JPWO2018012372A1 - p型半導体層、熱電変換層、熱電変換素子、熱電変換モジュール、及びp型半導体層形成用組成物 - Google Patents

p型半導体層、熱電変換層、熱電変換素子、熱電変換モジュール、及びp型半導体層形成用組成物 Download PDF

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Abstract

本発明の課題は、熱電変換性能に優れ、且つ、p型特性を示す半導体層(p型半導体層)を提供する。また、上記p型半導体層からなる熱電変換層、及び、p型半導体層形成用組成物を提供する。更に、上記熱電変換層をp型熱電変換層として有する熱電変換素子、及び熱電変換モジュールを提供することである。本発明のp型半導体層は、ナノ炭素材料と、式(1)〜式(4)で表わされる化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のオニウム塩と、を含有する。

Description

本発明は、p型半導体層、熱電変換層、熱電変換素子、熱電変換モジュール、及びp型半導体層形成用組成物に関する。
熱エネルギーと電気エネルギーを相互に変換することができる熱電変換材料が、熱によって発電する発電素子又はペルチェ素子のような熱電変換素子に用いられている。熱電変換素子は、熱エネルギーを直接電力に変換することができ、可動部を必要とせず、例えば、体温で作動する腕時計、僻地用電源、又は宇宙用電源等に用いられている。
熱電変換材料の変換効率は下記の無次元性能指数ZTによって表される。この無次元性能指数ZTは、下記式(A)で示され、熱電変換性能の向上には、ゼーベック係数(絶対温度1K当りの熱起電力)S及び導電率σの向上、熱伝導率κの低減が重要である。
無次元性能指数ZT=S・σ・T/κ (A)
式(A)において、 S(V/K):絶対温度1K当りの熱起電力(ゼーベック係数)
σ(S/m):導電率
κ(W/mK):熱伝導率
T(K):絶対温度
熱電変換材料には、大きく分けて、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料の2種類がある。昨今、p型熱電変換材料を、カーボンナノチューブ(以後、「CNT」ともいう。)に代表されるナノ炭素材料を用いて作製する技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、CNTとオニウム塩とを用いて、p型熱電変換材料を作製する技術を開示している。
特開2013−98299号公報
一方、近年、熱電変換素子が使用される機器の性能向上のために、熱電変換素子の熱電変換性能のより一層の向上が求められている。
このようななか、本発明者らは、特許文献1の実施例欄の記載をもとにCNTにN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(オニウム塩)を添加した熱電変換材料を作製した。得られた熱電変換材料の特性を検討したところ、熱電変換性能(例えば、性能指数Z(Z=S・σ/κで表される(単位:1/K)))の向上のためには、導電率σ及びゼーベック係数Sの点で更なる改善が必要であることが明らかとなった。
本発明は、上記実情に鑑みて、熱電変換性能に優れ、且つ、p型特性を示す半導体層(p型半導体層)を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記p型半導体層からなる熱電変換層、及び、p型半導体層組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記熱電変換層をp型熱電変換層として有する熱電変換素子、及び熱電変換モジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、所定のオニウム塩をナノ炭素材料のドーパントとして用いることで上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1) ナノ炭素材料と、後述する式(1)〜式(4)で表わされる化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のオニウム塩と、を含有する、p型半導体層。
(2) 上記オニウム塩が、上記式(1)〜(3)で表わされる化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種である、(1)に記載のp型半導体層。
(3) 上記ナノ炭素材料は、大気下600℃における重量減少率が20%以下である、(1)又は(2)に記載のp型半導体層。
(4) 上記ナノ炭素材料が、カーボンナノチューブである、(1)〜(3)に記載のp型半導体層。
(5) 上記カーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブを主成分として含有する、(4)に記載のp型半導体層。
(6) 膜密度が0.45gcm−3以上である、(1)〜(5)のいずれかに記載のp型半導体層。
(7) (1)〜(6)のいずれかに記載のp型半導体層からなる、熱電変換層。
(8) (7)に記載の熱電変換層を備えた、熱電変換素子。
(9) (8)に記載の熱電変換素子を複数個備えた、熱電変換モジュール。
(10) ナノ炭素材料と、後述する式(1)〜式(4)で表わされる化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のオニウム塩と、を含有する、p型半導体層形成用組成物。
(11) 上記オニウム塩が、上記式(1)〜(3)で表わされる化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種である、(10)に記載のp型半導体層形成用組成物。
(12) 上記ナノ炭素材料は、大気下600℃における重量減少率が20%以下である、(10)又は(11)に記載のp型半導体層形成用組成物。
(13) 上記ナノ炭素材料が、カーボンナノチューブである、(10)〜(12)のいずれかに記載のp型半導体層形成用組成物。
(14) 上記カーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブを主成分として含有する、(13)に記載のp型半導体層形成用組成物。
本発明によれば、熱電変換性能に優れ、且つ、p型特性を示す半導体層(p型半導体層)を提供することができる。
また、本発明によれば、上記p型半導体層からなる熱電変換層、及び、p型半導体層組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、上記熱電変換層をp型熱電変換層として有する熱電変換素子、及び熱電変換モジュールを提供することができる。
本発明の熱電変換素子の第1実施態様の断面図である。 本発明の熱電変換素子の第2実施態様の断面図である。 本発明の熱電変換素子の第3実施態様の概念図である(上面図)。 本発明の熱電変換素子の第3実施態様の概念図である(正面図)。 本発明の熱電変換素子の第3実施態様の概念図である(底面図)。 本発明の熱電変換素子の第4実施態様の概念図である。 本発明の熱電変換素子の第5実施態様の概念図である。 CNT膜中のCNTの配向性(水平配向性)を測定する方法を説明する模式図である。 CNT膜中のCNTの配向性(面内配向性)を測定する方法を説明する模式図である。 実施例で作製する熱電変換モジュールの模式図である。 熱電変換モジュールの出力を測定する装置を示す模式図である。
以下に、本発明のp型半導体層、熱電変換層、熱電変換素子、熱電変換モジュール、及び、p型半導体層形成用組成物(特に、熱電変換層形成用組成物)について説明する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの双方又はいずれかを表すものであり、これらの混合物をも包含するものである。
また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。なお、ナノ炭素材料において、カーボンナノチューブは一般的に半導体性CNTと金属性CNTが混合しており、半金属的な性質を示す。従って、本発明においてはイオン化ポテンシャルとフェルミ準位は同義のものとして用いている。
[p型半導体層、熱電変換層]
以下、本発明のp型半導体層、及び熱電変換層について説明する。
ここで、本発明の熱電変換層とは、本発明のp型半導体層からなり、具体的には、本発明のp型半導体層を熱電変換層として機能させた形態を意味する。
以下、本発明のp型半導体層について、一実施形態である熱電変換層を例に挙げて説明するが、本発明のp型半導体層の機能及び用途はこの実施形態に限定されることはない。
本発明のp型半導体層は、以下に説明する熱電変換層のほか、例えば、ダイオード、又は、トランジスタ(例えば、電界効果トランジスタ等)にも用いることができる。
まず、本発明の熱電変換層の特徴点について説明する。
本発明の熱電変換層の特徴点は、後述する式(1)〜式(4)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種のオニウム塩をドーパントとして用いて、カーボンナノチューブに代表されるナノ炭素材料を酸化して得られるp型熱電変換材料を用いる点にある。
上記構成とすることにより、得られる熱電変換層は、導電率σ及びゼーベック係数Sがより優れたバランスで両立して優れた熱電変換性能を示し、且つ、p型特性を示す。
詳細は明らかではないが、式(1)〜式(4)で表される化合物が下記に示す第1及び第2の特徴を有することにより、上述の本発明の効果が発現しているものと推測される。
第1の特徴:
無機の半導体材料においては、縦軸を軌道レベル(エネルギー)、横軸を状態密度(DOS)である状態密度分布曲線において、半導体材料のフェルミ準位の位置する点における縦軸を基準とした接線の傾きが大きい場合、ゼーベック係数Sが大きくなると理論上言われている。
今般、本発明者らは、ナノ炭素材料においても同様の機構でゼーベック係数を制御できると考えた。上記式(1)〜(4)で表される化合物は、いずれもナノ炭素材料のドーパントである。これらのドーパントを用いてナノ炭素材料を酸化することにより、フェルミ準位を状態密度分布曲線の上記接線の傾きの大きい位置に調整することができる。この結果、例えば、ナノ炭素材料がCNTである場合、ドーピング前後でイオン化ポテンシャルがわずかに大きくなる(深くなる)ことを確認している(0.01〜0.1eV程度(好ましくは0.02〜0.06eV)の変化量)。
一方、後述の比較例7又は比較例8で挙げる特許文献1のオニウム塩を用いた場合、オニウム塩は紫外線吸収により開裂して酸(例えば、HB(C)を発生し、この酸によりナノ炭素材料が過剰に酸化されてフェルミ準位の位置が深い方向に大きくシフトする。この結果、導電率σは向上するものの、状態密度分布曲線の上記接線の傾きの大きい位置からずれるため、ゼーベック係数Sが低下する傾向がある。さらに導電率向上に伴い、熱伝導率が向上するため、性能指数Zも低下する。
つまり、従来のドーパントがフェルミ準位を大きくシフトさせるのに対し、上記式(1)〜(4)で表される化合物は、フェルミ準位を微小量調整するものであり、この結果、熱電変換層は、導電率σ及びゼーベック係数Sが優れたバランスで両立し、性能指数Zに優れるものとなる。
第2の特徴:
上記式(1)〜(4)で表される化合物は、第四級アンモニウム塩(窒素カチオンに置換する四種の置換基がいずれも有機基である構造(例えば、テトラメチルアミン塩酸塩))等と比較して、立体的に込み入っておらず、つまりNH部位を有するカチオン部がナノ炭素材料に近接しやすい構造を取っていると考えられる。また、このカチオン部はドーパントとしては求電子性が弱いため、フェルミ準位を上記の微小なシフト量に調整することができる。これらの構造的特徴も、優れた導電率σ及びゼーベック係数Sの発現に寄与しているものと考えられる。
また、本発明者らは、上記式(1)〜(4)で表される化合物をドーパントとした場合、下記式(B)で表されるパワーファクター(PF)のばらつきが小さくなることも確認している。例えば、特許文献1のオニウム塩をドーパントとして用い、紫外線吸収により開裂して酸を発生させた場合には、ばらつきが多い傾向にある。この詳細な作用機構は明らかではないが、上述のようなフェルミ準位の調整により、酸素等の外部影響を受けにくくなるためと推測される。
式(B)=S・σ (W/mK
以下、本発明の熱電変換層に含有される各成分について述べ、その後、本発明の熱電変換層の製造方法について述べる。
〔式(1)〜(4)で表される化合物〕
以下、式(1)〜(4)で表される化合物について説明する。
まず、式(1)について説明する。
式(1)中、
は、共役酸のpKaが−3.7以下であるアニオンを表す。
11、R12及びR13は、各々独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基、アラルキル基、又は、へテロ環基を表す。上記脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐又は環状のいずれであってもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。また、R11、R12及びR13は、更に置換基を有していてもよい。
上記式(1)中、Xは、共役酸のpKaが−3.7以下であるアニオンを表す。共役酸のpKaが−3.7よりも大きいアニオンの場合、CNTがn型化ドープされ易くなる傾向があるためである。
