以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
図1は、実施形態に係る照明器具1の斜視図であり、天井に設置された照明器具1を床側から見た状態で示している。また、図2は、図1に示した照明器具1のA−A断面図である。なお、図1および図2(図3〜図6も同様)では、照明器具1が天井に設置される状態とは上下逆向きで示されている。すなわち、図1及び図2では、紙面上側が床側に相当し、紙面下側が天井側に相当する。また、本明細書および図面では、光軸Jに平行な方向をZ軸方向、光軸Jに垂直で互いに直交する2つの方向をX軸方向及びY軸方向としている。本実施形態において、Z軸方向は鉛直方向である。
照明器具1は、例えば建物の天井などの被取付部に産み込み設置されることにより下方(床や壁等)に光を照明するダウンライト等の埋込型照明器具である。
図1及び図2に示すように、照明器具1は、ベース部材10と、光源基板20と、取付部材30と、反射部材40と、光学部材50と、枠体60と、フィン70とを備える。
以下、照明器具1の各構成部材について、図1及び図2と共に他図を用いて詳細に説明する。なお、一部を除いて図示も説明もされていないが、照明器具1には、各構成部材同士を連結固定するためのねじ等が適宜設けられている。
[ベース部材]
ベース部材10について、図1及び図2を参照しつつ、図3及び図4を用いて説明する。図3は、ベース部材10への光源基板20の取付状態を示す斜視図である。図4は、図3に示したベース部材10、光源基板20及び取付部材30の分解斜視図である。図3及び図4も、図1及び図2と同様に、床側から見たときの斜視図である。図3及び図4では、フィン70等の図示が省略されている。
図1及び図2に示すように、ベース部材10は、照明器具1の器具本体である。本実施形態において、ベース部材10は、照明器具1の外郭部材であり、ベース部材10の外周面は、照明器具1の外郭面を構成する。
ベース部材10は、光源基板20が取り付けられる取付台として機能する。光源基板20は、ベース部材10の内側底面に取り付けられる。
また、ベース部材10は、有底円筒形状をなし、円形状の底部11と、底部11の周縁に立設された円筒状の側壁部12とを有する。円形状の底部11の内側底面は、取付部材30によって光源基板20が取り付けられる取付面である。ベース部材10の底部11の外側底面には、複数のフィン70が放射状に立設されている。本実施形態では、16個のフィン70が設けられる例が示されている。
各フィン70は、例えば、金属板を曲げ加工して形成されている。また、各フィン70においてベース部材10に取り付けられる基部には、貫通孔が予め形成されており、この貫通孔にベース部材10の外側底面に突設された固定突起13が挿入された後に固定突起13の先端部が塑性変形されてつぶされる。これにより、各フィン70がベース部材10にかしめ固定される。なお、ベース部材10へのフィン70の固定は、かしめ固定に限定されるものではなく、例えばねじ止め等の他の固定手段が用いられてもよい。
このようにフィン70が取り付けられたベース部材10は、光源基板20で発生する熱を放熱するヒートシンクとしても機能する。したがって、ベース部材10は、金属材料等の熱伝導率の高い材料で構成されるとよい。光源基板20で発生した熱は、ベース部材10からフィン70に伝導して外気に放熱される。この場合、熱の一部は、ベース部材10から直に外気に放熱される。
なお、本実施形態ではフィン70が設けられた照明器具について説明するが、例えば小出力の照明器具ではフィンを省略して、光源基板で発生した熱をベース部材から外気に放熱する構成としてもよい。
ベース部材10は、例えばアルミニウム板等の金属板をプレス加工することで形成されている。図3及び図4に示すように、ベース部材10は、底部11と側壁部12とを有する。図4に示すように、底部11の中央には、突出部14が形成されている。突出部14は、ベース部材10の底部11に取り付けられる光源基板20側に扁平形状に突出して形成されている。突出部14は、底部11の外側底面の方から押し込むようにプレス加工により形成することができる。
突出部14は、平面視で非円形状に形成されている。より詳しくは、突出部14は、平面視でコーナー部が円弧状に形成された略四角形状に形成されている。ここで、突出部14のコーナー部のうち一方の対角に位置する2つのコーナー部14bは比較的大きな曲率半径に形成される。これに対し、他方の対角に位置する2つのコーナー部14cは比較的小さい曲率半径に形成されている。その結果、突出部14は、平面視でラグビーボールのような形状に形成されている。なお、突出部14は、平面視で例えば菱形、楕円形状等の他の非円形状に形成されてもよい。
