種又は複数種の樹脂からなる樹脂成分、任意の繊維状炭素材料及び/または添加剤と同じ成分を用いることができ、好適な含有割合も同様とすることができる。
[混合、混練方法]
混合、混練方法としては、特に限定されることなく、ニーダー、ロール、ヘンシェルミキサー、ホバートミキサー等の既知の混合装置を用いて行うことができる。そして、混合、混練時間は、例えば5分以上6時間以下とすることができる。また、混合、混練温度は、例えば5℃以上150℃以下とすることができる。
ここで、混合、混練は、酢酸エチル等の溶媒の存在下で行ってもよいが、混合、混練時に溶媒を用いる場合には、後述する複合混合物の解砕/粉砕に先立って溶媒を除去することが好ましい。溶媒の除去は既知の乾燥方法にて行ってもよく、複合混合物を任意に脱泡しながら行ってもよい。例えば、真空脱泡を用いて脱泡を行えば、脱泡時に溶媒の除去も同時に行うことができる。
[複合混合物]
そして、得られる複合混合物は粒子状炭素材料及び一種又は複数種の樹脂からなる樹脂成分を含み、任意に繊維状炭素材料及び添加剤を更に含む。また、複合混合物は、通常、直径1mm〜200mm程度の塊状体である。
任意で、複合混合物を粒子状に粉砕する粉砕工程を実施しても良い。この場合、粉砕工程では、得られた複合混合物を任意の方法で粉砕して複合粒子を得る。また、複合粒子を得る工程では、得られた複合混合物を粉砕した後に任意の方法で分級を行って複合粒子を得てもよい。
複合混合物の粉砕は、得られる複合粒子が複合混合物の塊状体よりも粉流体となっていれば特に限定されることなく、既知の方法で行うことができる。また、粉砕に先立ち、塊状体をほぐす解砕などを行っても良い。そして、複合混合物の解砕/粉砕は、例えば、せん断作用や摩砕作用を利用した既知の解砕/粉砕機または撹拌式の既知の解砕/粉砕機等を用いて行うことができる。上述した既知の解砕/粉砕機としては、例えば、ハンマークラッシャー、カッターミル、ハンマーミル、ビーズミル、振動ミル、流星型ボールミル、サンドミル、ボールミル、ロールミル、三本ロールミル、ジェットミル、高速回転式粉砕機、微粉砕機・解砕整粒機、ナノジェットマイザー等を挙げることができる。
これらの解砕/粉砕機の種類、解砕/粉砕に際してのエネルギー、時間などの条件は、複合混合物の塊状体の状態、複合粒子の粒子径などの所望の粉流体状態に合わせて適宜選択、調整すればよい。
ここで、複合混合物は、特に制限されることなく、ふるい分級で1000μm未満の粒子径にまで粉砕されることが好ましい。
<プレ熱伝導シートを得る工程>
プレ熱伝導シートを得る工程では、前工程で得られた複合混合物又は複合粒子を任意の方法で加圧してシート状に成形する。
[加圧方法]
プレ熱伝導シートの加圧方法は、圧力が負荷される成形方法であれば特に限定されない。プレ熱伝導シートは、例えば、プレス成形、圧延成形または押し出し成形などの既知の成形方法を用いてシート状に成形することができる。中でも、熱伝導シートは、圧延成形によりシート状に成形することが好ましく、保護フィルムに挟んだ状態でロール間を通過させてシート状に成形することがより好ましい。なお、保護フィルムとしては、特に限定されることなく、サンドブラスト処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等を用いることができる。また、ロール温度は5℃以上150℃とすることができる。
なお、プレ熱伝導シートの厚みは、特に限定されることなく、例えば、0.05mm以上2mm以下とすることができる。また、プレ熱伝導シートの熱伝導性を高めて熱伝導シートの熱伝導性を向上させる観点からは、プレ熱伝導シートの厚みは、粒子状炭素材料の平均粒子径の5000倍以下であることが好ましい。
<積層体を得る工程>
積層体を得る工程では、前工程で得たプレ熱伝導シートを、プレ熱伝導シートの厚み方向に複数枚積層して、或いは、前工程で得たプレ熱伝導シートを折畳または捲回することにより、積層体を形成する。
[積層方法]