としては、例えば、Cl、Br、I、HSO 、アルキルスルホン酸のアニオン(例えば、CHSO )、アリールスルホン酸のアニオン(例えば、p−CHSO 、又はPhSO )、パーフルオロアルキルスルホン酸のアニオン(例えば、CFSO 、CSO 、又はC17SO )、過ハロゲン化ルイス酸のアニオン(例えば、PF 、SbF 、BF 、AsF 、又はFeCl )、パーフルオロアルキルスルホンイミドのアニオン(例えば、(CFSO、(CSO、又は(FSO)、過ハロゲン酸のアニオン(例えば、ClO 、BrO 、又はIO )、又は、アルキル若しくはアリールボレートのアニオン(例えば、(C、(C、(p−CH、又は(CF))が挙げられる。これらは、更に置換基を有してもよく、置換基としてはフッ素原子が挙げられる。
は、Cl、Br、I、過ハロゲン化ルイス酸のアニオン(例えば、PF 、SbF 、BF 、AsF 、又はFeCl )、パーフルオロアルキルスルホンイミドのアニオン(例えば、(CFSO、(CSO、又は(FSO)、過ハロゲン酸のアニオン(例えば、ClO 、BrO 、又はIO )、又は、アルキル若しくはアリールボレートのアニオン(例えば、(C、(C、(p−CH、又は(CF))が好ましく、Cl、Br、又はIがより好ましく、Clが更に好ましい。
なお、本明細書において、アニオンの共役酸のpKaの値は、「化学便覧、改訂5版、日本化学会」に記載の値(水中)を参照することができる。より具体的には、「共役酸のpKaが−3.7以下であるアニオン」におけるpKaは、塩化物イオンの共役酸である塩酸の水中におけるpKaの値に基づいている。なお、上記「化学便覧、改訂5版、日本化学会」に記載されていないアニオンの共役酸に関しては、オニウム塩の共役酸を水に溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液によって滴定することにより、算出することができる。また、上記「化学便覧、改訂5版、日本化学会」に記載されていないアニオンの共役酸でオキソニウムイオン(H3+、pka=−1.7)よりも強い酸については、上記手法で測定することが困難なため、「新実験化学講座、3版、日本化学会」に記載の酸度関数の測定法に従って、算出することができる。
上記式(1)中、R11、R12及びR13は、各々独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基、アラルキル基、又は、へテロ環基を表す。
上記式(1)中、脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基(炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜6が更に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜20が好ましく、炭素数2〜10がより好ましく、炭素数2〜6が更に好ましい)、又はアルキニル基(炭素数2〜20が好ましく、炭素数2〜10がより好ましく、炭素数2〜6が更に好ましい)等が挙げられる。なかでも、アルキル基が好ましい。
上記脂肪族炭化水素基としては、直鎖、分岐、及び、環状のいずれであってもよいが、直鎖がより好ましい。
上記式(1)中、アラルキル基としては、例えば、炭素数7〜15のアラルキル基が好ましく、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、1−(1−ナフチル)エチル基、トリフェニルメチル基、又はピレニルメチル基等が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。ヘテロ原子の種類は特に制限されないが、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子、又はテルル原子等が挙げられる。なかでも、p型化ドーパントとしてより優れた機能を発現する観点から、−Y−、−N(Ra)−、−C(=Y)−、−CON(Rb)−、−C(=Y)Y−、−SOt−、−SON(Rc)−、又はこれらを組み合わせた基の態様で含まれることが好ましい。
〜Yは、各々独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、及びテルル原子からなる群から選択される。なかでも、取り扱いがより簡便である点から、酸素原子、又は硫黄原子が好ましい。tは、1〜3の整数を表す。上記Ra、Rb、及びRcは、各々独立に、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。
上記式(1)中、ヘテロ環基としては、例えば、炭素数3〜12のヘテロ環が好ましく、例えば、フリル基、チオフリル基、ピリジル基、ピラゾール基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、プリン基、ピリミジル基、ピラジル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、トリアジル基、カルバゾリル基、キノキサリル基、又はチアジン基等が挙げられる。
上記式(1)中、R11、R12及びR13は、更に置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子)が挙げられる。
上記式(1)中、R11、R12及びR13は、各々独立に、水素原子、アラルキル基、又は脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
次に、式(2)及び式(3)について説明する。
式(2)中、
は、共役酸のpKaが−3.7以下であるアニオンを表す。
21〜Y25は、各々独立に、窒素原子又は=CR26−を表す。R26は、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、ホルミル基、チオエステル基、アミド基、スルホンアミド基、水酸基、チオール基、アラルキル基、アリール基及びへテロ環基からなる群より選ばれる一価の有機基を表す。上記脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐及び環状のいずれであってもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。また、R26は、更に置換基を有していてもよい。なお、Y21〜Y25中の複数が=CR26−を表す場合、隣接する炭素原子に置換するR26同士は、互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。
式(3)中、
は、共役酸のpKaが−3.7以下であるアニオンを表す。
31〜Y33は、各々独立に、窒素原子又は=CR36−を表す。R36は、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、ホルミル基、チオエステル基、アミド基、スルホンアミド基、水酸基、チオール基、アラルキル基、アリール基及びへテロ環基からなる群より選ばれる一価の有機基を表す。上記脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐及び環状のいずれであってもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。また、R36は、更に置換基を有していてもよい。なお、Y32及びY32がいずれも=CR36−を表す場合、R36同士は、互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。
31は、上記式(1)中のR11と同義であり、好ましい態様も同じである。なお、Y31、又はY32が=CR36−を表す場合、R31で表される一価の有機基は、R36と互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。
上記式(2)及び式(3)中、Xは、上記式(1)中のXと同義であり、好ましい態様も同様である。
上記式(2)中、Y21〜Y25は、各々独立に、窒素原子又は=CR26−を示し、=CR26−が好ましい。
また、R26は、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、ホルミル基、チオエステル基、アミド基、スルホンアミド基、水酸基、チオール基、アラルキル基、アリール基及びへテロ環基からなる群より選ばれる一価の有機基を表し、水素原子、脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルコキシ基、アミド基、アラルキル基、アリール基及びへテロ環基が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基がより好ましく、水素原子が更に好ましい。
26で表される脂肪族炭化水素基、アラルキル基、及びヘテロ環基は、上記式(1)のR11、R12及びR13で表される脂肪族炭化水素基、アラルキル基、及びヘテロ環基と同様のものが挙げられる。
26で表されるアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナンシル基、又はピレニル基等が挙げられる。
26で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子等が挙げられる。
26で表されるアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜10(好ましくは炭素数2〜6)のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基等が挙げられる。
26で表されるアシル基としては、炭素数2〜10(好ましくは炭素数2〜6)のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基等が挙げられる。
26で表されるアルコキシ基としては、炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜6)のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基又はエトキシ基等が挙げられる。
26で表されるアルキルチオ基としては、炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜6)のアルキルチオ基が好ましく、例えば、メチルチオ基又はエチルチオ基等が挙げられる。
26で表されるアシルオキシ基としては、炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜6)のアシルオキシ基が好ましく、例えば、アセトキシ基が挙げられる。
26で表されるチオエステル基としては、炭素数2〜10(好ましくは炭素数2〜6)の(アルキルチオ)カルボニル基、又は炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜6)のアシルチオ基が好ましく、例えば、(メチルチオ)カルボニル基、又はアセチルチオ基等が挙げられる。なお、チオエステル基としては、R−C(=O)−S−で表される基であっても、R−S−C(=O)−で表される基であってよい。Rとしては、1価の有機基(例えば、アルキル基)が挙げられる。
26で表されるアミド基としては、炭素数2〜10(好ましくは炭素数2〜6)のアミド基が好ましく、例えば、アセトアミド基が挙げられる。なお、アミド基としては、R−C(=O)−NR−で表される基であっても、R−NR−C(=O)−で表される基であってよい。
26で表されるスルホンアミド基としては、炭素数2〜10(好ましくは炭素数2〜6)のスルホンアミド基が好ましく、例えば、N,N−ジメチルアミノスルホニル基が挙げられる。なお、スルホンアミド基としては、R−NR−S(=O)−で表される基であっても、R−S(=O)NR−で表わされる基であってよい。
としては、水素原子又は1価の有機基(例えば、アルキル基)が挙げられ、Rとしては、水素原子又は1価の有機基(例えば、アルキル基)が挙げられる。
また、Y21〜Y25中の複数が=CR26−を表す場合、隣接する炭素原子に置換するR26同士は、互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。
芳香族性又は非芳香族性の環としては、例えば、単環又は多環芳香環、脂環構造であり、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環などが挙げられる。
26は、更に置換基を有していてもよい。置換基としては、上記式(1)で挙げたR11、R12及びR13が更に有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
上記式(3)中、Y31〜Y33は、各々独立に、窒素原子又は=CR36−を示し、=CR36−が好ましい。
36は、上記式(2)中のR26と同義であり、好ましい態様も同様である。
また、上記Y32及びY33がいずれも=CR36−を表す場合、上記R36同士は、互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。芳香族性又は非芳香族性の環としては、上記式(2)において説明した芳香族性又は非芳香族性の環と同義であり、その好ましい態様も同じである。
上記式(3)中、R31は、上記式(1)中のR11と同義であり、好ましい態様も同様である。
また、上記Y31、又はY32が=CR36−を表す場合、上記R31は、上記Y31、又はY32のR36と互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。芳香族性又は非芳香族性の環としては、上記式(2)において説明した芳香族性又は非芳香族性の環と同義であり、その好ましい態様も同じである。
次に、式(4)について説明する。
式(4)中、
は、共役酸のpKaが−3.7以下であるアニオンを表す。
