以下では、本発明の実施の形態に係るヒートシンク及び照明器具について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
[照明器具]
まず、本実施の形態に係る照明器具の概要について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る照明器具1の斜視図である。図2は、本実施の形態に係る照明器具1の断面図である。具体的には、図2は、照明器具1の光軸Jを通る断面(後述する図5のII−II線における断面)を示している。
各図において、光軸Jに平行な方向をZ軸方向、光軸Jに直交し、かつ、互いに直交する2つの方向をX軸方向及びY軸方向としている。本実施の形態では、Z軸方向は、例えば、鉛直方向である。
照明器具1は、ダウンライトなどの埋込型照明器具の一例であり、例えば建物の天井などに設けられた取付穴に埋込配設されて下方(床など)に光を照射する。なお、図1は、斜め下方から見上げたときの照明器具1を示している。
本実施の形態では、図1に示すように、照明器具1は、ヒートシンク10と、光学部材60と、枠体70と、取付バネ80とを備える。さらに、図2に示すように、照明器具1は、光源20と、取付部材30と、接続部材40と、反射部材50とを備える。
以下では、照明器具1の各構成部材(部品)について、図1及び図2を適宜参照しながら詳細に説明する。なお、一部を除いて詳細な説明を省略するが、照明器具1には、構成部材同士を連結固定するための係止部又はネジなどの固定部材などが適宜設けられている。
[ヒートシンク(器具本体)]
ヒートシンク10は、照明器具1の器具本体であり、光源20が取り付けられる金属製の部材である。ヒートシンク10は、光源20で発生する熱を放散する。ヒートシンク10は、例えば、アルミニウムなどの熱伝導率の高い金属材料から形成される。
ヒートシンク10は、図1及び図2に示すように、ベース11と、複数のフィン12とを備える。詳しくは後で説明するが、ヒートシンク10は、さらに、1以上のサブフィン13(図4などを参照)を備える。ヒートシンク10の詳細な構造については、後で説明する。
[光源]
光源20は、照明器具1における光源の一例であり、白色などの所定の色(波長)の光を発する発光部である。光源20は、ヒートシンク10のベース11に取り付けられている。本実施の形態では、図2に示すように、光源20は、取付部材30及び接続部材40によって、ベース11の底部110の被取付部112に固定されている。
図2及び図3に示すように、光源20は、基板21と、複数のLED22とを備えるLEDモジュールである。光源20は、ベアチップ(LED22)が基板21上に直接実装された、いわゆるCOB(Chip On Board)モジュールである。
なお、図3は、本実施の形態に係る照明器具1の一部を示す分解斜視図である。具体的には、図3は、ヒートシンク10と、光源20と、取付部材30と、接続部材40とを示している。
基板21としては、例えば、セラミック基板、樹脂基板又はメタルベース基板などを用いることができる。基板21の平面視形状は、例えば矩形であるが、六角形若しくは八角形などの多角形又は円形などでもよい。基板21には、金属配線(図示せず)が形成され、複数のLED22を電気的に接続している。
LED22は、発光素子の一例であり、所定の電力により発光する半導体発光素子である。LED22は、例えば、単色の可視光を発するベアチップであり、具体的には、通電されれば青色光を発する青色発光LEDチップである。複数のLED22は、基板21の主面上において、複数列又はマトリクス状に配置されている。
なお、複数のLED22は、封止部材(図示せず)によって一括封止されている。例えば、複数のLED22は、素子列毎に一括封止されてもよく、あるいは、基板21上の全てのLED22が一括封止されてもよい。
封止部材は、例えば、シリコーン樹脂などの透光性樹脂材料を主成分として含み、LED22からの光の波長を変換する波長変換材を含んでいる。波長変換材は、例えば、蛍光体粒子であり、具体的には、黄色蛍光体粒子である。本実施の形態では、LED22が発する青色光と、黄色蛍光体粒子が青色光によって励起されて発する黄色光とが混合されることにより、光源20は白色光を発する。なお、封止部材には、シリカなど(SiO2)の光拡散材(光散乱粒子)を含んでいてもよい。
なお、光源20は、SMD(Surface Mounted Device)型のモジュールでもよい。具体的には、基板21上にパッケージ型のLED素子(SMD型LED素子)が実装されていてもよい。パッケージ型のLED素子は、例えば、凹部(キャビティ)を有する樹脂製の容器と、凹部の中に実装されたLEDチップ(LED22)と、凹部内に封入された封止部材(蛍光体含有樹脂)とを備える。
[取付部材]
取付部材30は、光源20をベース11の被取付部112に取り付けるための部材である。本実施の形態では、取付部材30は、光源20に対する枠体として機能する。具体的には、取付部材30は、光源20の横方向(光軸Jに直交する方向(X軸方向及びY軸方向))の位置を規制する。
図3に示すように、取付部材30は、規制部31と、爪部32とを備える。
規制部31は、中央に開口33を有する矩形枠状の部分である。開口33は、光源20の基板21に対応する形状(例えば、矩形)を有し、開口33内に光源20が配置される。
爪部32は、反射部材50を支持するための爪状の部分である。本実施の形態では、2つの爪部32が光軸Jに沿った方向(Z軸方向の負側)に規制部31から立設している。
取付部材30は、ベース11の底部110に配置されて、接続部材40及びネジ91によって底部110に固定される。具体的には、図3に示すように、規制部31と底部110とにはそれぞれ、2つのネジ孔34と2つのネジ穴115とが設けられている。ネジ91が規制部31のネジ孔34に挿入されて、底部110のネジ穴115にねじ込まれることで、取付部材30が底部110に固定される。
取付部材30は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)などの樹脂材料を用いて一体成形される。
[接続部材]