プレ熱伝導シートの積層による積層体の形成は、特に限定されることなく、積層装置を用いて行ってもよく、手作業にて行ってもよい。また、プレ熱伝導シートの折畳による積層体の形成は、特に限定されることなく、折畳機を用いて熱伝導一次シートを一定幅で折り畳むことにより行うことができる。さらに、プレ熱伝導シートの捲回による積層体の形成は、特に限定されることなく、プレ熱伝導シートの短手方向または長手方向に平行な軸の回りにプレ熱伝導シートを捲き回すことにより行うことができる。
ここで、通常、積層体を得る工程において、プレ熱伝導シートの表面同士の接着力は、プレ熱伝導シートを積層する際の圧力や折畳または捲回する際の圧力により充分に得られる。しかし、接着力が不足する場合や、積層体の層間剥離を十分に抑制する必要がある場合には、プレ熱伝導シートの表面を溶剤で若干溶解させた状態で積層体を形成してもよいし、プレ熱伝導シートの表面に接着剤を塗布した状態またはプレ熱伝導シートの表面に接着層を設けた状態で積層体を形成してもよい。
なお、プレ熱伝導シートの表面を溶解させる際に用いる溶剤としては、特に限定されることなく、プレ熱伝導シート中に含まれている樹脂成分を溶解可能な既知の溶剤を用いることができる。
また、プレ熱伝導シートの表面に塗布する接着剤としては、特に限定されることなく、市販の接着剤や粘着性の樹脂を用いることができる。中でも、接着剤としては、プレ熱伝導シート中に含まれている樹脂成分と同じ組成の樹脂を用いることが好ましい。そして、プレ熱伝導シートの表面に塗布する接着剤の厚みは、例えば、10μm以上1000μm以下とすることができる。
更に、プレ熱伝導シートの表面に設ける接着層としては、特に限定されることなく、両面テープなどを用いることができる。
なお、層間剥離を抑制する観点からは、得られた積層体は、積層方向に0.05MPa以上1.0MPa以下の圧力で押し付けながら、20℃以上150℃以下で1分以上30分以下の間プレスすることが好ましい。
なお、プレ熱伝導シートを積層、折畳または捲回して得られる積層体では、粒子状炭素材料及び任意の繊維状炭素材料が積層方向に略直交する方向に配向していると推察される。
<スライス工程>
また、スライス工程では、上述の工程で得られた積層体を、積層方向に対して45°以下の角度でスライスすることにより、積層体のスライス片よりなる熱伝導シートを得る。
[スライス方法]
積層体をスライスする方法としては、特に限定されることなく、例えば、マルチブレード法、レーザー加工法、ウォータージェット法、ナイフ加工法等が挙げられる。中でも、熱伝導シートの厚みを均一にし易い点で、ナイフ加工法が好ましい。また、積層体をスライスする際の切断具としては、特に限定されることなく、スリットを有する平滑な盤面と、このスリット部より突出した刃部とを有するスライス部材(例えば、鋭利な刃を備えたカンナやスライサー)を用いることができる。
なお、熱伝導シートの熱伝導性を高める観点からは、積層体をスライスする角度は、積層方向に対して30°以下であることが好ましく、積層方向に対して15°以下であることがより好ましく、積層方向に対して略0°である(即ち、積層方向に沿う方向である)ことが好ましい。
また、積層体を容易にスライスする観点からは、スライスする際の積層体の温度は−20℃以上40℃以下とすることが好ましく、10℃以上30℃以下とすることがより好ましい。更に、同様の理由により、スライスする積層体は、積層方向とは垂直な方向に圧力を負荷しながらスライスすることが好ましく、積層方向とは垂直な方向に0.1MPa以上0.5MPa以下の圧力を負荷しながらスライスすることがより好ましい。
そして、上述したような製造方法に従って得られる熱伝導シートは、積層体を得る工程及びスライス工程を経て成形されているため、粒子状炭素材料及び任意の繊維状炭素材料が熱伝導シートの厚み方向に配向していると推察される。従って、例えば、発熱体と熱伝導シートとを良好に密着させることにより、発熱体から生じた熱を熱伝導シートの厚み方向へと効率的に放散させることができる。
(熱伝導シートの用途)