突出部14の端面14aは、平坦面に形成されている。本実施形態では、突出部14の端面14aに、穴や開口は形成されていない。
図4に示すように、突出部14を挟んだ両側には、一対の突起部15が形成されている。一対の突起部15は、例えば、ベース部材10を構成する金属板の一部を押し出すようにプレス加工を施すことで形成される。本実施形態において、突起部15は、有底円筒形状となるように形成される。この場合、一対の突起部15のベース部材10の内側の先端面は、円形平面状である。底部11における各突起部15の高さは、同じである。一例として、各突起部15の高さは、1.6〜1.8mmである。また、各突起部15は、外形も同じである。一例として、各突起部15の外径は、約4mm程度である。なお、一対の突起部15の先端面は、円形平面状に限らす、矩形平面状であってもよい。
ベース部材10の底部11において、一対の突起部15の間に突出部14が形成されている。一対の突起部15は、突出部14の一方の対角に位置する比較的大きな曲率半径のコーナー部14bの近傍にそれぞれ配置されている。換言すれば、突出部14のコーナー部14bは、一対の突起部15と干渉しないように比較的大きな曲率半径の円弧状に形成されている。このようにすることで、突出部14は、一対の突起部15と干渉することなく分離した状態で形成することができる。
ベース部材10の底部11における突出部14の高さは、一対の突起部15の高さよりも低い。具体的には、突出部14の端面14aの高さは、一対の突起部15の先端面の高さよりも低くなっている。一例として、突出部14の高さは、1.5〜1.7mmである。このように突出部14の高さが一対の突起部15よりも低く形成されていることで、一対の突起部15上に光源基板20を載置した状態としたとき、突出部14の端面14aが光源基板20の裏面に近接して位置することになる。これについては、図5及び図6を参照して後に説明する。
図4に示すように、ベース部材10の底部11には、2つのねじ穴16が形成されている。これらのねじ穴16は、取付部材30を図示しないねじによってベース部材10にねじ止めするための雌ねじ孔である。
また、ベース部材10の底部11には、複数の凹所11aが形成されている。本実施形態では、底部11の径方向に3つずつ並んだ凹所11aの列が周方向に等間隔で放射状に形成されている。凹所11aは、上述したフィン70を固定するための固定突起13を絞り加工によって押し出すようにプレス加工することで形成されるものである。本実施形態では、各フィン70がそれぞれ3つの固定突起13によってかしめ固定される例が示されている。
さらに、図3及び図4に示すように、ベース部材10の側壁部12には、3つの切欠き部17a,17b,17cが周方向に間隔をあけて形成されている。これらの切欠き部17a,17b,17cは、光源基板20に給電するための電力ケーブル(図示せず)を照明器具1の内部から導出するための開口部を形成する。具体的には、3つの切欠き部17a,17b,17cのうち中央に位置する切欠き部17bを介してベース部材10の内側から外側に電力ケーブルを一旦導出する。そして、電力ケーブルを周方向に曲げて別の切欠き部17a(または17c)を通してベース部材10の内側に導入し、そこから電力ケーブルをさらに曲げて残りの切欠き部17c(または17a)を通してベース部材10の外側へ導出する。このように電線を配索することによって、電力ケーブルが切欠き部17a,17b,17cを通して側壁部12に巻き付けられていることで張力止めとして機能する。したがって、照明器具1の外部に延出した電力ケーブルに張力が作用した場合でも、電力ケーブルの端部が接続される光源基板との電気的接続部に張力が作用するのを防止できる。その結果、結束バンド(例えばインシュロック(登録商標))等を用いて電力ケーブルの張力止めを施す必要がなく、照明器具の施工作業や電力ケーブルの照明器具外部での接続作業などを容易かつ確実に行うことができる。
なお、本実施形態では3つの切欠き部17a,17b,17cを形成した例について説明したが、これに限定されない。ベース部材10の側壁部12に2つ以上の切欠き部が形成されていればよい。切欠き部が2つの場合、1つの切欠き部に電力ケーブルを2回通して電力ケーブルを切欠き部間に位置する側壁部分に一周巻くようにしてベース部材10から導出する。これにより、上述したのと同様に電力ケーブルの張力止めを構成することができる。
[光源基板]
