以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程及び工程の順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
まず、本発明の実施の形態に係る照明器具1について、図1〜図4を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る照明器具の一例の斜視図である。図2は実施の形態に係る照明器具の一例の側面図であり、図3は実施の形態に係る照明器具の一例の上面図である。図4は、実施の形態に係る照明器具の一例の断面図である。
本実施の形態に係る照明器具1は、例えば住宅等の天井に設けられた埋込穴に埋込配設される埋込型照明器具であって、例えば下方(廊下や壁等)に向けて光を出射するダウンライトである。
照明器具1は、例えば図4に示すように、枠体10と、補助反射部材20と、取付バネ30と、器具本体40と、光源50と、反射部材60と、光学部材70とを備える。
以下、照明器具1における各構成部材について詳細に説明する。
[光源50]
まず、光源50について説明する。
光源50は、例えば発光素子を有する発光モジュールであって、所定の光を放射状に放出する。光源50は、例えば白色光を放出するように構成されている。本実施の形態では、発光素子をLEDとして説明する。
なお、図示しないが、光源50は、例えば基台上と、基台上に実装されたベアチップである複数のLEDと、それらLEDを封止する封止部材とで構成される。図4に示す照明器具1において、光源50の光軸は鉛直方向(図で下方向)である。基台は、複数のLEDを実装するための実装基板であって、例えば樹脂基板、セラミックス基板又は絶縁被覆されたメタルベース基板等である。また、基台は、例えば平面視が矩形形状である平面を有する板状であり、基台の底面(図4の上側)が器具本体40に取り付けられて固定される。また、基台には、LED(光源50)を発光させるための直流電力を外部から受電するための一対の電極端子(正電極端子及び負電極端子)が形成されている。
また、光源50は、直流電流によって駆動するLED光源であるので、光源50には照明器具1に電気的に接続されている電源ユニット(不図示)により直流電力が供給される。
[反射部材60]
次に、反射部材60について説明する。
反射部材60は、例えば図4に示すように、光源50を囲み、光源50から遠ざかるほど開口が広がる筒状の反射部材である。より具体的には、反射部材60は、反射機能を有し、光源50からの光が入射する開口である入射口と、入射口から入射した光が反射部材60から出射する開口である出射口とを有する。反射部材60は、内径が入射口から出射口に向かって漸次大きくなるように構成された円環枠状(漏斗状)であり、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)など硬質の白色樹脂材料を用いて形成することができる。
反射部材60の内周面は、光源50からの光を反射する反射面となっており、入射口から入射した光を反射させて出射口から出射させるように構成されている。
なお、反射部材60は、例えばアルミニウム等の金属材料により形成されてもよい。また、反射部材60は、樹脂により形成され、反射部材60の内面に、反射面として、銀やアルミニウム等の金属材料からなる金属蒸着膜(金属反射膜)が形成されてもよい。
[光学部材70]
次に、光学部材70について説明する。
光学部材70は、例えば図4に示すように、器具本体40の光源50と対向する位置に配置され、光源50からの出射光を所定の方向に配光する。光学部材70は、光源50から入射された上記出射光を光出射面から出射する。
本実施の形態における光学部材70は、例えばフレネルレンズであり、光学部材70に入射した光源50からの光を、光学部材70の光出射面から出射させる。
光学部材70は、透光性材料を用いて形成されており、例えばPMMA(アクリル)やポリカーボネート等の透明樹脂材料、または、ガラス材料等の絶縁性を有する透明材料を用いて形成することができる。
なお、光学部材70は、フレネルレンズに限らず、ハイブリッドレンズ等でもよい。光学部材70は、光源50からの出射光を所定の方向に配光することができれば、どのような光学レンズを用いてもよい。
[枠体10]