接続部材40は、光源20へ電流を供給する電線(図示せず)が接続される部材である。図3に示すように、本実施の形態では、照明器具1は、2つの接続部材40を備える。2つの接続部材40の一方には、高電位側の電線が接続され、他方には、低電位側の電線が接続される。
本実施の形態では、接続部材40は、図3に示すように、本体41と、電極42とを備える。
本体41は、電線を支持するための樹脂製の筐体である。接続部材40の本体41には、ネジ孔43が設けられている。本実施の形態では、ネジ91が、ネジ孔43に挿入されて、規制部31のネジ孔34及び底部110のネジ穴115にねじ込まれることで、接続部材40が取付部材30を挟んで底部110に固定される。
また、本体41の一部は、基板21を底部110に向かって押圧する。これにより、接続部材40は、光源20の光軸Jに沿った方向(Z軸方向)の位置を規制する機能を有する。
電極42は、本体41に支持された電線(図示せず)と電気的に接続され、かつ、光源20の基板21に設けられた電極端子と電気的に接続される。例えば、電極42は、板バネ状に形成されており、その付勢力によって電極端子を被取付部112に向けて押さえる。これにより、電極42と基板21の電極端子とを電気的に接続することができる。
接続部材40は、例えば、電極42を構成する導電性材料と本体41を構成する樹脂材料とを用いたインサート成形により形成される。本体41は、例えば、PBT、ABSなどの樹脂材料を用いて成形される。また、電極42は、銅などの導電性材料を用いて形成されている。
[反射部材]
反射部材50は、光源20からの光の配光を制御する部材である。本実施の形態では、反射部材50は、光源20からの光を光学部材60に向けて反射させる。図2に示すように、反射部材50は、光軸Jが略中央を貫通する開口が設けられた略筒体である。
具体的には、反射部材50は、光源20からの光が入射される側(Z軸方向の正側)の端部から、当該光が出射される側(Z軸方向の負側)の端部に向かって内径が漸次大きくなるように形成されている。反射部材50の内面が、光源20からの光を反射する反射面である。
反射部材50は、例えばPBTなどの硬質の白色樹脂材料を用いて形成される。このとき、反射部材50の内面には、アルミニウムなどの金属反射膜が設けられてもよい。
[光学部材]
光学部材60は、反射部材50からの光が入射される透光性の部材である。図2に示すように、光学部材60は、反射部材50の光出射側(Z軸方向の負側)の開口を覆うように配置されている。光学部材60は、反射部材50を通過した光の配光を制御して出射する機能を有してもよい。本実施の形態では、光学部材60は、フレネルレンズである。
光学部材60は、透光性を有する材料から形成されている。例えば、光学部材60は、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)などの透明樹脂材料から形成される。あるいは、光学部材60は、透明なガラス材料から形成されてもよい。
なお、光学部材60は、光拡散(散乱)構造を有してもよい。例えば、光学部材60は、拡散材が分散された樹脂材料を用いて形成されてもよく、あるいは、表面に凹凸又はドットパターンが形成されてもよい。
[枠体]
枠体70は、光学部材60から出射された光を通過させる筒状の部材である。本実施の形態では、図2に示すように、枠体70は、補助反射部材71と、枠本体72と、鍔73とを備える。
補助反射部材71は、筒状の枠本体72の内側に配置された筒状の部材である。補助反射部材71は、内側に補助反射面を有し、照明器具1の配光を制御する機能を有する。本実施の形態では、補助反射部材71は、アルミニウムなどの薄い金属板で形成されている。
枠本体72は、筒状の枠体70の本体である。枠本体72は、ヒートシンク10のベース11と略同じ外径を有する。枠本体72とベース11とは、ネジ(図示せず)によって固定されている。枠本体72は、例えば、アルミニウムなどの金属材料を用いて形成されている。
鍔73は、枠本体72の一部であり、枠本体72の光出射側(Z軸方向の負側)の端部から径方向の外側に向かって延設された部分である。鍔73は、環状に設けられている。鍔73は、例えば照明器具1が天井に取り付けられた場合に、天井板の下面に接触する。
[取付バネ]
取付バネ80は、照明器具1を天井などの取付穴に取り付けるために用いられる。具体的には、取付バネ80の復元力を利用して、取付バネ80と枠本体72の鍔73とで天井板を挟持することで、照明器具1を取り付けることができる。
取付バネ80は、鉄などの金属材料を用いてプレス加工などによって長尺状の細板形状に成形されている。本実施の形態では、図1に示すように、照明器具1は、2つの取付バネ80を備えるが、取付バネ80の個数及び位置はこれに限定されない。
[ヒートシンクの詳細な構成]
以下では、ヒートシンク10の詳細な構成について説明する。
図4及び図5はそれぞれ、本実施の形態に係るヒートシンク10の斜視図及び上面図である。
本実施の形態では、ヒートシンク10は、アルミダイカストなどの一体に(一体成形品として)成形されておらず、複数の部品を接続することで形成されている。具体的には、ベース11に設けられた突起部114を塑性変形させることで、別部品であるベース11とフィン12とが接続されて固定されている。より具体的には、図2に示すように、フィン12に設けられた貫通孔123に突起部114が挿入され、かつ、突起部114が塑性変形した状態で、フィン12は、ベース11に固定されている。
本実施の形態では、図4及び図5に示すように、ヒートシンク10は、複数のサブフィン13を備える。ベース11と複数のサブフィン13とは、一体成形品である。例えば、ベース11と複数のサブフィン13とは、アルミニウム製の円柱部材(スラグ)を鍛造加工することで一体に(一部品として)成形される。複数のフィン12の各々は、例えば、アルミニウム製の板金をプレス加工又は曲げ加工することで一体に(一部品として)成形される。板金の板厚(すなわち、フィン12の板厚)は、例えば、1mmであるが、これに限らない。
本実施の形態では、ベース11及び複数のフィン12などの各部材を鍛造加工、プレス加工又は曲げ加工で形成することで、寸法の精度を高めることができる。また、各部材の厚みを薄くすることができるので、ヒートシンク10の軽量化を実現することができる。なお、ベース11と複数のサブフィン13とは、アルミダイカスト製でもよい。複数のフィン12の各々も同様に、アルミダイカスト製でもよい。