41は、各々独立に、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、アラルキル基、アリール基及びへテロ環基からなる群より選ばれる一価の有機基を表す。上記脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐及び環状のいずれであってもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。また、R41は、更に置換基を有していてもよい。
41及びY42は、各々独立に、−C(R42−、−NR43−、−O−、−C(=O)−、−CO−、−S−、−SO−、又は−SO−を表す。R42は、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、アラルキル基、アリール基及びへテロ環基からなる群より選ばれる一価の有機基を表す。R43は、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、アラルキル基、アリール基及びへテロ環基からなる群より選ばれる一価の有機基を表す。上記脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐及び環状のいずれであってもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。また、R42及びR43は、更に置換基を有していてもよい。なお、Y41又はY42が、−C(R42−又は−NR43−を表す場合、R41で表される一価の有機基は、R42又はR43と互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。
nは、1〜18の整数を表す。
上記式(4)中、Xは、上記式(1)中のXと同義であり、好ましい態様も同様である。
上記式(4)中、R41は、各々独立に、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、アラルキル基、アリール基及びへテロ環基からなる群より選ばれる一価の有機基を表す。
41で表される脂肪族炭化水素基、アラルキル基、アリール基、及びヘテロ環基としては、それぞれ上記式(2)のR26で表される脂肪族炭化水素基、アラルキル基、アリール基、及びヘテロ環基と同様のものが挙げられる。R41は、なかでも、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。また、R41は、更に置換基を有していてもよく、置換基としては、上記式(1)で挙げたR11、R12及びR13が更に有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
42は、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、アラルキル基、アリール基及びへテロ環基からなる群より選ばれる一価の有機基を表す。
42で表される脂肪族炭化水素基、アラルキル基、アリール基、及びヘテロ環基としては、それぞれ上記式(2)のR26で表される脂肪族炭化水素基、アラルキル基、アリール基、及びヘテロ環基と同様のものが挙げられる。
また、R42で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。R42は、なかでも、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
また、R42は、更に置換基を有していてもよく、置換基としては、上記式(1)で挙げたR11、R12及びR13が更に有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
43は、上記式(4)中のR41と同義であり、好ましい態様も同様である。
また、上記Y41又は上記Y42が、−C(R42−又は−NR43−を表す場合、上記R41で表される一価の有機基は、上記R42又は上記R43と互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。芳香族性又は非芳香族性の環としては、例えば、単環又は多環芳香環、脂環構造であり、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環などが挙げられる。
上記式(4)中、nは、1〜18の整数を表す。nは、3〜10の整数が好ましく、3又は4がより好ましい。
本発明の効果がより優れる観点から、式(1)〜式(4)で表される化合物の中でも、式(1)〜(3)で表わされる化合物がより好ましい。
以下、式(1)〜式(4)で表される化合物について、具体的な構造を例示する。
〔ナノ炭素材料〕
本発明において、熱電変換材料として利用するナノ炭素材料は特に限定はされず、従来公知のナノ炭素材料を用いることができる。
また、ナノ炭素材料のサイズは、ナノサイズ(1μm未満)であれば特に限定されないが、例えば、後述するカーボンナノチューブ、又はカーボンナノファイバー等については、平均短径がナノサイズ(例えば、平均短径が500nm以下)であればよい。また、カーボンナノチューブが結合した薄膜である、いわゆるバッキ―ペーパーも用いることができる。
上記ナノ炭素材料としては、具体的には、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノバット、カーボンナノホーン、カーボンナノファイバー、グラファイト、グラフェン、又はカーボンナノ粒子等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、熱電特性がより良好となる理由から、カーボンナノチューブが好ましい。
熱電変換性能の観点から、熱電変換層中のナノ炭素材料の含有量は、熱電変換層中の全固形分に対して、5〜99.9質量%であることが好ましく、20〜99.9質量%であることがより好ましく、40〜99.9質量%であることが更に好ましく、60〜99.9質量%であることが特に好ましい。
ナノ炭素材料は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記固形分とは、熱電変換層を形成する成分を意図し、溶媒及び分散剤は含まれない。
また、ナノ炭素材料は、大気下600℃における重量減少率が20%以下であることが好ましい。重量減少率は、後述する熱重量測定−示差熱分析法(TG−DTA)により測定することができる。ナノ炭素材料の大気下600℃における重量減少率を上記範囲とするため、ナノ炭素材料を予め熱処理(例えば、真空下、500〜1500℃(好ましくは800〜1200℃)で、1〜600分(好ましくは5〜60分))することが好ましい。大気下600℃における重量減少率が20%以下とすることで、ナノ炭素材料の純度がより向上する。特に、ナノ炭素材料としてCNTを用いた場合により優れた効果が得られる。
以下、本発明において好適なカーボンナノチューブ構造について説明する。
<カーボンナノチューブ>
カーボンナノチューブ(CNT)は、1枚の炭素膜(グラフェンシート)が円筒状に巻かれた単層CNT、2枚のグラフェンシートが同心円状に巻かれた2層CNT、及び、複数のグラフェンシートが同心円状に巻かれた多層CNTがある。なかでも、半導体特性において優れた性質を持つ単層CNT及び2層CNTを用いることが好ましく、単層CNTを用いることがより好ましい。本発明においては、単層CNT、2層CNT、及び多層CNTを各々単独で用いてもよく、2種以上を併せて用いてもよいが、単層CNTが主成分(なお、主成分とは、単層CNTの含有量がCNTの全質量に対して60質量%以上を意図し、75質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、99質量%以上が特に好ましい)であることが好ましい。
単層CNTは、半導体性のものであっても、金属性のものであってもよく、両者を併せて用いてもよい。また、CNTには金属等が内包されていてもよく、フラーレン等の分子が内包されたもの(特にフラーレンを内包したものをピーポッドという)を用いてもよい。
CNTはアーク放電法、CVD(chemical vapor deposition)法、又はレーザーアブレーション法等によって製造することができる。本発明に用いられるCNTは、いずれの方法によって得られたものであってもよいが、好ましくはアーク放電法及びCVD法により得られたものである。
CNTを製造する際には、同時にフラーレン、グラファイト、及び/又は非晶性炭素が副生成物として生じることがある。これら副生成物を除去するために精製してもよい。CNTの精製方法は特に限定されないが、洗浄、遠心分離、ろ過、焼成、酸化、又はクロマトグラフ等の方法が挙げられる。その他に、硝酸、硫酸等による酸処理、又は超音波処理も不純物の除去には有効である。併せて、フィルターによる分離除去を行うことも、純度を向上させる観点からより好ましい。
精製の後、得られたCNTをそのまま用いることもできる。また、CNTは一般に紐状で生成されるため、用途に応じて所望の長さにカットして用いてもよい。CNTは、硝酸、硫酸等による酸処理、超音波処理、又は凍結粉砕法等により短繊維状にカットすることができる。また、併せてフィルターによる分離を行うことも、純度を向上させる観点から好ましい。
本発明においては、カットしたCNTだけではなく、あらかじめ短繊維状に作製したCNTも同様に使用できる。
CNTの平均長さは特に限定されないが、製造容易性、成膜性、又は導電性等の観点から、0.01〜1000μmであることが好ましく、0.1〜100μmであることがより好ましい。
単層CNTの直径は、特に限定されないが、耐久性、成膜性、導電性、又は熱電性能等の観点から、0.5nm以上4.0nm以下が好ましく、より好ましくは0.6nm以上3.0nm以下、更に好ましくは0.7nm以上2.0nm以下である。CNTの70%以上の直径分布(以下、「70%以上の直径分布」を単に「直径分布」とも言う)が、3.0nm以内であることが好ましく、2.0nm以内であることがより好ましく、1.0nm以内であることが更に好ましく、0.7nm以内であることが特に好ましい。直径、及び直径分布は後述する方法で測定できる。
使用されるCNTには、欠陥のあるCNTが含まれていることがある。このようなCNTの欠陥は、熱電変換層の導電性、熱起電力を低下させるため、低減することが好ましい。CNTの欠陥の量は、ラマンスペクトルのG−バンドとD−バンドの強度比G/D(以下、G/D比という。)で見積もることができる。G/D比が高いほど欠陥の量が少ないCNT材料であると推定できる。特に、単層CNTを用いる場合には、G/D比が10以上であることが好ましく、30以上であることがより好ましい。
[単層CNTの直径、直径分布の算出]
本明細書中、単層CNTの直径は下記の方法により評価する。すなわち、単層CNTの532nm励起光でのラマンスペクトルを測定し(励起波長532nm)、ラジアルブリージング(RBM)モードのシフトω(RBM)(cm−1)より、下記算出式を用いて算出する。最大ピークより算出した値をCNTの直径とする。直径分布は各ピークトップの分布から求める。
算出式:直径(nm)=248/ω(RBM)
〔任意成分〕
熱電変換層には、上述したナノ炭素材料及び式(1)〜(4)で表される化合物以外の他の成分(分散媒、高分子化合物、界面活性剤、酸化防止、剤増粘剤、又は、消泡剤等)が含まれていてもよい。各成分の定義、具体例及び好適な態様は、それぞれ、後述する熱電変換層形成用組成物に含有される各成分と同じである。
〔熱電変換層の製造方法〕
熱電変換層を製造する方法は特に制限されないが、例えば、以下に示す第1の好適な態様又は第2の好適な態様等が挙げられる。
<第1の好適な態様>
熱電変換層の製造方法の第1の好適な態様は、ナノ炭素材料と、式(1)〜(4)で表される化合物とを含有する熱電変換層形成用組成物を用いる方法である。
まず、組成物について述べ、その後、製造方法について述べる。
(熱電変換層形成用組成物)
上述のとおり、熱電変換層形成用組成物は、ナノ炭素材料と、式(1)〜(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のオニウム塩とを含有する。
まず、組成物中に含有される各成分について述べ、その後、組成物の調製方法について述べる。
(1)ナノ炭素材料
ナノ炭素材料の定義、具体例及び好適な態様については上述のとおりである。熱電変換層形成用組成物中のナノ炭素材料の含有量は特に制限されないが、全固形分量に対して、5〜99.9質量%であることが好ましく、20〜99.9質量%であることがより好ましく、40〜99.9質量%であることが更に好ましく、60〜99.9質量%であることが特に好ましい。
(2)式(1)〜(4)で表される化合物(ドーパント)
式(1)〜(4)で表される化合物については、定義、具体例及び好適な態様については上述のとおりである。熱電変換層形成用組成物中の式(1)〜(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のオニウム塩の含有量は特に制限されないが、ナノ炭素材料に対して、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.1〜25質量%であることがより好ましく、0.1〜5質量%であることが特に好ましい。
(3)分散媒
熱電変換層形成用組成物は、ナノ炭素材料及び式(1)〜(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のオニウム塩の他に分散媒を含有するのが好ましい。