次に、枠体10について説明する。図5は、本実施の形態に係る枠体10の斜視図である。図6は、本実施の形態に係る枠体10の取付部11を説明するための図であり、(a)は枠体10の要部上面図であり、(b)は枠体10の要部側面図である。図7は、本実施の形態に係る枠体10の上面図である。
枠体10は、締結部材を用いて器具本体40に取り付けられる筒状の枠体である。本実施の形態では、枠体10は、例えば図4に示すように、補助反射部材20を囲む筒状の枠体であって締結部材を用いて器具本体40に取り付けられる。枠体10は、器具本体40とは異なり、鉄などの金属材料を用いて略円柱状に形成され、例えば板金の加工により成形される。これにより、枠体10をアルミダイカストで成形する場合と比較すると重量を低減できるので、設置面への負担を抑制することができる。
枠体10の下端部(図5で下端部)には、径方向の外向きに突出するフランジが周方向に亘って一体に形成されている。枠体10の上端部(図5の上端部)には、径方向の内向きに突出する周縁部12が周方向に亘って一体に形成されている。つまり、枠体10は、光出射方向とは反対側の端部(図5で上端部)に、軸方向の内周に円環平板形状の周縁部12を有している。
枠体10の上部には、光学部材70を通過した光源50からの光が入射する入射口が設けられている。枠体10の下部には、枠体10に入射した光を外部に出射させる出射口が設けられている。これら入射口及び出射口は略円形状に開口されている。
また、枠体10は、図5〜図7に示すように、外周面に一体的に設けられた取付部11と、上記の周縁部12に一体的に設けられた切り欠き部121と、締結部13とを有する。
取付部11は、枠体10の外周面に設けられ、取付バネ30が取り付けられる。取付部11は、枠体10と一体的に設けられている。より具体的には、取付部11は、図5、図6の(a)および図6の(b)に示すように、把持部111aおよび111bと、穴部112とを有する。なお、取付部11は、図5〜図7に示す例では、2箇所に設けられているが、2箇所以上でもよい。
把持部111aおよび111bは、例えば図5よび図6の(a)に示されるように、枠体10の外周面の一部を切り起こして設けられる。把持部111aおよび111bは、取付バネ30の一方の端部であって平板状の端部(後述する取付部材31)を把持することで、取付バネ30を枠体10に取り付けられている。穴部112は、取付バネを係止するために用いられる。 穴部112は、例えば枠体10の外周面を凹ませることで設けられる凹みであってもよいし、枠体10の外周面を開口して設けられる開口であってもよい。なお、穴部112は、必須の構成ではない。つまり、取付部11は、穴部112を備えなくてもよい。
切り欠き部121は、例えば図7に示されるように、周縁部12の一部に、周縁部12の径方向の外向きに後退するよう切り欠かれている。切り欠き部121は、後述する補助反射部材20のカシメ部21に対応する位置に設けられ、図5に示す例では、2箇所に設けられている。なお、切り欠き部121は、カシメ部21の板厚以上の厚みで周縁部12の径方向の外向きに後退するよう設けられる。それにより、切り欠き部121は、カシメ部21を引っ掛けることができ、補助反射部材20の回転を防止することができる。
締結部13は、器具本体40に取り付けられるために用いられる。締結部13は、例えば螺子やビス用の穴であり、螺子やビスなどの締結部材により器具本体40に締結する。このようにして、枠体10は、器具本体40に取り付けられる。
[補助反射部材]
次に、補助反射部材20について説明する。図8は、本実施の形態に係る補助反射部材20の側面図である。図9は、本実施の形態に係る補助反射部材20の上面図である。図10は、本実施の形態に係る補助反射部材20が取り付けられた枠体10の斜視図である。図11は、本実施の形態に係る補助反射部材20が取り付けられた枠体10の側面図である。図12は、本実施の形態に係る枠体10に取り付けられた補助反射部材20の要部断面図である。
補助反射部材20は、例えば図4に示すように、反射部材60から遠ざかるほど反射部材60の光出射方向(図4の下方向)に向かって開口が広がる筒状の反射部材である。
本実施の形態では、補助反射部材20は、例えば図8に示すように、カシメ部21と、内面に反射面を有する筒状のコーン部22とを備える。
