以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
(実施の形態)
まず、実施の形態に係る照明器具1の概略構成について、図1、図2A及び図2Bを用いて説明する。図1は、実施の形態に係る照明器具1の斜視図である。図2Aは、図1のIIA−IIA線における同照明器具1の断面図であり、図2Bは、図1のIIB−IIB線における同照明器具1の断面図である。図2Cは、図1のIIC−IIC線における同照明器具1の断面図である。なお、図2A、図2B及び図2Cでは、断面のみを図示しており、奥行き方向に存在する構成については図示していない。
照明器具1は、例えば建物の天井等の被取付部に埋め込み配設されることにより下方(床や壁等)に光を照明するダウンライト等の埋込型照明器具である。本実施の形態では、照明器具1を基準にしたときに、照明器具1の鉛直下方(床側)を表側とし、照明器具1の鉛直上方(天井側)を裏側としている。
図1〜図2Cに示すように、照明器具1は、器具本体10と、光源20と、ホルダ30と、光学部材40、枠体50及び補助反射部材60とを備える。器具本体10、光源20、ホルダ30、光学部材40、枠体50及び補助反射部材60は、ネジ又は係止構造等によって連結されて灯具ユニットとして一体化されている。灯具ユニットは、天井に設けられた円形の開口孔に埋め込み配設される。
照明器具1は、さらに、光源20を発光させるための電力を光源20に供給する電源ユニット(不図示)を備えていてもよい。電源ユニットは、例えば、天井裏において灯具ユニットの近傍に配置されるが、これに限らない。
電源ユニットは、光源20を発光させるための電力を生成する電源回路を有する電源ボックスである。電源ユニットでは、電源回路によって、商用電源からの交流電力を直流電力に変換する。電源回路は、プリント回路基板と、プリント回路基板に実装された複数の電子部品とによって構成されている。電源回路は、例えば、金属製又は樹脂製のケースに収納されている。電源回路で生成された直流電力は、図3に示すように、複数の電線2を介して灯具ユニットの光源20に供給される。図3は、実施の形態に係る照明器具1に複数の電線2が接続された状態を示す図である。なお、図3では、取付バネ51は省略している。
図3に示すように、本実施の形態では、電線2は、複数である。具体的には、複数の電線2は、光源20に電力を供給するための給電用の一対の第1電線2a及び第2電線2bと、アース用の第3電線2cとを含んでいる。第1電線2a、第2電線2b及び第3電線2cは、例えばリード線であり、銅等からなる導電性の心線と、心線を被覆する絶縁性の樹脂被膜とによって構成されている。
本実施の形態において、光源20には、第1電線2a及び第2電線2bを介して直流電力が供給される。一例として、第1電線2aは、高電圧側の電力供給線であり、第2電線2bは、低電圧側の電力供給線である。また、第3電線2cは、アース線であり、器具本体10に接触している。これにより、器具本体10は、第3電線2cを介して保護接地される。
以下、照明器具1の灯具ユニットの各構成部材について、図1〜図3を参照しつつ、図4〜図8を用いて説明する。図4〜図8は、器具本体10、光源20及びホルダ30からなる照明器具1の光源取付構造を説明するための図である。図4は、同光源取付構造を裏側から見たときの斜視図であり、図5は、同光源取付構造を表側から見たときの斜視図である。図6は、同光源取付構造を裏側から見たときの分解斜視図であり、図7は、同光源取付構造を表側から見たときの分解斜視図である。図8は、図5のVIII−VIII線における同光源取付構造の断面図である。なお、図8では、断面のみを図示しており、奥行き方向に存在する構成については図示していない。
[器具本体]
器具本体10は、照明器具1の本体である。図1〜図8に示すように、器具本体10は、光源20配置されるベース部(基台)として機能する。具体的には、器具本体10は、光源20が配置される配置面10aを有しており、光源20は、器具本体10の配置面10aに配置されて器具本体10に取り付けられる。つまり、光源20が配置される配置面10aは、光源20が取り付けられる取付面である。
また、器具本体10は、光源20で発生する熱を放熱するヒートシンクとしても機能する。したがって、器具本体10は、金属材料等の熱伝導率の高い材料によって構成されているとよい。光源20で発生した熱は、器具本体10に伝導して外気に放熱される。本実施の形態において、器具本体10は、照明器具1の外郭部材であり、器具本体10の外面は照明器具1の外郭面を構成している。
器具本体10は、例えば略有底円筒形状であり、例えば、アルミニウム合金板等の金属板をプレス加工することによって形成することができる。なお、器具本体10は、プレス加工による板金製ではなく、アルミニウム合金等からなるダイキャスト製であってもよい。
器具本体10は、配置面10aを平面視した場合に、ホルダ30の電線挿通孔140と重なる位置に設けられた貫通孔11を有する(図4参照)。この構成により、図3に示すように、照明器具1の外部から電線2をホルダ30の電線挿通孔140に挿入することができる。具体的には、器具本体10の外面側から器具本体10の内側に配置されたホルダ30の電線挿通孔140に電線2を挿入することができる。これにより、電線2の結線作業を容易に行うことができる。しかも、電線2を照明器具1の外部から挿入することで、電線2が照明器具1の内部の部材によって電線2の線噛みが発生することを無くすことができるとともに、電線2が光源20の光の影になることを回避することができる。
詳細は後述するが、器具本体10の貫通孔11には、電線挿通孔140を有するホルダ30の筒部150が器具本体10の内部から外方に向かって挿入される。この構成により、電線2の結線作業を行う際に、筒部150が電線2をガイドするので、電線2を容易に電線挿通孔140に挿入することができる。これにより、電線2の結線作業を一層容易に行うことができる。
また、図6及び図7に示すように、器具本体10には、ホルダ30を器具本体10にネジ止めするための3つのねじ孔12aと、枠体50を器具本体10にネジ止めするための2つのねじ孔12bとが形成されている。ねじ孔12a及び12bは、貫通孔であり、図1に示すように、ねじ孔12a及び12bには、それぞれ、ねじ71及び72が挿通される。
図7に示すように、器具本体10は、突出部13及び一対の突起部14を有する。突出部13及び一対の突起部14は、器具本体10の内面(表側面)から光源20側に向かって突出するように形成されている。器具本体10をプレス加工で形成する場合、突出部13及び一対の突起部14は、深絞り加工等のプレス加工により形成することができる。
突出部13は、器具本体10の略中央部に形成されている。突出部13の上面は、光源20が配置される配置面10aであり、平面状である。一対の突起部14は、突出部13を挟むように形成されている。つまり、突出部13は、一対の突起部14の間に形成されている。器具本体10に光源20が配置されたときに、突出部13及び一対の突起部14は、光源20を支持する。