そして、本発明の製造方法に従って得られる熱伝導シートは圧力変形耐性に富むと共に熱伝導性に優れ、通常、強度及び導電性にも優れている。従って、当該熱伝導シートは、例えば、各種機器及び装置などにおいて使用される放熱材料、放熱部品、冷却部品、温度調節部品、電磁波シールド部材、電磁波吸収部材、被圧着物を加熱圧着する場合に被圧着物と加熱圧着装置との間に介在させる熱圧着用ゴムシートとして好適である。
ここで、各種機器及び装置などとしては、特に限定されることなく、サーバー、サーバー用パソコン、デスクトップパソコン等の電子機器;ノートパソコン、電子辞書、PDA、携帯電話、ポータブル音楽プレイヤー等の携帯電子機器;液晶ディスプレイ(バックライトを含む)、プラズマディスプレイ、LED、有機EL、無機EL、液晶プロジェクタ、時計等の表示機器;インクジェットプリンタ(インクヘッド)、電子写真装置(現像装置、定着装置、ヒートローラ、ヒートベルト)等の画像形成装置;半導体素子、半導体パッケージ、半導体封止ケース、半導体ダイボンディング、CPU、メモリ、パワートランジスタ、パワートランジスタケース等の半導体関連部品;リジッド配線板、フレキシブル配線板、セラミック配線板、ビルドアップ配線板、多層基板等の配線基板(配線板にはプリント配線板なども含まれる);真空処理装置、半導体製造装置、表示機器製造装置等の製造装置;断熱材、真空断熱材、輻射断熱材等の断熱装置;DVD(光ピックアップ、レーザー発生装置、レーザー受光装置)、ハードディスクドライブ等のデータ記録機器;カメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、顕微鏡、CCD等の画像記録装置;充電装置、リチウムイオン電池、燃料電池等のバッテリー機器等が挙げられる。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「部」は、特に断らない限り、質量基準である。
そして、実施例及び比較例において、樹脂のムーニー粘度;熱伝導シート中の粒子状炭素材料の含有割合;樹脂及び熱伝導シートのアスカーC硬度;熱伝導シートの熱伝導率;熱伝導シートの加圧による応力緩和率;は、それぞれ以下の方法を使用して測定、算出した。
<ムーニー粘度>
熱伝導シートの製造に用いる樹脂のムーニー粘度は、樹脂から切片を切り出し、ムーニー粘度計(島津製作所製、「MOONEY VISCOMETER SMV−202」)を用いて、JIS−K6300に従い(ML1+4,100℃)を測定した。
得られた熱伝導シートについても同様の切片を切り出し、同様にして測定した。
<粒子状炭素材料の含有割合>
熱伝導シート中の粒子状炭素材料の含有割合には、体積分率での理論値を用いた。具体的には、熱伝導シートに含まれる粒子状炭素材料、樹脂、並びに任意の繊維状炭素材料及び添加剤の各成分について、密度(g/cm3)と配合量(g)とから体積(cm3)を算出し、熱伝導シート中の粒子状炭素材料の含有割合を体積分率(体積%)で求めた。
<アスカーC硬度>
日本ゴム協会規格(SRIS)のアスカーC法に準拠し、硬度計(高分子計器社製、商品名「ASKER CL−150LJ」を使用して温度23℃で測定した。
具体的には、樹脂の場合は幅30mm×長さ60mm×厚さ12.0mmに成型したブロック体、熱伝導シートの場合は幅30mm×長さ60mm×厚さ0.5mmの大きさに調製した熱伝導シートの試験片を24枚重ね合わせ、23℃で保たれた恒温室に48時間以上静置したものを試料としてアスカーC硬度を測定した。そして、指針が95〜98となるようにダンパー高さを調整し、試料とダンパーとが衝突してから20秒後の硬度を5回測定して、その平均値を試料のアスカーC硬度とした。
<熱伝導シートの熱伝導率>
熱伝導シートの熱伝導率を算出するに当たり、まず、樹脂材料熱抵抗試験器(日立テクノロジーアンドサービス製、商品名「C47108」)を使用して、熱抵抗値を測定した。測定にあたり、熱伝導シートを1cm角に切り出して測定試料とした。そして、試験温度50℃、圧力0.5MPaの条件下における測定試料の熱抵抗値Rを測定した。熱抵抗値Rが小さい程、熱伝導性に優れ、発熱体と放熱体との間に介在させて放熱装置とする際の放熱特性に優れていることを示す。