コーン部22は、例えば図8に示すように、内面に反射面を有する略円筒状の第1コーン部22aと、第1コーン部22aと連なり、かつ、第1コーン部22aから遠ざかるほど(図8の下方向)に向かって開口が広がる筒状の第2コーン部22bとからなる。コーン部22は、金属材料を用いて成形されており、例えば、アルミニウム合金等を絞り加工またはプレス成形することによって作製することができる。
より具体的には、コーン部22の上部には、反射部材60の内部を直接又は反射して通過した光源50からの光が入射する入射口が設けられている。コーン部22の下部には、補助反射部材20に入射した光を外部に出射させる出射口が設けられている。これら入射口及び出射口は円形状に開口されており、出射口の開口径は入射口の開口径よりも大きくなっている。また、コーン部22の内周面は、光を反射する反射面となっており、例えば金属反射面である。この反射面は、入射口から入射した光が当該反射面で反射して出射口から出射されるように構成されている。出射口から出射する光の角度は反射面の形状によって適宜調整することができる。この反射面は、入射口から入射した光がほぼ鉛直下方(例えば図1、図2および図4での下方)に反射するように構成されている。
また、コーン部22は、例えば図4に示すように、反射部材60から鉛直方向に所定の間隔をあけて配置されている。また、コーン部22の入射口の開口径は、反射部材60の出射口の開口径と略同等となっている。
カシメ部21は、例えば図8に示すように、光出射方向とは反対側の端部(図8で上端部)の一部に当該端部から光出力方向とは反対側に突出するように補助反射部材20に設けられている。カシメ部21は、板状である。カシメ部21は、コーン部22と一体に成形されており、コーン部22と同一金属材料を用いて同時に成形される。
また、カシメ部21は、例えば図9〜図11に示すように、補助反射部材20の開口の径方向の外向きに曲げられることより補助反射部材20を枠体10に取り付けることができる。なお、図9では、カシメ部21は、補助反射部材20の開口の径方向の外向きに曲げられている例が示されているが、枠体10に取り付ける前に曲げられることを意味しない。カシメ部21は、補助反射部材20を枠体10に挿入後に当該径方向の外向きに曲げられることにより、補助反射部材20を枠体10に取り付ける。カシメ部21は、補助反射部材20を枠体10に挿入後、枠体10の切り欠き部121に対応する位置に合わせてから、当該径方向の外向きに曲げられる。
カシメ部21は、例えば図12に示すように、枠体10の周縁部12とのなす角度すなわち反射部材60の光出射方向とのなす角度が略45度になるように当該径方向の外向きに曲げられる。なお、カシメ部21は、反射部材60の光出射方向とのなす角度が略45度になるように曲げられる場合に限らない。カシメ部21と反射部材60の光出射方向とのなす角度は10度でも20度でも30度でもよく、補助反射部材20が枠体10から鉛直下向きに抜けてしまうのを防止できればどの角度でもよい。もちろん、従来通りの90度等の角度でもよいが、補助反射部材20の内面が座屈してしまうので、略45度以内が好ましい。これにより、補助反射部材20の端部をカシメる際に、補助反射部材20の内面が座屈してしまうのを抑制し、照明器具1の不良を低減できる。
さらに、本実施の形態では、カシメ部21には、孔211が設けられている。この孔211は必須構成ではないが、カシメ部21に孔211が設けられることにより、カシメ部21に強度があっても、カシメるための圧力を低減することができる。それにより、カシメ部21に連なる補助反射部材20の内面(コーン部22)の座屈をより抑制することができる。つまり、カシメ部21に孔211が設けられることにより、カシメ部21をカシメる際に、補助反射部材20の内面が座屈してしまうのをより抑制することができるという効果を奏する。
[取付バネ30]
次に、取付バネ30について説明する。図13Aは、本実施の形態に係る取付バネ30を上方から見たときの斜視図である。図13Bは、本実施の形態に係る取付バネ30を上方から見たときの斜視図である。図14は、本実施の形態に係る枠体10に取り付けられた取付バネの斜視図である。
取付バネ30は、例えば図1〜図4に示すように、枠体10に取り付けられる。取付バネ30は、器具本体40を設置面に取り付けるために用いられる。取付バネ30は、金属材料を用いて長尺状の細板形状に成形されており、例えば鉄などをプレス成形するなどによって作製することができる。