なお、本実施の形態では、配置面10aは、平坦面としたが、これに限るものではなく、湾曲面等であってもよい。また、配置面10aは、突出部13の上面としたが、これに限るものではなく、突出部13が形成されていない器具本体10の底面であってもよいし、器具本体10に形成された凹部の底面等であってもよい。
[光源]
光源20は、照明器具1の照明光となる光を発する。本実施の形態において、光源20は、LEDを有するLED光源であり、例えば白色光を発する。
図2A、図2B及び図7に示すように、光源20は、基板(光源基板)21と、発光部22とを備える光源モジュールとして構成されている。本実施の形態において、光源20は、LEDが基板21に直接実装されたCOB(Chip On Board)構造のLEDモジュールである。
基板21は、LEDを実装するための実装基板である。基板21は、例えば、セラミック基板、樹脂基板又はメタルベース基板等である。図7に示すように、基板21には、LEDを発光させるための直流電力を外部から受電する一対の第1給電端子21a及び第2給電端子21bと、LED同士を電気的に接続するための所定のパターンの金属配線(不図示)とが形成されている。本実施の形態において、基板21は、矩形状であるが、これに限らない。
発光部22は、基板21に実装された複数のLEDと、複数のLEDを封止する封止部材とを有する。
LEDは、発光素子の一例であり、本実施の形態では、単色の可視光を発するベアチップである。LEDは、例えば、通電されれば青色光を発する青色LEDチップである。LEDは、例えば基板にマトリクス状に複数個配置されている。なお、LEDは、少なくとも1つ配置されていればよい。
封止部材としては、例えば透光性樹脂が用いられる。本実施の形態における封止部材は、LEDからの光を波長変換する波長変換材として蛍光体を含んでいる。封止部材は、例えば、シリコーン樹脂に蛍光体を分散させた蛍光体含有樹脂である。蛍光体粒子としては、LEDが青色光を発光する青色LEDチップである場合、白色光を得るために、例えばYAG系の黄色蛍光体を用いることができる。
本実施の形態において、封止部材は、全てのLEDを一括封止するように平面視形状が円形となるように形成されている、封止部材の外形は、発光部22の外形を規定するので、発光部22の平面視形状も円形である。なお、封止部材は、円形以外の形状(例えば矩形状)となるようにLEDを一括封止してもよい。また、封止部材は、全てのLEDを一括封止するのではなく、複数のLEDを列ごとにライン状に封止してもよいし、各LEDを1つずつ個別に封止してもよい。
このように構成される光源20は、図2A及び図2Bに示すように、ホルダ30によって器具本体10に保持される。本実施の形態において、光源20は、器具本体10の配置面10aに配置されて器具本体10に固定されている。具体的には、光源20は、基板21が突出部13の上面(配置面10a)に載置されることで突出部13に配置される。このとき、光源20は、一対の突起部14の上面にも配置されることになる。
なお、光源20と器具本体10の配置面10aとの間には、熱伝導シート又はグリース等の熱伝導部材が挿入されていてもよい。具体的には、光源20の基板21と器具本体10の配置面10aとの間に熱伝導部材が挿入される。
[ホルダ]
ホルダ30は、光源20を器具本体10に固定するための部材である。したがって、光源20は、ホルダ30によって器具本体10に固定される。具体的には、ホルダ30が器具本体10に取り付けられることで光源20が器具本体10に固定される。より具体的には、図2A及び図2Bに示すように、ホルダ30は、光源20の光出射側に配置されており、光源20の基板21とホルダ30の一部と器具本体10との間に挟むことで光源20を器具本体10に固定することができる。
また、ホルダ30は、光源20からの光を反射する反射部(反射板)180を有する。つまり、ホルダ30は、反射板と一体に構成された反射板一体型の光源固定用ホルダであり、光源20を器具本体10に固定する機能を有するとともに、光源20から出射する光を反射する機能を有する。これにより、ホルダ30を器具本体10に装着するだけで、光源20を固定すると同時に反射板を器具本体10に装着することができる。したがって、別途反射板をホルダ30に取り付ける必要がないので、照明器具1の組み立て作業を簡素化することができる。
なお、ホルダ30の詳細な構成は後述する。
[光学部材]
光学部材40は、透光性を有する透光部材であり、光源20から出射した光を透過する。図2A〜図2Cに示すように、光学部材40は、光源20を覆うように配置される。本実施の形態において、光学部材40は、光源20の光出射側に配置されたホルダ30を覆うように配置されている。したがって、光学部材40には、光源20から出射した光のうちホルダ30の反射部180で反射せずに進行する光が入射するとともに、光源20から出射した光のうちホルダ30の反射部180で反射した光が入射する。
光学部材40は、光源20からの光の配光を制御する配光制御機能を有してもよい。本実施の形態において、光学部材40は、レンズ機能を有する。具体的には、光学部材40は、フレネルレンズであり、光源20の光を集光する機能を有する。また、光学部材40の光出射側の表面には複数の凹凸が形成されており、光学部材40は光拡散機能も有する。これにより、光学部材40を透過する光を散乱して、光学部材40から出射する光(本実施の形態で、照明器具1の照明光)の均斉度を向上させることができる。
光学部材40は、透光性を有する透光性材料によって構成されている。具体的には、光学部材40は、アクリルやポリカーボネート等の透明樹脂材料、又は、ガラス材料によって構成されている。
なお、光学部材40は、レンズ機能及び光拡散機能のうちレンズ機能のみ又は光拡散機能のみを有していてもよい。また、光拡散機能は、凹凸構造に限らず、光学部材40の内部に光拡散材を分散させることで実現してもよいし、乳白色の拡散膜を光学部材40の表面に形成することで実現してもよい。あるいは、光学部材40は、レンズ機能及び光拡散機能の配光制御機能を有さずに、一定の板厚の透光パネルであってもよい。この場合、透光パネルは、平坦な板状のフラットパネルであってもよいし、湾曲した湾曲パネルであってもよい。
[枠体]
図2A〜図2Cに示すように、枠体50は、光学部材40から出射された光が通過する筒状の枠部材である。光学部材40を透過した光源20の光は、枠体50を通過して照明器具1の外部に出射される。
本実施の形態において、枠体50は、略円筒状の枠体である。枠体50の外径は、器具本体10の外径と同程度である。枠体50は、例えばアルミニウム等の金属材料又はポリブチレンテレフタレート(PBT)等からなる硬質の樹脂材料によって形成することができる。枠体50は、ねじ72によって器具本体10に固定される。
枠体50は、照明器具1の外郭部材であり、枠体50の外面は照明器具1の外郭面を構成している。なお、枠体50は、径方向の外向きに突出するフランジ部50aを有する。フランジ部50aは、枠体50の光出射側(床側)の開口部の縁部に設けられている。