光源基板20は、照明器具1の照明光となる光を発する。光源基板20は、図4に示すように、表面21a及び裏面21bを有する基板部21と、基板部21の表面に設けられた発光部22とを備えている。本実施形態において、光源基板20は、基板部21の表面21a上にLEDが直接実装されたCOB(Chip On Board)構造である。
基板部21は、LEDを実装するための実装基板である。基板部21は、例えば、セラミックス基板、樹脂基板又はメタルベース基板等である。基板部21には、発光部22を構成するLEDを発光させるための直流電力を外部から受電するための一対の電極端子と、LED同士を電気的に接続するための所定パターンの金属配線とが形成されている。
発光部22は、基板部21に実装された複数のLEDと、複数のLEDを封止する封止部材とを有する。
LEDは、発光素子の一例であり、本実施形態では、単色の可視光を発するベアチップである。LEDは、例えば、通電されれば青色光を発する青色LEDチップである。LEDは、例えば基板部21上にマトリクス状に複数個配置されている。なお、LEDは、少なくとも1つ配置されていればよい。
封止部材としては、例えば透明樹脂が用いられる。本実施形態における封止部材は、LEDからの光を波長変換する波長変換材として蛍光体を含んでいる。封止部材は、例えば、シリコーン樹脂に蛍光体を分散させた蛍光体含有樹脂である。蛍光体としては、LEDが青色光を発光する青色LEDチップである場合、白色光を得るために、例えば、YAG系の黄色蛍光体を用いることができる。本実施形態において、封止部材は、全てのLEDを一括封止するように円形状に形成されているが、複数のLEDを列ごとにライン状に封止してもよいし、各LEDを1つずつ個別に封止してもよい。
このように構成される光源基板20は、図2及び図3に示されるように、ベース部材10に保持される。本実施形態において、光源基板20は、取付部材30によってベース部材10に取り付けられている。
[取付部材]
取付部材30は、光源基板20をベース部材10に取り付けるための部材である。図3及び図4に示すように、本実施形態において、取付部材30は、第1のホルダ31と第2のホルダ32とによって構成されている。
図3及び図4に示すように、第1のホルダ31には、ねじ33が挿通される貫通孔31aが形成されている。また、第2のホルダ32にも、ねじ33が挿通される貫通孔32aが形成されている。これらの貫通孔31a,32aにねじ33を挿通し、ねじ33をベース部材10のねじ穴16にねじ込むことによって、第1のホルダ31及び第2のホルダ32をベース部材10に固定することができる。このとき、第1のホルダ31及び第2のホルダ32によって光源基板20を保持した状態で第1のホルダ31及び第2のホルダ32を固定することで、光源基板20をベース部材10に取り付けることができる。
第1のホルダ31は、光源基板20の水平方向(XY片面に平行な方向)の移動を規制する。つまり、第1のホルダ31は、光源基板20の水平方向の位置を決めている。
第1のホルダ31は、光源基板20を囲むように形成された枠状の部材である。第1のホルダ31は、矩形状の開口部34を有し、その開口部周縁が基板保持部となっている。この開口部周縁に光源基板20が保持されたとき、図3に示すように、光源基板20の発光部22が露出した状態となる。第1のホルダ31は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)又はポリカーボネート等の絶縁性樹脂材料によって構成される。なお、第1のホルダ31には、周縁部に側壁31bが立設されており、この側壁31bによって第1ホルダ31の強度が確保されると共に、光源基板20の配置領域内に外部から虫が入り込むのを抑制できる。
一方、第2のホルダ32は、光源基板20の光軸Jの方向(Z軸方向)の移動を規制する。つまり、第2のホルダ32は、光源基板20の光軸Jの方向の位置を決めている。また、第2のホルダ32は、光源基板20を保持する機能だけでなく、通電用コネクタとしても機能する。例えば、第2のホルダ32は、絶縁性樹脂材料からなるホルダ本体32bと、ホルダ本体に固定された導電性のコネクタ部36とを有する。ホルダ本体32bは、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)又はポリカーボネート等の絶縁性樹脂材料によって構成される。コネクタ部36は、電力ケーブル(図示せず)と電気的に接続される導電性の接続端子であり、例えば、金属製の端子板である。本実施形態において、コネクタ部36は、一方の端部がいわゆる速結端子として構成され、銅板等の金属板に折り曲げ加工等を施すことで形成される。また、コネクタ部36の他方の端部は、光源基板20の基板部21上に設けられた電極端子に接触する。具体的には、第2のホルダ32が第1のホルダ31を介してベース部材10にねじ止め固定されたとき、コネクタ部36の他方の端部は、光源基板20の電極端子を付勢して電気的に接続される。