そして、得られた熱抵抗値Rと加圧後の熱伝導シートの厚みdから、下式に従って、熱伝導率を算出した。
熱伝導率[W/m・K]=熱伝導シートの厚みd[m]/熱抵抗値R[m2・K/W]・・・(I)
<熱伝導シートの加圧による応力緩和率>
プローブタック試験機(レスカ社製、「TAC1000」)を使用して、熱伝導シートの応力緩和率を測定した。直径10mmのフラットな形状のプローブ先端を熱伝導シート表面に押付け、徐々に荷重を増加させ、荷重が0.5N(50gf)の荷重になった時点で荷重の増加を停止し、10秒間保持した。押付けた際の最大荷重をA、10秒間保持した後の荷重をBとした時、下記式(II)で緩和率を求めた。
応力緩和率[%]=(A−B)/A×100 ・・・(II)
(実施例1)
<CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体の調製>
国際公開第2006/011655号の記載に従って、スーパーグロース法によってSGCNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体を得た。
得られた繊維状の炭素ナノ構造体はBET比表面積が800m2/gであった。また、透過型電子顕微鏡を用い、無作為に選択した100本の繊維状の炭素ナノ構造体の直径を測定した結果、平均直径(Av)が3.3nm、直径の標本標準偏差(σ)に3を乗じた値(3σ)が1.9nm、それらの比(3σ/Av)が0.58であった。また、得られた繊維状の炭素ナノ構造体は、主に単層CNT(「SGCNT」とも称する)により構成されていた。
<繊維状の炭素ナノ構造体の易分散性集合体の調製>
[分散液の調製]
繊維状炭素材料としての、上述で得られた繊維状の炭素ナノ構造体を400mg量り取り、溶媒としてのメチルエチルケトン2L中に混ぜ、ホモジナイザーにより2分間撹拌し、粗分散液を得た。次に、湿式ジェットミル(株式会社常光製、製品名「JN−20」)を使用し、得られた粗分散液を湿式ジェットミルの0.5mmの流路に100MPaの圧力で2サイクル通過させて、繊維状炭素ナノ構造体をメチルエチルケトンに分散させた。そして、固形分濃度0.20質量%の分散液を得た。
[溶媒の除去]
その後、上述で得られた分散液をキリヤマろ紙(No.5A)を用いて減圧ろ過し、シート状の易分散性集合体を得た。
<熱伝導シートの製造>
[複合混合物を準備する工程]
粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛(伊藤黒鉛工業社製、商品名「EC−50」、平均粒子径:250μm)を130部と、繊維状炭素材料としての炭素ナノ構造体の易分散性集合体(表中、「SGCNT」として示す)を0.1部と、樹脂としての常温常圧下で固体の熱可塑性フッ素樹脂(ダイキン工業社製、商品名「DAI_EL(登録商標)G−912」ムーニー粘度:87.6ML1+4、100℃)を80部と、難燃剤としてのリン酸エステル(大八化学工業社製、商品名「PX−110」)を10部とを、溶媒としての酢酸エチル100部の存在下にてホバートミキサー(株式会社小平製作所製、商品名「ACM−5LVT型」)を用いて5分攪拌混合した。得られた混合物を30分間真空脱泡し、脱泡と同時に酢酸エチルの除去を行って、粒子状炭素材料、樹脂、繊維状炭素材料及び難燃剤を含有する複合混合物を得た。そして、得られた複合混合物を解砕機に投入し、10秒間解砕した。
[プレ熱伝導シートを得る工程]
続いて、上述で得られた複合混合物5gを、サンドブラスト処理を施した厚み50μmのPETフィルム(保護フィルム)で挟み、ロール間隙550μm、ロール温度50℃、ロール線圧50kg/cm、ロール速度1m/分の条件にて圧延成形することにより、厚み0.5mmのプレ熱伝導シートを得た。
[積層体を得る工程]
また、上述で得られたプレ熱伝導シートを縦6cm×横6cm×厚み0.5mmに裁断し、厚み方向に120枚積層し、厚みが約6cmの積層体を得た。そして、得られた積層体を熱プレス機にてプレス温度120℃、プレス後の積層体の圧縮率が5〜10%になるように、圧力及びプレス時間を調整して熱圧着を行った。プレス時間は1〜5分間、加圧の圧力に関しては0.1〜0.25MPaでプレスした。