図1に示すように、枠体50の外面には、取付バネ51が取り付けられている。本実施の形態では、2つの取付バネ51が枠体50の外周面に取り付けられている。取付バネ51は、照明器具1(灯具ユニット)を天井等の被取付部に固定するための弾性部材であり、例えば板バネ構造を有する。取付バネ51は、例えば長尺状の金属板によって形成されている。
照明器具1(灯具ユニット)を天井の開口部に配設する際、枠体50のフランジ部50aを天井面に係止させて、枠体50の側面と天井の開口部の内側面との間で取付バネ51を弾性変形させ、取付バネ51のバネ復元力を利用して照明器具1を天井の開口部に固定する。
[補助反射部材]
補助反射部材60は、枠体50の内側に配置された補助反射板である。補助反射部材60は、略円筒状の枠体である。具体的には、図2A〜図2Cに示すように、補助反射部材60は、内径が漸次大きくなるように形成されたカップ状の枠体である。補助反射部材60は、枠体50に保持されている。
本実施の形態において、補助反射部材60は、アルミニウム又は鉄等の金属材料によって構成されている。例えば、補助反射部材60は、例えば金属板にプレス加工等を施すことによって作製することができる。なお、補助反射部材60は、金属材料に限るものではなく、PBT等からなる硬質の樹脂材料によって形成されていてもよい。この場合、補助反射部材60は、硬質の白色樹脂材料によって構成された樹脂成型品であってもよいし、樹脂成型品に金属膜等の反射膜が形成されたものであってもよい。
[ホルダの詳細な構造]
次に、ホルダ30の詳細な構造について、図1〜図8を参照しながら、図9〜図15を用いて説明する。図9は、実施の形態に係るホルダ30の斜視図であり、図10は、同ホルダ30の分解斜視図である。図11は、図10に示す同ホルダ30において、第2部品102を外した状態を示す斜視図であり、図12は、図10に示す同ホルダ30において、第2部品102及び第3部品103を外した状態を示す斜視図である。図13は、図5において、同ホルダ30の押さえ部160を通る断面で切断したときの光源取付構造の断面図である。図14A及び図14Bは、同ホルダ30における複数の導電板200(第1導電板200a、第2導電板200b、第3導電板200c)の斜視図であり、図15は、同複数の導電板200の配置例を示す平面図である。なお、図15において、ホルダ30の外形は模式的に表している。また、図15において、収納部130の領域には便宜上ハッチングを施している。
本実施の形態におけるホルダ30は、光源20を器具本体10に保持させる保持部材として機能するだけではなく、複数の電線2と光源20とを電気的に接続する接続部材としても機能する。
図9及び図10に示すように、ホルダ30は、ホルダ本体100と、光源20と電気的に接続される複数の導電板200とを有する。
ホルダ本体100は、絶縁樹脂材料等によって構成された絶縁部材である。導電板200は、金属材料等の導電材料によって構成された導電部材であり、本実施の形態では、複数の導電板200には、第1導電板200a、第2導電板200b及び第3導電板200cが含まれる。
まず、ホルダ本体100の構成について説明する。図9〜図12に示すように、ホルダ本体100は、全体として枠状の形状を有しており、光源20から出射する光が通る開口部110を有する。本実施の形態において、開口部110の開口形状は円形であるが、これに限らない。
また、ホルダ本体100は、器具本体10に対する光源20の位置決めをする位置決め部120と、複数の導電板200が収納される収納部130と、複数の導電板200と一対一に接続される複数の電線2の各々が挿通される複数の電線挿通孔140とを有する。各電線2は各導電板200に接続されるので、各電線挿通孔140には、各導電板200に接続される電線2が挿通される。
ホルダ本体100の位置決め部120は、光源20の配置面10aに対する水平方向の動きを規制する。具体的には、位置決め部120は、光源20の基板21が位置決め部120に当接することで、光源20が配置面10aに対して水平方向に移動しないように光源20を保持している。これにより、光源20を器具本体10の所定の位置に簡単に固定することができる。したがって、光源20と器具本体10との組み立てを容易に行うことができる。
本実施の形態において、位置決め部120は、ホルダ本体100の裏側に立設する位置決め壁である。位置決め部120(位置決め壁)は、板状に形成されており、器具本体10とライン状に接触している。つまり、位置決め部120の先端面が、器具本体10の配置面10aとライン状に接触している。これにより、光源20の周辺に虫や埃が入り込むことを抑制することができるので、虫の死骸や埃等によって光源20の光に黒点の影が発生することを抑制できる。本実施の形態では、位置決め部120の先端部が先細りのテーパ状に形成されている。
また、位置決め部120(位置決め壁)は、ホルダ30においては、開口部110を囲むように枠状に形成されている。さらに、位置決め部120は、図2B及び図8に示すように、光源20に対しては、光源20の基板21を囲むように形成されている。これにより、光源20の周辺に虫や埃が侵入することを一層抑制することができる。
本実施の形態では、基板21の平面視形状が矩形状であるので、位置決め部120は、矩形枠状に形成されている。したがって、光源20は、矩形状の基板21の4つの端面(4辺)が、位置決め部120の4つの内面に当接することで、水平方向(縦方向及び横方向)の動きが規制されることになる。なお、基板21の4つの端面と位置決め部120の4つの内面との間には、僅かな隙間(クリアランス)が存在していてもよい。
図10及び図12に示すように、ホルダ本体100の収納部130は、第1導電板200a、第2導電板200b及び第3導電板200cを収納するとともに、第1導電板200a、第2導電板200b及び第3導電板200cを保持するように構成されている。なお、収納部130は、複数の電線200の一部を収納する電線収納部としても機能する。収納部130は、位置決め部120の外側に設けられている。
ホルダ本体100は、収納部130の収納スペースを規定する収納壁130aを有する。収納壁130aは、ホルダ本体100の裏側に立設している。具体的には、収納壁130aは、位置決め部120と同様に、板状に形成されており、器具本体10とライン状に接触している。収納壁130aの器具本体10側の端面と、位置決め部120(位置決め壁)の器具本体10側の端面とは、面一である。これにより、光源20の周辺に虫や埃が侵入することをさらに抑制することができる。
本実施の形態において、図15に示すように、収納部130は、位置決め部120に隣接する収納スペースである第1収納部131と、第1収納部131よりも外方に、且つ、器具本体10の配置面10aに対して略水平方向に突出する第2収納部132とを有する。第2収納部132は、矩形枠状の位置決め部120の角部に設けられている。
図9及び図10に示すように、複数の電線挿通孔140は、複数の電線2の本数に対応して設けられている。本実施の形態では、図3に示すように、第1電線2a、第2電線2b及び第3電線2cの3本の電線2が用いられているので、ホルダ本体100には、第1電線挿通孔140a、第2電線挿通孔140b及び第3電線挿通孔140cの3つの挿通孔が設けられている。