分散媒(溶媒)は、ナノ炭素材料を分散できればよく、水、有機溶媒及びこれらの混合溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、1−メトキシ−2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、又はグリセリン等)、ハロゲン系溶媒(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、又は1,2−ジクロロエタン等)、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMAc(ジメチルアセトアミド)、NMP(N−メチルピロリドン)、NEP(N−エチルピロリドン)若しくDMSO(ジメチルスルホキシド)等の非プロトン性の極性溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、テトラメチルベンゼン、若しくピリジン等の芳香族系溶媒、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケントン、若しくはイソホロン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、THF(テトラヒドロフラン)、1,4−ジオキサン、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、若しくジグライム等のエーテル系溶媒、又は、酢酸エチル、酢酸ブチル、若しくはプロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート等のエステル系溶媒等が挙げられる。
分散媒は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
熱電変換層形成用組成物中の分散媒の含有量は、組成物全量に対して、25〜99.99質量%であることが好ましく、30〜99.95質量%であることがより好ましく、30〜99.9質量%であることが更に好ましい。
なかでも、分散媒としては、ナノ炭素材料の分散性がより優れ、熱電変換層の特性(導電率及び熱起電力)がより向上する点で、水、又は、ClogP値が3.0以下のアルコール系溶媒が好適に挙げられる。なお、ClogP値とは、後述の方法により算出することができる。
アルコール系溶媒とは、−OH基(ヒドロキシ基)を含む溶媒を意図する。
上記アルコール系溶媒はClogP値が3.0以下を示すが、ナノ炭素材料の分散性がより優れ、熱電変換素子の特性がより向上する点で、1.0以下が好ましい。下限は特に制限されないが、上記効果の点で、−3.0以上が好ましく、−2.0以上がより好ましく、−1.0以上が更に好ましい。
(ClogP値)
まず、logP値とは、分配係数P(Partition Coefficient)の常用対数を意味し、ある化合物が油(ここではn−オクタノール)と水の2相系の平衡でどのように分配されるかを定量的な数値として表す物性値であり、数字が大きいほど疎水性の化合物であることを示し、数字が小さいほど親水性の化合物であることを示すため、化合物の親疎水性を表す指標として用いることができる。
logP=log(Coil/Cwater)
Coil=油相中のモル濃度
Cwater=水相中のモル濃度
一般に、logP値は、n−オクタノールと水を用いて実測により求めることもできるが、本発明においては、logP値推算プログラムを使用して求められる分配係数(ClogP値)(計算値)を使用する。具体的には、本明細書においては、“ChemBioDraw ultra ver.12”から求められるClogP値を使用する。
(4)その他の成分
上述した成分の他、高分子化合物(バインダー)、界面活性剤、酸化防止剤、増粘剤、又は消泡剤等が含まれていてもよい。
高分子化合物としては、共役高分子及び非共役高分子が挙げられる。共役高分子としては、ポリチオフェン、ポリフルオレン、PEDOT−PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸)、ポリアニリン、及び、ポリピロール等が挙げられる。非共役高分子としては、ポリスチレン、ビニル化合物、(メタ)アクリレート化合物、カーボネート化合物、エステル化合物、エポキシ化合物、シロキサン化合物、及び、ゼラチン等の公知の各種の高分子化合物が利用可能である。高分子化合物としては、水素結合性樹脂を用いることが好ましい。
水素結合性官能基としては、水素結合性を有する官能基であればよく、例えば、OH基、NH基、NHR基(Rは、芳香族又は脂肪族炭化水素を表す)、COOH基、CONH基、NHOH基、SO3H基(スルホン酸基)、−OP(=O)OH2基(リン酸基)等や、−NHCO−基、−NH−基、−CONHCO−結合、−NH−NH−結合、−C(=O)−基(カルボニル基)、及び、−ROR−基(エーテル基:Rは、それぞれ独立に、2価の芳香族炭化水素又は2価の脂肪族炭化水素を表す。ただし、2つのRは同一であっても異なっていてもよい。)等を有する基が挙げられる。
水素結合性樹脂(水素結合性官能基を有する樹脂)の例としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、キサンタンガム、グァーガム、ヒドロキシエチルグァーガム、カルボキシメチルグァーガム、トラガントガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、プルラン、マンナン、グルコマンナン、デンプン、カードラン、カラギーナン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、デキストラン、ケラト硫酸、サクシノグルカン、カロニン酸、アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコール、マクロゴール、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、ゼラチン、寒天、カードラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、澱粉、化工澱粉、及び、ベントナイト等が挙げられる。なお、カルボキシル基等の酸性基を有するものは、一部もしくはすべてがナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩等の塩になっていてもよい。
高分子化合物の含有量はナノ炭素材料の質量に対して、0.1〜60質量%であることが好ましく、0.1〜50質量%であることがより好ましく、0.1〜40質量%であることが特に好ましい。高分子化合物はCNT間の距離を調整することにより熱伝導率を低下させる効果も示す。
界面活性剤としては、公知の界面活性剤(カチオン性界面活性剤、又はアニオン性界面活性剤等)が挙げられる。なかでも、アニオン性界面活性剤が好ましく、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、又はデオキシコール酸ナトリウムがより好ましい。界面活性剤の含有量はナノ炭素材料の質量に対して、0.01〜2000質量%であることが好ましく、0.01〜1000質量%であることがより好ましく、0.01〜500質量%であることが特に好ましい。
酸化防止剤としては、イルガノックス1010(日本チガバイギー製)、スミライザーGA−80(住友化学工業(株)製)、スミライザーGS(住友化学工業(株)製)、スミライザーGM(住友化学工業(株)製)、又はアルコルビン酸等が挙げられる。酸化防止剤の含有量は熱電変換層形成用組成物の全質量に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。
消泡剤としては、熱電変換層形成用組成物の表面張力を低下させ、溶媒に対する親和性を有するものであれば特に限定されない。例えば、高酸化油系、脂肪酸エステル系、フッ素系、及びシリコーン系化合物等が挙げられる。溶媒に対して、親和性の低いものは、エマルジョンとして使用することもできる。消泡剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。消泡剤の含有量は、熱電変換層形成用組成物の全質量に対して、0.0001〜10質量%であることが好ましく、0.001〜5質量%であることがより好ましく、0.005〜1質量%であることがさらに好ましい。
増粘剤としては上記水素結合性樹脂等が挙げられる。増粘剤はCNT間の距離を調整することにより、熱伝導率を低下させる効果も示す。
(熱電変換層形成用組成物の調製方法)
熱電変換層形成用組成物は、上記の各成分を混合して調製することができる。好ましくは、分散媒、ナノ炭素材料、式(1)〜(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のオニウム塩、及び所望により他の成分を混合して、ナノ炭素材料を分散させて調製する。
組成物の調製方法に特に制限はなく、通常の混合装置等を用いて常温常圧下で行うことができる。例えば、各成分を溶媒中で撹拌、振とう、又は混練により溶解又は分散させて調製すればよい。溶解又は分散を促進するため超音波処理を行ってもよい。
また、上記分散工程において溶媒を室温以上沸点以下の温度まで加熱する、分散時間を延ばす、又は撹拌、浸とう、混練、若しくは超音波等の印加強度を上げる等によって、ナノ炭素材料の分散性を高めることができる。
(製造方法)
熱電変換層形成用組成物を用いて熱電変換層を製造する方法は特に制限されないが、例えば、基材上に上記組成物を塗布し、成膜する方法等が挙げられる。
成膜方法は特に限定されず、例えば、スピンコート法、エクストルージョンダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、ステンシル印刷法、ロールコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、又はインクジェット法等の公知の塗布方法を用いることができる。分散組成物の減圧又は加圧濾過による成膜のほか、型枠に流し込むことによっても成膜することができる。
また、塗布後は、必要に応じて乾燥工程を行う。例えば、基板側からの加熱により、又は、熱風を熱電変換層に吹き付けることにより、溶媒を揮発及び乾燥させることができる。乾燥は、減圧下又は不活性雰囲気下で行ってもよい。
上記組成物が分散剤又は界面活性剤を含有する場合は、成膜後に分散剤や界面活性剤を除去する工程を入れることが好ましい。分散剤又は界面活性剤の除去は、これらが溶解する溶媒を用いて洗浄すること等により行うことができる。
熱電変換層の膜密度を向上させる観点から、乾燥後の膜に対してプレス処理(好ましくは3〜20kN程度、より好ましくは5〜20kN程度)を実施することが好ましい。プレス処理の方法は特に限定されず、ロールプレスなどにより行うことができる。
<第2の好適な態様>
熱電変換層の製造方法の第2の好適な態様は、ナノ炭素材料を含有する熱電変換層前駆体形成用組成物を用いて熱電変換層前駆体を作製した後に、上述した式(1)〜(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のオニウム塩を熱電変換層前駆体に付与して、ナノ炭素材料をドープする方法である。
まず、組成物について述べ、その後、製造方法について述べる。
(熱電変換層前駆体形成用組成物)
上述のとおり、熱電変換層前駆体形成用組成物は、ナノ炭素材料を含有する。ナノ炭素材料の定義、具体例及び好適な態様については上述のとおりである。組成物中のナノ炭素材料の含有量の好適な態様は上述した第1の好適な態様と同じである。
熱電変換層前駆体形成用組成物は、ナノ炭素材料の他に分散媒を含有するのが好ましい。分散媒の具体例及び好適な態様は上述した第1の好適な態様と同じである。
熱電変換層前駆体形成用組成物は、更に、その他の成分を含有してもよい。その他の成分の具体例及び好適な態様は上述した第1の好適な態様と同じである。
(製造方法)
熱電変換層前駆体形成用組成物を用いて熱電変換層前駆体を製造する方法は特に制限されず、その具体例及び好適な態様は、上述した第1の好適な態様の熱電変換層の製造方法と同じである。
第2の好適な態様では、熱電変換層前駆体を作製した後に、上述した式(1)〜(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のオニウム塩をドーパントとして用いてナノ炭素材料をp型化ドープする。このようにして、熱電変換層が得られる。
p型化ドープの方法は特に制限されないが、例えば、熱電変換層前駆体を、上述したオニウム塩を溶媒に溶解させた溶液(ドーパント含有液)に浸漬する方法等が挙げられる。溶媒の具体例は上述した分散媒と同じである。
ドーパント含有液中のオニウム塩の濃度は、0.01〜10000mmol/Lが好ましく、0.1〜1000mmol/Lがより好ましく、1〜100mmol/Lが更に好ましい。
p型化ドープの後に、必要に応じて乾燥工程を行う。例えば、基板側からの加熱により、又は、熱風を熱電変換層に吹き付けることにより、溶媒を揮発及び乾燥させることができる。乾燥は、減圧下又は不活性雰囲気下で行ってもよい。
〔厚み〕
熱電変換層の平均厚さは、熱電性能向上の観点等から、1〜500μmであることが好ましく、5〜500μmであることがより好ましく、10〜500μmであることが更に好ましい。
なお、熱電変換層の平均厚さは、任意の10点における熱電変換層の厚みを測定し、それらを算術平均して求める。
〔膜密度〕
熱電変換層の膜密度は、0.45gcm−3以上であることが好ましく、0.7gcm−3以上であることがより好ましい。熱電変換層の膜密度は、熱電変換層の重さを熱電変換層の体積で割ることで算出することができる。
膜密度を向上させることで、導電率σ及び性能指数Zがより向上する。
〔配向度〕