[ベース]
図6は、本実施の形態に係るベース11の下面図である。図7は、図6のVII−VII線における実施の形態に係るベース11の断面図である。
ベース11は、図2〜図7に示すように、有底筒状のベース(基台)である。これにより、ベース11の包絡体積を確保しつつ、底部110の厚みを薄くすることができる。したがって、光源20からの熱を効率良く複数のフィン12及び複数のサブフィン13に伝導させることができる。図2などに示すように、ベース11は、底部110と、側壁部111とを有する。
底部110は、光源20が取り付けられる内側底面110aと、複数のフィン12が配置される外側底面110bとを有する円盤状の部分である。内側底面110aと外側底面110bとは、図2に示すように、光軸Jに略直交し、かつ、互いに背向している。
内側底面110aは、有底筒状のベース11の内側の底面であり、平面視形状が略円形である。外側底面110bは、有底筒状のベース11の外側の底面であり、平面視形状が略円形である。本実施の形態では、図7に示すように、外側底面110bは、平坦な面である。具体的には、外側底面110bには、凹部が設けられていない。
側壁部111は、底部110の周縁から立設された部分である。側壁部111は、光軸Jを中心軸とする扁平な略円筒形状を有する。
なお、底部110及び側壁部111の厚みは、例えば1mm〜10mmである。底部110の外側底面110bの径は、例えば70mm〜90mmである。側壁部111の高さは、例えば15mm〜18mmである。これらの寸法は一例に過ぎず、これらに限定されない。
本実施の形態では、内側底面110aには、図2、図3、図6及び図7に示すように、被取付部112と、溝113とが設けられている。
被取付部112は、内側底面110aの一部であり、光源20が取り付けられる部分である。被取付部112は、平面視形状が略矩形の平坦な面であり、光源20の基板21が載置される。被取付部112と基板21とは、図2に示すように、面接触している。
溝113は、被取付部112の外周に沿って設けられている。本実施の形態では、図3及び図6に示すように、溝113は、被取付部112の外周の全周に亘って設けられている。溝113は、取付部材30及び接続部材40などと内側底面110aとの干渉を避けるために設けられている。
溝113は、図6及び図7に示すように、第1側壁113aと、第2側壁113bとを有する。第1側壁113aは、被取付部112に近い側壁であり、第2側壁113bは、第1側壁113aより被取付部112から離れた側壁である。すなわち、内側底面110aを平面視(下面視)した場合において、第1側壁113aは、内周側の側壁であり、第2側壁113bは、外周側の側壁である。
図7に示すように、第1側壁113aは、内側底面110aに対して垂直である。第2側壁113bは、内側底面110aに対して傾斜している。具体的には、第2側壁113bは、Z軸方向の正側に向かうにつれて第1側壁113aに近づくように傾斜している。すなわち、溝113の開口幅は、溝113の底面幅より大きくなる。なお、開口幅及び底面幅はそれぞれ、第1側壁113aと第2側壁113bとの間の距離のうち、Z軸方向の負側の端部間の距離、及び、Z軸方向の正側の端部間の距離である。
本実施の形態では、図4及び図5に示すように、外側底面110bには、複数の突起部114が設けられている。
複数の突起部114は、底部110の外側底面110bから突出している。複数の突起部114の各々は、図2に示すように、フィン12の貫通孔123に挿入されて塑性変形された状態にある。具体的には、複数の突起部114の各々は、外側底面110bからZ軸方向の正側に突出した略円柱状の部分であり、その先端が塑性変形することで形成されている。
本実施の形態では、図5に示すように、複数の突起部114は、平面視において、放射状に配置されている。具体的には、光軸Jから放射状に延びる複数の直線の各々に、突起部114が2つずつ配置されている。光軸Jから延びる直線上に配置された2つの突起部114に、1つのフィン12が固定される。
複数の突起部114は、互いに同じ形状及び同じ大きさであるが、これに限らない。突起部114の高さは、例えば3mm〜5mmである。突起部114の径は、例えば、3mm〜5mmである。これらの寸法は一例に過ぎず、これらに限定されない。
なお、図4及び図5では、塑性変形前の複数の突起部114を示している。突起部114の塑性変形の方法及び塑性変形後の形状の詳細については、図10及び図11を用いて後で説明する。
[フィン]
フィン12は、光源20からの熱を放散させるための放熱用のフィンである。本実施の形態では、複数のフィン12は、ベース11と別体で構成されている。複数のフィン12は、ベース11に固定されている。具体的には、複数のフィン12はそれぞれ、ベース11の突起部114の塑性変形によって、かしめられてベース11に固定されている。
複数のフィン12は、図4及び図5に示すように、ベース11の底部110の外側底面110b上に放射状に配置されている。複数のフィン12の各々は、外側底面110bの径方向に沿って長尺であり、かつ、互いに等間隔に配置されている。具体的には、8つのフィン12が、光軸Jを中心に等角度(具体的には、45°)で配置されている。
本実施の形態では、複数のフィン12は、互いに同じ形状及び同じ大きさである。具体的には、複数のフィン12の各々の断面形状は、U字状である。複数のフィン12の各々は、図8及び図9に示すように、底板120と、底板120に立設された一対の第1側面板121及び第2側面板122とを備える。なお、図8及び図9はそれぞれ、本実施の形態に係るフィン12の斜視図及び上面図である。図8及び図9に示すフィン12は、図5に示す8つのフィン12のうち、光軸Jの左斜め下方に位置しているフィン12を示している。
底板120には、図9に示すように、貫通孔123が設けられている。底板120は、長尺状の平板部である。底板120の長手方向は、外側底面110bの径方向に略一致する。
第1側面板121及び第2側面板122は、一対の側面板であり、互いに略平行に配置されている。具体的には、第1側面板121及び第2側面板122はそれぞれ、底板120の短手方向(X軸方向)の端部から略垂直に立設された平板部である。第1側面板121及び第2側面板122は、互いに略同じ形状及び略同じ大きさであるが、これに限らない。