本実施の形態では、取付バネ30は、例えば図13Aおよび図13Bに示すように、取付部材31と、突出部32と、孔部33とを備える。
取付部材31は、取付バネ30の一方の端部であり平板状に設けられている。取付部材31は、例えば図14に示すように、枠体10の取付部11(把持部111aおよび111b)に把持される。これにより、取付バネ30は枠体10に取り付けられる。なお、取付バネ30の他方の端部は、天井等に取り付けるために用いられる。
突出部32は、弾性力を有し、取付部材31に一体的に設けられる。突出部32は、例えば図13Bに示すように、取付部材31の枠体10に取り付けられる方の面から突出するように設けられている。突出部32は、取付バネ30のストッパとして機能する。具体的には、取付部材31が枠体10に取り付けられた際には、突出部32の少なくとも一部が、枠体10の穴部112に収められることにより、取付バネ30の取付部材31を係止する。これにより、取付部材31が枠体10から外れてしまうのを抑止することができる。つまり、取付部材31に突出部32が設けられることにより、枠体10に取り付けられた取付バネ30が枠体10から外れてしまうのを抑止することができる。
なお、孔部33は、例えば図13Aおよび図13Bに示すように、取付部材31に設けられているが、必須の構成ではない。すなわち、取付部材31には、孔部33が設けられなくてもよい。
[器具本体40]
次に、器具本体40について説明する。図15は、本実施の形態に係る器具本体40を下方から見たときの斜視図である。図16は、本実施の形態に係る器具本体40の下面図である。図17は、本実施の形態に係る照明器具1の分解斜視図である。
器具本体40は、例えば図4に示すように、発光素子を有する光源50を収容する。器具本体40は、アルミダイカストにより成形されており、光源50の発する熱を放出する。
本実施の形態では、器具本体40は、例えば灯具であり、締結部材を用いて枠体10が取り付けられる。また、器具本体40は、光源50が設置される設置台であるとともに、光源50で発生する熱を放熱するヒートシンクとしても機能する。器具本体40は、金属材料を用いて例えばアルミダイカスト工程を経て略円柱状に成形される。
器具本体40は、例えば図15および図16に示すように設置部41と、放熱部材42と、締結部43と、薄肉部44とを有する。
設置部41は、光源50を取り付けるための部位である。つまり、器具本体40は、光源50を設置部41に取り付けることで光源50を固定する。なお、設置部41は、光源50を直接固定する場合に限らず、設置部41に放熱部材(ヒートシンク)を介して、固定してもよい。
放熱部材42は、例えば図15に示すように、器具本体40の下部(図1および図17では上部)に設けられている。放熱部材42は、図15に示すように、下方(図1、図2、図4および図17では上方)に向かって突出する複数の放熱フィンである。器具本体40は、放熱部材42として放熱フィンを備えることにより、光源50で発生する熱を効率よく放熱させることができる。
締結部43は、例えば図15および図16に示すように、器具本体40の上面(図1、図2、図4および図17では下面)の周縁に設けられ、枠体10を取り付けるために用いられる。締結部43は、例えば螺子やビス用の穴であり、螺子やビスなどの締結部材を介して枠体10の締結部13と締結される。まず、枠体10の締結部13に対応する位置に器具本体40の締結部43を合わせる。次に、枠体10に器具本体40を挿入後に、枠体10の下(図17で下)から、締結部材を用いて、枠体10の締結部13と器具本体40の締結部43とを締結する。このようにして、枠体10を器具本体40に取り付けることができる。
薄肉部44は、例えば図15および図16に示すように、器具本体40の上部(図1、図2、図4および図17では下部)の周縁であり、所定の厚みで形成されている。これにより、薄肉部44は、例えば図17に示すように、枠体10を器具本体40に取り付ける際には、補助反射部材20のカシメ部21と干渉しない。つまり、器具本体40は薄肉部44を備えることで、枠体10の周縁部12から突出している補助反射部材20のカシメ部21と干渉せずに、枠体10を取り付けることができる。
[効果等]