[スライス工程]
そして、上記積層体の積層断面を、0.3MPaの圧力で押し付けながら、木工用スライサー(丸仲鐵工所製、商品名「超仕上げかんな盤スーパーメカS」)を用いて、積層方向に対して0度の角度でスライス(換言すれば、積層された熱伝導一次シートの主面の法線方向にスライス)し、縦6cm×横6cm×厚み150μmの熱伝導シートを得た。ここで、木工用スライサーのナイフは、2枚の片刃が、切刃の反対側同士で接触し、表刃の刃先の最先端が裏刃の刃先の最先端よりも0.5mm高くスリット部からの突出長さ0.11mmに配置され、表刃の刃角22°である2枚刃のものを用いた。
得られた熱伝導シートについて、アスカーC硬度、熱伝導率、及び応力緩和率を上述の方法にて測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
複合混合物を準備する工程において、樹脂を、実施例1とは異なる種類の常温常圧下で固体の熱可塑性フッ素樹脂(ケマーズ製、商品名「バイトン(登録商標)A‐200」、ムーニー粘度:52.3ML1+4、100℃)に変更した以外は実施例1と同様にして、熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様の各種測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
複合混合物を準備する工程において、樹脂を、実施例1とは異なる種類の常温常圧下で固体の熱可塑性フッ素樹脂(スリーエムジャパン社製、商品名「Dyneon(登録商標)FC‐2211」、ムーニー粘度:30.2ML1+4、100℃)に変更した以外は実施例1と同様にして、熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様の各種測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の配合量を100部に変更した。また、樹脂を、実施例1とは異なる種類の常温常圧下で固体の熱可塑性フッ素樹脂(スリーエムジャパン社製、商品名「Dyneon(登録商標)FC‐2211」、ムーニー粘度:30.2ML1+4、100℃)に変更した以外は実施例1と同様にして、熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様の各種測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の配合量を70部に変更した。また、樹脂を、実施例1とは異なる種類の常温常圧下で固体の熱可塑性フッ素樹脂(スリーエムジャパン社製、商品名「Dyneon(登録商標)FC‐2211」、ムーニー粘度:30.2ML1+4、100℃)に変更した。これらの点以外は実施例1と同様にして、熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様の各種測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の配合量を85部に変更した。複合混合物を準備する工程において、樹脂を、実施例1とは異なる種類の常温常圧下で固体の熱可塑性フッ素樹脂(ダイキン工業社製、商品名「DAI_EL(登録商標)G‐704BP」、ムーニー粘度:62.4ML1+4、100℃、アスカーC硬度50)40部及び常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂(ダイキン工業社製、商品名「DAI_EL(登録商標)G‐101」)45部に変更し、難燃剤は配合せず、可塑剤としてのセバシン酸エステル(大八化学工業株式会社製、商品名「DOS」)5質量部を配合した以外は実施例1と同様にして、熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様の各種測定を行った。結果を表1に示す。なお、本実施例で用いた樹脂のうち、G‐101は常温常圧下で液体であるため、樹脂のムーニー粘度及びアスカーC硬度は、常温常圧下で固体のG−704BPについて測定した値を表1に示す。