ホルダ本体100は、複数の電線2ごとに電線挿通孔140が設けられた複数の筒部150を有する。つまり、複数の筒部150は、ホルダ本体100に設けられている。
図1及び図4に示すように、複数の筒部150は、器具本体10の裏面から突出している。これにより、筒部150に電線2を挿入する際に電線2が筒部150によってガイドされるので、電線2を容易に電線挿通孔140に挿入することができる。したがって、電線2の結線作業を容易に行うことができる。
本実施の形態において、複数の筒部150は、器具本体10の貫通孔11を通って器具本体10の裏面から鉛直方向に突出している。これにより、筒部150が器具本体10の裏側に突出する構造を容易に実現することができ、器具本体10の裏側から電線2を筒部150に差し込むことで電線2の結線作業を行うことができる。したがって、電線2のホルダ30への結線作業を容易に行うことができる。
図1及び図4に示すように、器具本体10の貫通孔11は、複数の筒部150を囲む1つの開口によって構成されている。つまり、貫通孔11は、複数の筒部150に共通する1つの開口を有する。この構成により、ホルダ30に複数の筒部150が設けられている場合であっても、ホルダ30を器具本体10に組み付ける際に、器具本体10の裏側に複数の筒部150を容易に突出させることができる。つまり、複数の筒部150を器具本体10の貫通孔11から突出させる構造であっても、ホルダ30と器具本体10との組み立て作業を容易に行うことができる。
複数の筒部150には、第1電線挿通孔140aを有する第1筒部150aと、第2電線挿通孔140bを有する第2筒部150bと、第3電線挿通孔140cを有する第3筒部150cとが含まれる。第1筒部150aには、給電用の第1電線2aが挿通され、第2筒部150bには、給電用の第2電線2bが挿通され、第3筒部150cには、アース用の第3電線2cが挿通される。
本実施の形態では、第1筒部150a、第2筒部150b及び第3筒部150cのうち、第1筒部150a及び第2筒部150bが貫通孔11を突き抜けている(図2C参照)が、第3筒部150cは、貫通孔11から突出しておらず、第3筒部150cの端面は、器具本体10の裏面と面一となっている(図2B参照)。
また、複数の筒部150は、一列に並んでいる。本実施の形態では、第1筒部150a、第2筒部150b及び第3筒部150cの3つの筒部150が、一列に並んでいる。具体的には、アース用の第3電線2cが挿通される第3筒部150cが、給電用の第1電線2aが挿通される第1筒部150aと給電用の第2電線2bが挿通される第2筒部150bとの間に位置している。一例として、隣り合う2つの筒部150の間隔は5mmである。
また、複数の筒部150のうち隣り合う2つの筒部150の高さが異なっている。この構成により、隣り合う2つの筒部150の間に水が溜まることを抑制できるので、水が筒部150内に浸入して、給電用の2つの電線が短絡したり給電用の電線がアース用の電線を介して地絡したりすることを抑制できる。しかも、隣り合う2つの筒部150の高さを異ならせることで筒部150の極性の視認性を向上させることができ、電線2の差し間違いを防止することもできる。
本実施の形態では、3つの筒部150のうち真ん中に配置された第3筒部150cの高さが、第3筒部150cの両サイドに配置された第1筒部150aの高さ及び第2筒部150bの高さよりも低くなっている。なお、第1筒部150aの高さと第2筒部150bの高さとは、同じである。
図9及び図10に示すように、ホルダ本体100は、さらに、光源20を器具本体10側に押さえ付ける押さえ部160を有する。図13に示すように、押さえ部160は、光源20の基板21の表面を押さえている。
押さえ部160は、光源20が配置面10aに対して垂直方向(基板21の垂直方向)に移動することを規制する。具体的には、押さえ部160は、弾性変形可能な形状となっており、光源20がホルダ30によって器具本体10に固定されることで、光源20は押さえ部160から付勢力を受けることになる。つまり、光源20には、押さえ部160の弾性復元力によって器具本体10側への押圧力が付与される。これにより、光源20は、基板21の垂直方向に動かないようにホルダ30と器具本体10との間に保持される。このように、ホルダ30に押さえ部160を設けることによって、より簡単に光源20を器具本体10の所定の位置に固定することができる。
なお、図9〜図11に示すように、ホルダ本体100には、光学部材40を保持する保持爪170が設けられている。光学部材40は、光学部材40の端部が保持爪170に係止されることで、ホルダ本体100に保持される。
図10に示すように、本実施の形態において、ホルダ本体100は、第1部品101と、第2部品102と、第3部品103との3つの部品によって構成されている。
第1部品101は、ホルダ本体100の主要部品となる樹脂ボディである。第1部品101は、開口部110、位置決め部120及び収納部130を有する。つまり、第1部品101には、開口部110、位置決め部120及び収納部130が設けられている。
第2部品102及び第3部品103は、第1部品101の収納部130を覆う樹脂カバーである。具体的には、第3部品103は、第1部品101の収納部130全体を覆っている。一方、第2部品102は、第3部品103を介して第1部品101の収納部130の第2収納部132のみを覆っている。
第2部品102は、複数の電線挿通孔140を有する。つまり、第2部品102には、複数の電線挿通孔140が設けられている。具体的には、第2部品102は、各々に電線挿通孔140が設けられた複数の筒部150を有する。本実施の形態において、第2部品102には、第1電線挿通孔140aを有する第1筒部150aと、第2電線挿通孔140bを有する第2筒部150bと、第3電線挿通孔140cを有する第3筒部150cとが設けられている。
第3部品103は、押さえ部160を有する。つまり、第3部品103には、押さえ部160が設けられている。なお、第3部品103には、複数の電線挿通孔140の各々に対応する複数(本実施の形態では3つ)の挿通孔が設けられている。具体的には、図10及び図11に示すように、第3部品103は、第1電線挿通孔140aに連通する第1挿通孔103aと、第2電線挿通孔140bに連通する第2挿通孔103bと、第3電線挿通孔140cに連通する第3挿通孔103cとを有する。複数の筒部150の各々に挿通された複数の電線2は、この第3部品103の各挿通孔を通って収納部130に収納された複数の導電板200の各々に接続される。
また、第1部品101には、各導電板200と各電線2との接続を解除するための解除穴が設けられているとよい。この場合、解除穴に治具を挿入することによって、各導電板200と各電線2との結線状態を解除することができる。これにより、導電板200に結線した後であっても、電線2を引き抜くことができる。