以上のように、本実施の形態によれば、不良を低減できる照明器具1を実現することができる。
ここで、図18A〜図20を用いて、本実施の形態の照明器具1の効果について具体的に説明する。図18Aは、比較例の枠体710と補助反射部材720の一例を示す斜視図である。図18Bは、図18Aに示す枠体710と補助反射部材720の要部断面図である。図19Aは、比較例の枠体710と補助反射部材820の一例を示す要部断面図である。図19Bは、図19Aに示す補助反射部材820の要部拡大図である。図20は、比較例の枠体910の別の一例を示す斜視図である。
図18Aおよび図18Bに示す比較例では、アルミダイカストにより成形された枠体710と、枠体710に取り付けられた補助反射部材720とを備える照明器具の一例が示されている。ここで、補助反射部材720は、内面に反射面を有し、略円筒状の反射部材である。補助反射部材720の上端部(図18Aおよび図18Bで上端部)には、円環枠状のカシメ部721が設けられている。つまり、比較例では、カシメ部721は、補助反射部材720の上端部の部分的ではなく全周に設けられている。また、カシメ部721には、一定の強度がある。そのため、カシメ部721をカシメる際には補助反射部材720の内面が座屈するなどの不良が発生してしまい、この補助反射部材720を備える照明器具は不良になる場合がある。
また、図19Aおよび図19Bに示す比較例では、補助反射部材820と、補助反射部材820の上端部の全周に設けられているカシメ部821とを備える照明器具の一例が示されている。補助反射部材820は、補助反射部材720と同様に、内面に反射面を有し、略円筒状の反射部材である。図19Aおよび図19Bに示す比較例では、図18Aおよび図18Bと比較して、さらに、カシメ部821に連なる補助反射部材820の一部に受け部820aが設けられている。これにより、カシメ部821をカシメる際には補助反射部材720の内面が座屈するなどの不良は回避できる。しかしながら、受け部820aを設けると、この補助反射部材820を備える照明器具の見係りが悪くなってしまうという問題がある。
それに対して、例えば図8に示す本実施の形態のカシメ部21は、補助反射部材20の上端部に部分的に設けられている。また、カシメ部21は、完全にカシメめず(枠体10の周縁部12まで押し切らず)、カシメ部21の倒す角度(カシメる角度)を例えば約45度で止める。それにより、補助反射部材20の内面が座屈するなど、カシメ部21をカシメる際に発生する不良を低減できるので、補助反射部材20を備える照明器具1の不良を低減できる効果を奏する。
また、図18Aおよび図18Bに示す比較例では、枠体710は、アルミダイカストにより成形されている。アルミダイカストにより成形された枠体710は、例えば図5および図6等に示す本実施の形態における板金加工により成形された枠体10と比較して、コストが高く、重量も大きい。枠体710の重量が大きいと、枠体710を備える照明器具の重量も大きくなり、当該照明器具が設置される設置面の負担になるという問題がある。
従来、光源に用いられるLEDの発生する熱が大きいため、アルミダイカストにより成形された枠体710を用いることが多かった。一方、近年では、LEDの性能が上がり、LEDの発生する熱が小さくなったため、板金加工により成形された枠体10も利用可能になった。そのため、板金加工により成形された枠体10を照明器具1に利用可能になった。したがって、枠体10を備える照明器具1は、枠体710を備える照明器具と比較すると重量を低減できるので、設置面への負担を抑制することができる。また、枠体10を備える照明器具1は、枠体710を備える照明器具と比較して材料費が抑制できるのでコストが低減できるという効果も奏する。
また、図20に示す比較例では、板金加工により成形された枠体910と、取付バネ30を取り付けるための取付金具930とを備える照明器具の一例が示されている。図20に示す照明器具の構造では、取付バネ30を取り付けるために取付金具930を必要とする。つまり、図20に示す比較例では、図18A等に示す比較例と比較して、コストは低減するが、取付金具930の部品(部品点数)が増えているので、コストの低減は十分でない。