[反射部材]
図2に示すように、反射部材40は、光源基板20が発する光を反射することによって光源基板20からの光の配光を制御する。本実施形態では、反射部材40は、光源基板20からの光を光学部材50に向けて反射させる。反射部材40は、光軸Jが貫通する開口が形成された略筒状の反射板である。光源基板20からの光は、反射部材40の内面で反射する。
反射部材40は、例えば白色樹脂材料によって形成することができる。反射部材40を構成する樹脂材料としては、例えばポリブチレンテレフタレート等を用いることができる。なお、反射部材40は、樹脂成型品の内面にアルミニウム等の金属膜が形成されたものであってもよいし、あるいは、アルミニウム等の金属材料によって形成されたものであってもよい。
このように構成される反射部材40は、取付部材30に固定される。具体的には、反射部材40に形成された開口孔に取付部材30の第1のホルダ31に設けられた爪部を掛止することで、反射部材40を第1のホルダ31に固定することができる。
[光学部材]
図1及び図2に示される光学部材50は、透光性を有する透光部材であり、反射部材40で反射された光源基板20からの光を透過する。光学部材50は、光源基板20を覆うように配置され、これにより光源基板20を保護することができる。
光学部材50は、反射部材40からの光の配光を制御する配光制御機能を有してもよい。本実施形態において、光学部材50は、フレネルレンズであり、レンズ機能を有する。また、光学部材50の光出射側の表面には複数の凹凸が形成されてもよく、これにより光学部材は光拡散機能を有してもよい。
光学部材50は、透光性を有する透光性材料によって形成されている。具体的には、光学部材50は、アクリル、ポリカーボネート等の透明樹脂材料、又は、ガラス材料によって形成することができる。
[枠体]
図1及び図2に示される枠体60は、光学部材50から出射された光が入射される筒状の枠部材である。枠体60に入射された光は、枠体の内部を通って照明器具1の外部に出射される。本実施形態において、枠体60は、枠本体61と、補助反射部材62とを備える。
枠本体61は、略円筒状の枠体である。枠本体61の筒部の外径は、ベース部材10の外径より少し大きく形成されており、筒部の光出射側の端部に水平方向(XY軸方向)に沿って外側へ張り出した環状のフランジ部61aを有する。枠本体61は、例えばアルミニウム等の金属材料又はポリブチレンテレフタレート等の樹脂材料によって形成することができる。枠本体61は、図示しないねじによってベース部材10に固定される。
補助反射部材62は、枠本体61の内側に配置された補助反射板である。具体的には、補助反射部材62は、内径が光出射側に向かって漸次大きくなるように形成されたカップ状の枠体である。補助反射部材62は、例えば、アルミニウム等の薄い金属板で形成されている。補助反射部材62は、枠本体61に保持されている。
枠本体61の外面には、取付バネ63が取り付けられている。本実施形態では、3つの取付バネ63が枠本体61の外周面に周方向等間隔で取り付けられている。取付バネ63は、照明器具1を天井等の被取付部に取り付けるための弾性部材であり、例えば、板バネ構造を有する。取付バネ63は、例えば、長尺状の金属板によって形成されている。
[光源基板の取付構造]
次に、光源基板20のベース部材10への取付構造について、図1〜4を参照しつつ、図5及び図6を用いて説明する。図5は、ベース部材10に取り付けられた光源基板20の平面図(床側から見たときの平面図)である。図6は、図5に示した光源基板20(およびベース部材10)のB−B断面図である。なお、図6では、取付部材30及びフィン70の図示が省略されている。
上述したように、光源基板20は、取付部材30によってベース部材10の底部11の内側底面に取り付けられている。図5に示すように、光源基板20は、平面視で矩形状の外形をなし、その中央に発光部22が配置されている。本実施形態では、光源基板20の外形輪郭を形成する基板部21は正方形状に形成され、発光部22は円形状に形成されている。