第1部品101に設けられた解除穴は、第2部品102又は第3部品103によって覆われているとよい。これにより、第1部品101から第2部品102又は第3部品103を外さなければ解除穴を操作することができないので、照明器具1の設置現場等でユーザが電線2を不用意に引き抜いてしまうことを抑制できる。一方、照明器具1のメーカは、第1部品101から第2部品102又は第3部品103を外すことで解除穴を操作できるので、電線2の結線状態を簡単に解除することができる。
図2A及び図2Bに示すように、ホルダ本体100は、開口部110を通った光を反射する反射部180を有する。反射部180は、光源20から出射して開口部110を通った光を反射することによって光源20の光の配光を制御する。具体的には、反射部180は、光源20からの光を光学部材40に向けて反射させている。
本実施の形態において、反射部180は、第1部品101の一部である。この場合、例えば第1部品101全体を白色樹脂材料によって構成することで、反射部180の表面を反射面にすることができる。
第1部品101、第2部品102及び第3部品103は、例えば、PBT等からなる硬質の樹脂材料によって構成されている。また、第1部品101、第2部品102及び第3部品103のうち少なくとも第2部品102は、難燃性樹脂材料によって構成されているとよい。
本実施の形態では、第1部品101、第2部品102及び第3部品103は、いずれも同じベース樹脂材料によって構成されているが、性能が異なる。具体的には、第1部品101は、反射部180を有するので、反射性能に優れた樹脂材料によって構成されている。また、第2部品102は、難燃性(自己消化性)が高い樹脂材料によって構成されている。また、第3部品103は、電気絶縁性能に優れた樹脂材料によって構成されている。本実施の形態では、第1部品101と第2部品102とは同じ樹脂材料によって構成されている。したがって、第1部品101及び第2部品102は、反射性能及び電気絶縁性能に優れている。一方、第2部品102は難燃性に特化しており、第2部品102の難燃性は、第1部品101及び第3部品103の難燃性よりも高い。一例として、第2部品102の難燃性のグレードは、V−0であり、第1部品101及び第3部品103の難燃性のグレードは、HBである。このように、ホルダ本体100を複数の部品によって構成することで、適材適所の樹脂選定を行うことができる。
第1部品101及び第3部品103は、ねじ71によって器具本体10に固定される。また、第2部品102は、第2部品102に設けられた爪部が第1部品101に係止することで第1部品101に固定される。
次に、ホルダ本体100に収納される複数の導電板200について説明する。本実施の形態では、複数の導電板200(端子板)として、第1導電板200a、第2導電板200b及び第3導電板200cの3つの導電板が用いられる。
本実施の形態において、第1導電板200aには、給電用の第1電線2aが接続され、第2導電板200bには、給電用の第2電線2bが接続され、第3導電板200cには、アース用の第3電線2cが接続される。したがって、第1導電板200a及び第2導電板200bは、給電用の導電板であり、第3導電板200cは、アース用の導電板である。このように、給電用の第1導電板200a及び第2導電板200b以外のアース用の第3導電板200cを設けることで、照明器具1の保護接地を容易に実現することができる。
第1導電板200a、第2導電板200b及び第3導電板200cは、銅合金等の金属板を折り曲げ変形させることによって構成されている。第1導電板200a、第2導電板200b及び第3導電板200cを構成する金属板の厚みは、一例として、0.25mmである。
第1導電板200aは、第1電線2aが接続される電線接続端子部210aと、光源20の第1給電端子21aに接続される光源接続端子部220aと、電線接続端子部210aと光源接続端子部220aとを連結する連結部230aとを有する。電線接続端子部210aは、速結端子構造を有しており、電線接続端子部210aに挿入された第1電線2aの心線を挟み込む。具体的には、電線接続端子部210aは、第1電線2aの一部を収納する収納部130(電線収納部)において、器具本体10の裏面から表面に向かって弾性変形することで第1電線2aと接触する。
電線接続端子部210aは、第1電線2aの一部を収納する収納部130(電線収納部)とともに、器具本体10とホルダ30の反射部180(反射板)との間に位置する。また、光源接続端子部220aは、第1給電端子21aに接触する接点部を有する。連結部230aは、器具本体10の配置面10aに対して略水平方向に延在する延在部231aを有する。
本実施の形態において、第1導電板200aの連結部230aは、断面形状が略コの字形状となるように連結部230aの一部が屈曲された屈曲部232aを有する。
屈曲部232aは、連結部230aにおける電線接続端子部210a側の端部に形成されている。屈曲部232aは、延在部231aから折り曲げられ且つ光源接続端子部220a側に位置する第1屈曲板251と、電線接続端子部210aの根元から折り曲げられた第2屈曲板252と、第1屈曲板251と第2屈曲板252とを連結する第3屈曲板253とを有する。
さらに、第1導電板200aの連結部230aは、連結部230aの一部が折り曲げられた折曲片233aを有する。折曲片233aは、ホルダ本体100の一部に圧入されている。このように、第1導電板200aの折曲片233aをホルダ本体100に圧入することによって、ホルダ本体100に対する第1導電板200aの位置ずれを抑制することができる。
第2導電板200bは、第1導電板200aと同様に、第2電線2bが接続される電線接続端子部210bと、光源20の第2給電端子21bに接続される光源接続端子部220bと、電線接続端子部210bと光源接続端子部220bとを連結する連結部230bとを有する。電線接続端子部210bは、速結端子構造を有しており、電線接続端子部210bに挿入された第2電線2bの心線を挟み込む。具体的には、電線接続端子部210bは、第2電線2bの一部を収納する収納部130(電線収納部)において、器具本体10の裏面から表面に向かって弾性変形することで第2電線2bと接触する。
電線接続端子部210bは、第2電線2bの一部を収納する収納部130(電線収納部)とともに、器具本体10とホルダ30の反射部180(反射板)との間に位置する。また、光源接続端子部220bは、第2給電端子21bに接触する接点部を有する。連結部230bは、器具本体10の配置面10aに対して略水平方向に延在する延在部231bを有する。
第2導電板200bの連結部230bも、第1導電板200aと同様に、断面形状が略コの字形状となるように連結部230bの一部が屈曲された屈曲部232bを有する。
第2導電板200bでも、屈曲部232bは、連結部230bにおける電線接続端子部210b側の端部に形成されている。第2導電板200bの屈曲部232bは、第1導電板200aの屈曲部232aと同様に、延在部231bから折り曲げられ且つ光源接続端子部220b側に位置する第1屈曲板251と、電線接続端子部210bの根元から折り曲げられた第2屈曲板252と、第1屈曲板251と第2屈曲板252とを連結する第3屈曲板253とを有する。