また、ナノ炭素材料としてCNTを用いた場合、熱電変換層中のCNTの水平配向度は、1.5以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましく、2.4以上であることが更に好ましく、2.5以上であることが特に好ましい。CNTの面内配向度は、1.0以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましい。熱電変換層中のCNTの水平配向度及び面内配向度は、後述する偏光ラマン法により測定することができる。配向度を上記範囲とする方法として、成膜時に剪断を加える方法、成膜時に磁場若しくは電界を印加する方法(配向を促進する液晶などを加えてもよい)、ラビング処理した基板を用いる方法、又は、成膜後に延伸若しくは短軸圧縮する方法等が挙げられる。
[熱電変換素子、熱電変換モジュール]
本発明の熱電変換素子は、上述した熱電変換層を備えていればよく、その構成は特に制限されないが、例えば、上述した熱電変換層と、熱電変換層と電気的に接続した電極対とを備える態様が挙げられる。本発明の熱電変換素子は、上述した本発明の熱電変換層をp型熱電変換層として備えていることが好ましい。
また、本発明の熱電変換モジュールは、上記熱電変換素子を複数個備えていれば、その構成は特に限定されない。
以下に、本発明の熱電変換層をp型熱電変換層として適用した本発明の熱電変換素子、及び上記熱電変換素子を複数個備えた熱電変換モジュールについて、その各好適態様を詳述する。
なお、以下の説明においては、本発明の熱電変換層を単に「p型熱電変換層」と称する。
本発明の熱電変換素子は、熱電変換層が上述したp型熱電変換層のみからなるものでもよいし、更に上記p型熱電変換層と電気的に接続されたn型熱電変換層を備えるものでもよい。n型熱電変換層とp型熱電変換層とは両者が電気的に接続されていれば、直接両者が接していても、導体(例えば、電極)が間に配置されていてもよい。
〔第1実施態様〕
図1に、本発明の熱電変換素子の第1実施態様の断面図を示す。
図1に示す熱電変換素子110は、第1の基材12上に、第1の電極13及び第2の電極15を含む一対の電極と、第1の電極13及び第2の電極15間に、ナノ炭素材料と式(1)〜(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のオニウム塩とを含有するp型熱電変換層14を備えている。第2の電極15の他方の表面には第2の基材16が配設されており、第1の基材12及び第2の基材16の外側には互いに対向して金属板11及び17が配設されている。
〔第2実施態様〕
図2に、本発明の熱電変換素子の第2実施態様の断面図を示す。
図2に示す熱電変換素子120は、第1の基材22上に、第1の電極23及び第2の電極25が配置され、その上にナノ炭素材料と式(1)〜(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のオニウム塩とを含有するp型熱電変換層24が設けられている。また、p型熱電変換層24の他方の表面には第2の基材26が設けられている。
〔第3実施態様〕
図3A〜図3Cに、本発明の熱電変換素子の第3実施態様を概念的に示す。なお、図3Aは上面図(図3Bを紙面上方から見た図)、図3Bは正面図(後述する基板等の面方向から見た図)、図3Cは底面図(図3Bを紙面下方から見た図)である。
図3A〜図3Cに示すように、熱電変換素子130は、基本的に、第1基板32と、ナノ炭素材料と式(1)〜(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のオニウム塩とを含有するp型熱電変換層34と、第2基板30と、第1の電極36及び第2の電極38とを有して構成される。
具体的には、第1基板32の表面には、p型熱電変換層34が形成される。また、第1基板32の表面には、p型熱電変換層34を第1基板32の基板面方向(以下、単に『面方向』とも言う。言い換えれば、第1基板32及び第2基板30を積層する方向とは直交する方向。)に挟むようにして、p型熱電変換層34に接触して第1の電極36及び第2の電極38(電極対)が形成される。
また、図3A〜図3Cにおいては図示しないが、第1基板32とp型熱電変換層34との間、又は、第2基板30とp型熱電変換層34との間において、粘着層が配置されていてもよい。
図3A〜図3Cに示すように、第1基板32は、低熱伝導部32a、及び、低熱伝導部32aよりも熱伝導率が高い高熱伝導部32bを有する。同様に、第2基板30も、低熱伝導部30a、及び、低熱伝導部30aよりも熱伝導率が高い高熱伝導部30bを有する。
熱電変換素子130において、両基板は、互いの高熱伝導部が、第1の電極36と第2の電極38との離間方向(すなわち通電方向)に異なる位置となるように配置される。
熱電変換素子130は、好ましい態様として、粘着層で貼着される第2基板30を有し、更に、第1基板32及び第2基板30が、共に、低熱伝導部及び高熱伝導部を有する。熱電変換素子130は、高熱伝導部及び低熱伝導部を有する基板を2枚用い、両基板の高熱伝導部を面方向に異なる位置として、この2枚の基板で熱電変換層を挟持してなる構成を有する。
すなわち、熱電変換素子130は、熱電変換層の面方向に温度差を生じさせて熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換素子(以下、in plane型の熱電変換素子とも言う)であって、図示例においては、低熱伝導部と低熱伝導部よりも熱伝導率が高い高熱伝導部とを有する基板を用いることにより、p型熱電変換層34の面方向に温度差を生じさせて、熱エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
〔第4実施態様〕
図4に、熱電変換素子の第4実施態様を概念的に示す。
図4に示す熱電変換素子140は、n型熱電変換層(n型熱電変換部)41とp型熱電変換層(p型熱電変換部)42とを有しており、両者は並列に配置されている。p型熱電変換層42は、ナノ炭素材料と式(1)〜(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のオニウム塩とを含有するp型熱電変換層である。n型熱電変換層41の構成については、後段で詳述する。
n型熱電変換層41の上端部は第1の電極45Aに、また、p型熱電変換層42の上端部は第3の電極45Bにそれぞれ電気的及び機械的に接続されている。第1の電極45A及び第3の電極45Bの外側には、上側基材46が配置されている。n型熱電変換層41及びp型熱電変換層42の下端部は、それぞれ下側基材43に支持された第2の電極44に電気的及び機械的に接続されている。このように、n型熱電変換層41及びp型熱電変換層42は第1の電極45A、第2の電極44、及び第3の電極45Bにより直列接続されている。つまり、n型熱電変換層41及びp型熱電変換層42は、第2の電極44を介して、電気的に接続されている。
熱電変換素子140は、上側基材46及び下側基材43間に温度差(図4中の矢印方向)を与え、例えば、上側基材46側を低温部、下側基材43側を高温部にする。このような温度差を与えた場合、n型熱電変換層41の内部においては負の電荷を持った電子47が低温部側(上側基材46側)に移動し、第2の電極44は第1の電極45Aより高電位となる。一方、p型熱電変換層42の内部では、正の電荷を持ったホール48が低温部側(上側基材46側)に移動し、第3の電極45Bは第2の電極44より高電位となる。その結果、第1の電極45Aと第3の電極45B間に電位差が生じ、例えば電極の終端に負荷を接続すると電力を取り出すことができる。この際、第1の電極45Aは負極、第3の電極45Bは正極となる。
〔第5実施態様〕
なお、熱電変換素子140は、例えば、図5に示すように、複数のn型熱電変換層41、41・・・と複数のp型熱電変換層42、42・・・とを交互に配置し、これらを第1及び第3の電極45と第2の電極44とで直列接続することによって、より高い電圧を得ることができる。
図5に示すように、本発明においては、複数の熱電変換素子を電気的に接続させ、いわゆるモジュール(熱電変換モジュール)を構成してもよい。
以下、熱電変換素子を構成する各部材について詳述する。
〔基材〕
熱電変換素子中の基材(第1実施態様の第1の基材12及び第2の基材16、第2実施形態の第1の基材22及び第2の基材26、第3実施形態の低熱伝導部32a、30a、第3実施形態の高い熱伝導部32b、30b、第4実施形態の上側基材46及び下側基材43)は、ガラス、透明セラミックス、又はプラスチックフィルム等の基材を用いることができる。本発明の熱電変換素子において、基材はフレキシビリティーを有しているのが好ましく、具体的には、ASTM D2176に規定の測定法による耐屈曲回数MITが1万サイクル以上であるフレキシビリティーを有しているのが好ましい。このようなフレキシビリティーを有する基材は、プラスチックフィルムが好ましく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−フタレンジカルボキシレート、若しくは、ビスフェノールAとイソ及びテレフタル酸のポリエステルフィルム等のポリエステルフィルム、ゼオノアフィルム(商品名、日本ゼオン社製)、アートンフィルム(商品名、JSR社製)、若しくはスミライトFS1700(商品名、住友ベークライト社製)等のポリシクロオレフィンフィルム、カプトン(商品名、東レ・デュポン社製)、アピカル(商品名、カネカ社製)、ユーピレックス(商品名、宇部興産社製)、若しくはポミラン(商品名、荒川化学社製)等のポリイミドフィルム、ピュアエース(商品名、帝人化成社製)、若しくはエルメック(商品名、カネカ社製)等のポリカーボネートフィルム、スミライトFS1100(商品名、住友ベークライト社製)等のポリエーテルエーテルケトンフィルム、又はトレリナ(商品名、東レ社製)等のポリフェニルスルフィドフィルム等が挙げられる。入手の容易性、耐熱性(好ましくは100℃以上)、経済性及び効果の観点から、市販のポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、各種ポリイミド又はポリカーボネートフィルム等が好ましい。
基材の厚さは、取り扱い性、耐久性等の点から、好ましくは5〜3000μm、より好ましくは5〜500μm、更に好ましくは5〜100μm、特に好ましくは5〜50μmである。基材の厚みをこの範囲にすることで、熱電変換層に効率的に温度差を付与することができ、外部衝撃による熱電変換層の損傷も起こりにくい。
〔電極〕
熱電変換素子中の電極を形成する電極材料としては、ITO(Indium−Tin−Oxide)、ZnO等の透明電極材料、銀、銅、金、若しくはアルミニウム等の金属電極材料、CNT、若しくはグラフェン等の炭素材料、PEDOT(poly(3,4−ethylenedioxythiophene))/PSS(polystyrene sulfonate)、PEDOT/Tos(Tosylate)等の有機材料が挙げられる。なお、電極は、金、銀、銅、若しくはカーボン等の導電性微粒子を分散した導電性ペースト、はんだ、又は、金、銀、銅、若しくはアルミニウム等の金属ナノワイヤーを含有する導電性ペースト等を使用して形成することができる。
〔n型熱電変換層〕
第4実施形態の熱電変換素子が有するn型熱電変換層としては、公知のn型熱電変換層が使用される。n型熱電変換層に含まれる材料としては、公知の材料が適宜使用される。
なお、n型熱電変換層の形成方法(製造方法)は、上述した本発明の熱電変換層の製造方法と同様の方法により形成することができ、その具体例についても上述したとおりである。
[熱電発電用物品]
本発明の熱電発電用物品は、本発明の熱電変換素子を用いた熱電発電用物品である。
ここで、熱電発電用物品としては、具体的には、温泉熱発電機、太陽熱発電機、若しくは廃熱発電機等の発電機、又は、腕時計用電源、半導体駆動電源、若しくは小型センサー用電源等の電源が挙げられる。また、本発明の熱電発電用物品は、ペルチェ素子として冷却又は温度制御などに用いることもできる。
すなわち、上述した本発明の熱電変換素子は、これらの用途に好適に用いることができる。
[p型半導体層形成用組成物]
本発明のp型半導体層形成用組成物に含まれる各種成分は、上述した熱電変換層形成用組成物に含まれる成分と同じである。
上記においては、p型半導体層形成用組成物の一態様である熱電変換層形成用組成物について述べたが、この組成物は他の用途に適用することができる。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
1.実施例1〜30、比較例1〜5のCNT膜の作製及び評価
〔CNT膜の作製〕
(実施例1)
単層CNT400mg(OCSiAl社製Tuball)とアセトン400mLとをメカニカルホモジナイザー(エスエムテー社製、HIGH−FLEX HOMOGENiZER HF93)を用いて、18000rpmで5分間混合して、分散液を得た。この分散液を濾紙(直径125mm)を設置したブフナー漏斗と吸引瓶とを用いて減圧濾過することにより、CNT膜を得た。得られたCNT膜を50℃で30分、120℃で30分乾燥後、布状のCNT膜を1cm四方程度のサイズにカットした。
得られた1cm四方のCNT膜を9.4mMの塩化アンモニウム(NHCl、東京化成社製)のメタノール溶液(ドーパント含有液)5.3mLに浸漬した。CNT膜を25℃で2時間メタノール溶液に浸漬した後、CNT膜を引き上げ、メタノールでリンスした。リンスされたCNT膜を真空下にて30℃で2時間乾燥して、p型のCNT膜を得た。
(実施例2)
単層CNT400mg(OCSiAl社製Tuball)、ポリスチレン100mg及びo−ジクロロベンゼン20mLをボールミルで分散し、分散液を調製した。得られた分散液の一部を、ガラス基板上に設置した型枠(3×4cm)に流し込み、成膜した。得られたガラス基板を250℃で3時間乾燥後、分散液から得られた膜をガラス基板から剥がし、約1cm四方にカットした。以降の作製工程は実施例1と同様に実施し、p型のCNT膜を得た。
(実施例3)