それに対して、例えば図5および図6等に示す本実施の形態における板金加工により成形された枠体10は、取付バネ30を取り付けるための取付部11が設けられる。この取付部11は、枠体10と一体的に設けられている。そのため、この枠体10を備える照明器具1は、枠体910を備える照明器具と比較して部品点数が削減できるので、さらにコストが低減できる。また、取付部11は枠体10の外周面の一部を利用しているので、この枠体10を備える照明器具1は、枠体910を備える照明器具と比較してさらに重量を小さくできるという効果を奏する。よって、枠体10を備える照明器具1は、さらに設置面への負担を抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る照明器具1は、発光素子を有する光源50を収容する器具本体40と、光源50を囲み、光源50から遠ざかるほど開口が広がる筒状の反射部材60と、反射部材60から遠ざかるほど反射部材60の光出射方向に向かって開口が広がる筒状の補助反射部材20と、補助反射部材20を囲む筒状の枠体10であって締結部材を用いて器具本体40に取り付けられる枠体10とを備える。補助反射部材20は、当該光出射方向とは反対側の端部の一部に当該反対側に突出するように設けられた板状のカシメ部21を有する。カシメ部21は、補助反射部材20の開口の径方向の外向きに曲げられることより補助反射部材20を枠体10に取り付ける。
これにより、補助反射部材20の内面が座屈するなど、カシメ部21をカシメる際に発生する不良を低減できるので、照明器具1の不良を低減することが可能となる。
また、カシメ部21は、反射部材60の光出射方向とのなす角度が略45度になるように、補助反射部材20の開口の径方向の外向きに曲げられてもよい。
これにより、補助反射部材20が枠体10から鉛直下向きに抜けてしまうのを防止できる。また、カシメ部21を完全にカシメめない(枠体10の周縁部12まで押し切らない)ので、カシメ部21をカシメる際に補助反射部材20の内面が座屈するなどの不良の発生を低減できる。よって、照明器具1の不良を低減することが可能となる。
また、カシメ部21は、孔211が設けられていてもよい。
これにより、カシメるための圧力を低減することができるので、カシメ部21に連なる補助反射部材20の内面(コーン部22)の座屈をより抑制することができる。つまり、カシメ部21をカシメる際に、補助反射部材20の内面が座屈してしまうのをより抑制することができるという効果を奏する。よって、照明器具1の不良をより低減することが可能となる。
また、枠体10は、反射部材60の記光出射方向とは反対側の端部に、軸方向の内周に円環平板形状の周縁部12を有し、周縁部12は、カシメ部21に対応する位置に、切り欠き部121を有してもよい。
これにより、切り欠き部121は、カシメ部21を引っ掛けることができ、補助反射部材20の回転を防止することができるので、補助反射部材20の回転による座屈等の不良を低減できる。よって、照明器具1の不良をより低減することが可能となる。
以上、本発明に係る照明器具について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、前述した実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、光源50は、LED光源として説明したが、青色LEDと黄色蛍光体とによって白色光を放出するように構成してもよい。また、例えば、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDと組み合わせることによりに白色光を放出するように構成してもよい。
また、上記実施の形態において、光源50は、基台上にLEDチップを直接実装してLEDチップを蛍光体含有樹脂によって一括封止したCOB(Chip On Board)型で構成されてもよい。
また、上記実施の形態において、発光素子としてLEDを例示したが、半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等の発光素子を用いてもよい。
また、上記実施の形態において、反射部材60は、入射口から入射した光を反射するとしたが、光学部材70で跳ね返った光を再度出射口へと導いてもよい。つまり、光学部材70で反射された光を反射して、出射口から出射させてもよい。
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。