さらに、第2導電板200bでも、連結部230bは、連結部230bの一部が折り曲げられた折曲片233bを有する。折曲片233bは、ホルダ本体100の一部に圧入されている。このように、第2導電板200bの折曲片233bをホルダ本体100に圧入することによって、ホルダ本体100に対する第2導電板200bの位置ずれを抑制することができる。
このように、第1導電板200a及び第2導電板200bに屈曲部232a及び232bを形成することによって、ホルダ本体100(第1部品101)に対する第1導電板200a及び第2導電板200bの位置ずれを、屈曲部232a及び232bによって吸収することができる。また、屈曲部232a及び232bが形成されていなければ、光源接続端子部220a及び220bが第1給電端子21a及び第2給電端子21bに圧接したときの接点ばねの弾性変形によって、第1導電板200a及び第2導電板200bがホルダ本体100との固定部(本実施の形態では、折曲片233a、233b)を支点として回転するおそれがあるが、屈曲部232a及び232bを形成することで、光源接続端子部220a及び220bの弾性変形による影響を受けにくくすることができる。
このように構成される第1導電板200aと第2導電板200bとは、図15に示すように、左右対称な位置関係でホルダ30の収納部130に収納されている。具体的には、第1導電板200aの延在部231aと第2導電板200bの延在部231bとは、ホルダ本体100の収納部130の第1収納部131に収納されている。また、第1導電板200aの電線接続端子部210aと第2導電板200bの電線接続端子部210bとは、ホルダ本体100の収納部130の第2収納部132に収納されている。このように、電線接続端子部210a及び210bを第1収納部131から外方に突出する第2収納部132に配置することで、第1電線2a及び第2電線2bの結線作業を容易に行うことができる。
なお、ホルダ30の収納部130は、器具本体10と反射部180とで構成された物体の投影面積内に収まっている。収納部130に収納された各導電板200全体が器具本体10と反射部180とで構成された物体の投影面積内に収まっている。
図16に示すように、ホルダ本体100は、第1導電板200aの屈曲部232a及び第2導電板200bの屈曲部232bの各々を支持する支持壁190を有する。第1導電板200aの屈曲部232aを支持する支持壁190は、屈曲部232aの第2屈曲板252の側面を支持し、第2導電板200bの屈曲部232bを支持する支持壁190は、屈曲部232bの第2屈曲板252の側面を支持する。なお、図16では、第1導電板200aの屈曲部232aを支持する支持壁190のみを図示しており、第2導電板200bの屈曲部232bを支持する支持壁190は図示していない。
また、図16に示すように、ホルダ30に組み込む前の第1導電板200a及び第2導電板200bでは、第2屈曲板252の折り曲げ度合は、第1屈曲板251の折り曲げ度合よりも緩くなっているとよい。つまり、第2屈曲板252の傾斜角θ2を、第1屈曲板251の傾斜角θよりも大きくしておくとよい。
そして、第1導電板200a及び第2導電板200bにおいて、ホルダ本体100との固定部である折曲片233a(又は233b)から第2屈曲板252までの距離をAとし、折曲片233a(又は233b)から第2屈曲板252の電線接続端子部210a側(又は電線接続端子部210b側)の端部までの距離をBとし、折曲片233a(又は233b)から支持壁190までの距離をCとすると、第1導電板200a(又は第2導電板200b)をホルダ本体100に固定する前において、A<C<Bの関係を満たしているとよい。つまり、第1導電板200a及び第2導電板200bの第2屈曲板252が支持壁190に支持される前において、A<C<Bの関係を満たしているとよい。
これにより、第1導電板200a及び第2導電板200bがズレて挿入されたとしても、図17に示すように、第1導電板200a(及び第2導電板200b)をホルダ本体100に組み込んだ後に、折り曲げ度合が緩い方の第2屈曲板252が支持壁190から押圧を受けて変形し、第1導電板200a(及び第2導電板200b)のB寸法(図16参照)は、強制的にホルダ本体100のC寸法(図16参照)に同じになる。これにより、ホルダ本体100(第1部品101)に対する第1導電板200a及び第2導電板200bの位置ずれを吸収することができる。
なお、図17では、第1導電板200aのみを図示しているが、第2導電板200bについても同様である。また、図17に示すように、第1屈曲板251及び第3屈曲板253もホルダ本体100の一部に支持される。
図14A及び図14Bに戻り、第3導電板200cは、第3電線2cが接続される電線接続端子部210cと、電線接続端子部210cから屈曲し、且つ、器具本体10に接触する器具本体接触部240cとを有する。つまり、第3導電板200cには、第1導電板200a及び第2導電板200bのような延在部が存在しない。
電線接続端子部210cは、速結端子構造を有しており、電線接続端子部210cに挿入された第3電線2cの心線を挟み込む。具体的には、電線接続端子部210cは、器具本体10の裏面から表面に向かって弾性変形することで第3電線2cと接触する。
また、図4に示すように、器具本体接触部240cは、器具本体10に設けられた貫通孔15に差し込まれることで器具本体10と接触する。具体的には、器具本体接触部240cが貫通孔15に差し込まれる前において、器具本体接触部240cの板幅は、器具本体10の貫通孔15の開口径よりも少し大きくなっている。器具本体接触部240cには、スリットが形成されている。これにより、器具本体接触部240cを貫通孔15の内面に摺動させながら貫通孔15に押し込むことで器具本体接触部240cが変形するので、器具本体接触部240cと貫通孔15の内面との接触状態を確保しつつ、器具本体接触部240cを貫通孔15内に容易に押し込むことができる。
第3導電板200cは、ホルダ本体100の収納部130の第2収納部132に収納されている。本実施の形態では、第3導電板200cには延在部が存在しないので、図15に示すように、第3導電板200cは第2収納部132のみに収納されている。つまり、第3導電板200cのほぼ全体が第2収納部132に収納されている。
これにより、第1導電板200aの電線接続端子部210aと第2導電板200bの電線接続端子部210bと第3導電板200cの電線接続端子部210cとを第2収納部132の1箇所にまとめて配置することができるので、第1電線2a、第2電線2b及び第3電線2cの結線作業を容易に行うことができる。
具体的には、第3導電板200cの電線接続端子部210cは、収納部130の収納スペースを規定する収納壁130aの内側に位置し、第3導電板200cの器具本体接触部240cは、収納壁130aの外側に位置している。つまり、第3導電板200cは、収納壁130aを跨いで配置されている。