真空下1000℃で30分焼成した単層CNT500mg(OCSiAl社製Tuball)を用いたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例4)
単層CNT(OCSiAl社製Tuball)を単層CNT(名城ナノカーボン社製EC1.5)にかえたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例5)
乾燥後のCNT膜にロールプレス処理(3kN)を施したこと以外は実施例4と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例6)
乾燥後のCNT膜にロールプレス処理(20kN)を施したこと以外は実施例4と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例7)
Carbon 2014,93,2157記載の方法に準じて、配向度を向上させた布状のCNT膜(バッキーペーパー)を用いた以外は、実施例4と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例8)
単層CNT500mg(名城ナノカーボン社製EC1.5)とアセトン250mLとをメカニカルホモジナイザー(エスエムテー社製、HIGH−FLEX HOMOGENiZER HF93)を用いて、18000rpmで5分間混合して、分散液を得た。この分散液を用いてCarbon 2014,93,2157記載の方法に準じて、配向度を向上させたCNT膜を作製した。得られた布状のCNT膜を1cm四方程度のサイズにカットした。
得られた1cm四方のCNT膜を9.4mMの塩化アンモニウム(東京化成社製)のメタノール溶液5.3mLに浸漬した。CNT膜を25℃で2時間メタノール溶液に浸漬した後、CNT膜を引き上げ、メタノールでリンスした。リンスされたCNT膜を真空下にて30℃で2時間乾燥後、乾燥させたCNT膜にロールプレス処理(20kN)を施し、p型のCNT膜を得た。
(実施例9)
塩化アンモニウムを塩化メチルアンモニウム(NHMeCl、和光純薬社製)にかえたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例10)
塩化アンモニウムを塩化メチルアンモニウム(NHMeCl、和光純薬社製)にかえたこと以外は実施例8と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例11)
塩化アンモニウムを塩化ジメチルアンモニウム(NHMeCl、ジメチルアミンと塩酸のエーテル溶液(ともに東京化成社製))より調製)にかえたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例12)
塩化アンモニウムを塩化ジメチルアンモニウム(NHMeCl、ジメチルアミンと塩酸のエーテル溶液(ともに東京化成社製))より調製))にかえたこと以外は実施例8と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例13)
塩化アンモニウムを塩化トリメチルアンモニウム(NHMeCl、トリメチルアミンと塩酸のエーテル溶液(ともに東京化成社製))より調製))にかえたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例14)
塩化アンモニウムを塩化トリメチルアンモニウム(NHMeCl、トリメチルアミンと塩酸のエーテル溶液(ともに東京化成社製))より調製))にかえたこと以外は実施例8と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例15)
9.4mMの塩化アンモニウムのメタノール溶液を、0.5mMの臭化アンモニウム(NHBr、和光純薬社製)のメタノール溶液にかえたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例16)
9.4mMの塩化アンモニウムのメタノール溶液を、0.5mMの臭化アンモニウム(NHBr、和光純薬社製)のメタノール溶液にかえたこと以外は実施例8と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例17)
9.4mMの塩化アンモニウムのメタノール溶液を0.2mMのヘキサフルオロりん酸アンモニウム(NHPF、和光純薬社製)のメタノール溶液にかえたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例18)
9.4mMの塩化アンモニウムのメタノール溶液を0.2mMのヘキサフルオロりん酸アンモニウム(NHPF、和光純薬社製)のメタノール溶液にかえたこと以外は実施例8と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例19)
9.4mMの塩化アンモニウムのメタノール溶液を、0.1mMの1−ピレンメチルアミン塩酸塩(シグマアルドリッチ社製)にかえたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例20)
9.4mMの塩化アンモニウムのメタノール溶液を、0.1mMの1−ピレンメチルアミン塩酸塩(シグマアルドリッチ社製)にかえたこと以外は実施例8と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例21)
塩化アンモニウムをピペリジン塩酸塩(東京化成社製)にかえたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例22)
塩化アンモニウムをピペリジン塩酸塩(東京化成社製)にかえたこと以外は実施例8と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例23)
塩化アンモニウムを3−フルオロピロリジン塩酸塩(アクロスオーガニクス社製)にかえたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例24)
塩化アンモニウムを3−フルオロピロリジン塩酸塩(アクロスオーガニクス社製)にかえたこと以外は実施例8と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例25)
塩化アンモニウムをピリジン塩酸塩(東京化成社製)にかえたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例26)
塩化アンモニウムをピリジン塩酸塩(東京化成社製)にかえたこと以外は実施例8と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例27)
塩化アンモニウムをイミダゾール塩酸塩(和光純薬社製)にかえたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例28)
塩化アンモニウムをイミダゾール塩酸塩(和光純薬社製)にかえたこと以外は実施例8と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例29)
0.1mMの1−ピレンメチルアミン塩酸塩を、1mMの1−ピレンメチルアミン塩酸塩を用いたこと以外は、実施例19と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例30)
0.1mMの1−ピレンメチルアミン塩酸塩を、1mMの1−ピレンメチルアミン塩酸塩を用いたこと以外は、実施例20と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(比較例1)
塩化アンモニウムを塩化テトラメチルアンモニウム(NMeCl、東京化成社製)にかえたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(比較例2)
塩化アンモニウムを塩化テトラブチルアンモニウム(NBuCl、東京化成社製)にかえたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(比較例3)
塩化アンモニウムを酢酸テトラメチルアンモニウム(NMeAcO、東京化成社製)にかえたこと以外は実施例1と同様の作製工程によりCNT膜を得た。ゼーベック係数を測定した結果、得られたCNT膜はn型であった。
(比較例4)
塩化アンモニウムを1−ドデシルピリジニウムクロリドにかえたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(比較例5)
塩化アンモニウムをTCNQ(テトラシアノキノジメタン、東京化成社製)にかえたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(比較例6)
塩化アンモニウムを、N,N−ジメチルアニリニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(東京化成社製)にかえたこと以外は、実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
〔ナノ炭素材料(CNT)の600℃における重量減少率の測定〕
表1中に示す、実施例及び比較例で用いたナノ炭素材料(CNT)の600℃における重量減少率は、熱重量測定−示差熱分析法(TG−DTA)により求めた。
具体的には、下記測定条件に従ってTG−DTAにより600℃における重量減少率を算出し、下記基準に基づいて評価した。なお、600℃における重量減少率は、下記式より算出した。
600℃重量減少率(%)=
(100℃で120分間保持後の重量−600℃時の重量)/(100℃で120分間保持後の重量)×100
なお、「100℃で120分間保持後の重量」、及び、「600℃時の重量」は、各々、下記温度プログラム2)及び3)における重量である。
ガス:空気 100mL/min
温度プログラム:
1)昇温速度5℃/minで30℃から100℃に昇温する過程
2)100℃で120分保持する過程
3)昇温速度5℃/minで100℃から1000℃に昇温する過程
≪評価基準≫
「A」:600℃重量減少率が10%以下
「B」:600℃重量減少率が10%超、20%以下
「C」:600℃重量減少率が20%超
結果を表1に示す。
〔熱電変換層の評価〕
実施例1〜30、比較例1〜6の熱電変換層(CNT膜)に対して、下記に示す各種の測定及び評価を行った。なお、後述するナノ炭素材料としてグラフェンを用いた熱電変換層についても、同様の方法により各種評価を実施した。
(イオン化ポテンシャル(Ip)変化)
大気中光電子分光装置(AC−2、理研計器社製)により、ドーパント含有液浸漬前後のCNT膜のIpを測定し、Ip変化量(eV)を下記式により算出した。結果を表1に示す。
Ip変化量(eV)=(オニウム塩吸着後(ドーパント含有液に浸漬した後)のCNT膜のIp(eV))−(オニウム塩吸着前(ドーパント含有液に浸漬する前)のCNT膜のIp(eV))
(膜密度)
下記式よりCNT膜の膜密度を算出した。膜密度の評価は、下記評価基準に基づいて実施した。
膜密度(g/cm)=(CNT膜の重さ)/(CNT膜の体積)
≪評価基準≫
「A」:膜密度が0.7g/cm以上
「B」:膜密度が0.45g/cm以上、0.7g/cm未満、
「C」:膜密度が0.45g/cm未満
結果を表1に示す。
偏光ラマン分光法により、CNT膜中のCNTの水平配向性及び面内配向性をそれぞれ評価した。なお、後述する配向度が高いほど、CNTの配向性に優れる。
より具体的には、水平配向性の評価は、CNT膜の導電方向に平行な断面に対して、波長532nmの直線偏光のレーザー光を照射して、以下式で表される配向度を算出し、以下の評価基準に基づいて評価した。
配向度(水平配向度)=(90°のG/D比)/(0°のG/D比)
「90°のG/D比」は、CNT膜の導電率を測定する方向に対して平行になるようにして直線偏光のレーザー光をCNT膜の断面に対して照射して得られるCNT由来のGバンド強度とDバンド強度との強度比(Gバンド強度/Dバンド強度)を表す。
また、「0°のG/D比」は、CNT膜の導電率を測定する方向に対して直交になるようにして直線偏光のレーザー光をCNT膜の断面に対して照射して得られるCNT由来のGバンド強度とDバンド強度との強度比(Gバンド強度/Dバンド強度)を表す。
また、面内配向性の評価は、CNT膜の主面に対して、波長532nmの直線偏光のレーザー光を照射して、以下式で表される配向度を算出し、以下の評価基準に基づいて評価した。
配向度(面内配向度)=(90°のG/D比)/(0°のG/D比)
「90°のG/D比」は、CNT膜の導電率を測定する方向に対して平行になるようにして直線偏光のレーザー光をCNT膜の主面に対して照射して得られるCNT由来のGバンド強度とDバンド強度との強度比(Gバンド強度/Dバンド強度)を表す。
また、「0°のG/D比」は、CNT膜の導電率を測定する方向に対して直交になるようにして直線偏光のレーザー光をCNT膜の主面に対して照射して得られるCNT由来のGバンド強度とDバンド強度との強度比(Gバンド強度/Dバンド強度)を表す。
なお、偏光ラマンの測定面(断面及び主面)はいずれもクロスセクションポリッシャ処理により平滑化した面に対して行った。
図6A、図6Bに上記評価方法の模式図を示す。なお、図6Aは水平配向度評価方法、図6Bは面内配向度評価方法をそれぞれ示す。
≪評価基準≫
・水平配向
「A」:配向度が2.4以上
「B」:配向度が2.4未満
・面内配向
「A」:配向度が1.2以上
「B」:配向度が1.2未満
(導電率(σ)、ゼーベック係数(S))
熱電特性測定装置MODEL RZ2001i(オザワ科学社製)を用いて、約80℃及び105℃におけるCNT膜の導電率及びゼーベック係数(絶対温度1K当りの熱起電力)を測定し、内挿により、100℃における導電率及びゼーベック係数を算出した。