底板120に設けられた貫通孔123には、ベース11の突起部114が挿入されている。突起部114は、塑性変形されることで、貫通孔123の内側面と接触している。これにより、ベース11と底板120とは、突起部114を介して熱的に接続されている。
底板120は、図8及び図9に示すように、突出部124を有する。突出部124は、外側底面110bを平面視した場合において、外側底面110bの外方に向かって突出している。突出部124の先端は、図4及び図5に示すように、外側底面110bの外周縁110cに位置している。突出部124を設けることで、底板120の表面積を大きくすることができるので、フィン12の放熱性能を高めることができる。
本実施の形態では、図9に示すように、底板120は、さらに、突出部125を有する。突出部125は、外側底面110bを平面視した場合において、外側底面110bの内側に向かって突出している。具体的には、突出部125は、光軸Jに向かって突出している。これにより、底板120の表面積をさらに大きくすることができるので、フィン12の放熱性能をさらに高めることができる。
図8及び図9に示すように、複数のフィン12の各々は、さらに、第1突っ張り部126と、第2突っ張り部127とを有する。本実施の形態では、図5に示すように、第1突っ張り部126が中心側(すなわち、光軸J側)になり、第2突っ張り部127が外側(すなわち、外側底面110bの外周縁110c側)になるように、複数のフィン12が外側底面110b上に固定されている。
図8及び図9に示すように、フィン12は、上面視において点対称な形状を有する。すなわち、ベース11にフィン12を固定する際に、第1突っ張り部126及び第2突っ張り部127のいずれが光軸Jの近くであってもよい。すなわち、フィン12の取り付けの向きに制限がないので、ベース11に対するフィン12の配置工程を簡単に行うことができる。
第1突っ張り部126は、第1側面板121から第2側面板122に向かって延設された部分である。具体的には、第1突っ張り部126は、第1側面板121の長手方向の一方の端部から第2側面板122に向かって、第1側面板121及び第2側面板122の各々に略直交するように延設されている。
本実施の形態では、図10に示すように、第1突っ張り部126のZ軸方向の幅Wは、第1側面板121の高さHより短い。例えば、Wは、H/2以下である。つまり、第1突っ張り部126は、フィン12の長手方向の端部(第1側面板121と第2側面板122との間)の全体を覆わずに、当該端部には、空気が流れるための隙間が設けられる。なお、図10は、図5のX−X線における本実施の形態に係るヒートシンク10の断面図である。
具体的には、第1突っ張り部126は、第1側面板121の上端側(底板120の反対側)のみに設けられている。すなわち、図4及び図8に示すように、第1突っ張り部126と底板120の長手方向の端部に設けられた突出部125との間には、隙間128が設けられている。これにより、第1側面板121と第2側面板122との間の空気の滞留を抑制することができる。
なお、第1側面板121の上端側は、他の物体(照明器具1の施工者の指、又は、天井板など)が接触しやすい部分であり、外部からの力が加わりやすい部分である。したがって、第1突っ張り部126が第1側面板121の上端側に設けられていることで、外部からの力が加わった場合に、第1側面板121が第2側面板122に向かって折れ曲がるのを抑制することができる。
第1突っ張り部126の根元は、アール形状を有する。具体的には、第1突っ張り部126と第1側面板121との接続部126aは、滑らかな曲面を有する。
これにより、図5に示すように、一のフィン12の第2側面板122の光軸Jに近い端部と、当該一のフィン12に隣り合う別のフィン12の第1側面板121の接続部126aとの間に、隙間130が設けられる。隙間130は、接続部126aが滑らかな曲面ではない場合に比べて大きくなる。このため、光軸Jの近傍から外方に向かって空気が流れやすくなり、光軸Jの近傍に空気が溜まるのを抑制することができる。
第2突っ張り部127は、第2側面板122から第1側面板121に向かって延設された部分である。具体的には、第2突っ張り部127は、第2側面板122の長手方向の一方の端部から第1側面板121に向かって、第2側面板122及び第1側面板121の各々に略直交するように延設されている。
本実施の形態では、第2突っ張り部127は、第1突っ張り部126と略同じ形状及び略同じ大きさを有する。第2突っ張り部127は、図8及び図9に示すように、第1突っ張り部126と対向配置されている。具体的には、第2突っ張り部127は、第2側面板122の上端側のみに設けられている。すなわち、図4、図8及び図10に示すように、第2突っ張り部127と底板120の長手方向の端部に設けられた突出部124との間には、隙間129が設けられている。
隙間128及び隙間129は、フィン12の長手方向に沿って互いに対向している。このため、フィン12の長手方向に沿って空気が流れやすくなり、フィン12内での空気の滞留を抑制することができる。
第2突っ張り部127の根元は、アール形状を有する。具体的には、第2突っ張り部127と第2側面板122との接続部127aは、滑らかな曲面を有する。これにより、第2突っ張り部127が中心側で、第1突っ張り部126が外側になるようにフィン12が配置された場合であっても、隙間130を形成することができる。したがって、空気の滞留を抑制することができる。
[サブフィン]
サブフィン13は、光源20からの熱を放散させるための放熱用のサブフィンである。サブフィン13は、ヒートシンク10の放熱効果をさらに高めるための補助的なフィンであり、フィン12より小型の放熱部である。
サブフィン13は、図4及び図5に示すように、複数のフィン12のうち隣り合う2つのフィン12の間の外側底面110b上に配置されている。本実施の形態では、サブフィン13は、隣り合う2つのフィン12の間毎に配置されている。具体的には、フィン12が環状に並んでいるので、フィン12の個数とサブフィン13の個数とが同じである。なお、2以上のサブフィン13が、2つのフィン12の間に配置されていてもよい。また、隣り合う2つのフィン12の間に配置されるサブフィン13の個数は、フィン12の間毎に異なっていてもよい。