光源基板20は、取付部材30によってベース部材10の底部11に押し付けられた状態で固定される。このとき、光源基板20は、図6に示すように、底部11に形成された一対の突起部15の各先端面に接触して支持される。突出部14は、一対の突起部15の間において光源基板20の裏面に対向して位置し、一対の突起部15よりも高さが低く形成されている。そのため、突出部14の端面14aは光源基板20の裏面(すなわち基板部21の裏面)に近接しており、光源基板20の裏面と突出部14の端面14aとの間に隙間が形成される。この隙間に熱伝導部材19が設けられている。熱伝導部材19は、突出部14の端面14aと光源基板20の裏面とに接触して配置されている。これにより、光源基板20の発光部22で発生した熱は、熱伝導部材19を介してベース部材10に効率良く伝導され、ベース部材10及びフィン70から外気に放熱される。
熱伝導部材19は、柔軟性を有し且つ熱伝導性が良好な材料によって構成されるのが好ましい。具体的には、本実施形態では、熱伝導部材19は、例えばグリス等の流動性を有する材料によって構成することができる。ただし、これに限定されるものではなく、熱伝導部材19は、押しつぶれ可能な柔軟材料からなる熱伝導シートで構成されてもよい。
再び図5を参照すると、一対の突起部15は、光源基板20の一方の対角に位置する2つの角部近傍の裏面に当接しているが、突出部14の端面14aは近接して位置するだけである。したがって、光源基板20は、一対の突起部15によって二点支持の状態で取り付けられている。
仮に、突出部14の端面14aが接触していると、光源基板20は三点支持状態となることがある。この場合、製造時の公差や誤差によって突出部14の高さが一対の突起部15より高くなっていると、取付部材30によって押し付けられた光源基板20に曲げ応力が発生し、特に、セラミックス等の脆い材料で基板部21が構成される場合には光源基板20が変形したり割れたりして損傷するおそれがある。これに対し、本実施形態では、光源基板20は一対の突起部15により二点支持状態で取り付けられるため、曲げ応力が作用した状態で取り付けられにくくなり、光源基板20の損傷を抑制できる。
図5に示すように、扁平形状で且つ平面視非円形に形成されている突出部14は、平面視で光源基板20の発光部22を包含する大きさに形成されている。具体的には、本実施形態では、突出部14の端面14aにおいて比較的大きな曲率半径を有する円弧状に形成された2つのコーナー部14bは、発光部22と同心状に位置し、発光部22の外周縁近傍で外側に位置している。また、突出部14の端面14aにおいて比較的小さい曲率半径を有する他の2つのコーナー部14cは、発光部22の外周縁から離れて位置し、正方形状をなす光源基板20の角部に向かって延出している。これにより、突出部14の端面14aは、光源基板20の裏面に対し、一対の突起部15が当接する部分と基板部21の外周縁部とを除いた領域において、発光部22よりもかなり広い面積でもって、熱伝導部材19を介して面接触している。
このような形状に突出部14が形成されていることで、突出部14を発光部22に対応する大きさの円形状に形成した場合に比べて、熱伝導部材19を介して光源基板20に接触する突出部14の端面14aの面積を広くすることができる。その結果、光源基板20からベース部材10への伝熱がより良好となり、ベース部材10及びフィン70を介しての放熱性能を向上させることができる。
また、図6に示すように、ベース部材10において底部11の内側底面とは反対側の外側底面(外側面)には、突出部14に対応する形状の凹部18が形成されている。この凹部18は、ベース部材10が金属板をプレス加工によって製造するために形成されるものである。このようにベース部材10をプレス加工で製造することで、例えばダイキャストで製造する場合に比べて、量産性に富み、かつ、製造コストを低減することがきる。
さらに、図6に示すように、光源基板20の取付面となる内側底面における突出部14の根元部14dはアール形状に形成されている。ベース部材10を金属板のプレス加工で製造する場合、突出部14の根元部14dをこのように湾曲した形状に形成することで、根元部14dで肉厚が局所的に薄く形成されるのを避けることができる。その結果、光源基板20から熱伝導部材19を介して突出部14に伝導した熱を突出部14の周囲に位置する底部11の外側部分に良好に伝導することができ、放熱性能を向上させることができる。
上述したように本実施形態における光源基板の取付構造は、表面及び裏面を有し、表面に発光部22が設けられている光源基板20と、光源基板20が取り付けられる取付面を有するベース部材10とを備える。ベース部材10の取付面には、扁平形状で且つ平面視非円形の突出部14が光源基板20の裏面に形成されており、突出部14の平坦な端面14aが光源基板20の裏面に近接している。