導電率及びゼーベック係数の評価は、各々、下記に示す式により規格化した値に基づいて実施した。
・導電率(σ)
比較例1を基準比較例とし、下記式より実施例1〜30及び比較例1〜6の各規格化導電率を求めた。評価基準は下記の通りである。
(規格化導電率)=(各実施例又は各比較例の熱電変換層の導電率)/(基準比較例の熱電変換層の導電率)
≪評価基準≫
「A」:規格化導電率が2.3以上
「B」:規格化導電率が2.0以上、2.3未満
「C」:規格化導電率が1.7以上、2.0未満
「D」:規格化導電率が1.4以上、1.7未満
「E」:規格化導電率が1.1以上、1.4未満
「F」:規格化導電率が1.1未満
結果を表1に示す。
・ゼーベック係数(S)
比較例1を基準比較例とし、下記式より実施例1〜30及び比較例1〜6の各規格化ゼーベック係数を求めた。評価基準は下記の通りである。
(規格化ゼーベック係数)=(各実施例又は各比較例の熱電変換層のゼーベック係数)/(基準比較例の熱電変換層のゼーベック係数)
≪評価基準≫
「A」:規格化ゼーベック係数が1.5以上
「B」:規格化ゼーベック係数が1.3以上、1.5未満
「C」:規格化ゼーベック係数が1.1以上、1.3未満
「D」:規格化ゼーベック係数が0.9以上、1.1未満
「E」:規格化ゼーベック係数が0.6以上、0.9未満
「F」:規格化ゼーベック係数が0.6未満
結果を表1に示す。
(性能指数Zの評価)
以下の式により性能指数Zを算出した。
(性能指数Z)=[(導電率)×(ゼーベック係数)]/熱伝導率
なお、性能指数Zの算出にあたり、以下の式により各実施例及び比較例のCNT膜の熱伝導率を算出した。
(熱伝導率[W/mK])=(比熱[J/kg・K])×(密度[kg/m])×(熱拡散率[m/s])
上記式において、「比熱」はDSC法(示差走査熱量測定法)により測定し、「密度」は質量/体積より測定した。「熱拡散率」は、熱拡散率測定装置ai−Phase Mobile 1u(アイフェイズ株式会社製)を用いて測定した。
実施例1〜30及び比較例1〜6のCNT膜をそれぞれ10個ずつ作製し、下記に示す式により規格化Zを算出した。具体的には、比較例1を基準比較例とし、下記式より実施例1〜30及び比較例1〜6の各規格化Zを求めた。なお、規格化した性能指数Zを、単に「規格化Z」ともいう。評価基準は下記の通りである。
(規格化Z)=(各実施例又は各比較例の熱電変換層の性能指数Z)/(基準比較例の熱電変換層の性能指数Z)
各実施例及び比較例の10個の熱電変換層について規格化Zを算出後、その平均値(規格化Z平均値)を用いて下記基準で評価した。
≪評価基準≫
「AA」:規格化Z平均値が2.3以上
「A」:規格化Z平均値が2.1以上、2.3未満
「B」:規格化Z平均値が1.9以上、2.1未満
「C」:規格化Z平均値が1.7以上、1.9未満
「D」:規格化Z平均値が1.5以上、1.7未満
「E」:規格化Z平均値が1.3以上、1.5未満
「F」:規格化Z平均値が1.1以上、1.3未満
「G」:規格化Z平均値が0.9以上、1.1未満
「H」:規格化Z平均値が0.9未満
(Zによるばらつきの評価)
実施例1〜30及び比較例1〜6のCNT膜をそれぞれ10個ずつ作製し、下記式から各CNT膜のバワーファクター(PF)を算出した。
(パワーファクター(PF))=(導電率)×(ゼーベック係数)
次いで、パワーファクターの最小値(PF最小値)とパワーファクターの最大値(PF最大値)を用いて、下記式よりばらつき(PFの最大変化率)を算出した。ばらつきの評価は、下記評価基準により実施した。
ばらつき(PFの最大変化率)=(PF最大値−PF最小値)/(PF最大値)
≪評価基準≫
「A」:ばらつきが0.05未満
「B」:ばらつきが0.05以上、0.1未満
「C」:ばらつきが0.1以上
結果を表1に示す。
表1〜4中、オニウム塩欄の「カウンターアニオンの共役酸のpKa」は、例えば実施例1においては塩素イオンの共役酸のpKaを意味し、−3.7となる。
また、表1中、比較例3は、熱電変換層の極性がn型を示したため、熱電変換性能及びばらつきの測定を行わなかった。
また、表1〜4中、σは導電率(S/m)、Sは絶対温度1K当りの熱起電力(ゼーベック係数、(V/K))、Zは性能指数(1/K)をそれぞれ表す。
また、表中、カウンターアニオンの共役酸のpKaの値は、化学便覧 改訂5版(日本化学会)の値(水中)に基づく。
表1の結果から、実施例のCNT膜はいずれもp型を示した。また、上記式(1)〜式(4)で表される化合物以外のオニウム塩をドーパントとして用いる比較例1、2及び4と比べると、導電率及びゼーベック係数をバランスよく両立して優れた性能指数Zを示すことが確認され、更にパワーファクターのばらつきが小さいことが確認された。
実施例1と実施例2とを比べると、バインダーを添加することにより(実施例2)、熱伝導率が下がり、性能指数Zが向上することが確認された。
実施例1と、実施例3及び実施例4とを比べると、CNTの600℃重量減少率(%)を下げる(言い換えると、純度を高める)ことにより(実施例3及び実施例4)ゼーベック係数S及び性能指数Zがより向上することが確認された。
実施例4と、実施例5及び実施例6とを比べると、膜密度を高めることにより(実施例5及び実施例6)導電率σ及び性能指数Zがより向上することが確認された。
実施例4と実施例7とを比べると、配向度を高めることにより(実施例7)導電率σ及び性能指数Zがより向上することが確認された。
実施例1と実施例8とを比べると、600℃重量減少率(%)を下げ、膜密度を高め、且つ、配向度を高めることにより、導電率σ及びゼーベック係数Sが顕著に向上し、性能指数Zも顕著に向上することが確認された。
実施例1、9、11、13、15、17、19、25及び27と、実施例21及び23とを比べると、ドーパントとして、なかでも式(1)〜式(3)で表される化合物を用いた場合、Ip変化の量(eV)が適切であることにより、ゼーベック係数S及び性能指数Zにより優れることが確認された。また、実施例8、10、12、14、16、18、20、26及び28と、実施例22及び24とを比べても同様であった。
実施例19と実施例29とを比べると、ドーパントの濃度が高い場合、ドーパントのCNTに対する吸着量が多くなりドーピングがやや過剰になるため、ゼーベック係数が低下する傾向があることが分かった。
比較例1、2、4の熱電変換層は、実施例の熱電変換層と比べると、導電率σ及びゼーベック係数Sのいずれにも劣っていた。
また、比較例3の熱電変換層は、Ipが小さく(浅く)なり、n型を示した。
比較例5は、一般的に用いられる電子受容型ドーパントであるTCNQを用いた例に相当する。通常使用されるTCNQ等のドーパントを用いた場合、過剰ドープとなり、導電率σには優れるが、ゼーベック係数Sが低い結果となった。
また、比較例6も比較例5と同様の傾向を示した。
(実施例31)
実施例1のp型のCNT膜の両面に対して、紫外線照射機(アイグラフィックス株式会社製、ECS−401GX)を用いて紫外線を照射した(光量:200mJ/cm)。次いで、実施例1と同様の各種評価を実施した。結果を表2に示す。
(比較例7)
塩化アンモニウムをトリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(PhSB(C、東京化成社製)に変えたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。得られたCNT膜の両面に対して、紫外線照射機(アイグラフィックス株式会社製、ECS−401GX)を用いて紫外線を照射した(光量:200mJ/cm)。次いで、実施例1と同様の各種評価を実施した。結果を表2に示す。
(比較例8)
塩化アンモニウムをN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートに変えたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。得られたCNT膜の両面に対して、紫外線照射機(アイグラフィックス株式会社製、ECS−401GX)を用いて紫外線を照射した(光量:200mJ/cm)。次いで、実施例1と同様の各種評価を実施した。結果を表2に示す。
なお、表2において、導電率σ、ゼーベック係数S、及び性能指数Zの評価についてはいずれも比較例1を基準比較例とした。
比較例7及び比較例8のp型のCNT膜では、光照射によりオニウム塩が開裂して酸が発生する。この結果、CNTがドーピングされるため、導電率σが増大し、ゼーベック係数Sが低下する。また、導電率の向上に伴い、熱伝導率が向上するため性能指数Zも低下する。
一方、実施例31のp型のCNT膜は、光照射後も高いゼーベック係数Sを維持している。即ち、光による酸発生が起こっておらず、光ドーピングとは異なる機構(フェルミ準位の微調整)により性能を向上させているためと考えられる。
(実施例32)
グラフェン(商品名「グラフェンナノプレートレット」東京化成社製)40mgとアセトン32mLとをメカニカルホモジナイザー(エスエムテー社製、HIGH−FLEX HOMOGENiZER HF93)を用いて、18000rpmで5分間混合して、分散液を得た。この分散液をPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製のメンブレンフィルターを設置したグラスフィルターと吸引瓶を用いて減圧濾過することにより、グラフェン膜を得た。得られたグラフェン膜を50℃で30分、120℃で30分乾燥後、グラフェン膜を1cm四方程度のサイズにカットした。
得られた1cm四方のグラフェン膜を9.4mMの塩化アンモニウム(東京化成社製)のメタノール溶液5.3mLに浸漬した。グラフェン膜を25℃で2時間メタノール溶液に浸漬した後、グラフェン膜を引き上げ、メタノールでリンスした。リンスされたグラフェン膜を真空下にて30℃で2時間乾燥して、p型のグラフェン膜を得た。
(比較例9)
塩化アンモニウムを塩化テトラメチルアンモニウムに変えたこと以外は実施例32と同様の作製工程により、p型のグラフェン膜を得た。
実施例32及び比較例9で作製したp型のグラフェン膜に対し、実施例1と同様に各種評価を実施した。
評価は、導電率σ、ゼーベック係数S、及び性能指数Zの評価おいて比較例9を基準比較例とした以外は、実施例1と同様である。結果を表3に示す。
(実施例33)
塩化アンモニウムをピリジン塩酸塩に変えたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例34)
塩化アンモニウムをピリジン塩酸塩に変え、更に、単層CNTを二層CNT(シグマアルドリッチ社製)に変えたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例35)
塩化アンモニウムをピリジン塩酸塩に変え、更に、単層CNTを多層CNT(シグマアルドリッチ社製)に変えたこと以外は実施例1と同様の作製工程により、p型のCNT膜を得た。
(実施例36)
塩化アンモニウムをピリジン塩酸塩に変えたこと以外は実施例32と同様の作製工程により、p型のグラフェン膜を得た。
実施例33〜35で作製したp型のCNT膜及び実施例36で作製したp型のグラフェン膜に対し、実施例1と同様に、各種評価を実施した。
その結果、グラフェン、多層CNT、二層CNT、単層CNTの順に、ゼーベック係数S及び性能指数Zが向上することが確認された。
(実施例37)熱電変換層形成用組成物
カーボンナノチューブ(OCSil社製)40mgを、9.3mMのピリジン塩酸塩メタノール溶液32mLに加えた。室温で2時間静置後、混合物をメカニカルホモジナイザー(エスエムテー社製、HIGH−FLEX HOMOGENiZER HF93)を用いて、18000rpmで5分間混合して、分散液を得た。この分散液をPTFE製のメンブレンフィルターを設置したグラスフィルターと吸引瓶とを用いて減圧濾過することにより、CNT膜を得た。得られたCNT膜を真空下30℃で2時間乾燥後、1cm四方程度のサイズにカットしてp型のCNT膜を得た。
次いで、実施例37で作製したp型のCNT膜に対し、各種評価を実施した。
評価は、実施例1と同様である。結果を表4に示す。
(実施例38)熱電変換モジュールの作製
布状のCNT膜を4mm×8mmのサイズにカットしたこと以外は実施例1と同様にしてp型の熱電変換層を16個作製した。
次いで、上記熱電変換層を用いて図7に示す熱電変換モジュールを作製した。
まず、幅1.6cm×長さ14cmの基板120(ポリイミド基板)に、スクリーン印刷により、銀ペーストを印刷し、銀ペーストの印刷物を120℃で1時間乾燥させて、電極130を16対と配線132を同時に形成した。なお、電極1つ当たりのサイズは、幅4mm×長さ2.5mmで、電極間距離は5mmである。また、後述する16個の熱電変換層150が直列に接続されるように、1対の電極130間が幅1mmの配線により接続される。
次に、幅4mm×長さ8mmのサイズにカットしたp型のCNT膜を、両面テープを用いて電極間に張り付けた。電極とCNT膜の接触部に銀ペーストを塗布し、120℃で1時間乾燥することにより電極とCNT膜を接着させ電気的に接続した。このようにして得られた熱電変換モジュール200を実施例38の熱電変換モジュールとして用いた。
(比較例10)
熱電変換層を4mm×8mmサイズにカットした比較例1のp型の熱電変換層を用いたこと以外は実施例38と同様にして熱電変換モジュールを作製した。
(熱電変換モジュールの評価)
図8は、実施例における熱電変換モジュールの評価方法を説明するための図である。図8に示すように、熱電変換モジュール200の発電層側をアラミドフィルム310により保護した。そして、熱電変換モジュール200の下部をホットプレート330上に設置した銅プレート320で挟みこんで固定することにより、熱電変換モジュール200の下部を効率的に加熱できるようにした。