図5に示すように、外側底面110bを平面視した場合において、サブフィン13の外形は、長円又は楕円(オーバル)である。例えば、サブフィン13の平面視形状は、角丸長方形である。
このとき、サブフィン13は、その長手方向が複数のフィン12の放射方向に沿うように配置されている。具体的には、サブフィン13の長手方向は、フィン12の放射の中心、すなわち、光軸Jを通過する。
図10に示すように、サブフィン13の外側底面110bからの高さhは、フィン12の外側底面110bからの高さHより低い。本実施の形態では、サブフィン13の高さhは、フィン12の高さHの2分の1以下である。具体的には、サブフィン13の高さhは、フィン12の高さHの4分の1以下である。例えば、サブフィン13の高さは、2mm〜5mmである。また、サブフィン13の幅(短手方向の長さ)は、例えば、2mm〜6mmである。
本実施の形態では、サブフィン13は、外側底面110bを平面視した場合において、隣り合う2つのフィン12から等距離の位置に配置されている。具体的には、サブフィン13の長手方向は、隣り合う2つのフィン12の放射方向(長手方向)がなす角(光軸Jを中心とする角)の二等分線になる。
また、サブフィン13は、外側底面110bを平面視した場合において、外側底面110bの外周縁110cに沿って配置されている。具体的には、サブフィン13は、光軸Jと外周縁110cとの間の中央線(半径r/2の円、rは外側底面110bの直径)より外周縁110c側の領域に設けられている。
なお、本実施の形態では、図4及び図5に示すように、ベース11の底部110には、枠体70を固定するネジが挿入される2つのネジ孔116が形成されている。2つのネジ孔116はそれぞれ、ベース11の底部110を貫通している。このため、例えば、8つのサブフィン13のうち2つのサブフィン13(図5における光軸Jから右斜め下方向及び左斜め上方向のサブフィン13)は、ネジ孔116との干渉を避けるように、外周縁110cから離れて設けられている。例えば、当該2つのサブフィン13は、中央線(半径r/2の円)上に近い位置に設けられている。
また、ベース11の底部110には、接続部材40を固定するネジ91がネジ入れられるタップ117が設けられている。タップ117は、底部110の外側底面110bから突出した凸部であり、内部にネジ91が入れられるための空洞を有する。タップ117は、放熱性能の向上を主たる目的としておらず、配置される位置は、接続部材40などの位置に依存している。したがって、例えば、図5に示すように、タップ117は、フィン12に近接して配置されている。本実施の形態に係るサブフィン13は、タップ117とは異なり、放熱性能の向上を主たる目的としている。
[突起部の形状と空隙]
続いて、塑性変形後の突起部114の形状、及び、ベース11とフィン12との接続について説明する。図11は、図10の領域XIを拡大して示す要部拡大断面図である。
突起部114は、図9に示すように、根元にフィレット部114aが設けられている。フィレット部114aは、突起部114の強度を高めるために設けられた厚肉部である。フィレット部114aは、突起部114の外周に沿って環状に設けられている。フィレット部114aは、例えば、半径が1mm〜2mmのアールである。
突起部114は、先端に拡径部114bが設けられている。拡径部114bは、突起部114の先端部が塑性変形することで形成された部分であり、上面視において突起部114の径方向に延びた部分である。
フィン12は、図9に示すように、底板120がフィレット部114aと拡径部114bとに挟まれることで、ベース11に固定されている。本実施の形態では、フィン12の底板120とベース11の外側底面110bとの間には、空隙140が設けられている。底板120と外側底面110bとは、平行である。すなわち、空隙140は、幅dが略一定の扁平な隙間である。空隙140は、底板120がフィレット部114aに載置された状態でフィン12とベース11とが固定されることで、形成される。空隙140の幅dは、例えば、0.2mm〜0.3mmであるが、これに限らない。
フィン12は、突起部114を介してベース11と熱的に結合されている。例えば、突起部114の側面と底板120の貫通孔の内壁とが面接触し、突起部114の拡径部114bの下面と底板120の上面の一部とが面接触し、フィレット部114aと底板120の下面の一部とが面接触又は点接触している。これらの接触部分を介して、フィン12には、光源20からの熱が突起部114から伝えられる。フィン12に伝えられた熱は、主に、底板120、第1側面板121及び第2側面板122などから空気中に放散される。
本実施の形態では、空隙140が設けられているので、底板120と外側底面110bとの間で空気が滞留するのを抑制することができる。すなわち、底板120と外側底面110bとの間の熱溜まりの発生を抑制することができるので、放熱性能をさらに高めることができる。
[製造方法]
続いて、ヒートシンク10の製造方法について説明する。
図12は、本実施の形態に係るヒートシンク10の製造方法におけるフィン12のベース11との位置決め工程を示す斜視図である。なお、図12では、4個のフィン12が既に固定すべき位置に配置され、5個目及び6個目のフィン12の貫通孔123に突起部114を挿入する直前の様子を示している。なお、ここでは、フィン12を1個ずつ配置する例について示しているが、8個のフィン12を一括して配置してもよい。
図12の一点鎖線の矢印で示すように、ベース11の径方向に並んだ2つの塑性変形前の突起部114と、フィン12の2つの貫通孔123とが上面視において重複する位置で、フィン12を下方に移動させる。これにより、2つの突起部114が2つの貫通孔123に挿入される。2つの貫通孔123の大きさと突起部114の大きさとは略同じであるので、フィン12の横方向への移動は規制されている。
全てのフィン12を配置した後、突起部114を塑性変形させる。これにより、フィン12とベース11とを固定する。