また、本実施の形態では、図15に示すように、第3導電板200cの電線接続端子部210cは、第1導電板200aの電線接続端子部210bと第2導電板200bの電線接続端子部210bとの間に位置している。これにより、3つの電線接続端子部210a、210b、210cを1箇所にまとめつつも、給電用の第1電線2aが接続される電線接続端子部210aと給電用の第2電線2bが接続される電線接続端子部210bとを遠ざけることができるので、短絡等の電気的不具合が発生することを抑制できる。
さらに、第3導電板200cの電線接続端子部210cは、縦長形状であり、且つ、光源20の基板21の対角線の延長線上に位置している。また、第1導電板200aの光源接続端子部220a及び第2導電板200bの光源接続端子部220bは、その対角線を挟むように位置している。そして、平面視において、第3導電板200cは、第3導電板200cの電線接続端子部210cが横向きとなるように配置されている。これにより、本実施の形態のように、導電板200を光源20の周囲に平面的に配置したときに、ホルダ30の外形を小さくすることができる。この点について、図18及び図19を用いて説明する。
図18に示すように、第3導電板200cの電線接続端子部210cが縦長形状である場合に、第1導電板200aの電線接続端子部210a及び第2導電板200bの電線接続端子部210bと同様に、電線接続端子部210cが縦向きとなるように第3導電板200cを配置すると(つまり、基板21の対角線の方向が長手方向となるように電線接続端子部210cを配置すると)、ホルダ30Yに必要な最小径d(つまり、光源20の中心と基板21の角とを結ぶ直線上に配置された電線接続端子部210cの最外部位と、光源20の中心との距離)は大きくなってしまう。
一方、図19に示すように、第3導電板200cの電線接続端子部210cが縦長形状である場合に、本実施の形態のように、電線接続端子部210cが横向きとなるように第3導電板200cを配置すると、ホルダ30に必要な最小径dは、図18の場合と比べて小さくすることができる。したがって、の電線接続端子部210cが横向きとなるように第3導電板200cを配置するとよい。
このように構成されるホルダ30を用いて光源20を器具本体10に固定する場合、まず、器具本体10の配置面10a(突出部13の上面)に熱伝導部材を配置して、その上から光源20を配置する。具体的には、光源20の基板21と突出部13とで熱伝導部材を挟持するようにして光源20を配置する。
その後、ホルダ30によって光源20を押さえ付けるとともに、ホルダ30の筒部150が器具本体10の貫通孔11から突出するようにしてホルダ30を器具本体10に配置する。そして、器具本体10の裏側から器具本体10のねじ孔12aにねじ71を挿入してねじ71をホルダ30のねじ孔にねじ込む。これにより、光源20を器具本体10に押さえ付けた状態で固定することができる。このとき、ホルダ30の第1導電板200aの光源接続端子部220aが光源20の第1給電端子21aに圧接するとともに、ホルダ30の第2導電板200bの光源接続端子部220bが光源20の第2給電端子21bに圧接する。
その後、図20及び図21に示すように、器具本体10の貫通孔11から突出した複数の筒部150の各々に電線2を差し込んで、各電線2とホルダ30の導電板200とを結線する。図20は、図4のXX−XX線における光源取付構造の断面図であり、図21は、図21において、挿入された電線2とホルダ30の導電板200とが結線されたときの状態を示す断面図である。なお、図20及び図21では、断面のみを図示している。
図20及び図21に示すように、第1電線2aを第1筒部150aに挿入して、第1導電板200aの電線接続端子部210aに第1電線2aの先端部を接続させる。同様に、第2電線2bを第2筒部150bに挿入して、第2導電板200bの電線接続端子部210bに第2電線2bの先端部を接続させ、第3電線2cを第3筒部150cに挿入して、第3導電板200cの電線接続端子部210cに第3電線2cの先端部を接続させる。
これにより、第1電線2aと光源20の第1給電端子21aが第1導電板200aを介して電気的に接続されるとともに、第2電線2bと光源20の第2給電端子21bが第2導電板200bを介して電気的に接続される。また、第3電線2cは、第3導電板200cを介して器具本体10に電気的に接続される。
次に、実施の形態に係る照明器具1の作用効果の一つについて、本発明に至った経緯も含めて説明する。
従来より、光源を器具本体に固定するホルダとして、外部から電力を供給するための電線と光源とを電気的に接続する構造を有するものが知られている。
この種のホルダは、外部から電力を供給するための電線が挿通される電線挿通孔が設けられたホルダ本体と、ホルダ本体に固定された導電板とを有している。このように構成されるホルダでは、ホルダによって光源を照明器具に固定したときに、導電板の一方の端子部が光源の給電端子に接触する。そして、光源に電力を供給するための電線をホルダの電線挿通孔から挿入して押し込むことで、電線挿通孔の奥に位置する導電板の他方の端子部に電線を結線することができる。これにより、導電板を介して電線挿通孔に挿入された電線と光源とを電気的に接続することができる。
しかしながら、このようなホルダでは、導電板等を収納等して導電板等の充電部がホルダから露出しないように構成すると、ホルダの外形が大きくなる。
例えば、図22及び図23に示すように、光源20の基板21の側方において、ホルダ30Yに収納された導電板(不図示)に電線2を接続する場合、導電板等の充電部を露出させないようにするために必要なホルダ30Yの最外径は、図22及び図23の破線で示すように、大きくなってしまう。つまり、ホルダ30Yの外形が大きくなる。
そこで、図24に示すように、器具本体10Zの裏側から電線2の結線作業を行うことが考えられる。具体的には、各電線2が挿入される電線挿通孔が設けられた複数の筒部を有するホルダ30Zを用いて、複数の筒部を器具本体10Zの裏面から鉛直方向に突出させる構成が考えられる。
しかしながら、図24に示されるホルダ30Zの構成では、図24の上図に示すように、平面視におけるホルダ30Zの必要最外径を小さくできるものの、図24の下図に示すように、ホルダ30Zに収納された導電板(不図示)における電線2との接続部である電線接続端子部210Zが器具本体10Zの裏面よりも外側に位置しているので、照明器具の電線2の挿入方向(図24では、鉛直方向)の長さが大きくなる。つまり、照明器具の高さが高くなる。特に、ホルダ30Zだけではなく、ホルダ30Zの前方に配置された反射板180Zの高さも考慮した場合、照明器具の高さが大幅に高くなってしまうことになる。
このように、図22〜図24に示されるホルダでは、照明器具のサイズが大きくなり、照明器具の小型化を図ることが難しい。
これに対して、本実施の形態に係る照明器具1では、光源20を器具本体10に固定するホルダ30のホルダ本体100が、光源20と電気的に接続される導電板200が収納される収納部130と、導電板200に接続される電線2が挿通される電線挿通孔140とを有しており、導電板200は、電線2が接続される電線接続端子部を有する。