次いで、熱電変換モジュール200の両端における取り出し電極(図示せず)にソースメーター(ケースレーインスツルメンツ社製)の端子(図示せず)を取り付け、ホットプレート330の温度を100℃で一定に保って、熱電変換モジュール200に温度差を付与した。
電流−電圧特性を測定し、短絡電流及び開放電圧を測定した。測定結果から、「(出力)=[(電流)×(電圧)/4]」によって出力を算出した。その結果、出力は実施例38>比較例10となり、実施例38の熱電変換層の性能を支持する結果が得られた。
110、120、130、140 熱電変換素子
11、17 金属板
12、22 第1の基材
13、23 第1の電極
14、24 p型熱電変換層
15、25 第2の電極
16、26 第2の基材
30 第2基板
32 第1基板
32a,30a 低熱伝導部
32b,30b 高熱伝導部
34 p型熱電変換層
36 第1の電極
38 第2の電極
41 n型熱電変換層
42 p型熱電変換層
43 下側基材
44 第2の電極
45 第1及び第3の電極
45A 第1の電極
45B 第3の電極
46 上側基材
47 ホール
48 電子
120 基板
130 電極
132 配線
150 熱電変換層
200 熱電変換モジュール
310 アラミドフィルム
320 銅プレート
330 ホットプレート

Claims (14)

  1. ナノ炭素材料と、下記式(1)〜式(4)で表わされる化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のオニウム塩と、を含有する、p型半導体層。
    式(1)中、
    は、共役酸のpKaが−3.7以下であるアニオンを表す。
    11、R12及びR13は、各々独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基、アラルキル基、又は、へテロ環基を表す。前記脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐及び環状のいずれであってもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。また、R11、R12及びR13は、更に置換基を有していてもよい。
    式(2)中、
    は、共役酸のpKaが−3.7以下であるアニオンを表す。
    21〜Y25は、各々独立に、窒素原子又は=CR26−を表す。R26は、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、ホルミル基、チオエステル基、アミド基、スルホンアミド基、水酸基、チオール基、アラルキル基、アリール基及びへテロ環基からなる群より選ばれる一価の有機基を表す。前記脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐及び環状のいずれであってもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。また、R26は、更に置換基を有していてもよい。なお、Y21〜Y25中の複数が=CR26−を表す場合、隣接する炭素原子に置換するR26同士は、互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。
    式(3)中、
    は、共役酸のpKaが−3.7以下であるアニオンを表す。
    31〜Y33は、各々独立に、窒素原子又は=CR36−を表す。R36は、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、ホルミル基、チオエステル基、アミド基、スルホンアミド基、水酸基、チオール基、アラルキル基、アリール基及びへテロ環基からなる群より選ばれる一価の有機基を表す。前記脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐及び環状のいずれであってもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。また、R36は、更に置換基を有していてもよい。なお、Y32及びY33がいずれも=CR36−を表す場合、R36同士は、互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。
    31は、前記式(1)中のR11と同義である。なお、Y31、又はY32が=CR36−を表す場合、R31は、Y31、又はY32中のR36と互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。
    式(4)中、
    は、共役酸のpKaが−3.7以下であるアニオンを表す。
    41は、各々独立に、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、アラルキル基、アリール基及びへテロ環基からなる群より選ばれる一価の有機基を表す。前記脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐及び環状のいずれであってもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。また、R41は、更に置換基を有していてもよい。
    41及びY42は、各々独立に、−C(R42−、−NR43−、−O−、−C(=O)−、−CO−、−S−、−SO−、又は、−SO−を表す。R42は、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、アラルキル基、アリール基及びへテロ環基からなる群より選ばれる一価の有機基を表す。R43は、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、アラルキル基、アリール基及びへテロ環基からなる群より選ばれる一価の有機基を表す。前記脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐及び環状のいずれであってもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。また、R42及びR43は、更に置換基を有していてもよい。なお、Y41又はY42が、−C(R42−又は−NR43−を表す場合、R41で表される一価の有機基は、R42又はR43と互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。
    nは、1〜18の整数を表す。
  2. 前記オニウム塩が、前記式(1)〜(3)で表わされる化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載のp型半導体層。
  3. 前記ナノ炭素材料は、大気下600℃における重量減少率が20%以下である、請求項1又は請求項2に記載のp型半導体層。
  4. 前記ナノ炭素材料が、カーボンナノチューブである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のp型半導体層。
  5. 前記カーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブを主成分として含有する、請求項4に記載のp型半導体層。
  6. 膜密度が0.45gcm−3以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のp型半導体層。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のp型半導体層からなる、熱電変換層。
  8. 請求項7に記載の熱電変換層を備えた、熱電変換素子。
  9. 請求項8に記載の熱電変換素子を複数個備えた、熱電変換モジュール。
  10. ナノ炭素材料と、下記式(1)〜式(4)で表わされる化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のオニウム塩と、を含有する、p型半導体層形成用組成物。
    式(1)中、
    は、共役酸のpKaが−3.7以下であるアニオンを表す。
    11、R12及びR13は、各々独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基、アラルキル基、又は、へテロ環基を表す。前記脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐及び環状のいずれであってもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。また、R11、R12及びR13は、更に置換基を有していてもよい。
    式(2)中、
    は、共役酸のpKaが−3.7以下であるアニオンを表す。
    21〜Y25は、各々独立に、窒素原子又は=CR26−を表す。R26は、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、ホルミル基、チオエステル基、アミド基、スルホンアミド基、水酸基、チオール基、アラルキル基、アリール基及びへテロ環基からなる群より選ばれる一価の有機基を表す。前記脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐及び環状のいずれであってもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。また、R26は、更に置換基を有していてもよい。なお、Y21〜Y25中の複数が=CR26−を表す場合、隣接する炭素原子に置換するR26同士は、互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。
    式(3)中、
    は、共役酸のpKaが−3.7以下であるアニオンを表す。
    31〜Y33は、各々独立に、窒素原子又は=CR36−を表す。R36は、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、ホルミル基、チオエステル基、アミド基、スルホンアミド基、水酸基、チオール基、アラルキル基、アリール基及びへテロ環基からなる群より選ばれる一価の有機基を表す。前記脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐及び環状のいずれであってもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。また、R36は、更に置換基を有していてもよい。なお、Y32及びY33がいずれも=CR36−を表す場合、R36同士は、互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。
    31は、前記式(1)中のR11と同義である。なお、Y31、又はY32が=CR36−を表す場合、R31は、Y31、又はY32中のR36と互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。
    式(4)中、
    は、共役酸のpKaが−3.7以下であるアニオンを表す。
    41は、各々独立に、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、アラルキル基、アリール基及びへテロ環基からなる群より選ばれる一価の有機基を表す。前記脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐及び環状のいずれであってもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。また、R41は、更に置換基を有していてもよい。
    41及びY42は、各々独立に、−C(R42−、−NR43−、−O−、−C(=O)−、−CO−、−S−、−SO−、又は、−SO−を表す。R42は、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、アラルキル基、アリール基及びへテロ環基からなる群より選ばれる一価の有機基を表す。R43は、水素原子、又は、脂肪族炭化水素基、アラルキル基、アリール基及びへテロ環基からなる群より選ばれる一価の有機基を表す。前記脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐及び環状のいずれであってもよく、ヘテロ原子を含んでいてもよい。また、R42及びR43は、更に置換基を有していてもよい。なお、Y41又はY42が、−C(R42−又は−NR43−を表す場合、R41で表される一価の有機基は、R42又はR43と互いに連結して芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。
    nは、1〜18の整数を表す。
  11. 前記オニウム塩が、前記式(1)〜(3)で表わされる化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項10に記載のp型半導体層形成用組成物。
  12. 前記ナノ炭素材料は、大気下600℃における重量減少率が20%以下である、請求項10又は請求項11に記載のp型半導体層形成用組成物。
  13. 前記ナノ炭素材料が、カーボンナノチューブである、請求項10〜12のいずれか1項に記載のp型半導体層形成用組成物。
  14. 前記カーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブを主成分として含有する、請求項13に記載のp型半導体層形成用組成物。
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