図13は、本実施の形態に係るヒートシンク10の製造方法における突起部114の塑性変形工程(かしめ工程)を示す断面図である。図13の(a)に示すように、突起部114の先端方向からパンチ150を押し当てる。そのままパンチ150を押し込むことで、図13の(b)に示すように、突起部114が塑性変形して拡径部114bが形成される。このとき、突起部114だけでなく、フィン12の底板120の貫通孔123の周りも塑性変形していてもよい。
このように、フィン12は、かしめによりベース11に接合され固定されている。具体的には、塑性変形により形成された拡径部114bがフィン12の底板120をベース11の外側底面110bに向けて押さえている。これにより、フィン12の脱離を抑えることができる。
図13の(a)及び(b)を比較して分かるように、塑性変形前の突起部114とフィン12の貫通孔123との間には、隙間が形成されているのに対して、塑性変形後の突起部114と貫通孔123との間には、隙間が形成されていない。これは、パンチ150によって突起部114が押圧された際に、突起部114が横方向に拡がったためである。
したがって、本実施の形態では、突起部114の側面が底板120の貫通孔123の内壁面と接触する。さらに、拡径部114bの下面が底板120の上面と接触する。これにより、ベース11からフィン12への熱伝導を効率良く行うことができる。
例えば、フィン12をベース11にネジ止めする場合に比べて接触面積が大きくなるので、熱伝導性を高めることができる。また、ネジ止めの場合に比べてフィン12とベース11との接合が容易であり、量産化に優れている。
ここで、本実施の形態では、拡径部114bは、第1側面板121及び第2側面板122に近接している。具体的には、拡径部114bと第1側面板121及び第2側面板122の一方との間の隙間は、例えば、0.5mm以下である。拡径部114bは、第1側面板121及び第2側面板122の少なくとも一方に当接していてもよい。拡径部114bと第1側面板121及び第2側面板122の少なくとも一方とが当接している場合には、フィン12とベース11との接触面積が大きくなるので、熱伝導性がさらに高くなる。
このように、拡径部114bは、第1側面板121及び第2側面板122に対してめり込むようには形成されていない。すなわち、塑性変形によって形成された拡径部114bは、第1側面板121及び第2側面板122を変形させないように形成されている。これにより、フィン12の放熱性能が損なわれるのを抑制することができる。
なお、本実施の形態では、複数のフィン12を同時にベース11に固定する例について示したが、これに限らない。フィン12毎に突起部114を塑性変形させて固定してもよい。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係るヒートシンク10は、有底筒状のベース11と、ベース11の底部110の外側底面110b上に放射状に配置された複数のフィン12と、複数のフィン12のうち隣り合う2つのフィン12の間の外側底面110b上に配置されたサブフィン13とを備え、サブフィン13の外側底面110bからの高さは、フィン12の外側底面110bからの高さより低い。また、例えば、本実施の形態に係る照明器具1は、ヒートシンク10と、底部110の内側底面110aに取り付けられた光源20とを備える。
これにより、ヒートシンク10が複数のフィン12だけでなく、サブフィン13を備えることで、ヒートシンク10の表面積が増加するので、放熱性能を高めることができる。また、サブフィン13の高さがフィン12の高さより低いので、隣り合う2つのフィン12間の空気の流れを阻害しにくくすることができる。これにより、フィン12及びサブフィン13が密集し過ぎて熱がこもって放熱性能が低下するのを抑制することができる。このように、本実施の形態では、高い放熱性能を有するヒートシンク10、及び、このヒートシンク10を備える照明器具1を提供することができる。
また、例えば、ベース11とサブフィン13とは、一体成形品である。
これにより、ヒートシンク10を構成する部品点数を削減することができる。したがって、ヒートシンク10の軽量化、及び、組み立て工程の簡略化による低コスト化などを実現することができる。
また、例えば、外側底面110bを平面視した場合において、サブフィン13の外形は、長円又は楕円であり、サブフィン13は、その長手方向が複数のフィン12の放射方向に沿うように配置されている。
これにより、放射方向に沿ったフィン12間の空気の流れを阻害しにくくなるので、放熱性能の低下を抑制することができる。また、ベース11とサブフィン13とを鍛造成形によって一体成形する場合、サブフィン13の長手方向が鍛造成形時の材料の流動方向と同じになるので、加工荷重を低減することができる。したがって、金型の寿命を長くすることができるので、ヒートシンク10及び照明器具1の低コスト化を実現することができる。
また、例えば、サブフィン13は、隣り合う2つのフィン12の間毎に配置されている。
これにより、ヒートシンク10が複数のサブフィン13を備えることで、ヒートシンク10の表面積がさらに増加するので、放熱性能を高めることができる。また、ヒートシンク10の放熱性能を面内で均等にすることができる。
また、例えば、サブフィン13は、外側底面110bを平面視した場合において、隣り合う2つのフィン12から等距離の位置に配置されている。
これにより、隣り合うフィン12間の空気の流れを阻害しにくくなるので、放熱性能の低下を抑制することができる。
また、例えば、サブフィン13は、外側底面110bを平面視した場合において、外側底面110bの外周縁110cに沿って配置されている。
これにより、複数のフィン12が密集している外側底面110bの中央部ではなく、外周縁に沿ってサブフィン13が設けられている。したがって、隣り合うフィン12間の空気の流れを阻害しにくくなるので、放熱性能の低下を抑制することができる。
また、例えば、複数のフィン12は、ベース11と別体で構成されている。
これにより、フィン12とベース11とを別個に製造することで、各々の寸法精度を高めることができる。したがって、フィン12とベース11とを効果的に接触させることができ、熱伝導性を高めることができる。また、複数のフィン12の間などにスムーズに空気を流すことができるので、放熱性能をさらに高めることができる。