(実施例7)
複合混合物を準備する工程において、粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛(伊藤黒鉛工業株式会社製、商品名「EC‐100」、平均粒子径:190μm)を100部と、繊維状炭素材料としての炭素ナノ構造体の易分散性集合体を0.1部と、樹脂としての常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂(ダイキン工業社製、商品名「DAI_EL(登録商標)G‐101」)を50部とを、ホバートミキサーにより80℃で30分間撹拌混合して混合物を得た。そして、得られた混合物をワンダークラッシュミル(大阪ケミカル株式会社製、商品名「D3V‐10」)に投入して、1分間解砕した。これらの点以外は実施例1と同様にして、熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様の各種測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
複合混合物を準備する工程において、粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の配合量を220部に変更した。また、樹脂を、常温常圧下で固体の熱可塑性のニトリルゴム(日本ゼオン社製、商品名「Nipol(登録商標) DN3335」、ムーニー粘度:35.0ML1+4、100℃)に変更した。これらの点以外は実施例1と同様にして、熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様の各種測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例9)
複合混合物を準備する工程において、粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛の配合量を160部に変更した。樹脂を、常温常圧下で固体の熱可塑性のシリコーン樹脂(信越化学工業製、商品名「KE‐931‐U」、ムーニー粘度:18.0 ML1+4、100℃)に変更した以外は実施例1と同様にして、熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様の各種測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2018025586
表1より、加圧による応力緩和率が85%以下である所定構造の熱伝導シートは、厚み方向の熱伝導率に優れていることが分かる。
本発明によれば、圧縮変形耐性及び厚み方向の熱伝導性に優れる熱伝導シートを提供することができる。

Claims (7)

  1. 熱伝導シートであって、
    粒子状炭素材料と、一種又は複数種の樹脂からなる樹脂成分とを含むプレ熱伝導シートが、前記熱伝導シートの厚み方向に対して横断方向に複数層積層されてなり、
    加圧による応力緩和率が85%以下である、熱伝導シート。
  2. アスカーC硬度が70以下である、請求項1に記載の熱伝導シート。
  3. 前記樹脂成分が、熱可塑性を有する一種又は複数種の樹脂を含む、請求項1又は2に記載の熱伝導シート。
  4. 前記樹脂成分のうちの少なくとも一種の樹脂が、常温常圧下で固体の、アスカーC硬度が70以下の樹脂である、請求項1〜3の何れかに記載の熱伝導シート。
  5. 前記少なくとも一種の樹脂のムーニー粘度が、90(ML1+4、100℃)以下である、請求項4に記載の熱伝導シート。
  6. 前記粒子状炭素材料の含有割合が25体積%以上である、請求項1〜5の何れかに記載の熱伝導シート。
  7. 前記樹脂成分のうちの少なくとも一種の樹脂が、常温常圧下で液体の樹脂である、請求項1〜6の何れかに記載の熱伝導シート。
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