そして、器具本体10は、光源20が配置される配置面10aを平面視した場合に、電線挿通孔140と重なる位置に設けられた貫通孔11を有する。これにより、図25に示すように、器具本体10の裏側から電線2を電線挿通孔140に差し込むことができるので、導電板200等の充電部が露出しないようにホルダ30の収納部130に導電板200等を収納したとしても、平面視におけるホルダ30の必要最外径を小さくすることができる。つまり、ホルダ30を容易に小型化することができる。また、器具本体10の裏側から電線2を電線挿通孔140に差し込むことで、電線2と導電板200とを接続することができるので、電線2と導電板200との結線作業を容易に行うこともできる。
さらに、本実施の形態における照明器具1では、ホルダ30の収納部130に収納された導電板200の電線接続端子部が、器具本体10と反射部180(反射板)との間に位置している。具体的には、上述のように、ホルダ30の収納部130が器具本体10と反射部180とで構成された物体の投影面積内に収まっており、第1導電板200a、第2導電板200b及び第3導電板200cの全ての導電板200の電線接続端子部210a、210b及び210cが器具本体10と反射部180との間に位置している。
このように、本実施の形態における照明器具1では、器具本体10と反射部180との間のスペースを有効活用して導電板200の電線接続端子部を位置させている。つまり、(つまり、反射部180の裏のデッドスペースを利用して、電線2との結線部である導電板200の電線接続端子部を配置している。これにより、器具本体10の裏側から電線2を電線挿通孔140に差し込む構造であっても、照明器具1における電線2の挿入方向(図25では、鉛直方向)の長さを小さくすることができる。
以上、本実施の形態に係る照明器具1によれば、ホルダ30の外形が大きくなったり照明器具1の高さが高くなったりすることを抑制できるので、小型の照明器具1を実現することができる。
また、本実施の形態において、ホルダ本体100は、複数の電線2ごとに電線挿通孔140が設けられた複数の筒部150を有し、複数の筒部150は、器具本体10に設けられた貫通孔11を通って器具本体10の裏面から突出している。具体的には、器具本体10に設けられた貫通孔11は、複数の筒部150を囲む1つの開口によって構成されている。
これにより、器具本体10の裏側から電線2を電線挿通孔140に差し込む構造を容易に実現することができる。
また、本実施の形態において、ホルダ本体100は、収納部130を有する第1部品101と、電線挿通孔140を有する第2部品120とを有する。
これにより、第1部品101と第2部品120とによって形成される空間を利用して、導電板200の電線接続端子部を配置するスペースを容易に確保することができる。
また、本実施の形態において、ホルダ本体100は、光源20から出射する光が通る開口部110を有し、反射部180(反射板)は、開口部110を通った光を反射する。
これにより、開口部110を有する1つのホルダ30によって、光源20を器具本体10に固定することができる。
また、本実施の形態において、ホルダ30と反射部180(反射板)とは一体である。
このように、ホルダ30に反射部180を設けることによって、ホルダ30と反射部180(反射板)とを含めた内部構造の高さを低く抑えることができる。これにより、さらに照明器具1の小型化を図ることができる。
(その他の変形例)
以上、本発明について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態において、ホルダ30は、反射部180を有する反射板一体型の光源固定用ホルダであったが、これに限らない。具体的には、図26に示すように、ホルダ30Aと反射板180Aとが構造上分離されていてもよい。図26に示される本変形例において、ホルダ30Aは、上記実施の形態と同様に、複数の電線2の各々が挿通される複数の筒部150Aを有しており、器具本体10Aに設けられた貫通孔を介して複数の筒部150Aが器具本体10Aの裏面から突出するように器具本体10Aに配置されている。また、図示しないが、上記実施の形態と同様に、ホルダ30A内には電線2の数に応じた導電板が収納されており、筒部150Aから挿入された各電線2は、各導電板に接続される。具体的には、図26に示すように、第1電線2aは、第1導電板の電線接続端子部210aAに接続され、第2電線2bは、第2導電板の電線接続端子部210bAに接続される。そして、本変形例でも、電線接続端子部210aA及び210bAは、器具本体10Aと反射板180Aとの間に位置している。これにより、上記実施の形態と同様に、ホルダ30Aを小型化できるので、小型の照明器具を実現することができる。
また、上記実施の形態において、ホルダ30には、複数の導電板200が収納されていたが、これに限らない。例えば、複数の導電板200ごとに分離された複数のホルダによって光源20を器具本体10に固定してもよい。例えば、2ピース又は3ピースからなるホルダを用いて光源20を器具本体10に固定してもよい。
また、上記実施の形態では、複数の筒部150のうち隣り合う2つの筒部150の高さが異なるように構成したが、これに限らない。例えば、図27に示される照明器具1Bのように、複数の筒部150の高さが同一であってもよい。
また、上記実施の形態において、光源20は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するように構成したが、これに限らない。例えば、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDチップとを組み合わせることによりに白色光を放出するように構成しても構わない。
また、上記実施の形態において、LEDとして、青色LEDチップを用いたが、これに限らない。例えば、LEDとしては、青色以外の色を発光するLEDチップを用いても構わない。この場合、蛍光体としては、LEDの発光波長に応じて適宜選択すればよい。
また、上記実施の形態において、光源20は基板上にLEDチップを直接実装したCOB構造としたが、これに限らない。例えば、光源20として、SMD(Surface Mount Device)構造のLEDモジュールを用いても構わない。SMD構造のLEDモジュールは、基板21に、発光部22としてSMDタイプの発光素子を1個又は複数個実装することで実現できる。SMDタイプの発光素子は、例えば、樹脂製のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部の中に実装したLEDチップと、パッケージの凹部内に封入された封止部材(蛍光体含有樹脂)と有するパッケージ型のLED素子である。
また、上記実施の形態では、発光素子としてLEDを例示したが、発光素子としては、半導体レーザ等の半導体発光素子、又は、有機EL(Electro Luminescence)や無機EL等のその他の固体発光素子を用いてもよい。
また、上記実施の形態における照明器具は、天井以外の被取付部に設置されていてもよい。また、本発明は、埋め込み型の照明器具以外の照明器具に適用してもよいし、ダウンライト以外の照明器具に適用してもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。