また、ベース11に固定するフィン12の個数を、光源20の出力に応じて設計変更することができるので、ヒートシンク10の放熱性能を適宜変更することができる。これにより、例えば、フィン12の個数を放熱性能の異なる(すなわち、フィン12の枚数の異なる)ヒートシンク10を、同一形状の部品を用いて製造することができる。したがって、例えば、フィン12とベース11とを大量に製造しておくことができるので、低コスト化を実現することができる。
ところで、本実施の形態に係るヒートシンク10では、ベース11の内側底面110aには、光源20が取り付けられており、光源20を固定するための接続部材40などが内側底面110aに固定される。接続部材40などの干渉を防ぐために、内側底面110aには、溝113が設けられている。溝113は、光源20の基板21に実装されたLED22とベース11との絶縁距離を確保する機能も果たしている。
ベース11は、例えば、金型を用いた鍛造成形によって形成されている。このため、溝113を形成するためには、溝113に合った凸部を有する金型が必要となる。金型の凸部の強度を確保するためには、凸部の根元を厚くすることが考えられる。しかしながら、この場合、LED22から内側底面110aまでの絶縁距離が短くなるという問題がある。
これに対して、本実施の形態に係るヒートシンク10では、例えば、底部110の内側底面110aには、光源20が取り付けられる被取付部112の外周に沿って溝113が設けられ、溝113は、被取付部112に近い第1側壁113aと、第1側壁113aより被取付部112から離れた第2側壁113bとを有し、第1側壁113aは、内側底面110aに対して垂直であり、第2側壁113bは、内側底面110aに対して傾斜している。
図14及び図15はそれぞれ、比較例及び実施の形態に係るLED22から内側底面110aまでの絶縁距離を説明するための断面図である。なお、図14の(a)及び図15の(a)にはそれぞれ、ベース11x及びベース11を製造する際に用いる金型190x及び190を示している。金型190x及び190はそれぞれ、溝113x及び113に合った形状の凸部191x及び191を有する。また、図14の(b)及び図15の(b)は、図7に示す溝113の近傍を拡大した断面に相当する。
図14には、金型の強度を高めるために、凸部191xの根元を厚くした金型190xを利用して形成した溝113xを示している。溝113xは、第1側壁113ax及び第2側壁113bのいずれもが、内側底面110aに対して傾斜している。
LED22から内側底面110aまでの絶縁距離は、絶縁物の表面に沿って、又は、大気中を結ぶ最短距離である。図14及び図15にはそれぞれ、太線で絶縁距離L1及びL2を示している。
比較例に係る絶縁距離L1は、図14に示すように、LED22から基板21の上面と端面とに沿った距離と、基板21の右下端部から第1側壁113axまでの垂線の長さとの合計になる。一方で、図15に示すように、本実施の形態に係る絶縁距離L2は、LED22から基板21の上面と端面と下面とに沿った距離になる。
このように、比較例では、第1側壁113axが傾斜しているために、第1側壁113axが基板21の右下端部に近づいている。このため、絶縁距離L1が絶縁距離L2より短くなる。言い換えると、本実施の形態では、絶縁距離L2を絶縁距離L1より長く確保することができる。
また、本実施の形態では、第2側壁113bが傾斜しているため、比較例と同様に、金型の凸部の根元を大きくすることができる。具体的には、第1側壁113a及び第2側壁113bの両方を内側底面110aに対して垂直にする場合に比べて、金型190の凸部191の根元を大きくすることができる。
以上のように、本実施の形態に係るヒートシンク10によれば、絶縁距離を確保しつつ、金型強度を高めることができる。
また、本実施の形態に係るヒートシンク10では、フィン12とベース11とが別体で構成されている。例えば、フィン12は、ベース11にかしめられて固定されている。具体的には、フィン12の底板120に設けられた貫通孔123に、ベース11の外側底面110bから突出した突起部114を挿入し、突起部114を塑性変形させている。このとき、製造誤差などの影響もあり、底板120と外側底面110bとを確実に面接触させることが難しい。すなわち、底板120と外側底面110bとの間には、微小空間が形成される恐れがある。当該微小空間は、外部空間との間で空気の流れが行われにくく(あるいは、行われない)、熱溜まりとなりうる。したがって、ヒートシンク10の放熱性能が劣化する恐れがある。
これに対して、本実施の形態に係るヒートシンク10では、例えば、複数のフィン12の少なくとも1つは、貫通孔123が設けられた底板120と、底板120に立設された第1側面板121とを有し、ベース11は、貫通孔123に挿入された突起部114を有し、ベース11と底板120とは、突起部114を介して熱的に接続され、底板120と外側底面110bとの間には、空隙140が設けられている。
これにより、敢えて空隙140を設けることで、底板120と外側底面110bとの間に熱溜まりが形成されるのを抑制することができる。したがって、ヒートシンク10の放熱性能を高めることができる。
また、本実施の形態に係るヒートシンク10では、例えば、フィン12は、板厚1mmの板金などに曲げ加工を行うことで製造される。すなわち、フィン12の板厚を薄くすることができる。フィン12の板厚が薄くなる分、外部からの力が加わった場合に容易に変形してしまう恐れがある。
これに対して、本実施の形態に係るヒートシンク10では、例えば、複数のフィン12の少なくとも1つは、底板120と、底板120に立設された一対の第1側面板121及び第2側面板122と、第1側面板121から第2側面板122に向かって延設された第1突っ張り部126とを有する。
これにより、フィン12の第1側面板121又は第2側面板122に力が加わった場合でも、第1突っ張り部126が第2側面板122に突っ張ることで、第1側面板121及び第2側面板122の変形を抑制することができる。このように、フィン12の強度を高めることができる。また、第1側面板121と第2側面板122との間のスペースを第1突っ張り部126によって確保することができるので、第1側面板121と第2側面板122との間を空気が流れることができる。したがって、ヒートシンク10の放熱性能を高めることができる。