この構成によれば、光源基板20に近接する突出部14の端面14aを、発光部22の形状に対応した大きさの円形状に形成する場合に比べて、大きく形成することができる。その結果、光源基板20からの熱が伝導される面積を広く確保することができる。したがって、光源基板20からベース部材10への伝熱がより良好となり、ベース部材10を介しての放熱性能を向上させることができる。
また、本実施形態における光源基板20の取付構造では、突出部14の端面14aと光源基板20の裏面とに接触して熱伝導部材が配置されているのが好ましい。この構成によれば、光源基板20で発生した熱を突出部14に効率良く伝導することができ、ベース部材10を介しての放熱性能が向上する。
また、本実施形態における光源基板20の取付構造では、ベース部材10において取付面となる内側底面とは反対側の外側底面には、突出部14に対応する形状の凹部18が形成されているのが好ましい。この構成によれば、金属板をプレス加工してベース部材10を製造することができ、量産性に富み、かつ、製造コストを低減できる。
また、本実施形態における光源基板20の取付構造では、突出部14は、平面視で光源基板20の発光部22を包含する大きさに形成されているのが好ましい。この構成によれば、発光部22の作動時(発光時)に発生した熱を突出部14に効率良く伝導することができ、ベース部材10を介しての放熱性能が向上する。
さらに、本実施形態における光源基板20の取付構造では、光源基板20の底部11の内側底面における突出部14の根元部14dがアール形状に形成されているのが好ましい。この構成によれば、ベース部材10を金属板のプレス加工で製造する場合、根元部14dで肉厚が局所的に薄く形成されるのを避けることができる。その結果、光源基板20から熱伝導部材19を介して突出部14に伝導した熱を突出部14の周囲に位置する底部11の外側部分に良好に伝導することができ、放熱性能を向上させることができる。
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形や改良が可能である。
例えば、上記の実施形態においては、ベース部材10に2つの突起部15が設けられていたが、これに限定されない。ただし、突起部15は2つのみの方が、光源基板20への曲げ応力負荷による光源基板20の損傷を抑制するのに有利である。
また、上記の実施形態において、光源基板20は第1のホルダ31及び第2のホルダ32から構成される取付部材30によってベース部材10に取り付けられると説明したが、これに限定されない。例えば、取付部材はねじであってもよい。この場合、光源基板20の基板部21に貫通孔を設けて、この貫通孔にねじを直接挿入してベース部材10の底部11のねじ穴にねじ込むことで、光源基板20をベース部材10に取り付けることができる。
また、上記の実施形態において、光源基板20は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するように構成したが、これに限定されない。例えば、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDチップとを組み合わせることにより白色光を放出するように構成してもよい。
また、上記の実施形態において、LEDとして青色LEDチップを用いたが、これに限定されない。例えば、LEDとして、青色以外の色を発光するLEDチップを用いてもよい。この場合、蛍光体としては、LEDの発光波長に応じて適宜選択すればよい。
また、上記の実施形態において、光源基板20の基板部21上にLEDチップを直接実装したCOB構造としたが、これに限定されない。例えば、光源基板20として、SMD(Surface Mount Device)構造のLEDモジュールを用いてもよい。SMD構造のLEDモジュールは、発光部22として、SMDタイプの発光素子を1個又は複数個実装することで実現できる。SMDタイプの発光素子は、例えば、樹脂製のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部の中に実装したLEDチップと、パッケージの凹部内に封入された封止部材(蛍光体含有樹脂)を有するパッケージ型のLED素子である。
また、上記の実施形態では、発光素子としてLEDを例示したが、発光素子としては、半導体レーザ等の半導体発光素子、又は、有機EL(Electro Luminescence)や無機EL等のその他の固体発光素子を用いてもよい。
さらに、上記の実施形態における照明器具は、天井以外の被取付部に設置されてもよい。また、本開示は、ダウンライト以外の照明器具にも適用することができるし、照明用途以外の各種機器にも適用することができる。