また、例えば、複数のフィン12の少なくとも1つは、さらに、第2側面板122から第1側面板121に向かって延設された第2突っ張り部127を有する。
これにより、フィン12の強度をさらに高めることができる。
また、例えば、第1突っ張り部126の根元は、アール形状を有する。
これにより、例えば、複数のフィン12の一部が密集している場合に、隣り合う2つのフィン12間の隙間を確保することができる。具体的には、図5などに示すように、複数のフィン12が光軸Jを中心として放射状に配置されている場合に、複数のフィン12の各々の光軸J側の端部は、光軸Jを囲むように密集している。接続部126aがアール形状を有することで、隙間130を大きくすることができるので、ヒートシンク10の中央部から外方に向かって空気をスムーズに流すことができる。したがって、ヒートシンク10の放熱性能を高めることができる。
また、例えば、外側底面110bを平面視した場合において、底板120は、外側底面110bの外方に向かって突出する突出部124を有し、突出部124の先端は、外側底面110bの外周縁110cに位置している。
これにより、フィン12の表面積を大きくすることができるので、ヒートシンク10の放熱性能を高めることができる。また、突出部124は外周縁110cより外方に突出しないように位置しているので、他の物体が突出部124に引っかかりにくい。このため、例えば、照明器具1の施工者の指などが突出部124に誤ってぶつかりにくくなるので、施工時の取り扱いの安全性を高めることができる。また、例えば、光源20に給電するための配線が突出部124に引っかかりにくくなるので、配線の破損を抑制することができ、照明器具1の信頼性を高めることができる。
また、例えば、外側底面110bの平面視形状は、円形であり、複数のフィン12の各々は、外側底面110bの径方向に沿って長尺であり、かつ、互いに等間隔に配置されている。
これにより、例えば、複数のフィン12の配置を対称な配置にすることができ、放熱性能を面内で均一にすることができる。
(その他)
以上、本発明に係るヒートシンク及び照明器具について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態では、ヒートシンク10のベース11と複数のフィン12とが別体(別部材)で構成されている例について示したが、ベース11と複数のフィン12とは一体成形されていてもよい。すなわち、ヒートシンク10の全体が一体成形品でもよく、例えば、アルミダイカスト製でもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、ベース11と複数のサブフィン13とが一体成形品である例について示したが、ベース11と複数のサブフィン13とは別体(別部材)で構成されていてもよい。例えば、サブフィン13はフィン12と同等の構造を有し、ベース11にかしめられて固定されていてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、ベース11と複数のフィン12とがかしめられて固定されている例について示したが、ベース11とフィン12との固定方法はこれに限らない。例えば、フィン12は、ベース11に圧入されてもよく、ネジなどの固定部材を用いて固定されてもよい。サブフィン13がベース11とは別体である場合も同様にしてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、フィン12の上面視形状が点対称である例について示したが、これに限らない。例えば、フィン12は、第1突っ張り部126及び第2突っ張り部127のいずれか一方のみを備えていてもよい。また、フィン12は、突出部124及び125のいずれか一方のみを備えていてもよい。
また、例えば、第1突っ張り部126は、第1側面板121の長手方向の端部ではなく、中央から設けられていてもよい。あるいは、第1突っ張り部126は、第1側面板121の上端に設けられていてもよい。第2突っ張り部127についても同様であってもよい。
また、例えば、フィン12は、断面U字状に限らず、断面L字状でもよい。例えば、フィン12は、底板120と、第1側面板121及び第2側面板122のいずれか一方のみとを有してもよい。また、例えば、第1側面板121のみからなるフィン12をベース11に圧入することで固定してもよい。すなわち、フィン12は、底板120を備えなくてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、サブフィン13の平面視形状が長円又は楕円である例について示したが、これに限らない。例えば、サブフィン13は、外側底面110bに立設された板状のフィンでもよく、上面視形状が長方形でもよい。あるいは、サブフィン13は、外側底面110bに立設された筒状のフィンでもよく、上面視形状が円環状又は矩形環状でもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、サブフィン13が隣り合う2つのフィン12間毎に設けたが、これに限らない。サブフィン13は、外側底面110b上に1つのみ設けられていてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、ベース11が円盤状、すなわち、外側底面110b及び内側底面110aの各々の平面視形状が円形である例について示したが、これに限らない。ベース11は、矩形板状でもよく、外側底面110b及び内側底面110aの各々の平面視形状は、長方形又は正方形などの多角形でもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、照明器具1がダウンライトなどの埋込型照明器具である例について示したが、これに限らない。照明器具1は、スポットライトなどでもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、ヒートシンク10が照明器具1の器具本体として用いられる例について示したが、これに限らない。ヒートシンク10は、電源回路などの発熱する部品の放熱に利用することができる。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。